JPH1165023A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

Info

Publication number
JPH1165023A
JPH1165023A JP22634897A JP22634897A JPH1165023A JP H1165023 A JPH1165023 A JP H1165023A JP 22634897 A JP22634897 A JP 22634897A JP 22634897 A JP22634897 A JP 22634897A JP H1165023 A JPH1165023 A JP H1165023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
layer
conductive
substance
halide photographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22634897A
Other languages
English (en)
Inventor
Mineko Ito
峰子 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP22634897A priority Critical patent/JPH1165023A/ja
Publication of JPH1165023A publication Critical patent/JPH1165023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑りにくく、耐擦り傷性を有するハロゲン化
銀写真感光材料を得る。 【解決手段】 写真用支持体のバック面に導電性物質と
して導電性金属酸化物微粒子を含む導電性層の上に実質
的にバインダーを含まないワックス状物質を含有する液
を用いて塗設された帯電防止層を有し、またはイオン性
導電性ポリマー帯電防止剤及び無機化合物微粒子を含む
導電性層の上に実質的にバインダーを含まないワックス
状物質を含有する液を用いて塗設された帯電防止層を有
するハロゲン化銀写真感光材料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は帯電防止性を有し、
擦り傷が付きにくく、かつ搬送性に優れたハロゲン化銀
写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン化銀写真感光材料は一般
にセルローストリアセテート、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、紙または紙の両面が
ポリエチレンで被覆された紙などの写真用支持体の上に
感光性ハロゲン化銀乳剤層および必要に応じて中間層、
保護層、バック層、アンチハレーション層、帯電防止層
などの非感光性層が種々組合わされて塗設されてなるも
のである。写真用支持体の両面に写真乳剤層を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料として例えば直接X線フィルム
があるが、その他のほとんどのハロゲン化銀写真感光材
料は写真用支持体の一方の面だけに写真乳剤層を有し、
もう一方の面に感光性のない帯電防止層あるいはアンチ
ハレーション層等の機能層を有している構造をしてい
る。当業界では、後者の場合には写真乳剤層が塗設され
ていない面を一般にハロゲン化銀写真感光材料の「バッ
ク面」と呼んでいる。ハロゲン化銀写真感光材料は、塗
布乾燥、加工などの製造工程を始めとして、撮影、現像
処理、焼き付け、映写などにおける巻き取り、巻き戻
し、または搬送等の取り扱いの際に、種々の装置、機
械、カメラなどの感光材料との接触部分の間、あるいは
塵、繊維屑等の付着物との間の接触摩擦によって、重大
な悪影響をうけることが多い。特に、バック面は各種機
材と直接接触する機会が多いので例えば、引っ掻き傷や
擦り傷の発生、カメラその他機械内でのハロゲン化銀写
真感光材料の駆動性の悪化、フィルム屑の発生等が起こ
り易い。これらの擦り傷の発生はプリント時や映写時に
画像面に重なって現れるので実用上重大な欠陥となる。
また、最近では高速塗布、迅速撮影、迅速処理などのよ
うなハロゲン化銀写真感光材料に対する製造、使用や処
理方法が高速化され、高温高湿雰囲気におけるような使
用時の従来から見れば苛酷な環境が多くなり、擦り傷の
発生、駆動性の悪化が更に起こり易くなってきている。
【0003】従来、ハロゲン化銀写真感光材料のバック
面の耐擦り傷性を改善する手段としては、滑り剤を含む
表面層を設ける方法が採用されて来た。例えば、特開昭
50−117414号にはオルガノポリシロキサンが、
特開平1−161337号公報には高級脂肪酸またはそ
の誘導体等の滑り剤が最表面に塗設されていることが開
示されている。しかし、これらの滑り剤を含む層がバッ
ク面の表面層にある場合、この層の滑り剤が写真用支持
体の反対面に転写して写真乳剤層の塗布故障の原因とな
ったり、また製造工程、カメラ、焼付等の各種ラボ機器
において接触搬送する際、スリップして擦り傷を発生し
たり、フィルムの駒ずれ等の問題を起こすことがしばし
ばあった。
【0004】一方、ハロゲン化銀写真感光材料に用いら
れる写真用支持体は一般に電気絶縁性であり、ハロゲン
化銀写真感光材料の製造工程中、撮影、現像処理または
焼付処理等における搬送、巻取りあるいは巻戻し等の工
程において種々の装置やハロゲン化銀写真感光材料同士
で接触摩擦したり、剥離されたりして静電電荷が蓄積さ
れ、現像処理前に蓄積された静電電荷が放電し写真乳剤
層が感光されてスタチックマークが発生したり、また現
像処理後に蓄積された静電電荷にプリント時ホコリが引
き寄せられて付着し、それがプリント画面に写ることに
よって商品としての価値を損なう。そこで、現像処理前
及び処理後において帯電されにくい導電性物質をハロゲ
ン化銀写真感光材料のバック面に応用した技術が開示さ
れている。例えば、特公昭57−104931号公報に
提案されているが、この方法では上記のごとき搬送性、
焼き付け処理等の工程における耐擦り傷性はあまりな
い。また特開平4−243251号、同7−13292
号、同7−270983号、同7−219142号等の
公報に、導電性金属酸化物を含む帯電防止層上に最表面
として滑り剤を含む層を施し、耐擦り傷性が改良される
という記載がある。しかしながら、これらの方法は確か
に滑り性の付与により耐擦り傷性を発現させる方法では
あるが、滑ることによる上記のような弊害を生じたり、
表面層の滑り剤が写真乳剤層を塗設する側の下引層に転
写して写真乳剤を塗設する際に塗布異常を発生させる原
因になったり、ハロゲン化銀写真感光材料の製造工程で
のスリップによる擦り傷の発生に起因する滑り剤の脱落
が工程汚染を起こしたり、カメラの巻き上げあるいは自
動露光機による焼き付け等各種ラボ機器におけるフィル
ムの駒ずれを起こすような搬送異常、またスリップしす
ぎて擦り傷を発生させたりする等問題があった。特開平
7−13292号公報あるいは同7−219133号公
報には帯電防止層の上に、バインダーを含む保護層を設
け、更にその上に滑り剤層を設けるという方法が開示さ
れているが、この方法では耐擦り傷性はあるものの、搬
送性において欠点を有していた。それ故、こうした過酷
な条件下でも十分耐えられるように、耐擦り傷性と搬送
性の一見相反する性質が両立し得る優れたハロゲン化銀
写真感光材料が要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ハロ
ゲン化銀写真感光材料のバック面の耐擦り傷性に優れ、
かつ滑りにくい性質を有し、経時あるいは現像処理後等
さまざまな使用条件下でも優れた耐擦り傷性を保持し、
塗布時、自動露光現像処理装置での搬送時、カメラ内巻
き上げあるいは巻き戻しにおいて搬送異常、駒ずれ、工
程汚染がなく、優れた帯電性能を有するハロゲン化銀写
真感光材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、
(1)の手段により達成出来た。
【0007】(1)写真用支持体の感光性ハロゲン化銀
乳剤層を有する面とは反対側の面に、導電性物質を含む
導電性層の上に、ワックス状物質を含有し、実質的にバ
インダーを含まない液を塗布して帯電防止層とした層を
有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。本
発明は下記(2)から(7)の態様で実施することが出
来る。
【0008】(2)前記導電性物質が導電性金属酸化物
微粒子であることを特徴とする(1)に記載のハロゲン
化銀写真感光材料。
【0009】(3)前記ワックス状物質を含有する液が
水を主成分とする液であることを特徴とする(1)また
は(2)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】(4)前記導電性層のバインダーがゼラチ
ンを主成分とすることを特徴とする(1)乃至(3)の
いずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】(5)前記導電性層のバインダーがセルロ
ースアセテート類を主成分とすることを特徴とする
(1)乃至(3)のいずれかに記載のハロゲン化銀写真
感光材料。
【0012】(6)前記導電性層がバインダー100重
量部に対して導電性金属酸化物微粒子を20重量部以上
1000重量部以下含有することを特徴とする(4)ま
たは(5)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】更に本発明の目的は下記(7)により達成
された。
【0014】(7)前記帯電防止層が最外層を構成する
ことを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0015】また、他の本発明の上記目的は、(8)の
手段により達成出来た。
【0016】(8)写真用支持体の感光性ハロゲン化銀
乳剤層を有する面とは反対側の面に、イオン性導電性ポ
リマー及び無機化合物微粒子を含む導電性層の上に、ワ
ックス状物質を含有し、実質的にバインダーを含まない
液を塗布して帯電防止層とした層を有することを特徴と
するハロゲン化銀写真感光材料。本発明は下記(9)か
ら(11)の態様で実施することが出来る。
【0017】(9)前記ワックス状物質を含む液が水を
主成分とする液であることを特徴とする(8)に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0018】(10)前記導電性層のバインダーがセル
ロースアセテート類を主成分とすることを特徴とする
(8)又は(9)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0019】(11)前記帯電防止層が最外層を構成す
ることを特徴とする(8)乃至(10)のいずれかに記
載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0020】以下、本発明について詳述する。
【0021】本発明に用いられる導電性物質としては、
導電性金属酸化物微粒子が有用であり、例えばZnO、
TiO、SnO2、Sb25、Al23、In23、S
iO2、MgO、BaO、MoO3、V25の中から選ば
れる少なくとも一種の導電性金属酸化物微粒子あるいは
それらの複合導電性金属酸化物微粒子が用いられる。上
記の中で好ましいものとして、SnO2、Sb25、S
iO2、In23、V25の少なくとも一種の導電性金
属酸化物微粒子あるいはそれらの複合金属酸化物微粒子
が挙げられ、中でも特に好ましいものは、SnO2を主
成分とし酸化アンチモンを約5〜20重量%含有させ及
び/又は更に他成分(例えば酸化ケイ素、ホウ素、リン
等)を含有させた導電性材料である。これらの導電性金
属酸化物微粒子の製造方法については特開昭55−14
3430号公報に詳細に記載されており、本発明の導電
性金属酸化物微粒子はこの方法によって製造することが
出来る。これらの導電性酸化物またはその複合酸化物の
微粒子はその体積抵抗率が107Ω・cm以下、より好
ましくは105Ω・cm以下である。またその一次粒子
サイズは0.002〜0.7μm、特に0.005〜
0.3μmであることが好ましい。得られた帯電防止層
の抵抗は1012Ω以下、より好ましくは1010Ω以下で
あり、更には109Ω以下が好ましい。
【0022】本発明に用いられる他の導電性物質として
は、イオン性導電性ポリマーが有用であり、イオン性導
電性ポリマーであれば何でも使用できるが、好ましく
は、特公昭60−45231号公報に記載されている架
橋性の第4級アンモニウム基を有するポリマー、例えば
コポリマー[N,N,N−トリメチル−N−ビニルベン
ジルアンモニウムクロライド−コ−ジビニルベンゼ
ン]、特公昭48−23451号公報に記載されている
スチレンスルホン酸ポリマー、例えばコポリマー[スチ
レンスルホン酸アルカリ金属塩−コ−スチレン]、特開
昭54−159222号公報記載のトリエチレンジアミ
ン系アイオネンポリマー、例えばトリエチレンジアミン
とキシレンジクロライドとの縮合アイオネンポリマー、
特開平7−28194号公報に記載の架橋型アイオネン
ポリマーである。ここでアイオネンポリマーとはジアミ
ンとアンモニウム基を生成するジクロライドのような化
合物との4級化反応により主鎖にアンモニウム基を持つ
ポリマーをいう。また架橋型アイオネンポリマーはアイ
オネン型の単位あるいはポリマーが架橋鎖になったり、
他のモノマーあるいはポリマーが架橋鎖を形成しかつア
イオネン型の部分を含む架橋型ポリマーをいう。これら
のポリマーの合成方法については上記特許公報に記載さ
れており、これらに従って合成することが出来る。
【0023】本発明の導電性物質としてイオン性導電性
ポリマーを用いる場合では、無機化合物微粒子を共存さ
せることが必要である。無機化合物微粒子とは前記導電
性金属酸化物微粒子であってもよく、また導電性金属酸
化物微粒子と同様な製造法による非導電性の金属酸化物
微粒子であってもよい。例えばZnO、TiO、SnO
2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、M
oO3、V25、の中から選ばれる少なくとも一種の金
属酸化物微粒子あるいはそれらの複合金属酸化物微粒子
が用いられる。上記の中で好ましいものとして、Zn
O、TiO、SnO2、Al23、SiO2、MgO、B
aOが挙げられる。
【0024】本発明の導電性物質を含む導電性層のバイ
ンダーとしては親水性あるいは疎水性バインダーのいず
れも用いられる。
【0025】親水性バインダーはゼラチン、寒天、アル
ギン酸ナトリウム、澱粉等の天然高分子化合物、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等
の変性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリ
−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、水親和
性ポリエステル等を挙げることが出来る。これらの中
で、写真層に使用されているゼラチンと下引などで使用
されている水親和性ポリエステルが使用しやすさ、導電
性物質との共存しやすさなどから好ましく使用される。
特にゼラチンは好ましく用いられる。ゼラチンには酸処
理、石灰処理、酵素処理したものがありいずれも使用し
得る。また化学処理、化学反応等による誘導体ゼラチン
も使用出来る。この中でも酸処理ゼラチン及び石灰処理
ゼラチンが特に好ましい。水親和性ポリエステルとして
は、分子内にスルホン酸塩(例えば、ナトリウム−5−
スルホフタル酸)カルボン酸塩を有するジカルボン酸塩
(例えば、モノナトリウム−トリメリック酸)とエチレ
ングリコールあるいはポリテトラメチレングリコール等
の縮合物が好ましい。
【0026】本発明の導電性層のバインダーとしての疎
水性バインダーは、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合
体、塩化ビニルと酢酸ビニルとビニルアルコールとの共
重合体、マレイン酸及び/またはアクリル酸共重合体、
塩化ビニリデンと塩化ビニルの共重合体、塩化ビニルと
アクリロニトリルの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの
共重合体、ニトロセルロース、セルロースジアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースアセテート
プロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の
セルロース誘導体、メチルメタクリレート樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹
脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、スチレンブタジエン共重合体、ブタジエンアクリロ
ニトリル共重合体、シリコン樹脂等を挙げることが出来
る。これらのうち、セルロース誘導体、塩化ビニル酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体が
好ましく用いられる。特にセルロースジアセテート、セ
ルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピ
オネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロ
ースアセテート類が好ましい。
【0027】本発明の導電性金属酸化物微粒子を用いる
場合の金属酸化物微粒子とバインダーとの比率はバイン
ダー100重量部に対して導電性金属酸化物微粒子20
重量以上1000重合部以下であることが好ましい。よ
り好ましくは75重量部以上600重量部以下であり、
さらに好ましくは120重量部以上350重量部以下で
ある。
【0028】本発明のイオン性導電性ポリマーを用いる
場合の導電性ポリマーはバインダー100重量部に対し
て20重量部以上であり、50重量部以上が好ましい。
また特にバインダーを加えなくとも本発明を実施し得
る。またこの場合のイオン性導電性ポリマーと共存させ
る無機化合物微粒子の添加量としては、バインダー10
0重量部に対して、20重量部以上1000重量部以
下、好ましくは75重量部以上600重量部以下、更に
好ましくは120重量部以上350重量部である。
【0029】本発明の導電性層には該層を強固にするた
めのバインダーに対する硬化剤を含んでもよい。バイン
ダーが親水性バインダーの場合にはアルデヒド系化合物
類、ケトン化合物類、反応性のハロゲンを有する化合物
類、反応性のオレフィンを有する化合物類、N−ヒドロ
キシメチルフタルイミド、N−メチロール化合物類、イ
ソシアナート類、アジリジン化合物類、酸誘導体類、エ
ポキシ化合物類、ハイドロカルボキシアルデヒド類及び
無機化合物系硬膜剤等を挙げることができる。硬膜剤の
添加量は通常バインダーに対して1乃至50重量%であ
り、好ましくは5乃至30重量%である。
【0030】本発明の導電性層には本発明の効果を損な
わない範囲で、各種の添加剤として、マット剤、磁性
粉、研磨剤、界面活性剤などを加えることができる。
【0031】本発明に用いられるワックス状物質とは通
常ワックスあるいは滑り剤と言われているもので、例え
ば、下記一般式で表される。
【0032】一般式 R1COR2 式中、R1は炭素原子数12以上の飽和または不飽和の
脂肪族炭化水素基を表し、好ましくはアルキル基または
アルケニル基を表し、さらに良好な性質を得るために
は、炭素原子数が16以上のものが、特に望ましい。R
2は−OM基(MはNa、K等のアルカリ金属を表
す)、−OH基、−NH2基、または−OR3基(R3
炭素原子数12以上の飽和または不飽和の脂肪族炭化水
素基、好ましくはアルキル基またはアルケニル基を表
す)を表し、R2としては−OH基、−NH2基または−
OR3基が好ましい。具体的には、ベヘン酸、ステアリ
ン酸アミド、ペンタコ酸等の高級脂肪酸あるいはその誘
導体、天然ものとしてこれらの成分を多く含んでいるカ
ルナバワックス、蜜蝋、モンタンワックスも好ましく使
用出来る。特公昭53−292号公報に開示されている
ようなポリオルガノシロキサン、米国特許第42751
46号明細書に開示されているような高級脂肪酸アミ
ド、特公昭58−33541号公報、英国特許第927
446号明細書あるいは特開昭55−126238号及
び同58−90633号公報に開示されているような高
級脂肪酸エステル(炭素数10〜24の脂肪酸と炭素数
10〜24のアルコールのエステル)、そして米国特許
第3933516号明細書に開示されているような高級
脂肪酸金属塩、特開昭51−37217号公報に開示さ
れているような炭素数10までのジカルボン酸と脂肪族
または環式脂肪族ジオールからなるポリエステル化合
物、特開平7−13292号公報に開示されているジカ
ルボン酸とジオールからのオリゴポリエステル等を挙げ
ることが出来る。
【0033】本発明のワックス状物質の塗設量は3乃至
100mg/m2、好ましくは5乃至60mg/m2であ
る。本発明の滑りにくく、かつ耐擦り傷性に優れた帯電
防止層は、既に写真用支持体上に塗設されている導電性
層のすぐ上に、ワックス状物質を含有し、実質的にバイ
ンダーを含まない液を塗布することによって得られる。
本発明でいう「バインダーを実質的に含まない」とはワ
ックス状物質塗布液中のバインダーがワックス状物質に
対して20%未満(好ましくは2%未満)であることを
意味する。
【0034】本発明の導電性物質は導電性金属酸化物が
好ましく、本発明の効果を得るためには、導電性金属酸
化物の粒状性が本発明の効果をより発現させるのに重要
な役割を持つ。すなわち、導電性層のすぐ上にワックス
状物質を含む液を塗設すると、塗布液がワックス状物質
と共に導電性層に浸透し、従来のワックス層を塗設する
方法と滑り性とは全く異なった挙動を示すことを本発明
者は発見した。通常の滑り性を発現させる方法として
は、導電性層の上に保護層のようなバインダー層を少な
くとも1層設け、その上に滑り剤を含む液を塗設する
か、またバインダーと滑り剤を含む液を導電性層の上に
塗設する方法であり、いずれも表面層は滑り易くなり、
トラブルも多くなるのが一般的である。
【0035】これに対して本発明はそれらとは異なる表
面をしており、実際に滑りにくい性質を有している。本
発明のこの現象の理由は定かでないが、導電性金属酸化
物粒子があることが重要な因子となって、該帯電防止層
の表面近くにワックス状物質が多く存在する局在化のよ
うな状態で、他の方法による表面層ほど表面にワックス
状物質が存在しないのではないかと本発明者は考えてい
る。しかも耐擦り傷性が向上することから、かなり導電
性層の奥にまでワックス状物質が存在しているようにも
思える。このように、本発明は従来の滑り性を付与して
耐擦り傷性を改良するという方法とは全く異なるもので
ある。
【0036】本発明のもう一つの導電性層の導電性物質
はイオン性導電性ポリマーで、この場合には無機化合物
微粒子の存在が必要であって、上記と同様にこの導電性
層の上に、バインダーを実質的に含まないワックス状物
質を含む液を、塗布することによって本発明の効果が得
られることが分かった。従来のイオン性導電性ポリマー
を用いた技術は、バインダー中にイオン性ポリマー導電
性物質を含む層の上にバインダーを含む保護層を設け、
その上に滑り剤を含む層を設ける方法、あるいはイオン
性導電性物質を含む層の上にバインダーと滑り剤を含む
層を設ける方法等があるが、いずれも導電性はあるもの
の滑り易く、搬送性に問題があった。またこれらの導電
性層あるいは保護層にはコロイダルシリカのような無機
化合物微粒子が添加されている場合もあるが、本発明の
添加量以下であり、本発明のような効果は発現しない。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
る写真用支持体は従来使用している公知のプラスチック
フィルムが使用できる。好ましい写真用支持体としては
セルローストリアセテート及びセルロースジアセテート
等のセルロース誘導体、ポリエチレンテレフタレート及
びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカ
ーボネート、バライタ塗布紙、レジンコート紙、ガラス
等を挙げることが出来る。
【0038】上記写真用支持体のうち、本発明に使用さ
れるポリエステルフィルム支持体は、その表面が疎水性
であるため通常はこれらの下引層のみならず、各種表面
処理を予め行うことによってその接着性を補っている。
このような表面処理とは、コロナ放電処理、火焔処理、
紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズ
マ処理、レーザー処理などの表面活性化処理の他、レゾ
ルシン、フェノール類、アルカリ、アミン、トリクロル
酢酸などの薬品でエッチング処理する方法が挙げられ
る。
【0039】表面活性化処理のうち、コロナ放電処理
は、最もよく知られている方法であり、従来公知のいず
れの方法、例えば特公昭48−5043号、同47−5
1905号、特開昭47−28067号、同49−83
769号、同51−41770号、同51−13157
6号等に開示された方法により達成することができる。
【0040】放電周波数は50Hz〜5000kHz、
好ましくは5kHz〜数100kHzが適当である。放
電周波数が小さすぎると、安定な放電が得られずかつ被
処理物にピンホールが生じ、好ましくない。また周波数
が高すぎると、インピーダンスマッチングのための特別
な装置が必要となり、装置の価格が大となり、好ましく
ない。被処理物の処理強度に関しては、通常のポリエス
テル、ポリオレフィン等のプラスチックフィルムの濡れ
性改良のためには、0.001kV・A・分/m2〜5
kV・A・分/m2、好ましくは0.01kV・A・分
/m2〜1kV・A・分/m2、が適当である。電極と誘
電体ロールのギャップクリアランスは0.5〜2.5m
m、好ましくは1.0〜2.0mmが適当である。
【0041】多くの場合、最も効果的な表面処理である
グロー放電処理は、従来知られているいずれの方法、例
えば特公昭35−7578号、同36−10336号、
同45−22004号、同45−22005号、同45
−24040号、同46−43480号、米国特許3,
057,792号、同3,057,795号、同3,1
79,482号、同3,288,638号、同3,30
9,299号、同3,424,735号、同3,46
2,335号、同3,475,307号、同3,76
1,299号、英国特許997,093号、特開昭53
−129262号等を用いることができる。グロー放電
処理条件は、一般に圧力は0.005〜20Torr、
好ましくは0.02〜2Torrが適当である。圧力が
低すぎると表面処理効果が低下し、また圧力が高すぎる
と過大電流が流れ、スパークが起こりやすく、危険でも
あるし、被処理物を破壊する恐れもある。放電は、真空
タンク中で1対以上の空間を置いて配置された金属板あ
るいは金属棒間に高電圧を印加することにより生じる。
この電圧は、雰囲気気体の組成、圧力により色々な値を
とり得るものであるが、通常上記圧力範囲内では、50
0〜5000Vの間で安定な定常グロー放電が起こる。
接着性を向上せしめるのに特に好適な電圧範囲は、20
00〜4000Vである。また、放電周波数として、従
来技術に見られるように、直流から数1000MHz、
好ましくは50Hz〜20MHzが適当である。放電処
理強度に関しては、所望の接着性能が得られることから
0.01kV・A・分/m2〜5kV・A・分/m2、好
ましくは0.15kV・A・分/m2〜1kV・A・分
/m2、が適当である。
【0042】本発明に係わるハロゲン化銀写真感光材料
のハロゲン化写真銀乳剤は、例えばリサーチ・ディスク
ロージャー(RD)No.17643、22〜23頁
(1978年12月)“I.乳剤製造(Emulsio
n preparationand types)”及
び同(RD)No.18716、648頁、グラフキデ
著『写真の物理と化学』ポールモンテル社刊(P.Gl
afkides,Chemic et Phisiqu
e Photographique,PaulMont
el,1967)、ダフィン著『写真乳剤化学』フォー
カルプレス社刊(G.F.Duffin,Photog
raphic Emulsion Chemistr
y,Focal Press 1966)、ゼリクマン
ら著『写真乳剤製造と塗布』フォーカルプレス社刊
(V.L.Zelikman etal,Making
and Coating Photographic
Emulsion,Focal Press,196
4)などに記載された方法を用いて調製することができ
る。
【0043】ハロゲン化銀写真乳剤は米国特許第3,5
74,628号明細書、同第3,665,394号明細
書及び英国特許第1,413,748号明細書に記載さ
れた単分散乳剤も好ましい。
【0044】ハロゲン化銀写真乳剤には、物理熟成、化
学熟成及び分光増感を行うことができる。このような工
程で使用される添加剤は、RDNo.17643,同N
o.18716及び同No.308119(それぞれ、
以下RD17643、RD18716及びRD3081
19と略す)に記載されている。
【0045】本発明のハロゲン化銀写真感光材料がカラ
ー写真感光材料である場合、使用することができる写真
用添加剤も上記RDに記載されている。また、種々のカ
プラーを使用することができ、その具体例もRD176
43及びRD308119に記載されている。
【0046】また、これら添加剤は、RD308119
1007頁 XIV項に記載されている分散法などによ
り、写真感光層に添加することができる。
【0047】カラー写真感光材料には、前述のRD30
8119 VII−K項に記載されているフィルター層や
中間層などの補助層を設けることができる。
【0048】カラー写真感光材料を構成する場合、前述
のRD308119 VII−K項に記載されている順
層、逆層、ユニット構成などの様々な層構成をとること
ができる。
【0049】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を現像
処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、セオリイ
オブ ザ ホトグラフィック プロセス第4版(Th
eTheory of The Photografi
c Process Forth Edition)第
291頁〜第334頁及びジャーナル オブ ザアメリ
カン ケミカル ソサエティ(Journal of
the American Chemical Soc
iety)第73巻、第3,100頁(1951)に記
載されている、それ自体公知の現像剤を使用することが
できる。また、カラー写真感光材料は前述のRD176
43 28〜29頁,RD18716 615頁及びR
D308119 XIXに記載された通常の方法によっ
て、現像処理することができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0051】本実施例では次のような試験を行って、評
価を行った。
【0052】(動摩擦係数の測定)現像処理後の試料の
バック面を23℃、55%RHの雰囲気下で、24時間
調湿した後、協和科学(株)製の摩擦係数測定器DF・
PM APPARATUSによってクロム球を用いて測
定した。
【0053】(耐擦り傷性試験)現像前後の試料を23
℃、55%RHの雰囲気下で24時間調湿した後、HE
IDON−18引っ掻き強度試験器を用いて、試料バッ
ク面に先端の直径が25μmのサファイア針を垂直に当
て、連続荷重0〜50gをかけて10mm/秒の速度で
引っかく。引っかき後の試料をシャーカステンにのせ透
過で傷が見え始める耐荷重強度を耐傷性とした。数値が
大きいほど耐擦り傷性は良好である。
【0054】(表面比抵抗値の測定)現像前の試料を2
3℃、20%RHにて24時間調湿し、試料のバック面
を川口電機株式会社製テラオームメーターモデルVE−
30を用いて測定した。
【0055】(ワックス状物質転写性試験)1本のクロ
ムメッキされた表面の滑らかな幅50cmまた直径10
cmの駆動ロール、回転自由の同様な表面をもち同じサ
イズのフリーロールと回転自由の同様な表面を持ち同じ
サイズのテンションロールをそれぞれ平行に配し、駆動
ロールとフリーロールの間隔を40cmに固定し、テン
ションロールと一緒に三本のロールを中にして幅30c
m、長さ120cmの大きさの試料をバック面がロール
に接するようにエンドレスにつなげ、テンションロール
を下げることによって試料に張力を3kg/30cmで
与え、ラインスピード100m/分で10分間回転させ
た。なお、試料は23℃、55%RHの雰囲気下で、2
4時間調湿したしたものを用い、この試験も同様の条件
雰囲気で行った。終了後、試料を外し、次に後述のS−
1層をもつ別の下引済みの幅30cm、長さ120cm
のセルローストリアセテートベースの下引面をロールに
接するようにして、同様の条件で回転搬送させた。この
下引済みのベース試料を40℃のメチルバイオレット1
重量%溶液に5分間浸漬してから、吊るして乾燥させ、
20cm×20cmの大きさの試料を3枚切り出し、そ
の試料の染色されなかった点の数をカウントし、3枚の
平均数を転写度として次のように評価した。なお、一回
の試験ごとに各ロールをワックス状物質が残らないよう
にメチレンクロライドで洗浄し、さらにアセトンで洗浄
し、次の試験に供した。
【0056】 A:未染色部分はなかった B:未染色部分が1個 C:未染色部分が5個未満 D:未染色部分が5個以上20個未満 E:未染色部分20個以上多数 (搬送性不良評価法)コニカ(株)製ノッチャーKPN
−1200DXのゴムロールのニップ力を1kgに調整
し、撮影、現像処理した24枚撮りの35mmフィルム
を通した。本来のノッチ位置に対するずれを評価した。
【0057】 A.全くズレはない B.1mm未満のズレが数コマある C.1〜3mm未満のズレが数コマある D.3mm以上のズレが数コマから全コマにわたる。
【0058】[実施例1]セルローストリアセテートフ
ィルム(厚さ120μm)の一方の面に下引層塗布液S
−1を乾燥膜厚0.1μmに塗布し下引層S−1とし、
他方の面に、導電性層塗布液O−1、O−2及びO−
3、または比較用の導電性層塗布液としてO−4または
O−5を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布してそれ
ぞれの導電性層をO−1、O−2、O−3、O−4及び
O−5とした。その上にワックス状物質を含む塗布液W
−1またはW−2をウェット膜厚25μmになるように
塗布し本発明の帯電防止層とした。また、O−1の上に
保護層塗布液Pro−1を乾燥膜厚0.1μmになるよ
うに塗布して保護層Pro−1とし、更にその上にW−
1をウェット膜厚15μm塗布した。また導電性層O−
1の上に保護層塗布液P−2またはP−3を乾燥膜厚
0.1μmになるように塗布して保護層Pro−2また
はPro−3とした。各層はそれぞれ塗布後80℃で1
0秒間、引き続き110℃で1分間乾燥を実施した。
【0059】 〈下引層塗布液S−1〉 酢酸ビニル−無水マレイン酸交互共重合体 3g アセトン 810g 酢酸エチル 150g イソプロパノール 40g 〈導電性層塗布液O−1〉酸化スズ−酸化アンチモン複
合微粒子(平均粒径0.05μm)とセルロースジアセ
テートは、表1の比率になるようにする。あわせた固形
分量は2重量%である。
【0060】 アセトン 800g シクロヘキサノン 200g 〈導電性層塗布液O−2〉酸化スズ−酸化アンチモン複
合微粒子(平均粒径0.05μm)の水分散液(固形分
40重量%)とゼラチンは表1の比率になるようにす
る。あわせた固形分量は5重量%である。
【0061】 水 270g メタノール 420g アセトン 100g ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂(アジピン酸とジエチレントリ アミンの反応生成物をエピクロルヒドリンに常法で反応させた合成物) 固形分で0.5g ポリ(重合度10)オキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.1g 〈導電性層塗布液O−3〉 酸化スズ−酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 14g セルロースジアセテート 6g カルナバワックス 1g アセトン 700g シクロヘキサノン 200g トルエン 100g 〈導電性層塗布液O−4〉 酸化スズ−酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 14g セルロースジアセテート 6g カルナバワックス 6g アセトン 700g シクロヘキサノン 200g トルエン 100g 〈塗布液W−1〉90℃に加熱した水100重量部にポ
リオキシエチレンラウリルエーテル4重量部を混合し、
別に90℃で溶融しておいたカルナバワックス40重量
部をこれに添加した後、高速撹拌式ホモジナイザーを用
いて充分に撹拌し、カルナバワックスの分散液(WAX
1)を作成した。次に水500重量部、メタノール45
0重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル50重量部を混合し、これにWAX1を5重量部添加
して撹拌した。
【0062】 〈塗布液W−2〉 カルナバワックス 2g トルエン 700g メチルエチルケトン 300g 〈保護層塗布液Pro−1〉 セルロースジアセテート 10g アセトン 490g 酢酸エチル 200g トルエン 300g 〈保護層塗布液Pro−2〉 セルロースジアセテート 10g カルナバワックス 0.5g アセトン 490g 酢酸エチル 200g トルエン 300g 〈保護層塗布液Pro−3〉 セルロースジアセテート 10g カルナバワックス 3g アセトン 490g 酢酸エチル 200g トルエン 300g 前記下引層S−1の上に、特開平7−248573号公
報の段落0080に記載の実施例1の写真構成層(第1
〜12層)を塗設し、多層カラー写真感光材料(以下カ
ラーネガフィルムと呼ぶこともある)を作成した。
【0063】更に、得られたカラーネガフィルムに下記
の現像処理を行い、現像処理前後で評価した。
【0064】 〈現像処理〉 1. カラー現像 ・・・・ 3分15秒 38.0±0.1℃ 2. 漂 白 ・・・・ 6分30秒 38.0±3.0℃ 3. 水 洗 ・・・・ 3分15秒 24〜41℃ 4. 定 着 ・・・・ 6分30秒 38.0±3.0℃ 5. 水 洗 ・・・・ 3分15秒 24〜41℃ 6. 安 定 ・・・・ 3分15秒 38.0±3.0℃ 7. 乾 燥 ・・・・ 50℃以下 各工程に用いる処理液組成を以下に示す。
【0065】 〈発色現像液〉 4−アミノ・3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとする(pH=10.1) 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH6.0に調整する。
【0066】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH6.0に調整する。
【0067】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1リットルとする。
【0068】現像前後のカラーネガフィルムについて動
摩擦係数、耐擦り傷性、表面比抵抗、ワックス状物質転
写、搬送性不良の試験を行い評価をした。
【0069】評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】上記の結果から、本発明の帯電防止層は滑
り過ぎることなく、耐擦り傷性に優れ、搬送不良、搬送
中のワックス状物質の脱落もなく優れた性質を有してい
ることがわかった。それに対して、予めワックス状物質
を導電性層に含ませたり、導電性層の保護層に含ませた
り、また導電性層の保護層の上にワックス状物質を含む
液を塗布したりしたものは、あまり滑らなくとも耐擦り
傷性が悪かったり、耐擦り傷性がよくとも滑りやすく搬
送性やワックス状物質が脱落しやすかったり滑り性と耐
擦り傷性との両立するものは得られなかった。導電性層
にワックス状物質が少量であれば搬送性は良好である
が、耐傷性に劣り、一方、ワックス状物質を多量に含む
場合、耐擦り傷性は良好だが搬送不良を起こし易いとい
う従来と同じような結果が得られた。
【0072】[実施例2]ポリエチレンナフタレート
(PEN)チップを300℃でTダイから層状に溶融押
し出し、50℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着
させ、冷却固化させ未延伸シートを得た。この未延伸シ
ートをロール式縦延伸機を用いて、135℃で縦方向に
3.3倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムをテンタ
ー式延伸機を用いて、第一延伸ゾーン145℃で総横延
伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン155℃
で総横延伸倍率が3.3倍になるように延伸した。次い
で、100℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱固定ゾー
ン200℃で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン240
℃で15秒間熱固定した。次いで、横方向に5%弛緩処
理しながら室温まで30秒かけて徐冷して、厚さ90μ
mのPENフィルムを得た。
【0073】支持体の一方の面に12W/(m2・mi
n)のコロナ放電処理を施し、下引層塗布液S−2を乾
燥膜厚0.4μmになるように塗布し下引層S−2と
し、その上に12W/(m2・min)のコロナ放電処理
を施し、下引層塗布液S−3を乾燥膜厚0.06μmに
なるように塗布し下引層S−3とした。
【0074】支持体の他方の面には、12W/(m2
min)のコロナ放電処理を施し、下引層塗布液S−4
を0.2μmになるように塗布し下引層S−4とし、そ
の上に導電性塗布液O−5を0.1μmになるように塗
布し導電性層O−5とし、更にその上にワックス状物質
を含む塗布液W−2またはW−3をウェット膜厚15μ
mになるように塗布し本発明の帯電防止層とした。保護
層塗布液Pro−4を導電性層O−5の上にウェット膜
厚15μmで塗布し保護層Pro−4とした。下引層S
−4の上に保護層塗布液O−6またはO−7を0.1μ
mになるように塗布した。各層はそれぞれ塗布後80℃
で10秒間、引き続き110℃で1分間乾燥を実施し
た。
【0075】 〈下引層塗布液S−2〉 ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、 スチレン25重量%および2−ヒドロキシエチルアクリレート 25重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 125g 化合物(UL−1) 0.4g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 1.0g 水で仕上げる 1000ml 〈下引層塗布液S−3〉 ゼラチン 10g 化合物(UL−1) 0.2g 化合物(UL−2) 0.2g 化合物(UL−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で仕上げる 1000ml
【0076】
【化1】
【0077】 〈下引層塗布液S−4〉 ゼラチン 10g 水 270g メタノール 520g ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂(アジピン酸とジエチレントリアミン の反応生成物をエピクロルヒドリンに常法で反応させた合成物) 固形分で0.5g ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(重合度10) 0.1g 〈導電性層塗布液O−5〉 酸化スズ−酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 48g セルロースジアセテート 20g 日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041(固形分50重量%) 4g コロイダルシリカ(エアロジル平均粒径0.02μm) 1g アセトン 700g シクロヘキサノン 300g 〈導電性層塗布液O−6〉 酸化スズ−酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 48g セルロースジアセテート 20g 日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041(固形分50重量%) 4g コロイダルシリカ(エアロジル平均粒径0.02μm) 1g カルナバワックス 3.3g アセトン 500g シクロヘキサノン 200g トルエン 300g 〈導電性層塗布液O−7〉 酸化スズ−酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 48g セルロースジアセテート 20g 日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041(固形分50重量%) 4g コロイダルシリカ(エアロジル平均粒径0.02μm) 1g カルナバワックス 20g アセトン 500g シクロヘキサノン 200g トルエン 300g 〈塗布液W−3〉 n−C1735COOC3061−n 1.6g n−C3061O(CH2CH2O)10H 0.4g キシレン 1000g 〈保護層塗布液Pro−4〉 セルロースジアセテート 10g n−C1735COOC3061−n 1.6g n−C3061O(CH2CH2O)10H 0.4g キシレン 600g アセトン 400g 得られた各試料について、実施例1と同様に写真構成層
を塗設し、現像処理を行い、動摩擦係数、耐擦り傷性、
表面比抵抗値、ワックス状物質転写、搬送性を評価し
た。
【0078】評価結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】上記の結果から、本発明の帯電防止層は、
耐擦り傷性が強く、搬送性もよく、ワックス状物質転写
もなかったのに対し、ワックス状物質をあらかじめ導電
性層に添加したり、保護層を設けたりしたものは耐擦り
傷性、搬送性、ワックス状物質転写等が悪かった。
【0081】[実施例3]セルローストリアセテート写
真用支持体の片面に実施例1の下引層S−1の反対面
に、下記の導電性層塗布液を乾燥膜厚が0.1μmにな
るように塗布し、それぞれ塗布された面を導電性層O−
8、O−9、O−10及びO−11とした。
【0082】〈導電性層塗布液O−8〉特開昭53−4
5231号公報第6頁右下のコラム(22)に記載の方
法でコポリマー[N−ビニルベンジル−N,N,N−ト
リメチルアンモニウムクロライド−コ−エチレングリコ
ールジメタクリレート](97:3)を合成し、T−1
とした。また特開昭55−143430号公報に記載さ
れている方法でAl23微粒子を製造した。
【0083】 T−1 20g セルロースジアセテート(アセチル化度39%) 40g アセトン 55g メタノール 45g Al23 120g 〈導電性層塗布液O−9〉特公昭48−23451号公
報に記載されているコポリマー[ナトリウムスチレンス
ルホネート−コ−スチレン](60:40)をT−2と
した。
【0084】 T−2 25g セルロースジアセテート(同上) 40g アセトン 55g メタノール 45g Al23 120g 〈導電性層塗布液O−10〉特開昭54−159222
号公報に記載のトリメチレジアミンとキシリデンクロラ
イドとのアイオネンポリマーをT−3とした。
【0085】 T−3 20g セルロースジアセテート(同上) 40g アセトン 55g メタノール 45g Al23 120g 〈導電性層塗布液O−11〉特開平7−28194号公
報に記載されているP−4(トリメチレンジアミンとキ
シリデンクロライドとのアイオネンポリマー鎖の両端が
ビニルベンジルクロライドと4級化されて結合された架
橋型モノマーを重合したもの)をT−4とした。
【0086】 T−4 20g セルロースジアセテート(同上) 40g アセトン 55g メタノール 45g Al23 120g 導電性層O−8、O−9、O−10及びO−11の上に
実施例1のワックス状物質を含む塗布液W−1をウェッ
ト膜厚15μmになるように塗布し本発明の帯電防止層
とした。一方比較用の導電性層O−8、O−9、O−1
0及びO−11の上に実施例1の保護層塗布液Pro−
3をウェット膜厚15μmになるように塗布し、保護層
Pro−3とした。
【0087】実施例1と同様に、下引層S−1の上に特
開平7−248573号公報の段落0080に記載の実
施例1の写真構成層(第1〜12層)を塗設し、多層カ
ラー写真感光材料を作成した。また実施例1と同様に得
られたカラーネガフィルムに以下の処理を行い、現像後
の評価を行った。
【0088】評価結果を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】上記の結果から、イオン性導電性ポリマー
と無機化合物微粒子を含有する層にワックス状物質を含
む液を塗布した本発明の帯電防止層は滑りにくく、しか
も耐擦り傷性、搬送性あるいはワックス状物質の転写が
優れているのに対し、イオン性導電性ポリマーと無機化
合物微粒子を含有する層にバインダーとワックス状物質
を含む層を塗設した比較例は滑りやすく、搬送性、ワッ
クス状物質の転写が劣っていることがわかった。イオン
性導電性ポリマーと無機化合物微粒子を含む層にワック
ス状物質を含む液を塗布したものは、先の実施例1及び
2に示した導電性金属酸化物微粒子の場合と同様に、イ
オン性導電性ポリマーでも滑りにくく、耐擦り傷性、あ
るいは搬送性等の良好なハロゲン化銀写真感光材料を得
ることが出来た。
【0091】
【発明の効果】本発明により、今までハロゲン化銀写真
感光材料の耐擦り傷性を付与するには滑り性を付与させ
ることが一般的であったが、本発明の導電性金属酸化物
微粒子を含む層に実質的にバインダーを含まずワックス
状物質を含む液を塗布することによって、またはイオン
性導電性ポリマーと無機化合物微粒子を含む層に上記と
同様なワックス状物質を含む塗布液塗布することによっ
て、滑りにくく、かつ耐擦り傷性に優れたハロゲン化銀
写真感光材料を得ることが出来た。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真用支持体の感光性ハロゲン化銀乳剤
    層を有する面とは反対側の面に、導電性物質を含む導電
    性層の上に、ワックス状物質を含有し、実質的にバイン
    ダーを含まない液を塗布して帯電防止層とした層を有す
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記導電性物質が導電性金属酸化物微粒
    子であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記ワックス状物質を含有する液が水を
    主成分とする液であることを特徴とする請求項1または
    2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記導電性層のバインダーがゼラチンを
    主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 前記導電性層のバインダーがセルロース
    アセテート類を主成分とすることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 前記導電性層がバインダー100重量部
    に対して導電性金属酸化物微粒子を20重量部以上10
    00重量部以下含有することを特徴とする請求項4また
    は5に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】 前記帯電防止層が最外層を構成すること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
  8. 【請求項8】 写真用支持体の感光性ハロゲン化銀乳剤
    層を有する面とは反対側の面に、イオン性導電性ポリマ
    ー及び無機化合物微粒子を含む導電性層の上に、ワック
    ス状物質を含有し、実質的にバインダーを含まない液を
    塗布して帯電防止層とした層を有することを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  9. 【請求項9】 前記ワックス状物質を含む液が水を主成
    分とする液であることを特徴とする請求項8に記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  10. 【請求項10】 前記導電性層のバインダーがセルロー
    スアセテート類を主成分とすることを特徴とする請求項
    8または9に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  11. 【請求項11】 前記帯電防止層が最外層を構成するこ
    とを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
JP22634897A 1997-08-22 1997-08-22 ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH1165023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22634897A JPH1165023A (ja) 1997-08-22 1997-08-22 ハロゲン化銀写真感光材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22634897A JPH1165023A (ja) 1997-08-22 1997-08-22 ハロゲン化銀写真感光材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1165023A true JPH1165023A (ja) 1999-03-05

Family

ID=16843762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22634897A Pending JPH1165023A (ja) 1997-08-22 1997-08-22 ハロゲン化銀写真感光材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1165023A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010256908A (ja) 映画用ハロゲン化銀写真感光材料
US5472833A (en) Silver halide photographic film utilizing cellulose triacetate support with two antistatic layers
US6440654B1 (en) Photographic element containing an electrically-conductive layer
JPH0324657B2 (ja)
JPH1165023A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPS6398656A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
US5565311A (en) Silver halide photographic material
JPH0120734B2 (ja)
JPH10254090A (ja) モーションイメージングフィルム
JPH0429134A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2002006447A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH11327081A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3410837B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
JP3123872B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH10246933A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP4505402B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2879263B2 (ja) 写真用支持体及びその製造方法
JP3496180B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及び磁気記録媒体
JPH0554933B2 (ja)
JPH01245253A (ja) 耐電防止されたハロゲン化銀写真感光材料
JPH02110447A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2004021191A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH032750A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH1062905A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH07209800A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料