JPH1154023A - 電子ビーム源及び電子ビーム装置 - Google Patents

電子ビーム源及び電子ビーム装置

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JPH1154023A
JPH1154023A JP20596997A JP20596997A JPH1154023A JP H1154023 A JPH1154023 A JP H1154023A JP 20596997 A JP20596997 A JP 20596997A JP 20596997 A JP20596997 A JP 20596997A JP H1154023 A JPH1154023 A JP H1154023A
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JP
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emitter
electron beam
beam source
electric field
electrode
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JP20596997A
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English (en)
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Junichi Takahashi
淳一 高橋
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一の画素密度を得るためのエミッタ密度を
低減させて歩留まりを向上させ、或いは、現状のエミッ
タ密度の下に画素密度を高くし得る電子ビーム源及び電
子ビーム装置を提供する。 【解決手段】 電子を放射するエミッタ2と、互いに絶
縁されつつ分割されてエミッタ2から電子を放射させる
ための電界を付与する引出電極5a,5bと、引出電極
5a,5bに対して異なる電圧値の電圧Va,Vbを切
換え自在に印加する電源6,6bとを備える。引出電極
5a,5bに印加する電圧Va,Vbの値を異ならせる
と、電界に偏りを生じ、エミッタ2から放射される電子
ビーム7にも偏りを生じ、エミッタ2に関して非点対称
となる。よって、その方向制御により1つのエミッタ2
に対して例えば引出電極5a,5bの分割数分だけの複
数の陽極を割当て得る電子ビーム源1となり、課題を解
決し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ真空エレ
クトロニクスデバイス、マイクロ電界放射デバイス(M
FD=Micro Field‐emission Device) 、平面型表
示装置、平面型撮像素子、或いは、静電記録装置等への
適用が可能な電子ビーム源及び電子ビーム装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の平面型表示装置に関する従来技
術として、例えば、‘A New Driving Method of F
ull Color FED Panel’(Mitsuru Tanaka,et a
l,Proceedings of The Third International Dis
play Workshop(IDW’96),Vol.2,p151(FED3-
2))(文献1)に示されるものがある。図24は文献1
中の従来例として示されているフルカラー対応のFED
(Field Emission Disply)100の基本的構成の斜
視図である。図中、101は前面ガラス基板、102は
ITO等により互い違いの櫛歯状に形成された陽極、1
03は陽極102に形成されたRGB対応の蛍光体、1
04は背面ガラス基板、105はこの背面ガラス基板1
04上に行方向にストライプ状に区切られて形成された
陰極、106は陰極105上に列方向にストライプ状に
区切られて形成されたゲート電極、107は陰極105
・ゲート電極106間に形成されたエミッタアレイ、1
08は基板101,104間を所定間隔に維持するスペ
ーサである。
【0003】ここで、図25は図24中のA‐A線断面
図を示すもので、エミッタアレイ107は3〜4μm間
隔で配設された先鋭な円錐状の複数のエミッタ109に
より形成され、このエミッタアレイ107を1つの単位
としてFEDの画素(pixel) が構成され、この単位で
RGB個々の蛍光体103に対向されている。なお、ゲ
ート電極106・陰極105間は絶縁層110で絶縁さ
れている。このような構成の下、発光させたい画素に対
応した陰極105とゲート電極106との間に時間的に
制御された電圧を印加することにより、画像情報に対応
した電子ビームがエミッタ109から蛍光体103が塗
布されている陽極102に照射され、画像が表示され
る。
【0004】ところが、このままでは、エミッタ109
から放射された電子ビームが対向する所望の陽極102
だけに入射せず、隣接する陽極102にも入射してしま
い、表示画像の画質が低下してしまう欠点がある。そこ
で、文献1中では、1つの画像を表示するのに要する時
間(1フレーム)を2分割するようにしている。このた
めに、構造的には、図26に示すように、エミッタ10
9、ゲート電極106、陽極102の組が2組に分けら
れ、2組の画素が交互に並ぶように設定されている。そ
して、図27及び図28に示すように、1フレームの前
半には1組目の画素を発光させ、1フレームの後半には
2組目の画素を発光させることで表示させるものであ
る。この手法によれば、一方の組の画素に隣接する他方
の組用の画素は停止状態にあるので、エミッタ109か
ら放射された電子ビームは隣接する他方の組の陽極10
2には照射されず、画質の低下が防止される。
【0005】また、この種の平面型撮像素子に関する従
来技術として、例えば、「冷陰極撮像板の研究」(江上
典文、平成8年 日本放送協会放送技術研究所公開 講
演・研究発表予稿集、p77〜82)(文献2)に示さ
れるものがある。図29は文献2中に示されている冷陰
極撮像板120の基本的構成の斜視図である。これは、
原理的には図24に示したFED100の場合と同様で
あるが、蛍光体103に代えて高感度光導電ターゲット
121が存在する。図29中、122は2次元冷陰極ア
レイ、123は前面ガラス板である。前記2次元冷陰極
アレイ122は基板124上に複数の冷陰極素子125
が所定間隔で配列形成されたもので、その一つの断面構
造を図30に示す。図示のように、冷陰極素子125は
針のように尖った円錐状の陰極(エミッタ)126とこ
の陰極126を取り囲むゲート電極127とにより構成
されている。128は絶縁層である。陰極126やゲー
ト電極127にはMo,nb等の高融点金属やSi等の
半導体が用いられ、ゲート電極127に陰極126より
も高い電圧が印加されると陰極126の先端に電界が集
中して電子が飛び出す。
【0006】図31は高感度光導電ターゲット121の
動作原理を示す斜視図である。この高感度光導電ターゲ
ット121は光の入射側からITO等による透明電極1
29、CeO2 による正孔注入阻止強化層130、a‐
Se131、及び、Sb23による高抵抗層132によ
り構成されている。高感度光導電ターゲット121内の
1つの絵素において、始めの電子ビームの走査が終了す
ると、次の走査まで、入射した光子量に比例した電子・
正孔の対が発生する。このうち、電子は透明電極129
を通り信号電極(正電圧)へ入る。正孔は光導電膜の電
子ビーム源側の表面へ移動する。従って、入射光子を受
けている期間中は、正孔は時間とともに蓄積されて表面
電位が正の方向に上昇する。即ち、充電電圧が高くな
る。よって、光導電膜の表面には、光学像の明暗に応じ
て電位分布の像ができる。つまり、明るい部分は充電電
圧が高くなり、暗い部分は低くなる。絵素が次の走査を
受けると、電子ビームが表面電位の大きさに応じてター
ゲットに流れ込み、信号電極を通って出力電流となり、
映像信号が取り出せる。そこで、電子を放射する陰極
(エミッタ)126を時系列的に順時選択することによ
り、映像信号を時系列的に取り出すことができる。
【0007】ここで、取り出すことができる画素密度は
陰極(エミッタ)126の密度に等しくなり、現状の製
造方法では1画素当たり3〜4μm四方である。よっ
て、端板の撮像素子によりフルカラーの画像を得るため
にはRGBの各色のみに感度を持つ光導電膜又は各色の
フィルタを有する光導電膜が3色1組の絵素としてアレ
イ状に配設されなければならない。この際、絵素の縦横
の長さは等しくなければならないので、1つの絵素のサ
イズ(つまり、絵素密度)は9〜12μmとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】文献1に示された従来
技術によると、1画面(時間的な1フレーム)を2分割
している。従って、1フレームの前半に電子を放射した
エミッタ109は1フレームの後半においては使用され
ておず、1フレームの後半に電子を放射するエミッタ1
09は1フレームの前半においては使用されない。即
ち、時間的に1/2しか使用されていないにも拘らずエ
ミッタ等の密度は全時間使用する場合と同じ密度で作製
しなければならず、それだけ歩留まり・製造コストに負
担がかかる。
【0009】文献2に示された従来技術によると、画素
密度はエミッタの製造可能な密度により決定されるが、
現状では、前述したように3μm程度が限界である。単
板の撮像素子でフルカラーの撮像を行おうとすると、R
GBの組(絵素)の1辺の長さはエミッタ間隔の3倍と
なる。この場合、撮像デバイスの大きさは例えばハイビ
ジョンTV用の撮像デバイスを想定すると、9μm×9
μmの大きさの絵素が2000×1125個必要となる
ので、撮像デバイスの大きさは18mm×10.1mm
程度にもなってしまう。これでは、現状の2次元CCD
イメージセンサ等の固体撮像素子に比べても大きく、歩
留まり等を考えると、より小さなものが要求される。ち
なみに、光導電ターゲットについては高感度なものが開
発されており、これより小さな画素サイズ、例えば、1
μm四方であっても問題はない。
【0010】そこで、本発明は、同一の画素密度を得る
ためのエミッタ密度を低減させて歩留まり・製造コスト
の負担を低減させることができ、或いは、現状のエミッ
タ密度の下に画素密度を高くし得る電子ビーム源及び電
子ビーム装置を提供することを目的とする。
【0011】さらには、本発明は、上記のエミッタ密度
の低減化或いは画素密度の向上を、より確実に実現し得
る電子ビーム源及び電子ビーム装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の電
子ビーム源は、電子を放射するエミッタとこのエミッタ
から電子を放射させるための電界を付与する引出電極と
を備える電子ビーム源であって、前記引出電極の電位に
より生ずる電界を、前記エミッタに関して非点対称に形
成自在とした。従って、エミッタに関して非点対称に形
成される電界の向きを制御することで、エミッタから放
射される電子ビームの方向も制御し得るものとなる。よ
って、1つのエミッタに対して複数の陽極を割当て得る
電子ビーム源となるので、陽極側の密度が同じであれば
エミッタ側の密度は低減させることができ、歩留まり・
製造コストの負担は軽減される。一方、エミッタ側の密
度を現状程度とした場合には陽極側を高密度化できる。
【0013】請求項2記載の発明の電子ビーム源は、電
子を放射するエミッタと、互いに絶縁されつつ分割され
て前記エミッタから電子を放射させるための電界を付与
する引出電極と、分割された引出電極に対して異なる電
圧値の電圧を切換え自在に印加する電源とを備えてい
る。従って、分割された引出電極に対して印加する電圧
値を大小異ならせると、電圧値の大きい電圧が印加され
た引出電極とエミッタとの間で生ずる電界のほうが他方
よりも強くなるので、エミッタから放射される電子ビー
ムは偏りを生じ、エミッタに関して非点対称となる。そ
こで、分割された引出電極に印加する電圧値を電源によ
って切換え自在に制御することで、エミッタから放射さ
れる電子ビームの方向も制御し得るものとなる。よっ
て、1つのエミッタに対して最低限引出電極の分割数分
だけの複数の陽極を割当て得る電子ビーム源となるの
で、陽極側の密度が同じであればエミッタ側の密度を最
低限1/(分割数)に低減させることができ、歩留まり
・製造コストの負担は軽減される。一方、エミッタ側の
密度を現状程度とした場合には陽極側を最低限(分割
数)倍に高密度化できる。
【0014】請求項3記載の発明の電子ビーム源は、電
子を放射するエミッタと、このエミッタから電子を放射
させるための電界を付与する引出電極と、互いに絶縁さ
れつつ分割されて前記引出電極の上部又は周辺に形成さ
れて前記エミッタから放射される電子を特定方向に収束
させるための電界を付与する収束電極と、分割された収
束電極に対して異なる電圧値の電圧を切換え自在に印加
する電源とを備えている。従って、分割された収束電極
に対して印加する電圧値を大小異ならせると、電圧値の
大きい電圧が印加された収束電極側で生ずる電界のほう
が他方よりも強くなるので、エミッタから引出電極の作
用の下に放射される電子ビームは偏りを生じ、エミッタ
に関して非点対称となる。そこで、分割された収束電極
に印加する電圧値を電源によって切換え自在に制御する
ことで、エミッタから放射される電子ビームの方向も特
定方向に収束するように制御し得るものとなる。よっ
て、1つのエミッタに対して最低限収束電極の分割数分
だけの複数の陽極を割当て得る電子ビーム源となるの
で、陽極側の密度が同じであればエミッタ側の密度を最
低限1/(分割数)に低減させることができ、歩留まり
・製造コストの負担は軽減される。一方、エミッタ側の
密度を現状程度とした場合には陽極側を最低限(分割
数)倍に高密度化できる。特に、エミッタに対して引出
電極、収束電極なる電極を2段階に有するので、電子ビ
ームの方向制御がより確実となる。
【0015】請求項4記載の発明の電子ビーム装置は、
請求項1,2又は3記載の電子ビーム源と、この電子ビ
ーム源と対をなして前記電子ビーム源から放射される電
子が各々選択的に照射される複数の陽極と、これらの電
子ビーム源と陽極との対が複数配設される真空容器と、
前記電子ビーム源において電界を付与するための電極へ
の電圧印加の切換えの時間的変化に同期して前記陽極に
対する電圧印加が切換えられる陽極電源とを備えてい
る。従って、請求項1,2又は3記載の電子ビーム源を
用いて電子ビーム装置を構成しているので、エミッタ側
の密度を低減させて歩留まり・製造コストの負担を伴わ
ない、或いは、現状のエミッタ側の密度にて画素密度を
高くし得る表示用、撮像用などの電子ビーム装置とな
る。特に、陽極側に対する電圧印加が電子ビーム源側に
おける電子ビームの方向制御のための電圧印加の切換え
の時間的変化に同期して切換えられるので、複数の陽極
中の所望側の陽極への電子ビームの照射を確実に行わせ
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
及び図2に基づいて説明する。本実施の形態は、電子ビ
ーム源1に関する原理的構成を示すものである。このた
め、単一のエミッタ2のみを有する電子ビーム源1の例
として説明する。図2に示すように、絶縁性の基板3上
には先鋭な円錐状のエミッタ2が形成され、かつ、この
エミッタ2を中心としてこのエミッタ2を取り囲むよう
にドーナツ状の絶縁膜4が形成され、この絶縁膜4上に
半円状に2分割された一対の引出電極5a,5bが形成
されている。従って、引出電極5a,5b同士は互いに
絶縁されており、かつ、前記エミッタ2の頂部周りに配
設されている。前記エミッタ2や引出電極5a,5bに
は従来と同様にMo,Nb等の高融点金属やSi等の半
導体が用いられており、引出電極5a,5bにエミッタ
2よりも高い電圧を印加すると、エミッタ2の先端に電
界が集中し、そこから電子が飛び出すものである。その
ため、図1に示すように、エミッタ2・引出電極5a間
には電圧Vaを印加する電源6aが接続され、エミッタ
2・引出電極5b間には電圧Vbを印加する電源6bが
接続されている。電圧Va,Vbはともにエミッタ2か
ら電界放射を生じさせるに十分な電圧値であるが、これ
らの電源6a,6bはその電源電圧の値を適宜可変切換
えし得るものが用いられている。
【0017】このような構成において、電源6a,6b
を制御してそれらの電圧Va,VbをVa>Vbなる関
係にした場合を考える。この場合、図1(a)に示すよ
うに、引出電極5aとエミッタ2との間で生ずる電界の
ほうが引出電極5bとエミッタ2との間で生ずる電界よ
りも強くなるので、エミッタ2の先端から電界に従って
放射される電子ビーム7の向きは引出電極5a側に偏る
ように偏向される。電圧Va,VbをVa=Vbなる関
係にした場合には、図1(b)に示すように、引出電極
5aとエミッタ2との間で生ずる電界と引出電極5bと
エミッタ2との間で生ずる電界とは等しくなるので、エ
ミッタ2から放射される電子ビーム7は何れの引出電極
5a,5bにも偏ることなく基板3に対してほぼ垂直な
方向となる。さらに、電圧Va,VbをVa<Vbなる
関係にした場合には、図1(c)に示すように、引出電
極5bとエミッタ2との間で生ずる電界のほうが引出電
極5aとエミッタ2との間で生ずる電界よりも強くなる
ので、エミッタ2の先端から電界に従って放射される電
子ビーム7の向きは引出電極5b側に偏るように偏向さ
れる。
【0018】このように、本実施の形態によれば、2分
割された引出電極5a,5bに印加する電圧Va,Vb
の値を制御することにより、これらの引出電極5a,5
bの電位により生ずる電界が、エミッタ2に関して非点
対称となり、図1(a)(b)(c)に示すように電子
ビーム7の方向を、左斜め向き、直進、右斜め向きの3
方向に偏向させ得ることが判る。よって、後述する実施
の形態の如く、表示素子や撮像素子に用いる場合に、1
つのエミッタに対して複数の陽極を割当てることができ
る電子ビーム源となるので、陽極側の密度が同じであれ
ばエミッタ側の密度は低減させることができ、歩留まり
・製造コストの負担を軽減させることができ、エミッタ
側の密度が現状程度でよければ、陽極側を高密度化する
ことができる。
【0019】本発明の第二の実施の形態を図3ないし図
5に基づいて説明する。前記実施の形態で示した部分と
同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以
下の実施の形態でも、順次同様とする)。本実施の形態
は、前記実施の形態で説明した原理からなる電子ビーム
源1を2次元状にアレイ化して用いた平面型表示装置8
に適用されている。まず、図1等に示した構造の電子ビ
ーム源1がアレイ状に配設されてエミッタアレイ9が形
成され、このエミッタアレイ9が1つの集合体として島
状に分散されて基板3上に配設されている。現実には、
このような島が行・列各々の方向に多数2次元アレイ状
に並んでいるわけであるが、ここでは簡単にするため、
2行・2列分のみを図示する。また、電子ビーム源1側
の基板3に対向させて前面基板10が設けられている。
この前面基板10の内面側(対向面)側には、フルカラ
ー表示用の各々画素となるRGB用の陽極である蛍光体
11R ,11G ,11B も2次元アレイ状に整然と配列
形成されている。基板3,10間はスペーサと隔壁(何
れも図示せず)により一定の距離を保ち、かつ、真空状
態となる真空容器(図示せず)を構成するように設定さ
れている。ここで、1つのエミッタアレイ9に対しては
2つの蛍光体11が割り当てられ、各エミッタアレイ9
の島は2つの蛍光体11間の中央に位置するように等間
隔で配列されている。従って、エミッタアレイ9の島の
数は蛍光体11の数の1/2である。
【0020】また、各島内の電子ビーム源1の引出電極
5a,5bは各々共通に接続されており、島から外部に
対する取出配線が引き出されている。この配線は、行方
向に並んだ島間で、引出電極5a,5b各々に共通に接
続されている。この取出配線を図示の如くG1a,G1
b,G2a,G2b,…とする。また、エミッタ2は各
島内で共通に接続され、さらに、列方向に1列に並んだ
島間でエミッタ配線により共通に接続されている。この
エミッタ配線を図示の如くE1,E2,…とする。
【0021】このような構成において、その駆動方法を
図5に示すタイムチャートを参照して説明する。本実施
の形態では1画面(時間的な1フレーム)を2分割し、
前半、後半の各々について、取出配線G1a,G2a,
…,Gna,G1b,G2b,…,Gnbを通じて順次
電圧を印加する。選択された引出電極5a,5bのエミ
ッタ2にはエミッタ配線E1〜Emを介して画信号に対
応する電圧が印加され(詳細は省略する)、これに対応
した電子ビームが順次蛍光体に照射されることで画像が
表示される。
【0022】ここで、より詳細には、1フレームの前半
では、取出配線G1a,G2a,…,Gnaを介して印
加される電圧のほうが取出配線G1b,G2b,…,G
nbを介して印加される電圧よりも高くなるように制御
される。この結果、図1(a)で説明した原理に従い、
図3(a)に示すようにエミッタアレイ9の引出電極5
a寄り(図面上、左側)の蛍光体11に対して電子ビー
ム7が照射される。従って、1フレームの前半における
エミッタ印加電圧(画信号)は左寄りの蛍光体に対応す
る画信号のみとなる。次に、1フレームの後半では、前
半の場合とは反対に、取出配線G1b,G2b,…,G
nbを介して印加される電圧のほうが取出配線G1a,
G2a,…,Gnaを介して印加される電圧よりも高く
なるように制御される。この結果、図1(c)で説明し
た原理に従い、図3(b)に示すようにエミッタアレイ
9の引出電極5b寄り(図面上、右側)の蛍光体11に
対して電子ビーム7が照射される。従って、1フレーム
の後半におけるエミッタ印加電圧(画信号)は右寄りの
蛍光体に対応する画信号のみとなる。このような前半及
び後半の動作制御に基づき1フレームの間で1画面が表
示される。
【0023】このように、本実施の形態によれば、1つ
のエミッタアレイ9に2つの蛍光体11が対をなすよう
に割り当てられ、1フレームの前半と後半とで同じエミ
ッタアレイ9が用いられており(即ち、常にエミッタア
レイ9が稼働的とされており)、従来技術のように前半
と後半とで各々専用のエミッタが用いられて電子ビーム
を放射する頻度が1/2となるような無駄を生じない。
つまり、島状のエミッタアレイ9の数を従来に比して1
/2に半減でき、各島内のエミッタ2の間隔を2倍にで
きることを意味する。この結果、歩留まり・製造コスト
の負担を軽減させることができる。また、別の観点とし
て、エミッタ2の間隔を2倍にすることなく現状通りと
すれば、蛍光体11側の密度(画素密度)を2倍に倍増
できることを意味し、より高解像度な表示素子となる。
【0024】なお、本実施の形態では、1つのエミッタ
アレイ9に2つの蛍光体11を割り当てるようにした
が、図6に示すように、1つのエミッタアレイ9に3つ
の蛍光体11を割り当てて中央の蛍光体11に対応する
位置にエミッタアレイ9を配設させるようしてもよい。
この場合には、図1(b)で説明した原理に従い、Va
=Vbなる駆動状態を確保すれば中央の蛍光体11への
電子ビーム7の照射が可能となる。これによれば、島状
のエミッタアレイ9の数を従来に比して1/3に減ら
し、各島内のエミッタ2の間隔を3倍に広げることがで
き、歩留まりの向上を図る上で有利となる。或いは、エ
ミッタアレイ9側を従来通りとすれば、蛍光体11側の
密度(画素密度)を3倍にすることができ、一層の高解
像度化が可能となる。
【0025】また、本実施の形態や図6に示す例では、
エミッタアレイ9側の大きさを割り当てられる蛍光体1
1の数に応じてその領域をカバーし得る大きさとした
が、図7に示すように、エミッタアレイ9の大きさを1
つの蛍光体11の大きさ程度に小さくしてもよい。
【0026】本発明の第三の実施の形態を図8ないし図
10に基づいて説明する。本実施の形態は、前述した第
一の実施の形態で説明した原理からなる電子ビーム源1
を2次元状にアレイ化して用いた平面型撮像素子21に
適用されている。本実施の形態では、まず、RGB各々
の分光感度(或いは、フィルタ)を持つ光導電ターゲッ
ト22(22R ,22G ,22B )が2次元マトリック
ス状に分散形成された基板23が設けられている。ここ
で、1つのエミッタ2に対してRGB3つの光導電ター
ゲット22R ,22G ,22B が対をなすように配設さ
れている。より具体的には、中央の光導電ターゲット2
G の直下に対をなすエミッタ2が配設されている。ま
た、2次元状に配設される各エミッタを211,212
〜,2nnの如く示すものとすれば、各エミッタ211,2
12,〜,2nnに対して列方向には各々2分割された引出
電極G1a,G1b,G2a,G2b,〜,Gna,G
nbが形成され、直交する行方向には同一行の各々のエ
ミッタ2に共通に接続された陰極電極C1,C2,〜,
Cnが形成されている。
【0027】このような構成において、その駆動方法を
図10に示すタイムチャート及び図9の断面図を参照し
て説明する。なお、ここでは説明を簡単にするため、陰
極電極としてC1のみが選択されている場合(即ち、陰
極電極C1に属するエミッタ211,212,〜,21nが0
Vで、他のエミッタ221,222,〜,2nnに関しては電
界放射が生じないように正電圧が印加され、又は、フロ
ーティング状態とされている)におけるエミッタ211
12のみを抽出して説明する。
【0028】図10において、タイミング〜では、
引出電極G1a,G1bに対してともに正電圧が印加さ
れ他の引出電極G2a,G2b,〜は0Vとされてい
る。ここで、タイミングにおいては、引出電極G1a
側の電圧のほうが引出電極G1b側の電圧よりも高いの
で、エミッタ211から放射される電子ビーム7は図9
(a)に示すように引出電極Ga寄りに放射される。即
ち、R用の光導電ターゲット22R に向けて照射され
る。つづいて、タイミングにおいては引出電極G1a
側と引出電極G1b側との電圧が等しいので、エミッタ
11から放射される電子ビーム7は図9(b)に示すよ
うに垂直方向に直進するように放射される。即ち、中央
のG用の光導電ターゲット22G に向けて照射される。
タイミングにおいては、引出電極G1b側の電圧のほ
うが引出電極G1a側の電圧よりも高いので、エミッタ
11から放射される電子ビーム7は図9(c)に示すよ
うに引出電極Gb寄りに放射される。即ち、B用の光導
電ターゲット22B に向けて照射される。
【0029】つづいて、タイミング〜では、引出電
極G1a,G1bへの正電圧の印加がなくなり、引出電
極G2a,G2bに対してともに正電圧が印加され他の
引出電極は0Vとされる。ここで、タイミングにおい
ては、引出電極G2a側の電圧のほうが引出電極G2b
側の電圧よりも高いので、エミッタ212から放射される
電子ビーム7は図9(d)に示すように引出電極Ga寄
りに放射される。即ち、R用の光導電ターゲット22R
に向けて照射される。つづいて、タイミングにおいて
は引出電極G2a側と引出電極G2b側との電圧が等し
いので、エミッタ212から放射される電子ビーム7は図
9(e)に示すように垂直方向に直進するように放射さ
れる。即ち、中央のG用の光導電ターゲット22G に向
けて照射される。タイミングにおいては、引出電極G
2b側の電圧のほうが引出電極G2a側の電圧よりも高
いので、エミッタ212から放射される電子ビーム7は図
9(f)に示すように引出電極Gb寄りに放射される。
即ち、B用の光導電ターゲット22B に向けて照射され
る。エミッタ213以降についても、同様に繰り返され
る。
【0030】このように本実施の形態によれば、1つの
エミッタ2に3つの光導電ターゲット22が対をなすよ
うに割り当てられている。従って、1つのエミッタに1
つの光導電ターゲットを割り当てている従来例に比し
て、エミッタ2の数を1/3に減らし、エミッタ2間の
間隔を3倍に広げることができる。この結果、歩留まり
を大幅に向上させることができる。或いは、エミッタ2
の間隔を3倍に広げることなく現状通りとすれば、光導
電ターゲット22側の密度(画素密度)を従来に比して
3倍にすることができ、より高解像度な撮像素子とな
る。例えば、前述したようにエミッタ間隔を現状の3μ
mとした場合、RGB各画素の間隔はエミッタ間隔の1
/3、即ち、1μmにすることができる。従って、RG
Bの組による1絵素の大きさは3μm四方にすることが
できる。よって、例えばハイビジョンTV用の撮像素子
とした場合、3μm×3μmの大きさの絵素が2000
×1125個必要となるので、撮像素子の大きさは6m
m×3.4mm程度となり、従来例に比して1/9に縮
小できる。従って、本実施の形態によれば、歩留まり向
上を図ることができ、或いは、同じ大きさの撮像素子で
あれば絵素数が多くて高解像度な撮像素子を得ることが
できる。
【0031】なお、これらの各実施の形態では、電子ビ
ーム源1として2分割された引出電極の例で説明した
が、これに限らず、例えば、図11に示すように4分割
された引出電極Ga〜Gdを有する電子ビーム源1とし
てもよい。これによれば、1つのエミッタ2に4つ(場
合によっては、5つ)の光導電ターゲット(又は、蛍光
体)を割り当てることができる。
【0032】また、電子ビーム源1としては、図12に
示すように、絶縁膜4上に抵抗層(又は、誘電体層)2
4を設け、この抵抗層24上でエミッタ2から離れた位
置に小面積化された引出電極5a,5bを設けた構造と
してもよい。このような構造によれば、抵抗層24が実
質的に引出電極の役割を担うとともに、引出電極5aか
ら引出電極5bまでの間で連続的に電位が分布するた
め、エミッタ2から電子ビーム7を放射させるための、
より細かい電界の制御が可能となる。
【0033】さらに、電子ビーム源としては、前述した
ような中央にエミッタがありその周囲に引出電極がある
構造に限らず、例えば、図13に示すような、所謂、ボ
ルカノ型の電子ビーム源25であってもよい。この電子
ビーム源25は中央に半円状に2分割された引出電極2
6a,26bがあり、その周囲にエミッタ27が配設さ
れたものである。28は山状の基板、29は絶縁膜であ
る。
【0034】本発明の第四の実施の形態を図14ないし
図16に基づいて説明する。本実施の形態は、第ニの実
施の形態で説明した平面型表示装置8への適用例を示
し、蛍光体11側においてこれらの蛍光体11が1列置
きに共通の陽極電源A1,A2に接続されている。これ
らの陽極電源A1,A2は、1フレームの前半において
は陽極電源A1側が正電圧、陽極電源A2側が0V、1
フレームの後半においては陽極電源A2側が正電圧、陽
極電源A1側が0Vとなるように切換え制御される。即
ち、引出電極Ga,Gbに対する電圧切換えの時間的変
化に同期して切換えられる。
【0035】このような構成において、その駆動方法を
図16に示すタイムチャートを参照して説明する。基本
的には、図5で説明した場合と同様であるが、1フレー
ムの前半にはエミッタアレイ9に対して左側に位置する
蛍光体11に対して陽極電源A1により正電圧が印加さ
れ、右側に位置する蛍光体11に対しては0Vが印加さ
れる。電子ビーム7は図14(a)に示すようにエミッ
タアレイ9から左側の蛍光体11に向かって放射される
が、放射対象であるこの左側の蛍光体11が正電位とさ
れているので、この蛍光体11に対してより確実に電子
ビーム7を照射させることができる。同様に、1フレー
ムの後半にはエミッタアレイ9に対して右側に位置する
蛍光体11に対して陽極電源A2により正電圧が印加さ
れ、左側に位置する蛍光体11に対しては0Vが印加さ
れる。電子ビーム7は図14(b)に示すようにエミッ
タアレイ9から右側の蛍光体11に向かって放射される
が、放射対象であるこの右側の蛍光体11が正電位とさ
れているので、この蛍光体11に対してより確実に電子
ビーム7を照射させることができる。つまり、エミッタ
アレイ9側の電圧印加の切換えに同期させて蛍光体11
側に対する正電圧の印加を切換えて照射対象の蛍光体1
1に正電圧を印加させることで、その蛍光体11に対す
る電子ビーム7の照射をより確実なものとすることがで
きる。
【0036】なお、本実施の形態の駆動方式は、図6に
示したように1つのエミッタアレイ9に3つの蛍光体1
1を割り当てた場合にも同様に適用できる。この場合に
は、蛍光体11側においてこれらの蛍光体11を2列置
きに共通の陽極電源に接続しておき、1フレーム内で前
半、中盤、後半の3つに分けて対応する列の蛍光体11
に正電圧を印加するようにすればよい。
【0037】本発明の第五の実施の形態を図17に基づ
いて説明する。本実施の形態は、第三の実施の形態で説
明した平面型撮像素子21への適用例を示し、ここでは
特に図示しないが、光導電ターゲット22側において同
じ種類(RGB)同士の光導電ターゲット22が共通の
陽極電源(ここでは、Ar,Ag,Abとする)に接続
されている。これらの陽極電源Ar,Ag,Abは引出
電極Ga,Gbに対する電圧切換えの時間的変化に同期
して切換えられるように設定されている。
【0038】このような構成において、その駆動方法を
図17に示すタイムチャートを参照して説明する。基本
的には、図10に示した場合と同様であるが、例えば、
エミッタ211を駆動させるタイミング〜において、
R用の光導電ターゲット22R に電子ビーム7が照射さ
れるタイミングではその光導電ターゲット22R に対
して陽極電源Arにより正電圧が印加される。これによ
り、この光導電ターゲット22R に対する電子ビーム7
の照射が確実となる。G用の光導電ターゲット22G
電子ビーム7が照射されるタイミングではその光導電
ターゲット22G に対して陽極電源Agにより正電圧が
印加され、B用の光導電ターゲット22B に電子ビーム
7が照射されるタイミングではその光導電ターゲット
22B に対して陽極電源Arにより正電圧が印加され
る。エミッタ212を駆動させるタイミング〜、さら
にはそれ以降においても同様の制御が繰り返される。何
れにしても、照射すべき光導電ターゲット22に対して
は正電圧が印加されるので、その光導電ターゲット22
への電子ビームの照射はより確実となる。
【0039】本発明の第六の実施の形態を図18に基づ
いて説明する。本実施の形態は、電子ビーム源31に関
する原理的構成を示すものである。本実施の形態の電子
ビーム源31にあっては、基板3上に形成された絶縁膜
4上に同様にドーナツ状の引出電極32及び絶縁膜33
が積層形成され、この絶縁膜33上に半円状に2分割さ
れた一対の収束電極34a,34bが形成されている。
ここで、特に図示しないが、エミッタ2・引出電極32
間にはエミッタ2から電子を放射させるための電界を付
与する電圧が印加されているとともに、収束電極34a
・エミッタ2間、収束電極34b・エミッタ2間には各
々電圧可変の電源(電源6a,6bと同等)が接続され
ている。
【0040】このような構成において、収束電極34
a,34bに印加される電圧は大小・同じの3段階に切
換えられる。収束電極34a側の電圧のほうが高い場合
には、引出電極32によりエミッタ2から放射された電
子ビームは収束電極34a寄りに偏るように特定方向に
方向付けられて進む。収束電極34a,34bの電圧が
同じ場合には引出電極32によりエミッタ2から放射さ
れた電子ビームは基板3に垂直な方向に直進する。収束
電極34b側の電圧のほうが高い場合には、引出電極3
2によりエミッタ2から放射された電子ビームは収束電
極34b寄りに偏るように特定方向に方向付けられて進
む。即ち、引出電極32・エミッタ2間の電界によりエ
ミッタ2から放射された電子ビームは、さらに、収束電
極34a,34bによる電界の向きによる収束作用を受
けて、収束電極34a寄り、直進、収束電極34b寄り
の何れかの方向に方向付けられる(図1(a)〜(c)
の場合と同様な作用を受ける)。
【0041】本発明の第七の実施の形態を図19に基づ
いて説明する。本実施の形態では、電子ビーム源31に
おいて、引出電極32に代えて、図2等に示した引出電
極5a,5bと同様に半円状に2分割された引出電極3
2a,32bが用いられている。ここに、エミッタ2・
引出電極32a間、エミッタ2・引出電極32b間には
各々電圧可変の電源(電源6a,6bと同等)が接続さ
れている。ここでは、引出電極32a,32bの分割方
向と収束電極34a,34bの分割方向とは同一方向と
されている。
【0042】本実施の形態による場合も、前記第六の実
施の形態の場合と同様な効果が得られるが、特に、本実
施の形態による場合には、引出電極32a,32bと収
束電極34a,34bとが同様に分割されているので、
引出電極32a、収束電極34a用の電源を共用させ、
引出電極32b、収束電極34b用の電源を共用させる
ことで、電界の偏りの程度を強めて電子ビームの偏向性
を一層確実なものとすることもできる。或いは、引出電
極32aに印加する電圧と収束電極34aに印加する電
圧とを異なる値とし、同様に、引出電極32bに印加す
る電圧と収束電極34bに印加する電圧とを異なる値と
することで、より適切な電子ビームの照射方向の制御を
行わせることもできる。
【0043】なお、本実施の形態では、2分割された引
出電極32a,32bの分割方向と収束電極34a,3
4bの分割方向とは同一方向とされているが、図20に
示すように分割方向を直交させてもよい。この場合、各
電極32a,32b,34a,34bに印加する電圧値
の組合せにより、4方向又は2次元的に電子ビームの照
射方向を制御することができる。
【0044】また、このような収束電極を用いる構成は
エミッタを中央に持つ電子ビーム源に限らず、図13に
示したようなボルカノ型の電子ビーム源25にも同様に
適用できる。図21及び図22はその適用例を示し、図
21は引出電極26a,26bと収束電極35a,35
bとの分割方向を一致させた例、図22は引出電極26
a,26bと収束電極35a,35bとの分割方向を直
交させた例を示す。
【0045】本発明の第八の実施の形態を図23に基づ
いて説明する。本実施の形態の電子ビーム源41は、特
にエミッタ2自身を島状にアレイ化して使用する図3や
図14の場合に適用し得る。即ち、本実施の形態では、
エミッタアレイ9の個々のエミッタ2に収束電極34
a,34bを設けず、エミッタアレイ9の島単位で左右
一対の収束電極36a,36bが設けられている。よっ
て、本実施の形態によれば、各エミッタ2毎の狭いスペ
ースに収束電極及びその配線を個々に設ける必要がなく
なるので、求められるパターニング精度に余裕を持たせ
ることができる。
【0046】なお、本発明は、上述した各実施の形態及
び変形例で説明したような電子ビーム源への適用に限ら
れず、要は、電子放出部として作用するエミッタと引出
電極(ゲート電極)とを有する電子ビーム源であれば同
様に適用し得る。また、引出電極、収束電極に関して
も、必ずしもこのような呼称に限られず、要は、同様の
機能を果たすために用いられる電極であれば本発明に包
含されるものである。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明の電子ビーム源によ
れば、電子を放射するエミッタとこのエミッタから電子
を放射させるための電界を付与する引出電極とを備える
電子ビーム源であって、前記引出電極の電位により生ず
る電界を、前記エミッタに関して非点対称に形成自在と
したので、エミッタに関して非点対称に形成される電界
の向きを制御することで、エミッタから放射される電子
ビームの方向も制御でき、よって、1つのエミッタに対
して複数の陽極を割当て得る電子ビーム源となるので、
陽極側の密度が同じであればエミッタ側の密度を低減さ
せることができ、歩留まり・製造コストの負担を軽減さ
せることができ、或いは、エミッタ側の密度を現状程度
とした場合には陽極側を高密度化することができる。
【0048】請求項2記載の発明の電子ビーム源によれ
ば、電子を放射するエミッタと、互いに絶縁されつつ分
割されて前記エミッタから電子を放射させるための電界
を付与する引出電極と、分割された引出電極に対して異
なる電圧値の電圧を切換え自在に印加する電源とを備え
ているので、分割された引出電極に印加する電圧値を電
源によって切換え自在に制御することで、エミッタから
放射される電子ビームの方向を制御することができ、よ
って、1つのエミッタに対して最低限引出電極の分割数
分だけの複数の陽極を割当て得る電子ビーム源となるの
で、陽極側の密度が同じであればエミッタ側の密度を最
低限1/(分割数)に低減させることができ、歩留まり
・製造コストの負担を軽減させることができ、或いは、
エミッタ側の密度を現状程度とした場合には陽極側を最
低限(分割数)倍に高密度化することができる。
【0049】請求項3記載の発明の電子ビーム源によれ
ば、電子を放射するエミッタと、このエミッタから電子
を放射させるための電界を付与する引出電極と、互いに
絶縁されつつ分割されて前記引出電極の上部又は周辺に
形成されて前記エミッタから放射される電子を特定方向
に収束させるための電界を付与する収束電極と、分割さ
れた収束電極に対して異なる電圧値の電圧を切換え自在
に印加する電源とを備えているので、分割された収束電
極に印加する電圧値を電源によって切換え自在に制御す
ることで、エミッタから放射される電子ビームの方向も
特定方向に収束するように制御することができ、よっ
て、1つのエミッタに対して最低限収束電極の分割数分
だけの複数の陽極を割当て得る電子ビーム源となるの
で、陽極側の密度が同じであればエミッタ側の密度を最
低限1/(分割数)に低減させることができ、歩留まり
・製造コストの負担を軽減させることができ、或いは、
エミッタ側の密度を現状程度とした場合には陽極側を最
低限(分割数)倍に高密度化することができ、特に、エ
ミッタに対して引出電極、収束電極なる電極を2段階に
有するので、電子ビームの方向制御をより確実なものと
することができる。
【0050】請求項4記載の発明の電子ビーム装置によ
れば、請求項1,2又は3記載の電子ビーム源と、この
電子ビーム源と対をなして前記電子ビーム源から放射さ
れる電子が各々選択的に照射される複数の陽極と、これ
らの電子ビーム源と陽極との対が複数配設される真空容
器と、前記電子ビーム源において電界を付与するための
電極への電圧印加の切換えの時間的変化に同期して前記
陽極に対する電圧印加が切換えられる陽極電源とを備え
ており、請求項1,2又は3記載の電子ビーム源を用い
て電子ビーム装置を構成しているので、エミッタ側の密
度を低減させて歩留まり・製造コストの負担を伴わな
い、或いは、現状のエミッタ側の密度にて画素密度を高
くし得る表示用、撮像用などの電子ビーム装置を提供す
ることができ、特に、陽極側に対する電圧印加が電子ビ
ーム源側における電子ビームの方向制御のための電圧印
加の切換えの時間的変化に同期して切換えられるので、
複数の陽極中の所望側の陽極への電子ビームの照射を確
実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を原理的に示す動作
説明図である。
【図2】電子ビーム源の原理的構造を示し、(a)は断
面図、(b)は平面図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態を原理的に示す動作
説明図である。
【図4】そのエミッタアレイ、蛍光体の配置関係を示す
平面図である。
【図5】その駆動方法を示すタイムチャートである。
【図6】エミッタアレイ、蛍光体の配置関係の変形例を
示す断面図である。
【図7】エミッタアレイ、蛍光体の配置関係の異なる変
形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図9】その動作を示す断面図である。
【図10】その駆動方法を示すタイムチャートである。
【図11】電子ビーム源の変形例を示す平面図である。
【図12】電子ビーム源の異なる変形例を示し、(a)
は断面図、(b)は平面図である。
【図13】電子ビーム源のさらに異なる変形例を示し、
(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図14】本発明の第四の実施の形態の動作を示す断面
図である。
【図15】そのエミッタアレイ、蛍光体の配置関係及び
配線関係を示す平面図である。
【図16】その駆動方法を示すタイムチャートである。
【図17】本発明の第五の実施の形態の駆動方法を示す
タイムチャートである。
【図18】本発明の第六の実施の形態を示し、(a)は
断面図、(b)は平面図である。
【図19】本発明の第七の実施の形態を示し、(a)は
断面図、(b)は平面図である。
【図20】電子ビーム源の変形例を示し、(a)は断面
図、(b)は平面図である。
【図21】電子ビーム源の異なる変形例を示し、(a)
は断面図、(b)は平面図である。
【図22】電子ビーム源のさらに異なる変形例を示し、
(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図23】本発明の第八の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図24】従来例を示す斜視図である。
【図25】その一部の断面図である。
【図26】文献1に記載された従来技術を示す平面図で
ある。
【図27】その一部の断面図である。
【図28】その駆動方法を示すタイムチャートである。
【図29】文献2に記載された従来技術を示す斜視図で
ある。
【図30】その原理構造を示す断面図である。
【図31】光導電ターゲットの構造を示す原理図であ
る。
【符号の説明】
1 電子ビーム源 2 エミッタ 5a,5b 引出電極 6a,6b 電源 11 陽極 22 陽極 25 電子ビーム源 26a,26b 引出電極 27 エミッタ 31 電子ビーム源 32 引出電極 34a,34b 収束電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子を放射するエミッタとこのエミッタ
    から電子を放射させるための電界を付与する引出電極と
    を備える電子ビーム源であって、前記引出電極の電位に
    より生ずる電界を、前記エミッタに関して非点対称に形
    成自在としたことを特徴とする電子ビーム源。
  2. 【請求項2】 電子を放射するエミッタと、 互いに絶縁されつつ分割されて前記エミッタから電子を
    放射させるための電界を付与する引出電極と、 分割された引出電極に対して異なる電圧値の電圧を切換
    え自在に印加する電源と、を備えることを特徴とする電
    子ビーム源。
  3. 【請求項3】 電子を放射するエミッタと、 このエミッタから電子を放射させるための電界を付与す
    る引出電極と、 互いに絶縁されつつ分割されて前記引出電極の上部又は
    周辺に形成されて前記エミッタから放射される電子を特
    定方向に収束させるための電界を付与する収束電極と、 分割された収束電極に対して異なる電圧値の電圧を切換
    え自在に印加する電源と、を備えることを特徴とする電
    子ビーム源。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の電子ビーム源
    と、 この電子ビーム源と対をなして前記電子ビーム源から放
    射される電子が各々選択的に照射される複数の陽極と、 これらの電子ビーム源と陽極との対が複数配設される真
    空容器と、 前記電子ビーム源において電界を付与するための電極へ
    の電圧印加の切換えの時間的変化に同期して前記陽極に
    対する電圧印加が切換えられる陽極電源と、を備えるこ
    とを特徴とする電子ビーム装置。
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