JPH1156859A - 組織固定装置 - Google Patents

組織固定装置

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JPH1156859A
JPH1156859A JP9222377A JP22237797A JPH1156859A JP H1156859 A JPH1156859 A JP H1156859A JP 9222377 A JP9222377 A JP 9222377A JP 22237797 A JP22237797 A JP 22237797A JP H1156859 A JPH1156859 A JP H1156859A
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stapler
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浩樹 日比野
Akihiro Horii
章弘 堀井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】組織の目的部位を確実かつ簡単に挟んで固定で
き、またはさみ体が破損することなく、安全性を向上で
きる組織固定装置を提供することにある。 【解決手段】体腔内に挿入される挿入部2と、この挿入
部2に設けられた収容室4と、この収容室4に収容され
ているときには収容室4の形状に変形して収容され、挿
入部2の外部に突出するとあらかじめ記憶された記憶形
状に復元する超弾性合金製のはさみ体3と、この収容室
4から前記はさみ体3を1個づつ順次前記挿入部2の外
部に突出させる押し棒5とから構成したことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生体の体腔内に
挿入し、生体組織の目的部位をはさみ体によって固定す
る組織固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内視鏡的または腹腔鏡的に処置具
を体腔内に挿入し、脈管や組織の一部をはさみ固定する
外科用クリップは、例えば、特開平6−133977号
公報で知られている。また、シャトルに接続されたシャ
トル側の縫合糸と針側の縫合糸とで組織を縫合する手術
用縫合器は、例えば、特開昭57−170240号公報
で知られている。
【0003】また、近年、胆嚢摘出術などの、体腔内で
内視鏡で観察し、処置具類により臓器を操作して処置を
行う内視鏡下外科手術が盛んになっている。内視鏡下外
科手術では、縫合を容易に行うため、外科用のステープ
ラが多く用いられている。例えば、USP478738
7には、一般的な外科用ステープラの構造が示されてい
る。この外科用ステープラはステープルをアンビルとブ
レードを用いて変形させながら体内に刺入することで、
片側から固定することが可能になっている。
【0004】また、USP5026390には、切開面
を圧接させる力が常に生じるように、ステープルにバネ
性を有するものが示されている。また、特開昭63−2
03149号公報には、ステープルを抜去するときに組
織を傷つけないために、ステープルの先端部分を生体吸
収性材料で構成された物が示されている。
【0005】また、USP4485816には、ステー
プルを高温で楔型の記憶形状に復帰する形状記憶合金を
用い、ステープラに加熱手段を設け、ステープラの刺入
部分の構造を簡略化したものが示されている。
【0006】また、USP5413584には、体腔内
に挿入するためのポートであるトラカール径に比して大
きなステープラを実現するために、ステープルをΩ型に
変形させた物が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平6−133977号公報は、クリップを無理に変形
させるため、クリップが破損する危険がある。またクリ
ップを所定の形状に変形させる機構をクリップセッター
の先端部に設けているため構造が複雑になるという問題
がある。また、特開昭57−170240号公報のもの
は、針を何度も組織に突き刺し、抜く作業をしなければ
ならず縫合作業が煩雑であった。
【0008】また、USP4787387に示されるよ
うな、一般的な外科用ステープラでは、ステープルの形
状および周辺の組織の固定力は、ステープルが組織に刺
入された時点で固定される。そのため、ステープルで強
く止めすぎ組織が座滅し、その結果その部位の壊死を招
いたり、不十分な固定で組織が密着せず縫合不全になる
可能性がある。また、ステープル先端部が組織に深く食
い込んでいるので抜去時に組織を傷つける可能性があ
る。さらに、片側からステープラを固定するために、ス
テープラにステープルをアンビルとブレードを用いて変
形させながら体内に刺入するための複雑な機構が必要に
なっている。
【0009】USP5026390は、切開面を圧接さ
せる力が常に生じるように、ステープルにバネ性をもた
せたものでは、組織の座滅や縫合不全を防止できるが、
ステープルの形状が複雑なため、製造が容易でなく、ス
テープルを弾性変形させるためのステープラの構造も複
雑になるという欠点がある。
【0010】特開昭63−203149号公報は、ステ
ープルの先端部分を生体吸収性材料で構成された物で
は、ステープラ抜去時には、組織に深く食い込んだステ
ープル先端部が吸収されるため、抜去時に組織を傷つけ
ることはない。しかし、金属と生体吸収性材料の2つの
材料を接合するため製造工程が複雑になる。
【0011】USP4485816に示される、ステー
プルを高温で楔型の記憶形状に復帰する形状記憶合金で
構成したものは、ステープル自身がステープラの加熱手
段で変形するためステープルを変形するための複雑な機
構が不要である。しかし、体腔内でステープラを加熱す
ることで、周囲組織を熱損傷させる可能性が有るという
欠点を持つ。
【0012】USP5413584では、ステープルを
Ω型に変形させることで、体腔内に挿入するためのポー
トであるトラカール径に比して大きなステープルを用い
ることを可能にしているが、Ω型のステープラを通常の
ステープル形状に復帰させ刺入するためにステープラの
機構が複雑になるという欠点を有する。
【0013】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、組織の目的部位を確
実かつ簡単に挟んで固定でき、またはさみ体が破損する
ことなく、安全性の高い組織固定装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、体腔内に挿入される挿入部と、この挿
入部に設けられた収容室と、この収容室に複数収容さ
れ、収容室に収容されているときには収容室の形状に変
形して収容され、挿入部の外部に突出するとあらかじめ
記憶された記憶形状に復元する超弾性合金製のはさみ体
と、前記収容室から前記はさみ体を1個づつ順次前記挿
入部の外部に突出させる手段とを具備したことを特徴と
する組織固定装置にある。
【0015】前記構成によれば、はさみ体が複数個収容
された収容室を有する挿入部を体腔内に挿入し、組織の
被対象物に正対する。そして、はさみ体を収容室から突
出させると、はさみ体の拘束力が解除され、記憶形状に
復元して被対象物をはさみ固定する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の各実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1及び図2は第1の実施形
態を示し、図1は組織固定装置としてのはさみ装置1の
縦断側面図である。はさみ装置1は、体腔内に挿入され
る筒状の挿入部2を有している。挿入部2内には室温で
超弾性を示す超弾性合金(SEA)製の直線状のはさみ
体3が縦列状態に複数個収容可能な収容室4が設けられ
ている。
【0017】挿入部2の手元側から収容室4内に挿入可
能で、はさみ体3を手元側から押し、収容室4からはさ
み体3を押し出す押し棒5が設けられている。また、挿
入部2の先端部にはさみ体3が容易に収容室4から脱落
しないように内側に突出するストッパ2aが設けられて
いる。また、はさみ体3の先端部には挿入部2のストッ
パ2aと当接する突起部3aが設けられる。
【0018】はさみ体3は、図2に示すように、収容室
4から突出したとき、直線状が二つ折りに変形する形状
になるように型を用いて拘束し、高温で形状を記憶させ
ることで容易に製作できる。これを室温で収容室4の形
状に合わせ、直線状に変形させつつ収容室4に装填して
いる。
【0019】次に、本実施形態の作用について説明する
と、はさみ体3が複数個収容されたはさみ装置1の挿入
部2の先端側を体腔内に挿入し、組織の被対象物に正対
する。そして、手元側の押し棒5を押すと、収容室4に
縦列状態に収容されたはさみ体3のうち、最前端のはさ
み体3の突起部3aはストッパ2aから外れて収容室4
から突出する。はさみ体3が収容室4から突出して拘束
力が解除されると、記憶形状に復元し、図2(b)の形
状に変形する。はさみ体3が直線状から二つ折りに変形
するとき、つまり記憶形状に復元するとき、組織の被対
象物Aをはさみ固定する。
【0020】なお、はさみ体3の形状は前記実施形態に
限定されるものではなく、例えば図3(a)の変形例に
示すように、二つ折りで拡開した線材からなるはさみ体
6が収容室4から突出して拘束力が解除されると、記憶
形状に復元し、図3(b)の形状に変形して被対象物A
をはさみ固定するようにしてもよい。
【0021】図4及び図5は第2の実施形態を示し、図
4は組織固定装置としての縫合装置10の縦断側面図で
ある。縫合装置10は、体腔内に挿入されるパイプ状の
挿入部11と、この挿入部11の内部の収容室12に挿
通された超弾性合金からなるSEAパイプ針13とから
なり、挿入部11の基端部とSEAパイプ針13の基端
部にはそれぞれハンドル11a,13aが設けられてい
る。さらに、SEAパイプ針13内には縫合糸14が挿
入され、この縫合糸14の先端には先端チップ15が固
着されている。また、SEAパイプ針13の基端部には
V字状のスリット16が設けられ、このスリット16に
は縫合糸14が掛止されている。
【0022】SEAパイプ針13は、図5に示すように
螺旋形状になるように型を用いて拘束し、高温で形状を
記憶させることで容易に製作できる。これを室温で収容
室12の形状に合わせ、直線状に変形させつつ収容室1
2に挿通する。その後、縫合糸14をSEAパイプ針1
3内に挿通し、先端チップ15をSEAパイプ針13に
当接せしめる。
【0023】次に、本実施形態の作用について説明する
と、縫合装置10の挿入部11を体腔内に挿入し、被縫
合対象部Bに正対する。そして、ハンドル11a,13
aを握って接近させると、SEAパイプ針13は収容室
12から突出するとともに記憶形状に復元し、図5に示
すように、螺旋形状に変形する。
【0024】その後、先端チップ15を図示しない把持
鉗子で保持し、ハンドル11a,13aを開くと、SE
Aパイプ針13は収容室12に収容され、被縫合対象部
Bは縫合糸14によって縫合される。
【0025】なお、前記実施形態においては、縫合糸1
4の先端に先端チップ15を固着したが、図6(a)の
変形例に示すように、先端チップ15に代わりに樹脂リ
ング17を用いても良い。この場合は、先端チップ15
が無いので、把持鉗子によって縫合糸14を把持する。
その後、SEAパイプ針13の手元側から樹脂リング1
7を挿入してSEAパイプ針13から突出させる。そし
て、図6(b)に示すように、電気メス等で樹脂リング
17と縫合糸14とを溶着させる。そして、SEAパイ
プ針13を収容室12に収容した後、縫合糸14によっ
て縫合する。なお、最後に縫合糸14を結ぶ代わりに縫
合糸14を溶着しても良い。
【0026】図7及び図8はバイポーラ式電気メス装置
30を示し、このバイポーラ式電気メス装置30は、パ
イプ状の挿入部31と、挿入部31の手元側に設けられ
た操作部32と、挿入部31の先端部に設けられた電極
33及びSEA電極34から構成されている。操作部3
2には電極33及びSEA電極34とそれぞれ電気的に
接続するバイポーラコネクタ35,36が設けられてい
る。さらに、操作部32は電極33及びSEA電極34
を電気的にON/OFFするスイッチ37が設けられて
いる。
【0027】SEA電極34は、図7で示すように略C
字形状になるように型を用いて拘束し、高温で形状を記
憶させることで容易に製作できる。これを室温で挿入部
31の内部に形成された収容室31aの形状に合わせ、
変形させつつ収容室31aに収容する。
【0028】そして、図8(a)に示すように、電極3
3及びSEA電極34を収容室31aに収容した状態
で、挿入部31を体腔内に挿入する。その後、電極33
及びSEA電極34を収容室31aから突出すると、図
8(b)に示すように、SEA電極34は記憶された形
状に復元して収容室31aの内径より十分大きな大きさ
となる。したがって、挿入部31の径に比較して非常に
大きな面積が処置可能となる。
【0029】図9(a)は電気メス装置40を示し、こ
の電気メス装置40は、挿入部41とループ状の電極4
2とから構成されている。挿入部41には電極42が突
没自在に挿通されている。電極42はループ部43とそ
の先端側に把持部44が設けられている。
【0030】したがって、挿入部41を体腔内に挿入
し、ループ部43内にポリープCを入れ、電極42を挿
入部41内に引き込むと、図9(b)のようになる。こ
こで、電極42に通電すると、ポリープCが切除され
る。そして、図9(c)に示すように、切除されたポリ
ープCは把持部44に把持され、次のポリープC´を切
除する時にも前のポリープCは把持部44に把持される
ため、これを順次繰り返せば複数のポリープCを把持部
44に把持することができる。
【0031】なお、図10に示すように、電極42に把
持部44を設ける代わりに切除したポリープCを回収す
る回収袋44aを設けてもよい。前述した実施の形態に
よれば、次のような構成が得られる。
【0032】(付記1)体腔内に挿入される挿入部と、
この挿入部に設けられた収容室と、この収容室に複数収
容され、収容室に収容されているときには収容室の形状
に変形して収容され、挿入部の外部に突出するとあらか
じめ記憶された記憶形状に復元する超弾性合金製のはさ
み体と、前記収容室から前記はさみ体を1個づつ順次前
記挿入部の外部に突出させる手段とを具備したことを特
徴とする組織固定装置。
【0033】(付記2)はさみ体は、クリップであるこ
とを特徴とする付記1記載の組織固定装置。 (付記3)はさみ体は、棒状であることを特徴とする付
記1記載の組織固定装置。 (付記4)はさみ体は、ストッパを有することを特徴と
する付記1記載の組織固定装置。 (付記5)挿入部は、先端にはさみ体と当接するストッ
パを有することを特徴とする付記1記載の組織固定装
置。 (付記6)はさみ体を突出させる手段は、収容室に挿通
可能な押し棒であることを特徴とする付記1記載の組織
固定装置。
【0034】(付記7)挿入部と、この挿入部内に設け
られた収容室と、この収容室に突没自在に設けられ、前
記収容室内に収容されている時は収容室の形状に変形さ
れ、収容室から突出した際にあらかじめ記憶されたコイ
ル状に復元する超弾性合金製パイプ針と、このパイプ針
内を挿通する縫合糸からなることを特徴とする縫合装
置。 (付記8)縫合糸は、先端に先端チップが設けられるこ
とを特徴とする付記7記載の縫合装置。 (付記9)先端チップは、挿入部の先端に当接可能であ
ることを特徴とする付記7または8記載の縫合装置。 (付記10)先端チップは、先端側が鋭利な形状である
ことを特徴とする付記7、8または9記載の縫合装置。
【0035】図11〜図13は単純な構成で連続的なス
テープリング操作を可能にし、トラカール径に比して大
きなステープルを刺入できるステープルおよびステープ
ラを示し、組織を座滅させること無く、一定の固定力で
組織を圧接し、組織を確実に密着させ癒合させ、また抜
去時に組織を傷つけないように構成したものである。
【0036】図11はステープル51の構造を示す。ス
テープル51は室温で超弾性をしめす超弾性合金で構成
されている。ステープル51は2本の刺入部52とブリ
ッジ部53とから構成されている。刺入部52は内側に
向いている。ブリッジ部53中央には内側に僅かに湾曲
した湾曲支点54が設けられている。このようなステー
プル51は超弾性合金の単線を図11のような形状にな
るような型を用いて拘束し、高温で形状を記憶させるこ
とで容易に製造できる。
【0037】図12はステープル51を用いたステープ
ラ55の構成を示す。図12(a)はステープラ55の
縦断面図、図12(b)は横断面図を示す。ステープラ
55は、横長の腔をもつ中空部材56と、ステープル5
1、中空部材56の内部を上下に進退できる押し部材5
7とから構成されている。ステープル1は、湾曲支点4
を中心に横方向に圧縮された状態で中空部材56に収納
されている。
【0038】次に、作用について説明すると、図13
(a)は押し部材57によってステープル51を中空部
材56の中間まで押し出した状態を示す。ステープル5
1は中空部材56の拘束から徐々に解かれ、ステープル
刺入部52が開き、組織に刺入される。図13(b)は
ステープル51のブリッジ部53が中空部材56から押
し出された状態を示す。ステープル51は元の形状に復
帰しようとするため、組織58を切開面59で圧接しよ
うとする力が働く。図13(c)はステープル51が組
織58に完全に刺入された状態を示す。超弾性合金には
変位がある一定以上になると抗力が一定になる性質があ
るため、切開面59には一定以上の力はかからず、また
圧接する力が持続して働く。また、ステープル51は、
図13(c)の状態でプリッジ部53を上部に引くこと
で組織を傷つけることなく、容易に抜去される。
【0039】本ステープラ55によれば、超弾性合金を
用いたステープル51のバネ力によって一定の力で切開
面59の組織58が密着することで、過度の力で座滅し
たり、力が過小のため縫合不全になることを防止すると
いう効果を持つ。また、組織癒合後、ステープル51を
引き抜いても組織58を傷つけることがないという効果
を有する。また、ステープラ55に関しては、幅の大き
なステープル51を圧縮して中空部材56に収納するた
め、ステープラ51の外径を越える幅のステープリング
を行うことができる。また、ステープル51を変形する
ための複雑な機構なく、連続的に組織にステープル51
を刺入できるという効果を有する。
【0040】次に、前記ステープラ55と同様に超弾性
合金の変位がある一定以上になると抗力が一定になると
いう性質を利用したバネを用いて血管吻合を容易に行う
ことができる血管吻合器を示す。
【0041】図14は、血管吻合器の構成を示す。血管
吻合器は、血管60を裏返して保持するための保持部6
1と、超弾性合金のバネで構成される嵌合部62とから
構成されている。嵌合部62は複数のスリット63を有
し、スリット63で分割されたバネ部64がバネ性を有
している。
【0042】次に、作用について説明すると、図14
(b)に示すように、血管60の一方の端部65を裏返
して保持部61に取り付け、血管60の内面同士が接す
るように、他方の端部66を重ねる。その後、嵌合部6
2を血管60の重なった部分に移動させることで、バネ
部64の超弾性によるバネ力によって血管60の内面同
士が一定の力で密着される。
【0043】したがって、単純な構成の血管吻合器で、
針糸で縫合するような微細な操作をせずに血管を吻合で
きるという効果を有する。超弾性合金のバネ性を用いた
一定の力による圧接により、圧接が不十分なための血管
の結合のゆるみや過度の力による座滅が発生しないとい
う効果を有する。
【0044】前記実施の形態によれば、次のような構成
が得られる。 (付記11)少なくとも一部分が超弾性合金で構成され
ていることを特徴とする外科用ステープル。 (付記12)先端刺入部が内側に向いた形状であること
を特徴とする付記11記載の外科用ステープル。 (付記13)細長い中空部材と、中空部材の径に対して
大きな幅を持ち、幅方向に圧縮された状態で中空部材に
収納された外科用ステープルと、このステープルと接し
中空部材に対して進退可能な押し部材とから構成されて
いることを特徴とする外科用ステープラ。
【0045】付記11,12によれば、ステープルを超
弾性合金で構成することによって、超弾性合金のバネ力
によって一定の力で切開面の組織を密着させることがで
きる。したがって、超弾性合金を用いたステープラのバ
ネ力によって一定の力で切開面の組織が密着すること
で、過度の力で座滅したり、力が過小のため縫合不全に
なることを防止でき、また、組織癒合後、ステープルを
引き抜いても組織を傷つけることがないという効果があ
る。
【0046】付記13によれば、超弾性合金で構成した
幅の大きなステープルを圧縮して中空部材に収納し、そ
れを押し出し部材で押し出すことで、連続的に組織にス
テープルを組織に刺入することができる。したがって、
トラカールの径を超える幅のステープリングを行うこと
ができ、また、ステープルを変形するための複雑な機構
なく、連続的に組織にステープルを刺入できるという効
果がある。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、はさみ体が複数個収容された収容室を有する挿入部
を体腔内に挿入し、組織の被対象物に正対し、はさみ体
を収容室から突出させると、はさみ体の拘束力が解除さ
れ、記憶形状に復元して被対象物をはさみ固定すること
ができ、組織の目的部位を確実かつ簡単に挟んで固定で
き、またはさみ体が破損することなく、安全性を向上で
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示すはさみ装置の
縦断側面図。
【図2】同実施形態の作用説明図。
【図3】同実施形態の変形例を示す作用説明図。
【図4】この発明の第2の実施形態を示すはさみ装置の
縦断側面図。
【図5】同実施形態の作用説明図。
【図6】同実施形態の変形例を示す作用説明図。
【図7】外科用ステープラの斜視図。
【図8】外科用ステープラの作用説明図。
【図9】電気メス装置の作用説明図。
【図10】電気メス装置の変形例を示す斜視図。
【図11】ステープルを示す正面図
【図12】ステープルを用いたステープラを示し、
(a)はステープラの縦断面図、(b)は同横断面図。
【図13】(a)〜(c)はステープラの作用説明図。
【図14】血管吻合器を示し、(a)は斜視図、(b)
は縦断側面図。
【符号の説明】
2…挿入部 3…はさみ体 4…収容室 5…押し棒

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内に挿入される挿入部と、この挿入
    部に設けられた収容室と、この収容室に複数収容され、
    収容室に収容されているときには収容室の形状に変形し
    て収容され、挿入部の外部に突出するとあらかじめ記憶
    された記憶形状に復元する超弾性合金製のはさみ体と、
    前記収容室から前記はさみ体を1個づつ順次前記挿入部
    の外部に突出させる手段とを具備したことを特徴とする
    組織固定装置。
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