JPH1162578A - 空冷式エンジン - Google Patents

空冷式エンジン

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JPH1162578A
JPH1162578A JP21792097A JP21792097A JPH1162578A JP H1162578 A JPH1162578 A JP H1162578A JP 21792097 A JP21792097 A JP 21792097A JP 21792097 A JP21792097 A JP 21792097A JP H1162578 A JPH1162578 A JP H1162578A
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JP
Japan
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compressed air
engine
cooled
air
temperature
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JP21792097A
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Takashi Uesugi
隆司 上杉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より作動効率が良好であって、かつ、部品点
数を軽減することができ、車重を増加させることがな
く、かつ、エンジン作動音を低減することができる空冷
式エンジンを提供する。 【解決手段】 エンジン10の燃焼室35を包囲するよ
うに設けられた圧縮空気収納部12を有し、上記冷却時
には圧縮空気収納部12に供給された圧縮空気を排出さ
せることによりエンジン10を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空冷式エンジンに係
り、特に、自動車等に使用される空冷式エンジンに関す
る。
【0002】
【従来技術】一般に、自動車のエンジンは、図4に示す
水冷式エンジンが一般的である。このような水冷式エン
ジン43は、エンジン本体44と、冷却液を冷却するラ
ジエータ45と、このラジエータ45とエンジン本体4
4との間を結合するラジエータパイプ46とを有し、上
記ラジエータ45にはリザーバタンク47が設けられて
いる。
【0003】また、このような水冷式エンジン43にあ
っては、図5に示すように、エンジン本体44内にあっ
ては、例えば、レシプロエンジンを例に採れば、シリン
ダブロック49内のシリンダ50の側方部及びシリンダ
ヘッド部51には、内部に冷却液を充填する空隙からな
るウォータージャケット48が設けられている。従っ
て、このような水冷式エンジン43にあっては、ウォー
タポンプ(図示せず)を作動させることにより冷却液を
ウォータージャケット48へ供給し、シリンダ50を冷
却することにより高温となった冷却液はラジエータ45
に戻され、走行風もしくは冷却ファン52により冷却さ
れ、再度、ウォータージャケット48へ循環され、シリ
ンダ50を冷却するように構成されている。
【0004】このような水冷式エンジン43は、現在、
広く自動車に適用されているが、冷却した後に高温とな
った冷却液を冷却するラジエータ45、冷却ファン5
2、冷却液を循環させるウォータポンプ、リザーバタン
ク47、液温を適当に保持するサーモスタット等を別個
に設ける必要があり、部品点数が多くなり製作コストが
嵩むという不具合が存していた。
【0005】また、冷却液をエンジン内部に循環させな
ければならず、エンジンの重量が大きくなるため車重が
増加し、その結果、走行の際の燃費効率の低下を来す、
という不具合をも有していた。一方、自動車において
も、バイク同様、空冷式のエンジンを搭載しているもの
もある。例えば、図6に示すように、このような空冷式
エンジン53は、シリンダヘッドの燃焼室に相当する部
分には、多数のフィン54が形成され、走行風により適
宜、シリンダを冷却しうるように構成されている。
【0006】一般に、このような空冷式の冷却方法は、
レシプロエンジンの場合には、気筒数の少ない、例え
ば、オートバイのような小型エンジンには適している
が、乗用車等のような多気筒のエンジンには不適であっ
た。また、このような空冷式のエンジンを自動車に適用
した場合には、ファンにより強制的に空冷を行うため、
エンジンの作動音が大きく、走行時における快適な乗車
感覚を損なう、という不具合が存していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、請求項1記載
の発明の技術的課題は、より作動効率が良好であって、
かつ、部品点数を軽減することができ、車重を増加させ
ることがなく、かつ、エンジン作動音を低減することが
できる空冷式エンジンを提供することにある。また、請
求項2記載の発明の技術的課題は、請求項1記載の技術
的課題に加えて、空冷式レシプロエンジンを提供するこ
とにある。
【0008】また、請求項3記載の発明の技術的課題
は、請求項1又は2記載の発明の技術的課題に加えて、
外気温が低い場合には効率よく加温することができる空
冷式エンジンを提供することにある。また、請求項4記
載の発明の技術的課題は、請求項1乃至3記載の技術的
課題に加えて、適切にエンジンの冷却又は加温が行える
エンジンを提供することにある。
【0009】また、請求項5記載の発明の技術的課題
は、請求項1乃至4記載の技術的課題に加えて、さらに
適切にエンジンの冷却又は加温が行えるエンジンを提供
することにある。また、請求項6記載の発明にあって
は、請求項1乃至5記載の発明の技術的課題に加えて、
適切に冷却又は加温のための圧縮空気が供給されるエン
ジンを提供することにある。
【0010】また、請求項7記載の発明にあっては、請
求項4乃至6記載の発明の技術的課題に加えて、適切に
冷却又は加温のための圧縮空気が供給されるエンジンを
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような技術的課題解
決のため、請求項1記載の発明にあっては、エンジン1
0の燃焼室35を包囲するように設けられた圧縮空気収
納部12を有し、上記冷却時には圧縮空気収納部12に
供給された圧縮空気を排出させることによりエンジン1
0を冷却することを特徴とする。
【0012】上記エンジン10は、好ましくはレシプロ
エンジンが適用されるが、ロータリーエンジン、ガスタ
ービンエンジン、ベーパーエンジン及びスターリングエ
ンジン等の内燃機関にも適用することができる。従っ
て、請求項1記載の発明にあっては、エンジン10の燃
焼室35を包囲するように圧縮空気収納部12が設けら
れているため、冷却時には、当該圧縮空気収納部12内
に供給された圧縮空気を排出する。圧縮空気は急激に排
出される際に熱を奪うため、エンジン10は瞬時に冷却
される。
【0013】その結果、エンジン10の冷却は効率よく
行われ、エンジン10の作動効率を向上させることがで
きる。また、従来のように、いわゆるウォータージャケ
ットを設け、冷却液を循環させる必要がないため、エン
ジン10の重量を軽減することができる。請求項2記載
の発明にあっては、上記エンジン10はレシプロエンジ
ンであって、上記圧縮空気収納部12はシリンダ14の
上部及び側部に設けられていることを特徴とする。
【0014】従って、請求項2記載の発明にあっては、
レシプロエンジンのシリンダ14の上面部及び側面部
は、圧縮空気収納部12により包囲されているため、エ
ンジン10の作動によりシリンダ14上方部に形成され
る燃焼室35及びシリンダ14内の温度が上昇した場合
であっても、効率よく冷却される。その結果、請求項2
記載の発明にあっては、請求項1記載の効果に加えて、
冷却効率の良好な空冷式レシプロエンジンを提供するこ
とができる。
【0015】請求項3記載の発明にあっては、暖気運転
時には加温された空気を圧縮空気収納部に供給すること
によりエンジン10を加温することを特徴とする。ま
た、暖気運転時には積極的に加温された圧縮空気により
エンジン10を加温することができるため、暖気運転を
行う時間を短縮することができる。また、暖気運転時に
は積極的に加温された圧縮空気によりシリンダ14上部
及び側部を加温することができるため、より効率よい暖
気運転を行うことができるレシプロエンジンを提供する
ことができる。
【0016】請求項4記載の発明にあっては、上記圧縮
空気収納部12には、空気供給孔17及び圧縮空気排出
孔16が設けられており、各空気供給孔17及び圧縮空
気排出孔16には、それぞれ、バルブ18,36が設け
られ、シリンダ14の温度に応じて適宜、圧縮空気を排
出又は供給させてシリンダ14を冷却又は加温すること
を特徴とする。
【0017】従って、請求項4記載の発明にあっては、
シリンダ14の温度に応じて適宜、シリンダ14を冷却
又は加温することができる。その結果、請求項4記載の
発明にあっては、シリンダ14の適切な冷却又は加温を
行い、エンジン10の効率の良い作動をおこなわせるこ
とができる。請求項5記載の発明にあっては、上記圧縮
空気排出孔は、シリンダ14の側面において、長さ方向
に沿って複数設けられていると共に各圧縮空気排出孔1
6に対応し、シリンダ14の温度を計測する温度センサ
ー24が設けられ、各圧縮空気排出孔16に設けられた
バルブ18は、上記各温度センサー24の温度情報に基
づき駆動制御されてバルブ16の開閉の有無及び、バル
ブ18の開度を調整しうるように構成されていることを
特徴とする。
【0018】従って、請求項5記載の発明にあっては、
上記バルブ18は対応して設けられた温度センサー24
が検知するシリンダ14の温度により作動しうるように
構成されている。その結果、請求項5記載の発明にあっ
ては、特に、シリンダ14の冷却の際には、より適切
に、必要な程度に応じて冷却することができる。
【0019】請求項6記載の発明にあっては、上記空気
供給孔にはバルブ36が設けられ、圧縮空気収納部内の
温度に応じて適宜、圧縮空気が供給されることを特徴と
する。従って、請求項6記載の発明にあっては、エンジ
ン10の状況に応じて適切に圧縮空気が供給される。
【0020】請求項7記載の発明にあっては、上記バル
ブ18,36は、それぞれ、各温度センサー24の温度
情報に基づき個別のアクチュエータ20により駆動され
ように構成されている。従って、請求項7記載の発明に
あっては、各バルブ18,36の駆動は個別に行われ、
シリンダブロック11における温度条件により各バルブ
18,36の開閉の有無及び、バルブ18,36の開度
を適宜制御することができる。
【0021】その結果、請求項7記載の発明にあって
は、シリンダブロック11の温度条件に応じて適切な冷
却が行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づき、本発明に係る空冷式エンジンを説明する。図
1に示すように、本発明にかかる空冷式エンジン10
は、自動車の多気筒のレシプロエンジンであって、エン
ジンを構成するシリンダブロック11には、水冷式エン
ジンにおけるウォータージャケットと略同様の形状の空
隙からなる圧縮空気収納部12が設けられている。
【0023】即ち、この圧縮空気収納部12じゃ、シリ
ンダブロック11内に形成された各シリンダブロック1
4の側面部及び上面部を覆って、所定の厚さ寸法により
形成されている。この圧縮空気収納部12はシリンダブ
ロック11内においてシリンダブロック11の外部にお
いて一体に形成されていると共に、シリンダヘッド15
においても同様に一体に形成されている。従って、この
圧縮空気収納部12はシリンダブロック11及びシリン
ダヘッド15内に形成されたそれぞれの燃焼室35を包
囲して形成されている。
【0024】本実施の形態にあっては、この圧縮空気収
納部12には、シリンダブロック11の高さ方向に沿っ
て左右一対の3個の圧縮空気排出孔部16が設けられて
いる。また、シリンダヘッド15には、左右方向におい
て一対に、シリンダブロック11の上下方向に沿って3
つの圧縮空気供給孔部16が設けられると共に、シリン
ダヘッド15には、同様に圧縮空気排出孔部16,16
が圧縮空気収納部12に開口して設けられている。更
に、シリンダヘッド15の頂部には、加温された空気を
圧縮空気収納部12に供給するための空気供給孔部17
が設けられている。
【0025】図2に示すように、圧縮空気排出孔部16
及び空気供給孔部17は、シリンダ外壁から外方へ突出
して形成された円柱状孔部により形成され、内部には円
盤状に形成されたバルブ18が軸止されている。これら
のバルブ18は、本実施の形態にあっては、一方側にお
ける一連の圧縮空気供給孔部16及び、シリンダヘッド
15に設けられた一対の圧縮空気供給孔部16は、リン
ク機構19により連結され、同一のアクチュエータ20
により同時に開閉作動しうるように構成されている。
【0026】これらのバルブ18はバルブシャフト28
により圧縮空気供給孔部16内に軸止されており、この
バルブシャフト28には圧縮空気供給孔部16の外側に
おいて、バルブシャフト28を回動させるステム22が
固定され、このステム22の先端部には、シリンダブロ
ック11の側方においては略垂直に、シリンダヘッド1
5においては略水平に、リンクバー23が、ステム22
に対して回動可能に軸止され、このリンクバー23の端
部はパルスモータ等からなる適宜のアクチュエータ20
に固定されている。
【0027】また、上記圧縮空気収納部12のシリンダ
ブロック11の外壁部には、温度センサー24が配設さ
れており、上記シリンダブロック11の温度環境を検知
しうるように構成されている。この温度センサー24
は、適宜のマイクロコンピュータを介して、上記アクチ
ュエータ20と連動しており、マイクロコンピュータの
制御により、シリンダブロック11が所定温度に達し、
冷却が必要な場合には、上記バルブ18を開動作させ
て、圧縮空気排出孔部16を開放し、圧縮空気収納部1
2内に収納された圧縮空気を排出するように構成されて
いる。
【0028】即ち、上記各圧縮空気排出孔部16に設け
られたバルブ18は、常時は閉状態であって、圧縮空気
供給孔部16を閉塞しており、温度センサー等によりシ
リンダブロック11が所定温度となったことが判明した
場合には、マイクロコンピュータは上記アクチュエータ
20に作動信号を発する。アクチュエータ20が作動し
た場合には、上記リンクバー23がアクチュエータ20
側へ移動する。その際に、上記ステム22の先端部側
が、バルブシャフト28を回動中心としてアクチュエー
タ20側へ回動し、上記ステム22に固定された軸28
を介してバルブ18を開動作させて圧縮空気排出孔部1
6を開放し、圧縮空気収納部12内に収納された圧縮空
気を一気に排出する。
【0029】また、シリンダヘッド15に設けられた空
気供給孔部17に配設されたバルブ36は、別個の独立
したアクチュエータ37により作動するように構成さ
れ、上記アクチュエータ37の作動は、上記アクチュエ
ータ20の場合と同様に、温度センサー24が検知する
温度情報に基づき、適宜配設されたマイコンにより制御
されて駆動するように構成されている。
【0030】また、上記圧縮空気供給孔部16には、そ
れぞれ、耐熱性に富む素材からなり、多岐管として形成
されたホース25が接合され、これらのホース25によ
り圧縮空気はエンジン外方へ排出されるように構成され
ている。また、上記空気供給孔部17にも同様にホース
25が接合されている。このホース25の他端部はエア
コンプレッサー38に接合され、エアコンプレッサー3
8により圧縮エアが作成され、ホース25を介して空気
供給孔部17から圧縮空気収納部12内に供給される。
【0031】なお、図中、符号30はインテークバル
ブ、31はエキゾーストバルブ、34はコンロッド、3
2はクランクシャフトである。以下、本実施の形態に係
る空冷式エンジンの作用について説明する。本実施の形
態に係る空冷式エンジン10にあっては、エンジンを作
動させていない状態の場合には、上記圧縮空気排出孔部
16及び空気供給孔部17は、それぞれ、バルブ18,
36により閉塞された状態となっている。
【0032】エンジンを始動させた場合には、同時に、
エアコンプレッサー38が作動して圧縮空気を発生させ
る。この場合、アクチュエータ37を作動させて、空気
供給孔部17を閉塞しているバルブ36を開動作させて
空気供給孔部17を開放する。その後、圧縮空気はホー
ス25を介して空気供給孔部17から圧縮空気収納部1
2内へ供給される。従って、上記圧縮空気収納部12内
には圧縮空気が充填される。
【0033】エンジン作動後、所定時間が経過して、温
度センサー24がエンジンのシリンダブロック11内の
温度が所定温度以上になり、冷却が必要であると判断し
た場合には、各アクチュエータ20,39を作動させて
各バルブ18を作動させて各圧縮空気排出孔部16を開
放させる。このバルブ18の作動により、圧縮空気収納
部12内の圧縮空気は圧縮空気排出孔部16から、ホー
ス25を介してエンジン10外へ排出される。
【0034】この圧縮空気の圧縮空気収納部12からの
排出の際に、シリンダブロック11の外壁部は瞬時に吸
熱され、シリンダブロック11は一気に冷却される。従
って、シリンダブロック11内の温度は所定の温度にま
で下降し、燃焼に最適な温度となり、効率よく燃焼され
る。また、ピストン29やインテークバルブ30やエキ
ゾーストバルブ31の焼き付きを有効に防止できると共
に、エンジン各部の熱膨張による変形や、エンジンのパ
ワーダウンを防止することができる。
【0035】なお、この場合、排出された圧縮空気はエ
ンジンの熱を吸熱しているため、水冷式の場合と同様
に、適宜の手段によりルームヒータの熱源に利用するこ
ともできる。従って、バルブ18の開動作により圧縮空
気が排出されてシリンダブロック11が冷却された場合
には、その後、再度、アクチュエータ20,39が作動
してリンク機構19を介してバルブ18は閉動作し、圧
縮空気排出孔部16は閉鎖される。そして、再度、エア
コンプレッサー38により圧縮空気が作成されて空気供
給孔部17から圧縮空気収納部12内に供給されて、次
回の冷却のための排出に備える。
【0036】一方、冬季等において、外気温が非常に低
い場合には、上記エアコンプレッサー38により作成さ
れた圧縮空気はヒータ40を経由して空気供給孔17か
ら圧縮空気収納部12内に供給される。この加温された
圧縮空気の供給により、シリンダブロック11は適宜温
度に加温され、スムーズにエンジンの作動を行わせるこ
とができ、長時間に亘る暖気運転を行うことなく自動車
を発進させることができる。
【0037】従って、本実施の形態に係る空冷式エンジ
ン10にあっては、閉鎖された空隙から圧縮空気が瞬間
的に排出される際に吸熱する原理を利用してエンジンの
冷却を行うように構成されているため、非常に短時間で
効率よくエンジンの冷却を行うことができる。その結
果、エンジンの作動効率をより向上させることができ
る。
【0038】また、本実施の形態に係る空冷式エンジン
10にあっては、水冷式エンジンのようなウォータージ
ャケット内に冷却液を供給する必要がなく、冷却液を冷
却するラジエータ、冷却ファン、冷却液を循環させるウ
ォータポンプ、リザーバタンク、液温を適当に保持する
サーモスタット等を別個に設ける必要がないため、エン
ジンの構成部品点数を減少することができ、製作コスト
を低減することができる。その結果、全体としての車両
重量を低減することができ、走行時の燃費を向上させる
こともできる。
【0039】更に、空冷式でありながら、大型の冷却フ
ァンによりシリンダブロックを冷却する必要がないた
め、冷却時に騒音が発生することもない。その結果、上
記実施の形態に係る空冷式エンジン10を乗用車に搭載
した場合であっても、走行時の騒音を低減することがで
き、快適な乗車感覚を確保することができる。本実施の
形態にあっては、上記シリンダヘッド15内に形成され
る燃焼室35に対応する部位には、左右一対の圧縮空気
排出孔部16,16が設けられており、気化燃料の燃焼
によって最も加熱されて高温となるシリンダヘッド15
を有効に冷却することができる。
【0040】図4は、本実施の形態に係る空冷式エンジ
ンの第二の実施の形態を示す。本実施の形態に係る空冷
式エンジン55にあっては、各圧縮空気排出口部16に
は、それぞれ対応する、多数のアクチュエータ41が配
設されている。また、シリンダブロック11には上下方
向に沿って、各アクチュエータに連動する3個の温度セ
ンサー24が配設されていると共に、シリンダヘッド1
5には、シリンダブロックの左右方向に一対の温度セン
サー24が配設されている。
【0041】また、各アクチュエータ41と各バルブ1
8のステム22との間はケーブル26により接合され、
このケーブル26により駆動されるように構成されてい
る。その他の構成は前期実施の形態と同様である。従っ
て、本実施の形態にあっては、温度センサー24がシリ
ンダブロック11の上下方向に複数設けられると共に、
シリンダヘッド15の左右方向において一対に設けられ
ているため、シリンダの各部位における温度状況を細か
く把握することができる。
【0042】その結果、シリンダ14内における燃焼の
状況に応じて最も加熱し、高温となっている部位を温度
センサー24により把握し、当該部位に直近の圧縮空気
排出孔部16を開放することにより、瞬時に効率よくシ
リンダブロック11の部分的な冷却を行うことができ
る。更に、各バルブ18は個別のアクチュエータ41に
より駆動されるように構成されているため、各バルブ1
6の開度を適宜変更して調節することができ、シリンダ
ブロック11の温度状況に応じて、シリンダブロック1
1の部位により、冷却の程度を変更することができる。
【0043】従って、本実施の形態にあっては、シリン
ダブロック11の温度状況又は温度分布に応じて最適な
冷却を行うことができる。なお、上記実施の形態にあっ
ては、本発明に係る空冷式エンジンをレシプロエンジン
に適用した場合を例に説明したが、上記実施の形態に限
定されず、本発明に係る空冷式エンジンを、例えば、ロ
ータリーエンジン、ガスタービンエンジン、ベーパーエ
ンジン又は、スターリングエンジン等にも適用すること
ができる。
【0044】また、上記第1の実施の形態においては、
各圧縮空気排出孔部16のバルブを、リンク機構19を
介して駆動させる場合を例に説明したが、上記第一の実
施の形態に限定されない。更に、上記圧縮空気排出孔部
の具体的構成についても上記各実施の形態に限定されな
い。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、より作
動効率が良好であって、かつ、部品点数を軽減すること
ができ、車重を増加させることがなく、かつ、エンジン
作動音を低減することができる空冷式エンジンを提供す
ることにある。また、請求項2記載の発明にあっては、
請求項1記載の発明の効果に加えて、空冷式のレシプロ
エンジンが提供される。
【0046】また、請求項3記載の発明の技術的課題
は、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、外気温
が低い場合には、効率よく加温することができる空冷式
エンジンを提供することができる。また、請求項4記載
の発明の技術的課題は、請求項1乃至3記載の効果に加
えて、適切にエンジンの冷却又は加温が行えるエンジン
が提供される。
【0047】また、請求項5記載の発明の技術的課題
は、請求項1乃至4記載の効果に加えて、さらに適切に
エンジンの冷却又は加温が行えるエンジンが提供され
る。また、請求項6記載の発明にあっては、請求項1乃
至5記載の発明の効果に加えて、適切に冷却又は加温の
ための圧縮空気が供給されるエンジンが提供される。
【0048】また、請求項7記載の発明にあっては、請
求項4乃至6記載の発明の効果に加えて、適切に冷却又
は加温のための圧縮空気が供給されるエンジンを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る空冷式エンジンの一実施の形態
であって、シリンダブロックの断面を簡略に示す図であ
る。
【図2】 本発明に係る空冷式エンジンの一実施の形態
に適用される圧縮空気排出孔部の構造を示す斜視図であ
る。
【図3】 本発明に係る空冷式エンジンの他の実施の形
態であって、シリンダブロックの断面を簡略に示す図で
ある。
【図4】 従来の水冷式の自動車用エンジンを簡略に示
す斜視図である。
【図5】 従来の水冷式の自動車用の4気筒エンジンを
簡略に示す斜視断面図である。
【図6】 従来の空冷式のオートバイ用のエンジンを簡
略に示す斜視図である。
【符号の説明】
10 空冷式エンジン 11 シリンダブロ
ック 12 圧縮空気収納部 14 シリンダ 15 シリンダヘッ
ド 16 圧縮空気排出口部 17 空気供給孔部 18 バルブ 19 リンク機構 20 アクチュエータ 21 軸部 22 ステム 23 リンクバー 24 温度センサー 25 ホース 26 ケーブル 27 軸部 28 バルブシャフト 29 ピストン 30 インテークバルブ 31 エキゾースト
バルブ 32 クランク 33 フライホイー
ル 34 コンロッド 35 燃焼室 36 バルブ 37 アクチュエー
タ 38 エアコンプレッサー 39 アクチュエー
タ 40 ヒータ 41 アクチュエー
タ 42 空冷式エンジン 43 水冷式エンジ
ン 44 エンジン本体 45 ラジエータ 46 ラジエータパイプ 47 リザーバタン
ク 48 ウォータージャケット 49 シリンダブロ
ック 50 シリンダ 51 シリンダヘッ
ド 52 冷却ファン 53 空冷式エンジ
ン 54 フィン 55 空冷式エンジ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの燃焼室を包囲するように設け
    られた圧縮空気収納部を有し、上記冷却時には圧縮空気
    収納部に供給された圧縮空気を排出させることによりエ
    ンジンを冷却することを特徴とする空冷式エンジン。
  2. 【請求項2】 上記エンジンはレシプロエンジンであっ
    て、上記圧縮空気収納部はシリンダの上部及び側部に設
    けられていることを特徴とする請求項1記載の空冷式エ
    ンジン。
  3. 【請求項3】 暖気運転時には加温された空気を圧縮空
    気収納部に供給することによりエンジンを加温すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の空冷式エンジン。
  4. 【請求項4】 上記圧縮空気収納部には、圧縮空気供給
    孔及び圧縮空気排出孔が設けられており、各圧縮空気供
    給孔及び圧縮空気排出孔には、それぞれ、バルブが設け
    られ、シリンダの温度に応じて適宜、圧縮空気を供給又
    は排出させてシリンダを加温又は冷却することを特徴と
    する請求項1、2又は3記載の空冷式エンジン。
  5. 【請求項5】 上記圧縮空気排出孔は、シリンダの側面
    において、長さ方向に沿って複数設けられていると共に
    各圧縮空気排出孔に対応し、シリンダの温度を計測する
    温度センサーが個別に設けられ、 各圧縮空気排出孔に設けられたバルブは、上記各温度セ
    ンサーの温度情報に基づき個別に駆動制御されてバルブ
    の開度を個別に調整しうるように構成されていることを
    特徴とする請求項4記載の空冷式エンジン。
  6. 【請求項6】 上記圧縮空気供給孔にはバルブが設けら
    れ、圧縮空気収納部内の温度に応じて適宜、圧縮空気が
    供給されることを特徴とする請求項4又は5記載の空冷
    式エンジン。
  7. 【請求項7】 上記バルブは、それぞれ、各温度センサ
    ーの温度情報に基づき個別のアクチュエータにより駆動
    されように構成されていることを特徴とする請求項4、
    5又は6記載の空冷式エンジン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105089782A (zh) * 2014-05-05 2015-11-25 龙全洪 直杆内燃机
JP2019218903A (ja) * 2018-06-20 2019-12-26 株式会社 小山ガレージ 燃焼可視化エンジン

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