JPH1164325A - 脱炭層の深さ測定方法 - Google Patents

脱炭層の深さ測定方法

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JPH1164325A
JPH1164325A JP9227068A JP22706897A JPH1164325A JP H1164325 A JPH1164325 A JP H1164325A JP 9227068 A JP9227068 A JP 9227068A JP 22706897 A JP22706897 A JP 22706897A JP H1164325 A JPH1164325 A JP H1164325A
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Takayoshi Mizukami
貴義 水上
Katsuyasu Aikawa
勝保 相川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像処理の手法を用いることにより、脱炭層
の深さを自動的にかつ正確に測定する方法を提供する。 【解決手段】 被検査物体の断面画像を撮像、画像分割
し(S1)、シェーディング補正を行った後(S2)、
最大値化処理、最小値化処理を組み合せて行う(S3)
この際、最大値化処理の回数を、最小値化処理の回数以
上とする。そして、平均値化処理を行った後(S4)、
画像を2値化する(S5)。白画素中に島状に存在する
黒画素を消去して穴埋め処理を行い(S7)、被検査物
体表面に垂直な測定線に沿って連続する白画素の数を測
定することにより脱炭層の深さを判定する(S9)。白
画素が点在する場合には、それらの距離に応じて連続し
たものかどうかを判定する(S8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材等の表面に現
れる脱炭層の深さを測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車や産業機械等の部材に用いられる
特殊鋼をはじめとする鉄鋼材料(鋼材)は、圧延や熱処
理等の製造過程で雰囲気中の酸素に触れると、鋼材中の
炭素と雰囲気中の酸素が反応し、CO、CO2として鋼
材から散逸する。従って、鋼材の表面及び表面近傍の炭
素含有率が鋼材内部の炭素含有率と異なることになる。
これを脱炭と称し、炭素が少なくなっている部分を脱炭
層と称する。この脱炭層は強度が低いので、鋼材が製品
に加工された場合、強度不足の問題を起こす可能性があ
る。
【0003】従って、鋼材メーカからユーザへ製品を出
荷する場合、所定処理後の脱炭層の深さを検査し、それ
が許容できる範囲のものであることを保証することが必
要である。
【0004】脱炭層の深さの検査として、鋼材の一部を
切り出して周囲を樹脂で固めたサンプルを作り、このサ
ンプルの切り出し面を顕微鏡等により拡大して検査する
ことが行われてきた。腐食液を用いて腐食させ検鏡した
場合、脱炭したところは脱炭していないところと比較し
て色差があるので、写真撮影を行い、鋼材サンプルの深
さを調べる方法も行われてきた。
【0005】いずれにしても、脱炭層の深さの測定は目
視により行われてきたので、人によるバラツキがあり、
かつ、検査に熟練を要するという問題点があった。
【0006】これを解決する方法として、特開平4−1
74357号公報、特開平4−174358号公報に
は、鋼材断面を撮像手段によって撮像し、画像データの
鋼材表面から内部に向かう濃淡度の変化を検出すること
により脱炭層の深さを検出する方法が開示されている。
その方法を図6及び図7に示す。
【0007】図6において、100は鋼材サンプル、1
01は鋼材片、102は樹脂である。まず、鋼材片10
1の周辺部分の画面F1の画像を取り込む。1画面は2
55個のセクタに分割されており、各セクタの濃度デー
タが加算されてRAMに格納される。次に、鋼材片10
1を載せたX−Yステージが移動し、画面F2の画像が
取り込まれて同様に処理される。以下、画面F3、F
4、…についても順次この操作が行われる。
【0008】各画面毎にRAMに書き込まれた濃度デー
タの加算値と鋼材片101の中心から各画面までの距離
のグラフを作り、それを平滑化すると、図7が得られ
る。図7において、鋼材片101のエッジAから鋼材片
101の脱炭していない表面濃度になる点Bまでの距離
が脱炭深さDTであると判定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、特開平4
−174357号公報、特開平4−174358号公報
に開示される方法は、脱炭層の深さを自動的に測定する
ことができるが、発明者等が実際にテストを行ってみた
ところ、必ずしも全ての条件の場合に脱炭層の深度が正
確に図れないことが分かった。この理由は明らかではな
いが、鋼材の断面の濃度は複雑な分布をしており、これ
らがノイズとなって測定精度を悪化させているものと考
えられる。
【0010】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、画像処理の手法を用いることによ
り、脱炭層の深さを自動的にかつ正確に測定する方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題は、表面から内
面に向かって脱炭層が存在する被検査対象物の表面付近
の断面を撮像手段により撮影し、撮像された画像を画素
に分解し、各画素に対して複数回の最大値化処理と、最
大値化処理回数に等しいか少ない回数の最小値化処理を
行った後に、各画像を2値化し、2値化された画素のう
ち高明度に対応する値を有する画素が被検査対象物の表
面から表面に垂直な方向に連続する長さを各位置につい
て測定し、脱炭層の深さと判定することを特徴とする脱
炭層の深さ測定方法(請求項1)により解決される。
【0012】このような画像処理を行うことにより、脱
炭層と脱炭層でない部分の区別が強調され、脱炭層を正
確に認識できるので、正確な深さ測定ができる。
【0013】ここに、「最大値化処理」とは、ある画素
とその周辺画素の持つ値のうち最大のものを該当する
「ある画素」の値とする処理であり、「最小値化処理」
とは、ある画素とその周辺画素の持つ値のうち最小のも
のを該当する「ある画素」の値とする処理である。
【0014】また、各位置で測定された脱炭層の深さの
最大値をもって全脱炭層深さとすることにより(請求項
2)、全脱炭層深さを正確に測定することができる。
【0015】各画像を2値化したときに、2値化された
画素のうち高明度に対応する値を有する画素によって囲
まれた、低明度に対応する値を有する画素が島状に残る
ことがある。このような場合には、請求項1に記載の方
法のみであると、島状の低明度に対応する画素の表面側
までの深さを脱炭層の深さと判定してしまうことにな
り、正確な測定ができない。そこで、このようなことが
発生したとき、2値化に続いて、2値化された画素のう
ち高明度に対応する値を有する画素によって囲まれた、
低明度に対応する値を有する画素の値を反転させて高明
度に対応する値とする(穴埋め)を行うことにより(請
求項3)、上記のような誤判定を回避することができ
る。
【0016】検査対象物が、低炭素含有鋼材(炭素含有
率が共晶点近傍の0.7重量%未満のもの)である場合
は、最大値化処理を3回連続して行った後、最小値化処
理を2回連続して行うこと(請求項4)により、特に、
脱炭層と通常部分の区別を強調することができる。
【0017】これに対し、被検査対象物が高炭素含有鋼
材(炭素含有率が共晶点近傍の0.7重量%以上のもの)
である場合は、最大値化処理を2回連続して行った後、
最小値化処理を1回行うこと(請求項5)により、特
に、脱炭層と通常部分の区別を強調することができる。
【0018】各画素に対し、最大値化処理、最小値化処
理を行う前に、シェーディング補正を施すこと(請求項
6)により、光源むら等による濃淡度のばらつきの補正
や、2値化レベルの一定化を図ることができる。
【0019】さらに、最大値化処理、最小値化処理を行
った後、2値化を行う前に、平均値化処理を行うこと
(請求項7)によりノイズ成分を除去し、脱炭層と通常
部分の区別をはっきりさせることができる。
【0020】場合によっては、高明度に対応する2値化
された画素が、被検査対象物の表面から表面に垂直な方
向に不連続に現れることがある。この場合には、それら
の間隔が所定値以下の場合には、それらは連続している
ものとして扱い、それらの間隔が所定値を越える場合に
はそれらは不連続であるとして扱い、表面から連続して
いる画素の長さを測定すること(請求項8)により、ノ
イズ等の影響を除去して、正確な脱炭層深さを測定する
ことができる。
【0021】なお、被検査対象物の表面の位置は、2値
化された画素のうち高明度に対応する画素が、被検査対
象物表面側から最初に所定数(1個を含む)連続して現
れた位置をもって、被検査対象物表面の位置と判定する
こと(請求項9)により、正確に判定できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
を用いて説明する。図1は、本発明の実施に使用する装
置の構成の例を示すブロック図である。顕微鏡1には、
接眼レンズ部に撮像レンズが取り付けられており、上部
にはこの撮像レンズを通して被検査面を撮像する撮像装
置16が取り付けられている。被検査対象物を載せるス
テージ17は、オートステージドライバ10からの信号
によって平面駆動機構18に設けられたパルスモータが
駆動されることにより、前後左右方向に移動可能とされ
ている。また、オートフォーカスドライバ11により垂
直移動機構19を作動させてステージ17の上下方向の
移動を行い、焦点を合わせるようになっている。
【0023】A/D変換器2は、撮像装置16からのビ
デオ信号をディジタル信号に変換し、入力バッファはこ
のデータを一時的に格納する。バス4は信号の伝達を行
い、プログラムメモリ5は本装置の動作を規定するプロ
グラムを格納し、CPU6は、このプログラムにより装
置全体の制御を行う。
【0024】画像プロセッサ7は、入力した画像データ
の濃淡処理、最大値化処理、最小値化処理、平均値化処
理、2値化処理、画像解析等を行う。濃淡画像メモリ8
は、階調のついた濃淡画像データを格納し、2値画像メ
モリ9は2値化されたデータを格納する。
【0025】オートステージドライバ10は、CPU6
からの指示により平面移動機構18を制御して、被検査
対象物を載せるステージ17を前後左右方向移動させ、
被検査対象物の位置、領域の設定を行う。オートフォー
カスドライバ11は、CPU6からの指示により垂直移
動機構19を制御して、自動的に焦点を合わせる。
【0026】出力バッファ12は、出力するデータを一
旦格納し、D/A変換器13はこれをビデオ信号に変換
してCRT14に表示する。キーボード15、マウス1
5’によりオペレータが指示やデータを入力する。
【0027】図2は、本発明の実施の形態の例を示すフ
ローチャートである。図2において、実線で囲まれたブ
ロックが請求項1に対応し、破線で囲まれたブロック
は、他の請求項において付加されたものであって必要に
応じ採用される。
【0028】まず、ステップS1において、図1に示し
た装置を使用して被検査対象物の表面近くの断面の撮像
を行い、撮像画面を512×512の画素に分割する。
そして、その明度を8ビットすなわち256段階の濃淡
画像として濃淡画像メモリ8内に格納する。
【0029】次に、ステップS2においてシェーディン
グ補正を行う。シェーディング補正は、照明のむら等に
起因する画像の濃淡ノイズを除去するために広く行われ
ているものであり、公知のものを選択して使用すること
ができるが、この実施の形態においては、ある程度の広
い近傍に対する最大値化処理を行った後、同様の最小値
化処理を行った画像を原画像から引き算し、細かい凹凸
のある画像を得て、これに平均値に近い濃度のバイアス
を加算している。これにより、照明むら等による緩やか
で不均一な背景が修正される。
【0030】広い範囲の最大値化処理としては、41×
41オペレータを用いるとよい。41×41オペレータ
の代わりに、3×3のオペレータ(8近傍オペレータ)
を20回繰り返して類似の効果を短時間で得ることがで
きる。最小値化処理も同様にして8近傍オペレータ処理
を20回繰り返す。
【0031】3×3、すなわち8近傍オペレータの例を
示すと、512×512の画素のうち、i行j列に存在
する画素の階調をxijで示し、処理後のi行j列に存在
する画素の階調をx’ijとすると、x’ij=MAXxmn
(i−1≦m≦i+1、i−1≦n≦i+1)とする
処理とする。最小化処理は、i行j列に存在する画素の
階調をxijで示し、処理後のi行j列に存在する画素の
階調をx’ijとすると、x’ij=MINxmn (i−1
≦m≦i+1、i−1≦n≦i+1)とする処理とす
る。
【0032】なお、シェーディング補正は、上記の方法
に限らず、低域通過フィルタ出力を原画像から減算して
もよいし、広域の平均値フィルタの出力を原画像から減
算してもよいが、前述の最大値化と最小値化による方法
を用いると、後述の装置を利用できるという利点があ
る。
【0033】続いて、ステップS3により、最大値化処
理、最小値化処理を行う。この場合の最大値化処理、最
小値化処理は、シェーディング補正で行ったものと同種
のものであるが、計算の対象となる画素を24近傍画素
としている。すなわち、i行j列に存在する画素に対
し、i−2≦m≦i+2、i−2≦n≦i+2の範囲に
あるm行n列に存在する画素がMAXとMINの計算の
対象となる。
【0034】計算の対象となる画素は、8近傍画素でも
よいし、48近傍画素でもよい。
【0035】脱炭層とそうでない部分の違いを強調する
ためには、最大値化処理の回数と最小値化処理の回数は
等しくてもよいが、最大値化処理の回数を最小値化処理
の回数より多くした方が好ましい結果が得られる。
【0036】発明者等の実験によると、被検査対象物が
低炭素含有鋼材の場合には、最大値化処理を3回連続し
て行った後、最小値化処理を2回連続して行うと、脱炭
層と脱炭層でない部分の違いを最も明瞭に区別すること
ができた。これに対し、被検査対象物が高炭素含有鋼材
の場合には、最大値化処理を2回連続して行った後、最
小値化処理を1回行うと、脱炭層と脱炭層でない部分の
違いを最も明瞭に区別することができた。
【0037】次に、ステップS4において、平均値化処
理を行う。これは、ノイズを低減するために行うもの
で、周知の手法であるが、ある画素とその近接画素の階
調の平均値を該当する「ある画素」の平均値とするもの
である。
【0038】発明者等の実験によると、平均値化処理の
対象を8近傍画素までとし、被検査対象物が低炭素含有
鋼材の場合には、平均値化処理を3回連続して行い、被
検査対象物が高炭素含有鋼材の場合には、平均値化処理
を4回連続して行うことにより、最も効率的にノイズの
除去ができた。
【0039】次に、ステップS5において、これらの画
像を2値化する。2値化の閾値は、脱炭層である場所の
階調度と、脱炭層でない場所の階調度との平均値をとる
等により決定する。
【0040】図3〜図4に画像処理データの例を示す。
図3は撮像された原画像をただちに2値化したもの、図
4はステップ1〜ステップ5までの画像処理により2値
化された画像である。
【0041】図4のうち、白い部分が高明度に対応する
部分である。
【0042】ところで、図4にも示されるように、白色
部分の中に黒色の部分が島状に点在していることがあ
る。このような点は、後に脱炭層深さを測定するときに
誤差の原因となるので除去する必要がある。そこで、ス
テップS6において穴埋め処理を行う。すなわち、2値
化された画素のうち高明度に対応する値を有する画素
(以下「白画素という」によって囲まれた、低明度に対
応する値を有する画素(以下「黒画素」という)の値を
反転させて高明度に対応する値とし、前記島状黒画素の
部分を消滅させる。もちろん、島状黒画素部が存在しな
いことが分かっているときには、穴埋め処理をする必要
はない。
【0043】脱炭層深さの測定は、穴埋め処理後、白画
素が被検査体表面からどの深さまで連続しているかを測
定することにより行われる。すなわち、ステップS8に
おいて計測線を設け、この計測線上の白画素が、被検査
材表面から連続している長さをもって、その場所の脱炭
層の深さとする。計測線は、被検査対象物の表面に垂直
な線とし、所定間隔で所定数設ける。
【0044】ところが、場合によっては、白画素が点在
し、一つの計測線上で断続して現れることがある。この
様子を図5に模式的に示す。図5において、21は被検
査対象物表面、ハッチングをした22〜26は白画素
群、l1〜l3は計測線である。図5のような場合には、
どこまでが脱炭層の深さであるのか不明となる。
【0045】そこで、ステップS7により連続判定処理
を行う。連続判定処理は、白画素が、被検査対象物の表
面から表面に垂直な方向に不連続に現れたとき、それら
の間隔が所定値以下の場合には、それらは連続している
ものとして扱い、それらの間隔が所定値を越える場合に
はそれらは不連続であるとして扱う処理である。すなわ
ち、予め閾値Tを決めておき、測定線上の白画素の間隔
が閾値T以下であればそれは連続しているものとして扱
い、閾値Tを越えていれば分離したものとして扱う。
【0046】図5において、t1とt3はT以下であり、
2とt4はTより大きいとすると、白画素群22と白画
素群23、白画素群25は連続しているものとして扱わ
れ、白画素群22と白画素群24、白画素群25と白画
素群26は分離しているものとして扱われる。
【0047】よって、脱炭層の深さ測定では、計測線l
1の位置においては、脱炭層の深さは被検査対象物表面
21から白画素群23の下端まで、計測線l2の位置に
おいては、脱炭層の深さは被検査対象物表面21から白
画素群22の下端まで、計測線l3の位置においては、
脱炭層の深さは被検査対象物表面21から白画素群25
の下端までと判定される。計測線は、図5のように一定
間隔をあけて複数本引いて測定し、各々の計測線につい
ての脱炭深さを求める。
【0048】測定対象材の全脱炭深さを求めるときに
は、これら測定データの中で最大の値のものを選択して
全脱炭深さとする。平均脱炭深さを求めるときには、各
測定データの平均値を平均脱炭深さとする。ただし、い
ずれの場合にも、ノイズにより、脱炭深さの常識を超え
るデータが発生することがあるので、閾値を設け、それ
を超えるデータは採用しないことにする。
【0049】なお、被検査対象物の表面の位置の検出は
以下のように行う。すなわち、測定線上において、白画
素が、被検査対象物の表面側から最初に所定数連続して
現れた位置をもって、表面位置と判定する。ここに、
「所定数連続して現れた」とは、複数個連続する場合は
もちろん、場合によっては1個現れた場合をも含む。
【0050】
【実施例】前記、本発明の実施の形態に記載した方法を
使用して、脱炭層の深さ測定を行い、人間による目視デ
ータと比較した。この実施例においては、シェーディン
グ補正、最大値化処理、最小値化処理、平均値化処理、
2値化処理、穴埋め処理、連続判定処理、脱炭層深さ判
定処理についての具体的方法は、すべて発明の実施の形
態中に示した方法を使用した。
【0051】その結果、低炭素含有鋼材については、サ
ンプル数10、平均誤差0.01mm、標準偏差0.015mmであ
り、高炭素含有鋼材については、サンプル数10、平均
誤差0.01mm、標準偏差0.02mmであった。これは、自動測
定結果として極めて満足のいく値である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、表面から内面に向かって脱炭層が存在する被検査対
象物の断面の表面付近の断面を撮像手段により撮影し、
撮像された画像を画素に分解し、各画素に対して複数回
の最大値化処理と、最大値化処理回数に等しいか少ない
回数の最小値化処理を行った後に、各画像を2値化し、
2値化された画素のうち高明度に対応する画素が被検査
対象物の表面から表面に垂直な方向に連続する長さを各
位置について測定し、測定された長さの最大値をもっ
て、脱炭層の深さと判定しているので、脱炭層の深さを
自動的にかつ正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の構成の例を示す
図である。
【図2】本発明の実施の形態の例を示すフローチャート
である。
【図3】撮像された被検査対象物の断面映像を示す図面
代用写真である。
【図4】図3に示す画像を画像処理後2値化した状態を
示す図面代用写真である。
【図5】白画素の分布状態の例を示す図である。
【図6】従来例における脱炭層の測定方法を示す図であ
る。
【図7】従来例における脱炭層の測定方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 顕微鏡 2 A/D変換器 3 入力バッファ 4 バス 5 プログラムメモリ 6 CPU 7 画像プロセッサ 8 濃淡画像メモリ 9 2値化画像メモリ 10 オートステージドライバ 11 オートフォーカスドライバ 12 出力バッファ 13 D/A変換器 14 CRT 15 キーボード 15’ マウス 16 撮像装置 17 ステージ 18 平面移動機構 19 垂直移動機構 21 被検査対象物表面 22〜26 白画素群

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面から内面に向かって脱炭層が存在す
    る被検査対象物の表面付近の断面を撮像手段により撮影
    し、撮像された画像を画素に分解し、各画素に対して複
    数回の最大値化処理と、最大値化処理回数に等しいか少
    ない回数の最小値化処理を行った後に、各画像を2値化
    し、2値化された画素のうち高明度に対応する値を有す
    る画素が被検査対象物の表面から表面に垂直な方向に連
    続する長さを各位置について測定し、測定対象材の脱炭
    層の深さと判定することを特徴とする脱炭層の深さ測定
    方法。
  2. 【請求項2】 各位置で測定された脱炭層の深さの最大
    値をもって全脱炭層深さとすることを特徴とする請求項
    1に記載の脱炭層の深さ測定方法。
  3. 【請求項3】 各画像を2値化した後、続いて、2値化
    値のうち高明度に対応する値を有する画素によって囲ま
    れた、低明度に対応する値を有する画素の値を反転させ
    て高明度に対応する値とすることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の脱炭層の深さ測定方法。
  4. 【請求項4】 被検査対象物が低炭素含有鋼材であっ
    て、最大値化処理を3回連続して行った後、最小値化処
    理を2回連続して行うことを特徴とする請求項1から請
    求項3のうちいずれか1項に記載の脱炭層の深さ測定方
    法。
  5. 【請求項5】 被検査対象物が高炭素含有鋼材であっ
    て、最大値化処理を2回連続して行った後、最小値化処
    理を1回行うことを特徴とする請求項1から請求項3の
    うちいずれか1項に記載の脱炭層の深さ測定方法。
  6. 【請求項6】 各画素に対し、最大値化処理、最小値化
    処理を行う前に、シェーディング補正を施すことを特徴
    とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載
    の脱炭層の深さ測定方法。
  7. 【請求項7】 最大値化処理、最小値化処理を行った
    後、2値化を行う前に、平均値化処理を行うことを特徴
    とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載
    の脱炭層の深さ測定方法。
  8. 【請求項8】 高明度に対応する2値化された画素が、
    被検査対象物の表面から表面に垂直な方向に不連続に現
    れたとき、それらの間隔が所定値以下の場合には、それ
    らは連続しているものとして扱い、それらの間隔が所定
    値を越える場合にはそれらは不連続であるとして扱い、
    表面から連続している画素の長さを測定することを特徴
    とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載
    の脱炭層の深さ測定方法。
  9. 【請求項9】 2値化された画素のうち高明度に対応す
    る画素が、被検査対象物表面側から最初に所定数連続し
    て現れた位置をもって、被検査対象物表面の位置と判定
    することを特徴とする請求項1から請求項8のうちいず
    れか1項に記載の脱炭層の深さ測定方法。
JP22706897A 1997-08-11 1997-08-11 脱炭層の深さ測定方法 Expired - Fee Related JP3534579B2 (ja)

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