JPH1168617A - セルラー電話システムの受信装置 - Google Patents

セルラー電話システムの受信装置

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JPH1168617A
JPH1168617A JP9230156A JP23015697A JPH1168617A JP H1168617 A JPH1168617 A JP H1168617A JP 9230156 A JP9230156 A JP 9230156A JP 23015697 A JP23015697 A JP 23015697A JP H1168617 A JPH1168617 A JP H1168617A
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signal
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section
despreading
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JP9230156A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Ishikura
勝利 石倉
Keiji Hikosou
桂二 彦惣
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速にRAKE受信に必要なパスを選択し、
RAKE合成を行うことができるようにして、受信品質
の向上を図る。 【解決手段】 初期セルサーチ完了後、逆拡散部103
−1〜3の一つで復調を開始するとともに、受信した信
号を基底帯域に周波数変換することにより得られるCD
MAベースバンド信号は、信号探索部101、復調を行
っていない各逆拡散部103−1〜3において、それぞ
れ制御部102により設定されたリファレンス符号と相
関がとられ、信号探索部101内の振幅検波部と各振幅
検波部104−1〜3とにより得られる相関振幅情報を
用いて制御部102により符号位相を変え、相関処理の
リファレンス符号を設定し、RAKE合成に使用するパ
スの選択を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CDMAを用いた
セルラー電話システムに関し、より詳細には、当該シス
テムの移動局側の受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】「いつでも、どこでも、だれとでも、ど
んなメディアでも」というパーソナル通信は、マルチメ
ディアとともに、今、最も発展が期待されている分野で
ある。パーソナル通信は有線と無線を通して普適化され
た概念であるが、特に無線通信に対する期待は極めて大
きい。無線通信においては携帯電話が近年先進国を中心
に急速に拡大しており、従来のアナログ方式では急増す
る需要を賄いきれない状況になりつつある。このため、
加入者容量、通信コスト、秘話性、通信の多様性に優れ
たディジタル方式が主流になりつつある。ディジタル方
式には、TDMA(Time Division Multiple Access:時
分割多元接続)方式とCDMA(Code Division Multip
le Access:符号分割多元接続)方式があるが、CDMA
方式は加入者容量の点でTDMA方式より優れているた
め、今最も注目されている技術である。
【0003】CDMA方式では、普通、スペクトル拡散
(SS:Spread Spectrum)技術を使用する。スペクトル拡
散は拡散符号と呼ばれる符号系列を用いて信号の占有周
波数帯域幅を、情報の持つ占有周波数帯域幅よりもはる
かに広い帯域幅に拡散させて伝送する方式である。スペ
クトル拡散技術には、直接拡散(DS:Direct Spread)
方式と周波数ホッピング(FH:Frequency Hopping)
方式があるが、セルラー電話システムでは専ら直接拡散
方式が用いられる。DSを用いたCDMA方式では、各
移動局で送信時に異なる拡散符号を用いてスペクトル拡
散を行い、各符号チャネルの信号を同じ周波数帯域に多
重化した伝送をする。一方、受信側では、所望の受信チ
ャネルと同じ拡散符号で逆拡散を行うことにより、所望
信号のスペクトルだけが狭帯域で復調され、他の干渉波
は逆に広帯域のノイズとなる。
【0004】このようなスペクトル拡散技術を使用する
CDMA方式は、加入者容量が大きい、非同期アクセス
が可能、RAKE受信機を備えることによりマルチパス
フェージングに対して強い、ソフトハンドオフが可能、
他のシステムとの相互干渉に強い、秘匿性が高い、など
の優れた特徴を持っている。従来用いられている米国標
準のCDMAディジタルセルラー方式においては、下り
リンクにおいて送信される信号は、ある短周期拡散符号
PN1と、PN1とチップレートが等しく、PN1より
も充分周期が長い長周期拡散符号PN2が乗算された信
号で拡散されている。各ユーザは短周期拡散符号PN1
の区別により多重が可能であり、また、PN2は各ユー
ザに共通の符号となっている。そして、基地局(セル)
間では、長周期拡散符号PN2の位相を異ならせること
で基地局間の区別を実現している。このように、該PN
2の位相を各基地局間で異ならせるために、各基地局に
GPS(Global Positioning System)受信機を搭載
し、各基地局における同期をとっている。
【0005】図14は、このようなCDMA信号を受信
するセルラー電話システムの受信装置におけるベースバ
ンド信号処理部の構成例のブロック図を示す。図14に
示すベースバンド信号処理部は、信号探索部1401、
制御部1402、逆拡散部1403−1〜3、シンボル
合成部1404、信号処理部1405からなる。ここ
で、信号探索部1401、及び逆拡散部1403−1〜
3は、受信信号との相関処理、逆拡散を行なう相関装置
である。この受信装置の構成は「日経エレクトロニク
ス」No.579(1993年4月26日)pp.169
〜170に詳細に記載されている。以下、このベースバ
ンド信号処理部の動作を説明する。
【0006】このベースバンド信号処理部には、受信信
号を基底帯域に周波数変換したCDMAベースバンド信
号が入力される。ベースバンド信号は上記のように短周
期拡散信号PN1と長周期拡散信号PN2の合成信号に
より拡散された信号である。この合成信号により拡散さ
れた信号は信号探索部1401に入力され、直接波、反
射波等各パスの受信タイミングがサーチされる。この従
来システムでは、信号レベル、受信タイミング検出用
に、上記PN2符号でのみ拡散された信号(パイロット
チャネル)が送信されており、信号探索部1401でこ
の信号を逆拡散する。従って、ここではPN2符号によ
る逆拡散を行うために、PN2符号の周期が非常に長い
ことから一般にスライディング相関による逆拡散手法が
用いられる。
【0007】図15は、図14における信号探索部14
01の内部構成を示すブロック図である。信号探索部1
401はPN2符号発生部1501、DLL(Delay
LockedLoop)1502、及びDLL部1502の出力
から相関振幅情報を得る振幅検波部1503により構成
されている。図16は、図15におけるPN2符号発生
部1501の内部構成を示すブロック図である。図16
中、四角のブロックはシフトレジスタ(遅延回路)を表
し、チップレートクロックで動作する。前述したよう
に、PN2符号の種類は各セル毎に共通となっているた
め、固定のPN符号のみを発生できる構成となってい
る。ここでは符号発生用シフトレジスタ部1601と帰
還タップ用EX−OR部1602により構成されてい
る。ただし、制御部1402(図14参照)から符号発
生用シフトレジスタ初期化パルスが入力されると、各符
号発生用シフトレジスタ部1601はあらかじめ設定さ
れた初期値に初期化される。このような動作により、P
N2符号発生部1501から、制御部1402により任
意の符号位相でPN2を発生することが可能となる。こ
のように、PN2符号発生部1501により得られたP
N2符号はDLL部1502に入力される。
【0008】DLL部1502では、PN2符号発生部
1501より得られる拡散符号をリファレンス符号とし
て用いて受信信号と相関が取られる。DLL部1502
の動作については「スペクトル拡散通信システム」(科
学技術出版社)のpp.290〜315に詳細に述べら
れている。この相関出力を用いて振幅検波部1503に
より相関振幅が得られる。これにより得られたパスタイ
ミングにおける受信信号の振幅情報は制御部1402に
送られ、受信レベルの最も大きいパスを選択し、逆拡散
部1403−1〜3にこのPN2受信タイミングに同期
するようPN符号位相情報を送る。図17は、図14に
おける各逆拡散部1403−1〜3の内部構成を示すブ
ロック図である。逆拡散部1403−1は上記信号探索
部1401と異なり、各ユーザに割り当てられるPN1
符号発生部1702、及びPN2符号発生部1701、
及びPN2符号発生部1701の出力とPN1符号発生
部1702の出力の排他的論理和をとるEX−OR部1
703を具備している。
【0009】図18は、図17におけるPN1発生部1
702の内部構成を示すブロック図である。PN1符号
は各セルにおいてユーザの区別に用いられるものであ
り、移動体が存在するセルが変わると、PN1符号は変
わる可能性がある。よって、発生するPN1符号の種類
は任意に設定できる必要がある。PN1発生部1702
では、PN2符号発生部1701と異なり、符号発生用
帰還タップ切換信号入力用のシフトレジスタ部180
1、符号発生用帰還タップ切換信号ラッチ用のシフトレ
ジスタ部1802、帰還タップ設定用のスイッチ部18
04がさらに追加される。なお、符号発生用のシフトレ
ジスタ部1803、及び帰還タップ用のEX−OR部1
805は、PN2発生部1501内の符号発生用シフト
レジスタ部1601、及び帰還タップ用EX−OR部1
602と同様の構成である。また、PN1発生部170
2には、符号発生用シフトレジスタ初期化パルスの他
に、制御部1402(図14参照)より符号発生用帰還
タップ設定信号、帰還タップ切換パルスが入力される。
以下、符号発生用のシフトレジスタ部1803が7段で
構成された例について、その動作を説明する。
【0010】まず、制御部1402より、帰還タップ設
定信号が入力される。この例では、該帰還タップ設定信
号がシリアルに入力される例を示しており、例えば、一
番右側の帰還タップ(右より2番目の符号発生用シフト
レジスタ出力)のみを用いたい場合には入力信号として
“100000”を入力する。ただし、ここで、“1”
はロジックで「High」を表し、“0”は「Low」
を表す。同様に、一番右側と右から4番目の帰還タップ
を用いる場合には、“100100”をシリアルに入力
すればよい。ここで設定できる帰還タップ数が6個しか
ないのは、一番右側の符号発生用シフトレジスタ出力は
必ず帰還されるためである。このようにして、6個の帰
還タップが入力された時点で帰還タップ設定信号入力用
のシフトレジスタ部1801のクロックを止め、ラッチ
状態とする。
【0011】次に、制御部1402より符号発生用の帰
還タップ切換パルスが符号発生用帰還タップ切換信号ラ
ッチ用のシフトレジスタ部1802に入力される。この
信号が入力されると、前記帰還タップ設定信号入力用の
シフトレジスタ部1801にラッチされていた各帰還タ
ップ切換情報は、符号発生用帰還タップ切換信号ラッチ
用のシフトレジスタ部1802にラッチされる。このよ
うにして、ラッチされた信号により、スイッチ部180
4が制御され、符号発生用帰還タップが設定される。ま
た、前記符号発生用シフトレジスタ部1803にはあら
かじめ初期値が設定されており、符号発生用シフトレジ
スタ初期化パルスが入力される度に、シフトレジスタに
ラッチされた信号は該初期値に初期化される。このよう
に、PN1発生部1702では、符号発生用帰還タップ
設定信号、帰還タップ切換パルスを入力することで制御
部1402により希望のPN1符号が生成され、符号発
生用シフトレジスタの初期化パルスを用いることで制御
部1402により希望の符号位相で出力することが可能
となる。
【0012】また、各逆拡散部1403−1〜3では、
それぞれ異なる上記符号発生用シフトレジスタ初期化パ
ルスを受け、それに同期したリファレンス符号を生成
し、RAKE受信に用いる各パスの逆拡散が実現され
る。DLL部の動作については上記信号探索部1401
中のDLL部と同様である。このようにして、各逆拡散
部1403−1〜3より得られた逆拡散信号出力は、そ
れぞれシンボル合成部1404に入力され、タイミング
調整、重み付けがなされた後に合成され、理想的にパス
ダイバーシティ最大比合成が実現される。図19は、実
際通話を行なう場合の受信部の動作のフローの概要を示
す図である。
【0013】一般に、受信装置の電源がonされた場合
(ステップS1901)、まずシステムの初期化が行わ
れる(ステップS1902)。こののち初期セルサーチ
動作が行われる(ステップS1903)。ここで、初期
セルサーチとは、まずどの基地局と通信を行なうかを決
定する動作のことである。初期セルサーチ後、RAKE
受信を行う(ステップS1904)。RAKE受信時に
は、まず、前のステップの初期セルサーチで得られたP
N2符号により、逆拡散部1つで復調が開始され、さら
にRAKE合成に使用する複数のパスの選択をするため
に、それぞれのパスに用いるPN2符号の受信タイミン
グ(符号位相)の同定が行われる。PN2符号位相が決
まりしだい、その逆拡散部においても復調を開始し、す
べての逆拡散部において復調が開始されることにより、
完全なRAKE合成が行われることになる。このように
して通話を行なう基地局(セル)が決定された後、上記
のようにRAKE受信を行い、通話が実現できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このようなシステム
に、従来例で述べたベースバンド信号処理部を適用した
場合の、初期セルサーチ後から完全にRAKE合成が行
われるまでのRAKE受信初期動作時のフローチャート
を図20,21に示す。以下、図20,21に示すこの
フローに従い、図14を参照してこの動作を詳細に説明
する。初期セルサーチ完了(ステップS2001)後、
逆拡散部1403−1に得られたPN2符号位相情報P
N2(1)を逆拡散部1403−1に設定し、このパス
のデータ復調を開始する(ステップS2002)。次
に、制御部1402により相関最大値Pmax=0に初期
設定し(ステップS2003)、さらにPN2符号位相
の初期設定を行う(ステップS1604)。ただし、P
N2符号位相は、逆拡散部1403−1で用いているP
N2符号位相と異なったものを選択する。信号探索部1
401では、上記のように設定されたPN2符号でスラ
イディング相関を行う。その後、信号探索部1401に
より振幅レベルの検波を行い、相関値P0が検出され
(ステップS2005)、得られた相関振幅情報を制御
部1402に出力する。さらに、制御部1402は、得
られた相関値P0がPmaxよりも大きければ、Pmaxをそ
の値に変更し、現在設定されているPN2符号位相を記
憶する(ステップS2006〜2008)。
【0015】以上の操作を、PN2符号位相を少しづつ
(例えば、半チップ毎)切り換えながら、すべての符号
位相について繰り返し行う(ステップS2009〜20
11)。すべてのPN2符号位相の探索が完了した後、
最終的に制御部1402に記憶されたPN2符号が使用
すべきものであることが決定され、逆拡散部1403−
2に得られたPN2符号位相情報PN2(2)を逆拡散
部1403−2に設定し、このパスのデータ復調を開始
する(ステップS2012)。
【0016】次に、逆拡散部1403−3で使用する復
調データのPN2符号位相の同定であるが、これも、逆
拡散部1403−2の復調データのPN2符号位相の同
定と同様の操作を行う(ステップS2013〜202
1)。同定後、逆拡散部1403−3に得られたPN2
符号位相情報PN2(3)を逆拡散部1403−3に設
定し、このパスのデータ復調を開始する(ステップS2
022)。以上説明したように、従来例では、信号探索
部1401のみで符号位相の同定を行っており、符号位
相の同定に多くの時間を要してしまう。このため、RA
KE合成を行う時間が遅れ、この間、受信品質劣化等の
問題が生じる。本発明は、こうした従来技術における問
題点に鑑みてなされたもので、高速にRAKE受信に必
要なパスを選択し、RAKE合成を行うことができるよ
うにして、受信品質の向上を図ることをその目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための手段として、拡散符号の種類を区別することによ
り多重されたCDMA信号を受信するセルラー電話シス
テムの受信装置において、初期セルサーチ後、RAKE
合成に使用する複数のパスの選択時に、受信した信号を
基底帯域に周波数変換することにより得られるCDMA
ベースバンド信号を、復調を行っていない複数の相関装
置に入力する。また、制御部は該複数の相関装置にリフ
ァレンス符号としてそれぞれ符号位相の異なる拡散符号
を設定する。そして、それぞれ該複数の相関装置におい
て入力信号とそれぞれ得られたリファレンス符号との相
関がとられ、それぞれ該複数の相関装置で得られた相関
振幅情報を制御部に出力し、該相関振幅情報を用いてR
AKE合成に使用するパスの選択を行う。
【0018】また、長周期符号位相を同定しうる共通短
周期符号が挿入されたCDMA信号を受信する上記セル
ラー電話システムの受信装置においては、初期セルサー
チ後、RAKE合成に使用する複数のパスの選択時に、
前記信号を基底帯域に周波数変換することにより得られ
るCDMAベースバンド信号をマッチドフィルタ部に入
力し、該マッチドフィルタ部により該共通短周期符号と
相関をとり、相関振幅情報を制御部に出力する。制御部
では該マッチドフィルタ部出力の相関ピークから該共通
短周期符号が挿入されたタイミングを検出することで、
予め各パスの長周期拡散符号位相を同定し、得られた長
周期拡散符号位相情報を記憶する。前記ベースバンド信
号は同時に、復調を行っていない複数の相関装置に入力
される。また、制御部は該複数の相関装置にリファレン
ス符号を先に得られた長周期拡散符号位相で発生するよ
うに設定する。それぞれ該複数の相関装置において入力
信号とそれぞれ得られたリファレンス符号との相関がと
られ、それぞれ該複数の相関装置で得られた相関振幅情
報を制御部に出力し、該相関振幅情報を用いてRAKE
合成に使用するパスの選択を行う。以上により、高速に
RAKE受信に必要なパスの選択を行う。また、上記構
成において、スペースダイバーシティを行う場合には、
各ブランチの復調を行っていない複数の相関装置で、以
上の操作によりパスの選択を行う。これにより、パス選
択時における受信品質の向上が可能となる。
【0019】そして、各請求項の発明は、下記の技術手
段を構成する。請求項1の発明は、各基地局個々に異な
る符号位相が与えられる第1の拡散符号と、各移動局個
々に異なる符号種別が与えられる第2の拡散符号とを多
重したCDMA信号を受信するセルラー電話システムの
受信装置であって、前記受信CDMA信号に対応する符
号系列に切り換える機能をそれぞれに有し、該CDMA
信号のダイバーシティ受信を実現する複数の相関装置
と、リファレンス符号としてそれぞれ符号位相の異なっ
た符号系列を前記相関装置に設定し、RAKE合成に使
用する複数のパスを選択する機能を有する制御部とを有
するセルラー電話システムの受信装置において、前記相
関装置に相関振幅情報を出力する機能を備えるととも
に、前記制御部は、初期セルサーチ完了後、初期設定さ
れた位相と異なる符号位相の符号系列を、復調を行って
いない前記相関装置の全部もしくは一部に設定し、該相
関装置から出力される前記相関振幅情報にもとづいてR
AKE合成に使用する複数のパスを選択することを特徴
とするものである。
【0020】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第1の拡散符号に長周期を与え、前記第2の拡
散符号に短周期を与えることを特徴とするものである。
【0021】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記第1の拡散符号の位相同定用符号として各移動
局に共通する短周期拡散符号のみを多重せずに前記CD
MA信号の一部に挿入したCDMA信号を受信し、受信
した該CDMA信号の前記位相同定用符号から各パスの
符号位相を得るマッチドフィルタ部を備えるとともに、
前記制御部は、前記マッチドフィルタ部からの各パスの
符号位相にもとづく前記符号系列をリファレンス符号と
して相関RAKE合成に使用する複数のパスを選択する
ことを特徴とするものである。
【0022】請求項4の発明は、複数ブランチによるス
ペースダイバーシティのブランチ毎に請求項1ないし3
のいずれか1記載の受信装置を用意し、制御部による前
記パスの選択を各ブランチで独立して行うことを特徴と
するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、本発明によるセルラー電話
システムの受信装置の第1の実施形態のベースバンド信
号処理部の構成例を示すブロック図である。本ベースバ
ンド信号処理部は、信号探索部101、制御部102、
逆拡散部103−1〜3、シンボル合成部105、信号
処理部106に加え、振幅検波部104−1〜3からな
る。ここで、信号探索部101、及び逆拡散部103−
1〜3は、受信信号との相関処理、逆拡散を行なう相関
装置を構成する。また、信号探索部101、各逆拡散部
103−1〜3の内部構成,動作については、上述の従
来例と同様であり、上記を参照することとする。本ベー
スバンド信号処理部における入力信号は、受信信号を基
底帯域に周波数変換することにより得られたCDMAベ
ースバンド信号である。このベースバンド信号は、従来
例と同様の短周期拡散符号PN1(以下「PN1符号」
と称す)とPN1符号よりも十分周期が長い長周期拡散
符号PN2(以下「PN2符号」と称す)が乗算された
拡散信号で拡散されている。本ベースバンド信号処理部
では、このような入力信号が信号探索部101に入力さ
れ、まず初期セルサーチが行われる。その後、RAKE
受信が開始され、信号探索部101において、前述の従
来例と同じ動作でRAKE合成に使用するパスの選択を
行い、それと同時に各逆拡散部103−2,3から各振
幅検波部104−2,3までにおいても信号探索部10
1と同様の動作でパスの選択を行う。
【0024】図2は、第1の実施形態において、初期セ
ルサーチ後から完全にRAKE合成が行われるまでのR
AKE受信初期動作時のフローチャートである。以下、
図2に示すフローに従い、図1を参照してこの動作原理
を詳細に説明する。初期セルサーチ完了(ステップS2
01)後、逆拡散部103−1に得られたPN2符号位
相情報PN2(1)を逆拡散部103−1に設定し、こ
のパスのデータ復調を開始する(ステップS202)。
これにより得られた逆拡散信号は、シンボル合成部10
5に入力される。ただし、ここではまず使用パスが1つ
しか決定していないため、そのまま信号処理部106に
入力され、そこでデインタリーブ等の処理を行う。その
後、制御部102を通り、データ出力される。
【0025】次に、逆拡散部103−2で使用するパス
の選択を行う。まず、制御部102により相関最大値P
max=0に初期設定し(ステップS203)、さらに、
信号探索部101、各逆拡散部103−2,3におい
て、PN2符号位相の初期設定を行う(ステップS20
4)。ただし、PN2符号位相は、逆拡散部103−1
で用いているPN2符号位相と異なったものを選択す
る。信号探索部101、各逆拡散部103−2,3で
は、上記のように設定されたPN2符号でスライディン
グ相関を行う。その後、信号探索部101内の振幅検波
部1503(図15,参照)、各振幅検波部104−
2,3により振幅レベルの検波を行い、それぞれ相関値
P0,P2,P3が検出され(ステップS205)、得
られた相関振幅情報を制御部102に出力する。さら
に、制御部102は、それぞれ得られた相関値P0,P
2,P3がPmaxよりも大きければ、Pmaxをその値に変
更し、現在設定されているPN2符号位相を記憶する
(ステップS206〜210)。
【0026】以上の操作を、PN2符号位相を少しづつ
(例えば、半チップ毎)切り換えながら、すべての符号
位相について、信号探索部101、各逆拡散部103−
2,3でパラレルに繰り返し行う(ステップS215〜
217)。すべてのPN2符号位相の探索が完了した
後、最終的に制御部102に記憶されたPN2符号が使
用すべきものであることが決定され、逆拡散部103−
2に得られたPN2符号位相情報PN2(2)を設定
し、このパスのデータ復調を開始する(ステップS21
8)。これにより得られた逆拡散信号は、逆拡散部10
3−1で得られる逆拡散信号と同様に、シンボル合成部
105に入力され、適切なタイミング調整、重み付けが
行われ、RAKE合成される。
【0027】次に、逆拡散部103−3で使用するパス
の選択を行う。これは、逆拡散部103−2の復調デー
タのPN2符号位相の同定と同様の操作により行われる
(ステップS219−230)。同定後、逆拡散部10
3−3に得られたPN2符号位相情報PN2(3)を設
定し、このパスのデータ復調を開始する(ステップS2
31)。これにより得られた逆拡散信号は、各逆拡散部
103−1,2で得られる逆拡散信号と同様に、シンボ
ル合成部105に入力され、適切なタイミング調整、重
み付けが行われ、RAKE合成される。以上により、3
フィンガ全てを用い、完全なRAKE合成が行われる。
このように各逆拡散部103−2,3では、初期セルサ
ーチ後、使用するパスが選択されるまでは、信号探索部
と同様の動作を行い、使用するパスが決定した後は、R
AKE受信に用いられるフィンガとして動作する。
【0028】(第2の実施形態)図4は、本発明による
セルラー電話システムの受信装置の第2の実施形態の2
ブランチのスペースダイバーシティを使用したときのベ
ースバンド信号処理部の構成例を示すブロック図であ
る。信号探索部401、各逆拡散部403−1〜3と各
振幅検波部404−1〜3は、それぞれ図1のものと同
様であり、ブランチbはブランチaと同様の構成となっ
ている。また、ダイバーシティ合成部406はブランチ
aとbの出力をダイバーシティ合成する部分である。2
ブランチにした場合、初期セルサーチ完了後、得られた
PN2符号位相情報はブランチaの逆拡散部403−1
〜3の1つに設定される。その後、ブランチaの残りの
逆拡散部2つ、ブランチbの残りの逆拡散部3つと各ブ
ランチa,bの信号探索部2つの合計7フィンガを用い
て、RAKE合成に使用するパスの選択を行う。ただ
し、パスの選択は各ブランチ独立で行う、それぞれのブ
ランチの動作については、後に記述する図5,6のフロ
ーと同様の処理が行われる。
【0029】また別の方法として、2ブランチにした場
合、初期セルサーチ完了後、得られたPN2符号位相情
報は各ブランチa,bの逆拡散部の両方に1つずつ設定
される。その後、ブランチaの残りの逆拡散部2つ、ブ
ランチbの残りの逆拡散部2つと各ブランチa,bの信
号探索部2つの合計6フィンガを用いて、RAKE合成
に使用するパスの選択を行う。ただし、パスの選択は各
ブランチ独立で行い、それぞれのブランチの動作につい
ては、後に記述するフロー図5,6と同様の処理が行わ
れる。このことから、初期セルサーチ完了後、PN2符
号位相情報が得られた段階で2ブランチの逆拡散部で復
調を開始することにより、スペースダイバーシティ効果
を得ることができ、パス選択時における受信品質をある
程度確保することが可能となる。
【0030】(第3の実施形態)図5,6は、本発明に
よるセルラー電話システムの受信装置の第3の実施形態
において、初期セルサーチ後から完全にRAKE合成が
行われるまでのRAKE受信初期動作時のフローチャー
トである。ただし、ベースバンド信号処理部の構成や入
力信号は、第1の実施形態と全く同様であり、制御方法
が異なるだけである。以下、本フローに従い、図1を用
いてこの動作原理を詳細に説明する。初期セルサーチ完
了(ステップS501)後、逆拡散部103−1に得ら
れたPN2符号位相情報PN2(1)を逆拡散部103
−1に設定し、このパスのデータ復調を開始する(ステ
ップS502)。これにより得られた逆拡散信号は、シ
ンボル合成部105に入力される。ただし、ここではま
だ使用パスが1つしか決定していないため、そのまま信
号処理部106に入力され、そこでデインタリーブ等の
処理を行う。その後、制御部102を通りデータ出力さ
れる。
【0031】次に、各逆拡散部103−2,3で使用す
るパスの選択を行う。まず、制御部102により相関最
大値Pmax1=0、準相関最大値Pmax2=0に初期設定
し(ステップS503)、さらに、信号探索部101、
各逆拡散部103−2,3において、PN2符号位相の
初期設定を行う(ステップS504)。ただし、PN2
符号位相は、逆拡散部103−1で用いているPN2符
号位相と異なったものを選択する。信号探索部101、
各逆拡散部103−2,3では、上記のように設定され
たPN2符号でスライディング相関を行う。その後、信
号探索部101内の振幅検波部1503、各振幅検波部
104−2,3により振幅レベルの検波を行い、それぞ
れ相関値P0,P2,P3が検出され(ステップS50
5)、得られた相関振幅情報を制御部102に出力す
る。さらに、制御部102は、それぞれ得られた相関値
P0,P2,P3がPmax2よりも大きく、かつPmax1
よりも小さいならば、Pmax2をその値に変更し、現在
設定されているPN2符号をPN2(3)に記憶する。
また、相関値P0,P2,P3がPmax2,Pmax1より
も大きければ、Pmax1をその値に変更し、現在設定さ
れているPN2符号をPN2(2)に記憶する(ステッ
プS506〜523)。
【0032】以上の操作を、PN2符号位相を少しづつ
(例えば、半チップ毎)切り換えながら、すべての符号
位相について、信号探索部101、各逆拡散部103−
2,3でパラレルに繰り返し行う(ステップS524〜
526)。すべてのPN2符号位相の探索が完了した
後、最終的に制御部102に記憶されたPN2(2),
PN2(3)が使用すべきPN2符号であることが決定
される。逆拡散部103−2に得られたPN2符号位相
情報PN2(2)を逆拡散部103−2に、逆拡散部1
03−3に得られたPN2符号位相情報PN2(3)を
逆拡散部103−3に設定し、これら2つのパスのデー
タ復調を開始する(ステップS527,528)。これ
により得られた逆拡散信号は、逆拡散部103−1で得
られる逆拡散信号と同様に、シンボル合成部105に入
力され、適切なタイミング調整、重み付けが行われ、R
AKE合成される。以上により、3フィンガすべてを用
いて、完全なRAKE合成が行われる。
【0033】このように各逆拡散部103−2〜3で
は、初期セルサーチ後、使用するパスが選択されるまで
は、信号探索部101と同様の動作を行い、使用するパ
スが決定した後は、RAKE受信に用いられるフィンガ
として動作する。また、第2の実施形態の図4のような
2ブランチのスペースダイバーシティを使用するような
構成ができ、パスの選択時における受信品質の向上が可
能となる。
【0034】(第4の実施形態)従来のようなシステム
では基地局間で該PN2符号に正確なオフセットを与え
る必要があるため、基地局間で時間的に同期している必
要があり、そのため基地局にGPS(Global Positio
ning System)受信機を搭載する必要がある。そのため
基地局システムが大型化、高コスト化し、さらに基地局
間同期のためのシステム等が必要となるため基地局追加
などシステム拡張が複雑であるなどの問題がある。この
問題に鑑み、現在、基地局毎に上記PN2の符号の種類
を異ならせるようなCDMAセルラーシステムが検討さ
れている。
【0035】また、入力信号のフレーム構成が、図7の
ようにPN2符号1周期で各基地局共通のPN1符号の
みで拡散された部分と、各基地局ごとに異なるPN2符
号とPN1符号で2重に拡散された部分とで構成される
場合が検討されている。これにより、PN2符号1周期
で各基地局共通のPN1符号のみで拡散された部分にお
いて、該PN1符号によって相関がとれるため、PN2
符号の位相タイミングの同定を容易に行うことが可能で
ある。
【0036】図8は、このような場合を考慮に入れた本
発明による受信装置の第4の実施形態のベースバンド信
号処理部の構成例を示すブロック図である。第1,2の
実施形態との違いは、図7のようなフレーム構成の特徴
を考慮に入れることにより、マッチドフィルタ部801
が加わったことと、PN2符号の種別を切り替えること
ができるように、信号探索部803、各逆拡散部804
−1〜3内部構成が変わったことである。
【0037】図9は、信号探索部803の内部構成を示
したブロック図である。本信号探索部803は、PN2
符号発生部901、PN1符号発生部902、PN2符
号発生部901出力とPN1符号発生部902出力の排
他的論理和をとるEX−OR部903、DLL部(Del
ay Locked Loop)904、及びDLL部904出力か
ら相関振幅情報を得る振幅検波部905により構成され
ている。PN1符号発生部902は、従来例(図17参
照)で述べたPN1符号発生部1702と同様の構成で
あり同様の動作を行う。ただし、従来例で述べたように
信号レベル、受信タイミング検出用に上記PN2符号で
のみ拡散された信号(パイロットチャネル)が送信され
ているような場合には、該PN1符号発生部902は不
必要である。
【0038】図10は、PN2符号発生部901の内部
構造を示したブロック図である。PN2符号はそれぞれ
異なった種類の符号により基地局の区別を行っており、
発生するPN2符号の種類は任意に設定できる必要があ
る。よって本例では、このPN2符号発生部901は、
符号発生用帰還タップ切換信号入力用シフトレジスタ部
1001、符号発生用帰還タップ切換信号ラッチ用シフ
トレジスタ部1002、符号発生用シフトレジスタ部1
003、帰還タップ設定用スイッチ部1004、帰還タ
ップ用EX−OR部1005から構成されている。制御
部802から符号発生用シフトレジスタ初期化パルスが
入力されると、各符号発生用シフトレジスタはあらかじ
め設定された初期値に初期化される。また、制御部80
2より符号発生用帰還タップ設定信号、帰還タップ切換
パルスが入力される。動作は、従来例(図17参照)の
PN1符号発生部1702と同様である。以上により、
信号探索部803は制御部802からの制御信号により
PN2符号の種類及び位相を切り換えることが可能とな
る。
【0039】図11は、各逆拡散部804−1〜3の内
部構造を示すブロック図である。これら逆拡散部804
−1〜3は、PN1符号発生部1102、PN2符号発
生部1101、PN2符号発生部1101の出力とPN
1符号発生部1102の出力の排他的論理和をとるEX
−OR部1103、及びDLL部(Delay LockedLoo
p)1104からなる。PN1符号発生部1102の構
成と動作原理は、従来例(図17参照)のPN1符号発
生部1702と同様であり、このPN2符号発生部11
01の構成と動作原理は、先程述べたPN2発生部90
1と同様である。よって、制御部802からの制御信号
により、PN1符号及びPN2符号の種類を切り換える
ことが可能である。本ベースバンド信号処理部における
入力信号は、受信信号を基底帯域に周波数変換すること
により得られたCDMAベースバンド信号であり、先程
述べた図7のようなフレーム構造を持つ。ただし、PN
1符号によりユーザの区別を行い、また、第1,2の実
施形態と違い、PN2符号の種類により基地局の区別を
行う。また、本ベースバンド信号処理部では、このよう
な入力信号が入力され、まず初期セルサーチが行われ
る。その後、RAKE受信が開始され、マッチドフィル
タ部801でPN2符号位相の同定、信号探索部80
3、各逆拡散部804−2,3においてRAKE合成に
使用するパスの選択を行う。
【0040】図12,13は、第4の実施形態におい
て、初期セルサーチ後から完全にRAKE合成が行われ
るまでのRAKE受信初期動作時のフローチャートであ
る。以下、本フローに従い、図8を用いてこの動作原理
を詳細に説明する。初期セルサーチ完了(ステップS1
201)後、逆拡散部804−1に得られたPN2符号
情報PN2(1)を逆拡散部804−1に設定し、この
パスのデータ復調を開始する(ステップS1202)。
これにより得られた逆拡散信号は、シンボル合成部80
6に入力される。ただし、ここではまだ使用パスが1つ
しか決定していないため、そのまま信号処理部807に
入力され、そこでデインタリーブ等の処理を行う。その
後、制御部802を通りデータ出力される。
【0041】次に、各逆拡散部804−2,3で使用す
るパスの選択を行う。まず、F2=F3=0,m=3に
初期設定する(ステップS1203)。ただし、F2,
F3はそれぞれ逆拡散部804−2,3の復調状態を示
すものであり、F2=0,F3=0は、それぞれ逆拡散
部804−2,3のデータ復調が開始されていないこと
を表し、F2=1,F3=1は、それぞれ逆拡散部80
4−2,3のデータ復調が開始されたことを表す。ま
た、mは次にマッチドフィルタ部801で検出すべきフ
ィンガの数を表している。次に、信号探索部803、各
逆拡散部804−2,3を逆拡散部804−1と同じ符
号の種類に設定する(ステップS1204)。
【0042】次に、マッチドフィルタ部801におい
て、予め設定された基地局共通のPN1符号で相関をと
ることにより、m個の相関レベルと符号位相の検出を行
う(ステップS1205)。これにより、各パスのPN
2符号位相タイミングが得られ、各PN2符号位相情報
が制御部802に出力され、制御部802に記憶され
る。 さらに、得られた相関レベルをもとに、符号同定
に使用するためのしきい値Pth0,Pth2,Pth3を決
定する。例えば、これらのしきい値を相関レベルの−3
dBとする(ステップS1206)。ただし、マッチド
フィルタ部801による相関レベルと符号位相の検出や
しきい値の決定等は、実際、初期セルサーチの中で行っ
てしまってもよい。
【0043】次に、信号探索部803、データ復調を行
っていない各逆拡散部804−2,3に得られた符号位
相を設定する。ただし、信号探索部803には、最も低
い相関レベルの符号位相を設定する。信号探索部80
3、各逆拡散部804−2,3では、上記のように設定
されたPN2符号でスライディング相関を行う。その
後、信号探索部803内の振幅検波部905、振幅検波
部805−2,3により振幅レベルの検波を行い、それ
ぞれ相関値P0,P2,P3が検出され(ステップS1
208)、得られた相関振幅情報を制御部802に出力
する。
【0044】さらに、制御部802は、得られた相関値
P2がPth2よりも大きければ、逆拡散部804−2に
おいて現在設定されているPN2符号情報PN2(2)
にて、このパスのデータ復調を開始し(ステップS12
09〜1211)、F2=1に設定する(ステップS1
212)。これにより得られた逆拡散信号は、逆拡散部
804−1で得られる逆拡散信号と同様に、シンボル合
成部806に入力され、適切なタイミング調整、重み付
けが行われ、RAKE合成される。また、得られた相関
値P3がPth3よりも大きければ、逆拡散部804−3
において現在設定されているPN2符号情報PN2
(3)にて、このパスのデータ復調を開始し(ステップ
S1213〜1215)、F3=1に設定する(ステッ
プS1216)。同様にこれにより得られた逆拡散信号
は、各逆拡散部804−1,2で得られる逆拡散信号と
同様に、シンボル合成部806に入力され、適切なタイ
ミング調整、重み付けが行われ、RAKE合成される。
【0045】ここで、各逆拡散部804−2,3ともに
データ復調が開始されれば、3フィンガすべてを用い
て、完全なRAKE合成が行われることになり、本フロ
ーを終了する。まだデータ復調を開始していない逆拡散
部がある場合、得られた相関値P0がPth0よりも大き
ければ、信号探索部803に設定されているPN2符号
情報をデータ復調を開始していない逆拡散部に設定し、
このパスのデータ復調を行う(ステップS1217〜1
223)。これにより得られた逆拡散信号は、逆拡散部
804−1で得られる逆拡散信号と同様に、シンボル合
成部806に入力され、適切なタイミング調整、重み付
けが行われ、RAKE合成される。以上により、各逆拡
散部804−2,3ともにデータ復調が開始していれ
ば、3フィンガすべてを用いて、完全なRAKE合成が
行われることになり、本フローを終了する。
【0046】それ以外については、まだデータ復調を開
始していない逆拡散部の数に応じて、次にマッチドフィ
ルタ部801で検出すべき数mを決定し(ステップS1
224〜1226)、再びマッチドフィルタ部801に
よる相関レベルと符号位相の検出から始め、この操作を
すべてのフィンガのパスが選択されるまで繰り返す。こ
のように各逆拡散部804−2,3では、初期セルサー
チ後、使用するパスが選択されるまでは、信号探索部8
03と同様の動作を行い、使用するパスが決定した後
は、RALE受信に用いられるフィンガとして動作す
る。また、第2の実施の形態と同様に、図4のような2
ブランチのスペースダイバーシティを使用するような構
成ができ、パスの選択的における受信品質の向上が可能
となる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、拡散符号の種類を区別
することにより多重されたCDMA信号を受信する受信
装置では、それぞれ符号位相の異なる拡散符号を用い
て、それぞれ複数の相関装置において、RAKE合成に
使用するパスの選択を並行して行うことにより、初期セ
ルサーチ後から完全にRAKE合成が行われるまでに要
する時間が短縮され、ハードウェア規模を増大させるこ
となく、RAKE受信に用いるパス選択の高速化が実現
できる。これにより、RAKE受信初期時の受信品質の
向上が見込まれる。また、長周期符号位相を同定しうる
共通短周期符号が挿入されたCDMA信号を受信する受
信装置では、RAKE受信に用いる各パスの拡散符号位
相を予めマッチドフィルタで同定しておくことにより、
各パスの拡散符号位相の同定に要する時間を短縮でき、
さらに大幅に初期セルサーチ後から完全にRAKE合成
が行われるまでに要する時間が短縮され、ハードウェア
規模を増大させることなく、RAKE受信に用いるパス
選択の高速化が実現できる。これにより、RAKE受信
初期時の受信品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
の第1の実施形態のベースバンド信号処理部の構成例を
示すブロック図である。
【図2】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
の第1の実施形態のRAKE合成に使用する複数のパス
の選択を行う動作部分のフローを示す図(その1)であ
る。
【図3】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
の第1の実施形態のRAKE合成に使用する複数のパス
の選択を行う動作部分のフローを示す図(その2)であ
る。
【図4】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
の第2の実施形態のスペースダイバーシティを使用した
場合のベースバンド信号処理部の構成例を示すブロック
図である。
【図5】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
の第3の実施形態のRAKE合成に使用する複数のパス
の選択を行う動作部分のフローを示す図(その1)であ
る。
【図6】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
の第3の実施形態のRAKE合成に使用する複数のパス
の選択を行う動作部分のフローを示す図(その2)であ
る。
【図7】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
の第4の実施形態における受信信号のフレーム構成図で
ある。
【図8】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
の第4の実施形態におけるベースバンド信号処理部の構
成例を示すブロック図である。
【図9】本発明に係るセルラー電話システムの受信装置
のベースバンド信号処理部内の信号探索部をより詳細に
示すブロック図である。
【図10】本発明に係るセルラー電話システムの受信装
置の信号探索部内のPN2符号発生部をより詳細に示す
ブロック図である。
【図11】本発明に係るセルラー電話システムの受信装
置のベースバンド信号処理部内の逆拡散部をより詳細に
示すブロック図である。
【図12】本発明に係るセルラー電話システムの受信装
置の第4の実施形態のRAKE合成に使用する複数のパ
スの選択を行う動作部分のフローを示す図(その1)で
ある。
【図13】本発明に係るセルラー電話システムの受信装
置の第4の実施形態のRAKE合成に使用する複数のパ
スの選択を行う動作部分のフローを示す図(その2)で
ある。
【図14】従来のCDMA受信信号のベースバンド信号
処理部の構成例を示すブロック図である。
【図15】従来のCDMA受信信号のベースバンド信号
処理部における信号探索部のより詳細なブロック図であ
る。
【図16】従来のCDMA受信信号のベースバンド信号
処理部における信号探索部内のPN2符号発生部のより
詳細なブロック図である。
【図17】従来のCDMA受信信号のベースバンド信号
処理部における逆拡散部のより詳細なブロック図であ
る。
【図18】従来のCDMA受信信号のベースバンド信号
処理部における逆拡散部内のPN2符号発生部のより詳
細なブロック図である。
【図19】実際通話を行なう場合の受信部の動作のフロ
ーの概要を示す図である。
【図20】従来のCDMA受信信号のベースバンド信号
処理部におけるRAKE合成に使用する複数のパスの選
択を行う動作部分のフローを示す図(その1)である。
【図21】従来のCDMA受信信号のベースバンド信号
処理部におけるRAKE合成に使用する複数のパスの選
択を行う動作部分のフローを示す図(その2)である。
【符号の説明】
101,401,803,1401…信号探索部、10
2,402,802,1402…制御部、103−1〜
3,403−1〜3,804−1〜3,1403−1〜
3…逆拡散部、104−1〜3,404−1〜3,80
5−1〜3,905,1503…振幅検波部、105,
405,806,1404…シンボル合成部、106,
407,807,1405…信号処理部、406…ダイ
バーシティ合成部、801…マッチドフィルタ部、90
1,1101,1501,1701…PN2発生部、9
02,1102,1702…PN1発生部、903,1
103,1703…PN1符号出力とPN2符号出力に
おけるEX−OR部、904,1104,1502,1
704…DLL部、1001,1801…符号発生用帰
還タップ切換信号入力用シフトレジスタ部、1002,
1802…符号発生用帰還タップ切換信号ラッチ用シフ
トレジスタ部、1003,1601,1803…符号発
生用シフトレジスタ部、1004,1804…帰還タッ
プ設定用スイッチ部、1005,1602,1805…
帰還タップ用EX−OR部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各基地局個々に異なる符号位相が与えら
    れる第1の拡散符号と、各移動局個々に異なる符号種別
    が与えられる第2の拡散符号とを多重したCDMA信号
    を受信するセルラー電話システムの受信装置であって、
    前記受信CDMA信号に対応する符号系列に切り換える
    機能をそれぞれに有し、該CDMA信号のダイバーシテ
    ィ受信を実現する複数の相関装置と、リファレンス符号
    としてそれぞれ符号位相の異なった符号系列を前記相関
    装置に設定し、RAKE合成に使用する複数のパスを選
    択する機能を有する制御部とを有するセルラー電話シス
    テムの受信装置において、前記相関装置に相関振幅情報
    を出力する機能を備えるとともに、前記制御部は、初期
    セルサーチ完了後、初期設定された位相と異なる符号位
    相の符号系列を、復調を行っていない前記相関装置の全
    部もしくは一部に設定し、該相関装置から出力される前
    記相関振幅情報にもとづいてRAKE合成に使用する複
    数のパスを選択することを特徴とするセルラー電話シス
    テムの受信装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の拡散符号に長周期を与え、前
    記第2の拡散符号に短周期を与えることを特徴とする請
    求項1記載のセルラー電話システムの受信装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の拡散符号の位相同定用符号と
    して各移動局に共通する短周期拡散符号のみを多重せず
    に前記CDMA信号の一部に挿入したCDMA信号を受
    信し、受信した該CDMA信号の前記位相同定用符号か
    ら各パスの符号位相を得るマッチドフィルタ部を備える
    とともに、前記制御部は、前記マッチドフィルタ部から
    の各パスの符号位相にもとづく前記符号系列をリファレ
    ンス符号として相関RAKE合成に使用する複数のパス
    を選択することを特徴とする請求項2記載のセルラー電
    話システムの受信装置。
  4. 【請求項4】 複数ブランチによるスペースダイバーシ
    ティのブランチ毎に請求項1ないし3のいずれか1記載
    の受信装置を用意し、制御部による前記パスの選択を各
    ブランチで独立して行うことを特徴とするセルラー電話
    システムの受信装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003037523A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Fujitsu Ltd 受信装置、受信方法、および、半導体装置

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JP2003037523A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Fujitsu Ltd 受信装置、受信方法、および、半導体装置

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