JPH1164049A - 指示計器 - Google Patents

指示計器

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JPH1164049A
JPH1164049A JP21622797A JP21622797A JPH1164049A JP H1164049 A JPH1164049 A JP H1164049A JP 21622797 A JP21622797 A JP 21622797A JP 21622797 A JP21622797 A JP 21622797A JP H1164049 A JPH1164049 A JP H1164049A
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Takeshi Ozaki
剛 尾崎
Katsumaro Sano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 文字板に色や濃淡の変化として明確に視認で
きるグラデーションが配設されて、見た目の心地良さや
視認性等を向上させた指示計器を実現する。 【解決手段】 本発明に係る指示計器は、グラデーショ
ン全体の分布密度の中間の値となる位置200が、中心
の位置201と指標が配設された位置202との中間の
位置203よりも外側の領域204に在り、しかも外側
の領域204での分布密度は下に凸の非線形(曲線的)
な変化率で変化する一方、中間の値となる位置200よ
りも内側205での分布密度は上に凸の非線形な変化率
で変化するように概ねS字型の分布曲線で分布するグラ
デーションドット104が配設された文字板100を備
えて、明確で滑らかなグラデーションを表示可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は指示計器に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車をはじめとして各種車両には、そ
の走行速度やエンジン回転数などの計測値を表示する計
器が搭載されている。中でも特に乗用車に搭載される計
器は、上記の走行速度やエンジン回転数など車両運転に
必須の情報をドライバーに的確に表示することは言うま
でもなく、その計器が表示する情報内容をドライバーが
感覚的にも瞬時に正確に判別しやすいような視認性を向
上させる工夫が必要である。また、特に文字板において
は、その形状やデザイン等から表現される見た目の心地
良さと前記の視認性とがあいまって、見易さやドライバ
ーに与える疲労度の少なさ等を実現することができると
考えられるので、そのような特質のさらなる向上や改良
が種々提案されている。中でも指示計器、いわゆるアナ
ログ式のメーターは、目盛りなどの指標の瞬間的視認性
の点ではデジタル式メーターに対して比較的劣るもの
の、指標の数値変動が比較的激しいエンジン回転数など
を表示する計器として用いられるような場合には、むし
ろ人間の感覚により自然に対応した数値現示が可能であ
るという特質から、一般に自動車に好適な計器として搭
載されてきた。
【0003】そのような自動車等に搭載される指示計器
における、上記のような視認性や見た目の心地良さや眼
に優しく疲れにくいといった特質は、主にその文字板の
構造によって左右されることが多い。従ってそのような
点に注目した改良が種々試みられている。その中のひと
つとして、指示計器において上記のような見た目の心地
良さと視認性とがあいまって実現される見易さやドライ
バーに与える疲労度の低減等のさらなる向上を図るため
に、その文字板の指標等が配設される文字板の地色(背
景)を単一トーンではなく色や濃淡のグラデーションに
するという技術が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなグラデーションを、例えば乗用車のスピードメータ
など車載用計器の文字板に配設した場合、グラデーショ
ンとしてわずかしか視認することができず、そのような
グラデーションを配設しても実際上少ない視覚的効果し
か得られないという問題があった。
【0005】即ち、文字板は一般に指針の回動軸をその
中心としてほぼ円板状に形成されており、その中心部分
から外周部(つまり外側)に向かって、中心からの距離
に比例して(線形に)密度(単位面積当たりのドット
数)を漸次低減させるような密度分布でグラデーション
ドットを配設しているにも拘らず、それを観察者が目視
したときにグラデーションとして明確に認識することが
困難であるという問題があった。
【0006】あるいは、上記のグラデーションを形成す
るために、上記のようなドットではなく、文字板を半透
明あるいは透明な光透過性の材料を用いて形成し、その
光透過性の文字板の光透過率を上記のような要領で中心
から外周部に向って漸次に変化させる場合や、文字板表
面の色濃度を上記のような要領で変化させる場合でも上
記同様に、観察者が目視したときにグラデーションとし
て明確に認識することが困難であるという問題があっ
た。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたもので、文字板に色や濃淡の変化として明確
に認識されるグラデーションが配設されて見た目の心地
良さや視認性等が向上した指示計器を実現することを課
題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の指示計器は、第
1に、回動軸を中心として回動可能な指針と、前記指針
に対応する指標として目盛りおよび数字および文字のう
ち少なくともいずれかが配設された文字板とを有する指
示計器において、前記指針の回動軸を中心として外側に
向って視覚的濃度が低減するように分布するグラデーシ
ョンであって、前記グラデーション全体の視覚的濃度の
中間の値になる位置が前記中心の位置と前記指標が配設
された位置との中間の位置よりも外側に在り、該外側で
前記視覚的濃度の変化が最も目立つようにグラデーショ
ンを分布してなる文字板を備えたことを特徴としてい
る。
【0009】即ち、本発明の技術は、グラデーションの
輝度や面積比率などの物理量の変化よりも、見た目の視
覚的濃度の位置的な変化が明確かつ滑らかとなるように
する。即ち、見た目の視覚的濃度の変化率が最大となる
位置が、文字板上でグラデーション変化を最も視認しや
すい部分、つまり最も目立ちやすい文字板の中間の位置
あるいはそれよりも外側の領域に来るように、濃度分布
を変化させてグラデーションを形成する。これにより、
明確かつ滑らかに変化して行くように視認されるグラデ
ーションを実現することができる。
【0010】また、本発明の指示計器は、第2に、回動
軸を中心として回動可能な指針と、前記指針に対応する
指標として目盛りおよび数字および文字のうち少なくと
もいずれかが配設された文字板とを有する指示計器にお
いて、前記指針の回動軸を中心として外側に向かって分
布密度が低減するように分布するグラデーションドット
であって、前記分布密度が前記グラデーションドット全
体の分布密度の中間の値となる位置が前記中心の位置と
前記指標が配設された位置との中間の位置よりも外側に
在るように分布するグラデーションドットが配設された
文字板を備えたことを特徴としている。
【0011】即ち、グラデーションを微細な多数のドッ
トで形成し、そのグラデーションの中間のドット密度と
なる部分を、文字板の中心と外周部との中間から外側に
位置させることで、グラデーションの視認性が最も高い
位置である前記中心から外側の文字板の実質的表示を行
なう領域(つまり指針の先端が動いて目盛りなどの指標
を指示する部分)におけるドット密度を、従来よりも高
くすることにより、従来の中心からの距離に比例して直
線的に(線形に)密度あるいは濃度変化させるグラデー
ションと比べて、グラデーション全体としても視認性が
向上し、より明確に変化して行くようなグラデーション
として視認されることが可能となる。
【0012】また、本発明の指示計器は、第3に、上記
第2の指示計器において、前記指針の回動軸を中心とし
て外側に向かって分布密度が低減するように分布するグ
ラデーションドットであって、前記分布密度が前記グラ
デーションドット全体の分布密度の中間の値となる位置
は前記中心の位置と前記指標が配設された位置との中間
の位置よりも外側に在り、かつ前記中間の値となる位置
よりも外側での分布密度は下に凸の非線形な変化率で変
化するように分布するグラデーションドットが配設され
た文字板を備えたことを特徴としている。
【0013】即ち、グラデーションを微細な多数のドッ
トで形成し、そのグラデーションの中間のドット密度と
なる部分を、文字板の中心と外周部との中間から外側に
位置させることで、グラデーションの視認性が最も高い
位置である前記中心から外側の文字板の実質的表示を行
なう領域(つまり指針の先端が動いて目盛りなどの指標
を指示する部分)におけるドット密度を従来よりも高く
するとともに、その前後領域のドット分布密度の変化を
人間の視覚の認知特性に従って滑らかに分布させている
ので、従来のグラデーションと比べてグラデーション全
体としても視認性が向上すると共に、最も目立つ部分つ
まり上記中間から外側の部分で、滑らかでかつ明確に変
化して行くようなグラデーションとして視認されること
が可能となる。
【0014】また、第4に、前記の指示計器において、
前記指針の回動軸を中心として外側に向かって分布密度
が低減するように分布するグラデーションドットであっ
て、前記分布密度が前記グラデーションドット全体の分
布密度の中間の値となる位置は前記中心の位置と前記指
標が配設された位置との中間の位置よりも外側に在り、
かつ前記中間の値となる位置よりも外側での分布密度は
下に凸の非線形な変化率で変化する一方、前記中間の値
となる位置よりも内側での分布密度は上に凸の非線形な
変化率で変化するように分布するグラデーションドット
が配設された文字板を備えたことを特徴としている。
【0015】これは即ち、第3で述べた指示計器にさら
に加えて、前記中間の値となる位置よりも内側でのグラ
デーションドット分布密度を上に凸の非線形な変化率で
変化するように分布させた文字板を備えたことで、上記
第4の指示計器はさらに全体的に滑らかでかつ明確に変
化して行くようなグラデーションとして視認が可能とな
る。
【0016】上記第4の指示計器においては、グラデー
ションの視認性が最も高い位置である文字板の前記中間
の位置から外側にかけての領域におけるドット密度を従
来よりも高くし、その前後のドット分布密度の変化は人
間の視覚の認知特性に従うように滑らかに分布させてい
るが、グラデーションをより明確に視認可能なものとす
るための手段はこれのみではなく、前記中間の位置から
外側にかけての領域でドット密度の変化率が最大となる
ように前記のグラデーションドットを配設するこによっ
ても上記同様の効果を得ることができる。
【0017】即ち、第5に、本発明の指示計器は、回動
軸を中心として回動可能な指針と、前記指針に対応する
指標として目盛りおよび数字および文字のうち少なくと
もいずれかが配設された文字板とを有する指示計器にお
いて、前記指針の回動軸を中心として外側に向って分布
密度が低減するように分布するグラデーションドットで
あって、前記分布密度の変化率が最大となる位置が前記
中心の位置と前記指標が配設された位置との中間の位置
よりも外側に在るように分布するグラデーションドット
が配設された文字板を備えたことを特徴としている。
【0018】また、第6に、上記第5において、前記指
針の回動軸を中心として外側に向って分布密度が低減す
るように分布するグラデーションドットであって、前記
分布密度の変化率が最大となる位置が前記中心の位置と
前記指標が配設された位置との中間の位置よりも外側に
在り、かつ前記変化率最大となる位置よりも外側での分
布密度は下に凸の非線形な変化率で変化するように分布
するグラデーションドットが配設された文字板を備えた
ことを特徴としている。
【0019】これにより、従来のグラデーションと比べ
てグラデーション全体としても視認性が向上すると共
に、最も目立つ部分つまり上記中間から外側の部分で、
滑らかでかつ明確に変化して行くようなグラデーション
として視認されることが可能となる。
【0020】また本発明は、第7に、上記第5におい
て、前記指針の回動軸を中心として外側に向って分布密
度が低減するように分布するグラデーションドットであ
って、前記分布密度の変化率が最大となる位置が前記中
心の位置と前記指標が配設された位置との中間の位置よ
りも外側に在り、かつ前記変化率最大となる位置よりも
外側での分布密度は下に凸の非線形な変化率で変化する
一方、前記変化率最大となる位置よりも内側での分布密
度は上に凸の非線形な変化率で変化するように分布する
グラデーションドットが配設された文字板を備えたこと
が特徴である。
【0021】つまり、グラデーションドットの分布曲線
は概略Sの字形の非線形な曲線で、しかもその変化率が
最大となる位置は文字板の中間領域から外側に在る。こ
れにより、さらに全体的に滑らかでかつ明確に変化して
行くようなグラデーションとして視認が可能となる。
【0022】なお、上記の指示計器においては、一連の
グラデーションを形成しているのは個々の微細な円板状
等のグラデーションドットだったが、このようなドット
のみならず、文字板を例えば光透過性基板を用いて形成
し、その光透過性基板の光透過率分布を面的に変化させ
て、実質的に透過光の濃淡の変化によって実現されるグ
ラデーションにおいても、本発明の技術は適用可能であ
る。あるいは、そのような光透過性基板のみならず、不
透明材料で形成された反射式文字板上に、粉体状の着色
材料を散布することで濃度変化を形成するグラデーショ
ン等においても本発明を適用可能である。
【0023】あるいは、グラデーションを形成するのは
個々の微細な円板状等のグラデーションドットあるいは
粉体なども適用可能だが、この他にも、文字板を例えば
光透過性材料で形成し、その光透過性を位置的に変化さ
せて実質的に濃度変化によって形成されるグラデーショ
ン等にも、本発明の技術を適用可能であることは言うま
でもない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る指示計器の実
施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発
明に係る指示計器の、特に文字板部分を示す図、図2は
その表示面側に配設されたグラデーションの密度の、文
字板中心部から周辺部にかけての分布を示す図である。
【0025】本発明の指示計器は、回動軸を中心として
回動可能な指針101と、この指針101に対応する指
標として目盛り102および数字103が配設された文
字板100とを有する指示計器であって、指針101の
回動軸を中心として外側に向かって分布密度が低減する
ように分布するグラデーションドット104が配設され
ている。
【0026】なお、図1ではグラデーションドット10
4は左横方向の一部分のみを図示しその他の部分は省略
して模式的に表現した。実際は文字板100上の全方位
にわたって配設されている。また、図1において符号3
00で示す座標軸は、図2に示したグラデーションドッ
ト密度のグラフの座標軸と同じもので、図1の文字板上
の位置とドット分布との関係の理解をより明瞭なものと
するために、この座標軸300を図1に付記した。
【0027】そして前記のグラデーション全体の分布密
度の中間の値となる位置200は、中心の位置201と
指標が配設された位置202との中間の位置203より
も外側の領域204に在り、しかも外側の領域204で
の分布密度は概ね下に凸の非線形な(曲線的な)変化率
で変化する一方、中間の値となる位置200よりも内側
の領域205での分布密度は、上に凸の非線形なグラフ
で示されるような変化率で変化するように分布する、グ
ラデーションドット104が配設された文字板100を
備えたことを特徴としている。
【0028】即ち、本発明に係る技術は、全体の分布密
度の中間の値となる位置200の前後のグラデーション
ドット104の分布密度の変化を図2に示すように概ね
Sの字形のグラフ210で示されるような曲線的に変化
する分布状態に配設することで、後述するような人間の
視認特性に従った明確で滑らかなグラデーションとして
認知されるグラデーションを実現することができる。
【0029】本発明によれば、まずグラデーションの最
大密度(図2においてρ= 100%)と最小密度(ρ= 0
%)との、ちょうど中間の値の密度(ρ=50%)となる
位置200が、指針の回動軸の位置つまり文字板の実質
的な中心の位置201と指標つまり目盛りや数字が配設
された位置202とのちょうど中間の位置203よりも
外側の領域204に来るようにグラデーションドットを
分布させているので、従来の技術ではグラデーションド
ットが稀薄に見えた前記外側の領域204の位置でも、
グラデーションドット104の分布密度の変化がグラデ
ーションとして明確に視認できるようになる。
【0030】そしてさらに本発明の技術によれば、前記
中間の値となる位置200よりも外側におけるグラデー
ションドット104の分布密度を、下に凸の非線形な、
例えば指数関数曲線に基づいた変化率で変化するよう
に、言わば人間の視覚で密度変化を認知する際の認知特
性に従って滑らかに分布させているので、この中間の値
となる位置200から外側の領域204にかけてのグラ
デーションは、従来ではグラデーションとして視認され
難かったが、本発明によって滑らかでかつ明確に変化し
て行くように視認されるようになった。
【0031】一方、前記の中間の値となる位置200よ
りも内側の領域205での分布密度は、中心201から
外側の領域204に向かって上に凸の非線形なグラフ状
に、つまり対数関数曲線に基づいた変化率で低減するよ
うに、前記同様に人間の視覚で密度変化を認知する際の
認知特性に従って滑らかに分布させているので、この前
記中間の値となる位置から内側にかけてのグラデーショ
ンは、従来ではグラデーションとして視認され難かった
が、本発明によって、滑らかでかつ明確に変化して行く
ように視認されるようになる。
【0032】上記のような本発明に係るグラデーション
の視認特性の効果は、理論的にも解析され得る。視覚を
はじめとして人間の感覚的知覚作用は、刺激作用そのも
のの変化に対して線形ではなく非線形に、例えば対数関
数的または指数関数的、あるいはべき関数的に変化する
と言う特性、即ちFechnerの法則やSteven
sの法則、あるいはDiamondの研究など含めてそ
の他種々の人間工学的な視覚特性に基づくものであると
考察される。
【0033】また、人間の目視による視認性の高低は、
単なる光学的刺激の強弱等のみならず、その目視対象の
図形的特質や視認対象の持つ意味等にも影響されること
は、例えばMach効果(Machバンド現象)等とし
て知られている。このような視覚特性の影響は、文字板
の場合には指標つまり目盛りや数字が配設された部分に
特に顕著に現れる。即ち、この部分にグラデーションが
存在していても、目盛りや数字がまず認知されるので目
視ではグラデーションまで明確に認識することが困難で
ある。
【0034】しかし、特に目立つ部分、つまり中間の値
(密度)となる位置200から外側の領域204にかけ
ての部分で、グラデーションが滑らかにかつ明確に変化
していくように見せなければならない。しかも、この外
側の領域204の部分は、円形の文字板の図形的性質上
からも面積が広いので、グラデーションドット104の
分布密度は、より稀薄に感じられる。さらには、この部
分はグラデーションの終端部となるので、前記のいわゆ
るMach効果と呼ばれる濃淡の輪郭が強調されて見え
るような現象が生じることから、そのような濃淡の視感
的錯覚現象を補正するためにも、その終端部にかけての
グラデーションの密度分布は、上記のような非線形で滑
らかに変化するように、グラデーションドットを分布さ
せる必要がある。
【0035】このような理由から、前記のドット分布密
度が中間の値となる位置200から外側の領域204の
部分においては、本発明に係るグラデーションのよう
に、従来のグラデーション分布よりも高い密度でしかも
下に凸の非線形な変化率で変化するように、滑らかにド
ット分布を変化させてグラデーションドット104を配
設することによって、明確かつ滑らかなグラデーション
として視認できるグラデーションを実現することができ
る。
【0036】一方、前記の中間の値となる位置200よ
りも内側の領域205でも、本発明によれば、グラデー
ションドット104の分布を上記と同様に人間の視覚の
認知特性に従って滑らかに変化させている。従来は、こ
の部分のグラデーションドットの分布密度を、中心部か
らの距離に対して実質的にほぼ比例して(つまり線形的
に)変化させていた。しかしその場合では、人間の視覚
の認知特性上、中心部ほど面積が狭く見えるため、あた
かも中心部ほどドット密度が高くなる状態と同様な状態
に見えてしまう。しかし、この文字板100の中心部
は、まさにそれが中心部であることから、目盛102な
どの指標が配設された位置202とは対照的に目立たな
いという特質もある。
【0037】そこで、本発明の技術においては、内側の
領域205におけるグラデーションドット104の分布
についても、人間の視覚で密度変化を認知する際の認知
特性に従って滑らかに変化させて、明確なグラデーショ
ンとして視認できるようにすると共に、それよりも外側
の密度変化曲線と滑らかに連続するように、上記の如く
上に凸の非線形なグラフで示されるような変化率で分布
密度が変化するように分布させている。
【0038】なお、文字板100上におけるグラデーシ
ョンドット104の密度の位置的な分布は、上記図2に
示した分布曲線のみには限定されない。即ち、上記図2
で示した技術においては、グラデーションが最も目立つ
位置である文字板の中間の位置203を含む領域におけ
るグラデーションドット104の分布密度を従来よりも
高くして、しかもその位置203の前後におけるグラデ
ーションドット104の分布密度の変化を、人間の視認
特性に従って非線形に滑らかに変化するように分布させ
ているが、グラデーションをより明確に視認可能なもの
とするための本発明に係る手段としては、これのみでは
ない。
【0039】図3に示すように、グラデーションドット
104の分布密度の位置的な変化率(つまり中心部から
の距離変化に対するドット分布密度の変化率)の最大と
なる位置301が、グラデーション変化の最も視認しや
すい部分つまり前記中心の位置201と前記位置202
との間の、中間領域302内に在るように、グラデーシ
ョンドット104を分布させる。そしてその変化率最大
の位置301の前後における分布密度の変化率について
は、上記と同様に人間の視覚的な認知特性に従って非線
形に滑らかに変化するようにグラデーションドット10
4を分布させる。これによっても、従来のグラデーショ
ンと比べて滑らかでかつ明確に変化して行くように視認
されるグラデーションを実現することができる。
【0040】以上のような本発明に係るグラデーション
分布の文字板を作製し、熟練した品質検査者等による視
認実験を行なった結果、密度あるいは濃淡の変化が滑ら
かで明確なグラデーションとして視認されることが確認
できた。このとき作製した文字板100は、図1に示す
ようなエンジン回転数の最上桁のみの数字と目盛りとを
表示するタコメータである。その直径は約10.5cm、文
字板100の地色はネイビーブルー、指標としては白色
1〜 9までの数字103を各々 7mm角以内のサイズ
で、また目盛り102を数字と同様の白色および部分的
には赤色で長さ11mm×太さ 2.5mm以内のサイズで、
文字板周辺部に配置したものであり、さらに黒色インキ
で 1個が 0.5mm以下の概略円形のグラデーションドッ
ト104を上記のような密度分布で配設したものであ
る。
【0041】なお、上記実施形態では、グラデーション
の非線形な変化として対数関数曲線や指数関数曲線を適
用したが、本発明の技術は、これのみには限定しない。
本発明に係るグラデーションの非線形な変化としては、
前記のように従来のグラデーションのドット密度あるい
は視覚的濃度が外側の領域204にて稀薄で弱く見えて
しまうことと内側の領域205で濃く見え過ぎてしまう
という文字板100上のグラデーションの視覚特性を補
正できるような、非線形な曲線的変化であればよい。従
ってそのような非線形な変化としては、上記の他にも例
えばFechnerの法則等に基づいて、べき級数曲線
に従った変化を用いても良い。
【0042】また、密度変化の曲線は下に凸や上に凸と
は言っても、例えばその途中に部分的には曲線全体の凹
凸形状を損なわない程度の変曲点あるいは直線近似可能
な部分などが在っても良いことは言うまでもない。グラ
デーションの密度や濃度の変化率を、従来の直線的変化
から下に凸や上に凸の方向に補正させるとともに文字板
100の中間の位置203付近から外側の領域204に
かけての部分で最もグラデーション変化が目立つように
密度あるいは濃度を補正したグラデーションを実現する
ことを満たすように、グラデーションを補正することが
可能な、変化率を得られる曲線であればよい。
【0043】また、上記ではグラデーションを反射光で
表現する場合について示したが、文字板100は、光透
過性材料を用いてその上に不透明な材質の目盛り102
などの指標やグラデーションドット104等を配設し
た、いわゆる透過光方式の文字板でも良い。あるいは不
透明な材質を用いて反射光で見る反射光方式の文字板を
用いると共に指標部分は透過光方式にしても良い。
【0044】あるいは、透過光方式の文字板においてグ
ラデーションを上記のようなグラデーションドット10
4で形成するのでははなく、その文字板の基材自体の濃
度の位置的分布あるいは基材上に散布してグラデーショ
ンを形成するための着色粉体の密度を面的に変化させる
ことによって濃淡変化のグラデーションを形成するよう
な場合にも本発明は適用可能である。この場合には、グ
ラデーションを表現するための前記着色粉体の散布濃度
を上記のような非線形な分布にすればよい。
【0045】また、上記実施形態では、グラデーション
ドット104の色を黒、文字板100の地色をネイビー
ブルーとした場合について述べたが、これらの色の組み
合わせのみには限定しない。この他にも種々の色の組み
合わせが考えられるが、その場合には視認性をさらに向
上できるような色を用いることが好ましい。
【0046】また、上記実施形態においては、個々のグ
ラデーションドット104の形状を円板状とし、その直
径および単位面積当りの個数を位置的に変えて分布させ
て、上記のような面積密度分布あるいは濃度分布のグラ
デーションを実現したが、この他にもグラデーションド
ット104の形状は、例えば六角形にしても良く、ある
いは矩形や三角形でも良い。また、グラデーションドッ
ト104の直径を一定にしてその単位面積当りの分布個
数の変化で密度を変えるようにしても良い。
【0047】
【発明の効果】以上詳細な説明で明示したように、本発
明によれば、文字板に色や濃淡の変化として明確に視認
できるグラデーションが配設され見た目の心地良さや視
認性等が向上した指示計器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る指示計器の特に文字板部分を示す
図である。
【図2】文字板100の表示面側に配設されたグラデー
ションドット104の密度の、文字板100の中心20
1から指標の位置202にかけてのグラデーションドッ
ト密度分布を示す図である。
【図3】分布密度の位置的変化率が最大となる位置30
1が、中心の位置201と指標が配設された位置202
との中間302に来るようにグラデーションドットを配
設した場合の、その密度分布を示す図である。
【符号の説明】
100…文字板 101…指針 102…目盛り 103…数字 104…グラデーションドット 200…グラデーションが中間の値となる位置 201…中心の位置 202…指標が配設された位置 203…中間の位置 204…外側の領域 205…中間の値となる位置200よりも内側 210…Sの字型グラフ 301…分布密度の位置的変化率が最大となる位置 302…中間領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動軸を中心として回動可能な指針と、
    前記指針に対応する指標として目盛りおよび数字および
    文字のうち少なくともいずれかが配設された文字板とを
    有する指示計器において、 前記指針の回動軸を中心として外側に向って視覚的濃度
    が低減するように分布するグラデーションであって、前
    記グラデーション全体の視覚的濃度の中間の値になる位
    置が前記中心の位置と前記指標が配設された位置との中
    間の位置よりも外側に在り、該外側で前記視覚的濃度の
    変化が最も目立つようにグラデーションを分布してなる
    文字板を備えたことを特徴とする指示計器。
  2. 【請求項2】 回動軸を中心として回動可能な指針と、
    前記指針に対応する指標として目盛りおよび数字および
    文字のうち少なくともいずれかが配設された文字板とを
    有する指示計器において、 前記指針の回動軸を中心として外側に向かって分布密度
    が低減するように分布するグラデーションドットであっ
    て、前記分布密度が前記グラデーションドット全体の分
    布密度の中間の値となる位置が前記中心の位置と前記指
    標が配設された位置との中間の位置よりも外側に在るよ
    うに分布するグラデーションドットが配設された文字板
    を備えたことを特徴とする指示計器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の指示計器において、 前記指針の回動軸を中心として外側に向かって分布密度
    が低減するように分布するグラデーションドットであっ
    て、前記分布密度が前記グラデーションドット全体の分
    布密度の中間の値となる位置は、前記中心の位置と前記
    指標が配設された位置との中間の位置よりも外側に在
    り、かつ前記中間の値となる位置よりも外側での分布密
    度は下に凸の非線形な変化率で変化するように分布する
    グラデーションドットが配設された文字板を備えたこと
    を特徴とする指示計器。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の指示計器において、 前記指針の回動軸を中心として外側に向かって分布密度
    が低減するように分布するグラデーションドットであっ
    て、前記分布密度が前記グラデーションドット全体の分
    布密度の中間の値となる位置は前記中心の位置と前記指
    標が配設された位置との中間の位置よりも外側に在り、
    かつ前記中間の値となる位置よりも外側での分布密度は
    下に凸の非線形な変化率で変化する一方、前記中間の値
    となる位置よりも内側での分布密度は上に凸の非線形な
    変化率で変化するように分布するグラデーションドット
    が配設された文字板を備えたことを特徴とする指示計
    器。
  5. 【請求項5】 回動軸を中心として回動可能な指針と、
    前記指針に対応する指標として目盛りおよび数字および
    文字のうち少なくともいずれかが配設された文字板とを
    有する指示計器において、 前記指針の回動軸を中心として外側に向って分布密度が
    低減するように分布するグラデーションドットであっ
    て、前記分布密度の変化率が最大となる位置が前記中心
    の位置と前記指標が配設された位置との中間の位置より
    も外側に在るように分布するグラデーションドットが配
    設された文字板を備えたことを特徴とする指示計器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の指示計器において、 前記指針の回動軸を中心として外側に向って分布密度が
    低減するように分布するグラデーションドットであっ
    て、前記分布密度の変化率が最大となる位置が前記中心
    の位置と前記指標が配設された位置との中間の位置より
    も外側に在り、かつ前記変化率最大となる位置よりも外
    側での分布密度は下に凸の非線形な変化率で変化するよ
    うに分布するグラデーションドットが配設された文字板
    を備えたことを特徴とする指示計器。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の指示計器において、 前記指針の回動軸を中心として外側に向って分布密度が
    低減するように分布するグラデーションドットであっ
    て、前記分布密度の変化率が最大となる位置が前記中心
    の位置と前記指標が配設された位置との中間の位置より
    も外側に在り、かつ前記変化率最大となる位置よりも外
    側での分布密度は下に凸の非線形な変化率で変化する一
    方、前記変化率最大となる位置よりも内側での分布密度
    は上に凸の非線形な変化率で変化するように分布するグ
    ラデーションドットが配設された文字板を備えたことを
    特徴とする指示計器。
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