JPH1152343A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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Publication number
JPH1152343A
JPH1152343A JP22121997A JP22121997A JPH1152343A JP H1152343 A JPH1152343 A JP H1152343A JP 22121997 A JP22121997 A JP 22121997A JP 22121997 A JP22121997 A JP 22121997A JP H1152343 A JPH1152343 A JP H1152343A
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JP
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liquid crystal
electrode
thickness
substrates
insulating layer
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JP22121997A
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English (en)
Inventor
Tadashi Mihara
正 三原
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動IC等が実装された部分近傍での発熱に
起因した液晶パネル面内の不均一な温度分布を解消し、
表示ムラを防止した液晶素子を提供する。 【解決手段】 所定長のギャップを隔て対向した少なく
とも一方に絶縁層13a,13bを有する一対の基板1
1a,11b間にカイラルスメクチック相を呈する液晶
15を挟持し、少なくとも1辺に電極に対して液晶駆動
用の電圧を供給する駆動回路19が接続される部位を有
する液晶素子であって、前記駆動回路19が接続される
辺の少なくとも一辺からの距離が大きくなるに伴って、
前記絶縁層13a,13bの厚さが小さくなる液晶素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極を有する基板
間に液晶を挟持した液晶素子に関し、詳しくは駆動によ
る発熱による表示ムラを防止する液晶素子構成に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光板との組み合わせにより透過光線を制御する型
の表示素子がクラーク(Clark)およびラガーウォ
ール(Lagerwall)により提案されている(特
開昭56−107216号公報)。この強誘電性液晶
は、一般に特定の温度域において、カイラルスメクチッ
ク相を有し、この状態において、加えられる電界に応答
して第1の光学的安定状態と第2の光学的安定状態のい
ずれかをとり、かつ電界無印加の時にはその状態を維持
する性質、すなわち双安定性を有し、また電界の変化に
対する応答も速やかであり、高速並びに記憶型の表示素
子としての広い利用が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たカイラルスメクチック液晶が固有に存在する分子のら
せん配列を解除し、双安定性を有するためには、セルギ
ャッブ(液晶セル構造における一対の基板間のギャップ
の長さ(実効的な距離))を小さくする必要がある。ま
た、液晶の複屈折率とセルギャップの関係から発生する
色づきをなくすためにもセルギャップを均一に薄くする
必要がある。セルギャップを小さくした場合に透明電極
間距離が小さくなるため、液晶素子としての容量が大き
くなる。
【0004】そのためカイラルスメクチック液晶を一対
の基板(電極基板間)に挟持した構造の素子を駆動した
時には素子の端辺に設けた駆動用ICの発熱が大きくな
る。この発熱により液晶素子面内の温度分布が生じ、こ
れに対応して、液晶分子の駆動特性(例えば閾値特性)
が不均一となって、表示ムラが起き、表示品位を低下さ
せるという問題があった。
【0005】本発明は、上記間題点に鑑みてなされたも
ので、その課題とするところは、液晶素子において、特
に駆動IC等が実装された部分近傍での発熱に起因した
液晶パネル面内の過度に不均一な温度分布を解消し、面
内での表示ムラ等を防止することである。
【0006】特にカイラルスメクチック液晶を用いた液
晶素子のようなセルギャッブの小さい液晶素子におい
て、上記間題点を解決する液晶素子を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、所
定長のギャップを隔て対向した少なくとも一方に絶縁層
を有する一対の基板間にカイラルスメクチック相を呈す
る液晶を挟持し、少なくとも1辺に電極に対して液晶駆
動用の電圧を供給する駆動回路が接続される部位を有す
る液晶素子であって、前記駆動回路が接続される辺の少
なくとも一辺からの距離が大きくなるに伴って、前記絶
縁層の厚さが小さくなることを特徴とする液晶素子、に
よって解決される。
【0008】前述したように、一対の電極を備えた基板
間に液晶(特にカイラルスメクチック液晶)を挟持した
パネル構造をなす液晶素子では、基板間のギャッブが小
さく容量が大きくなることに起因して駆動IC(駆動回
路)の発熱により当該駆動ICが実装された辺の近傍に
おいて液晶自体が加熱される。かかる加熱の程度は、当
該駆動ICが実装された辺からの距離に応じて変化し、
この距離によって駆動時の液晶の温度に分布が生じ、ひ
いてはその駆動特性にも過度に不均一な分布が発現す
る。
【0009】本発明の液晶素子では、少なくとも一方に
絶縁層を有する一対の基板において、駆動ICが実装さ
れた辺からの距離が大きくなるに伴って、絶縁層の厚さ
が小さくなるように設定することによつて、具体的には
駆動時における液晶に印加される電界の強度を最適に分
布させ、上述したパネル面内での液晶の駆動特性の分布
を補償し、ひいては表示特性の均一化が図られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿つて本発明の液晶
素子の実施の形態について説明する。図1は本発明の液
晶素子の一構造例を模式的に示す斜視図、図2は図1の
A―A線に沿つた断面図である。
【0011】当該液晶素子(液晶パネル)は、2枚のガ
ラス等の部材からなる基板1la,1lbを備えてお
り、これらのガラス基板1la,1lbの表面には所定
のパターン状(例えば厚さ400〜3000Å)に透明
電極12a,12bがそれぞれ形成されマトリックス電
極構造を構成している。この透明電極12a,12b
は、In23 、SnO2 或いはITO(インジウム
ティン オキサイド:Indium−Tin−Oxid
e)等の薄膜からなっている。
【0012】例えば、かかるマトリックス電極構造をな
す透明電極12a,12bは夫々マルチブレックス駆動
が適用される場合の走査電極、情報電極に対応し、基板
11a,1lbの少なくとも一方の端辺で駆動IC(駆
動回路)19が実装される。これら電極に走査信号(電
圧)、情報信号(電圧)を供給するこれら駆動IC19
は、電極の本数等に応じて基板の一辺のみにあるいは電
極毎に対向する二辺にふりわけられて実装されてもよ
い。
【0013】透明電極12a,12bは、絶縁層13
a、13bを介して配向制御膜14a,14bによつて
被覆されている。
【0014】この絶縁層13a、13bは、例えばシリ
コン窒化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン
酸化物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、
セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸
化物、チタン酸化物やタンタル酸化物やフッ化マグネシ
ウムなどの無機物質或いは他の有機絶縁物質にて形成さ
れており、少なくとも一層、或いは必要に応じて多層構
造として、対向基板(電極)間のショー卜防止機能を有
する。また、上述したショート防止のための有機ないし
無機絶縁層上には、Ti−Si等の塗布型絶縁層を形成
してもよい。
【0015】配向制御膜14a,14bは、ポリビニル
アルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエス
テルイミド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ボリスチレン、セルロー
ス樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹脂、アクリル樹脂やフ
ォトレジスト樹脂などの有機絶縁物質或いは他の無機絶
縁物質にて形成することができる。また、これらの絶縁
層13a,13b及び配向制御膜14a,14bは必要
に応じて、上述のように2層以上に分けず、無機物質絶
縁性配向制御層或いは有機物質絶縁性配向制御層の単層
とすることもできる。
【0016】これらの絶縁層13a,13b及び配向制
御膜14a,14bは、無機系ならば蒸着法などで形成
でき、有機系ならば有機絶縁物質を溶解させた溶液、ま
たはその前駆体溶液(溶剤に1〜20重量%、好ましく
は0.2〜10重量%配合した溶液)を用いて、スピン
ナー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、スプレー
塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の硬化条件下
(例えば加熱下)で硬化させ形成させることができる。
【0017】尚、これら配向制御膜14a,14bの層
厚は通常3〜1000nm、好ましくは4〜300n
m、さらに好ましくは4〜100nmが適している。配
向制御膜14a,14bの少なくとも一方は、2層又は
単層のいずれかに関わらず、ガーゼやアセテート植毛布
等によるラビング処理等の一軸配向処理が施されてい
る。
【0018】図3は、ラビング処理を説明する模式図で
あり、図3(a)は斜視図、図3(b)は断面図であ
る。同図において、ラビングローラ200は、円柱状の
ローラ201にナイロン布等のラビング布202を貼り
つけた構造を有している。このラビングローラ200
を、Cの方向に回転させながら基板1la(1lb)上
の配向制御膜14a、14bに所定圧で当接させ、そし
てガラス基板1la(1lb)(又はラビングローラ)
を矢印B方向に移動させて配向制御膜14a、14bを
摺接することにより配向規制力が付与される。
【0019】なお、この配向規制力はラビングローラ2
00を基板1la(1lb)上の配向制御膜14a(1
4b)に当接させる際の当接力により決定され、通常は
ラビングローラ200を上下させ、ラビング布202の
押し込み量を変えることによつてラビング布202と配
向制御膜14a(14b)との接触量で制御される。
【0020】かかる液晶素子が、カラー表示素子とし適
用される場合、基板1la,1lbの少なくとも一方に
は、R,G,B,W等の種々の色部材からなるドット或
いはラインより構成されるカラーフィルターパターンが
設けられる(不図示)。このカラーフイルターパターン
は基板上に形成され、そのパターンを構成するラインや
ドット間の段差を低減すべく、必要に応じて無機材料或
いは有機材料ならなる平坦化層によつて被覆され得る。
また、カラーフイルターのドットやライン間には、好ま
しくは色間の混色を防止すべく、金属や樹脂材料からな
る黒色の遮光層が設けられる(不図示)。このようなカ
ラー表示素子では透明電極12a及び12bのパターン
は、カラーフイルターパターンの形状に応じて設定され
得る。
【0021】一方、上述した2枚の基板1la,1lb
の間には、スベーサ16が散布されており、このスペー
サ16によつてガラス基板1la,1lbがパネル全面
では駆動ICが実装された辺からの距離に応じた分布で
の間隔(セルギャップ一般的には0.1〜20μm、好
ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは0.5〜
2.5μm)に保持されている。
【0022】尚、かかるスペーサ16としては、シリカ
ビーズ、アルミナビーズ、高分子フィルム、ガラスファ
イパーが用いられる。更に、シール剤18と上述したス
ペーサ16により得られるセルギャップの保持機能を助
長し、素子の耐衝撃性を向上するべく粒状接着剤(不図
示)などが用いられ得る。
【0023】基板1la,1lbの周囲は、エポキシ系
接着剤などの熱硬化性樹脂からなるシール剤18にて接
着されており、これらのガラス基板1la、1lb間に
は例えばカイラルスメクチック相を呈する液晶が封入さ
れている。
【0024】当該液晶素子では、上記カイラルスメクチ
ック相(好ましくはカイラルスメクチックC相)を呈す
る液晶を用いる場合、好ましくは上述しようにセルギャ
ップを十分に小さくすることで、同相で固有に生じる分
子らせん配列構造が解除され、該分子が少なくとも2つ
安定状態をとり得る状態となっている。
【0025】かかる液晶の配向状態は、液晶材料の特
性、並びに配向制御膜(14a,14b)の材料、一軸
配向処理の条件等を適宜選択することで調整され得る。
例えば配向制御膜として、液晶分子に対し10〜30度
といった高いプレチルト角(液晶分子が配向制御膜に対
して傾斜する角度)を付与し得るフッ素含有のポリイミ
ドを用いて、特開平3−252624号公報に開示され
たような、コントラスト等の特性に優れたClユニフォ
ーム配向状態を安定的に得ることができる。この場合、
更に両基板における配向制御膜(14a、14b)の夫
々に対して施す一軸配向処理、好ましくはラビング処理
の方向を、互いに20度以下の範囲で交差させることに
よつて、ユニフォーム配向状態をより安定的に得ること
が可能となる。
【0026】上記カイラルスメクチック相を呈する液晶
としては、種々の液晶性化合物を用いることができる
が、フェニルピリミジン骨格を有する液晶性化合物を複
数種並びに少なくとも1種の光学活性化合物を用いた液
晶組成物等を適用することができる。例えば、スメクチ
ック相の温度範囲より高温側でコレステリック相を呈す
る液晶(組成物)を用いることができる。
【0027】当該液晶素子では、シール剤にて囲まれた
液晶が封入された全領域、ないしはシール剤にて囲まれ
た領域に対して若干(数mm以下)の枠形状の部分を除
いた領域が、実効的に液晶による光学変調に寄与し得る
有効光学変調領域、(例えば、表示素子では実際の表示
のための光学変調を行う領域)として機能する。尚、基
板1la及び1lbの外側には偏光板17a,17bが
貼り合わせてある。
【0028】本発明の特徴は、駆動回路が接続される辺
の少なくとも一辺からの距離が大きくなるに伴って、前
記絶縁層13a,13bの厚さが小さくなるように形成
されていることにある。例えば、図2に示す様に、マト
リックス電極構造をなす透明電極12a,12bは夫々
マルチブレックス駆動が適用される場合の走査電極、情
報電極に対応するが、基板11a,1lbの一方の基板
11aの端辺で走査駆動用IC19の駆動回路が実装さ
れているが、該駆動回路が接続される辺の少なくとも一
辺からの距離が大きくなるに伴って、前記絶縁層13
a,13bの厚さが次第に小さくなるように形成されて
いる。
【0029】この様に、駆動ICが実装された辺からの
距離が大きくなるに伴って、絶縁層の厚さが小さくなる
ように設定することによつて、駆動時における液晶に印
加される電界の強度を最適に分布させ、上述したパネル
面内での液晶の駆動特性の分布を補償し、ひいては表示
特性の均一化が図られる。
【0030】尚、これら絶縁層13a,13bの層厚
は、最大膜厚Dmax は通常500〜5000Å、好まし
くは600〜2000Å、さらに好ましくは600〜1
200Åが適している。最小膜厚Dmin は通常50〜4
500Å、好ましくは100〜1500Å、さらに好ま
しくは100〜700Åが適している。
【0031】また、前記絶縁層の最大膜厚Dmax (Å)
と最小膜厚Dmin (Å)がセル厚d(Å)に対して
【0032】
【数2】 であるのが好ましい。さらに好ましくは5〜20%、最
も好ましくは5〜10%の範囲である。
【0033】また、本発明の好ましい実施態様として
は、前記一方の基板に形成された電極が走査電極であ
り、他方の基板に形成された電極が情報電極であり、こ
れらの電極がマトリクス電極構造をなし、該走査電極に
電圧を供給する駆動回路が形成された辺からの距離が大
きくなるに伴って、前記絶縁層の厚さが小さくなるのが
好ましい。
【0034】前記走査電極に電圧を供給する駆動回路
が、一辺のみに形成されているのが好ましい。前記走査
電極に電圧を供給する駆動回路が、互いに対向する二辺
に形成されているのが好ましい。
【0035】前記一方の基板に形成された電極が走査電
極であり、他方の基板に形成された電極が情報電極であ
り、これらの電極がマトリクス電極構造をなし、該情報
電極に電圧を供給する駆動回路が形成された辺からの距
離が大きくなるに伴って、前記絶縁層の厚さが小さくな
るのが好ましい。
【0036】前記一対の基板間のギャップが、前記カイ
ラルスメクチック相を呈する液晶に固有に存在する液晶
分子のらせん配列構造が解除されるのに十分な大きさで
あるのが好ましい。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0038】実施例1 本実施例では、基本的には下記のようなプロセスに沿っ
て上述した図4に示すような構造の液晶素子を作成し、
夫々の評価を行った。
【0039】ガラス基板4la(走査側基板)、4lb
(信号側基板)の板厚を1.lmmとし、各基板上にI
TOの透明電極42a(走査電極)、42b(信号電
極)のパターンをスパッタ法及びフォトリソグラフィに
より形成した。この透明電極42a、42bの膜厚は1
500Åとし、幅170μmのストライブ状のものを3
0μmの間隔を開けて多数設けた。透明電極42a(走
査電極)はガラス基板4la(走査側基板)の端辺で走
査駆動用IC44に実装される。
【0040】透明電極42a、42b上にショート防止
用の絶縁層43a、43bをTa25 膜を用い、90
0Åの厚さとなるようにスパッタ法で形成した。さら
に、絶縁層の膜厚を変えるために塗布型絶縁層46a、
46b(TiSi=1:1、東京応化社製)を塗布し3
00℃で焼成を行った。その膜厚は、図4(b)に示す
様に、走査駆動用IC44が設けられている辺に近い位
置の最大膜厚は1200Åであり、辺からの距離が最遠
の位置の最小膜厚は650Åである。
【0041】上記の様に、本実施例では塗布型絶縁層の
厚さをパネルの走査電極の取り出し部側を他端より厚く
した(図4(a)参照)。その手法としては、塗布型絶
縁層を印刷する際の印圧に分布を持たせることで実現し
た。印圧に分布を持たせる手法としては、印刷版そのも
のの形状を工夫しても良いが、本実施例では、図7に示
す様に、固定板74上のベース部75に印刷パタ−ン部
76が形成された構造の印刷版71を、図8に示すよう
に印刷版71と印刷ローラ73の間に膜厚調整用スペー
サ72を挿入した形で印刷ローラ73にとりつけて、図
9に示すようなフレキソ印刷の方法で印刷することによ
り実現させた。
【0042】また比較例1として、図5に塗布型絶縁層
46a、46bの厚さを均一としたサンプルを試作し
た。
【0043】一方、配向制御膜48a、48bの形成
は、ポリアミド酸(日立化成(株)製;LQl802)
をNMP/nBC=1/1液で1.5wt%に希釈した
溶液をスピナーで2000rpm、20secの塗布条
件で塗布し、その後270℃、1時間焼成して行った。
この膜厚は200Åとした。
【0044】次に、これら配向制御膜48a、48bに
前述した図2に示す装置を用いてラビング処理を行っ
た。押込み量εを0.35mm、ローラ回転数を100
0rpm、ローラ送り速度を30mm/secのラビン
グ条件で2回行った。
【0045】このようにして製作されたガラス基板4l
a、4lbを、一方のガラス基板4la(4lb)に
1.2μmの平均粒径を有するビーズスペーサ45(シ
リカビーズ、アルミナビーズ等)を散布し、他方のガラ
ス基板4lb(4la)の周縁部にエポキシ樹脂の接着
剤であるシール剤47をディスペンサによる描画で形成
しシール剤で囲まれた領域の寸法を257mm×315
mmとした。両ガラス基板4la、4lbを貼り合わせ
てマトリックス電極構造のセルを形成した。なお、貼り
合わせたガラス基板4la、4lbに施したラビング処
理のラビング方向が略平行になるように行った。尚、有
効光学変調領域のサイズを235mm×294mmとし
た。
【0046】その後、下記の相転移温度、及び物性値を
示すピリミジン系強誘電性液晶を減圧下でIso相に昇
温し毛管現象により注入して、その後徐冷して液晶装置
を製造した。この素子を駆動して配向状態を観察したと
ころ、ユニフォーム状態の配向であることが観察され
た。
【0047】
【数3】
【0048】続いて、マトリックス電極構造をなす透明
電極42a及び42bの夫々に対して、セルの少なくと
も一辺ないしは両辺の端部において、透明電極42a及
び42bの一方が走査電極、他方が情報電極として機能
するべく、これらに走査信号電圧ないし情報信号電圧を
供給する駆動ICを接続した。
【0049】この様なセルを互いに偏光軸が90°をな
すような一対の偏光板間に挟持し液晶素子を得た。(偏
光板は図示せず)更に、このセルの一方の基板側に平面
光を供給するバックライトを配置した。
【0050】以下具体的な実験例について詳述する。 (実験例1)上述したプロセスに沿って、図4および図
5に示す構造の液晶素子(液晶表示パネル)のサンプル
1(図4)、サンプル2(図5:比較例1)を作製し
た。これらサンプル1、2では走査電極駆動用IC44
が、一方の基板41aの一辺において走査電極42aに
接続されている。また、平均粒径が1.2μmのビーズ
スベーサ45が使用され、絶縁層の厚さが変化してお
り、塗布型絶縁層が夫々図4(b)、図5(b)で示さ
れるような厚さの分布を有する状態となっている。
【0051】図4(b)、図5(b)における横軸は、
素子の上述の有効光学変調領域の走査電極方向における
全長を1とし、走査電極用駆動IC44が形成された辺
側における端辺を基準(0)とした距離の相対比率を示
している。この塗布型絶縁層の膜厚は、有効光学変調領
域において走査電極用駆動ICが形成された辺を均等に
区分した5点を通り、当該辺と直交する5本の線上で測
定された値(n=5)の平均値である。即ち、面内(有
効光学変調領域内)を均一に配置した5×5の25点で
測定された値を基にしている。
【0052】かかるサンプル1及び2の素子について、
夫々図6に示すような駆動波形(走査選択信号S、情報
信号I)を用いて白黒のマトリックス表示を行った。セ
ルギャップは、どちらのパネルも1.1μmであった。
【0053】駆動条件としては、環境温度20℃、V
com =14.lV、Vseg =5.9V、Vcom +Vseg
=20Vとした。かかる駆動時において、各サンプルで
生じる走査電極方向での液晶の温度分布、表示品位の変
動について評価した。
【0054】尚、温度分布については上述の25点での
温度を測定し、走査電極の駆動用ICが実装された辺か
ら等距離にある5点での測定値の夫々平均値を評価値と
した。表示品位については、各測定ポイントでの10m
m×l0mmで白ないし黒表示が均一になされているか
で評価した。
【0055】同方向での温度分布が軽減され、聞値がほ
ぼ均一に保たれていたサンプル1での最高及び最低温度
の差△T=7.0℃、サンプル2では△T=7.8℃で
あった。更に、サンプル1(図4)に示す設定の素子で
は、素子全面で白黒の表示状態が均一であり、目視によ
つても特に目立った色づきは見られなかった。それに比
較して、サンプル2(図5)の場合では、走査電極用の
駆動ICが実装された側の辺近傍の有効光学変調領域で
若干の表示ムラが発生していた。このように、マトリッ
クス電極構造を有する液晶素子において、図4に示すよ
うな設定とすることによって色づきの劣化はなく、且つ
走査電極用の駆動IC近傍に発生する表示ムラが改害さ
れ得ることが判った。
【0056】かかる結果は、図4に示す設定の液晶素子
において、特に走査電極用駆動ICが接続された辺近傍
の領域での絶縁層の厚さを大きくしたことによって、同
領域での液晶素子としての容量が小さくなり、流れる電
流が低減されて発熱量を抑制され、当該駆動ICの発熱
による影響が補償されたことに起因して得られたもので
あると認められる。
【0057】また、図4に示す設定の液晶素子の形状に
することで、走査駆動用ICの発熱があっても影響を受
けづらいという効果も合せもっている。
【0058】すなわち、本発明は、双安定性が良好又は
色づきが少ない、かつ走査駆動用ICからの発熱による
表示ムラのないカイラルスメクチック液晶素子を簡単な
手法で作製できる。
【0059】(実験例2)ビーズスペーサの平均粒径を
1.5μm、2.5μm、3.0μmとし実験例1と同
様に素子を作成し表示ムラを評価した。更に、各素子に
ついて、上記25点の測定ポイントのうち最も走査駆動
用IC側の5点での色度(CIE−xy色度)を測定
し、色づきの評価を行なった。尚、色度の測定は素子の
全面を白表示とし、測定器としてBM−7(ノープコン
社製)を用いて面の中心輝度が100cd/cm2(均
一平面光)となるようにして測定した。その結果を下記
の表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】(注1)色づき ◎:0.31≦x≦0.32であり、且つ0.33≦y
≦0.34 ○:0.308≦x≦0.322であり、且つ0.32
7≦y≦0.342で、◎以外の部分 △:上記◎、○以外の部分
【0062】表1の結果から、ビーズスペーサの平均粒
径が2.5μmの場合、実験例1と同様の結果が得られ
た。
【0063】また、ビーズスペーサの平均粒径が3.0
μmの場合、スペーサ散布密度に分布を持たせた場合と
均一にした場合では表示ムラについては差がなく、かつ
どちらも色づきがあり表示品位が非常に悪かった。
【0064】したがって、絶縁膜厚に分布を設けること
は走査電極取出し端部のセル厚が2.5μm以下の場合
に有効であることがわかる。
【0065】さらに、ビーズスペーサの平均粒径が1.
2μmの場合と2.5μmの場合を比較すると、1.2
μmの方が色づきが良いことから、走査電極取出し端部
のセル厚は、1.5μm以下程度の方がさらに表示品位
が良いことが示唆される。セル厚が0.5μm未満では
液晶の注入不良が発生するため、パネル面内最小セル厚
は0.5μm以上が良いと言える。
【0066】(実験例3)実験例1において、塗布型絶
縁層の膜厚分布を変えて、最大膜厚Dmax (Å)と最小
膜厚Dmin (Å)の差が異なるサンプルを5種類作成
し、特性比較(表示ムラ、色づき)を行なった。d
(Å)は液晶層の厚さ(セル厚)を示す。その結果を実
験例2の場合と同様下記の表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】表2の結果から、前記パネルの最大膜厚差
【0069】
【数4】 で絶縁膜厚の大きい部分で色づきが小さく色ムラも良く
効果的に表示ムラを改善できる。
【0070】さらに
【0071】
【数5】 では色ムラも良好である。
【0072】さらに目視観察上の状態を考慮すれば、
【0073】
【数6】 では色ムラも非常に良いことがわかる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると液
晶素子を駆動した場合に発生する、走査電極取出し側の
表示ムラを改善でき、また表示品位を著しく向上するこ
とが可能な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一構造例を模式的に示す斜
視図である。
【図2】図1のA―A線に沿つた断面図である。
【図3】ラビング処理を説明する模式図である。
【図4】本発明の実験例1のセルの断面と絶縁層の膜厚
分布を示す図である。
【図5】比較例1のセルの断面と絶縁層の膜厚分布を示
す図である。
【図6】本発明の実施例で用いた駆動波形を示す図であ
る。
【図7】塗布型絶縁層の膜厚の分布を形成する印刷版の
構造例を示す説明図である。
【図8】塗布型絶縁層の膜厚分布を形成する印刷ローラ
の構造例を示す説明図である。
【図9】塗布型絶縁層の膜厚の分布を形成するフレキソ
印刷の方法例を示す図である。
【符号の説明】
1la,1lb 基板 12a,12b 透明電極 13a、13b 絶縁層 14a,14b 配向制御膜 15 液晶 16 スペーサー 17a,17b 偏光板 18 シール剤 19 走査駆動用IC 4la ガラス基板(走査側基板) 4lb ガラス基板(信号側基板) 42a 透明電極(走査電極) 42b 透明電極(信号電極) 43a、43b ショート防止用の絶縁層 44 走査駆動用IC 45 ビーズスペーサ 46a、46b 塗布型絶縁層 47 シール剤 48a、48b 配向制御膜 71 印刷版 72 膜厚調整用スペーサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定長のギャップを隔て対向した少なく
    とも一方に絶縁層を有する一対の基板間にカイラルスメ
    クチック相を呈する液晶を挟持し、少なくとも1辺に電
    極に対して液晶駆動用の電圧を供給する駆動回路が接続
    される部位を有する液晶素子であって、前記駆動回路が
    接続される辺の少なくとも一辺からの距離が大きくなる
    に伴って、前記絶縁層の厚さが小さくなることを特徴と
    する液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記一方の基板に形成された電極が走査
    電極であり、他方の基板に形成された電極が情報電極で
    あり、これらの電極がマトリクス電極構造をなし、該走
    査電極に電圧を供給する駆動回路が形成された辺からの
    距離が大きくなるに伴って、前記絶縁層の厚さが小さく
    なる請求項1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記走査電極に電圧を供給する駆動回路
    が、一辺のみに形成されている請求項1または2記載の
    液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記走査電極に電圧を供給する駆動回路
    が、互いに対向する二辺に形成されている請求項1また
    は2記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記一対の基板間のギャップが、前記カ
    イラルスメクチック相を呈する液晶に固有に存在する液
    晶分子のらせん配列構造が解除されるのに十分な大きさ
    である、請求項1記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記一対の基板間のギャップが、2.5
    μm以下である請求項5記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記絶縁層の最大膜厚Dmax (Å)と最
    小膜厚Dmin (Å)がセル厚d(Å)に対して 【数1】 である請求項1または2記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記一方の基板に形成された電極が走査
    電極であり、他方の基板に形成された電極が情報電極で
    あり、これらの電極がマトリクス電極構造をなし、該情
    報電極に電圧を供給する駆動回路が形成された辺からの
    距離が大きくなるに伴って、前記絶縁層の厚さが小さく
    なる請求項1記載の液晶素子。
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