JPH1168615A - スペクトラム拡散信号の受信方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期同期における符号の検出をマッチドフィ
ルタを用いて高速化する。 【解決手段】 受信ベースバンド信号のデータを遅延さ
せるデータ遅延ステップと、参照用拡散符号を格納する
参照用拡散符号格納ステップとを有した相関値計算ステ
ップと、最大ピーク検出ステップにより検出した相関値
が最大となるタイミングで、前記データ遅延ステップの
遅延動作を停止させ、前記参照用拡散符号格納ステップ
で格納する参照用拡散符号を切り換えながら拡散符号を
検索する拡散符号検索ステップとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、複数の拡散符号
を用いるスペクトラム拡散信号の受信方法および装置に
関し、特に、マッチドフィルタを用いて初期同期を行う
スペクトラム拡散信号の受信方法および装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】スペクトラム拡散通信では送信側で回線
毎に異なる拡散符号を用いて拡散変調し送信する。受信
側では、受信したい回線の拡散符号のレプリカである参
照用拡散符号を生成し逆拡散する。この参照用拡散符号
は送信側で用いた拡散符号と同一のタイミングで同一の
符号を用いる必要があり、受信を行うためには拡散符号
のタイミングの同期と拡散符号の検出を初期同期におい
て確立しなければならない。

【０００３】この初期同期方法として“ＤＳ−ＣＭＤＡ
基地局間非同期セルラ方式におけるロングコードの２段
階高速初期同期法”、ＲＣＳ９６−１２、信学技報で示
された「２段階初期同期法」がある。図９は前記信学技
報において同時に示された「２段階初期同期法」を実現
する受信側のブロック図、図１０は「２段階初期同期
法」の符号構成を示す説明図である。「ＤＳ−ＣＭＤＡ
基地局間非同期セルラ方式」では各基地局のチャネルの
管理を容易にするため拡散符号の符号周期がシンボル長
と等しいショートコードと符号周期が複数シンボル長と
なるロングコードを掛け合わせる２重拡散コード配置が
採用され、下り回線では基地局毎に異なるロングコード
を用いる。しかしながら、ロングコードは周期が長く、
さらに、種類が多いため移動局で初期同期を行う場合
に、ロングコードのタイミングと種類を検出するために
膨大な時間が必要となる。この問題を解決するため「２
段階初期同期法」では、図１０に示すようにロングコー
ド周期に同期して各基地局共通のショートコードのみの
シンボルを送信する。

【０００４】図９において、１はセレクタ、２はマッチ
ドフィルタ、３はマッチドフィルタ２へ与える参照符号
を生成する参照符号生成回路、４は２乗演算器、５は巡
回加算器、６は最大ピーク検出器、７は拡散符号のタイ
ミングの同期と拡散符号の検出を行う制御装置である。
８はスライディング相関回路、９は２乗演算回路、１０
は比較回路である。

【０００５】次に、図９のブロック図で示した受信側の
動作について説明する。移動局では、マッチドフィルタ
２とスライディング相関回路８を備えており、図１５の
フローチャートに示す「２段階初期同期法」の処理手順
に従い初期同期を確立する。このフローチャートによれ
ば、先ず、ステップＳＴ２０でマッチドフィルタ２の図
示していない参照符号レジスタの内容を、各基地局共通
にフレーム周期で挿入されるショートコードのみのシン
ボルのショートコードとしてロングコードのタイミング
を検出する。

【０００６】そして、キャリア周波数偏差の影響をなく
すため、マッチドフィルタ２が出力する相関値を２乗演
算器４により２乗検波し、雑音とフェージングの影響を
低減するため巡回加算器５を用いて平均化を行い、得ら
れた相関電力の平均の最大ピークをロングコードのタイ
ミングとして最大ピーク検出器６により検出する。次
に、ステップＳＴ３０の動作に移り、セレクタ１を切り
換えてロングコードの種類の検出を行う。このロングコ
ードの種類の検出では、スライディング相関回路８の参
照符号を順次切り換え、そのときの出力に対し比較回路
１０によりスレッショルド判定を行い、前記ロングコー
ドの種類の検出を行う。

【０００７】この場合、図９に示したスライディング相
関回路８はシリアルに相関演算を行い、１シンボル長の
相関値を得るのに１シンボル時間を必要とする。また、
マッチドフィルタ２はパラレルに相関演算を行い１シン
ボル長の相関値を１チップ時間あるいはそれ以下の時間
間隔で出力するため、高速にロングコードのタイミング
を検出することが出来る。

【０００８】図１１は、“広帯域ＤＳ−ＣＤＭＡ用低消
費電力マッチドフィルタＬＳＩ”、ＲＣＳ９５−１２
０、信学技報に開示された従来のマッチドフィルタの構
成を示すブロック図である。図において、２１は受信ベ
ースバンド信号が入力される遅延装置、２２は参照符号
生成回路３から供給された参照符号をシリアル／パラレ
ル変換するシリアル／パラレル変換部、２３はパラレル
データに変換された参照符号を保持する参照符号レジス
タ、２４は参照符号レジスタ２３に保持された参照符号
と遅延装置２１で遅延された受信ベースバンド信号との
乗算を行う乗算器ブロック、２５は乗算器ブロック２４
の各乗算器の出力を加算し相関出力を得るための加算回
路である。

【０００９】次に、このマッチドフィルタの動作につい
て説明する。参照符号生成回路３からシリアルに出力さ
れた参照符号はシリアル／パラレル変換部２２でシリア
ル／パラレル変換され、参照符号レジスタ２３にパラレ
ルにロードされる。一方、受信ベースバンド信号が遅延
装置２１で遅延される。この遅延された受信ベースバン
ド信号は、前記参照符号レジスタ２３にパラレルにロー
ドされた前記参照符号と乗算器ブロック２４の各乗算器
により乗算処理され、その乗算結果は加算回路２５へ出
力される。加算回路２５では、前記各乗算結果をもとに
相関出力を生成する。また、図１１に示した従来のマッ
チドフィルタは、受信ベースバンド信号が格納されたデ
ータシフトレジスタを、図１２に示すように常に動作さ
せる。

【００１０】図１３は、例えば“スペクトラム拡散通信
システム”、横山光雄、科学技術出版、Ｐ４２９に示さ
れている従来のゴールド符号発生器の構成を示す回路ブ
ロック図であり、２つのＭ系列生成器３１，３２でそれ
ぞれシリアルにＭ系列を生成し、排他的論理和回路３３
により合成しゴールド符号を得る。図１４に示すように
Ｍ系列生成器３１の出力であるＡ０とＭ系列生成器３２
の出力であるＢ０の排他的論理和よりゴールド符号Ｃ０
が生成でき、図１４のＡ０とＢ０の位相関係をＡ１とＢ
１のように１つシフトすることによりＣ０とは別のゴー
ルド符号Ｃ１を得ることが出来る。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】従来のスペクトラム拡
散信号の受信方法および装置は以上のように構成されて
いるので、スライディング相関回路８を用いて符号の検
索を行うことから拡散符号を検出する時間が長く、タイ
ミング検出後、フェージングによるレベル変動のため参
照符号が一致しても拡散符号を検出できないことがあ
り、初期同期に時間がかかる。また、高速化のために図
１１に示したマッチドフィルタ２を用いたとしても、マ
ッチドフィルタ２への参照符号の入力がシリアル入力で
あるため参照符号の高速切換が困難である。このため、
拡散符号検索にマッチドフィルタ２を用いても拡散符号
検索の高速化を図るのが容易でなく、また拡散符号検索
に時間がかかると送受信クロック偏差のためにタイミン
グがずれてしまい、さらに時間がかかるなどの課題があ
った。

【００１２】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、拡散符号のタイミングの同期と拡
散符号の検出を行う初期同期を高速化できるスペクトラ
ム拡散信号の受信方法および装置を得ることを目的とす
る。また、フェージング変動等により受信信号が変動し
た場合の不検出や誤検出を防止できるスペクトラム拡散
信号の受信方法および装置を得ることを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明に係
るスペクトラム拡散信号の受信方法は、受信ベースバン
ド信号のデータを遅延させるデータ遅延ステップと、参
照用拡散符号を格納する参照用拡散符号格納ステップと
を有した相関値計算ステップと、最大ピーク検出ステッ
プにより検出した相関値が最大となるタイミングで、前
記データ遅延ステップの遅延動作を停止させ、前記参照
用拡散符号格納ステップで格納する参照用拡散符号を切
り換えながら拡散符号を検索する拡散符号検索ステップ
とを備えるようにしたものである。

【００１４】請求項２記載の発明に係るスペクトラム拡
散信号の受信方法は、ゴールド系列を生成するためのＭ
系列を並列に２つのＭ系列生成ステップで生成し、前記
２つのＭ系列生成ステップにより並列に生成した前記Ｍ
系列を排他的論理和ステップで並列に排他的論理和をと
って並列にゴールド系列を生成し、前記２つのＭ系列生
成ステップのうちの一方により生成される前記Ｍ系列を
切換ステップでシフトさせてゴールド符号を切り換える
ようにしたものである。

【００１５】請求項３記載の発明に係るスペクトラム拡
散信号の受信方法は、参照用拡散符号格納ステップで格
納する参照用拡散符号を並列に出力する参照符号生成ス
テップと、前記参照用拡散符号格納ステップで格納する
参照用拡散符号を並列に切り換えながら拡散符号を検索
する拡散符号検索ステップとを備えるようにしたもので
ある。

【００１６】請求項４記載の発明に係るスペクトラム拡
散信号の受信方法は、相関値計算ステップで相関値を計
算するため参照用拡散符号格納ステップで格納するゴー
ルド系列を参照符号生成ステップで並列に生成し出力す
るものであり、前記ゴールド系列を生成するためのＭ系
列を並列に生成する２つのＭ系列生成ステップと、前記
２つのＭ系列生成ステップにより並列に生成した前記Ｍ
系列を並列に排他的論理和をとり並列にゴールド系列を
生成する排他的論理和ステップと、前記２つのＭ系列生
成ステップのうちの一方の生成した前記Ｍ系列をシフト
させてゴールド符号を切り換える切換ステップとを備え
るようにしたものである。

【００１７】請求項５記載の発明に係るスペクトラム拡
散信号の受信装置は、マッチドフィルタに設けられた、
受信ベースバンド信号を遅延させるデータシフト手段と
参照用拡散符号を格納する参照符号格納手段と、前記受
信ベースバンド信号と前記参照用拡散符号との相関値が
最大となるタイミングで前記データシフト手段の遅延動
作を停止させ、前記参照符号格納手段に格納する参照用
拡散符号を切り換えながら、前記遅延動作が停止した前
記データシフト手段が保持している受信ベースバンド信
号に対し拡散符号を検索する制御手段とを備えるように
したものである。

【００１８】請求項６記載の発明に係るスペクトラム拡
散信号の受信装置は、ゴールド系列生成手段でＭ系列を
並列に生成するための２つのＭ系列生成手段と、該２つ
のＭ系列生成手段により並列に生成した前記Ｍ系列を並
列に排他的論理和をとり並列にゴールド系列を生成する
複数の排他的論理和手段とを備えるようにしたものであ
る。

【００１９】請求項７記載の発明に係るスペクトラム拡
散信号の受信装置は、参照符号格納手段に格納する参照
用拡散符号を並列に出力する参照符号生成手段を有し、
前記参照符号格納手段に格納する参照用拡散符号を制御
手段が並列に切り換えながら拡散符号を検索するように
したものである。

【００２０】請求項８記載の発明に係るスペクトラム拡
散信号の受信装置は、参照符号格納手段で格納するゴー
ルド系列を参照符号生成手段が並列に生成し出力するも
のであり、前記ゴールド系列を生成するためのＭ系列を
並列に生成する２つのＭ系列生成手段と、前記２つのＭ
系列生成手段より並列に生成した前記Ｍ系列を並列に排
他的論理和をとり並列にゴールド系列を生成する排他的
論理和手段とを備えるようにしたものである。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態１．図１は、この発明の実施の形態１による
スペクトラム拡散信号の受信方法を実現する受信装置の
構成を示すブロック図である。図において、５１は受信
ベースバンド信号をディジタル化するＡ／Ｄ変換器、５
２はディジタル化した受信ベースバンド信号と参照符号
との相関値を算出するマッチドフィルタ、５３は参照符
号をパラレルデータとして生成する参照符号生成器（参
照符号生成手段）、５４はマッチドフィルタ５２により
算出した相関値を２乗する２乗演算器、５５は２乗した
相関値を平均化する巡回加算器、５６は巡回加算した相
関値より相関値が最大となるピークを検出するピーク検
出器（ピーク検出手段）、５７は参照符号の切り換えや
マッチドフィルタ５２のデータシフトレジスタのシフト
停止等の制御を行う制御装置（データシフト手段，制御
手段）である。

【００２２】図２は、図１に示した受信装置のマッチド
フィルタ５２と参照符号生成器５３の構成を示すブロッ
ク図である。図において、５２ａはディジタル化した受
信ベースバンド信号を遅延させるデータシフトレジスタ
（データシフト手段）、５２ｂは参照符号生成器５３か
らパラレルに参照符号がロードされる参照符号レジスタ
（参照符号格納手段）、５２ｃは参照符号とディジタル
化した受信ベースバンド信号との乗算を行う乗算器ブロ
ック、５２ｄは乗算器ブロック５２ｃの各乗算器出力を
加算する加算器である。なお、データシフトレジスタ５
２ａと参照符号生成器５３の動作を図３に示す。

【００２３】次に動作について説明する。受信ベースバ
ンド信号から拡散符号のタイミングを検出するまでは通
常のマッチドフィルタの動作と同様である。すなわち参
照符号レジスタ５２ｂに保持される参照符号をタイミン
グ検出のための符号データに固定し、データシフトレジ
スタ５２ａにディジタル化した受信ベースバンド信号を
入力し、シフトを行い、乗算器ブロック５２ｃの各乗算
器と加算器５２ｄにより相関値を計算する。この結果、
拡散符号のタイミングが検出された場合、その直後の参
照符号レジスタ分の受信ベースバンド信号がデータシフ
トレジスタ５２ａに格納された時点でデータシフトレジ
スタ５２ａを停止し、データを保持する。次に、参照符
号生成器５３により生成され参照符号レジスタ５２ｂに
格納される参照符号を順次切り換える。

【００２４】図３は、以上の各過程におけるデータシフ
トレジスタ５２ａの内容と参照符号レジスタ５２ｂの参
照符号とを時間の経過に従って示している。さらに、デ
ータシフトレジスタ５２ａを停止した後、データシフト
レジスタ５２ａの内容に対し参照符号を順次切り換え、
乗算器ブロック５２ｃの各乗算器と加算器５２ｄにより
相関値を計算する。このような構成により、データシフ
トレジスタ５２ａに格納された受信ベースバンド信号と
参照符号とが一致したときには大きな相関値が得られ、
拡散符号検索が終了する。

【００２５】以上のように、この実施の形態１によれ
ば、拡散符号のタイミングを検出した直後の受信ベース
バンド信号をデータシフトレジスタ５２ａに保持するた
め、フェージングの影響を受けずに大きな相関値を得る
ことができる。さらに、タイミング検出後、同一の受信
ベースバンド信号に対し参照符号を切り換えるので、マ
ッチドフィルタ５２により得られた相関値はフェージン
グによるバラツキがない。従って、チャネル変動に影響
されない安定した符号検索を行うことが出来、初期同期
時間を短縮できるスペクトラム拡散信号の受信方法およ
び受信装置が得られる効果がある。

【００２６】実施の形態２．図１および図２において、
参照符号生成器５３により並列に参照符号を生成し、マ
ッチドフィルタ５２の参照符号レジスタ５２ｂに並列に
前記参照符号をロードすることが出来れば、高速に参照
符号の切り換えが出来る。この実施の形態２は、参照符
号生成器は参照符号を並列に生成する。そして、前記実
施の形態１で説明した参照符号レジスタ５２ｂへ、前記
参照符号生成器５３で生成した参照符号をパラレルにロ
ードすることでより高速に初期同期を確立する。

【００２７】図４は、この発明の実施の形態２によるス
ペクトラム拡散信号の受信方法を実現する受信装置にお
ける参照符号生成器の構成を示すブロック図である。図
４において、６１は参照符号生成器（ゴールド系列生成
手段）、６２，６３はＭ系列を並列に生成するＭ系列生
成器（Ｍ系列生成手段）、６４はＭ系列生成器６２，６
３により生成した符号を並列に合成しゴールド符号を得
るための排他的論理和回路（排他的論理和手段）であ
る。

【００２８】図５は、Ｍ系列を並列に生成するＭ系列生
成器の回路構成を示すブロック図である。図において、
７１，７２はＭ系列生成器により生成した符号をシフト
するシフトレジスタである。すなわち、このＭ系列生成
器にはＭ系列がシフトレジスタ段数分格納されているた
め、不足分の系列としてシフトレジスタ７２に格納して
おけば参照系列長分のＭ系列を並列に準備できる。

【００２９】つまりこの実施の形態２の特徴とするとこ
ろは、複数のＭ系列生成器により生成した符号を複数の
排他的論理和により合成し参照符号を並列に生成できる
ことであり、図５におけるシフトレジスタ７１，７２を
１つシフトする毎に異なるゴールド符号を高速で並列に
生成することが出来る。

【００３０】図６は、この発明の実施の形態２によるス
ペクトラム拡散信号の受信方法の処理手順を示すフロー
チャートである。このフローチャートによれば、初期同
期が開始すると、ステップＳＴ１２０において、送信側
より挿入された同期用の拡散符号をマッチドフィルタ５
２の参照符号とすることにより拡散符号のタイミングを
検出する。これは図３に示す通常動作に相当する。続く
ステップＳＴ１３０では、前記検出した拡散符号のタイ
ミングでマッチドフィルタ５２のデータシフトレジスタ
５２ａを停止し、参照符号を順次切り換えることにより
拡散符号を検出する。これは図３に示すシフト停止に相
当する。前記検出したタイミングおよび当該拡散符号で
同期確認を行い同期であれば終了、同期でなければステ
ップＳＴ１２０に戻り、ステップＳＴ１２０からの処理
を繰り返す。

【００３１】図７は、図６に示すステップＳＴ１３０の
マッチドフィルタによる符号検出の処理手順を詳細に示
すフローチャートである。このフローチャートでは、ス
テップＳＴ１３１で拡散符号の検出を行うタイミングの
受信ベースバンド信号のデータをマッチドフィルタ５２
のデータシフトレジスタ５２ａに記憶する。ステップＳ
Ｔ１３１でシフトを停止することによりデータシフトレ
ジスタ５２ａのデータを保持する。これは図３に示すシ
フト停止に相当する。

【００３２】次に、ステップＳＴ１３３からステップＳ
Ｔ１３６までの処理で参照符号を符号番号「０」から
「ｎ−１」まで順次切り換え、相関値をマッチドフィル
タ５２により算出し巡回加算する。この場合の参照符号
は、前記説明した参照符号生成器６１の構成から高速に
行われる。これは図３に示すシフト停止期間に行われる
処理である。ステップＳＴ１３７で巡回加算が終了する
まで複数回ステップＳＴ１３１からステップＳＴ１３６
までの手順を繰り返し、巡回加算が終了後にステップＳ
Ｔ１３８において最大ピークを検出し拡散符号を検出す
る。以上のように、マッチドフィルタ５２の参照符号を
高速で切り換えて拡散符号の検出を行うことにより高速
で初期同期を確立することが出来る。

【００３３】図１３および図１４では２つのＭ系列生成
器からシリアルに出力される符号を１チップ毎に排他的
論理和演算していたが、図５に示すようにＭ系列を参照
符号レジスタ長分格納するシフトレジスタにそれぞれ格
納し、図４に示すようにパラレルに排他的論理和をとる
ことにより、パラレルにゴールド符号を高速で生成でき
る。図８は、この発明の実施の形態２による参照符号生
成器の動作を示す説明図である。図８では、図４におけ
るＭ系列生成器６２の出力を（Ａ）とし、Ｍ系列生成器
６３の出力を（Ｂ）として、前記（Ｂ）をシフトさせた
ときの前記出力を（Ｂ１）とすることにより、参照符号
を図８の（Ｃ）から（Ｃ１）へ並列に切り換えることが
出来る。

【００３４】以上のように、この実施の形態２によれ
ば、マッチドフィルタのデータシフトレジスタを停止し
参照符号を高速で切り換えるため、高速で初期同期が確
立でき、また、スライディング相関器を用いる従来の構
成に比べてフェージング変動等により受信信号が変動し
た場合の不検出や誤検出を防止できるスペクトラム拡散
信号の受信方法および装置が得られる効果がある。

【００３５】実施の形態３．上記図２に示したマッチド
フィルタ５２はディジタルマッチドフィルタであるが、
これをアナログマッチドフィルタにも適用できることは
いうまでもない。

【００３６】

【発明の効果】上記のように、請求項１記載の発明によ
れば、受信ベースバンド信号のデータを遅延させるデー
タ遅延ステップと、参照用拡散符号を格納する参照用拡
散符号格納ステップとを相関値計算ステップが有し、最
大ピーク検出ステップにより検出した相関値が最大とな
るタイミングで、前記データ遅延ステップの遅延動作を
停止させ、前記参照用拡散符号格納ステップで格納する
参照用拡散符号を切り換えながら拡散符号を検索する拡
散符号検索ステップを備えるように構成したので、拡散
符号のタイミングの同期と拡散符号の検出を行う初期同
期が高速化でき、さらにフェージング変動等により受信
信号が変動した場合の拡散符号の不検出や誤検出を防止
できる効果がある。

【００３７】請求項２記載の発明によれば、ゴールド系
列を生成するためのＭ系列を並列に生成する２つのＭ系
列生成ステップと、前記２つのＭ系列生成ステップによ
り並列に生成した前記Ｍ系列を並列に排他的論理和をと
り並列にゴールド系列を生成する排他的論理和ステップ
と、前記２つのＭ系列生成ステップのうちの一方により
生成される前記Ｍ系列をシフトさせることでゴールド符
号を切り換える切換ステップとをもとにゴールド系列を
生成するように構成したので、初期同期において行う拡
散符号の検出が高速化できる効果がある。

【００３８】請求項３記載の発明によれば、参照用拡散
符号格納ステップで格納する参照用拡散符号を並列に出
力する参照符号生成ステップと、前記参照用拡散符号格
納ステップで格納する参照用拡散符号を並列に切り換え
ながら拡散符号を検索する拡散符号検索ステップとを備
えるように構成したので、初期同期で行う拡散符号の検
出が高速化できる効果がある。

【００３９】請求項４記載の発明によれば、参照用拡散
符号格納ステップで格納するゴールド系列を並列に生成
し出力する参照符号生成ステップと、前記ゴールド系列
を生成するためのＭ系列を並列に生成する２つのＭ系列
生成ステップと、前記２つのＭ系列生成ステップにより
並列に生成した前記Ｍ系列を並列に排他的論理和をとり
並列にゴールド系列を生成する排他的論理和ステップ
と、前記２つのＭ系列生成ステップのうちの一方の生成
した前記Ｍ系列をシフトさせてゴールド符号を切り換え
る切換ステップとを備えるように構成したので、前記ゴ
ールド符号を高速で切り換えて拡散符号を検出できる効
果がある。

【００４０】請求項５記載の発明によれば、受信ベース
バンド信号を遅延させるデータシフト手段と参照用拡散
符号を格納する参照符号格納手段とをマッチドフィルタ
に設け、相関値が最大となるタイミングで前記データシ
フト手段の遅延動作を停止させ、前記参照符号格納手段
に格納する参照用拡散符号を切り換えながら、前記遅延
動作が停止した前記データシフト手段が保持している受
信ベースバンド信号に対し拡散符号を検索する制御手段
を備えるように構成したので、拡散符号のタイミングの
同期と拡散符号の検出を行う初期同期が高速化でき、さ
らにフェージング変動等により受信信号が変動した場合
の拡散符号の不検出や誤検出を防止できる効果がある。

【００４１】請求項６記載の発明によれば、ゴールド系
列生成手段でＭ系列を並列に生成するための２つのＭ系
列生成手段と、前記２つのＭ系列生成手段により並列に
生成した前記Ｍ系列を並列に排他的論理和をとり並列に
前記ゴールド系列を生成する複数の排他的論理和手段と
を備えるように構成したので、初期同期において行う拡
散符号の検出が高速化できる効果がある。

【００４２】請求項７記載の発明によれば、参照符号格
納手段に格納する参照用拡散符号を並列に出力する参照
符号生成手段と、該参照符号格納手段に格納する参照用
拡散符号を並列に切り換えながら拡散符号を検索する制
御手段とを備えるように構成したので、初期同期で行う
拡散符号の検出が高速化できる効果がある。

【００４３】請求項８記載の発明によれば、前記ゴール
ド系列を生成するためのＭ系列を並列に生成する２つの
Ｍ系列生成手段と、前記２つのＭ系列生成手段より並列
に生成した前記Ｍ系列を並列に排他的論理和をとり並列
にゴールド系列を生成する排他的論理和手段と備え、参
照符号生成手段がゴールド系列を生成する構成を備える
ように構成したので、前記ゴールド符号を高速で切り換
えて拡散符号を検出できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１によるスペクトラム
拡散信号の受信方法を実現する受信装置の構成を示すブ
ロック図である。

【図２】 この発明の実施の形態１によるスペクトラム
拡散信号の受信方法を実現する受信装置のマッチドフィ
ルタと参照符号生成器の構成を示すブロック図である。

【図３】 この発明の実施の形態１によるスペクトラム
拡散信号の受信方法を実現する受信装置のデータシフト
レジスタの内容と参照符号レジスタの参照符号とを時間
の経過に従って示した説明図である。

【図４】 この発明の実施の形態２によるスペクトラム
拡散信号の受信方法を実現する受信装置における参照符
号生成器の構成を示すブロック図である。

【図５】 この発明の実施の形態２によるスペクトラム
拡散信号の受信方法を実現する受信装置におけるＭ系列
を並列に生成するＭ系列生成器の回路構成を示すブロッ
ク図である。

【図６】 この発明の実施の形態２によるスペクトラム
拡散信号の受信方法の処理手順を示すフローチャートで
ある。

【図７】 この発明の実施の形態２によるスペクトラム
拡散信号の受信方法におけるマッチドフィルタによる符
号検出の処理手順を詳細に示すフローチャートである。

【図８】 この発明の実施の形態２による参照符号生成
器の動作を示す説明図である。

【図９】 従来のスペクトラム拡散信号の受信方法およ
び装置の「２段階初期同期法」を実現する受信側のブロ
ック図である。

【図１０】 従来のスペクトラム拡散信号の受信方法お
よび装置の「２段階初期同期法」の符号構成を示す説明
図である。

【図１１】 従来のスペクトラム拡散信号の受信方法お
よび装置のマッチドフィルタと参照符号生成器の構成を
示すブロック図である。

【図１２】 従来のスペクトラム拡散信号の受信方法お
よび装置におけるマッチドフィルタのデータシフトテジ
スタと参照符号レジスタの動作を示す説明図である。

【図１３】 「“スペクトラム拡散通信システム”、横
山光雄、科学技術出版」に示されているゴールド符号発
生器の構成を示す回路ブロック図である。

【図１４】 従来のスペクトラム拡散信号の受信方法お
よび装置における参照符号生成器の動作を示す説明図で
ある。

【図１５】 「２段階初期同期法」の処理手順を示すフ
ローチャートである。

【符号の説明】

５２ マッチドフィルタ、５２ａ データシフトレジス
タ（データシフト手段）、５２ｂ 参照符号レジスタ
（参照符号格納手段）、５３ 参照符号生成器（参照符
号生成手段）、５６ ピーク検出器（ピーク検出手
段）、５７ 制御装置（データシフト手段、制御手
段）、６１ 参照符号生成器（ゴールド系列生成手
段）、６２，６３ Ｍ系列生成器（Ｍ系列生成手段）、
６４ 排他的論理和回路（排他的論理和手段）。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スペクトラム拡散信号の受信ベースバン
   ド信号と参照用拡散符号との相関値を計算して出力する
   相関値計算ステップと、前記相関値の最大ピークを検出
   する最大ピーク検出ステップとを備えたスペクトラム拡
   散信号の受信方法において、 前記受信ベースバンド信号のデータを遅延させるデータ
   遅延ステップと、前記参照用拡散符号を格納する参照用
   拡散符号格納ステップとを有した前記相関値計算ステッ
   プと、 前記最大ピーク検出ステップにより検出した前記相関値
   が最大となるタイミングで、前記データ遅延ステップの
   遅延動作を停止させ、前記参照用拡散符号格納ステップ
   で格納する参照用拡散符号を切り換えながら拡散符号を
   検索する拡散符号検索ステップとを備えたことを特徴と
   するスペクトラム拡散信号の受信方法。
2. 【請求項２】 ゴールド系列を生成するゴールド系列生
   成ステップを有するスペクトラム拡散信号の受信方法に
   おいて、 前記ゴールド系列を生成するためのＭ系列を並列に生成
   する２つのＭ系列生成ステップと、 前記２つのＭ系列生成ステップにより並列に生成した前
   記Ｍ系列を並列に排他的論理和をとり並列にゴールド系
   列を生成する排他的論理和ステップと、 前記２つのＭ系列生成ステップのうちの一方により生成
   される前記Ｍ系列をシフトさせることでゴールド符号を
   切り換える切換ステップとを備えたことを特徴とするス
   ペクトラム拡散信号の受信方法。
3. 【請求項３】 参照用拡散符号格納ステップで格納する
   参照用拡散符号を並列に出力する参照符号生成ステップ
   を有し、 拡散符号検索ステップは、前記参照用拡散符号格納ステ
   ップで格納する参照用拡散符号を並列に切り換えながら
   拡散符号を検索することを特徴とする請求項１記載のス
   ペクトラム拡散信号の受信方法。
4. 【請求項４】 参照用拡散符号格納ステップで格納する
   ゴールド系列を並列に生成し出力する参照符号生成ステ
   ップと、 前記ゴールド系列を生成するためのＭ系列を並列に生成
   する２つのＭ系列生成ステップと、 前記２つのＭ系列生成ステップにより並列に生成した前
   記Ｍ系列を並列に排他的論理和をとり並列にゴールド系
   列を生成する排他的論理和ステップと、 前記２つのＭ系列生成ステップのうちの一方で生成した
   前記Ｍ系列をシフトさせてゴールド符号を切り換える切
   換ステップとを備えていることを特徴とする請求項３記
   載のスペクトラム拡散信号の受信方法。
5. 【請求項５】 スペクトラム拡散信号の受信ベースバン
   ド信号と参照用拡散符号との相関値を出力するマッチド
   フィルタと、 前記相関値の最大ピークを検出するピーク検出手段を備
   えたスペクトラム拡散信号の受信装置において、 前記マッチドフィルタに設けられた、前記受信ベースバ
   ンド信号を遅延させるデータシフト手段と前記参照用拡
   散符号を格納する参照符号格納手段と、 前記相関値が最大となるタイミングで前記データシフト
   手段の遅延動作を停止させ、前記参照符号格納手段に格
   納する参照用拡散符号を切り換えながら、前記遅延動作
   が停止した前記データシフト手段が保持している受信ベ
   ースバンド信号に対し拡散符号を検索する制御手段とを
   備えたことを特徴とするスペクトラム拡散信号の受信装
   置。
6. 【請求項６】 ゴールド系列を生成するゴールド系列生
   成手段を有するスペクトラム拡散信号の受信装置におい
   て、 前記ゴールド系列生成手段でＭ系列を並列に生成するた
   めの２つのＭ系列生成手段と、 前記２つのＭ系列生成手段により並列に生成した前記Ｍ
   系列を並列に排他的論理和をとり並列に前記ゴールド系
   列を生成する複数の排他的論理和手段とを備えたことを
   特徴とするスペクトラム拡散信号の受信装置。
7. 【請求項７】 参照符号格納手段に格納する参照用拡散
   符号を並列に出力する参照符号生成手段を有し、 制御手段は、前記参照符号格納手段に格納する参照用拡
   散符号を並列に切り換えながら拡散符号を検索すること
   を特徴とする請求項５記載のスペクトラム拡散信号の受
   信装置。
8. 【請求項８】 参照符号生成手段はゴールド系列を生成
   し、 前記ゴールド系列を生成するためのＭ系列を並列に生成
   する２つのＭ系列生成手段と、 前記２つのＭ系列生成手段により並列に生成した前記Ｍ
   系列を並列に排他的論理和をとり並列にゴールド系列を
   生成する排他的論理和手段とを備えていることを特徴と
   する請求項７記載のスペクトラム拡散信号の受信装置。