JPH1163109A - 防振装置及びその製造方法 - Google Patents

防振装置及びその製造方法

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JPH1163109A
JPH1163109A JP9241842A JP24184297A JPH1163109A JP H1163109 A JPH1163109 A JP H1163109A JP 9241842 A JP9241842 A JP 9241842A JP 24184297 A JP24184297 A JP 24184297A JP H1163109 A JPH1163109 A JP H1163109A
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JP
Japan
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layer
hollow portion
resin
vibration isolator
elastic body
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Application number
JP9241842A
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English (en)
Inventor
Takeshi Takemoto
武資 竹本
Akira Miyake
明 三宅
Kazuo Deguchi
和生 出口
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Marugo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Marugo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム弾性体の周囲に形成された樹脂材料
層が十分な強度を有する防振装置及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 樹脂材料層を内層と外層との2層構造と
した場合に内層と外層とのうちいずれか一方にアンダー
カット部分を形成し他方に該アンダーカット部分と嵌合
する部分を形成して内層と外層との接合力を高める。ま
た、樹脂材料層の破壊されやすい部分には補強材を埋設
する。さらに樹脂材料層に形成されるウエルドライン部
が、樹脂溜り空間に存在する材料を空洞部分へと移送す
ることによって撹拌及び分散される。そして、これらの
構造及び方法を組み合わせることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンマウント
やサスペンションアーム等の防振装置及びその製造方法
に関し、より詳細にはゴム弾性体の周囲に樹脂材料によ
って形成された樹脂材料層を有する防振装置及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンマウントやサスペンションアー
ム等の防振装置は、軽量化及びコストダウン等の要求に
よって、弾性体以外の部分を樹脂材料によって形成する
ことが検討されつつある(特開平7−35127等)。
この樹脂製防振装置においては、多様な性質が要求され
ると共にその製造コストを低減させる必要がある。
【0003】要求される性質としては引張強度、圧縮強
度、衝撃強度、及び弾性率等の強度、耐クリープ性、耐
油性、そして低応力緩和性等が挙げられ、しかもこれら
を低温から高温に及ぶ広範な温度範囲で達成しつつ低コ
ストでなければならない。この中で特に問題となるのが
十分な強度を得ることであり、とりわけゴム弾性体の周
囲に形成された樹脂材料層の十分な強度を得ることは従
来の方法では困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら樹脂材料層の強
度を向上させる種々の方法が提案されてきたが、そのい
ずれもが該樹脂材料層を単一の材料で形成するものであ
り、上記の要求される性質を十分満足し、かつ低コスト
であるものは得られていなかった。即ち、単一材料であ
れば、極めて厳しい性質のすべてにおいて満足するもの
をなかなか見出すことができず、たとえ見出したとして
も価格が高いため採用できなかったり、密度が高いこと
から軽量化できない等の理由によって、満足するものは
得られていなかった。このため本発明者らは、樹脂材料
層を内層と外層との2層構造とし、両層を異なった材料
によって形成する方法を研究してきた。しかしながら、
この方法においては内層と外層との接合力が弱い場合に
は、外層が早期に破壊するという問題点があり、特に、
樹脂材料層の強度を上げるためにガラス繊維によって強
化された樹脂材料を使用した場合、この傾向が強い。
【0005】また、防振装置は限られた狭い空間に配置
されることが多く、このため樹脂材料層の形状は制約を
受けることが多い。従って、樹脂材料層の一部が大きな
応力を受けて早期に破壊されることによって、他の部分
は強度的な余裕を十分有しているにもかかわらず、該一
部によって防振装置の強度が低く決定される場合が多
い。
【0006】さらに、樹脂材料層はゴム弾性体を取り囲
むように形成されるので、いずれかの位置にウエルドラ
イン(異なった経路を移動してきた樹脂材料が合わさる
部分)を生じる。このウエルドライン部の強度が他の部
分よりも著しく低いために、ウエルドライン部が早期に
破壊されることによって、他の部分は強度的な余裕を十
分有しているにもかかわらず、ウエルドライン部の強度
によって防振装置の強度が低く決定される場合が多い。
【0007】そこで本発明においては、樹脂材料層を内
層と外層との2層構造とした場合に内層と外層との接合
力を高めて樹脂材料層の強度を向上させた防振装置及び
その製造方法を提供することを第一の目的とする。ま
た、大きな応力を受けることによって早期に破壊されや
すい、樹脂材料層の一部については補強材を埋設するこ
とによって樹脂材料層の強度を向上させた防振装置及び
その製造方法を提供することを第二の目的とする。さら
に、樹脂材料層に形成されるウエルドライン部を撹拌及
び分散させて強度を上昇させることによって樹脂材料層
の強度を向上させた防振装置及びその製造方法を提供す
ることを第三の目的とする。なお、これらの樹脂材料層
の強度を向上させる方法を組み合わせることによって、
樹脂材料層の強度を更に向上させた防振装置及びその製
造方法を提供することを第四の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るため、樹脂材料層を構成する内層と外層との間で互い
に嵌合し両者の接合力を高めるためのアンダーカット部
分と該アンダーカット部分と嵌合する部分とを内層と外
層とにそれぞれ形成する。即ち、第一の本発明は、ゴム
弾性体と、該ゴム弾性体を取り囲むように形成された樹
脂材料層と、を有する防振装置であって、該樹脂材料層
が、該ゴム弾性体と接触する内層と該内層を取り囲むよ
うに形成された外層とを含み、該外層と該内層とのうち
いずれか一方である第一層がアンダーカット部分を有
し、該外層と該内層とのうち該第一層以外のものである
第二層が該アンダーカット部分と嵌合しているものであ
る、防振装置である。
【0009】第一の本発明の防振装置は、ゴム弾性体と
そのゴム弾性体を取り囲むように形成された樹脂材料層
とを有する。ゴム弾性体は、荷重を受けるための金属製
の内筒を該ゴム弾性体の中央部分に有している。内筒と
ゴムとは通常、加硫接着されてゴム弾性体が形成され
る。ゴム弾性体は円柱形状を通常有しており、該円柱の
側面部分を取り囲むように樹脂材料層が形成される。
【0010】樹脂材料層のうち、通常、ゴム弾性体に接
する内側部分と該内側部分を取り囲む外側部分とは要求
される性質が大幅に異なることが多いので、該内側部分
(以下、「内層」という。)と該外側部分(以下、「外
層」という。)とを別の材料によって形成することが好
ましい。例えば、本来高強度であるが吸湿によって大幅
に強度が低下するナイロンに強化するためのガラス繊維
を配合したもの(以下、「GFナイロン」という。)に
よって内層を形成し、あまり強度は高くないもののほと
んど吸湿をしないポリオキシメチレンに強化するための
ガラス繊維を配合したもの(以下、「GFPOM」とい
う。)を用いて外層を形成することによって、内層を形
成したGFナイロンの吸湿を防止し、吸湿による強度低
下を有効に防止することができる。このため、従来のG
Fナイロン製の防振装置は、GFナイロンが吸湿した際
の強度低下(吸湿前のほぼ半分程度まで強度が低下す
る)を考慮する必要があることから厚肉等にして強度を
確保しなければならなかったのに対し、本発明の防振装
置はその必要がないことから軽量かつコンパクトにする
ことができる。また、内層を形成したGFナイロンは、
ナイロンの分子構造からゴムに容易かつ確実に接着する
ことができるので、ゴム弾性体に接する内層を形成する
のに極めて好都合である。更に、ベースとなる樹脂(上
記でいう、ナイロンとポリオキシメチレン)は同一であ
っても、その中に充填する充填材の種類や量を変更した
ものを用いて内層と外層とを形成することもできる。例
えば、強化用のガラス繊維の含有量を30重量%と50
重量%等のように変えることによって、また、一方には
ガラス繊維を充填し、他方には炭素繊維を充填すること
等によって異なる樹脂材料として内層と外層とを形成す
ることもできる。その他に、内層と外層とのうちいずれ
かの層に自己摺動性を付与するために、該いずれかの層
を形成する材料にテフロン樹脂やシリコンを微量添加す
ることもできる。
【0011】樹脂による成形物では、成形型内の異なっ
た経路を通った樹脂材料が合流する部分即ちウエルドラ
イン部の強度低下が大きな問題になる。本発明の防振装
置の樹脂材料層もゴム弾性体が配置される開口を有する
ことから、射出成形等を行うとウエルドラインが発生す
る。ウエルドラインが内層と外層との間で互いにずれず
樹脂材料層の内周と外周とを連絡するように形成される
と、樹脂材料層のその部分の強度は著しく低下する。こ
のため、内層に形成されたウエルドラインと外層に形成
されたウエルドラインとが、内層と外層との間で連続し
ないように存在することが好ましい。両ウエルドライン
は、樹脂材料層において大きな応力がかからない場所に
配置されることが好ましく、さらに両ウエルドラインが
あまり接近しないように配置されることが好ましい。
【0012】外層が内層と剥離することがないよう外層
と内層との間の接合力を高めるために、外層と内層との
うちいずれか一方である第一層がアンダーカット部分を
有し、外層と内層とのうち第一層以外のものである第二
層が該アンダーカット部分と嵌合するように構成され
る。第一層は外層又は内層のいずれであってもよく、第
二層は外層又は内層のうち第一層にならなかったものに
なる。即ち、内層を第一層とした場合であれば外層が第
二層になり、逆に、外層を第一層とした場合であれば内
層が第二層になる。アンダーカット部分は、第一層が連
続する方向に対して垂直な面(アンダーカット部分が取
付られた、第一層の面が曲面の場合であれば該曲面への
接線に垂直な面)によって切断した場合、先端部分と、
先端部分と第一層とを連結する連結部分であって該先端
部分よりも細い連結部分と、を有する部分をいい、第一
層と第二層とが確実かつ強固に接合されるものであれば
いかなるものであってもかまわない。
【0013】このようにして第一層と第二層即ち外層と
内層とがアンダーカットによる嵌合によって強固に接合
されていると、樹脂材料層に荷重がかかった場合に外層
が容易に破壊することがなく、このため防振装置の強度
を上昇させることができる。これは内層に応力が加わっ
た場合に、内層と外層とが固定されていない場合であれ
ば応力全体を外層が圧縮力のみ(即ち、外層のほぼ半周
において支持する。)として支持しなければならないの
に対し、内層と外層とが固定されている場合であれば応
力全体を外層が圧縮力と引張力との両方(即ち、外層の
ほぼ全周において支持する。)として支持するので、強
度が上昇するものと考えられる。従って、外層と内層と
の固定は、外層と内層とが接する全周にわたって連続し
て行われることが望ましく、そのためにはアンダーカッ
ト部分が第一層の全周にわたって連続して形成されるこ
とが好ましい。さらに、外層と内層との接合をより強固
にするために、第一層と第二層とが互いに嵌合している
部分の一部又は全部に接着剤を塗布してもよい。
【0014】上記第二の目的を達成するため、大きな応
力を受けることによって早期に破壊されやすい、樹脂材
料層の一部については補強材を埋設する。即ち、第二の
本発明は、ゴム弾性体と、該ゴム弾性体を取り囲むよう
に形成された樹脂材料層と、を有する防振装置であっ
て、該樹脂材料層の一部に補強材を埋設したものであ
る、防振装置である。補強材は樹脂材料層の一部に埋設
されるが、樹脂材料層のいかなる部分に埋設されてもよ
く、通常は樹脂材料層が樹脂のみによって形成されてい
る場合に大きな応力を受けることによって早期に破壊さ
れやすい部分を補強するように埋設される。
【0015】また、樹脂材料層が内層と外層とを有する
場合であれば、破壊されやすい外層に補強材を埋設すれ
ば大幅な強度の向上を図ることができる。特に、樹脂材
料層が内層と外層とを有し、内層と外層とのうちのいず
れか一方がアンダーカット部分を有し、他方が該アンダ
ーカット部分に嵌合しているもの(請求項1乃至3)で
あれば、外層に補強材を埋設すれば(請求項4)、前記
の強固な接合の効果とあいまって極めて強度の高い防振
装置とすることができる。
【0016】埋設はいかなる既知の方法によって行って
もよく、例えば、補強材を成形型内にインサートして樹
脂材料層を成形したり、樹脂材料層に形成された凹部に
補強材を接着すること等によって行うことができる。補
強材は、樹脂材料層を補強するために所定の応力に十分
耐えることができるものでなければならず、繊維や金属
によって形成されることが望ましい(請求項5、7)。
繊維としては、ポリアミド繊維、ガラス繊維、炭素繊
維、及びアラミド繊維等が挙げられ、金属としては、鋼
材、銅、アルミニウム、マグネシウム、及びチタン等が
挙げられる。
【0017】上記第三の目的を達成するため、樹脂材料
層に形成されるウエルドライン部の強度を上昇させるた
めに、ウエルドライン部を撹拌し分散させる製造方法と
する。即ち、第三の本発明は、ゴム弾性体と、該ゴム弾
性体を取り囲むように形成された樹脂材料層と、を有す
る防振装置の製造方法であって、該防振装置の形状に対
応した空洞部分と該空洞部分に通じる樹脂溜り空間とを
内部に有する成形型の該空洞部分に該ゴム弾性体を挿入
し、該空洞部分と該樹脂溜り空間とに該樹脂材料層を形
成する材料を注入し、そして少なくとも該材料が固化す
る前に、該樹脂溜り空間に存在する該材料の少なくとも
一部を該空洞部分へと移送すること、を含むものであ
る、防振装置の製造方法(請求項8)である。
【0018】第三の本発明の防振装置の製造方法は、ゴ
ム弾性体とそのゴム弾性体を取り囲むように形成された
樹脂材料層とを有する防振装置の製造方法である。ゴム
弾性体は、荷重を受けるための金属製の内筒を該ゴム弾
性体の中央部分に有している。内筒とゴムとは通常、加
硫接着されてゴム弾性体が形成される。ゴム弾性体は円
柱形状を通常有しており、該円柱の側面部分を取り囲む
ように樹脂材料層が形成される。
【0019】本方法は、防振装置の形状に対応した空洞
部分と該空洞部分に通じる樹脂溜り空間とを内部に有す
る成形型を使用する。空洞部分は、製造する所望の防振
装置の形状に対応した形状を有する。ここに「防振装置
の形状に対応した形状」とは、空洞部分内に樹脂材料を
注入して成形されたものが所望の防振装置の形状と実質
的に同じであるような空洞部分の形状をいう。一方、樹
脂溜り空間は成形型内部に存在し、樹脂溜り空間は空洞
部分と連通している。従って、流体例えば融解状態の樹
脂材料や気体等は樹脂溜り空間と空洞部分とを自由に行
き来することができる。樹脂溜り空間の容積や形状は特
に制限はなく、空洞部分に注入された樹脂材料が形成す
るウエルドライン部を十分撹拌し分散させることがで
き、さらに空洞部分の材料充填量を十分増加させること
ができる程度の樹脂材料を空洞部分へ移送することがで
きるものであればよい。
【0020】本製造方法は、まず空洞部分の所定位置に
ゴム弾性体を挿入する。ゴム弾性体は、その後、樹脂材
料が周囲に注入されても移動しないように固定される。
その後、空洞部分と樹脂溜り空間とに樹脂材料層を形成
するための材料を融解状態で注入する。そして少なくと
もその材料が固化する前に、樹脂溜り空間に存在する材
料の少なくとも一部を空洞部分へと移送する。この材料
の空洞部分への移送は、いかなる方法によって行っても
よく、例えば、樹脂溜り空間に部材を侵入させる方法や
樹脂溜り空間に圧縮ガス(例えば、圧縮窒素ガス)を注
入する方法等が例示的に挙げられる。材料の空洞部分へ
の移送量、移送速度、及び移送位置を変えることによっ
て、空洞部分に形成されているウエルドライン部の撹拌
及び分散の程度を変化させることができる。樹脂溜り空
間に存在する材料の少なくとも一部を空洞部分へと移送
することによってウエルドライン部を撹拌及び分散させ
ることによってウエルドライン部における強度低下を減
少させることができる。さらに、空洞部分への材料充填
が完了した後、樹脂溜り空間に存在する材料をさらに空
洞部分へ充填するので空洞部分の材料充填量が増加す
る。このため成形物中のボイドが減少し、その結果、強
度が上昇する。
【0021】樹脂溜り空間に存在する材料の少なくとも
一部を空洞部分へと移送する方向は、成形型が有するイ
ジェクターピンが成形工程において移動する方向に対し
て垂直方向に行われることが望ましい。通常、成形型の
設計都合から、樹脂材料層は、イジェクターピンの移動
方向に対して垂直方向には薄く形成されるので、該垂直
方向に材料を移送することによってウエルドライン全体
を撹拌及び分散させることができる。これに対し、イジ
ェクターピンの移動方向に対して平行方向には樹脂材料
層が厚いので、この方向に材料を移送しても全体のウエ
ルドラインを撹拌及び分散することができない可能性が
高い(移送される樹脂が空洞部分に侵入する位置に近い
位置のウエルドライン部は撹拌等されるが、侵入位置か
ら遠い位置のウエルドライン部は効果的に撹拌等できな
い可能性がある)。従って、イジェクターピンが成形工
程において移動する方向に対して垂直方向に、樹脂溜り
空間から空洞部分へと材料を移送することで、空洞部分
に移送された材料が十分ウエルドライン部全体を撹拌及
び分散させ、ウエルドライン部の強度低下を小さくする
ことができる。
【0022】さらに、樹脂溜り空間に存在する材料の少
なくとも一部を空洞部分へと移送する位置(樹脂溜り空
間から空洞部分へと移送される材料が空洞部分へ侵入す
る位置をいう。以下同じ。)は、空洞部分に形成された
ウエルドライン部の近傍位置とされることが望ましい。
ウエルドライン部に近い位置に材料が移送されるほど、
形成されたウエルドライン部を撹拌及び分散させる効果
が高いので、ウエルドライン部の強度低下を小さくする
ことができる。従って、さらに好ましくは空洞部分に形
成されたウエルドライン部に向けて材料を移送する。
【0023】このように樹脂材料層の強度を向上させる
3種類の構造(樹脂材料層が内層と外層とを有し、内層
と外層とが嵌合して両者が強固に接合した第一の構造、
樹脂材料層の一部に補強材を埋設した第二の構造、樹脂
材料層が内層と外層とを有し、内層と外層とが嵌合して
両者が強固に接合し、さらに外層に補強材を埋設した第
三の構造)と1種類の製造方法(ウエルドラインを撹拌
及び分散させる製造方法)について説明したが、これら
3種類の構造を有する防振装置を、ウエルドラインを撹
拌及び分散させる製造方法(以下、「本製造方法」とい
う。)によって製造すれば極めて高い強度を有する防振
装置を得ることができる。即ち、樹脂材料層の強度を向
上させるための構造と本製造方法とを組み合わせること
によって、本発明の第四の目的の、樹脂材料層の強度を
更に向上させた防振装置及びその製造方法を提供するこ
とができる。
【0024】まず、第一の構造を有する防振装置を本製
造方法によって形成する場合を説明する。第一の構造を
有する防振装置、即ちゴム弾性体と、該ゴム弾性体を取
り囲むように形成された樹脂材料層と、を有する防振装
置であって、該樹脂材料層が、該ゴム弾性体と接触する
内層と該内層を取り囲むように形成された外層とを含
み、該外層と該内層とのうちいずれか一方である第一層
がアンダーカット部分を有し、該外層と該内層とのうち
該第一層以外のものである第二層が該アンダーカット部
分と嵌合しているものである、防振装置(請求項1)で
あっても、外層部分にウエルドライン部が形成され、そ
の部分の強度が低下する。この外層部分に形成されるウ
エルドライン部における強度低下を小さくするために、
ウエルドライン部を撹拌及び分散させる本製造方法によ
って製造されることが好ましい。即ち、この場合の製造
方法は、防振装置の形状に対応した空洞部分と該空洞部
分に通じる樹脂溜り空間とを内部に有する成形型の該空
洞部分に、内層を取り付けられたゴム弾性体を挿入し、
該空洞部分と該樹脂溜り空間とに外層を形成する材料を
注入し、そして少なくとも該材料が固化する前に、該樹
脂溜り空間に存在する該材料の少なくとも一部を該空洞
部分へと移送すること、を含むものである、防振装置の
製造方法である。このときアンダーカット部分が第一層
の全周にわたって連続的に形成されたもの(請求項2)
であっても、また第一層と第二層とが互いに嵌合してい
る部分の少なくとも一部に接着剤が塗布されたもの(請
求項3)であっても同様に製造することができる。
【0025】本方法は、防振装置の形状に対応した空洞
部分と該空洞部分に通じる樹脂溜り空間とを内部に有す
る成形型を使用する。空洞部分は、製造する所望の防振
装置の形状に対応した形状を有する。ここに「防振装置
の形状に対応した形状」とは、空洞部分内に樹脂材料を
注入して成形されたものが所望の防振装置の形状と実質
的に同じであるような空洞部分の形状をいう。一方、樹
脂溜り空間は成形型内部に存在し、樹脂溜り空間は空洞
部分と連通している。従って、流体例えば融解状態の樹
脂材料や気体等は樹脂溜り空間と空洞部分とを自由に行
き来することができる。樹脂溜り空間の容積や形状は特
に制限はなく、空洞部分に注入された樹脂材料が形成す
るウエルドライン部を十分撹拌し分散させることがで
き、さらに空洞部分の材料充填量を十分増加させること
ができる程度の樹脂材料を空洞部分へ移送することがで
きるものであればよい。
【0026】本方法は、まず空洞部分の所定位置に、内
層が取り付けられたゴム弾性体を挿入する。ゴム弾性体
に内層を取り付ける方法は既知のいかなる方法によって
もよく、例えば、接着や嵌合等によって行うことができ
るが、両者の確実かつ強固な取付を達成するためにはゴ
ム弾性体をインサートした射出成形法(内層を形成する
材料を射出する)によって両者を一体的に形成すること
が好ましい。内層が取り付けられたゴム弾性体は、その
後、樹脂材料が周囲に注入されても移動しないように固
定される。なお、このとき内層が外層と互いに嵌合する
こととなる部分の一部又は全部に接着剤を塗布してもよ
く、そうすれば内層と外層との接合力を一層高めること
ができる。その後、空洞部分と樹脂溜り空間とに外層を
形成するための材料を融解状態で注入する。そして少な
くともその材料が固化する前に、樹脂溜り空間に存在す
る材料の少なくとも一部を空洞部分へと移送する。この
材料の空洞部分への移送は、いかなる方法によって行っ
てもよく、例えば、樹脂溜り空間に部材を侵入させる方
法や樹脂溜り空間に圧縮ガス(例えば、圧縮窒素ガス)
を注入する方法等が例示的に挙げられる。材料の空洞部
分への移送量、移送速度、及び移送位置を変えることに
よって、空洞部分に形成されているウエルドライン部の
撹拌及び分散の程度を変化させることができる。樹脂溜
り空間に存在する材料の少なくとも一部を空洞部分へと
移送することによってウエルドライン部を撹拌及び分散
させることによってウエルドライン部における強度低下
を減少させることができる。さらに、空洞部分への材料
充填が完了した後、樹脂溜り空間に存在する材料をさら
に空洞部分へ充填するので空洞部分の材料充填量が増加
する。このため成形物中のボイドが減少し、その結果、
強度が上昇する。
【0027】樹脂溜り空間に存在する材料の少なくとも
一部を空洞部分へと移送する方向は、成形型が有するイ
ジェクターピンが成形工程において移動する方向に対し
て垂直方向に行われることが望ましい。通常、成形型の
設計都合から、外層は、イジェクターピンの移動方向に
対して垂直方向には薄く形成されるので、該垂直方向に
材料を移送することによってウエルドライン全体を撹拌
及び分散させることができる。これに対し、イジェクタ
ーピンの移動方向に対して平行方向には外層が厚いの
で、この方向に材料を移送しても全体のウエルドライン
を撹拌及び分散することができない可能性が高い(移送
される樹脂が空洞部分に侵入する位置に近い位置のウエ
ルドライン部は撹拌等されるが、侵入位置から遠い位置
のウエルドライン部は効果的に撹拌等できない可能性が
ある)。従って、イジェクターピンが成形工程において
移動する方向に対して垂直方向に、樹脂溜り空間から空
洞部分へと材料を移送することで、空洞部分に移送され
た材料が十分ウエルドライン部全体を撹拌及び分散さ
せ、ウエルドライン部の強度低下を小さくすることがで
きる。
【0028】さらに、樹脂溜り空間に存在する材料の少
なくとも一部を空洞部分へと移送する位置は、空洞部分
に形成されたウエルドライン部の近傍位置とされること
が望ましい。ウエルドライン部に近い位置に材料が移送
されるほど、形成されたウエルドライン部を撹拌及び分
散させる効果が高いので、ウエルドライン部の強度低下
を小さくすることができる。従って、さらに好ましくは
空洞部分に形成されたウエルドライン部に向けて材料を
移送する。
【0029】次に、第二の構造を有する防振装置を本製
造方法によって形成する場合を説明する。第二の構造を
有する防振装置、即ちゴム弾性体と、該ゴム弾性体を取
り囲むように形成された樹脂材料層と、を有する防振装
置であって、該樹脂材料層の一部に補強材を埋設したも
のである、防振装置(請求項6)についても樹脂材料層
に形成されるウエルドライン部分の強度低下によって樹
脂材料層の強度が低下する。また、ウエルドライン部分
の強度低下を、埋設する補強材によって補うためには、
補強材を増量したり、補強材の種類を変更する等の対策
が必要となり、その結果、防振装置の重量増加及び製造
コスト上昇等につながる。従って、樹脂材料層に形成さ
れるウエルドライン部における強度低下を小さくするた
めに、ウエルドライン部を撹拌及び分散させる本製造方
法によって製造されることが好ましい。即ち、この場合
の製造方法は、防振装置の形状に対応した空洞部分と該
空洞部分に通じる樹脂溜り空間とを内部に有する成形型
の該空洞部分にゴム弾性体と補強材とを挿入し、該空洞
部分と該樹脂溜り空間とに樹脂材料層を形成する材料を
注入し、そして少なくとも該材料が固化する前に、該樹
脂溜り空間に存在する該材料の少なくとも一部を該空洞
部分へと移送すること、を含むものである、防振装置の
製造方法である。このとき補強材が繊維又は金属製(請
求項7)であっても同様に製造することができる。
【0030】本方法は、防振装置の形状に対応した空洞
部分と該空洞部分に通じる樹脂溜り空間とを内部に有す
る成形型を使用する。空洞部分は、製造する所望の防振
装置の形状に対応した形状を有する。ここに「防振装置
の形状に対応した形状」とは、空洞部分内に樹脂材料を
注入して成形されたものが所望の防振装置の形状と実質
的に同じであるような空洞部分の形状をいう。一方、樹
脂溜り空間は成形型内部に存在し、樹脂溜り空間は空洞
部分と連通している。従って、流体例えば融解状態の樹
脂材料や気体等は樹脂溜り空間と空洞部分とを自由に行
き来することができる。樹脂溜り空間の容積や形状は特
に制限はなく、空洞部分に注入された樹脂材料が形成す
るウエルドライン部を十分撹拌し分散することができ、
さらに空洞部分の材料充填量を十分増加させることがで
きる程度の樹脂材料を空洞部分へ移送することができる
ものであればよい。
【0031】本方法は、まず空洞部分の所定位置に、ゴ
ム弾性体と補強材とを挿入する。ゴム弾性体と補強材と
は、その後、樹脂材料が周囲に注入されても移動しない
ように固定される。その後、空洞部分と樹脂溜り空間と
に樹脂材料層を形成するための材料を融解状態で注入す
る。そして少なくともその材料が固化する前に、樹脂溜
り空間に存在する材料の少なくとも一部を空洞部分へと
移送する。この材料の空洞部分への移送は、いかなる方
法によって行ってもよく、例えば、樹脂溜り空間に部材
を侵入させる方法や樹脂溜り空間に圧縮ガス(例えば、
圧縮窒素ガス)を注入する方法等が例示的に挙げられ
る。材料の空洞部分への移送量、移送速度、及び移送位
置を変えることによって、空洞部分に形成されているウ
エルドライン部の撹拌及び分散の程度を変化させること
ができる。樹脂溜り空間に存在する材料の少なくとも一
部を空洞部分へと移送することによってウエルドライン
部を撹拌及び分散させることによってウエルドライン部
における強度低下を減少させることができる。さらに、
空洞部分への材料充填が完了した後、樹脂溜り空間に存
在する材料をさらに空洞部分へ充填するので空洞部分の
材料充填量が増加する。このため成形物中のボイドが減
少し、その結果、強度が上昇する。
【0032】樹脂溜り空間に存在する材料の少なくとも
一部を空洞部分へと移送する方向は、成形型が有するイ
ジェクターピンが成形工程において移動する方向に対し
て垂直方向に行われることが望ましい。通常、成形型の
設計都合から、樹脂材料層は、イジェクターピンの移動
方向に対して垂直方向には薄く形成されるので、該垂直
方向に材料を移送することによってウエルドライン全体
を撹拌及び分散させることができる。これに対し、イジ
ェクターピンの移動方向に対して平行方向には樹脂材料
層が厚いので、この方向に材料を移送しても全体のウエ
ルドラインを撹拌及び分散することができない可能性が
高い(移送される樹脂が空洞部分に侵入する位置に近い
位置のウエルドライン部は撹拌等されるが、侵入位置か
ら遠い位置のウエルドライン部は効果的に撹拌等できな
い可能性がある)。従って、イジェクターピンが成形工
程において移動する方向に対して垂直方向に、樹脂溜り
空間から空洞部分へと材料を移送することで、空洞部分
に移送された材料が十分ウエルドライン部全体を撹拌及
び分散させ、ウエルドライン部の強度低下を小さくする
ことができる。
【0033】さらに、樹脂溜り空間に存在する材料の少
なくとも一部を空洞部分へと移送する位置は、空洞部分
に形成されたウエルドライン部の近傍位置とされること
が望ましい。ウエルドライン部に近い位置に材料が移送
されるほど、形成されたウエルドライン部を撹拌及び分
散させる効果が高いので、ウエルドライン部の強度低下
を小さくすることができる。従って、さらに好ましくは
空洞部分に形成されたウエルドライン部に向けて材料を
移送する。
【0034】最後に、第三の構造を有する防振装置を本
製造方法によって形成する場合を説明する。第三の構造
を有する防振装置、即ちゴム弾性体と、該ゴム弾性体を
取り囲むように形成された樹脂材料層と、を有する防振
装置であって、該樹脂材料層が、該ゴム弾性体と接触す
る内層と該内層を取り囲むように形成された外層とを含
み、該外層と該内層とのうちいずれか一方である第一層
がアンダーカット部分を有し、該外層と該内層とのうち
該第一層以外のものである第二層が該アンダーカット部
分と嵌合しており、そして該外層に補強材が埋設された
ものである、防振装置(請求項4)であっても、外層部
分にウエルドライン部が形成され、その部分の強度が低
下する。また、ウエルドライン部分の強度低下を、埋設
する補強材によって補うためには、補強材を増量した
り、補強材の種類を変更する等の対策が必要となり、そ
の結果、防振装置の重量増加及び製造コスト上昇等につ
ながる。従って、外層部分に形成されるウエルドライン
部における強度低下を小さくするために、ウエルドライ
ン部を撹拌及び分散させる本製造方法によって製造され
ることが好ましい。即ち、この場合の製造方法は、防振
装置の形状に対応した空洞部分と該空洞部分に通じる樹
脂溜り空間とを内部に有する成形型の該空洞部分に、内
層を取り付けられたゴム弾性体と補強材とを挿入し、該
空洞部分と該樹脂溜り空間とに外層を形成する材料を注
入し、そして少なくとも該材料が固化する前に、該樹脂
溜り空間に存在する該材料の少なくとも一部を該空洞部
分へと移送すること、を含むものである、防振装置の製
造方法である。このとき補強材が繊維又は金属製(請求
項5)であっても同様に製造することができる。
【0035】本方法は、防振装置の形状に対応した空洞
部分と該空洞部分に通じる樹脂溜り空間とを内部に有す
る成形型を使用する。空洞部分は、製造する所望の防振
装置の形状に対応した形状を有する。ここに「防振装置
の形状に対応した形状」とは、空洞部分内に樹脂材料を
注入して成形されたものが所望の防振装置の形状と実質
的に同じであるような空洞部分の形状をいう。一方、樹
脂溜り空間は成形型内部に存在し、樹脂溜り空間は空洞
部分と連通している。従って、流体例えば融解状態の樹
脂材料や気体等は樹脂溜り空間と空洞部分とを自由に行
き来することができる。樹脂溜り空間の容積や形状は特
に制限はなく、空洞部分に注入された樹脂材料が形成す
るウエルドライン部を十分撹拌し分散することができ、
さらに空洞部分の材料充填量を十分増加させることがで
きる程度の樹脂材料を空洞部分へ移送することができる
ものであればよい。
【0036】本方法は、まず空洞部分の所定位置に、内
層が取り付けられたゴム弾性体と補強材とを挿入する。
ゴム弾性体に内層を取り付ける方法は既知のいかなる方
法によってもよく、例えば、接着や嵌合等によって行う
ことができるが、両者の確実かつ強固な取付を達成する
ためにはゴム弾性体をインサートした射出成形法(内層
を形成する材料を射出する)によって両者を一体的に形
成することが好ましい。空洞部分に挿入された、内層が
取り付けられたゴム弾性体と補強材とは、その後、樹脂
材料が周囲に注入されても移動しないように固定され
る。その後、空洞部分と樹脂溜り空間とに外層を形成す
るための材料を融解状態で注入する。そして少なくとも
その材料が固化する前に、樹脂溜り空間に存在する材料
の少なくとも一部を空洞部分へと移送する。この材料の
空洞部分への移送は、いかなる方法によって行ってもよ
く、例えば、樹脂溜り空間に部材を侵入させる方法や樹
脂溜り空間に圧縮ガス(例えば、圧縮窒素ガス)を注入
する方法等が例示的に挙げられる。材料の空洞部分への
移送量、移送速度、及び移送位置を変えることによっ
て、空洞部分に形成されているウエルドライン部の撹拌
及び分散の程度を変化させることができる。樹脂溜り空
間に存在する材料の少なくとも一部を空洞部分へと移送
することによってウエルドライン部を撹拌及び分散させ
ることによってウエルドライン部における強度低下を減
少させることができる。さらに、空洞部分への材料充填
が完了した後、樹脂溜り空間に存在する材料をさらに空
洞部分へ充填するので空洞部分の材料充填量が増加す
る。このため成形物中のボイドが減少し、その結果、強
度が上昇する。
【0037】樹脂溜り空間に存在する材料の少なくとも
一部を空洞部分へと移送する方向は、成形型が有するイ
ジェクターピンが成形工程において移動する方向に対し
て垂直方向に行われることが望ましい。通常、成形型の
設計都合から、外層は、イジェクターピンの移動方向に
対して垂直方向には薄く形成されるので、該垂直方向に
材料を移送することによってウエルドライン全体を撹拌
及び分散させることができる。これに対し、イジェクタ
ーピンの移動方向に対して平行方向には外層が厚いの
で、この方向に材料を移送しても全体のウエルドライン
を撹拌及び分散することができない可能性が高い(移送
される樹脂が空洞部分に侵入する位置に近い位置のウエ
ルドライン部は撹拌等されるが、侵入位置から遠い位置
のウエルドライン部は効果的に撹拌等できない可能性が
ある)。従って、イジェクターピンが成形工程において
移動する方向に対して垂直方向に、樹脂溜り空間から空
洞部分へと材料を移送することで、空洞部分に移送され
た材料が十分ウエルドライン部全体を撹拌及び分散さ
せ、ウエルドライン部の強度低下を小さくすることがで
きる。
【0038】さらに、樹脂溜り空間に存在する材料の少
なくとも一部を空洞部分へと移送する位置は、空洞部分
に形成されたウエルドライン部の近傍位置とされること
が望ましい。ウエルドライン部に近い位置に材料が移送
されるほど、形成されたウエルドライン部を撹拌及び分
散させる効果が高いので、ウエルドライン部の強度低下
を小さくすることができる。従って、さらに好ましくは
空洞部分に形成されたウエルドライン部に向けて材料を
移送する。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づき図面を参照して詳述するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0040】図1及び図2は、本発明の防振装置の一実
施例のサスペンションアームを示したものである。図1
は上面図であり、図2は正面図である。図1及び図2を
参照して、樹脂材料製の棒状部分1の両端部に筒状部分
3と筒状部分5とがいずれも樹脂材料によって形成され
ている。棒状部分1は、その長手方向にほぼ沿ったリブ
1a及び1bを有し、さらにその中央部には取り付け金
具1cを有している。
【0041】筒状部分3は、金属製の内筒13を加硫接
着されたゴム弾性体11を取り囲んでいる。ゴム弾性体
11の外周には、ゴム弾性体11に密接している内層1
5aと内層15aを取り囲むように形成された外層15
bとからなる樹脂材料層15が形成されている。ゴム弾
性体11は内層15aと密接する凹部11aを有してお
り、これによってゴム弾性体11と内層15aとを接着
等による格別の操作なしに確実に固定することができ
る。
【0042】外層15bは、その内周面の全周にわたっ
て連続的に形成されたアンダーカット部分41を有す
る。アンダーカット部分41は、内筒13の円筒中心軸
を含む面によって切断された場合、いわゆるきのこ形を
している。内層15aはこのアンダーカット部分41と
嵌合しており、これによって外層15bは破壊等されな
ければ内層15aから分離することができず、両者の間
の接合力は極めて高い。このため、内筒13に荷重が加
わった場合、内層15aを介して外層15bの全周によ
って該荷重を支持するので、容易に外層15bが破壊す
ることがない。なお、図示していないが、アンダーカッ
ト部分41の表面部分には接着剤が塗布されており、こ
れによって内層15aと外層15bとの間の接合力を一
層高めている。
【0043】本実施例の場合、内層15aはガラス繊維
を50重量%含む66−ナイロン(以下、「50%GF
ナイロン」という。)によって形成されており、一方外
層15bはガラス繊維を25重量%含むポリオキシメチ
レン(以下、「25%GFPOM」という。)によって
形成されている。50%GFナイロンの引っ張り強さ
は、乾燥時には通常、2200kgf/cm2程度であ
るが、1.5重量%吸水することによって1500kg
f/cm2程度に減少する。これに対し、25%GFP
OMの引っ張り強さは、乾燥時には通常、1400kg
f/cm2程度であるが、吸水性がなく吸水による強度
低下が発生しない。従って、内層15a及び外層15b
の両方の部分を同一の材料で形成する場合、50%GF
ナイロンを使用しその吸湿による強度低下を考慮する
と、その強度は25%GFPOMを使用するときとほと
んど変わらないことになり、強度上からは、25%GF
POMよりも高価な50%GFナイロンを使用する理由
は見出せない(50%GFナイロンの方がゴムとの接着
性が良いことからは50%GFナイロンを使用すること
が好ましい)。ところが、本実施例のように、外層15
bを吸湿性のない25%GFPOMによって形成し、内
層15aを50%GFナイロンによって形成すれば、5
0%GFナイロンが25%GFPOMで取り囲まれるこ
とによって吸湿することを防止出来る。このため、50
%GFナイロンの吸湿による強度低下を防止することが
でき、これまでのものよりも肉厚を薄くすること等によ
って材料使用量の削減を図ることが可能となり、これは
防振装置の軽量化及び製造コスト低減をもたらす。
【0044】なお、図1及び図2には示されていない
が、内層15aに形成されたウエルドラインと外層15
bに形成されたウエルドラインとは樹脂材料層が形成す
る円筒状の側面部の異なった位置に配置されるように構
成されている。これによって、ウエルドラインに起因す
る強度低下の影響を分散させ小さくすることができる。
さらに、外層15bに形成されたウエルドラインは、後
述するように製造工程において撹拌され分散されるの
で、ウエルドライン部分による強度低下はわずかであ
る。
【0045】一方、筒状部分5は、金属製の内筒33を
加硫接着されたゴム弾性体31を取り囲んでいる。ゴム
弾性体31の外周には、ゴム弾性体31に密接している
内層35aと内層35aを取り囲むように形成された外
層35bとからなる樹脂材料層35が形成されている。
ゴム弾性体31は内層35aと接する円柱側面状部31
aを有している。
【0046】内層35aは、その内周面の全周にわたっ
て連続的に形成されたアンダーカット部分51を有す
る。アンダーカット部分51は、内筒33の円筒中心軸
を含む面によって切断された場合、いわゆるきのこ形を
している。外層35bはこのアンダーカット部分51と
嵌合しており、これによって外層35bは破壊等されな
ければ内層35aから分離することができず、両者の間
の接合力は極めて高い。このため、内筒33に荷重が加
わった場合、内層35aを介して外層35bの全周によ
って該荷重を支持するので、容易に外層35bが破壊す
ることがない。なお、図示していないが、アンダーカッ
ト部分51の表面部分には接着剤が塗布されており、こ
れによって内層35aと外層35bとの間の接合力を一
層高めている。
【0047】本実施例の場合、内層35aは50%GF
ナイロンよって形成されており、一方外層35bは25
%GFPOMによって形成されている。このように内層
35a及び外層35bをこれらの材料で形成する効果に
ついては、内層15a及び外層15bについて既に説明
したのと同様である。
【0048】なお、図1及び図2には示されていない
が、後述するように内層35aに形成されたウエルドラ
インと外層35bに形成されたウエルドラインとは樹脂
材料層が形成する円筒状の側面部の異なった位置に配置
されるように構成されている。これによって、ウエルド
ラインに起因する強度低下の影響を分散させ小さくする
ことができる。さらに、外層35bに形成されたウエル
ドラインは、後述するように製造工程において撹拌され
分散されるので、ウエルドライン部分による強度低下は
わずかである。
【0049】次に、図1及び図2に示された、本発明の
防振装置の一実施例のサスペンションアームの製造方法
を説明する。図3は、サスペンションアームの一方の筒
状部分3に配置されるゴム弾性体11の断面図であり、
ゴム弾性体の中央部に位置する内筒13の円筒中心軸を
含む平面によって切断した部分を示している。ゴム弾性
体11は、その中央部に位置する金属製の内筒13の側
面部にゴムを加硫接着して形成されている。ゴム弾性体
11は、内層15aを受け入れるための凹部11aを有
している。ゴム弾性体11を、ゴム弾性体11と樹脂材
料層の内層15aとからなる第一の部分の形状に対応す
る成形型内にインサートする。その後、該成形型内に内
層15aを形成すべき材料即ち本実施例では50%GF
ナイロンを注入し、冷却後、該型内から成形物を取り出
す。このようにして得られた第一の部分の断面図を図4
に示す。図4は図3と同じ切断面で切断したところを示
したものである。ゴム弾性体11の凹部11aに受け入
れられるように内層15aが形成されている。内層15
aの内部には、内層15aの外周面に連絡した内部空間
43が形成されている。内層15aはゴム弾性体11の
側面部全周にわたってこのように形成されている。内部
空間43は、後に外層35bに形成されるアンダーカッ
ト部分41の形状を決定する。なお、内部空間43の形
成は、例えば、低融点合金、可溶性プラスチック、及び
無機塩類等の中子を、内部空間43を形成する部分に配
置した後、材料を成形型内に注入すること等によって行
うことができる。
【0050】図5は、サスペンションアームの他方の筒
状部分5に配置されるゴム弾性体31の断面図であり、
ゴム弾性体の中央部に位置する内筒33の円筒中心軸を
含む平面によって切断した部分を示している。ゴム弾性
体31は、その中央部に位置する金属製の内筒33の側
面部にゴムを加硫接着して形成されている。ゴム弾性体
31は、内層35aと接する円柱側面状部31aを有し
ている。ゴム弾性体31を、ゴム弾性体31と樹脂材料
層の内層35aとからなる第一の部分の形状に対応する
成形型内にインサートする。その後、該成形型内に内層
35aを形成すべき材料即ち本実施例では50%GFナ
イロンを注入し、冷却後、該型内から成形物を取り出
す。このようにして得られた第一の部分の断面図を図6
に示す。図6は図5と同じ切断面で切断したところを示
したものである。ゴム弾性体31の円柱側面状部31a
に密接するように内層35aが形成されている。内層3
5aの外周部分にはアンダーカット部51が該外周に沿
って連続して形成されている。内層35aはゴム弾性体
31の側面部全周にわたってこのように形成されてい
る。
【0051】次に、サスペンションアーム全体の成形を
行う。このとき用いる成形型の内部構造を図7に示す。
図7は成形型が閉じた状態における、成形型内部の構造
を示したもので、下部は省略されている。なお、成形型
の可動部(図示せず)は図面に対して垂直方向に動く。
成形型101の内部には、製造する防振装置の形状に対
応した空洞部分103が存在している。空洞部分103
にはイジェクターピン105a、105b、105cの
頭部が存在しており、これらイジェクターピン105
a、105b、105cは図面に対して垂直方向に移動
して成形物を押し出す。一方、空洞部分103の両端部
分には、空洞部分103と連通した2個の樹脂溜り空間
107、109が存在している。樹脂溜り空間107、
109は樹脂流路107a、109aによって空洞部分
103と連通しており、流体例えば融解した樹脂や気体
等は、樹脂溜り空間107、109と空洞部分103と
の間を自由に行き来することができる。樹脂流路107
a、109aは、空洞部分103内でサスペンションア
ームを成形したときに生じるウエルドライン近傍に形成
されており、樹脂流路107a、109aから空洞部分
103へ材料を吐出するとウエルドラインを十分撹拌し
分散することができるようになっている。樹脂溜り空間
107、109は、その内容物を樹脂流路107a、1
09aを経由して空洞部分103へと吐出することがで
きるように、ピストン107b、109bを有する。ピ
ストン107b、109bは外部から動かすことができ
るようになっており、その動きによって樹脂溜り空間1
07、109内に存在する内容物を自由に空洞部分10
3へと吐出することができる。空洞部分103のほぼ中
央下部には、融解された樹脂材料が移送される樹脂移送
路111が連絡されており、樹脂移送路111を経由し
て樹脂材料が空洞部分103へと注入され、さらに樹脂
溜り空間107、109内にも樹脂材料が注入される。
【0052】図4及び図6に示された両方の第一の部分
を成形型101の空洞部分103内の所定位置にインサ
ートし固定する。図8にこのときの状態を示す。空洞部
分103の左端には内層15aが取り付けられたゴム弾
性体11がインサートされており、空洞部分103の右
端には内層35aが取り付けられたゴム弾性体31がイ
ンサートされている。この状態で融解した、外層を形成
すべき材料が樹脂移送路111を経由して空洞部分10
3へと注入され、さらに樹脂溜り空間107、109内
にも注入される。このとき注入された材料によってウエ
ルドライン81、83が形成される。注入された樹脂が
固化する前に、ピストン107b、109bを樹脂溜り
空間107、109内に押し込むことによって、樹脂溜
り空間107、109内に存在する材料を空洞部分10
3へと移送する。この移送は、イジェクターピン105
a、105b、105cが移動する方向に対して垂直方
向に行われ、かつ発生したウエルドライン81、83に
向けて行われる(樹脂溜り空間107、109から空洞
部分103へと材料が移送される際の、空洞部分103
への材料侵入位置が、ウエルドライン81、83が形成
される位置に一致するように構成される)ので、ウエル
ドラインを十分撹拌及び分散し、ウエルドライン部の強
度低下を極めて小さくする。さらに、空洞部分103へ
の材料充填が完了した後、樹脂溜り空間107、109
に存在する材料をさらに空洞部分103へ充填するので
空洞部分103の材料充填量が増加する。このため成形
物中のボイドが減少し、その結果、強度が上昇する。十
分に冷却固化した後、成形型101を開き、イジェクタ
ーピン105a、105b、105cが成形物を押し出
し、図1及び図2に示されたサスペンションアームを得
る。
【0053】次に、本発明の防振装置の他の一実施例の
サスペンションアームを図9及び図10に示す。図9は
上面図であり、図10は正面図である。図9及び図10
に示されたサスペンションアームは、図1及び図2に示
されたサスペンションアームと比較して、樹脂材料層1
5の外層15bがその外周に沿って埋設された補強材6
1を有し、また樹脂材料層35の外層35bがその円筒
に沿って内部に埋設された補強材71を有することのみ
が異なる。従って、図1及び図2において説明した内容
については省略する。また、図示及び説明を簡単にする
ために図9及び図10は内部構造等について一部省略し
て示しているが、前記の補強材に関する差異以外は図1
及び図2に示されたものと同じ構造を有している。
【0054】樹脂材料層15の外層15bが、その外周
の一部に沿って埋設された補強材61を有している。補
強材61は、ステンレス鋼によって形成された帯状の部
材によって形成されている。補強材61は、棒状部分1
のリブ1a、1bの図中左端から外層15bの一部を取
り囲むように埋設されている。補強材61の端部には開
口63a、63bが開口の周縁を突出する形状を有して
形成されており、突出部分65a、65bを樹脂側に向
けて開口63a、63bを樹脂材料で埋設することによ
って補強材61の端部が確実かつ強固にリブ1a、1b
へ固定されている。突出部分65a、65bを有する開
口63a、63bは、補強材61の長手方向に沿って多
く設けられてもよく、そうすれば補強材61を外層15
bに強固に固定することができる。なお、開口の周縁を
突出する形状にすることで、開口周縁の尖った部分が下
方を向くので、開口に荷重が加わったとき、開口周縁の
尖った部分が開口周囲の樹脂材料を切削しにくくなるこ
とからも好ましい。また、補強材61と外層15bとの
間又は補強材61とリブ1a、1bとの間に接着剤を塗
布するようにしてもよく、そうすればそれらの間で一層
強固な結合が形成される。さらに、補強材を埋設するこ
とによって他のものに引っかかったりしないように、補
強材61と外層15bとはそれらの表面に段差が生じな
いようにされている。このように外層15bが補強材6
1を有せば、外層15bに加わる応力の一部を補強材6
1が負担するので、外層15bが破壊されにくくなる。
【0055】樹脂材料層35の外層35bが、外層35
bが形成する円筒に沿って内部に埋設された補強材71
を有する。補強材71は、炭素繊維によって形成された
帯状のシートによって形成されている。補強材71は、
外層35bが形成する円筒に沿って外層35bの内部に
包含されるように埋設されている。補強材71を構成す
る炭素繊維は、外層35bを形成している樹脂材料と十
分になじんでおり、炭素繊維によって外層35bが効果
的に補強されている。このように外層35bが補強材7
1を有せば、外層35bに加わる応力の一部を補強材7
1が負担するので、外層35bが破壊されにくくなる。
【0056】次に、図9及び図10に示された、本発明
の防振装置の他の一実施例のサスペンションアームの製
造方法を説明する。図1及び図2に示されたサスペンシ
ョンアームの製造方法に用いた、内層15aが取り付け
られたゴム弾性体11(図4に示された第一の部分)と
内層35aが取り付けられたゴム弾性体31(図6に示
された第一の部分)と図7に示された成形型101とを
用いる。これらの説明は前述の内容と重複するのでここ
では省略する。
【0057】図4及び図6に示された両方の第一の部分
を成形型101の空洞部分103内の所定位置にインサ
ートし固定する。さらに、補強材61と補強材71とを
空洞部分103内の所定位置にインサートし固定する。
補強材61と補強材71とは、それらが外層15bと外
層35bとに挿入されるべき位置に対応した、空洞部分
103の位置に挿入される。図11にこのときの状態を
示す。空洞部分103の左端には内層15aが取り付け
られたゴム弾性体11がインサートされており、空洞部
分103の右端には内層35aが取り付けられたゴム弾
性体31がインサートされている。さらに空洞部分10
3の左端付近には補強材61がインサートされ、空洞部
分103の右端付近には補強材71がインサートされて
いる。この状態で融解した、外層を形成すべき材料が樹
脂移送路111を経由して空洞部分103へと注入さ
れ、さらに樹脂溜り空間107、109内にも注入され
る。このとき形成されるウエルドラインは、図8におい
て示されたウエルドライン81、83と同位置に形成さ
れる(補強材61、71の関係から図示が難しいのでこ
こでは図示せず)。注入された樹脂が固化する前に、ピ
ストン107b、109bを樹脂溜り空間107、10
9内に押し込むことによって、樹脂溜り空間107、1
09内に存在する材料を空洞部分103へと移送する。
この移送は、イジェクターピン105a、105b、1
05cが移動する方向に対して垂直方向に行われ、かつ
発生したウエルドラインに向けて行われるので、ウエル
ドラインを十分撹拌及び分散し、ウエルドライン部の強
度低下を極めて小さくする。さらに、空洞部分103へ
の材料充填が完了した後、樹脂溜り空間107、109
に存在する材料をさらに空洞部分103へ充填するので
空洞部分103の材料充填量が増加する。このため成形
物中のボイドが減少し、その結果、強度が上昇する。十
分に冷却固化した後、成形型101を開き、イジェクタ
ーピン105a、105b、105cが成形物を押し出
し、図9及び図10に示されたサスペンションアームを
得る。
【0058】図12及び図13は、本発明の防振装置の
さらなる他の一実施例のサスペンションアームを示した
ものである。図12は上面図であり、図13は正面図で
ある。図12及び図13を参照して、樹脂材料製の棒状
部分1の両端部に筒状部分3と筒状部分5とがいずれも
樹脂材料によって形成されている。棒状部分1は、その
長手方向にほぼ沿ったリブ1a及び1bを有し、さらに
その中央部には取り付け金具1cを有している。
【0059】筒状部分3は、金属製の内筒13を加硫接
着されたゴム弾性体11を取り囲んでいる。ゴム弾性体
11の外周には、ゴム弾性体11に密接している樹脂材
料層15が形成されている。ゴム弾性体11は樹脂材料
層15と密接する凹部11aを有しており、これによっ
てゴム弾性体11と樹脂材料層15とを接着等による格
別の操作なしに確実に固定することができる。一方、筒
状部分5は、金属製の内筒33を加硫接着されたゴム弾
性体31を取り囲んでいる。ゴム弾性体31の外周に
は、ゴム弾性体31に密接している樹脂材料層35が形
成されている。ゴム弾性体31は樹脂材料層35と接す
る円柱側面状部31aを有している。
【0060】本実施例の場合、樹脂材料層15及び樹脂
材料層35は単一の層によって形成されており、樹脂材
料層15及び樹脂材料層35の全体が50%GFナイロ
ンによって形成されている。通常、単一層によって樹脂
材料層15及び樹脂材料層35を形成し、配合率50%
等のように強化繊維を多く含む樹脂材料を用いると、形
成されるウエルドラインにおける強度低下が顕著になる
場合が多い。しかしながら、本実施例において形成され
るウエルドラインは、後述するように製造工程において
撹拌され分散されるので、ウエルドライン部分による強
度低下はわずかである。さらに、本実施例の場合、内層
によって覆われていないゴム弾性体11及びゴム弾性体
31をインサートして全体を成形するので、樹脂溜り空
間に存在する材料を空洞部分へと移送することによって
空洞部分への充填量が際立って上昇し、成形物内のボイ
ドが効果的に減少されている。
【0061】次に、図12及び図13に示された、本発
明の防振装置のさらなる他の一実施例のサスペンション
アームの製造方法を説明する。図14は、サスペンショ
ンアームの一方の筒状部分3に配置されるゴム弾性体1
1の断面図であり、ゴム弾性体の中央部に位置する内筒
13の円筒中心軸を含む平面によって切断した部分を示
している。ゴム弾性体11は、その中央部に位置する金
属製の内筒13の側面部にゴムを加硫接着して形成され
ている。ゴム弾性体11は、樹脂材料層15を受け入れ
るための凹部11aを有している。図15は、サスペン
ションアームの他方の筒状部分5に配置されるゴム弾性
体31の断面図であり、ゴム弾性体の中央部に位置する
内筒33の円筒中心軸を含む平面によって切断した部分
を示している。ゴム弾性体31は、その中央部に位置す
る金属製の内筒33の側面部にゴムを加硫接着して形成
されている。ゴム弾性体31は、樹脂材料層35と接す
る円柱側面状部31aを有している。図14及び図15
に示されたいずれのゴム弾性体も側面部全周にわたって
このように形成されている。
【0062】次に、サスペンションアーム全体の成形を
行う。このとき用いる成形型は、図1及び図2に示され
たサスペンションアームと図9及び図10に示されたサ
スペンションアームとを形成するために用いた、図7に
示された成形型101を用いる。図7に示された成形型
101については既に説明されているのでここでは説明
を省略する。図14及び図15に示された両方のゴム弾
性体11、31を成形型101の空洞部分103内の所
定位置にインサートし固定する。図16にこのときの状
態を示す。空洞部分103の左端にはゴム弾性体11が
インサートされており、空洞部分103の右端にはゴム
弾性体31がインサートされている。この状態で融解し
た、樹脂材料層を形成すべき材料が樹脂移送路111を
経由して空洞部分103へと注入され、さらに樹脂溜り
空間107、109内にも注入される。このとき注入さ
れた材料によってウエルドライン81、83が形成され
る。注入された樹脂が固化する前に、ピストン107
b、109bを樹脂溜り空間107、109内に押し込
むことによって、樹脂溜り空間107、109内に存在
する材料を空洞部分103へと移送する。この移送は、
イジェクターピン105a、105b、105cが移動
する方向に対して垂直方向に行われ、かつ発生したウエ
ルドラインに向けて行われるので、ウエルドラインを十
分撹拌及び分散し、ウエルドライン部の強度低下を極め
て小さくする。さらに、空洞部分103への材料充填が
完了した後、樹脂溜り空間107、109に存在する材
料をさらに空洞部分103へ充填するので空洞部分10
3の材料充填量が増加する。本実施例の成形工程の場
合、柔軟なゴム弾性体11、31の表面に対して直接材
料が当接するので、特にこの効果が大きい。このため成
形物中のボイドが減少し、その結果、強度が上昇する。
十分に冷却固化した後、成形型101を開き、イジェク
ターピン105a、105b、105cが成形物を押し
出し、図12及び図13に示されたサスペンションアー
ムを得る。
【0063】次に、本発明の防振装置のその他の一実施
例のサスペンションアームを図17及び図18に示す。
図17は上面図であり、図18は正面図である。図17
及び図18に示されたサスペンションアームは、図12
及び図13に示されたサスペンションアームと比較し
て、樹脂材料層15がその外周に沿って埋設された補強
材61を有し、また樹脂材料層35がその円筒に沿って
内部に埋設された補強材71を有することのみが異な
り、この補強材に関する差異以外は図12及び図13に
示されたものと同じ構造を有している。従って、図12
及び図13において説明した内容については省略する。
【0064】樹脂材料層15が、その外周の一部に沿っ
て埋設された補強材61を有している。補強材61は、
ステンレス鋼によって形成された帯状の部材によって形
成されている。補強材61は、棒状部分1のリブ1a、
1bの図中左端から樹脂材料層15の一部を取り囲むよ
うに埋設されている。補強材61の端部には開口63
a、63bが開口の周縁を突出する形状を有して形成さ
れており、突出部分65a、65bを樹脂側に向けて開
口63a、63bを樹脂材料で埋設することによって補
強材61の端部が確実かつ強固にリブ1a、1bへ固定
されている。突出部分65a、65bを有する開口63
a、63bは、補強材61の長手方向に沿って多く設け
られてもよく、そうすれば補強材61を樹脂材料層15
に強固に固定することができる。なお、開口の周縁を突
出する形状にすることで、開口周縁の尖った部分が下方
を向くので、開口に荷重が加わったとき、開口周縁の尖
った部分が開口周囲の樹脂材料を切削しにくくなること
からも好ましい。また、補強材61と樹脂材料層15と
の間又は補強材61とリブ1a、1bとの間に接着剤を
塗布するようにしてもよく、そうすればそれらの間で一
層強固な結合が形成される。さらに、補強材を埋設する
ことによって他のものに引っかかったりしないように、
補強材61と樹脂材料層15とはそれらの表面に段差が
生じないようにされている。このように樹脂材料層15
が補強材61を有せば、樹脂材料層15に加わる応力の
一部を補強材61が負担するので、樹脂材料層15が破
壊されにくくなる。
【0065】樹脂材料層35が、樹脂材料層35が形成
する円筒に沿って内部に埋設された補強材71を有す
る。補強材71は、炭素繊維によって形成された帯状の
シートによって形成されている。補強材71は、樹脂材
料層35が形成する円筒に沿って樹脂材料層35の内部
に包含されるように埋設されている。補強材71を構成
する炭素繊維は、樹脂材料層35を形成している樹脂材
料と十分になじんでおり、炭素繊維によって樹脂材料層
35が効果的に補強されている。このように樹脂材料層
35が補強材71を有せば、樹脂材料層35に加わる応
力の一部を補強材71が負担するので、樹脂材料層35
が破壊されにくくなる。
【0066】次に、図17及び図18に示された、本発
明の防振装置のその他の一実施例のサスペンションアー
ムの製造方法を説明する。図12及び図13に示された
サスペンションアームの製造方法に用いた、ゴム弾性体
11(図14に示されたもの)とゴム弾性体31(図1
5に示されたもの)と図7に示された成形型101とを
用いる。これらの説明は前述の内容と重複するのでここ
では省略する。
【0067】図14及び図15に示された両方のゴム弾
性体を成形型101の空洞部分103内の所定位置にイ
ンサートし固定する。さらに、補強材61と補強材71
とを空洞部分103内の所定位置にインサートし固定す
る。補強材61と補強材71とは、それらが樹脂材料層
15と樹脂材料層35とに挿入されるべき位置に対応し
た、空洞部分103の位置に挿入される。図19にこの
ときの状態を示す。空洞部分103の左端にはゴム弾性
体11がインサートされており、空洞部分103の右端
にはゴム弾性体31がインサートされている。さらに空
洞部分103の左端付近には補強材61がインサートさ
れ、空洞部分103の右端付近には補強材71がインサ
ートされている。この状態で融解した、外層を形成すべ
き材料が樹脂移送路111を経由して空洞部分103へ
と注入され、さらに樹脂溜り空間107、109内にも
注入される。このとき形成されるウエルドラインは、図
16において示されたウエルドライン81、83と同位
置に形成される(補強材61、71の関係から図示が難
しいのでここでは図示せず)。注入された樹脂が固化す
る前に、ピストン107b、109bを樹脂溜り空間1
07、109内に押し込むことによって、樹脂溜り空間
107、109内に存在する材料を空洞部分103へと
移送する。この移送は、イジェクターピン105a、1
05b、105cが移動する方向に対して垂直方向に行
われ、かつ発生したウエルドラインに向けて行われるの
で、ウエルドラインを十分撹拌及び分散し、ウエルドラ
イン部の強度低下を極めて小さくする。さらに、空洞部
分103への材料充填が完了した後、樹脂溜り空間10
7、109に存在する材料をさらに空洞部分103へ充
填するので空洞部分103の材料充填量が増加する。本
実施例の成形工程の場合、柔軟なゴム弾性体11、31
の表面に対して直接材料が当接するので、特にこの効果
が大きい。このため成形物中のボイドが減少し、その結
果、強度が上昇する。十分に冷却固化した後、成形型1
01を開き、イジェクターピン105a、105b、1
05cが成形物を押し出し、図17及び図18に示され
たサスペンションアームを得る。
【0068】以上示した実施例では、その両側に本発明
の防振装置を備えたサスペンションアームを例示した
が、片側のみに本発明の防振装置を備えたものであって
も、また本発明の防振装置のみであってもかまわない。
また、サスペンションアームの棒状部分1と外層15b
と外層35bとが、又は樹脂材料層が内層と外層とを有
さない1層のみから形成されている場合には棒状部分1
と樹脂材料層15と樹脂材料層35とが同一の材料によ
って形成されている必要は必ずしもなく、別々の材料に
よって形成されていてもよい。
【0069】なお、本発明は上記した実施例に限定され
るものでないことは言うまでもなく、さらに、特許請求
の範囲と実質的に均等の範囲のものまで含む。
【0070】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、樹
脂材料層を内層と外層との2層構造とする場合、内層と
外層とのうちの一方がアンダーカット部分を有し、他方
が該アンダーカット部分と嵌合するようにすることで、
内層と外層との接合力を高め外層の早期の破壊を防止す
ることができ、樹脂材料層が高い強度を有する防振装置
を得ることができる。
【0071】大きな応力を受けることによって早期に破
壊されやすい、樹脂材料層の一部については補強材を埋
設することで、補強材が応力の一部を負担し樹脂材料層
の早期の破壊を防止することができ、樹脂材料層が高い
強度を有する防振装置を得ることができる。
【0072】成形型内に形成された樹脂溜り空間に注入
された樹脂材料を空洞部分に移送することによって、樹
脂材料層に形成されるウエルドラインを撹拌及び分散さ
せることができると共に空洞部分への材料充填量を増加
させ成形品中のボイドを減少させることができ、樹脂材
料層が高い強度を有する防振装置を得ることができる。
【0073】また、これらの樹脂材料層の強度を向上さ
せることができる構造及び製造方法を組み合わせること
によって、樹脂材料層が一層高い強度を有する防振装置
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振装置の一実施例のサスペンション
アームの上面図である。
【図2】本発明の防振装置の一実施例のサスペンション
アームの正面図である。
【図3】本発明の防振装置の一実施例のサスペンション
アームに使用するゴム弾性体の断面図である。
【図4】図3に示したゴム弾性体に内層を形成した第一
の部分の断面図である。
【図5】本発明の防振装置の一実施例のサスペンション
アームに使用する他のゴム弾性体の断面図である。
【図6】図5に示したゴム弾性体に内層を形成した第一
の部分の断面図である。
【図7】本発明の防振装置の一実施例のサスペンション
アームを成形するために使用する成形型の内部構造図で
ある。
【図8】本発明の防振装置の一実施例のサスペンション
アームを製造する工程を示す図である。
【図9】本発明の防振装置の他の一実施例のサスペンシ
ョンアームの上面図である。
【図10】本発明の防振装置の他の一実施例のサスペン
ションアームの正面図である。
【図11】本発明の防振装置の他の一実施例のサスペン
ションアームを製造する工程を示す図である。
【図12】本発明の防振装置のさらなる他の一実施例の
サスペンションアームの上面図である。
【図13】本発明の防振装置のさらなる他の一実施例の
サスペンションアームの正面図である。
【図14】本発明の防振装置のさらなる他の一実施例の
サスペンションアームに使用するゴム弾性体の断面図で
ある。
【図15】本発明の防振装置のさらなる他の一実施例の
サスペンションアームに使用する他のゴム弾性体の断面
図である。
【図16】本発明の防振装置のさらなる他の一実施例の
サスペンションアームを製造する工程を示す図である。
【図17】本発明の防振装置のその他の一実施例のサス
ペンションアームの上面図である。
【図18】本発明の防振装置のその他の一実施例のサス
ペンションアームの正面図である。
【図19】本発明の防振装置のその他の一実施例のサス
ペンションアームを製造する工程を示す図である。
【符号の説明】
1 棒状部分 1a,1b リブ 1c 取り付け金具 3,5 筒状部分 11,31 ゴム弾性体 11a 凹部 31a 円柱側面状部 13,33 内筒 15,35 樹脂材料層 15a,35a 内層 15b,35b 外層 41,51 アンダーカット部分 43 内部空間 61,71 補強材 63a,63b 開口 65a,65b 突出部分 81、83 ウエルドライン 101 成形型 103 空洞部分 105a,105b,105c イジェクターピン 107,109 樹脂溜り空間 107a,109a 樹脂流路 107b,109b ピストン 111 樹脂移送路

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム弾性体と、該ゴム弾性体を取り囲むよ
    うに形成された樹脂材料層と、を有する防振装置であっ
    て、 該樹脂材料層が、該ゴム弾性体と接触する内層と該内層
    を取り囲むように形成された外層とを含み、 該外層と該内層とのうちいずれか一方である第一層がア
    ンダーカット部分を有し、該外層と該内層とのうち該第
    一層以外のものである第二層が該アンダーカット部分と
    嵌合しているものである、防振装置。
  2. 【請求項2】該アンダーカット部分が、該第一層の全周
    にわたって連続的に形成されたものである、請求項1に
    記載の防振装置。
  3. 【請求項3】該第一層と該第二層とが互いに嵌合してい
    る部分の少なくとも一部に接着剤が塗布されたものであ
    る、請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 【請求項4】該外層に補強材が埋設されたものである、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の防振装置。
  5. 【請求項5】該補強材が繊維又は金属製である、請求項
    4に記載の防振装置。
  6. 【請求項6】ゴム弾性体と、該ゴム弾性体を取り囲むよ
    うに形成された樹脂材料層と、を有する防振装置であっ
    て、 該樹脂材料層の一部に補強材を埋設したものである、防
    振装置。
  7. 【請求項7】該補強材が繊維又は金属製である、請求項
    6に記載の防振装置。
  8. 【請求項8】ゴム弾性体と、該ゴム弾性体を取り囲むよ
    うに形成された樹脂材料層と、を有する防振装置の製造
    方法であって、 該防振装置の形状に対応した空洞部分と該空洞部分に通
    じる樹脂溜り空間とを内部に有する成形型の該空洞部分
    に該ゴム弾性体を挿入し、 該空洞部分と該樹脂溜り空間とに該樹脂材料層を形成す
    る材料を注入し、そして少なくとも該材料が固化する前
    に、該樹脂溜り空間に存在する該材料の少なくとも一部
    を該空洞部分へと移送すること、を含むものである、防
    振装置の製造方法。
  9. 【請求項9】該樹脂溜まり空間から該空洞部分への該材
    料の移送が、該成形型が有するイジェクターピンが移動
    する方向に対して垂直方向に行われるものである、請求
    項8に記載の防振装置の製造方法。
  10. 【請求項10】該樹脂溜まり空間から該空洞部分への該
    材料の移送が、該空洞部分に注入された該材料が形成す
    るウエルドラインに向けて行われるものである、請求項
    8又は9に記載の防振装置の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1乃至3のいずれかに記載の防振
    装置の製造方法であって、 該防振装置の形状に対応した空洞部分と該空洞部分に通
    じる樹脂溜り空間とを内部に有する成形型の該空洞部分
    に、該内層を取り付けられた該ゴム弾性体を挿入し、 該空洞部分と該樹脂溜り空間とに該外層を形成する材料
    を注入し、そして少なくとも該材料が固化する前に、該
    樹脂溜り空間に存在する該材料の少なくとも一部を該空
    洞部分へと移送すること、を含むものである、防振装置
    の製造方法。
  12. 【請求項12】該樹脂溜まり空間から該空洞部分への該
    材料の移送が、該成形型が有するイジェクターピンが移
    動する方向に対して垂直方向に行われるものである、請
    求項11に記載の防振装置の製造方法。
  13. 【請求項13】該樹脂溜まり空間から該空洞部分への該
    材料の移送が、該空洞部分に注入された該材料が形成す
    るウエルドラインに向けて行われるものである、請求項
    11又は12に記載の防振装置の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項4又は5に記載の防振装置の製造
    方法であって、 該防振装置の形状に対応した空洞部分と該空洞部分に通
    じる樹脂溜り空間とを内部に有する成形型の該空洞部分
    に、該内層を取り付けられた該ゴム弾性体と該補強材と
    を挿入し、 該空洞部分と該樹脂溜り空間とに該外層を形成する材料
    を注入し、そして少なくとも該材料が固化する前に、該
    樹脂溜り空間に存在する該材料の少なくとも一部を該空
    洞部分へと移送すること、を含むものである、防振装置
    の製造方法。
  15. 【請求項15】該樹脂溜まり空間から該空洞部分への該
    材料の移送が、該成形型が有するイジェクターピンが移
    動する方向に対して垂直方向に行われるものである、請
    求項14に記載の防振装置の製造方法。
  16. 【請求項16】該樹脂溜まり空間から該空洞部分への該
    材料の移送が、該空洞部分に注入された該材料が形成す
    るウエルドラインに向けて行われるものである、請求項
    14又は15に記載の防振装置の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項6又は7に記載の防振装置の製造
    方法であって、 該防振装置の形状に対応した空洞部分と該空洞部分に通
    じる樹脂溜り空間とを内部に有する成形型の該空洞部分
    に該ゴム弾性体と該補強材とを挿入し、 該空洞部分と該樹脂溜り空間とに該樹脂材料層を形成す
    る材料を注入し、そして少なくとも該材料が固化する前
    に、該樹脂溜り空間に存在する該材料の少なくとも一部
    を該空洞部分へと移送すること、を含むものである、防
    振装置の製造方法。
  18. 【請求項18】該樹脂溜まり空間から該空洞部分への該
    材料の移送が、該成形型が有するイジェクターピンが移
    動する方向に対して垂直方向に行われるものである、請
    求項17に記載の防振装置の製造方法。
  19. 【請求項19】該樹脂溜まり空間から該空洞部分への該
    材料の移送が、該空洞部分に注入された該材料が形成す
    るウエルドラインに向けて行われるものである、請求項
    17又は18に記載の防振装置の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項8乃至19のいずれかに記載の方
    法によって製造されたものである、防振装置。
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