JPH115758A - 3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールの併産方法 - Google Patents

3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールの併産方法

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JPH115758A
JPH115758A JP15941197A JP15941197A JPH115758A JP H115758 A JPH115758 A JP H115758A JP 15941197 A JP15941197 A JP 15941197A JP 15941197 A JP15941197 A JP 15941197A JP H115758 A JPH115758 A JP H115758A
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JP
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methyl
buten
reaction
butanediol
catalyst
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JP15941197A
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Yoshihiro Tokuda
佳弘 徳田
Katsushi Nagareda
勝志 流田
Shigeaki Suzuki
繁昭 鈴木
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3−メチル−1,3−ブタンジオールから3
−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−
2−ブテン−1−オールを収率良く、生産性高く、併産
できる方法を提供する。 【解決方法】 硫酸あるいは有機スルホン酸を触媒とし
て、該触媒の反応液中の濃度を10〜500ppmと
し、かつ反応液中の3−メチル−3−ブテン−1−オー
ルおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールの合計濃
度を1.2重量%以下に維持しつつ、生成した3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−2−ブ
テン−1−オールを反応系から留去しながら反応させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は3−メチル−3−ブ
テン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−
オールの製造方法に関する。3−メチル−3−ブテン−
1−オールはポリウレタンのジオール成分である3−メ
チル−1,5−ペンタンジオールの原料として、また3
−メチル−2−ブテン−1−オールは香料、農薬等の原
料として有用である。
【0002】
【従来の技術】3−メチル−3−ブテン−1−オールま
たは3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メ
チル−2−ブテン−1−オールの混合物の製造法とし
て、3−メチル−1,3−ブタンジオールの脱水による
方法が知られている。例えば、Bulletin d
e la Societe Chimique de
France、800頁(1964年)には、3−メチ
ル−1,3−ブタンジオールをリン酸またはヨウ素の存
在下に加熱することにより、3−メチル−3−ブテン−
1−オールを35%の収率で得たことが述べられてい
る。Neftekhimiya、3巻、104頁(1
963年)には、同反応をアルミナ、シリカアルミナま
たはリン酸カルシウムを触媒として行うことにより、3
−メチル−3−ブテン−1−オールと3−メチル−2−
ブテン−1−オールを合計収率50%で取得したと記載
されている。Zh.Org.Khim.、3巻、13
65頁(1967年)には、同反応を、硫酸触媒にて、
原料である3−メチル−1,3−ブタンジオールの蒸留
条件下、すなわち生成した3−メチル−3−ブテン−1
−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールも
留出する条件で反応を行った結果、転化率64%、3−
メチル−3−ブテン−1−オールの選択率54%、3−
メチル−2−ブテン−1−オールの選択率8%の成績で
脱水物を得たことが報告されている。また、特開平2
−196743号公報には、γ−アルミナを触媒とし
て、生成物を留出させながら反応を行うことにより、3
−メチル−3−ブテン−1−オールを転化率93%、選
択率85%で得たことが記されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来法のうち、
のリン酸またはヨウ素の存在下に反応を行う方法は3
−メチル−3−ブテン−1−オールの収率が35%に過
ぎず、のアルミナ、シリカアルミナまたはリン酸カル
シウムを用いる方法は3−メチル−3−ブテン−1−オ
ールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールの合計
収率が50%と低く、の硫酸触媒にて、3−メチル−
1,3−ブタンジオールの蒸留条件で反応を行う方法
は、転化率、選択率の両方ともあまり高くない。また、
γ−アルミナを触媒とする方法は3−メチル−3−ブ
テン−1−オールの選択率は高いが、3−メチル−3−
ブテン−1−オールと3−メチル−2−ブテン−1−オ
ールの両方を併産することはできない。
【0004】本発明者らは、酸触媒を使用して3−メチ
ル−3−ブテン−1−オールと3−メチル−2−ブテン
−1−オールとを併産する方法について種々検討したと
ころ、3−メチル−3−ブテン−1−オールと沸点の近
接した3−メチル−3−ブテニル 1,1−ジメチル−
2−プロペニル エーテルおよび3−メチル−2−ブテ
ニル 1,1−ジメチル−2−プロペニル エーテルが
副生することを認めた。これらのエーテルは、例えば3
−メチル−3−ブテン−1−オールをヒドロホルミル化
したのち還元して3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルを製造する際のヒドロホルミル化反応時に3−メチル
−3−ブテン−1−オールと同様に反応しオキソガスの
原単位を低くすることから、その副生量を低減すること
が工業的に重要である。
【0005】したがって、本発明の目的は、3−メチル
−1,3−ブタンジオールから、1段階で、収率良く、
生産性良く、しかも3−メチル−3−ブテニル 1,1
−ジメチル−2−プロペニル エーテルおよび3−メチ
ル−2−ブテニル 1,1−ジメチル−2−プロペニル
エーテルの副生を抑えて3−メチル−3−ブテン−1
−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールの
両方を製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、3−メチル−1,3−ブタンジオールから3−
メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−2
−ブテン−1−オールを製造する方法において、硫酸あ
るいは有機スルホン酸を触媒として、該触媒の反応液中
の濃度を10〜500ppmとし、かつ反応液中の3−
メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−2
−ブテン−1−オールの合計濃度を1.2重量%以下に
維持しつつ、生成した3−メチル−3−ブテン−1−オ
ールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールを反応
系から留去しながら反応させることを特徴とする3−メ
チル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−2−
ブテン−1−オールの併産方法を提供することによって
達成される。
【0007】前記のように従来技術では、原料である3
−メチル−1,3−ブタンジオールの蒸留条件下、すな
わち生成した3−メチル−3−ブテン−1−オールおよ
び3−メチル−2−ブテン−1−オールも留出する条件
で反応を行っても、合計収率は高々40%であったこと
から、本発明の方法により、良好な収率、かつ高い生産
性が得られたことは意外であった。さらに、本発明の方
法においては、3−メチル−3−ブテニル 1,1−ジ
メチル−2−プロペニル エーテルおよび3−メチル−
2−ブテニル 1,1−ジメチル−2−プロペニル エ
ーテルの副生が抑えられたことは、全く予想外のことで
あった。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による3−メチル−3−ブ
テン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−
オールの併産方法は、3−メチル−1,3−ブタンジオ
ールを原料として、硫酸あるいは有機スルホン酸を触媒
として、無溶媒または適当な希釈剤の存在下に、生成す
る3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチ
ル−2−ブテン−1−オールの合計濃度を1.2重量%
以下に維持しつつ、連続的に脱水反応蒸留を行わせるも
のである。
【0009】3−メチル−1,3−ブタンジオールの脱
水反応は、無溶媒または適当な希釈溶媒の存在下に実施
できるが、特に3−メチル−1,3−ブタンジオールよ
り沸点の高い多価アルコール性溶媒を希釈剤として用い
ることが好ましい。多価アルコール性溶媒としては、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコールおよびグリセリンが挙げられる。こ
のうち特にジエチレングリコールが好ましい。また、多
価アルコール性溶媒は1種類のみを用いても、2種類以
上を混合して用いてもよい。
【0010】これら多価アルコール性溶媒の使用量とし
ては、反応蒸留塔下部液(以下、これを反応蒸留ボトム
液と称することがある。)中の50重量%以上、好まし
くは95重量%以上となるようにする。また使用した溶
媒は、例えば蒸留などの方法により反応蒸留ボトム液か
ら回収し、繰り返して使用することができる。
【0011】本発明に用いられる3−メチル−1,3−
ブタンジオールの脱水反応の酸触媒としては、硫酸ある
いは脂肪族および芳香族スルホン酸が採用される。これ
らのうち、硫酸、ベンゼンスルホン酸およびパラトルエ
ンスルホン酸が好ましい。また、これら酸触媒の使用量
としては、触媒の酸強度、反応温度、所望の反応速度に
より異なるが、いずれの酸触媒でも、反応蒸留ボトム液
中の濃度が10〜500ppmの範囲で工業的に有利な
生産性を達成する事が可能である。
【0012】本発明における反応温度は、50〜250
℃の範囲、好ましくは100〜200℃の範囲である。
また反応圧力は前述の反応蒸留ボトム液中の3−メチル
−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテ
ン−1−オールの濃度を保つために、反応温度に応じて
適宜設定する事ができる。
【0013】このようにして得られた反応蒸留の粗留出
液を、例えば蒸留精製などの方法により精製すれば、高
純度の3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−
メチル−2−ブテン−1−オールを得ることができる。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0015】実施例1 温度計、撹拌機、原料フィード口ならびに上部に高沸成
分還流部分および留出口を有する、100mlの3つ口
フラスコに、3−メチル−1,3−ブタンジオールを
1.25g、ジエチレングリコールを23.75g(9
5重量%)およびp−トルエンスルホン酸0.001g
(40ppm)を入れた。圧力を50mmHgまで減圧
にし、溶媒を撹拌しながら加温し内温155℃となった
時点で、3−メチル−1,3−ブタンジオールを20g
/時の速度でフィードし始め、同時に留出口より留出液
を採取し始めた。この時、3−メチル−1,3−ブタン
ジオールの一部およびジエチレングリコールの一部は高
沸成分還流部分にて還流状態となった。4時間の反応の
後、80.0gの留出液を得た。この留出液を分析した
結果、留出液中に含まれる3−メチル−1,3−ブタン
ジオールは4.0g(ジオール転化率95%)、3−メ
チル−3−ブテン−1−オール41.5g(選択率66
%)、3−メチル−2−ブテン−1−オール10.0g
(選択率16%)、イソプレン4.5g(選択率9%)
であった。また、3−メチル−3−ブテン−1−オール
と近似沸点となるエーテル体である、3−メチル−3−
ブテニル1,1−ジメチル−2−プロペニル エーテル
および3−メチル−2−ブテニル 1,1−ジメチル−
2−プロペニル エーテルは0.2g(選択率0.4
%)生成していた。また、触媒モル当たり、単位時間当
たりの3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−
メチル−2−ブテン−1−オールの生成量で示される触
媒活性は2.5×106g/触媒モル・hrであった。
反応を通じて反応蒸留ボトム液中の3−メチル−1,3
−ブタンジオール濃度は5重量%以下であり、反応蒸留
ボトム液中の3−メチル−3−ブテン−1−オールと3
−メチル−2−ブテン−1−オールの合計濃度は0.5
重量%以下に保たれていた。留出液中のジエチレングリ
コールは0.8gで留出液の1重量%に相当し、ジエチ
レングリコールが脱水して生成した低沸成分は確認され
なかった。
【0016】実施例2〜4 実施例1において、表1に示す多価アルコール性溶媒、
溶媒仕込濃度、p−トルエンスルホン酸濃度、温度、圧
力を採用した以外は実施例1と同様の操作を行って、3
−メチル−1,3−ブタンジオールの脱水反応を行い3
−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−
2−ブテン−1−オールを得た。なお、原料3−メチル
−1,3−ブタンジオールのフィード速度を留出量に応
じて調製することにより、反応蒸留ボトム液の総量と多
価アルコール性溶媒濃度は仕込状態を維持した。また反
応を通じて反応蒸留ボトム中の3−メチル−3−ブテン
−1−オールと3−メチル−2−ブテン−1−オールの
合計濃度は0.5重量%以下に保たれていた。これらの
反応成績を表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】実施例5 実施例1で用いた反応装置を使用し、反応蒸留ボトム仕
込み3−メチル−1,3−ブタンジオール25g、p−
トルエンスルホン酸0.0088g(350ppm)、
圧力90mmHg、温度140℃を採用した以外は実施
例1と同様の操作を行う事により3−メチル−3−ブテ
ン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オ
ールを得た。このとき3−メチル−3−ブテン−1−オ
ールの選択率67%、3−メチル−2−ブテン−1−オ
ールの選択率12%、イソプレンの選択率13%、近似
沸点エーテル体の選択率2%であった。また反応蒸留ボ
トム中の3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3
−メチル−2−ブテン−1−オールの合計濃度は1.2
重量%であった。
【0020】比較例1 実施例1で用いた反応装置を使用し、反応蒸留ボトム仕
込み3−メチル−1,3−ブタンジオール25g、p−
トルエンスルホン酸0.0025g(100ppm)、
圧力760mmHg、温度180℃を採用した以外は実
施例1と同様の操作を行う事により3−メチル−3−ブ
テン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−
オールを得た。このとき3−メチル−3−ブテン−1−
オールの選択率51%、3−メチル−2−ブテン−1−
オールの選択率5%、イソプレンの選択率30%、近似
沸点エーテル体の選択率7%であった。また反応蒸留ボ
トム中の3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3
−メチル−2−ブテン−1−オールの合計濃度は5重量
%であった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、3−メチル−1,3−
ブタンジオールから、3−メチル−3−ブテン−1−オ
ールと3−メチル−2−ブテン−1−オールの両方を1
段階で、収率良く、生産性高く製造することができ、し
かも3−メチル−3−ブテン−1−オールと近似沸点と
なり3−メチル−3−ブテン−1−オールから3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオールを製造する反応に悪影響
を与える不純物であるエーテル類の副生を抑制すること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−メチル−1,3−ブタンジオールか
    ら3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチ
    ル−2−ブテン−1−オールを製造する方法において、
    硫酸または有機スルホン酸を触媒として、該触媒の反応
    液中の濃度を10〜500ppmとし、かつ反応液中の
    3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル
    −2−ブテン−1−オールの合計濃度を1.2重量%以
    下に維持しつつ、生成した3−メチル−3−ブテン−1
    −オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールを
    反応系から留去しながら反応させることを特徴とする3
    −メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−
    2−ブテン−1−オールの併産方法。
  2. 【請求項2】 ジエチレングリコール、トリエチレング
    リコール、テトラエチレングリコールおよびグリセリン
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコー
    ル性溶媒を反応溶媒として用いる請求項1記載の併産方
    法。
JP15941197A 1997-06-17 1997-06-17 3−メチル−3−ブテン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテン−1−オールの併産方法 Pending JPH115758A (ja)

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