JPH1171086A - エンジン油圧式旋回グラブ - Google Patents

エンジン油圧式旋回グラブ

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JPH1171086A
JPH1171086A JP23392897A JP23392897A JPH1171086A JP H1171086 A JPH1171086 A JP H1171086A JP 23392897 A JP23392897 A JP 23392897A JP 23392897 A JP23392897 A JP 23392897A JP H1171086 A JPH1171086 A JP H1171086A
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JP
Japan
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sling
arm
load
lower frame
hydraulic
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JP23392897A
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English (en)
Inventor
Shoichi Kato
章一 加藤
Jun Kibune
洵 木船
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Fukushima Ltd
Original Assignee
Fukushima Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 グラブ自体を軽量化し、吊り上げ、荷役作業
を省力化、効率化する。 【解決手段】 製品材DBの掴み部をスリング44とス
リングを案内又は支持するスリングアーム40とで構成
し、グラブの本体フレームを構成する。上フレーム1と
下フレーム2は上下に移動可能で水平面内で一体に旋回
可能とする。上フレームにはエンジン駆動油圧発生装置
5と旋回装置3、4を取付け、下フレームには製品材の
長さ方向の両側にスリングとスリングアームを支持する
スリング支持装置20を製品材の長さ方向に移動可能に
取付ける。スリング支持装置には、製品材の幅方向の両
側にスリングアームを互いの間隔を製品材の幅に応じて
調整自在に、かつ、製品材の長手方向の垂直面内で回動
自在に設ける。スリングアームにはスリングアームの自
由端部の間にスリングを掛け渡して取付け、下フレーム
の吊り下げロープLRPの取付点をスリング支持装置に
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ダンネー
ジ(荷敷)上にドライボード(製品材)等の個々の直方
体状の荷を多数、横方向、幅方向に並置かつ縦方向に積
み重ねて全体を一纏めにしてクレーン等の揚重機器によ
って吊り上げ荷役するエンジン油圧式旋回グラブに係
り、特に、グラブ自体を著しく軽量化可能とし、かつ、
吊り上げ作業を著しく省力化、効率化し得るエンジン油
圧式旋回グラブ関する。
【0002】
【従来の技術】建築資材としてのドライボードや木材等
の吊り荷を掴み荷役するグラブとして、本願出願人の先
願に係る実開平5−5789号公報に開示されたような
吊具(グラブ)が知られている。この先願公報に記載さ
れた吊具は、クレーン等の揚重機器で吊り下げられる台
板(グラブ本体フレーム)の左右位置にグラブ自体の旋
回方向を制御するブロワーでなる旋回推進機を備え、該
推進機の駆動用油圧の発生駆動源としてのエンジンを備
えると共に、台板の左右両側に下方に垂下して左右に移
動可能に設けられ、下端に吊り荷の引っ掛け爪を備えて
なる鋼製で頑丈構造に形成された左右一対の荷掴み部と
しての腕部(アーム)を備えて正面視を門型状に構成さ
れている。また、台板には、該台板に下向きに取付けた
押えシリンダと、該押えシリンダの先端に取付けた押え
枠板で構成された吊具の位置決め装置が備えられてい
る。
【0003】そして、吊り荷を掴むときには、吊具の腕
部の爪を全開にした状態で吊具をクレーンで懸吊して吊
り荷の真上に位置させ、前記吊具の位置決め装置の押え
枠板を押えシリンダで下部に位置させた状態で吊具を巻
き下げる。そうすると、吊具は先ずその押え枠板が吊り
荷の上面に当接して吊具の振れが止められる。吊具と吊
り荷の平行度が十分出ていないときには押え枠板を押え
シリンダにより僅かに上方へ移動させて押え枠板を吊り
荷の上面から僅かに逃がし押え枠板と吊り荷の上面との
間に僅かな隙間を形成させ、旋回ブロワーを作動させて
吊具と吊り荷の平行度を得る。
【0004】そして、直ちに押えシリンダを作動させ押
え枠板を吊り荷の上面を押さえることにより吊具を正確
に位置決めする。吊り荷は押えシリンダのクッション作
用により床に強く当たることなく着床し、その後、腕部
開閉シリンダを作動させて左右の腕部を中央部寄りに水
平移動させ吊り荷を腕部で吊り荷の両側面を挟持すると
共に腕部の下端に設置された爪を吊り荷の下面(底)に
挿入させ吊り荷の下面を支持する。その後、クレーンで
吊具を巻き上げると吊り荷は押え枠板で押さえられてい
ることにより脱落することなく運搬される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような吊具とし
てのグラブは、吊り荷を掴み作業が効率的に行われて人
手の依存も少なく、安全な荷役作業を可能とする優位性
を有している。しかし、反面、グラブ自体の形状構造が
極めて大型で重量が重く使用現場への搬入や使用後の搬
出に大型重機が必要な上、人手が掛かるという不具合が
あった。また、グラブ自体の重量も重いことから、吊り
荷を掴む開閉腕部の開閉動作速度が遅く開閉時間を多く
要し掴み作業能率は必ずしも良くないという問題もあっ
た。
【0006】本発明は、上記のような従来のエンジン油
圧式旋回グラブの持つ問題点に鑑みてなしたものであ
り、グラブ自体を著しく軽量化可能とし、かつ、吊り上
げ、荷役作業を著しく省力化、効率化し得るエンジン油
圧式旋回グラブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のエンジン油圧式旋回グラブは次のような構成
にした。
【0008】(1)揚重機により吊り下げられ、エンジ
ン駆動油圧発生装置と該油圧発生装置により駆動され水
平面内でグラブを旋回させるための旋回装置とを取付け
たグラブ本体フレームと、該フレームの両側に該油圧発
生装置により駆動される荷掴み部を取付けたエンジン油
圧式旋回グラブにおいて、該荷掴み部を荷の下に引っ掛
けられ荷の荷重を支えるスリングと該スリングを案内又
は支持するスリングアームとで構成し、該グラブの本体
フレームを上フレームと下フレームとで構成してそれぞ
れ揚重機により吊り下げ可能に設けると共に、上フレー
ムと下フレームを上下方向に互いに移動可能にかつ水平
面内で一体に旋回可能に設け、該上フレームには該エン
ジン駆動油圧発生装置と旋回装置を取付け、該下フレー
ムには荷の長さ方向の両側にそれぞれ該スリングとスリ
ングアームを支持するスリング支持装置を荷の長さ方向
に移動可能に支持して取付け、該それぞれのスリング支
持装置には、その荷の幅方向の両側に位置させてスリン
グアームを互いの間隔を荷の幅に応じて調整自在に、か
つ、荷の長さ方向の垂直面内で回動自在に設け、該それ
ぞれのスリング支持装置の荷の幅方向の両側に設けた該
スリングアームには該両側のスリングアームの自由端部
の間にスリングを掛け渡して取付け、該下フレームの吊
り下げロープの取付点を該スリング支持装置に設けた、
構成とした。また、別の構成として、
【0009】(2)揚重機により吊り下げられ、エンジ
ン駆動油圧発生装置と該油圧発生装置により駆動され水
平面内でグラブを旋回させるための旋回装置とを取付け
たグラブ本体フレームと、該フレームの両側に該油圧発
生装置により駆動される荷掴み部を取付けたエンジン油
圧式旋回グラブにおいて、該荷掴み部を荷の下に引っ掛
けられ荷の荷重を支えるスリングと該スリングを案内又
は支持するスリングアームで構成し、該グラブのフレー
ムを上フレームと下フレームとで構成してそれぞれ揚重
機により吊り下げ可能に設けると共に、上フレームと下
フレームを上下方向に互いに移動可能にかつ水平面内で
一体に旋回可能に設け、該上フレームには該エンジン駆
動油圧発生装置と旋回装置を取付け、該下フレームには
荷の長さ方向である両側にそれぞれ該スリングとスリン
グアームを支持するスリング支持装置を下フレームとス
リング支持装置との間に連結して設けたアーム押出用油
圧シリンダにより荷の長さ方向に移動可能に支持して取
付け、該それぞれのスリング支持装置は荷の幅方向に沿
う両側に間隔をおいて配設されたスリング及びスリング
アーム支持用の軸受と、該両側の軸受を一体に支持する
軸受支持部材と、該それぞれの軸受の軸心回りに回転可
能にかつ該軸受の軸方向に移動自在にそれぞれ支承させ
て設けたアーム横行用ロッドとで構成し、該それぞれの
アーム横行用ロッドの該軸受と遠ざかる側の端部にはそ
れぞれ同方向に延在させて該スリングアームを固設し、
該スリングアームは、該スリング支持装置に取付けたア
ーム開閉用油圧シリンダにより該アーム横行用ロッドを
該軸受の軸心回りに回転駆動させることにより該軸受の
軸心を回動中心として荷の長さ方向の垂直面内で回動自
在に設けて荷に対して開閉自在に設けると共に、該スリ
ング支持装置に別に取付けたアーム横行用油圧シリンダ
により該アーム横行用ロッドを該軸受の軸方向に移動自
在に駆動させることにより荷の幅方向に荷の幅に応じて
移動自在に設け、該それぞれのスリング支持装置の荷の
幅方向の両側に取付けられた該スリングアームにはその
それぞれのアーム横行用ロッドへの固設点からスリング
アーム延在方向へ遠ざかる側の自由端部との間にスリン
グを掛け渡して取付け、該下フレームの吊り下げロープ
の取付点を該スリング支持装置に設けた、構成とした。
【0010】上記(1)又は(2)の構成おいて、荷を
吊るときには、グラブを、上フレームと下フレームをそ
れぞれ吊り下げロープにより揚重機器であるクレーンに
より吊り下げることにより、吊り下げると共に、上フレ
ームに取付けたエンジンを起動し油圧発生装置によりア
ーム開閉用油圧シリンダ等を作動させることにより下フ
レームに取付けられた左右(荷の長さ方向の両側)のス
リング支持装置のスリングアームをそれぞれ垂直面内で
回動させて全開にする。
【0011】その状態で、クレーンを操作してグラブを
吊るべく荷の位置に移動させると共に荷に対してグラブ
の前後、左右位置を合わせると共に、旋回装置により荷
とグラブの方向を一致させる。そして、クレーンを下げ
ながらグラブ(上フレーム)の下端を荷の上面に接近さ
せる位置にまでグラブを下げつつ、同時にアーム押出用
油圧シリンダ等を作動させることによりスリング支持装
置を荷の長手方向に移動させてスリングアームの延在方
向の自由端部を荷の長手方向に荷の長さに合わせつつ、
該スリングアームの自由端部間に掛け渡したスリングが
荷の下面まで回動される位置まで突き出す。
【0012】このとき、下フレームの荷の長さ方向の両
側に設けたスリングアームが荷の長さ方向に移動され、
即ち、スリング支持装置が荷の長さ方向に移動され、該
両側のスリング支持装置に設けた吊り下げロープの吊り
点(取付点)の荷長手方向に移動されて左右両側の吊り
点の間隔が広げられても、上フレームと下フレームとは
互いに上下方向に移動自在に設けられているため、上フ
レームは下フレームに対して円滑に下降し、上フレーム
と下フレームとはそれぞれに取付けた吊り下げロープに
より安定して吊り下げ支持される。
【0013】次に、その状態からアーム開閉用油圧シリ
ンダ等を作動させて左右のスリングアームを互いに閉じ
る方向に回動させてスリングを荷の下面に移動させる。
なお、荷の下面と地面の間の適宜個所にはダンネージ
(荷敷)が介装され荷の下面と地面の間にスリングが送
入可能とされる。そして、クレーンを上げながらアーム
開閉油圧シリンダ等を作動させスリングアーム角度(閉
じ具合)を調整すると共にアーム押出用油圧シリンダ等
を作動させてスリングアームが互いに下フレームに対し
て引っ込むように縮めてスリングアームの突き出し状態
を調整し、スリングを荷の下面の吊り点に掛ける。この
ときも、吊り上げとスリングアームの縮みによる吊り下
げロープの吊り点(取付点)の荷長手方向の間隔の縮み
に応じて、上フレームと下フレームの上下方向の相対位
置が円滑に変更される。
【0014】上記のようにしてスリングを荷の所定位置
に掛けてクレーンを巻き上げ荷を吊り上げて移動地点に
移動し、旋回装置にてグラブを旋回させて所望の方向に
向けて位置決めしクレーンを巻き下げて荷を着地させ
る。なお、ダンネージ(荷敷)は吊る前に予め荷の底面
に取付けられており、着地後も地面と荷の下面の間にも
所定の隙間が与えられる。そしてクレーンを下げながら
スリングアームを開くと共に荷の長手方向に突き出しな
がらスリングを荷の下面から外す。その後、クレーンで
吊った状態でスリングアームを全開にした状態でスリン
グアームを引き込め、クレーンを巻き上げてグラブを荷
から離し、次の荷の掴み作業に入る。
【0015】しかして、この(1)又は(2)の構成に
したグラブでは、フレームを上フレームと下フレームに
分割し上フレームと下フレームを互いに上下方向に移動
可能に設けて構成し、しかも、両方のフレームは独自に
別々にクレーンにより吊り下げるようにし、上フレーム
には油圧駆動装置と旋回装置を搭載して独自に吊り下げ
るようにしたので上フレームには吊り荷重が作用するこ
となく剛性が必要でなく軽量化が図られる。また、下フ
レームは、それに荷の長さ方向に移動可能に取付けたス
リング支持装置にクレーンによる吊り点を設けたので吊
り荷重は該スリング支持装置に作用し、下フレーム自体
には作用しないため下フレームにはそのための剛性を持
たせる必要がなく、軽量化が図られる。
【0016】さらに荷掴み部は、高張力ナイロン吊り索
などで形成されるスリングとし、該スリングが荷の吊り
荷重を支えるようにしたので、従来の鋼製の腕のように
大型で重量大とならず軽量になり、グラブ全体の軽量化
が図られる。このため、スリングアームの開閉速度も早
く開閉時間が短縮される。また、グラブの移動や持ち運
びも簡便化され、吊り上げ、吊り下げ作業能率が向上化
される。
【0017】特に(2)の構成では、下フレームの荷の
長さ方向の両側の左右のスリング支持装置にアーム押出
用油圧シリンダが設けられるので、左右のスリングアー
ムの荷の長さ方向の押し出し、引き込み動作が確実に行
われると共に、該スリング支持装置はスリング及びスリ
ングアーム支持用軸受と、該両側の軸受を一体に支持す
る軸受支持部材及びアーム横行用ロッドで構成し、該ア
ーム横行用ロッドをアーム開閉用油圧シリンダで該軸受
の軸心回りに回転駆動させることによりスリングアーム
を垂直面内で回動させて荷に対して開閉動作をさせ、ま
た、該アーム横行用ロッドをアーム横行用油圧シリンダ
により該軸受の軸方向に移動(進退)させてスリングア
ームの荷の幅方向の間隔を調整するので、該スリングア
ームの回動開閉動作、及び、荷の幅方向への拡幅動作が
確実に行われる。
【0018】(3)また、前記(2)の構成において、
下フレームにピストンロッドの先端に荷押さえ板を垂下
させて取付けた荷押さえ用油圧シリンダを垂直状に取付
け、該荷押さえ板に複数のガイドロッドを垂直状に取付
け、上フレームと下フレームにはそれぞれ該ガイドロッ
ドを摺動自在に嵌着するガイドを取付けることにより、
荷押さえ板を荷押さえ用油圧シリンダの作動により上下
方向に移動可能に設け、該ガイドロッドと該ガイドは上
フレームと下フレームを互いに上下方向の移動を可能と
し、また、上フレームと下フレームを水平面内で一体に
旋回可能とする構成とした。
【0019】(3)の構成では、上記荷の掴み時にグラ
ブを荷の上から下ろして来るときに予め荷押さえ用油圧
シリンダを作動させて荷押さえ板を下フレームの下方に
突き出して垂下させておき、クレーンを操作してグラブ
を吊るべく荷の位置に移動させると共に荷に対してグラ
ブの前後、左右位置を合わせ、旋回装置により荷とグラ
ブの方向を一致させて、該荷押さえ板を荷の上に着地さ
せる。それによりグラブの振れが止められることによ
り、グラブの位置決めが容易に行われる。
【0020】そして、該荷押さえ板を上下方向に摺動自
在に案内するガイドとガイドロッドはグラブを旋回させ
るとき上下フレームを一体に旋回させる作用と上フレー
ムと下フレームを互いに上下の移動を可能にする作用を
兼ねることにより、構造が簡単になる。
【0021】(4)また、前記(2)又は(3)の構成
において、該スリングの該スリング支持装置への取付
点、及び、該下フレームの吊り下げロープの該スリング
支持装置への取付点を、該スリングアームのアーム横行
用ロッドへの固設部分に設け、該それらの取付点が該ス
リングアームの横行によって位置が変化されるように
し、アーム横行用油圧シリンダには荷吊り時に所定荷重
以上で該シリンダを縮ませてスリングアームが荷の幅方
向の両側面に位置するように移動してスリングアーム同
士の間隔を狭めるための圧力調整装置を接続して取付け
た構成にした。
【0022】この(4)の構成とすると、スリングを荷
に掛けるときに荷の幅方向にスリングアームの間隔を広
げて荷の幅よりも大きくするためスリングの間隔広げる
必要があるが、この間隔を広げた状態でスリングを荷に
掛け吊り上げるときに荷の幅方向の両側のスリングアー
ムの間隔が縮められてスリングアームが荷の側面に沿っ
て位置するのでスリングアームが内側に湾曲することが
防がれると共に、荷が安定して吊り上げられる。また、
荷の幅方向の吊り点の間隔が狭められるのでアーム支持
装置のアーム横行用ロッドに作用する吊り荷重による曲
げ荷重も少なくなり、強度上に有利になる。また、スリ
ングの該スリング支持装置への取付点も荷の幅方向に移
動するのでスリングを荷に掛けるときにスリングが邪魔
にならず幅広の荷を吊るときにも有利である。
【0023】(5)また、前記(2)又は(3)の構成
において、該スリングの該スリング支持装置への取付
点、及び、該下フレームの吊り下げロープの該スリング
支持装置への取付点を、該スリング支持装置の荷の幅方
向の両側に位置した軸受部に設けた構成とした。
【0024】このような構成にすると、荷の吊り荷重は
アーム横行用ロッドには全く作用せず、荷の吊り荷重は
スリング支持装置の軸受や軸受支持部材に持たせるの
で、該アーム横行用ロッドの強度はスリングアームを支
持する強度だけを確保することでよく、該アーム横行用
ロッドのサイズや強度を大きくする必要がない。
【0025】(6)また、前記(2)又は(3)又は
(4)又は(5)の構成において、スリング支持装置の
各々のアーム横行用ロッドには該アーム開閉用油圧シリ
ンダを個別に接続して設け、かつ、該各々のアーム開閉
用油圧シリンダにはそれぞれ駆動油圧装置を独立して設
け、各々のスリングアームを独立して開閉し得るように
した構成とした。
【0026】吊るべく荷とグラブの位置合わせが正しく
行われ、荷とグラブの平行が出ている荷吊り時では、一
方のスリング支持装置に取付けられる左右それぞれ一対
のスリングアームを同時に閉じてスリングを荷に引っ掛
けることができるが、例えば荷が直方体形状の製品材
(ドライボード等)であってそれらが複数、横方向、幅
方向に並べられ且つ積み重ねられている荷である場合に
は、スリングアームの延設方向と荷の長手方向の平行度
が出ず、荷の長手方向の端面とアームとアームの端部の
間に掛け渡したスリングとの平行が正確に出ない状態で
スリングを掛ける場合が殆どである。このように荷の長
手方向の端面とスリングとの平行度が悪い状態ではスリ
ングがスムーズに製品材の下に入らない。しかし、上記
(6)の構成とすると、このような場合でもスリングア
ームが別個に動くのでスリングの掛かりの悪い所のスリ
ングアームのみを回動させて掴み直しができるため、掴
み作業を能率化させることができる。なお、左右それぞ
れ一対のスリングアームが同時にしか動かせないと掴み
直しのとき、良く掛かっている所のスリングが動いて却
って悪くなることがある。
【0027】(7)また、前記(2)又は(3)又は
(4)又は(5)又は(6)の構成において、スリング
アームのアーム横行用ロッドへの固着点と反対側の自由
端部にスリングテンション装置を設けた構成にした。
【0028】このような構成とすると、スリングアーム
を回動させて開いた状態としてスリングを荷に掛けると
きに、スリングテンション装置を作動させてスリングを
張らせることにより一対のスリングアームの自由端部の
間に掛け渡たされたスリングの撓みをとり、該スリング
が吊り荷に掛かり易いようにし、作業能率を良くするこ
とができる。
【0029】(8)また、前記(2)又は(3)又は
(4)又は(5)又は(6)又は(7)の構成におい
て、荷の幅方向の両側に取付けられるスリングアーム
を、それぞれ、アーム横行用ロッドに固着されるアーム
受けと、該アーム受けに接続して取付けられるアームと
で形成し、該アームは該アーム受けに対して、スリング
アームが開いて荷を掴むときに両側のアームが互いに外
側に広がるように、また、スリングアームが閉じた状態
で荷を掴み吊り上げたときには互いに内側に回動するよ
うに、折曲可能に接続して取付けた構成にした。
【0030】このような構成とすると、スリングアーム
を回動させて開いた状態としてスリングを荷に掛けると
きに、アームが自動的にアーム受けに対して外側に広が
るので、スリングアームを一体に(1本で)構成したと
きのようにスリングの重みでアームの自由端側が荷の幅
方向に撓んでアームの自由端側が互いに荷の幅方向に縮
んで狭まることが避けられ、スリングアームを閉じる方
向に回動させてスリングを荷に円滑、容易に掛けること
が可能となる。
【0031】また、スリングアームを閉じる方向に回動
させてスリングを荷に掛けて荷を吊り上げるときに、た
とえ、幅がスリングアームを固着したアーム横行用ロッ
ドの軸方向(荷の幅方向)の移動(進退)ストロークの
後退限の間隔よりも小さい荷を吊り上げるときでも、ア
ームが荷の荷重により自動的にアーム受けに対して内側
に回動して荷の幅方向の側面に沿って位置するので、ア
ームの撓みをなくしてアームの強度を保って、該幅の狭
い荷でも安定して吊り上げることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は本発明のエンジン油圧式旋
回グラブとしての実施例のスリング掛けグラブの正面
図、図2は図1の平面図、図3は図1の右側面図、図4
は図1のA〜A線矢視平面図であり下フレーム及びそれ
に取付けられたスリング支持装置等を示す図、図5は図
4に示す下フレーム及びスリング支持装置等の正面図、
図6は図4のB〜B線矢視断面図、図7はスリングテン
ション装置の正面図、図8は図7のC線矢視断平面図、
図9は長尺状の製品材を吊るときのスリングアームの動
作要領や吊り下げロープの取付け要領を示すスリング掛
けグラブの全体正面図、図10はその右側面図、図11
は油圧系統図(その1)、図12は油圧系統図(その
2)、図13は油圧系統図(その3)、図14は油圧系
統図(その4)、図15乃至図24は本実施例のスリン
グ掛けグラブにより製品材を吊るときの操作手順又は動
作説明を示すスリング掛けグラブの正面図である。
【0033】まず、図1乃至図8に基づいて本発明のエ
ンジン油圧式旋回グラブとしての実施例のスリング掛け
グラブを説明する。スリング掛けグラブは、図1に示す
ように最上部に上フレーム1が位置し、その下方に下フ
レーム2が位置し、詳細を図6に示すように、該上フレ
ーム1と下フレーム2は、下フレームのほぼ中央部に部
材2bに支持させて取付けた荷押さえ用油圧シリンダ3
2のピストンロッドの先端に連結された荷押さえ板33
を上下方向に案内する上下方向に延在した2本のガイド
ロッド35が上フレーム1の荷の幅方向の両外側の部材
と下フレーム2の部材2aとにそれぞれ固設されたガイ
ド36とガイド34に摺動自在に嵌着されて挿通される
ことにより、上下方向に互いに移動可能にかつ水平面内
で一体に旋回可能に設けられている。
【0034】上フレーム1は吊り下げロープURPがそ
の四隅の吊り金具1aに連結されてクレーンで吊り下げ
られ、また、下フレーム2は吊り下げロープLRPが後
述する下フレーム2の左右方向、即ち、荷(製品材D
B)の長さ方向の両側にそれぞれ位置したスリング支持
装置20の両端側の2か所、計4か所の吊り金具23a
に連結されてクレーンで吊り下げられる。上フレームの
ロープURPと該下フレーム2のロープLRPは同時に
上端をメインリンク56(図9、図10参照)に連結さ
れ、該メインリンク56はクレーンのフックに連結され
ることにより、該上フレーム1と下フレーム2は同一の
クレーンのフックによって吊り上げ又は吊り下げられ
る。
【0035】上フレーム1には、ディーゼルエンジン
6、該エンジン6により駆動される油圧ポンプ7、作動
油タンク8、燃料タンク9、電磁切換弁群10などから
なるエンジン駆動油圧発生装置5が搭載され、また、左
右位置にはそれぞれ旋回装置としての右旋回ブロワ3、
左旋回ブロワ4が取付けられ、該右旋回ブロワ3及び左
旋回ブロワ4にはそれぞれVベルトを介して同ブロワを
駆動する油圧モータ3a、4aが取付けられ、また、バ
ッテリー11、操作盤12、受令機13が搭載されてい
る。
【0036】下フレーム2には、製品材DBの長さ方向
の両側である左右位置にそれぞれスリング支持装置20
が製品材DBの長さ方向に移動自在に支持されて取付け
られている。該スリング支持装置20は下フレーム2の
左右両側辺に沿い製品材DBの幅方向に沿った両側に間
隔をおいて配置されたスリング及びスリングアーム支持
用の軸受22と、該両側に配置された軸受22を一体に
支持する軸受支持部材21と、該両側に配置された軸受
22にそれぞれその軸心回りに回転可能に、かつ、その
軸方向に移動(進退)自在に支承されて設けられたアー
ム横行用ロッド23とで構成されている。
【0037】該軸受支持部材21は、各々の軸受22の
軸受ボディに一体に固着された軸受部接続金具と該各々
の軸受22の間で下フレームの左右方向側の側辺に沿っ
て延び該各々の軸受部接続金具を一体に接続する中間部
接続金具で構成され、該各々の軸受22を互いに一体に
連結支持するように形成されている。そして、該両側に
配置された軸受22の間には該両側の軸受22と互いに
軸線を同一にして中空状の中間パイプ22aが該軸受支
持部材21の延在方向と同一の方向に延びて設けられお
り、該中間パイプ22aは両方の軸受が位置する方向に
間隔をおいて配置された接続部材21aにより該軸受支
持部材21へ連結されて支持されて設けられている。
【0038】該中間パイプ22aの軸方向の両端面には
スラスト平軸受(図示せず)が設けられ、軸受22の内
部にアーム横行用ロッド23を軸方向に摺動(移動)自
在に支持しかつ回転可能にするように設けられたアーム
開閉用ボス(図示せず)に作用するスラスト荷重を受け
止めるように構成されている。
【0039】下フレーム2の四隅にはガイド31がそれ
ぞれ固着されて取付けられており、該それぞれのガイド
31にはそれぞれアーム押出用ロッド30が荷の長さ方
向の下フレーム2の左右方向に延びて同方向に移動自在
かつ摺動自在に嵌着されて設けられている。そして、該
それぞれのアーム押出用ロッド30のスリング支持装置
20側の端部は該それぞれの軸受支持部材21の軸受部
接続金具に連結されている。このように、スリング支持
装置20は該2本のアーム押出ロッド30がそれぞれの
ガイド31に左右方向に移動(摺動)自在に嵌着される
ことにより、下フレーム2に支持されて取付けられてい
る。
【0040】一方、該軸受支持部材21の荷の幅方向の
ほぼ中央部分には下フレーム2に取付支持金具29bを
介して取付けられたアーム押出用油圧シリンダ29のピ
ストンロッド29aが接続されて連結されている。従っ
て、スリング支持装置20は、アーム押出用油圧シリン
ダ29作動させそのピストンロッド29aを伸縮させる
ことにより、荷の幅方向の両側に位置した2本のアーム
押出用ロッド30が該それぞれのガイド31に摺動、案
内、支持されて、荷の長さ方向に移動可能とされる。こ
のスリング支持装置20の荷の長さ方向の押出移動スト
ロークは図1又は図9に符号EXSTで示している。
【0041】該それぞれの軸受22にはアーム横行用ロ
ッド23が前記アーム開閉用ボスを介して該それぞれの
軸受22の軸心回りに回転可能にかつ該軸受22の軸方
向に進退(移動)可能にそれぞれ支承されて設けられて
おり、該アーム横行用ロッド23は該中間パイプ22a
の中空内部の軸方向に挿入可能とされている。
【0042】そして、前記それぞれの軸受22には軸受
22ボディに連結され前記軸受部接続金具と一体に形成
されたシリンダ取付金具23cが取付けられており、該
それぞれの取付金具23cには長手方向を該アーム横行
用ロッド23と同方向とされ、かつ、該アーム横行用ロ
ッド23と同一平面内に位置されてアーム横行用油圧シ
リンダ24がそれぞれ固定されて設けられており、その
ピストンロッド24aの先端は該アーム横行用ロッド2
3の反軸受22側の自由端部に固着されたブラケット2
3bに接続されている。
【0043】また、図3などに示すように、該アーム横
行用ロッド23のほぼ下方にはアーム横行ガイドロッド
23dが一端側を前記軸受22に一体に設けられたシリ
ンダ取付金具23cに固定されたガイド23eに摺動自
在に支持され他端を前記ブラケット23bに接続されて
設けられている。従って、該アーム横行用油圧シリンダ
24を作動させそのピストンロッド24aを伸縮させる
ことにより、アーム横行用ロッド23は該軸受22に内
蔵された前記アーム開閉用ボス(図示せず)に摺動可能
に支持され、かつ、アーム横行ガイドロッド23dにガ
イドされて軸方向、即ち、荷の幅方向に移動可能とされ
る。このアーム横行用ロッド23の荷の幅方向の移動ス
トロークは図3にWSTで示している。
【0044】一方、該軸受22に内蔵された該アーム開
閉用ボスには、該軸受22の該アーム開閉用ボスの端部
と前記中間パイプ22aの端部の間の前記スラスト軸受
の摺接接合部付近にアーム回動レバー26が根元側を該
アーム開閉用ボスに連結されて設けられており、該アー
ム回動レバー26の他端側の自由端は該軸受支持部材2
1に連結されて固着されたアーム開閉用油圧シリンダ2
8のピストンロッド28aの先端とピンによって回動自
在に連結されている。従って、アーム開閉用油圧シリン
ダ28を作動させそのピストンロッド28aを伸縮させ
ることにより、アーム横行用ロッド23は該軸受22に
内蔵された前記アーム開閉用ボス(図示せず)を軸受2
2の軸心回りに回転駆動させることにより、軸受22の
軸心回りに回転可能とされる。
【0045】該それぞれのアーム横行用ロッド23の該
軸受22と遠ざかる側の自由端部であって荷の幅方向の
両側には、それぞれ同方向に延在されてスリングアーム
40が該アーム40の取付ボス部41aを該ロッド23
に嵌着され固定ナット41bにより締め付けられて固設
されて設けられている。該スリングアーム40はアーム
横行用ロッド23に固着されたアーム受け41とそれと
一体に2本のアーム接続ピン42aにより固定して接続
されたアーム42で形成されており、該各々のアーム4
2の自由端部にはスリングテンション装置43が取付け
られている。
【0046】また、アーム42には該スリングテンショ
ン装置43の上部に、荷の幅方向の両側のスリングアー
ム40を閉じて荷の幅方向の両側面に沿ってスリングア
ーム40に支持されるスリング(スリングベルト)44
を荷の幅方向の両側面の外側に円滑に取り入れ案内する
ためのガイド45が固定されて設けられている(図8も
参照)。そして、該荷の幅方向の両側に取付けられた該
スリングアーム40にはそれらの自由端部との間にスリ
ング44が掛け渡されて取付けられている。
【0047】即ち、スリング44は、その両側の基端を
それぞれ荷の幅方向の両側に位置したスリングアーム4
0のアーム受け41にスリング取付ピン44aによって
取付固定され(図1、図3参照)、該両側の基端部分に
連続する中間部分をアーム42に固設されたスリングガ
イド44c及びその下方のスリングテンション装置43
のスリングテンション用油圧シリンダ47のピストンロ
ッド47aの端部にガイドロッド49により進退自在に
案内された状態で設けられたスリングガイド50により
案内支持されて、両方のスリングアーム40間に上方が
開のコ字状に掛け渡されて設けられている(図3参
照)。
【0048】該スリングテンション装置43は、詳細を
図7に示すように、アーム42の自由端に設けられた取
付ブラケット46を介して取付支持されたスリングテン
ション用油圧シリンダ47と、アーム42の自由端に設
けられたガイド48にアーム42の延在方向に進退(摺
動)自在に支持されて設けられたガイドロッド49と、
該スリングテンション用油圧シリンダ47のピストンロ
ッド47aの先端部と該ガイドロッド49の先端部に取
付けられた前記スリングガイド50とで構成されてい
る。
【0049】該スリングテンション用油圧シリンダ47
を作動させそのピストンロッド47aを延ばすことによ
り両側のスリングアーム40の間で生じているスリング
ベルト44の撓みをとり、スリングベルト44に張力を
与えて両側のスリングアーム40の端部のスリングガイ
ド50の間でピンと張らせることができ、荷(製品材)
に掛け易くすることができる。
【0050】該スリングガイド50には該スリングガイ
ド50のアーム42の軸方向端部よりも突出されてキャ
スタ51が取付けられており、荷を掴んだり荷から離す
ときのスリングアーム40の開閉時に該キャスタ51が
地面と接してスリング44が直接、地面に接触しないよ
うに構成されると共に、スリングアーム40の先端のス
リング44が荷(製品材)とダンネージ(荷敷)DNと
の隙間(例えば約70mm)に入り易くするように構成さ
れている。
【0051】該スリング支持装置20の各々のアーム横
行用ロッド23の自由端部のスリングアーム40の固設
部分には前記ブラケット23bに隣接して吊り下げロー
プLRPが連結される吊り金具23aがそれぞれ固着さ
れて取付けられおり、スリング支持装置20が吊り上げ
られることにより該下フレーム2が吊り上げられるよう
に構成されている。
【0052】以上のようにスリング支持装置20及びス
リングアーム40などが構成されることにより、スリン
グアーム40は、スリング支持装置20に取付けたアー
ム開閉用油圧シリンダ28によってアーム横行用ロッド
23を軸受22の軸心回りに回転駆動させることにより
軸受22の軸心を回動中心として垂直面内で回動自在に
設けて荷に対して開閉自在に設けられると共に、スリン
グ支持装置20に別に取付けたアーム横行用油圧シリン
ダ24によって該アーム横行用ロッド23を軸受22の
軸方向に移動自在に駆動させることにより荷の幅方向に
荷の幅に応じて移動自在に設けられる。
【0053】図9及び図10は以上のように構成された
スリング掛けグラブを用いて吊り荷としての製品材のド
ライボードDBを左右それぞれ一対のスリングアーム4
0のそれぞれのスリング44を掛けて吊り上げるときの
全体の吊り状態、要領を示す。両図は長さL2 のドライ
ボードDBを吊り上げる直前の状態を示すものであり、
上フレーム1は吊り下げロープURPにより、下フレー
ム2は吊り下げロープLRPにより、該それぞれのロー
プURP、LRPの上端をメインリンク56に結合され
て、該メインリンク56を上フレーム1、下フレーム2
のほぼ中心部においてクレーンのフックに掛けられるこ
とにより同時に吊り下げられた状態で、図10に示すド
ライボードDBの幅方向の両側の一対のスリングアーム
40が2点鎖線で示すように開かれた水平状態からアー
ム開閉用油圧シリンダ28の作動により図9に実線で示
すように左右同時に閉じられてダンネージDNの上に載
置されたドライボードDBの長手方向の両側の底面にス
リング44が掛けられている。
【0054】図9において、更に長い長さ(L3 )のド
ライボードDBを吊るときは、左右のアーム押出用シリ
ンダ29を作動させて左右のスリング支持装置20をそ
れぞれ押出ストロークEXSTだけドライボードDBの
長手方向(左右方向)に押し出し、その後アーム開閉用
油圧シリンダ28を作動させて左右のスリングアーム4
0を閉じスリング44をドライボードDBに掛ける。ま
た、特に長尺物は図9の左右のうちの片側のスリングを
ドライボードDBの底面に掛けた後にクレーンで反対側
にグラブを移動し反対側のスリングを掛けることにより
荷役を行うことができる。この動作とスリングアームの
回動位置をスリング支持装置の押し出して調整する動作
を組み合わせることにより、どのような長尺物でも荷役
が可能となる。なお、図9に示すように、長さの短い長
さL1 のドライボードDBを吊ることもできる。また、
どのようなクレーンにでもメインリンク56をそのフッ
クに掛けるだけで即作業に入ることができる。
【0055】図11乃至図14の油圧系統図に基づいて
エンジン駆動油圧発生装置5を説明する。図11の油圧
系統図(その1)は、回路元圧設定回路(アンロー
ド)、旋回装置駆動回路、エンジン停止回路、エンジン
スロットル回路を示すもので、該それぞれの回路はディ
ーゼルエンジン6により回転駆動される油圧ポンプ7の
油吐出口に接続された油吐出管60と、油戻り管61と
の間に接続されている。
【0056】該回路元圧設定回路(アンロード)は電磁
切換弁62、リリーフモジュラー弁63及びチェックモ
ジュラー弁64で構成されている。ディーゼルエンジン
6を起動し油圧ポンプ7を駆動すると作動油タンク8か
ら油吐出管60へ作動油が供給され、電磁切換弁62は
図示の中立位置でP(ポンプ)ポートとT(タンク)ポ
ートの間で該油圧ポンプ7から油吐出管60に吐出され
る油を遊休循環させる。リリーフモジュラー弁63は電
磁切換弁62に接続して設けられ、そのリリーフ弁はP
(ポンプ)ポートとT(タンク)ポートの間に介装され
て設けられ、該電磁切換弁62のSOL.a 、又はSOL.b が
入れられることにより回路の元圧設定を行う。該リリー
フモジュラー弁63のリリーフ弁の設定圧は例えば19
0Kg/cm2とされる。
【0057】該旋回装置駆動回路は電磁切換弁65と該
電磁切換弁65に油供給口側を接続された左右の旋回ブ
ロワ3、4駆動用の油圧モータ3a、4aで構成され、
電磁切換弁65のSOL.a を入れると左旋回ブロワ用油圧
モータ4aが駆動されクレーンで吊り下げられたスリン
グ掛けグラブを水平面内で左旋回させる。また、SOL.b
を入れると右旋回ブロワ用油圧モータ3aが駆動されス
リング掛けグラブを水平面内で右旋回させる。
【0058】該エンジン停止回路は電磁切換弁66とそ
れに接続されたエンジンストップ用ミニシリンダ68に
より構成されている。エンジンスロットル回路は電磁切
換弁67とそれに接続されたエンジンスロットル用ミニ
シリンダ69により構成されている。図11に示す該油
吐出管60の末端S1と油戻り管61の末端R1はそれ
ぞれ図12の油吐出管60の先端部S1と油戻り管61
の先端部R1に接続される。
【0059】図12の油圧系統図(その2)はアーム押
出用回路、及び、荷押さえ用回路を示すものである。ア
ーム押出用回路は電磁切換弁70、該電磁切換弁70に
接続されて設けられたリリーフモジュラー弁72、該リ
リーフモジュラー弁72に接続されて設けられたアンチ
キャビテーションモジュラー弁73及びアーム押出用油
圧シリンダ29、29で構成されている。該電磁切換弁
70のA、Bポートはそれぞれ下フレーム2の左右に設
けられた2個のアーム押出用油圧シリンダ29、29の
それぞれのヘッド室とロッド側室とが管路(ライン)で
結ばれ、該1個の電磁切換弁70を作動させることによ
り、該両方のアーム押出用油圧シリンダ29、29を同
時に作動させうるように構成されている。
【0060】該リリーフモジュラー弁72は2個のリリ
ーフ弁で構成されており、1個のリリーフ弁72aは電
磁切換弁70のBポートラインとT(タンク)ポートラ
インとの間に介装され、他方のリリーフ弁72bは電磁
切換弁70のAポートラインとTポートラインとの間に
介装されている。両方のリリーフ弁72a、72bの設
定圧は、前記回路元圧設定回路の元圧設定用のリリーフ
モジュラー弁63のリリーフ弁の設定圧(例えば190
Kg/cm2)よりも低い圧力とされ、また、スリングアーム
40の押し出し時又は引き込み時にアーム押出用油圧シ
リンダ29に作用するときの圧力よりも大きい圧力(例
えば70Kg/cm2)とされ、さらにスリングアームへ何ら
かの外力が作用し衝撃が掛かったとき該衝撃力を逃がし
該スリングアームを保護しうる圧力に決められる。
【0061】また、アンチキャビテーションモジュラー
弁73は2個のチェック弁で構成され、1個のチェック
弁73bは電磁切換弁70のBポートラインとT(タン
ク)ポートラインとの間にTポートライン側からBポー
トライン側への油の流れを許容するように介装され、他
方のチェック弁73aは電磁切換弁70のAポートライ
ンとTポートラインとの間にTライン側からAポートラ
イン側への油の流れを許容するように介装されている。
【0062】アンチキャビテーションモジュラー弁73
のAポートラインと2個のアーム押出用油圧シリンダ2
9のヘッド室側を結ぶラインには分流弁71が介装され
ており、該分流弁71はシリンダ押し時に同期作動する
よう構成されている。なお、図12の油圧系統図(その
2)において、油吐出管60の末端S2及び油戻り管6
1の末端R2はそれぞれ図13の油圧系統図(その3)
の油吐出管60の先端S2及び油戻り管61の先端R2
に接続されている。
【0063】このような構成において、アーム押出用回
路の電磁切換弁70のSOL.a を入れると作動油はAポー
トから吐き出されてAポートラインを流れ分流弁71に
入り左右両側のアーム押出用シリンダ29のヘッド室に
同流量の作動油が供給されそれらのピストンロッド29
aが同期して押し出され、左右のスリング装置20、即
ちそれに取付けられたそれぞれのスリングアーム40が
下フレーム2に対して押し出される。また、SOL.b を入
れると作動油はBポートから吐き出されてBポートライ
ンを流れて左右両側のアーム押出用油圧シリンダ29の
ロッド側室に供給されそのピストンロッド29aが縮め
られ、スリング支持装置20、即ちそれに取付けられた
それぞれのスリングアーム40は下フレーム2に対して
近づけられる。
【0064】そして、例えば、スリングアーム40の押
出時やスリングアーム40が押し出された状態でアーム
押出用油圧シリンダ29のピストンロッド29aに該ロ
ッド29aを縮める方向に何らかの外力が作用したと
き、該油圧シリンダ29のヘッド室の油は圧縮され圧力
(油圧)が上がり、その圧力が該リリーフモジュラー弁
72の2個のリリーフ弁の内のリリーフ弁72bの設定
圧(例えば70Kg/cm2)よりも大きくなった場合は該リ
リーフ弁72bがリリーフしてTポートライン側に流さ
れ、同時に該油圧シリンダ29のロッド室内にはバキュ
ーム(負圧)が発生するため該リリーフ弁72bからリ
リーフしてTポートラインに入った油はアンチキャビテ
ーションモジュラー弁73の2個のチェック弁の内のチ
ェック弁73bをTポートラインからBポートラインへ
と吸い込まれて流され、該油圧シリンダ29のロッド側
室に供給(回収)される。このことによりロッド室内の
該バキューム(負圧)の発生が防がれる。
【0065】逆に、スリングアーム40を下フレーム2
側に引き込むときにスリング44に何かが引っ掛かっり
スリングアーム40の引き込みを阻止するような外力が
作用したような場合や、スリングアーム40が押し出さ
れた状態でスリングアーム40にスリングアーム40が
さらに外側に引き出すような外力が作用した場合には、
アーム押出用油圧シリンダ29のロッド側室の油が圧縮
され圧力(油圧)が上がり、その圧力が該リリーフモジ
ュラー弁72の2個のリリーフ弁の内のリリーフ弁72
aの設定圧(例えば70Kg/cm2)よりも大きくなった場
合は該リリーフ弁72aがリリーフしてTポートライン
側に流され、同時に該油圧シリンダ29のヘッド室には
バキュームが発生するため該リリーフ弁72aからリリ
ーフしてTポートラインに入った油はアンチキャビテー
ションモジュラー弁73の2個のチェック弁の内のチェ
ック弁73aをTポートラインからAポートラインへと
吸い込まれて流され、該油圧シリンダ29のヘッド室に
供給(回収)される。このことによりヘッド室内の該バ
キューム(負圧)の発生が防がれる。
【0066】従って、スリングアーム40の押し出し、
引き込み動作時、又は、スリングアームが押し出された
状態でスリングアーム40又はスリング44になんらか
の異常外力が作用しても該アーム押出用油圧シリンダ2
9のピストンロッド29aが該リリーフモジュラー弁7
2及び該アンチキャビテーションモジュラー弁73の作
用により該アーム押出用油圧シリンダ29のピストンロ
ッド29aの移動を許容するため該スリングアーム40
等の機器、荷としての製品材(ドライボードDB)或い
は、船倉等の製品材の保管倉庫の損傷又は破損等を防止
することができる。
【0067】また、例えば、図23に示すような状態の
ときのように、左右のスリングアーム40を水平状に開
き、かつ、突き出した状態で荷下ろしを終了した後、電
磁切換弁70を中立にしてクレーンでグラブを吊り上げ
たときには、その吊り上げロープLRPの取付点はスリ
ング支持装置20に設けられているため、該ロープLR
Pの左右の取付点の間隔が広げられている。このとき、
アーム押出用油圧シリンダ29のピストンロッド29a
には、グラブの吊り上げにより該ロープLRPへ作用す
る引張力(吊り上げ力)の水平方向の分力が該ピストン
ロッド29aを縮める方向に作用する。従って、該リリ
ーフモジュラー弁72のリリーフ弁72bの設定圧をこ
の水平方向の分力に相当する圧力以下に所定値に設定し
ておけばグラブを吊り上げると自動的に該突き出された
状態のスリングアーム40を下フレーム2側に引き込ま
せることができる。
【0068】荷押さえ用回路は電磁切換弁74、該電磁
切換弁74に接続されて設けられたリリーフモジュラー
弁75、該リリーフモジュラー弁75に接続されて設け
られたアンチキャビテーションモジュラー弁76、該ア
ンチキャビテーションモジュラー弁76に接続されて設
けられたカウンタバランスモジュラー弁77及び荷押さ
え用油圧シリンダ32で構成されている。
【0069】該リリーフモジュラー弁75においては電
磁切換弁74のBポートラインとTポートラインとの間
にリリーフ弁75aが介装され、電磁切換弁74のAポ
ートラインとTポートラインとの間に他方のリリーフ弁
75bが介装されている。両方のリリーフ弁75a、7
5bの設定圧は前記回路元圧設定回路の元圧設定用のリ
リーフモジュラー弁63のリリーフ弁の設定圧(例えば
190Kg/cm2)よりも低く、また、荷押さえ板33の押
し出し時又は引き込み時に荷押さえ用油圧シリンダ32
に作用するときの圧力よりも大きい圧力の例えば70Kg
/cm2とされる。
【0070】また、アンチキャビテーションモジュラー
弁76においては電磁切換弁74のBポートラインとT
(タンク)ポートラインとの間にチェック弁76bがT
ポートライン側からBポートライン側への油の流れを許
容するように介装され、電磁切換弁70のAポートライ
ンとTポートラインとの間にチェック弁76aがTポー
トライン側からAポートライン側への油の流れを許容す
るように介装されている。
【0071】該リリーフモジュラー弁75及び該アンチ
キャビテーションモジュラー弁76の構成、作用原理は
前記アーム押出用回路のそれらの弁72、73と同様で
あり、該リリーフモジュラー弁75や該アンチキャビテ
ーションモジュラー弁76は、荷押さえ板33を電磁切
換弁74のSOL.b を入れて荷押さえ用油圧シリンダ32
のヘッド室に作動油を供給してそのピストンロッド32
aを押し出して下降させるときに該荷押さえ板33に障
害物が当たってその下降が阻止されたときや、電磁切換
弁74のSOL.a を入れて荷押さえ用油圧シリンダ32の
ロッド側室に作動油を供給してそのピストンロッド32
aを引っ込めて逆に電磁切換弁74のSOL.a を入れて荷
押さえ板33を上昇させるときに該荷押さえ板33に障
害物が当たってその上昇が阻止されたとき、に作用して
機器や製品材の損傷、破損を防止する。
【0072】また、例えばグラブをクレーンで吊り製品
材を掴むため左右のスリングアーム40を水平状態の全
開としてクレーンで製品材の上に位置させると共に、荷
押さえ用油圧シリンダ32のピストンロッド32aを押
し出して(伸ばして)荷押さえ板33を下げ電磁切換弁
74を中立にした状態で、クレーンでグラブを下げて製
品材の上に該荷押さえ板33を着地させてグラブの振れ
を止めグラブの位置決めを行うが、このとき着地の瞬間
や着地の後に、荷押さえ用油圧シリンダ32のピストン
ロッド32aにはグラブの自重が作用するため該ピスト
ンロッド32aが押し込まれ(縮められ)ようとする。
【0073】このとき、該油圧シリンダ32のヘッド室
の油は圧縮され圧力(油圧)が上がり、その圧力が該リ
リーフモジュラー弁75の2個のリリーフ弁の内のリリ
ーフ弁75aの設定圧(例えば70Kg/cm2)よりも大き
くなると該リリーフ弁75aがリリーフしてTポートラ
イン側に流され、同時に該油圧シリンダ32のロッド室
内にはバキュームが発生するため該リリーフ弁75aか
らリリーフしてTポートラインに入った油はアンチキャ
ビテーションモジュラー弁76の2個のチェック弁の内
のチェック弁76aをTポートラインからAポートライ
ンへと流され、該油圧シリンダ32のロッド側室に供給
(回収)される。このことにより、ロッド室内の該バキ
ュームの発生が防がれる。そして、このため該油圧シリ
ンダ32のピストンロッド32aが縮められて荷押さえ
板33が下フレーム2側に引き込まれて機器や製品材の
損傷、破損を防止することができる。
【0074】該カウンタバランスモジュラー弁77はそ
のAポートラインにチェック弁付きのリリーフ弁77a
が介装されて構成されており、該電磁切換弁74のSOL.
b を入れて該荷押さえ用油圧シリンダ32のヘッド室に
油を供給し荷押さえ用油圧シリンダ32のピストンロッ
ド32aの先端に取付けられた荷押さえ板33を下降さ
せるときにAポートラインの圧力を所定値に保ちロッド
側室の油の逃げを規制して荷押さえ板33が急激に下降
しないようにして機器や製品材の保護をする。
【0075】図13の油圧系統図(その3)はアーム開
閉用油圧回路を示すものであり、この油圧回路は下フレ
ーム2の製品材の長手方向左右に位置した各々のスリン
グ支持装置20の製品材の幅方向にそれぞれ位置した軸
受22に支承されたアーム横行用ロッド23をアーム開
閉用油圧シリンダ28により軸受22の軸心回りに回転
駆動させることにより該アーム横行用ロッド23の軸端
に固着したスリングアーム40を該軸受22の軸心を回
動中心として垂直面内で回動させて製品材(荷)に対し
て開閉させるためのものである。
【0076】このアーム開閉用油圧回路は、図13に示
すように図2又は図4に示す平面図において下フレーム
2の左側に位置したスリング支持装置の荷の幅方向の両
側の上と下に、即ち、左上と左下に位置したそれぞれの
スリングアーム40、及び、下フレーム2の右側に位置
したスリング支持装置の荷の幅方向の両側の上と下に、
即ち、右上と右下に位置した計4本のスリングアーム4
0、をそれぞれ個別に独立させて開閉駆動させ得る回路
に構成されている。即ち、左上、左下、右上、右下のス
リングアーム40をそれぞれ個別に開閉させるためにそ
れぞれに個別に設けられたアーム開閉用油圧シリンダ2
8をそれぞれ個別に独立させて駆動する油圧回路とされ
ている。
【0077】それぞれのアーム開閉用油圧シリンダ28
を個別に独立させて駆動する油圧装置(回路)は、電磁
切換弁78、該電磁切換弁78に接続されて設けられた
リリーフモジュラー弁79、該リリーフモジュラー弁7
9に接続されて設けられたアンチキャビテーションモジ
ュラー弁80、該アンチキャビテーションモジュラー弁
80に接続されて設けられたカウンタバランスモジュラ
ー弁81が設けられて構成されている。
【0078】該リリーフモジュラー弁79においては電
磁切換弁78のBポートラインとTポートラインとの間
にリリーフ弁79aが介装され、電磁切換弁78のAポ
ートラインとTポートラインとの間にリリーフ弁79b
が介装されている。両方のリリーフ弁79a、79bの
設定圧は、前記回路元圧設定回路の元圧設定用のリリー
フモジュラー弁63のリリーフ弁の設定圧(例えば19
0Kg/cm2)よりも低い圧力とされ、また、スリングアー
ム40を開閉するときにアーム開閉用油圧シリンダ28
を作動させるに必要な圧力等が考慮されて決められる。
【0079】アンチキャビテーションモジュラー弁80
においては電磁切換弁78のBポートラインとTポート
ラインとの間にチェック弁80bがTポートライン側か
らBポートライン側への油の流れを許容するように介装
され、電磁切換弁78のAポートラインとTポートライ
ンとの間にチェック弁80aがTポートライン側からA
ポートライン側への油の流れを許容するように介装され
ている。
【0080】カウンタバランスモジュラー弁81には、
そのAポートラインにチェック弁付きのリリーフ弁81
aが介装されている。なお、図13の油圧系統図(その
3)において、油吐出管60の末端S3及び油戻り管6
1の末端R3は、それぞれ図14の油圧系統図(その
4)の油吐出管60の端部S3及び油戻り管61の端部
R3に接続される。
【0081】このような構成においてスリングアーム4
0に開動作をさせるときには、電磁切換弁78のSOL.a
を励磁して入れ、Aポートラインを介してアーム開閉用
油圧シリンダ28のロッド室側に油を供給する。また、
スリングアーム40に閉動作をさせるときには、電磁切
換弁78のSOL.b を励磁して入れ、Bポートラインを介
してアーム開閉用油圧シリンダ28のヘッド室に油を供
給する。
【0082】そして、このアーム開閉作動は、スリング
44が荷の下に円滑に取り入れられたり、取り外された
りする通常の荷掴み時は、図2又は図4における左側の
スリング支持装置20の左上及び左下のアーム40の開
閉動作を同時に行わせる。また、同様に右側のスリング
支持装置20の右上及び右下のアーム40の開閉動作を
同時に行わせる。そしてまた、左上及び左下のアーム4
0の開閉動作と右上及び右下のアーム40の開閉動作も
同時か、ほぼ同時に行わせる。
【0083】一方、上記のように、吊るべく荷とグラブ
の位置合わせが正しく行われ、荷とグラブの平行が出て
おりスリング44が荷の下に円滑に取り入れられたり、
取り外されたりする通荷の吊り時では、左右一方側のス
リング支持装置20の両側、例えば左上、左下のスリン
グアーム40を同時に閉じてそれらのアーム40間に掛
け渡されて取付けられたスリング40を荷に引っ掛ける
ことができる。
【0084】しかし、例えば荷が直方体形状の製品材
(ドライボード等)であってそれらが複数、横方向、幅
方向に並べられ且つ積み重ねられている荷である場合に
は、スリングアーム40の延設方向と荷の長手方向の平
行度が出ず、荷の長手方向の端面と該アーム40とアー
ム40の端部の間に掛け渡したスリング44との平行が
正確に出ない状態でスリング40を掛ける場合が殆どで
ある。このように荷の長手方向の端面とスリング44と
の平行度が悪い状態ではスリング40がスムーズに製品
材の下に入らない。しかし、このような場合でも本実施
例では各々のスリングアーム40を独立して個別に回動
させることができるので、スリング40の掛かりの悪い
所のスリングアーム40のみを回動させて掴み直しがで
き、掴み作業を能率化させることができる。なお、左右
それぞれのスリング支持装置20に設けられた両側のス
リングアーム40を同時にしか動かせないと掴み直しの
とき、良く掛かっている所のスリングが動いて却って悪
くなることがある。
【0085】このアーム開閉油圧回路においても、スリ
ングアーム40の開閉動作時にスリングアーム40が荷
の製品材や他の何かの物体に衝突したりしたときのスリ
ングアーム40自体やグラブ、及び、船倉等の倉庫の損
傷、破損や製品材の損傷の防止が行われる。即ち、スリ
ングアーム40が例えば閉動作時に何かの物体に衝突す
ると、電磁切換弁78のBポートラインを通ってアーム
開閉用油圧シリンダ28のヘッド室に供給されている油
の油圧が急激に上がりリリーフモジュラー弁79のリリ
ーフ弁79aの設定圧を越えると該リリーフ弁79aが
リリーフして油がTポートラインへと流れると共に、そ
のリリーフした油はロッド側室に負圧が作用することに
よりアンチキャビテーションモジュラー弁80のチェッ
ク弁80aを通してAポートラインに吸い込まれてロッ
ド側室に供給され、その負圧の発生が防止される。
【0086】また、スリングアーム40が開動作時に何
かの物体に衝突した場合は、上記と逆に、電磁切換弁7
8のAポートラインを通ってアーム開閉用油圧シリンダ
28のロッド側室に供給されている油の油圧が急激に上
がりリリーフモジュラー弁79のリリーフ弁79bの設
定圧を越えると該リリーフ弁79bがリリーフして油が
Tポートラインへと流れると共に、そのリリーフした油
は該油圧シリンダ28のヘッド室に負圧が作用すること
によりアンチキャビテーションモジュラー弁80のチェ
ック弁80bを通してBポートラインに吸い込まれてヘ
ッド室に供給され、その負圧の発生が防止される。この
ように衝突による力が逃がされるので、スリングアーム
40等の機器や製品材の損傷を防止することができる。
【0087】カインターバランスモジュラー弁81のA
ポートラインに介装されたチェック弁付きリリーフ弁8
1aは、スリングアーム40を閉じるときに、アーム開
閉用油圧シリンダ28のロッド側室からAポートライン
通って電磁切換弁78を経由してTポートラインに逃げ
る油の油圧を規制し、自重等により徒にスリングアーム
40が早い速度で下降して閉じたり、落下したりするこ
とがないようにするためのものである。
【0088】図14の油圧系統図(その4)は、アーム
横行用油圧回路及びスリングテンション油圧回路を示す
ものである。アーム横行用油圧回路は、下フレーム2の
製品材の長手方向左右に位置した各々のスリング支持装
置20の製品材の幅方向にそれぞれ位置した軸受22に
支承されたアーム横行用ロッド23をアーム横行用油圧
シリンダ24により該軸受22の軸方向に移動自在に駆
動させることにより該アーム横行用ロッド23の軸端に
固着したスリングアーム40を荷の幅方向に荷の幅に応
じて移動可能とするためのものである。
【0089】このアーム横行用油圧回路は、電磁切換弁
82、該電磁切換弁82に接続されて設けられたリリー
フモジュラー弁83、該リリーフモジュラー弁83に接
続されて設けられたアンチキャビテーションモジュラー
弁84が設けられてそれぞれが構成されている。該リリ
ーフモジュラー弁83には電磁切換弁82のBポートラ
インとTポートラインとの間にリリーフ弁83aが介装
され、電磁切換弁82のAポートラインとTポートライ
ンとの間にリリーフ弁83bが介装されている。両方の
リリーフ弁83a、83bの設定圧は、前記回路元圧設
定回路の元圧設定用のリリーフモジュラー弁63のリリ
ーフ弁の設定圧(例えば190Kg/cm2)よりも低い圧力
とされ、また、スリングアーム40を荷の幅方向に横行
させるときにアーム横行用油圧シリンダ24を作動させ
るに必要な圧力等を考慮して決められる。
【0090】アンチキャビテーションモジュラー弁84
においては電磁切換弁82のBポートラインとTポート
ラインとの間にチェック弁84bがTポートライン側か
らBポートライン側への油の流れを許容するように介装
され、電磁切換弁82のAポートラインとTポートライ
ンとの間にチェック弁84aがTポートライン側からA
ポートライン側への油の流れを許容するように介装され
ている。
【0091】そして、アンチキャビテーションモジュラ
ー弁84のAポートラインは右上、右下、左上、左下の
計4個のそれぞれのアーム横行用油圧シリンダ24のロ
ッド側室に分岐管路で結ばれており、また、アンチキャ
ビテーションモジュラー弁84のBポートラインは該計
4個のそれぞれのアーム横行用油圧シリンダ24のヘッ
ド室に分岐管路で結ばれている。
【0092】この構成において、電磁切換弁82のSOL.
a を励磁させると各々のアーム横行用油圧シリンダ24
のロッド側室に油が供給されそのピストンロッド24a
が縮んでアーム横行用ロッド23を介してスリングアー
ム40を荷の幅方向の中央側に移動(横行)させ、右側
に位置したスリング支持装置20では右上及び右下のス
リングアーム40の間隔が閉じられ、同時に左側に位置
したスリング支持装置20では左上及び左下のスリング
アーム40の間隔が閉じられる。また、電磁切換弁82
のSOL.b を励磁させると各々のアーム横行用油圧シリン
ダ24のヘッド室に油が供給されそのピストンロッド2
4aが伸ばされてアーム横行用ロッド23を介してスリ
ングアーム40が荷の幅方向の外側に移動(横行)さ
れ、右側に位置したスリング支持装置20の右上及び右
下のスリングアーム40の間隔が開かれると共に左側に
位置したスリング支持装置20の左上及び左下のスリン
グアーム40の間隔が開かれる。このようにしてスリン
グアーム40は吊り荷の幅に応じて移動可能に設けられ
る。
【0093】このアーム横行用油圧回路においても、ス
リングアーム40の横行動作時にスリングアーム40が
荷の製品材や他の何かの物体に衝突したりしたときのス
リングアーム40自体やグラブ、及び、船倉等の倉庫の
損傷、破損や製品材の損傷の防止が行われる。即ち、ス
リングアーム40が例えば開くように横行をする時に何
かの物体に衝突すると、電磁切換弁82のBポートライ
ンを通ってアーム横行用油圧シリンダ24のヘッド室に
供給されている油の油圧が急激に上がりリリーフモジュ
ラー弁83のリリーフ弁83aの設定圧を越えると該リ
リーフ弁83aがリリーフして油がTポートラインへと
流れると共に、そのリリーフした油はロッド側室に負圧
が作用することによりアンチキャビテーションモジュラ
ー弁84のチェック弁84aを通してAポートラインに
吸い込まれてロッド側室に供給され、その負圧の発生が
防止される。
【0094】また、スリングアーム40が閉じるように
横行する時に製品材等の何かの物体に衝突した場合は、
上記と逆に、電磁切換弁82のAポートラインを通って
アーム横行用油圧シリンダ24のロッド側室に供給され
ている油の油圧が急激に上がりリリーフモジュラー弁8
3のリリーフ弁83bの設定圧を越えると該リリーフ弁
83bがリリーフして油がTポートラインへと流れると
共に、そのリリーフした油は該油圧シリンダ24のヘッ
ド室に負圧が作用することによりアンチキャビテーショ
ンモジュラー弁84のチェック弁84bを通してBポー
トラインに吸い込まれてヘッド室に供給され、その負圧
の発生が防止される。このようにアーム横行時の衝突に
よる力が逃がされるので、スリングアーム40等の機器
や製品材等の損傷を防止することができる。
【0095】そして、本実施例のグラブでは、図3に実
線で示すように、電磁切換弁82のSOL.b を励磁しアー
ム横行用油圧シリンダ24のピストンロッドを伸ばしア
ーム横行用ロッド23を軸受22に対して伸ばして右側
の右上、右下の両側のスリングアーム40の間隔、及
び、左側の左上、左下の両側のスリングアーム40の間
隔、をそれぞれ広げて吊り荷である製品材の幅よりも広
くし電磁切換弁82のSOL.b の励磁を解いて電磁切換弁
82を図14に示すように中立とした状態で製品材にス
リング44を掛けてクレーンで吊り上げる必要がある
が、図3に示すように下フレーム2の吊り下げロープL
RPのスリング支持装置20への取付点がスリングアー
ム40のアーム横行用ロッド23への固設部分に取付け
た吊り金具23aとされていることにより、製品材を吊
り上げたときにアーム横行用ロッド23へは軸方向に吊
り下げロープLRPに作用する吊上荷重の水平方向の分
力が幅方向の中央側、即ち、軸受22側に向かって作用
しアーム横行用ロッド23は縮まろうとする。このとき
アーム横行用油圧シリンダ24のピストンロッド24a
も縮められようとする。
【0096】従って、該アーム横行用油圧シリンダ24
のヘッド室のBポートラインに通じるリリーフモジュラ
ー弁83のリリーフ弁83aの設定圧を該アーム横行用
ロッド23へ作用する軸方向の吊上荷重の分力に相当す
る圧力よりも小さい圧力に設定することにより、該油圧
シリンダ24のヘッド室に作用している油を該リリーフ
弁83aを通してTポートラインにリリーフさせ該リリ
ーフした油をアンチキャビテーションモジュラー弁84
のチェック弁84aを通して該油圧シリンダ24のロッ
ド側室に供給することにより、該油圧シリンダ24のピ
ストンロッド24a、即ち、アーム横行用ロッド23が
製品材の幅方向の中央側に縮み、スリングアーム40の
間隔が図3に鎖線で示すように製品材の幅方向の両側面
に沿う位置まで縮められる。
【0097】このように、本実施例では、スリングアー
ム40の間隔を拡げた状態で製品材を掴むようにするの
でスリング44を製品材に掛け易い。また、スリングア
ーム40同士の間隔を拡げた状態で製品材をスリング4
0で吊っても、アーム横行用油圧シリンダ24に荷吊り
時に所定荷重以上で該シリンダ24を縮ませてスリング
アーム40同士が荷の幅方向の両側面に位置するように
移動してスリングアーム同士の間隔を狭めるための、リ
リーフモジュラー弁83のリリーフ弁83a及びアンチ
キャビテーションモジュラー弁84のチェック弁84a
からなる圧力調整装置、を接続して設けることにより、
製品材の幅方向の両側の該スリングアーム40同士の間
隔が縮められてスリングアーム40が製品材の側面に沿
って位置するのでスリングアーム40が内側に湾曲する
ことを防ぐことができると共に、製品材を安定して吊り
上げることができる。また、製品材の幅方向の吊り点の
間隔が狭められるのでスリング支持装置20のアーム横
行用ロッド23に作用する吊り荷重による曲げ荷重も少
なくなり強度上有利なものとすることができる。
【0098】また、本実施例では、スリング44のスリ
ング支持装置20への取付点も、図3等に示すようにア
ーム横行用ロッド23の自由端部に固設したスリングア
ーム40のアーム受け41部に設けられているので、荷
である製品材にスリング44を掛けるときにスリングア
ーム40同士の製品材の幅方向の間隔を拡げることによ
り、その取付点同士の製品材の幅方向の間隔も拡げられ
るため、スリングを製品材に掛けるときにスリングが邪
魔にならず作業が容易になると共に幅広の製品材を吊る
ときにも有利になる。
【0099】スリングテンション油圧回路は、電磁切換
弁85、該電磁切換弁85に接続されて設けられたリリ
ーフモジュラー弁86で構成され、該リリーフモジュラ
ー弁86のAポートラインは右上、右下、左上、左下の
計4個のそれぞれのスリングテンション用油圧シリンダ
47のロッド側室に分岐管路で結ばれており、また、リ
リーフモジュラー弁86のBポートラインは該計4個の
それぞれのスリングテンション用油圧シリンダ47のヘ
ッド室に分岐管路で結ばれて構成されている。
【0100】該リリーフモジュラー弁86は2個のリリ
ーフ弁で構成されており1個のリリーフ弁86aは電磁
切換弁85のBポートラインとTポートラインとの間に
介装され、他方のリリーフ弁86bは電磁切換弁85の
AポートラインとTポートラインとの間に介装されてい
る。両方のリリーフ弁86a、86bの設定圧は、前記
回路元圧設定回路の元圧設定用のリリーフモジュラー弁
63のリリーフ弁の設定圧(例えば190Kg/cm2)より
も低い圧力とされ、また、スリングに与える必要なテン
ションに相当する圧力等が考慮されて決められる。
【0101】この構成において、電磁切換弁85のSOL.
b を励磁させると各々のスリングテンション用油圧シリ
ンダ47のヘッド室に油が供給されそのピストンロッド
47a、及び、ガイドロッド49が伸ばされてその先端
に取付けられたスリングガイド50がスリングアーム4
0のアーム42の自由端からアーム42の軸方向に遠ざ
かる方向に伸ばされることにより、右上及び右下のスリ
ングアーム40の間に掛け渡されたスリング44が張ら
れて撓みが取られると共に左上及び左下のスリングアー
ム40の間に掛け渡されたスリング44が張られて撓み
が取られる。
【0102】また、電磁切換弁85のSOL.a を励磁させ
ると各々のスリングテンション用油圧シリンダ47のロ
ッド側室に油が供給されそのピストンロッド47a、及
び、ガイドロッド49が縮んでスリングガイド50がス
リングアーム40のアーム42の自由端側に近づけら
れ、右上及び右下のスリングアーム40の間に掛け渡さ
れたスリング44の張りが取られると共に左上及び左下
のスリングアーム40の間に掛け渡されたスリング44
の張りが取られる。
【0103】そして、スリング44にスリング44を製
品材に掛ける前に与える張り(テンション)具合は、該
リリーフモジュラー弁86のリリーフ弁86aの設定圧
を調整することにより行われる。スリング44を製品材
に掛ける前には、電磁切換弁85のSOL.b を励磁させて
各々のスリングテンション用油圧シリンダ47のヘッド
室に油を供給するとそのピストンロッド47aが伸長さ
れて、右上及び右下のスリングアーム40の間、及び、
左上及び左下のスリングアーム40の間に、それぞれ掛
け渡されたスリング44が張られて撓みが取られるが、
このとき、スリング44の張力が必要一定値以上になっ
て該油圧シリンダ47のヘッド室の油圧が該リリーフモ
ジュラー弁86のリリーフ弁86aの設定圧を超えると
該リリーフ弁86aがリリーフして油はタンクラインに
逃がされる。これにより、スリング44に必要な張力を
与えると共にスリング44が保護される。
【0104】また、該リリーフ弁86aは、グラブをク
レーンで吊って移動させるときに、例えば右上及び右下
のスリングアームの間に張られたスリング44がその外
側から建物等の固定部に衝突して該スリング44がグラ
ブ本体側が谷となるように撓められてスリングガイド5
0を介して、又は、該スリングガイド50が直接に該固
定部に衝突して、スリングテンション用油圧シリンダ4
7のピストンロッド47aに所定以上の圧縮力が作用し
該油圧シリンダ47のヘッド室内の油圧が所定以上上昇
させられたときにも、リリーフ作動するように設定圧が
決められる。即ち、該リリーフ弁86aによりスリング
44、スリングガイド50、スリングアーム40、該油
圧シリンダ47自体が衝突から保護され、それらの損
傷、破損が防止される。
【0105】また、リリーフ弁86bは、グラブをクレ
ーンで吊って移動させるときに、例えば該スリングガイ
ド50が直接に該固定部に衝突したり引っ掛けられたり
してスリングテンション用油圧シリンダ47のピストン
ロッド47aに所定以上の引張力が作用し該油圧シリン
ダ47のロッド側室内の油圧が所定以上上昇させられた
ときに、リリーフ作動するように設定圧が決められる。
即ち、該リリーフ弁86bによりスリング44、スリン
グガイド50、スリングアーム40、該油圧シリンダ4
7が保護されそれらの損傷、破損が防止される。
【0106】次に、図15乃至図24により、以上のよ
うに構成されたスリング掛けグラブの作動、及び、荷吊
りの操作手順の一例を説明する。先ず、図15に示すよ
うにディーゼルエンジン6を起動して油圧発生装置5を
駆動し、前述のようにして左右のスリングアーム40を
回動させて全開の水平状態にし、上フレーム1と下フレ
ーム2をそれぞれの吊り下げロープURP,LRPが連
結されたメインリンク56をクレーンのフックに連結し
て該クレーンにより吊り上げる。このとき、荷押さえ用
油圧シリンダ32を作動させて荷押さえ板33を下フレ
ーム2の下方へ押し出して下げておく。
【0107】次に、図16に示すように、クレーン運転
手と合図をしながら、グラブ移動中に前後、左右、旋回
を調整し、製品材DB上に該荷押さえ板33を着地させ
る。荷押さえ板33を着地させると、グラブの振れが止
められるためその状態でグラブの位置が製品材DBの掴
み位置かを確認する。グラブが掴み位置よりずれている
ときはクレーンでグラブを少し上げ、荷押さえ板33と
製品材DBの上面とが接触しない程度として位置調整を
する。なお、この例では製品材DBは長さの短い下製品
材LDBと長さの長い上製品材UDBが重ねられている
場合を示している。
【0108】次に、図17に示すように、グラブと製品
材DBの位置が良ければ、クレーンを下げる。そうする
と、前記したようにグラブの下フレーム2、スリング支
持装置20、スリングアーム40等の自重により、荷押
さえ板33は荷押さえ用油圧シリンダ32に設けたリリ
ーフモジュラー弁75やアンチキャビテーションモジュ
ラー弁76の作用により該油圧シリンダ32のピストン
ロッド32aが自然に縮むことにより下フレーム2側に
引き込まれる。図17の状態はこのように荷押さえ板3
3が自然に引き込んで下フレーム2の底面に位置されて
収められ、下フレーム2が製品材DBの上に載置された
状態を示す。
【0109】次に、図18に示すように、クレーンを下
げながら左右のアーム押出用油圧シリンダ29を作動さ
せて長手方向にスリングアーム40を上製品材UDBの
長さに合わせて突き出す。このとき、スリングアーム4
0の突き出しにしたがって下フレーム2の吊り下げロー
プLRPの左右の間隔が拡げられることにより上フレー
ム1も下降してそのフレームの下端1bが上製品材UD
Bの上面に近づき、上下のフレーム1、2の上下の間隔
が縮められている。この上フレーム1の下降は、上フレ
ーム1と下フレーム2とが互いに上下動自在に設けられ
ていることにより下フレーム2の吊り下げロープLRP
の左右の間隔が拡げられるに応じて円滑に行われる。そ
して、左右のそれぞれ4個のアーム開閉用油圧シリンダ
28を作動させてスリングアーム40を閉じる方向に回
動させる。
【0110】次に、図19に示すように、クレーンを上
げながら下製品材LDBの底面のコーナーに、スリング
アーム40の角度を調整すると共に、スリングアーム4
0の突き出し度を左右のアーム押出用油圧シリンダ29
のピストンロッド29aを縮めて調整し、スリング44
を掛ける。このスリング44を掛けたときの上フレーム
1と下フレーム2の上下位置関係はこの実施例の荷吊り
では図15に示す状態での位置関係とほぼ同じである。
【0111】そして、図20に示すように、スリング4
4が下製品材LDBの底面のコーナーに確実に掛かって
いることを確認した後、クレーンを巻き上げ製品材DB
を吊り上げ、所定の荷降ろし個所に移動する。このクレ
ーンを巻き上げ製品材DBを吊り上げるときに、前記し
たようにアーム横行用油圧回路のリリーフモジュラー弁
83及びアンチキャビテーションモジュラー弁84の作
用により左右それぞれ一対のスリングアーム40はそれ
ぞれ製品材DBの幅方向の間隔が縮められてスリングア
ーム40が製品材DBの側面に位置して安定して吊り上
げられる。
【0112】そして、図21に示すように、右、左旋回
ブロワ3、4にて位置決めした後に製品材DBを荷降ろ
し個所に着地させる。そして、クレーンを下げながら左
右それぞれ4本のアーム開閉用油圧シリンダ28を作動
させて左右それぞれ一対のスリングアーム40を開くと
共にアーム押出油圧シリンダ29を作動させて左右それ
ぞれ一対のスリングアーム40を押し出してその突き出
しを調整し、スリング40を下製品材LDBの底面のコ
ーナーから外す。
【0113】次に、図22に示すように左右それぞれ一
対のスリングアーム40を水平状態になるまで開くこと
により、製品材DBからスリングを完全に外す。このと
き、上フレーム1の下端1bが上製品材UDBの上面に
近づき下フレーム2は上製品材UDB上に着地して上フ
レーム1と下フレーム2の上下の間隔が縮められ、グラ
ブは前記図18と同じ状態となっている。
【0114】その後、図23に示すように、左右それぞ
れ一対のスリングアーム40が全開にされた状態でクレ
ーンを巻き上げることにより、前記アーム押出用油圧回
路で説明したようにリリーフモジュラー弁72及びアン
チキャビテーションモジュラー弁73の作用により左右
それぞれ一対のスリングアーム40はそれぞれ下フレー
ム2側に引き込まれ、前記図17と同じ状態となる。
【0115】そして、図24に示すように、クレーンを
巻き上げグラブを製品材DBから離し、次の製品材DB
の掴み位置に移動し、以下、前記図15から図24に示
した状態の動作を行わせて次々に製品材DBを移載す
る。
【0116】なお、この荷吊り操作例では製品材DBは
長さの短い下製品材LDBと長さの長い上製品材UDB
が重ねられている場合を示したが、このように長尺物は
短い製品材の上に載せて荷役をするようにすればスリン
グアーム40の左右方向(荷の長手方向)の吊り点の間
隔を小さくして安定して荷吊りを行うことができる。
【0117】また、以上のような本実施例のスリング掛
けグラブによる荷吊りの操作においては、受令機13が
上フレーム1に搭載されていることにより、エンジン駆
動油圧発生装置のエンジン起動停止操作、エンジン回転
速度(スロットル)調整、旋回装置の操作、荷押さえ板
駆動操作、スリングアームの開閉、押出、横行操作、及
び、スリングテンション装置等の操作は、全て無線リモ
コンにて操作できるように構成されている。
【0118】次に、図25乃至図30に基づいて本発明
の他の実施例を説明する。この実施例は、左右のスリン
グ支持装置にそれぞれ一対、製品材の幅方向の両側に取
付けられるスリングアーム90を、それぞれ、アーム横
行用ロッド23に固着されるアーム受け91と、該アー
ム受け91に接続して取付けられるアーム92とで形成
し、該アーム92は該アーム受け91に対して、左右そ
れぞれ一対のスリングアーム40が開いて荷を掴むとき
に両側の該アーム92が互いに外側に広がるように、ま
た、スリングアーム40が閉じた状態で荷を掴み吊り上
げたときには互いに内側に回動するように、折曲可能に
接続して取付けた構成にした場合を示し、また、スリン
グ93のスリング支持装置20Aへの取付点、及び、下
フレーム2の吊り下げロープのスリング支持装置20A
への取付点を、左右それぞれのスリング支持装置20A
の製品材DBの幅方向の両側に位置した軸受22部に設
けた場合を示すものである。
【0119】スリングアーム40を構成するアーム横行
用ロッド23に固着されたアーム受け91とアーム92
とは、アーム受け91に対してアーム92がそれぞれ下
側ピン92bと上側ピン92cにより折曲可能となるよ
うに接続して取付けられて構成されている。即ち、下側
ピン92bは、詳細を図29に示すように、アーム92
に対して傾斜角度θだけ傾けられて固設された管状のピ
ン受け92aの内部に挿通され、さらにアーム受け91
に傾斜角度θだけ傾けられてアーム受け91を貫通して
両側を固定されて設けられている。
【0120】また、上側ピン92cは、詳細を図30に
示すように、アーム92の上端に固設された基幹92d
の内部にアーム92に対して傾斜角度θだけ傾けられて
穿設され上側ピン92cの外径よりも大きく形成した内
径の円形孔92eの内部に挿通され、さらにアーム受け
91に傾斜角度θだけ傾けられてアーム受け91を貫通
して両側を固定されて設けられている。図30の状態で
は上側ピン92cは孔92eの内部の片側によった位置
にあり、図26や図27に示すときのようにアーム92
とアーム受け91とが直線状態にあるときを示してい
る。
【0121】アーム92がアーム受け91に対して上記
のような構造で取付けられているため、図26に鎖線で
示すようにスリングアーム90を回動させて開いたとき
にアーム92が自動的にアーム受け91に対して外側に
広がるので、スリングアームを一体に(1本で)構成し
たときのようにスリングの重みでアームの自由端側が製
品材DBの幅方向に撓んでアームの自由端側が互いに荷
の幅方向に縮んで狭まることが避けられ、スリングアー
ム90を閉じる方向に回動させてスリング93を製品材
DBに掛けに行くときアーム先端が製品材DBに当たっ
たり、製品材DBの側面とスリング93の隙間が小さく
なってスリング93を製品材DBに掛け難くなる現象が
防がれ、スリング93を製品材DBに円滑、かつ、容易
に掛けることができる。
【0122】そして、製品材DBにスリング93を掛け
て吊り上げるとき、図27に示すように製品材DBがス
リングアーム90を固着したアーム横行用ロッド23の
軸方向(荷の幅方向)の移動(進退)ストローク、即
ち、スリングアーム90の横行ストロークWSTの範囲
内にある幅を有した製品材DBである場合は、アーム横
行用油圧シリンダ24のピストンロッド24aを縮めて
幅方向両側のスリングアーム90を図27に鎖線で示す
位置の製品材DBの側面まで移動(横行)させて吊り上
げる。従って、スリングアーム90の曲げが避けられる
と共に製品材DBを安定して吊り上げることができる。
なお、図27はスリングアーム90を閉じて製品材DB
にスリング93を掛けた直後の状態を示している。ま
た、異なる幅を有した製品材DBを吊るときの状況を示
している。
【0123】また、製品材DBにスリング93を掛けて
吊り上げるとき、図28に示すように製品材DBが、た
とえ、幅がスリングアーム90を固着したアーム横行用
ロッド23の軸方向(荷の幅方向)の移動(進退)スト
ローク、即ち、スリングアーム90の横行ストロークW
STの後退限の間隔よりも小さい幅を有した製品材DB
を吊り上げるときでも、幅方向両側のスリングアーム9
0のアーム92が製品材DBの荷重により自動的にアー
ム受け91に対して内側に回動して製品材DBの幅方向
の側面に沿って位置するので、アーム90の撓みをなく
してアーム90の強度を保って、該幅の狭い製品材DB
でも安定して吊り上げることができる。なお、図28で
はアーム横行用ロッド23が縮められてスリングアーム
90が後退限にある状態を示す。図28の鎖線で示すよ
うにスリング93で製品材DBを吊る前のスリング93
に製品材DBの重量が掛かっていないときにはアーム9
0はアーム受け91に対して直線状態に垂れ下がってい
る。
【0124】そして、図26、図27などに示すよう
に、スリング93はその根元部分であるソフトスリング
93aの基端を左右それぞれのスリング支持装置20の
製品材DBの幅方向の両側に位置した軸受22部の下部
に固着したスリング取付金具22cに基端を取付けられ
ており、また、下フレーム2の吊り下げロープは左右そ
れぞれのスリング支持装置20の製品材DBの幅方向の
両側に位置した軸受22部の上部に固着して設けた吊り
金具22bにシャックルを介して取付けられている。
【0125】従って、この実施例のスリング掛けグラブ
においては、荷の吊り荷重はアーム横行用ロッド23に
は全く作用せず、製品材DBの吊り荷重はスリング支持
装置20Aの軸受22や軸受支持部材21に持たせるの
で、該アーム横行用ロッド23の強度はスリングアーム
90を支持する強度だけを確保することでよく、該アー
ム横行用ロッド23のサイズや強度を大きくする必要が
なく、強固なグラブを構成することができる。なお、本
実施例のグラブでは図25に示すようにアーム横行用ガ
イドロッド23dはアーム横行用油圧シリンダ24の真
下に取付けられている。その他の構成は前記図1乃至図
8の実施例と同様である。
【0126】以上の実施例における「荷の長さ(長手)
方向」と「荷の幅方向」の表現は、本発明においては、
それぞれ「荷の幅方向」と「荷の長さ(長手)方向」の
表現に置き換えることができる。
【0127】以上の実施例の油圧制御回路において、ア
ーム押出用回路、アーム横行用回路、スリングテンショ
ン用回路は、それぞれ複数の油圧シリンダを一つの電磁
切換弁の操作で同時に作動させる場合を示したが、アー
ム開閉回路のように、複数の油圧シリンダに個々に電磁
切換弁を設けて複数の油圧シリンダを独立させて作動さ
せるようにしてもよい。
【0128】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
エンジン油圧式旋回グラブは次のような優れた効果があ
る。
【0129】(1)請求項1の構成では、フレームを上
フレームと下フレームに分割し上フレームと下フレーム
を互いに上下方向に移動可能に設けて構成し、しかも、
両方のフレームは独自に別々にクレーンにより吊り下げ
るようにし、上フレームには油圧駆動装置と旋回装置を
搭載して独自に吊り下げるようにしたので上フレームに
は吊り荷重が作用することなく剛性が必要でなくなり、
軽量化を図ることができる。また、下フレームは、それ
に荷の長さ方向に移動可能に取付けたスリング支持装置
にクレーンによる吊り点を設けたので吊り荷重は該スリ
ング支持装置に作用し、下フレーム自体には作用しない
ため下フレームにはそのための剛性を持たせる必要がな
くなり、軽量化を図ることができる。
【0130】また、荷掴み部は、高張力ナイロン吊り索
などで形成されるスリングとし、該スリングが荷の吊り
荷重を支えるようにしたので、従来の鋼製の腕のように
大型で重量大で大がかりとならず軽量になる。従ってグ
ラブ全体の軽量化を図ることができる。このため、スリ
ングアームの開閉速度も早く開閉時間が短縮される。ま
たグラブの移動や持ち運びも簡便化される。そして、荷
の長さに応じてスリングアームの回動位置を移動可能で
あり、また、荷の幅に応じてそれぞれのスリングアーム
の間隔を変更可能であり、かつ、スリングアームを回動
させてそれに支持又は案内されたスリングを荷の底に掛
けることが可能であるため、荷の大きさに応じて荷役が
可能となると共に、ドライボード等の荷にスリングを掛
ける作業員が不要となる。また、岸壁等の荷降ろし点で
のスリングを外す作業員も不要となる。このように、吊
り上げ、吊り下げ作業能率を向上化させることができ
る。
【0131】さらに、スリング支持装置を荷の長さ方向
に移動自在に設けたことにより、スリングアームの回動
位置を荷の長さに応じて移動させることによりどのよう
な長尺物の荷役にでも使用することができる。また、特
に長尺物は左右それぞれ一対のスリングアームの間に掛
け渡したそれぞれのスリングのうちの片側のスリングを
該長尺物に掛けた後にクレーンでグラブを反対側に移動
させ、他方のスリングを掛けることにより荷役が可能で
ある。長尺物は短い物の上に載せて荷役するようにすれ
ば荷吊りを安定して行うことができる。
【0132】(2)請求項2の構成では、上記請求項1
の効果に加え、さらに、左右のスリングアームの荷の長
さ方向の押し出し、引き込み動作を確実に行わせること
ができると共に、スリングアームの回動開閉動作、及
び、荷の幅方向への拡幅動作(横行動作)を確実に行わ
せることができ、荷の吊り上げ、吊り下げ作業を確実に
行わせることができる。
【0133】(3)請求項3の構成では、上記荷の掴み
時にグラブを荷の上から下ろして来るときに予め荷押さ
え用油圧シリンダを作動させて荷押さえ板を下フレーム
の下方に突き出して垂下させておき、クレーンを操作し
てグラブを吊るべく荷の位置に移動させると共に荷に対
してグラブの前後、左右位置を合わせ、旋回装置により
荷とグラブの方向を一致させて、該荷押さえ板を荷の上
に着地させる。それによりグラブの振れが止められた
め、グラブの位置決めを容易に行うことができる。
【0134】そして、該荷押さえ板を上下方向に摺動自
在に案内するガイドとガイドロッドはグラブを旋回させ
るとき上下フレームを一体に旋回させる作用と上フレー
ムと下フレームを互いに上下の移動を可能にする作用を
兼ねることにより、構造を簡単にすることができる。
【0135】(4)請求項4の構成では、スリングを荷
に掛けるときに荷の幅方向にスリングアームの間隔を広
げて荷の幅よりも大きくするためスリングの間隔広げる
必要があるが、この間隔を広げた状態でスリングを荷に
掛け吊り上げるときに圧力調整装置の作用により荷の幅
方向の両側のスリングアームの間隔が自動的に縮められ
てスリングアームが荷の側面に沿って位置するのでスリ
ングアームが内側に湾曲することが防がれ、荷を安定し
て吊り上げることができる。また、荷の幅方向の吊り点
の間隔が狭められるのでアーム支持装置のアーム横行用
ロッドに作用する吊り荷重による曲げ荷重も少なくな
り、強度上有利なものとすることができる。また、スリ
ングの該スリング支持装置への取付点も荷の幅方向に移
動するのでスリングを荷に掛けるときにスリングが邪魔
にならず幅広の荷を吊るときにも有利である。
【0136】(5)請求項5の構成では、荷の吊り荷重
はアーム横行用ロッドには全く作用せず、荷の吊り荷重
はスリング支持装置の軸受や軸受支持部材に持たせるの
で、該アーム横行用ロッドの強度はスリングアームを支
持する強度だけを確保することでよく、該アーム横行用
ロッドのサイズや強度を大きくする必要がなく、グラブ
を強固なものとすることができる。
【0137】(6)請求項6の構成では、スリングアー
ムの延設方向と荷の長手方向の平行度が出ておらず、荷
の長手方向の端面とアームとアームの端部の間に掛け渡
したスリングとの平行が正確に出ていないような場合は
スリングがスムーズに製品材の下に入らないが、このよ
うな場合でもスリングアームを個別に動かす(開閉さ
す)ことができるので、スリングの掛かりの悪い所のス
リングアームのみを回動させて掴み直しができるため、
掴み作業を能率化させることができる。なお、左右一対
のスリングアームが同時にしか動かせないと掴み直しの
とき、良く掛かっている所のスリングが動いて却って悪
くなることがある。従って、四隅のコーナー部に作業員
を一人ずつ配置して掛け直し作業をする必要がなく、人
手をかけることなくスリングを円滑に掛けるようにする
ことができる。
【0138】(7)請求項7の構成では、スリングアー
ムを回動させて開いた状態としてスリングを荷に掛ける
ときに、スリングテンション装置を作動させてスリング
を張らせることにより一対のスリングアームの自由端部
の間に掛け渡たされたスリングの例えば円弧を描いて垂
れ下がった状態の撓み(緩み)をとり、該自由端部の間
に掛け渡たされたスリングを直線状に張らせて該スリン
グを吊り荷に掛かり易いようにすることができ、作業能
率を向上させることができる。
【0139】(8)請求項8の構成では、スリングアー
ムを回動させて開いた状態としてスリングを荷に掛ける
ときに、アームが自動的にアーム受けに対して外側に広
がるので、スリングアームを一体に(1本で)構成した
ときのようにスリングの重みでアームの自由端側が荷の
幅方向に撓んでアームの自由端側が互いに荷の幅方向に
縮んで狭まることがなくなり、スリングアームを閉じる
方向に回動させ荷へのスリング掛けを円滑、かつ、容易
に行うことができる。
【0140】また、スリングアームを閉じる方向に回動
させてスリングを荷に掛けて荷を吊り上げるときに、た
とえ、幅がスリングアーム同士の横行ストロークの後退
限の間隔よりも小さい荷を吊り上げるときでも、アーム
が荷の荷重により自動的にアーム受けに対して内側に回
動して荷の幅方向の側面に沿って位置するので、アーム
の撓みをなくしてアームの強度を保って、該幅の狭い荷
でも安定して吊り上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン油圧式旋回グラブとしての実
施例のスリング掛けグラブの正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1のA〜A線矢視平面図であり下フレーム及
びそれに取付けられたスリング支持装置等を示す図であ
る。
【図5】図4に示す下フレーム及びスリング支持装置等
の正面図である。
【図6】図4のB〜B線矢視断面図である。
【図7】スリングテンション装置の正面図である。
【図8】図7のC線矢視断平面図である。
【図9】長尺状の製品材を吊るときのスリングアームの
動作要領や吊り下げロープの取付け要領を示すスリング
掛けグラブの全体正面図である。
【図10】図9の右側面図である。
【図11】油圧系統図(その1)であり、回路元圧設定
回路、旋回装置駆動回路、エンジン停止回路、エンジン
スロットル回路を示す。
【図12】油圧系統図(その2)であり、アーム押出用
回路、荷押さえ用回路を示す。
【図13】油圧系統図(その3)であり、アーム開閉用
回路を示す。
【図14】油圧系統図(その4)であり、アーム横行用
回路及びスリングテンション回路を示す。
【図15】スリング掛けグラブの作動、荷吊りの操作手
順の一例を説明するものあり、荷吊り開始時の製品材の
上にグラブを移動するときの状態を示すグラブの正面図
である。
【図16】図15の状態からグラブの荷押さえ板を製品
材の上に着地させグラブの位置調整を行うときの状態の
正面図である。
【図17】図16の状態からグラブの自重により荷押さ
え板を引っ込ませてクレーンを下げてグラブを製品材の
上に置いた状態の正面図である。
【図18】図17の状態からクレーンを下げつつ製品材
の長手方向にスリングアームを突き出した後、スリング
アームを閉にしスリングを掛け始めるときの状態の正面
図である。
【図19】図18の状態からクレーンを上げつつ下製品
材のコーナーにスリングアームの角度、突き出し量を調
整してスリングを掛けるときの状態の正面図である。
【図20】図19の状態から下製品材のコーナーにスリ
ングが掛かっていることを確認後クレーンを巻き上げて
製品材を吊り始めたときの状態の正面図である。
【図21】図20の状態からクレーンで移送点にグラブ
を移動した後、着地させ、クレーンを下げながらスリン
グアームを開き、スリングアームの突き出し量を調整
し、スリングを下製品材のコーナーから外すときの状態
の正面図である。
【図22】図21の状態からスリングアームを全開にし
てスリングを製品材から完全に外し、上フレームが下降
しグラブを製品材の上に預けたときの状態を示す正面図
である。
【図23】図22の状態からクレーンを巻き上げつつス
リングアームを引き込ませるときの状態を示す正面図で
ある。
【図24】図23の状態からクレーンを巻き上げグラブ
を製品材から離し、次の荷吊り点にグラブを移すときの
状態の正面図である。
【図25】本発明の他の実施例を示すスリング掛けグラ
ブの正面図である。
【図26】図25の平面図である。
【図27】図25の右側面図であり、製品材の幅方向の
両側のスリングアームの横行ストロークの範囲内か、後
退限の間隔とほぼ同等の幅を有する製品材を吊り上げる
ときの状態を示す図である。
【図28】製品材の幅方向の両側のスリングアームの横
行ストロークの後退限の間隔よりも小さい幅を有した製
品材を吊り上げるときのグラブの右側面図である。
【図29】図27又は図28のD線矢視断面図であり、
アーム受けとアームを連結する下側ピンの取付要領を示
す図である。
【図30】図27又は図28のE線矢視断面図であり、
アーム受けとアームを連結する上側ピンの取付要領を示
す図である。
【符号の説明】
1 上フレーム 2 下フレーム 3 右旋回ブロワ 3a 右旋回ブロワ駆動用油圧モータ 4 左旋回ブロワ 4a 左旋回ブロワ駆動用油圧モータ 5 エンジン駆動油圧発生装置 6 ディーゼルエンジン 7 油圧ポンプ 20、20A スリング支持装置 21 軸受支持部材 22 軸受 23 アーム横行用ロッド 24 アーム横行用油圧シリンダ 26 回動レバー 28 アーム開閉用油圧シリンダ 29 アーム押出用油圧シリンダ 30 アーム押出用ロッド 32 荷押さえ用油圧シリンダ 33 荷押さえ板 35 荷押さえ板用ガイドロッド 40、90 スリングアーム 41、91 アーム受け 42、92 アーム 43 スリングテンション装置 44、93 スリング 44c スリングガイド 45 アーム案内用ガイド 47 スリングテンション用油圧シリンダ 51 キャスタ URP 上フレーム吊り下げロープ LRP 下フレーム吊り下げロープ DB ドライボード(製品材) DN ダンネージ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揚重機により吊り下げられ、エンジン駆
    動油圧発生装置と該油圧発生装置により駆動され水平面
    内でグラブを旋回させるための旋回装置とを取付けたグ
    ラブ本体フレームと、該フレームの両側に該油圧発生装
    置により駆動される荷掴み部を取付けたエンジン油圧式
    旋回グラブにおいて、 該荷掴み部を荷の下に引っ掛けられ荷の荷重を支えるス
    リングと該スリングを案内又は支持するスリングアーム
    とで構成し、 該グラブの本体フレームを上フレームと下フレームとで
    構成してそれぞれ揚重機により吊り下げ可能に設けると
    共に、上フレームと下フレームを上下方向に互いに移動
    可能にかつ水平面内で一体に旋回可能に設け、 該上フレームには該エンジン駆動油圧発生装置と旋回装
    置を取付け、該下フレームには荷の長さ方向の両側にそ
    れぞれ該スリングとスリングアームを支持するスリング
    支持装置を荷の長さ方向に移動可能に支持して取付け、 該それぞれのスリング支持装置には、その荷の幅方向の
    両側に位置させてスリングアームを互いの間隔を荷の幅
    に応じて調整自在に、かつ、荷の長さ方向の垂直面内で
    回動自在に設け、 該それぞれのスリング支持装置の荷の幅方向の両側に設
    けた該スリングアームには該両側のスリングアームの自
    由端部の間にスリングを掛け渡して取付け、 該下フレームの吊り下げロープの取付点を該スリング支
    持装置に設けた、ことを特徴とするエンジン油圧式旋回
    グラブ。
  2. 【請求項2】 揚重機により吊り下げられ、エンジン駆
    動油圧発生装置と該油圧発生装置により駆動され水平面
    内でグラブを旋回させるための旋回装置とを取付けたグ
    ラブ本体フレームと、該フレームの両側に該油圧発生装
    置により駆動される荷掴み部を取付けたエンジン油圧式
    旋回グラブにおいて、 該荷掴み部を荷の下に引っ掛けられ荷の荷重を支えるス
    リングと該スリングを案内又は支持するスリングアーム
    で構成し、 該グラブのフレームを上フレームと下フレームとで構成
    してそれぞれ揚重機により吊り下げ可能に設けると共
    に、上フレームと下フレームを上下方向に互いに移動可
    能にかつ水平面内で一体に旋回可能に設け、 該上フレームには該エンジン駆動油圧発生装置と旋回装
    置を取付け、該下フレームには荷の長さ方向である両側
    にそれぞれ該スリングとスリングアームを支持するスリ
    ング支持装置を下フレームとスリング支持装置との間に
    連結して設けたアーム押出用油圧シリンダにより荷の長
    さ方向に移動可能に支持して取付け、 該それぞれのスリング支持装置は荷の幅方向に沿う両側
    に間隔をおいて配設されたスリング及びスリングアーム
    支持用の軸受と、該両側の軸受を一体に支持する軸受支
    持部材と、該それぞれの軸受の軸心回りに回転可能にか
    つ該軸受の軸方向に移動自在にそれぞれ支承させて設け
    たアーム横行用ロッドとで構成し、 該それぞれのアーム横行用ロッドの該軸受と遠ざかる側
    の端部にはそれぞれ同方向に延在させて該スリングアー
    ムを固設し、 該スリングアームは、該スリング支持装置に取付けたア
    ーム開閉用油圧シリンダにより該アーム横行用ロッドを
    該軸受の軸心回りに回転駆動させることにより該軸受の
    軸心を回動中心として荷の長さ方向の垂直面内で回動自
    在に設けて荷に対して開閉自在に設けると共に、該スリ
    ング支持装置に別に取付けたアーム横行用油圧シリンダ
    により該アーム横行用ロッドを該軸受の軸方向に移動自
    在に駆動させることにより荷の幅方向に荷の幅に応じて
    移動自在に設け、 該それぞれのスリング支持装置の荷の幅方向の両側に取
    付けられた該スリングアームにはそのそれぞれのアーム
    横行用ロッドへの固設点からスリングアーム延在方向へ
    遠ざかる側の自由端部との間にスリングを掛け渡して取
    付け、 該下フレームの吊り下げロープの取付点を該スリング支
    持装置に設けた、ことを特徴とするエンジン油圧式旋回
    グラブ。
  3. 【請求項3】 下フレームにピストンロッドの先端に荷
    押さえ板を垂下させて取付けた荷押さえ用油圧シリンダ
    を垂直状に取付け、該荷押さえ板に複数のガイドロッド
    を垂直状に取付け、上フレームと下フレームにはそれぞ
    れ該ガイドロッドを摺動自在に嵌着するガイドを取付け
    ることにより、荷押さえ板を荷押さえ用油圧シリンダの
    作動により上下方向に移動可能に設け、該ガイドロッド
    と該ガイドは上フレームと下フレームを互いに上下方向
    の移動を可能とし、また、上フレームと下フレームを水
    平面内で一体に旋回可能とすることを特徴とする請求項
    2のエンジン油圧式旋回グラブ。
  4. 【請求項4】 該スリングの該スリング支持装置への取
    付点、及び、該下フレームの吊り下げロープの該スリン
    グ支持装置への取付点を、該スリングアームのアーム横
    行用ロッドへの固設部分に設け、該それらの取付点が該
    スリングアームの横行によって位置が変化されるように
    し、アーム横行用油圧シリンダには荷吊り時に所定荷重
    以上で該シリンダを縮ませてスリングアームが荷の幅方
    向の両側面に位置するように移動してスリングアーム同
    士の間隔を狭めるための圧力調整装置を接続して取付け
    たことを特徴とする請求項2又は3のエンジン油圧式旋
    回グラブ。
  5. 【請求項5】 該スリングの該スリング支持装置への取
    付点、及び、該下フレームの吊り下げロープの該スリン
    グ支持装置への取付点を、該スリング支持装置の該荷の
    幅方向に沿う両側に位置した軸受部に設けたことを特徴
    とする請求項2又は3のエンジン油圧式旋回グラブ。
  6. 【請求項6】 スリング支持装置の各々のアーム横行用
    ロッドには該アーム開閉用油圧シリンダを個別に接続し
    て設け、かつ、該各々のアーム開閉用油圧シリンダには
    それぞれ駆動油圧装置を独立して設け、各々のスリング
    アームを独立して開閉し得るようにしたことを特徴とす
    る請求項2又は3又は4又は5のエンジン油圧式旋回グ
    ラブ。
  7. 【請求項7】 スリングアームのアーム横行用ロッドへ
    の固設点とスリングアームの延在方向に遠ざかる側の端
    部にスリングテンション装置を設けたことを特徴とする
    請求項2又は3又は4又は5又は6のエンジン油圧式旋
    回グラブ。
  8. 【請求項8】 荷の幅方向の両側に取付けられるスリン
    グアームを、それぞれ、アーム横行用ロッドに固着され
    るアーム受けと、該アーム受けに接続して取付けられる
    アームとで形成し、該アームは該アーム受けに対して、
    スリングアームが開いて荷を掴むときに両側のアームが
    互いに外側に広がるように、また、スリングアームが閉
    じた状態で荷を掴み吊り上げたときには互いに内側に回
    動するように、折曲可能に接続して取付けたことを特徴
    とする請求項2又は3又は4又は5又は6又は7のエン
    ジン油圧式旋回グラブ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104229624A (zh) * 2014-09-03 2014-12-24 天奇自动化工程股份有限公司 发动机分装旋转吊具
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