JPH115143A - 中空鋼塊の鋳造方法及びこの方法に使用する中子 - Google Patents
中空鋼塊の鋳造方法及びこの方法に使用する中子Info
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Abstract
ることがなく、かつ鋳造後に鋼塊から該スリーブ及び芯
金が容易に分離することができる中子を用いる中空鋼塊
の鋳造方法を提供すること。 【解決手段】 定盤10、11の上に鋳型1を設置するとと
もに、該鋳型1の内に中子2を設置し、下注ぎ法により
注湯する中空鋼塊の鋳造方法において、中子2としてパ
イプ状の芯金3の外側に間隔を空けて円筒状のMgOを
主成分とし、有機物を含有した不焼成の耐火物製のスリ
ーブ4を設置し、該芯金3と該スリーブ4との間に耐熱
性粒状体5を入れたものを用い鋳造すること。
Description
法及びこの方法に使用する中子、詳しくは芯金、スリー
ブなどからなる中子を用いて鋳造する中空鋼塊の鋳造方
法及びこの方法に使用する中子に関する。
中空の鋼塊を製造し、この中空鋼塊を中空鍛造すること
によって製造されている。この中空鋼塊を製造する方法
として、鋼塊を鍛造によって円筒状の鋼塊にし、この円
筒状の鋼塊に鍛造ポンチによって孔を明けて製造する方
法、円筒状の鋼塊を中ぐり旋盤によって孔を明けて製造
する方法、鋳造によって製造する方法が知られている。
しかし、これらの方法のうち円筒状の鋼塊を鍛造ポンチ
によって孔を明けて製造する方法及び円筒状の鋼塊を中
ぐり旋盤によって孔を明けて製造する方法は、製造する
ための工数が多くなり、また歩留りが低く、そのために
コストが高くなるという難点がある。一方鋳造によって
製造する方法は、製造するための工数が少なく、また歩
留りが高いためにコストの点でも有利であるが、鋳造が
難いという難点があり、そのために種々の方法が提案さ
れている。
公報に開示されているものである。この方法は、図2に
示すように流入口13を設けた定盤9、10の上に設置した
鋳型1の中に、有底の円筒状のスリーブ4の中央部に間
隙16を空け、かつ不連続の台座15の上に中空の芯金3を
入れた中子2を設置したものを用い、空気などの冷却流
体を芯金3の上部から入れ、台座15の間、間隙16を通っ
て外部に放出するように流して中子2を冷却しながら、
溶湯を供給源17から湯道12を通って流入口13から鋳型1
の中に入るようにして鋳造する方法である。
なもを用いるのか明確にされていないが、スリーブ4は
強度を高くしたりあるいはそのために厚したりして鋳造
すると、中空鋼塊の内側に食い込み、鋳造後にスリーブ
4を除去するのが困難になる。さらに、スリーブ4の強
度を低くすると鋳造中に割れ、溶湯が漏れるという問題
があり、また漏れた溶湯が芯金3に付着し、該芯金3を
再び使用することができなくなるという問題がある。ま
た、この方法に用いる中子2は、芯金3とスリーブ4と
の間に空間を設けているが、このような構造にすると、
スリーブ4のみで溶湯の圧力に耐えなければならないの
で、強度を高くする必要があるために鋳造後のスリーブ
4の除去が困難になり、またスリーブ4から溶湯が漏れ
た場合には芯金3を再使用することができなくなるとい
う問題点がある。
く、更に鋳造中にスリーブが割れることがなく、また鋳
造後に鋼塊から該スリーブ及び芯金が容易に分離するこ
とができる中子を用いた中空鋼塊の鋳造方法及びこの方
法に使用する中子を提供することを目的としている。
め、本発明の中空鋼塊の鋳造方法においては、中子とし
てパイプ状の芯金の外側に間隔を置いて円筒状のMgO
を主成分とし、有機物を含有した不焼成の耐火物製スリ
ーブを設置し、該芯金と該スリーブとの間に耐熱材製粒
状体を入れた中子を用いて鋳造することである。さら
に、上記目的を達成するため、本発明の中空鋼塊鋳造用
中子においては、パイプ状の芯金と、この芯金の外側に
間隔を置いて設置した円筒状のスリーブと、該芯金と該
スリーブの間に入れた耐熱材製粒状体とからなり、該ス
リーブがMgOを主成分とし、有機物を3〜12%含有
した耐火物で製造されたものとしたことである。また、
本発明の中空鋼塊鋳造用中子においては、中子のスリー
ブがMgOを主成分とし、有機物を3〜12%含有した
不焼成の耐火物で製造されたリングを積み重ね、目地に
接着剤を塗布して製造したものとしたことである。
にして説明する。本発明の中空鋼塊の鋳造方法に用いる
中子の芯金は、図1に示しているように鋼などで製造さ
れたパイプ状のもので、必要に応じてクレーンなどで引
き抜くために補強したり、上部に把手を設けたりしたも
のである。この芯金3の外側に間隔を空けて設置するス
リーブ4は、全体が一体のものでもよいが、一体のもの
を製造するのは困難であるので、リング6を積み上げ、
目地に接着剤7を塗布したものでもよい。このスリーブ
4は、鋳造中に割れることがない強度にする必要があ
り、かつ鋼塊が凝固中に1〜2%収縮するので、鋼塊の
中に食い込まれないようにある程度弾力性を有する必要
がある。このスリーブ4が鋳造中に割れないためには1
400℃において2kg/cm2 程度の強度が必要であ
り、そのためにはMgOを60〜80%、好ましくは7
5%前後含有した耐火物で製造する必要がある。
あって収縮できるようにするためには、耐火物中にフェ
ノールレジン、小麦粉などの有機物を3〜12重量%含
有させるとともに、不焼成のものとする必要がある。耐
火物中の有機物が3重量%より少ないと、弾力性がな
く、且つ収縮ができないからであり、12重量%以下と
したのは、12重量%より多く含有すると燃焼した場合
に強度が低くなるからである。また不焼成のものとした
のは、焼成するとある程度の弾力性を確保することがで
きなくなるからである。
は、スリーブ4を補強するとともにスリーブが収縮する
場合にはある程度収縮することができるようにし、更に
芯金が加熱されるのを防止し、また不焼成のスリーブ及
び溶鋼から発生するガスを排出することができように空
隙を確保するためのものである。この耐熱材製粒状体5
に必要な通気性は、空隙率が5〜15%程度あるものの
通気性と同程度でよく、そのためには、粒状のものが適
当であり、平均粒度が5〜25mmのものが好ましい。
この耐熱材製粒状体5としては、下記実施例の表1に記
載したような成分組成及び形状のもの、粒径が10〜2
2mmのCaO製のものなどが好適である。また、スリ
ーブ4を耐火物製リング6を積み重ねて製造する場合の
目地に塗布する接着剤7は、目地から溶湯が流出するの
を防止するためのもので、これに限定されるものではな
いが、下記実施例で用いるAl2O3 、Si2O、水などからな
るものが好ましい。
て収縮してもスリーブが不焼成のものであるためにある
程度弾力性があり、またスリーブの主成分をMgOとし
たためにスリーブ4の高温強度が高いので、スリーブ4
が割れて溶湯がスリーブ4及び耐熱材製粒状体5の中に
差し込むことがない。さらに、スリーブ4と芯金2との
間に耐熱材製粒状体5が入っているために芯金2が加熱
されて焼き付くことがなく、また耐熱材製粒状体5に流
動性があるので、芯金2を容易に引き抜くことができ
る。また、スリーブ4にある程度弾力性があることと相
まってこのスリーブ4を支えている耐熱材製粒状体5が
ある程度収縮できるので、スリーブ4が鋼塊の穴の内に
食い込んむことがないめにスリーブ4を除去することが
容易である。
る。定盤10の上の二重定盤11の上に外径が112mm、
高さ2000mmの鋼製の芯金3を設置し、この芯金3
の外周に内径200mm、厚さ20mm、高さ180m
mの下記表1に記載した成分組成及び強度のリングを9
個積み重ね、上に押さえ金物9を載せ、目地に下記表2
に記載した成分組成の接着剤7を十分塗布してスリーブ
4を組み立て、該スリーブ4を2時間乾燥した。その
後、このスリーブ4と芯金3との間に下記表3に示した
成分組成で、密度0.6g/cm3 、平均粒度7.8m
mの耐熱材製粒状体25kgを充填した。この耐熱材製
粒状体の層の空隙率は10体積%であった。その後上部
内周に押湯枠8を取付けた鋳型1、すなわちキャビテー
の上部の寸法が643mm×643mm、下部の寸法が
491mm×491mm、高さ1616mmの3.6t
用の鋳型1を二重定盤11の上の所定の位置に設置した。
1%、Si:0.25%、Mn:0.72%、Cr:
1.03%、Mo:0.25%、残部Fe及び不純物)
を溶解し、1600℃にした溶鋼を注入管14に注入し、
該溶鋼は湯道12を通って注入口13から上記鋳型と中子の
間に注入され、ボイリングがなく鋳込を完了することが
できた。
き上げたところ、該芯金を容易に引き抜くことができ
た。湯道を切断した後鋳型から鋼塊を取り出し、高圧空
気で耐熱性粒状体を除去してスリーブの目地を観察した
ところ内側まで湯が差し込んでいるところはなかった。
その後高圧空気でスリーブを除去しながら湯の差し込み
状況を観察したところ、問題になるような湯の差し込み
はなかった。その後この鋼塊をを用いて中空鍛造したと
ころ、問題なく所望の製品を得ることができた。
同じ形状のリング6を製造した。このリング6を外径が
190mm、長さ2000mmの鋼製の芯金のね周囲に
9個積み重ねてスリーブ4を形成し、その上に押さえ金
物9を載せた。このスリーブ4と芯金3との間の4個所
に4mmφの番線を縦方向に入れてスリーブから発生す
るガスを抜く空隙をつくった。その後上記実施例で使用
したと同様な鋳型1を二重定盤11の上の所定の位置に設
置した。このように形成された鋳型と中子の間に上記実
施例と同じ鋼を同じ条件で鋳込んだところ、スリーブが
軟化して溶鋼が芯金まで到達したため途中で注湯を中止
した。
と同じ形状のリング6を製造した。このリングを上記比
較例1と同じように設置した芯金の外周に9個積み重ね
てスリーブ4を形成し、その上に押さえ金物9を載せ
た。このスリーブ4と芯金3との間の4個所に4mmφ
の番線を縦方向に入れてスリーブから発生するガスを抜
く空隙をつくった。その後上記実施例で使用したと同様
な鋳型1を二重定盤11の上の所定の位置に設置した。こ
のように形成された鋳型とコアの間に上記実施例と同じ
鋼を同じ条件で鋳込んだところ、ボイリングすることな
く鋳込みを完了することができた。しかし、鋳込み完了
30分以降芯金が赤熱し、芯金を冷却するために設置し
た管に空気を送風することができず、鋳込み完了6時間
後に芯金を抜き取ろうとしたが、抜き取れなかった。ま
た1段目のリングと2段目のリングとの間の目地に湯が
差し込んでいた。これは目地に接着剤を塗布しなかった
ためであると考えられる。
に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り
種々の変更を加え得ることはもちろんである。
来困難であった中空鋼塊を鋳造によって製造することが
できるようになるとともに、鋳造に使用した芯金を再使
用することができ、さらにスリーブの除去が容易になる
という優れた効果を奏する。
使用する装置全体の断面図である。
用する装置全体の断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 定盤(10、11) の上に鋳型(1)を設置
するとともに、該鋳型(1)の内に中子(2)を設置
し、下注ぎ法によって注湯する中空鋼塊の鋳造方法にお
いて、中子(2)としてパイプ状の芯金(3)の外側に
間隔を置いて円筒状のMgOを主成分とし、有機物を含
有する不焼成の耐火物製のスリーブ(4)を設置し、該
芯金(3)と該スリーブ(4)との間に耐熱材製粒状体
(5)を入れたものを用いることを特徴とする中空鋼塊
の鋳造方法。 - 【請求項2】 パイプ状の芯金(3)と、この芯金
(3)の外側に間隔を置いて設置した円筒状のスリーブ
(4)と、該芯金(3)と該スリーブ(4)の間に入れ
た耐熱材製粒状体(5)とからなり、該スリーブ(4)
がMgOを主成分とし、有機物を3〜12%含有する不
焼成の耐火物で製造されていることを特徴とする中空鋼
塊鋳造用中子。 - 【請求項3】 上記スリーブ(4)がリング(6)を積
み重ね、目地に接着剤(7)を塗布したものであること
を特徴とする請求項2記載の中空鋼塊鋳造用中子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16969297A JP4139976B2 (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | 中空鋼塊の鋳造方法及びこの方法に使用する中子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP16969297A JP4139976B2 (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | 中空鋼塊の鋳造方法及びこの方法に使用する中子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH115143A true JPH115143A (ja) | 1999-01-12 |
JP4139976B2 JP4139976B2 (ja) | 2008-08-27 |
Family
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16969297A Expired - Fee Related JP4139976B2 (ja) | 1997-06-12 | 1997-06-12 | 中空鋼塊の鋳造方法及びこの方法に使用する中子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4139976B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106424610A (zh) * | 2016-12-16 | 2017-02-22 | 攀枝花市蓝天锻造有限公司 | 圆钢锭的浇铸模 |
-
1997
- 1997-06-12 JP JP16969297A patent/JP4139976B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN106424610A (zh) * | 2016-12-16 | 2017-02-22 | 攀枝花市蓝天锻造有限公司 | 圆钢锭的浇铸模 |
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JP4139976B2 (ja) | 2008-08-27 |
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