JPH1152402A - 液晶装置及びその製造方法 - Google Patents

液晶装置及びその製造方法

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JPH1152402A
JPH1152402A JP20441397A JP20441397A JPH1152402A JP H1152402 A JPH1152402 A JP H1152402A JP 20441397 A JP20441397 A JP 20441397A JP 20441397 A JP20441397 A JP 20441397A JP H1152402 A JPH1152402 A JP H1152402A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶装置の液晶パネル用基板に設けた透明電
極パターンの精度向上とその製造に於けるスループット
の向上の両立を容易とする。 【解決手段】 液晶パネル用基板1に形成した透明導電
膜2の上にレジスト3を形成し、エッチング(ST7)
により、前記透明導電膜2の一部を除去して透明電極5
を形成する液晶装置の製造方法に於いて、前記レジスト
3の露光工程(ST3、ST5)を少なくとも2回行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶装置、特に透明
電極を備えた液晶パネル用基板を有する液晶装置および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パネル用基板に透明電極を備え、液晶パ
ネル用基板間に液晶を挟持して、光の透過を制御する液
晶装置は、薄型で消費電力が少ないという長所により、
従来から、液晶表示装置、液晶プリンタ等情報機器に広
く用いられている。かかる液晶装置に於いて、そのパネ
ル用基板に透明電極を形成する製造方法として従来行わ
れている方法につき図面を用いて説明する。図3は前記
パネル用基板に透明電極を形成する従来の液晶装置の製
造方法を示す断面図である。
【0003】図3に示すようにST31に於いて、蒸
着、スパッタリング等の製膜技術によりガラス等の液晶
パネル用基板51にITO(酸化インジューム薄膜)等
よりなる透明導電膜52を被着する。次に、ST32に
於いて、前記透明導電膜52の上にレジスト53を塗布
する。
【0004】次に、ST33に於いて、前記ジスト53
をマスク54を用いて露光する。マスク54は遮光部5
4aと窓部54bとを有し、前記露光により、レジスト
53前記窓部54bに対応する部分は感光・変質した露
光部分53bとなり、前記遮光部54aに対応する部分
は未露光部分53aとなる。次に、ST34に於いて、
現像液により、レジスト53のうちで感光・変質した前
記露光部分53bのみを選択的に溶解除去する現像を行
う。次に、ST35に於いて、残されたレジスト53の
前記未露光部分53aを加熱してポストベークする。こ
こで、このポストベークは前記残されたレジスト53の
未露光部分53aと前記透明導電膜52との密着力を高
めるために行うものである。
【0005】次に、ST36に於いて酸性のエッチング
液を用いて、残されたレジスト53の未露光部分53a
により被覆されいる透明導電膜52の被覆部分52aを
残して、これ以外の透明導電膜52の部分をエッチング
により除去する。次に、ST37に於いて、無機酸強ア
ルカリ(例えば、KOH、NAOH)の剥離液を用い
て、透明導電膜52の前記被覆部分52aの上に残され
たレジスト53の未露光部分53aを溶解・剥離し、前
記被覆部分52aを透明電極55とする。以上の工程を
有する製造方法により、液晶装置のパネル用基板上51
上に透明電極55が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる液晶装置の製造
方法に於いては、製造コストを低減させことが望まし
く、そのためには、製造工程に於けるランニングコスト
が低く、スループットが高いことが必要である。一方、
液晶装置としては表示、印刷等に於ける分解能、再現精
度等の再現機能が高いことが望ましく、そのためには、
透明電極55のパターンの精度が高いことが必要であ
る。しかし、従来の製造方法に於いては、製造コストの
低減と透明電極55パターン精度の向上というこれら二
つの要求を共に満足させることは困難であった。
【0007】すなわち、透明電極55のパターン精度を
高く維持するには前記のST35のポストベークの工程
に於いて、ポストベークの温度を上げ、レジスト53の
前記未露光部分53aと透明導電膜52の密着性を十分
に高める必要がある。なぜならば、この密着性が十分で
ないときはST36のエッチング工程に於いてエッチン
グ液が前記レジスト53aと透明導電膜52の界面に食
い込んで、図4に示すように、前記レジスト53aの端
部53a1よりも内側の部分に於いて、透明電極膜2の
前記被覆部分52aの一部が溶解・除去されるオーバー
エッチングを生じ、図3のST37の剥離工程に示す透
明電極55のパターンの寸法精度を低下させるからであ
る。ところが、かかるオーバーエッチングを回避するた
め、ポストベークの温度を上げると、レジスト53aは
アルカリに溶けにくい材質に変質し、ST37の剥離工
程に於いて、アルカリ性の弱い剥離液を用いてレジスト
53aを剥離する際に、剥離が困難となり、長時間を要
し、剥離不十分で残渣を生じ易くなる。残渣があれば不
良品となる。
【0008】従って、処理時間の増加および歩留りの低
下を招く。全体の処理工程が、バッチ処理を含まず枚葉
処理のみにより行われる自動化ラインに於いては、特に
スループットを顕著に低下させることになる。一方、ア
ルカリ性の強い剥離液を用いれば、処理時間の増加は防
止できるが、材料費が高くなり、材料の取扱いに手間が
かかり、環境悪化も増すため、ランニングコストが増加
し、又、パネル基板1に他に保護膜等が設けられている
場合はこれらを傷つけ易くなる。
【0009】本発明は上記した従来技術の問題点、すな
わち、液晶装置のパネル用基板に設けた透明電極のパタ
ーン精度の向上とその製造に於ける製造コストの低減と
を両立をさせることを解決すべき課題とするものであ
る。そして本発明はかかる課題を解決し、パターン精度
の高い透明電極を備えたパネルを有し、高品位の液層制
御により、高品位の表示、印字等を行うことができる液
晶装置を低い製造コストに於いて提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明はその第1の手段として、液晶パネル用基板
に形成した透明導電膜の上にレジストを形成し、エッチ
ングにより、前記透明導電膜の一部を除去して透明電極
を形成する液晶装置の製造方法に於いて、前記レジスト
の露光工程を少なくとも2回行うことを特徴とする。
【0011】また上記の課題を解決するために本発明は
その第2の手段として、前記第1の手段に於いて、前記
レジストの露光工程をレジストの現像工程よりも前およ
び後に於いて行うことを特徴とする。
【0012】上記の課題を解決するために本発明はその
第3の手段として、前記第1の手段又は第2の手段に於
いて、前記レジストの現像工程よりも前に行う露光工程
の露光はレジストの一部を感光させ、残部を感光させな
い選択的な露光であり、前記現像工程よりも後に行う露
光はレジストの全部を感光させる非選択的な露光である
ことを特徴とする。
【0013】上記の課題を解決するために本発明はその
第4の手段として、液晶パネル用基板に形成した透明導
電膜の上にレジストを形成し、露光し、現像し、ポスト
ベークし、エッチングにより、前記透明導電膜の一部を
除去して透明電極を形成する液晶装置の製造方法に於い
て、前記レジストの現像工程と前記レジストのポストベ
ーク工程の間に前記レジストの露光工程を行うことを特
徴とする。
【0014】上記の課題を解決するために本発明はその
第5の手段として、前記第4の手段に於いて、前記レジ
ストの現像工程よりも後のレジストの露光工程の露光に
より、ポストベーク工程後のレジストの密着性を保持し
つつ該レジストをアルカリに可溶とすることを特徴とす
る。
【0015】上記の課題を解決するために本発明はその
第6の手段として、液晶パネル用基板に形成した透明導
電膜の上にレジストを形成し、エッチングにより、前記
透明導電膜の一部を除去して透明電極を形成する液晶装
置の製造方法に於いて、前記レジストのマスクを用いた
露光工程及び前記レジストの現像工程及び前記レジスト
のマスクを用いない露光工程及び前記レジストのポスト
ベーク工程及び前記透明導電膜のエッチング工程を有す
ることを特徴とする。
【0016】上記の課題を解決するために本発明はその
第7の手段として、液晶パネル用基板に形成した透明導
電膜の上にレジストを形成する第1の工程、前記レジス
トをマスクを用いて露光する第2の工程、露光された前
記レジストを現像する第3の工程、マスクを用いないで
現像後の前記レジストを露光する第4の工程、現像後の
前記レジストをポストベークする第5の工程、前記透明
導電膜をエッチング第6の工程および現像後の前記レジ
ストを剥離する第7の工程を有する液晶装置の製造方法
に於いて、露光された前記レジストを現像する前記第3
の工程と現像後の前記レジストをポストベークする前記
第5の工程の間に、マスクを用いないで現像後の前記レ
ジストを露光する前記第4の工程を行うことを特徴とす
る。
【0017】上記の課題を解決するために本発明はその
第8の手段として、液晶パネル用基板に形成した透明導
電膜の上にレジストを形成し、エッチングにより、前記
透明導電膜の一部を除去して透明電極を形成する液晶装
置の製造方法により製造された透明電極を有する液晶装
置に於いて、前記レジストの露光工程を少なくとも2回
行う製造方法により製造された透明電極を有することを
特徴とする。
【0018】また上記の課題を解決するために本発明は
その第9の手段として、前記第8の手段の液晶装置に於
いて、前記レジストの露光工程をレジストの現像工程よ
りも前および後に於いて行う製造方法により製造された
透明電極を有することを特徴とする。
【0019】また上記の課題を解決するために本発明は
その第10の手段として、前記第8の手段又は第9の手
段の液晶装置に於いて、前記レジストの現像工程よりも
前に行う露光工程の露光はレジストの一部を感光させ、
残部を感光させない選択的な露光であり、前記現像工程
よりも後に行う露光はレジストの全部を感光させる非選
択的な露光である製造方法により製造された透明電極を
有することを特徴とする。
【0020】また上記の課題を解決するために本発明は
その第11の手段として、液晶パネル用基板に形成した
透明導電膜の上にレジストを形成し、露光し、現像し、
ポストベークし、エッチングにより、前記透明導電膜の
一部を除去して透明電極を形成する液晶装置の製造方法
により製造された透明電極を有する液晶装置に於いて、
前記レジストの現像工程と前記レジストのポストベーク
工程の間に前記レジストの露光工程を行うことにより製
造された透明電極を有することを特徴とする。
【0021】また上記の課題を解決するために本発明は
その第12の手段として、前記第11の手段の液晶装置
に於いて、前記レジストの現像工程よりも後のレジスト
の露光工程の露光により、ポストベーク工程後のレジス
トの密着性を保持しつつ該レジストをアルカリに可溶と
する製造方法により製造された透明電極を有することを
特徴とする。
【0022】また上記の課題を解決するために本発明は
その第13の手段として、液晶パネル用基板に形成した
透明導電膜の上にレジストを形成し、エッチングによ
り、前記透明導電膜の一部を除去して透明電極を形成す
る製造方法により製造された液晶装置に於いて、前記レ
ジストのマスクを用いた露光工程及び前記レジストの現
像工程及び前記レジストのマスクを用いない露光工程及
び前記レジストのポストベーク工程及び前記透明導電膜
のエッチング工程を有する製造方法により製造された透
明導電膜を有することを特徴とする。
【0023】また上記の課題を解決するために本発明は
その第14の手段として、液晶パネル用基板に形成した
透明導電膜の上にレジストを形成する第1の工程、前記
レジストをマスクを用いて露光する第2の工程、露光さ
れた前記レジストを現像する第3の工程、マスクを用い
ないで現像後の前記レジストを露光する第4の工程、現
像後の前記レジストをポストベークする第5の工程、前
記透明導電膜をエッチング第6の工程および現像後の前
記レジストを剥離する第7の工程を有する製造方法によ
り製造される液晶装置に於いて、露光された前記レジス
トを現像する前記第3の工程と現像後の前記レジストを
ポストベークする前記第5の工程の間に、マスクを用い
ないで現像後の前記レジストを露光する前記第4の工程
を行う製造方法により製造された透明電極を有すること
を特徴とする。
【0024】また上記の課題を解決するために本発明は
その第15の手段として、前記第1の手段乃至第7の手
段の製造方法のいずれかに於いて、前記レジストはポジ
レジストであることを特徴とする。
【0025】また上記の課題を解決するために本発明は
その第16の手段として、前記第8の手段乃至第14の
手段の液晶装置のいずれかに於いて、前記液晶装置はそ
の液晶パネル用基板にカラーフィルターを備えているこ
とを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の好適
な実施の形態を第1の実施例について説明する。本実施
例は液晶装置の製造方法に係るものであり、図1は本実
施例の製造方法の工程を示す断面図である。
【0027】図1に示すように、ST1に於いて、蒸
着、スパッタリング等の製膜技術によりガラス等の液晶
パネル用基板1にITO(酸化インジューム薄膜)等よ
りなる透明導電膜2を被着する。
【0028】次に、ST2に於いて、前記透明導電膜2
の上にレジスト3を塗布する。ここで、レジスト3はポ
ジレジストであり、例えばノボラックに感光剤を添加し
た材料よりなる。
【0029】次に、ST3に於いて、前記レジスト3を
マスク4を用いて露光する。マスク4は後述する透明電
極5のパターンに対応する遮光部4aと光を通す窓部4
bとを有し、前記露光により、レジスト3の前記窓部4
bに対応する部分は感光・変質した露光部分3bとな
り、前記遮光部4aに対応する部分は未露光部分3aと
なる。ここで、レジスト3は露光されない状態では、ア
ルカリに溶けにくい性質を有し、露光されると、アルカ
リに溶け易い性質に変わる。従って、前記レジスト3の
記未露光部分3aはアルカリに溶けにくく、前記露光部
分3bはアルカリに溶け易い性質を有する。
【0030】次にST4に於いて、アルカリ性の現像液
を用いて、レジスト3のうちで前記露光部分3bのみを
選択的に溶解除去する現像を行う。
【0031】次に、ST5に於いて、マスクを用いない
非選択的露光を行うことにより、残されたレジスト3の
前記未露光部分3aを感光・変質させ、アルカリに溶け
易い性質の第2の露光部分3cとする。実際には、数百
ワットの水銀ランプを用いた。当然、マスクを用いて
も、本願の効果は得られる。
【0032】次に、ST6に於いて例えば120℃以上
の温度でポストベークする。ここで、このポストベーク
は前記残されたレジスト53の前記第2の露光部分53
cと前記透明導電膜2との密着性を高めるために行うも
のである。
【0033】次に、ST7に於いて酸性のエッチング液
(例えば、塩化第2鉄、臭化水素、塩酸、硝酸)を用い
て、残されたレジスト3の前記第2の露光部分3cによ
り被覆されいる被覆部分2aを残して透明導電膜2をエ
ッチングにより除去する。
【0034】次に、ST8に於いて、アルカリ性の剥離
液(例えば、数%のKOHを含む安いアルカリ液)を用
いて、透明導電膜2の前記被覆部分2aの上に被覆され
たレジスト3の前記第2の露光部分3cを溶解・剥離す
る。これにより、前記液晶パネル用基板1の上には透明
導電膜2の前記被覆部分2aが透明電極5として残さ
れ、透明電極5が液晶パネル用基板1の上に形成され
る。この際、レジスト3の前記第2の露光部分3cは前
記のようにアルカリに解け易いものとなっているので、
短時間で、残渣を残さず確実なレジスト3の剥離を行う
ことができる。
【0035】本実施例に於いては、従来の製造方法と異
なり、上記のように1回目の露光工程(ST3)の後、
レジストの現像工程(ST4)とポストベーク工程(S
T6)の間に2回目の露光工程(ST5)を行う。この
2回目の露光工程により、エッチング後のレジストの剥
離工程(ST8)に於けるレジストの剥離が、かかる2
回目の露光工程を行わない従来の製造方法に比して、容
易で確実なものとなる。
【0036】すなわち、従来の場合は、図3に示すよう
に、現像工程(ST34)後に残されたレジスト53の
未露光部分53aは露光されることなく、ポストベーク
工程(ST35)、エッチング工程(ST36)を経
て、剥離工程(ST37)に入る。ここで、前記レジス
ト53の未露光部分53aのアルカリに対する溶け易さ
および透明導電膜52への密着力はポストベーク工程
(ST35)に於ける加熱温度に依存する。すなわち、
ある温度以上でポストベークを行った場合、ポストベー
ク前に比較すれば、全般的には、アルカリに対する溶け
易さおよび透明導電膜52への密着力は向上する傾向に
はあるが、その中で、温度が比較的低い場合は、密着力
が不十分で、すでに述べたようエッチング工程(ST3
6)においてオーバーエッチングを起こし、図4に示す
透明電極55のパターン精度が低下する。
【0037】本実施例に於いては、前記2回目の露光工
程(ST5)より、エッチング工程(ST7)の際に前
記透明導電膜2の保護膜となるレジスト3の第2の感光
部分3cはアルカリに溶け易い性質に変質し、ポストベ
ーク工程(ST6)の際の加熱温度をかなり上げてもそ
の性質は維持される。一方、前記保護膜と前記透明導電
膜2との密着力はポストベーク工程(ST)の際の加熱
温度を上げることににより向上する。従って、前記加熱
温度を適切に選択することにより、前記密着力と前記ア
ルカリへの溶け易さを共に十分に高く維持することがで
きる。そして、前記密着力の向上これにより、エッチン
グ工程(ST7)に於けるアンダーエッチングを十分に
小さくして前記透明電極5のパターン精度を十分に確保
し、向上させ、前記アルカリへの溶け易さの維持によ
り、レジストの剥離(ST8)が容易となり、剥離工程
のランニングコストを十分に低くし又はスループット、
歩留りを十分に大にすることができる。
【0038】本実施例の製造方法を前記2回目の露光工
程を有しない従来の製造方法と更に対比すると、ポスト
ベーク工程に於ける加熱温度が同一の場合、本実施例は
従来に比し、レジストと透明導電膜の密着力はほぼ等し
いが、レジストのアルカリへの溶解度は常に高い。すな
わち、前記密着力が同一のときに、本実施例の場合は従
来に比し常に前記アルカリへの溶解度が高くなり、レジ
スト剥離(ST8)が容易となる。よって、本実施例に
よれば、透明電極につき、同一のパターン精度を得よう
とするときは従来よりもランニングコストの低減又はス
ループットの向上をすることができる。逆に、同一のア
ルカリへの溶け易さとなる前記加熱温度ついていえば、
本実施例の方が従来よりも高い温度とすることができ
る。すなわち、同一の前記溶け易さに於いて従来よりも
前記密着力を高め、透明電極のパターン精度を上げるこ
とができる。よって、本実施例によれば、同一のランニ
ングコスト又はスループットに於いて、従来よりも透明
電極のパターン精度を上げることができる。
【0039】以下図面に基づいて本発明の好適な実施の
形態を第2の実施例について説明する。本実施例は液晶
装置の製造方法に係るものであり、図2は本実施例の製
造方法の工程を示す断面図である。
【0040】図2に示すようにST11に於いて、ガラ
ス等の液晶パネル用基板1上に公知の技術を用いてR、
G、Bのカラーフィルター6および該カラーフィルター
6を覆い、保護する透明な保護膜7を形成する。ここで
カラーフィルター6および保護膜7は一般的に有機材料
(例えば、ゼラチン、アクリル、エポキシ、ポリイミ
ド、ポリアミド、塩化ビニール等)にて形成される。
【0041】ST12に於いて、蒸着、スパッタリング
等の製膜技術により前記保護膜7の上にITO(酸化イ
ンジューム薄膜)等よりなる透明導電膜2を被着する。
【0042】次に、ST13に於いて、前記透明導電膜
2の上にレジスト3を塗布する。
【0043】次に、ST14に於いて、前記レジスト3
に対しマスク4を用いて前記第1の実施例のST3と同
様の露光を行ない、同様の原理により、レジスト3を感
光・変質した露光部分3bと未露光部分3aに区分す
る。
【0044】次にST15に於いて、前記第1の実施例
のST4と同様にして、同様の原理によりレジスト3の
現像を行う。
【0045】次に、ST16に於いて、前記第1の実施
例のST5と同様の2回目の露光により、残されたレジ
スト3の前記未露光部分3aをアルカリに溶け易い性質
の第2の露光部分3cとする。
【0046】次に、ST17に於いて、前記第1の実施
例のST6と同様のポストベークを行う。
【0047】次に、ST18に於いて、前記第1の実施
例のST7と同様のエッチングにより、前記第2の露光
部分3cにより被覆されいる被覆部分2aを残して透明
導電膜2を除去する。
【0048】次に、ST19に於いて、前記第1の実施
例のST8と同様の剥離工程により、透明導電膜2の前
記被覆部分2aの上に被覆されたレジスト3の前記第2
の露光部分3cを溶解・剥離する。これにより、保護膜
7の上には透明導電膜2の前記被覆部分2aが透明電極
5として残され、透明電極5が液晶パネル用基板1の上
に設けられたカラーフィルタ6を被覆する保護膜7の上
に形成される。この際、レジスト3の前記第2の露光部
分3cは前記のようにアルカリに解け易いものとなって
いるので、弱アルカリ性の剥離液を用いて、比較的短時
間で残渣を残さず確実なレジスト3の剥離を行うことが
できる。
【0049】ここで、前記保護膜7はすでに述べたよう
に有機材料よりなっているので、酸に対しては比較的耐
性が強いが、アルカリに対しては必ずしも耐性が強くな
く、弱アルカリには侵されにくいが、強アルカリには侵
され易い。本実施例に於いては、上記のように弱アルカ
リ性の剥離液を用いてレジスト3の剥離を行うことがで
きるので、剥離工程に於いて、前記保護膜7傷つけるこ
とはない。
【0050】従来は、パネル基板1の上にカラーフィル
ター6および該カラーフィルターを被覆する保護膜7を
形成し、更にその上に透明電極を形成する方法はとし
て、前記ST21と同様のカラーフィルターおよび保護
膜形成の工程の後に図3に示したST31からST37
に至る工程と同様の工程を行っていた。本実施例とかか
る従来の製造方法を対比すると、本実施例のような2回
目の露光工程(ST16)を有しない従来の製造方法に
よれば、そのレジスト53aの剥離工程(図3のST3
7に相当する工程)に於いて、すでに述べたのと同様の
理由により、レジスト53aはアルカリに溶けにくい性
質を有している。従って、弱アルカリ性の剥離液を用い
た場合は剥離に長時間を要し、スループットを低下させ
る。更に、剥離が不完全で残渣を生じ易い。かかる問題
を回避しようとして剥離液をアルカリ性の強いものとす
ると、前記保護膜7が傷つき、パネルが不良品となる。
【0051】本実施例の場合はポストベーク工程(ST
17)に於ける加熱温度を高くしてレジスト3cと透明
導電膜2の密着力を十分高めても、レジスト3cをアル
カリに溶け易い性質に維持することができるので、透明
電極5のパターン精度を上げることができるとともに、
レジスト3cの剥離工程(ST19)に於いて上記のご
とく弱アルカリ性の剥離液を用い、短時間で確実な剥離
をすることができる。このように、本実施例の製造方法
によれば、カラーフィルタ6の保護膜7を傷つけること
なく、レジス3cの剥離のスループットおよび確実性を
従来よりも顕著に向上することができる。
【0052】以下図面に基づいて本発明の好適な実施の
形態を第3の実施例について説明する。本実施例は液晶
装置の製造方法に係るものであり、前記第1の実施例の
変形例である。本実施例の工程は現像工程までは、図1
に示した第1の実施例のST1からST4に至る工程と
同様である。しかし、ST4に相当する現像工程の後に
前記ST6に相当するポストベーク工程を行い、その次
に前記ST5に相当する2回目の露光工程を行い、その
後にST7に相当するエッチング工程およびST8に相
当するレジストの剥離工程を順次行う。
【0053】本実施例の製造方法は第1の実施例の製造
方法と比較するとポストベーク工程と2回目の露光工程
の順序が入れ替わっている。本実施例のようにポストベ
ーク工程の後に第2の露光工程を行う方法においても、
ポストベーク工程での加熱温度によっては、ポストベー
ク後のレジスト3のアルカリに対する溶解度をその後の
露光により向上させ、ST8に相当するレジストの剥離
工程を従来よりもかなり容易とすることができる。製造
装置等の都合により、本実施例のような工程の順序を選
択する場合もある。又、このような場合、必要に応じ
て、2回目の露光工程の次でエッチング工程の前に、さ
らなる2回目のポストベーク工程を行うことでポジレジ
スト3と透明導電膜2の密着力を高めることもできる。
【0054】本発明のその他の実施の形態について以下
に説明する。前記第1の実施例に於ける2回目の露光工
程(ST5)又は第2の実施例に於ける2回目の露光工
程(ST26)に於ける露光は、マスクを用いない露光
であると説明したが、本発明はこれに限らず、2回目の
露光はたとえマスクを用いた露光であっても、現像後
に、透明電極パターン部を被覆するべく残さたレジスト
3を実質的に露光するものであればよい。また、レジス
ト剥離以降の工程まで、一部のレジストパターンを基板
上に、例えばアライメントマークやロット番号として残
しておきたい場合などは、本発明を応用し2回目の露光
にマスクを用い、残したい部分を露光しないことでアル
カリ溶解度に差をもうけて、選択的レジスト剥離を行う
こともできる。更に、本発明に於いては露光は2回に限
らず必要に応じ3回以上であっても良い。例えば、マス
クを用いた選択的露光に加え、現像後エッチング迄の間
の露光およびエッチング後でレジストの剥離前の露光を
行うこともできる。
【0055】本発明は以上に述べた実施の形態のように
製造方法のみに限定されるものではなく、例えば第1の
実施例、第2の実施例、又は第3の実施例の製造方法に
より製造された透明電極を備えたパネル基板を有する液
晶装置を含むものである。かかる液晶装置はすでに説明
した理由により、透明電極のパターン精度に優れている
ので高品位の液晶層制御により、高品位の表示、印字等
を行うことができ、且つ、低いランニングコストと高い
スループットにより製造され、製造コストが低いという
利点を有する。
【0056】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
従来は困難であった液晶装置の液晶パネル用基板に設け
た透明電極パターンの精度向上とその製造に於けるスル
ープットの向上の両立を容易に実現させることができ
る。この結果、本発明によれば、パターン精度の高い透
明電極を備えたパネルを有し、高品位の液層制御によ
り、高品位の表示、印字等を行うことができる液晶装置
を低い製造コストに於いて提供することができるように
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一つである液晶装置の製
造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一つである液晶装置の製
造方法を示す断面図である。
【図3】従来の液晶装置の製造方法を示す断面図であ
る。
【図4】従来の液晶装置の製造方法に於けるオーバーエ
ッチングの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液晶パネル用基板 2 透明導電膜 3 レジスト 4 マスク 5 透明電極 6 カラーフィルター 7 保護膜

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶パネル用基板に形成した透明導電膜
    の上にレジストを形成し、エッチングにより、前記透明
    導電膜の一部を除去して透明電極を形成する液晶装置の
    製造方法に於いて、前記レジストの露光工程を少なくと
    も2回行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記レジストの露光工程をレジストの現
    像工程よりも前および後に於いて行うことを特徴とする
    請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記レジストの現像工程よりも前に行う
    露光工程の露光はレジストの一部を感光させ、残部を感
    光させない選択的な露光であり、前記現像工程よりも後
    に行う露光はレジストの全部を感光させる非選択的な露
    光であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の液晶装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 液晶パネル用基板に形成した透明導電膜
    の上にレジストを形成し、露光し、現像し、ポストベー
    クし、エッチングにより、前記透明導電膜の一部を除去
    して透明電極を形成する液晶装置の製造方法に於いて、
    前記レジストの現像工程と前記レジストのポストベーク
    工程の間に前記レジストの露光工程を行うことを特徴と
    する液晶装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記レジストの現像工程よりも後のレジ
    ストの露光工程の露光により、ポストベーク工程後のレ
    ジストの密着性を保持しつつ該レジストをアルカリに可
    溶とすることを特徴とする請求項4に記載の液晶装置の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 液晶パネル用基板に形成した透明導電膜
    の上にレジストを形成し、エッチングにより、前記透明
    導電膜の一部を除去して透明電極を形成する液晶装置の
    製造方法に於いて、前記レジストのマスクを用いた露光
    工程及び前記レジストの現像工程及び前記レジストのマ
    スクを用いない露光工程及び前記レジストのポストベー
    ク工程及び前記透明電極膜のエッチング工程を有するこ
    とを特徴とする液晶装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 液晶パネル用基板に形成した透明導電膜
    の上にレジストを形成する第1の工程、前記レジストを
    マスクを用いて露光する第2の工程、露光された前記レ
    ジストを現像する第3の工程、マスクを用いないで現像
    後の前記レジストを露光する第4の工程、現像後の前記
    レジストをポストベークする第5の工程、前記透明電極
    膜をエッチングする第6の工程および現像後の前記レジ
    ストを剥離する第7の工程を有し、露光された前記レジ
    ストを現像する前記第3の工程と現像後の前記レジスト
    をポストベークする前記第5の工程の間に、マスクを用
    いないで現像後の前記レジストを露光する前記第4の工
    程を行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 液晶パネル用基板に形成した透明導電膜
    の上にレジストを形成し、エッチングにより、前記透明
    導電膜の一部を除去して透明電極を形成する液晶装置の
    製造方法により製造された透明電極を有する液晶装置に
    於いて、前記レジストの露光工程を少なくとも2回行う
    製造方法により形成された透明電極を有することを特徴
    とする液晶装置。
  9. 【請求項9】 前記レジストの露光工程をレジストの現
    像工程よりも前および後に於いて行う製造方法により製
    造された透明電極を有することを特徴とする請求項8に
    記載の液晶装置。
  10. 【請求項10】 前記レジストの現像工程よりも前に行
    う露光工程の露光はレジストの一部を感光させ、残部を
    感光させない選択的な露光であり、前記現像工程よりも
    後に行う露光はレジストの全部を感光させる非選択的な
    露光である製造方法により製造された透明電極を有する
    ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の液晶装
    置。
  11. 【請求項11】 液晶パネル用基板に形成した透明導電
    膜の上にレジストを形成し、露光し、現像し、ポストベ
    ークし、エッチングにより、前記透明導電膜の一部を除
    去して透明電極を形成する液晶装置の製造方法により製
    造された透明電極を有する液晶装置に於いて、前記レジ
    ストの現像工程と前記レジストのポストベーク工程の間
    に前記レジストの露光工程を行うことにより製造された
    透明電極を有することを特徴とする液晶装置。
  12. 【請求項12】 前記レジストの現像工程よりも後のレ
    ジストの露光工程の露光により、ポストベーク工程後の
    レジストの密着性を保持しつつ該レジストをアルカリに
    可溶とする製造方法により製造された透明電極を有する
    ことを特徴とする請求項11に記載の液晶装置。
  13. 【請求項13】 液晶パネル用基板に形成した透明導電
    膜の上にレジストを形成し、エッチングにより、前記透
    明導電膜の一部を除去して透明電極を形成する製造方法
    により製造された液晶装置に於いて、前記レジストのマ
    スクを用いた露光工程及び前記レジストの現像工程及び
    前記レジストのマスクを用いない露光工程及び前記レジ
    ストのポストベーク工程及び前記透明電極膜のエッチン
    グ工程を有する製造方法により製造された透明電極膜を
    有することを特徴とする液晶装置。
  14. 【請求項14】 液晶パネル用基板に形成した透明導電
    膜の上にレジストを形成する第1の工程、前記レジスト
    をマスクを用いて露光する第2の工程、露光された前記
    レジストを現像する第3の工程、マスクを用いないで現
    像後の前記レジストを露光する第4の工程、現像後の前
    記レジストをポストベークする第5の工程、前記透明電
    極膜をエッチング第6の工程および現像後の前記レジス
    トを剥離する第7の工程を有する製造方法により製造さ
    れる液晶装置に於いて、露光された前記レジストを現像
    する前記第3の工程と現像後の前記レジストをポストベ
    ークする前記第5の工程の間に、マスクを用いないで現
    像後の前記レジストを露光する前記第4の工程を行う製
    造方法により製造された透明電極を有することを特徴と
    する液晶装置。
  15. 【請求項15】 前記レジストはポジレジストであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の液晶表示装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記液晶装置はその液晶パネル用基板
    にカラーフィルターを備えていることを特徴とする請求
    項8乃至請求項14のいずれかに記載の液晶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6410358B1 (en) * 1999-07-14 2002-06-25 Sanyo Electric Co., Ltd. Manufacturing method for reflection type liquid crystal display
US6621540B2 (en) 1998-10-20 2003-09-16 Sanyo Electric Co., Ltd. Reflection type liquid crystal display
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