JPH1169476A - 発声補助用人工喉頭 - Google Patents

発声補助用人工喉頭

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JPH1169476A
JPH1169476A JP9230021A JP23002197A JPH1169476A JP H1169476 A JPH1169476 A JP H1169476A JP 9230021 A JP9230021 A JP 9230021A JP 23002197 A JP23002197 A JP 23002197A JP H1169476 A JPH1169476 A JP H1169476A
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pitch pattern
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発声補助のための振動音を発声する人工喉頭
において、振動音に、簡単な操作で自然音声に則した周
波数高さの変化を与える。 【解決手段】 メモリ4、メモリ8にそれぞれ滑らかな
形状の山型ピッチパタン、下降ピッチパタンを格納す
る。スイッチSW2のON/OFF操作に応じて、山型
ピッチパタンに、急峻な傾斜を有する下降ピッチパタン
が接続され、ピッチパタンにアクセント核が形成され
る。カウンタ部28はスイッチSW2のON回数を計数
する。メモリ4はピーク値の異なる山型ピッチパタンを
3つ格納している。1フレーズに複数のアクセント核が
生成される場合、カウンタ部28の値に基づき、順にピ
ーク値の低い山型ピッチパタンを読み出し、アクセント
核のピークが漸次低下するようにする。スイッチSW3
を操作すると、文末ピッチパタンが生成され、文末特有
の一段低いレベルへのピッチの低下が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発声器官である喉
頭摘出等により発声が不自由な者に、代用となる励振音
源を提供し、発声を補助する発声補助用人工喉頭に関
し、特に自然な韻律(イントネーション)での発話を可
能とする人工喉頭に関する。
【0002】
【従来の技術】喉頭癌等のために喉頭を摘出した人は発
声器官をなす声帯を失い、発声することができなくな
る。しかし、調音器官である舌、唇、口腔などの機能は
残っているので、擬似的な声帯振動音を口腔に送り込む
ことによって不自由ながらも発声することが可能とな
る。
【0003】こうした人のための代用発声装置の一つと
して、発声補助用の人工喉頭が存在する。発声補助用の
人工喉頭は、振動板を棒などで叩いて振動を発生する振
動子部を有する。この振動子部は使用者の頸部に押し当
てられ、その振動により咽喉内に空気振動が発生する。
これが擬似的な声帯振動音として口腔内に送り込まれ、
使用者は発声することができるようになる。ちなみに、
振動子部の棒は、人工喉頭の駆動信号である方形波列に
よって振動板に対して垂直方向にピストン運動する。な
お、上述の人工喉頭は、喉頭を摘出された人だけでな
く、呼吸障害を有する者、大手術後の一時的な発声困難
状態にある人などの発声を補助するためにも使用されう
る。
【0004】従来の発声補助用の人工喉頭は、発声中に
おいてピッチ周波数が一定である方形波列を振動子の駆
動信号として用いているものが一般的であった。そのよ
うな人工喉頭を用いて発声された音声は、ピッチ変化が
なく、抑揚のない不自然な声となる。
【0005】特開平8−265891号公報、特公平8
−24688号公報に開示された電気人工喉頭は、この
不自然さを緩和するため、方形波列の周波数を変化させ
て発声音声のピッチ周波数に変化を与えることを提案し
たものである。これらの従来装置は、使用者の呼吸、筋
電位、関節角度、運動といった生体情報や、使用者によ
るスイッチの押圧に応じてピッチ周波数を変調するもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ピッ
チ周波数を変化させない人工喉頭は抑揚がなく不自然な
音声となる。そのため、そのような人工喉頭を使用して
も会話による情報伝達が円滑に行えず、使用者の発声意
欲が減退したり、精神的ストレスを生じるといった問題
があった。すなわち、そのような従来装置の効果は、発
声面での不自由のない日常生活を実現するという、人工
喉頭の本来の目的から見ると不十分であるという問題が
あった。
【0007】これに対し、ピッチ周波数の変調を図った
上記従来装置は、その目的に一歩近づいたといえる。し
かし、スイッチの押圧は使用者が任意に調節するもので
あり、それによってピッチ周波数を調整する装置は、自
然なアクセント、イントネーションを実現するために
は、かなりの習熟を要するという問題がある。また、生
体情報は自然なピッチ周波数の変化と相関を有すること
が想像されるが、その相関は必ずしも十分に自然な音声
を生成できるほどのものではないという問題があった。
【0008】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、より確実に一層自然なアクセント、イント
ネーションの発声が実現され、しかもその自然な音声を
容易な操作で実現する発声補助用人工喉頭を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の本発明に係る発声
補助用人工喉頭は、ピッチパタン生成部が、外部指示に
応じて前記ピッチパタン信号の生成動作を制御する動作
コントロール手段と、極大点に達したのち基準ピッチレ
ベルまで下降する滑らかな山型の山型ピッチパタンを生
成する山型パタン生成手段とを有するものである。
【0010】本発明に係る発声補助用人工喉頭によれ
ば、動作コントロール手段の操作によって、山型パタン
生成手段が山型のピッチパタン信号を生成する。この山
型ピッチパタンは、ピッチが低いピッチレベルから上昇
し、極大点を経て減少に転じ基準ピッチレベルまで下降
するパタンである。この上昇から下降の間において、当
該山型ピッチパタンは滑らかに変化する。
【0011】第2の本発明に係る発声補助用人工喉頭
は、第1の本発明の発声補助用人工喉頭において、前記
ピッチパタン生成部がさらに、下向きに凸の曲線形状で
あって基準ピッチレベルまで単調減少する下降ピッチパ
タンを生成する下降パタン生成手段を有し、前記動作コ
ントロール手段が外部指示に応じて、前記山型ピッチパ
タンと前記下降ピッチパタンとのいずれかの生成を新た
に開始させるパタン切替手段を有するというものであ
る。
【0012】本発明に係る発声補助用人工喉頭によれ
ば、ピッチパタン生成部は、山型ピッチパタンと下降ピ
ッチパタンとを生成することができる。本装置では外部
操作に応じて、ピッチパタン信号を山型ピッチパタンと
下降ピッチパタンとのいずれでも開始することができ
る。また、生成中の山型ピッチパタン、下降ピッチパタ
ンの途中で、パタン切替手段によって新たに山型ピッチ
パタン、下降ピッチパタンの生成を開始させることがで
き、例えば、山型ピッチパタンの下降期間に再び山型ピ
ッチパタンを開始させ、ピッチを上昇に転じることもで
きるし、また山型ピッチパタンの下降期間でそれと異な
る減少率を有する下降ピッチパタンを開始させ、ピッチ
の下降速度を途中から切り替えることもできる。
【0013】本発明の好適な態様は、前記下降ピッチパ
タンが前記山型ピッチパタンの下降部分よりも大きな減
少率を有するものである。これにより、山型ピッチパタ
ンの下降期間途中からピッチの減少が加速され、ピッチ
パタン信号においてアクセントに対応する特徴を与える
ことができる。
【0014】第3の本発明に係る発声補助用人工喉頭に
おいては、第2の本発明の発声補助用人工喉頭の前記パ
タン切替手段が前記山型パタン生成手段及び前記下降パ
タン生成手段を交互に起動することを特徴とする。
【0015】本発明に係る発声補助用人工喉頭によれ
ば、ピッチパタン信号に複数の山を設けるため山型パタ
ン生成手段を複数回起動する場合、ピッチパタン切替手
段が山型パタン生成手段と下降パタン生成手段とを交互
に起動させるので、山型ピッチパタン相互間に下降ピッ
チパタンが挿入される。つまりある山に先行する山型ピ
ッチパタンは一旦下降ピッチパタンによりピッチ減少を
加速されることによってアクセントが形成され、その
後、後続の山型ピッチパタンが開始される。
【0016】第4の本発明に係る発声補助用人工喉頭に
おいては、前記山型パタン生成手段が2つ目以降の前記
山型ピッチパタンのピーク値を、先行する山型ピッチパ
タンのピーク値以下とすることを特徴とする。これによ
り、人工喉頭が口腔内に発生する空気振動において、ア
クセント核が順次小さくなるという自然な日本語発声に
おけるピッチパタンの特徴が、使用者の操作によること
なく自動的に付与される。
【0017】第5の本発明に係る発声補助用人工喉頭
は、前記ピッチパタン生成部が、ピッチパタンの前記基
準ピッチレベルより小さい値まで単調減少する文末ピッ
チパタンを生成する文末パタン生成手段を有し、前記動
作コントロール手段が、前記外部指示に応じて前記文末
ピッチパタンの生成を開始する文末パタン開始手段を有
するものである。
【0018】本発明に係る発声補助用人工喉頭で用いら
れる文末ピッチパタンは、単調減少するピッチパタンで
あり、その意味で一種の下降ピッチパタンであると見る
ことができる。ただし、その単調減少の結果到達する最
終のピッチレベルは上記山型ピッチパタンの基準ピッチ
レベル及び下降ピッチパタンの基準ピッチレベルのいず
れよりも小さい値である。使用者が動作コントロール手
段に外部指示を与え、文末パタン開始手段を起動する
と、文末パタン生成手段がピッチパタン信号として、文
末ピッチパタンを出力し始める。つまり、使用者は文末
パタン開始手段の起動を行うだけで、文末においてピッ
チが先行する部分より低いレベルまで迅速に降下すると
いう自然な日本語の特徴が、自動的にピッチパタン信号
に付与される。
【0019】第6の本発明に係る発声補助用人工喉頭
は、第1の本発明の発声補助用人工喉頭において、前記
山型パタン生成手段に、一連の時刻でのサンプリング値
で表された前記山型ピッチパタンを記憶した山型パタン
記憶手段と、前記動作コントロール手段からの指示に基
づいて、前記山型パタン記憶手段に記憶された前記サン
プリング値を順次読み出す山型パタン読み出し手段とを
備えたものである。また第7の本発明に係る発声補助用
人工喉頭は、第2の本発明の発声補助用人工喉頭におい
て、前記山型パタン生成手段を、一連の時刻でのサンプ
リング値で表された前記山型ピッチパタンを記憶した山
型パタン記憶手段と、前記動作コントロール手段からの
指示に基づいて、前記山型パタン記憶手段に記憶された
前記サンプリング値を順次読み出す山型パタン読み出し
手段とを含んで構成し、前記下降パタン生成手段を、一
連の時刻でのサンプリング値で表された前記下降ピッチ
パタンを記憶した下降パタン記憶手段と、前記動作コン
トロール手段からの指示に基づいて、前記下降パタン記
憶手段に記憶された前記サンプリング値を順次読み出す
下降パタン読み出し手段とを含んで構成したものであ
る。
【0020】これら本発明に係る発声補助用人工喉頭で
は、山型ピッチパタンや下降ピッチパタンは、一連の時
刻でサンプリングされた一群の値で表され、それらはそ
れぞれ記憶手段に記憶される。ピッチパタン信号は、こ
の記憶された一群の値をサンプリングの時刻順に従って
読み出して生成される。
【0021】第8の本発明に係る発声補助用人工喉頭
は、第2の本発明の発声補助用人工喉頭において、前記
山型パタン生成手段を、一連の時刻でのサンプリング値
で表された前記山型ピッチパタンを記憶した山型パタン
記憶手段と、前記動作コントロール手段からの指示に基
づいて、前記山型パタン記憶手段に記憶された前記サン
プリング値を順次読み出す山型パタン読み出し手段とを
含んで構成し、前記下降パタン生成手段を、前記山型パ
タン記憶手段に記憶された前記山型ピッチパタンの前記
極大点以降の前記サンプリング値を順次読み出す下降パ
タン読み出し手段を含んで構成したものである。
【0022】本発明に係る発声補助用人工喉頭では、下
降ピッチパタンを別途記憶する必要がない。山型ピッチ
パタンの極大点以降の部分は滑らかに下降するパタンで
あり、本発明ではこの部分を下降ピッチパタンとして利
用する。つまり、山型パタン記憶手段に記憶されたサン
プリング値のうち極大点以降の部分を読み出して下降ピ
ッチパタンとして使用する。
【0023】第9の本発明に係る発声補助用人工喉頭に
おいては、前記ピッチパタン生成部は、前記下降ピッチ
パタン生成手段により生成される前記下降ピッチパタン
をそのダイナミックレンジが拡大するようにスケーリン
グして、前記文末ピッチパタンを生成する文末パタン生
成手段を有し、前記動作コントロール手段は、前記外部
指示に応じて前記文末ピッチパタンの生成を開始する文
末パタン開始手段を有する。
【0024】文末ピッチパタンは、上述したように一種
の下降ピッチパタンとみることができるが、一般の下降
ピッチパタンより低い値にまで減少する点で相違する。
つまり文末ピッチパタンは、一般の下降ピッチパタンよ
りもダイナミックレンジが大きい。そこで、本発明に係
る発声補助用人工喉頭では、下降パタン記憶手段に記憶
された下降ピッチパタンまたは山型パタン記憶手段に記
憶された山型ピッチパタンの下降部分のデータから生成
される下降ピッチパタンをそのピッチ方向へのスケーリ
ングを行ってそのダイナミックレンジを拡大し、文末ピ
ッチパタンを生成する。
【0025】第10の本発明に係る発声補助用人工喉頭
は、前記山型パタン記憶手段が、ピーク値の異なる複数
の前記山型ピッチパタンを記憶し、前記山型パタン読み
出し手段が、2度目以降の前記山型ピッチパタンの生成
では、先行する山型ピッチパタンのピーク値以下の前記
ピーク値を有する前記山型ピッチパタンの読み出しを行
うというものである。
【0026】本発明に係る発声補助用人工喉頭では、山
型パタン記憶手段がピーク値の異なる複数の山型ピッチ
パタンを記憶する。そして、複数の山を有するピッチパ
タン信号を生成する場合には、それら山型ピッチパタン
のうちピーク値の大きいものから順に読み出される。こ
れにより、アクセント核が順次小さくなるという自然な
日本語発生におけるピッチパタンの特徴が、使用者の操
作によることなく自動的に付与される。
【0027】上記本発明の好適な態様は、前記ピッチパ
タン生成部が、先行ピッチパタンに後続ピッチパタンを
続ける際、前記後続ピッチパタンの開始時のサンプリン
グ値が前記先行ピッチパタンの終了時のサンプリング値
に応じた値となるように、前記後続ピッチパタンの各時
刻のサンプリング値をスケーリングするスケーリング手
段を有するものである。これにより、2つのピッチパタ
ンの接続点のピッチレベルが合わせられるので、自然な
ピッチパタンが得られる。
【0028】第11の本発明に係る発声補助用人工喉頭
は、前記動作コントロール手段が、発話速度を入力する
発話速度入力手段を有し、前記ピッチパタン生成部が、
前記発話速度入力手段からの速度制御信号に基づいて、
ピッチパタンを記憶した前記記憶手段からの前記サンプ
リング値の読み出し時間間隔を制御する読み出しクロッ
ク制御手段を有するというものである。
【0029】本発明に係る発声補助用人工喉頭では、ピ
ッチパタンを表すサンプリング値の読み出し速度を調整
することによって、ピッチパタン信号の時間的な伸張ま
たは圧縮の変換が行われる。この読み出し速度の調整に
よるピッチパタン信号の時間軸方向の変換は、ピッチレ
ベルには影響を与えないので、よって声の高さには影響
を与えることなく発話速度のみを緩やかにしたり、速く
したりすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0031】図1は、本発明の実施形態である発生補助
用人工喉頭の概略のブロック構成図である。本装置は、
大きくはピッチパタン生成部1と振動子部2とで構成さ
れる。
【0032】ピッチパタン生成部1は、そのピッチパタ
ン信号の生成動作を使用者が制御するための動作コント
ロール手段として、3つのスイッチSW1、SW2、S
W3を有する。スイッチSW1は、そのON/OFFに
よって方形波信号の開始と終了、すなわち発声の開始と
終了を制御するためのものである。またスイッチSW2
は、基本的にはそのON/OFFによって方形波信号の
ピッチの再立ち上げ及び下降を切り替えるパタン切替手
段としての機能を有し、後述するようにこのスイッチに
よりピッチパタンのアクセント核の制御が行われる。ス
イッチSW3は、文末パタン開始手段であって、これを
ONすることによって文末におけるピッチの迅速な下降
を生じさせることができる。
【0033】メモリ4、8はそれぞれ山型のピッチパタ
ン(山型ピッチパタン)、下向きに凸である単調減少曲
線のピッチパタン(下降ピッチパタン)を格納する。具
体的には、メモリ4、8はそれぞれ連続的な曲線である
山型ピッチパタン、下降ピッチパタンを一定時間間隔で
サンプリングした一群のサンプリング値を、メモリアド
レスが連続した領域に時刻順に格納している。
【0034】図2は、メモリ8に格納される山型ピッチ
パタンを示す模式図である。図の横軸がメモリのアドレ
ス順に対応し、縦軸がメモリの各ビットに格納されるサ
ンプリング値の大きさに対応する。メモリ8は、ピーク
値すなわちダイナミックレンジの異なる3つの山型ピッ
チパタン19a〜19cを格納している。各山型ピッチ
パタン19a〜19cの先頭アドレスは、A、B、C
(A<B<C)であり、山型ピッチパタン19cの最後
のアドレスがDである。山型ピッチパタン19a〜19
cは、この順にピーク値が小さくなるように配列されて
いる。また、それぞれのパタン形状は、滑らか、つまり
その各点での傾きが連続に変化するような形状である。
極大点の水平方向の位置は、各パタンの前方寄りであ
る。また、ピッチの値はそれぞれ極大点を過ぎると指数
関数的に減少し、共通の基準ピッチレベル20に漸近す
る。山型ピッチパタン19a〜19cのそれぞれの形状
は、本来的には自然音声についての研究に基づいて、自
然な音声を表現するのに適したように定められる。さら
に本装置では、山型ピッチパタンを関数を用いて演算に
より生成するのではなく、メモリに各時刻での値を格納
する構成である。よって、その形状は、必ずしも単純な
数式で表されるようなものである必要はないが、概念的
には、関数P(t)=αEt・exp(−βEt)+Lの形
状に近いものである。ここで、P(t)はピッチの値、t
は時間、またαE、βE、Lはパラメータであり、特にL
は基準ピッチレベルに相当する。なお、図において山型
ピッチパタン19aの極大点のアドレスがA’で示され
ており、このアドレスは上記関数モデルにおいては、t
=1/βEに対応する。
【0035】一方、下降ピッチパタンは、指数関数的に
単調にかつ滑らかに減少し、最終的には所定の基準ピッ
チレベルに漸近する形状である。よって例えば単純なモ
デル化として、関数P(t)=αD・exp(−βDt)+
Lで表される形状を採用することも可能である。ここ
で、αD、βD、Lはパラメータである。特にLは基準ピ
ッチレベルに相当し、本装置では、例えば山型ピッチパ
タンのそれと同じに設定される。また、下降ピッチパタ
ンは、その減少率が、山型ピッチパタンの下降部分のそ
れよりも大きいことを特徴とする。例えば、それぞれの
上記関数モデルによれば、βE<βDなる関係がある。
【0036】もちろん、下降ピッチパタンは、山型ピッ
チパタン同様、本来的には自然音声についての研究に基
づいて、自然な音声を表現するのに適したように定めら
れるべきものである。よって、その形状は、関数で表さ
れる必要はなく上記関数モデルに限定されるものではな
いし、一方、他の関数モデルを用いることも可能であ
る。ちなみに、メモリ8に格納される下降ピッチパタン
の各サンプリング値は、後述の処理の便宜上、基準ピッ
チレベルが0、かつ先頭の値(P(t=0))が1となるよ
うな正規化を行ったものである。
【0037】メモリアクセス装置24、26は、それぞ
れメモリ4、8のアドレスを指定してメモリ4とデータ
の入出力を行うものである。なお、ここでは、説明の都
合上、メモリ4、8を別個のものとして示したが、これ
らは同一のメモリの異なる領域を用いて実現することが
でき、その場合、メモリアクセス装置も一つに統合され
る。
【0038】カウンタ部28は、ピッチパタン信号の生
成が開始されてからのスイッチSW2の「ON」の回数
をカウントする。オフセット減算装置30、オフセット
加算装置32及び乗算器34は、メモリ4、8から読み
出されたサンプリング値に対し所定の演算を行って、ピ
ッチパタン信号を生成する。
【0039】一方、振動子部2には、ピッチパタン生成
部1で生成されたピッチパタン信号40が入力される。
このピッチパタン信号40はデジタル信号である。この
デジタル信号は、デジタル/アナログ変換機能と低周波
フィルタ機能を有したD/A&LPF部50によって高
周波成分を除去された滑らかなアナログ電圧信号に変換
される。V−Fコンバータ52は、D/A&LPF部5
0からのアナログ電圧信号を、その電圧値に応じた周波
数を有する方形波列に変換する。すなわち、V−Fコン
バータ52からの方形波列の周波数は、アナログ電圧信
号の電圧値に応じて変化し、一般には電圧値が高い程、
高い周波数の信号が生成されるように構成される。
【0040】電力増幅器54は、V−Fコンバータ52
から出力される振動子駆動信号を、人工喉頭振動子56
を駆動するのに十分な電力にまで増幅する。人工喉頭振
動子56は、この増幅された方形波列によって振動板を
棒で叩き、振動を起こす。使用者は人工喉頭振動子56
を自分の頸部に押し当てて振動を起こすと、その振動が
咽喉内の空気を振動させ擬似的な声帯振動音が得られ
る。そして、この擬似的な声帯振動音を用いて発話する
ことができる。
【0041】図3は、本装置の動作を説明するフロー図
である。以下、図3の流れに沿いながら本装置の動作を
詳しく説明する。
【0042】まず1つ目のアクセント核を生成する動作
を説明する。スイッチSW2のOFF状態においてスイ
ッチSW1をONする(ステップS10)。すると、メ
モリアクセス装置24が、スイッチSW2の状態がOF
Fであることを判別して(ステップS20)、メモリ4
に記録された第1の山型ピッチパタン19aの値をサン
プリング周期ごとにアドレスAから順次読み出し始める
(ステップS30)。ちなみに、この読み出し動作は、
スイッチSW1をOFFするか、スイッチSW2をOF
Fすると中止される。図4は、スイッチSW1のONに
より生成されるピッチパタン信号、スイッチ操作、及び
メモリアクセス状況を示す模式図である。図において、
ピッチパタン信号100は、図2に示した山型ピッチパ
タン19aである。ここではステップS30が途中で中
止されることなく、山型ピッチパタン19aの最後まで
読み出され、そしてスイッチSW1がOFFされた場合
が示されている。よって、この場合は、読み出し対象メ
モリは、SW1のONからOFFまでの期間102にお
いて継続してメモリ4である。
【0043】なお、スイッチSW2をON状態としてか
らスイッチSW1をONすると(ステップS20)、メ
モリアクセス装置24は頭高パタン生成処理をスタート
する(ステップS40)。この頭高パタン生成処理は、
メモリ4に記録された山型ピッチパタン19aのうち極
大点に対応するアドレスA’以降の値を、サンプリング
周期ごとに順次読み出すものである。図5は、この頭高
パタン生成処理により生成されるピッチパタン信号、ス
イッチ操作、及びメモリアクセス状況を示す模式図であ
る。メモリ4へのアクセスはSW1のONからOFFま
での期間120において行われ、山型ピッチパタン19
aの極大点以降の部分に相当する単調に減少する頭高の
ピッチパタン信号122が生成される。このように本装
置では、スイッチSW1をON状態とする前から、スイ
ッチSW2をON状態にした場合、発声の先頭部分にお
けるピッチパタンを山型でなく一種の下降型にすること
ができる。なお、この頭高パタン生成で生成されるパタ
ンは山型ピッチパタンの下降部分を利用したものである
ので、メモリ8に記憶された下降ピッチパタンよりもピ
ッチの減少率が緩やかである。
【0044】上述のように、スイッチSW2は、ピッチ
パタンの開始時の山型/頭高を切り替える機能において
は、ピッチパタン信号を頭高とする場合にONするとい
う動作を必要とし、山型とする場合にはOFFのままで
よくその操作を必要としない。つまり、本装置では、通
常はスイッチSW2を操作することなくスイッチSW1
をONするだけで自動的に山型ピッチパタンがスタート
するように構成されている。これは、一般の会話におい
てはピッチパタンは山型で開始されることが多いからで
あり、その利用度の高い場合には1つのスイッチのみで
発話開始を可能として操作の容易化に配慮したものであ
る。
【0045】一方、ピッチパタン信号の生成期間中にお
けるスイッチSW2の操作、つまりスイッチSW1がO
N状態におけるスイッチSW2の操作には、ピッチを再
び立ち上げるか、アクセント核形成のためピッチを下降
させるかを切り替えるパタン切替手段としての機能を割
り当てている。
【0046】ここで、ピッチの再立ち上げとは、一旦、
メモリ8の下降ピッチパタンの読み出しが開始された
後、再び山型ピッチパタンの読み出しを開始することを
いう。一方、ここでのピッチの下降は、メモリ4の山型
ピッチパタンの読み出しが開始された後、メモリ8の下
降ピッチパタンの読み出しを開始することをいう。ここ
でのピッチの下降は、メモリ8の下降ピッチパタンを用
いるものであり、山型ピッチパタンのピッチ下降部分を
用いるステップS40の頭高パタン生成処理でのピッチ
の下降とは異なり、よってスイッチSW2の、ここで述
べたピッチパタン信号の生成期間中でのピッチの再立ち
上げ/下降を切り替える機能と、前述したピッチパタン
の開始時の山型/頭高を切り替える機能とは区別される
べきものである。
【0047】さて、本装置では、スイッチSW1がON
の期間中において、スイッチSW2がONするとピッチ
の再立ち上げ処理を行い、逆にスイッチSW2をOFF
するとピッチの下降処理を行うように構成している。よ
り詳細に述べれば、メモリアクセス装置24は、カウン
タ部28の値に基づいてスイッチSW2による動作を制
御する。カウンタ部28は、スイッチSW1がONの期
間中でのスイッチSW2のON状態の回数をカウントす
る。つまり山型パタン生成処理(ステップS30)で
は、カウンタ部28の値は「0回」であり、頭高パタン
生成処理(ステップS40)では「1回」である。メモ
リアクセス装置24は、この回数が「1回」であるとき
にはピッチパタンの再立ち上げ処理を行わない。
【0048】よって、ステップS30に続いてスイッチ
SW2をONにする操作(ステップS50)はカウンタ
部28の値を「1回」とするものであるので、メモリア
クセス装置24はこのステップS50でのスイッチSW
2のON操作を無視する。これにより、既に山型ピッチ
パタンに山型ピッチパタンが接続されることが防止さ
れ、上述した一旦、下降ピッチパタンとしてから再び山
型ピッチパタンとするという再立ち上げ処理が確保され
る。
【0049】山型パタン生成処理におけるステップS5
0に続いてスイッチSW2をOFFすると(ステップS
60)、ピッチパタン信号は下降ピッチパタンに切り替
わる(ステップS80)。なお、ここではスイッチSW
3は操作されずOFF状態のままであるとする(ステッ
プS70)。図6は、スイッチSW2の1回目のOFF
操作により、山型ピッチパタンから下降ピッチパタンへ
の切り替えが行われた場合のピッチパタン信号、スイッ
チ操作、及びメモリアクセス状況を示す模式図である。
【0050】図において、ピッチパタン信号130は、
スイッチSW1のONからスイッチSW2をOFFする
までの期間132においてメモリ4から読み出された山
型ピッチパタン19aであり、図4に示したピッチパタ
ン信号100と同じ値をとる。スイッチSW2がONか
らOFFへの1回目の切り替え操作を行われると、メモ
リ4からの山型ピッチパタン19aのデータ読み出しが
中止され、メモリアクセス装置26がメモリ8のアドレ
スaからデータをサンプリング周期ごとに読み出し始め
る。この動作は、スイッチSW2をONしてからスイッ
チSW1をONした場合、つまり頭高パタン生成処理を
行った場合も同じである。すなわち、いずれの場合に
も、スイッチSW2の1回目のOFFで、メモリ8のア
ドレスaからのデータ読み出しが開始される。
【0051】なお、図6には、スイッチSW2の1回目
のOFF操作が行われた後、下降ピッチパタンが最後ま
で読み出され、基準ピッチレベルLに達した後、スイッ
チSW1がOFFされる様子が示されている。つまり、
読み出し対象メモリは、スイッチSW2のOFFからス
イッチSW1のOFFまでの期間134において、継続
してメモリ8である。
【0052】さて、正確に述べれば、期間134におい
てステップS80の処理によりピッチパタン生成部1か
ら出力されるピッチパタン信号40は、メモリ8から読
み出された正規化された下降ピッチパタンの値そのもの
ではなく、オフセット減算装置30、オフセット加算装
置32及び乗算器34を用いてスケーリングが行われた
値である。このスケーリング処理を以下に説明する。既
に述べたように、メモリ8に記憶される下降ピッチパタ
ンは、基準ピッチレベルを0とし、またアドレスaに格
納された値をP(a)と表すとP(a)=1となるような正
規化を行われている。そのため、一般に、スイッチSW
2をOFFした時点での山型ピッチパタン19aの値と
P(a)とは一致しない。本スケーリング処理は、スイッ
チSW2をOFFした時点でのピッチパタン信号を連続
とするように、下降ピッチパタンのダイナミックレンジ
を拡大又は圧縮する処理であり、これによりスイッチS
W2の切り替え時点においてデータがスムーズにつなが
る。
【0053】まず、オフセット減算装置30が、中止し
たメモリ4の最終データから基準ピッチレベルLを減算
し、その結果を乗算係数として乗算器34にセットす
る。メモリ8から読み出されるデータにはすべてこの乗
算係数が掛け合わされ、ダイナミックレンジの拡大/圧
縮が行われる。オフセット加算装置32は、この乗算結
果に基準ピッチレベルLを加算して、ピッチパタン信号
にオフセットを与える。
【0054】以上の処理によりオフセット加算装置32
から出力されるP(a)に対応する値は、期間132の最
終値と等しい値にスケーリングされ、それに応じて、下
降ピッチパタン全体がダイナミックレンジを拡大又は圧
縮される。
【0055】なお、既に述べたように下降ピッチパタン
は、山型ピッチパタンの下降部分よりも大きな減少率を
有し、スイッチSW2のOFF以降、ピッチパタン信号
は急峻に下降する。このことがわかりやすいように図6
において、比較となる山型ピッチパタン19aの値を点
線136で示している。
【0056】自然音声についての研究から、人間は、山
型ピッチパタン19のようななだらかなピッチの増減で
はアクセントを感じにくいことが知られている。つまり
アクセントが存在するアクセント核においては、ピッチ
を上げた後、ある程度急峻に下げる必要がある。本装置
では、スイッチSW2をON状態からOFFすることに
より、山型ピッチパタンの下降部分より急峻なピッチ減
少を下降ピッチパタンによって実現する。これによりア
クセント核が形成され、人工喉頭を用いて発せられる音
声の自然さを向上させることができる。
【0057】本装置では、複数のアクセント核に対応す
るピッチパタン信号も容易に生成することができる。以
下、図6に示す1つのアクセント核を有したピッチパタ
ン信号に、2つ目のアクセント核を生じさせる処理を説
明する。
【0058】2つ目のアクセント核を生成するために
は、使用者はまず、スイッチSW2を再びONにする
(ステップS90)。これはスイッチSW2の2度目の
ONであり、カウンタ部28のカウント値は「2回」に
更新される。このスイッチSW2のONにより、メモリ
8からのデータ読み出しが中止され、メモリ4の読み出
しが再び開始される。このときメモリアクセス装置24
は、カウンタ部28のカウント値が「2回」であること
に基づいて、メモリ4に格納された2番目の山型ピッチ
パタン19bの読み出しを開始する(ステップS10
0)。具体的には、メモリアクセス装置24は、山型ピ
ッチパタン19bの立ち上がり部分において、つまり先
頭アドレスBからその極大点に対応するアドレスまでの
間において、2度目のスイッチSW2のON操作の時点
でのピッチパタン信号130の値に一致する(又は一致
とみなせる)値が格納されているアドレスB’を探索す
る。そしてメモリアクセス装置24は、山型ピッチパタ
ン19bのデータをアドレスB’からサンプリング周期
ごとに読み出し始める。
【0059】図7は、スイッチSW2の2回目のON操
作により、下降ピッチパタンから山型ピッチパタンへの
切り替えが行われた場合のピッチパタン信号、スイッチ
操作、及びメモリアクセス状況を示す模式図であり、上
述の説明を図示するものである。図において、ピッチパ
タン信号150は、スイッチSW1のONからスイッチ
SW2の2度目のONまでの期間132及び期間152
において図6に示すピッチパタン信号130である。ス
イッチSW2が2度目のON操作をされると、このピッ
チパタン信号130に、メモリ4からの山型ピッチパタ
ン19bが接続され出力される。なお、図7には、スイ
ッチSW2の2回目のON操作が行われた後、山型ピッ
チパタン19bが最後まで読み出され、基準ピッチレベ
ルLに達した後、スイッチSW1がOFFされる様子が
示されている。つまり、読み出し対象メモリは、スイッ
チSW2の2度目のONからスイッチSW1のOFFま
での期間154において、継続してメモリ4である。
【0060】次に、使用者は、スイッチSW2を再びO
FFする(ステップS60)。これはスイッチSW2の
2度目のOFFである。このスイッチSW2のOFFに
より、メモリ4からのデータ読み出しが中止され、メモ
リ8に格納された下降ピッチパタンの先頭からの読み出
しが再び開始される。なお、ここではスイッチSW3は
操作されずOFF状態のままであるとする(ステップS
70)。メモリ8から下降ピッチパタンを読み出してピ
ッチパタン信号40を生成する処理(ステップS80)
は、期間134での処理と同様である。つまり、スケー
リング手段であるオフセット減算装置30、オフセット
加算装置32及び乗算器34が、メモリ8内の正規化さ
れている下降ピッチパタンを、スイッチSW2のOFF
時点でのピッチパタン信号150の値にスムーズに接続
するためスケーリング処理を行う。なお、以上のスイッ
チSW2の2度目のON/OFF操作が行われる間、ス
イッチSW1はON状態に保たれている。
【0061】図8は、スイッチSW2の2回目のOFF
操作により、2番目の山型ピッチパタンから再度、下降
ピッチパタンへの切り替えが行われた場合のピッチパタ
ン信号、スイッチ操作、及びメモリアクセス状況を示す
模式図であり、上述の説明を図示するものである。図に
おいて、ピッチパタン信号170は、スイッチSW1の
ONからスイッチSW2の2度目のOFFまでの期間1
32、152及び172において図7に示すピッチパタ
ン信号150である。スイッチSW2が2度目のOFF
操作をされると、このピッチパタン信号150に、メモ
リ8からの下降ピッチパタンがスケーリングされて接続
されピッチパタン信号170が生成される。なお、図8
には、スイッチSW2の2回目のOFF操作が行われた
後、下降ピッチパタンが最後まで読み出され、基準ピッ
チレベルLに達した後、スイッチSW1がOFFされる
様子が示されている。つまり、読み出し対象メモリは、
スイッチSW2の2度目のOFFからスイッチSW1の
OFFまでの期間174において、継続してメモリ8で
ある。
【0062】以上のようにして2つ目のアクセント核が
形成される。つまり、山型ピッチパタン19bの読み出
しは、その極大点以前のアドレスB’から開始されてい
るので、この期間172においてピッチパタン信号17
0は2つ目の極大点を有する。そしてこの2番目の山型
ピッチパタン19bに下降ピッチパタンを接続すること
により、前述した期間132及び152に生じる1つ目
の山と同様、2つ目のピッチの山もその後部傾斜が急峻
にされ、これにより2つ目のアクセント核が形成され
る。
【0063】ここで、山型ピッチパタン19bは山型ピ
ッチパタン19aよりも小さいピーク値を有するように
構成されているので、ピッチパタン信号170の2つ目
のアクセント核のピーク値は、期間132において生じ
る1つ目のアクセント核のピーク値よりも必ず低くな
る。本装置が生成するピッチパタン信号におけるこのア
クセント核のピーク値の漸次低下という特徴は自然音声
のピッチパタンの性質に適しており、人工喉頭を用いた
発声に自然な感じが表現される。
【0064】3つ目のアクセント核を生じさせる処理は
上述した2つ目のアクセント核を生成する処理と同様で
あるが簡単に説明しておく。
【0065】2つ目のアクセント核生成に続いて3つ目
のアクセント核を生成するためには、使用者は、2つ目
のアクセント核生成によりOFF状態とされたスイッチ
SW2を再びONにし(ステップS90)、そして再び
OFFする(ステップS60)。ステップS90のスイ
ッチSW2のON操作によりメモリ8からのデータ読み
出しが中止される。そしてメモリアクセス装置24は、
このON操作が3度目であることをカウンタ部28から
検知し、メモリ4に格納された3番目の山型ピッチパタ
ン19cの読み出しを開始する(ステップS100)。
このとき、山型ピッチパタン19cの立ち上がり部分の
うち、3度目のスイッチSW2のON操作時点でのピッ
チパタン信号170の値に一致する(又は一致とみなせ
る)値が格納されているアドレスC’が探索され、そこ
から読み出しが開始される。
【0066】図9は、スイッチSW2の3回目のON操
作により、下降ピッチパタンから山型ピッチパタンへの
切り替えが行われた場合のピッチパタン信号、スイッチ
操作、及びメモリアクセス状況を示す模式図であり、上
述の説明を図示するものである。下降ピッチパタンの期
間174がスイッチSW2のON操作により中断されて
生じた期間192に、山型ピッチパタン19cが出力さ
れる期間194が継続する。
【0067】一方、図10は、ステップS60でのスイ
ッチSW2の3回目のOFF操作により、山型ピッチパ
タン19cの出力期間194が中断され下降ピッチパタ
ンへの切り替えが行われた場合のピッチパタン信号、ス
イッチ操作、及びメモリアクセス状況を示す模式図であ
る。この操作により生じるピッチパタン信号210は、
山型ピッチパタン19cの出力期間194が中断されて
生じた期間212に下降ピッチパタンを先頭から順に読
み出す期間214が継続されたものである。期間212
の山型ピッチパタン19cに下降ピッチパタンを接続す
る際には、上述のスケーリング処理が行われる(ステッ
プS80)。なお、この場合においても文末処理を起動
するスイッチSW3は操作されずOFF状態のままであ
るとする(ステップS70)。
【0068】以上のようにして、期間212に山型ピッ
チパタン19cの極大点が位置し、その後方に急峻なピ
ッチの減少が設けられ、3つ目のアクセント核が形成さ
れる。
【0069】ここで、山型ピッチパタン19cは山型ピ
ッチパタン19bよりも小さいピーク値を有するように
構成されているので、ピッチパタン信号210の3つ目
のアクセント核のピーク値は、期間172において生じ
る2つ目のアクセント核のピーク値よりも必ず低くな
る。つまり、アクセント核のピーク値は1つ目、2つ
目、3つ目と順に低減し、自然音声のピッチパタンにお
ける性質を備えたピッチパタン信号210が生成され
る。
【0070】以降、同様にスイッチSW2のON操作、
OFF操作を行うごとに4つ目以降のアクセント核が順
に生成される。本装置では、スイッチSW2のON操作
が4回目以上である場合には、スイッチSW2のON操
作が3回目である場合の上述した処理が繰り返される。
つまり、メモリアクセス装置24は、カウンタ部28の
格納内容が「4回」以上である場合には、上記「3回
目」に用いたのと同じメモリ4に記憶された3番目の山
型ピッチパタン19である山型ピッチパタン19cを用
いて、アクセント核の生成を行う。
【0071】そのため、4つ目以降のアクセント核のピ
ーク値は3つ目のアクセント核のピーク値と同じとな
る。しかし、ピーク値の低減は3つ目まで行えば、不自
然さが生じないことが合成音声に関する研究から明らか
になっており、また、普通、自然発声では4つ以上のア
クセント核を有するフレーズはない。
【0072】次に、スイッチSW3が操作された場合に
行われる文末処理について説明する。文末処理は、スイ
ッチSW3をONした後、上述したスイッチSW2のO
FF操作を行うことにより起動される(ステップS11
0)。文末処理の内容を以下に説明する。
【0073】使用者がスイッチSW1をONにしたま
ま、スイッチSW3を一度ONにしてからスイッチSW
2をOFFにした場合、メモリ4からの山型ピッチパタ
ンのデータ読み出しが中止され、メモリアクセス装置2
6がメモリ8のアドレスaから下降ピッチパタンのデー
タを読み出し始める。このとき、文末処理では、ステッ
プS80でのスケーリング処理とは異なるスケーリング
処理が行われる。この文末処理時のスケーリング処理
は、オフセット値として基準ピッチレベルLの代わりに
文末処理用オフセットX(X<L)を用いる点が、ステ
ップS80と異なる。つまり、オフセット減算装置30
及びオフセット加算装置32は、スイッチSW3からそ
れがONされたという制御信号をそれぞれ受け、オフセ
ット値としてLの代わりにXを用いるように処理を切り
替える。これによりオフセット減算装置30は、メモリ
4が読み出し中止された時点の最終データから、文末処
理用オフセットXを減算し、これを乗算係数とする処理
を行う。そして乗算器34は、メモリ8から読み出され
る正規化された下降ピッチパタンの各データにこの乗算
係数を掛け合わせる。最後にオフセット加算装置32
が、乗算器34の出力に文末処理用オフセットXを加算
して、文末ピッチパタンが生成され、これがピッチパタ
ン信号40としてピッチパタン生成部1から出力され
る。
【0074】この文末処理でのスケーリング処理によ
り、中止したメモリ4の最終データと、メモリ8からの
最初のデータは同じ大きさになり、スムーズにデータが
つながるようになる。また、スイッチSW3をONした
後のスイッチSW2のOFF操作によるピッチの下降は
急になり、かつ最終的な到達ピッチが小さくなる。
【0075】図11は、スイッチSW3のON操作によ
り文末処理が起動された場合のピッチパタン信号、スイ
ッチ操作、及びメモリアクセス状況を示す模式図であ
る。図において、3つ目の山型ピッチパタンの期間21
2は、スイッチSW3を一旦ONした後のスイッチSW
2のOFF操作により終了する。ここでスイッチSW3
をONされたことにより、ピッチパタン信号230にお
ける期間212に継続する期間232には、メモリ8か
ら読み出された下降ピッチパタンに基づいて文末ピッチ
パタンが生成され出力される。この文末ピッチパタン
は、上述した文末処理用オフセットXを漸近線として有
する。この文末処理用オフセットXはLより小さく定め
られるので、よって文末ピッチパタンは、図10に示す
ような通常の下降ピッチパタンを用いたフレーズの場合
のピッチパタン信号と異なり、一段低いレベルまでピッ
チが低下する。
【0076】このように本装置では、使用者は発話セン
テンスを終了しようとするときに文末パタン開始手段で
あるスイッチSW3を操作することにより、メモリ8、
メモリアクセス装置26、オフセット減算装置30、オ
フセット加算装置32及び乗算器34が文末パタン生成
手段としての機能を発揮する。スイッチSW3の操作を
行うだけで、ピッチが先行する部分より低いレベルまで
迅速に降下するという自然な日本語文末の特徴が自動的
にピッチパタン信号に付与される。
【0077】なお、メモリ4に記録される山型ピッチパ
タン19a〜19cの最小値はその漸近する値L(>
X)であるので、文末処理を行なった場合もオフセット
加算装置32からの出力はマイナス値にならない。
【0078】本装置は、以上のような動作により、1又
は複数のアクセント核を有するピッチパタン信号、また
文末のフレーズ、非文末のフレーズに対応するピッチパ
タン信号を、それぞれ使用者による簡単な操作で生成す
ることができる。生成されたピッチパタン信号40はピ
ッチパタン生成部1から振動子部2へ出力される。
【0079】振動子部2においては、まずD/A&LP
F部50がピッチパタン信号40をアナログの電気信号
にD/A変換する。なお、メモリ4、メモリ8がアナロ
グメモリである場合はD/A変換の必要はない。
【0080】D/A&LPF部50からの出力はピッチ
パタンに応じて変化する電圧信号であり、この電圧信号
はV−Fコンバータ52で方形波列に変換される。この
方形波列は人工喉頭振動子56を振動させるのに十分な
パワーがとれるように電力増幅器54で増幅された後、
人工喉頭振動子56に出力される。
【0081】なお、カウンタ部28のスイッチSW2の
カウント数、オフセット減算装置30及びオフセット加
算装置32に保持されるスイッチSW3がONになった
という情報は、スイッチSW1のOFF、すなわち発声
の終了時にリセットされる。
【0082】本装置は、上述のような自然音声の特徴を
良好に実現するピッチパタンを、ON/OFFスイッチ
を3つという簡単なユーザインタフェースによって生成
することができる。つまり使用者は、スイッチSW1に
よって発声の開始/終了を制御し、スイッチSW2によ
ってピーク値が順次低減する特徴を有した複数のアクセ
ント核の形成を制御し、また、スイッチSW3によって
文末時の急なピッチ低下の形成を実現することができ
る。また、スイッチSW1とスイッチSW2の操作順序
によって頭高処理を起動し、開始ピッチパタンを山型で
なく下降型にすることもできる。これら3つのスイッチ
SW1〜SW3は、使用者が本装置を片手で頸部にあて
がいながら、本装置を把持した当該片手の指によってす
べて行うことができるように、本装置筐体に配置され
る。
【0083】また、圧力センサを用いて、指による押圧
に応じて本装置の動作を制御する動作コントロール手段
を設けてもよい。例えば、圧力センサに対する押圧の有
無に応じてスイッチSW1を切り替える。つまり、押圧
が検知されたときはスイッチSW1をONとし、圧力セ
ンサから指が離れ押圧が検知されなくなったときスイッ
チSW1をOFFとするような制御回路を設ける。さら
にその制御回路は、圧力センサの押圧が所定値以上でス
イッチSW2をONし、所定値未満でスイッチSW2を
OFFするようにすれば、スイッチSW1及びSW2の
機能を1本の指で操作することができる。このように、
3つのスイッチ動作の操作には必ずしも3本の指を必要
とするものではなく、より操作の容易なユーザインター
フェースを有した動作コントロール手段の構成が可能で
ある。もちろん、本装置が提供するピッチパタンでの自
然な音声の様々な特徴を限定して、スイッチ数を少なく
し、使用者の操作を単純にすることもできる。
【0084】また、クロック制御手段(図示せず)を備
えて、メモリ4又はメモリ8の読み出しサンプリング周
波数を使用者自身が可変調整できるようにすることもで
きる。使用者は、クロック制御手段を操作して、メモリ
からの読み出し速度を遅くすると、ピッチパタン信号4
0の大きさは変えずにそれを時間軸方向に伸張すること
ができる。これにより、声の高さを変えることなく発話
速度をゆっくりにすることができる。逆に、メモリから
の読み出し速度を速くすると、声の高さを変えずに発話
速度を速くすることができる。例えばクロック制御手段
のユーザインターフェース部分は、ボリュームなどのよ
うに連続的な調整が可能なものを用いると、発話速度の
連続調整が可能となって好ましい。
【0085】また、本装置では、山型ピッチパタンや下
降ピッチパタンをメモリ4、メモリ8に格納し、それを
必要に応じて読み出してピッチパタン信号40を生成し
た。しかし、CPU(Central Processing Unit)など
の演算手段を備えた構成として、はじめに触れたような
いくつかのパラメータを用いて表される数式に基づいて
各時刻でのピッチパタン信号40を逐一算出する構成と
することもできる。
【0086】なお、単純なピッチパタン形状であればア
ナログ回路を用い、例えばコンデンサの充放電の時定数
を調整するなどしてピッチパタン信号40を生成するこ
ともできる。
【0087】また、本装置では、メモリ8に記憶された
下降ピッチパタンを用いて文末ピッチパタンを生成した
が、例えば文末特有のピッチ減少の特徴がある場合など
には、文末ピッチパタンを別途、メモリに格納しておく
構成とすることができる。また、メモリ4には、ピッチ
の値を格納するのではなく、人工喉頭振動子56の振動
に用いる発振信号をサンプリングしたデータを格納する
ようにすれば、メモリ4の読み出しによって生成される
信号が直接に方形波列となるので、V−Fコンバータ5
2を不要とし小型化に資する構成が可能となる。
【0088】
【発明の効果】本発明に係る発声補助用人工喉頭によれ
ば、山型パタン生成手段、下降パタン生成手段は起動さ
れると自動的に滑らかな曲線形状を有するピッチパタン
を生成する。例えば特にその下降部分を指数関数的に変
化するピッチパタンを生成するように構成することがで
きる。このようにピッチを直線的ではなく滑らかな曲線
に従って変化させることにより、人工喉頭により補助さ
れた音声が自然なピッチ変化を伴い、耳障りでない音声
が実現されるという効果が得られる。
【0089】また、本発明に係る発声補助用人工喉頭に
よれば、アクセント核は、山型ピッチパタンによってピ
ッチパタンの極大を形成した後、そのピッチパタンに山
型ピッチパタンより迅速な減少率を有する下降ピッチパ
タンを接続することによって形成される。使用者は山型
パタン生成手段から下降パタン生成手段への切り替えを
行うだけで、本発明に係る発声補助用人工喉頭は、滑ら
かでかつピッチが急峻に減少するという、自然音声にお
けるアクセント核でのピッチ変化に則したピッチパタン
を生成する。これにより、アクセント核を含んだフレー
ズの自然なイントネーションが実現されるという効果が
得られる。
【0090】また、フレーズが複数のアクセント核を有
する場合には、山型パタン生成手段は自動的に、アクセ
ント核それぞれのピーク値が、先頭から順次低減すると
いう自然音声に則したピッチパタンを生成する。これに
より、複数のアクセント核を含むフレーズのイントネー
ションが自然となるという効果が得られる。
【0091】さらに本発明に係る発声補助用人工喉頭に
よれば、ピッチが一段と低いレベルまで低下する文末パ
タン生成手段を備えたことにより、文末において自然な
イントネーションの音声を生成することができる効果が
得られる。
【0092】また、本発明に係る発声補助用人工喉頭に
よれば、ピッチパタンのサンプリング値をメモリに格納
し、その読み出し速度を制御するクロック制御手段を設
けることにより、ピッチパタンの高さはそのままに時間
軸方向の圧縮/伸張を行うことができる。これにより、
声の全体的な高さを変えることなく、発話速度を変化さ
せることができるという効果が得られる。つまり、使用
者は自分の意志に応じて発話速度を変えることができ、
よって本発明によれば意志・感情表現手段、コミュニケ
ーション手段としてのより高い次元での発話が支援され
るという効果がある。
【0093】以上のように、本発明に係る発声補助用人
工喉頭によれば、自然な発声を可能とするピッチ変化が
生成される効果があるが、このピッチ変化は、動作コン
トロール手段によるピッチパタンに開始/終了と、パタ
ン切替手段による山型ピッチパタンと下降ピッチパタン
との切り替えと、文末パタン開始手段による文末ピッチ
パタンへの切り替えとにより行われる。つまり、本発明
に係る発声補助用人工喉頭によれば、使用者が行う操作
は基本的には3つの切り替え操作だけであり、微妙なも
しくは習熟を要する操作が不要で、操作が極めて容易で
あるという効果が得られる。
【0094】このように、本発明に係る発声補助用人工
喉頭によれば、簡単な操作で、自然なアクセント、イン
トネーションの発声を確実に実現することができるの
で、人工喉頭を用いた会話であっても、情報伝達が円滑
に行われ、使用者の発声意欲の向上、精神的なストレス
からの解放が図られるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である発生補助用人工喉頭
の概略のブロック構成図である。
【図2】 メモリに格納される山型ピッチパタンを示す
模式図である。
【図3】 本装置の動作を説明するフロー図である。
【図4】 スイッチSW1のONにより生成されるピッ
チパタン信号、スイッチ操作、及びメモリアクセス状況
を示す模式図である。
【図5】 頭高パタン生成処理により生成されるピッチ
パタン信号、スイッチ操作、及びメモリアクセス状況を
示す模式図である。
【図6】 スイッチSW2の1回目のOFF操作によ
り、山型ピッチパタンから下降ピッチパタンへの切り替
えが行われた場合のピッチパタン信号、スイッチ操作、
及びメモリアクセス状況を示す模式図である。
【図7】 スイッチSW2の2回目のON操作により、
下降ピッチパタンから山型ピッチパタンへの切り替えが
行われた場合のピッチパタン信号、スイッチ操作、及び
メモリアクセス状況を示す模式図である。
【図8】 スイッチSW2の2回目のOFF操作によ
り、2番目の山型ピッチパタンから再度、下降ピッチパ
タンへの切り替えが行われた場合のピッチパタン信号、
スイッチ操作、及びメモリアクセス状況を示す模式図で
ある。
【図9】 スイッチSW2の3回目のON操作により、
下降ピッチパタンから山型ピッチパタンへの切り替えが
行われた場合のピッチパタン信号、スイッチ操作、及び
メモリアクセス状況を示す模式図である。
【図10】 スイッチSW2の3回目のOFF操作によ
り、山型ピッチパタンから下降ピッチパタンへの切り替
えが行われた場合のピッチパタン信号、スイッチ操作、
及びメモリアクセス状況を示す模式図である。
【図11】 スイッチSW3のON操作により文末処理
が起動された場合のピッチパタン信号、スイッチ操作、
及びメモリアクセス状況を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ピッチパタン生成部、2 振動子部、4,8 メモ
リ、24,26 メモリアクセス装置、28 カウンタ
部、30 オフセット減算装置、32 オフセット加算
装置、34 乗算器、40 ピッチパタン信号、50
D/A&LPF部、52 V−Fコンバータ、54 電
力増幅器、56 人工喉頭振動子。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピッチパタン信号を生成するピッチパタ
    ン生成部と、前記ピッチパタン信号に応じた基本周波数
    の空気振動を口腔内に発生させる振動子部とを含み発声
    を補助する発声補助用人工喉頭において、 前記ピッチパタン生成部は、 外部指示に応じて前記ピッチパタン信号の生成動作を制
    御する動作コントロール手段と、 極大点に達したのち基準ピッチレベルまで下降する滑ら
    かな山型の山型ピッチパタンを生成する山型パタン生成
    手段と、 を有することを特徴とする発声補助用人工喉頭。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発声補助用人工喉頭にお
    いて、 前記ピッチパタン生成部は、下向きに凸の曲線形状であ
    って基準ピッチレベルまで単調減少する下降ピッチパタ
    ンを生成する下降パタン生成手段を有し、 前記動作コントロール手段は、外部指示に応じて、前記
    山型ピッチパタンと前記下降ピッチパタンとのいずれか
    の生成を新たに開始させるパタン切替手段を有するこ
    と、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発声補助用人工喉頭にお
    いて、 前記下降ピッチパタンは、前記山型ピッチパタンの下降
    部分よりも大きな減少率を有すること、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の発声補助用人工喉頭にお
    いて、 前記パタン切替手段は、前記山型パタン生成手段及び前
    記下降パタン生成手段を交互に起動すること、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の発声補
    助用人工喉頭において、 前記山型パタン生成手段は、2つ目以降の前記山型ピッ
    チパタンのピーク値を、先行する山型ピッチパタンのピ
    ーク値以下とすること、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載の発声補
    助用人工喉頭において、 前記ピッチパタン生成部は、ピッチパタンの前記基準ピ
    ッチレベルより小さい値まで単調減少する文末ピッチパ
    タンを生成する文末パタン生成手段を有し、 前記動作コントロール手段は、前記外部指示に応じて前
    記文末ピッチパタンの生成を開始する文末パタン開始手
    段を有すること、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の発声補助用人工喉頭にお
    いて、 前記山型パタン生成手段は、 一連の時刻でのサンプリング値で表された前記山型ピッ
    チパタンを記憶した山型パタン記憶手段と、 前記動作コントロール手段からの指示に基づいて、前記
    山型パタン記憶手段に記憶された前記サンプリング値を
    順次読み出す山型パタン読み出し手段と、 を有することを特徴とする発声補助用人工喉頭。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の発声補助用人工喉頭にお
    いて、 前記山型パタン生成手段は、 一連の時刻でのサンプリング値で表された前記山型ピッ
    チパタンを記憶した山型パタン記憶手段と、 前記動作コントロール手段からの指示に基づいて、前記
    山型パタン記憶手段に記憶された前記サンプリング値を
    順次読み出す山型パタン読み出し手段と、 を有し、 前記下降パタン生成手段は、 一連の時刻でのサンプリング値で表された前記下降ピッ
    チパタンを記憶した下降パタン記憶手段と、 前記動作コントロール手段からの指示に基づいて、前記
    下降パタン記憶手段に記憶された前記サンプリング値を
    順次読み出す下降パタン読み出し手段と、 を有することを特徴とする発声補助用人工喉頭。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の発声補助用人工喉頭にお
    いて、 前記山型パタン生成手段は、 一連の時刻でのサンプリング値で表された前記山型ピッ
    チパタンを記憶した山型パタン記憶手段と、 前記動作コントロール手段からの指示に基づいて、前記
    山型パタン記憶手段に記憶された前記サンプリング値を
    順次読み出す山型パタン読み出し手段と、 を有し、 前記下降パタン生成手段は、前記山型パタン記憶手段に
    記憶された前記山型ピッチパタンの前記極大点以降の前
    記サンプリング値を順次読み出す下降パタン読み出し手
    段を有すること、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載の発声
    補助用人工喉頭において、 前記ピッチパタン生成部は、前記下降ピッチパタン生成
    手段により生成される前記下降ピッチパタンをそのダイ
    ナミックレンジが拡大するようにスケーリングして、前
    記文末ピッチパタンを生成する文末パタン生成手段を有
    し、 前記動作コントロール手段は、前記外部指示に応じて前
    記文末ピッチパタンの生成を開始する文末パタン開始手
    段を有すること、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  11. 【請求項11】 請求項7から請求項10のいずれかに
    記載の発声補助用人工喉頭において、 前記山型パタン記憶手段は、ピーク値の異なる複数の前
    記山型ピッチパタンを記憶し、 前記山型パタン読み出し手段は、2度目以降の前記山型
    ピッチパタンの生成では、先行する山型ピッチパタンの
    ピーク値以下の前記ピーク値を有する前記山型ピッチパ
    タンの読み出しを行うこと、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  12. 【請求項12】 請求項7から請求項11のいずれかに
    記載の発声補助用人工喉頭において、 前記ピッチパタン生成部は、先行ピッチパタンに後続ピ
    ッチパタンを続ける際、前記後続ピッチパタンの開始時
    のサンプリング値が前記先行ピッチパタンの終了時のサ
    ンプリング値に応じた値となるように、前記後続ピッチ
    パタンの各時刻のサンプリング値をスケーリングするス
    ケーリング手段を有すること、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
  13. 【請求項13】 請求項7から請求項12のいずれかに
    記載の発声補助用人工喉頭において、 前記動作コントロール手段は、発話速度を入力する発話
    速度入力手段を有し、 前記ピッチパタン生成部は、前記発話速度入力手段から
    の速度制御信号に基づいて、ピッチパタンを記憶した前
    記記憶手段からの前記サンプリング値の読み出し時間間
    隔を制御する読み出しクロック制御手段を有すること、 を特徴とする発声補助用人工喉頭。
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