JPH1160806A - 表面処理粉体組成物 - Google Patents

表面処理粉体組成物

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JPH1160806A
JPH1160806A JP24174597A JP24174597A JPH1160806A JP H1160806 A JPH1160806 A JP H1160806A JP 24174597 A JP24174597 A JP 24174597A JP 24174597 A JP24174597 A JP 24174597A JP H1160806 A JPH1160806 A JP H1160806A
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latex
weight
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fiber
powder
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JP24174597A
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Atsushi Shichizawa
淳 七澤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)単位重量当たりの比表面積0.2
2 /g以上の粉体及び/又は繊維50〜99重量%
に、(B)粒子径10〜100nmの高分子粒子からな
るラテックスを固形分で1〜50重量%混合した組成物
であって、該(B)の固形分添加量が(B)の粒子径に
対して図1のabcdeに示される範囲にある組成物か
ら水分を除去してなる表面処理粉体組成物、及び該組成
物と熱可塑性樹脂からなる組成物。 【効果】 セルロース粉体・繊維に疎水性を効率的で簡
便に付加することができ、更に熱可塑性樹脂にブレンド
することによって有用な高分子材料として回収古紙を有
効利用することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラテックスで表面
処理された粉体及び/又は繊維組成物、および該組成物
と熱可塑性樹脂からなる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースは、木材・加工木材や綿・木
綿、或いは紙・紙加工品・板紙などの材料として、様々
な形で使われている。これらに用いられているセルロー
スは天然に存在する植物を出発原料とし、これを加工す
ることによって得られる比較的安価な材料であり、工業
化社会の始まる以前から人類が親しんできた高分子化合
物である。一方合成高分子材料も以前より日常的に使わ
れている有機材料であるが、合成というプロセスを経由
するため天然物を原料とする材料に比べると高価で、ま
たその質感も天然高分子とは異なる場合が多い。
【0003】このような背景から、従来より合成高分子
の増量や合成高分子の質感を天然高分子材料に近づける
ことを目的に、両者を組み合わせる技術が提案されてい
る。例えば特開昭58−27726号公報にはゴム質弾
性体により補強されたスチレン系樹脂と木粉混合物を発
泡成形し、木質感を有する材料が提案されており、特公
平3−16970号公報には木材チップに熱硬化性樹脂
溶液またはラテックスを添加・反応させ、この組成物の
粉砕品を熱可塑性樹脂と組み合わせる成形方法が提案さ
れている。また特開昭64−40560号公報にはベン
ゾイルで変性した木材とスチレン系樹脂と官能基を有す
るスチレン系共重合体からなる組成物が提案されてい
る。そして該提案では出発原料として木質系廃棄物の使
用も提案されている。木質、或いはセルロース系廃棄物
を有効利用する技術としては、特開平9−176436
号公報の技術があり、その際、高分子ラテックスを使用
するものとして特許2635520号の技術が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した技術は、夫々
合成高分子材料に木質感を付与するか、あるいは安価な
天然物、特にセルロース系廃棄物を有効利用する試みと
して提案されているものであるが、極性の高いセルロー
スと極性の低い合成高分子はもともと親和性に乏しく、
単純に混合しただけでは材料としての強度が不充分であ
るという問題点があった。そのためセルロースを化学反
応や重合によって変性したり、両者をつなぎ合わせる目
的の添加剤を必要としたのである。また、セルロースは
強い吸湿性を持つ為に、吸湿した水分の気化による強度
や外観の不良があり、これを回避するために、熱加工に
際しては十分な乾燥が必要であった。しかし変性や乾燥
といった操作はセルロースを活用する際煩雑化を招き、
上記の問題点とともにセルロースと合成高分子からなる
複合材料の普及を妨げていたというのが実状である。か
くして、セルロースに化学変性等の手間をかけず、又、
特殊な添加剤を加えなくとも合成高分子との親和性を付
与し、同時に吸湿性を軽減する技術が求められているの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した課題
を解決すべく、セルロース系高分子化合物の表面を合成
高分子により被覆するという着想に基づき研究を行い、
被覆剤として疎水性の超微小粒子よりなる合成高分子ラ
テックスを用いることで該課題が解決されることを見出
し本発明に至った。そして、そのとき配合するラテック
ス量は、ラテックスを構成する粒子の大きさに応じて好
適な範囲が存在することも見出した。
【0006】すなわち、本発明は(A)単位重量当たり
の比表面積0.2m2 /g以上の粉体及び/又は繊維5
0〜99重量%に、(B)粒子径10〜100nmの高
分子粒子からなるラテックスを固形分で1〜50重量%
混合した組成物であって、且つ該(B)の固形分添加量
が(B)の粒子径に対して、ラテックス粒子直径(n
m)の対数を横軸とし、ラテックス添加量(固形分重量
%)の対数を縦軸とするグラフにおいて、点a(10、
1)、点b(10、10)、点c(50、50)、点d
(100、50)及び点e(100、10)の各点を結
んだ五角形で示される範囲にある組成物から水分を除去
してなる表面処理粉体組成物を提供するものである。
【0007】而して、特に(A)成分が回収古紙を10
重量%以上含有するセルロース系高分子であり、(B)
がスチレンを30重量%以上含有する合成高分子ラテッ
クスである該表面処理粉体組成物は産業上極めて有用な
ものである。本発明の粉体組成物は単独でも用いられる
が、他の熱可塑性高分子材料と混合使用することもで
き、その場合(B)成分が0.1重量%以上5重量%未
満の有機酸又は有機塩基を共重合したものであることを
特徴とする表面処理粉体組成物を用いると、より優れた
材料強度が得られる。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
実用的な目的の1つに古紙を中心とするセルロース系廃
棄物の有効利用がある。従って、大量の合成高分子を配
合することは、仮に材料として優れた性能の付与が可能
であったとしても、その目的にはそぐわないのであり、
可能な限り少量の配合が望ましく、しかも、それでも機
械的強度の付与や親水性の軽減といった効果を達成する
必要がある。その結果、配合するセルロース繊維の中に
速やかに拡散し、同時に繊維表面を一様に被覆すること
が求められる。古くから用いられている押出機を用いた
方法は高温とは言え粘度の高い高分子化合物の添加であ
り、セルロース系化合物の配合可能量にも高々50%と
いう制約がある。
【0009】又、低分子化合物溶液を用いてセルロース
表面を処理することも可能ではあるが、この方法による
表面処理粉体を熱可塑性樹脂と混合しても、粉体と樹脂
との界面接着が弱いため、十分な材料強度を得ることが
難しい。高分子化合物の溶液を用いた場合でも、溶液粘
度が高い為、セルロース中への拡散に要する時間が長く
なる。一方、粘度を下げようとすると高分子化合物の濃
度を下げねばならず効果が低下し好ましくない。したが
って、本発明の高分子ラテックスをセルロース系高分子
に配合する方法が、最も容易に均一組成物を与える方法
といえる。
【0010】本発明においてラテックスを構成する高分
子粒子は小さいことが重要である。なぜならば、紙を構
成するセルロースの繊維間隔が1μm程度と小さいから
である。また、粒子径の小さいラテックスを用いること
によって、粒子や繊維を被覆するのに必要な添加量を節
減することが可能であり、そのことも本発明を有意義な
ものとしているのである。しかし、著しく径の小さいラ
テックスを合成するには親水性の低分子化合物である乳
化剤を相当量使用せねばならないから、好適な粒子径は
10〜100nm、好ましくは10〜50nmである。
【0011】ラテックス粒子の吸着面積はその粒子の大
きさによって変化する。従ってセルロースに対する添加
量はラテックスの粒子径に応じて変化し、粒子が大きい
場合は或る程度のまとまった量が、小さい場合には少量
の添加が好ましい。すなわち、ラテックス粒子径が小さ
い場合は、粒子による被覆可能な面積が増えるので少量
でよく、粒子径が大きい場合には多めの添加が好ましい
のである。ただし、いずれの場合も、ラテックス添加絶
対量が50重量%を越えると好ましい結果は得られな
い。
【0012】その添加量の好ましい範囲は図1に示した
通りである。すなわち、図1は縦軸を組成物に占める高
分子ラテックスの添加量(固形分重量%)の対数、横軸
は該ラテックスを構成する高分子粒子の直径(nm)の
対数を表すグラフであるが、図中の点a(10、1)、
点b(10、10)、点c(50、50)、点d(10
0、50)、点e(100、10)の各点を結んだ五角
形で示される領域は、添加するラテックスの粒子径と添
加量の好ましい範囲を示している。この範囲を超えて添
加しても効果は飽和し、逆に随伴される親水性物質であ
る乳化剤量が増加して好ましくない。この範囲未満の添
加量ではセルロース繊維の表面被覆が不十分で、得られ
る粉体に十分な疎水性が付与されない。尚ラテックスの
径は電子顕微鏡写真から求めた直径である。該ラテック
ス粒子が著しく小さく直接観察できない場合は、該ラテ
ックスを種粒子とした乳化シード重合を行い、観察可能
なサイズまで粒子を成長させ、この大きさを基準に推定
することが可能である。
【0013】ところで、セルロース系高分子材料と高分
子ラテックスの組み合わせ自体は公知であったが、従来
の技術においてはラテックスを構成する高分子化合物の
種類には着目しているものの、それをセルロース系高分
子にできるだけ少量添加するという思想が無く、又その
粒子の大きさについては関心が払われてこなかったので
ある。もっとも、ラテックス粒子の大きさと高分子組成
のいづれにも配慮したラテックスとセルロース系高分子
の組み合わせに係る技術としては紙の表面のラテックス
塗工があるが、この技術では加工紙の表面光沢やインク
の濡れ性向上を目的に高分子ラテックスを塗布するた
め、その塗工紙は表面という限定された部分のみが改質
されるだけで、本発明とは目的が全く異なり、本発明の
ようにバラバラの状態にあるセルロース繊維を集めて有
意義な材料にする発想はそこには全く見い出せない。
【0014】本発明で用いるラテックスを構成する合成
高分子化合物としては、極性の小さい疎水性高分子を用
いることが重要である。合成高分子出発原料として、具
体的にはスチレン、α−メチルスチレンに代表されるス
チレン系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のシアン化ビニル化合物、ブタジエン、イソプレン
等のジエン系単量体、(メタ)アクリル酸のエステルな
どが例示できる。これらは単独でも共重合させて用いて
も良い。ジエン系ラテックスの粒子表面にスチレン系ラ
テックスをグラフトさせた組成物も好ましい形態のひと
つである。尚、本発明において疎水性とは出発原料とな
る単量体の室温での水への溶解度が5%以下であること
をいう。最終的な組成物としての表面処理粉体及び/又
は繊維と熱可塑性高分子との混合物にする際に必要な熱
可塑性高分子と親和力を持つ組成の高分子ラテックスを
合成する方法は、公知の方法を用いれば良い。
【0015】又、少量の有機酸又は有機塩基を共重合に
より導入することも好ましい。該化合物の具体的例とし
てはアクリル酸、メタアクリル酸、フマル酸、マレイン
酸及び酸無水物、イタコン酸、アクリルアミド、メタク
リルアミド等があげられる。これらの官能基はセルロー
ス中の水酸基と相互作用を有するため、熱可塑性樹脂組
成物と本発明の表面処理粉体からなる組成物の機械的特
性を高める方向で寄与する。但し、これら官能基の含有
量が多すぎる場合には疎水性高分子添加の目的である疎
水性付与効果が減殺され、また該組成物の熱可塑性が阻
害される傾向にあり、加工法が押出成形や圧縮成型など
大きな変形を伴わない成形法に制限される。これら官能
基を有する単量体の含有量の適切な範囲は、該ラテック
スを構成する合成高分子化合物に対して0.1重量%〜
5重量%未満である。
【0016】なお、疎水性高分子の超微粒子からなるラ
テックス組成物そのものは特開平7−138487号公
報に開示されているが、それをセルロースに用いること
に関しては記載がなく、また、その期待される効果も粉
体の2次凝集防止、樹脂中への粉体の均一分散であっ
て、セルロース系高分子への疎水性付与効果に関する記
載は見られない。また、重合性を有する有機酸を共重合
により導入する概念も開示されていない。
【0017】微小粒子からなるラテックスは、乳化重合
によって作製しても、既にある高分子化合物を機械的・
化学的方法によって乳化させる方法に基づいて作製して
も良い。例えば超微粒子ラテックスの乳化重合による製
造方法に関しては特開平5−39324号公報、特開平
7−138304号公報に開示されている。乳化重合を
用いなくとも、エチレンとMMA共重合体を苛性ソーダ
を用いて加水分解し、加圧下で高温の水中に分散させて
ることによって微小粒子ラテックスを得ることも可能で
ある。
【0018】本発明の組成物を構成する粉体・繊維は
0.2m2 /gの比表面積を持つことが必要である。比
表面積がこれより小さいものは疎水性高分子ラテックス
添加による疎水性付与効果が見られない。比表面積を大
きくする目的で、粉体やセルロース繊維を予め粉砕或い
は解繊した後にラテックスと混合することは好ましい。
比表面積は直接測定することが困難であるため、対象と
なる粉体や繊維の顕微鏡写真を測定し、粉体の場合は観
察される長径と短径の平均値を相当径と見なし、これを
球と仮定して計算により求める。繊維の場合は同様に長
さと平均径を測定し、これを円柱と仮定して計算により
求める。このとき必要となる粉体・繊維の密度は文献値
を用いる。
【0019】粉体及び/又は繊維の原料となる天然高分
子化合物には特に制約はなく、木材、紙、段ボール、木
綿、籾殻、サトウキビ絞り滓、トウモロコシの茎等から
任意に選択することができる。最終的に得られる材料特
性の点からいえば、セルロース原料としてバージンパル
プを用いることは勿論可能であるが、本技術の目的の1
つである古紙の活用という点からは、回収古紙または回
収古紙を10重量%以上含有するセルロース系高分子を
用いることが好ましい。なお、その機構の詳細は不明で
あるが、回収古紙を出発原料とした場合はバージンパル
プを用いた場合に比較してセルロース繊維を均一に分散
させやすい傾向がある。なお、ここで言うセルロースま
たはセルロース系高分子は純セルロースに限定されるも
のではなく、ヘミセルロース、リグニンといった公知の
木質材料に含まれる各種化合物を含有するものの総称で
ある。
【0020】本発明の表面処理粉体と混ぜ合わせること
が可能な高分子化合物としては一般的熱可塑性樹脂であ
ればよいが、好ましくは、ポリスチレン及び/またはス
チレンを30重量%以上含有するスチレン系高分子化合
物である。具体的には、ポリスチレン、ゴム質重合体に
よって強化されたハイインパクトポリスチレン、ハイイ
ンパクトポリスチレンとポリフェニレンエーテルの混合
物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、メチルメタ
アクリレート−スチレン共重合体、MBS樹脂などが挙
げられる。これらには高分子ラテックスと同様にアクリ
ル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸等の有機酸、アクリルアミドに代表される重合
性アミド類などを共重合により導入することができ、こ
れにより一層の材料特性向上が可能である。
【0021】本発明の組成物の組成は、表面処理粉体5
〜95重量%、熱可塑性樹脂95〜5重量%であるが、
より好ましい組成は、20〜80重量%対80〜20重
量%である。表面処理粉体含有量5〜65重量%の領域
では、熱可塑性高分子材料に比較して弾性率の向上した
材料が得られ、射出成形、押出成形、圧縮成型、発泡押
出成形といった公知の高分子加工方法によって最終製品
を得ることが出来る。該含有率が65重量%を越え95
重量%迄の組成では、熱による成形加工の自由度は低下
するものの圧縮成型、押出成形によって板状の材料を得
ることができ、木材同様に、鋸引き、釘打ち、接着とい
う加工により最終製品とすることができる。なお、ここ
に示した比率は厳密な値ではなく、熱非可塑のセルロー
ス成分の含有率がより重要な指標であり、目的に応じて
両者の比率を調整することができる。
【0022】また、本発明の樹脂組成物には、染顔料、
滑剤、充填剤、離型剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤等を必要に応じて添加することができ、発泡剤を添
加し、発泡体を得ることも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明の実施
の形態を具体的に説明する。 親水性の評価 下記の実施例に基づき作製した表面処理粉体を23℃相
対湿度50%の恒温・恒湿室に48時間放置し、オーブ
ン温度240℃にてカールフィッシャー法により測定し
た吸水率が1%未満の試料を疎水性、1%以上のものを
親水性と評価する。
【0024】製造例1:微小粒子よりなるポリスチレン
ラテックス(イ)の合成 5L反応槽に脱イオン水3kg投入し、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム100g、過硫酸ナトリウム1
0g、硫酸銅0.1gを溶解させ、40℃とし、ここに
チオ硫酸ナトリウム2gを添加し、40℃に維持しなが
ら速やかにt−ブチルカテコール1.0gを溶解させた
スチレンモノマー1Kg、及びチオ硫酸ナトリウム1.
2gを0.5Lの脱イオン水に溶解させた水溶液を3時
間かけて連続的に添加しながら重合を行う。得られるラ
テックスは粒子径30nm、重合率80%である。
【0025】製造例2:微小粒子よりなるポリスチレン
ラテックス(ロ)の合成 使用する乳化剤を50gとし、スチレンモノマーにt−
ブチルカテコールを加えない他は製造例1と同様にして
重合を行い、粒子径70nm、重合率95%のラテック
スを得る。
【0026】製造例3:一般的ポリスチレンラテックス
(ハ)の合成 5L反応槽に脱イオン水3kg投入し、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム20g、過硫酸ナトリウム10
gを溶解させ、60℃に維持しながらスチレンモノマー
1Kgを3時間かけて連続的に添加しながら重合を行
う。モノマー添加終了後30分間その状態を維持し、粒
子径150nm、重合率94%のポリスチレンラテック
スを得る。
【0027】製造例4:アクリル酸を共重合した微小粒
子よりなるポリスチレンラテックス(ニ)の合成 製造例2と同様にして重合をスチレンモノマー0.98
kg、アクリル酸0.02kgからなる混合モノマーを
用いて実施する。得られるラテックスは粒子径65n
m、重合率92%である。 セルロース分散体の合成 1Kgの段ボールを20Lの脱イオン水中に投入し、1
昼夜放置したのちホモミキサーを用いて攪拌を行い、段
ボールの水中均一分散液を作製する。分散液の少量をガ
ラス板上にて乾燥し、顕微鏡を用いて繊維形状を測定す
る。繊維形状より求めた繊維の比表面積は0.5m2
gである。
【0028】
【実施例】
実施例1 製造例1で得たラテックス(イ)の固形分5重量%とセ
ルロース分散体固形分95重量%となるように両者を混
合した後、ホモミキサーを用いて混合を継続した状態で
硫酸アルミニウム水溶液を添加し、乳化状態を破壊す
る。析出物を遠心脱水機を用いて脱水し、熱風乾燥機を
用いて140℃で乾燥し、得られたフレークをヘンシェ
ルミキサーを用いて粉砕する。この粉末を真空乾燥機を
用いて100℃で十分乾燥し、前記の親水性評価方法に
よって含水率を求める。その含水率は、0.5である。
乾燥操作を実施した粉体を200℃で圧縮成型により厚
さ2mmの試験片とし、これを手を用いて折り曲げて破
壊し破断面を観察したところ、繊維状体のセルロースが
集中的に露出する部位が見られず、繊維の分散性は良好
である。
【0029】比較例1 ラテックス1%、セルロース99%に比率を変えた他は
実施例1と同様にして実施する。圧縮成型試験片破断面
には明らかに繊維集合部位が見られ、そこで剥がれた様
子が観察される。
【0030】実施例2〜4、比較例2〜6 ラテックスの量および種類を変えて実施例1と同様に実
施した結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例5 実施例1にて作製し恒温室にて平衡吸湿状態とした粉体
1kgとポリスチレン樹脂1kgを二軸押出機を用いて
ペレットとし、圧縮成型法により試験片を作製し、23
℃にて2mm/minの試験速度で引っ張り試験を実施
する。引っ張り弾性率は480Mpa、破断伸びは2%
である。
【0033】比較例7 セルロース分散体をそのまま脱水・乾燥し、ヘンシェル
ミキサーにより微粉化した試料を恒温室にて平衡吸湿状
態にし、実施例5と同様の操作を行う。試料はペレット
の時点で著しい気泡が観察され、満足な試験片は得られ
ず、10回繰り返した引っ張り試験の破断伸びは平均
0.5%で、試験片毎の測定値は大きくばらついてい
る。
【0034】
【発明の効果】セルロース粉体・繊維に疎水性を効率的
で簡便に付加することができ、更に熱可塑性樹脂にブレ
ンドすることによって有用な高分子材料として回収古紙
を有効利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラテックスの添加量(固形分重量%)と粒子直
径(nm)の好ましい範囲(abcde内)を示す対数
グラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)単位重量当たりの比表面積0.2
    2 /g以上の粉体及び/又は繊維50〜99重量%
    に、(B)粒子径10〜100nmの高分子粒子からな
    るラテックスを固形分で1〜50重量%混合した組成物
    であって、且つ該(B)の固形分添加量が(B)の粒子
    径に対して、ラテックス粒子直径(nm)の対数を横軸
    とし、ラテックス添加量(固形分重量%)の対数を縦軸
    とするグラフにおいて、点a(10、1)、点b(1
    0、10)、点c(50、50)、点d(100、5
    0)及び点e(100、10)の各点を結んだ五角形で
    示される範囲にある組成物から水分を除去してなる表面
    処理粉体組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分が回収古紙を10重量%以上
    含有するセルロース系高分子であり、(B)成分がスチ
    レンを30重量%以上含有する合成高分子ラテックスで
    あることを特徴とする請求項1記載の表面処理粉体組成
    物。
  3. 【請求項3】 合成高分子ラテックスが0.1重量%以
    上5重量%未満の有機酸又は有機塩基を共重合したもの
    であることを特徴とする請求項2記載の表面処理粉体組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の表面処
    理粉体組成物5〜95重量%と、熱可塑性樹脂95〜5
    重量%からなる組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3385352A4 (en) * 2015-11-30 2019-03-13 Growth Partners, Limited MEANS TO REDUCE THE FLUID PROPERTIES OF A SOLID LIQUID MIXTURE AND METHOD FOR PRODUCING A MIXTURE WITH LOW FLUID CAPACITY

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3385352A4 (en) * 2015-11-30 2019-03-13 Growth Partners, Limited MEANS TO REDUCE THE FLUID PROPERTIES OF A SOLID LIQUID MIXTURE AND METHOD FOR PRODUCING A MIXTURE WITH LOW FLUID CAPACITY

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