JPH1171345A - 光学活性なピロリジン誘導体及びその中間体並びにそれらの製造法 - Google Patents

光学活性なピロリジン誘導体及びその中間体並びにそれらの製造法

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JPH1171345A
JPH1171345A JP9250009A JP25000997A JPH1171345A JP H1171345 A JPH1171345 A JP H1171345A JP 9250009 A JP9250009 A JP 9250009A JP 25000997 A JP25000997 A JP 25000997A JP H1171345 A JPH1171345 A JP H1171345A
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JP9250009A
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English (en)
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Masashi Nagamine
政志 永峰
Kuniaki Kondou
国晃 近藤
Makoto Goto
誠 後藤
Masanori Yoshida
正徳 吉田
Atsuo Nakazato
篤郎 中里
Toshihito Kumagai
利仁 熊谷
Kazuyuki Tomizawa
一雪 冨澤
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Nihon Nohyaku Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Nihon Nohyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な光学活性なピロリジン誘導体及びその
中間体並びにそれらの製造法の提供。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 〔式中、RはCH2COOH 、CH2CO-Ar又は 【化2】 (式中、R2 はアミノ、C1-5アルキル、Arは置換又は
非置換フェニル。)、R1 はC1-6アルカンスルホニル、
置換又は非置換ベンゼンスルホニル、単一星印(*)は
不斉炭素原子を示す。〕で表される光学活性なピロリジ
ン誘導体又はその塩類、及びその中間体並びにそれらの
製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性なピロリ
ジン誘導体、特に光学活性な3−ピロリジン酢酸誘導
体、光学活性な3−フェナシルピロリジン誘導体及び光
学活性な3−(チアゾール−5−イル)ピロリジン誘導
体及びその中間体並びにそれらの製造法に関するもので
ある。本発明によって製造される光学活性なピロリジン
誘導体は、WO9629330−A1公報に記載の抗精
神病薬の製造に必要な中間原料として有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】光学活性な3−ピロリジン酢酸誘導体の
製造方法としては、J.Med.Chem.,199
0,33,71−77に、イタコン酸と光学活性なα−
フェネチルアミンとの反応により得られる化合物
【化21】 をメチルエステルへと誘導し、生成する2種のジアステ
レオマーエステルの混合物をHPLCにより分離する操
作を経て単一のジアステレオマーエステルを得、これか
ら光学活性な3−ピロリジン酢酸へと誘導する方法が報
告されている。しかし、この方法は多くの工程数を要
し、収率も低いため工業的に有利な方法ではない。
【0003】Tetrahedron:Asymmet
ry,1996,7(1),79−99に下記式で示さ
れる製造方法が報告されている。
【化22】 本報告では分子内環化反応によりA又はBとし、ピロリ
ジン酢酸へ誘導する方法であるが、この方法では分子内
環化反応のジアステレオ選択性が80:20と低く、更
に多くの工程数を要するため工業的に有利な方法ではな
い。
【0004】Synlett,1995,(11),1
159−1160及びTetrahedron,199
6,52(3),1069−1084に下記式で示され
る製造方法が報告されている。
【化23】 本報告では分子内環化反応によりC又はDとし、ピロリ
ジン酢酸へ誘導する方法であるが、この方法では分子内
環化反応のジアステレオ選択性が70:30と低い上に
収率も悪く、更に多くの工程数を要するため工業的に有
利な方法ではない。
【0005】3−フェナシルピロリジン誘導体に関して
は特開昭49−135963号公報及びChem.Ph
arm.Bull.,25,1911−1922(19
77)にピロリジン−3−イルアセトニトリルとフェニ
ルマグネシウムハライドより下記に示す化合物が開示さ
れている。
【化24】 (式中、R2 はアルキル基、アラルキル基又はアロイル
アルキル基を示す。) しかし、その光学活性体については全く開示も示唆もさ
れていない。
【0006】WO9629330−A1公報に下記に示
す化合物が開示されている。
【化25】 上記に示すように、光学活性なカルボン酸を用いるジア
ステレオマ−塩の光学分割によって光学活性な3−フェ
ナシルピロリジン誘導体を製造し、3−(チアゾール−
5−イル)ピロリジンへ変換する方法であるが、その分
割効率は高いものではなく、工業的に有利な方法ではな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗精
神病作用を有する化学的に純粋な光学活性体化合物を製
造するのに有用な一連の新規な中間体及びそれらの製造
方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光学活性
な3−ピロリジン酢酸誘導体、光学活性な3−フェナシ
ルピロリジン誘導体及び光学活性な3−(チアゾール−
5−イル)ピロリジン誘導体を効率良く製造する方法を
鋭意検討した結果、光学活性な3−ピロリジノールを原
料として利用する簡便で且つ経済的な製造方法を見出
し、本発明を完成させたものである。本発明は一般式
(I)
【化26】 〔式中、RはCH2COOH 、CH2CO-Ar(式中、Arは置換又
は非置換フェニル基を示す。)又は
【化27】 (式中、R2 はアミノ基又はC1-5アルキル基を示し、A
rは前記に同じ。)を示し、R1 はC1-6アルカンスルホ
ニル基、置換又は非置換ベンゼンスルホニル基を示し、
単一星印(*)は不斉炭素原子を示す。〕で表される光
学活性なピロリジン誘導体又はその塩類及びその中間体
並びにそれらの製造法に関するものである。
【0009】本発明において、C1-6アルカンスルホニル
基としては、炭素原子数1から6の直鎖状または分枝鎖
状のアルカンスルホニル基であり、例えばメシル基、エ
タンスルホニル基、プロパンスルホニル基、2−プロパ
ンスルホニル基、ブタンスルホニル基等が挙げられる。
置換されたベンゼンスルホニル基としては、ハロゲン原
子、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1か
ら6のアルコキシ基又はニトロ基から任意に選択された
1若しくは2個で置換されたベンゼンスルホニル基が挙
げられ、例えばp−フルオロベンゼンスルホニル基、p
−クロロベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニ
ル基、p−メトキシベンゼンスルホニル基、p−ニトロ
ベンゼンスルホニル基などである。C1-5アルキル基と
は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素原子数1から5のアルキ
ル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基な
どである。Arで表される置換フェニル基としては、ハ
ロゲン原子、炭素原子数1から5のアルキル基および炭
素原子数1から6のアルコキシ基から任意に選択された
1若しくは2個で置換されたフェニル基が挙げられ、例
えばp−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、
p−トルイル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジ
フルオロフェニル基などである。
【0010】製造方法1.
【化28】 〔式中、R1 、R3 、*及び**は前記に同じ。一般式
(V) で表される化合物と一般式(IV)で表されるマロン酸
エステル類を不活性溶媒及び塩基の存在下に反応させて
一般式(III) で表される化合物とし、該化合物(III) を
単離し、又は単離せずして酸又は塩基で加水分解するこ
とにより一般式(II)で表される化合物とし、該化合物(I
I)を単離し、又は単離せずして加熱することにより一般
式(I-1) で表されるピロリジン誘導体類を製造すること
ができる。
【0011】1−1.一般式(V) →一般式(III) 本反応で使用できる不活性溶媒としては、本反応の進行
を著しく阻害しないものであれば良く、例えばテトラヒ
ドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン等
のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化
水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドを挙げるこ
とができ、これらの不活性溶媒は単独で若しくは2種以
上混合して使用することができる。塩基としては、例え
ば水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカ
リ金属、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド
等のアルカリ金属アルコキシド、ナトリウム等のアルカ
リ金属等を使用することができる。一般式(IV)で表され
るマロン酸エステル類と塩基は通常、一般式(V) で表さ
れる化合物に対して約1当量〜約5当量の範囲から適宜
選択して使用することができる。反応温度は、任意の適
当な温度、例えば0℃〜150℃で行うことができる。
反応終了後、常法により目的物を含む反応系から目的物
を単離し、必要に応じて精製等を行うこともできる。
又、反応系から目的物を単離せずに、次の反応に供する
こともできる。本製造方法において用いられる一般式
(V) で表される化合物は光学活性な3−ピロリジノール
より公知の技術、例えばJ.Med.Chem.,19
91,34,3011−3022に記載させた方法によ
り製造できる。
【0012】1−2.一般式(III) →一般式(II) 本反応は、通常エタノール、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、水等の不活性溶媒中で、一般式(III) に対して
約2当量から約10当量の水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等の塩基又はその水溶液を使用するか、又は塩
酸、硫酸等の酸を使用することができる。反応温度は任
意の適当な温度、例えば室温ないし120℃の範囲から
適宜選択して行うことができる。反応終了後、常法によ
り目的物を含む反応系から目的物を単離し、必要に応じ
て精製等を行うこともできる。又、反応系から目的物を
単離せずに、次の反応に供することもできる。 1−3.一般式(II)→一般式(I-1) 本反応は一般式(II)で表される化合物を不活性溶媒の不
存在下、又はトルエン、キシレン等の不活性溶媒中で加
熱することにより目的物を製造することができる。本反
応は、任意の適当な温度、例えば100℃〜160℃の
範囲から適宜選択して行えば良い。反応終了後、常法に
より目的物を含む反応系から目的物を単離し、必要に応
じて精製等を行うこともできる。
【0013】製造方法2.
【化29】 〔式中、R1 、Ar、X及び単一星印(*)は前記に同
じ。〕 一般式(I-1) で表されるピロリジン誘導体をハロゲン化
剤の存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下に反応さ
せて一般式(VII) で表される化合物とし、該化合物(VI
I) と一般式(VI)で表される化合物とをルイス酸及び不
活性溶媒の存在下に反応させることにより、一般式(I-
2) で表されるピロリジン誘導体を製造することができ
る。
【0014】2−1.一般式(I-1) →一般式(VII) 本反応は無溶媒又はベンゼン、トルエン、フルオロベン
ゼン、ジクロロメタン等の不活性溶媒中、一般式(I-1)
で表されるピロリジン誘導体に対して約1当量から約1
0当量のチオニルクロリド、オキサリルクロリド、オキ
シ塩化リン等のハロゲン化剤を使用することにより製造
することができる。反応温度は、任意の適当な温度、例
えば0℃〜100℃の範囲から適宜選択して行うことが
できる。反応終了後、常法により目的物を含む反応系か
ら目的物を単離し、必要に応じて精製等を行うこともで
きる。又、反応系から目的物を単離せずに、次の反応に
供することもできる。
【0015】2−2.一般式(VII) →一般式(I-2) 一般式(VII) で表される化合物を不活性溶媒及びルイス
酸の存在下に一般式(I-2) で表されるピロリジン誘導体
を製造することができる。本反応は、反応剤である一般
式(VI)で表される化合物をそのまま不活性溶媒として使
用することもでき、又一般式(VII) で表される化合物に
対して、一般式(VI)で表される化合物を約1当量から約
10当量の範囲の量と1,2−ジクロロエタン、二硫化
炭素、ニトロベンゼン等の不活性溶媒との混液中で反応
することもできる。本反応で使用するルイス酸として
は、例えば塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化亜鉛等の
ルイス酸を例示することができ、その使用量は一般式(V
II) で表され化合物に対して約2当量から約6当量の範
囲から適宜選択して使用することができる。本反応の反
応温度は、任意の適当な温度、例えば0℃〜120℃の
範囲で行えば良い。反応終了後、常法により目的物を含
む反応系から目的物を単離し、必要に応じて精製等を行
うこともできる。
【0016】製造方法3.
【化30】 〔式中、R1 、R2 、Ar、X及び単一星印(*)は前
記に同じ。〕 一般式(I-2) で表されるピロリジン誘導体を不活性溶媒
及びハロゲン化剤の存在下に反応することにより一般式
(IX)で表される化合物とし、該化合物(IX)を単離し、又
は単離せずして一般式(VIII)で表される化合物とを不活
性溶媒の存在下に反応させることにより、一般式(I-3)
で表されるピロリジン誘導体を製造することができる。
【0017】3−1.一般式(I-2) →一般式(IX) 本反応で使用する不活性溶媒としては、例えば四塩化炭
素、酢酸、酢酸エチル、エーテル等の不活性溶媒を使用
することができる。ハロゲン化剤としては、例えば塩
素、臭素、塩化スルフリル、臭化第二銅等のハロゲン化
剤を例示することができ、その使用量は一般式(I-2) で
表されるピロリジン誘導体に対して約1当量から約2当
量の範囲から選択して使用すれば良い。反応温度は、任
意の適当な温度、例えば0℃〜100℃の範囲から選択
して行うことができる。反応終了後、常法により目的物
を含む反応系から目的物を単離し、必要に応じて精製等
を行うこともできる。又、反応系から目的物を単離せず
に、次の反応に供することもできる。 3−2.一般式(IX)→一般式(I-3) 本反応で使用できる不活性溶媒としては、例えばエタノ
ール、イソプロパノール、ジオキサン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、アセトニトリル等の不活性溶媒を例示
することができる。一般式(VIII)で表される化合物の使
用量は一般式(IX)で表される化合物に対して1当量から
約3当量の範囲から選択して使用すれば良い。反応温度
は、任意の温度、例えば室温から100℃の範囲から選
択して行えば良い。反応終了後、常法により目的物を含
む反応系から目的物を単離し、必要に応じて精製等を行
うこともできる。
【0018】製造方法4.
【化31】 〔式中、R1 、R2 、Ar及び単一星印(*)は前記に
同じ。〕 一般式(I-3) で表されるピロリジン誘導体を加水分解反
応することにより、一般式(X) で表される化合物を製造
することができる。
【0019】本反応は、臭化水素酸溶媒中約1当量〜約
10当量のフェノールと反応させるか、又は臭化水素酢
酸溶液と反応させることにより行うことができ、反応温
度は通常約20℃から120℃の範囲から選択して行う
ことができる。一般式(X) で表される化合物はピロリジ
ン環のNHの水素原子を修飾することにより、WO96
29330−A1公報に記載の方法により抗精神病薬を
製造することができる。
【0020】
【実施例】以下に本発明の代表的な実施例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1.(S)−2−(1−トシルピロリジン−3−
イル)マロン酸ジエチルの製造。 63.7%水素化ナトリウム3.03gをトルエン18
0mlに懸濁し、マロン酸ジエチル12.2mlをトル
エン20mlに溶かした溶液を氷冷下に該懸濁液に滴下
した。滴下後氷浴を取り除いて更に30分間攪拌した
後、(S)−1−トシル−3−トシルオキシピロリジン
15.82gを加えた。反応混合物を11時間攪拌下に
加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し反応混合物
を氷水中に注ぎ、1規定塩酸にて酸性とした後、酢酸エ
チルにより目的物を抽出し、飽和食塩水にて洗浄した。
有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去
し、得られた油状物をシルカゲルカラムクロマト(メル
クシリカゲル60、溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン1
/3)にて精製することにより(S)−2−(1−トシ
ルピロリジン−3−イル)マロン酸ジエチル11.42
gを得た。
【0021】光学純度 >99.0%e.e.(HPL
C分析値) m.p.40.5 〜 41.0℃ 〔α〕D 25−5.29(C=1.00,CH3 OH)1 H-NMR(CDCl3) δ: 1.22-1.28(6H,m), 1.54-1.62(1H,
m), 1.98-2.05(1H,m),2.44(3H,s), 2.64-2.70(1H,m),3.
00(1H,dd,J=8.0Hz,J=10.2Hz), 3.10-3.16(1H ,m),3.18
(1H,d,J=10.0Hz),3.37-3.43(1H,m),3.52(1H,dd,J=7.7H
z,J=10.2Hz), 4.11-4.21(4H,m),7.33(2H,d,J=8.1Hz),7.
71(2H,d,J=8.1Hz).
【0022】実施例2. (S)−2−(1−トシルピロ
リジン−3−イル)マロン酸の製造。 (S)−2−(1−トシルピロリジン−3−イル)マロ
ン酸ジエチル10.37g、96%水酸化カリウム6.
36g、水17ml及びエタノール130mlの混合物
を1時間攪拌下に加熱還流した。反応終了後、室温まで
冷却し減圧下に溶媒留去し、残査に水を加えた。1規定
塩酸にて酸性とした後、目的物を酢酸エチルにより抽出
し、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウ
ムにて乾燥後、減圧下溶媒留去し、残査にヘキサンと少
量のエーテルを加えることにより(S)−2−(1−ト
シルピロリジン−3−イル)マロン酸8.52gを得
た。 m.p.167.0〜169.0℃ 〔α〕D 25−5.70(C=1.00,CH3 OH)1 H-NMR(DMSO-d6) δ: 1.44-1.49(1H,m), 1.86-1.90(1H,
m), 2.35-2.40(1H,m),2.41(3H,s), 2.86-2.91(1H,m),3.
05-3.11(1H,m),3.14(1H,d,J=9.9Hz), 3.22-3.28(1H,m),
3.37-3.41(1H,m),7.44(2H,d,J=8.1Hz),7.66(2H,d,J=8.1
Hz), 12.87(2H,brs)
【0023】実施例3.(S)−2−(トシルピロリジ
ン−3−イル)酢酸の製造。 (S)−2−(1−トシルピロリジン−3−イル)マロ
ン酸7.86gを油浴中150℃まで徐々に加熱し、炭
酸ガスの発泡が終了するまで150℃にて更に10分間
攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し残査にヘキサン
を加えることにより(S)−2−(トシルピロリジン−
3−イル)酢酸6.63gを得た。 m.p.94.0〜95.0℃ 〔α〕D 25+16.2(C=1.00,CH3 OH)1 H-NMR(CDCl3) δ: 1.44-1.53(1H,m), 1.99-2.07(1H,
m), 2.32-2.34(2H,m),2.44(3H,s), 2.42-2.49(1H,m),2.
92(1H,dd,J=7.3Hz,J=10.0Hz), 3.16-3.22(1H ,m),3.35-
3.40(1H,m), 3.50(1H,dd,J=7.3Hz,J=10.0Hz),7.33(2H,
d,J=8.1Hz), 7.71(2H,d,J=8.1Hz).
【0024】実施例4.(S)−3−(p−フルオロフ
ェナシル)−1−トシルピロリジンの製造。 氷浴で冷却した塩化チオニル15ml中に(S)−2−
(トシルピロリジン−3−イル)酢酸5.95を少量づ
つ加え、室温にて1時間攪拌した。過剰の塩化チオニル
を減圧下留去し、クルードの(S)−2−(トシルピロ
リジン−3−イル)酢酸クロリドを得た。塩化アルミニ
ウム8.40g、フルオロベンゼン20mlの混合物中
に酸クロリドをフルオロベンゼン25mlに溶かした溶
液を室温にて滴下した。滴下終了後、反応混合物を2時
間攪拌下に加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却
し、次いで反応混合物を氷水中に注ぎ、クロロホルムに
より目的物を抽出し、2回水洗した。有機層を硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去し、残査にヘキサ
ンを加えて結晶化させることにより(S)−3−(p−
フルオロフェナシル)−1−トシルピロリジン7.37
gを得た。 m.p.137.0〜139.0℃ 光学純度 >99.0%e.e.(HPLC分析値) 〔α〕D 25−26.8(C=1.00,CHCl3 1 H-NMR(CDCl3) δ: 1.48-1.59(1H,m), 2.04-2.12(1H,
m), 2.42(3H,s),2.62-2.67(1H,m), 2.83-2.97(2H,m),2.
98(1H,dd,J=6.7Hz,J=10.1Hz), 3.15-3.22(1H,m),3.39-
3.44(1H,m), 3.52(1H,dd,J=7.3Hz,J=10.1Hz),7.10-7.14
(2H,m), 7.31(2H,d,J=8.1Hz),7.72(2H,m,J=8.1Hz), 7.8
8-7.92(2H,m).
【0025】実施例5. (R)−2−アミノ−4−(4
−フルオロフェニル)−5−(1−トシルピロリジン−
3−イル)チアゾールの製造。 (S)−3−(p−フルオロフェナシル)−1−トシル
ピロリジン6.87gを酢酸120mlに溶解し、臭素
1.0mlを酢酸15mlに溶かした溶液を室温にて滴
下した。滴下終了後、反応混合物を更に30分間攪拌し
た後、減圧下に溶媒留去した。残査にチオ尿素1.51
g及びエタノール135mlを加え、混合物を15時間
攪拌下に加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却し減
圧下に溶媒留去した。残査に水を加え、4規定水酸化ナ
トリウムにて中和した後、クロロホルムを加えた。水及
びクロロホルムに溶けない結晶析出物を濾取し、水及び
酢酸エチルにて洗浄することにより(R)−2−アミノ
−4−(4−フルオロフェニル)−5−(1−トシルピ
ロリジン−3−イル)チアゾール4.70gを得た。 光学純度>99.0%e.e.(HPLC分析値) m.p.237.5〜240.0℃ 〔α〕D 25+9.0(C=0.50,CHCl3 1 H-NMR(DMSO-d6) δ: 1.60-1.66(1H,m), 2.10-2.14(1H,
m),2.42(3H,s),2.96-3.00(1H,m), 3.10-3.16(1H,m),
3.22-3.26(1H,m),3.38-3.42(1H,m), 3.56-3.60(1H,m),
6.93(2H,brs),7.15-7.19(2H,m), 7.37-7.41(2H,m),7.45
(2H,d,J=8.1Hz), 7.71(2H,d,J=8.1Hz).
【0026】実施例6. (R)−2−アミノ−4−(4
−フルオロフェニル)−5−(3−ピロリジル)チアゾ
ール・2臭化水素塩の製造。 (R)−2−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)−
5−(1−トシルピロリジン−3−イル)チアゾール
3.97g、フェノール3.64g及び47%臭化水素
酸80mlの混合物を2時間攪拌下加熱還流した。反応
終了後、室温まで反応液を冷却し、反応混合物に水及び
クロロホルムを加え、水層を更にクロロホルムにて2回
洗浄した。水層を減圧下に溶媒を留去し、残査にエーテ
ルと少量のエタノールを加えて結晶を析出させ、これを
濾取することにより(R)−2−アミノ−4−(4−フ
ルオロフェニル)−5−(3−ピロリジル)チアゾール
・2臭化水素塩3.88gを得た。 m.p.264.0〜265.0℃ 〔α〕D 25+14.5(C=1.00,CH3 OH)1 H-NMR(DMSO-d6) δ: 1.88-1.94(1H,m), 2.32-2.36(1H,
m), 3.02-3.05(1H,m),3.13-3.20(1H,m), 3.38-3.41(1H,
m), 3.54-3.63(2H,m),7.36-7.41(2H,m), 7.57-7.60(2H,
m), 8.86(1H,brs),9.04(1H,brs)
【0027】
【発明の効果】本発明により光学活性なピロリジン誘導
体が簡便に製造でき、該化合物は抗精神病薬の製造中間
体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 誠 大阪府河内長野市小山田町345 日本農薬 株式会社総合研究所内 (72)発明者 吉田 正徳 大阪府河内長野市小山田町345 日本農薬 株式会社総合研究所内 (72)発明者 中里 篤郎 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 熊谷 利仁 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 冨澤 一雪 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、RはCH2COOH 、CH2CO-Ar(式中、Arは置換又
    は非置換フェニル基を示す。)又は 【化2】 (式中、R2 はアミノ基又はC1-5アルキル基を示し、A
    rは前記に同じ。)を示し、R1 はC1-6アルカンスルホ
    ニル基、置換又は非置換ベンゼンスルホニル基を示し、
    単一星印(*)は不斉炭素原子を示す。〕で表される光
    学活性なピロリジン誘導体又はその塩類。
  2. 【請求項2】 一般式(I-1) 【化3】 〔式中、R1 はC1-6アルカンスルホニル基、置換又は非
    置換ベンゼンスルホニル基を示し、単一星印(*)は不
    斉炭素原子を示す。〕で表される請求項1記載の光学活
    性なピロリジン誘導体又はその塩類。
  3. 【請求項3】 絶対配置がSである請求項2記載の光学
    活性なピロリジン誘導体又はその塩類。
  4. 【請求項4】 一般式(I-2) 【化4】 〔式中、R1 はC1-6アルカンスルホニル基、置換又は非
    置換ベンゼンスルホニル基を示し、Arは置換又は非置
    換フェニル基を示し、単一星印(*)は不斉炭素原子を
    示す。〕で表される請求項1記載の光学活性なピロリジ
    ン誘導体。
  5. 【請求項5】 絶対配置がSである請求項4記載の光学
    活性なピロリジン誘導体。
  6. 【請求項6】 一般式(I-3) 【化5】 〔式中、R1 はC1-6アルカンスルホニル基、置換又は非
    置換ベンゼンスルホニル基を示し、R2 はアミノ基又は
    C1-5アルキル基を示し、Arは置換又は非置換フェニル
    基を示し、単一星印(*)は不斉炭素原子を示す。〕で
    表される請求項1記載の光学活性なピロリジン誘導体又
    はその塩類。
  7. 【請求項7】 絶対配置がRである請求項6記載の光学
    活性なピロリジン誘導体又はその塩類。
  8. 【請求項8】 一般式(V) 【化6】 〔式中、R1 はC1-6アルカンスルホニル基、置換又は非
    置換ベンゼンスルホニル基を示し、二重星印(**)は
    不斉炭素原子を示し、その絶対配置が単一星印(*)を
    印した不斉炭素原子の反対の絶対配置を示す。〕で表さ
    れる化合物と一般式(IV) 【化7】 CH2(COOR3)2 (IV) 〔式中、R3 は同一又は異なっても良いC1-6アルキル基
    を示す。〕で表されるマロン酸エステル類と反応させ、
    一般式(III) 【化8】 〔式中、R1 、R3 は前記に同じくし、単一星印(*)
    は不斉炭素原子を示す。〕で表される化合物とし、該化
    合物(III) を単離し、又は単離せずして加水分解すし
    て、一般式(II) 【化9】 〔式中、R1 及び単一星印(*)は前記に同じ。〕で表
    される化合物とし、該化合物(II)を単離し、又は単離せ
    ずして脱炭酸することを特徴とする一般式(I-1) 【化10】 〔式中、R1 及び*は前記に同じ。〕で表される光学活
    性なピロリジン誘導体又はその塩類の製造法。
  9. 【請求項9】 一般式(I-1) 【化11】 〔式中、R1 はC1-6アルカンスルホニル基、置換又は非
    置換ベンゼンスルホニル基を示し、単一星印(*)は不
    斉炭素原子を示す。〕で表される化合物をハロゲン化剤
    の存在下にハロゲン化反応を行い、一般式(VII) 【化12】 〔式中、R1 及び単一星印(*)は前記に同じくし、X
    はハロゲン原子を示す。〕で表される化合物とし、該化
    合物(VII) を単離し、又は単離せずして一般式(VI) 【化13】 Ar-H (VI) 〔式中、Arは置換又は非置換フェニル基を示す。〕で
    表される化合物とルイス酸の存在下に反応させることを
    特徴とする一般式(I-2) 【化14】 〔式中、R1 、Ar及び単一星印(*)は前記に同
    じ。〕で表される光学活性なピロリジン誘導体又はその
    塩類の製造法。
  10. 【請求項10】 一般式(I-2) 【化15】 〔式中、R1 はC1-6アルカンスルホニル基、置換又は非
    置換ベンゼンスルホニル基を示し、Arは置換又は非置
    換フェニル基を示し、単一星印(*)は不斉炭素原子を
    示す。〕で表されるピロリジン誘導体をハロゲン化剤の
    存在下にハロゲン化反応を行い、一般式(IX) 【化16】 〔式中、R1 、Ar及び単一星印(*)は前記に同じく
    し、Xはハロゲン原子を示す。〕で表される化合物と
    し、該化合物(IX)を単離し、又は単離せずして一般式(V
    III) 【化17】 〔式中、R2 はアミノ基又はC1-5アルキル基を示す。〕
    で表される化合物と反応させることを特徴とする一般式
    (I-3) 【化18】 〔式中、R1 、R2 、Ar及び*は前記に同じ。〕で表
    される光学活性なピロリジン誘導体又はその塩類の製造
    法。
  11. 【請求項11】 一般式(I-3) 【化19】 〔式中、R1 はC1-6アルカンスルホニル基、置換又は非
    置換ベンゼンスルホニル基を示し、R2 はアミノ基又は
    C1-5アルキル基を示し、Arは置換又は非置換フェニル
    基を示し、単一星印(*)は不斉炭素原子を示す。〕で
    表される光学活性なピロリジン誘導体を加水分解反応す
    ることを特徴とする一般式(X) 【化20】 〔式中、R2 、Ar及び単一星印(*)は前記に同
    じ。〕で表される化合物又はその塩類の製造法。
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