JPH1162262A - コンクリ−ト構作物の防水・改質工法及び雨水の浸入経路探索方法 - Google Patents
コンクリ−ト構作物の防水・改質工法及び雨水の浸入経路探索方法Info
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- JPH1162262A JPH1162262A JP23029897A JP23029897A JPH1162262A JP H1162262 A JPH1162262 A JP H1162262A JP 23029897 A JP23029897 A JP 23029897A JP 23029897 A JP23029897 A JP 23029897A JP H1162262 A JPH1162262 A JP H1162262A
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Abstract
でありながら、確実にコンクリ−ト構造物における亀裂
の補修、防水処理並びに改質処理を行うことができるコ
ンクリ−ト構作物の防水・改質工法を提供することを課
題とする。 【解決手段】 ケイ酸カリウム水溶液と酢酸カルシウム
水溶液をコンクリ−トの亀裂内部に注入して結晶化させ
ることにより亀裂を充填する。また、既存のコンクリ−
ト製屋根の防水工法における押さえコンクリ−トの収縮
目地5を撤去し、この目地部分を清掃してそこにケイ酸
カリウムを主成分とした無機質浸透性防水材を塗布又は
注入し、押さえコンクリ−ト6がその裏側に溜まってい
る雨水に触れることにより生成された遊離カルシウムと
反応させて、押さえコンクリ−ト6内部にケイ酸カルシ
ウムの結晶体を形成させて防水層とする。
Description
屋上、バルコニ−、共用廊下、駐車場、高速道路、橋
床、ピット、プ−ル、貯水槽、受水槽等のコンクリ−ト
構作物の防水・改質工法及び雨水の浸入経路探索方法に
関するものである。
は、熱収縮、乾燥収縮、熱膨張等により亀裂が発生する
ことは不可避なことである。発生した亀裂に対しては、
発泡ウレタン、エポキシ等の有機系注入剤又はセメント
系グラウト剤を注入して補修することが行われている。
入は、最低0.3mm以上の亀裂幅がないと行うことが
できず、仮に注入できたとしても、注入個所から既存の
亀裂幅以上の幅の亀裂が入る虞がある。
法としては、次のようなものが公知である。 a. アスファルト防水、ウレタン防水、アスファルト
コンクリ−ト防水工法等であって、コンクリ−トの表面
に防水材を塗布して被膜を作り、この被膜の作用で防水
する工法。 b. セメント系無機質浸透性塗布防水剤をコンクリ−
ト表面に塗布する工法。
性が悪く、数年おきに防水工事を行う必要があるという
欠点があり、公知例bの工法においては、浸透性が弱
く、数年おきに防水工事を行う必要があるという欠点が
ある。
は、「防水個所又は補修個所にケイ酸ナトリウムを主成
分とした無機質浸透性防水材を塗布又は注入し、乾燥後
に散水を数回繰り返して当該防水材をコンクリ−ト内に
浸透させて浸透防水保護層を形成するコンクリ−ト構造
物の防水工法。」を提唱している(特開平7−2667
4号公報)。
おけるような欠点がなくて有用なものであるが、そこに
おけるケイ酸ナトリウムを主成分とした無機質浸透性防
水材はコンクリ−ト内に浸透しにくく、散水を数回行わ
なければならない煩わしさがある。
のどこが破断しているかを確認する必要があるところ、
従来は、コンクリ−ト構作物における浸水個所を簡単且
つ確実に探索し得る方法が提示されていなかったので、
その探索のために多くの時間とコストがかかっていた。
亀裂補修方法並びに防水工法における欠点を除去するた
めになされたもので、熟練を要することなく簡単に行な
い得る方法でありながら、確実にコンクリ−ト構作物に
おける亀裂の補修、防水処理並びに改質処理を行うこと
ができるコンクリ−ト構作物の防水・改質工法を提供す
ることを課題とする。
構造物における浸水個所を簡単且つ確実に探索し得る方
法を提供することにある。
ム水溶液と酢酸カルシウム水溶液をコンクリ−トの亀裂
内部に注入して結晶化させることにより亀裂を充填する
ことを特徴とするコンクリ−ト構作物の防水工法、既存
のコンクリ−ト製屋根の防水工法における押さえコンク
リ−トの収縮目地を撤去し、この目地部分を清掃してそ
こにケイ酸カリウムを主成分とした無機質浸透性防水材
を塗布又は注入し、押さえコンクリ−トがその裏側に溜
まっている雨水に触れることにより生成された遊離カル
シウムと反応させて、押さえコンクリ−ト内部にケイ酸
カルシウムの結晶体を形成させて防水層とすることを特
徴とするコンクリ−ト構作物の防水工法、並びに、酢酸
カルシウム水溶液を収縮目地部分より注入し、乾燥後ケ
イ酸カリウムを収縮目地部から塗布又は注入し、適宜時
間放置してから押さえコンクリ−ト内部に注水して結晶
体を強制的に生成せしめると共に押さえコンクリ−トに
ケイ酸カルシウムを吸着させることを特徴とするコンク
リ−ト構作物の防水工法、を以て上記課題を解決した。
酢酸カルシウム水溶液を塗布又は注入してコンクリ−ト
に酢酸カルシウム水を吸着させた後、ケイ酸ナトリウム
又はケイ酸カリウム水溶液を塗布、注入し、中性化した
多孔質なコンクリ−トの空洞にケイ酸カルシウム結晶体
を形成させてコンクリ−トを無孔質にしてコンクリ−ト
をアルカリ活性化させることを特徴とするコンクリ−ト
構造物の改質工法、ないし、酢酸カルシウム水溶液を亀
裂個所周辺、目地部分等から注入することを特徴とする
コンクリ−ト構作物における雨水の浸入経路探索方法、
を以て上記課題を解決した。
を参照しつつ詳述する。本発明に係る工法の適用で最も
効果の上がる施工例として、コンクリ−トの亀裂防水処
理を挙げることができる。コンクリ−トの亀裂からの水
漏れが自然に止まることがある。即ち、雨水は、コンク
リ−ト亀裂に浸入してコンクリ−ト内に存在する遊離カ
ルシウムと二酸化ケイ素に触れて反応し、ケイ酸カルシ
ウム等の結晶体を形成してこれがコンクリ−トの亀裂箇
所を充填して水漏れを止めることがあるのである(下記
式参照)。この場合、水漏れが止まるまでに長い年月を
必要とする場合と、短期間でこの現象が生ずる場合とが
ある。
外部に流出すると、空気中の炭酸ガスに触れて炭酸カル
シウムの結晶体となり(エフロレセンス)、これが亀裂
を充填するために漏水が抑止される現象が生ずることも
よくある(下記式参照)。
る現象を積極的に惹起させるものである。
を示すものであって、図中1はコンクリ−ト躯体、2は
パラペット、3は防水層、4は断熱材、5は収縮目地、
6は押さえコンクリ−ト、7はコンクリ−トスラブ、8
はコンクリ−トの亀裂、9は防水層の亀裂を示してい
る。このコンクリ−ト製屋上において防水層3に亀裂9
が入り、コンクリ−トの亀裂8から室内に漏水した場
合、従来は、押さえコンクリ−ト6を撤去して防水層3
の亀裂9を増貼りして補修し、再び押さえコンクリ−ト
6の打ち直しを行なうか、屋上屋根全体に塗布膜防水剤
などを塗布して補修するかしていた。
地5のシ−ルを撤去して良く清掃を行い、この収縮目地
5部にケイ酸カリウム水溶液と酢酸カルシウム水溶液を
交互に塗布又は注入する。各水溶液は押さえコンクリ−
ト6の空間を通り、防水層3の亀裂9を経由してコンク
リ−ト亀裂8の所まで到達する。注入した水溶液が押さ
えコンクリ−ト6の内部全体に行き渡る結果、ケイ酸カ
リウム水溶液と酢酸カルシウムの結晶体による作用で、
雨水を浸透させない屋上になる。
水の溜まり水がある。この雨水は常時押さえコンクリ−
ト6に接触しているため、コンクリ−ト中の遊離カルシ
ウムが流失することにより、押さえコンクリ−ト6の下
には遊離カルシウムが充満している。この遊離カルシウ
ムとケイ酸カリウムを、例えば下記2例のように化学反
応させ、結晶化することで防水することが可能となる。
の接着性が高く、水分及び塩化物を通さない結晶体を形
成する。この結晶体が、コンクリ−ト内部で形成される
と、脱水反応を抑える効果があることが特徴である。
の溜まり水による遊離カルシウムが不足している場合
は、酢酸カルシウム水溶液を先に注入し、1日以上放置
して乾燥するのを待つ。酢酸カルシウムが十分に乾燥す
る前にケイ酸カリウム水溶液を注入した場合は、注入口
周辺において結晶体となってしまい、隅々まで行き届か
ないという事態が生じ得る。従って、酢酸カルシウム水
溶液が隅々まで行き渡り、且つ、乾燥したことを確認し
た後、ケイ酸カリウム水溶液を注入することが重要であ
り、押さえコンクリ−ト6の内側の防水層3と断熱材4
の間、並びに、コンクリ−トの亀裂8の内部において強
制的にケイ酸カルシウムの結晶体を生成せしめ、以て、
雨水の浸入を阻止する。
場合の防水工事例である。図1と同様にケイ酸カリウム
水溶液と酢酸カルシウム水溶液を交互に亀裂に注入して
亀裂内部全体を結晶体で塞ぎ、雨水の浸入を防止する工
法である。亀裂10に酢酸カルシウムの水溶液を入れて
その乾燥を待つ。乾燥のために1日以上放置して酢酸カ
ルシウムがコンクリ−トに吸着させるのを待ち、その後
亀裂10にケイ酸カリウム水溶液を同じように注入して
1日以上放置し、亀裂内部に結晶体を形成させた後、亀
裂周辺10に水を軽く散水してコンクリ−トに浸透させ
(矢印参照)、防水のためのケイ酸カルシウムの結晶体
を吸着させる。
ト中の遊離カルシウムとケイ酸カリウム水溶液の化学反
応で結晶体を生成させることにより(下記式参照)、簡
単確実に防水処理を行うことができる。
ルシウム成分が流出して風化現象を起こし、脆弱化して
いることがあるが、その場合は酢酸カルシウムの水溶液
を塗布し、乾燥させて吸着させる。乾燥のために1日以
上放置しておいてケイ酸カリウム又はケイ酸カリウム水
溶液を塗布し、6時間以上放置して散水処理を行う。こ
の乾燥、散水処理を1回以上行うことによりコンクリ−
トにアルカリ成分を与え、以てコンクリ−トをアルカリ
活性化させてコンクリ−トの中性化を防止することがで
きる。
リウムは水の浸透性がよいので、従来用いられていたケ
イ酸ナトリウムの場合のように、何度も散水を行う必要
がなく、作業が容易且つ迅速となる。
の浸入経路を発見する方法について説明する。そのため
には酢酸カルシウム水溶液を、図1に示す屋上の収縮目
地5又はコンクリ−トの亀裂8に圧入すればよい。防水
層3が破断してコンクリ−トの亀裂8から雨水が浸入し
ている場合、その浸入個所がなかなか発見できないこと
が多い。酢酸カルシウム水溶液を、浸入部分と思われる
周辺の収縮目地5又はコンクリ−トのパラペット2天端
の亀裂8などから注入して乾燥するまで放置する。する
と、酢酸カルシウムの結晶体が漏水しているコンクリ−
トの亀裂8周辺にできるので、雨水浸入経路を容易に発
見することができる。酢酸カルシウムの結晶体は、酢の
臭気があるので、漏水個所から出てくると簡単に認識で
きる。
溶液を作るが(コンクリ−トの亀裂に入りやすい溶解濃
度である1%〜15%の水溶液とすることが好まし
い。)、その場合は蒸留水を使用する。通常の水道水で
溶解した場合は、夏場などにすぐカビが発生して見苦し
くなる原因を作るからである。酢酸カルシウム粉体は、
食品、医療品などでよく使用されているが、コンクリ−
トの亀裂に使用する場合はできるだけ目の荒い粉体を使
用する。コンクリ−ト亀裂に吸着させる場合、乾燥した
ときにコンクリ−ト内部全体が埋まりにくい。微粒子の
酢酸カルシウム水溶液をコンクリ−トの亀裂に注入した
場合は、注入した下端から流出してしまうことがある。
て水溶液を作り、コンクリ−トの亀裂に注入した場合
は、高熱を発して危険であるので、施工現場には不向き
である。
液は10%〜50%以内とし、PHを10〜12以内で
使用するのが一番望ましい。もともとケイ酸ナトリウム
及びケイ酸カリウムは、比重が1.4でPH13前後で
あり、比重が重いとコンクリ−ト内部に浸透しにくく、
酢酸カルシウムと化学反応させる場合コンクリ−ト亀裂
に入っていかない。
本発明の実施態様の一例であって、本発明は亀裂の補修
だけでなく、コンクリ−ト二次製品(ヒュ−ム管、ボッ
クスカルバ−ト、ブロック)等のコンクリ−ト製品の補
強、あるいは、コンクリ−ト製道路、防波堤、堤防、電
車の橋梁の補強とか亀裂の補修、その他の用途に適用で
きる。
1〜3に記載の発明によれば、コンクリ−ト中の遊離カ
ルシウムとケイ酸カリウム水溶液の化学反応でケイ酸カ
ルシウムの結晶体を生成させることにより簡単確実に防
水処理を行うことができる。
−トの亀裂又は中性化した多孔質なコンクリ−トに酢酸
カルシウム水溶液を吸着させ、ケイ酸ナトリウム又はケ
イ酸カリウム水溶液及び水を使い、化学反応でコンクリ
−ト内部にケイ酸カルシウムの結晶体を生成させて防水
すると共に、コンクリ−トの中性化を防止してその脆弱
化を防止し得る効果がある。
カルシウムを亀裂個所等から注入することにより、雨水
の浸入経路を容易且つ迅速に探索し得る効果がある。
の亀裂補修工事施工例を説明するための図である。
の亀裂補修工事の他の施工例を説明するための図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 ケイ酸カリウム水溶液と酢酸カルシウム
水溶液をコンクリ−トの亀裂内部に注入して結晶化させ
ることにより亀裂を充填することを特徴とするコンクリ
−ト構作物の防水工法。 - 【請求項2】 既存のコンクリ−ト製屋根の防水工法に
おける押さえコンクリ−トの収縮目地を撤去し、この目
地部分を清掃してそこにケイ酸カリウムを主成分とした
無機質浸透性防水材を塗布又は注入し、押さえコンクリ
−トがその裏側に溜まっている雨水に触れることにより
生成された遊離カルシウムと反応させて、押さえコンク
リ−ト内部にケイ酸カルシウムの結晶体を形成させて防
水層とすることを特徴とするコンクリ−ト構作物の防水
工法。 - 【請求項3】 酢酸カルシウム水溶液を収縮目地部分よ
り注入し、乾燥後ケイ酸カリウムを収縮目地部から塗布
又は注入し、適宜時間放置してから押さえコンクリ−ト
内部に注水して結晶体を強制的に生成せしめると共に押
さえコンクリ−トにケイ酸カルシウムを吸着させること
を特徴とするコンクリ−ト構作物の防水工法。 - 【請求項4】 中性化したコンクリ−トに酢酸カルシウ
ム水溶液を塗布又は注入してコンクリ−トに酢酸カルシ
ウム水を吸着させた後、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カ
リウム水溶液を塗布、注入し、中性化した多孔質なコン
クリ−トの空洞にケイ酸カルシウム結晶体を形成させて
コンクリ−トを無孔質にしてコンクリ−トをアルカリ活
性化させることを特徴とするコンクリ−ト構作物の改質
工法。 - 【請求項5】 酢酸カルシウム水溶液を亀裂個所周辺、
目地部分等から注入することを特徴とするコンクリ−ト
構作物における雨水の浸入経路探索方法。
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---|---|---|---|---|
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JP6487107B1 (ja) * | 2018-11-15 | 2019-03-20 | 譲二 山下 | プレキャスト製残存型枠パネルの塩害及び凍害を抑止するプレキャスト製残存型枠パネルの製造方法、残存型枠の施工方法、及びプレキャスト製残存型枠パネル |
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JP5751499B2 (ja) * | 2013-04-03 | 2015-07-22 | 学校法人福岡大学 | ケイ酸塩系表面含浸工法に用いる反応促進材及びコンクリート補強方法 |
-
1997
- 1997-08-12 JP JP23029897A patent/JP3204931B2/ja not_active Expired - Fee Related
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