JPH1156236A - 鋼球による被焙煎物の焙煎方法とその焙煎装置 - Google Patents

鋼球による被焙煎物の焙煎方法とその焙煎装置

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JPH1156236A
JPH1156236A JP9216262A JP21626297A JPH1156236A JP H1156236 A JPH1156236 A JP H1156236A JP 9216262 A JP9216262 A JP 9216262A JP 21626297 A JP21626297 A JP 21626297A JP H1156236 A JPH1156236 A JP H1156236A
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roasting
roasted
sorting
steel balls
steel ball
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JP9216262A
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Kuniyasu Okamura
邦康 岡村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焙煎媒体自体または、微粒子等の不純物の製
品混入を防止できる焙煎方法とこの焙煎装置とを提供す
る。 【解決手段】 茶葉・麦茶・穀類等の被焙煎物Kを、焙
煎媒体となる加熱された鋼球Boと混合して加熱焙煎す
る鋼球による被焙煎物Kの焙煎方法である。これによ
り、大きな比重により分離し易く焙煎媒体の回収や磨耗
・破壊がなく、微粒子等を混入させない製品が製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼球の焙煎媒体を
使用して茶葉、麦茶、コーヒー豆、アーモンド、穀類等
の被焙煎物を焙煎する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、穀類等の焙煎機として、例えば、
実公昭61−78号公報が提供されている。この焙煎機
は、川砂と穀類を炉内に配置した回転する炒胴に投入
し、穀類の焙煎を行う回転砂浴式のものである。この焙
煎機で、焙煎の終った穀類と川砂とを選別し、選別され
た川砂を炒胴の外周に配置した砂戻し用の移送管に導入
する。そして、上記砂戻し用の移送管をバーナの燃焼熱
で加熱して、この内部を流動する川砂を所定の焙煎温度
に加熱させた後、穀類と一緒に妙胴内へ混入して焙煎す
るものである。
【0003】上記焙煎機は、川砂を焙煎媒体として利用
したものであり、砂はこれ自体粒子が細かく、また、被
焙煎物と焙煎媒体との比重差が小さく分離できずに、焙
煎媒体が製品に混入することがある。更に、焙煎時の攪
拌作用により破壊して微粒子を発生させ、これが選別し
切れずに被焙煎物に残存し製品欠点を生じさせている。
【0004】そこで、特開平1−124370号公報の
ように、川砂の代用品として、0.5〜3mmの平均直
径を持つ細かいセラミック粒子を採用したものがある。
これによると、セラミック粒子の摩耗は抑えられる。し
かし、セラミック粒子も焙煎時の攪拌作用により破壊し
て微粒子を発生させ、これが選別し切れずに被焙煎物に
残存し製品欠点を生じさせるという問題が解消されてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
川砂やセラミック粒子が製品に混入し、または焙煎時の
攪拌作用で破壊されて微粒子を発生させ、これが選別時
に被焙煎物内に残存し、製品欠陥を発生させるという問
題点に鑑みてなされたもので、被焙煎物に焙煎媒体を混
合して加熱することにより熱効率良く製造するととも
に、焙煎媒体自体、または、微粒子等の不純物の混入を
防止できる焙煎方法とこれによる焙煎装置とを提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明の請求項1記載の鋼球による被焙煎物の焙煎方法
は、茶葉・麦茶・穀類等の被焙煎物を、焙煎媒体となる
加熱された鋼球と混合して加熱焙煎することを特徴とす
るものである。
【0007】また、請求項2記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎方法は、請求項1記載の鋼球による被焙煎物の焙
煎方法において、上記鋼球の平均直径を1〜3mmとし
たことを特徴とする。
【0008】また、請求項3記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎方法は、請求項1または2記載の鋼球による被焙
煎物の焙煎方法において、上記加熱焙煎後、被焙煎物と
焙煎媒体との混合物を、篩選別または風力選別により選
別することを特徴とするものである。
【0009】また、請求項4記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎方法は、請求項1または2記載の鋼球による被焙
煎物の焙煎方法において、上記加熱焙煎後、被焙煎物と
焙煎媒体との混合物を、篩選別又は風力選別と磁気選別
とによる2段階選別または篩選別又は風力選別と磁気選
別と金属検知とによる3段階選別の何れかにより選別す
ることを特徴とするものである。
【0010】また、請求項5記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎装置は、外胴と内胴の2重構造とし、上記両胴を
水平姿勢のもとに同軸上に一体配置し、外胴内で鋼球を
加熱手段により焙煎温度に加熱するとともに、上記鋼球
を被焙煎物とともに内胴に導入して加熱する焙煎装置
と、上記内胴から排出する被焙煎物及び鋼球の混合物を
分離する選別手段と、上記選別後の鋼球を外胴に戻す戻
し手段と、を具備したことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項6記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎装置は、鋼球とともに被焙煎物を投入して攪拌・
焙煎する焙煎胴と、上記焙煎胴内の鋼球を加熱する加熱
手段と、焙煎後の被焙煎物と鋼球との混合物を分離する
選別手段と、を具備したことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項7記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎装置は、請求項5または6記載の鋼球による被焙
煎物の焙煎装置において、上記選別手段は、被焙煎物と
鋼球との重量選別を行う篩機または風力選別機とからな
ることを特徴とするものである。
【0013】また、請求項8記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎装置は、請求項5または6記載の鋼球による被焙
煎物の焙煎装置において、上記選別手段は、被焙煎物と
鋼球との重量選別を行う篩機又は風力選別機と磁気選別
機、または、篩機又は風力選別機と磁気選別機と金属探
知器とからなることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の作用及び効果】上記請求項1記載の鋼球による
被焙煎物の焙煎方法によると、被焙煎物と鋼球を混合し
て加熱することにより、赤外線の放射による熱効率の良
い焙煎ができるとともに、鋼球の大きな比重により被焙
煎物との分離がし易く、また鋼球の磨耗・破壊がなく、
この微粒子等を混入させない製品が製造できる。
【0015】また、請求項2記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎方法によると、鋼球の平均直径を1〜3mmとし
たことで、被焙煎物に近い大きさとなして熱伝達を良く
して、熱効率のよい焙煎ができる。しかも、鋼球と被焙
煎物との重量比に大きな違いを持たせて分離効率を良く
した製品が製造できる。
【0016】また、請求項3記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎方法によると、被焙煎物と焙煎媒体との分離に、
篩選別または風力選別を採用することで、両者の大きな
比重差により篩分け効率または風選選別効率がよく、被
焙煎物との分離を容易にし、被焙煎物に鋼球の混入のな
い製品が製造できる。また、鋼球の磨耗・破壊がなく、
この微粒子等を混入させない高品質な製品が製造でき
る。
【0017】また、請求項4記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎方法によると、被焙煎物と焙煎媒体との分離に、
篩選別又は風力選別と磁気選別とによる2段階選別また
は篩選別又は風力選別と磁気選別と金属検知選別とによ
る3段階選別の何れかによる選別をすることで、両者の
大きな比重差により篩分け効率または風選選別効率がよ
く、被焙煎物との分離を容易にするとともに、磁気分離
や金属探知により焙煎媒体である鋼球の完全回収が図ら
れ、且つ鋼球の磨耗・破壊がなく、鋼球やこの微粒子等
の製品への混入のない高品質な焙煎製品が製造できる。
【0018】また、請求項5記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎装置によると、被焙煎物と鋼球の混合加熱によ
り、赤外線の放射による熱効率の良い焙煎ができるとと
もに、鋼球の大きな比重により被焙煎物から分離し易
い。更に、焙煎媒体である鋼球の磨耗・破壊がなく、鋼
球やこの微粒子等を製品に混入させない焙煎製品が連続
して多量に得られる。
【0019】また、請求項6記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎装置によると、被焙煎物と鋼球の混合加熱によ
り、赤外線の放射による熱効率の良い焙煎ができるとと
もに、鋼球の大きな比重により被焙煎物から分離が容易
である。また、鋼球の磨耗・破壊がなく、鋼球やこの微
粒子等の製品への混入もない焙煎製品が一定量ずつ得ら
れる。
【0020】また、請求項7記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎装置によると、被焙煎物と鋼球との重量選別を篩
機または風力選別機により行うことにより、鋼球と被焙
煎物との大きな比重差により分離が容易である。また、
焙煎媒体である鋼球の磨耗・破壊がなく、鋼球やこの微
粒子等の混入のない焙煎製品が得られる。
【0021】また、請求項8記載の鋼球による被焙煎物
の焙煎装置によると、被焙煎物と鋼球との重量選別を篩
機又は風力選別機と磁気選別機、または、篩機又は風力
選別機と磁気選別機と金属探知器とで行うから、被焙煎
物と鋼球との大きな比重差により分離が容易に行えると
ともに、鋼球の完全回収が図られ、鋼球とこの微粒子等
の製品への混入のない高品質な焙煎製品が得られる。
【0022】つまり、本発明の鋼球による被焙煎物の焙
煎方法によると、川砂・桂砂やセラミック等に比べて比
重の大きな鋼球を焙煎媒体として使用することにより、
被焙煎物との選別を確実・容易にする。また、鋼球は赤
外線を放射して熱効率のよい焙煎作用をする。そして、
鋼球の平均直径を1〜3mmとしたから、被焙煎物に近
い大きさとして熱伝達を良くし、且つ被焙煎物との重量
比も大きくして、分離効率を良くすることができる。
【0023】更に、鋼球は磨耗・破壊がなく、この微粒
子等を製品に混入させない。また、被焙煎物から焙煎媒
体を分離するにおいても、篩選別または風力選別により
分離を容易とし、更に磁気選別及び金属検出選別を行う
ことにより鋼球の完全回収を可能にし、被焙煎物中に焙
煎媒体やこの微粒子等の混入のない高品質な焙煎製品が
製造される。
【0024】また、本発明の鋼球による被焙煎物の焙煎
装置によると、川砂・桂砂やセラミック等に比べて比重
の大きな鋼球を焙煎媒体として使用することにより、被
焙煎物との選別が確実・容易となる。
【0025】しかも、鋼球は赤外線を放射して熱効率の
よい焙煎作用をする。更に、鋼球は磨耗・破壊がなく、
この微粒子等を製品に混入させないし、上記のように重
量選別の篩選別及び風力選別が容易であり、しかも、磁
気選別及び金属検出選別により鋼球の完全回収を可能に
し、被焙煎物中に焙煎媒体やこの微粒子等の混入を防止
して、高品質な焙煎製品を製造し得る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図2を参照して本発
明の第1実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施
形態の焙煎装置の断面図、図2は焙煎装置の側面図であ
る。
【0027】まず、図1に示すように、本発明の焙煎装
置100は、枠体1に保温断熱材3で囲った加熱炉5を
形成する。また、この加熱炉5の下側空間に燃焼室5A
を形成し、この下側片隅に加熱手段となるバーナ7を配
置している。上記加熱炉5の上部には排気筒5Bを備
え、この内部に排気ダンパ5Cを備えている。また、上
記加熱炉5内には、水平軸2を回転中心とする被焙煎物
Kの焙煎胴(内胴)9と、焙煎胴9の外周に鋼球Boを
加熱する外胴15が一体配置されている。
【0028】上記水平軸2は、枠体1上の2つの耐熱軸
受11,13に回転自在に支承されており、水平軸2の
片側に装着したスプロケット17を減速機付きの駆動モ
ータMのスプロケット19とチェーン21で連結してい
る。上記駆動モータMの駆動により、焙煎胴9と外胴1
5とは、一体に低速回転する。尚、焙煎胴9は、水平軸
2に対して中腹部の支持棒20と左端側の支持片22と
で保持されている。上記焙煎胴9と外胴15とは、逆方
向にその内周壁を拡大した円錐面を形成し、焙煎胴9の
内周壁を小径とした左端内部の水平軸2にはラッパ状の
原料誘導管23を備え、支持片22で水平軸に取付られ
ている。また、原料誘導管23に被焙煎物Kを送り込む
原料誘導ホッパ25を枠体1上に配置している。
【0029】上記被焙煎物Kは、原料誘導ホッパ25か
ら原料誘導管23を介して焙煎胴9の小径側の内周壁に
自然落下して供給される。そして、焙煎胴9の低速回転
により、被焙煎物Kは焙煎胴9の小径側から大径側へと
ゆっくり移送されて行く。尚、焙煎する被焙煎物とその
焙煎目的は、麦茶の焙煎、ほうじ茶の焙煎及び緑茶の火
入れ加熱、コーヒーの焙煎、アーモンド等ナッツの焙煎
等であり、その他、大豆、ゴマ、玄米等の焙煎もその対
象となる。
【0030】また、焙煎媒体Bである鋼球Boについ
て、説明する。その材質は、特に限定するものではない
が、最適例として、微細焼き戻しマルテンサイト組織の
ものが適用される。鋼球Boの特質としては、大麦等の
焙煎媒体と混合されて焙煎媒体に熱を伝達するために、
高品質の麦茶等を熱効率良く製造できる。尚、鋼球Bo
の大きさは、特に限定するものではないが、混合物の焙
煎熱効率や混合物の分離・選別を良くするために、平均
直径1〜3mmのものが実験結果から選択される。
【0031】また、鋼球と被焙煎物との分離効率も良く
なる。上記鋼球Boの比重は7.8で、川砂の比重より
も大きく、セラミックの比重3.0よりも大きい。ま
た、鋼球Boの比熱は0.1で、川砂の比熱0.18〜
0.23よりも小さく、セラミックの比熱0.27より
も小さい。以上のことから、鋼球Boの比重は、川砂や
セラミックよりも大きいことを意味し、重量選別が容易
である。しかも、磁気選別、金属探知が可能であるとい
う特質もある。また、鋼球を混合して攪拌しても、磨耗
・破壊がなく、この微粒子等が発生しない。更に、鋼球
Boの比熱は逆に小さいから、鋼球Boの熱容量は川砂
やセラミックよりもやや劣るが適当な熱容量もあり、赤
外線を放射するため、均一な焙煎を熱効率良くできる。
【0032】ところで、上記焙煎胴9の大径部端の外側
には、ここから排出される焙煎媒体Bの鋼球Boと被焙
煎物Kを分離する選別手段30を配置している。この選
別手段30は、鋼球Boと被焙煎物Kとの比重選別を行
う風力選別機30Aが使用される。
【0033】次に、上記風力選別機30Aについて、そ
の詳細構成を図1,2を参照して説明する。上記焙煎胴
9の大径部端から排出される鋼球Boと被焙煎物Kとの
混合物を受け取る選別管35が焙煎胴9の大径部端に配
置されている。この選別管35の一端には送風機33を
備え、途中に選別口35Aを備え、他端にはサイクロン
37を備えている。上記焙煎胴9の大径部端から排出さ
れる混合物は、選別口35Aで、送風機33からの風力
(F)により比重選別される。このとき、軽い被焙煎物
Kがサイクロン37へ空気搬送される。
【0034】また、比重の大きい鋼球Boは、そのまま
落下し、下方に配置した受箱39に集められる。上記受
箱39内の鋼球Boは、外胴15の小径端側に配置した
戻し手段60で外胴15内へ回収される。上記戻し手段
60の構成は、外胴15の外周に付設した断面コ型の回
収環胴61と、この内周に設けた多数の回収バケット6
3からなる。しかして、外胴15の回転により、受箱3
9の鋼球は、回収バケット63ですくい上げられて外胴
15の上部まで搬送され、ここから外胴15内へ投入さ
れる。
【0035】上記外胴15内に投入された焙煎媒体B
は、上記バーナ7で再び加熱されつつ焙煎胴9及び外胴
15の低速回転により、大径側へ移送される。そして、
ここに堆積する焙煎媒体の鋼球Boは、焙煎胴9の外周
壁に付設した回収バケット31により、焙煎胴9内へ送
り込まれる。しかして、外胴15内に投入された焙煎媒
体Bは、外胴15内へ戻され、再度加熱される循環経路
をなしている。
【0036】本発明の第1実施形態の焙煎装置100
は、上記のように構成されており、以下のように作用す
る。先ず、図示はしないが、温度制御部による最適焙煎
設定温度(例えば、麦を焙煎するのに最適な温度は10
0〜300℃)への正確な品温制御により、上記焙煎方
法が実施される。
【0037】そして、上記焙煎後の被焙煎物Kは、図
1,2に示す選別手段30により選別される。すなわ
ち、焙煎胴9の大径端部から排出される混合物は、選別
口35Aで、送風機33からの風力(F)により重量選
別され、軽い被焙煎物Kがサイクロン37へ空気搬送さ
れる。また、重い鋼球Boは、そのまま落下し、下方に
配置した受箱39に集められる。この分離作用は、平均
直径が1〜3mmの鋼球Boでも、比重が大きいために
選別し易い適度な大きさと重さを備えており、被焙煎物
K中に鋼球が残存せず、確実に選別される。また、鋼球
は、攪拌・混合されて鋼球同士が接触しても、磨耗・破
壊がなく、この微粒子等を製品に混入させることもな
い。これにより、被焙煎物K内に焙煎媒体である鋼球B
oやこの微粒子等の残存物がない高品質な焙煎製品が製
造される。
【0038】以上のように、上記第1実施形態の焙煎方
法とその装置によると、次のような効果が奏される。先
ず、焙煎媒体として鋼球Boを使用することにより、被
焙煎物Kとの焙煎熱効率や分離選別機能が向上する。ま
た、鋼球Boは、赤外線を放射して焙煎作用を促進する
とともに、比重が大きいから風選選別効率が良く、被焙
煎物と分離し易い。また、攪拌時に磨耗・破壊されない
から、微粒子等の発生も防止され、被焙煎物中にこれら
の残存物をなくし高品質な焙煎製品が製造される。
【0039】続いて、図3を参照して第2実施形態とな
る焙煎方法とその装置を説明する。この第2実施形態の
焙煎装置200は、選別手段70を被焙煎物Kと鋼球B
oとの大きさの違いで分離する篩機71と磁気選別機8
0と金属検知器85とを併設したものであり、例えば、
粉茶葉の焙煎に使用されるものである。
【0040】上記選別手段70としては、焙煎胴9の大
径端部に、ここから排出される鋼球Boと被焙煎物Kと
の混合物を受け取る振動式篩体73を配置する。この振
動式篩体73の下部には、通過選別された被焙煎物Kの
受箱75が配置され、空気搬送管77により外部へ搬出
される。また、空気搬送管77の出口には、磁気選別機
80と、金属検知器85とを併設している。上記磁気選
別機80は、上下一対のローラ82,83間に磁性ベル
ト81を巻き掛け、これに吸着した鋼球またはこの微粒
子を掻き取り、回収箱84に回収するものである。ま
た、金属検知器85は、ケース内に金属物性を感知する
センサを内蔵させ、感知信号があると焙煎装置を停止さ
せる機能を持つものであり、目視により鋼球またはこの
微粒子を取り出すものである。勿論、上記選別手段は、
上記第1実施形態に示す風力選別機30Aを採用しても
良い。
【0041】他方、上記振動式篩体73の出口側に、鋼
球の回収シュート79を配置し、ここから上にバケット
コンベアBCが配置されている。バケットコンベアBC
の上部吐出口79AはホッパーHに向けられ、回収シュ
ート79に集まる鋼球BoをホッパーHに供給する。ホ
ッパーHは、外胴15にその下部吐出口H1を向けてい
る。尚、その他の構成は、上記第1実施形態と同一につ
き、同一符号を付して説明を省略する。
【0042】上記第2実施形態によると、以下のように
作用する。上記第1実施形態と同様にして焙煎作用が終
了すると、焙煎胴9の大径端部から排出される被焙煎物
Kと鋼球Boとの混合物は、振動式篩体73により、こ
こを通過する被焙煎物Kと、通過しない鋼球Boとに選
別される。更に、磁気選別機80により、被焙煎物K中
に残存している鋼球の微粒子等を回収する。また更に、
金属検知器85により被焙煎物K中に残存している鋼球
の微粒子等を検知し、残存が確認されると運転を停止
し、これが排除される。その他の作用は、上記第1実施
形態と同様に付き、説明を省略する。
【0043】上記本発明の第2実施形態に示す焙煎方法
とその装置によると、次の効果を奏する。先ず、鋼球B
oの使用により、被焙煎物Kへの焙煎熱効率のよい焙煎
ができる。また、鋼球Boを使用すると、両者の大きな
比重差により篩分け効率が良く、被焙煎物Kとの分離選
別効率が向上する。また、鋼球Boは、赤外線を放射し
て焙煎作用を促進するとともに、攪拌時に磨耗・破壊さ
れないから、微粒子の発生が防止され、被焙煎物からこ
れらの残存物をなくし高品質な焙煎製品が製造される。
【0044】更に、磁気選別機80や金属検知器85を
併設することにより、被焙煎物から鋼球の完全回収が図
られ、且つ、この微粒子を排除してこれらの製品への混
入のない高品質な焙煎製品が得られる。
【0045】本発明は、上記2つの実施形態に限定され
ず、発明の要旨内での設計変更が可能である。例えば、
図4に示す第3実施形態の回分型焙煎機300としても
実施可能である。この回分型焙煎機300は、鋼球Bo
とともに、大麦、茶葉、穀類等の被焙煎物Kを投入して
攪拌・焙煎する焙煎胴90と、上記焙煎胴90内の鋼球
Boを加熱する加熱手段91と、焙煎後の被焙煎物Kと
鋼球Boとの混合物を分離する選別手段としての篩機9
3と、により構成されている。篩機93の下部には被焙
煎物Kの受箱75が配置され、空気搬送管77により外
部に搬出される。
【0046】上記空気搬送管77の途上には、磁気選別
機80と金属検知器85とが配置されている。この磁気
選別機80と金属検知器85は、上記第2実施形態の構
成と同一である。また、その他の部材は、上記第1実施
形態と同一のものは同一符号を付して説明を省略する。
勿論、上記選別手段は、上記第1実施形態に示す風力選
別機30Aを採用しても良い。
【0047】上記第3実施形態の回分型焙煎機300に
よるときも、前記第1,2実施形態と同様に、被焙煎物
Kと鋼球Boとの混合物の焙煎作用が行なわれる。即
ち、被焙煎物と鋼球とを混合して加熱すると、赤外線の
放射により熱効率良く焙煎される。そして、鋼球と被焙
煎物とは、篩機93により効率よく分離される。更に、
鋼球の磨耗・破壊がなく、微粒子等を混入させない製品
が一定量ずつ製造される。更に、磁気選別機80によ
り、被焙煎物K中に残存している鋼球の微粒子等を回収
する。また更に、金属検知器85により被焙煎物K中に
残存している鋼球の微粒子等を検知し、残存が確認され
ると運転を停止し、これが排除される。
【0048】上記第3実施形態の回分型焙煎機300に
おいても、上記第1,2実施形態と同様に、被焙煎物K
と鋼球Boとの混合物の加熱により、赤外線の放射によ
る熱効率の良い焙煎ができるとともに、鋼球Boの大き
な比重により分離が容易となり、また、焙煎媒体である
鋼球Boの摩耗・破壊がなく、微粒子等の混入のない高
品質の製品が一定量ずつ製造できる。
【0049】また、磁気選別機80や金属検知器85を
配置することにより、製品中に残存する鋼球やこの僅か
な微粒子等を完全に回収することができ、高品質な製品
が製造できる。
【0050】本発明は、上記各実施形態の他、発明の要
旨内での設計変更が可能である。例えば、各実施形態に
おいて、使用した鋼球Boは、微細焼き戻しマルテンサ
イト組織の鋼球が使用されるが、鋼であればこれ以外の
組織や材質のものを使用しても同様の焙煎作用・重量選
別作用等を発揮することができる。また、各選別手段3
0、70、80は、これを単独で使用しても良いし、複
数個を任意に組み合わせて併設使用しても良い。更に、
上記各選別手段30、70、80は、図示の方式のもの
のみに限定されるものではなく、適宜に他の方式のもの
に置換できる。また、上記焙煎装置100、200、3
00の他に、焙煎媒体を使用する類似の焙煎装置におい
ても実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図で、焙煎装置の
断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す図で、焙煎装置の
側断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す図で、焙煎装置の
断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す図で、焙煎装置の
断面図である。
【符号の説明】
1 枠体 5 加熱炉 7 バーナー 9 焙煎胴 15 外胴 23 原料誘導管 25 原料誘導ホッパ 30 選別手段 30A 風力選別機 33 送風機 35 選別管 37 サイクロン 39 受箱 60 戻し手段 70 選別手段 71 篩機 73 振動式篩体 77 空気搬送管 80 磁気選別機 85 金属検知器 B 焙煎媒体 Bo 鋼球 K 被焙煎物 100 焙煎装置 200 焙煎装置 300 回分型焙煎機

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶葉・麦茶・穀類等の被焙煎物を、焙煎
    媒体となる加熱された鋼球と混合して加熱焙煎すること
    を特徴とする鋼球による被焙煎物の焙煎方法。
  2. 【請求項2】 上記鋼球の平均直径を1〜3mmとした
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼球による被焙煎物の
    焙煎方法。
  3. 【請求項3】 上記加熱焙煎後、被焙煎物と焙煎媒体と
    の混合物を、篩選別または風力選別により選別すること
    を特徴とする請求項1または2記載の鋼球による被焙煎
    物の焙煎方法。
  4. 【請求項4】 上記加熱焙煎後、被焙煎物と焙煎媒体と
    の混合物を、篩選別又は風力選別と磁気選別とによる2
    段階選別または篩選別又は風力選別と磁気選別と金属検
    知選別とによる3段階選別の何れかにより選別すること
    を特徴とする請求項1または2記載の鋼球による被焙煎
    物の焙煎方法。
  5. 【請求項5】 外胴と内胴の2重構造とし、上記両胴を
    水平姿勢のもとに同軸上に一体配置し、外胴内で鋼球を
    加熱手段により焙煎温度に加熱するとともに、上記鋼球
    を被焙煎物とともに内胴に導入して加熱する焙煎装置
    と、上記内胴から排出する被焙煎物及び鋼球の混合物を
    分離する選別手段と、上記選別後の鋼球を外胴に戻す戻
    し手段と、を具備したことを特徴とする鋼球による被焙
    煎物の焙煎装置。
  6. 【請求項6】 鋼球とともに被焙煎物を投入して攪拌・
    焙煎する焙煎胴と、上記焙煎胴内の鋼球を加熱する加熱
    手段と、焙煎後の被焙煎物と鋼球との混合物を分離する
    選別手段と、を具備したことを特徴とする鋼球による被
    焙煎物の焙煎装置。
  7. 【請求項7】 上記選別手段は、被焙煎物と鋼球との重
    量選別を行う篩機または風力選別機とからなることを特
    徴とする請求項5または6記載の鋼球による被焙煎物の
    焙煎装置。
  8. 【請求項8】 上記選別手段は、被焙煎物と鋼球との重
    量選別を行う篩機又は風力選別機と磁気選別機、また
    は、篩機又は風力選別機と磁気選別機と金属探知器とか
    らなることを特徴とする請求項5または6記載の鋼球に
    よる被焙煎物の焙煎装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111336805A (zh) * 2020-03-31 2020-06-26 开封朗瑞机械有限公司 一种热载体筒外螺旋循环滚筒式干燥机及使用方法
CN113731815A (zh) * 2021-08-10 2021-12-03 徐州鑫润耐磨材料有限公司 一种新型钢球用分选设备
CN114686658A (zh) * 2022-04-02 2022-07-01 山西海晟科技有限公司 一种球磨机用耐腐蚀钢球及其加工工艺

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