JPH1161153A - 酸触媒を用いる石炭、重質油、原油、オリノコタール、高分子物の脱硫方法 - Google Patents

酸触媒を用いる石炭、重質油、原油、オリノコタール、高分子物の脱硫方法

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JPH1161153A
JPH1161153A JP9224103A JP22410397A JPH1161153A JP H1161153 A JPH1161153 A JP H1161153A JP 9224103 A JP9224103 A JP 9224103A JP 22410397 A JP22410397 A JP 22410397A JP H1161153 A JPH1161153 A JP H1161153A
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】炭素と炭素の結合を基本とし、その中に硫黄を
含む化合物を、触媒の存在下に、水素を用いることな
く、比較的低温度及び低圧力条件下に処理することによ
り、硫黄を含む化合物を除去する方法の提供。 【解決手段】炭素と炭素の結合を基本とし、その中に硫
黄が含まれている化合物を、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、フッ化水素、並びにフッ化水素及び三フッ化ホウ
素から成る触媒及び液状炭化水素の存在下に、50〜2
50℃の温度及び2〜8MPaの圧力で処理し、硫黄化
合物を分離することを特徴とする前記化合物に含まれる
脱硫方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭素と炭素の結
合を基本とし、その中に硫黄が含まれる化合物から硫黄
を含む化合物を除去する脱硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料を燃焼利用する際に、燃料中に含ま
れる硫黄は硫黄酸化物となって二酸化炭素及び水蒸気な
どと共に排気ガスとして排出される。この硫黄酸化物は
大気汚染物質であり、人を初めとして動物、植物或いは
各種の建造物などの生活環境に対して好ましくない影響
を与える。このために、脱硫方法及び脱硫設備が開発さ
れている。化石燃料の内のガソリン、ディ−ゼルオイル
等などの比較的沸点の低い化合物では、NiMo、CoMo系触
媒の存在下に水素化処理し、これらに含まれる硫黄を硫
黄化合物として除去したものを燃料として用いている。
これらより沸点の高いものでは触媒の表面に炭素が析出
したり、または触媒が被毒されたりするので、触媒を用
いた処理が困難であるために、燃料を脱硫処理せず、燃
焼排気ガス中から硫黄を除去することが行われている。
石炭中の硫黄は選炭という物理的な方法によって除去さ
れていたものの、それは比重差の異なる無機硫黄につい
てであり、有機硫黄についてはそのほとんどが無処理の
まま燃料として使用され、排気ガス中からこれらの有機
硫黄の燃焼生成物を除去することが行われている。ま
た、オリノコタールは中南米で主に産出される埋蔵量の
豊富な炭素含有の有機物資源であるが、高硫黄濃度(4-5
%)であることが利用の妨げなっており、利用することさ
え行われていない。ところで、排気ガスを処理する排煙
脱硫黄処理は大規模な設備を必要とし、稼働にも多大の
費用を必要とする。そして、規模の小さなボイラーでは
排煙脱硫設備では設置されずに使用されていることもあ
る。これらのことから、沸点の高い成分を含む重質油叉
は原油、石炭、オリノコタールなどの燃料から硫黄化合
物を除去する方法が望まれていた。近年、硫黄含有高分
子は耐熱性樹脂及び高機能性樹脂として注目され、積極
的に利用が図られれているが、未だに廃棄物処理及び再
生利用する具体的な方法は、開発されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、炭素
と炭素の結合を基本とし、その中に硫黄を含む化合物
を、触媒の存在下に、水素を用いることなく、比較的低
温度及び低圧力条件下に処理することにより、硫黄を含
む化合物を除去する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、炭素と
炭素の結合を基本とし、その中に硫黄が含まれている化
合物を、トリフルオロメタンスルホン酸、フッ化水素、
並びにフッ化水素及び三フッ化ホウ素から成る触媒及び
液状炭化水素の存在下に、50〜250℃の温度及び2
〜8MPaの圧力で処理し、硫黄化合物を分離すること
を特徴とする前記化合物に含まれる脱硫方法が提供され
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の処理対象物は、炭素と炭
素の結合を基本とし、その中に硫黄が含まれている化合
物である。この対象物には、石炭、重質油、原油、オリ
ノコタール、硫黄含有重合体叉は重合体組成物である。
【0006】石炭は、縮合度の異なる多環芳香族の構造
部分、鎖状及び環状脂肪族の構造部分が主になって構成
されており、これらの構造部分が直接叉は含酸素、含硫
黄或いは含窒素基を介して互いに結合した構造をとって
ぃる。硫黄の結合状態は、チオフエン型、スルフイド
型、ジスルフイド型、酸化型などが知られている。この
外に場合によっては、結合に関与しない無機化合物の状
態の硫黄が含まれている。本発明の脱硫方法は、石炭に
含まれる硫黄の含有量に関係なく、どのような石炭であ
っても、対象とすることができる。例えば、硫黄を多量
に含むことで知られているメキネンサ炭(炭素:63.
2%、水素:6.1%、硫黄:12.0%)などであっ
ても本発明の対象物とすることができ、十分に本発明の
脱硫反応を行うことができる。脱硫反応を進める為に
は、石炭は液状炭化水素と混合した状態で行われる。そ
の際に液状炭化水素と十分に接触することが必要であ
り、そのためには細かい粒状であることが必要となる。
一般に、粒の直径が0.1〜1.0mm、好ましくは
0.1〜0.25mmとすることが必要である。この粒
径とするために、石炭の粉砕分級などの処理が施され
る。石炭に含まれている結合に関与していない硫黄は、
脱硫反応に先だって除去しておくことが好ましい。この
ためには無機酸により処理することが行われる。このた
めの無機酸としては、硝酸、塩酸、叉は硫酸などを用い
ることができるが、処理の後に石炭の表面に残留しない
ようにするために硝酸を用いることが好ましい。
【0007】石油は沸点の異なる炭化水素からなる混合
物である。これらの混合物は、おもに液状の炭化水素か
ら構成されており、少量の硫黄化合物、酸素化合物、窒
素化合物などを含んでいる。石油精製においては、蒸留
操作によりナフサ、ガソリン軽油、重油、コールタール
などに分離して用いる。これらの中でも、重油などの重
質油は通常の触媒の存在下に水素化処理による脱硫処理
が困難な物である。このように沸点が比較的高い留分の
もの、或いはこれを含む混合物が、本発明の対象物であ
る。石油に含まれる硫黄は石炭と同じく炭素と結合して
化合物を形成している。
【0008】オリノコタールは、中南米で産出する高粘
度の炭素を含有する液状高分子物である。石炭、石油と
同じく炭化水素系の化合物を多量に含有している。しか
しながら、硫黄の含有量が多いために、燃料としては未
だに利用されていない資源の一つである。通常、硫黄成
分が4〜5重量%含まれている。オリノコタールに含ま
れる硫黄も石炭と同じく、炭素と結合して化合物を形成
している。処理に際しては、水素化脱硫などの前処理が
施される。
【0009】硫黄含有重合体叉は硫黄含有重合体組成物
としては、ポリフニレンスルフド、及びポリチオフエ
ンなどの重合体が含まれる。また、加硫により高分子物
を架橋したものなども含まれる。これらの重合体叉は重
合体組成物が固体である場合には、石炭と同じく粉砕分
級して粒径を0.1〜1.0mmの範囲のものとした後
に、処理を進めることが必要である。
【0010】本発明の脱硫方法には、触媒としてトリフ
ルオロメタンスルホン酸、フッ化水素並びにフッ化水素
及び三フッ化ホウ素の混合物が用いられる。本発明の脱
硫方法では、これらの触媒を、気体または液体の状態で
使用することができる。反応に際して気体の状態で閉じ
こめたり、存在する液状炭化水素に液状で添加すること
により、反応を開始させ、継続する。触媒の使用量は、
一般に次の範囲で用いられる。石炭の場合は、石炭1K
gあたり1〜10Kg、好ましくは、5〜6Kgの範囲
である。重質油の場合は、重質油1Kgあたり0.5〜
7Kg、好ましくは5〜6Kgの範囲である。原油の場
合は、原油1Kgあたり0.5〜7Kg、好ましくは5
〜6Kgの範囲である。硫黄含有重合体叉は硫黄含有重
合体組成物の場合は、硫黄含有重合体叉は硫黄含有重合
体組成物1Kgあたり、1〜8Kg、好ましくは4〜6
Kgの範囲である。これらの範囲未満の場合は効果が得
られない場合がある。また、これらの範囲を越える場合
には格別効果がなく、経済的でない。これらの酸触媒
は、反応に際し、プロトンを反応系内に放出し、これが
孤立電子対を有する硫黄と容易に結合しプロトン化化合
物を生成するものと考えられる。その後プロトン化化合
物が開裂し生じるであろうチオール型の化合物は、容易
に別のプロトンによって水素化開裂され、気体である硫
化水素となるため反応系外に排出することができる。
【0011】本発明の脱硫方法は、液状炭化水素の存在
下に行う。液状炭化水素は、室温、大気圧下に液状であ
る炭化水素、すなわち、室温、大気圧下に沸点が室温以
上の炭化水素である。液状炭化水素には、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘ
キサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタ
ン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、縮合環を含
む炭化水素、石炭、重質油、原油、オリノコタール、硫
黄含有重合体を脱硫処理して得られる生成物を利用する
ことができる。液状炭化水素の使用量は、一般に次の範
囲で用いられる。石炭の場合は、石炭1Kgあたり1.
5〜3Kg、好ましくは1.7〜2.0Kgの範囲であ
る。重質油の場合は、重質油1Kgあたり0.5〜2.
0Kg、好ましくは1.5〜1.7Kgの範囲である。
原油の場合は、原油1Kgあたり0.5〜2.0Kg、
好ましくは1.5〜1..7Kgの範囲である。硫黄含
有重合体叉は硫黄含有重合体組成物の場合は、硫黄含有
重合体叉は硫黄含有重合体組成物1Kgあたり、1.5
〜3Kg、好ましくは1.7〜2.0Kgの範囲であ
る。これらの範囲未満の場合は効果が得られない場合が
ある。また、これらの範囲を越える場合には格別効果が
なく、経済的でない。
【0012】本発明の脱硫方法は、温度が50〜250
℃、圧力が2〜8MPaの条件下に行われる。この条件
未満の場合は、脱硫反応が進行しない場合があり、この
条件を越える場合はこれ以下の場合と格別変化がなく、
経済的でない。脱硫反応において、炭素に結合している
硫黄は、硫化水素などの気体の硫化水素化合物、スルフ
イド、チオフエンなどに変化する。そして、これらの気
体状の硫黄化合物を反応生成物から分離する。また、反
応後に反応器から取り出された反応生成物に窒素ガスな
どを吹き込むことにより、触媒を反応生成物から分離す
ることができる。そして、回収された触媒を中和した後
に廃棄される。脱硫反応により硫黄化合物として硫黄が
除去された反応生成物は、液状化された炭素を含む重合
体であり、燃料として利用することもできるし、さらに
水素などで処理して化学反応原料或いは燃料とする事が
できる。脱硫反応後に、得られるた脱硫生成物から触媒
を除去した後に、又は場合によっては触媒を除去するこ
となく、液状炭化水素中に戻し、循環使用することがで
きる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の内容を実施例として示す。本
発明の内容はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜7、比較例1 スペイン産の高硫黄含有石炭であるメキネンサ炭(炭素:
63.2、水素:6.1、硫黄:12.0重量%)の脱硫 メキネンサ炭100gを、粒径0.25mm以下に粉砕した
後、25vol%の硝酸水溶液で処理し、無機硫黄を除去し、
試料炭(炭素:53.8、水素:4.9、硫黄:8.7%)96gを得
た。触媒として、各々トリフルオロメタンスルホン酸
6.78g、フッ化水素5.46g、及びフッ化水素と
三フッ化ホウ素(5.46gと1.22g)をトルエン
2mlに添加し、十分攪拌した。これを各々石炭と混合
し、100ccのハステロイ製オートクレーブに充填した。
無水素圧下、150〜250℃、2.6-6.6MPaの条件下で反応を
行った。反応後は、オートクレーブを90-150℃で攪拌
し、窒素を100ml/minで吹き込み、フッ化水素並びに三
フッ化ホウ素を生成物から分離させ、オートクレーブに
直結された回収装置へ移動させた。トリフルオロメタン
スルホン酸の場合は、炭酸ナトリウム水溶液により中和
した後、生成物をろ過法で中和物から分離した。有機硫
黄の定量分析は、JIS M8813-1976にならいHeraeus CHN-
0-PAPIDを用いて重量法により行った。また、メキネン
サ炭から得られた生成物の有機硫黄の形態分析を光電子
分光法XPSを用いて行った。メキネンサ炭の脱硫率の
結果を有機硫黄形態分析とともに表1に示した(MQ
2、4〜6)。なお、触媒を使用しない以外は同じ処理
を行い、比較例1として結果を表1に示した(MQ
1)。生成物の脱硫率は、15〜67%であった。一方、フ
ッ化水素を用い無溶媒で反応したところ、脱硫率は15%
まで増加した。フッ化水素とともにイソペンタンを用い
ると、脱硫率は22%とやや増加した(MQ3)。トリ
フルオロメタンスルホン酸を用いた場合の脱硫率は、3
5%であり、フッ化水素を用いた場合に比べ脱硫率は低
い(MQ6)。硫黄の形態変化について注目すると、MQ
-2はスルフィドが消失し、チオフェンが著しく増加し
た。このことから、無溶媒ではスルフィドが閉環そして
芳香族化して、チオフェンに変化していることがうかが
える。無溶媒の場合、脱硫は主に酸化硫黄の減少が起因
していることがわかる。イソペンタンを添加したとこ
ろ、ややスルフィドの減少がみられ、そしてトルエンを
用いた場合は、スルフィドはそのほとんどが消失した。
52%の高い脱硫率はその大部分が酸化硫黄とスルフィド
の減少によるものであることがわかる。次に、トルエン
を用い、フッ化水素及び三フッ化ホウ素の混酸を用いた
ところ、脱硫率は57%とさらに増加した。そして、MQ-4
(フッ化水素単独)に比べて異なる点は、スルフィドだけ
でなくチオフェンも減少していることである。高い酸性
度を示す混酸はイオン水素化反応を生じることが報告さ
れているが、チオフェンが水素化されスルフィドへと変
換されたものと考えられる。以上の結果を、図1にまと
めて示す。この環状のスルフイドは、本発明の触媒の存
在下に、250℃以上の反応温度で処理することにより、
開裂され、その結果、除去することができる。又、従来
から用いられているNiMo、CoMoなどの脱硫触媒を用い
て、さらに脱硫を行うことができる。150℃、250℃にお
いて反応を試みたところ、150℃での脱硫率は38%であ
ったが、250℃では69%に達した(NQ7,8)。しかしなが
ら、250℃で得られた生成物は、溶媒に対する溶解性が
低くく、液体燃料として用いる場合及び他のプロセスで
処理する場合には、適当でない子とが分かる。これらの
ことから、反応温度が200℃、フッ化水素及び三フッ化
ホウ素を用いることが最適であることが分かる。
【0014】実施例8〜11 重質油(ビチューメン、炭素:85.4%、水素:8.91%、硫黄:
2.5重量%)、オリノコタール(炭素:83.7%、水素:10.2、
硫黄:4.0重量%)、ポリフェニレンスルフィド等を実施例
1と同様に処理して脱硫反応を行った。各試料の反応条
件を表ー 1に示した。また、重質油(ビチューメン)、オ
リノコタール、ポリフェニレンスルフィド等を、フッ化
水素を触媒として用いトルエン存在下で反応を行ったと
ころ、表ー2に示すように30-40%の脱硫率が得られた。
ビチューメンならびにオリノコタールは残存する多量の
揮発成分のため高真空中で測定されるXPSによる分析
は不可能であった。そのため硫黄の形態は定かではない
が、おそらくこの脱硫率は硫黄の形態に起因しているも
のと考えられる。一方、全硫黄がスルフィドタイプであ
る高分子ポリフェニレンスルフィドは70%の硫黄が除去
された。
【0015】
【表1】
【0016】以上のことから、芳香族性溶媒であるトル
エンを用いフッ化水素存在下において各試料を処理する
と、200℃でスルフィドあるいは酸化硫黄の大部分が除
去されることが明かとなった。トリフルオロメタンスル
ホン酸も脱硫率は劣るものの同様の効果がみられ、ま
た、フッ化水素/三フッ化ホウ素はチオフェンの除去に
も有効であることが確認された。これらの超強酸触媒は
石炭に関わらず、重質油、オリノコタール等の有機資源
にも有効である。また、今後生産量が増え続けるであろ
う硫黄含有高分子の廃棄に関わる硫黄除去処理にも応用
可能であることが明かとなった。
【0017】
【発明の効果】本発明の脱硫方法によれば、水素を用い
ることなく、温和な反応条件において石炭、重質油、オ
リノコタール、硫黄含有廃プラスチックなどの有機物資
源の脱硫を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メキネンサ炭の脱硫生成物中有機硫黄形態を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 11/18 ZAB B01D 53/36 D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素と炭素の結合を基本とし、その中に硫
    黄が含まれている化合物を、トリフルオロメタンスルホ
    ン酸、フッ化水素、並びにフッ化水素及び三フッ化ホウ
    素から成る触媒及び液状炭化水素の存在下に、50〜2
    50℃の温度及び2〜8MPaの圧力下で処理し、硫黄
    化合物を分離することを特徴とする前記化合物に含まれ
    る硫黄の脱硫方法。
  2. 【請求項2】炭素と炭素の結合を基本とし、その中に硫
    黄が含まれている化合物を、トリフルオロメタンスルホ
    ン酸、フッ化水素、並びにフッ化水素及び三フッ化ホウ
    素から成る触媒の及び液状炭化水素の存在下に、50〜
    250℃の温度及び2〜8MPaの圧力下で処理し、硫
    黄化合物及び触媒を分離した後に、生成物の一部を液状
    炭化水素に添加して、処理を継続する方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の炭素と炭素の結合を
    基本とし、その中に硫黄が含まれている化合物が、石炭
    であることを特徴とする脱硫方法。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の炭素と炭素の結合を
    基本とし、その中に硫黄が含まれている化合物が、重質
    油叉は原油であることを特徴とする脱硫方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載の炭素と炭素の結合を
    基本とし、その中に硫黄が含まれている化合物が、オリ
    ノコタールであることを特徴とする脱硫方法。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載の炭素と炭素の結合を
    基本とし、その中に硫黄が含まれている化合物が、高分
    子物であることをことを特徴とする脱硫方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171055A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Mitsui Chemicals Inc 高屈折率・高耐熱性透明樹脂用組成物
KR101176233B1 (ko) * 2004-02-02 2012-08-22 제이엑스 닛코닛세키에너지주식회사 탄화수소유의 탈황 방법

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