JPH116541A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH116541A
JPH116541A JP9175296A JP17529697A JPH116541A JP H116541 A JPH116541 A JP H116541A JP 9175296 A JP9175296 A JP 9175296A JP 17529697 A JP17529697 A JP 17529697A JP H116541 A JPH116541 A JP H116541A
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JP
Japan
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rod
oil
chamber
cylinder
building
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Application number
JP9175296A
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English (en)
Inventor
Fumiaki Kanai
文明 金井
Toshiaki Kamei
俊明 亀井
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型の構築物向けの免震装置を設けるにあた
って、資材量や作業量をいたずらに増大させずして、工
期の短縮化やコストの低廉化を可能にし、その汎用性の
向上を図る。 【解決手段】 下方部材とされて固定側たる基礎面Bに
立設されるシリンダ1に対して上方部材とされて可動側
たる構築物Aに連繋されるロッド2を出没可能に挿入す
る複数本のオイルダンパDがシリンダ1内にロッド2の
挿入で形成されてロッド反力を設定する油圧室1aを有
してなると共に、この油圧室1aがロッド2の下端に配
在の絞り2aを介してロッド2内に形成の容室2bに連
通されてなり、この容室2b内に油面Oを境にして区画
されるガス室が外部に配在の高さ調整弁4を介して同じ
く外部に配在のガス圧供給源5に連通されてなると共
に、高さ調整弁4がシリンダ1に対するロッド2の出没
量に応じて上記ガス室に対するガス圧の給排を実現する
ように設定されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、免震装置に関
し、特に、大型の構築物における免震に利用する免震装
置の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】旧来、地震に対する構築物に
おける免震は、主として、二次元方向たる水平二方向の
みで実現されるとしてきたが、近年では、重量の大きい
構築物、特に、コンクリートでラーメン構造に形成され
る大型の構築物にあっては、さらに上下方向での免震を
も実現して構築物の崩壊を防ぐとする傾向にある。
【0003】そこで、この重量の大きい大型の構築物に
おける地震に起因する崩壊などを防止する免震装置とし
ては、たとえば、特開平7−150810号公報に開示
のものがある。
【0004】そして、この従来提案とされる免震装置
は、構築物と地表側となる基礎面との間に水平二方向に
オイルダンパなどのダンパ類を配在して、このダンパ類
によって基礎面からの水平動エネルギーを消散する一方
で、構築物と基礎面との間に積層ゴムで弾性支持された
中間基盤を有すると共に、この中間基盤と構築物との間
にバネとこのバネに並列するオイルダンパを有してなる
としている。
【0005】そして、オイルダンパは、その伸縮時に減
衰作用をするのはもちろんのこと、構築物の重心を挟む
ように配在されて互いに一対となるオイルダンパ間にお
いては、膨縮する油室がいわゆるタスキ掛けに設定され
た通路で連通されていて、構築物のロッキングを抑制す
るように設定されている。
【0006】それゆえ、この提案にあっては、中間基盤
が下方の積層ゴムで弾性支持されながら構築物をオイル
ダンパの併存下にバネで弾性支持することから、積層ゴ
ムおよびバネで基礎面からの水平動を緩和すると共に、
オイルダンパで基礎面からの上下動エネルギーを消散す
ることが可能になり、かつ、構築物のロッキングをも制
御しながら所望の免震を実現し得ることになるが、その
反面、以下の不具合があると指摘され得る。
【0007】すなわち、まず、中間基盤を設けるとして
いるから、その分、資材量や作業量が増え、さらには、
工期を要し、結果的に免震装置のコストを高くする不具
合がある。
【0008】つぎに、構築物は、オイルダンパの併存下
ではあるが、中間基盤上に個々に配置されたバネで支持
されるとしているから、構築物を強制的に変形させるこ
とになる危惧がある。
【0009】すなわち、構築物における荷重は、全体的
には一定であるが、部分的には荷重に大小があり、した
がって、部分的にそれぞれの荷重に応じてバネ力を設定
しないと構築物に変形を招来させることになり、構築物
に亀裂を生じさせて崩壊させ易くなる不具合がある。
【0010】そして、この不具合をなくすには、構築物
の下端面における応力に大小がでないようにしなければ
ならず、たとえば、多数のバネの上端を一枚の板などで
連結して一体化するか、あるいは、構築物の下端面部に
中間基盤に匹敵する強度を有するようの設定された基盤
あるいは土台を設けなければならなくなる。
【0011】その結果、多数のバネの上端を一枚の板な
どで連結するにしろ、中間基盤に匹敵する基盤などを設
けるにしろ、資材量や作業量が増えるのはもちろんのこ
と、工期を要し、結果的には免震装置のコストを一層高
くすることになる。
【0012】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、大型の構
築物向けの免震装置を設けるにあたって、資材量や作業
量をいたずらに増大させずして、工期の短縮化やコスト
の低廉化を可能にし、その汎用性の向上を期待するのに
最適となる免震装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、基本的には、下方部材とさ
れて固定側たる基礎面に立設されるシリンダに対して上
方部材とされて可動側たる構築物に連繋されるロッドを
出没可能に挿入する複数本のオイルダンパを有してなる
免震装置において、オイルダンパがシリンダ内にロッド
の挿入で形成されてロッド反力を設定する油圧室を有し
てなると共に、この油圧室がロッドの下端に配在の絞り
を介してロッド内に形成の容室に連通されてなり、この
容室内に油面を境にして区画されるガス室が外部に配在
の高さ調整弁を介して同じく外部に配在のガス圧供給源
に連通されてなると共に、高さ調整弁がシリンダに対す
るロッドの出没量に応じて上記ガス室に対するガス圧の
給排を実現するように設定されてなるとする。
【0014】このとき、高さ調整弁は、機械的にシリン
ダに対するロッドの出没量を検出して開閉し、ガス室に
対するガス圧の給排を実行するように設定されるのが好
ましい。
【0015】また、この発明の具体的な構成にあって
は、すべてのオイルダンパあるいは選択されたオイルダ
ンパがロッドの上端と構築物との間に積層ゴムを配在さ
せてなるとする。
【0016】さらに、この発明の具体的な構成にあって
は、構築物の重心線を挟むように配在されて互いに一対
となるオイルダンパが構築物のロッキングを抑制するよ
うに設定されてなると共に、ロッドの上端と構築物との
間に転がり機構を配在させてなるとする。
【0017】このとき、互いに一対となるオイルダンパ
は、それぞれシリンダ内にロッドに連設のピストンによ
って区画される同一容積の上方油室と下方油室とを有し
てなり、一方のオイルダンパにおける上方油室が他方の
オイルダンパの下方油室に、また、一方のオイルダンパ
における下方油室が他方のオイルダンパの上方油室にそ
れぞれ独立の油通路を介して連通されてなるとするのが
好ましい。
【0018】そして、転がり機構は、低フリクション板
と平滑板の組み合せからなり、あるいは、低フリクショ
ン板に代えて、大径スチールボールもしくは複数の小径
スチールボールが選択されてなるとするのが好ましい。
【0019】さらに、好ましくは、構築物のロッキング
を抑制する一対のオイルダンパにおいて、ロッドの上端
が球面構造下に構築物に連繋されてなるとする。
【0020】なお、構築物と基礎面との間には、水平二
方向にオイルダンパなどのダンパ類が配在されていて、
このダンパ類によって基礎面からの水平動エネルギーを
消散するように設定されている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、図示した実施の形態に基
づいて、この発明を説明するが、図1に示すように、こ
の発明の一実施の形態による免震装置は、可動側たる構
築物Aと固定側たる基礎面Bとの間に立設された複数本
のオイルダンパD1,D2を有してなる。
【0022】なお、図示しないが、構築物Aと基礎面B
との間には、水平二方向にオイルダンパなどのダンパ類
が配在されていて、このダンパ類によって基礎面Bから
の水平動エネルギーを消散するように設定されている。
【0023】オイルダンパD1,D2は、所定の減衰作
用をするように設定されている点では同一であるが、図
示する実施の形態では、オイルダンパD2が構築物Aの
重心Sを中心にして図中に矢印aで示す方向に揺れる構
築物Aのロッキングを抑制するように設定される関係上
で、オイルダンパD1より軸長を大きくするように設定
されている点で異なる。
【0024】したがって、以下の本文中では、それぞれ
の固有の構成を説明するなどの要する場合を除いて、共
通事項を説明する限りには、図中に符示はしないが、単
にオイルダンパDと称して説明する。
【0025】すなわち、オイルダンパDは、下方部材と
されて基礎面Bに固定的に立設されるシリンダ1と、上
方部材とされてシリンダ1に対して上下方向から出没さ
れるロッド2とを有してなり、シリンダ1内にロッド2
の挿入で形成される油圧室1aがロッド2の下端に配在
の絞り2aを介してロッド2内に形成される容室2bに
連通されてなるとしている。
【0026】この容室2bは、言わばリザーバ室とされ
るもので、内部に油面Oを境にするガス室(符示せず)
を有してなり、このガス室が外部に配在のアキュムレー
タ3に連通すると共に同じく外部に配在の高さ調整弁4
を介して外部のガス圧供給源5に連通してなるとしてい
る。
【0027】アキュムレータ3は、いわゆる温度保障を
しながら、ロッド2内のガス室と共にこのオイルダンパ
Dにおけるガスバネ作用をするもので、ガス圧供給源5
は、ガス室におけるガス圧を高低調整する、すなわち、
このガス室に実質的に連通するシリンダ1内の油圧室1
aにおける油圧を高低調整して、この油圧室1aにおけ
る油圧に基づくことになるこのオイルダンパDにおける
ロッド反力を高低調整するように機能する。
【0028】ちなみに、ガス圧供給源5は、図示する実
施の形態では、窒素ガスなどの不活性ガスを高圧下に蓄
圧するガスボンベとされているが、所定のガス圧の供給
を可能にすることからすれば、これに代えて、高圧コン
プレッサとされても良い。
【0029】高さ調整弁4は、詳しくは図示しないが、
機械的にオイルダンパDにおけるストローク量、すなわ
ち、シリンダ1に対するロッド2の出没量を検出してガ
ス室に対するガス圧の給排を行い、このガス室のガス圧
を高低調整することで、このオイルダンパDにおける所
定のストローク位置を自動的に一定に保つように機能す
る。
【0030】ちなみに、この高さ調整弁4が機械的にオ
イルダンパDにおけるストローク量を検出するように設
定されることで、実態に則したより的確なガス室におけ
るガス圧の調整が可能になる点で有利となる。
【0031】また、この高さ調整弁4は、作動遅れ特性
を具有していて、地震動のような短周期の位置変動に対
しては、作動しないように設定されている。
【0032】それゆえ、このオイルダンパDにあって
は、それぞれが構築物A側からの荷重に応じたロッド反
力を具有することになり、したがって、前記した従来例
におけるバネの反力のように一律に設定されることがな
く、その結果、構築物Aに対して変形を招来させないこ
とになる。
【0033】一方、このオイルダンパDは、図示する実
施の形態では、ロッド2の上端に構築物Aの下端面側に
連繋される積層ゴム6を有してなり、この積層ゴム6
は、基礎面Bからの水平動を緩和するように機能する。
【0034】なお、積層ゴム6の上下端にはそれぞれ補
強板6aが一体に連設されており、この補強板6aを介
して、ロッド2の上端に連設され、また、構築物Aの下
端面側に連繋されるとしている。
【0035】ちなみに、比較すれば短尺となるオイルダ
ンパD1にあっては、その上端、すなわち、積層ゴム6
の上端の補強板6aが構築物Aの相応する下端面に垂下
するように一体に形成された受部A1に連設されるとし
ている。
【0036】一方、比較すれば長尺となるオイルダンパ
D2は、図示する実施の形態では、その上端、すなわ
ち、積層ゴム6の上端の補強板6aと構築物Aの下端面
との間に転がり機構7を有してなる。
【0037】この転がり機構7は、オイルダンパD2の
上端に連設された積層ゴム6では緩和仕切れない程の大
きい水平動エネルギーが基礎面Bから伝播される場合
に、積層ゴム6と構築物Aとの間に滑り現象を発現させ
て、一定力以上の水平動エネルギーを構築物Aに伝播さ
せないようにするために配在されるものである。
【0038】そこで、この転がり機構7は、図示する実
施の形態では、積層ゴム6の上端に連設の補強板6aに
一体に連設される低フリクション板7aと、この低フリ
クション板7aが対向する構築物Aの下端面に一体に連
設される平滑板7bとの組み合せからなるとしている。
【0039】そして、低フリクション板7aは、たとえ
ば、テフロン系,高分子量ポリエチレンあるいはナイロ
ン系などの無潤滑低摩擦摺動材で形成され、平滑板7b
は、たとえば、ステンレス板などの耐環境性に優れる金
属材で形成されるのが好ましい。
【0040】一方、この転がり機構7が機能するところ
を勘案すると、低フリクション板7aに代えて、図2に
示すように、平滑板7bに対して転動する複数の小径ス
チールボール7cが利用されるとしても良く、また、図
3に示すように、平滑板7bに対して転動する大径スチ
ールボール7dが利用されるとしても良い。
【0041】少し説明すると、図2に示す小径スチール
ボール7cは、積層ゴム6の上端に連設の補強板6aの
上面で回動し得るように配在されながら平滑板7bに隣
接されてなるもので、いわゆるストッパを兼ねるリテー
ナeに整列状態に保持されている。
【0042】それゆえ、この図2に示す実施の形態の転
がり機構7による場合には、上記した低フリクション板
7aと平滑板7bとからなる場合に比較して、いわゆる
摩擦が大幅に減少されて、より優れた絶縁性能の発揮を
期待できることになる。
【0043】そして、図3に示す大径スチールボール7
dは、積層ゴム6の上端に連設の補強板6aに一体に連
設されたケーシング7fに保持されながら平滑板7bに
隣接されてなるもので、同じくケーシング7fに保持さ
れた多数の小径のスチールボール7gによってその回転
が保障されている。
【0044】それゆえ、この図3に示す実施の形態の転
がり機構7による場合には、上記した低フリクション板
7aと平滑板7bとからなる場合に比較してはもちろ
ん、図2に示す実施の形態の場合に比較しても、より大
幅に摩擦が減少され、より一層優れた滑り機能の発揮を
期待できることになる。
【0045】ところで、上記の転がり機構7を有するオ
イルダンパD2、すなわち、構築物Aの重心線を挟むよ
うに配在されて互いに一対となるオイルダンパD2は、
構築物Aの重心Sを中心とするロッキングを抑制するよ
うに設定されている。
【0046】すなわち、この一対のオイルダンパD2
は、図1に示すように、それぞれシリンダ1内にロッド
2に連設のピストン2cによって区画形成される同一容
積の上方油室1bと下方油室1cを有してなり、図中で
左方となる一方のオイルダンパD2における上方油室1
bが図中で右方となる他方のオイルダンパD2の下方油
室1cに、また、一方のオイルダンパD2における下方
油室1cが他方のオイルダンパD2の上方油室1bにそ
れぞれ独立の油通路Lを介して連通されてなるとしてい
る。
【0047】その結果、一対の、すなわち、図中で左右
となるオイルダンパD2が、たとえば、同相に伸縮する
ときには、それぞれの下方油室1cからの作動油がいわ
ゆる相手方の上方油室1bに流入することになる。
【0048】一方、左右のオイルダンパD2が互いに逆
相に伸縮するときには、たとえば、一方の収縮される下
方油室1cからの作動油が他方の収縮する上方油室1b
に流入するようになるり、このときいわゆるオイルロッ
ク現象が発現されて、左右のオイルダンパD2の逆相の
伸縮が阻止されることになる。
【0049】その結果、左右のオイルダンパD2が同相
に伸縮するとき、すなわち、基礎面Bから上下動が各オ
イルダンパD2に入力されるときには、各オイルダンパ
D2がガスバネ効果を発揮すると共に、所定の減衰機能
を発揮することになり、基礎面Bから上下動、すなわ
ち、上下動を緩和しエネルギーを消散することが可能に
なる。
【0050】また、左右のオイルダンパD2が逆相に伸
縮するとき、すなわち、基礎面Bから上下動などで構築
物Aが重心Sを中心にしてロッキングするようになると
きには、各オイルダンパD2の伸縮がロックされること
になり、構築物Aのロッキングが抑制されることにな
る。
【0051】以上のように、構築物Aの重心線を挟むよ
うに配在されて互いに一対となるオイルダンパD2は、
構築物Aのロッキングを抑制することになるが、このロ
ッキング抑制を円滑に実現させるために、図示する実施
の形態では、シリンダ1に対して出没するロッド2の上
端を球面構造(符示せず)の配在下に積層ゴム6に連結
するとしている。
【0052】すなわち、ロッド2の上端2dと、本来で
あれば、このロッド2の上端2dに一体に連設されて積
層ゴム6を一体に連設させるブラケット部2eとの間が
球面構造に設定されてなるとする。
【0053】その結果、構築物Aの下面、すなわち、具
体的には、転がり機構7における平滑板7bの水平度が
正確でなくても追随でき、また、構築物Aが重心Sを中
心にしてロッキングする状況になるときに、ロッド2を
介してシリンダ1にいわゆる無理がかからず、シリンダ
1がロッド2を噛るような現象を発現させないことが可
能になる。
【0054】前記したところは、この発明による免震装
置にあって、すべてのオイルダンパDが上端に積層ゴム
6を有してなるとしたが、この積層ゴム6が基礎面Bか
らの水平動を緩和するように機能することを勘案する
と、構築物Aのロッキングを抑制すべく構築物Aの重心
線を挟むように配在されて一対となるオイルダンパD2
にあっては、この積層ゴム6の配在が省略されるとして
も良い。
【0055】また、前記したところでは、構築物Aのロ
ッキングを抑制するように設定されるオイルダンパD2
は、その上端と構築物Aの下端面との間に転がり機構7
を有してなるとするが、この転がり機構7の配在にあっ
て、オイルダンパD2の上端への積層ゴム6の配在を省
略して、オイルダンパD2の上端と構築物Aの下端面と
の間に直接この転がり機構7を配在させるとしても良
い。
【0056】そして、この積層ゴム6の配在を省略する
場合には、オイルダンパD2がオイルダンパD1より長
尺に設定される限りにおいては、構築物Aにおいて、積
層ゴム6を介してオイルダンパD1の上端を連設させる
受部A1の形成を省略し得ることにする点で有利とな
る。
【0057】また、図3に示す実施の形態では、球面構
造なくしてロッド2の上端にブラケット部2eが一体に
連設された上で、積層ゴム6の配在を省略する場合に
は、転がり機構7を構成するケーシング7fのいわゆる
揺動が阻止されて、安定した所定の絶縁性能の発揮を期
待できることになる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、従
来例とされる免震装置と異なり、中間基盤を配在させる
ことなくして、地震動による水平動および上下動を緩和
すると共にエネルギーを消散し、さらには、構築物のロ
ッキングを抑制して、所望の免震を実現するのはもちろ
んのこと、オイルダンパが内部に形成されて外部のアキ
ュムレータに連通するガス室におけるガス圧をそれぞれ
の負荷荷重に応じて高低調整可能にするから、ロッド反
力が一律に設定されず、構築物に対して変形を招来させ
ないことになり、したがって、構築物における変形を防
止するために、必要以上に強度アップされた構造を採用
する必要をなくすことになる。
【0059】そして、構築物の重心線を挟むように配在
されて互いに一対となるオイルダンパが上端に連設され
た積層ゴムを転がり機構の配在下に構築物の下端面に連
繋させる場合には、積層ゴムでは緩和仕切れない程の大
きい水平動エネルギーを構築物に伝播させないようにす
ることが可能になる。
【0060】このとき、積層ゴムの配在を省略したり転
がり機構の構成如何によっては、構築物の構築に際し
て、余計な作業を要請しないようにすることも可能にな
る。
【0061】その結果、この発明によれば、大型の構築
物向けの免震装置を設けるにあたって、資材量や作業量
をいたずらに増大させずして、工期の短縮化やコストの
低廉化を可能にし、その汎用性の向上を期待するのに最
適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による免震装置を示す
概略縦断面図である。
【図2】転がり機構の他の実施の形態を示す部分縦断面
図である。
【図3】転がり機構のさらに他の実施の形態を図2と同
様に示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ロッド 3 アキュムレータ 4 高さ調整弁 5 ガス圧供給源 6 積層ゴム 6a 補強板 7 転がり機構 7a 低フリクション板 7b 平滑板 7c 小径スチールボール 7d 大径スチールボール A 構築物 B 基礎面 D1,D2 オイルダンパ L 油通路 O 油面 S 構築物の重心

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下方部材とされて固定側たる基礎面に立
    設されるシリンダに対して上方部材とされて可動側たる
    構築物に連繋されるロッドを出没可能に挿入する複数本
    のオイルダンパを有してなる免震装置において、オイル
    ダンパがシリンダ内にロッドの挿入で形成されてロッド
    反力を設定する油圧室を有してなると共に、この油圧室
    がロッドの下端に配在の絞りを介してロッド内に形成の
    容室に連通されてなり、この容室内に油面を境にして区
    画されるガス室が外部に配在の高さ調整弁を介して同じ
    く外部に配在のガス圧供給源に連通されてなると共に、
    高さ調整弁がシリンダに対するロッドの出没量に応じて
    上記ガス室に対するガス圧の給排を実現するように設定
    されてなることを特徴とする免震装置
  2. 【請求項2】 すべてのオイルダンパあるいは選択され
    たオイルダンパがロッドの上端と構築物との間に積層ゴ
    ムを配在させてなる請求項1の免震装置
  3. 【請求項3】 構築物の重心線を挟むように配在されて
    互いに一対となるオイルダンパが構築物のロッキングを
    抑制するように設定されてなると共に、ロッドの上端と
    構築物との間に転がり機構を配在させてなる請求項1の
    免震装置
JP9175296A 1997-06-16 1997-06-16 免震装置 Pending JPH116541A (ja)

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