JPH1161210A - 強磁性を有する超微粉体の電解製造方法 - Google Patents

強磁性を有する超微粉体の電解製造方法

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JPH1161210A
JPH1161210A JP24452397A JP24452397A JPH1161210A JP H1161210 A JPH1161210 A JP H1161210A JP 24452397 A JP24452397 A JP 24452397A JP 24452397 A JP24452397 A JP 24452397A JP H1161210 A JPH1161210 A JP H1161210A
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JP
Japan
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electrodes
powder
acetate
soln
reaction
Prior art date
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Pending
Application number
JP24452397A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Kato
伸明 加藤
Shinichiro Magario
信一郎 曲尾
Kazuo Matsumoto
和雄 松本
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N T T PURINTETSUKU KK
Original Assignee
N T T PURINTETSUKU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の固相反応や液相反応を用いずに強磁性超
微粉体を製造する方法。 【解決手段】鉄又はコバルト若しくはマンガンの硫酸塩
溶液又は酢酸塩溶液若しくはこれらの混合溶液を電解液
とし、アルミニュウムと不溶性導通材料をもって一対の
電極とした電解装置において、該電解液の塩濃度を一定
範囲に保ちながら制御された交流を通電して、電解液中
に強磁性を有する超微粉体を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強磁性を有する超微
粉体を電気化学的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁性粉体であるフェライト粉の製造方法
としては大別して固相反応による方法と液相反応による
方法が用いられている。
【0003】固相反応による方法は原理的には主原料お
よび添加物を機械的に混合して粒状物をつくり、これを
1000℃以上で加熱して固めた後、粉砕して磁性粉に
する方法である。
【0004】また、液相反応による方法は原理的には原
料である金属イオンの共存水溶液にアルカリを加えてp
H調整等を行った後、空気を吹き込む等により酸化反応
を起こさせフェライトの微粒沈殿物を作る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記固相反応による場
合には、主原料と添加物を均一に混合する工程や100
0℃以上で加熱する工程などに、多額の設備費用とエネ
ルギー費用がかかるなどの欠点がある。また、原材料に
よっては加熱によって粒子間に焼結現象が生ずるため、
微粉体の製造が困難な場合もある。
【0006】液相反応は高純度で粒度分布の小さい磁性
粉の製造に用いられる方法であるが、所望の純度や粒度
分布を得るためには、磁性粉の組成ごとにpHなどの反
応条件の厳密な調整が必要になる。また、この方法にお
いては酸化を促進するために酸素の吹き込みを行うが、
吹き込まれた酸素は反応に関与せずに系外に逃げる部分
が多く、生産収率的に問題もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄、コバル
ト、マンガンの硫酸塩または酢酸塩の水溶液中に、アル
ミニウム材料と不溶性電極材料とを一対にする電極を設
置して、該1対の電極間に制御された交流を通電するこ
とにより、該アルミニウムの電極表面に生起する電気化
学的反応を利用して、強磁性微粉体を生成する方法を提
案するものである。
【0008】本発明は上述のように電気化学的方法によ
り強磁性超微粉体を製造する技術であるため、従来の技
術である固相反応や液相反応による製造方法に比べ、次
のような利点を有するものである。
【0009】固相反応方法に比べると、本発明において
は高温加熱を必要としないため、低額な費用で設備をす
ることができると共に、ランニング費用も小さくできる
という利点がある。また、本発明においては、電解反応
による微粉体は液中に生成するため、固相反応における
ように微粉体が焼結現象を起こすことがなく、極めて微
細な磁性粉を製造することができるという利点を有す
る。
【0010】また、従来の液相反応方法に比べた場合の
本発明の利点は、第一に反応条件の許容幅が大きいとい
うことである。従来の液相反応方法は化学反応を用いて
いるために、反応液の諸条件を厳密に管理することが必
要になるが、本発明においては電解反応を用い、電気力
で強制的に反応を起こさせるものであるため、反応液の
管理幅を大きくすることができるものである。
【0011】第二の利点は反応効率が高いということで
ある。従来の液相反応方法においては酸化反応を促進す
る方法として、酸素の吹き込みを行うが、吹き込まれた
酸素は反応に関与しないで系外へ逃げる割合が多いた
め、反応効率が低いという欠点を有する。本発明の電解
反応においては、アルミニウム電極表面に発生する極め
て活性な発生期の酸素により酸化反応が生じるものであ
るから、高い反応効率を得ることができるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は特定の電解液を収容する
電解槽と一対の電極から構成される。電解液としては、
鉄、コバルト、マンガンの各々の単体の硫酸塩水溶液、
または酢酸塩水溶液、もしくは、これらの硫酸塩または
酢酸塩の混合水溶液を電解液として使用する。また、電
極の一方にはアルミニウムを、他方にはグラファイトま
たは白金などの不溶性電極を使用する。
【0013】上記装置に電圧、電流を制御した状態で交
流を通電すると、アルミニウム電極と不溶性電極の表面
に気泡が発生するが同時にアルミニウム電極表面及び表
面近傍に黒色の微粉体が連続的に発生し、気泡の流れに
沿って浮遊しながら徐々に電解槽底部に沈降する。
【0014】これらの黒色微粉体の発生状況は電解液の
種類、塩濃度、温度、および電流量等によって異なって
くる。鉄およびマンガンにおいては硫酸塩の場合が最も
黒色微粉体の発生量が多く、コバルトにおいては酢酸塩
の場合が最も黒色微粉体の発生量が多い。
【0015】また、鉄の硫酸塩を用いる場合は黒色微粉
体が多量の気泡を含んだ比較的大きなブロック状となっ
て析出する傾向がある。一方マンガンの硫酸塩やコバル
トの酢酸塩を用いる場合は気泡は含まず、また、ブロッ
ク状にもならず、極めて微小な粒子となって析出する。
特にコバルトの酢酸塩の場合には超微粉体が生成する。
【0016】これらの電解反応は電流量が一定値に達し
てから開始され、電流量を大きくするに従って段々と反
応が激しくなり、黒色微粉体の生成量は多くなるが、あ
る範囲の電流値を超えると電解液の温度上昇が著しく大
きくなる。このため、安定して電解生成を続けるために
は電流量は電極1平方デシメートル当たり2アンペア以
上10アンペア以下が適切な範囲である。
【0017】また、電流条件が適切な範囲であっても長
時間においては液温が上昇するため、電解槽に冷却装置
を設置して温度上昇を一定に押さえることが必要であ
る。
【0018】また、黒色微粉体が生成するためには電解
液中の鉄、コバルトまたはマンガンなどの塩の濃度が適
正な範囲になければならない。電解液の組成としては
鉄、コバルトまたはマンガンの硫酸塩、または、酢酸塩
が重量%で1%以下でも黒粉は生成するがその量は極め
て少量である。塩の濃度が大きくなるに従い生成量は多
くなるが、15%以上になると熱の発生が極めて大きく
なり収量は逆に減少するようになる。従って黒色微粉体
を効率良く生成するためには、塩濃度が重量%で4〜1
2%の範囲が適切である。
【0019】電解液の中で生成する黒色微粉体は強磁性
体であるため、磁石を利用して容易に電解槽から回収す
ることができる。電解液中に生成した黒色微粉体をガラ
ス試料板に採取し、アルコール等の溶剤を用いて試料板
上に分散させてから顕微鏡で観察した結果、十分に分散
した部分では微粉体の大きさは概ね1ミクロン以下であ
ることが確認された。
【0020】また、エポキシ材料1ミリリットル当たり
にこれらの黒粉微粉体を約0.25〜0.3ミリグラム
程度の割合で混合し、十分に混練したものをプラスチッ
クなどの非磁性材の面に0.1〜0.2ミリメートル程
度の厚さになるように塗布した後、永久磁石により磁化
させながら硬化させた。これをガウスメーターで測定し
た結果、約200〜300ガウスの磁力が確認された。
【0021】本発明の実施の形態は以上であるが、1対
の電極の片方にはアルミニウムを使用しなければならな
い。アルミニウム以外の材料を用いた場合には黒色微粉
体は生成しない。また、他方の電極には白金やグラファ
イトなどの不溶性材料を用いなければならない。不溶性
電極の代わりに銅または亜鉛などの金属を使用すること
も可能であるが、これらの金属は電解液中に溶解し液組
成が変化する。また、アルミニウム電極は電解液への不
純物の溶出を防ぐために出来るだけ高純度のアルミニウ
ムを使用することが望ましい。
【0022】また、例えば鉄の硫酸塩とコバルトの硫酸
塩の混合液のように、鉄、コバルトまたはマンガンの硫
酸塩もしくは酢酸塩を混合して電解液とした場合も上述
したと同様の条件における電解方法により強磁性微粉体
が生成する。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施方法を実際の例について具
体的に述べる。蒸留水1リットル中に硫酸第一鉄粉末8
0グラムを溶解し、さらにpH緩衝剤としてほう酸30
グラムを溶解して電解液とした。電解液を収容したガラ
ス槽は流水式冷却槽内に底部を浸漬するようにして設置
した。該電解液中にアルミニウム板とグラファイト板を
対向させて設置して一対の電極とした後、定電流装置を
通して交流を通電した。電流を徐々に増加させながら黒
色微粉体の生成状況を確認したところ、アルミニウム電
極板の1平方デシメートル当たりの電流量が4〜8アン
ペア前後になるところで微粉体の生成量が最も多いこと
が確認された。
【0024】約15分間通電した後に、ガラス槽底部に
沈降した微粉体を永久磁石を用いて回収し、蒸留水で十
分に洗浄してから乾燥させた。
【0025】乾燥した微粉体の一部を採取して、ガラス
試料板の上でアルコールを用いて十分に分散させてから
400倍の顕微鏡で観察したところ、分散が十分に行わ
れている部分では微粉体の大きさは1ミクロン以下であ
った。
【0026】また、乾燥した微粉体10ミリグラムを約
2.5〜3ミリリットルのエポキシ材料に混ぜて、十分
に混練したものをプラスチック板の表面にへらを用いて
出来るだけ一様に塗布した。この後、塗布面が乾燥しな
い間に強い永久磁石を使用して表面を磁化してから温熱
炉に入れてエポキシを硬化させた。十分に硬化した試料
の表面をガウスメーターで測定したところ約300ガウ
ス近辺の値を示した。
【0027】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、従来
の固相反応におけるような大がかりな設備や大きなエネ
ルギーを必要とせず、また、液相反応におけるような厳
密な管理を行う必要もなく、極めて簡便な設備で効率良
く強磁性を有する超微粉体を製造することができるもの
である。本発明による方法で製造される微粉体が強磁性
体であることは上述した実験の結果から明らかである。
【0028】また、本発明は重金属を含む廃液の処理に
利用することもできる。鉄、コバルト、マンガンなどを
含む廃液を電解液として、pHを調整した後に上述した
ようにアルミニウムとグラファイトを一対の電極として
電気分解を行うと廃液中から鉄、コバルト、マンガンな
どを回収することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄またはコバルトまたはマンガンの各々
    の硫酸塩または酢酸塩の水溶液、もしくは、これらの硫
    酸塩または酢酸塩の混合水溶液を電解液とし、アルミニ
    ウム材料と不溶性電極材料とで一対の電極を構成する電
    解装置において、該電解液の塩濃度を一定範囲に保ちな
    がら、該1対の電極間に制御された交流を通電すること
    により、電解液中に強磁性超微粉体を生成することを特
    徴とする超微粉磁性体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003002651A (ja) * 2001-06-13 2003-01-08 Toyota Motor Corp マンガン材料の製造方法及びマンガン材料
WO2011140045A1 (en) * 2010-05-03 2011-11-10 Empire Technology Development Llc A method and apparatus for forming particles and for recovering electrochemically reactive material

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CN102844466A (zh) * 2010-05-03 2012-12-26 英派尔科技开发有限公司 用于形成粒子和用于回收电化学反应性材料的方法和装置
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