JPH1156099A - 除湿空気処理による切り花表面のカビ類の静菌方法 - Google Patents

除湿空気処理による切り花表面のカビ類の静菌方法

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JPH1156099A
JPH1156099A JP22611097A JP22611097A JPH1156099A JP H1156099 A JPH1156099 A JP H1156099A JP 22611097 A JP22611097 A JP 22611097A JP 22611097 A JP22611097 A JP 22611097A JP H1156099 A JPH1156099 A JP H1156099A
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cut
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除湿空気処理により、切り花表面の水分レベ
ルを低下(乾燥)させることで切り花表面のカビ類の発
育を抑制し、切り花の長期間の貯蔵或いは鮮度保持を可
能にする方法。 【構成】 収穫後の切り花を、低相対湿度に制御された
雰囲気中に、一定時間以上保持することで、切り花表面
組織の水分レベルをカビ類の発育に不適当なレベルまで
低下させ、或いは表面組織及び表面に付着しているカビ
胞子を乾燥させ、その結果として切り花表面のカビ類の
静菌を行う。低下させる水レベルは、カビ類の発育に不
適当であり、かつ切り花の貯蔵性及び開花後の商品価値
を損なわないレベルである。低相対湿度のレベルは、6
0%以下であり、そのレベルの作出は、処理室内の空気
を除湿する、或いは室外の空気を除湿して処理室内に導
入することで行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除湿空気処理によ
り、収穫後の切り花、特に花被(花弁及びがくからなる
器官の集合体)表面のカビ類の発育を抑制して、切り花
の長期間の貯蔵或いは鮮度保持を可能とする方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】切り花を長期間貯蔵する際には、花被表
面に発生するカビがしばしば問題となる。そこで、従
来、このカビの発生を防ぐために、殺菌剤等の化学薬品
を用いた処理による表面殺菌又は静菌処理方法が試みら
れてきたが、効果及び利便性等が優れないことから現時
点で普及している技術はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような殺菌剤等の
化学薬品を使用する殺菌又は静菌処理方法は、環境汚染
に対する配慮からその使用を制限する方向にある。そこ
で、本発明は、このような化学薬品による処理方法に代
わり得る非化学的処理方法によって、切り花表面のカビ
類を静菌する方法を開発した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、収穫後の切り
花を、低相対湿度に制御された雰囲気中に、一定時間以
上保持することで、切り花表面組織の水分レベルをカビ
類の発育に不適当なレベルまで低下させ、換言すれば、
表面組織及び表面に付着しているカビ胞子を乾燥させ、
その結果として切り花表面のカビ類の静菌を行うことを
特徴としている。
【0005】低下させる水分レベルは、カビ類の発育に
不適当であり、かつ切り花の貯蔵性及び開花後の商品価
値を損なわないレベルである。そのレベルを、つぼみ切
り(つぼみの状態で収穫された)カーネーション切り花
の花被について、水ポテンシャル(水を含む物質中の、
水分子のエネルギー状態を表す物理量で、その値が小さ
い程、その物質中の水分子が動きにくい、或いはその物
質外部に蒸発しにくいことを表す、その値は0が最大
で、それが低い程水分レベルが低いことを示す)で表す
と、ー1.5からー3.3MPa程度である。
【0006】相対湿度のレベルは、60%以下であり、
そのレベルの作出は、処理室内の空気を除湿する、或い
は室外の空気を除湿して処理室内に導入することで行
う。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、収穫後の切り花を、図
1の例に示されるように除湿空気処理用容器或いは処理
室内に保持し、その処理用容器或いは処理室内に除湿し
た空気を流す、又は処理用容器或いは処理室内の空気を
除湿することにより、切り花表面組織の水分レベルを一
定レベルまで低下させることで、切り花表面、特に花被
表面のカビ類の静菌を行うものである。
【0008】図1の例では、除湿剤のシリカゲルが充填
された除湿器に、エアーポンプにより外気を流すこと
で、除湿空気が処理用容器に供給される。このエアーポ
ンプの制御は、処理用容器内に設置された湿度計の計測
値に基づいてデジタル指示調節計を介して行われ、結果
として、処理用容器内の相対湿度が設定値に制御され
る。パーソナルコンピュータは、計測値集録装置である
データロガ(データ集録装置)を介して相対湿度の測定
値を蓄積するためのものである。
【0009】
【実施例】
(前処理)南米コロンビアで生産され、日本に空輸され
たつぼみ切りカーネーションを用い、この切り花を気温
4℃の恒温室内に入れ、そこでSTS(チオ硫酸銀)水
溶液を前処理液として使用し、暗黒下で、これに10時
間浸けた。
【0010】(除湿空気処理)その後、図1に示すよう
に、前処理された切り花をアクリル樹脂製の除湿空気処
理用容器内に縦置きにして置き、その処理用容器にコン
ピュター制御された除湿空気を流すことにより低相対湿
度雰囲気を作出し除湿空気処理を行った。その処理用容
器内の相対湿度は、約42%、気温約4℃、暗黒下と
し、その除湿空気処理時間は0(対照区)、12、24
及び36時間の4段階とした。
【0011】(貯蔵保存処理)次に、除湿空気処理後の
切り花を10本ごとに藁半紙で包装した後、貯蔵用小室
内に入れ、表1に示されるように、相対湿度95%以
上、気温約4℃、暗黒下で30日間貯蔵した。
【0012】除湿空気処理用容器での処理直後及び貯蔵
用小室での貯蔵直後の切り花の花被を滅菌蒸留水中で3
0分間振とうして得た水1mlとローズベンガル寒天培
地10mlを混合し、培養室内で気温約25℃で培養し
た。そして、培養後の培地に形成したコロニー数を花被
表面に存在していたカビ胞子数として測定した。又、除
湿空気処理直後に、熱電対サイクロメーター(SC−1
0,Decagon社製)を用いて、花弁及びがくの水
ポテンシャル(ψw)を測定した。
【0013】(除湿空気処理の効果)除湿空気処理後の
花被表面のカビ胞子数は、処理時間12時間以上では、
図2に示すように、対照区(0時間処理)のそれと比較
して危険率5%水準で有意に小となった。このことか
ら、収穫後の除湿空気処理は切り花の花被表面のカビ類
の静菌に有効であることが示された。これは、主に花被
表面の水ポテンシャル(ψw)を低下させることで、花
被表面組織上においてカビの発育に不適当な水分状態が
作り出されたこと、花弁及びがくの表皮細胞の細胞壁の
肥厚化及びがく表皮のクチクラ化の促進によって、カビ
の栄養菌糸の成長が抑制されたことによる。クチクラ化
とは、表皮細胞の細胞壁外側にクチンが分泌、蓄積され
ることをいい、クチクラ化が進むと結果的に植物表面が
固化、防水化し、菌等の進入を抑制したり、菌等が植物
表面から水分を吸収して発育するのを抑制する効果が期
待できる。なお、処理時間12時間から36時間の間で
はカビ胞子数の減少は認められなかった。
【0014】図3に示すように、除湿空気処理区の花弁
の水ポテンシャル(ψw)は、12時間処理区で対照区
と比較して危険率5%水準で有意に小となった。処理時
間12時間から36時間の間では低下は認められなかっ
た。他方、処理時間の増加に伴うがくの水ポテンシャル
の低下は、花弁のそれよりも小さかった。
【0015】更に、図4に示すように、花弁の水ポテン
シャルと花被表面のカビ胞子数の間には、危険率5%水
準で有意な相関が認められ、除湿空気処理により花弁の
水ポテンシャルを低下させると花被表面のカビ類の静菌
の効果が高まることが明らかとなった。他方、がくの水
ポテンシャルとカビ胞子数の間では有意差は認められな
かった。
【0016】(貯蔵処理の効果)貯蔵用小室での貯蔵後
における花被表面のカビ胞子数は、図5に示すように、
貯蔵前の除湿空気処理時間が大であるほど小となる傾向
が認められ、24時間処理区の切り花の花被表面のカビ
胞子数は、対照区のそれと比較して危険率5%水準で有
意に小となった。このことから、除湿空気処理の効果が
30日貯蔵後においても、貯蔵前の除湿空気処理による
切り花表面のカビ類の静菌効果が持続していたことが示
された。
【0017】
【発明の効果】以上のことから、除湿空気処理後の切り
花被表面についてだけでなく、貯蔵前に行った除湿空気
処理の効果が30日間貯蔵後の花被表面のカビ類の静菌
に対しても有効であることが示された。処理の相対湿度
をより低くすることで、除湿空気処理時間の短縮又は静
菌効果の増大も可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除湿空気処理装置の1例を示す図であ
る。
【図2】除湿空気処理が切り花の花被表面のカビ胞子数
に及ぼす影響を示す図である。(図中のLSDは統計的
検定法の一つである最小有意差検定法を表す。n=20
は、各測定点の値が20個の測定値の平均値であること
を意味し、即ち測定サンプル数を示す。)
【図3】除湿空気処理が切り花の花弁及びがくの水ポテ
ンシャルに及ぼす影響を示す図である。
【図4】除湿空気処理が切り花及びがくの水ポテンシャ
ルと花被表面のカビ胞子数に及ぼす影響を示す図であ
る。
【図5】除湿空気処理が切り花の花を30日間貯蔵した
後の花被表面のカビ胞子数に及ぼす影響を示す図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除湿空気により作出された相対湿度60
    %以下の雰囲気中に、収穫後の切り花を一定時間以上保
    持することからなる除湿空気処理による切り花表面のカ
    ビ類の静菌方法。
JP22611097A 1997-08-22 1997-08-22 除湿空気処理による切り花表面のカビ類の静菌方法 Expired - Fee Related JP2933573B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015055499A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 株式会社島津製作所 フーリエ変換赤外分光光度計

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015055499A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 株式会社島津製作所 フーリエ変換赤外分光光度計

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