JPH1163710A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JPH1163710A
JPH1163710A JP21534297A JP21534297A JPH1163710A JP H1163710 A JPH1163710 A JP H1163710A JP 21534297 A JP21534297 A JP 21534297A JP 21534297 A JP21534297 A JP 21534297A JP H1163710 A JPH1163710 A JP H1163710A
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JP
Japan
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refrigerant
heat exchanger
air conditioner
pipe
indoor
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Application number
JP21534297A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Arakawa
川 裕 幸 荒
Hideaki Motohashi
橋 秀 明 本
Susumu Nagakura
倉 進 長
Yoshiaki Nagaoka
岡 良 明 長
Tetsuo Sano
野 哲 夫 佐
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷房および暖房ともに運転効率の高い空気調
和機を提供する。 【解決手段】 本願発明の空気調和機は、室内熱交換器
(5)と、室外熱交換器(3)と、室内熱交換器に冷媒
を流通させる室内冷媒配管(6)と、室外熱交換器に冷
媒を流通させる室外冷媒配管と、を備え、冷媒は、50
℃において2500Kpa以上の飽和圧力を有し、室内
冷媒配管は、冷房モードにおいて単一の入力流路を形成
する入口部(7)と、入口部の下流部に設けられた複数
の流路に分岐する分岐部(8)と、を有することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、空気調和機に係
り、特に冷媒と冷媒配管を改良した空気調和機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に用いられる空気調和機は、被空
調室に配置される室内ユニットと、屋外に配置される室
外ユニットとからなり、これらのユニット相互を冷媒接
続管および電気配線で接続して構成されている。
【0003】図4に、従来の比較的に大きな冷房出力パ
ワー、例えば4KW以上の冷房出力パワーを有する空気
調和機の冷房モードにある場合の概略構成を示す。
【0004】図4において、1は圧縮機、2は四方弁、
3は室外熱交換器、4は電子式自動膨張弁、105は室
外熱交換器であり、これらは冷媒配管により接続されて
ヒートポンプ式の冷凍サイクルを構成するように連通さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、4KW以上の比
較的に大きい冷房出力パワーを有する空気調和機におい
て、室内熱交換器105の室内冷媒配管106の冷房モ
ードにおける入口部には、複数の流路で冷媒が入力され
るように分岐部107が形成されていた。
【0006】これは、従来の冷媒R22(HCFC冷
媒)は大きい圧力損失を有するために、大きい冷房出力
パワーを実現するためには、分岐部107を介し冷媒を
複数の流路で室内熱交換器へ入力させる必要があるから
である。このため、分岐部107が複雑になる等の問題
があった。
【0007】また、従来、室内冷媒配管あるいは室外冷
媒配管においてそれらの内側表面には、螺旋状のフィン
によって管軸方向に対し同一方向の溝が形成されてお
り、異方向溝は形成されていなかった。
【0008】これは、従来の冷媒を用いた場合には圧力
損失が大きいために、異方向溝を形成した場合には螺旋
溝に比べて熱伝達率が向上する反面、螺旋溝に比べて圧
力損失も増大し、圧力損失の方が勝り結果的に全体の運
転効率が低下するからである。このため、異方向溝を用
いることによって管内の熱伝達率が上がるという特性を
積極的に利用することができないという問題があった。
【0009】また、従来、室内冷媒配管あるいは室外冷
媒配管に使用されていた冷媒配管は、冷媒の正方向流れ
と逆方向流れとにおいて流動抵抗が等しいため、冷房モ
ードと暖房モードにおいて冷媒の流動抵抗を異なるよう
にすることができず、冷房と暖房との両者の運転効率を
高くすることができないという問題があった。
【0010】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
問題を解消し、運転効率の高い空気調和機を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の空気調和機は、室内熱交換器と、室外
熱交換器と、前記室内熱交換器に冷媒を流通させる室内
冷媒配管と、前記室外熱交換器に冷媒を流通させる室外
冷媒配管と、を備え、前記冷媒は、50℃において25
00Kpa以上の飽和圧力を有し、前記室内冷媒配管
は、冷房モードにおいて単一の入力流路を形成する入口
部と、前記入口部の下流部に設けられた複数の流路に分
岐する分岐部と、を有するものである。
【0012】第2の発明は、室内熱交換器と、室外熱交
換器と、前記室内熱交換器に冷媒を流通させる室内冷媒
配管と、前記室外熱交換器に冷媒を流通させる室外冷媒
配管と、を備え、前記冷媒は、50℃において2500
Kpa以上の飽和圧力を有し、前記室内冷媒配管と前記
室外冷媒配管の少なくとも一方の内側表面に管軸方向に
対し傾斜する凸形状のフィンが形成されており、前記フ
ィンの間に形成される溝は異なる2以上の方向に形成さ
れた異方向溝とするものである。
【0013】第3の発明は、室内熱交換器と、室外熱交
換器と、前記室内熱交換器に冷媒を流通させる室内冷媒
配管と、前記室外熱交換器に冷媒を流通させる室外冷媒
配管と、を備え、前記冷媒は、50℃において2500
Kpa以上の飽和圧力を有し、前記室内冷媒配管は、冷
房モードにおいて単一の入力流路を形成する入口部と、
前記入口部の下流部に設けられた複数の流路に分岐する
分岐部を有し、前記室内冷媒配管と前記室外冷媒配管の
少なくとも一方の内側表面に管軸方向に対し傾斜する凸
形状のフィンが形成されており、前記フィンの間に形成
される溝は異なる2以上の方向に形成された異方向溝と
したものである。
【0014】第4の発明は電力供給電源の電圧を100
Vとするものである。
【0015】第5の発明は冷房能力を4KW以上とする
ものである。
【0016】第6の発明は冷房最大能力が4KW以上
4.6KW以下としている。
【0017】第7の発明は冷房最大能力が4KW以上
4.6KW以下とし、暖房最大能力を6KW以上として
いる。
【0018】第8の発明は前記室内熱交換器を収容する
室内機と前記室外機交換器を収容する室外機を接続する
接続配管を有し、冷房モードで室内熱交換器に対し上流
側となる第1の接続配管の管径を5mm乃至7mmと
し、冷房モードで室内熱交換機の下流側となる第2の接
続配管の管径を8mm乃至10mmとするものである。
【0019】第9の発明は、空気調和機の入力電流の最
大許容値を20A以下としている。
【0020】第10の発明は、室内熱交換器と室外熱交
換器のうちの蒸発器として作用する方の熱交換器の冷媒
配管の内側表面に前記異方向溝を形成し、前記異方向溝
が形成された冷媒配管内を流通する前記冷媒の冷媒質量
速度を300Kg/cm2 s以上とするものである。
【0021】第11の発明は、前記異方向溝が形成され
た冷媒配管を、継目無し管としている。
【0022】第12の発明は、前記冷媒を、略50wt
%のR32と略50wt%のR125とからなる混合冷
媒とするものである。
【0023】第13の発明は前記冷媒を、R32からな
る単一冷媒、あるいはR32を含む混合冷媒とするもの
である。
【0024】第14の発明の空気調和機は、室内熱交換
器と、室外熱交換器と、室内熱交換器に冷媒を流通させ
る室内冷媒配管と、前記室外熱交換器に冷媒を流通させ
る室外冷媒配管と、を備え、前記室内冷媒配管と前記室
外冷媒配管の少なくとも一方の内側表面に凸形状のフィ
ンが形成されており、前記フィンの形状は、冷媒の正方
向流れと逆方向流れとにおける流動抵抗が異なるように
形成されている。
【0025】第12の発明は第11の発明の冷媒とし
て、50℃において2500Kpa以上の飽和圧力を有
する冷媒を用いている。
【0026】第15の発明は、前記フィンが、その部分
毎に管軸方向に対して異なる傾斜角度で傾斜するように
形成されている。
【0027】第16の発明は、前記フィンのフィン幅
を、前記傾斜角度に応じて異ならせている。
【0028】第17の発明は、前記フィンのフィン幅
を、前記傾斜角度の大きい部分では前記傾斜角度の小さ
い部分に比べてより広くするものである。
【0029】第18の発明は、回転数制御を受ける圧縮
機を備え、前記圧縮機は、デュティが可変であるPWM
制御でデューティが所定値に到達するまで回転数制御さ
れ、デューティが所定値数以上では印加電圧が可変であ
るPAM制御で回転数制御されるようにしている。
【0030】第19の発明は、交流電源からの交流電圧
を直流電圧に変換するコンバータ装置及びコンバータ装
置に直列に接続されたリアクトルを有し、交流電圧のゼ
ロクロス点またはゼロクロス点から所定時間後を始点と
して短期間、リアクタと交流電源を強制的に短絡させる
直流電源装置を備え、この直流電源装置から出力される
直流電圧を交流に変換して圧縮機駆動電動機に供給する
インバータ装置を備えるものとしたものである。
【0031】上述の発明において、50℃において25
00Kpa以上の飽和圧力を有するような高圧冷媒を使
用すると共に室内熱交換器の冷房モードにおける入口部
を単一流路として、入口部の下流部を複数の流路に分岐
させる場合、冷房能力の向上が図れる。したがって、例
えば4KWの比較的に大きい冷房能力を出力させる空気
調和機でのCOD(エネルギー消費効率)を高めること
ができ、一般家庭の商用電源100Vを電力供給電源と
しても最大許容電流以下に抑えることが容易である。
【0032】また、50℃において2500Kpa以上
の飽和圧力を有するような圧力損失の小さい高圧冷媒を
用いることにより、異方向溝を用いても蒸発性能の低下
を少なくでき、大幅に凝縮性能を向上できる空気調和機
を提供することができる。
【0033】また、冷媒の正方向流れと逆方向流れとに
おいて流動抵抗が異なるように構成した冷媒配管を室内
冷媒配管または室外冷媒配管に使用することにより、冷
房モードにおいて蒸発器として機能する室内熱交換器に
おいて流動抵抗が小さくなるようにして圧力損失を増加
させないようにすることができ、この一方、暖房モード
において凝縮器として機能する室内熱交換器において流
動抵抗が大きくなり冷媒の攪拌効果が高められ、凝縮熱
伝達率を向上させることができ、冷房モードにおいても
暖房モードにおいても空気調和機の運転効率を高くする
ことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本願発明の
好適な実施の形態について説明する。
【0035】図1乃至図3を参照して、本発明の第1実
施形態について説明する。
【0036】図1に、空気調和機の概略構成を示す。
【0037】図1において、空気調和機Zは、圧縮機
1、四方弁2、室外熱交換器3、電子式自動膨張弁4を
冷媒配管により接続し、筐体内に収容した室外機Z1
と、室外熱交換器5を筐体内に収容した室内機Z2とか
らなり、室内機の接続部C2,C4と室外機Z1の接続
部C1,C3を接続配管P1,P2で接続することによ
り、冷媒管を介したヒートポンプ式の冷凍サイクルを構
成する。
【0038】室内熱交換器5は、室内ユニットの前面側
に配設された略円弧状の第1熱交換器部5Aと第1熱交
換器部5Aの上端から逆V字状をなすように後面側に配
設された第2熱交換器部5Bとから構成されている。第
2熱交換器部5Bは、直状に内側に配設された熱交換器
部5b1とこの熱交換器部5b1の上部側に平行に配設
された補助熱交換器5b2とから構成されている。な
お、補助熱交換器5b2に対し、第1熱交換器部5Aと
第2熱交換器部5Bの熱交換器部5b1とによって主熱
交換器が構成されている。
【0039】各熱交換器部5A、5Bは、フィンFを室
内冷媒配管6が蛇行状に貫通して形成されている。主熱
交換器を構成する第1熱交換器部5Aと第2熱交換器部
5Bの熱交換器部5b1には、室内冷媒配管6が2列並
設される一方、補助熱交換器5b2には室内冷媒配管6
が1列だけ設けられている。
【0040】冷房モードにおいては補助熱交換器5b2
が冷媒の入口側になり主熱交換器に出口側が設けられ
(図1に示す場合)、暖房モードにおいてはその逆にな
る。
【0041】図1に示すように、補助熱交換器5b2の
冷房モードにおける入口側には室内機Z2の接続部C2
から冷媒管9aが接続され、単一の流路を形成する入口
部7が設けられており、dは入口部の流路を示す。
【0042】また、室内冷媒配管6の下流側の中間部に
は、単一の流路eを2個の流路g,hに分岐する分岐部
8が設けられている。
【0043】補助熱交換器5b2と第1熱交換器部5A
との間には接続冷媒配管9bが接続されている。f1は
第1熱交換器部5Aの出口流路であり、f2は補助熱交
換器5b2の出口流路であり、主熱交換器からは冷媒が
2流路で冷媒管9c,9dに出力され、その後、出口流
路f1、f2は合流させられ冷媒管9eによる1本の流
路となっている。
【0044】室内冷媒配管6、冷媒管9a,9b,9
c,9d及び室内熱交換器5に対し上流側となる接続配
管P1、接続部C1から室外熱交換器5までの冷媒管9
fの管径は、5mm乃至7mmとすることが好ましく、
この実施形態では6.35mm(2/8インチ)を用い
ている。また、冷媒管9c,9dの合流部f3と室内機
Z2の接続部C4との間を接続する冷媒管9e、及び室
内熱交換器5に対して下流側となる接続配管P2の管径
は、8mm乃至10mmであり、この実施形態では、
9.52mm(3/8インチ)を用いている。また、室
外熱交換器5と圧縮器1の間の冷媒管9gや接続部C3
と圧縮機1の間の冷媒管9hは、127mmの管径とな
っている。因みに従来では、冷房能力が28クラス
(2.8KW)までの低い出力パワーの空気調和機に対
してのみ、6.35mm(2/8インチ)と9.52m
m(3/8インチ)の管径の接続配管が用いられている
一方、冷房能力が4KW以上の空気調和機に対してはR
22の圧力損失による冷房・暖房能力の低下を防止する
ために、6.35mm(2/8インチ)と12.7mm
(4/8インチ)の管径の接続配管が用いられていたの
で接続配管の管径差が大きく、空気調和機の据付時の管
接続作業がやりにくいという欠点があった。
【0045】以上のように構成される空気調和機におい
ては、冷房モードにおいて電子式自動膨張弁4を経た冷
媒は補助熱交換器5b2に形成された入口部7に送ら
れ、補助熱交換器5b2の室内冷媒配管6を経て接続冷
媒配管9を通り第1熱交換器部5Aの室内冷媒配管6へ
送られ、第1熱交換器部5Aに設けられた分岐部8にお
いて流路eから流路g,hに分流する。流路gを経た冷
媒は第1熱交換器部5Aの出口流路f1に至り、流路h
を経た冷媒は補助熱交換器5b2の出口流路f2に至
り、出口流路f1から出た冷媒と出口流路f2から出た
冷媒は合流し、四方弁2へ送られる。
【0046】次に、室内熱交換器5等に使用される冷媒
について説明する。
【0047】使用される冷媒は、凝縮温度50℃におい
て2500Kpa以上の飽和圧力を有する高圧冷媒であ
る。このような高圧冷媒としては、R32からなる単一
冷媒、あるいはR32を含む混合冷媒があり、本実施形
態では、50wt%のR32と50wt%のR125と
からなる混合冷媒であるR410Aを用いている。
【0048】図2は冷房能力とCOPの関係を示す図で
あり、図3は暖房能力とCOPの関係を示す図である。
ここで、COPとはエネルギー消費効率を示し、COP
値=能力(KW)/消費電力(KW)で算出される。
【0049】図2または図3において、(a)は凝縮温
度が50℃において2500Kpa以上の飽和圧力を有
する冷媒の一例として50wt%のR32と50wt%
のR125とからなる混合冷媒R410Aを用い、図1
に示すように室内熱交換器5に単一流路からなる入力部
7と2流路に分岐する分岐部8とを設けたいわゆる「1
−2パス」の構成を採用した場合を示す。(b)は、凝
縮温度が50℃において2500Kpaより小さい飽和
圧力を有する冷媒R22を用い、図1に示すように「1
−2パス」の構成を採用した場合を示す。(c)は、冷
媒R22を用い、図4に示すように室内熱交換器の冷媒
入口から冷媒出口まで2流路で形成したいわゆる「2−
2パス」の構成を採用した場合を示す。
【0050】図2に示すように、冷媒R22を使用し
「1−2パス」の場合(b)は、冷房能力は3KW以上
で性能低下が大きくなる。
【0051】このため、冷房能力約3800Wにおける
COP値が約1.6であり、このときの消費電力は38
00W/1.6=2375Wであり、空気調和機の電力
供給電源の電圧を100Vとした場合、3800Wの冷
房能力において消費電流は23.75Aとなり、一般家
庭の最大許容値20Aを大きく越えてしまう。
【0052】従って、冷媒R22を用いかつ「1−2パ
ス」を採用した場合には、空調空間27m2 −28m2
(17畳)に適した冷房能力である4000w以上の冷
房能力、例えば約4000W−約4500Wの冷房能力
を得ることができない。
【0053】一方、図2に示すように、冷媒R410A
を使用し「1−2パス」の場合(a)は、3KW以上に
おいて(b)の場合に比べて性能低下の度合いが少な
い。
【0054】すなわち、4000WでCOP値は約2.
4であり、このときの消費電力は4000W/2.4=
1667Wであり、空気調和機の電力供給電源の電圧を
100Vとした場合、4000Wの冷房能力において消
費電流は16.7Aとなり、一般家庭の最大許容値20
Aを越えることがなくなり、100Vの電力供給電源で
4000w以上(例えば約4000W−約4500W)
の冷房能力を有する空気調和機を提供することができ
る。
【0055】また、図2に示すように、冷媒R22を使
用し「2−2パス」の場合(c)は、冷房能力約400
0WにおけるCOP値が約2.4であり、このときの消
費電力は4000W/2.4=1667Wであり、電力
供給電源の電圧を100Vとした場合、4000Wの冷
房能力において消費電流は16Aとなり、一般家庭の最
大許容値20A内に入る。
【0056】しかしながら、(c)の場合では、空調空
間27m2 −28m2 (17畳)までの空間に適した十
分な暖房能力である6000W以上の暖房能力を得よう
とした場合、図3に示されるように、COP値は2.5
であり、このときの消費電力は6000W/2.5=2
400Wであり、空気調和機の電力供給電源の電圧を1
00Vとした場合、6000Wの冷房能力において消費
電流は24Aとなり、一般家庭の最大許容値20Aを越
えることになり、電源電圧として200Vが必要とされ
るのである。
【0057】また、同様に図3を参照すると明らかなよ
うに、(b)に示す場合においても、消費電流を20A
以下にし6000W以上の暖房能力を得るためには、電
源電圧として200Vが必要とされるのである。
【0058】これに対し、本発明の場合に該当する
(a)の場合では、図3に示すように、暖房能力600
0WでCOP値は約3.2であり、このときの消費電力
は6000W/3.2=1875Wであり、空気調和機
の電力供給電源の電圧を100Vとした場合でも、60
00Wの冷房能力において消費電流は18.8Aとな
り、一般家庭の最大許容値20Aを越えることがなく、
電源電圧が100Vで暖房能力6000Wを越える空気
調和機の提供が可能になるのである。
【0059】次に、冷房モードの動作について説明す
る。
【0060】冷房モードでは、圧縮機1で圧縮された高
温高圧の冷媒ガスが四方弁2を介して室外熱交換器3に
導かれ、凝縮液化する。この液冷媒は、電子自動膨張弁
4で断熱膨張し、室内ユニットに納められた室内熱交換
器5に導かれ、蒸発する。室内ユニットにおいては、図
示しない室内送風機を駆動して被空調室内空気を吹込口
から符号11のように室内ユニット内に吹込み、室内熱
交換器5を通過して室内冷媒配管6内を導かれる冷媒と
熱交換しし、熱交換した後の熱交換空気は送風路に案内
され吸出口から被空調室内へ吹出される。
【0061】図20は空気調和機の制御構成を示すブロ
ック図である。この実施形態は交流を直流に変換するコ
ンバータ装置としての直流電源装置と、この直流電源装
置から出力された直流を可変電圧、可変周波数の交流に
変換して圧縮機駆動電動機に供給するインバータ装置と
を備えている。ここに使用した直流電源装置は、トラン
ジスタQ1のベース駆動回路として、ベースドライブ電
源213 とホトカプラ219 とを有し、負荷抵抗として、イ
ンバータ装置220 を介して、圧縮機駆動電動機221 が接
続されている。また、トランジスタQ1を制御するため
のパルス発生回路の機能をゼロクロス検出器214 及び室
外制御部215 に持たせてあり、図21に示すように交流
電源のゼロクロス点から所定時間だけ、交流電源とリア
クトルLinを短絡してt率を上昇させるためにダイオ
ードD5〜D8をブリッジ接続してなる全波整流ダイオ
ードブリッジと、この全波整流ダイオードブリッジの電
流を制御するトランジスタQ1とを用いている。この場
合、全波整流ダイオードブリッジの交流入力端子の一方
が、交流電源Vinの一端に接続されるリアクトルLi
nの負荷側に接続され、全波整流ダイオードブリッジの
交流入力端子の他方が交流電源Vinの他端に接続され
ている。また、全波整流ダイオードブリッジの直流出力
端子間にトランジスタQ1が接続されている。
【0062】この空気調和機は室内機を交流電源に接続
する構成になっている。そして、室内機においては交流
電源201 から、ノイズフィルタ202 を介して、室内制御
部203 に動作電力を供給するようになっている。室内制
御部203 にはリモコン装置204 からの指令を受信する受
信部205 、室内温度を検出する温度センサ206 、図示省
略の室内熱交換器を通して風を室内に循環させる室内フ
ァン208 、吹出し空気の方向を変えるルーバ209 が接続
されている。一方、室外機においても、ノイズフィルタ
211 を介して、交流電源201 から室外制御部215 及び圧
縮機駆動電動機221 に動作電力を供給するようになって
いる。この場合、ノイズフィルタ211 の負荷側に電流値
検出器212 が設けられ、その検出信号が室外制御部215
に入力される。また、ノイズフィルタ211 の負荷側の交
流電圧を監視して、ゼロクロス点を検出するゼロクロス
検出器214 が設けられ、その検出信号が室外制御部215
に入力される。室外制御部215 には、さらに、室外熱交
換器の温度を検出する温度センサ216 、運転モードに応
じて冷媒の循環方向を変える四方弁217 、図示省略の室
外熱交換器に風を送込む室外ファン218 とが接続されて
いる。また、室外制御部215 は室内制御部3と送受信し
てインバータ装置220 を制御すると共に、ホトカプラ21
9 にパルス電流を供給してトランジスタQ1をオン操作
する構成になっている。
【0063】上記のように構成された空気調和機の実施
形態の概略動作について以下に説明する。先ず、リモコ
ン装置204 から運転開始、運転モード、室内設定温度、
室内ファンの風速、風向等の指令が受信部205 を介して
室内制御部203 に加えられる。これに応じて室内制御部
203 は運転状態等を表示器207 に表示し、室内ファン20
8 及びルーバ209 の駆動制御を実行すると共に、設定温
度と室内温度との偏差に応じて圧縮機駆動電動機221 を
駆動する電源周波数(以下圧縮機周波数と言う)を演算
し、運転モード信号と併せて圧縮機周波数信号を室外制
御部215 に送信する。室外制御部15は運転モード信号に
応じて四方弁217 を励磁(または非励磁)状態とし、圧
縮機周波数に従ってインバータ装置220 を制御し、室外
ファン218 を駆動すると共に、温度センサ216 の検出信
号等によって四方弁217 を制御して除霜運転等を行な
う。また、室外制御部215 は電流値検出器212 による電
流検出値が予め設定された制限値を超えないように、圧
縮機周波数の補正等も行う。さらに、室外制御部215 は
直流電源装置を構成するリアクトルLinに対し交流電
源と強制的に短絡通電させる強制通電制御をも実行す
る。室外制御部215 はこの強制通電制御によって、電源
高調波の低減及び力率の向上を図ると同時に、電流値検
出器212 による電流検出値がプラグやコンセントで規定
された制限値を超えようとするとき、リアクトルLin
に対する強制通電の位相区間を調整して、規定された制
限値内でより多くの電力を圧縮機駆動電動機221 に供給
する制御を実行する。
【0064】この実施形態によれば、トランジスタ及び
そのベース駆動回路が1組で足りる利点がある。また前
述したトランジスタQ1を整流型スイッチ素子としたと
き、全波整流ダイオードブリッジはそれ自体が整流特性
を有しているため、トランジスタQ1の代わりに単なる
スイッチ素子を用いても良い。
【0065】そして、交流電源のゼロクロス点又は、ゼ
ロクロス点から一定時間後を始点として交流電源Vin
瞬時値が、中間コンデンサCの両端電圧を超えない位相
区間の一部又は全部においてトランジスタを所定時間オ
ン状態にすることによつて、装置の大型化を抑えたまま
で、高調波成分の低減と高力率化を達成することができ
る。
【0066】以上、本発明の第1実施形態によれば、5
0℃において2500Kpa以上の飽和圧力を有する冷
媒を使用冷媒としたので、室内熱交換器5における冷媒
の圧力損失が小さいため、4KW以上の比較的に大きい
冷房能力を必要とする空気調和機において入口部7を単
一流路に形成しても、冷媒の圧力損失の上の支障が少な
い。この結果、入口部7を単純構成にすることができ、
また従来のような入口部を複数の流路に分岐して構成し
た場合に生じ得る分流不良やこれに伴う露付きによる不
具合や冷房能力不足の問題を解消することができる。
【0067】また、暖房モードにおいては入口部7は室
内熱交換器5における冷媒の出口部として機能するが、
入口部7が単一の流路で形成されているので、入口部を
複数の流路に分岐して構成した場合に暖房モードで生じ
得る問題の一つであるアンダークールゾーン(冷凍サイ
クルの特性をモリエル線で示した時の過冷却領域)がと
りにくく暖房能力が十分取れないというような従来の問
題を解消することができる。
【0068】また、50℃において2500Kpa以上
の飽和圧力を有する冷媒を使用冷媒としたので、室内冷
媒配管5における冷媒の圧力損失を小さくできるため、
冷房能力が4KW以上の空気調和機に対しても、6.3
5mm(2/8インチ)の管径の室内冷媒配管と9.5
2mm(3/8インチ)の管径の室外冷媒配管が用いる
ことができ、室内冷媒配管6と室外冷媒配管との接続配
管の管径差が小さくなるので、配管作業の作業性が向上
し、さらには、配管接続部のロー付けの信頼性を向上で
き配管作業の容易化を図ることができる。また、室外冷
媒配管等の管径を小さくでき、コストダウンを図ること
ができる。
【0069】また、50℃において2500Kpa以上
の飽和圧力を有する冷媒を使用冷媒としたので、室内冷
媒配管5における冷媒の圧力損失を小さくすると共に、
冷房時の室内熱交換器の入力部を単一流路とし入口部の
下流部を複数の流路に分岐させることにより冷房及び暖
房能力が向上し、さらには、空気調和機の直流電源装置
において、上記強制通電制御を行うことにより高効率化
することにより、冷房能力が4KW以上で暖房能力が6
KW以上の空気調和機を用いる場合でも空気調和機への
電力供給電源の電圧を100Vにすることができ、空気
調和機の使用者の設備負担を軽減することができる。
【0070】また、冷媒の圧力損失が小さくなるため、
封入する冷媒の量を少なくでき、冷凍サイクルの信頼性
を上げることができる。
【0071】次に、図5乃至図16を参照して、本発明
の第2実施形態について説明する。
【0072】まず、第2実施形態で解決しようとする課
題について説明する。
【0073】一般的に、室内冷媒配管や室外冷媒配管の
内側表面には、図5に示すように、管軸方向Aに対し、
螺旋状のフィンによって管軸方向に対し同一方向の螺旋
溝が形成されている。
【0074】また、図6に示すように、室内冷媒配管等
の内側表面に、管軸方向Aに対して単一の方向ではなく
複数の異なる方向に形成されたフィンによって異方向溝
が形成されている配管を冷媒配管として使用し得る。
【0075】異方向溝(図6)は螺旋溝(図5)に比べ
て熱伝導率を飛躍的に向上させる一方、冷媒の蒸発時に
おける圧力損失も増大させる(図3および図4を参
照)。また、異方向溝では、冷媒の質量速度を大きくす
るほど、螺旋溝の場合に比べて熱伝達率の上昇度が大き
くなる。
【0076】異方向溝の冷媒配管に従来の冷媒R22を
用いた場合、室内熱交換器あるいは室外熱交換器を蒸発
器として使用したときの圧力損失が大きくなるため熱伝
達率が上昇することによる効率の向上よりも圧力損失が
増大することによる効率低下よりも大きくなってしま
い、冷媒R22に対しては異方向溝を使用する効果がな
かった。
【0077】例えば、冷媒R22に対して、室内機の冷
媒配管に異方向溝を用いた場合には蒸発器として機能す
る室内熱交換器の冷房性能が低下し、室外機の冷媒配管
に異方向溝を用いた場合には蒸発器として機能する室外
熱交換器の暖房性能が低下する。また、室内機の冷媒配
管と室外機の冷媒配管の両者に異方向溝を用いた場合に
は、冷房と暖房の性能は同等もしくは低下する。
【0078】そこで、本発明の第2実施形態は、第1実
施形態と同様に圧力損失の小さい高圧冷媒を用いること
により、異方向溝を用いても蒸発性能の低下が少なくな
るようにし、大幅に凝縮性能を向上できる空気調和機を
提供するものである。
【0079】第2実施形態では、50℃の凝縮温度にお
いて2500Kpa以上の飽和圧力を有する冷媒Aが使
用される。
【0080】図7に異方向溝の熱伝達率を螺旋溝との比
で示し、図8に異方向溝の圧力損失を螺旋溝との比で示
す。上述の冷媒Aと従来の冷媒R22とについて示され
ている。
【0081】異方向溝の場合は循環冷媒の質量速度が上
昇するほど図7に示すように熱伝達率が螺旋溝の場合に
比べて大きくなるという特性がある反面、図8に示すよ
うに増大してしまう。圧力損失がシステム効率に及ぼす
影響度Iは以下の式で表される。 I=△P/P ここで、 △Pは圧力損失を表し、Pは熱交換器内にお
ける平均的圧力を表す。
【0082】影響度Iは小さいほど好ましい。影響度I
を小さくするためにPの値の大きい高圧冷媒を作動冷媒
として用い、これによって異方向溝を用いることによる
効率低下を補い性能の向上を図ることができる。
【0083】表1に同一蒸発温度におけるPの値を冷媒
(a)乃至(g)について示す。
【0084】
【表1】 表1に示す結果から、冷媒Aとして好適な作動冷媒とし
ては、(b)に示す冷媒R32からなる単一冷媒、
(c)に示すR125からなる単一冷媒、(d),
(e),および(f)に示すR32とR125との混合
冷媒、(g)に示すR32とR125とR143aの混
合冷媒を、採用することができる。
【0085】図9は、異方向溝のCOPを螺旋溝の場合
に対する比として冷媒質量速度に対して示した図であ
る。図9に示すように、熱交換器に異方向溝を用いる場
合には、冷媒質量速度が300Kg/cm2 sを越える
あたりから螺旋溝に比べて同等以上の効率が得られるこ
とがわかる。異方向溝を室外熱交換器に用いた場合も、
また室内熱交換器と室外熱交換器の両者に用いた場合も
同様である。
【0086】異方向溝を使用した熱交換器を蒸発器とし
て利用するときの定格運転時の冷媒質量速度を300K
g/cm2 s以上とするように通路断面積の管径の設定
を行うようにする。
【0087】また、管径を直径7mm以下の細径管を使
用することにより容易に冷媒質量速度を大きくとること
が可能になる。
【0088】図10に展開図(a)と断面図(b)とし
て示す異方向溝の管は、継目無管ではなく溶接管21で
あり溶接部21aが形成されている。溶接管21では溶
接部21aが管内に盛り上がり、通路断面積を減少さ
せ、圧力損失の一因になり、また溶接部21a付近の溝
が潰れ熱伝達率が低下するという問題がある。
【0089】そこで、異方向溝の形成された冷媒配管と
しては、図11乃至図13に展開図(a)と断面図
(b)として示すように、銅管からなる継ぎ目のない継
目無管22、23、24がよい。
【0090】ここで、図11に示す継目無管22は、単
一の山型形状の溝が管軸方向Aに繰り返して形成された
異方向溝管である。図12に示す継目無管23は、複数
に連続する山型形状の溝が管軸方向Aに繰り返して形成
された異方向溝管である。図13に示す継目無管24
は、複数の山型形状の溝が管軸方向Aに繰り返して形成
され山部と谷部に管軸方向Aに直線状の溝が形成された
異方向溝管である。
【0091】以上、本発明の第2実施形態によれば、5
0℃において2500Kpa以上の飽和圧力を有する冷
媒を使用冷媒としたので、室内機の冷媒配管と室外機の
冷媒配管との少なくとも一方に異方向溝を採用すること
が可能になる。
【0092】この場合、室内熱交換器と室外熱交換器の
うちの蒸発器として作用する方の熱交換器に対して異方
向溝管を少なくとも使用するようにする。
【0093】すなわち、異方向溝を用いることによって
管内の熱伝達率が上がるという特性を積極的に利用する
ことができ、圧力損失の小さい高圧冷媒を用いることに
より、異方向溝を用いても蒸発性能の低下を少なくで
き、大幅に凝縮性能を向上できる空気調和機を提供する
ことができる。
【0094】また、異方向溝管として継目無管22等を
使用することにより、高圧冷媒に対する耐圧強度が十分
確保できると共に溶接管21を用いた場合における溶接
部21aによって通路断面積を減少し圧力損失しまた溶
接部21a付近の溝が潰れ熱伝達率が低下するという問
題を回避することができる。なお、上記第1実施形態の
空気調和機に上記第2実施形態の異方向溝管を差採用す
れば、より一層の空調能力の向上が図れる。
【0095】次に、図14乃至図19を参照して、本発
明の第3実施形態について説明する。
【0096】まず、本実施形態で解決しようとする課題
について説明する。
【0097】一般的に、室内冷媒配管または室外冷媒配
管として使用する冷媒配管31の内側表面には、図16
乃至図18に示すように、管軸方向Aに対し一定の傾斜
角度(リード角)αで傾斜する凸形状のフィン32が形
成されており、フィン32とフィン32の間に螺旋溝3
3が形成されている。
【0098】また、図19に示すように、内側周面に異
方向溝が形成された冷媒配管35を室内冷媒配管または
室外冷媒配管として使用することも可能である。冷媒配
管35ではフィンが2種類の傾斜角度αで形成されてい
るが、これらの傾斜角度αはフィンの部分毎の異なるこ
となく一定に形成されている。
【0099】図16乃至図19に示すこのような一般的
な冷媒配管では、フィン32の傾斜角度αが一定である
ため、冷媒の正方向流れと逆方向流れにおける流動抵抗
が同じになり、冷媒の正方向流れと逆方向流れとにおい
て流動抵抗の差異を設けることができなかった。ここ
で、正方向流れとは、例えば冷房モードにおいて室内熱
交換器の室内冷媒配管を流れる冷媒の流れであり、逆方
向流れとは暖房モードにおいて室内熱交換器の室内冷媒
配管を流れる冷媒の流れをいう。
【0100】以下に、第3実施形態について具体的に説
明する。
【0101】図14において、展開図(a)と断面図
(b)として示す冷媒配管41の内側表面にはフィン4
2が形成されている。フィン42は、配管軸線方向に複
数連なる頂部44を有し、頂部44から径方向に離れた
位置に谷部45を有する山形状に配管軸方向に対し左右
対称に形成されている。フィン42の頂部44における
傾斜角度αは配管軸線方向に対し90度の角度にあり、
谷部45における傾斜角度αは配管軸線方向に対し90
度以下の小さい角度にある。傾斜角度αは、頂部44か
ら谷部45に向かって連続的に減少している。
【0102】図14のD部を拡大し図15にその斜視図
を示す。図15に示すように、フィン42のフィン幅4
2aは、傾斜角度αがより大きい部分ではより幅広にな
っている。すなわち、フィン幅42aは、頂部44から
谷部45に向かって連続的に減少している。
【0103】このように構成された冷媒配管41におい
て、図14においてBからCへ向かう方向(正方向)の
流動抵抗は、CからBへ向かう方向(逆方向)の流動抵
抗よりも小さくなり、冷媒の正方向流れと逆方向流れと
において流動抵抗が異なるように構成することができ
る。
【0104】冷媒配管41を室内冷媒配管として使用す
る例を説明する。冷房モードにおいて冷媒が、図14に
おけるBからCへ流れるように冷媒配管41を室外熱交
換器の冷媒配管として使用する。
【0105】冷媒配管41を室内熱交換器の冷媒配管と
して用いた場合に、冷房モードにおいて蒸発器として機
能する室内熱交換器において流動抵抗が小さくなるよう
にして圧力損失を増加させないようにすることができ
る。この一方、暖房モードにおいて凝縮器として機能す
る室内熱交換器において流動抵抗が大きくなり冷媒の攪
拌効果が高められ、凝縮熱伝達率を向上させることがで
きる。
【0106】熱交換器が凝縮器として作用する場合に
は、冷媒が高圧であるため密度が大きく、流動抵抗損失
は、熱交換器が蒸発器として作用する場合に比べてほと
んど無視することができる程度である。一方、攪拌効果
が高められることによって凝縮熱伝達率が増加し、熱交
換量を増加させることができるのである。
【0107】この結果、冷房モードにおいても暖房モー
ドにおいても空気調和機の運転効率を高くすることがで
きる。
【0108】冷媒配管41を室外冷媒配管として使用し
た場合も同様に空気調和機の運転効率を高くすることが
できる。
【0109】また、凝縮温度50℃において2500K
pa以上の飽和圧力を有する冷媒を使用冷媒とすること
により、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能
になる。
【0110】また、第3の実施形態でも冷媒配管41に
は異方向溝が形成されているので、第2実施形態と同様
の効果を奏することが可能になる。
【0111】さらに、第1実施形態の空気調和機の冷媒
配管に第3の実施形態の異方向溝管を採用すれば、より
効果的に空調能力を高めることができる。
【0112】なお、冷媒配管41の内側表面に形成され
るフィンの形状は図14および図15に示すものに限ら
ず、冷媒の正方向流れと逆方向流れとにおいて流動抵抗
が異なるように構成すれば他のフィン形状であってもよ
い。
【0113】以上に説明した第1実施形態、第2実施形
態または第3実施形態の暖房モードにおいて、空気調和
機に設けられた回転数制御を受ける圧縮機を、デューテ
ィが所定値(70〜100%)に達するまではデューテ
ィが可変であるPWM制御で回転数制御し、デューティ
が所定値以上では印加電圧が可変であるPAM制御で回
転数制御し回転数の不足分を補うことも可能である。こ
れによって、空気調和機の最大能力をさらに上昇させて
運転することが可能になる。
【0114】なお、以上の説明において、本願発明にお
ける高圧冷媒を、温度50℃において2500Kpa以
上の飽和圧力を有する冷媒であるとして特定したが、本
願に係る高圧冷媒と同等の冷媒を、このような物理量の
特定の仕方に代えて他の物理量で特定する場合も、本願
発明に含まれることはいうまでもない。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、冷房モードにおいても暖房モードにおいても空気
調和機の運転効率を高くすることができるので、例え
ば、空気調和機への供給交流電源が100V電源であっ
ても消費電流が家庭用電源の最大許容電流値以下で、略
4KW以上の冷房能力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態の空気調和機の概略構
成を示す図。
【図2】冷房能力とCOPの関係を高圧冷媒であるR4
10Aを「1−2パス」で使用した場合(a)、低圧冷
媒であるR22を「1−2パス」で使用した場合
(b)、低圧冷媒であるR22を「2−2パス」で使用
した場合(c)を比較する図。
【図3】暖房能力とCOPの関係を高圧冷媒であるR4
10Aを「1−2パス」で使用した場合(a)、低圧冷
媒であるR22を「1−2パス」で使用した場合
(b)、低圧冷媒であるR22を「2−2パス」で使用
した場合(c)を比較する図。
【図4】従来の空気調和機の概略構成を示す図。
【図5】本願発明の第2実施形態を説明する図であり、
管軸方向Aに対し単一の傾斜角度のフィンが形成された
螺旋溝を有する冷媒配管の展開図。
【図6】管軸方向Aに対し複数の傾斜角度のフィンが形
成された異方向溝を有する冷媒配管の展開図。
【図7】高圧冷媒Aと低圧冷媒R22に対して、異方向
溝の質量速度に対する熱伝達率を螺旋溝との比で示した
図。
【図8】高圧冷媒Aと低圧冷媒R22に対して、異方向
溝の質量速度に対する蒸発時の圧力損失を螺旋溝との比
で示した図。
【図9】冷房モードと暖房モードの各モードにおいて、
室内冷媒配管として異方向溝管を用いた場合の質量速度
に対するCOPの関係を高圧冷媒Aと低圧冷媒R22に
対して示した図。
【図10】本願発明の第2実施形態を説明する図であ
り、冷媒配管として従来に使用されていた溶接管を示す
展開図(a)と断面図(b)。
【図11】本願発明の第2実施形態で使用する異方向溝
の実施例を示す展開図(a)と断面図(b)。
【図12】本願発明の第2実施形態で使用する異方向溝
の他の実施例を示す展開図(a)と断面図(b)。
【図13】本願発明の第2実施形態で使用する異方向溝
のさらに他の実施例を示す展開図(a)と断面図
(b)。
【図14】本願発明の第3実施形態で使用する冷媒配管
を示す展開図(a)と断面図(b)。
【図15】図14のC部分を拡大して示す斜視図。
【図16】本願発明の第3実施形態を説明するための従
来の螺旋溝を有する冷媒配管を示す展開図。
【図17】図16に対応する断面図。
【図18】図17の一部拡大図。
【図19】本願発明の第3実施形態を説明するための異
方向溝を有する冷媒配管を示す展開図。
【図20】空気調和機の制御構成を示すブロック図。
【図21】交流電源の電圧波形および入力電流波形
(a)と、トランジスタのベース電圧波形(b)を示す
図。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 四方弁 3 室外熱交換器 4 電子式自動膨張弁 5 室外熱交換器 6 室内冷媒配管 7 入力部 8 分岐部 22、23、24 異方向溝管 41 冷媒配管 42 フィン 42a フィン幅 43 軸線 44 フィンの頂部 45 フィンの谷部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長 岡 良 明 静岡県富士市蓼原336 株式会社東芝富士 工場内 (72)発明者 佐 野 哲 夫 静岡県富士市蓼原336 株式会社東芝富士 工場内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室内熱交換器と、室外熱交換器と、前記室
    内熱交換器に冷媒を流通させる室内冷媒配管と、前記室
    外熱交換器に冷媒を流通させる室外冷媒配管と、を備
    え、 前記冷媒は、50℃において2500Kpa以上の飽和
    圧力を有し、 前記室内冷媒配管は、冷房モードにおいて単一の入力流
    路を形成する入口部と、前記入口部の下流部に設けられ
    た複数の流路に分岐する分岐部と、を有することを特徴
    とする空気調和機。
  2. 【請求項2】室内熱交換器と、室外熱交換器と、前記室
    内熱交換器に冷媒を流通させる室内冷媒配管と、前記室
    外熱交換器に冷媒を流通させる室外冷媒配管と、を備
    え、 前記冷媒は、50℃において2500Kpa以上の飽和
    圧力を有し、 前記室内冷媒配管と前記室外冷媒配管の少なくとも一方
    の内側表面に管軸方向に対し傾斜する凸形状のフィンが
    形成されており、前記フィンの間に形成される溝は異な
    る2以上の方向に形成された異方向溝であることを特徴
    とする空気調和機。
  3. 【請求項3】室内熱交換器と、室外熱交換器と、前記室
    内熱交換器に冷媒を流通させる室内冷媒配管と、前記室
    外熱交換器に冷媒を流通させる室外冷媒配管と、を備
    え、 前記冷媒は、50℃において2500Kpa以上の飽和
    圧力を有し、 前記室内冷媒配管は、冷房モードにおいて単一の入力流
    路を形成する入口部と、前記入口部の下流部に設けられ
    た複数の流路に分岐する分岐部を有し、 前記室内冷媒配管と前記室外冷媒配管の少なくとも一方
    の内側表面に管軸方向に対し傾斜する凸形状のフィンが
    形成されており、前記フィンの間に形成される溝は異な
    る2以上の方向に形成された異方向溝であることを特徴
    とする空気調和機。
  4. 【請求項4】電力供給電源の電圧が100Vであること
    を特徴とする請求項1乃至3に記載の空気調和機。
  5. 【請求項5】冷房能力が4KW以上であることを特徴と
    する請求項4に記載の空気調和機。
  6. 【請求項6】冷房最大能力が4KW以上4.6KW以下
    とすることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
  7. 【請求項7】冷房最大能力が4KW以上4.6KW以下
    で、暖房最大能力を6KW以上とすることを特徴とする
    請求項4に記載の空気調和機。
  8. 【請求項8】前記室内熱交換器を収容する室内機と前記
    室外機交換器を収容する室外機を接続する接続配管を有
    し、冷房モードで室内熱交換器に対し上流側となる第1
    の接続配管の管径が5mm乃至7mmであり、冷房モー
    ドで室内熱交換器の下流側となる第2の接続配管の管径
    が8mm乃至10mmであることを特徴とする請求項4
    に記載の空気調和機。
  9. 【請求項9】空気調和機の入力電流の最大許容値を20
    A以下にすることを特徴とする請求項4記載の空気調和
    機。
  10. 【請求項10】室内熱交換器と室外熱交換器のうちの蒸
    発器として作用する方の熱交換器の冷媒配管の内側表面
    に前記異方向溝が形成されており、前記異方向溝が形成
    された冷媒配管内を流通する前記冷媒の冷媒質量速度は
    300Kg/cm2 s以上であることをことを特徴とす
    る請求項2または3に記載の空気調和機。
  11. 【請求項11】前記異方向溝が形成された冷媒配管は、
    継目無し管であることを特徴とする請求項2または3に
    記載の空気調和機。
  12. 【請求項12】前記冷媒は、略50wt%のR32と略
    50wt%のR125とからなる混合冷媒であることを
    特徴とする請求項1乃至3に記載の空気調和機。
  13. 【請求項13】前記冷媒は、R32からなる単一冷媒、
    あるいはR32を含む混合冷媒であることを特徴とする
    請求項1乃至3に記載の空気調和機。
  14. 【請求項14】室内熱交換器と、室外熱交換器と、前記
    室内熱交換器に冷媒を流通させる室内冷媒配管と、前記
    室外熱交換器に冷媒を流通させる室外冷媒配管と、を備
    え、前記室内冷媒配管と前記室外冷媒配管の少なくとも
    一方の内側表面に凸形状のフィンが形成されており、前
    記フィンの形状は、前記冷媒の正方向流れと逆方向流れ
    とにおける流動抵抗が異なるように形成されていること
    を特徴とする請求項2または3記載の空気調和機。
  15. 【請求項15】前記フィンは、その部分毎に管軸方向に
    対して異なる傾斜角度で傾斜するように形成されている
    ことを特徴とする請求項14に記載の空気調和機。
  16. 【請求項16】前記フィンのフィン幅は、前記傾斜角度
    に応じて異なることを特徴とする請求項14に記載の空
    気調和機。
  17. 【請求項17】前記フィンのフィン幅は、前記傾斜角度
    の大きい部分では前記傾斜角度の小さい部分に比べてよ
    り広いことを特徴とする請求項16に記載の空気調和
    機。
  18. 【請求項18】回転数制御を受ける圧縮機を備え、前記
    圧縮機は、デューティが可変であるPWM制御でデュー
    ティが所定値に到達するまで回転数制御され、デューテ
    ィが所定値以上では印加電圧が可変であるPAM制御で
    回転数制御されることを特徴とする請求項1、請求項2
    または請求項3のいずれか1項に記載の空気調和機。
  19. 【請求項19】交流電源からの交流電圧を直流電圧に変
    換するコンバータ装置及びコンバータ装置に直列に接続
    されたリアクトルを有し、交流電圧のゼロクロス点また
    はゼロクロス点から所定時間後を始点として短期間、リ
    アクタと交流電源を強制的に短絡させる直流電源装置を
    備え、この直流電源装置から出力される直流電圧を交流
    に変換して圧縮機駆動電動機に供給するインバータ装置
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至3記載の空気調
    和機。
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