JPH11514580A - 塔用パッキング要素 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本質的に断面が三角形の筒状の本体部材（２）を備え、かつこの本体部材の内表面から延びている要素内の突起部（３）とを有する塔用パッキング要素が提供されている。この筒状の本体部材の軸方向の長さは、三角形の頂角から対辺上の最も近い点までの計測された幅よりも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】 塔用パッキング要素 発明の背景 本発明は、化学的処理工程の質量交換及び熱伝達に用いられるような或る種の 塔用パッキング要素に関する。ランダムに積み込まれたパッキングとしてしばし ば言われている、そのような要素は、気体と液体との接触のために大きな表面積 を与える構造とされている一方で、出来るだけ塔内での気相の圧力降下が低くな るようにされている。この要素は、典型的には垂直な塔内に放り込まれて、かな りの深さまで積み重ねられている。それ故、要素が底部で変形され又は平坦にな る傾向があり、こうして塔を通る流れの抵抗を増大させ、塔内に望ましくない圧 力勾配を与えている。 これが、局部的な不均一の圧力領域を作り、かつ広範囲にわたるなら、重要な ことに、塔を通る不均一な圧力降下と不均一な性能をもたらすので、要素がぴっ たりと一緒に組み合わないことが重要である。 それ故、塔用パッキング要素は、塔内での好ましい姿勢及び塔内での使用中に 直面する圧力下での変形とに抵抗する構造体を提供するように通常は構成されて いる。 上述の型の典型的な構造体は、ポール（Poll）リング及びラッシグ(Raschig) リングとして公知である。その名前が示すように、これらは、構造が筒状であり 、表面積を増すために様々な種類の内部突起部が設けられている。そのような構 造体は、つぶれにくいが、いくつかの用途において望ましくない圧力降下を生じ させる。このような使用のためには、米国特許第 4,303,599号、米国特許第 4,3 33,892号及び米国特許第 4,576,763号に記載されているようなもっと開口した構 造体が好ましい。これらは、弓形の湾曲と対向した湾曲を採用し、弓形の開口端 部間に橋を形成するように、弓形の金属から切断され、弓形内で内部に向って曲 げられた１つ又はそれ以上の帯板要素をもった、基本的には弓状の金属板構造体 である。これらの架橋している湾曲部は、主として付加の液体通路と表面とを区 画形成し、要素が一緒に“ぴったりと組み合わさる（ネスト）”傾向に抵抗する ためのものである。この構造体は、重量を減らすために、一層複雑に作られる一 方で、耐圧縮性を危うくしていない。 塔内に置かれたときに好ましい姿勢をとるパッキング要素が、もしそれらが比 較的に均一な充填密度を採れる形状であるならば、非常に有効であることが解っ た。現在そのような形状が見い出された。本発明の要素は、好ましい姿勢で塔内 に落ち、要素の指定された密度が、重大な圧力降下を引き起こすことなく、確保 されるように詰めるようになっている。この要素の内部構造のおかげで、液体／ 気体の接触が行なわれる表面積が大きい。この内部構造は、好ましい姿勢が乱さ れ、塔の部分内で更にランダムな充填が起きる場合でも、ぴったりと組み合わさ るのを防止しようともする。 発明の要約 本発明は、ほぼ正三角形の形状をした周囲の本体部材を有しているランダムに 積み込まれたパッキング要素であって、この三角形の周囲の本体部材が、頂角か らその対向する底辺への最短点までと、この要素の軸に沿って計測した幅寸法と 深さ寸法とを有し、この幅が深さよりも大きく、周囲の本体部材内の空間が、こ の本体部材の側部の内面からの多数の突起部によって占有されているパッキング 要素からなっている。 周囲の本体部材は、ほぼ正三角形の形状を有するとして記載されており、これ は、三角形の内角が、60°から５°程度又は10°程度でさえ異なっている形状を 含むものである。加えて、もしその全体の形状が依然として三角形として見分け られるならば、側部が内方に又は外方に曲げられるか、又は頂角が幾分丸くされ ている形状も、含まれる。以下に説明する詳細な実施の形態から明らかなように 、典型的な正三角形からのそのような逸脱は、様々の製造技術及び材料からの本 質的に避けられない問題である。 幅と深さの相対的な比率は、好ましくは、幅が少なくとも深さの 1.5倍、更に 好ましくは３倍又はそれ以上でもよい。このことが、この要素が多くの他の同様 の要素と一緒に塔内に積み込まれたときに、採用された好ましい姿勢が、本質的 に垂直な軸方向の寸法をもつ可能性を改善している。 本体部材内を延びている突起部は、好ましくは、周囲が三角状の本体部材の隣 接した側部と結合している湾曲の形をしている。これらの湾曲部は、隣接した側 部の各々の組が少なくとも１つ、好ましくは２つの湾曲部によって結合されるよ うに、好ましくは均一に分布されている。 発明の詳細な説明 周囲の本体部材は、深さ寸法を表わしている軸方向の長さをもった筒の形をし ていて、軸に垂直な断面がほぼ正三角形の形をしている。この筒は、好ましくは 少なくともその端部の周囲の部分に沿ってフランジが設けられている。この構造 が変形可能な材料から作られる場合には、そのようなフランジは、剛性の度合い を増している。そのような剛性は、その端部の中間で筒の周囲にリブ状変形を提 供することにより、更に増す。このリブは、本体部材の内側又は外 側に突出するように変形される。 周囲の本体部材の内表面又は外表面に沿って該部材の反対側へと流れる液体の 循環を改善するために、周囲の本体部材に開口を設けることもまた可能である。 周囲の本体部材内の突起部は、個々の舌片か、又は三角形状の周囲の本体部材 の隣接した側部と結合している湾曲部か、或いはその両者の形をしている。当面 の湾曲状突起部は、好ましくは異なる大きさ（１つは大きく、１つは小さい）の 組で用いられ、隣接した側部の組に結合している。このことが、湾曲部と周囲の 本体部材との間の空間の更に多くが、これらの突起部によって占有されることを 保証している。 湾曲状突起部が用いられる場合には、湾曲部と周囲の本体部材との間の空間が 、本体部材又は好ましくは湾曲部自身のどちらかからの舌片状の形をした突起部 によってもまた占有される。 この要素が形成される材料は、金属（例えばステンレス鋼）か、プラスチック か又はセラミックのような適当な材料であればどれでもよい。材料が金属である 場合には、湾曲及び／又は舌片状の形をした突起部は、周囲の本体部材か又は１ つであるならば湾曲部材を適当な形状に切断すること、及び湾曲部又は舌片を形 成するために、平坦な部分から切断された切断金属を変形することによって形成 される。 材料がプラスチック又はセラミックから作られた押出形状をしている場合は、 突起部は好ましくは湾曲部であり、これらの湾曲部は、すぐれた耐圧潰性又は耐 変形性をもつ押出形状を提供するように、好ましくは互いに結合されている。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の第１の実施の形態である金属製の要素を、その要素の軸方向 からみた正面図である。 図２は、押出工程により製造された本発明の第２の実施の形態の正面図である 。 図３は、図１に示されているのと同様の実施の形態を示している。それは２つ の図３ａと３ｂで示しており、３つの要素の自由端が一緒に結合されたときに、 本発明の構造体が、３つの個々の結合パッキング要素（図３ａに示される）から どのように形成されるかを示している。 図４は、４つの異なるパッキング要素、即ち従来技術の３つの要素と本発明の 要素、に対する処理能力係数に対しての理論段当りの金属使用がプロットされて いるグラフである。 図５は、図４と同じ４つの要素に対する処理能力係数に対しての理論段当りの 表面積使用のグラフである。 好ましい実施の形態の詳細な説明 本発明が、添付の図面を参照にして特定の実施の形態で説明されているが、こ れが本発明の本質的な範囲に何ら必要な限定を与えるものではない。 図１は、ほぼ筒状の周囲の本体部材１を備えている要素の正面図であり、この 本体部材は、筒の軸に対する横断面がほぼ正三角形をしており、本体部材のどの 部分の横断面も、筒の軸端部でフランジ２を設けているために、本質的にＵ字状 をしている。 この要素は金属板から作られ、主要な湾曲部３は、周囲の本体部材から帯板を 切り出し、三角筒状の本体部材内でそれを変形することによって形成されており 、これによりこの湾曲部が、三角形の隣接した側部に結合し、該湾曲部と三角筒 状の本体部材の１つの角と の間に湾曲状の空間を区画形成している。２組の金属の舌片４の対が、各々の湾 曲部から切り出され、湾曲状の空間内に突出するように変形されている。 図２は、例えば、セラミック材料、の押出工程によって製造される本発明の要 素に特に適している構造体を示している。 この図は、押し出された要素10の正面図であり、この要素は、三角形の隣接し た側部に結合している湾曲部12と、要素内に貫通通路を提供する湾曲部と本体部 材との間の閉鎖空間13とをもつ、ほぼ三角筒状の本体部材11を備えている。湾曲 部は、共通の点15で出会っているリブ14によって結合されている。 図３は、従来技術の簡単に手に入るパッキング要素から、本発明の要素を形成 する方法を示している。図３ａは、並んで置かれた３つのランダムなパッキング 要素の正面図である。各々は弓形状の本体部材21を備えており、この本体部材か ら湾曲部22が切り出され、この弓形状の本体部材と湾曲部との間で空間を区画形 成するように、本体部材の平面から変形されていて、湾曲部から切り出された舌 片23が、この空間内に突出するようになっている。各々の弓形状の本体部材には フランジ24が設けられ、該部材の長さの大部分にわたってＵ字状の横断面を与え ている。 図３ｂは、これら３つの弓形状の本体部材を溶接によって一緒に連結したもの を示しており、それにより、三角筒状の本体部材の角部と湾曲部とによって区画 形成された各々の空間内に、唯一つの組の舌片が設けられていること、及び筒状 の本体部材の端部のまわりのフランジ末端で不連続であることを除いて、図１に 示されているのと同様の単一の構造体に要素を形成している。 図３ｂに示されるように連結される個々のパッキング要素は、そのような要素 の明白な変形と同様に、この技術分野で公知のもので ある。これらは、米国特許第 4,303,599号、米国特許第 4,333,892号及び米国特 許第 4,576,763号に記載の構造物を含んでいる。 この要素の結合は、単純な溶接技術を用いるか、又は掛け金、溶接、ロウ付け 又はボルトの技術によって、両者に取り付けられた別々の結合部材を使用するこ とによって達成される。 本発明のパッキング要素が、公知の市販のパッキング要素と比較された。この 市販の要素は、Hy-Pak（金属パッキングリング）、Intalox(金属の塔用パッキン グ)及び金属ポール（Pall）リングで、各々様々の大きさをしている。Hy-PakとI ntalox は、ノートン社の登録商標であり、３つの型のパッキング要素の全てが ノートンケミカルプロセスプロダクツ社から手に入る。 図４と５に表わされたグラフは、いろいろな大きさのこれらの３つの従来技術 のパッキング要素を示しており、それらを、本発明の金属パッキングのサンプル と比較している。これは、図３に示されるように３つのIntalox(金属の塔用パッ キングユニット)をほぼ三つ葉状の構造をもつ物に形成するために一緒に連結す ることによって形成されている。 両グラフの横軸は、一定の作動において特定の分離程度を達成するのに必要と された処理能力（スループット）の測定である処理能力係数（キャパシティファ クター）である。それ故、それは、この要素を含んでいる塔の能力の測定である 。処理能力係数が高くなればなる程、要素の性能が良くなっている。 図４の縦軸の“理論段相当高さ（HETP）×金属使用”は、塔の単位横断面当り の理論段当りの金属使用を表わしている。“理論段（セオレティカルステージ） ”は、特定の分離程度を達成するために理論上必要とされる塔の高さである（一 定の処理工程の定数である）。それ故、縦軸は、金属が使用される効率の逆数を プロットして いる。こうして、縦軸上にプロットされた数値が低くなればなる程、パッキング の性能がそれだけ良くなる。このようにして、最高に望ましい製品は、縦軸上で 低い数値をもち、横軸上で高い数値をもつものである。容易に解るように、本発 明のパッキングは、見積もられた全ての製品のうち最も有効な金属使用であり、 一定の分離を達成するのに必要とされるパッキングの重量が、従来技術の市販の パッキング材料の最も近いものと比べても、その半分以下であることを示してい る。このことは、要素のコストの点と、パッキング要素を入れる塔の構造の点及 び特に、パッキング要素の低い高さでの重大な変形が予測される前のパッキング の深さの点とで、明らかな結論を有している。 図５において、縦軸は、１つの理論段をもたらすために必要とされるパッキン グの表面積（塔の単位横断面積当りの）である。こうして縦軸上の数値が低くな ればなる程、パッキング要素はもっと効率が良くなる。横軸に沿ってプロットさ れた処理能力係数は、前述した図４で示されているのと同様である。こうして最 良の要素は、グラフの右手に向ってより低くなる勾配を表わしているものである 。ここでは、従来技術のパッキングの或るものは、良い数値を有しているが、図 ４を参照すると、これは非常に重い重量の消費によって達成されたものであるこ とを示している。これは、そのようなパッキング要素を入れる塔の構造上の可能 性に対する厳しい制約である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９８年７月１８日 【補正内容】 明細書 そのようなパッキングの１例が、欧州特許第199514号(EP A 199514)に記載さ れている。 請求の範囲 １．ほぼ正三角形の形状をした周囲の本体部材を有する、ランダムに積み込ま れるパッキング要素であって、この正三角形状の本体部材が、頂角から対向する 底辺上の最も近い点までと、該要素の軸に沿ってそれぞれ計測した幅寸法と深さ 寸法とを有しているパッキング要素において、 この幅が深さよりも大きく、周囲の本体部材内の空間が、該本体部材の側部の 内表面からの多数の突起部によって占有されており、かつ該突起部が、三角形の 本体部材の隣接した側部に連結している湾曲部を備えていて、これにより各々の 湾曲部と、この湾曲部に結合された本体部材の側部との間の該要素内に貫通通路 を区画形成しているところのパッキング要素。 ２．この幅が少なくとも深さの 1.5倍であるところの請求項１に記載のパッキ ング要素。 ３．パッキング要素がセラミックの前駆体（プレカーサー）又はプラスチック から作られ、かつ湾曲部が隣接した側部の各々の組に結合し、該湾曲部自身がリ ブ状部材で結合されているところの請求項１に記載のパッキング要素。 ４．該要素が金属から作られているところの請求項１に記載のパッキング要素 。 ５．該湾曲部に、この湾曲部から、湾曲部と本体部材との間の空間へと突出し ている舌状部材が設けられているところの請求項１に記載のパッキング要素。 ６．ランダムに積み込まれるパッキング要素を形成する方法において、この方 法が、 ａ）ランダムに積み込まれる３つの同様なパッキング要素であっ て、その各々が、弓形状の本体部材と、前記本体部材から弓形内の空間への突起 部とを備えている該パッキング要素を用意すること、 ｂ）一つの弓形状の本体部材の各々の端部が、別の要素の別の弓形状の本体部 材の一端部に隣接するように、前記個々の要素を配置し、かつ ｃ）隣接した端部の各々の組を堅固に結合して、ほぼ正三角形状をした周囲の 本体部材を有する単一の構造体を形成すること、 とを具備しているパッキング要素の形成方法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ほぼ正三角形の形状をした周囲の本体部材を有する、ランダムに積み込ま れるパッキング要素であって、この正三角形状の本体部材が、頂角から対向する 底辺上の最も近い点までと、該要素の軸に沿ってそれぞれ計測した幅寸法と深さ 寸法とを有しているパッキング要素において、 この幅が深さよりも大きく、周囲の本体部材内の空間が、該本体部材の側部の 内表面からの多数の突起部によって占有されているところのパッキング要素。 ２．幅が少なくとも深さの 1.5倍であるところの請求項１に記載のパッキング 要素。 ３．該突起部が、三角形の本体部材の隣接した側部に連結している湾曲部を備 えていて、これにより各々の湾曲部とこの湾曲部に結合された本体部材の側部と の間の要素内に貫通通路を区画形成しているところの請求項１に記載のパッキン グ要素。 ４．パッキング要素がセラミックの前駆体（プレカーサー）又はプラスチック から作られ、湾曲部が隣接した側部の各々の組に結合し、かつ該湾曲部自身がリ ブ状部材で結合されているところの請求項３に記載のパッキング要素。 ５．該要素が金属から作られているところの請求項１に記載のパッキング要素 。 ６．該湾曲部に、この湾曲部から、湾曲部と本体部材との間の空間に突出して いる舌片状部材が設けられているところの請求項３に記載されたパッキング要素 。 ７．ランダムに積み込まれるパッキング要素を形成する方法において、この方 法が、 ａ）ランダムに積み込まれる３つの同様なパッキング要素であって、その各々 が、弓形状の本体部材と、前記本体部材から弓形内の空間への突起部とを備えて いる該パッキング要素を用意すること、 ｂ）一つの弓形状の本体部材の各々の端部が、別の要素の別の弓形状の本体部 材の一端部に隣接するように、前記個々の要素を配置し、かつ ｃ）隣接した端部の各々の組を堅固に結合して、ほぼ正三角形状をした周囲の 本体部材を有する単一の構造体を形成すること、 とを具備しているパッキング要素の形成方法。