JPH1165168A - カプセル化トナーの製造方法 - Google Patents

カプセル化トナーの製造方法

Info

Publication number
JPH1165168A
JPH1165168A JP21876997A JP21876997A JPH1165168A JP H1165168 A JPH1165168 A JP H1165168A JP 21876997 A JP21876997 A JP 21876997A JP 21876997 A JP21876997 A JP 21876997A JP H1165168 A JPH1165168 A JP H1165168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
parts
self
resin particles
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21876997A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Okuno
昌二 奥野
Toyomi Hashizume
豊美 橋詰
Namiyuki Tashiro
南征 田代
Makiko Ebato
真紀子 江波戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP21876997A priority Critical patent/JPH1165168A/ja
Publication of JPH1165168A publication Critical patent/JPH1165168A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小粒径で、粒径分布が狭く、球形で、低温定
着性に優れ、耐ブロッキング性ならびに流動性に優れた
トナーの簡便な製造方法を提供すること。 【解決手段】 (I)中和により自己水分散性を示す樹脂
(A)、ガラス転移温度又は融点が樹脂(A)のガラス転移温
度よりも低く、 非自己水分散性であるか又は中和によ
り樹脂(A)よりも自己水分散性が弱く、 かつ数平均分子
量が400〜1,500の範囲にある有機化合物(B)、着色剤(C)
及び中和剤(D)を有機溶剤(E)中に溶解又は分散させて、
油性の液状混合物を得る第1工程、(II)第1工程で得た
油性の液状混合物を水性媒体中に転相乳化させることに
よって、 前記有機化合物(B)がカプセル内に内包された
構造を有する着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得る第2
工程及び (III)第2工程で得た着色樹脂粒子の水性媒体
分散液から着色樹脂粒子を分離し、乾燥させる第3工程
を有するカプセル化トナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像の現像の
ために使用するカプセル化トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、複写機、プリンター、
ファクシミリー等に幅広く用いられている。今日、複写
機は事務機器において重要な役割をなしており、また、
コンピュータや情報通信機器の発達により、プリンター
やファクシミリも広範囲に普及している。このような状
況の中、オフィスからパーソナルへ、また、モノクロか
らカラーへと用途が広がっており、これらの画質に対す
る要求が高まってきている。
【0003】解像度を上げるためには、画像形成物質で
あるトナーは、小粒径であること、粒径分布が狭いこと
が好ましい。
【0004】一方、トナー画像を定着させる方法として
は、定着効率や定着後の状態が良いことから、一般に、
熱ロール法が用いられている。
【0005】近年、画像形成速度の高速化や低エネルギ
ー化のために、低温で定着するトナーが求められてい
る。そのためには、トナーに使用する結着用樹脂のガラ
ス転移温度を下げることにより対応することになるが、
結着用樹脂のガラス転移温度を下げ過ぎると、トナーの
耐ブロッキング性や流動性などの他の諸々の特性を、著
しく悪化させてしまうという問題点があった。
【0006】このような相反する二つの性能を満足させ
るために、トナー粒子を多層構造のものとし、粒子の内
側と外側とで、異なる性質の樹脂を用いた形のトナーの
製法が提案されている。
【0007】この製法は。粒子の内側には、ガラス転移
温度の低い樹脂を用いることにより、一層、低温定着性
を促進させる一方で、表面には、それよりも更に、ガラ
ス転移温度が、数十度も高い樹脂を用いることにより、
耐ブロッキング性に対応が可能なものと為し、より良好
な熱ロール定着用トナーを提供するものである。
【0008】多層構造を有するトナーの製造方法として
は、例えば、イン・サイチュウ(insitu)重合法、界面
重合法、コアセルベーション法あるいはスプレー・ドラ
イ法による製造方法が多数提案されている。
【0009】しかしながら、これらの製造方法は、操作
ないしは処理が容易でなく、製造工程も非常に繁雑であ
る。特に、乳化剤などの懸濁安定剤を用いた場合には、
得られたトナー粒子表面に懸濁安定剤が残存し、残存し
た懸濁安定剤がトナーの帯電特性等に悪影響を及ぼすと
いう問題点があるため、多量の水を用いて繰り返し洗浄
を行わねばならず、排水処理やコストがかかるという問
題点があった。
【0010】このような問題点を解決するために、特開
平5−333583号公報、特開平8−334927号
公報には、中和により自己水分散性を示す樹脂(A)、
非自己水分散性を示す樹脂又は中和により樹脂(A)よ
りも自己水分散性が弱い樹脂(B)及び着色剤(C)等
を有機溶剤に溶解分散させ、撹拌しながら、適量の水を
加えることにより、乳化剤等の懸濁安定剤を使用するこ
となく、水性媒体中に転相乳化させて微粒子を生成さ
せ、生成した微粒子を乾燥させて乾式トナーとする転相
乳化法による多層構造を有するトナーの製造方法が提案
されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】転相乳化法による製造
方法では、自己水分散させるに必要な中和剤量を調製す
ることにより、トナー粒径の調整が容易であり、何ら特
殊な操作や装置を必要としない製造方法である。しかし
ながら、これらの製造方法であっても、必ずしも、定着
開始温度が十分に低下したトナーが得られなかった。
【0012】本発明が解決しようとする課題は、小粒径
で、粒径分布が狭く、球形で、低温定着性に優れ、耐ブ
ロッキング性ならびに流動性に優れたトナーの簡便な製
造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意、検
討を重ねた結果、転相乳化法において、中和により自己
水分散性を示す樹脂(A)と、この自己水分散性を示す
樹脂(A)のガラス転移温度よりもガラス転移温度又は
融点が低く、かつ、低分子量である非自己水分散性であ
るか又は中和により樹脂(A)より自己水分散性が弱い
有機化合物(B)とを用いることによって、上記課題を
解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)(I)中和により自己水分散性を示す樹脂
(A)、ガラス転移温度又は融点が樹脂(A)のガラス
転移温度よりも低く、非自己水分散性であるか又は中和
により樹脂(A)よりも自己水分散性が弱く、かつ数平
均分子量が400〜1,500の範囲にある有機化合物
(B)、着色剤(C)及び中和剤(D)を有機溶剤
(E)中に溶解又は分散させて、油性の液状混合物を得
る第1工程、(II)第1工程で得た油性の液状混合物を
水性媒体中に転相乳化させることによって、前記有機化
合物(B)がカプセル内に内包された構造を有する着色
樹脂粒子の水性媒体分散液を得る第2工程及び (III)
第2工程で得た着色樹脂粒子の水性媒体分散液から着色
樹脂粒子を分離し、乾燥させる第3工程を有するカプセ
ル化トナーの製造方法、
【0015】(2)樹脂(A)が、カルボキシル基を有
する樹脂であって、酸価が10〜150mgKOH/gの
範囲にある樹脂である上記(1)記載のカプセル化トナ
ーの製造方法、
【0016】(3)樹脂(A)が、ガラス転移温度が5
0〜100℃の範囲にあり、かつ、重量平均分子量が1
0,000〜300,000の範囲にある樹脂である上
記(1)又は(2)記載のカプセル化トナーの製造方
法、
【0017】(4)樹脂(A)が、ビニル系共重合体で
ある上記(1)、(2)又は(3)記載のカプセル化ト
ナーの製造方法、
【0018】(5)有機化合物(B)が、ガラス転移温
度又は融点が、0〜60℃の範囲にあり、かつ、樹脂
(A)のガラス転移温度よりも低い有機化合物である上
記(1)、(2)、(3)又は(4)記載のカプセル化
トナーの製造方法、
【0019】(6)有機化合物(B)が、低分子量ポリ
スチレンである上記(1)、(2)、(3)、(4)又
は(5)記載のカプセル化トナーの製造方法、
【0020】(7)有機化合物(B)が、石油樹脂、ウ
レタン系樹脂又はロジン変性樹脂である上記(1)、
(2)、(3)、(4)又は(5)記載のカプセル化ト
ナーの製造方法、を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、(I)中和
により自己水分散性を示す樹脂(A)、ガラス転移温度
又は融点が樹脂(A)のガラス転移温度よりも低く、非
自己水分散性であるか又は中和により樹脂(A)よりも
自己水分散性が弱く、かつ数平均分子量が400〜1,
500の範囲にある有機化合物(B)、着色剤(C)及
び中和剤(D)を有機溶剤(E)中に溶解又は分散させ
て、油性の液状混合物を得る第1工程、(II)第1工程
で得た油性の液状混合物を水性媒体中に転相乳化させる
ことによって、前記有機化合物(B)がカプセル内に内
包された構造を有する着色樹脂粒子の水性媒体分散液を
得る第2工程及び (III)第2工程で得た着色樹脂粒子
の水性媒体分散液から着色樹脂粒子を分離し、乾燥させ
る第3工程を有するカプセル化トナーの製造方法を提供
するものである。
【0022】本発明におけるカプセル化トナーとは、コ
ア部とシェル部とからなる二層構造を有するコアシェル
型、および、中和により自己水分散性を示す樹脂(A)
が主成分となって形成するマトリックス(海)中に、非
自己水分散性であるか又は中和により樹脂(A)よりも
自己水分散性が低い樹脂(B)が主成分となってドメイ
ン(島)部分を形成するマトリックス−ドメイン(海
島)型、あるいは粒子の表面から粒子の中心に向かっ
て、連続的に、組成が変化するトナーを差すものとす
る。
【0023】本発明で使用する中和により自己水分散性
を示す樹脂(A)は、分子内に有する親水基の作用によ
り、水媒体の作用下で、乳化剤などの懸濁安定剤を用い
ることなく、安定に水分散体を形成できる樹脂である。
【0024】親水基としては、例えば、アニオン型自己
水分散性を示す樹脂の場合、カルボキシ基の如き酸基が
挙げられ、また、カチオン型自己水分散性を示す樹脂の
場合、三級アミノ基の如き塩基が挙げられる。
【0025】親水基は、当該樹脂(A)中に導入され、
当該樹脂(A)中に導入された種々の親水基が、中和剤
(D)によって中和されて塩構造を取り、水媒体中で、
安定に、分散するための役割をしている。つまり、当該
樹脂(A)を、有機溶剤(E)に溶解した形の有機連続
相(O相)に、中和剤(D)を加えて中和した後、水媒
体(W相)を投入することによって、乳化剤を使用する
ことなく、W/OからO/Wへの樹脂の変換(いわゆ
る、転相乳化)が行われて不連続相化され、当該樹脂が
水媒体中に、粒子状に、分散安定化される。こうした特
性を有する樹脂が、いわゆる自己水分散性を示す樹脂で
あり、当業者には、自明のものである。
【0026】中和により自己水分散性を示す樹脂(A)
は、酸基あるいは塩基基を含有した樹脂であれば、何れ
の方法で製造されたものでも良く、ビニル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等が
使用される。
【0027】中和により自己水分散性を示すビニル系樹
脂は、酸基又は塩基基等を有する重合性ビニル単量体類
と、その他の重合性ビニル単量体とをラジカル開始剤の
存在下でラジカル重合させることによって容易に製造す
ることができる。
【0028】中和により自己水分散性を示すビニル系樹
脂としては、例えば、カルボキシル基又は第3級アミノ
基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基又は第3級
アミノ基を有するスチレン系樹脂等が挙げられる。
【0029】酸基を有する重合性ビニル単量体として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブ
チル等が挙げられ、塩基基を有する重合性ビニル単量体
としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレートの如き第3級ア
ミノ基を有するアルキルアクリレート類ないしはメタク
リレート類等が挙げられる。
【0030】酸基又は塩基基等を有する重合性ビニル単
量体類以外の単量体としては、例えば、スチレン、ビニ
ルトルエンの如き各種のスチレン系モノマー;アクリロ
ニトリル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ドデシルの如きアクリル酸エステル類、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリルの如きメタクリル酸エステル類;エチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソブチレンの如きモノオレフィン
類;ブタジエン、イソプレンの如きジオレフィン類;酢
酸ビニル、プロピオンビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビ
ニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、
ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテルの如きビ
ニルエステル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシル
ケトン、ビニルプロペニルケトンの如きビニルケトン類
等が挙げられる。
【0031】また、中和により自己水分散性を示すビニ
ル系樹脂を構成する重合性ビニル単量体に、重合性不飽
和基含有オリゴマー中に酸基又は塩基基を有するものを
使用してもよい。
【0032】酸基又は塩基基を有する重合性不飽和基含
有オリゴマーとしては、例えば、ビニル変性ポリエステ
ル、ビニル変性ウレタン、ビニル変性ウレタン、ビニル
変性エポキシ化合物等が挙げられる。
【0033】ラジカル重合反応は、通常、不活性溶剤中
で行われる。ラジカル重合反応に使用される溶剤として
は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼンの如き芳香
族炭化水素;メチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、ブチルアルコールの如きアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルの如き
エステル類;ブチルセロソルブの如きエーテルエステル
類などが挙げられる。
【0034】ラジカル重合開始剤としては、各種の有機
過酸化物系の開始剤、アゾ系の開始剤などが挙げられ
る。
【0035】また、中和により自己水分散性を示すウレ
タン系樹脂は、酸基又は塩基基を有するジオールを必須
成分とし、その他のジオール、ジイソシアネート、必要
に応じてジアミンとを反応させて容易に製造することが
できる。
【0036】酸基又は塩基基を有するジオールとして
は、例えば、ジメチロールプロピオン酸、2,2−メチ
ルアミノジエタノール等が挙げられ、その他のジオール
としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール等のポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルエステルポリオール、アクリルポリ
オール、ポリブタジエンポリオール等の各種の高分子ジ
オール;エチレングリコール、プロピレングリコール、
ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール等の低分子ジオール等が挙げられる。
【0037】ジイソシアネートとしては、例えば、トリ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。必要
であれば、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等の3以上の水酸基を有する
ポリオール、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート
三量体、トリメチロールプロパントリイソシアネート等
の3以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネー
トを併用することもできる。
【0038】中和により自己水分散性を示すウレタン系
樹脂は、例えば、予めジオールとジイソシアネートとを
反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマーに、上記した酸基又は塩基を有する
ジオールを付加重合させることもできるし、又は、末端
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等の水酸基含有重合
性ビニル単量体との付加反応物に、酸基又は塩基基含有
重合性ビニル単量体を重合させることによって得ること
もできる。
【0039】また、中和により自己水分散性を示すポリ
エステル系樹脂は、例えば、アニオン性の樹脂は、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、
トリメチロールエタン等の多価アルコールと無水フタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、無水マレイン酸、イタ
コン酸、無水トリメリット酸等の多価塩基酸とを縮合さ
せることによって製造することができ、また、カチオン
性の樹脂は、上記成分と共に、2,2−メチルアミノジ
エタノール等の塩基含有の多価アルコールを縮合させる
ことによって製造することができる。
【0040】中和により自己水分散性を示す樹脂(A)
は、カルボキシル基を有する樹脂が好ましく、その酸価
(樹脂固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg量で
表わす。以下、同様。)は、10〜150mgKOH/g
の範囲にある樹脂が好ましい。中和により自己水分散性
を示す樹脂(A)の酸価が10mgKOH/gよりも小さ
い場合、転相乳化し難くなる傾向にあるので好ましくな
く、中和により自己水分散性を示す樹脂(A)の酸価が
150mgKOH/gよりも大きい場合、転相後に水相に
溶ける樹脂が多くなり、トナーの収率が減少する傾向に
あるので好ましくない。
【0041】また、中和により自己水分散性を示す樹脂
(A)は、示差走査熱量計(DSC)で測定したガラス
転移温度(以下、本明細書におけるガラス転移温度はD
SCで測定した値を示す。)が、50〜100℃の範囲
にあるものが好ましい。中和により自己水分散性を示す
樹脂(A)のガラス転移温度が50℃よりも低い場合、
得られたトナーの耐熱保存安定性が悪く、中和により自
己水分散性を示す樹脂(A)のガラス転移温度が100
℃よりも高い場合、得られたトナーの最低定着温度が高
くなる傾向にあるので好ましくない。
【0042】さらに、中和により自己水分散性を示す樹
脂(A)は、その重量平均分子量(以下、本明細書にお
ける分子量はポリスチレン換算ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーで測定した値を示す。)が10,00
0〜300,000の範囲にあるものが好ましい。中和
により自己水分散性を示す樹脂(A)の重量平均分子量
が10,000よりも小さい場合、転相後に水相に溶け
る樹脂が多くなり、トナーの収率が減少する傾向にある
ので好ましくなく、また、中和により自己水分散性を示
す樹脂(A)の重量平均分子量が300,000よりも
高い場合、転相乳化し難くなる傾向にあるので好ましく
ない。
【0043】本発明で使用する非自己水分散性であるか
又は中和により樹脂(A)よりも自己水分散性が弱い有
機化合物(B)は、そのガラス転移温度又は融点が、中
和により自己水分散性を示す樹脂(A)のガラス転移温
度よりも低く、かつ、数平均分子量が400〜1,50
0の範囲にあるものである。
【0044】非自己水分散性又は中和により樹脂(A)
よりも自己水分散性が弱い有機化合物(B)としては、
例えば、グリセロールモノヒドロキシステアレートの如
き高級脂肪酸誘導体;低分子量ポリエチレン、低分子量
ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、ポリイソブチレ
ン、ポリ弗化エチレンの如きポリオレフィン;オレフィ
ン共重合体;エチレンアクリル酸エステル共重合体;エ
チレンメタクリル酸エステル共重合体;エチレン塩化ビ
ニル共重合体;エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノ
マー樹脂、低分子量ポリスチレン、低分子量ポリメチル
スチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
アクリル酸エステル共重合体の如きスチレン系樹脂;エ
ポキシ樹脂、イソブチレンゴム、ニトリルゴム、塩化ゴ
ムなどの如きゴム類;ポリビニルピロリドン;ポリアミ
ド;クマロン−インデン樹脂;マレイン酸変性フェノー
ル樹脂;フェノール変性テルペン樹脂;シリコン樹脂;
ロジン変性樹脂;ウレタン樹脂;石油樹脂などが挙げら
れ、これらの非自己水分散性又は中和により樹脂(A)
よりも自己水分散性が弱い有機化合物(B)は、単独あ
るいは組み合わせて用いることができる。これらの中で
も、特に低分子量ポリスチレン、ロジン変性樹脂、ウレ
タン系樹脂、石油樹脂が好ましい。
【0045】これらの非自己水分散性又は中和により樹
脂(A)よりも自己水分散性が弱い有機化合物(B)
は、そのガラス転移温度又は融点が、使用する中和によ
り自己水分散性を示す樹脂(A)のガラス転移温度より
も低く、かつ、ガラス転移温度又は融点が0〜60℃の
範囲にあるものが好ましい。非自己水分散性又は中和に
より樹脂(A)よりも自己水分散性が弱い有機化合物
(B)のガラス転移温度が0℃よりも低い場合、得られ
たトナーの保存安定性が悪くなる傾向にあり、非自己水
分散性又は中和により樹脂(A)よりも自己水分散性が
弱い有機化合物(B)のガラス転移温度又は融点が60
℃よりも高い場合、低温定着性が得られない傾向にある
ので好ましくない。
【0046】これらの非自己水分散性又は中和により樹
脂(A)よりも自己水分散性が弱い有機化合物(B)の
数平均分子量が400より低いものでは、室温で処理中
に固化するため、着色樹脂粒子として得ることができな
い傾向にあり、非自己水分散性又は中和により樹脂
(A)よりも自己水分散性が弱い有機化合物(B)の数
平均分子量が1,500より大きい場合、転相乳化し難
くなる傾向にあり、また、得られたトナーの低温定着性
が損なわれる傾向にあるので好ましくない。
【0047】また、これらの非自己水分散性又は中和に
より樹脂(A)よりも自己水分散性が弱い有機化合物
(B)の固形分含有率としては、5〜80%の範囲が好
ましく、10〜60%の範囲がより好ましい。
【0048】着色剤(C)としては、公知慣用の着色剤
を用いることができるが、具体的には、例えば、カーボ
ンブラック、磁性粉、ニグロシン染料、アニリンブル
ー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリ
ンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、
メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラ
カイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズ
ベンガラ、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.
ピグメントブルー15、四三酸化鉄、三二酸化鉄、鉄
粉、酸化亜鉛、セレン等を挙げることができ、これらの
着色剤は、単独で使用することもでき、2種以上を組み
合わせて使用することもできる。
【0049】有機溶剤(E)としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、n−ヘプタンの如き各種炭化水素類;メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブ
チルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチ
ルアルコールなどの如きアルコール類;プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピ
ルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテル等の如きエーテルアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ンの如き各種ケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチルの如き各種エステル類;プロピレングリ
コールモノエチルエーテルアセテートの如き各種エーテ
ルエステル類;テトラヒドロフランの如きエーテル類;
塩化メチレンの如き含ハロゲン炭化水素類等が挙げられ
る。
【0050】これらの有機溶剤の中でも、好ましくは、
後述する脱溶剤工程において容易に脱溶剤され、さら
に、乾燥工程において残存した有機溶剤を除去しやす
い、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチ
ル、イソプロピルアルコール、n−プロパノールなど
の、いわゆる低沸点溶剤の使用が適切である。これらの
有機溶剤は、2種以上の溶剤を組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0051】中和剤(D)としては、酸基を有する自己
水分散性樹脂を用いる場合には、例えば、トリエチルア
ミンの如き第3級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等の無機塩基、アンモニア等が挙げられ、一方、
塩基を有する自己水分散性樹脂を用いる場合には、例え
ば、シュウ酸、酢酸、塩酸、硫酸等が挙げられ、これら
により適切量に中和させる。
【0052】中和により自己水分散性を示す樹脂の親水
性は、中和剤の量(中和率)によって調整されるもので
ある。さらに、かかる親水性により、分散時の粒子の大
きさが決定される。つまり、中和率を調整することによ
り任意の粒径を容易に得ることが可能である。
【0053】また、第2工程において、水性媒体に転相
乳化する際の撹拌シェアーは、第1工程で得られる混合
体が、均質に撹拌される程度でもってシェアーを掛けて
いれば、何ら特別な手段を講じる必要はないが、場合に
よっては、ホモジナイザーなどの高シェアー分散や、超
音波などを利用しても差し支えはない。
【0054】第3工程において、当該粒子と水性媒体と
の分離を行なうに当たっては、水性媒体中から予め有機
溶剤を除去してから、当該粒子の分離を行なうのがよ
い。例えば、着色樹脂粒子生成後、減圧蒸留などによっ
て脱溶剤できる。
【0055】有機溶剤を除去した後、濾過や遠心分離に
より液媒体から着色樹脂粒子を分離した後、着色樹脂粒
子を水中に再分散をさせて洗浄する工程を経てから、前
記した中和剤(D)と逆極性の中和剤を用いて、中和状
態にある酸基あるいは塩基基の一部分あるいは全部を元
の未中和の状態に戻すこと(逆中和工程)が好ましい。
この逆中和工程により、水媒体からの着色樹脂粒子の分
離が容易になり、また、トナーの耐湿性が向上する。
【0056】逆中和工程の後、水媒体から着色樹脂粒子
を分離し、再度水中に分散させて洗浄した後、分離し、
乾燥させてトナー粉末を得る。この乾燥は、公知慣用の
手法がいずれも採用できるが、例えば、着色樹脂粒子が
熱融着や凝集しない温度で熱風乾燥しても良いし、凍結
乾燥という方法も挙げられる。また、スプレードライヤ
ー等を用いて、水性媒体からの着色樹脂粒子の分離と乾
燥を同時に行なうという方法もある。
【0057】本発明の製造方法で得られる着色樹脂粒子
は、中和により自己水分散性を示す樹脂(A)と非自己
水分散性又は中和により樹脂(A)よりも自己水分散性
が弱い有機化合物(B)との相溶性の水準如何により、
その構造は変化するが、基本的には、表層部に近い程、
自己水分散性を示す樹脂(A)に富み、粒子の中心にな
るほど、非自己水分散性又は中和により樹脂(A)より
も自己水分散性が弱い有機化合物(B)に富むものとな
る。樹脂(A)と有機化合物(B)が互いに非相溶性の
ものである場合には、完全なる二層構造を有した粒子が
得られ、また、樹脂(A)と有機化合物(B)とが相溶
性の低いものである場合には、表層と内核との境界が不
明瞭な二層構造あるいは中和により自己水分散性を示す
樹脂(A)が主成分となって形成するマトリックス
(海)中に、非自己水分散性であるか又は中和により樹
脂(A)よりも自己水分散性が弱い有機化合物(B)が
主成分となってドメイン(島)部分を形成するマトリッ
クス−ドメイン(海島)構造を有した粒子が得られる。
また、樹脂(A)と有機化合物(B)が相溶性の高いも
のである場合には、粒子の表層から粒子の中心に向かっ
て、連続的に、非自己水分散性であるか又は中和により
樹脂(A)よりも自己水分散性が弱い有機化合物(B)
の濃度が高くなって行くという、重合法では製造するこ
とができない、新規にして、しかも、斬新なる構造を有
する粒子を形成することができる。
【0058】即ち、柔らかい樹脂が内包されているか
ら、熱により、粒子内部はかなりの流動性を有するの
で、粒子全体が紙表面に平たく変形させることができ、
加えて、紙への定着は、表層部付近に微量に存在するガ
ラス転移温度が低い成分の粘着性によって補われ、充分
なる定着強度が得られるものと考えられる。
【0059】シェル部及びコア部、あるいは、マトリッ
クス(海)部及びドメイン(島)部には、各々に、着色
剤、帯電制御剤、離型剤、磁性材料、ならびに、その他
の機能材料を含有させることもできる。
【0060】本発明の製造方法によって得られるカプセ
ル化トナーは、特に低温定着が可能な熱ロール用トナー
として、極めて実用性の高いものであり、また、熱定着
あるいは圧力定着用トナーとしても利用可能なものであ
る。
【0061】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例を用いて本
発明を更に詳細に説明する。以下において、「部」及び
「%」は、特に断りのない限り、『重量部』及び『重量
%』をそれぞれ表わす。
【0062】<合成例1>メチルエチルケトン647部
を反応容器に入れ、80℃に加熱した後、以下に示した
割合の混合物を、窒素気流中で約2時間かけて滴下し
た。 アクリル酸 102.4部 スチレン 595.2部 アクリル酸ブチル 302.4部 「パーブチルO」(日本油脂(株)製の重合開始剤) 3.0部 メチルエチルケトン 20.0部
【0063】滴下終了の3時間後に、更に「パーブチル
O」2部を反応液に加え、その後、3時間おきに、「パ
ーブチルO」2部を加え、同温度で24時間反応を続け
た後、反応を終了させた。
【0064】この反応により、不揮発分が58%、重量
平均分子量が75,000、酸価が80、DSC法によ
るガラス転移温度が61℃である共重合体の溶液を得
た。この共重合体は、本発明における中和により自己水
分散性を示す樹脂(A)に相当する樹脂である。
【0065】なお、DSC法によるガラス転移温度並び
に融点の測定は、島津製作所製の「DSC50」を用い
て、ヘリウム気流下、昇温速度10℃/分で行った。
(以下、同様とする。)
【0066】<合成例2>メチルエチルケトン980部
を反応容器に入れ、80℃に加熱した後、以下に示した
割合の混合物を、窒素気流中で約2時間かけて滴下し
た。 アクリル酸 102.4部 スチレン 595.2部 アクリル酸ブチル 302.4部 「パーブチルO」 30.0部 メチルエチルケトン 20.0部
【0067】滴下終了の3時間後に、更に「パーブチル
O」2部を反応液に加え、その後、3時間おきに、「パ
ーブチルO」2部を加え、同温度で15時間反応を続け
た後、反応を終了させた。
【0068】この反応により、不揮発分が48%、重量
平均分子量が30,000、酸価が80、DSC法によ
るガラス転移温度が54℃の共重合体の溶液を得た。こ
の共重合体は、本発明における中和により自己水分散性
を示す樹脂(A)に相当する樹脂である。
【0069】<合成例3>メチルエチルケトン114
部、イソプロピルアルコール12部及び水24部を反応
容器に入れ、80℃に加熱した後、以下に示した割合の
混合物を、窒素気流中で、一括して仕込み、反応を開始
した。 アクリル酸 54.0部 スチレン 330.0部 アクリル酸ブチル 216.0部 「パーブチルO」 0.6部
【0070】反応開始3時間経過後から1時間おきに、
反応樹脂溶液の約10部をサンプリングし、同量のメチ
ルエチルケトンで希釈し、ガードナー粘度計で粘度を測
定した。粘度がM−Nとなった時点で、メチルエチルケ
トン567部及びイソプロピルアルコール63部から成
る混合溶媒を添加した。この時のモノマー残存率をガス
クロマトグラフィーを用いて定量して、重合率を計算し
た結果、51%であった。反応溶液の温度を80℃に保
ちながら、以下に示した割合の混合物を1時間かけて滴
下した。 アクリル酸 54.0部 スチレン 413.0部 アクリル酸ブチル 133.0部 「パーブチルO」 18.0部
【0071】滴下終了後、3時間ごとに3回「パーブチ
ルO」2部を添加し、さらに同温度で4時間反応を続け
た。
【0072】反応終了後、この樹脂溶液を加熱脱気し、
固形化処理を行なった。この固形化樹脂は2山の分子量
分布をもち、その重量平均分子量は110、000であ
った。また、この2山をその境目で区切ると、重量平均
分子量が35,000と360,000の2つの部分に
分割でき、その比が78対22であった。この固形化樹
脂の酸価は70、DSC法によるガラス転移温度は59
℃であった。この共重合体は、本発明における中和によ
り自己水分散性を示す樹脂(A)に相当する樹脂であ
る。
【0073】<合成例4>メチルエチルケトン980部
を反応容器に入れ、80℃に加熱した後、以下に示した
割合の混合物を、窒素気流中で約3時間かけて滴下し
た。 アクリル酸 25.6部 スチレン 585.5部 アクリル酸ブチル 388.9部 「パーブチルO」 80.0部 メチルエチルケトン 20.0部
【0074】滴下終了の3時間後に、更に「パーブチル
O」2部を反応液に加え、その後、3時間おきに、「パ
ーブチルO」2部を加え、同温度で10時間反応を続け
た。
【0075】反応終了後、この樹脂溶液を加熱脱気し、
固形化樹脂を得た。この固形化樹脂の数平均分子量は、
6,100であり、酸価は80、DSC法によるガラス
転移温度は17℃であった。この共重合体は、本発明に
おける中和により樹脂(A)よりも自己水分散性が弱い
有機化合物(B)に相当する樹脂である。
【0076】<実施例1>合成例1及び合成例2で得た
自己水分散性を示す共重合体の溶液の全量を混合した。
得られた樹脂溶液の不揮発分は54%であった。この混
合樹脂溶液700部に、低分子量ポリスチレン(三洋化
成(株)製の「ハイマーSB−75」;数平均分子量90
0、ガラス転移温度33℃)378部、カーボン・ブラ
ック(アメリカ国キャボット社製の「エルフテックス
(ELFTEX)8」)84部及びメチルエチルケトン380
部を加え、「アイガーモーターミル M−250」(ア
イガージャパン(株)製)を用いて、1時間混合して、不
揮発分濃度が52%の分散液を得た。以下、これを混合
物(a)と略記する。
【0077】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(a)96.2部、メチルエチルケトン
3.8部、イソプロピルアルコール17部及び1N水酸
化ナトリウム水溶液5.3部を加え、半月翼を用いて、
スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しなが
ら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相乳
化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0078】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.6μm、変動係数が23%の良好な分布を有する
ものであった。
【0079】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌して、着色樹
脂粒子中の樹脂を、中和した。このようにして得た得た
着色樹脂粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて
30分間撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操
作を再度行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥さ
せて、黒色トナーを得た。
【0080】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−56.7
μC/gであった。
【0081】<実施例2>実施例1で使用した合成例1
及び合成例2で得た自己水分散性を示す共重合体の溶液
から成る混合樹脂溶液800部に、低分子量ポリスチレ
ン(三洋化成(株)製の「ハイマーSB−75」)288
部、カーボン・ブラック(アメリカ国キャボット社製の
「エルフテックス(ELFTEX)8」)80部及びメチルエ
チルケトン350部を加え、「アイガーモーターミル
M−250」(アイガージャパン(株)製)を用いて、1
時間混合して、不揮発分濃度が53%の分散液を得た。
以下、これを混合物(b)と略記する。
【0082】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(b)94.3部、メチルエチルケトン
5.7部、イソプロピルアルコール17.4部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液6.4部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0083】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.5μm、変動係数が24%の良好な分布を有する
ものであった。
【0084】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌して、着色樹
脂粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹
脂粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分
間撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再
度行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、
黒色トナーを得た。
【0085】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−60.8
μC/gであった。
【0086】<実施例3>実施例1で使用した合成例1
及び合成例2で得た自己水分散性を示す共重合体の溶液
から成る混合樹脂溶液800部に、低分子量ポリスチレ
ン(三洋化成(株)製の「ハイマーSB−75」)185
部、カーボン・ブラック(アメリカ国キャボット社製の
「エルフテックス(ELFTEX)8」)69部及びメチルエ
チルケトン350部を加え、「アイガーモーターミル
M−250」(アイガージャパン(株)製)を用いて、1
時間混合して、不揮発分濃度が53%の分散液を得た。
以下、これを混合物(c)と略記する。
【0087】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(c)94.3部、メチルエチルケトン
5.7部、イソプロピルアルコール17.5部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液7.4部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0088】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.0μm、変動係数が22%の良好な分布を有する
ものであった。
【0089】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌して、着色樹
脂粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹
脂粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分
間撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再
度行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、
黒色トナーを得た。
【0090】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−63.0
μC/gであった。
【0091】<実施例4>合成例3で得た自己水分散性
を示す共重合体の固形化物375部に、低分子量ポリス
チレン(三洋化成(株)製の「ハイマーSB−75」)3
75部、カーボン・ブラック(アメリカ国キャボット社
製の「エルフテックス(ELFTEX)8」)83部及びメチ
ルエチルケトン735部を加え、「アイガーモーターミ
ル M−250」(アイガージャパン(株)製)を用い
て、1時間混合して、不揮発分濃度が53%の分散液を
得た。以下、これを混合物(d)と略記する。
【0092】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(d)98.0部、メチルエチルケトン
2.0部、イソプロピルアルコール17.5部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液5.3部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0093】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.6μm、変動係数が23%の良好な分布を有する
ものであった。
【0094】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌して、着色樹
脂粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹
脂粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分
間撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再
度行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、
黒色トナーを得た。
【0095】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−48.8
μC/gであった。
【0096】<実施例5>合成例3で得た自己水分散性
を示す共重合体の固形化物375部に、石油樹脂(日本
石油化学(株)の「日石ネオポリマー80」;数平均分子
量640、ガラス転移温度30℃)375部、カーボン
・ブラック(アメリカ国キャボット社製の「エルフテッ
クス(ELFTEX)8」)83部及びメチルエチルケトン3
60部を加え、「アイガーモーターミル M−250」
(アイガージャパン(株)製)を用いて、1時間混合し
て、不揮発分濃度が51%の分散液を得た。以下、これ
を混合物(e)と略記する。
【0097】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(e)98.0部、メチルエチルケトン
2.0部、イソプロピルアルコール17.5部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液5.3部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0098】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.5μm、変動係数が24%の良好な分布を有する
ものであった。
【0099】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌して、着色樹
脂粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹
脂粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分
間撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再
度行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、
黒色トナーを得た。
【0100】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−49.2
μC/gであった。
【0101】<実施例6>合成例3で得た自己水分散性
を示す共重合体固形物375部に、ロジン変性樹脂(大
日本インキ化学工業(株)の「ベッカサイト1150」;
数平均分子量890、ガラス転移温度42℃)375
部、カーボン・ブラック(アメリカ国キャボット社製の
「エルフテックス(ELFTEX)8」)83部及びメチルエ
チルケトン360部を加え、「アイガーモーターミル
M−250」(アイガージャパン(株)製)を用いて、1
時間混合して、不揮発分濃度が51%の分散液を得た。
以下、これを混合物(f)と略記する。
【0102】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(f)98.0部、メチルエチルケトン
2.0部、イソプロピルアルコール17.5部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液5.3部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0103】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.8μm、変動係数が22%の良好な分布を有する
ものであった。
【0104】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌して、着色樹
脂粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹
脂粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分
間撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再
度行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、
黒色トナーを得た。
【0105】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−48.3
μC/gであった。
【0106】<比較例1>実施例1で得た合成例1及び
合成例2で得た自己水分散性を示す共重合体溶液から成
る混合樹脂溶液1200部に、カーボン・ブラック(ア
メリカ国キャボット社製の「エルフテックス(ELFTEX)
8」)72部及びメチルエチルケトン250部を加え、
「アイガーモーターミル M−250」(アイガージャ
パン(株)製)を用いて、1時間混合して、不揮発分濃度
が53%の分散液を得た。以下、これを混合物(g)と
略記する。
【0107】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(g)94.3部、メチルエチルケトン
5.7部、イソプロピルアルコール14.4部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液9.6部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0108】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が8.0μm、変動係数が25%の良好な分布を有する
ものであった。
【0109】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌し、着色樹脂
粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹脂
粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分間
撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再度
行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、黒
色トナーを得た。
【0110】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−49.7
μC/gであった。
【0111】<比較例2>合成例3で得た自己水分散性
を示す共重合体固形化物750部に、カーボン・ブラッ
ク(アメリカ国キャボット社製の「エルフテックス(EL
FTEX)8」)83部及びメチルエチルケトン360部を
加え、「アイガーモーターミル M−250」(アイガ
ージャパン(株)製)を用いて、1時間混合して、不揮発
分濃度が52%の分散液を得た。以下、これを混合物
(h)と略記する。
【0112】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(h)96.2部、メチルエチルケトン
3.8部、イソプロピルアルコール14.0部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液9.2部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0113】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.7μm、変動係数が24%の良好な分布を有する
ものであった。
【0114】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌し、着色樹脂
粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹脂
粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分間
撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再度
行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、黒
色トナーを得た。
【0115】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−52.8
μC/gであった。
【0116】<比較例3>合成例3で得た自己水分散性
を示す共重合体固形物375部に、石油樹脂(日本石油
化学(株)の「日石ネオポリマー130」;数平均分子量
810、ガラス転移温度63℃)375部、カーボン・
ブラック(アメリカ国キャボット社製の「エルフテック
ス(ELFTEX)8」)83部及びメチルエチルケトン36
0部を加え、「アイガーモーターミル M−250」
(アイガージャパン(株)製)を用いて、1時間混合し
て、不揮発分濃度が51%の分散液を得た。以下、これ
を混合物(i)と略記する。
【0117】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(i)98.0部、メチルエチルケトン
2.0部、イソプロピルアルコール17.5部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液5.3部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0118】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.6μm、変動係数が23%の良好な分布を有する
ものであった。
【0119】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌し、着色樹脂
粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹脂
粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分間
撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再度
行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、黒
色トナーを得た。
【0120】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25部を配合した後、サンプルミルを
用いて外添処理を行った。このようにして得たトナー
に、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−52.4
μC/gであった 。
【0121】<比較例4>合成例3で得た中和により自
己水分散性を示す共重合体固形物375部に、合成例4
で得た中和により自己水分散性を示す共重合体固形物3
75部、カーボン・ブラック(アメリカ国キャボット社
製の「エルフテックス(ELFTEX)8」)83部及びメチ
ルエチルケトン360部を加え、「アイガーモーターミ
ル M−250」(アイガージャパン(株)製)を用い
て、1時間混合して、不揮発分濃度が51%の分散液を
得た。以下、これを混合物(j)と略記する。
【0122】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(j)98.0部、メチルエチルケトン
2.0部、イソプロピルアルコール17.8部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液5.2部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0123】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.4μm、変動係数が30%の若干分布が広くなっ
たものであった。
【0124】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別した後、粒子を水中に再分散
させた。次に、この分散液中に0.1N塩酸水溶液を加
えて、pH2に調整した後、30分間撹拌し、着色樹脂
粒子中の樹脂を中和した。このようにして得た着色樹脂
粒子を濾別した後、さらに水中に再分散させて30分間
撹拌することによって、洗浄した。この洗浄操作を再度
行った後、濾別した着色樹脂粒子を凍結乾燥させて、黒
色トナーを得た。
【0125】このようにして得た黒色トナー50部に疎
水性シリカ微粉末(日本アエロジル(株)の「アエロジル
R972」)0.25重量部を配合した後、サンプルミ
ルを用いて外添処理を行った。このようにして得たトナ
ーに、トナー濃度が5%と成るように、パウダーテック
(株)社製のキャリア「F96C100−1020」を加
えて混合して、2成分現像剤を調製した。この現像剤の
帯電量をブローオフ法により測定した結果、−48.3
μC/gであった。
【0126】<比較例5>合成例3で得た自己水分散性
を示す樹脂となる共重合体固形物375部に、12−ヒ
ドロキシステアリン酸メチル(豊国製油(株)製の「HS
1M−160」;数平均分子量314、融点52℃)3
75部、カーボン・ブラック(アメリカ国キャボット社
製の「エルフテックス(ELFTEX)8」)83部及びメチ
ルエチルケトン360部を加え、「アイガーモーターミ
ル M−250」(アイガージャパン(株)製)を用い
て、1時間混合して、不揮発分濃度が51%の分散液を
得た。以下、これを混合物(k)と略記する。
【0127】次に、容量1Lのセパラブルフラスコ内
に、この混合物(k)98.0部、メチルエチルケトン
2.0部、イソプロピルアルコール17.5部及び1N
水酸化ナトリウム水溶液5.3部を加え、半月翼を用い
て、スリーワン・モーターで350rpmにて撹拌しな
がら、これに、ゆっくりと脱イオン水を滴下して、転相
乳化させて、着色樹脂粒子の水性媒体分散液を得た。
【0128】この着色樹脂粒子の粒子径をコールター・
マルチサイザー2を用いて測定した結果、体積平均粒径
が7.6μm、変動係数が22%の良好な分布を有する
ものであった。
【0129】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液より着色樹脂粒子を濾別中に、固化したため、黒色ト
ナーを得ることができなかった。
【0130】《評価》 <定着試験>市販の複写機(リコー社製の「イマジオ
(IMAGIO)MF530」)の改造機を用いて未定着画像
を形成し、同機の定着装置を改造したものをオイルを塗
布せずに使用し、紙送り速度を120mm/秒に制御し
た上で、熱ロールの表面温度を5℃刻みで90〜200
℃に変化させて定着温度を調べた。
【0131】この定着性の判定は、トナー画像上に住友
スリーエム(株)製の「スコッチ(Scotch)メンディング
テープ」を、その粘着面が重なるように載せ、これに、
100g/cm2 の加重をかけた後、ゆっくりと引き剥が
し、その画像濃度(以下、ID値と略記する。)の変化
をアメリカ国マクベス社画像濃度測定装置RD918を
用いて測定した。
【0132】なお、定着温度の判定は、ID値が1.5
〜1.6の画像を用い、「メンディングテープ」剥離試
験を実施する前後のID値の比が90%以上となる熱ロ
ールの最低温度を以て評価した。
【0133】<耐熱保存安定性>耐熱保存安定性の評価
は、5gのトナーを50ccガラス製サンプル瓶に入
れ、45℃で7日間放置し、室温に戻した後の粒子の凝
集度合いで判定した。5は変化なし、4は少し触れると
崩れる、3は少し力を入れると崩れる、2はかなり力を
入れると崩れる、1は固化を示し、3以上を合格とし
た。
【0134】以上において得られた評価結果を表1にま
とめて示した。
【0135】
【表1】
【0136】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、簡単なプロ
セスでもって、小粒径で、粒径分布が狭く、帯電性及び
耐熱保存安定性に優れ、従来法よりも、低温定着性の優
れたトナーが得られる。従って、本発明の製造方法は、
シャープメルト性が重要なカラートナーや熱定着用トナ
ーへの対応に、極めて有用な製造方法である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)中和により自己水分散性を示す樹
    脂(A)、ガラス転移温度又は融点が樹脂(A)のガラ
    ス転移温度よりも低く、非自己水分散性であるか又は中
    和により樹脂(A)よりも自己水分散性が弱く、かつ数
    平均分子量が400〜1,500の範囲にある有機化合
    物(B)、着色剤(C)及び中和剤(D)を有機溶剤
    (E)中に溶解又は分散させて、油性の液状混合物を得
    る第1工程、(II)第1工程で得た油性の液状混合物を
    水性媒体中に転相乳化させることによって、前記有機化
    合物(B)がカプセル内に内包された構造を有する着色
    樹脂粒子の水性媒体分散液を得る第2工程及び(III)
    第2工程で得た着色樹脂粒子の水性媒体分散液から着色
    樹脂粒子を分離し、乾燥させる第3工程を有することを
    特徴とするカプセル化トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂(A)が、カルボキシル基を有する
    樹脂であって、酸価が10〜150mgKOH/gの範囲
    にある樹脂である請求項1記載のカプセル化トナーの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂(A)が、ガラス転移温度が50〜
    100℃の範囲にあり、かつ、重量平均分子量が10,
    000〜300,000の範囲にある樹脂である請求項
    1又は2記載のカプセル化トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂(A)が、ビニル系共重合体である
    請求項1、2又は3記載のカプセル化トナーの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 有機化合物(B)が、ガラス転移温度又
    は融点が、0〜60℃の範囲にあり、かつ、樹脂(A)
    のガラス転移温度よりも低い有機化合物である請求項
    1、2、3又は4記載のカプセル化トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 有機化合物(B)が、低分子量ポリスチ
    レンである請求項1、2、3、4又は5記載のカプセル
    化トナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 有機化合物(B)が、石油樹脂、ウレタ
    ン系樹脂又はロジン変性樹脂である請求項1、2、3、
    4又は5記載のカプセル化トナーの製造方法。
JP21876997A 1997-08-13 1997-08-13 カプセル化トナーの製造方法 Pending JPH1165168A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21876997A JPH1165168A (ja) 1997-08-13 1997-08-13 カプセル化トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21876997A JPH1165168A (ja) 1997-08-13 1997-08-13 カプセル化トナーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1165168A true JPH1165168A (ja) 1999-03-05

Family

ID=16725115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21876997A Pending JPH1165168A (ja) 1997-08-13 1997-08-13 カプセル化トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1165168A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008502648A (ja) * 2004-06-15 2008-01-31 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 自然な皮膚外観のための耐破砕性のカプセル化された着色剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008502648A (ja) * 2004-06-15 2008-01-31 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 自然な皮膚外観のための耐破砕性のカプセル化された着色剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6017670A (en) Electrophotographic toner and process for the preparation thereof
JP2004163955A (ja) 両親媒性共重合体を含むドライ電子写真用トナー,その製造方法及びそれを利用した電子写真画像形成方法
JPH0566600A (ja) カプセル型トナーおよびその製造方法
JP2007121462A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP3760166B2 (ja) 両親媒性共重合体を含む湿式電子写真用トナー組成物,上記湿式電子写真用トナー組成物製造方法,及び上記湿式電子写真用トナー組成物利用した電子写真画像の形成方法
US4766051A (en) Colored encapsulated toner compositions
EP0413604B1 (en) Encapsulated toner compositions
JPH10186714A (ja) 静電印刷用トナーの製法
JP6090250B2 (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
US20050142474A1 (en) Toner for electrostatic development and its fabrication method by treatment of suspension with reverse-neutralization
JP2002072567A (ja) フルカラー画像形成方法およびフルカラー画像、並びに静電荷現像用トナーおよび二成分系現像剤
WO1999028792A1 (fr) Toner electrophotographique
JP3067761B1 (ja) 静電荷像現像用トナ―及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤並びに画像形成方法
JP2001022117A (ja) トナー及びその製法
JPH1165168A (ja) カプセル化トナーの製造方法
WO2005083527A1 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4193287B2 (ja) トナー及びその製法
JP3368024B2 (ja) フルカラー画像形成方法
JP3774911B2 (ja) 微小カプセル粒子の製造方法及び電子写真用トナーの製造方法
JP3125283B2 (ja) カプセル型トナーの製造方法
JPH1195487A (ja) 直描型平版印刷原版の製版方法
CN110178089B (zh) 静电图像显影用调色剂
JP3637545B2 (ja) カプセル型トナーの製法
JPH1010778A (ja) トナーの製法
JP2005003945A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法並びに画像形成方法