JPH1153104A - ペン型入力装置及びペン型入力装置のパターン認識方法 - Google Patents

ペン型入力装置及びペン型入力装置のパターン認識方法

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JPH1153104A
JPH1153104A JP21976497A JP21976497A JPH1153104A JP H1153104 A JPH1153104 A JP H1153104A JP 21976497 A JP21976497 A JP 21976497A JP 21976497 A JP21976497 A JP 21976497A JP H1153104 A JPH1153104 A JP H1153104A
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Toshiyuki Furuta
俊之 古田
Tomohiko Beppu
智彦 別府
Takashi Kitaguchi
貴史 北口
Norihiko Murata
憲彦 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】移動量を求めた後に入力パターンを判定してい
るために誤差が生じる場合があった。そこで、加速度か
ら直接に入力パターンを判別する。 【解決手段】データ前処理部21は加速度センサ11が
出力したペン軸座標系の各軸方向の加速度信号を基に入
力パターンに対応する加速度データの切り出しを行な
う。ウエーブレット変換部22はデータ前処理部21が
切り出した加速度データをウエーブレット変換して入力
パターンを表わす係数を求める。ニューラルネットワー
ク演算部23はウエーブレット変換部22が求めた係数
をウエーブレット変換して入力パターンの中間認識結果
を算出する。後処理部24は入力パターンの中間認識結
果を基に入力パターンを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は図形及び文字等を
入力するペン型入力装置及びペン型入力装置のパターン
認識方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ装置等の入力装置としては
キーボード、マウス、デジタイザ、ライトペン及びタブ
レット等が用いられている。コンピュータ装置の小型化
に伴い、携帯端末装置のニーズが高まり利用者も年々増
加している。そこで、小型の入力装置が求められるよう
になった。
【0003】キーボードの小型化にはヒューマンインタ
ーフェイスの点で限界があり、携帯端末装置の入力装置
としては実用性が低い。また、マウスはポインティング
デバイスとしては小型化が可能であるが、図形及び文字
等の入力には適さない。
【0004】このため、携帯端末装置の入力装置として
はタブレットとペンを用いたペン型の入力装置が多く採
用されている。このタブレットを用いたペン型の入力装
置をさらに小型化しようとした場合にはタブレットの大
きさが問題となる。そこで、例えば特開平6-67799号公
報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置では2個
の加速度センサからの信号を基に入力装置の移動方向と
移動量を調べ、圧電振動ジャイロの信号を基に加速度セ
ンサが検出した移動方向及び移動量の入力装置のローテ
ーションによる影響を検出して補正している。
【0005】また、入力文字の認識に対しては、例えば
特開平7-175893号公報に掲載された手書き文字認識装
置では、二つのニューラルネットワークを階層的に用
い、第一段のニューラルネットワークを大まかな比較に
用い、第二段のニューラルネットワークを詳細な比較に
用いて、手書き文字の認識を行なうようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2個の
加速度センサをペン先端部に取り付けることはできず、
加速度センサの取付位置とペン先端部の位置は一致しな
い。このため、特開平6-67799号公報に掲載されたペン
型のコンピュータ入力装置では、検出結果に誤差が生じ
る場合があり、紙面上のペン先端部の軌跡を正確に検出
することができない場合がある。
【0007】さらに、上記誤差が累積することにより、
ペン先端部の軌跡を正確に検出することがさらに困難に
なる。
【0008】また、特開平7-175893号公報に掲載され
た手書き文字認識装置では、入力パターンの認識を階層
的に用いた二つのニューラルネットワークを用いて行な
っているが、文字入力の場合は文字を構成する個々のパ
ターンは同じであっても、文字により前後のパターンが
大きく異なる場合が有り、この特徴を用いればさらに正
確な文字認識を行なうことができる。
【0009】この発明はかかる短所を解消するためにな
されたものであり、センサ出力から直接入力パターンを
検出することにより、誤差が累積して入力パターンの判
別が困難になることを防止するとともに、正確な文字等
の認識を行なうことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るペン型入
力装置は、少なくとも1個の加速度センサとデータ前処
理部とウエーブレット変換部とニューラルネットワーク
演算部と後処理部を有し、加速度センサはその数に応じ
てペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向のいずれ
か1方向、いずれか2方向又は3方向の加速度信号を出
力し、データ前処理部は加速度センサが出力した加速度
信号を基に入力パターンに対応する加速度データの切り
出しを行ない、ウエーブレット変換部はデータ前処理部
が切り出した加速度データをウエーブレット変換して入
力パターンを表わす係数を求め、ニューラルネットワー
ク演算部はウエーブレット変換部が求めた係数を基に入
力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パターンの特
徴と予め学習した結果を基に入力パターンの中間認識結
果を算出し、後処理部はニューラルネットワーク演算部
による入力パターンの中間認識結果を基に入力パターン
を判定して、加速度データから直接にパターン認識を行
なうことによりパターンの誤認識を防止する。
【0011】また、他のペン型入力装置は、少なくとも
1個のジャイロとデータ前処理部とウエーブレット変換
部とニューラルネットワーク演算部と後処理部を有し、
ジャイロはその数に応じてペン軸座標系(Xs,Ys,
Zs)のXs軸,Ys軸及びZs軸のいずれか1軸周
り、いずれか2軸周り又は3軸周りの回転角速度信号を
出力し、データ前処理部はジャイロが出力した回転角速
度信号を基に入力パターンに対応する回転角速度データ
の切り出しを行ない、ウエーブレット変換部はデータ前
処理部が切り出した回転角速度データをウエーブレット
変換して入力パターンを表わす係数を求め、ニューラル
ネットワーク演算部はウエーブレット変換部が求めた係
数を基に入力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パ
ターンの特徴と予め学習した結果を基に入力パターンの
中間認識結果を算出し、後処理部はニューラルネットワ
ーク演算部による入力パターンの中間認識結果を基に入
力パターンを判定して、回転角速度データから直接にパ
ターン認識を行なうことによりパターンの誤認識を防止
する。
【0012】また、他のペン型入力装置は、少なくとも
1個の加速度センサと少なくとも1個のジャイロとデー
タ前処理部とウエーブレット変換部とニューラルネット
ワーク演算部と後処理部を有し、加速度センサはその数
に応じてペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方
向,Ys軸方向及びZs軸方向のいずれか1方向、いず
れか2方向又は3方向の加速度信号を出力し、ジャイロ
はその数に応じてXs軸,Ys軸及びZs軸のいずれか
1軸周り、いずれか2軸周り又は3周軸りの回転角速度
信号を出力し、データ前処理部は加速度センサが出力し
た加速度信号及びジャイロが出力した回転角速度信号を
基に入力パターンに対応する加速度データ及び回転角速
度データの切り出しを行ない、ウエーブレット変換部は
データ前処理部が切り出した加速度データ及び回転角速
度データをウエーブレット変換して入力パターンを表わ
す係数を求め、ニューラルネットワーク演算部はウエー
ブレット変換部が求めた係数を基に入力パターンの特徴
を抽出し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習した
結果を基に入力パターンの中間認識結果を算出し、後処
理部はニューラルネットワーク演算部による入力パター
ンの中間認識結果を基に入力パターンを判定して、さら
に正確にパターン認識を行なう。
【0013】また、他のペン型入力装置は、3個の加速
度センサと3個のジャイロとデータ前処理部とウエーブ
レット変換部とニューラルネットワーク演算部と後処理
部を有し、3個の加速度センサはそれぞれペン軸座標系
(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
s軸方向の加速度を示す信号を出力し、3個のジャイロ
はそれぞれXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回
転角速度を示す信号を出力し、データ前処理部は無筆記
状態における3個の加速度センサからの加速度信号を基
にペン軸の傾斜角の初期値を演算し、筆記状態における
3個のジャイロからの回転角速度信号を基に傾斜角の変
化を演算し、演算した傾斜角の初期値と傾斜角の変化を
基に筆記中のペン軸の傾斜角を算出し、算出した筆記中
のペン軸の傾斜角を基に加速度センサが検出したペン軸
座標系(Xs,Ys,Zs)による加速度を重力加速度
方向に伸びる軸をZg軸にした重力座標系(Xg,Y
g,Zg)における加速度に変換し、入力パターンに対
応する変換後の加速度データの切り出しを行ない、ウエ
ーブレット変換部はデータ前処理部が切り出した加速度
データをウエーブレット変換して入力パターンを表わす
係数を求め、ニューラルネットワーク演算部はウエーブ
レット変換部が求めた係数を基に入力パターンの特徴を
抽出し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結
果を基に入力パターンの中間認識結果を算出し、後処理
部はニューラルネットワーク演算部による入力パターン
の中間認識結果を基に入力パターンを判定して、ペン軸
の傾斜による影響をなくす。
【0014】さらに、上記データ前処理部は無筆記状態
における3個の加速度センサからの加速度信号を基にペ
ン軸の傾斜角の初期値を演算し、筆記状態における3個
のジャイロからの回転角速度信号を基にペン軸の傾斜角
の変化を演算し、演算した傾斜角の初期値と傾斜角の変
化を基に筆記中のペン軸の傾斜角を算出し、算出した筆
記中のペン軸の傾斜角と加速度センサが検出したペン軸
座標系(Xs,Ys,Zs)による加速度を基に重力座
標系(Xg,Yg,Zg)における加速度を算出し、算
出した加速度を積分してペン先端部の速度を求め、入力
パターンの速度データの切り出しを行ない、ウエーブレ
ット変換部はデータ前処理部が切り出した速度データを
ウエーブレット変換して入力パターンを表わす係数を求
めて、ペン軸の傾斜による影響をなくす。
【0015】さらに、上記データ前処理部が切り出した
データをウエーブレット変換して入力パターンを表わす
係数を求め、求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽
出し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結果
を基に入力パターンの中間認識結果を算出するウエーブ
レットベーシスファンクション型ニューラルネットワー
ク演算部を有し、後処理部はウエーブレットベーシスフ
ァンクション型ニューラルネットワーク演算部による入
力パターンの中間認識結果を基に入力パターンを判定し
て構成を簡単にする。
【0016】また、他のペン型入力装置は、複数個の加
速度センサと入力回数カウンタと複数の参照パターン記
憶部と参照パターン記憶部選択部と比較認識部を有し、
各加速度センサは直交する2方向又は3方向の加速度信
号を出力し、入力回数カウンタは各加速度センサからの
加速度信号を基にパターンの入力回数を計数し、各参照
パターン記憶部はそれぞれパターンの入力回数に応じた
複数の参照パターンを記憶し、参照パターン記憶部選択
部は入力回数カウンタが計数した入力回数に応じて参照
パターン記憶部を選択し、比較認識部は各加速度センサ
からの加速度信号のパターンと参照パターン記憶部選択
部が選択した参照パターン記憶部に記憶した参照パター
ンとを比較して、文字の筆順を基に文字認識を行なう。
【0017】また、他のペン型入力装置は、複数個の加
速度センサと先行パターン記憶部と複数の参照パターン
記憶部と参照パターン記憶部選択部と比較認識部を有
し、各加速度センサは直交する2方向又は3方向の加速
度信号を出力し、先行パターン記憶部は前回入力したパ
ターンの認識結果を記憶し、各参照パターン記憶部はそ
れぞれ先行パターンの認識結果に応じた複数の参照パタ
ーンを記憶し、参照パターン記憶部選択部は先行パター
ン記憶部に記憶したパターンの認識結果に応じて参照パ
ターン記憶部を選択し、比較認識部は各加速度センサか
らの加速度信号のパターンと参照パターン記憶部選択部
が選択した参照パターン記憶部に記憶した参照パターン
とを比較して文字認識を行なって、先行パターンを基に
文字認識の精度を向上する。
【0018】また、他のペン型入力装置は、複数個の加
速度センサと後続入力読取部と複数の参照パターン記憶
部と参照パターン記憶部選択部と比較認識部を有し、各
加速度センサは直交する2方向又は3方向の加速度信号
を出力し、後続入力読取部は後続の入力パターンを示す
加速度信号を読み取り、読み取った後続の入力パターン
を示す加速度信号を基に後続の入力パターンの認識を行
ない、各参照パターン記憶部はそれぞれ後続パターンに
応じた複数の参照パターンを記憶し、参照パターン記憶
部選択部は後続入力読取部による後続の入力パターンの
認識結果に応じて参照パターン記憶部を選択し、比較認
識部は各加速度センサからの認識対象パターンを示す加
速度信号のパターンと参照パターン記憶部選択部が選択
した参照パターン記憶部に記憶した参照パターンとを比
較して文字認識を行ない、後続の入力パターンを基に文
字認識の精度を向上する。
【0019】また、他のペン型入力装置は、複数個の加
速度センサと入力回数カウンタと複数のパターン認識部
と認識部選択部を有し、各加速度センサは直交する2方
向又は3方向の加速度信号を出力し、入力回数カウンタ
は各加速度センサからの加速度信号を基にパターンの入
力回数を計数し、各パターン認識部は参照パターン記憶
部と比較認識部を備え、各参照パターン記憶部はパター
ンの入力回数に応じた複数の参照パターンを記憶し、各
比較認識部は各加速度センサからの加速度信号のパター
ンと参照パターン記憶部に記憶した参照パターンとを比
較して文字認識を行ない、認識部選択部は入力回数カウ
ンタが計数した入力回数に応じてパターン認識部を選択
し、選択したパターン認識部の文字認識結果を出力し
て、筆順を基に文字認識結果を選択する。
【0020】また、他のペン型入力装置は、複数個の加
速度センサと先行パターン記憶部と複数のパターン認識
部と認識部選択部を有し、各加速度センサは直交する2
方向又は3方向の加速度信号を出力し、先行パターン記
憶部は前回入力したパターンの認識結果を記憶し、各パ
ターン認識部は参照パターン記憶部と比較認識部を備
え、各参照パターン記憶部はそれぞれ先行パターンの認
識結果に応じた複数の参照パターンを記憶し、各比較認
識部は各加速度センサからの加速度信号のパターンと参
照パターン記憶部に記憶した参照パターンとを比較して
文字認識を行ない、認識部選択部は先行パターン記憶部
に記憶した前回入力パターンの認識結果に応じてパター
ン認識部を選択し、選択したパターン認識部の文字認識
結果を出力して、先行パターンを基に文字認識結果を選
択する。
【0021】また、他のペン型入力装置は、複数個の加
速度センサと複数のパターン認識部と後続入力読取部と
認識部選択部を有し、加速度センサは直交する2方向又
は3方向の加速度信号を出力し、各パターン認識部は参
照パターン記憶部と比較認識部を備え、各参照パターン
記憶部はそれぞれ後続パターンの認識結果に応じた複数
の参照パターンを記憶し、各比較認識部は各加速度セン
サからの加速度信号のパターンと参照パターン記憶部に
記憶した参照パターンとを比較して文字認識を行ない、
後続入力読取部は後続の入力パターンを示す加速度信号
を読み取り、読み取った後続の入力パターンを示す加速
度信号を基に後続パターンの認識を行ない、認識部選択
部は後続入力読取部による後続パターンの認識結果に応
じてパターン認識部を選択し、選択したパターン認識部
の文字認識結果を出力して、後続パターンを基に文字認
識結果を選択する。
【0022】また、他のペン型入力装置は、少なくとも
1個の加速度センサと標準パターン記憶部とDPマッチ
ング部を有し、加速度センサはペン軸をZs軸としたペ
ン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸
方向及びZs軸方向の少なくとも1方向の加速度信号を
出力し、標準パターン記憶部は複数の標準パターン各々
に対する標準加速度パターンを記憶し、DPマッチング
部は加速度センサからの加速度信号のパターンと標準パ
ターン記憶部に記憶した各標準加速度パターンとをDP
マッチング行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを
認識して、検出した加速度を標準加速度パターンとDP
マッチングすることによりパターン認識精度を向上す
る。
【0023】また、他のペン型入力装置は、少なくとも
1個のジャイロと標準パターン記憶部とDPマッチング
部を有し、ジャイロはペン軸をZs軸としたペン軸座標
系(Xs,Ys,Zs)のXs軸,Ys軸及びZs軸の
少なくとも1軸周りの回転角速度信号を出力し、標準パ
ターン記憶部は複数の標準パターン各々に対する標準回
転角速度パターンを記憶し、DPマッチング部はジャイ
ロからの回転角速度度信号のパターンと標準パターン記
憶部に記憶した各標準回転角速度パターンとをDPマッ
チング行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識
して、検出した回転角速度を標準回転角速度パターンと
DPマッチングすることによりパターン認識精度を向上
する。
【0024】また、他のペン型入力装置は、少なくとも
1個の加速度センサと少なくとも1個のジャイロと標準
パターン記憶部とDPマッチング部を有し、加速度セン
サはペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Ys,
Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の少な
くとも1方向の加速度信号を出力し、ジャイロはXs
軸,Ys軸及びZs軸の少なくとも1軸周りの回転角速
度信号を出力し、標準パターン記憶部は複数の標準パタ
ーン各々に対する標準信号パターンを記憶し、DPマッ
チング部は加速度センサからの加速度信号及びジャイロ
からの回転角速度度信号のパターンと標準パターン記憶
部に記憶した各標準信号パターンとをDPマッチング行
ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識して、さ
らにパターン認識精度を向上する。
【0025】また、他のペン型入力装置は、少なくとも
1個の加速度センサと少なくとも1個のジャイロと座標
変換部と標準パターン記憶部とDPマッチング部を有
し、加速度センサはペン軸をZs軸としたペン軸座標系
(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
s軸方向の少なくとも1方向の加速度信号を出力し、ジ
ャイロはXs軸,Ys軸及びZs軸の少なくとも1軸周
りの回転角速度信号を出力し、座標変換部は加速度セン
サからの加速度信号及びジャイロからの回転角速度信号
を基に加速度センサからの加速度信号の座標系をペン軸
座標系(Xs,Ys,Zs)から重力加速度方向に伸び
る軸をZg軸にした重力座標系(Xg,Yg,Zg)に
変換し、標準パターン記憶部は複数の標準パターン各々
に対する重力座標系(Xg,Yg,Zg)における標準
加速度パターンを記憶し、DPマッチング部は座標変換
部が座標変換した加速度信号のパターンと標準パターン
記憶部に記憶した各標準加速度パターンとをDPマッチ
ング行ない、ペン先の筆記軌跡のパターンを認識して、
ペン軸の傾きによる影響のないさらに正確なパターン認
識を行なう。
【0026】さらに、上記座標変換部が座標変換した後
の加速度を積分して速度又は軌跡を求める移動量演算部
を有し、標準パターン記憶部は複数の標準パターン各々
に対する標準速度パターン又は各々の標準パターンを描
いた場合の標準軌跡を記憶し、DPマッチング部は移動
量演算部の演算結果と標準パターン記憶部に記憶した各
標準加速度パターン又は各標準軌跡とをDPマッチング
行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識する。
【0027】また、ペン型入力装置のパターン認識方法
は、ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,
Ys軸方向及びZs軸方向のいずれか1方向、いずれか
2方向又は3方向の加速度データから入力パターンに対
応した加速度データの切り出しを行ない、切り出した加
速度データをウエーブレット変換して入力パターンを表
わす係数を求め、求めた係数を基に入力パターンの特徴
を抽出し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習した
結果を基に入力パターンの中間認識結果を算出し、入力
パターンの中間認識結果を基にペン型入力装置を用いて
入力パターンを判定する。
【0028】また、他のペン型入力装置のパターン認識
方法は、ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸,
Ys軸及びZs軸のいずれか1軸周り、いずれか2軸周
り又は3周周りりの回転角速度データから入力パターン
に対応した回転角速度データの切り出しを行ない、切り
出した回転角速度データをウエーブレット変換して入力
パターンを表わす係数を求め、求めた係数を基に入力パ
ターンの特徴を抽出し、抽出した入力パターンの特徴と
予め学習した結果を基に入力パターンの中間認識結果を
算出し、入力パターンの中間認識結果を基に入力パター
ンを判定する。
【0029】また、他のペン型入力装置のパターン認識
方法は、ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方
向,Ys軸方向及びZs軸方向のいずれか1方向、いず
れか2方向又は3方向の加速度データ、及び、Xs軸,
Ys軸及びZs軸のいずれか1軸周り、いずれか2軸周
り又は3周りの回転角速度データから入力パターンに対
応した加速度データ及び回転角速度データの切り出しを
行ない、切り出した加速度データ及び回転角速度データ
をウエーブレット変換して入力パターンを表わす係数を
求め、求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出し、
抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結果を基に
入力パターンの中間認識結果を算出し、入力パターンの
中間認識結果を基に入力パターンを判定する。
【0030】また、他のペン型入力装置のパターン認識
方法は、ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方
向,Ys軸方向及びZs軸方向の無筆記状態における加
速度データを基にペン軸の傾斜角の初期値を演算し、筆
記状態におけるXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周り
の回転角速度データを基にペン軸の傾斜角の変化を演算
し、演算した傾斜角の初期値と傾斜角の変化を基に筆記
中のペン軸の傾斜角を算出し、算出した筆記中のペン軸
の傾斜角を基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)によ
る加速度データを重力座標系(Xg,Yg,Zg)にお
ける加速度データに変換し、入力パターンに対応した加
速度データの切り出しを行ない、切り出した加速度デー
タをウエーブレット変換して入力パターンを表わす係数
を求め、求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出
し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結果を
基に入力パターンの中間認識結果を算出し、入力パター
ンの中間認識結果を基に入力パターンを判定する。
【0031】また、ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)
のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の無筆記状態
における加速度データを基にペン軸の傾斜角の初期値を
演算し、筆記状態におけるXs軸周り,Ys軸周り及び
Zs軸周りの回転角速度データを基にペン軸の傾斜角の
変化を演算し、演算した傾斜角の初期値と傾斜角の変化
を基に筆記中のペン軸の傾斜角を算出し、算出した筆記
中のペン軸の傾斜角を基にペン軸座標系(Xs,Ys,
Zs)による加速度データを重力加速度方向に伸びる軸
をZg軸にした重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけ
る加速度データに変換し、座標変換した加速度データを
積分してペン先端部の速度データを求め、入力パターン
に対応した速度データの切り出しを行ない、切り出した
速度データをウエーブレット変換して入力パターンを表
わす係数を求める。
【0032】また、他のペン型入力装置のパターン認識
方法は、ペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Y
s,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の
少なくとも1方向の加速度を検出し、検出した加速度の
パターンと予め複数の標準パターン各々に対して記憶し
た標準加速度パターンとをDPマッチング行ない、ペン
先端部の筆記軌跡のパターンを認識して、DPマッチン
グによる正確なパターン認識を行なう。
【0033】また、他のペン型入力装置のパターン認識
方法は、ペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Y
s,Zs)のXs軸,Ys軸及びZs軸の少なくとも1
軸周りの回転角速度を検出し、検出した回転角速度のパ
ターンと予め複数の標準パターン各々に対して記憶した
標準回転角速度パターンとをDPマッチング行ない、ペ
ン先端部の筆記軌跡のパターンを認識する。
【0034】また、他のペン型入力装置のパターン認識
方法は、ペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Y
s,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の
少なくとも1方向の加速度とXs軸,Ys軸及びZs軸
の少なくとも1軸周りの回転角速度を検出し、検出した
加速度のパターン及び回転角速度のパターンと予め複数
の標準パターン各々に対して記憶した標準信号パターン
とをDPマッチング行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパ
ターンを認識する。
【0035】また、他のペン型入力装置のパターン認識
方法は、ペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Y
s,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の
少なくとも1方向の加速度とXs軸,Ys軸及びZs軸
の少なくとも1軸周りの回転角速度を検出し、検出した
加速度と回転角速度を基に加速度の座標系をペン軸座標
系(Xs,Ys,Zs)から重力加速度方向に伸びる軸
をZg軸にした重力座標系(Xg,Yg,Zg)に変換
し、座標変換した加速度のパターンと予め複数の標準パ
ターン各々に対して記憶した重力座標系(Xg,Yg,
Zg)における標準加速度パターンとをDPマッチング
行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識する。
【0036】さらに、上記座標変換した後の加速度を積
分して速度又は軌跡を求め、加速度を積分して得た速度
又は軌跡と予め複数の標準パターン各々に対して記憶し
た標準加速度パターン又は各々の標準パターンを描いた
場合の標準軌跡とをDPマッチング行ない、ペン先端部
の筆記軌跡のパターンを認識する。
【0037】
【発明の実施の形態】この発明のペン型入力装置は、コ
ンピュータ装置等に文字、記号及び図形等を入力するも
のあり、特にペン先端部の筆記時の加速度及び回転角速
度等の物理量を測定するセンサからの信号を基に直接に
入力パターンの検出を行なうことにより検出誤差をなく
すものである。
【0038】ペン型入力装置は、例えばペン型入力部と
パターン認識装置を有する。ペン型入力部は少なくとも
1個の加速度センサを備える。ペン型入力部が、例えば
1個の加速度センサを備える場合は、加速度センサはペ
ン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)
のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向のいずれか1
方向の加速度信号を出力する。また、ペン型入力部が、
例えば2個の加速度センサを有する場合は、加速度セン
サはXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向のいずれか
2方向の加速度信号を出力する。また、ペン型入力部
が、例えば3個の加速度センサを有する場合は、各加速
度センサはXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の加
速度信号を出力する。
【0039】パターン認識部は、データ前処理部とウエ
ーブレット変換部とニューラルネットワーク演算部と後
処理部を備える。データ前処理部は、例えばAD変換器
とデータ切出部を備える。AD変換器は加速度センサか
らの加速度信号をデジタル変換する。したがって、加速
度センサが1個の場合はAD変換器は1個で良く、加速
度センサが2個の場合はAD変換器は2個必要であり、
加速度センサが3個の場合はAD変換器は3個必要であ
る。データ切出部はAD変換部がデジタル変換した加速
度データから入力パターンに対応した加速度データを切
り出す。ここで、加速度データの切り出しは、例えば加
速度データの値を予め定めた閾値と比較したり、加速度
データの微分値を予め定めた閾値と比較したりして行な
う。
【0040】ウエーブレット変換部はデータ前処理部が
切り出した加速度データをウエーブレット変換して入力
パターンを表わす複数の係数を求める。ここで、ウエー
ブレット変換は基本ウエーブレットと呼ばれている関数
に平行移動を施したものと伸縮の操作を施したものとの
たたみ込みで定義され、2乗可積分関数とそのフーリエ
変換を同時に局所化する特徴を持ち、ウエーブレット級
数の係数列の計算に関してリアルタイムなアルゴリズム
をつくることができ、事象の生起時刻の情報を容易に扱
うことができる。また、ウエーブレット変換では、ある
点での関数値を表現するのに必要な項数は他の点での不
連続性の程度にあまり影響されない。これは、基底関数
が局所化されているためである。また、非定常的な部分
での局所的な対応が可能になるので、パターンの境界の
検出を行なうことができる。
【0041】ニューラルネットワーク演算部はウエーブ
レット変換部が求めた係数を基に認識対象パターンの特
徴を抽出し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習し
た結果を基に入力パターンの中間認識結果を算出する。
ここで、ニューラルネットワーク演算部は協調、競合作
用及び自己組織化能力に基づいて入力信号をいくつかの
特徴に分析すると共にそれらを統合するニューラルネッ
トワークによって構成したものである。例えばニューラ
ルネットワーク演算部は予め認識させたい情報を実際に
入力し、そのデータをサンプリングしこれらのデータを
入力層に入力し、出力層に分類したいパターン数分のニ
ューロンを用意し、各パターンとニューロンを対応させ
ておく。ある情報を入力したときそれに対応するニュー
ロンの出力が「1」となり、それ以外のニューロンの出
力が「0」となるように、例えば逆伝搬法(バックプロ
パゲーション法)等で学習しておく。ニューラルネット
ワーク演算部はこのようにして得られた結合係数と同じ
結合係数でニューラルネットワーク演算を行なう。後処
理部はニューラルネットワーク演算部の入力パターンの
中間認識結果を基にニューロン出力が最も大きいものを
選択し入力パターンを判定して、パターン認識率を高め
ると同時にパターン認識時間を短縮する。
【0042】また、ペン型入力部が加速度センサの代わ
りに少なくとも1個のジャイロを備えるようにしても良
い。ペン型入力部が、例えば1個のジャイロを備える場
合は、ジャイロはXs軸,Ys軸及びZs軸のいずれか
1軸周りの回転角速度信号を出力する。また、ペン型入
力部が、例えば2個のジャイロを備える場合は、ジャイ
ロはXs軸,Ys軸及びZs軸のいずれか2軸周りの回
転角速度信号を出力する。また、ペン型入力部が、例え
ば3個のジャイロを備える場合は、各ジャイロはXs軸
周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度信号を出
力する。この場合、パターン認識部はジャイロからの回
転角速度信号を基に入力パターンの認識を行なう。
【0043】さらに、ペン型入力部が少なくとも1個の
加速度センサと少なくとも1個のジャイロを備えるよう
にしても良い。この場合、パターン認識部は加速度セン
サからの加速度信号及びジャイロからの回転角速度信号
を基に入力パターンの認識を行なうので、パターン認識
の基となるデータに異なった物理量のデータを用いるこ
とができ、さらに正確にパターン認識を行なうことがで
きる。
【0044】さらに、ペン型入力部が3個の加速度セン
サと3個のジャイロを備えるようにしても良い。データ
前処理部は、例えば初期傾斜角演算部と傾斜角変化演算
部と傾斜角演算部と座標変換演算部と移動量演算部を備
える。初期傾斜角演算部は無筆記状態で3個の加速度セ
ンサが検出した加速度を基にペン軸の傾斜角の初期値を
演算する。傾斜角変化演算部は筆記状態で3個のジャイ
ロを用いて検出した回転角速度の積分を行い傾斜角の変
化を算出する。傾斜角演算部は初期傾斜角演算部が演算
した傾斜角の初期値と傾斜角変化演算部が算出した傾斜
角の変化を基に筆記中のペン軸の傾斜角を算出する。座
標変換演算部は傾斜角演算部が算出した筆記中のペン軸
の傾斜角を基に加速度センサが検出したペン軸座標系
(Xs,Ys,Zs)による加速度を重力座標系(X
g,Yg,Zg)における加速度に変換し、入力パター
ンに対応する加速度データの切り出しを行なう。これに
より、ペン軸の傾斜による影響をなくすことができ、さ
らに正確にパターン認識を行なうことができる。
【0045】さらに、データ前処理部は重力座標系(X
g,Yg,Zg)に変換後の加速度を積分して速度デー
タを求め、ウエーブレット変換部はデータ前処理部から
の速度データをウエーブレット変換するようにしても良
い。
【0046】また、上記ニューラルネットワーク演算部
の代わりにウエーブレットべーシスのファンクション型
ニューラルネットワークを用いたウエーブレットべーシ
スファンクション型ニューラルネットワーク演算部を有
し、ウエーブレットべーシスファンクション型ニューラ
ルネットワーク演算部でデータ前処理部が切り出したデ
ータをウエーブレット変換して入力パターンを表わす係
数を求め、求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出
し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結果を
基に入力パターンの中間認識結果を算出するようにして
ウエーブレット変換部を無くしても良い。ここで、ウエ
ーブレットべーシスのファンクション型ニューラルネッ
トワークとは、例えば隠れニューロンの層にウエーブレ
ット変換機能を備えるニューラルネットワークである。
【0047】ここで、特に文字入力の場合を考えると、
上記のようにして認識したパターン(文字の構成パター
ン)を各文字間で比較した場合、各文字でそのパターン
を入力する順番及び前後のパターンが異なる場合が多
い。そこで、次ぎに示すように例えばパターンの入力順
番毎に参照パターンを記憶し、文字入力の際にパターン
の入力回数を計数し、そのパターンの入力順番により参
照パターンを切り替えることにより、正確な文字認識を
行なうようにしても良い。
【0048】また、ペン型入力装置は、例えばペン型入
力部とパターン認識装置を有するようにしても良い。ペ
ン型入力部は複数個、例えば2個の加速度センサを備え
る。各加速度センサは、ペン軸をZs軸としたペン軸座
標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及
びZs軸方向のいずれか2方向の加速度信号を出力す
る。パターン認識装置は、例えば信号前処理部と入力回
数カウンタと複数の参照パターン記憶部と参照パターン
記憶部選択部と比較認識部を有する。信号前処理部は、
例えばウエーブレット変換部を備え、ペン型入力部を用
いて検出した加速度データから入力パターンに対応した
加速度データを切り出し、切り出した加速度データをウ
エーブレット変換して入力パターンを表わす複数の係数
を求める。入力回数カウンタは、信号前処理部からの信
号を基にパターンの入力回数を計数する。各参照パター
ン記憶部はそれぞれパターンの入力回数に応じた複数の
参照パターンを記憶する。参照パターン記憶部選択部は
入力回数カウンタが計数した入力回数に応じて参照パタ
ーン記憶部を選択する。比較認識部は、例えばニューラ
ルネットワーク演算部から成り、信号前処理部からの信
号と参照パターン記憶部選択部が選択した参照パターン
記憶部に記憶した参照パターンとを比較して、文字入力
された場合の文字認識を行なう。
【0049】また、上記のように筆順を基に文字認識を
行なう代わりに、先行パターン又は後続パターンを参照
して文字認識を行なうようにしても良い。
【0050】また、上記のようにニューラルネットワー
クを用いたり、複数の参照パターンを予め用意する代わ
りに、例えば標準パターンを描いた場合の標準加速度パ
ターンを複数の標準パターンに対して予め用意し、予め
用意した標準加速度パターンと加速度センサを用いて検
出した加速度のパターンとをDPマッチングによりマッ
チングしてパターン認識を行なっても良い。これによ
り、高精度でパターン認識を行なうことができるととも
に用意するパターン数を減少することができる。ここ
で、DPマッチングとは、動的計画法(Dynamic Progra
mming)を用いて正規化を行なうマッチングであり、標
準パターンのデータと検出したデータとの距離を計算し
て一番距離が短いデータのパターンを認識結果のパター
ンとするものである。ここで、上記「検出したデータ」
としては、速度、加速度、回転角速度及び移動軌跡など
がある。
【0051】
【実施例】図1はこの発明の一実施例のペン型入力装置
の構成図である。図に示すように、ペン型入力装置はペ
ン型入力部1とパターン認識装置2を有する。ペン型入
力部1は、図2に示すように加速度センサ11a,11
b,11cを備える。加速度センサ11a,11b,1
1cは、それぞれペン軸5をZs軸とした場合の座標系
(Xs,Ys,Zs)におけるXs軸方向,Ys軸方向
及びZs軸方向に向けて設けられ、Xs軸方向,Ys軸
方向及びZs軸方向の加速度を検出する。ここで、加速
度センサ11a,11b,11cの取付位置はペン型入
力部1の内部でも表面でも良く、また、Xs軸,Ys軸
及びZs軸の各軸の運動を測定できる位置であれば、X
s軸,Ys軸及びZs軸の各軸上でなくとも良い。加速
度センサ11a,11b,11cは、小型で高感度、か
つ、加速度検出の直線性が良好であれば良く、ピエゾ抵
抗方式のものでも、圧電方式のものでも、静電容量方式
のものでも良い。以下の説明では、特に断わらない限り
ペン軸5をZs軸とした座標系をペン軸座標系(Xs,
Ys,Zs)といい、ペン軸5と直交する2軸をXs軸
及びYs軸として説明する。また、重力加速度方向に伸
びる軸をZg軸とする座標系を重力座標系(Xg,Y
g,Zg)といい、Zg軸と直交する2軸をXg軸及び
Yg軸という。
【0052】パターン認識装置2はペン型入力部1から
の加速度信号を、例えばケーブルを介して受信してパタ
ーン認識を行なうものであり、データ前処理部21、ウ
エーブレット変換部22a,22b,22c、ニューラ
ルネットワーク演算部23及び後処理部24を備える。
データ前処理部21はAD変換器25a,25b,25
c及びデータ切出部26を有する。AD変換器25a,
25b,25cはそれぞれ加速度センサ11a,11
b,11cからの加速度信号をデジタル変換する。デー
タ切出部26はAD変換部25a,25b,25cがデ
ジタル変換した加速度データから入力パターンの加速度
データを切り出す。ここで、加速度データの切り出しに
は、例えば加速度データの値を閾値と比較したり、加速
度データの微分値を閾値と比較したりする。
【0053】ウエーブレット変換部22a,22b,2
2cはデータ前処理部21が切り出したXs軸方向の加
速度データ、Ys軸方向の加速度データ及びZs軸方向
の加速度データをそれぞれウエーブレット変換して入力
パターンを表わす係数を求める。
【0054】ニューラルネットワーク演算部23は、図
3に示すようなニューラルネットワーク231を備え、
ウエーブレット変換部22a,22b,22cが求めた
係数を基に入力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力
パターンの特徴と予め学習した結果を基に入力パターン
の中間認識結果を算出する。ここで、ニューラルネット
ワーク演算部23は協調、競合作用及び自己組織化能力
に基づいて入力信号をいくつかの特徴に分析すると共
に、それらを統合するニューラルネットワークによって
構成したものである。例えばニューラルネットワーク演
算部23は予め認識させたい情報を実際に入力し、その
データをサンプリングしてこれらのデータを入力層に入
力し、出力層に分類したいパターン数分のニューロンを
用意し、各パターンとニューロンを対応させておく。あ
る情報を入力したときそれに対応するニューロンの出力
が「1」となり、それ以外のニューロンの出力が「0」
となるように、例えば逆伝搬法(バックプロパゲーショ
ン法)等で学習しておく。ニューラルネットワーク演算
部23はこのようにして得られた結合係数と同じ結合係
数でニューラルネットワーク演算を行なう。後処理部2
4はニューラルネットワーク演算部23の入力パターン
の中間認識結果を基にニューロン出力が最も大きいもの
を選択し入力パターンを判定する。
【0055】上記構成のペン型入力装置で入力パターン
認識を行なう場合の動作について、図4のフローチャー
トを参照して説明する。
【0056】ペン型入力部1の加速度センサ11a,1
1b,11cはそれぞれXs方向,Ys方向,Zs方向
の加速度信号をパターン認識装置2のデータ前処理部2
1に送信する。データ前処理部21のAD変換器25
a,25b,25cは加速度センサ11a,11b,1
1cからの加速度信号をデジタル変換する。データ前処
理部21のデータ切出部26は、例えばAD変換器25
a,25b,25cからの加速度信号を微分し、図5に
示すように加速度信号Aの微分値のいずれかが予め定め
た閾値を越えたると、筆記中と判断してその加速度デー
タを切り出し、Xs軸,Ys軸及びZsの各軸方向の加
速度データをそれぞれウエーブレット変換部22a,2
2b,22cに送る(ステップS1,S2)。ここで、
図中Bは上記のようにして加速度データを切り出した範
囲を示す。これにより、ウエーブレット変換部22a,
22b,22cでは入力パターンに係わる加速度データ
のみを処理することができる。ここで、データ前処理部
21にノイズフィルタなどを設けても良い。また、図5
に示すようにデータにオフセット成分があるのは重力加
速度による成分である。
【0057】ウエーブレット変換部22a,22b,2
2cはそれぞれデータ切出部26が切り出したXs軸方
向の加速度、Ys軸方向の加速度及びZs軸方向の加速
度を、例えば時間軸及び周波数で規格化する(ステップ
S3)。例えば加速度を時間軸1秒で規格化し、周波数
1Hz,2Hz,4Hz及び8Hzの係数を計算する
と、係数は各々1個,2個,4個及び8個得られるの
で、合計15個になる。加速度はXs軸方向の加速度、
Ys軸方向の加速度及びZs軸方向の加速度の3種類あ
るので、合計して45個の係数を得ることができる。こ
のように、加速度データをウエーブレット変換をして時
刻と周波数の同時解析を行なうので、事象の生起時刻の
情報を容易に扱うことができる。また、非定常的な部分
での局所的な対応が可能になるので、パターンの境界の
検出を行なうことができる。
【0058】ニューラルネットワーク演算部23はウエ
ーブレット変換部22a,22b,22cからの係数を
基に入力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パター
ンの特徴を基に入力パターンの中間認識結果を算出する
(ステップS4)。後処理部24はニューラルネットワ
ーク演算部23の入力パターン中間認識結果を入力し
て、入力パターンを判定する(ステップS5)。これに
より、文字、図形及びその構成要素を入力することがで
きると共に、正確且つ迅速に入力パターンを認識するこ
とができる。ここで、文字の構成要素の入力があった場
合の文字の認識には、例えばパターンマッチング等の方
法を用いる。
【0059】ペン型入力装置1は上記動作(ステップS
2〜S5)をデータ切出部26がデータを切り出してい
る間繰り返し、文字等を入力する(ステップS6)。加
速度センサ11a,11b,11cからの加速度信号を
基にペンの移動方向及び移動距離を求めて、求めた移動
方向及び移動距離を基に入力パターン認識を行なうと、
ペン先端部6と加速度センサ11a,11b,11cの
取付位置の差を原因とする誤差が累積して入力パターン
を誤認識することがあったが、このように、加速度セン
サ11a,11b,11cからの加速度信号を直接に用
いて、入力パターンの認識を行なうことにより累積誤差
による誤認識の発生を防止できる。
【0060】ここで、上記実施例では加速度センサ11
a,11b,11cを用いたが、入力パターンによって
は加速度センサを1個にしたり、2個にしたりしても良
い。前記の例では加速度センサが1個の場合のウエーブ
レット変換後の係数は15個、加速度センサが2個の場
合のウエーブレット変換後の係数は30個となる。
【0061】また、データ前処理部21にデータ切出部
26が切り出した加速度データを一時的に記憶するメモ
リなどを設けても良い。それにより、ニューラルネット
ワーク演算部23を階層型のニューラルネットワークで
構成することができる。また、データ切出部26が切り
出した加速度データを一時的に記憶することにより、多
くの時系列データを要する入力パターンの認識をできる
ようになる。
【0062】また、上記実施例ではXs軸方向、Ys軸
方向及びZs軸方向の加速度データ毎にウエーブレット
変換部を設けたが、ウエーブレット変換部を1つにし
て、Xs軸、Ys軸及びZs軸の各軸方向の加速度を順
に処理するようにしても良い。
【0063】また、上記実施例ではXs軸方向、Ys軸
方向及びZs軸方向の加速度を検出して、入力パターン
の認識を行なったが、加速度センサの代わりに、図6に
示すようにジャイロ12a,12b,12cを設けた
り、さらに図7に示すように加速度センサ11a,11
b,11cとジャイロ12a,12b,12cの双方を
設けても良い。加速度センサ11a,11b,11cと
ジャイロ12a,12b,12cを3個ずつ用いた場合
のウエーブレット変換後の係数の数は、前記の例では1
信号当たり15個あるので90個となる。ここで、加速
度センサ11a,11b,11c及びジャイロ12a,
12b,12cの数は入力パターンによっては1個にし
たり、2個にしたりしても良い。
【0064】次ぎに、他の実施例としてペン軸5の傾斜
角の影響を無くした加速度データを用いてパターン認識
をするペン型入力装置について説明する。ペン型入力装
置は、図8に示すようにペン型入力部1bとパターン認
識装置2aを有する。ペン型入力部1bはXs軸加速度
センサ11a、Ys軸加速度センサ11b、Zs軸加速
度センサ11c、Xs軸ジャイロ12a、Ys軸ジャイ
ロ12b及びZs軸ジャイロ12cを備える。Xs軸加
速度センサ11a、Ys軸加速度センサ11b、Zs軸
加速度センサ11c、Xs軸ジャイロ12a、Ys軸ジ
ャイロ12b及びZs軸ジャイロ12cはそれぞれXs
軸方向の加速度、Ys軸方向の加速度、Zs軸方向の加
速度、Xs軸周りの回転角速度、Ys軸周りの回転角速
度及びZs軸周りの回転角速度を示す信号を出力する。
【0065】パターン認識装置2aはデータ前処理部2
1a、ウエーブレット変換部22及びニューラルネット
ワーク演算部23を備える。データ前処理部21aはA
D変換器25a〜25f、ローパスフィルタ(以下「L
PF」という。)27a〜27f、筆記状態判別部2
8、初期傾斜角演算部29、傾斜角変化演算部30、傾
斜角演算部31及び座標変換演算部32を有する。AD
変換器25a〜25fはそれぞれXs軸加速度センサ1
1a、Ys軸加速度センサ11b、Zs軸加速度センサ
11c、Xs軸ジャイロ12a、Ys軸ジャイロ12b
及びZs軸ジャイロ12cからの加速度信号及び回転角
速度信号をデジタル変換する。LPF27a〜27fは
AD変換器25a〜25fがデジタル変換した加速度信
号及び回転角速度信号からペン先端部6と筆記面との摩
擦力により生じる高周波成分を遮断する。筆記状態判別
部28は、例えばハイパスフィルタ(以後、「HPF」
という。)を備え、AD変換器25a〜25fがデジタ
ル変換した加速度信号及び回転角速度信号からペン先端
部6と筆記面との摩擦力により生じる高周波成分を検出
すると筆記状態と判別する。
【0066】初期傾斜角演算部29は無筆記状態で3個
の加速度センサ11a,11b,11cが検出したペン
軸座標系(Xs,Ys,Zs)での加速度を基にペン軸
5の傾斜角の初期値θ0,φ0及びΨ0を演算する。傾斜
角変化演算部30は筆記状態で3個のジャイロ12a,
12b,12cが検出した回転角速度P,Q,Rを基に
ペン軸5の傾斜角の変化Δθ,Δφ及びΔΨを演算す
る。ここで、傾斜角変化演算部30はΨ0をゼロとして
傾斜角の変化Δθ,Δφ及びΔΨを算出する。傾斜角演
算部31は初期傾斜角演算部29が演算したペン軸5の
傾斜角の初期値θ0,φ0及びΨ0と傾斜角変化演算部3
0が演算したペン軸5の傾斜角の変化Δθ,Δφ及びΔ
Ψを基に、筆記中のペン軸5の傾斜角θ,φ及びΨを求
める。座標変換演算部32は傾斜角演算部31が検出し
た筆記中のペン軸5の傾斜角θ,φ及びΨと加速度セン
サ11a,11b,11cが検出したペン軸座標系(X
s,Ys,Zs)による加速度を基に重力座標系(X
g,Yg,Zg)による加速度を算出する。
【0067】ここで、上記傾斜角の算出について説明す
る。重力座標系(Xg,Yg,Zg)からペン軸座標系
(Xs,Ys,Zs)への変換は、次式により行うこと
ができる。
【0068】
【数1】
【0069】この式をペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)から重力座標系(Xg,Yg,Zg)への変換式に
変形すると、次に示すようになる。
【0070】
【数2】
【0071】上記式を一時的な近似式で近似して加速度
ベクトルの変換式とする。ここで、Axs,Ays及びAzs
はペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度セ
ンサ11a,11b,11cが検出した加速度ベクトル
であり、Axg,Ayg,Azgは重力座標系(Xg,Yg,
Zg)における加速度ベクトルである。
【0072】
【数3】
【0073】上記一時的な近似式に加速度ベクトルAx
s,Ays,Azs及び傾斜角θ,φ,Ψを代入すると筆記
面上での加速度ベクトルAxg,Ayg,Azgが求まる。
【0074】一方、静止状態の加速度は次式で表わすこ
とができる。
【0075】
【数4】
【0076】これを代入して、加速度センサ11a,1
1b,11cで検出する加速度を次式で表わすことがで
きる。
【0077】
【数5】
【0078】このように、静止状態のペン軸5の重力座
標系(Xg,Yg,Zg)における傾斜角θ0,φ0,Ψ
0を求めることができる。
【0079】ここで、静止状態の回転角θ0,φ0に対し
て3本の方程式を立てることができるので、重力加速度
gについても未知数として取り扱うことができ、gの値
を定義しなくとも静止状態の傾斜角θ0,φ0の絶対値を
算出することができる。
【0080】ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の各軸
Xs,Ys,Zsの回転角速度をP,Q,Rとすると、
回転角速度P,Q,Rと傾斜角変化ΔΨ,Δθ,Δφの
関係は次の式で求めることができる。
【0081】
【数6】
【0082】これにより、各時間での傾斜角Ψ,θ,φ
を求めることができる。
【0083】ウエーブレット変換部22はデータ前処理
部21aが座標変換して切り出した加速度データをウエ
ーブレット変換により規格化して、入力パターンを表わ
す複数の係数を求める。ニューラルネットワーク演算部
23はウエーブレット変換部21aが求めた係数を基に
入力した入力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パ
ターンの特徴と予め学習した結果を基に入力パターンの
中間認識結果を算出する。後処理部24はニューラルネ
ットワーク演算部23の入力パターンの中間認識結果を
基に最もニューロンが大きいものを選択し入力パターン
を判定する。
【0084】上記構成のペン型入力装置の動作を、図9
のフローチャートを参照して説明する。
【0085】加速度センサ11a,11b,11cはそ
れぞれXs軸方向,Ys軸方向,Zs軸方向の加速度を
検出する。筆記状態判別部28はAD変換器25a〜2
5fを介して入力した加速度センサ11a,11b,1
1c及びジャイロ12a,12b,12cからの信号の
高周波成分を抽出して、筆記中であるか否かを示す信号
を出力する。このように、ペン先端部6と筆記面との摩
擦力により生じる高周波信号を検出して筆記中か否かを
判断するので、容易かつ正確に筆記中であるか否かを検
出できる。
【0086】初期傾斜角演算部29は筆記状態判別部2
8から筆記中でないことを示す信号を受けると、Xs軸
加速度センサ11a、Ys軸加速度センサ11b及びZ
s軸加速度センサ11cからそれぞれ加速度信号を入力
し、ペン軸5の傾斜角の初期値θ0,φ0及びΨ0を算出
する(ステップS11、S12)。傾斜角変化演算部3
0は筆記状態判別部28から筆記中であることを示す信
号を受けると(ステップS11)、3個のジャイロ12
a,12b,12cが検出した回転角速度P,Q,Rを
基にペン軸5の傾斜角の変化Δθ,Δφ及びΔΨを演算
する(ステップS13)。
【0087】傾斜角演算部31は、上記のように初期傾
斜角演算部29が演算したペン軸5の傾斜角の初期値θ
0,φ0,Ψ0と傾斜角変化演算部30が演算したペン軸
5の傾斜角の変化Δθ,Δφ,ΔΨを基に、φ=φ0+
Σ(Δφ)dt,θ=θ0+Σ(Δθ)dt,Ψ=Ψ0+Σ
(ΔΨ)dtを計算して筆記中のペン軸5の傾斜角θ,
φ,Ψを求める(ステップS14)。座標変換演算部3
2は傾斜角演算部31が算出した筆記中の傾斜角θ,
φ,Ψを基に加速度センサ11a,11b,11cを用
いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速
度Axs,Ays,Azsを重力座標系(Xg,Yg,Zg)
による加速度Axg,Ayg,Azgに変換する(ステップS
15)。なお、ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加
速度Axs,Ays,Azsを重力座標系(Xg,Yg,Z
g)による加速度Axg,Ayg,Azgに変換するには既に
説明した変換式を用いる。これにより、ペン軸5に傾斜
による影響をなくすことができる。また、筆記状態判別
部28で筆記状態か否かを判別するので座標変換演算部
32では、筆記中のパターンに係わる加速度データを切
り出すことができる。
【0088】ウエーブレット変換部22はデータ前処理
部21aが座標変換及び切り出しした加速度データをウ
エーブレット変換して入力パターンを表わす係数を求め
る(ステップS16)。ニューラルネットワーク演算部
23はウエーブレット変換部22が求めた係数を基に入
力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パターンの特
徴を基に入力パターンの中間認識結果を算出する(ステ
ップS17)。後処理部24はニューラルネットワーク
演算部23の入力パターン中間認識結果を入力して、入
力パターンを判定する(ステップS18)。これによ
り、文字、図形及びその構成要素を入力することができ
ると共に、正確且つ迅速に入力パターンを認識すること
ができる。
【0089】ペン型入力装置は上記動作(ステップS1
3〜S18)を筆記状態判別部28が筆記中であること
を示す信号を出力している間繰り返し、図形等を入力す
る(ステップS19)。このように、ペン型入力装置の
重力座標系(Xg,Yg,Zg)における傾斜による影
響を無くすことにより正確に図形等のパターンを入力す
ることができる。
【0090】ここで、上記実施例ではウエーブレット変
換部22とニューラルネットワーク演算部23を別々に
設けたが、例えば図10に示すように、例えば隠れニュ
ーロンの層232bにウエーブレットファンクションを
備えるウエーブレットベーシスファンクション型ニュー
ラルネットワーク232を備えるウエーブレットベーシ
スファンクション型ニューラルネットワーク演算部を用
いて両者を一つにまとめても良い。ウエーブレットベー
シスファンクション型ニューラルネットワーク演算部の
学習には、例えば最急降下法等を用いる。ここで、最急
降下法とはエネルギ関数が最も急勾配に減少する方向へ
重みを変化させる方法である。
【0091】また、実施例ではデータ前処理部21aで
加速度センサ11a,11b,11cを用いて検出した
ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)による加速度データ
を重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度デー
タに変換し、入力パターンに対応する加速度データの切
り出しを行なったが、加速度センサ11a,11b,1
1cを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)による加速度データを重力座標系(Xg,Yg,Z
g)における加速度データに変換する座標変換部を設け
てこの処理をデータ前処理部21aから分離しても良
い。
【0092】さらに、データ前処理部21aでは重力座
標系(Xg,Yg,Zg)に変換後の加速度データを積
分して速度データを求め、求めた速度データから入力パ
ターンに対応する加速度データの切り出しを行うように
しても良い。これにより、ウエーブレット変換部22で
扱うデータ数を減らして、処理を高速化できる。
【0093】さらに、データ前処理部21aで座標変換
後の加速度を基にペン先端部6の移動方向及び移動距離
を求め、ペン先端部6の移動方向及び移動距離からペン
先端部6の座標を求めて入力パターンを描くペン先端部
6の座標データの切り出しを行ないデータ数を減らした
後に、切り出した座標データをウエーブレット変換部2
2でウエーブレット変換して入力パターンを表わす係数
を求めるようにして、さらにニューラルネットワーク演
算の負荷を軽くしても良い。
【0094】さらに、上記実施例ではいずれも、個々の
パターン認識の精度を向上するようにしているが、以下
に示すように文字認識の場合は各パターン間の関連を検
出することによりさらにパターン認識の精度を向上でき
る。
【0095】ペン型入力装置は、例えば図11に示すよ
うにペン型入力部1cとパターン認識装置2bを有す
る。ペン型入力部1cは加速度センサ11a,11bを
備える。各加速度センサ11a,11bは、例えばXs
軸方向及びYs軸方向の加速度を示す信号を出力する。
パターン認識装置2bは、例えば複数の参照パターン記
憶部33a〜33n、信号前処理部34、入力回数カウ
ンタ35、参照パターン記憶部選択部36及び比較認識
部37を備える。参照パターン記憶部33a〜33nは
それぞれ入力回数毎に分けられ、その入力回数に応じた
複数の参照パターンを記憶する。信号前処理部34は、
例えばAD変換器341,342及びウエーブレット変
換部343を備える、AD変換器341,342は加速
度センサ11a,11bからの加速度信号をデジタル変
換する。ウエーブレット変換部343343は、AD変
換部341、342でデジタル変換した加速度信号をウ
エーブレット変換して入力パターンを表わす係数を求め
る。入力回数カウンタ35は信号前処理部34からの信
号を基にパターンの入力回数を計数する。参照パターン
記憶部選択部36は、入力回数カウンタ35からの入力
回数を示す信号を基にその入力回数に対応した参照パタ
ーンを記憶した参照パターン記憶部33a〜33nを選
択する。比較認識部37は、例えばニューラルネットワ
ーク演算又は決定木アルゴリズムを用いて、信号前処理
部34からの入力パターンを表す係数等と参照パターン
記憶部選択部36が選択した参照パターン記憶部33a
〜33nに記憶した参照パターンとを比較し、入力文字
の認識を行なう。
【0096】上記構成のペン型入力装置の動作につい
て、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0097】文字の筆記入力を開始すると、信号前処理
部34はペン型入力部1cの加速度センサ11a,11
bから入力パターンを示す加速度信号を読み込み(ステ
ップS21)、デジタル変換及びウエーブレット変換等
の前処理を行なう(ステップS22)。例えば文字
「一」と文字「右」と文字「左」を描くと、それぞれの
文字を示す加速度信号をウエーブレット変換して得たウ
エーブレット係数は、図13(a)、図13(b)及び
図13(c)に示すようになる。入力回数カウンタ35
は、信号前処理部34が前処理を行なった結果を入力
し、パターンの入力回数をカウントアップする(ステッ
プS23)。参照パターン記憶部選択部36は、参照パ
ターン記憶部33a〜33nの中から入力回数カウンタ
35の計数値に対応した入力回数に対する参照パターン
を記憶した参照パターン記憶部33a〜33nを選択す
る(ステップS24)。比較認識部37は信号前処理部
34が前処理を行なった後の入力パターンを示す信号と
参照パターン記憶部選択部36が選択した参照パターン
記憶部33a〜33nに記憶した参照パターンとを比較
して、入力文字の認識を行なう(ステップS25,S2
6)。ここで、各参照パターン記憶部33a〜33nに
は、図14に示すように入力回数に応じた複数の参照パ
ターン331が記憶されている。例えば文字「右」と文
字「左」を描くと、その筆順は、それぞれ図15(a)
及び図15(b)に示すようになっているので、文字
「右」の第二ストロークは文字「左」の第一ストローク
と同じパターンを構成している。したがって、このパタ
ーンを、例えば第一ストロークに対する参照パターンを
記憶した参照パターン記憶部33aと、第二ストローク
に対する参照パターンを記憶した参照パターン記憶部3
3bに記憶し、第二ストロークの場合は入力パターンを
参照パターン記憶部33bに記憶した参照パターンと比
較し、このパターンが第二ストロークに表れたことを検
出することにより、ユーザが文字「左」ではなく文字
「右」を入力していることが分かる。ここで、第二スト
ロークにおいて、このパターンと同じパターンを有する
文字が複数ある場合は、同様の処理を次ぎのパターンで
繰り返して候補となる文字を絞り込むことにより、入力
文字を認識する。
【0098】また、上記のように筆順を中心に文字判別
を行なう代わりに、前後の入力パターンとの関係を基に
入力文字の認識を行なうようにしても良い。
【0099】ペン型入力装置は、例えば図16に示すよ
うにペン型入力部1cとパターン認識装置2cとを備え
る。パターン認識装置2cは複数の参照パターン記憶部
33a〜33n、先行パターン記憶部38、信号前処理
部34、参照パターン記憶部選択部36及び比較認識部
37を有する。各参照パターン記憶部33a〜33n
は、先行パターン毎に分けられそれぞれ先行パターンに
応じた複数の参照パターンを記憶する。先行パターン記
憶部38は前回入力したパターンの認識結果を記憶す
る。参照パターン記憶部選択部36は先行パターン記憶
部38に記憶した前回入力したパターンを基に参照パタ
ーン記憶部33a〜33nの中から一つを選択する。
【0100】上記構成のペン型入力装置の動作を、図1
7のフローチャートを参照して説明する。
【0101】既に説明したように文字の筆記入力を開始
すると、信号前処理部34はペン型入力部1cの加速度
センサ11a,11bから入力パターンを示す加速度信
号を読み込み(ステップS31)、デジタル変換及びウ
エーブレット変換等の前処理を行なう(ステップS3
2)。参照パターン記憶部選択部36は、先行パターン
記憶部38から前回入力したパターンの認識結果を読み
出し(ステップS33)、参照パターン記憶部33a〜
33nの中から前回入力したパターンの認識結果に対応
した入力回数に対する参照パターンを記憶した参照パタ
ーン記憶部33a〜33nを選択する(ステップS3
4)。比較認識部37は信号前処理部34が前処理を行
なった後の入力パターンを示す信号と参照パターン記憶
部選択部36が選択した参照パターン記憶部33a〜3
3nに記憶した参照パターンとを比較して、入力文字の
認識を行なう(ステップS35,S36)。また、比較
認識部37は、パターンの認識結果を先行パターン記憶
部38に記憶して、次ぎのパターンにおいての認識動作
の準備をする(ステップS37)。このように過去のパ
ターン入力を参照して入力文字の認識を行なうことによ
り、さらに正確に入力文字の候補の絞り込みを行なうこ
とができ、正確な入力文字の認識を行なうことができ
る。
【0102】さらに、上記のようにして入力文字の認識
を行なった後に、その認識結果を参照パターン記憶部3
3a〜33nに記憶し、次ぎに同じ文字を入力する場合
にさらに簡単に認識できるようにしても良い。
【0103】また、上記実施例では前回入力したパター
ンを参照して、参照パターン記憶部33a〜33nを選
択したが、文字認識対象パターンの次ぎに入力するパタ
ーンを参照して参照パターン記憶部33a〜33nを選
択するようにしても良い。
【0104】この場合、図18に示すようにペン型入力
装置のパターン認識装置2dは、例えば参照パターン記
憶部33a〜33n、信号前処理部34、入力パターン
バッファ39、後続入力読取部40、後続パターン認識
結果記憶部43、参照パターン記憶部選択部36及び比
較認識部37を備える。各参照パターン記憶部33a〜
33nは、後続のパターン毎に分けられそれぞれ後続パ
ターンに応じた複数の参照パターンを記憶する。入力パ
ターンバッファ39は、文字認識対象のパターンを示す
加速度信号の前処理結果を記憶する。後続入力読取部4
0は、例えば後続参照パターン記憶部41と後続パター
ン比較認識部42を有する。後続参照パターン記憶部4
1は文字認識対象パターンの次ぎのパターンを認識する
際に用いる参照パターンを記憶する。後続パターン比較
認識部42は、文字認識対象パターンの次ぎのパターン
を信号前処理部34を介して読み込み、後続参照パター
ン記憶部41に記憶した参照パターンと比較してパター
ン認識を行なう。後続パターン認識結果記憶部43は、
後続パターン比較認識部42による後続パターンの認識
結果を記憶する。参照パターン記憶部選択部36は、後
続パターン認識結果記憶部43に記憶したパターンの認
識結果に応じて参照パターン記憶部33a〜33nを選
択する。比較認識部37は、例えばニューラルネットワ
ーク演算部371を備え、信号前処理部34で処理した
後の加速度信号のパターンと参照パターン記憶部選択部
36が選択した参照パターン記憶部33a〜33nに記
憶した参照パターンとを比較して、文字認識を行なう。
【0105】この場合のペン型入力装置の動作につい
て、図19のフローチャートを参照して説明する。
【0106】既に説明したように文字の筆記入力を開始
すると、信号前処理部34はペン型入力部1cの加速度
センサ11a,11bから入力パターンを示す加速度信
号を読み込み(ステップS41)、前処理を行なう(ス
テップS42)。信号前処理部34は前処理を行なった
結果を入力パターンバッファ39に記憶する(ステップ
S43)。これにより、次ぎに後続のパターンを示す信
号を入力しても、文字認識対象パターンに対する処理が
終了するまで、文字認識対象パターンを示す信号を保持
することができる。
【0107】この後、後続パターン比較認識部42は信
号前処理部34を介して、後続パターンを示す加速度信
号を入力する(ステップS44,S45)。後続パター
ン比較認識部42は、入力した後続パターンを示す加速
度信号のパターンと後続参照パターン記憶部41に記憶
した参照パターンとを比較して後続パターンの認識を行
ない、認識結果を後続パターン認識結果記憶部43に記
憶する(ステップS46)。このように、後続パターン
の認識結果を後続パターン認識結果記憶部43に記憶す
ることにより、先行パターンを用いる場合と同様に、後
続パターンを基に参照パターン記憶部33a〜33nを
選択することができる。
【0108】参照パターン記憶部選択部36は、後続パ
ターン認識結果記憶部43から後続パターンの認識結果
を読み出し、参照パターン記憶部33a〜33nの中か
ら後続パターンの認識結果に対応した参照パターン記憶
部33a〜33nを選択する(ステップS47)。比較
認識部37は信号前処理部34が前処理を行なった後の
入力パターンを示す信号と参照パターン記憶部選択部3
6が選択した参照パターン記憶部33a〜33nに記憶
した参照パターンとを比較して、入力文字の認識を行な
う(ステップS48,S49)。このように後続パター
ンを参照して入力文字の認識を行なうことにより、さら
に正確に入力文字の候補の絞り込みを行なうことがで
き、正確な入力文字の認識を行なうことができる。
【0109】また、上記実施例では参照パターン記憶部
33a〜33nを切り替えて、入力文字の認識を行なっ
たが、パターンの入力順などに応じた認識を行なう複数
のパターン認識部を切り替えるようにしても良い。
【0110】ペン型入力装置は、例えば図20に示すよ
うに信号前処理部34、パターン認識部44a〜44
n、入力回数カウンタ35及び認識部選択部45を備え
るパターン認識装置2eを有する。各パターン認識部4
4a〜44nは、参照パターン記憶部33a〜33n及
び比較認識部37a〜37nを備え、それぞれパターン
の入力回数に対応した入力文字認識を行なう。例えばパ
ターン認識部44aは入力パターンが第1回目のストロ
ークである場合の文字認識を行ない、パターン認識部4
4bは入力パターンが第2回目のストロークである場合
の文字認識を行なう。認識部選択部45は入力回数カウ
ンタ35の計数値に応じてパターン認識部44a〜44
nを選択して、選択したパターン認識部44a〜44n
の認識結果を出力する。このように、複数のパターン認
識部44a〜44nにより同時に処理することにより、
パターンの認識処理の効率を高めることができる。ここ
で、各比較認識部37a〜37n、例えば異なった構造
のニューラルネットワーク演算部を備えるようにしても
良い。例えばバリエーションの大きい第1回目のストロ
ークに対しては大きな中間層を持つニューラルネットワ
ーク演算部を用い、バリエーションの小さい他のストロ
ークに対しては中間層の小さいニューラルネットワーク
演算部を用いるようにしても良い。
【0111】また、上記実施例ではパターンの入力順を
基にパターン認識部44a〜44nを選択したが、例え
ば図21に示すように信号前処理部34、パターン認識
部44a〜44n、認識部選択部45及び先行パターン
記憶部38を備えるパターン認識装置2fを用いて先行
パターンを基にパターン認識部44a〜44nを選択す
るようにしても良い。
【0112】また、ペン型入力装置は、例えば図22に
示すように信号前処理部34、パターン認識部44a〜
44n、後続入力読取部40、後続パターン認識結果記
憶部43及び認識部選択部45を備えるパターン認識装
置2gを用いて後続パターンを基にパターン認識部44
a〜44nを選択するようにしても良い。
【0113】また、前記実施例ではウエーブレット変換
部22a,22b,22c及びニューラルネットワーク
演算部23を用いてパターン認識を行なったが、図23
に示すようにDPマッチング部47を備え、DPマッチ
ング部47でDPマッチングを行なうことにより、パタ
ーン認識を行なうようにしても良い。
【0114】ペン型入力部1は、例えば図5に示すよう
なアナログ信号Aを出力する。AD変換器25a,25
b,25cはこのペン型入力部1が出力したアナログ信
号をデジタル変換する。データ切出部26はこの信号か
ら認識したいパターンに対応する部分を切り出す。この
データ切出部26の切り出しには、例えばデジタル変換
して得たデータの値又はその微分値の閾値で判断する。
加速度センサ11a,11b,11cからの出力信号は
重力の影響でオフセットを持っており、その値は一定で
はないので微分値の閾値で判断すると特に有効である。
【0115】標準パターン記憶部46は複数の標準パタ
ーン各々に対する標準加速度パターンを記憶する。ここ
で、標準パターンとは、例えば第一水準の漢字等のパタ
ーンをいう。DPマッチング部47はデータ切出部26
が切り出した加速度データのパターンと標準パターン記
憶部46に記憶した標準加速度パターンとをDPマッチ
ング行ない、ペン先端部6の移動パターンを認識する。
ここで、上記DPマッチングにおいては加速度データの
パターンと標準パターン記憶部46に記憶した各標準加
速度パターンとの距離を算出し、その距離が最小の標準
加速度パターンに対応するパターンが入力パターンであ
ると判断する。この場合、加速度センサが複数あるの
で、DPマッチング部47ではそれぞれの加速度データ
に対して距離の算出を行ない、その平均を求めることに
よって、入力パターンの判断を行なう。ここで、認識す
るパターンは文字だけでなく図形又は文字の構成要素等
であっても良い。文字の構成要素の場合は構成要素の認
識結果を順次得ることができるので、さらにこれら文字
の構成要素と辞書等とのマッチングをとって文字の認識
を行なう。
【0116】上記実施例では加速度センサ11a,11
b,11cが出力した加速度信号を基にパターン認識を
行なったが、ペン型入力部1aがXs軸周りのジャイロ
12a,Ys軸周りのジャイロ12b及びZs軸周りの
ジャイロ12cを備え、加速度信号の代わりに各ジャイ
ロ12a,12b,12cからの回転角速度信号を基に
パターン認識を行なうようにしても良い。この場合、標
準パターン記憶部46は複数の標準パターン各々に対す
る標準回転角速度パターンを記憶し、DPマッチング部
47はジャイロ12a,12b,12cからの回転角速
度信号のパターンと標準パターン記憶部46に記憶した
各標準回転角速度パターンとをDPマッチング行ない、
ペン先端部6の筆記軌跡のパターンを認識する。
【0117】さらに、Xs軸ジャイロ12a,Ys軸ジ
ャイロ12b及びZs軸ジャイロ12cを備えるペン型
入力部1aの代わりに、Xs軸方向の加速度センサ11
a,Ys軸方向の加速度センサ11b、Zs軸方向の加
速度センサ11c、Xs軸周りのジャイロ12a,Ys
軸周りのジャイロ12b及びZs軸周りのジャイロ12
cを備えるペン型入力部1bを用いてを良い。この場
合、標準パターン記憶部46は複数の標準パターン各々
に対する標準加速度パターン及び標準回転角速度パター
ンを記憶する。DPマッチング部47は加速度センサ1
1a,11b,11c及びジャイロ12a,12b,1
2cからの加速度信号のパターン及び回転角速度信号の
パターンと標準パターン記憶部46に記憶した各標準加
速度パターン及び各標準回転角速度パターンとを、既に
複数の加速度センサを備える場合の例で説明したように
してDPマッチング行ない、ペン先端部6の筆記軌跡の
パターンを認識する。ここで、加速度センサ及びジャイ
ロの数は認識しようとするパターンに応じて少なくして
も良い。
【0118】さらに、図24に示すようにデータ前処理
部21aが、AD変換部25a〜25f、HPF48a
〜48f、LPF27a〜27f、筆記状態判別部2
8、初期傾斜角演算部29、傾斜角変化演算部30、傾
斜角演算部31及び座標変換演算部32を備え、既に説
明したように加速度センサ11a,11b,11cから
の出力を基に検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)のXs軸方向、Ys軸方向及びZs軸方向の加速度
Axs,Ays,Azsを重力座標系(Xg,Yg,Zg)に
おける加速度Axg,Ayg,Azgに変換した後に出力する
ようにしても良い。標準パターン記憶部46は、複数の
標準パターン各々に対する重力座標系(Xg,Yg,Z
g)での標準加速度パターンを記憶し、DPマッチング
部47は座標変換演算部32が座標変換した加速度信号
のパターンと標準パターン記憶部46に記憶した各標準
加速度パターンとをDPマッチング行ない、ペン先端部
6の移動パターンを認識する。ここで、図では以前の実
施例と異なりHPF48a〜48fを筆記状態判別部2
8の外部に設けている。
【0119】上記構成のペン型入力装置の動作につい
て、図25のフローチャートを参照して説明する。
【0120】加速度センサ11a,11b,11c及び
ジャイロ12a,12b,12cはそれぞれXs軸方
向,Ys軸方向,Zs軸方向の加速度及びXs軸周り,
Ys軸周り,Zs軸周りの回転角速度を示す信号を出力
する。データ前処理部21aのHPF48a〜48fは
デジタル変換後の加速度センサ11a,11b,11c
及びジャイロ12a,12b,12cからの信号から高
周波数成分を抽出する。筆記状態判別部28はHPF4
8a〜48fを介して入力した加速度センサ11a,1
1b,11c及びジャイロ12a,12b,12cから
の信号のいずれかに高周波成分が含まれているか否かを
調べて、高周波数成分が含まれている場合には筆記中と
判断し、筆記中であるか否かを示す信号を出力する。初
期傾斜角演算部29は、既に説明したように筆記状態判
別部28から筆記中でないことをを示す信号を受ける
と、Xs軸加速度センサ11a、Ys軸加速度センサ1
1b及びZs軸加速度センサ11cからの信号を入力
し、ペン軸5の傾斜角の初期値θ0,φ0及びΨ0を算出
する(ステップS51、S52)。
【0121】傾斜角変化演算部30は、既に説明したよ
うに筆記状態判別部28から筆記中であることを示す信
号を受けると(ステップS51)、3個のジャイロ12
a,12b,12cが検出した回転角速度P,Q,Rを
基にペン軸5の傾斜角の変化Δθ,Δφ及びΔΨを演算
する(ステップS53)。傾斜角演算部31は、既に説
明したように初期傾斜角演算部29が演算したペン軸5
の傾斜角の初期値θ0,φ0,Ψ0と傾斜角変化演算部3
0が演算したペン軸5の傾斜角の変化Δθ,Δφ,ΔΨ
を基に筆記中のペン軸5の傾斜角θ,φ,Ψを求める
(ステップS54)。座標変換演算部32は傾斜角演算
部31が検出した筆記中の傾斜角θ,φ,Ψを基に加速
度センサ11a,11b,11cが検出したペン軸座標
系(Xs,Ys,Zs)の加速度Axs,Ays,Azsを重
力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度Axg,Ay
g,Azgに変換する(ステップS55)。筆記状態判別
部28で筆記状態か否かを判別するので座標変換演算部
32では、筆記中のパターンに係わる加速度データを切
り出すことができる。
【0122】DPマッチング部47はデータ前処理部2
1aが座標変換及び切り出し処理をした加速度データが
示すパターンを標準パターン記憶部に記憶した各標準加
速度パターンとDPマッチングをしてペン先端部6が描
いたパターンの認識を行なう(ステップS56)。
【0123】ペン型入力装置は上記動作(ステップS5
3〜S56)を筆記状態判別部28が筆記中であること
を示す信号を出力している間繰り返し、図形等を入力す
る(ステップS57)。ここで、既に説明したように認
識したパターンが文字の構成要素の場合は構成要素の認
識結果を順次記憶し、さらにこれら文字の構成要素と辞
書等とのマッチングをとって文字の認識を行なう。この
ように、3個の加速度センサ11a,11b,11c及
び3個のジャイロ12a,12b,12cを用いて検出
した加速度及び回転角速度を用いるのでペン軸の傾斜に
よる影響の無い加速度を用いて正確にパターン認識でき
るとともに、重力座標系(Xg,Yg,Zg)に変換し
た後の加速度を用いてDPマッチングを行なうので、デ
ータの件数を少なくし、マッチング処理を高速化するこ
とができる。
【0124】また、上記実施例では重力座標系(Xg,
Yg,Zg)に変換した後の加速度を用いてDPマッチ
ングを行なったが、重力座標系(Xg,Yg,Zg)に
変換した後の加速度を1回積分して速度を求め、重力座
標系におけるペン先端部6の速度を用いてDPマッチン
グするようにしても良い。
【0125】さらに、重力座標系(Xg,Yg,Zg)
に変換した後の加速度を2回積分して移動方向及び移動
距離を検出し、検出した移動方向及び移動量からペン先
端部6の筆記軌跡を求め、ペン先端部6の筆記軌跡を用
いてDPマッチングするようにしても良い。
【0126】なお、これまでの実施例ではいずれもペン
型入力部1とパターン認識装置2とを別々に設けたが、
パターン認識装置2をペン型入力部1内部に組み込んで
も良い。
【0127】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、ペン軸
座標系のいずれか1方向、いずれか2方向又は3方向の
加速度データから入力パターンに対応する加速度データ
の切り出しを行ない、切り出した加速度データをウエー
ブレット変換して入力パターンを表わす係数を求めるの
で、事象の生起時刻の情報を容易に扱うことができる。
また、ウエーブレット変換により非定常的な部分での局
所的な対応が可能になるので、パターンの境界の検出を
行なうことができる。
【0128】さらに、ウエーブレット変換して求めた係
数を基に入力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パ
ターンの特徴と予め学習した結果を基に入力パターンの
中間認識結果を算出し、入力パターンの中間認識結果を
基に入力パターンを判定するので、加速度データから直
接に入力パターン認識を行なうことができ、加速度検出
位置とペン先端部の位置との違いから生じる累積誤差に
より入力パターンを誤認識することを防止できる。
【0129】また、ペン軸座標系のいずれか1軸周り、
いずれか2軸周り又は3軸周りの回転角速度データから
入力パターンに対応する回転角速度データの切り出しを
行ない、切り出した回転角速度データをウエーブレット
変換して入力パターンを表わす係数を求めるので、回転
角速度データから直接にパターン認識を行なうことによ
りパターンの誤認識を防止することができる。
【0130】また、ペン軸座標系のいずれか1方向、い
ずれか2方向又は3方向の加速度データ及びいずれか1
軸周り、いずれか2軸周り又は3周軸りの回転角速度デ
ータから入力パターンに対応する加速度データ及び回転
角速度データの切り出しを行ない、切り出した加速度デ
ータ及び回転角速度データをウエーブレット変換して入
力パターンを表わす係数を求めるので、件軸の傾斜を含
んで入力パターン認識を行なうことができ、さらに正確
にパターン認識を行なうことができる。
【0131】また、ペン軸座標系の各軸方向の加速度デ
ータ及び各軸周りの回転角速度データ基に筆記中のペン
軸の傾斜角を算出し、算出した筆記中のペン軸の傾斜角
を基にペン軸座標系による加速度を重力座標系における
加速度に変換し、変換後の加速度データをウエーブレッ
ト規格化して入力パターンを表わす係数を求めるので、
ペン軸の傾斜による影響を無くして入力パターンを判定
することができる。また、ペン軸の傾斜による影響の無
い加速度データを用いるので、高精度のパターン認識を
保ち、かつ、データ数を減らすことができる。
【0132】さらに、座標変換後の加速度を積分してペ
ン先端部の速度を求め、入力パターンの速度データの切
り出しを行ない、切り出した速度データをウエーブレッ
ト変換により規格化して入力パターンを表わす係数を求
めるので、ニューラルネットワーク演算の負荷を軽くで
きる。
【0133】さらに、切り出したデータをウエーブレッ
ト変換により規格化して入力パターンを表わす係数を求
め、求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出し、抽
出した入力パターンの特徴と予め学習した結果を基に入
力パターンの中間認識結果を算出するウエーブレットべ
ーシスファンクション型ニューラルネットワーク演算部
を備えるので、装置全体の構成を簡単にすることができ
る。
【0134】また、互いに直交する2方向又は3方向の
加速度信号を基にパターンの入力回数を計数し、計数し
た入力回数に応じた参照パターンを選択し、各加速度セ
ンサからの加速度信号のパターンと選択した参照パター
ンとを比較して、文字の筆順を基に文字認識を行なうの
で、正確な文字認識を行なうことができる。
【0135】また、前回入力したパターンの認識結果に
応じた参照パターンを選択し、各加速度センサからの加
速度信号のパターンと選択した参照パターンとを比較し
て文字認識を行なうので、先行パターンを基に文字認識
の精度を向上することができる。
【0136】また、後続の入力パターンを示す加速度信
号を読み取り、読み取った後続の入力パターンを示す加
速度信号を基に後続パターンの認識を行ない、後続パタ
ーンの認識結果に応じた参照パターンを選択し、各加速
度センサからの認識対象パターンを示す加速度信号のパ
ターンと選択した参照パターンとを比較して文字認識を
行なうので、後続パターンを基に文字認識の精度を向上
することができる。
【0137】また、各加速度センサからの加速度信号を
基にパターンの入力回数を計数し、加速度センサからの
加速度信号のパターンとパターンの入力回数に応じた複
数の参照パターンとを比較して入力回数毎に文字認識を
行ない、計数した入力回数に応じて文字認識結果を選択
するので、筆順を基に文字認識を行なうことができると
ともに、文字認識効率を向上することができる。
【0138】また、加速度センサからの加速度信号のパ
ターンと種々の先行パターンの認識結果に応じた複数の
参照パターンとを比較して種々な先行パターンを基にし
た文字認識を行ない、前回入力したパターンの認識結果
に応じて文字認識結果を選択するので、先行パターンを
基に文字認識を行なうことができるとともに、文字認識
効率を向上することができる。
【0139】また、加速度センサからの加速度信号のパ
ターンと種々の後続パターンの認識結果に応じた複数の
参照パターンとを比較して種々な後続パターンを基にし
た文字認識を行ない、後続パターンを示す加速度信号を
読み取り、読み取った後続の入力パターンを示す加速度
信号を基に後続パターンの認識を行ない、後続パターン
の認識結果に応じて文字認識を行なうことができるとと
もに、文字認識効率を向上することができる。
【0140】また、ペン軸座標系の少なくとも1軸方向
の加速度を検出し、検出した加速度のパターンと予め複
数の標準パターン各々に対して記憶した標準加速度パタ
ーンとをDPマッチング行ない、ペン先端部の筆記軌跡
のパターンを認識するので、ペン軸座標系の加速度を用
いて正確にパターン認識できるとともに、装置構成を簡
単にすることができる。
【0141】また、ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)
の少なくとも1軸周りの回転角速度を検出し、検出した
回転角速度のパターンと予め複数の標準パターン各々に
対して記憶した標準回転角速度パターンとをDPマッチ
ング行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識す
るので、回転角速度を基に正確、且つ、簡単な構成でパ
ターン認識することができる。
【0142】さらに、ペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)の少なくとも1軸方向の加速度とペン軸座標系(X
s,Ys,Zs)の少なくとも1軸周りの回転角速度を
検出し、検出した加速度のパターン及び回転角速度のパ
ターンと予め複数の標準パターン各々に対して記憶した
標準信号パターンとをDPマッチング行ない、ペン先端
部の筆記軌跡のパターンを認識するので、さらに正確に
パターン認識することができる。
【0143】さらに、ペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)の少なくとも1軸方向の加速度とペン軸座標系(X
s,Ys,Zs)の少なくとも1軸周りの回転角速度を
検出し、検出した加速度と回転角速度を基に加速度の座
標系をペン軸座標系から重力座標系に変換し、座標変換
した加速度のパターンと予め複数の標準パターン各々に
対して記憶した重力座標系における標準加速度パターン
とをDPマッチング行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパ
ターンを認識するので、さらに正確にパターン認識でき
るとともにデータ数を減らしてパターン認識処理を高速
化できる。
【0144】さらに、座標変換した後の加速度を積分し
て速度又は軌跡を求め、加速度を積分して得た速度又は
軌跡と予め複数の標準パターン各々に対して記憶した標
準加速度パターン又は各々の標準パターンを描いた場合
の標準軌跡とをDPマッチング行ない、ペン先端部の筆
記軌跡のパターンを認識するので、DPマッチング処理
を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペン型入力部とパターン識別装置との接続図で
ある。
【図2】ペン型入力部とパターン識別装置の構成図であ
る。
【図3】ニューラルネットワークの構成図である。
【図4】ペン型入力装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【図5】加速度信号の波形図である。
【図6】ジャイロを用いたペン型入力部とパターン識別
装置の構成図である。
【図7】他のペン型入力部の斜視図である。
【図8】他のペン型入力部とパターン識別装置の構成図
である。
【図9】他のペン型入力装置の動作を示すフローチャー
トである。
【図10】他のニューラルネットワークの構成図であ
る。
【図11】パターン入力順を基に文字認識を行なうパタ
ーン認識装置の構成図である。
【図12】パターン入力順を基に文字認識を行なうフロ
ーチャートである。
【図13】ウエーブレット係数の変化を示す波形図であ
る。
【図14】参照パターン記憶部の構成図である。
【図15】筆順の説明図である。
【図16】先行パターンを基に文字認識を行なうパター
ン認識装置の構成図である。
【図17】先行パターンを基に文字認識を行なうフロー
チャートである。
【図18】後続パターンを基に文字認識を行なうパター
ン認識装置の構成図である。
【図19】後続パターンを基に文字認識を行なうフロー
チャートである。
【図20】入力順を基に文字認識結果を切り替えるパタ
ーン認識装置の構成図である。
【図21】先行パターンで認識結果を切り替えるパター
ン認識装置の構成図である。
【図22】後続パターンで認識結果を切り替えるパター
ン認識装置の構成図である。
【図23】DPマッチングでパターン認識を行なうパタ
ーン認識装置の構成図である。
【図24】座標変換後にDPマッチングを行なうパター
ン認識装置の構成図である。
【図25】座標変換後にDPマッチングを行なう場合の
フローチャートである。
【符号の説明】
1 ペン型入力部 11 加速度センサ 12 ジャイロ 2 パターン認識装置 21 データ前処理部 22 ウエーブレット変換部 23 ニューラルネットワーク演算部 24 後処理部 26 データ切出部 28 筆記状態判別部 29 初期傾斜角演算部 30 傾斜角変化演算部 31 傾斜角演算部 32 座標変換演算部 33 参照パターン記憶部 34 信号前処理部 35 入力回数カウンタ 36 参照パターン記憶部選択部 37 比較認識部 38 先行パターン記憶部 39 入力パターンバッファ 40 後続入力読取部 44 パターン認識部 45 認識部選択部 46 標準パターン記憶部 47 DPマッチング部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 憲彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコ−内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個の加速度センサとデータ
    前処理部とウエーブレット変換部とニューラルネットワ
    ーク演算部と後処理部を有し、加速度センサはその数に
    応じてペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Y
    s,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の
    いずれか1方向、いずれか2方向又は3方向の加速度信
    号を出力し、データ前処理部は加速度センサが出力した
    加速度信号を基に入力パターンに対応する加速度データ
    の切り出しを行ない、ウエーブレット変換部はデータ前
    処理部が切り出した加速度データをウエーブレット変換
    して入力パターンを表わす係数を求め、ニューラルネッ
    トワーク演算部はウエーブレット変換部が求めた係数を
    基に入力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パター
    ンの特徴と予め学習した結果を基に入力パターンの中間
    認識結果を算出し、後処理部はニューラルネットワーク
    演算部による入力パターンの中間認識結果を基に入力パ
    ターンを判定することを特徴とするペン型入力装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個のジャイロとデータ前処
    理部とウエーブレット変換部とニューラルネットワーク
    演算部と後処理部を有し、ジャイロはその数に応じてペ
    ン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)
    のXs軸,Ys軸及びZs軸のいずれか1軸周り、いず
    れか2軸周り又は3軸周りの回転角速度信号を出力し、
    データ前処理部はジャイロが出力した回転角速度信号を
    基に入力パターンに対応する回転角速度データの切り出
    しを行ない、ウエーブレット変換部はデータ前処理部が
    切り出した回転角速度データをウエーブレット変換して
    入力パターンを表わす係数を求め、ニューラルネットワ
    ーク演算部はウエーブレット変換部が求めた係数を基に
    入力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パターンの
    特徴と予め学習した結果を基に入力パターンの中間認識
    結果を算出し、後処理部はニューラルネットワーク演算
    部による入力パターンの中間認識結果を基に入力パター
    ンを判定することを特徴とするペン型入力装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも1個の加速度センサと少なく
    とも1個のジャイロとデータ前処理部とウエーブレット
    変換部とニューラルネットワーク演算部と後処理部を有
    し、加速度センサはその数に応じてペン軸をZs軸とし
    たペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Y
    s軸方向及びZs軸方向のいずれか1方向、いずれか2
    方向又は3方向の加速度信号を出力し、ジャイロはその
    数に応じてXs軸,Ys軸及びZs軸のいずれか1軸周
    り、いずれか2軸周り又は3軸周りの回転角速度信号を
    出力し、データ前処理部は加速度センサが出力した加速
    度信号及びジャイロが出力した回転角速度信号を基に入
    力パターンに対応する加速度データ及び回転角速度デー
    タの切り出しを行ない、ウエーブレット変換部はデータ
    前処理部が切り出した加速度データ及び回転角速度デー
    タをウエーブレット変換して入力パターンを表わす係数
    を求め、ニューラルネットワーク演算部はウエーブレッ
    ト変換部が求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出
    し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結果を
    基に入力パターンの中間認識結果を算出し、後処理部は
    ニューラルネットワーク演算部による入力パターンの中
    間認識結果を基に入力パターンを判定することを特徴と
    するペン型入力装置。
  4. 【請求項4】 3個の加速度センサと3個のジャイロと
    データ前処理部とウエーブレット変換部とニューラルネ
    ットワーク演算部と後処理部を有し、3個の加速度セン
    サはそれぞれペン軸をZs軸としたペン軸座標系(X
    s,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸
    方向の加速度を示す信号を出力し、3個のジャイロはそ
    れぞれXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角
    速度を示す信号を出力し、データ前処理部は無筆記状態
    における3個の加速度センサからの加速度信号を基にペ
    ン軸の傾斜角の初期値を演算し、筆記状態における3個
    のジャイロが出力した回転角速度信号から傾斜角の変化
    を演算し、演算した傾斜角の初期値と傾斜角の変化を基
    に筆記中のペン軸の傾斜角を算出し、算出した筆記中の
    ペン軸の傾斜角を基に加速度センサが検出したペン軸座
    標系(Xs,Ys,Zs)による加速度データを重力加
    速度方向に伸びる軸をZg軸にした重力座標系(Xg,
    Yg,Zg)における加速度データに変換し、入力パタ
    ーンに対応する加速度データの切り出しを行ない、ウエ
    ーブレット変換部はデータ前処理部が切り出した加速度
    データをウエーブレット変換して入力パターンを表わす
    係数を求め、ニューラルネットワーク演算部はウエーブ
    レット変換部が求めた係数を基に入力パターンの特徴を
    抽出し、抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結
    果を基に入力パターンの中間認識結果を算出し、後処理
    部はニューラルネットワーク演算部による入力パターン
    の中間認識結果を基に入力パターンを判定することを特
    徴とするペン型入力装置。
  5. 【請求項5】 上記データ前処理部は無筆記状態におけ
    る3個の加速度センサからの加速度信号を基にペン軸の
    傾斜角の初期値を演算し、筆記状態における3個のジャ
    イロからの回転角速度信号を基にペン軸の傾斜角の変化
    を演算し、演算した傾斜角の初期値と傾斜角の変化を基
    に筆記中のペン軸の傾斜角を算出し、算出した筆記中の
    ペン軸の傾斜角を基に加速度センサが検出したペン軸座
    標系(Xs,Ys,Zs)による加速度を重力座標系
    (Xg,Yg,Zg)における加速度に変換し、変換し
    た加速度を積分してペン先端部の速度を求め、入力パタ
    ーンに対応する速度データの切り出しを行ない、ウエー
    ブレット変換部はデータ前処理部が切り出した速度デー
    タをウエーブレット変換して入力パターンを表わす係数
    を求める請求項4記載のペン型入力装置。
  6. 【請求項6】 上記データ前処理部が切り出したデータ
    をウエーブレット変換して入力パターンを表わす係数を
    求め、求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出し、
    抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結果を基に
    入力パターンの中間認識結果を算出するウエーブレット
    ベーシスファンクション型ニューラルネットワーク演算
    部を有し、後処理部はウエーブレットベーシスファンク
    ション型ニューラルネットワーク演算部による入力パタ
    ーンの中間認識結果を基に入力パターンを判定する請求
    項1乃至5のいずれかに記載のペン型入力装置。
  7. 【請求項7】 複数個の加速度センサと入力回数カウン
    タと複数の参照パターン記憶部と参照パターン記憶部選
    択部と比較認識部を有し、加速度センサは直交する2方
    向又は3方向の加速度信号を出力し、入力回数カウンタ
    は各加速度センサからの加速度信号を基にパターンの入
    力回数を計数し、各参照パターン記憶部はそれぞれパタ
    ーンの入力回数に応じた複数の参照パターンを記憶し、
    参照パターン記憶部選択部は入力回数カウンタが計数し
    た入力回数に応じて参照パターン記憶部を選択し、比較
    認識部は各加速度センサからの加速度信号のパターンと
    参照パターン記憶部選択部が選択した参照パターン記憶
    部に記憶した参照パターンとを比較して文字認識を行な
    うことを特徴とするペン型入力装置。
  8. 【請求項8】 複数個の加速度センサと先行パターン記
    憶部と複数の参照パターン記憶部と参照パターン記憶部
    選択部と比較認識部を有し、加速度センサは直交する2
    方向又は3方向の加速度信号を出力し、先行パターン記
    憶部は前回入力したパターンの認識結果を記憶し、各参
    照パターン記憶部はそれぞれ先行パターンの認識結果に
    応じた複数の参照パターンを記憶し、参照パターン記憶
    部選択部は先行パターン記憶部に記憶したパターンの認
    識結果に応じて参照パターン記憶部を選択し、比較認識
    部は各加速度センサからの加速度信号のパターンと参照
    パターン記憶部選択部が選択した参照パターン記憶部に
    記憶した参照パターンとを比較して文字認識を行なうこ
    とを特徴とするペン型入力装置。
  9. 【請求項9】 複数個の加速度センサと後続入力読取部
    と複数の参照パターン記憶部と参照パターン記憶部選択
    部と比較認識部を有し、加速度センサは直交する2方向
    又は3方向の加速度信号を出力し、後続入力読取部は後
    続の入力パターンを示す加速度信号を読み取り、読み取
    った後続の入力パターンを示す加速度信号を基に後続の
    入力パターンの認識を行ない、各参照パターン記憶部は
    それぞれ後続パターンに応じた複数の参照パターンを記
    憶し、参照パターン記憶部選択部は後続入力読取部によ
    る後続入力パターンの認識結果に応じて参照パターン記
    憶部を選択し、比較認識部は各加速度センサからの認識
    対象パターンを示す加速度信号のパターンと参照パター
    ン記憶部選択部が選択した参照パターン記憶部に記憶し
    た参照パターンとを比較して文字認識を行なうことを特
    徴とするペン型入力装置。
  10. 【請求項10】 複数個の加速度センサと入力回数カウ
    ンタと複数のパターン認識部と認識部選択部を有し、加
    速度センサは直交する2方向又は3方向の加速度信号を
    出力し、入力回数カウンタは各加速度センサからの加速
    度信号を基にパターンの入力回数を計数し、各パターン
    認識部は参照パターン記憶部と比較認識部を備え、各参
    照パターン記憶部は入力回数に応じた複数の参照パター
    ンを記憶し、各比較認識部は各加速度センサからの加速
    度信号のパターンと参照パターン記憶部に記憶した参照
    パターンとを比較して文字認識を行ない、認識部選択部
    は入力回数カウンタが計数した入力回数に応じてパター
    ン認識部を選択し、その文字認識結果を出力することを
    特徴とするペン型入力装置。
  11. 【請求項11】 複数個の加速度センサと先行パターン
    記憶部と複数のパターン認識部と認識部選択部を有し、
    加速度センサは直交する2方向又は3方向の加速度信号
    を出力し、先行パターン記憶部は前回入力したパターン
    の認識結果を記憶し、各パターン認識部は参照パターン
    記憶部と比較認識部を備え、各参照パターン記憶部はそ
    れぞれ先行パターンの認識結果に応じた複数の参照パタ
    ーンを記憶し、各比較認識部は各加速度センサからの加
    速度信号のパターンと参照パターン記憶部に記憶した参
    照パターンとを比較して文字認識を行ない、認識部選択
    部は先行パターン記憶部に記憶した前回入力パターンの
    認識結果に応じてパターン認識部を選択し、その文字認
    識結果を出力することを特徴とするペン型入力装置。
  12. 【請求項12】 複数個の加速度センサと複数のパター
    ン認識部と後続入力読取部と認識部選択部を有し、加速
    度センサは直交する2方向又は3方向の加速度信号を出
    力し、各パターン認識部は参照パターン記憶部と比較認
    識部を備え、各参照パターン記憶部はそれぞれ後続パタ
    ーンに応じた複数の参照パターンを記憶し、各比較認識
    部は各加速度センサからの加速度信号のパターンと参照
    パターン記憶部に記憶した参照パターンとを比較して文
    字認識を行ない、後続入力読取部は後続の入力パターン
    を示す加速度信号を読み取り、読み取った後続の入力パ
    ターンを示す加速度信号を基に後続の入力パターンの認
    識を行ない、認識部選択部は後続入力読取部による後続
    の入力パターンの認識結果に応じてパターン認識部を選
    択し、その文字認識結果を出力することを特徴とするペ
    ン型入力装置。
  13. 【請求項13】 少なくとも1個の加速度センサと標準
    パターン記憶部とDPマッチング部を有し、加速度セン
    サはその数に応じてペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
    s軸方向のいずれか1方向、いずれか2方向又は3方向
    の加速度信号を出力し、標準パターン記憶部は複数の標
    準パターン各々に対する標準加速度パターンを予め記憶
    し、DPマッチング部は加速度センサからの加速度信号
    のパターンと標準パターン記憶部に記憶した各標準加速
    度パターンとをDPマッチング行ない、ペン先端部の筆
    記軌跡のパターンを認識することを特徴とするペン型入
    力装置。
  14. 【請求項14】 少なくとも1個のジャイロと標準パタ
    ーン記憶部とDPマッチング部を有し、ジャイロはその
    数に応じてペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,
    Ys,Zs)のXs軸,Ys軸及びZs軸のいずれか1
    軸周り、いずれか2軸周り又は3軸周りの回転角速度信
    号を出力し、標準パターン記憶部は複数の標準パターン
    各々に対する標準回転角速度パターンを予め記憶し、D
    Pマッチング部はジャイロからの回転角速度度信号のパ
    ターンと標準パターン記憶部に記憶した各標準回転角速
    度パターンとをDPマッチング行ない、ペン先端部の筆
    記軌跡のパターンを認識することを特徴とするペン型入
    力装置。
  15. 【請求項15】 少なくとも1個の加速度センサと少な
    くとも1個のジャイロと標準パターン記憶部とDPマッ
    チング部を有し、加速度センサはその数に応じてペン軸
    をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のX
    s軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向のいずれか1方
    向、いずれか2方向又は3方向の加速度信号を出力し、
    ジャイロはその数に応じてXs軸,Ys軸及びZs軸の
    いずれか1軸周り、いずれか2軸周り又は3軸周りの回
    転角速度信号を出力し、標準パターン記憶部は複数の標
    準パターン各々に対するペン軸座標系(Xs,Ys,Z
    s)における標準信号パターンを記憶し、DPマッチン
    グ部は加速度センサからの加速度信号のパターン及びジ
    ャイロからの回転角速度度信号のパターンと標準パター
    ン記憶部に記憶した各標準信号パターンとをDPマッチ
    ング行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識す
    ることを特徴とするペン型入力装置。
  16. 【請求項16】 少なくとも1個の加速度センサと少な
    くとも1個のジャイロと座標変換部と標準パターン記憶
    部とDPマッチング部を有し、加速度センサはその数に
    応じてペン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Y
    s,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の
    いずれか1方向、いずれか2方向又は3方向の加速度信
    号を出力し、ジャイロはその数に応じてXs軸,Ys軸
    及びZs軸のいずれか1軸周り、いずれか2軸周り又は
    3軸周りの回転角速度信号を出力し、座標変換部は加速
    度センサからの加速度信号及びジャイロからの回転角速
    度信号を基に加速度センサからの加速度信号の座標系を
    ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)から重力加速度方向
    に伸びる軸をZg軸にした重力座標系(Xg,Yg,Z
    g)に変換し、標準パターン記憶部は複数の標準パター
    ン各々に対する重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけ
    る標準加速度パターンを記憶し、DPマッチング部は座
    標変換部が座標変換した加速度信号のパターンと標準パ
    ターン記憶部に記憶した各標準加速度パターンとをDP
    マッチング行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを
    認識することを特徴とするペン型入力装置。
  17. 【請求項17】 上記座標変換部が座標変換した後の加
    速度を積分して速度又は軌跡を求める移動量演算部を有
    し、標準パターン記憶部は複数の標準パターン各々に対
    する標準速度パターン又は各々の標準パターンを描いた
    場合の標準軌跡を記憶し、DPマッチング部は移動量演
    算部の演算結果と標準パターン記憶部に記憶した各標準
    加速度パターン又は各標準軌跡とをDPマッチング行な
    い、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識する請求項
    16記載のペン型入力装置。
  18. 【請求項18】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
    s軸方向のいずれか1方向、いずれか2方向又は3方向
    の加速度データから入力パターンに対応する加速度デー
    タの切り出しを行ない、切り出した加速度データをウエ
    ーブレット変換して入力パターンを表わす係数を求め、
    求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出し、抽出し
    た入力パターンの特徴と予め学習した結果を基に入力パ
    ターンの中間認識結果を算出し、入力パターンの中間認
    識結果を基に入力パターンを判定することを特徴とする
    ペン型入力装置のパターン認識方法。
  19. 【請求項19】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸,Ys軸及びZs軸のい
    ずれか1軸周り、いずれか2軸周り又は3軸周りの回転
    角速度データから入力パターンに対応する回転角速度デ
    ータの切り出しを行ない、切り出した回転角速度データ
    をウエーブレット変換して入力パターンを表わす係数を
    求め、求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出し、
    抽出した入力パターンの特徴と予め学習した結果を基に
    入力パターンの中間認識結果を算出し、入力パターンの
    中間認識結果を基に入力パターンを判定することを特徴
    とするペン型入力装置のパターン認識方法。
  20. 【請求項20】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
    s軸方向のいずれか1方向、いずれか2方向又は3方向
    の加速度データ、及び、Xs軸,Ys軸及びZs軸のい
    ずれか1軸周り、いずれか2軸周り又は3軸周りの回転
    角速度データから入力パターンに対応する加速度データ
    及び回転角速度データの切り出しを行ない、切り出した
    加速度データ及び回転角速度データをウエーブレット変
    換して入力パターンを表わす係数を求め、求めた係数を
    基に入力パターンの特徴を抽出し、抽出した入力パター
    ンの特徴と予め学習した結果を基に入力パターンの中間
    認識結果を算出し、入力パターンの中間認識結果を基に
    入力パターンを判定することを特徴とするペン型入力装
    置のパターン認識方法。
  21. 【請求項21】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
    s軸方向の無筆記状態における加速度データを基にペン
    軸の傾斜角の初期値を演算し、筆記状態におけるXs軸
    周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度データを
    基にペン軸の傾斜角の変化を算出し、演算した傾斜角の
    初期値と傾斜角の変化を基に筆記中のペン軸の傾斜角を
    算出し、算出した筆記中のペン軸の傾斜角を基にペン軸
    座標系(Xs,Ys,Zs)による加速度データを重力
    加速度方向に伸びる軸をZg軸にした重力座標系(X
    g,Yg,Zg)における加速度データに変換し、変換
    後の加速度データから入力パターンに対応する加速度デ
    ータの切り出しを行ない、切り出した加速度データをウ
    エーブレット変換して入力パターンを表わす係数を求
    め、求めた係数を基に入力パターンの特徴を抽出し、抽
    出した入力パターンの特徴と予め学習した結果を基に入
    力パターンの中間認識結果を算出し、入力パターンの中
    間認識結果を基に入力パターンを判定することを特徴と
    するペン型入力装置のパターン認識方法。
  22. 【請求項22】 ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の
    Xs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の無筆記状態に
    おける加速度データを基にペン軸の傾斜角の初期値を演
    算し、筆記状態におけるXs軸周り,Ys軸周り及びZ
    s軸周りの回転角速度データを基にペン軸の傾斜角の変
    化を演算し、演算した傾斜角の初期値と傾斜角の変化を
    基に筆記中のペン軸の傾斜角を算出し、算出した筆記中
    のペン軸の傾斜角を基にペン軸座標系(Xs,Ys,Z
    s)による加速度データを重力座標系(Xg,Yg,Z
    g)における加速度データに変換し、座標変換した加速
    度データを積分してペン先端部の速度データを求め、求
    めた速度データから入力パターンに対応する速度データ
    の切り出しを行ない、切り出した速度データをウエーブ
    レット変換して入力パターンを表わす係数を求める請求
    項21記載のペン型入力装置のパターン認識方法。
  23. 【請求項23】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
    s軸方向の少なくとも1方向の加速度を検出し、検出し
    た加速度のパターンと予め複数の標準パターン各々に対
    して記憶した標準加速度パターンとをDPマッチング行
    ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識すること
    を特徴とするペン型入力装置のパターン認識方法。
  24. 【請求項24】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸,Ys軸及びZs軸の少
    なくとも1軸周りの回転角速度を検出し、検出した回転
    角速度のパターンと予め複数の標準パターン各々に対し
    て記憶した標準回転角速度パターンとをDPマッチング
    行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパターンを認識するこ
    とを特徴とするペン型入力装置のパターン認識方法。
  25. 【請求項25】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
    s軸方向の少なくとも1方向の加速度とXs軸,Ys軸
    及びZs軸の少なくとも1軸周りの回転角速度を検出
    し、検出した加速度のパターン及び回転角速度のパター
    ンと予め複数の標準パターン各々に対して記憶した標準
    信号パターンとをDPマッチング行ない、ペン先端部の
    筆記軌跡のパターンを認識することを特徴とするペン型
    入力装置のパターン認識方法。
  26. 【請求項26】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系
    (Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZ
    s軸方向の少なくとも1方向の加速度とXs軸,Ys軸
    及びZs軸の少なくとも1軸周りの回転角速度を検出
    し、検出した加速度と回転角速度を基に加速度の座標系
    をペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)から重力加速度方
    向に伸びる軸をZg軸にした重力座標系(Xg,Yg,
    Zg)に変換し、座標変換した加速度のパターンと予め
    複数の標準パターン各々に対して記憶した重力座標系
    (Xg,Yg,Zg)における標準加速度パターンとを
    DPマッチング行ない、ペン先端部の筆記軌跡のパター
    ンを認識することを特徴とするペン型入力装置のパター
    ン認識方法。
  27. 【請求項27】 上記座標変換した後の加速度を積分し
    て速度又は軌跡を求め、加速度を積分して得た速度又は
    軌跡と予め複数の標準パターン各々に対して記憶した標
    準加速度パターン又は各々の標準パターンを描いた場合
    の標準軌跡とをDPマッチング行ない、ペン先端部の筆
    記軌跡のパターンを認識する請求項26記載のペン型入
    力装置のパターン認識方法。
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