JPH1161494A - アルマイト処理装置 - Google Patents
アルマイト処理装置Info
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- JPH1161494A JPH1161494A JP22654897A JP22654897A JPH1161494A JP H1161494 A JPH1161494 A JP H1161494A JP 22654897 A JP22654897 A JP 22654897A JP 22654897 A JP22654897 A JP 22654897A JP H1161494 A JPH1161494 A JP H1161494A
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- JP
- Japan
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- electrode
- hole
- electrolyte
- wall
- oxide film
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明はアルミ製の孔部の内壁に酸化皮膜を
形成するアルマイト処理装置に関し、均質な酸化皮膜を
形成する機能を簡単な構造で実現することを目的とす
る。 【解決手段】 アルミブロック12の第1孔部14(小
径部16)および第2孔部20に酸化皮膜Al2 O3 を形
成する。小径部16に第1電極22を挿入し、第2孔部
20に第2電極50を挿入する。第1および第2電極2
2,50を陰極、アルミブロック12を陽極として、電
源回路82から両者に電圧を印加する。第1電極22と
小径部16との値、および、第2電極50と第2孔部2
0との間に電解液を供給する。第1電極22および第2
電極50に、電解液を反応室34,58の内部で螺旋状
に流通させるための電解液誘導溝32,60を形成す
る。
形成するアルマイト処理装置に関し、均質な酸化皮膜を
形成する機能を簡単な構造で実現することを目的とす
る。 【解決手段】 アルミブロック12の第1孔部14(小
径部16)および第2孔部20に酸化皮膜Al2 O3 を形
成する。小径部16に第1電極22を挿入し、第2孔部
20に第2電極50を挿入する。第1および第2電極2
2,50を陰極、アルミブロック12を陽極として、電
源回路82から両者に電圧を印加する。第1電極22と
小径部16との値、および、第2電極50と第2孔部2
0との間に電解液を供給する。第1電極22および第2
電極50に、電解液を反応室34,58の内部で螺旋状
に流通させるための電解液誘導溝32,60を形成す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルマイト処理装
置に係り、特に、アルミを主成分とする孔部の内壁に酸
化皮膜を形成するアルマイト処理装置に関する。
置に係り、特に、アルミを主成分とする孔部の内壁に酸
化皮膜を形成するアルマイト処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平7−90688
号に開示される如く、アルミで構成された孔部の内壁に
酸化皮膜を形成するアルマイト処理装置が知られてい
る。上記従来の装置は、孔部に挿入される電極と、この
電極を陰極とし、孔部を陽極としてそれらに電圧を印加
する電源回路を備えている。
号に開示される如く、アルミで構成された孔部の内壁に
酸化皮膜を形成するアルマイト処理装置が知られてい
る。上記従来の装置は、孔部に挿入される電極と、この
電極を陰極とし、孔部を陽極としてそれらに電圧を印加
する電源回路を備えている。
【0003】電極と孔部との間には、硫酸または蓚酸を
主成分とする電解液が供給される。電極と孔部とに所定
の電圧が印加された状態で上記の如く電解液が供給され
ると、孔部の表面でAl3+イオンとO2-イオンとが結合
し、孔部の内壁に酸化皮膜Al2O3 が形成される。酸化
皮膜は、アルミを酸素から隔離する機能を果たすと共
に、アルミに比して硬質の特性を有している。このた
め、上記の如く孔部の内壁に酸化皮膜を形成すると、孔
部の内壁の耐蝕性および耐摩耗性を高めることができ
る。
主成分とする電解液が供給される。電極と孔部とに所定
の電圧が印加された状態で上記の如く電解液が供給され
ると、孔部の表面でAl3+イオンとO2-イオンとが結合
し、孔部の内壁に酸化皮膜Al2O3 が形成される。酸化
皮膜は、アルミを酸素から隔離する機能を果たすと共
に、アルミに比して硬質の特性を有している。このた
め、上記の如く孔部の内壁に酸化皮膜を形成すると、孔
部の内壁の耐蝕性および耐摩耗性を高めることができ
る。
【0004】ところで、孔部の表面に形成される酸化皮
膜の膜厚や面粗度は、酸化皮膜の形成条件により変化す
る。例えば、孔部の内壁と電極との間を多量の電解液が
流れる場合は、その流量が少量である場合に比して孔部
に多量のO2-イオンが供給される。この場合、孔部の内
壁には、電解液の流量が少量である場合に比して厚い酸
化皮膜が形成され易い。
膜の膜厚や面粗度は、酸化皮膜の形成条件により変化す
る。例えば、孔部の内壁と電極との間を多量の電解液が
流れる場合は、その流量が少量である場合に比して孔部
に多量のO2-イオンが供給される。この場合、孔部の内
壁には、電解液の流量が少量である場合に比して厚い酸
化皮膜が形成され易い。
【0005】また、孔部の表面に形成される酸化皮膜
は、孔部の温度が低温であるほど高密度となる。孔部の
温度は、電極と内壁との間を多量の電解液が流れるほ
ど、電解液の冷却効果により低温となる。従って、孔部
の内壁には、電極と孔部との間を流れる電解液が多量で
あるほど密度の高い酸化皮膜が形成される。このよう
に、孔部の内壁に形成される酸化皮膜の質は、電極と孔
部との間を流れる電解液の流量に大きく影響される。孔
部に挿入される電極と、孔部の内壁との間に確保される
クリアランスを全ての部位で均一とすることは困難であ
る。このため、電極と孔部との間には、電解液が流通し
易い部位と電解液が流通し難い部位とが形成され易い。
従って、孔部に電極を挿入して孔部の内壁に酸化皮膜を
形成する手法によっては、内壁の全面に均質な酸化皮膜
を形成することが困難である。
は、孔部の温度が低温であるほど高密度となる。孔部の
温度は、電極と内壁との間を多量の電解液が流れるほ
ど、電解液の冷却効果により低温となる。従って、孔部
の内壁には、電極と孔部との間を流れる電解液が多量で
あるほど密度の高い酸化皮膜が形成される。このよう
に、孔部の内壁に形成される酸化皮膜の質は、電極と孔
部との間を流れる電解液の流量に大きく影響される。孔
部に挿入される電極と、孔部の内壁との間に確保される
クリアランスを全ての部位で均一とすることは困難であ
る。このため、電極と孔部との間には、電解液が流通し
易い部位と電解液が流通し難い部位とが形成され易い。
従って、孔部に電極を挿入して孔部の内壁に酸化皮膜を
形成する手法によっては、内壁の全面に均質な酸化皮膜
を形成することが困難である。
【0006】上記従来の装置は、内壁に形成される酸化
皮膜を全面において均質にすべく、電極の周囲に複数の
砥石を備えている。これらの砥石は、酸化皮膜の形成過
程で電極と共に孔部の内部で回転する。電極と共に砥石
が回転すると、孔部の内壁に形成された酸化皮膜の表面
が滑らかに切削される。このため、上記従来の装置によ
れば、孔部の全面において、少なくとも表面が滑らかな
酸化皮膜を形成することができる。
皮膜を全面において均質にすべく、電極の周囲に複数の
砥石を備えている。これらの砥石は、酸化皮膜の形成過
程で電極と共に孔部の内部で回転する。電極と共に砥石
が回転すると、孔部の内壁に形成された酸化皮膜の表面
が滑らかに切削される。このため、上記従来の装置によ
れば、孔部の全面において、少なくとも表面が滑らかな
酸化皮膜を形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置は、電極を軸回りに回転させる機構を必要とする。こ
のため、上記従来の装置は、安価に構成することが困難
であった。本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので
あり、孔部の内壁に均質な酸化皮膜を形成することので
きる安価なアルマイト処理装置を提供することを目的と
する。
置は、電極を軸回りに回転させる機構を必要とする。こ
のため、上記従来の装置は、安価に構成することが困難
であった。本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので
あり、孔部の内壁に均質な酸化皮膜を形成することので
きる安価なアルマイト処理装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、アルミを主成分とする孔部の内壁に酸
化皮膜を形成するアルマイト処理装置において、前記孔
部に挿入される電極と、前記電極を陰極、前記孔部を陽
極として両者に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電
極と前記孔部との間に電解液を供給する電解液供給手段
と、を備えると共に、前記電極が、前記電解液を該電極
の周囲で螺旋状に流通させる流通方向規制手段を備える
アルマイト処理装置により達成される。
に記載する如く、アルミを主成分とする孔部の内壁に酸
化皮膜を形成するアルマイト処理装置において、前記孔
部に挿入される電極と、前記電極を陰極、前記孔部を陽
極として両者に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電
極と前記孔部との間に電解液を供給する電解液供給手段
と、を備えると共に、前記電極が、前記電解液を該電極
の周囲で螺旋状に流通させる流通方向規制手段を備える
アルマイト処理装置により達成される。
【0009】本発明において、孔部と電極との間には、
それらに所定の電圧が印加された状態で電解液が供給さ
れる。電解液は電極の周囲を螺旋状に流通する。この場
合、孔部と電極との間隔が均一でなくても、電解液は電
極の周囲で均一な流速を伴って流通する。このため、孔
部の内壁には、その全面において均質な酸化皮膜が形成
される。
それらに所定の電圧が印加された状態で電解液が供給さ
れる。電解液は電極の周囲を螺旋状に流通する。この場
合、孔部と電極との間隔が均一でなくても、電解液は電
極の周囲で均一な流速を伴って流通する。このため、孔
部の内壁には、その全面において均質な酸化皮膜が形成
される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
アルマイト処理装置10と、アルマイト処理装置10に
セットされたアルミブロック12の断面図を示す。アル
ミブロック12は、車両用ブレーキ装置の構成部品とし
て用いられる。アルミブロック12には、第1孔部14
が形成されている。第1孔部14は、小径部16および
大径部18を備えている。第1孔部14は、公知のブレ
ーキストロークシミュレータの構成部品を収納するため
のスペースである。特に、第1孔部14の小径部14
は、その内部を摺動するピストンを保持するスペースで
ある。従って、小径部14の内壁には高い耐摩耗性が要
求される。本実施例において、小径部16の上端部近傍
には油路19が連通している。
アルマイト処理装置10と、アルマイト処理装置10に
セットされたアルミブロック12の断面図を示す。アル
ミブロック12は、車両用ブレーキ装置の構成部品とし
て用いられる。アルミブロック12には、第1孔部14
が形成されている。第1孔部14は、小径部16および
大径部18を備えている。第1孔部14は、公知のブレ
ーキストロークシミュレータの構成部品を収納するため
のスペースである。特に、第1孔部14の小径部14
は、その内部を摺動するピストンを保持するスペースで
ある。従って、小径部14の内壁には高い耐摩耗性が要
求される。本実施例において、小径部16の上端部近傍
には油路19が連通している。
【0011】アルミブロック12には、また、第2孔部
20が形成されている。第2孔部20は、ブレーキフル
ードを一時的に貯留するリザーバタンクとして機能する
スペースである。第2孔部20は、その内部にリザーバ
タンクの構成部品であるピストンを摺動可能に保持す
る。従って、第2孔部20の内壁には高い耐摩耗性が要
求される。
20が形成されている。第2孔部20は、ブレーキフル
ードを一時的に貯留するリザーバタンクとして機能する
スペースである。第2孔部20は、その内部にリザーバ
タンクの構成部品であるピストンを摺動可能に保持す
る。従って、第2孔部20の内壁には高い耐摩耗性が要
求される。
【0012】アルマイト処理装置10は、小径部16の
内壁および第2孔部20の内壁に酸化皮膜Al2 O3 を形
成するための装置である。アルミの表面に酸化皮膜Al2
O3が形成されると、アルミが酸素から隔離される。こ
のため、小径部16の内壁および第2孔部20の内壁に
酸化皮膜Al2 O3 が形成されると、それらの内壁の耐蝕
性を高めることができる。また、酸化皮膜Al2 O3 は、
アルミに比して硬質である。従って、小径部16の内壁
および第2孔部20の内壁に酸化皮膜Al2 O3が形成さ
れると、それらの内壁の耐摩耗性を高めることができ
る。
内壁および第2孔部20の内壁に酸化皮膜Al2 O3 を形
成するための装置である。アルミの表面に酸化皮膜Al2
O3が形成されると、アルミが酸素から隔離される。こ
のため、小径部16の内壁および第2孔部20の内壁に
酸化皮膜Al2 O3 が形成されると、それらの内壁の耐蝕
性を高めることができる。また、酸化皮膜Al2 O3 は、
アルミに比して硬質である。従って、小径部16の内壁
および第2孔部20の内壁に酸化皮膜Al2 O3が形成さ
れると、それらの内壁の耐摩耗性を高めることができ
る。
【0013】アルマイト処理装置10は、小径部16の
内壁および第2孔部20の内壁に均質な酸化皮膜Al2 O
3 を形成するための装置である。アルマイト処理装置1
0は、第1孔部14に挿入される第1電極22および第
1ハウジング24を備えている。第1電極22は導電材
料で構成された部材である。一方、第1ハウジング24
は非導電材料で構成された部材である。
内壁および第2孔部20の内壁に均質な酸化皮膜Al2 O
3 を形成するための装置である。アルマイト処理装置1
0は、第1孔部14に挿入される第1電極22および第
1ハウジング24を備えている。第1電極22は導電材
料で構成された部材である。一方、第1ハウジング24
は非導電材料で構成された部材である。
【0014】第1電極22は、第1ハウジング24に取
り囲まれる軸部26と、第1ハウジング24の上部に突
出する電極部28とを備えている。第1ハウジング26
の内壁と軸部26との間には、所定のクリアランスが形
成されている。以下、このクリアランスによって形成さ
れる空間を電解液通路30と称す。電極部28の周囲に
は螺旋状の電解液誘導溝32が形成されている。アルマ
イト処理装置10は、電極部28の周囲にこの電解液誘
導溝32を備える点に特徴を有している。小径部16の
内壁と電極部28との間には所定のクリアランスが形成
されている。以下、このクリアランスによって形成され
る空間を反応室34と称す。
り囲まれる軸部26と、第1ハウジング24の上部に突
出する電極部28とを備えている。第1ハウジング26
の内壁と軸部26との間には、所定のクリアランスが形
成されている。以下、このクリアランスによって形成さ
れる空間を電解液通路30と称す。電極部28の周囲に
は螺旋状の電解液誘導溝32が形成されている。アルマ
イト処理装置10は、電極部28の周囲にこの電解液誘
導溝32を備える点に特徴を有している。小径部16の
内壁と電極部28との間には所定のクリアランスが形成
されている。以下、このクリアランスによって形成され
る空間を反応室34と称す。
【0015】電極部28の上端部には複数の連通路36
が形成されている。連通路36は、電極部28の側面か
ら電極部28の径方向に延在している。また、第1電極
22の中央部には、その軸方向に延在する電解液通路3
8が形成されている。電解液通路38は、その上端にお
いて上述した連通路36に連通している。第1電極22
および第1ハウジング24は、ベース材40に固定され
ている。ベース材40には第1開口部42が形成されて
いる。第1開口部42は、上述した電解液通路38の下
端に連通している。第1ハウジング24には第1電極2
2と電気的に接続される第1陰極端子44がモールドさ
れている。また、第1ハウジング24には電解液通路3
0に連通する第2開口部45が形成されている。
が形成されている。連通路36は、電極部28の側面か
ら電極部28の径方向に延在している。また、第1電極
22の中央部には、その軸方向に延在する電解液通路3
8が形成されている。電解液通路38は、その上端にお
いて上述した連通路36に連通している。第1電極22
および第1ハウジング24は、ベース材40に固定され
ている。ベース材40には第1開口部42が形成されて
いる。第1開口部42は、上述した電解液通路38の下
端に連通している。第1ハウジング24には第1電極2
2と電気的に接続される第1陰極端子44がモールドさ
れている。また、第1ハウジング24には電解液通路3
0に連通する第2開口部45が形成されている。
【0016】電極部28には、連通路30の上部におい
てカップシール46および絶縁キャップ48が固定され
ている。カップシール46は、第1電極22が第1孔部
14に挿入された際と油路19と反応室34とを遮断す
る。また、絶縁キャップ48は、第1電極22が第1孔
部14に挿入された際に、第1電極22とアルミブロッ
ク12とを絶縁する。
てカップシール46および絶縁キャップ48が固定され
ている。カップシール46は、第1電極22が第1孔部
14に挿入された際と油路19と反応室34とを遮断す
る。また、絶縁キャップ48は、第1電極22が第1孔
部14に挿入された際に、第1電極22とアルミブロッ
ク12とを絶縁する。
【0017】アルマイト処理装置10は、第2孔部20
に挿入される第2電極50を備えている。第2電極50
は導電材料で構成された部材であり、軸部52および電
極部54を備えている。軸部52は、非導電材料で構成
された第2ハウジング56によって取り囲まれている。
第2ハウジング56の内壁と軸部52との間には、所定
のクリアランスが形成されている。以下、このクリアラ
ンスによって形成される空間を電解液通路58と称す。
に挿入される第2電極50を備えている。第2電極50
は導電材料で構成された部材であり、軸部52および電
極部54を備えている。軸部52は、非導電材料で構成
された第2ハウジング56によって取り囲まれている。
第2ハウジング56の内壁と軸部52との間には、所定
のクリアランスが形成されている。以下、このクリアラ
ンスによって形成される空間を電解液通路58と称す。
【0018】電極部54の周囲には螺旋状の電解液誘導
溝60が形成されている。アルマイト処理装置10は、
電極部28の周囲にこの電解液誘導溝60が形成されて
いる点に特徴を有している。第2孔部20の内壁と電極
部54との間には所定のクリアランスが形成されてい
る。以下、このクリアランスによって形成される空間を
反応室62と称す。
溝60が形成されている。アルマイト処理装置10は、
電極部28の周囲にこの電解液誘導溝60が形成されて
いる点に特徴を有している。第2孔部20の内壁と電極
部54との間には所定のクリアランスが形成されてい
る。以下、このクリアランスによって形成される空間を
反応室62と称す。
【0019】電極部54の上端部には複数の連通路64
が形成されている。連通路64は、電極部54の側面か
ら電極部54の径方向に延在している。また、第2電極
50の中央部には、その軸方向に延在する電解液通路6
6が形成されている。電解液通路66は、その上端にお
いて上述した連通路64に連通している。第2電極50
および第2ハウジング56は、ベース材40に固定され
ている。ベース材40には上述した電解液通路66に連
通する第3開口部(図示せず)が形成されている。ま
た、第2ハウジング56には、第2電極50に電気的に
接続される第2陰極端子(図示せず)がモールドされて
いると共に、電解液通路58に連通する第4開口部(図
示せず)が形成されている。電極部54には、連通孔6
4の上部において絶縁キャップ68が固定されている。
絶縁キャップ68は、第2電極50が第2孔部20に挿
入された際に、第2電極50とアルミブロック12とを
絶縁する。
が形成されている。連通路64は、電極部54の側面か
ら電極部54の径方向に延在している。また、第2電極
50の中央部には、その軸方向に延在する電解液通路6
6が形成されている。電解液通路66は、その上端にお
いて上述した連通路64に連通している。第2電極50
および第2ハウジング56は、ベース材40に固定され
ている。ベース材40には上述した電解液通路66に連
通する第3開口部(図示せず)が形成されている。ま
た、第2ハウジング56には、第2電極50に電気的に
接続される第2陰極端子(図示せず)がモールドされて
いると共に、電解液通路58に連通する第4開口部(図
示せず)が形成されている。電極部54には、連通孔6
4の上部において絶縁キャップ68が固定されている。
絶縁キャップ68は、第2電極50が第2孔部20に挿
入された際に、第2電極50とアルミブロック12とを
絶縁する。
【0020】アルマイト処理装置10は、電解液冷却槽
70を備えている。電解液冷却槽70の内部には、希硫
酸または蓚酸を主成分とする電解液が所定温度に冷却さ
れた状態で貯留されている。電解液冷却槽70には、第
1電極22の電解液通路38に連通する第1開口部4
2、および、第2電極50の電解液通路66に連通する
第2開口部(図示せず)が連通している。また、電解液
冷却槽70には、ポンプ72の吸入孔が連通している。
70を備えている。電解液冷却槽70の内部には、希硫
酸または蓚酸を主成分とする電解液が所定温度に冷却さ
れた状態で貯留されている。電解液冷却槽70には、第
1電極22の電解液通路38に連通する第1開口部4
2、および、第2電極50の電解液通路66に連通する
第2開口部(図示せず)が連通している。また、電解液
冷却槽70には、ポンプ72の吸入孔が連通している。
【0021】ポンプ72の吐出孔は、電解液通路30に
連通する第2開口部45、および、電解液通路58に連
通する第4開口部に連通している。ポンプ72は、電解
液冷却槽70に貯留される電解液を電解液通路30,5
8に圧送する。電解液通路30,58に圧送された電解
液は、反応室34,62を通って連通路36,64に至
り、その後、電解液通路38および第1開口部42を通
って、または、電解液通路58および第3開口部を通っ
て電解液冷却槽70に還流する。
連通する第2開口部45、および、電解液通路58に連
通する第4開口部に連通している。ポンプ72は、電解
液冷却槽70に貯留される電解液を電解液通路30,5
8に圧送する。電解液通路30,58に圧送された電解
液は、反応室34,62を通って連通路36,64に至
り、その後、電解液通路38および第1開口部42を通
って、または、電解液通路58および第3開口部を通っ
て電解液冷却槽70に還流する。
【0022】アルマイト処理装置10は、加圧機構74
を備えている。加圧機構74は、アルミブロック12に
当接する陽極プレート76を備えている。陽極プレート
76は加圧部材78に固定されている。加圧部材78は
絶縁材料で構成された部材である。加圧部材78には、
陽極プレート76と電気的に接続された陽極端子80が
モールドされている。加圧部材78は、所定の付勢力で
アルミブロック12に向けて付勢されている。
を備えている。加圧機構74は、アルミブロック12に
当接する陽極プレート76を備えている。陽極プレート
76は加圧部材78に固定されている。加圧部材78は
絶縁材料で構成された部材である。加圧部材78には、
陽極プレート76と電気的に接続された陽極端子80が
モールドされている。加圧部材78は、所定の付勢力で
アルミブロック12に向けて付勢されている。
【0023】アルマイト処理装置10は、電源回路82
を備えている。電源回路82は、上述した陽極端子8
0、第1陰極端子44および第2陰極端子に接続されて
いる。電源回路82は、外部から駆動信号が供給される
場合に、陽極端子80を陽極側とし、第1陰極端子44
および第2陰極端子を陰極側として、陽極端子80と第
1陰極端子44および第2陰極端子との間に所定の電圧
を印加する。電源回路82が上記の電圧を発生すると、
小径部16の内壁と第1電極22の電極部28との間
に、小径部16を陽極側とし、かつ、電極部28を陰極
側とする電位差が発生すると共に、第2孔部20の内壁
と第2電極50の電極部54との間に、第2孔部20を
陽極側とし、かつ、電極部54を陰極側とする電位差が
発生する。
を備えている。電源回路82は、上述した陽極端子8
0、第1陰極端子44および第2陰極端子に接続されて
いる。電源回路82は、外部から駆動信号が供給される
場合に、陽極端子80を陽極側とし、第1陰極端子44
および第2陰極端子を陰極側として、陽極端子80と第
1陰極端子44および第2陰極端子との間に所定の電圧
を印加する。電源回路82が上記の電圧を発生すると、
小径部16の内壁と第1電極22の電極部28との間
に、小径部16を陽極側とし、かつ、電極部28を陰極
側とする電位差が発生すると共に、第2孔部20の内壁
と第2電極50の電極部54との間に、第2孔部20を
陽極側とし、かつ、電極部54を陰極側とする電位差が
発生する。
【0024】上述の如く、アルマイト処理装置10によ
れば、小径部34を陽極側として小径部34と電極部2
8との間に所定の電位差を発生させ、また、第2孔部2
0を陽極側として第2孔部20と電極部54との間に所
定の電位差を発生させた状態で、反応室34,62に電
解液を流通させることができる。このような状態を実現
すると、小径部16の内壁および第2孔部20の内壁に
酸化皮膜Al2 O3 を形成することができる。
れば、小径部34を陽極側として小径部34と電極部2
8との間に所定の電位差を発生させ、また、第2孔部2
0を陽極側として第2孔部20と電極部54との間に所
定の電位差を発生させた状態で、反応室34,62に電
解液を流通させることができる。このような状態を実現
すると、小径部16の内壁および第2孔部20の内壁に
酸化皮膜Al2 O3 を形成することができる。
【0025】図2は、上述した状態が実現されることに
より、アルミの表面に酸化皮膜Al2O3 が形成される原
理を説明するための図である。図2は、希硫酸の電解液
84中に陽極86と陰極88とが浸されている状態を示
す。図2において、陽極86はアルミで構成されてい
る。また、陽極86と陰極88との間には、所定の電位
差が与えられている。図2に示す状況が形成されると、
陽極86および陰極88において以下に示す反応が現れ
る。
より、アルミの表面に酸化皮膜Al2O3 が形成される原
理を説明するための図である。図2は、希硫酸の電解液
84中に陽極86と陰極88とが浸されている状態を示
す。図2において、陽極86はアルミで構成されてい
る。また、陽極86と陰極88との間には、所定の電位
差が与えられている。図2に示す状況が形成されると、
陽極86および陰極88において以下に示す反応が現れ
る。
【0026】 陽極:4Al2 +3H2 O→Al2 O3 +6H+ +6e- ・・・(1) 陰極:2H+ +2e- →H2 ・・・(2) すなわち、電解液84中に浸された陽極86と陰極88
とに電圧が印加されると、電解液84中のH2 Oが酸素
イオンO2-と水素イオンH+ とに電気分解される。酸素
イオンO2-は陽極86に引き寄せられてその表面でアル
ミイオンAl3+と結合し酸化皮膜Al2 O3 を形成する。一
方、水素イオンH+ は陰極88に引き寄せられてその表
面で水素ガスH2 となる。このように、図2に示す状況
によれば、アルミ製の陽極86の表面に酸化皮膜Al2 O
3 を形成することができる。
とに電圧が印加されると、電解液84中のH2 Oが酸素
イオンO2-と水素イオンH+ とに電気分解される。酸素
イオンO2-は陽極86に引き寄せられてその表面でアル
ミイオンAl3+と結合し酸化皮膜Al2 O3 を形成する。一
方、水素イオンH+ は陰極88に引き寄せられてその表
面で水素ガスH2 となる。このように、図2に示す状況
によれば、アルミ製の陽極86の表面に酸化皮膜Al2 O
3 を形成することができる。
【0027】本実施例のアルマイト処理装置10におい
て、反応室34の内部では、アルミで構成された小径部
16の内壁、および、電極部28が、小径部16を陽極
とし、かつ、電極部28を陰極として電解液に浸され
る。同様に、反応室62の内部では、アルミで構成され
た第2孔部20の内壁、および、電極部54が、第2孔
部20を陽極とし、かつ、電極部54を陰極として電解
液に浸される。
て、反応室34の内部では、アルミで構成された小径部
16の内壁、および、電極部28が、小径部16を陽極
とし、かつ、電極部28を陰極として電解液に浸され
る。同様に、反応室62の内部では、アルミで構成され
た第2孔部20の内壁、および、電極部54が、第2孔
部20を陽極とし、かつ、電極部54を陰極として電解
液に浸される。
【0028】この場合、反応室34,62の内部におい
て、小径部16の内壁および第2孔部20の内壁では上
記(1)式に示す反応が生じ、一方、電極部28,54
の表面では上記(2)式に示す反応が生ずる。その結
果、小径部16の内壁および第2孔部20の内壁には、
酸化皮膜Al2 O3 が形成される。上述の如く、酸化皮膜
Al2 O3 は、電気分解された酸素イオンO2-がアルミの
表面でアルミイオンAl3+と結合することにより形成され
る。従って、酸化皮膜Al 2 O3 は、酸素イオンO2-が多
量に供給されるほど形成され易い。換言すると、小径部
16の内壁および第2孔部20の内壁に均一な膜厚を有
する酸化皮膜Al2O3 を形成するためには、それらの内
壁の全面に酸素イオンO2-を均等に供給することが必要
である。
て、小径部16の内壁および第2孔部20の内壁では上
記(1)式に示す反応が生じ、一方、電極部28,54
の表面では上記(2)式に示す反応が生ずる。その結
果、小径部16の内壁および第2孔部20の内壁には、
酸化皮膜Al2 O3 が形成される。上述の如く、酸化皮膜
Al2 O3 は、電気分解された酸素イオンO2-がアルミの
表面でアルミイオンAl3+と結合することにより形成され
る。従って、酸化皮膜Al 2 O3 は、酸素イオンO2-が多
量に供給されるほど形成され易い。換言すると、小径部
16の内壁および第2孔部20の内壁に均一な膜厚を有
する酸化皮膜Al2O3 を形成するためには、それらの内
壁の全面に酸素イオンO2-を均等に供給することが必要
である。
【0029】反応室34,62の内部において、小径部
16の内壁および第2孔部20の内壁に供給される酸素
イオンO2-の量は、電解液の流速が大きいほど多量とな
る。従って、小径部16の内壁および第2孔部20の内
壁に、均一な膜厚を有する酸化皮膜Al2 O3 を形成する
ためには、反応室34,62の内部に、全ての部位でほ
ぼ均一な流速が生ずるように電解液を流通させることが
重要である。
16の内壁および第2孔部20の内壁に供給される酸素
イオンO2-の量は、電解液の流速が大きいほど多量とな
る。従って、小径部16の内壁および第2孔部20の内
壁に、均一な膜厚を有する酸化皮膜Al2 O3 を形成する
ためには、反応室34,62の内部に、全ての部位でほ
ぼ均一な流速が生ずるように電解液を流通させることが
重要である。
【0030】アルマイト処理装置10によって小径部1
6の内壁および第2孔部20の内壁に酸化皮膜Al2 O3
を形成する場合、反応室34,62の内部では、上記
(1)式および(2)式に示す反応に伴う反応熱が発生
する。アルミの表面に緻密で硬質な酸化皮膜Al2 O
3 (すなわち、硬度の高い酸化皮膜Al2 O3 )を形成す
るためには、反応面の温度を適度に低温として上記
(1)式および(2)式の反応速度を抑制することが有
効であることが知られている。
6の内壁および第2孔部20の内壁に酸化皮膜Al2 O3
を形成する場合、反応室34,62の内部では、上記
(1)式および(2)式に示す反応に伴う反応熱が発生
する。アルミの表面に緻密で硬質な酸化皮膜Al2 O
3 (すなわち、硬度の高い酸化皮膜Al2 O3 )を形成す
るためには、反応面の温度を適度に低温として上記
(1)式および(2)式の反応速度を抑制することが有
効であることが知られている。
【0031】アルマイト処理装置10において、反応室
34,62の内部には、電解液冷却槽70で適温に冷却
された電解液が適当に循環する。このため、小径部16
の内壁および第2孔部20の内壁のうち、電解液が適当
な流速を伴って流通する部分には、硬度の高い酸化皮膜
Al2 O3 が形成される。従って、アルマイト処理装置1
0において、小径部16の内壁および第2孔部20の内
壁の全面において硬度の高い酸化皮膜Al2 O3 を形成す
るためには、反応室34,62の全ての部位において、
電解液を滞留させることなく流通させることが重要であ
る。
34,62の内部には、電解液冷却槽70で適温に冷却
された電解液が適当に循環する。このため、小径部16
の内壁および第2孔部20の内壁のうち、電解液が適当
な流速を伴って流通する部分には、硬度の高い酸化皮膜
Al2 O3 が形成される。従って、アルマイト処理装置1
0において、小径部16の内壁および第2孔部20の内
壁の全面において硬度の高い酸化皮膜Al2 O3 を形成す
るためには、反応室34,62の全ての部位において、
電解液を滞留させることなく流通させることが重要であ
る。
【0032】上述の如く、小径部16の内壁および第2
孔部20の内壁の全面に、膜厚が均一で、かつ、硬度の
高い酸化皮膜Al2 O3 を形成するためには、反応室3
4,62の全ての部位において、電解液を滞留させるこ
となく均一に循環させることが重要である。換言する
と、反応室34,62の全ての部位において、電解液を
滞留させることなく均一に循環させることができれば、
小径部16の内壁および第2孔部20の内壁の全面に、
膜厚が均一で、かつ、硬度の高い酸化皮膜Al2 O3を形
成することが可能である。
孔部20の内壁の全面に、膜厚が均一で、かつ、硬度の
高い酸化皮膜Al2 O3 を形成するためには、反応室3
4,62の全ての部位において、電解液を滞留させるこ
となく均一に循環させることが重要である。換言する
と、反応室34,62の全ての部位において、電解液を
滞留させることなく均一に循環させることができれば、
小径部16の内壁および第2孔部20の内壁の全面に、
膜厚が均一で、かつ、硬度の高い酸化皮膜Al2 O3を形
成することが可能である。
【0033】アルマイト処理装置10において、電極部
28の中心と小径部16の中心、および、電極部54の
中心と第2孔部20の中心は、寸法公差等の影響で必ず
しも一致しない。従って、反応室34,62の内部に
は、電解液の流通経路の広い部分と狭い部分とが形成さ
れる。電解液は、流通経路の狭い部位に比して、その経
路の広い部位を流通し易い。従って、電極部28の中心
と小径部16の中心、および、電極部54の中心と第2
孔部20の中心が一致しない場合は、反応室34,62
の内部で、電解液の流れが不均一となり易い。
28の中心と小径部16の中心、および、電極部54の
中心と第2孔部20の中心は、寸法公差等の影響で必ず
しも一致しない。従って、反応室34,62の内部に
は、電解液の流通経路の広い部分と狭い部分とが形成さ
れる。電解液は、流通経路の狭い部位に比して、その経
路の広い部位を流通し易い。従って、電極部28の中心
と小径部16の中心、および、電極部54の中心と第2
孔部20の中心が一致しない場合は、反応室34,62
の内部で、電解液の流れが不均一となり易い。
【0034】これに対して、アルマイト処理装置10に
おいては、電極部28,54の周囲に螺旋状の電解液誘
導溝32,60が形成されている。電極部28,54の
周囲にこのような電解液誘導溝32,60が形成されて
いると、電解液通路30,58から反応室34,62に
流入した電解液は、電極部28,54の周囲を螺旋状に
回転しながら反応室34,58の内部を流通する。
おいては、電極部28,54の周囲に螺旋状の電解液誘
導溝32,60が形成されている。電極部28,54の
周囲にこのような電解液誘導溝32,60が形成されて
いると、電解液通路30,58から反応室34,62に
流入した電解液は、電極部28,54の周囲を螺旋状に
回転しながら反応室34,58の内部を流通する。
【0035】電解液が、上記の如く螺旋状に流通する場
合、電極部28,54の周囲のクリアランスの大小に関
わらず、反応室34,62の全ての部位において、電解
液がほぼ均一な流速を伴って流通する。従って、アルマ
イト処理装置10によれば、小径部16の内壁および第
2孔部20の内壁の全面に、膜厚が均一で、かつ、硬度
の高い酸化皮膜Al2 O3 を形成することができる。
合、電極部28,54の周囲のクリアランスの大小に関
わらず、反応室34,62の全ての部位において、電解
液がほぼ均一な流速を伴って流通する。従って、アルマ
イト処理装置10によれば、小径部16の内壁および第
2孔部20の内壁の全面に、膜厚が均一で、かつ、硬度
の高い酸化皮膜Al2 O3 を形成することができる。
【0036】尚、上記の実施例においては、第1孔部1
4および第2孔部20が前記請求項1記載の「孔部」
に、第1電極22および第2電極50が前記請求項1記
載の「電極」に、電源回路82が前記請求項1記載の
「電圧印加手段」に、ポンプ72が前記請求項1記載の
「電解液供給手段」に、電解液誘導溝32,60が前記
請求項1記載の「流通方向規制手段」に、それぞれ相当
している。
4および第2孔部20が前記請求項1記載の「孔部」
に、第1電極22および第2電極50が前記請求項1記
載の「電極」に、電源回路82が前記請求項1記載の
「電圧印加手段」に、ポンプ72が前記請求項1記載の
「電解液供給手段」に、電解液誘導溝32,60が前記
請求項1記載の「流通方向規制手段」に、それぞれ相当
している。
【0037】次に、図3および図4を参照して、本発明
の第2実施例について説明する。図3は、本実施例のア
ルマイト処理装置に用いられる第1電極90の要部を拡
大して表した図を示す。また、図4は、第1電極90を
図3に示すIV-IV 直線に沿って切断することで得られる
断面図を示す。尚、図3および図4において、上記図1
に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号を
付してその説明を省略する。
の第2実施例について説明する。図3は、本実施例のア
ルマイト処理装置に用いられる第1電極90の要部を拡
大して表した図を示す。また、図4は、第1電極90を
図3に示すIV-IV 直線に沿って切断することで得られる
断面図を示す。尚、図3および図4において、上記図1
に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0038】本実施例のアルマイト処理装置は、上記図
1に示すシステム構成において、第1電極22を第1
電極90に変更し、かつ、ポンプ72の吸入孔および
吐出孔と、第1開口部42および第2開口部45との接
続状態を反転させること、すなわち、第1開口部42を
ポンプ72の吐出孔に、また、第2開口部45をポンプ
の吸入孔にそれぞれ接続することにより実現される。
1に示すシステム構成において、第1電極22を第1
電極90に変更し、かつ、ポンプ72の吸入孔および
吐出孔と、第1開口部42および第2開口部45との接
続状態を反転させること、すなわち、第1開口部42を
ポンプ72の吐出孔に、また、第2開口部45をポンプ
の吸入孔にそれぞれ接続することにより実現される。
【0039】第1電極90は、軸部26と電極部92と
を備えている。電極部92の上端部近傍には、複数の連
通路94が形成されている。連通路94は、電極部92
の側面に開口し、反応室34と電解液通路38とを導通
している。複数の連通路94は、それらの中心軸が電
極部92の中央部から側面にかけて下向きの傾斜を有す
るように(図3参照)、かつ、それらの中心軸が電極
部92の中心軸から所定長だけ一定の方向にオフセット
するように(図4参照)形成されている。
を備えている。電極部92の上端部近傍には、複数の連
通路94が形成されている。連通路94は、電極部92
の側面に開口し、反応室34と電解液通路38とを導通
している。複数の連通路94は、それらの中心軸が電
極部92の中央部から側面にかけて下向きの傾斜を有す
るように(図3参照)、かつ、それらの中心軸が電極
部92の中心軸から所定長だけ一定の方向にオフセット
するように(図4参照)形成されている。
【0040】本実施例のアルマイト処理装置において、
電解液は、第1電極90の中央を貫く電解液通路38か
ら進入し、連通路94から反応室34に供給される。こ
の際、連通路34から反応室34に供給される電解液
は、小径部16の内壁に規制されることによりその流れ
の方向を変化させる。本実施例において、4つの連通路
94は、電極部92の中心軸に対して一定の方向にオフ
セットしている。このため、それらの連通路94から反
応室34に供給される電解液の流れは、小径部16の内
壁によって一定の方向に規制される。その結果、反応室
34内部の電解液には、第1実施例の場合と同様に、電
極部94を取り巻く螺旋状の流れが発生する(図4参
照)。従って、本実施例のアルマイト処理装置によれ
ば、第1実施例のアルマイト処理装置10と同様に、小
径部16の内壁の全面に、膜厚が均一で、かつ、硬度の
高い酸化皮膜Al2 O3 を形成することができる。
電解液は、第1電極90の中央を貫く電解液通路38か
ら進入し、連通路94から反応室34に供給される。こ
の際、連通路34から反応室34に供給される電解液
は、小径部16の内壁に規制されることによりその流れ
の方向を変化させる。本実施例において、4つの連通路
94は、電極部92の中心軸に対して一定の方向にオフ
セットしている。このため、それらの連通路94から反
応室34に供給される電解液の流れは、小径部16の内
壁によって一定の方向に規制される。その結果、反応室
34内部の電解液には、第1実施例の場合と同様に、電
極部94を取り巻く螺旋状の流れが発生する(図4参
照)。従って、本実施例のアルマイト処理装置によれ
ば、第1実施例のアルマイト処理装置10と同様に、小
径部16の内壁の全面に、膜厚が均一で、かつ、硬度の
高い酸化皮膜Al2 O3 を形成することができる。
【0041】尚、上記の実施例においては、第1電極9
0が前記請求項1記載の「電極」に、連通路94が前記
請求項1記載の「流通方向規制手段」に、それぞれ相当
している。ところで、上述した第2実施例においては、
図1に示すシステム構成における第1電極22だけを図
3および図4に示す第1電極90の構成に変更すること
としているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、第1電極22を第1電極90に変更すると共に、第
2電極50を第1電極90と同様の構成に変更すること
としてもよい。
0が前記請求項1記載の「電極」に、連通路94が前記
請求項1記載の「流通方向規制手段」に、それぞれ相当
している。ところで、上述した第2実施例においては、
図1に示すシステム構成における第1電極22だけを図
3および図4に示す第1電極90の構成に変更すること
としているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、第1電極22を第1電極90に変更すると共に、第
2電極50を第1電極90と同様の構成に変更すること
としてもよい。
【0042】また、上述した第1実施例および第2実施
例においては、油路19を備える第1孔部14に酸化皮
膜Al2 O3 を形成する必要があるため、第1電極22,
90にカップシール46を装着することとしているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、第1孔部14
に油路19が形成されていない場合は、第1電極22,
90からカップシール46を省略してもよい。
例においては、油路19を備える第1孔部14に酸化皮
膜Al2 O3 を形成する必要があるため、第1電極22,
90にカップシール46を装着することとしているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、第1孔部14
に油路19が形成されていない場合は、第1電極22,
90からカップシール46を省略してもよい。
【0043】更に、上述した第1実施例および第2実施
例においては、酸化皮膜Al2 O3 を形成すべき第1孔部
14および第2孔部20が閉口端であることから、第1
電極22,90および第2電極50に絶縁キャップ4
8,68を装着することとしているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、第1孔部14および第2孔部
20が開口端である場合は、第1電極22,90および
第2電極50から絶縁キャップ48,68を省略しても
よい。
例においては、酸化皮膜Al2 O3 を形成すべき第1孔部
14および第2孔部20が閉口端であることから、第1
電極22,90および第2電極50に絶縁キャップ4
8,68を装着することとしているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、第1孔部14および第2孔部
20が開口端である場合は、第1電極22,90および
第2電極50から絶縁キャップ48,68を省略しても
よい。
【0044】
【発明の効果】上述の如く、本発明のアルマイト処理装
置によれば、電極を回転させる機構を用いることなく、
孔部の内壁に均質な酸化皮膜を形成することができる。
置によれば、電極を回転させる機構を用いることなく、
孔部の内壁に均質な酸化皮膜を形成することができる。
【図1】本発明の第1実施例であるアルマイト処理装
置、および、そのアルマイト処理装置にセットされるア
ルミブロックの断面図である。
置、および、そのアルマイト処理装置にセットされるア
ルミブロックの断面図である。
【図2】アルミの表面に酸化皮膜Al2 O3 が形成される
原理を説明するための図である。
原理を説明するための図である。
【図3】本発明の第2実施例であるアルマイト処理装置
に用いられる第1電極の要部の断面図である。
に用いられる第1電極の要部の断面図である。
【図4】本発明の第2実施例であるアルマイト処理装置
に用いられる第1電極を図3に示すIV-IV 直線に沿って
切断することで得られる断面図である。
に用いられる第1電極を図3に示すIV-IV 直線に沿って
切断することで得られる断面図である。
10 アルマイト処理装置 12 アルミブロック 14 第1孔部 16 小径部 20 第2孔部 22;90 第1電極 26,52 軸部 28,54 電極部 30,38,58,66 電解液通路 32,60 電解液誘導溝 34,62 反応室 36,64 連通路 50 第2電極 72 ポンプ 82 電源回路
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミを主成分とする孔部の内壁に酸化
皮膜を形成するアルマイト処理装置において、 前記孔部に挿入される電極と、 前記電極を陰極、前記孔部を陽極として両者に電圧を印
加する電圧印加手段と、 前記電極と前記孔部との間に電解液を供給する電解液供
給手段と、を備えると共に、 前記電極が、前記電解液を該電極の周囲で螺旋状に流通
させる流通方向規制手段を備えることを特徴とするアル
マイト処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22654897A JPH1161494A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | アルマイト処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22654897A JPH1161494A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | アルマイト処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161494A true JPH1161494A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16846889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22654897A Pending JPH1161494A (ja) | 1997-08-22 | 1997-08-22 | アルマイト処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1161494A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019214879A1 (de) * | 2018-05-07 | 2019-11-14 | Zf Active Safety Gmbh | Elektrode für ein eloxal-verfahren |
CN114381771A (zh) * | 2022-01-25 | 2022-04-22 | 中航飞机起落架有限责任公司 | 一种内孔电镀加工装置 |
-
1997
- 1997-08-22 JP JP22654897A patent/JPH1161494A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019214879A1 (de) * | 2018-05-07 | 2019-11-14 | Zf Active Safety Gmbh | Elektrode für ein eloxal-verfahren |
CN112469849A (zh) * | 2018-05-07 | 2021-03-09 | Zf主动安全有限公司 | 用于铝阳极氧化处理的电极 |
CN112469849B (zh) * | 2018-05-07 | 2024-03-15 | Zf主动安全有限公司 | 用于铝阳极氧化处理的电极 |
CN114381771A (zh) * | 2022-01-25 | 2022-04-22 | 中航飞机起落架有限责任公司 | 一种内孔电镀加工装置 |
CN114381771B (zh) * | 2022-01-25 | 2023-03-24 | 中航飞机起落架有限责任公司 | 一种内孔电镀加工装置 |
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