JPH11514256A - 引張要素を備えた玩具用構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ここで保護されるべき要素は、引張ひも（２）、チェーン、ワイヤ又は同様なものから構成される要素である。上記引張ひも等は、その両端部に連結装置（３）を有しており、この連結装置は、連結スタッド（６）に連結することができる。本要素は、上記ひも（２）、チェーン等が、連結装置（３）の十分に高い位置に取り付けられていて、本要素が引っ張られた時に、連結装置（３）にモーメントが作用するように構成された特徴を有している。上記モーメントは、連結装置（３）と連結スタッド（６）との間の摩擦力に抗して、連結装置（３）をひねって連結スタッド（６）から外すように作用する。

Description

【発明の詳細な説明】 引張要素を備えた玩具用構造体 本発明は、請求項１の導入部に記載されるタイプの構造体に関する。この構造 体は、ひも、ワイヤ又はチェーンの如き細長い可撓性の要素を有する引張要素を 備えている。細長い可撓性の要素の一端部は、連結手段に固定されている。この 連結手段は、その下面に別の連結手段を有しており、この別の連結要素は、構造 体の部品である別の構造要素に設けられる１又はそれ以上の補完的な形状を有す る連結スタッドと摩擦的に連結するようになっている。 構造体においては、上記引張要素を用いて、構造体構成要素で構築することの できる構造物の各部分を連結する。従って、引張要素は、構造物の間に引張力を 伝達することができ、この引張力は、上記構造物を用いて、例えば、上記連結手 段がクレーンのフック又は同様なものを構成しているクレーンの吊り上げ要素と して、例えば、列車セットの個々の台車を連結することを可能にする。 上記目的のための周知の引張要素は、該引張要素が連結手段に固定される領域 において、細長い可撓性の要素が、連結手段と補完的な形状の連結スタッドとの 間の連結方向に対して平行に伸長するように構成されている。この構成は、引張 要素によって連結手段と補完的な形状の連結スタッドとの間の摩擦力に伝達する ことのできる引張力を制限する。この制限は不都合なものであり、その理由は、 上記摩擦力は、構造体の個々のブロックを容易に連結及び分離するために、比較 的小さいことが望ましい場合が多いからである。 従って、別のタイプの引張要素が知られており、この引張要素においては、細 長い可撓性の要素は、連結手段と補完的な形状の連結スタッドとの間の連結方向 に対して直角方向に伸長しており、これにより、伝達することのできる引張力は 、 連結手段と連結スタッドとの間の摩擦力によって制限されることはない。しかし ながら、上記後者のタイプの周知の引張要素には、伝達することのできる引張力 が、細長い可撓性の要素の引張強度、あるいは、細長い可撓性の要素と該要素が 固定される連結手段との間の連結領域の引張強度を超えることがあるという欠点 が伴う。この欠点は、実際に、引張要素を破壊させたり、あるいは、最悪の状態 ではないが、引張要素が取り付けられる構造物を破損させることがある。 従って、本発明の目的は、引張要素の引張強度を超える引張力によって引張要 素を破損させる危険性を含む要素を使用することなく、連結手段と補完的な形状 の連結スタッドとの間の摩擦力を超える引張力を伝達することができる、導入部 に述べたタイプの引張要素を提供することである。 本発明によれば、上記目的は、導入部に記載された引張要素によって達成され 、この引張要素は、以下のようにして形成される。すなわち、細長い可撓性の要 素を連結手段の下面から十分に離れた点で連結手段に連結する。これにより、細 長い可撓性の要素の引張強度よりも小さい引張力が、連結手段と補完的な形状の 連結スタッドとの間の連結方向に対して交差する方向において、上記細長い可撓 性の要素に作用すると、上記連結手段にねじりモーメントが生ずる。このねじり モーメントは、連結手段及び補完的な形状の連結スタッドを引っ張ってその間の 摩擦的な係合を解除するに十分な大きさである。また、上記細長い可撓性の要素 は、該要素が上記連結手段に固定される領域において、連結手段と補完的な形状 の連結スタッドとの間の連結方向に対して実質的に直角方向に伸長する。 請求項２は、引張要素が通常の使用の間に塑性変形を受けることがないことを 更に確実にする、便利な実施例を規定している。 請求項３に規定される特徴によって、細長い可撓性の要素が、該細長い可撓性 の要素と連結手段との間の連結領域で引張強度を超える引張り強さを有する場合 に、通常の使用の間に破損しない要素が提供される。 請求項４に特徴づけられるように、引張要素の両端部に連結手段が設けられる 。請求項５に特徴づけられるように、総ての端部に同じ構成を有している連結手 段は、高度の確実性を可能とし、引張要素の少なくとも一端部は、該要素が破損 する前にその摩擦的な係合を解除し、これにより、引張要素が取り付けられてい る一方の補完的な形状の連結スタッドが変形した場合に生ずる大きな摩擦力に対 する余裕を与えることができる。 請求項６は、連結手段も補完的な形状の連結スタッドを有していて、これによ り、引張要素の２又はそれ以上の端部を連結することのできる、好ましい実施例 の特徴を規定している。この構成は、引張要素を幾つかの異なる用途に使用する ことを可能とし、この場合にも、上記要素は通常の遊びの間に破損することはな い。 請求項７に特徴づけられるように、細長い可撓性の要素を、鋳造プロセスにお いて、連結手段の上面と下面との間に固定することにより、中子を必要としない 鋳型を用いることが可能となり、この目的のために射出成形機を用いて中子の引 出し操作を排除することが可能である。 請求項８に特徴づけられるように、細長い可撓性の要素は、織った又は編んだ 糸から効果的に構成し、これにより、細長い可撓性の要素を連結手段に良好に固 定することができる。 請求項９によれば、連結手段に連結スタッド及び連結スカートだけを設けるこ とによって、連結手段を構造体の他の要素の連結スタッドに連結するための力が 極めて小さくなり、同時に、連結手段を横方向の引張力によって引っ張って連結 スタッドから外すための力は、比較的大きくなる。 連結スタッド及び連結スカートを回転対称すなわち軸対称に設計することによ り、連結スタッドは、細長い可撓性の要素を必要以上に変形させることなく、構 造体の他の要素に対して多くの異なる向きで取り付けることができ、これにより 、 引張要素に直接的な引張力を与えることができる。 ここで、図面を参照して本発明を詳細に説明する。 図面において、 第１図は、本発明の引張要素を示しており、 第２図は、第１図の引張要素が別の要素に取り付けられている状態を示してい る。 第１図は、本発明の引張要素１を示しており、該引張要素１の中央部分は、適 宜な長さを有する可撓性のひも２から構成されている。図面には、ひも２の一部 だけが示されている。ひも２の両端部には、カップリング３が各々の設けられて いる。これらのカップリングは、プラスチック材料を射出成形することにより形 成されている。一方のカップリングが、断面図で示されていて、内部の輪郭を明 らかにしている。従って、引張要素１は、通常、カップリングを射出成形により ひも２に固定し、これにより、ひも２の粗い表面がカップリングとの間に良好で 堅固な連結を確立するようにすることにより、製造される。 各々のカップリング３は、回転対称すなわち軸対称のユニットの形態として形 成されており、上面にもたらされる連結スタッド４と、該連結スタッドの下にも たらされる連結スカート５とを備えている。連結スカートは、連結スタッド４に 対して補完的な形状を有している。これにより、カップリング３は、互いに連結 することができ、あるいは、構造体の他の要素７の連結スタッド６に取り付ける ことができる。 第２図は、カップリング３の一方が要素７の連結スタッド６に取り付けられた 状態を示している。要素７は、幾つかの態様で具体化することができ、玩具の固 定部品とするか、あるいは、幾つかの要素（図示せず）から構成することができ る。これにより、引張要素を、例えば、構造物の引張ひもとして用いて、引張要 素が一方の構造体から他方の構造体に引張力を伝達することができるようにする ことができる。 第２図から明らかなように、ひも２は、カップリング３の高い位置に取り付け られており、これにより、カップリング３が要素７の連結スタッド６に取り付け られた時に、完全な取り付け箇所が要素７の連結スタッド６の最上方の面８より も上方に位置するようになっている。 これにより、第２図に示すように、引張力をひも２の方向に加えると、カップ リング３にモーメントの影響を与えることが可能となり、このモーメントは、ひ も２、又は、カップリング３に設けられたひもの取付具を破損させることなく、 カップリング３をスタッド６から引き離すことができる。 本発明によれば、ひも２のカップリング３に対する取り付け箇所は、この取り 付け箇所の高さが連結スタッド６の最上方の表面８よりも上方にあり、これによ り、ひも２を引っ張ることによってカップリング３に与えられるモーメントが、 カップリング３を連結スタッド６から引き離すことができ、その際に、連結スタ ッド６と連結スカート５との間の摩擦力がこれらを適所に保持しようとする場合 でも、引張要素１を破損させないような位置とされる。 カップリング３に対するひも２の取り付け箇所を選択することによって、カッ プリング３を連結スタッド６から引き離すのに必要な引張力を調節して、例えば ひも２の強度に合わせ、これにより、ひも２も、あるいは、カップリング３のひ もの取付具も破損しないようにすることができる。 上述の実施例を本発明の範囲内で多くの態様で変形することができることは明 らかである。従って、引張要素は、１個、３個又はそれ以上の数のカップリング を有することができる。また、引張要素の総ての端部にカップリングを設ける必 要はない。連結スタッド及び連結スカートも、上述の回転対称すなわち軸対称な 形態以外の他の多くの形態のものとして形成することができる。 ひも２に関しては、本発明の範囲から逸脱することなく、チェーン、電線、ワ イヤ又は同様なものでひもを置き換えることもできる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｋ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＫ，ＴＪ， ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．玩具用構造体であって、ひも、線、ワイヤ又はチェーンの如き細長い可撓 性の要素（２）を有する引張要素（１）を備えており、前記細長い可撓性の要素 （２）の一端部が連結手段（３）に固定されており、該連結手段は、その下面に 別の連結手段（５）を有しており、該別の連結手段は、当該玩具用構造体の部品 である構造要素に設けられていて補完的な形状を有する１又はそれ以上の連結ス タッド（４、６）に摩擦的に連結するようになっている、玩具用構造体において 、前記細長い可撓性の要素（２）は、前記連結手段（３）の前記下面から十分に 離れた点において前記連結手段（３）に連結されており、これにより、前記連結 手段（３）と前記補完的な形状の連結スタッド（４、６）との間の連結方向に対 して交差する方向に前記細長い可撓性の要素（２）の引張強度よりも小さい引張 力が前記細長い可撓性の要素（２）に作用すると、前記連結手段（３）及び前記 補完的な形状の連結スタッド（４、６）を引っ張ってその間の摩擦的な係合を解 除するに十分な大きさのねじりモーメントが生じるようになっており、前記細長 い可撓性の要素（２）は、前記連結手段（３）に固定されている領域において、 前記連結手段（３）と前記補完的な形状の連結スタッド（４、６）との間の連結 方向に対して実質的に直角方向に伸長していることを特徴とする玩具用構造体。 ２．請求項１に記載の玩具用構造体において、前記細長い可撓性の要素（２） は、前記連結手段の下面から十分に離れている点において前記連結手段に連結さ れており、これにより、前記細長い可撓性の要素（２）に引張力が作用すると、 前記連結手段（３）と前記補完的な形状の連結スタッド（４、６）との間の連結 方向に対して交差する方向のねじりモーメントが前記連結手段（３）に生じるよ うになっており、前記引張力は、前記細長い可撓性の要素（２）の塑性変形を生 じさせることができる引張力よりも小さく、前記ねじ りモーメントは、前記連結手段（４）及び前記補完的な形状の連結スタッド（４ 、６）を引っ張ってその間の摩擦的な係合を解除するに十分な大きさであること を特徴とする玩具用構造体。 ３．請求項１又は２に記載の玩具用構造体において、前記細長い可撓性の要素 （２）は、前記連結手段（３）の下面から十分に離れた点において前記連結手段 （３）に連結されており、これにより、前記細長い可撓性の要素（２）に引張力 が作用すると、前記連結手段（３）と前記補完的な形状の連結スタッド（４、６ ）との間の連結方向に対して交差する方向のねじりモーメントが前記連結手段（ ３）に生じるようになっており、前記引張力は、前記細長い可撓性の要素（２） と前記連結手段（３）との間の連結領域に破断を生じさせることのできる引張力 よりも小さく、前記ねじりモーメントは、前記連結手段（３）及び前記補完的な 形状の連結スタッド（６）を引っ張ってその間の摩擦的な係合を解除するに十分 な大きさであることを特徴とする玩具用構造体。 ４．請求項１、２又は３に記載の玩具用構造体において、前記引張要素の前記 細長い可撓性の要素（２）は、少なくとも２つの端部を有しており、これら端部 の各々に連結手段（３）が設けられていることを特徴とする玩具用構造体。 ５．請求項４に記載の玩具用構造体において、前記連結手段（３）は同一であ ることを特徴とする玩具用構造体。 ６．請求項１乃至５のいずれか一に記載の玩具用構造体において、前記連結手 段（３）は各々、それぞれの下面とは反対方向を向いた上面を有しており、前記 上面に１又はそれ以上の補完的な形状の連結スタッド（４）が設けられているこ とを特徴とする玩具用構造体。 ７．請求項６に記載の玩具用構造体において、前記細長い可撓性の要素（２） は、前記下面と前記上面との間で前記連結手段（３）に固定されており、前記連 結手段（３）は、前記細長い可撓性の要素に対して射出成形されていることを特 徴とする玩具用構造体。 ８．請求項７に記載の玩具用構造体において、前記細長い可撓性の要素（２） は、編んだ又は織った糸から構成されていることを特徴とする玩具用構造体。 ９．請求項６乃至８のいずれか一に記載の玩具用構造体において、前記連結手 段は、その上面に唯一の連結スタッド（４）を有しており、また、その下面に連 結スカート（５）を有していることを特徴とする玩具用構造体。 １０．請求項９に記載の玩具用構造体において、前記連結スタッド（４）及び前 記連結スカート（５）は、回転対称であることを特徴とする玩具用構造体。