JPH1156848A - 超音波診断装置およびその制御方法 - Google Patents

超音波診断装置およびその制御方法

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JPH1156848A
JPH1156848A JP2689298A JP2689298A JPH1156848A JP H1156848 A JPH1156848 A JP H1156848A JP 2689298 A JP2689298 A JP 2689298A JP 2689298 A JP2689298 A JP 2689298A JP H1156848 A JPH1156848 A JP H1156848A
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Ichiro Shigemori
一郎 重森
Hiromi Ito
博巳 伊藤
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Aloka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数モードの被検体情報を複合表示したと
き、被検体情報ごとに時相がずれる。 【解決手段】 送受信器4から出力された受信信号に対
し、Mモード、Dモード、自己相関式ドプラモードの信
号処理が施され、処理結果がラインメモリ16に入力さ
れる。モード間の処理時間の相違に起因して、ラインメ
モリ16内の被検体情報間には時相のずれがある。最も
処理時間の長いDモードを基準として、FIFOメモリ
にて他のモードのデータに遅延が与えられる。この同期
処理により、時相ずれが補正される。生体信号について
も同様の処理により、時相ずれを補正できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波診断装置お
よびその制御方法、特に、Dモード、Mモードなどの異
なる受信信号処理モードで得られた被検体情報や、心電
波形などの生体信号を同時に複合表示する超音波診断装
置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波パルスを被検体に送信し、
被検体内で反射された超音波を受信し、受信波を処理し
て被検体内情報を取得する超音波診断装置が周知であ
る。被検体情報の時間変化を明確に表示するためには、
Mモードに代表されるように、画面の一方向に時間軸を
設定する。そして、時間経過とともに次々と得られる被
検体情報を時間軸方向に並べて表示する。このとき、画
像を時間軸方向にスクロールしてもよく、また、スクロ
ールはせずに、順次得られる被検体情報を書き足してい
ってもよい。このような被検体情報の時間変化の表示を
掃引表示(スイープ表示)といい、表示される画像を掃
引画像(スイープ画像)という。
【0003】また、超音波の送受信により得られる被検
体情報の他の表示形式としては、Bモードのような断層
画像がある。この超音波断層画像は、超音波ビームが送
受信される領域の2次元的な情報である。この場合、画
面上には時間軸は設定されず、被検体情報の時間変化は
超音波断層画像の動画として表現される。
【0004】超音波診断装置では、受信信号を処理する
処理モードを変えることにより、異なる各種の被検体情
報が得られる。例えば、Mモードでは、ある特定の走査
線上の被検体の形状(一次元的な形状)の時間変化が得
られる。また、自己相関式ドプラモードでは、自己相関
手法を用いた信号処理により血流の平均流速と方向が得
られる。ある走査線上の血流情報を検出し、この情報に
平均流速や方向を示す色づけをして、上記のMモード画
像に重ねて表示することが行われる(以下、ドプラ・M
モード表示という)。ドプラ・Mモード表示には、血流
の速度と被検体の形態の双方が同時に把握できるという
利点がある。ただし、平均流速しか表示されないので定
量的な診断には向かない。
【0005】一方、フーリエ変換を用いた信号処理を行
うドプラモード(以下、Dモードという)では、血流の
反射強度のパワースペクトルが得られる。血流の最高速
度が分かるので定量的な診断が可能である。ただし、パ
ワースペクトルは被検体内の一カ所の情報を示すものな
ので、被検体の形態と血流を同時に把握することはでき
ない。
【0006】また、Bモードでは、超音波エコーの強弱
に応じた濃淡で表される断層画像が得られ、体内組織の
形状を視覚的に把握することが可能となる。
【0007】このように、各モードにはそれぞれの特徴
がある。また、超音波の送受信とともに、心時相や異常
を端的に表す心電波形などの生体信号を表示すると便利
である。そこで、複数の被検体情報や生体信号を同時に
表示する複合表示が行われる。例えば、画面を上下に複
数段に分け、ある段にはドプラ・Mモード画像を表示
し、他の段にはDモード画像を表示し、さらに別の段に
は生体信号を表示する。また、他の例としてはBモード
画像を画面のある領域に表示し、他の領域に生体信号を
表示する。このような複合表示により、被検体の状態を
多面的に捉えることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、処理モードご
とに、受信信号を処理するのにかかる処理時間が大きく
異なる。ドプラモード用の解析器では、マイクロプロセ
ッサにて血流速度の時間的な相関などを利用した様々な
処理が行われるため、受信信号の入力から解析結果の出
力までに例えば数十〜数百msの時間がかかる。一方、
Mモードでは、簡単な処理のみが行われるので、信号処
理にほとんど時間がかからない。生体信号の応答時間も
極めて短い。従って、単に複合表示のために複数種類の
被検体情報や生体信号を合成すると、同一時相の情報が
あたかも異なる時刻に得られたように表示されることに
なる。例えば、上記の掃引表示では、同一時相の情報が
時間軸上で異なる位置に表示され、表示に違和感が生じ
る。また、断層画像と掃引画像とを合成表示する場合
も、例えば画面上に現在時刻の断層画像として表示され
ている情報と、生体信号波形の時間軸上の現在時刻に示
される情報とが、一般には両表示を形成するための処理
時間が相違することによって、互いに異なるタイミング
のものとなる。
【0009】図7には、複合表示のための信号処理のタ
イムチャートの一例が示されている。超音波送受信は、
時分割制御により、1サイクル中にDモード、Mモー
ド、自己相関式ドプラモードの順番で順次行われ、Dモ
ード用解析器、Mモード用AD変換器、自己相関式ドプ
ラモード用解析器に入力される。ここでは、Dモードの
処理には送受信の2サイクル分の時間がかかり、Mモー
ドの処理には殆ど時間がかからず、自己相関式ドプラモ
ードの処理には、送受信の1サイクル分の時間がかかる
ものと仮定する。この処理時間の相違により、図示のよ
うに、1つのサイクルの受信信号に対する処理結果の出
力タイミングが、処理モードごとに異なってしまう。こ
のような出力信号をそのまま合成して表示すると、異な
るサイクルの被検体情報が同時に表示されてしまう。掃
引画像では、異なるサイクルの被検体情報が時間軸上の
同位置に現れる。
【0010】以上のように、複合表示では、複数の被検
体情報や生体信号を同時に表示することにより、被検体
を多面的に捉えることができるという利点がある。しか
し、処理モードごとの処理時間の相違に起因して、被検
体情報や生体信号の表示に時相のずれが生じてしまうと
いう問題がある。このように、情報間にタイミングのず
れが生じると、複数の情報を用いて総合的により正確
に、または容易に被検体に対する診断を行うという複合
表示の利点が損なわれてしまうおそれがある。ここで
は、DモードとMモードの複合表示の例を取り上げて説
明したが、他のモードを使った複合表示に関しても同様
の問題が生じる。
【0011】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
ある。その目的は、複数の被検体情報や生体信号を複合
表示するときに、表示された被検体情報や生体信号の間
の時相ずれの発生を回避できる超音波診断装置、および
その制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の超音波診断装置は、複数の処理モードの
被検体情報の時間変化を同時に表示する複合画像表示を
行う装置であって、前記複数の処理モードに対応した超
音波送受信を時分割制御により順次行う送受信部と、そ
れぞれ異なる処理モードの信号処理を行って被検体情報
を取得する複数の受信信号処理部と、前記複数の受信信
号処理部での処理時間の相違に基づいて、一部または全
部の前記被検体情報に遅延を与え、前記複数の処理モー
ドの被検体情報を同期させる同期処理部と、同期処理後
の被検体情報を基に、前記複数の処理モードの被検体情
報の時相が一致した複合画像を生成する複合画像生成部
とを含む。
【0013】本発明によれば、時分割制御で順次受信さ
れる受信信号に対し、それぞれ異なる処理モードの処理
が行われる。モードごとに処理時間が異なるため、受信
信号処理部での処理が終了した時点では、複数の被検体
情報の時相がずれている。そこで、受信信号処理部が、
処理時間の相違に基づいて、一部または全部の前記被検
体情報に遅延を与え、複数の処理モードの被検体情報を
同期させる。例えば、最も処理時間の遅いモードに合わ
せて他のモードの処理結果に遅延を与える。この同期処
理により、時分割制御での送受信の時間差分のずれはあ
るものの、複数の被検体情報の時相がほぼ一致する。同
期処理後の被検体情報を合成すれば、被検体情報間に時
相ずれのない複合画像が得られるので、違和感のない複
合表示が実現される。
【0014】本発明の一態様において、好ましくは、上
記の同期処理部は、前記複数の受信信号処理部での処理
結果の被検体情報を一時的に記憶する一時記憶部と、複
合画像の表示変更速度に応じた読出タイミングで前記一
時記憶部から被検体情報を読み出す読出制御部と、前記
一時記憶部から読み出された被検体情報に、処理モード
に応じた遅延を与える遅延処理部とを含む。表示変更速
度は、例えば、掃引表示において画像を掃引していく速
度である。
【0015】本発明では、受信信号処理部での処理結果
が一時記憶部へ書き込まれる。書込タイミングは、読出
タイミングの間の任意の時期に設定すればよい。一時記
憶部からは、複合画像の表示変更速度に応じた読出タイ
ミングで被検体情報が読み出され、この読み出された被
検体情報に対して同期用の遅延処理が行われる。上記の
一時記憶部や読出制御部を設けたことにより、受信信号
処理部からの出力タイミングを考慮せず、表示変更速度
を基準として同期のための遅延処理を行えばよい。
【0016】ここで、本発明の一時記憶部や読出制御部
を設けない場合、表示変更速度の他に複数の受信処理部
のそれぞれからの出力タイミングを考慮して、どれくら
いの遅延量を与えると被検体情報が同期するかを求める
ことが必要になる。受信処理部からの出力タイミング
は、超音波送受信の送信パルスの間隔に依存する。送信
パルスのレートと表示変更速度は異なっており、また、
装置によっては、送信パルス間隔や表示変更速度が可変
設定される。従って、受信処理部の出力タイミングと表
示変更速度を考慮すると、同期処理のための遅延時間の
制御がかなり複雑である。しかし、本発明では、上記の
一時記憶部や読出制御部を設けたので、表示変更速度を
基準に同期のための遅延処理を行えばよく、被検体情報
の時相ずれの補正を極めて容易に行うことができる。
【0017】また、本発明の一態様の超音波診断装置
は、好ましくは、前記受信信号処理部での信号処理条件
を処理モードごとに切り換える処理条件制御部と、前記
信号処理条件に応じて前記遅延処理部での遅延量を処理
モードごとに変更する遅延量制御部とを含む。信号処理
条件を変えると、受信信号処理部での処理時間も増減す
ることがある。本発明によれば、ある処理モードの信号
処理条件が変更されれば、それに合わせて少なくとも一
の処理モードの被検体情報に与える遅延量が変更され
る。従って、信号処理条件が変わっても、同様に時相ず
れのない複合画像表示が行われる。
【0018】例えば、ドプラ解析でのフィルタ処理のカ
ットオフ周波数を変えると処理時間も変わることが知ら
れている。このとき、ドプラモードの被検体情報に適当
な遅延を与えてもよく、あるいは、その他の被検体情報
の遅延量を適宜制御してもよい。
【0019】(2)本発明の一態様の超音波診断装置
は、超音波受信信号の信号処理を行って被検体情報を取
得する受信信号処理部と、被検体の生体信号を検出する
生体信号検出部と、前記受信信号処理部と生体信号検出
部での処理時間の相違に基づいて、前記被検体情報と前
記生体信号の少なくとも一方に遅延を与え、前記被検体
情報と前記生体情報を同期させる同期処理部と、同期処
理後の被検体情報と生体信号を同時に表示するための複
合画像を生成する複合画像生成部とを含む。本発明によ
れば、上記と同様の原理により、超音波送受信による被
検体情報と生体信号の複合画像における時相ずれが低減
する。
【0020】本発明の好適な態様では、前記受信信号処
理部が前記超音波受信信号に基づいて超音波断層画像を
生成し、前記超音波断層画像と生体信号波形とを同期を
とって表示する。特にその一態様は、前記受信信号処理
部が、前記超音波受信信号に対しBモードの信号処理を
行い、Bモードの超音波断層画像を生成するものであ
る。
【0021】(3)また、本発明の超音波診断装置の制
御方法は、それぞれ異なる処理モードの信号処理によっ
て得られた複数の被検体情報の時間変化を同時に複合表
示する方法であって、最も処理時間の長い処理モードと
他の処理モードの処理時間の差に基づいて、信号処理結
果の被検体情報の一部または全部に遅延を与えることに
より、前記複数の処理モードの被検体情報を同期させ
る。また、本発明の他の超音波診断装置の制御方法は、
超音波受信信号の信号処理によって得られた被検体情報
と、生体信号波形との時間変化を同時に複合表示する方
法であって、前記超音波受信信号から前記被検体情報を
得る信号処理と前記生体信号波形を得る信号処理との処
理時間の差に基づいて、信号処理結果の前記被検体情報
又は前記生体信号波形の少なくとも一方に遅延を与える
ことにより、前記被検体情報と前記生体信号波形とを同
期させる。このような方法により、上記に説明したのと
同様の原理により、複数の処理モードの被検体情報の間
や、被検体情報と生体信号波形との間の時相ずれが低減
する。
【0022】なお、超音波の送受信時に、複数の処理モ
ードのそれぞれに対応する送受信を時分割制御によって
順次行った場合には、複合画像においても送受信の時間
差分の時相ずれは残る。これに対し、一つの受信信号を
対象として複数モードの処理を行う場合には、上記の時
分割のための時相ずれも発生しない。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]以下、本発明の好適な実施の形態(以
下、実施形態という)について、図面を参照し説明す
る。図1は、全体構成を示すブロック図である。複数の
超音波振動素子が配列された探触子2には、送受信器4
が接続されている。送受信器4は、ドプラ解析用の超音
波周波数で超音波の送受信を探触子2に行わせる。さら
に送受信器4は、受信信号の増幅、加算処理および直交
検波処理を行い、検波後の受信信号を出力する。送受信
器4は特定の方向に超音波ビームを形成し、このビーム
に沿った走査線上の情報を取得する。また、送受信器4
は時分割制御部6により時分割制御されており、Mモー
ドのための送受信、Dモードのための送受信、自己相関
式ドプラモードのための送受信が順次繰り返して行われ
る。
【0024】送受信器4にはMモード処理器8、ドプラ
解析器10、および自己相関式ドプラ解析器12が接続
されている。Mモード処理器8は主としてADコンバー
タにより構成され、走査線上における被検体の形態の情
報(Mモードデータという)を出力する。ドプラ解析器
10は、検波処理後の受信信号に周波数変換を含む処理
を施して、走査線上の一点における血流のパワースペク
トル(以下、Dモードデータという)を出力する。自己
相関式ドプラ解析器12は、自己相関処理を含む処理を
受信信号に施して、走査線上の各位置の血流の方向や平
均速度の情報を出力する。血流の方向や平均速度は色情
報を用いて表されている。以下、自己相関式ドプラ解析
器12の出力情報をMカラーデータという。
【0025】Mモード処理器8、ドプラ解析器10およ
び自己相関式ドプラ解析器12は、第1セレクタ14に
接続されている。さらに第1セレクタ14には、生体信
号ADC(ADコンバータ)100が接続されている。
生体信号ADC100には、心電センサ102、心音セ
ンサ104、脈波センサ106から、時分割制御によ
り、心電情報、心音情報、脈波情報が順次入力される。
生体信号ADC100は、これらの情報を一まとめにし
てデジタルデータに変換し、生体データとして第1セレ
クタ14に出力する。
【0026】Mモード処理器8、ドプラ解析器10、自
己相関式ドプラ解析器12および生体信号ADC100
での処理条件は、処理条件制御部13によって制御され
ている。処理条件制御部13は、制御対象の各構成に対
して処理条件を変更させることができる。処理条件が変
わると、各構成で信号処理に要する処理時間も変わる。
処理条件制御部13は、各構成ごとに、処理条件の設定
と、その処理条件下での処理時間とを関連づけて記憶し
ている。例えば、処理条件制御部13は、ドプラ解析器
10でのフィルタのカットオフ周波数を変更することが
できるとともに、各周波数での処理時間を記憶してい
る。
【0027】第1セレクタ14における入力の切換は、
時分割制御部6によって制御されている。Mモード処理
器8、ドプラ解析器10、自己相関式ドプラ解析器12
での処理結果や生体データは、順次、第1セレクタ14
を通ってラインメモリ16に入力される。
【0028】ラインメモリ16は、書き込みと読み出し
が同時に、そして非同期に行えるメモリである。図2
は、ラインメモリ16の構成を示している。本実施形態
では、後述するように、時間軸を水平方向にとり、Dモ
ード画像、ドプラ・Mモード画像(MモードデータとM
カラーデータを重ねた画像)、生体データが3段に分け
て複合され、掃引表示される。ラインメモリ16は、時
間軸に垂直な一ライン分のデータを記憶できる容量を有
する。ラインメモリ16では、図示のごとく、Dモード
データ、Mモードデータ、Mカラーデータ、生体データ
のそれぞれのために書込み場所のアドレスが区切られて
いる。
【0029】なお、Dモード等の超音波受信信号から得
られたデータは、一次元の画像データである。一方、生
体データは、心電、心音、脈波の検出値を表すデータで
あり、画像表示の際には、この検出値に対応する位置を
プロットすることにより生体データを示すグラフが描か
れる。
【0030】ラインメモリ16への書き込みは、書込制
御部18により制御されている。書込制御部18は、時
分割制御部6から、現在処理中のデータ(第1セレクタ
14から出力されているデータ)が何であるかの情報を
受け取る。そして、書込アドレスとして、処理中のデー
タを書き込むべき領域のアドレスを発生する。ラインメ
モリ16では、発生した書込アドレスに入力データが書
き込まれる。
【0031】ラインメモリ16の出力側には、直接に第
2セレクタ30が接続されるとともに、第1FIFOメ
モリ20、第2FIFOメモリ22、および第3FIF
Oメモリ24を経由して第2セレクタ30が接続されて
いる。
【0032】ラインメモリ16からのデータの読み出し
は、読出制御部26により制御されており、この読出制
御部26は単位掃引時間発生部28に接続されている。
本実施形態の装置では、操作者により、図示しない入力
手段を用いて一画面分の長さ(CRT34の画面の横方
向長さ)の画像を掃引するのにかける時間(水平掃引時
間)が設定される。単位掃引時間発生部28は、この水
平掃引時間を水平方向のピクセル数で割った値を単位掃
引時間として発生する。従って、単位掃引時間は、掃引
表示において時間軸に垂直な新たなラインが順次書き足
されていくときの、一本のラインを書くのに費やされる
時間(掃引速度の逆数)に相当する。例えば、水平掃引
時間が2秒であり、水平方向のピクセル数が512のと
き、単位掃引時間は3.9msec(2sec/51
2)である。通常、単位掃引時間は、超音波送受信のパ
ルス間隔よりも長い。
【0033】読出制御部26は、ラインメモリ16から
データを読み出すタイミングを、単位掃引時間に基づい
て決定する。読出制御部26により、単位掃引時間毎に
ラインメモリ16のデータが読み出される。読出制御部
26は、各FIFOメモリと第2セレクタ30を制御し
ている。読出制御部26は、データごとに、そのデータ
を第2セレクタ30に直接送らせるか、あるいはいずれ
かのFIFOメモリに送らせるか(使用するFIFOメ
モリ)を選択する。読出制御部26の制御により、Dモ
ードデータは直接第2セレクタ30に入力され、Mモー
ドデータは第1FIFOメモリ20へ、Mカラーデータ
は第2FIFOメモリ22へ、生体データは第3FIF
Oメモリ24へ入力される。例えば、Mモードデータ用
のアドレスのデータを読出し中のときは、データが第1
FIFOメモリ20に入力される。
【0034】各FIFOメモリは、FIFO処理を行う
ことにより、入力データに遅延を与えた上で出力する遅
延処理部として機能する。各FIFOメモリは、1単位
掃引時間分のデータの所定数倍のデータ量に相当する容
量をもっている。そして、FIFOメモリは、FIFO
処理に使用する容量を変更することができる。従って、
各FIFOメモリは、1単位掃引時間の所定数倍を遅延
量の上限に、遅延量を可変設定できる。
【0035】第1FIFOメモリ20、第2FIFOメ
モリ22、第3FIFOメモリ24には、それぞれ、第
1遅延量制御部20a、第2遅延量制御部22a、第3
遅延量制御部24aが接続されており、これらの遅延量
制御部は処理条件制御部13と接続されている。
【0036】処理条件制御部13は、ドプラ解析器10
の処理時間を第1遅延量制御部20aへ出力する。第1
遅延量制御部20aは、第1遅延量として、入力された
処理時間に等しい遅延時間を発生する。第1FIFOメ
モリ20では、FIFO処理により、上記の第1遅延量
が与えられる。ここで、第1遅延量の設定にMモード処
理器8の処理時間を含めていないのは、Mモード処理器
8の処理時間が極めて短いからである。
【0037】また、処理条件制御部13は、ドプラ解析
器10と自己相関式ドプラ解析器12の処理時間の時間
差を第2遅延量制御部22aへ出力する。第2遅延量制
御部22aは、第2遅延量として、入力された処理時間
差に等しい遅延時間を発生する。第2FIFOメモリ2
2では、FIFO処理により、上記の第2遅延量が与え
られる。
【0038】また、第3FIFOメモリ24は、超音波
の送受信からドプラ解析器10が解析結果を出力するま
での時間と、生体データ用の各センサ102〜106で
の応答時間との時間差を、第3遅延量として発生する。
この第3遅延量が、第3FIFOメモリ24での遅延量
となる。
【0039】第2セレクタ30の切換は読出制御部26
により制御されており、Dモードデータ、Mモードデー
タ、Mカラーデータ、生体データは、順次、第2セレク
タ30を通り、DSC(デジタルスキャンコンバータ)
32に入力される。入力データは、DSC32のフレー
ムメモリに書き込まれる。この際、生体データについて
は、検出値が画像データに変換される。本装置では、操
作者により、図示しない入力手段を用いて、心電、心
音、脈波のどれ(複数でもよい)を表示するかが選択さ
れる。例えば心電が選択されたとき、心電の検出値のみ
が画像データに変換される。DSC32は、CRT34
の表示形式に適合する走査変換処理により、フレームメ
モリの画像データをビデオ信号に変換する。ビデオ信号
はCRT34に出力され、画面上にはフレームメモリの
画像が表示される。
【0040】次に、以上に説明した超音波診断装置の動
作を説明する。送受信器4は、時分割制御部6による時
分割制御の下で、Mモードのための送受信、Dモードの
ための送受信、自己相関式ドプラモードのための送受信
を、順次繰り返して探触子2に行わせる。検波処理の
後、Mモード用の受信信号はMモード処理器8に、Dモ
ード用の受信信号はドプラ解析器10に、自己相関式ド
プラモード用の受信信号は自己相関式ドプラ解析器12
に入力される。これらの処理部は、それぞれ異なる信号
処理を行って、Mモードデータ、Dモードデータ、Mカ
ラーデータを出力する。
【0041】一方、心電センサ102、心音センサ10
4、脈波センサ106では、超音波の送受信と並行し
て、心電情報、心音情報、脈波情報が検出される。これ
らの情報は生体信号ADC100にて一まとめにされ
て、生体データとして第1セレクタ14に出力される。
【0042】Mモードデータ、Dモードデータ、Mカラ
ーデータ、生体データは、順番に第1セレクタ14を通
過し、ラインメモリ16に書き込まれる。各データは、
書込制御部18の制御により、ラインメモリ16内の所
定領域に書き込まれる(図2)。
【0043】Mモード処理器8、ドプラ解析器10、自
己相関式ドプラ解析器12の処理時間はそれぞれ異なっ
ている。従って、ラインメモリ16に一度に書き込まれ
るMモードデータ、Dモードデータ、Mカラーデータの
時相は異なっている。ドプラ解析器10での処理時間が
最も長いため、Dモードデータは最も前の時相のもので
ある。Mモード処理器8からはMモードデータがほとん
どリアルタイムに出力されている。Mカラーデータの時
相は、DモードデータとMモードデータの中間である。
また、生体データはほとんどリアルタイムにラインメモ
リ16に書き込まれるので、生体データの時相も、Dモ
ードデータやMカラーモードの時相とずれている。
【0044】ラインメモリ16の4つのデータは、読出
制御部26の制御により、1単位掃引時間の間に読み出
される。Dモードデータは直接に第2セレクタ30へ出
力される。Mモードデータは第1FIFOメモリ20に
出力され、第1FIFOメモリ20を経て第2セレクタ
30へ出力される。第1FIFOメモリ20の第1遅延
量は、ドプラ解析器10の処理時間と同じに設定されて
いる。従って、第2セレクタ30にDモードデータとM
モードデータが入力されるときには、受信信号処理中に
発生した時相ずれは補正され、両データは同期してい
る。
【0045】Mカラーデータ、生体データについても同
様である。Mカラーデータは第2FIFOメモリ22に
出力され、第2FIFOメモリ22にて第2遅延量が与
えられる。これにより、第2セレクタ30への入力時に
はDモードデータとMカラーデータが同期している。生
体データは第3FIFOメモリ24に出力され、第3F
IFOメモリ24にて第3遅延量が与えられる。これに
より、第2セレクタ30への入力時にはDモードデータ
と生体データが同期している。
【0046】このように、本実施形態では、受信信号に
対する処理時間の最も長いDモードに合わせ、他のモー
ドのデータや生体データに遅延が与えられる。その結
果、時分割制御により相前後して得られた受信信号から
得られたDモードデータ、Mモードデータ、Mカラーデ
ータが連続して第2セレクタ30に到達する。また、こ
れらのデータのための超音波送受信と同じ時期の生体デ
ータも他のデータに続いて第2セレクタ30に到達す
る。4つのデータの到着順は、ラインメモリ16からの
データの読み出し順序によって特定される。
【0047】同時相の4つのデータは、順番に第2セレ
クタ30を通り、DSC32に入力される。これらのデ
ータが、DSC32のフレームメモリの1ライン分の領
域に書き込まれる。この1ライン分の領域は、画面上を
時間軸と垂直に横切る1列のピクセル群の画像データを
記憶する領域である。前述のように、生体データに示さ
れる心電等の検出値は、画像データへの変換後に書き込
まれる。DSC32では、新たなデータを加えた1フレ
ーム分のビデオ信号が生成され、このビデオ信号がCR
T34に出力される。これにより、フレームメモリの画
像がCRT34に表示される。従って、上記の1ライン
分、CRT34上で画像が掃引されたことになる。
【0048】図3は画面表示例を示しており、本装置で
は、上中下の3段に分けて複合表示が行われる。図3
(a)はFIFOメモリでの遅延処理を行わなかった画
面表示であり、図3(b)は遅延処理を行った場合の画
面表示である。画面の上段には、Dモードデータが表示
されている。本装置では、血流の最高速度と方向のみが
表示されている。中段には、MモードデータとMカラー
データ(斜線)が重ねて表示されている(ドプラ・Mモ
ード表示)。従って、走査線上の被検体の形態と、走査
線上の各点での血流の方向と平均速度が把握できる。下
段には、生体データとして心電波形が表示されている。
【0049】図3(a)では、Mモードデータと生体デ
ータにはほとんど時相のずれがない。しかし、Mカラー
データには時相の遅れがあるために、ドプラ・Mモード
表示(中段)において、カラー表示と形態表示が左右に
ずれている。Dモードデータの時相はMカラーデータの
時相よりもさらに遅れている。そのため、Dモードデー
タの時相は、他のデータの時相と大きくずれている。
【0050】一方、図3(b)では、生体データ、Mモ
ードデータ、Mカラーデータ、Dモードデータにほとん
ど時相のずれがない。実際には、時分割制御を行ってい
るので送受信タイミングに多少の時間差がある。この時
間差に相当する分を除き、データ間の時相ずれはほぼ解
消されている。見かけ上は、すべてのデータが同時に検
出されたように見える。
【0051】[実施の形態2]図4は、本発明の他の好
適な実施形態である超音波診断装置の全体構成を示すブ
ロック図である。図1と同様の構成要素には同一の符号
を付して説明を省略する。
【0052】送受信器4は探触子2を介して、被検体と
の間で超音波の送受信を行う。送受信器4は、収集用タ
イミングジェネレータ200からの収集トリガパルスを
受けて、被検体をスキャンして断層画像情報を取得する
ような超音波ビームの生成を開始する。探触子2からの
受信信号は、送受信器4にて検波等の処理を施され、演
算器202へ出力される。演算器202は主としてAD
コンバータにより構成され、超音波エコーの強弱に基づ
いて走査線上における被検体の形態の情報を出力する。
本装置では、この演算器202からの出力は、メモリ2
04内の所定領域206に格納される。この所定領域2
06は、例えば一枚分の超音波断層画像のデータを記憶
できる容量を有する。
【0053】映像信号生成回路208はCRT34に表
示される画像のビデオ信号を生成する回路であり、表示
用タイミングジェネレータ210からの表示トリガパル
スを受けて、メモリ204の所定領域206からデータ
の読み出しを開始する。このとき映像信号生成回路20
8は、CRT34上の画像を構成する走査線に対応した
順序でメモリ204のデータを読み出す。これにより、
CRT34の画面上には被検体の超音波断層画像が表示
される。
【0054】本装置は上述した超音波断層画像と同時に
生体信号波形を表示することができる。各種生体信号は
それぞれ心電センサ102、心音センサ104、脈波セ
ンサ106といったセンサを用いて検出することができ
る。生体信号ADC100は、収集用タイミングジェネ
レータ200からの収集トリガパルスを受けて、これら
各種センサ102〜106からの信号を所定時間間隔で
サンプリングしデジタル値に変換するサンプリング処理
を開始する。生体信号ADC100から出力されたデジ
タル化された生体信号は、メモリ204の所定領域21
2に格納される。この所定領域212は、デジタル生体
信号を所定時間分、記憶することができる容量を有す
る。その容量は基本的にはその時間長とサンプリングレ
ート、及びデジタル化データのビット数とによって定ま
る。
【0055】映像信号生成回路208は、表示用タイミ
ングジェネレータ210から上記表示トリガパルスを受
けると、上述した所定領域206からのデータ読み出し
とともに所定領域212からのデータの読み出しも開始
する。映像信号生成回路208は読み出した生体信号デ
ータに基づいて生体信号波形のグラフ描画処理を行う。
【0056】映像信号生成回路208は、メモリ204
の所定領域206から読み出され生成された超音波断層
画像の映像と、メモリ204の所定領域212から読み
出され生成された生体信号波形のグラフ表示の映像とを
含んだビデオ信号を生成して出力する。これにより、C
RT34には、その画面の所定領域に超音波断層画像が
表示され、他の所定領域に生体信号波形が表示される。
【0057】図5は、その画面表示例を示す模式図であ
る。この例では、Bモードの超音波断層画像250と、
生体信号波形として心電センサ102で検知される心電
波形252とが、画面のそれぞれ上下に複合表示され
る。ここで心電波形252は掃引画像であり、横軸が時
間に相当する。
【0058】次に本装置の動作を説明する。図6は、本
装置の各部の動作を起動するトリガパルスのタイミング
図である。
【0059】従来は、装置の動作が開始されると、例え
ば一定周期で、超音波受信信号の被検体情報の収集と、
生体信号の収集とは同期して開始されるが、一旦、収集
が開始されると以降の、超音波受信信号に対し演算処理
を行って超音波断層画像を生成し表示する処理と、生体
信号波形を生成し表示する処理とは、互いに独立に行わ
れていた。これら2系統の処理の処理時間は、一般に異
なり、そのため既に述べたように従来は超音波断層画像
と生体信号波形との表示タイミングにずれが生じるとい
う問題があった。
【0060】本装置は、この問題を解決するためにメモ
リ204を設け、収集された被検体情報と生体信号情報
とを一旦、このメモリ204に格納する。そして、デー
タ収集の開始を両系統で同期させるだけでなく、メモリ
204に蓄積されたデータを読み出し表示する両系統の
表示処理の開始のタイミングも同期させる。
【0061】図6に示す送受信器4に対する収集トリガ
パルス260と、生体信号ADC100に対する収集ト
リガパルス262とは、それぞれ収集用タイミングジェ
ネレータ200から基本的に同時に出力されるものであ
る。収集用タイミングジェネレータ200は例えば、こ
の収集トリガパルス260,262をそれぞれ繰り返し
て生成する。図においてパルス260-1,260-2は、
先頭の収集トリガパルス260に引き続いて生成された
収集トリガパルス260、またパルス262-1,262
-2は、収集トリガパルス262に引き続いて生成された
収集トリガパルス262である。この場合、収集トリガ
パルス260と収集トリガパルス262とは互いに同期
して生成されることにより、それぞれの周期ti1,tp1
は等しくなる。周期ti1は、基本的には、1回のBモー
ドのスキャンが完了するのに十分な長さに設定される。
つまり、収集用タイミングジェネレータ200は、1枚
の超音波断層画像を生成するのに必要なデータが得られ
た後、次の収集トリガパルス260を出力する。一方、
生体信号は基本的に連続的に得られるものであり、超音
波断層画像のようにデータに特別に区切りはない。つま
り、生体信号に対する収集トリガパルス262は生体信
号本来の単位に対応したものではなく、その波形の表示
の更新レートと超音波断層画像の更新レートとの同期を
図るためのものである。
【0062】収集用タイミングジェネレータ200は、
収集トリガパルス260に対応して、超音波受信信号に
対する演算処理のトリガパルス(演算トリガパルス26
4)も生成し、これを演算器202へ出力する。収集ト
リガにより超音波送受信による被検体情報の収集が開始
されてから、演算処理開始に必要なデータが得られるま
でには多少の時間があるため、例えばその時間だけ、演
算トリガパルス264は収集トリガパルス260より遅
延したタイミングで演算器202に与えられる。
【0063】演算器202で処理を終えたデータ及び生
体信号ADC100から出力されたデータは順次、上述
したようにそれぞれメモリ204の所定領域206,2
12に格納される。
【0064】表示用タイミングジェネレータ210は、
メモリ204に1枚分の超音波断層画像のデータが蓄積
された時点で、表示トリガパルス266を映像信号生成
回路208に与える。
【0065】映像信号生成回路208は、この表示トリ
ガパルス266によって、メモリ204の所定領域20
6から被検体情報を読み出して超音波断層画像を表示す
る処理と、所定領域212から生体信号データを読み出
して生体信号波形を表示する処理との両方を同時に開始
する。すなわち、収集トリガパルス260,262によ
って同期をとって収集された超音波送受信による被検体
情報と生体信号情報とが、互いに時間的なずれを有する
ことなく、CRT34上の画像の同一のフレームとし
て、つまり同時に表示される。
【0066】ちなみに、画面表示された生体信号波形
(例えば心電波形252)の時間軸方向におけるある位
置が例えば収集トリガパルス262のタイミングに相当
する。ここで、そのタイミングを生体信号基準時刻と呼
ぶことにする。すると、超音波断層画像と掃引画像であ
る生体信号波形との表示タイミングが同一であるとは、
超音波断層画像250として表示されている被検体情報
が、生体信号基準時刻に得られたものであることを意味
する。なお、正確には1つの超音波断層画像を形成する
データを得るにはある時間を要するが、ここでの説明で
はその時間幅は無視している。
【0067】本発明が解決しようとする問題は、表示さ
れた超音波断層画像が生体信号基準時刻におけるもので
はないということである。つまり、一般に超音波断層画
像の生成処理は生体信号波形の生成処理に比べて例えば
数ミリ秒程度、長い時間を要し、そのため、従来は同一
の画面に複合表示された超音波断層画像は、生体信号波
形の生体信号基準時刻に対応するタイミングのものでは
なく、それよりも上記数ミリ秒といった処理時間差だけ
過去のものであった。本発明の目的とする超音波断層画
像と生体信号波形との表示タイミングの同期とは、上述
したように同一画面に表示される超音波断層画像のデー
タ取得タイミングを、生体信号波形表示における生体信
号基準時刻に合致させることであり、生体信号基準時刻
を画像表示された生体信号波形のどの位置に設定するか
は本発明の目的とは無関係であり、任意に定めることが
可能である。
【0068】例えば、図5に示す例で、心電波形252
が左向きにスイープされる、つまり新しいデータは波形
の右側に追加され波形は次第に左に移動していくような
心電波形252の掃引表示を考える。この場合、波形の
右端が最新時刻である。図6に示すような、収集トリガ
パルス260,262によって同時に収集が開始された
データを表示トリガパルス266によって同時に表示す
るという最も基本的な例では、その右端が生体信号基準
時刻とされ、複合表示される超音波断層画像はこの時刻
に対応したものである。
【0069】しかし本発明はこの例に限られるものでは
ない。例えば、生体信号波形の把握、理解を容易とする
ため生体信号基準時刻の前後の生体信号波形を表示した
いという要望が考えられる。この場合には、直近の収集
トリガパルス262のタイミングではなく、例えばそれ
よりn回前の収集トリガパルス262のタイミングを生
体信号基準時刻とする。つまり、画面表示された生体信
号波形の右端からtp1のn倍の時間だけ左側の点が生体
信号基準時刻となる。その位置は基本的に画面上に明示
される。そして、超音波断層画像については、メモリ2
04の所定領域206に直近n回の収集トリガパルス2
60に対応するn枚の超音波断層画像データを蓄積し、
n回前の収集トリガパルス260に対応して得られた超
音波断層画像を上記生体信号波形とともに複合表示す
る。この場合も、生体信号基準時刻と画面に表示される
超音波断層画像とは同期している。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、複数種類の被検体情報
や生体信号を複合表示したときに、被検体情報や生体信
号が画面上で同期する。従って、時相のずれに起因した
違和感の発生が回避されるので、より正確な診断に寄与
することができる。
【0071】また、受信信号処理部での処理結果は一時
記憶部(ラインメモリ)へ書き込まれる。一時記憶部か
らは、複合画像の表示変更速度に応じた読出タイミング
で被検体情報が読み出され、この読み出された被検体情
報に対して同期用の遅延処理が行われる。受信信号処理
部からの出力タイミングを考慮せず、表示変更速度を基
準として同期のための遅延処理を行えばよいので、制御
が簡素で容易である。従って、簡単な構成にて、被検体
情報や生体信号の同期を実現できる。
【0072】また、受信信号処理部での信号処理条件を
制御するとともに、信号処理条件に応じて同期処理のた
めの遅延量が変更される。従って、信号処理条件が変わ
っても、時相ずれのない好適な複合画像表示が行われ
る。
【0073】なお、本装置は超音波送受信による被検体
情報と生体信号のデータとを同一のメモリ204の異な
る領域に保持する構成としたが、それぞれに対して別個
独立のメモリを設ける構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図2】 図1の装置のラインメモリの構成を示す図で
ある。
【図3】 図1の装置のCRTにおける画面表示例を示
す図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図5】 図4の装置のCRTにおける画面表示例を示
す図である。
【図6】 図4の装置の各部の動作を起動するトリガパ
ルスのタイミング図である。
【図7】 従来の複合表示のための信号処理を示すタイ
ムチャートである。
【符号の説明】
2 探触子、4 送受信器、6 時分割制御部、8 M
モード処理器、10ドプラ解析器、12 自己相関式ド
プラ解析器、13 処理条件制御部、16ラインメモ
リ、18 書込制御部、20 第1FIFOメモリ、2
2 第2FIFOメモリ、24 第3FIFOメモリ、
26 読出制御部、100 生体信号ADC、102
心電センサ、104 心音センサ、106 脈波セン
サ、200 収集用タイミングジェネレータ、202
演算器、204 メモリ、208映像信号生成回路、2
10 表示用タイミングジェネレータ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の処理モードの被検体情報の時間変
    化を同時に表示する複合画像表示を行う超音波診断装置
    において、 前記複数の処理モードに対応した超音波送受信を時分割
    制御により順次行う送受信部と、 それぞれ異なる処理モードの信号処理を行って被検体情
    報を取得する複数の受信信号処理部と、 前記複数の受信信号処理部での処理時間の相違に基づい
    て、一部または全部の前記被検体情報に遅延を与え、前
    記複数の処理モードの被検体情報を同期させる同期処理
    部と、 同期処理後の被検体情報を基に、前記複数の処理モード
    の被検体情報の時相が合った複合画像を生成する複合画
    像生成部と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、 前記同期処理部は、 前記複数の受信信号処理部での処理結果の被検体情報を
    一時的に記憶する一時記憶部と、 複合画像の表示変更速度に応じた読出タイミングで前記
    一時記憶部から被検体情報を読み出す読出制御部と、 前記一時記憶部から読み出された被検体情報に、処理モ
    ードに応じた遅延を与える遅延処理部と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において、 前記受信信号処理部での信号処理条件を切り換える処理
    条件制御部と、 前記信号処理条件に応じて少なくとも一の処理モードの
    被検体情報についての前記遅延処理部での遅延量を変更
    する遅延量制御部と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の装置に
    おいて、 被検体の生体信号を検出する生体信号検出部を有し、 前記同期処理部は、前記複数の処理モードの処理結果と
    ともに前記生体信号を同期させることを特徴とする超音
    波診断装置。
  5. 【請求項5】 超音波受信信号の信号処理を行って被検
    体情報を取得する受信信号処理部と、 被検体の生体信号を検出する生体信号検出部と、 前記受信信号処理部と生体信号検出部での処理時間の相
    違に基づいて、前記被検体情報と前記生体信号の少なく
    とも一方に遅延を与え、前記被検体情報と前記生体情報
    を同期させる同期処理部と、 同期処理後の被検体情報と生体信号を同時に表示するた
    めの複合画像を生成する複合画像生成部と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の装置において、 前記受信信号処理部は、前記超音波受信信号に基づいて
    超音波断層画像を生成し、 前記超音波断層画像と生体信号波形とを同期をとって表
    示することを特徴とする超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の装置において、 前記受信信号処理部は、前記超音波受信信号に対しBモ
    ードの信号処理を行い、Bモードの超音波断層画像を生
    成することを特徴とする超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 それぞれ異なる処理モードの信号処理に
    よって得られた複数の被検体情報の時間変化を同時に複
    合表示する超音波診断装置の制御方法において、 最も処理時間の長い処理モードと他の処理モードの処理
    時間の差に基づいて、信号処理結果の被検体情報の一部
    または全部に遅延を与えることにより、前記複数の処理
    モードの被検体情報を同期させることを特徴とする超音
    波診断装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 超音波受信信号の信号処理によって得ら
    れた被検体情報と、生体信号波形との時間変化を同時に
    複合表示する超音波診断装置の制御方法において、 前記超音波受信信号から前記被検体情報を得る信号処理
    と、前記生体信号波形を得る信号処理との処理時間の差
    に基づいて、信号処理結果の前記被検体情報又は前記生
    体信号波形の少なくとも一方に遅延を与えることによ
    り、前記被検体情報と前記生体信号波形とを同期させる
    ことを特徴とする超音波診断装置の制御方法。
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