JPH116201A - ドーム状構造物および排気ダクト - Google Patents
ドーム状構造物および排気ダクトInfo
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- JPH116201A JPH116201A JP12363897A JP12363897A JPH116201A JP H116201 A JPH116201 A JP H116201A JP 12363897 A JP12363897 A JP 12363897A JP 12363897 A JP12363897 A JP 12363897A JP H116201 A JPH116201 A JP H116201A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸音性などの音響特性が良好で、エコーの起
き難い内部空間を有するドーム状構造物を提供すること
である。 【解決手段】 外周構造部と、この外周構造部の上に設
けられた屋根構造体とを具備してなるドーム状構造物で
あって、前記屋根構造体の少なくとも一部を、内部空間
側に突出する形状の錐面体を連結してなる構造としたド
ーム状構造物。
き難い内部空間を有するドーム状構造物を提供すること
である。 【解決手段】 外周構造部と、この外周構造部の上に設
けられた屋根構造体とを具備してなるドーム状構造物で
あって、前記屋根構造体の少なくとも一部を、内部空間
側に突出する形状の錐面体を連結してなる構造としたド
ーム状構造物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に大空間を有
し、競技場、展示場、コンサート会場などに利用される
ドーム状構造物に関する。
し、競技場、展示場、コンサート会場などに利用される
ドーム状構造物に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、各種の催しに、
柱のない大空間を有するドーム状構造物がよく利用され
る。こうしたドーム状構造物は、次に挙げる二つのタイ
プに大別できる。一つは、屋根を膜材のみから構成し、
内部の気圧を外部よりも高くすることでドーム形状を維
持するタイプであり、もう一つは、ドーム状に組み立て
られたフレームに屋根材や天井材を取り付けてなるタイ
プである。
柱のない大空間を有するドーム状構造物がよく利用され
る。こうしたドーム状構造物は、次に挙げる二つのタイ
プに大別できる。一つは、屋根を膜材のみから構成し、
内部の気圧を外部よりも高くすることでドーム形状を維
持するタイプであり、もう一つは、ドーム状に組み立て
られたフレームに屋根材や天井材を取り付けてなるタイ
プである。
【0003】このうち、前者は、例えば野球場のように
規模が極めて大きな場合に限定される。これに対して後
者は、規模の大小によらず構築が可能である。特に、降
雪量の多い地域に設けられるドーム状構造物では、積雪
荷重に耐えるため、フレームを用いて屋根を支持する必
要がある。ゆえに、現況では、ドーム状に組み立てられ
たフレームに屋根材や天井材を取り付けるタイプの方が
主流となっている。
規模が極めて大きな場合に限定される。これに対して後
者は、規模の大小によらず構築が可能である。特に、降
雪量の多い地域に設けられるドーム状構造物では、積雪
荷重に耐えるため、フレームを用いて屋根を支持する必
要がある。ゆえに、現況では、ドーム状に組み立てられ
たフレームに屋根材や天井材を取り付けるタイプの方が
主流となっている。
【0004】ところで、こうしたフレームで屋根を支持
するタイプのドーム状構造物には、次のような欠点があ
る。すなわち、屋根が剛性を有する構造となっているた
め、ドーム状構造物の内部空間はエコーが起きやすく、
観客が不快感を覚えることが多い。特に、ドーム部分が
半球状のものにあっては、この傾向が著しい。したがっ
て、本発明が解決しようとする課題は、吸音性などの音
響特性が良好で、エコーの起き難い内部空間を有するド
ーム状構造物を提供することである。更に、こうしたド
ーム状構造物にも好適で、しかも設置コストが低廉な排
気ダクトを提供することである。
するタイプのドーム状構造物には、次のような欠点があ
る。すなわち、屋根が剛性を有する構造となっているた
め、ドーム状構造物の内部空間はエコーが起きやすく、
観客が不快感を覚えることが多い。特に、ドーム部分が
半球状のものにあっては、この傾向が著しい。したがっ
て、本発明が解決しようとする課題は、吸音性などの音
響特性が良好で、エコーの起き難い内部空間を有するド
ーム状構造物を提供することである。更に、こうしたド
ーム状構造物にも好適で、しかも設置コストが低廉な排
気ダクトを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、外周構造
部と、この外周構造部の上に設けられた屋根構造体とを
具備してなるドーム状構造物であって、前記屋根構造体
の少なくとも一部を、内部空間側に突出する形状の錐面
体を連結してなる構造としたことを特徴とするドーム状
構造物によって解決される。
部と、この外周構造部の上に設けられた屋根構造体とを
具備してなるドーム状構造物であって、前記屋根構造体
の少なくとも一部を、内部空間側に突出する形状の錐面
体を連結してなる構造としたことを特徴とするドーム状
構造物によって解決される。
【0006】すなわち、本発明のドーム状構造物では、
屋根構造体を内部空間側に突出する形状の錐面体を連結
してなる構造としたので、言い換えれば、屋根構造体の
内面を無数の錐面体から構成しているので、ドーム状構
造物の内部空間において発生した音波は、錐面体の表面
で反射して、あらゆる方向に拡散される。このため、ド
ーム状構造物内ではエコーが起きず、観客が不快感を覚
えることはない。
屋根構造体を内部空間側に突出する形状の錐面体を連結
してなる構造としたので、言い換えれば、屋根構造体の
内面を無数の錐面体から構成しているので、ドーム状構
造物の内部空間において発生した音波は、錐面体の表面
で反射して、あらゆる方向に拡散される。このため、ド
ーム状構造物内ではエコーが起きず、観客が不快感を覚
えることはない。
【0007】なお、このドーム状構造物においては、錐
面体を四角錐状の外形を有するものとし、前記錐面体
を、屋根構造体の周方向および周方向と直交する方向に
連結してなる構造とすることが好ましい。これによっ
て、一層良好な音響特性を得ることができる。また、上
記の課題は、外周構造部と、この外周構造部の上に設け
られた屋根構造体とを具備してなるドーム状構造物であ
って、前記屋根構造体は、膜材からなる第1の層と、こ
の第1の層の外側にあって吸音材からなる第2の層と、
この第2の層の外側にあって板材からなる第3の層と、
前記第1の層と第2の層との間に設けられた第1の空気
層と、前記第2の層と第3の層との間に設けられた第2
の空気層とを具備してなることを特徴とするドーム状構
造物によって解決される。
面体を四角錐状の外形を有するものとし、前記錐面体
を、屋根構造体の周方向および周方向と直交する方向に
連結してなる構造とすることが好ましい。これによっ
て、一層良好な音響特性を得ることができる。また、上
記の課題は、外周構造部と、この外周構造部の上に設け
られた屋根構造体とを具備してなるドーム状構造物であ
って、前記屋根構造体は、膜材からなる第1の層と、こ
の第1の層の外側にあって吸音材からなる第2の層と、
この第2の層の外側にあって板材からなる第3の層と、
前記第1の層と第2の層との間に設けられた第1の空気
層と、前記第2の層と第3の層との間に設けられた第2
の空気層とを具備してなることを特徴とするドーム状構
造物によって解決される。
【0008】すなわち、屋根構造体を、膜材、吸音材、
板材、膜材と吸音材との間にできる第1の空気層、およ
び吸音材と板材との間にできる第2の空気層からなる5
層構造としたので、ドーム状構造物の内部空間において
発生した音波のエネルギーは屋根構造体によって効果的
に吸収される。更に詳しく言えば、膜材に到達した音波
のエネルギーは、まず膜材自体の振動によって、その低
周波数域が減衰させられる。次いで、膜材の持つ適度な
通気性と、吸音材や空気層の作用によって、その中・高
周波数域が減衰させられ、音波のエネルギーは全周波数
域でほぼ完全に消失する。したがって、ドーム状構造物
の内部空間においてエコーが起きることはない。
板材、膜材と吸音材との間にできる第1の空気層、およ
び吸音材と板材との間にできる第2の空気層からなる5
層構造としたので、ドーム状構造物の内部空間において
発生した音波のエネルギーは屋根構造体によって効果的
に吸収される。更に詳しく言えば、膜材に到達した音波
のエネルギーは、まず膜材自体の振動によって、その低
周波数域が減衰させられる。次いで、膜材の持つ適度な
通気性と、吸音材や空気層の作用によって、その中・高
周波数域が減衰させられ、音波のエネルギーは全周波数
域でほぼ完全に消失する。したがって、ドーム状構造物
の内部空間においてエコーが起きることはない。
【0009】なお、このドーム状構造物においては、屋
根構造体の少なくとも一部が、内部空間側に突出する形
状の錐面体を連結してなる構造であることが好ましい。
言い換えれば、ドーム状構造物は、屋根構造体の少なく
とも一部が、内部空間側に突出する形状の錐面体を連結
してなる構造であり、かつ、前記錐面体は、膜材からな
る第1の層と、この第1の層の外側にあって吸音材から
なる第2の層と、この第2の層の外側にあって板材から
なる第3の層と、前記第1の層と第2の層との間に設け
られた第1の空気層と、前記第2の層と第3の層との間
に設けられた第2の空気層とを具備してなるものである
ことが好ましい。こうした構造とすることで、相乗効果
により、更に優れた音響特性を実現できる。なお、板材
としては鋼板などのように剛性を有し、かつ、外部から
の音を遮断できるものが用いられる。但し、板材の内部
空間側に対応する面は、耐火被覆材のような吸音性のあ
る材料で覆っておくことが好ましい。
根構造体の少なくとも一部が、内部空間側に突出する形
状の錐面体を連結してなる構造であることが好ましい。
言い換えれば、ドーム状構造物は、屋根構造体の少なく
とも一部が、内部空間側に突出する形状の錐面体を連結
してなる構造であり、かつ、前記錐面体は、膜材からな
る第1の層と、この第1の層の外側にあって吸音材から
なる第2の層と、この第2の層の外側にあって板材から
なる第3の層と、前記第1の層と第2の層との間に設け
られた第1の空気層と、前記第2の層と第3の層との間
に設けられた第2の空気層とを具備してなるものである
ことが好ましい。こうした構造とすることで、相乗効果
により、更に優れた音響特性を実現できる。なお、板材
としては鋼板などのように剛性を有し、かつ、外部から
の音を遮断できるものが用いられる。但し、板材の内部
空間側に対応する面は、耐火被覆材のような吸音性のあ
る材料で覆っておくことが好ましい。
【0010】ドーム状構造物をこのような構造とした場
合、錐面体を、そのフレームに膜材を緊張状態で被着さ
せることで構成するのが好ましい。なぜならば、これに
よって膜材の配置に特別な下地材が不要となるからであ
る。また、第1の層を構成する膜材として、空気透過性
材料を用いてなることが好ましい。これによって、音波
のエネルギーは、第1の空気層およびそれに続いて設け
られた吸音材や第2の空気層に効率よく伝達され、一層
優れた吸音性が発揮される。なお、第1の層を構成する
膜材の流れ抵抗として好ましい値は、20℃、1気圧の
条件下において、1×105 〜2×106 N・sec/
m4 である。
合、錐面体を、そのフレームに膜材を緊張状態で被着さ
せることで構成するのが好ましい。なぜならば、これに
よって膜材の配置に特別な下地材が不要となるからであ
る。また、第1の層を構成する膜材として、空気透過性
材料を用いてなることが好ましい。これによって、音波
のエネルギーは、第1の空気層およびそれに続いて設け
られた吸音材や第2の空気層に効率よく伝達され、一層
優れた吸音性が発揮される。なお、第1の層を構成する
膜材の流れ抵抗として好ましい値は、20℃、1気圧の
条件下において、1×105 〜2×106 N・sec/
m4 である。
【0011】そして、施工が容易であることから、上記
ドーム状構造物において第2の層を構成する吸音材を、
錐面体のフレームを用いて第1の層と第3の層との間の
空間に張設されたケーブルに取り付けてなることが好ま
しい。特に、第2の層を構成する吸音材のケーブルに対
する取り付けには、最終形状がU字形であるピンを用い
ることができる。この場合、ケーブルを挟み込んだ状態
となるようピンをU字形に変形させて吸音材に差し込
み、吸音材の表面から突出するピンの先端部を折り曲げ
ることで、吸音材はケーブルに固定される。ただし、最
終形状がU字形であるピンとは、初めからU字形に構成
されたピンも含む。なお、第2の層を構成する吸音材と
しては、グラスウールからなるものを挙げることができ
る。
ドーム状構造物において第2の層を構成する吸音材を、
錐面体のフレームを用いて第1の層と第3の層との間の
空間に張設されたケーブルに取り付けてなることが好ま
しい。特に、第2の層を構成する吸音材のケーブルに対
する取り付けには、最終形状がU字形であるピンを用い
ることができる。この場合、ケーブルを挟み込んだ状態
となるようピンをU字形に変形させて吸音材に差し込
み、吸音材の表面から突出するピンの先端部を折り曲げ
ることで、吸音材はケーブルに固定される。ただし、最
終形状がU字形であるピンとは、初めからU字形に構成
されたピンも含む。なお、第2の層を構成する吸音材と
しては、グラスウールからなるものを挙げることができ
る。
【0012】更に、上記ドーム状構造物にあっては、第
1の空気層の厚さを10mm以上、50mm以下とする
と共に、第2の空気層の厚さを300mm以上、400
mm以下としてなることが好ましい。第1の空気層およ
び第2の空気層の厚さが上記の範囲内にあるとき、ドー
ム状構造物は、特に優れた吸音性能を発揮するようにな
る。
1の空気層の厚さを10mm以上、50mm以下とする
と共に、第2の空気層の厚さを300mm以上、400
mm以下としてなることが好ましい。第1の空気層およ
び第2の空気層の厚さが上記の範囲内にあるとき、ドー
ム状構造物は、特に優れた吸音性能を発揮するようにな
る。
【0013】上記課題のうち後者のものは、建物の内面
に所定の間隔で配置されたフレームと、このフレームを
用いて、前記建物の内面との間に空気の流路が形成され
るよう展張された膜材とを具備してなることを特徴とす
る排気ダクトによって解決される。すなわち、この排気
ダクトの主な構成要件は、フレームおよびそれを用いて
展張される膜材のみであるから、構造が極めて簡単であ
り、従来型の排気ダクトに比べ、設置コストを低廉なも
のとすることができる。
に所定の間隔で配置されたフレームと、このフレームを
用いて、前記建物の内面との間に空気の流路が形成され
るよう展張された膜材とを具備してなることを特徴とす
る排気ダクトによって解決される。すなわち、この排気
ダクトの主な構成要件は、フレームおよびそれを用いて
展張される膜材のみであるから、構造が極めて簡単であ
り、従来型の排気ダクトに比べ、設置コストを低廉なも
のとすることができる。
【0014】なお、上記排気ダクトにおいては、構造を
更に簡素化するため、空気の吸い込み口を建物の内面と
膜材の端部との間に形成してなることが好ましい。つま
り、建物の内面と膜材の端部との間に隙間を設け、この
隙間を空気の吸い込み口とすることが特に望ましい。
更に簡素化するため、空気の吸い込み口を建物の内面と
膜材の端部との間に形成してなることが好ましい。つま
り、建物の内面と膜材の端部との間に隙間を設け、この
隙間を空気の吸い込み口とすることが特に望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下で本発明の一実施形態として
説明するドーム状構造物は、外周構造部と、この外周構
造部の上に設けられた屋根構造体とを具備してなり、前
記屋根構造体の少なくとも一部を、内部空間側に突出す
る形状の錐面体を連結してなる構造としたことを特徴と
する。特に、錐面体は四角錐状の外形を有するものであ
って、屋根構造体は、前記錐面体を、屋根構造体の円周
方向および円周方向と直交する方向つまり放射方向に連
結してなる構造となっている。そして、屋根構造体を構
成する錐面体個々を膜材からなる第1の層と、この第1
の層の外側にあって吸音材からなる第2の層と、この第
2の層の外側にあって剛性を有する板材からなる第3の
層と、前記第1の層と第2の層との間にできる第1の空
気層と、前記第2の層と第3の層との間にできる第2の
空気層とを具備してなる構造としている。更に、第1の
層を構成する膜材は、緊張状態で錐面体のフレームに被
着させている。なお、第1の層を構成する膜材として
は、流れ抵抗が、20℃、1気圧の条件下において、1
×105 〜2×106 N・sec/m4 である空気透過
性材料を用いている。また、第2の層を構成する吸音材
は、錐面体のフレームを用いて第1の層と第3の層との
間の空間に張設されたケーブルに取り付けている。更に
詳しく言えば、第2の層を構成する吸音材のケーブルに
対する取り付けには、最終形状がU字形であるピンを用
いており、前記ピンが前記ケーブルを挟み込んだ状態と
なるよう前記ピンを前記吸音材に差し込み、前記吸音材
の表面から突出する前記ピンの先端部を折り曲げること
で、前記吸音材を前記ケーブルに固定している。なお、
第2の層を構成する吸音材としてはグラスウールを用い
た。そして、本実施形態では、第1の空気層の厚さを1
0mm以上、50mm以下とすると共に、第2の空気層
の厚さを300mm以上、400mm以下とした。
説明するドーム状構造物は、外周構造部と、この外周構
造部の上に設けられた屋根構造体とを具備してなり、前
記屋根構造体の少なくとも一部を、内部空間側に突出す
る形状の錐面体を連結してなる構造としたことを特徴と
する。特に、錐面体は四角錐状の外形を有するものであ
って、屋根構造体は、前記錐面体を、屋根構造体の円周
方向および円周方向と直交する方向つまり放射方向に連
結してなる構造となっている。そして、屋根構造体を構
成する錐面体個々を膜材からなる第1の層と、この第1
の層の外側にあって吸音材からなる第2の層と、この第
2の層の外側にあって剛性を有する板材からなる第3の
層と、前記第1の層と第2の層との間にできる第1の空
気層と、前記第2の層と第3の層との間にできる第2の
空気層とを具備してなる構造としている。更に、第1の
層を構成する膜材は、緊張状態で錐面体のフレームに被
着させている。なお、第1の層を構成する膜材として
は、流れ抵抗が、20℃、1気圧の条件下において、1
×105 〜2×106 N・sec/m4 である空気透過
性材料を用いている。また、第2の層を構成する吸音材
は、錐面体のフレームを用いて第1の層と第3の層との
間の空間に張設されたケーブルに取り付けている。更に
詳しく言えば、第2の層を構成する吸音材のケーブルに
対する取り付けには、最終形状がU字形であるピンを用
いており、前記ピンが前記ケーブルを挟み込んだ状態と
なるよう前記ピンを前記吸音材に差し込み、前記吸音材
の表面から突出する前記ピンの先端部を折り曲げること
で、前記吸音材を前記ケーブルに固定している。なお、
第2の層を構成する吸音材としてはグラスウールを用い
た。そして、本実施形態では、第1の空気層の厚さを1
0mm以上、50mm以下とすると共に、第2の空気層
の厚さを300mm以上、400mm以下とした。
【0016】また、排気ダクトは、建物の内面に所定の
間隔で配置されたフレームと、このフレームを用いて、
前記建物の内面との間に空気の流路が形成されるよう展
張された膜材とを具備する。そして、建物の内面と膜材
の端部との間に、空気吸い込み口を形成している。続い
て、図1〜図21を用いて、本発明の実施形態を更に詳
しく説明する。なお、図1〜図3は、それぞれドーム状
構造物の立面図、平面図、断面図、図4は外周構造部を
構成する鉄骨立体トラスの正面図、図5はパンタドーム
工法の工程図、図6および図7は、それぞれ屋根分割体
の主構成要素であるフレームの側面図および平面図、図
8〜図11は、それぞれフレームを構成するジョイント
の立体図、側面図、正面図、底面図、図12は完成状態
の外周ドーム部天井伏図、図13は屋根分割体の一部を
示す側面図、図14は膜材の端部固定状態を示す平面
図、図15は吸音材設置用ケーブルの張設状態を示す立
体図、図16は吸音材の固定に用いられるピンの立体
図、図17は吸音材をケーブルに固定した状態を示す断
面図、図18は外周ドーム部の内面側構造を示す立体
図、図19は錐面体の構造を示す断面図、図20は排気
システムの概念図、図21は排気ダクトの断面図であ
る。
間隔で配置されたフレームと、このフレームを用いて、
前記建物の内面との間に空気の流路が形成されるよう展
張された膜材とを具備する。そして、建物の内面と膜材
の端部との間に、空気吸い込み口を形成している。続い
て、図1〜図21を用いて、本発明の実施形態を更に詳
しく説明する。なお、図1〜図3は、それぞれドーム状
構造物の立面図、平面図、断面図、図4は外周構造部を
構成する鉄骨立体トラスの正面図、図5はパンタドーム
工法の工程図、図6および図7は、それぞれ屋根分割体
の主構成要素であるフレームの側面図および平面図、図
8〜図11は、それぞれフレームを構成するジョイント
の立体図、側面図、正面図、底面図、図12は完成状態
の外周ドーム部天井伏図、図13は屋根分割体の一部を
示す側面図、図14は膜材の端部固定状態を示す平面
図、図15は吸音材設置用ケーブルの張設状態を示す立
体図、図16は吸音材の固定に用いられるピンの立体
図、図17は吸音材をケーブルに固定した状態を示す断
面図、図18は外周ドーム部の内面側構造を示す立体
図、図19は錐面体の構造を示す断面図、図20は排気
システムの概念図、図21は排気ダクトの断面図であ
る。
【0017】本実施形態のドーム状構造物は、図1〜図
3から判るように、外周構造部と、この外周構造部上に
設けられた円形の屋根構造体とからなる。特に、屋根構
造体は、中央ファンルーム部と外周ドーム部とから構成
されている。後に詳しく説明するが、外周ドーム部は、
内部空間側に突出する形状の錐面体(屋根ユニット)を
連結してなる構造となっている。特に、本実施形態で
は、錐面体を四角錐状の外形を有するものとし、それら
を外周ドーム部の円周方向、および円周方向と直交する
方向、つまり放射方向に連結してなる構造としている。
3から判るように、外周構造部と、この外周構造部上に
設けられた円形の屋根構造体とからなる。特に、屋根構
造体は、中央ファンルーム部と外周ドーム部とから構成
されている。後に詳しく説明するが、外周ドーム部は、
内部空間側に突出する形状の錐面体(屋根ユニット)を
連結してなる構造となっている。特に、本実施形態で
は、錐面体を四角錐状の外形を有するものとし、それら
を外周ドーム部の円周方向、および円周方向と直交する
方向、つまり放射方向に連結してなる構造としている。
【0018】外周構造部は地下1階、地上3階建ての鉄
筋コンクリート造であり、3階床面の上に鉄骨構造体が
ある。3階部分の外壁は、屋根構造体のリフトアップ後
施工の鉄筋コンクリート造であり、その上部には、更
に、表面にタイルが打ち込まれたPC版カーテンウォー
ルが置かれている。外周構造部の3階床面の上に設けら
れる鉄骨立体トラスは、図3に示すごとく屋根構造体を
支持する柱1と、図4に示すごとく、柱1同士の間にハ
の字状に配置された2本一組のブレース2と、同じく図
4に示すごとく、柱1同士および柱1の上端とブレース
2の上端とを連結するテンションリング3とからなる。
筋コンクリート造であり、3階床面の上に鉄骨構造体が
ある。3階部分の外壁は、屋根構造体のリフトアップ後
施工の鉄筋コンクリート造であり、その上部には、更
に、表面にタイルが打ち込まれたPC版カーテンウォー
ルが置かれている。外周構造部の3階床面の上に設けら
れる鉄骨立体トラスは、図3に示すごとく屋根構造体を
支持する柱1と、図4に示すごとく、柱1同士の間にハ
の字状に配置された2本一組のブレース2と、同じく図
4に示すごとく、柱1同士および柱1の上端とブレース
2の上端とを連結するテンションリング3とからなる。
【0019】柱1は計64本存在し、また、ブレース2
は32組存在する。つまり、ブレース対は、柱1によっ
て分割される計64個の区間に一つおきに設けられてい
る。一方、テンションリング3は、当初、16個に分割
された状態となっており、屋根構造体のリフトアップ後
に接合されて完全な円形となる。なお、本実施形態のド
ーム状構造物は、後述のパンタドーム工法によって構築
されるので、柱1は外周構造部の3階床面よりも下側の
部分に対して回動可能でなければならない。ゆえに、柱
1の下端側は、ヒンジ4を用いて、外周構造部の3階床
面に取り付けられている。
は32組存在する。つまり、ブレース対は、柱1によっ
て分割される計64個の区間に一つおきに設けられてい
る。一方、テンションリング3は、当初、16個に分割
された状態となっており、屋根構造体のリフトアップ後
に接合されて完全な円形となる。なお、本実施形態のド
ーム状構造物は、後述のパンタドーム工法によって構築
されるので、柱1は外周構造部の3階床面よりも下側の
部分に対して回動可能でなければならない。ゆえに、柱
1の下端側は、ヒンジ4を用いて、外周構造部の3階床
面に取り付けられている。
【0020】外周ドーム部は、柱1によって分割される
計64個の区間それぞれに対応する分割体(以下、屋根
分割体と呼ぶ)の集合体である。すなわち、外周ドーム
部は計64個の屋根分割体を円周方向に沿って連結する
ことで構成されている(図2において5で示すのが一つ
の屋根分割体である)。この屋根分割体についても、パ
ンタドーム工法を利用して建方を行う都合上、外周構造
部の柱1に対して回動可能でなければならない。このた
め、屋根分割体の下端側は、ヒンジを用いてテンション
リング3に取り付けられている。なお、屋根分割体自身
の構造については、後に詳述する。
計64個の区間それぞれに対応する分割体(以下、屋根
分割体と呼ぶ)の集合体である。すなわち、外周ドーム
部は計64個の屋根分割体を円周方向に沿って連結する
ことで構成されている(図2において5で示すのが一つ
の屋根分割体である)。この屋根分割体についても、パ
ンタドーム工法を利用して建方を行う都合上、外周構造
部の柱1に対して回動可能でなければならない。このた
め、屋根分割体の下端側は、ヒンジを用いてテンション
リング3に取り付けられている。なお、屋根分割体自身
の構造については、後に詳述する。
【0021】中央ファンルーム部は、主に設備スペース
として使用されるもので、その中央には採光用のトップ
ライト6が配されている。また、中央ファンルーム部
は、コンプレッションリング7を有する。上記屋根分割
体の上端側は、ヒンジを用いてこのコンプレッションリ
ング7に取り付けられており、したがって建方が完了す
るまで、中央ファンルーム部は、屋根分割体に対して回
動可能となっている。
として使用されるもので、その中央には採光用のトップ
ライト6が配されている。また、中央ファンルーム部
は、コンプレッションリング7を有する。上記屋根分割
体の上端側は、ヒンジを用いてこのコンプレッションリ
ング7に取り付けられており、したがって建方が完了す
るまで、中央ファンルーム部は、屋根分割体に対して回
動可能となっている。
【0022】ここで、本実施形態のドーム状構造物の建
方に用いられるパンタドーム工法について、図5を用い
て簡単に説明する。パンタドーム工法の実施に際して
は、外周構造部の構築後、中央ファンルーム部、外周ド
ーム部の順に、それらを仮設構台を利用して組み立て
る。屋根構造体の地組みが完了した状態は、図5(A)
に示すとおりである。但し、この状態では屋根構造体
は、16個に分割されている。
方に用いられるパンタドーム工法について、図5を用い
て簡単に説明する。パンタドーム工法の実施に際して
は、外周構造部の構築後、中央ファンルーム部、外周ド
ーム部の順に、それらを仮設構台を利用して組み立て
る。屋根構造体の地組みが完了した状態は、図5(A)
に示すとおりである。但し、この状態では屋根構造体
は、16個に分割されている。
【0023】屋根構造体の地組みが完了したならば、中
央ファンルーム部と外周ドーム部とを連結するヒンジ付
近に配置した油圧ジャッキ8を用いて、図5(B)に示
すごとく屋根構造体をリフトアップする。そして、図5
(C)に示すごとく、分割された屋根構造体のリフトア
ップが完了した後、閉合工事や仕上げ材の取り付け、設
備工事を行う。
央ファンルーム部と外周ドーム部とを連結するヒンジ付
近に配置した油圧ジャッキ8を用いて、図5(B)に示
すごとく屋根構造体をリフトアップする。そして、図5
(C)に示すごとく、分割された屋根構造体のリフトア
ップが完了した後、閉合工事や仕上げ材の取り付け、設
備工事を行う。
【0024】これが済んだならば、図5(D)に示すご
とく、ジャッキダウンすることで、屋根構造体は最終状
態となる。本実施形態では、外周構造部の基部と鉄骨立
体トラスとの接合、鉄骨立体トラスと外周ドーム部との
接合、および外周ドーム部と中央ファンルーム部との接
合にヒンジを用いたが、これはパンタドーム工法に対応
するためだけではない。こうした構造を採用すること
で、積雪、強風、地震などに起因した、さまざまな荷重
を受けた際に、屋根構造体はある範囲内で自由に変形す
ることができ、これによってドーム状構造物の損壊が抑
止される。
とく、ジャッキダウンすることで、屋根構造体は最終状
態となる。本実施形態では、外周構造部の基部と鉄骨立
体トラスとの接合、鉄骨立体トラスと外周ドーム部との
接合、および外周ドーム部と中央ファンルーム部との接
合にヒンジを用いたが、これはパンタドーム工法に対応
するためだけではない。こうした構造を採用すること
で、積雪、強風、地震などに起因した、さまざまな荷重
を受けた際に、屋根構造体はある範囲内で自由に変形す
ることができ、これによってドーム状構造物の損壊が抑
止される。
【0025】続いて、外周ドーム部を構成する屋根分割
体の構造を説明する。屋根分割体は、図6および図7に
示すフレームを主構成要素とする。このフレームは、外
周ドーム部の放射方向に延びる2本一組の上弦材9と、
この上弦材9同士を連結する水平材10と、上弦材9と
同じく外周ドーム部の放射方向に延び、かつ、上弦材9
同士の間に設けられる下弦材11と、上弦材9と下弦材
11とを連結する水平斜材12および鉛直斜材13とか
らなる。フレームを構成するこれら部材のうち、水平斜
材12および鉛直斜材13は四角錐の稜線となるよう配
置されている。また、上弦材9は、隣接する他の屋根分
割体と共有されるが、下弦材11については屋根分割体
個々の専有となっている。
体の構造を説明する。屋根分割体は、図6および図7に
示すフレームを主構成要素とする。このフレームは、外
周ドーム部の放射方向に延びる2本一組の上弦材9と、
この上弦材9同士を連結する水平材10と、上弦材9と
同じく外周ドーム部の放射方向に延び、かつ、上弦材9
同士の間に設けられる下弦材11と、上弦材9と下弦材
11とを連結する水平斜材12および鉛直斜材13とか
らなる。フレームを構成するこれら部材のうち、水平斜
材12および鉛直斜材13は四角錐の稜線となるよう配
置されている。また、上弦材9は、隣接する他の屋根分
割体と共有されるが、下弦材11については屋根分割体
個々の専有となっている。
【0026】上弦材9、水平材10および水平・鉛直斜
材12,13にはH形鋼を用いており、一方、下弦材1
1には円形断面の鋼管を用いている。下弦材11は短尺
な計6本の鋼管をジョイント14によって連結し、所定
の長さとしたものであり、水平斜材12および鉛直斜材
13の端部も、このジョイント14を用いて下弦材11
に接合されている。
材12,13にはH形鋼を用いており、一方、下弦材1
1には円形断面の鋼管を用いている。下弦材11は短尺
な計6本の鋼管をジョイント14によって連結し、所定
の長さとしたものであり、水平斜材12および鉛直斜材
13の端部も、このジョイント14を用いて下弦材11
に接合されている。
【0027】図8〜図11にジョイントの一例を示す。
ここに図示したジョイントは、鋳造によって得られたも
のであり、下弦材との接合に用いられる枝15が互いに
逆向きな2方向に設けられている。また、枝15と直交
するよう枝16が設けられている。この枝16には、下
弦材同士を連結する円形断面の水平材が接合される。更
に、ジョイントの底面には、水平・鉛直斜材12,13
との接合に用いられるリブ17,18が形成されてい
る。
ここに図示したジョイントは、鋳造によって得られたも
のであり、下弦材との接合に用いられる枝15が互いに
逆向きな2方向に設けられている。また、枝15と直交
するよう枝16が設けられている。この枝16には、下
弦材同士を連結する円形断面の水平材が接合される。更
に、ジョイントの底面には、水平・鉛直斜材12,13
との接合に用いられるリブ17,18が形成されてい
る。
【0028】なお、図6および図7には、下弦材同士を
連結する円形断面の水平材を示していないが、この水平
材もフレームを構成する一部材であって、他の部材と共
同で外周ドーム部を支持する。下弦材同士を連結する水
平材は、完成状態の外周ドーム部天井を示す図12にお
いて、19で示される。この水平材19は、下弦材11
やジョイント14と同様、天井面を構成する膜材で隠れ
ないよう設計されており、仕上げ材としての役割も果た
す。
連結する円形断面の水平材を示していないが、この水平
材もフレームを構成する一部材であって、他の部材と共
同で外周ドーム部を支持する。下弦材同士を連結する水
平材は、完成状態の外周ドーム部天井を示す図12にお
いて、19で示される。この水平材19は、下弦材11
やジョイント14と同様、天井面を構成する膜材で隠れ
ないよう設計されており、仕上げ材としての役割も果た
す。
【0029】屋根分割体は、上記フレームと共に外形が
四角錐状の屋根材を備える。この屋根材は、四角錐の底
面に相当する面が開放されたホッパー状のものである。
屋根分割体の一部を示す図13において20で示される
この屋根材は、上弦材9と、この上弦材9同士を連結す
る水平材10、および水平・鉛直斜材12,13とによ
って形成される四角錐状の窪みに設置される。そして、
計4か所存在する上弦材9と水平材10との交点近傍、
および下弦材11と水平・鉛直斜材12,13との交点
近傍の1か所でフレームに固定される。
四角錐状の屋根材を備える。この屋根材は、四角錐の底
面に相当する面が開放されたホッパー状のものである。
屋根分割体の一部を示す図13において20で示される
この屋根材は、上弦材9と、この上弦材9同士を連結す
る水平材10、および水平・鉛直斜材12,13とによ
って形成される四角錐状の窪みに設置される。そして、
計4か所存在する上弦材9と水平材10との交点近傍、
および下弦材11と水平・鉛直斜材12,13との交点
近傍の1か所でフレームに固定される。
【0030】屋根材20は、計4枚の耐候性鋼板を組み
立てて構成されたもので、H形鋼やアングル材を用いて
適宜補強されている。また、その内面には、結露防止を
主な目的とした耐火被覆材が吹き付けられている。図1
3において21で示すのが、外周ドーム部の天井を構成
する膜材である。膜材21は、緊張状態で、フレームの
四角錐状に組み立てられた部分に被着されている。つま
り、屋根分割体を構成する錐面体は、フレームの四角錐
状に組み立てられた部分と、四角錐状の外形を有する屋
根材20と、同じく四角錐状に展張された膜材21とか
ら構成されている。
立てて構成されたもので、H形鋼やアングル材を用いて
適宜補強されている。また、その内面には、結露防止を
主な目的とした耐火被覆材が吹き付けられている。図1
3において21で示すのが、外周ドーム部の天井を構成
する膜材である。膜材21は、緊張状態で、フレームの
四角錐状に組み立てられた部分に被着されている。つま
り、屋根分割体を構成する錐面体は、フレームの四角錐
状に組み立てられた部分と、四角錐状の外形を有する屋
根材20と、同じく四角錐状に展張された膜材21とか
ら構成されている。
【0031】なお、特に図示してはいないが、膜材21
の展張には、水平・鉛直斜材12,13に対して、それ
と平行に配されたエッジ材、および上弦材9や水平材1
0と平行に配されたロッドが用いられている。このう
ち、エッジ材は、四角錐状に展張される膜材21の角を
明瞭なものとする役割を果たす。一方、上弦材9や水平
材10と平行に配されたロッドには、図14に示すごと
く、インシュロックタイ22を用いて膜材21の端部が
緊結される。更に詳しく言えば、膜材21の端部は袋状
になっており、それに通されたロッド23と、上弦材9
や水平材10に配されたロッド24とを、膜材21の切
欠き位置においてインシュロックタイ22で固縛するこ
とにより、膜材21は屋根分割体のフレームに固定され
ている。インシュロックタイ22は等間隔で複数設けら
れており、膜材21に導入される張力は、このインシュ
ロックタイ22を締め上げる量によって調節される。
の展張には、水平・鉛直斜材12,13に対して、それ
と平行に配されたエッジ材、および上弦材9や水平材1
0と平行に配されたロッドが用いられている。このう
ち、エッジ材は、四角錐状に展張される膜材21の角を
明瞭なものとする役割を果たす。一方、上弦材9や水平
材10と平行に配されたロッドには、図14に示すごと
く、インシュロックタイ22を用いて膜材21の端部が
緊結される。更に詳しく言えば、膜材21の端部は袋状
になっており、それに通されたロッド23と、上弦材9
や水平材10に配されたロッド24とを、膜材21の切
欠き位置においてインシュロックタイ22で固縛するこ
とにより、膜材21は屋根分割体のフレームに固定され
ている。インシュロックタイ22は等間隔で複数設けら
れており、膜材21に導入される張力は、このインシュ
ロックタイ22を締め上げる量によって調節される。
【0032】四角錐状に展張された膜材21の先端側
は、図13に示すごとく、ジョイント14に取り付けら
れる。詳しく図示してはいないが、膜材21の取り付け
は、その端部をジョイント14の斜面と、最終的にジョ
イント14と一体化状態になる口の字状枠体との間に挟
み込むことによってなされる。この際、膜材21の面は
ジョイント14の斜面と面一になるよう調整される。
は、図13に示すごとく、ジョイント14に取り付けら
れる。詳しく図示してはいないが、膜材21の取り付け
は、その端部をジョイント14の斜面と、最終的にジョ
イント14と一体化状態になる口の字状枠体との間に挟
み込むことによってなされる。この際、膜材21の面は
ジョイント14の斜面と面一になるよう調整される。
【0033】上記膜材21は、空気透過性を有する四フ
ッ化エチレン樹脂コーティングガラス繊維布からなる。
膜材として空気透過性を有するものを用いたのは、吸音
性を更に向上させるためであり、本実施形態では、特に
流れ抵抗が、20℃、1気圧の条件下において、1×1
05 〜2×106 N・sec/m4 である膜材を用いて
いる。
ッ化エチレン樹脂コーティングガラス繊維布からなる。
膜材として空気透過性を有するものを用いたのは、吸音
性を更に向上させるためであり、本実施形態では、特に
流れ抵抗が、20℃、1気圧の条件下において、1×1
05 〜2×106 N・sec/m4 である膜材を用いて
いる。
【0034】膜材同士の接合には、FEP(フロロエチ
レンプロピレン共重合樹脂)フィルムを使用している。
すなわち、接合される膜材同士の間に、このFEPフィ
ルムを挟み込み、熱と圧力とを加えることでFEPフィ
ルムを溶融させ、これによって膜材同士を溶着させるよ
うにした。上記屋根材20と膜材21との間には、吸音
材が介在させられている。この吸音材は、水平・鉛直斜
材12,13の陰に隠れるので、図13には現れない
が、錐面体の四つの斜面それぞれに対応した大きさを有
している。但し、錐面体の一斜面に対応した吸音材の大
きさは相当のものとなるので、取り扱いに支障を来さな
い程度に分割し、定位置に配置した後、連結して所要の
大きさとなるようにした。この際、吸音材同士の継ぎ目
に隙間ができると吸音性が低下するので、吸音材同士の
連結には断面がH形のジョイナーを用いた。なお、本実
施形態では、吸音材として、厚さ数十mmのグラスウー
ルマットを使用している。
レンプロピレン共重合樹脂)フィルムを使用している。
すなわち、接合される膜材同士の間に、このFEPフィ
ルムを挟み込み、熱と圧力とを加えることでFEPフィ
ルムを溶融させ、これによって膜材同士を溶着させるよ
うにした。上記屋根材20と膜材21との間には、吸音
材が介在させられている。この吸音材は、水平・鉛直斜
材12,13の陰に隠れるので、図13には現れない
が、錐面体の四つの斜面それぞれに対応した大きさを有
している。但し、錐面体の一斜面に対応した吸音材の大
きさは相当のものとなるので、取り扱いに支障を来さな
い程度に分割し、定位置に配置した後、連結して所要の
大きさとなるようにした。この際、吸音材同士の継ぎ目
に隙間ができると吸音性が低下するので、吸音材同士の
連結には断面がH形のジョイナーを用いた。なお、本実
施形態では、吸音材として、厚さ数十mmのグラスウー
ルマットを使用している。
【0035】上記吸音材の設置には、図15に示すごと
く、水平・鉛直斜材12,13を取り巻くよう口の字状
に張設されたケーブル25が用いられる。このケーブル
25は、直径数mmのワイヤロープからなり、緩みが生
じないようターンバックルを用いて所要の張力が導入さ
れている。ケーブル25は、それによって囲まれてでき
る矩形面の全てが、錐面体の仮想底面と平行になるよう
設けられる。上記の吸音材は、このようにして配された
ケーブル25を挟んで屋根材側に存在する。すなわち、
図13において、2本の水平斜材12同士の間に設けら
れる吸音材は、ケーブル25上に載置された状態となっ
ている。また、水平斜材12と鉛直斜材13との間に設
けられる吸音材、および2本の鉛直斜材13同士の間に
設けられる吸音材は、ケーブル25に立て掛けられた状
態となっている。
く、水平・鉛直斜材12,13を取り巻くよう口の字状
に張設されたケーブル25が用いられる。このケーブル
25は、直径数mmのワイヤロープからなり、緩みが生
じないようターンバックルを用いて所要の張力が導入さ
れている。ケーブル25は、それによって囲まれてでき
る矩形面の全てが、錐面体の仮想底面と平行になるよう
設けられる。上記の吸音材は、このようにして配された
ケーブル25を挟んで屋根材側に存在する。すなわち、
図13において、2本の水平斜材12同士の間に設けら
れる吸音材は、ケーブル25上に載置された状態となっ
ている。また、水平斜材12と鉛直斜材13との間に設
けられる吸音材、および2本の鉛直斜材13同士の間に
設けられる吸音材は、ケーブル25に立て掛けられた状
態となっている。
【0036】吸音材のケーブル25への固定は、アルミ
ニウム製のピンが用いられる。このピンは、図16に示
すような構造のもので、平板状の頭部26と、折り曲げ
可能な軸部27とからなる。特に、頭部26には貫通孔
26aが形成されている。このピンを用いて、吸音材を
ケーブルに固定した状態は、図17に示すとおりであ
る。この固定状態は、軸部27を屋根材が設けられる側
から吸音材28に差し込み、軸部27がケーブル25を
挟み込んだ状態となるようU字形に折り曲げ、吸音材2
8を貫通して頭部26の貫通孔26aから突出する軸部
27の先端をもう一度折り曲げることによって得られ
る。なお、作業の途中でピンの軸部をU字形に変形させ
るのではなく、予めU字形に折り曲げられたピンを吸音
材に差し込むようにしてもよい。しかし、いずれにせ
よ、ピンが吸音材から抜けないようにするために、折り
曲げたピンの端部を受けるプレート、つまり図16に示
すピンにおける頭部26に相当する部材が必要となる。
したがって、施工の容易性を考えると、ピンとしては、
平板状の頭部と折り曲げ可能な軸部とからなるものを使
用するのが好ましい。
ニウム製のピンが用いられる。このピンは、図16に示
すような構造のもので、平板状の頭部26と、折り曲げ
可能な軸部27とからなる。特に、頭部26には貫通孔
26aが形成されている。このピンを用いて、吸音材を
ケーブルに固定した状態は、図17に示すとおりであ
る。この固定状態は、軸部27を屋根材が設けられる側
から吸音材28に差し込み、軸部27がケーブル25を
挟み込んだ状態となるようU字形に折り曲げ、吸音材2
8を貫通して頭部26の貫通孔26aから突出する軸部
27の先端をもう一度折り曲げることによって得られ
る。なお、作業の途中でピンの軸部をU字形に変形させ
るのではなく、予めU字形に折り曲げられたピンを吸音
材に差し込むようにしてもよい。しかし、いずれにせ
よ、ピンが吸音材から抜けないようにするために、折り
曲げたピンの端部を受けるプレート、つまり図16に示
すピンにおける頭部26に相当する部材が必要となる。
したがって、施工の容易性を考えると、ピンとしては、
平板状の頭部と折り曲げ可能な軸部とからなるものを使
用するのが好ましい。
【0037】さて、ドーム状構造物の外周ドーム部は、
上記構成の屋根分割体の集合体である。したがって、外
周ドーム部は、図18に示すごとく、四角錐状の外形を
有する5層構造の錐面体(屋根ユニット)Sを、外周ド
ーム部の円周方向、および放射方向に連結したものとな
っている。ここで、図19に上記5層構造の錐面体の断
面を簡略化して示す。この断面図から判るように、錐面
体は、膜材21からなる第1の層、吸音材28からなる
第2の層、屋根材20を形成する板材(耐候性鋼板)か
らなる第3の層、第1の層と第2の層との間にできる第
1の空気層、そして第2の層と第3の層との間にできる
第2の空気層を備えた構造となっている。特に、第1の
空気層の厚さT1 は10〜50mm程度であり、また、
第2の空気層の厚さT2 は300〜400mm程度であ
る。
上記構成の屋根分割体の集合体である。したがって、外
周ドーム部は、図18に示すごとく、四角錐状の外形を
有する5層構造の錐面体(屋根ユニット)Sを、外周ド
ーム部の円周方向、および放射方向に連結したものとな
っている。ここで、図19に上記5層構造の錐面体の断
面を簡略化して示す。この断面図から判るように、錐面
体は、膜材21からなる第1の層、吸音材28からなる
第2の層、屋根材20を形成する板材(耐候性鋼板)か
らなる第3の層、第1の層と第2の層との間にできる第
1の空気層、そして第2の層と第3の層との間にできる
第2の空気層を備えた構造となっている。特に、第1の
空気層の厚さT1 は10〜50mm程度であり、また、
第2の空気層の厚さT2 は300〜400mm程度であ
る。
【0038】屋根構造体がこうした構造となっているこ
とから、ドーム状構造物の内部空間において発生した音
波は、錐面体の作用によって、あらゆる方向に拡散され
る。しかも錐面体は、音波を拡散すると共に、そのエネ
ルギーを吸収する。更に詳しく言えば、膜材に到達した
音波のエネルギーは、まず膜材自体の振動によって、そ
の低周波数域が減衰させられる。次いで、膜材の持つ適
度な通気性と、吸音材や空気層の作用によって、その中
・高周波数域が減衰させられ、音波のエネルギーは全周
波数域でほぼ完全に消失する。したがって、外周ドーム
部が錐面体を連結してなる構造であることとの相乗効果
により、ドーム状構造物内でのエコーが抑えられ、観客
に不快感を与えることはない。
とから、ドーム状構造物の内部空間において発生した音
波は、錐面体の作用によって、あらゆる方向に拡散され
る。しかも錐面体は、音波を拡散すると共に、そのエネ
ルギーを吸収する。更に詳しく言えば、膜材に到達した
音波のエネルギーは、まず膜材自体の振動によって、そ
の低周波数域が減衰させられる。次いで、膜材の持つ適
度な通気性と、吸音材や空気層の作用によって、その中
・高周波数域が減衰させられ、音波のエネルギーは全周
波数域でほぼ完全に消失する。したがって、外周ドーム
部が錐面体を連結してなる構造であることとの相乗効果
により、ドーム状構造物内でのエコーが抑えられ、観客
に不快感を与えることはない。
【0039】続いて、建物内に設置される排気ダクトに
ついて説明する。この排気ダクトは、図20に示すごと
く、建物の内面、特に天井面に設置される。排気ダクト
の一端は半閉塞されるが、他端は、建物の壁面に沿って
設けた導管29を介して、建物内の空気を吸引するため
のファン30に接続される。排気ダクトは、建物の天井
面に等間隔で配置された円弧フレーム31aおよびこの
円弧フレーム31a同士を連結する互いに平行な2本の
水平フレーム31bと、これら円弧フレーム31aおよ
び水平フレーム31bを用いて展張された膜材32とか
らなる。すなわち、円弧フレーム31a、水平フレーム
31bを用いて膜材32を展張することで、建物の天井
面と膜材32との間に空気の流路が形成されるようにし
ている。そして、膜材32の円弧フレーム31aに沿っ
た長さを、円弧フレーム31aの弧長よりもいくらか短
くすることで、図21に示すごとく、建物の天井面と膜
材32の端部との間に空気の吸い込み口33を形成して
いる。なお、本実施形態では、円弧フレーム31a、水
平フレーム31bとして共に断面が円形のパイプを、ま
た、膜材として四フッ化エチレン樹脂コーティングガラ
ス繊維布を用いた。
ついて説明する。この排気ダクトは、図20に示すごと
く、建物の内面、特に天井面に設置される。排気ダクト
の一端は半閉塞されるが、他端は、建物の壁面に沿って
設けた導管29を介して、建物内の空気を吸引するため
のファン30に接続される。排気ダクトは、建物の天井
面に等間隔で配置された円弧フレーム31aおよびこの
円弧フレーム31a同士を連結する互いに平行な2本の
水平フレーム31bと、これら円弧フレーム31aおよ
び水平フレーム31bを用いて展張された膜材32とか
らなる。すなわち、円弧フレーム31a、水平フレーム
31bを用いて膜材32を展張することで、建物の天井
面と膜材32との間に空気の流路が形成されるようにし
ている。そして、膜材32の円弧フレーム31aに沿っ
た長さを、円弧フレーム31aの弧長よりもいくらか短
くすることで、図21に示すごとく、建物の天井面と膜
材32の端部との間に空気の吸い込み口33を形成して
いる。なお、本実施形態では、円弧フレーム31a、水
平フレーム31bとして共に断面が円形のパイプを、ま
た、膜材として四フッ化エチレン樹脂コーティングガラ
ス繊維布を用いた。
【0040】上記構成の排気ダクトを備えた排気システ
ムでは、ファン30を作動させることで、建物内の空気
が排気ダクトの空気吸い込み口33から、その内部に吸
引され、導管29を経て建物の外部に排出される。この
際、排気ダクトは従来のものと同等の機能を発揮するわ
けであるが、円弧フレーム31aおよび水平フレーム3
1bと膜材32とからなる極めて簡単な構造であるた
め、鋼板を細長い箱状に組み立ててなる従来型の排気ダ
クトに比べ、天井面に簡単に施工でき、設置コストは格
段に低廉である。特に、本実施形態のものは、飛行機の
翼のような軽快で斬新な形態であるから、天井面に、視
覚的に溶け込みやすいといった特長を有する。
ムでは、ファン30を作動させることで、建物内の空気
が排気ダクトの空気吸い込み口33から、その内部に吸
引され、導管29を経て建物の外部に排出される。この
際、排気ダクトは従来のものと同等の機能を発揮するわ
けであるが、円弧フレーム31aおよび水平フレーム3
1bと膜材32とからなる極めて簡単な構造であるた
め、鋼板を細長い箱状に組み立ててなる従来型の排気ダ
クトに比べ、天井面に簡単に施工でき、設置コストは格
段に低廉である。特に、本実施形態のものは、飛行機の
翼のような軽快で斬新な形態であるから、天井面に、視
覚的に溶け込みやすいといった特長を有する。
【0041】
【実施例】膜材として、表1に示す特性のものを使用
し、ドーム状構造物を構築した。但し、表1中の流れ抵
抗は、20℃、1気圧における値である。また、第2の
層を構成する吸音材としては、厚さが均一(50mm)
なグラスウールマットを用いた。なお、第1および第2
の空気層の厚さは、場所によって異なるが、前者は10
〜50mmの範囲に、また、後者は300〜400mm
の範囲にあるようにした。 〔表1〕 単位面積あたりの重量:0.5±0.1kgf/m2 厚さ:0.35±0.1mm 引張強さ(縦方向):150kgf/3cm 引張強さ(横方向):100kgf/3cm 破断伸び率(縦方向):7%以下 破断伸び率(横方向):7%以下 剥離強度:1.0kgf/cm以上 孤形度:6%以内 斜行度:10%以内 流れ抵抗:1.7×106 N・sec/m4 本実施形態のドーム状構造物における外周ドーム部、特
にその天井面を上記膜材を用いて構成した結果、外周ド
ーム部が屋根材だけの場合はもちろんのこと、屋根材と
吸音材とを組み合わせただけ場合に比べても、吸音性の
飛躍的な向上がみられた。具体的に言うと、残響時間
は、人間が聞き取りうる全音域で均等、かつ、約1.9
秒という極めて低い値であり、かつて半球状ドーム空間
では前例のない優れた音場を確保できた。したがって、
コンサートや講演会場などに利用された場合、音声を明
瞭に聞き取ることができ、音楽を楽しむのに最適な空間
となる。
し、ドーム状構造物を構築した。但し、表1中の流れ抵
抗は、20℃、1気圧における値である。また、第2の
層を構成する吸音材としては、厚さが均一(50mm)
なグラスウールマットを用いた。なお、第1および第2
の空気層の厚さは、場所によって異なるが、前者は10
〜50mmの範囲に、また、後者は300〜400mm
の範囲にあるようにした。 〔表1〕 単位面積あたりの重量:0.5±0.1kgf/m2 厚さ:0.35±0.1mm 引張強さ(縦方向):150kgf/3cm 引張強さ(横方向):100kgf/3cm 破断伸び率(縦方向):7%以下 破断伸び率(横方向):7%以下 剥離強度:1.0kgf/cm以上 孤形度:6%以内 斜行度:10%以内 流れ抵抗:1.7×106 N・sec/m4 本実施形態のドーム状構造物における外周ドーム部、特
にその天井面を上記膜材を用いて構成した結果、外周ド
ーム部が屋根材だけの場合はもちろんのこと、屋根材と
吸音材とを組み合わせただけ場合に比べても、吸音性の
飛躍的な向上がみられた。具体的に言うと、残響時間
は、人間が聞き取りうる全音域で均等、かつ、約1.9
秒という極めて低い値であり、かつて半球状ドーム空間
では前例のない優れた音場を確保できた。したがって、
コンサートや講演会場などに利用された場合、音声を明
瞭に聞き取ることができ、音楽を楽しむのに最適な空間
となる。
【0042】また、膜材を用いたことにより、軽快な意
匠表現が可能となった。更に、膜材を緊張状態で錐面体
のフレームに被着させるようにしたので、外周ドーム部
の天井面が複雑な形状であるにもかかわらず、天井仕上
材となる膜材を配するための下地材はほとんど不要であ
った。すなわち、天井仕上材としてボードを用い、それ
を1枚ずつ取り付ける場合には、非常に多くの下地金物
が必要となり、作業にも多大な手間が掛かる。しかし、
本実施形態のごとく、天井仕上材として膜材を用いれ
ば、下地金物はほとんど不要であり、その上、作業が著
しく容易になる。また、天井仕上材としてボードを用い
た場合には、実現が難しい複雑な形状にも何ら問題なく
対応できる。
匠表現が可能となった。更に、膜材を緊張状態で錐面体
のフレームに被着させるようにしたので、外周ドーム部
の天井面が複雑な形状であるにもかかわらず、天井仕上
材となる膜材を配するための下地材はほとんど不要であ
った。すなわち、天井仕上材としてボードを用い、それ
を1枚ずつ取り付ける場合には、非常に多くの下地金物
が必要となり、作業にも多大な手間が掛かる。しかし、
本実施形態のごとく、天井仕上材として膜材を用いれ
ば、下地金物はほとんど不要であり、その上、作業が著
しく容易になる。また、天井仕上材としてボードを用い
た場合には、実現が難しい複雑な形状にも何ら問題なく
対応できる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係るドーム状構造物は、吸音性
などの音響特性が良好であり、内部空間はエコーが起き
難いものとなる。また、同じく本発明に係る排気ダクト
は、特に膜材を用いて構成されているので、設置コスト
は低廉であると同時に、優れた意匠的形態をなしてい
る。
などの音響特性が良好であり、内部空間はエコーが起き
難いものとなる。また、同じく本発明に係る排気ダクト
は、特に膜材を用いて構成されているので、設置コスト
は低廉であると同時に、優れた意匠的形態をなしてい
る。
【図1】本発明に係るドーム状構造物の立面図
【図2】本発明に係るドーム状構造物の平面図
【図3】本発明に係るドーム状構造物の断面図
【図4】外周構造部を構成する鉄骨立体トラスの正面図
【図5】パンタドーム工法の工程図
【図6】屋根分割体の主構成要素であるフレームの側面
図
図
【図7】屋根分割体の主構成要素であるフレームの平面
図
図
【図8】フレームを構成するジョイントの立体図
【図9】フレームを構成するジョイントの側面図
【図10】フレームを構成するジョイントの正面図
【図11】フレームを構成するジョイントの底面図
【図12】完成状態の外周ドーム部天井伏図
【図13】屋根分割体の一部を示す側面図
【図14】膜材の端部固定状態を示す平面図
【図15】吸音材設置用ケーブルの張設状態を示す立体
図
図
【図16】吸音材の固定に用いられるピンの立体図
【図17】吸音材をケーブルに固定した状態を示す断面
図
図
【図18】外周ドーム部の内面側構造を示す立体図
【図19】錐面体の構造を示す断面図
【図20】本発明に係る排気ダクトを用いた排気システ
ムの概念図
ムの概念図
【図21】本発明に係る排気ダクトの断面図
1 柱 2 ブレース 3 テンションリング 4 ヒンジ 5 屋根分割体 6 トップライト 7 コンプレッションリング 8 油圧ジャッキ 9 上弦材 10 水平材 11 下弦材 12 水平斜材 13 鉛直斜材 14 ジョイント 15,16 枝 17,18 リブ 19 水平材 20 屋根材 21 膜材 22 インシュロックタイ 23,24 ロッド 25 ケーブル 26 ピンの頭部 26a ピン頭部の貫通孔 27 軸部 28 吸音材 29 導管 30 ファン 31a 円弧フレーム 31b 水平フレーム 32 膜材 33 空気吸い込み口 S 錐面体(屋根ユニット)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 甚幸 岡山県岡山市三野2−10−17 (72)発明者 川口 衞 東京都杉並区南荻窪3−14−1 (72)発明者 高橋 大弐 福井県福井市二の宮2−6−7
Claims (13)
- 【請求項1】 外周構造部と、この外周構造部の上に設
けられた屋根構造体とを具備してなるドーム状構造物で
あって、 前記屋根構造体の少なくとも一部を、内部空間側に突出
する形状の錐面体を連結してなる構造としたことを特徴
とするドーム状構造物。 - 【請求項2】 錐面体は四角錐状の外形を有するもので
あって、前記錐面体を、屋根構造体の周方向および周方
向と直交する方向に連結してなる構造であることを特徴
とする請求項1に記載のドーム状構造物。 - 【請求項3】 外周構造部と、この外周構造部の上に設
けられた屋根構造体とを具備してなるドーム状構造物で
あって、 前記屋根構造体は、膜材からなる第1の層と、この第1
の層の外側にあって吸音材からなる第2の層と、この第
2の層の外側にあって板材からなる第3の層と、前記第
1の層と第2の層との間に設けられた第1の空気層と、
前記第2の層と第3の層との間に設けられた第2の空気
層とを具備してなることを特徴とするドーム状構造物。 - 【請求項4】 屋根構造体の少なくとも一部を、内部空
間側に突出する形状の錐面体を連結してなる構造とした
ことを特徴とする請求項3に記載のドーム状構造物。 - 【請求項5】 第1の層を構成する膜材は、緊張状態で
錐面体のフレームに被着されてなることを特徴とする請
求項4に記載のドーム状構造物。 - 【請求項6】 第1の層を構成する膜材が空気透過性材
料からなることを特徴とする請求項3〜請求項5いずれ
かに記載のドーム状構造物。 - 【請求項7】 第1の層を構成する膜材の流れ抵抗が、
20℃、1気圧の条件下において、1×105 〜2×1
06 N・sec/m4 であることを特徴とする請求項6
に記載のドーム状構造物。 - 【請求項8】 第2の層を構成する吸音材は、錐面体の
フレームを用いて第1の層と第3の層との間の空間に張
設されたケーブルに取り付けられてなることを特徴とす
る請求項3〜請求項7いずれかに記載のドーム状構造
物。 - 【請求項9】 第2の層を構成する吸音材のケーブルに
対する取り付けには最終形状がU字形であるピンが用い
られ、前記ピンが前記ケーブルを挟み込んだ状態となる
よう前記ピンを前記吸音材に差し込み、前記吸音材の表
面から突出する前記ピンの先端部を折り曲げることで、
前記吸音材を前記ケーブルに固定してなることを特徴と
する請求項8に記載のドーム状構造物。 - 【請求項10】 第2の層を構成する吸音材がグラスウ
ールからなることを特徴とする請求項3〜請求項9いず
れかに記載のドーム状構造物。 - 【請求項11】 第1の空気層の厚さを10mm以上、
50mm以下とすると共に、第2の空気層の厚さを30
0mm以上、400mm以下としたことを特徴とする請
求項3〜請求項10いずれかに記載のドーム状構造物。 - 【請求項12】 建物の内面に所定の間隔で配置された
フレームと、このフレームを用いて、前記建物の内面と
の間に空気の流路が形成されるよう展張された膜材とを
具備してなることを特徴とする排気ダクト。 - 【請求項13】 建物の内面と膜材の端部との間に空気
吸い込み口を形成してなることを特徴とする請求項12
に記載の排気ダクト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12363897A JPH116201A (ja) | 1997-04-23 | 1997-05-14 | ドーム状構造物および排気ダクト |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-105542 | 1997-04-23 | ||
JP10554297 | 1997-04-23 | ||
JP12363897A JPH116201A (ja) | 1997-04-23 | 1997-05-14 | ドーム状構造物および排気ダクト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116201A true JPH116201A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=26445813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12363897A Pending JPH116201A (ja) | 1997-04-23 | 1997-05-14 | ドーム状構造物および排気ダクト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH116201A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1026636C2 (nl) * | 2004-07-12 | 2006-01-16 | Postel Tentenverhuur | Overkappingssysteem en daarop gebaseerde overkapping. |
EP2022678A2 (en) | 2007-08-06 | 2009-02-11 | Mazda Motor Corporation | Sound-absorbing material, production method for sound-absorbing material, and sound-absorbing structure |
JP2015218442A (ja) * | 2014-05-14 | 2015-12-07 | 株式会社竹中工務店 | 構造物の施工方法 |
JP2017150199A (ja) * | 2016-02-24 | 2017-08-31 | 大成建設株式会社 | 昇降可能な屋根を備えた建築構造物 |
JP2017172204A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | 大成建設株式会社 | 屋根構造 |
CN111615575A (zh) * | 2017-11-11 | 2020-09-01 | 利弗两合公司 | 具有降低的混响时间的大厅的吸音的屋顶结构 |
JP2021085285A (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 株式会社竹中工務店 | 建物、及び、建物の構築方法 |
-
1997
- 1997-05-14 JP JP12363897A patent/JPH116201A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1026636C2 (nl) * | 2004-07-12 | 2006-01-16 | Postel Tentenverhuur | Overkappingssysteem en daarop gebaseerde overkapping. |
EP2022678A2 (en) | 2007-08-06 | 2009-02-11 | Mazda Motor Corporation | Sound-absorbing material, production method for sound-absorbing material, and sound-absorbing structure |
US7789196B2 (en) | 2007-08-06 | 2010-09-07 | Mazda Motor Corporation | Sound-absorbing material, production method for sound-absorbing material, and sound-absorbing structure |
JP2015218442A (ja) * | 2014-05-14 | 2015-12-07 | 株式会社竹中工務店 | 構造物の施工方法 |
JP2017150199A (ja) * | 2016-02-24 | 2017-08-31 | 大成建設株式会社 | 昇降可能な屋根を備えた建築構造物 |
JP2017172204A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | 大成建設株式会社 | 屋根構造 |
CN111615575A (zh) * | 2017-11-11 | 2020-09-01 | 利弗两合公司 | 具有降低的混响时间的大厅的吸音的屋顶结构 |
JP2021085285A (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 株式会社竹中工務店 | 建物、及び、建物の構築方法 |
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