JPH1151408A - 極省エネ型面暖房方法及び面暖房装置、電力制御装置 - Google Patents

極省エネ型面暖房方法及び面暖房装置、電力制御装置

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JPH1151408A
JPH1151408A JP21716697A JP21716697A JPH1151408A JP H1151408 A JPH1151408 A JP H1151408A JP 21716697 A JP21716697 A JP 21716697A JP 21716697 A JP21716697 A JP 21716697A JP H1151408 A JPH1151408 A JP H1151408A
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heater
heating
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Ryushutsu Kin
龍出 金
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力を極限迄低く抑えることができ、か
つ温度暴走を防止でき、更に低コストな、省エネ型の面
暖房方法とその装置を提供すること。 【解決手段】 面状発熱体に電力印加することにより前
記面状発熱体の温度を上昇させて暖房する面暖房方法で
あって、前記発熱体に印加した後、予め設定した時間の
経過後に、前記発熱体への印加電力を任意の値まで降下
させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床暖房その他の暖
房に用いられる面暖房方法及びそれを実施するための面
暖房装置、電力制御装置に係り、より詳しくは、面状発
熱体に印加した後一定時間経過後に印加した電力を急降
下させる面暖房方法、及びそれを実施するための面暖房
装置、電力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、床暖房その他の暖房に用いら
れる暖房装置として、電気による暖房装置が用いられて
いた。そしてこの電気による暖房装置としては、線状の
発熱体を用いた、いわゆるメタル系の暖房装置と、面状
の発熱体を用いたいわゆるカーボン系の暖房装置とがあ
った。
【0003】図7は線状発熱体を用いた暖房装置の構造
を示す図であり、図に示されるように、この暖房装置で
は、基材21の上に導電体22を備え、この導電体22
に電気を流すことによって導電体を発熱させて温度を上
昇させる構造であり、更に、前記導電体22の任意の位
置にサーモスタット等のセンサー(以下単に「センサ
ー」という。)を配置し、温度制御を行うものである
が、目的の発熱量を得るには発熱線表面積当たりの発熱
温度を高くしなければならなかった。一方、この発熱表
面温度は、高い程ヒートロスが大きく、従って、熱効率
が悪くなる欠点を余儀なくされるものである。
【0004】また、図8は、面状発熱体を用いた暖房装
置の構造を示す図であり、図にも示されるように、この
暖房装置では、電極23を備えた基材24上に導電剤を
塗布して発熱体とし、あるいは導電性の発熱体上に電極
を配置した後に、前記電極23に電力を印加することに
よって、電極23間にジュール熱を発生させて発熱体を
発熱させる構造であり、かかる場合にも、発熱体の任意
の位置にセンサー26を配置して、発熱体の温度によっ
てスイッチの入り切りをして温度制御を行うものであ
る。なお、導電剤を含浸させた糸等を基材等に編み込む
等して、線状その他の形状の発熱部を設け、該発熱部に
電力を印加してジュール熱を発生させる、暖房装置もあ
るが、以下においては、このような発熱体を含めて「面
状発熱体」と総称する。
【0005】このように、従来の暖房装置では、線状発
熱体を用いた暖房装置、及び面状発熱体を用いた暖房装
置のいずれの場合であっても、センサーを使用すること
によって発熱体の異常発熱を防止して快適温度を維持す
る構造であるため、このセンサーが壊れた場合には、温
度コントロールがきかなくなり温度が上昇を続け、いわ
ゆる温度暴走が起こりそれが火災事故に連なり使用者に
危険を及ぼす。
【0006】また、従来の暖房装置では、発熱体の任意
の位置に、有限数のセンサーを備えているために、セン
サーを配置している箇所の温度の感知しかできず、セン
サーを備えていない箇所において異常発熱が発生した場
合でも当該異常発熱を感知できず、かかる場合において
も使用者に危険を及ぼしていた。また、一般的にセンサ
ーは高価であるために、従来の暖房装置ではコストが高
くなるという欠点もあった。
【0007】また、センサーによりスイッチの入り切り
を繰り返すため、発熱体の温度がいわゆる鋸歯波状に変
化してリップル(うねり)が出来てしまっていた。
【0008】更に、従来の暖房装置では、例えばAC1
00Vを使用する場合には、スイッチを切らない限り、
またセンサーが作動しない限りAC100Vをそのまま
使用していたため、いわゆるヒートロスが多く、言い代
えると所定温度迄の熱流偏差が大きく、無駄な電力を消
費することになっていた。
【0009】そこで最近になり、このような従来の暖房
装置の問題点を解決するために、PTC特性を有する発
熱体を用いた面暖房装置が提案され始めている。
【0010】ここで上記PTC特性とは、周知の通り、
温度の変化を素子の電気抵抗の変化に変換する正のサー
ミスタの一種であり、温度上昇と共に電気抵抗が上昇
し、一定の温度(以下「シーリングポイント」とい
う。)まで温度が上昇すると、抵抗が急上昇する特性を
有するものであり、このPTC特性を有する発熱体を用
いた場合には、面発熱体の前面に亘って温度暴走を防止
できるとともに、温度暴走による火災を防止することも
可能となる。
【0011】そして、PTC特性を有する発熱体を用い
た面暖房装置とは、このPTC特性を含有した塗料を、
予め電極を配置したコットン、又は耐熱性の繊維又はフ
ィルムに塗布したものを発熱体として用い、前記電極へ
電力印加することによって電極間にジュール熱を発生さ
せて発熱体の温度を上昇させる暖房装置であり、このP
TC特性を含有した塗料に関しては、本発明者は既にア
メリカにおいて特許を取得している(アメリカ特許第
5,556,576号)。
【0012】従って、このPTC特性を有する発熱体を
用いた面暖房装置では、発熱体の温度がシーリングポイ
ントに達した後は、PTCの自己制御機能が発揮されて
抵抗値が急上昇して電気が流れにくくなり、それ以上に
発熱体の温度が上昇することがないため、センサー等が
故障した場合であっても発熱体の異常発熱を防止するこ
とが可能となる。
【0013】更に、温度上昇に伴って電気抵抗が高くな
るため、更にシーリングポイントに達した後は電気抵抗
が急上昇するため、温度上昇に伴って消費電力が降下し
ていき、シーリングポイントに達した後は消費電力が急
激に減少する。そのため、このPTC特性を有する発熱
体を用いた面暖房装置を使用することにより、発熱体の
異常発熱を防止することができるとともに、この発熱体
塗料は分子状のいわゆるナノセンサーであるので、安全
で、しかも極力消費電力を低く抑えることも可能とな
る。
【0014】また、塗料の配合比、電極の間隔等を調整
することによってシーリングポイントを調整することに
より、シーリングポイントを快適温度と一致させ、セン
サー等を不要とすることも可能となる。そしてかかる場
合には、センサーのスイッチの入り切りを繰り返す従来
の暖房装置と異なり、快適温度に波が生じることが無く
なり、安定して快適温度を維持することが可能となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このよう
に、PTC特性を有する発熱体を使用した面暖房装置を
用いることにより、面発熱体の全面に亘って温度暴走を
防止することが可能となるとともに、消費電力を低く抑
えることが可能となったが、本発明者は、更に、快適温
度を維持し、しかもヒートロスの最小限値を解明し、消
費電力を極限迄低く抑える方法を検討し、それを達成し
た。
【0016】そこで、本発明は、面状発熱体(導電剤を
含浸させた糸等を基材等に編み込む等して、線状その他
の形状の発熱部を設け、該発熱部に電力を印加してジュ
ール熱を発生させる発熱体を含む。以下同じ。)を用い
た面暖房装置において、消費電力を極限迄低く抑えるこ
とが可能であり、なおかつ、温度暴走を防止できて、更
に、低コストな、省エネ型の面暖房方法とその装置を提
供することを、その課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、PTC特性
を含有する塗料を塗布した発熱体(以下単に「発熱体」
という。)を、1.解放状態(Aグループ)、2.毛布
で覆った状態(Bグループ)、3.二重巻きにした状態
(Cグループ)の3種類に区分し、それぞれについて、
発熱体に電力印加した後一定時間経過後に、印加した電
力を諸々の電力降下実験の結果、初期電力の1/4に落
とす実験を行った。
【0018】この結果、電力を落とす前は、発熱体の温
度は、上記Aグループでは44度前後から54度前後に
分布し、Bグループでは54度前後から60度前後に分
布し、Cグループでは70度前後から80度前後の間に
分布していたが、いずれのグループにおいても、電力を
初期電力の1/4に落とした後は、発熱体の温度が快適
温度(44度±4度)に落ち着いた。
【0019】この実験により、本発明者は、発熱体に印
加する初期電力値は快適温度までの立ち上がり時間に関
係し、それ以後の快適温度の維持に必要な最少限界電力
値としては、初期電力の1/4の電力で十分であるとい
う一般則を見つけた。
【0020】本発明は、この結果を踏まえてなされたも
のであり、本発明の面暖房方法では、面状発熱体に電力
印加することにより前記面状発熱体の温度を上昇させて
暖房する面暖房方法であって、前記発熱体への電力印加
を開始した後、予め設定した時間の経過後に、前記発熱
体への印加電力を任意の値まで急降下させることを特徴
とする。
【0021】また、本発明の面暖房装置は、面状の発熱
体と、該発熱へ電力印加するための電極を備えた面暖房
装置において、前記発熱体への印加を開始した後予め設
定した時間の経過後に、前記発熱体への印加電力を、予
め設定した値まで降下させるための電力制御装置を備え
たことを特徴とする。
【0022】本発明の面暖房方法及び面暖房装置では、
電極を介して面状の発熱体に電力を印加した後、一定時
間経過後に、印加している電力を急降下させると、電力
の急降下に伴って上記発熱体の温度が一定値(以下「下
限値」という。)まで下降し、その後は下限値を維持す
る。そのため、この下限値が快適温度になるように印加
電力を調整することにより、消費電力を最小限に低く抑
えることが可能となるとともに、従来の面暖房装置と異
なり、局部の温度で発熱体の全面の温度を代表する不都
合な温度制御のためのセンサーが不要となる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の面暖房方法では、面状の
発熱体に、電極を介して電力を印加し、電極間にジュー
ル熱を発生させて発熱体の温度を上昇させる。
【0024】そしてその後、予め設定した時間の経過後
に、発熱体へ印加する電力を任意の値に急降下させる。
【0025】ここで、上記任意の値は、初期電力の1/
4以下であることが望ましい。また、上記面状の発熱体
としては、PTC特性を有するものを使用するとよい。
これにより、温度暴走を有効に防止して火災を防止する
ことが可能となるとともに、PTC特性により、消費電
力を極限迄低く抑えることが可能となる。
【0026】また、本発明の面暖房装置は、予め銅材等
による電極を備えたコットン等の基材に導電材を塗布し
た面状の発熱体と、前記電極への電力印加を開始した後
予め設定した時間の経過後に、前記電極へ印加する電力
を、予め設定した値まで急降下させるための電力制御装
置とを備えている。
【0027】更に、本発明の電力制御装置は、面状の発
熱体と該発熱体へ電力印加するための電極を備えた面暖
房装置に使用される電力制御装置であって、面暖房装置
の電源が投入された後一定時間経過するまでの時間を予
め設定、監視するためのタイマーと、該タイマーで設定
した時間の経過後に上記電極へ印加する電力を降下させ
るための切替部とにより構成される。
【0028】
【実施例】本発明の面暖房方法の実施例について説明す
ると、本実施例では、コットン等の基材に電極を配置
し、更にPTC特性を含有した塗料を塗布したものを発
熱体として用いた。そして、発熱体に印加した後一定時
間経過後に、電極への印加電力を初期電力の1/4以下
に急降下する方法を採用した。
【0029】なお、印加電力の急降下の方法としては、
本実施例では、AC100VをAC50Vに変換する方
法を採用したが、本発明の面暖房方法では必ずしもこの
方法には限られず、初期電力の1/4以下に急降下可能
な方法であればいずれの方法を用いてもよく、例えば、
半波整流、サイリスタ制御等の方法が考えられる。ま
た、発熱体としては、必ずしもPTC特性を含有した塗
料を塗布したものには限られない。更に、本発明に使用
する発熱体としては、基材に導電性の塗料を塗布したも
のには限られず、導電剤を含浸させた金属又は非金属の
糸等を基材等に編み込む等して、線状その他の形状の発
熱部を設けた発熱体を用いてもよい。
【0030】図1乃至図3は本発明の暖房方法の実施例
であり、図において、横軸は経過時間であり、縦軸は、
左側が電流(mA)、右側が発熱体の温度である。
【0031】図からも明らかなように、発熱体に電力印
加した後一定時間経過後に印加電力を初期電力の1/4
に急降下させた本実施例では、発熱体の温度は、一定値
まで低下し、その後当該温度を維持した。即ち、PTC
の特性として、PTC特性による温度がシーリングポイ
ントに近づくに従って消費電力も低下していきシーリン
グポイントに達した後は消費電力が少ない値で安定する
が、かかる場合においても電力のロスが多く、従って、
その後に電力を急激に落とした場合においても、電力の
ロスが少なくなるのみであり、発熱体の温度は一定値以
下には下がらないことがわかった。
【0032】次に図4は、本発明の面暖房装置の実施例
の結線であり、図において1は、本実施例の面暖房装置
である。
【0033】また、同図4の2は発熱体であり、この発
熱体2は、予め銅線材等によりなる電極3を備えたコッ
トンの基材に、PTC特性を含有させた導電性の塗料を
塗布することにより成り、更に本実施例では、PTC特
性を含有させた塗料を塗布した後に、絶縁性のフィルム
で基材全体を被覆している。そしてこの発熱体2上の電
極3に、リード線6を介してAC100Vの電圧を印加
すると、電極間に電気が流れ、当該部分にジュール熱が
発生して発熱体の温度が上昇することになる。なお、本
発明の発熱体としては、上述したような、基材に導電性
の塗料を塗布したものには限られず、導電剤を含浸させ
た金属又は非金属の糸等を基材等に編み込む等して、線
状その他の形状の発熱部を設けた発熱体を用いてもよ
い。
【0034】次に同図4の5は、電極3に印加する電力
を降下させるための電力制御装置であり、この電力制御
装置5が作動することにより、電極3へ印加する電力が
降下する。
【0035】なお本実施例では、前記制御装置におい
て、AC100VをAC50Vに変換可能にしてある
が、本発明の面暖房装置における電力制御は、必ずしも
この方法には限られず、初期電力を降下可能であればい
ずれの方法を用いてもよく、例えば、制御装置におい
て、半波整流、サイリスタ制御を行うようにしてもよ
い。
【0036】ここで、この電力制御装置、同図4の5に
ついて説明すると、図5はこの電力制御装置、同図4の
5の内部構造を示すブロック図である。そして、同図に
おいて10は切替部であり、この切替部10において、
電極へ印加する電力をAC100VからAC50Vに切
り替えることによって、電圧値を1/2にし、電流値は
1/2に、従って電力値は1/4に降下する。
【0037】そして、本実施例における切替部10は、
AC100VをAC50Vに変換する制御部7と、電極
への印加電力をAC100VからAC50Vに切り替え
るための切替スイッチ9とにより構成される。
【0038】また、8はタイマーであり、このタイマー
8は、電力を急降下させるまでの時間を監視するための
ものであり、使用する際には、このタイマー8に、電源
投入後電力を降下させるまでの時間を予めセットしてお
く。なおタイマーとしては、電源投入後電力を急降下さ
せるまでの時間をセットし、監視可能なものであればい
ずれを用いてもよく、電気的タイマー、機械的タイマー
等が考えられる。
【0039】そして、前記切替スイッチ9は、電源投入
時はオンであり、予め設定した時間が経過した後にオフ
になるスイッチであり、この切替スイッチ9がオンにな
っている場合には、AC100Vが電極に印加される
が、一方、予め設定した時間が経過した後は、この切替
スイッチ9がオフになり、制御部7を介してAC50V
が電極に印加される。
【0040】このように構成される本実施例の面暖房装
置を使用する場合には、まず、タイマー8を操作して、
電源投入からAC100VのAC50Vへの変換を行う
までの時間をセットする。そしてその後、電源を投入し
てAC100Vを電極に印加する。なお、上記タイマー
においてセットする時間は、面発熱体の塗膜厚及び、電
極間の幅等により変わってくるが、本実施例では電源投
入時から5分乃至十数分前後経過後にAC50Vに変換
するようにタイマーをセットした。
【0041】その後、予めセットした時間が経過する
と、切替スイッチ9がオフになるとともに、制御部7を
介して、AC50Vが電極に印加される。
【0042】なお、本実施例では電極を発熱体の両端の
みに配置したが、本発明は必ずしもこの形態には限られ
ず、電極を2カ所以上に設けてもよい。
【0043】次に、図6を用いて本発明の面暖房方法の
実施例の作動を説明すると、予め、印加電力の降下を開
始するまでの時間をセットした後に電源を投入すると、
切替スイッチ(オンの状態)を介してAC100Vが電
極に印加される(ステップ1)とともに、タイマーにお
いて経過時間の確認(監視)がなされる(ステップ
2)。
【0044】そして、予め設定した時間に達すると、切
替スイッチがオフになり、切替スイッチを介して電極に
印加されていたAC100Vが断切される(ステップ
3)。
【0045】そして、AC100Vが断切されるととも
に、制御部を介して、AC50Vが電極に印加される
(ステップ4)。
【0046】これにより、発熱体の温度が下限値、即ち
快適温度(44度±4度)にまで下がってその値を維持
するため、初期電力の1/4以下の消費電力に極力低く
抑えて省エネを達成することができるとともに、発熱体
の温度を制御するためのセンサーを不要とすることが可
能となった。また、PTCの特性により、面発熱体の全
面に亘って、温度暴走を防止することが可能となった。
【0047】なお本実施例では、電力を降下させること
により、初期電力の75%の省エネを達成し、消費電力
を初期電力の約25%にすることが可能となり、更に、
PTC特性により総合効果として初期電力の約2.5%
の省エネを達成し、更に、本実施例の発熱塗料では、遠
赤外線効果により全スペクトルに亘り95%以上の高効
率の輻射熱を得ることができるため、この遠赤外線効果
により総合効果として初期電力の約2.5%の省エネを
達成することができ、従って、全体として初期電力の約
80%の省エネを達成し、消費電力を初期電力の約20
%にすることが可能となり、初期電力の約20%の消費
電力で快適温度を保つことが可能となった。
【0048】
【発明の効果】本発明は以上説明したような形態で実施
され、以下に記載するような効果を奏する。
【0049】本発明の面暖房装置では、従来の面暖房装
置と異なり、温度上昇に伴って電気抵抗が徐々に上昇
し、温度が一定値(「シーリングポイント」)に達する
と電気抵抗が急上昇する特性を有するPTC特性を有す
る発熱体を用いているために、PTC特性の分子クラス
の自己感温制御機能が発揮され、その結果、最高温度が
制限され、熱暴走による異常発熱、及び局部過熱のおそ
れが全くなくなった。
【0050】また、PTC機能と弾力性を有する発熱体
を用いているために、外力に対して耐性があり、発熱素
子として非常に安定性を有している。
【0051】更に、本発明では、電極への印加の後一定
時間経過後に印加電圧を急降下させるために、極限迄熱
ロスを抑えることができ、極端に消費電力を低く抑える
ことが可能となった。
【0052】更にまた、従来の市販の塗料が80%以下
の熱を得ることしかできないのが常識であるのに対し
て、本実施例で用いたこの発熱塗料は、遠赤外線効果に
より、全スペクトルに亘って95%以上の高効率の輻射
熱を得ることができる。そのため、電力の降下によって
約75%の省エネを達成して消費電力を初期電力の約2
0%にすることができ、また、PTC特性によって約
2.5%の省エネを達成することができるとともに、更
に、本実施例の発熱塗料の遠赤外線効果によって約2.
5%の省エネを達成でき、全体として約80%の省エネ
を達成し、初期電力の約20%の電力で快適温度を維持
することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面暖房方法の実施例である。
【図2】本発明の面暖房方法の実施例である。
【図3】本発明の面暖房方法の実施例である。
【図4】本発明の面暖房装置の実施例の結線図である。
【図5】本発明の電力制御装置の実施例の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】本発明の面暖房方法を説明するためのフローチ
ャートである。
【図7】従来の線状発熱体を用いた暖房装置を説明する
ための図である。
【図8】従来の面状発熱体を用いた暖房装置を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 面暖房装置 2 発熱体 3 電極 4 AC又はDC電源、本実施例ではAC100V 5 電力制御装置 6 リード線 7 制御部 8 タイマー 9 切替スイッチ 10 切替部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】面状発熱体に電力印加することにより前記
    面状発熱体の温度を上昇させて暖房する面暖房方法であ
    って、前記発熱体に印加した後、予め設定した時間の経
    過後に、前記発熱体への印加電力を任意の値まで降下さ
    せる面暖房方法。
  2. 【請求項2】前記任意の値は、初期電力の1/4以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載の面暖房方法。
  3. 【請求項3】温度依存正電気抵抗変化の特性(以下「P
    TC特性」と略す。)を有する発熱体を前記面状発熱体
    として用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の面暖房方法。
  4. 【請求項4】面状の発熱体(2)と、該発熱体(2)へ
    電力印加するための電極(3)を備えた面暖房装置にお
    いて、前記発熱体(2)への電力印加を開始した後予め
    設定した時間の経過後に、前記発熱体への印加電力を、
    予め設定した値まで降下させるための電力制御装置
    (5)を備えたことを特徴とする面暖房装置。
  5. 【請求項5】前記面状発熱体(2)がPTC特性を有す
    ることを特徴とする請求項4に記載の面暖房装置。
  6. 【請求項6】面状の発熱体と該発熱へ電力印加するため
    の電極を備えた面暖房装置に使用される電力制御装置で
    あって、面暖房装置の電源が投入された後一定時間経過
    するまでの時間を予め設定、監視するためのタイマー
    (8)と、該タイマー(8)で設定した時間の経過後に
    上記電極へ印加する電力を降下させるための切替部(1
    0)とにより構成される電力制御装置。
JP21716697A 1997-07-28 1997-07-28 極省エネ型面暖房方法及び面暖房装置、電力制御装置 Pending JPH1151408A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003042467A (ja) * 2001-07-25 2003-02-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気採暖具
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