JPH1160631A - リン含有エポキシ化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物 - Google Patents

リン含有エポキシ化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物

Info

Publication number
JPH1160631A
JPH1160631A JP23651397A JP23651397A JPH1160631A JP H1160631 A JPH1160631 A JP H1160631A JP 23651397 A JP23651397 A JP 23651397A JP 23651397 A JP23651397 A JP 23651397A JP H1160631 A JPH1160631 A JP H1160631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
phosphorus
epoxidized
compound
diene compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23651397A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Otsuka
喜弘 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP23651397A priority Critical patent/JPH1160631A/ja
Publication of JPH1160631A publication Critical patent/JPH1160631A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 相溶剤等に用いるリン含有エポキシ化ブロッ
ク共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化
合物を提供する。 【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
る重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
(C)またはそれらの部分水添物(D)に、あるいはポ
リ共役ジエン化合物(F)またはその部分水添物に、有
機過酸を用いてエポキシ化したエポキシ化ブロック共重
合体(E)またはエポキシ化ポリ共役ジエン化合物
(G)と、分子中に−OP(=O)(OH)2基および
/またはリン原子に結合した−OHを1個有する化合物
とを反応させて得たリン含有エポキシ化ブロック共重合
体またはリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン含有エポキシ
化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役
ジエン化合物に関し、さらに詳しくは、各種製品の成形
用素材、ゴム状重合体または樹脂状重合体の分散剤、難
燃化剤、相溶剤、防腐剤等に用いることのできるリン含
有エポキシ化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ
化ポリ共役ジエン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ビニル芳香族炭化水素化合物
と共役ジエン化合物とからなるブロック共重合体は、常
温で透明であり加硫をしなくても加硫された天然ゴム、
または合成ゴムと同様の弾性を有し、しかも高温で熱可
塑性樹脂と同様の加工性を有することから、各種改質剤
や接着剤などの用途で広く利用されている。例えば、特
開平6−136214号公報等には、スチレン−共役ジ
エンブロック共重合体を混合して機械的強度、衝撃強さ
を改良させた組成物が開示されている。また、上記ブロ
ック共重合体のこのような性能をさらに向上させる目的
で、本発明者らもブロック共重合体のジエンブロックに
由来する不飽和結合をエポキシ化したエポキシ化ブロッ
ク共重合体を多数提案している。
【0003】一方、リン酸化したエポキシ基含有ポリマ
ーが各種の添加剤、処理剤として用いられており、例え
ば、特開平1−190765号公報には、グリシジルエ
ポキシを含有するアクリル重合体のリン酸塩化合物を、
アルミニウムのガス発生防止剤として用いる技術が開示
されている。また、特開昭61−47771号公報に
は、グリシジルエポキシを有する化合物とリン酸とを反
応させた化合物がアルミニウムからのガス発生抑止剤と
して有用であることも開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、グリシジルエ
ポキシを有する化合物は、エピクロルヒドリンを原料と
して製造するため、生成物中に塩素が残留する場合があ
る。このため製品をアルミニウムなどの金属体に塗料と
して使用した場合には、金属に対し酸化等の悪影響を及
ぼすことがある。また、各種改質剤には、難燃性、耐衝
撃性、相溶性等が要求され、これらが十分でない場合に
は、成形物の表層剥離が発生し、主として装飾品や他の
雑貨類の成形材料としては利用され得るが、工業製品の
成形材料としては用いることは困難である。
【0005】かかる現状から、アルミニウム等の金属に
使用した場合にも、金属体に対して悪影響を及ぼさず、
塗料等の分散剤等として使用した合にも適度の弾性を有
し、高温で熱可塑性樹脂と同様の加工性を有し、各種成
形品の成形用素材、ゴム状重合体または樹脂状重合体の
分散剤、相溶剤等の各種改質剤や接着剤などに用いるこ
とができるリン含有エポキシ化共重合体の開発が熱望さ
れている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、有機過酸を用いてエポ
キシ化したビニル芳香族炭化水素化合物を主体とする重
合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体(C)
等のリン含有エポキシ化重合体が上記問題を解決し得る
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、ビニル芳香族炭化水素
化合物を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるブ
ロック共重合体(C)またはその部分水添物(D)に、
有機過酸を用いてエポキシ化したエポキシ化ブロック共
重合体(E)と、分子中に−OP(=O)(OH)2
を有する化合物および/またはリン原子に結合した−O
Hを1個有する化合物とを反応させて得たリン含有エポ
キシ化ブロック共重合体を提供するものである。また、
ブロック共重合体(C)が、ポリスチレン−ポリブタジ
エン系のブロック共重合体もしくはポリスチレン−ポリ
イソプレン系のブロック共重合体またはポリスチレン−
ポリブタジエン系のブロック共重合体とポリスチレン−
ポリイソプレン系のブロック共重合体との混合物である
ことを特徴とする前記リン含有エポキシ化ブロック共重
合体を提供するものである。また、エポキシ化ブロック
共重合体(E)のエポキシ当量が、250〜6000の
範囲であることを特徴とするリン含有エポキシ化ブロッ
ク共重合体を提供するものである。さらに、ポリ共役ジ
エン化合物(F)またはその部分水添物に有機過酸を用
いてエポキシ化したエポキシ化ポリ共役ジエン化合物
(G)と、分子中に−OP(=O)(OH)2基を有す
る化合物および/またはリン原子に結合した−OHを1
個有する化合物とを反応させて得たリン含有エポキシ化
ポリ共役ジエン化合物を提供するものである。加えて、
エポキシ化ポリ共役ジエン化合物(G)のエポキシ当量
が、250〜6000の範囲であることを特徴とするリ
ン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物を提供するもの
である。以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のリン含有エポキシ化ブロ
ック共重合体は、ブロック共重合体をエポキシ化し、次
いで分子中に−OP(=O)(OH)2基を有する化合
物および/またはリン原子に結合した−OHを1個有す
る化合物とを反応させたものである。また、リン含有エ
ポキシ化ポリ共役ジエン化合物は、ポリ共役ジエン化合
物をエポシキ化し、次いで分子中に−OP(=O)(O
H)2基を有する化合物および/またはリン原子に結合
した−OHを1個有する化合物とを反応させたものであ
る。
【0009】(ブロック共重合体)本発明で使用するブ
ロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素化合物を主体
とする重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合
体(C)またはその部分水添物(D)とからなる。ビニ
ル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレンなどの種々のアルキル置換スチレン、アルコ
キシ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換ビ
ニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンな
どが挙げられる。これらの中で、スチレンが好ましい。
これらは1種でも、2種以上の混合物であってもよい。
共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソ
プレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3
−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエンなどが
挙げられる。これらの中で、1,3−ブタジエンおよび
イソプレンが安価であり、かつ入手し易いので好適であ
る。これらは1種でも、2種以上の混合物であってもよ
い。
【0010】本発明で使用するブロック共重合体(C)
としては、重合体ブロック(A)がポリスチレン系であ
り重合体ブロック(B)がポリブタジエン系であるも
の、重合体ブロック(A)がポリスチレン系であり重合
体ブロック(B)がポリイソプレン系であるもの、また
はこれらの混合物であることが、樹脂との相溶性に優れ
るため好ましい。
【0011】本発明のブロック共重合体(C)を構成す
るビニル芳香族炭化水素化合物と共役ジエン化合物との
共重合組成重量比は、5/95〜70/30であること
が好ましく、さらに好ましくは10/90〜60/40
である。本発明に使用できるブロック共重合体の数平均
分子量は、5,000〜500,000であることが好
ましく、さらに好ましくは10,000〜100,00
0である。5,000を下回るとゴム状弾性体の性質が
発現し難く、また500,000を上回ると溶融し難く
なるので好ましくない。ここで数平均分子量とは、GP
C法によって測定した標準ポリスチレン換算分子量を意
味する。
【0012】ブロック共重合体(C)の構造は特に限定
されるものではなく、例えばA−B、A−B−A、B−
A−B−A、A−B−A−B−Aなどで表されるビニル
芳香族炭化水素化合物と共役ジエン化合物のブロック共
重合体であってもよい。また、分子自体の構造は、直鎖
状、分岐状、放射状などのいずれの構造であってもよ
く、さらにこれらの任意の組合せであってもよい。ブロ
ック共重合体中のビニル芳香族炭化水素化合物は、均一
に分布していても、またテーパー状に分布していてもよ
い。また、このブロック共重合体(C)は、ビニル芳香
族炭化水素化合物が均一に分布している部分および/ま
たはテーパー状に分布している部分が、それぞれ複数個
共存していてもよい。しかし、熱安定性の点から共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロック(B)がビニル
芳香族化合物を主体とする重合ブロック(A)に挟まれ
た構造(例えばA−B−A等)を持つブロック重合体が
より好ましい。
【0013】本発明に使用されるブロック共重合体
(C)の製造方法は、上記した構造を有することができ
れば通常用いられるいずれの製造方法でもよい。例え
ば、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳香
族化合物−共役ジエン化合物共重合体を合成する方法と
して、特公昭40−23798号公報、特公昭43−1
7979号公報、特公昭46−32415号公報、特公
昭56−28925号公報等が知られている。
【0014】ブロック共重合体は水添されたものであっ
てもよい。不飽和結合が部分的に水素添加されるとさら
に熱安定性が向上し、より好ましい。
【0015】ブロック共重合体の水添物(D)の製造方
法は、特に限定されるものではなく、どのような方法で
製造されたものでもよい。例えば、特公昭42−870
4号公報、特公昭43−6636号公報などに記載され
ているように、ブロック共重合体(C)を、不活性溶媒
中で、水素化触媒の存在下に、水素化して製造する方法
が挙げられる。水素化量は特に限定されるものではない
が、引き続きエポキシ化反応を行なう際、エポキシ化剤
と反応し得る不飽和炭素結合が水添物(D)の分子内に
残っている必要がある。
【0016】(ポリ共役ジエン化合物)本発明のリン含
有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物を構成するポリ共役
ジエン化合物は、上記ブロック共重合体に代えてポリ共
役ジエン化合物(F)を用いたものである。ポリ共役ジ
エン化合物(F)としては、上記した共役ジエン化合物
のモノマーを使用することができ、これらの中でもポリ
イソプレン、ポリブタジエン等が入手しやすくかつ安価
で好ましい。ポリ共役ジエン化合物の製造方法および水
添方法は、上記ブロック共重合体と同様である。
【0017】(エポキシ化)ブロック共重合体またはポ
リ共役ジエン化合物に由来する不飽和炭素の二重結合
は、ブロック共重合体またはポリ共役ジエン化合物を不
活性溶媒中で有機過酸によってエポキシ化させる。使用
できる有機過酸としては、過蟻酸、過酢酸、過安息香
酸、トリフルオロ過酢酸などが例示できる。これらの中
でも過酢酸は工業的に大量に製造されており、安価に入
手でき、安定度も比較的高いので最も好ましい。ここ
に、有機過酸の量には厳密な規制がなく、それぞれの場
合における最適量は使用する個々の有機過酸、所望され
るエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体等の
可変要因によって決定される。
【0018】なお、エポキシ化の際には必要に応じて触
媒を用いることができる。例えば、過酸類の場合、炭酸
ソーダ等のアルカリや硫酸等の酸を触媒として使用可能
である。
【0019】上記反応においては、原料粘度の低下、エ
ポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で不活性溶媒
を使用することができる。使用できる不活性溶媒として
は、有機過酸に過酢酸を使用する場合であれば芳香族化
合物、エーテル類、エステル類などを用いることができ
る。特に好ましい溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、
トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、四塩化炭素、クロロ
ホルムである。
【0020】エポキシ化反応条件には厳密な規制はな
く、用いる有機過酸の反応性によって使用できる反応温
度域が決定する。例えば有機過酸に過酢酸を使用する場
合には、0〜70℃であることが好ましい。0℃より低
温では反応速度が小さく、70℃を越えると過酢酸の分
解が始まる。
【0021】本発明において得られるエポキシ化ブロッ
ク共重合体(E)またはエポキシ化ポリ共役ジエン化合
物(G)のエポキシ当量は、250〜6000の範囲が
好ましい。エポキシ当量が250未満であると、重合体
の弾性的な性質が発現し難くなり、また6000より大
きいとエポキシ化したことによる特異な物性が発現し難
くなり、いずれも好ましくない。上記範囲で好ましく
は、200〜5000であり、さらに好ましくは250
〜1500である。なおここでエポキシ当量とは、次
式、すなわち、エポキシ当量={(1600)/(エポ
キシ化ブロック共重合体(または、エポキシ化ポリ共役
ジエン化合物)中のオキシラン酸素濃度)}、で算出さ
れる値であり、オキシラン酸素1molあたりのエポキ
シ化ブロック共重合体(E)または、エポキシ化ポリ共
役ジエン化合物(G)の重量を意味する。この式でオキ
シラン酸素濃度は、臭化水素の酢酸溶液を用いて滴定し
て算出した、重合体の単位重量あたりのオキシラン酸素
の重量%で表される濃度である。本発明におけるエポキ
シ化ブロック共重合体(E)またはエポキシ化ポリ共役
ジエン化合物(G)は、上述の手順に従って反応させる
ことにより、エポキシ当量が250〜6000のもの
を、容易に安定して得ることができる。
【0022】得られたエポキシ化ブロック共重合体
(E)またはエポキシ化ポリ共役ジエン化合物(G)
(以下、エポキシ化ブロック共重合体等と略す)の単離
は、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、重合体を熱水中に
攪拌しながら混入させ、溶媒を蒸留除去する方法、直接
脱溶媒法等の適当な方法で行うことが可能である。
【0023】(リン付加反応)本発明で使用する分子中
に−OP(=O)(OH)2基を有する化合物として
は、オルトリン酸のモノエステルが例示できる。適当な
リン酸のモノエステルの例には、リン酸モノメチル、リ
ン酸モノイソプロピル、リン酸モノブチル、リン酸モノ
アミル、リン酸モノ2−エチルヘキシル、リン酸モノノ
ニル、リン酸モノイソデシル、リン酸モノセチル、リン
酸モノミリスチル、リン酸モノフェニル及びリン酸モノ
ベンジルがある。ここで有用なリン酸には、水和された
リン酸から純粋なリン酸、すなわち約70%〜約100
%のリン酸、好ましくは約85%以上のリン酸が包含さ
れる。その理由は工業的に入手しやすいからである。種
々の縮合された形態のリン酸等価物、たとえばリン酸の
重合部分無水物またはエステル、ピロリン酸、トリリン
酸等が用いられ得る。リン原子に結合した−OHを1個
有する化合物としては、(C817O−)2P(=O)
(−OH)、(C817O−)(C817−)P(=O)
(−OH)、(C1021O−)2P(=O)(−O
H)、ジブチルホスフェート、ジ−2−ヘキシルホスフ
ェート等のジアルキルホスフェート類、ジブチルハイド
ロジェンホスファイト等を例示することができる。以
下、分子中に−OP(=O)(OH)2基を有する化合
物およびリン原子に結合した−OHを1個有する化合物
の両者をリン含有化合物とも称す。
【0024】リン含有化合物と、エポキシ化ブロック共
重合体等との反応に際し、反応物の比は全てまたは任意
の比率で選択することが可能である。典型的には、ここ
で使用されるエポキシ化ブロック共重合体等に対するリ
ン含有化合物のモル比は、エポキシ基1モルあたりのリ
ン含有化合物のモル数を基準にして約0.5〜約4、好
ましくは約1〜約2である。リン含有化合物のモル数が
0.5未満の場合は化合物自身不安定であり、逆に4を
越えると反応の制御が困難になるのでいずれも好ましく
ない。
【0025】反応温度は、約25℃〜約150℃、好ま
しくは約50℃〜約100℃の反応温度が使用され得
る。反応温度が25℃未満の場合は反応が遅く、逆に1
50℃を越えると反応の制御が困難になるのでいずれも
好ましくない。
【0026】この反応は、通常不活性な溶媒存在下で行
なわれ得る。用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、イソホロン
等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化
水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテ
ル化合物、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ブチルジグ
リコールアセテート等のエステル類、溶剤等の活性水素
を含有していない溶剤が挙げられる。
【0027】不活性な溶媒の使用量はエポキシ樹脂に対
して0.1〜20倍、好ましくは0.5〜2倍である。
使用量が0.1倍未満の場合は基質濃度が高く、反応の
制御が困難であり、逆に20倍を越えると塗料用に用い
るには不経済となるのでいずれも好ましくない。
【0028】反応を行う際、仕込み順序に制限はない
が、好ましくは、リン含有化合物にエポキシ化ブロック
共重合体等の溶液を滴下、前記温度に昇温する。また、
反応の終点はたとえば、滴定によってオキシラン酸素を
測定することにより確認することができる。
【0029】(用途)本反応で得られた化合物はそのま
ま塗料や粘着剤等の用途に供することができる。また水
洗及び減圧下での低沸成分留去、またはそのまま低沸成
分を留去することにより単離することもできる。更に純
度の高いものを得るために、不溶溶媒を用いて再結晶化
することも可能である。
【0030】本発明のリン含有エポキシ化ブロック共重
合体またはリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物に
は、必要に応じて応じて他の配合物を添加して組成物と
して使用することができる。配合し得る他の樹脂添加剤
としては、たとえば老化防止剤、架橋剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤;シリカ、タルク、カーボンなどの無機物充
填剤類;可塑剤、オイルなどの軟化剤などが挙げられ
る。これらの添加剤の添加時期は特に限定されるもので
はなく、リン含有エポキシ化ブロック共重合体等の組成
物を調製する工程のどの段階であってもよい。
【0031】本発明によるリン含有エポキシ化ブロック
共重合体またはリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合
物、またはそれらからなる組成物は、各種製品の成形用
素材、ゴム状重合体または樹脂状重合体の分散剤、難燃
化剤、相溶剤、防腐剤等に用いることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、以下においてNMRは日本電子(株)製「G
XS270WB」を用いた。
【0033】[実施例1]スチレン−ブタジエン−ブロ
ック共重合体(日本合成ゴム(株)製:商品名「SBS
TR2000」)300gを酢酸エチル900gに溶
解させ、過酢酸(30wt%酢酸エチル溶液)150g
を滴下し、エポキシ当量516の部分エポキシ化スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(1)を得
た。この共重合体(1)のエポキシ基1モル当量に対し
て2−エチルヘキシルホスフェート(リン酸モノ2−エ
チルヘキシル)を1.1モル当量添加し、酢酸エチル溶
媒で反応を室温下で1時間行い、得られた反応液を過剰
のメタノールで再沈させ、リン含有エポキシ化ブロック
共重合体[A]を得た。図1に、部分エポキシ化スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(1)の1
H−NMRの測定結果を、図2に、リン含有エポキシ化
ブロック共重合体[A]の1H−NMRの測定結果を示
す。図から分かるように、エポキシ基に2−エチルヘキ
シルホスフェートが付加され、2.7ppm及び2.9
ppmのエポキシ基のシフトが消失し、3.6ppm、
3.9ppmに新たなピークが出現した。
【0034】[実施例2]スチレン−ブタジエン−ブロ
ック共重合体(日本合成ゴム(株)製:商品名「SBS
TR2400」)300gを酢酸エチル900gに溶
解させ、過酢酸(30wt%酢酸エチル溶液)118g
を滴下し、エポキシ当量825の部分エポキシ化スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(2)を得
た。この共重合体(2)のエポキシ基1モル当量に対し
て2−エチルヘキシルホスフェートを1.1モル当量添
加し、酢酸エチル溶媒で反応を室温下で1時間行い、得
られた反応液を過剰のメタノールで再沈させ、リン含有
エポキシ化ブロック共重合体[B]を得た。図3に、リ
ン含有エポキシ化ブロック共重合体[B]の1H−NM
Rの測定結果を示す。実施例1と同様に、エポキシ基に
2−エチルヘキシルホスフェートが付加され、2.7p
pm及び2.9ppmのエポキシ基のシフトが消失し、
3.6ppm、3.9ppmに新たなピークが出現し
た。
【0035】[実施例3]水素添加ポリイソプレン(ク
ラレ(株)製:商品名「クラプレンLIR−290」)
300gをシクロヘキサン900gに溶解させ、過酢酸
(30wt%酢酸エチル溶液)112gを滴下しエポキ
シ化を行い、水洗後シクロヘキサンを真空蒸発させ、エ
ポキシ当量878の水添部分エポキシ化ポリイソプレン
重合体(3)を得た。この共重合体(3)のエポキシ基
1モル当量に対して2−エチルヘキシルホスフェートを
1.1モル当量添加し、酢酸エチル溶媒で反応を室温下
で1時間行い、減圧乾燥を行うことにより、未反応2−
エチルヘキシルホスフェートおよびシクロヘキサンを取
り除き、リン含有エポキシ化ポリイソプレン重合体
[C]を得た。図4に、水添部分エポキシ化ポリイソプ
レン重合体(3)の1H−NMRの測定結果を、図5
に、リン含有水添部分エポキシ化ポリイソプレン重合体
[C]の1H−NMRの測定結果を示す。エポキシ基に
2−エチルヘキシルホスフェートが付加され、2.7p
pmのエポキシ基のシフトが消失し、3.5ppm、
3.9ppmに新たなピークが出現した。
【0036】
【発明の効果】本発明で得られたリン含有エポキシ化ブ
ロック共重合体またはリン含有エポキシ化ポリ共役ジエ
ン化合物からなる組成物は従来より知られているタイプ
と比べ、分散剤として特に顔料、金属料に特異な作用を
及ぼし、極めて高い効果が得られる。また一般の樹脂に
添加することにより優れた難燃効果をもたらすことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】部分エポキシ化ブロック共重合体(1)の1
−NMRの測定結果を示す。
【図2】リン含有エポキシ化ブロック共重合体[A]の
1H−NMRの測定結果を示す。
【図3】リン含有エポキシ化ブロック共重合体[B]の
1H−NMRの測定結果を示す。
【図4】部分エポキシ化ブロック共重合体(3)の1
−NMRの測定結果を示す。
【図5】リン含有水添部分ポリイソプレン重合体[C]
1H−NMRの測定結果を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とす
    る重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主体とす
    る重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体
    (C)またはその部分水添物(D)に、有機過酸を用い
    てエポキシ化したエポキシ化ブロック共重合体(E)
    と、分子中に−OP(=O)(OH)2基を有する化合
    物および/またはリン原子に結合した−OHを1個有す
    る化合物とを反応させて得たリン含有エポキシ化ブロッ
    ク共重合体。
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体(C)が、ポリスチレ
    ン−ポリブタジエン系のブロック共重合体もしくはポリ
    スチレン−ポリイソプレン系のブロック共重合体または
    ポリスチレン−ポリブタジエン系のブロック共重合体と
    ポリスチレン−ポリイソプレン系のブロック共重合体と
    の混合物であることを特徴とする請求項1記載のリン含
    有エポキシ化ブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 エポキシ化ブロック共重合体(E)のエ
    ポキシ当量が、250〜6000の範囲であることを特
    徴とする請求項1または2記載のリン含有エポキシ化ブ
    ロック共重合体。
  4. 【請求項4】 ポリ共役ジエン化合物(F)またはその
    部分水添物に有機過酸を用いてエポキシ化したエポキシ
    化ポリ共役ジエン化合物(G)と、分子中に−OP(=
    O)(OH)2基を有する化合物および/またはリン原
    子に結合した−OHを1個有する化合物とを反応させて
    得たリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物。
  5. 【請求項5】 エポキシ化ポリ共役ジエン化合物(G)
    のエポキシ当量が、250〜6000の範囲であること
    を特徴とする請求項4記載のリン含有エポキシ化ポリ共
    役ジエン化合物。
JP23651397A 1997-08-18 1997-08-18 リン含有エポキシ化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物 Pending JPH1160631A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23651397A JPH1160631A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 リン含有エポキシ化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23651397A JPH1160631A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 リン含有エポキシ化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1160631A true JPH1160631A (ja) 1999-03-02

Family

ID=17001828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23651397A Pending JPH1160631A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 リン含有エポキシ化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1160631A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8837938B2 (en) 2008-10-21 2014-09-16 Huawei Technologies Co., Ltd. Method and device for monitoring submarine cable system
WO2016063975A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 横浜ゴム株式会社 リン酸変性ポリマー

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8837938B2 (en) 2008-10-21 2014-09-16 Huawei Technologies Co., Ltd. Method and device for monitoring submarine cable system
WO2016063975A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 横浜ゴム株式会社 リン酸変性ポリマー
US10072102B2 (en) 2014-10-24 2018-09-11 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Phosphoric acid-modified polymer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100448562B1 (ko) 에폭시화블록공중합체,그제법과조성물
JP3113049B2 (ja) エポキシ基を含む水素化ブロックコポリマー及びそれらの調製
JP2004099467A (ja) 脂環式エポキシ化合物の製造方法
US7951878B2 (en) Halogen-free flameproof epoxy resin formulations
US6136921A (en) Coupled polymers and process for preparing the same
EP3292169A1 (en) Plastic modifiers
KR102551166B1 (ko) 성상-분지형 디엔 고무
JPH1160631A (ja) リン含有エポキシ化ブロック共重合体およびリン含有エポキシ化ポリ共役ジエン化合物
Roy et al. Epoxidized Rubbers
JPH09328533A (ja) エポキシ化ブロック共重合体及びその製造方法並びに該共重合体を含有する組成物
US6177524B1 (en) Block copolymer having (meth) acryloyl groups in side chains and composition containing the same
US3312636A (en) Flame-retardant epoxy resin compositions
JPH0576498B2 (ja)
KR900008718B1 (ko) 에폭시 수지를 기본으로 하는 조성물의 제조방법
US20040082720A1 (en) Adducts of amine-terminated polyolefins and epoxides
JP3392186B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2003183473A (ja) 難燃性重合体組成物
US10301435B2 (en) Functionalized flame-retardant aconitic acid-derived molecules
US20040030048A1 (en) Heterotelechelic polyolefin polymer adducts with epoxides
JP2002088138A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2008000985A (ja) 極性樹脂層および、変性熱可塑性共重合体および/またはその組成物からなる層の積層体
JP3352224B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3328383B2 (ja) リン含有化合物及びその製造方法
JPH07207097A (ja) 熱可塑性重合体組成物
KR20200048846A (ko) 에폭시화 아크릴로니트릴-부타디엔-스티렌계 공중합체의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050912

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050815

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050927

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Effective date: 20051017

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

A521 Written amendment

Effective date: 20051021

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060328

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02