【発明の詳細な説明】
メーソンリードリルビットおよび挿入方法技術分野
本発明はメーソンリードリルビット(masonry drill bit)
に関し、特に、柔らかい金属(ソフトメタル)でできたドリル本体と、該ドリル
本体の作用端部内に挿入された、硬化されたカーバイド製のメーソンリードリル
ビットインサートとを有するメーソンリードリルビットに関する。発明の背景
カーバイド製のチップが付けられたメーソンリードリルは良く知られている。
タングステンカーバイドまたは他の硬化された材料で製造されたビットは、金属
製シャンクの作用端部におけるスロット内に挿入され、ペーストまたは他の材料
を用いて適所に保持される。このペースト等は、カーバイドインサートがスロッ
ト内に鑞(ろう)づけされるときに、取って代わられる。しかしながら、このよ
うな従来の手法は非常に不正確な面を有している。カーバイドインサートがスロ
ット内で正確に方向づけされないし、鑞づけがきれいにできないからである。米
国特許第3,447,616号明細書によれば、ドリルの本体に対して横方向に延
びるスロット(ドリル本体の端部に設けられる)内に装架された着脱可能なブレ
ードを有するドリルが開示されている。ブレードは、その両面にそれぞれ一部を
有するハブを備えている。ハブは、上記スロットに形成された開口内に嵌合する
。このとき、ブレードはスロット内で正しく方向決めされる。
米国特許第4,314,616号明細書によれば、前方部分(リーディング部分
)に硬いインサートを有するダイキャスト製のメーソンリードリルが開示されて
いる。硬化されたインサートは、内部でドリル本体が鋳造されるべきダイの中に
置かれる。ドリル本体は、溶融金属によってインサートの周囲の適所に鋳造され
る。溶融金属は、インサートと、該インサート上に位置付けられた相互係止手段
とを実質的に取り囲む。インサートは、熱膨張率の差のもとに、ドリル本体の金
属の収縮によってスロット内の適所に保持される。発明の概要
本発明は、カーバイドインサートを有するメーソンリードリルビットのための
方法および装置に関する。本発明のドリルビットは、作用端部に横方向のスロッ
トを有する細長い円柱状の本体を備える。硬化されたカーバイドインサートは、
それぞれの側部から突出する突起を有しており、該突起は上記スロット内に圧入
され、カーバイドインサートを鑞づけのために適所に保持する。
より詳細に言えば、本発明は、少なくとも一つの排出用のスパイラル溝を有す
る円柱状のドリル本体を備えている。該スパイラル溝は、ドリル本体の軸方向長
さに沿い、該ドリル本体のシャンクへ向かって延びている。シャンクとは反対側
の、ドリル本体の頂部は、横方向のスロットを有している。該スロットは、硬化
されたドリルビットインサートを受ける。硬化されたインサートは、リーディン
グ(前方)カッティング部分を有している。リーディングカッティング部分は、
互いに反対向きの二つのカッティングエッジを備えている。インサートは、第1
および第2の平坦面を有している。該平坦面のそれぞれには、横方向のスロット
内でインサートを正しく方向づけ且つ保持するための手段が位置付けられている
。スロット内にインサートを保持するための手段は、それぞれの平坦面から外方
に突出する突起を含んでいる。突起の突出する距離は、該突起全体の長さを通し
て等しい。これらの突起は、鑞づけ材料が硬化インサートと横方向スロットとの
間に入って該インサートをスロット内に確実に付着させることを許容している。
本発明によれば、
メーソンリードリルビットであって、
一つの端部にて該先端部を横切るように横方向に延びているスロットと、反対
側の端部に形成されたシャンクと、を有する細長い円柱状のドリル本体にして、
前記横方向のスロットから前記シャンクへと向かって前記ドリル本体の外面に沿
って形成された少なくとも一つのスパイラル溝をさらに有するドリル本体と、
前記横方向のスロット内に鑞づけされるドリルビットインサートにして、
底面)と、
第1および第2の平坦面と、
前記第1および第2の平坦面に連なる第1および第2の側面と、
リーディングクラウンチップにして、そこから前記第1および第2の側面
へと向かって下方に延びる第1および第2の上面の起点となるリーディングクラ
ウンチップと、
前記第1および第2の上面の互いに反対側の側部に沿って形成された第1
および第2のカッティングエッジと、
を備えるドリルビットインサートと、
を含むメーソンリードリルにおいて、
前記ドリルビットインサートがさらに、前記第1および第2の平坦面のそれぞ
れから垂直に突出する少なくとも一つの突起を備えており、
該インサートと横方向のスロットとの間の間隙内に鑞づけ材料が充填されるよ
うになされている、メーソンリードリルビットが提供される。図面の簡単な説明
同様の部分には同様の参照符号を付して示している添付図面を参考にしながら
以下の説明を読むことにより、本発明をいっそう深く理解できるであろう。
図1は、本発明による組み立てられたドリルビットの正面図である。
図2は、本発明における硬化ドリルビットインサートの平坦面を示すための斜
示図であり、各平坦面には二つの突起が設けられている。
図2Aは、図2に示すドリルビットインサートの平面図である。
図3は、本発明における別の硬化ドリルビットインサートの平坦面を示すため
の斜示図であり、各平坦面には一つの突起が設けられている。
図4は、図3に示す硬化ドリルビットインサートの平面図である。
図5は、本発明における円柱状のドリル本体の斜示図である。
図6は、ドリル本体の横方向スロット内にドリルビットインサートが取り付け
られたところを示す平面図である。
図7は、軸方向に沿ってわずかに寸法変化をつけた硬化ドリルビットインサー
トの正面図である。
図8は、各平坦面の全高にわたって突起が延びている、図2に示したインサー
トの変形例を示す。望ましい実施例の詳細な説明
図1を参照すると、本発明によるメーソンリードリルビット10が示されてい
る。本発明によるメーソンリードリルビットは、円柱状のドリル本体11と、シ
ャ
ンク17と、硬化されたドリルビットインサート20とを備えている。ドリルビ
ットインサート20は、図5に示すようにドリル本体の作用端部に位置付けられ
た横方向のスロット26内に挿入されている。ドリル本体11は、標準的な規格
のスチール材料で作られており、一般的には、硬化されたカーバイドドリルビッ
トインサート20よりも柔らかい。ドリル本体11は、少なくとも一つの排出用
スパイラル溝15を有しており、このスパイラル溝15はドリル本体11の長さ
に沿ってシャンク17に向かって下方に延びている。スパイラル溝15は、作用
端部とは反対側にある、滑らかな表面を有するシャンク17の部分にまでは伸長
しておらず、シャンク17は適当なドリルの受け入れ端部内に挿入することがで
きる。軸方向に延びるドリル本体11には、図6に示すように、第2のスパイラ
ル溝18を設けてもよい。該第2のスパイラル溝18は、第1のスパイラル溝1
5の反対側にてドリル本体の作用端部から下方に延びている。ドリルビットイン
サート上に二つの個別のカッティングエッジが設けられる場合に、二つのスパイ
ラル溝が必要となろう。これらのスパイラル溝は、ドリル作業によって切削され
た材料の屑を排出させることができる。この屑は、硬化ドリルビットインサート
20によって被ドリル加工材料から切削され、カッティングエッジから離れるよ
うに相対的に移動する。それによって、切削屑はビットによるカッティング作業
の邪魔にならない。
円柱状のドリル本体11は、図5に示すように、その作用端部にて、横方向に
延びるスロット26を有している。スロット26は、ミリング加工により形成さ
れており、ドリルビットインサート20を挿入できるようになっている。横方向
スロット26は、ドリルビットインサート20がぴったり嵌まる幅を有している
。スロット26は、滑らかなチャネル側壁27および28を有しており、ドリル
ビットインサート20が容易にスロット26内に滑入できるようになっている。
軸方向に延びるドリル本体11とシャンク17とは、スチールのような中実材料
で構成されている。かかる材料は、硬化ドリルビットインサート20をスロット
26内に適当に挿入することができるほどに十分な可鍛性を有しているが、一方
で、該インサートとしっかりと係合するのに十分なほどの抵抗力も有している。
ドリルビットインサート20は、プレスを用いてスロット26内に押し込められ
る。
このときの力は、カーバイド製のインサートをスロット内に完全に挿入するのに
十分な大きさであり、図2Aに示したようなリブまたは突起21、22が横方向
スロット26の側壁28と係合し、同様にして突起23、24が側壁27に係合
する。突起21、22、23、24は硬化されたカーバイド材料で作られており
、インサートがスロット内に正しく挿入されたときには側壁27、28に傷を付
ける。このように側壁の面に傷を付けることにより、ドリルビットがスロット内
に確実にぴったりと嵌合し、続いての鑞づけにより完全な取り付けを正しく行う
ことができる。
横方向スロット26はベース部分26aを有しており、該ベース部分26aは
、側壁27、28に対して完全には垂直でない。ベース部分26aは、上述した
ように、ミリング加工によって形成されている。しかしながら、ベース部分26
aをドリル本体11内に形成する際、側壁27、28の底部エッジを越えてシャ
ンク17の方へ向かい下方に延びるわずかな湾入部分または曲がり部分を有する
ようにしてもよい。そうすると、ドリルビットインサート20をスロット26内
に押し入れたとき、先に述べた湾入部分または曲がり部分によって、インサート
20のすぐ下に小さなスペースが形成される。このスペース内には、ドリルビッ
トインサートは入り込んでいない。このスペースは、鑞づけ材料が第1の平坦面
29において突起21と22との間に流れ、第2の平坦面30において突起23
と24との間に流れることを可能にする。さらに、鑞づけ材料はドリルビットイ
ンサート20の下方にも流れるので、スロット26内のドリルビットインサート
は鑞づけ材料によって完全に取り囲まれ、該スロット26内に確実に取り付けら
れる。
ドリルビットインサート20は、摩耗に対して抵抗性のある、硬化された材料
で作られる。インサートを形成するのに用いられる望ましい材料はタングステン
カーバイドである。この材料は、硬く、摩耗抵抗性があり、鑞づけにも適してい
る点で望ましい。
図2および図3に示した硬化ドリルビットインサート20は、互いに平行な第
1および第2の平坦面29、30と、第1および第2の側面33、34と、クラ
ウンチップ25と、該クラウンチップ25から両側へと下方に延びるカッティン
グエッジ32、31とを有している。第1および第2の上面13、14が、クラ
ウンチップ25から第1および第2の側面34、33へと延びている。第1およ
び第2の上面13、14は、前方カッティングエッジと後方トレーリングエッジ
とを有している。カッティングエッジは、図示状態においてビットが時計方向に
回転するときに、インサートのリーディングエッジとなる。第1の上面13上に
おいて、前方カッティングエッジ32は、第1の上面13と平坦面30とによっ
て画成されるエッジに沿って形成される。第1の上面13と平坦面29とによっ
て画成されるエッジは、第1の上面13の後方エッジを形成する。第2の上面1
4においては、第2の上面14と平坦面29とによって画成されるエッジに沿っ
て、前方カッティングエッジが形成される。第2の上面14に沿って形成される
反対側のエッジは、第2の上面14における後方エッジとなる。
図3および図8に示すように、ドリルビットインサート20の底面12は、わ
ずかに傾斜をつけられたエッジを有するようにしてもよい。エッジに傾斜をつけ
ることにより、ドリルビットインサート20をスロット26内に挿入しやすくな
っている。横方向スロット26が、図5に示すような曲がりを有していないベー
ス部分26aを備えている場合、ドリルビットの底面12を傾斜させるとよい。
もしスロットのベース部分26aが側壁27、28に垂直であったとしたら、底
面12に傾斜を設けることにより、突起(リブ)を二つ設けたときの該突起(リ
ブ)間に鑞づけ材料が流れ込みやすくなり、エアポケットができるのを防ぐ。そ
れによって、突起(リブ)の全長にわたって鑞づけ材料が中実な状態で満たされ
る。図5に示すように曲がったベース部分26aが利用される場合には、底面1
2に傾斜を設ける必要はない。
カッティングエッジ31、32は、クラウンチップ25から、ビットのリーデ
ィング回転エッジに沿って、互いに反対の方向へ、第1および第2の側面34、
33に向かって下方に延びている。第2の平坦面30および第1の平坦面29を
側面33、34に対して垂直でないようにし、半径方向のレリーフ(浮き彫り)
を形成し(望ましくは約5度)、それによって、第1の上面13がカッティング
エッジ32から平坦面30に向かってわずかに後方に傾斜するようにして、カッ
ティングエッジ31、32を形成することができる。上述したようにカッティン
グエッ
ジに半径方向のレリーフを与えることにより、ドリルビットは、ドリル加工され
るメーソンリー材料に切り込みやすくなる。側面33、34もまた、わずかな軸
方向のレリーフ(約1度)を有するようにしてもよく、それによって、エッジ3
2、31のカッティング作用を増進させ、穴をあけようとするときに側面のエッ
ジが引っ掛かるのを防ぐことができる。
図示されたメーソンリードリルビットは、シャンク端部の方から見て時計方向
に回転するドリルビットとしてデザインされている。突起(リブ)は、リーディ
ングカッティングエッジのある側とは反対側のトレーリング面に形成されている
。図2から理解できるように、ドリルビットが時計方向に回転する態様のもので
ある場合において、リーディングカッティングエッジ32の下方に当たる、平坦
面30の半面には、突起(リブ)は形成されていない。しかしながら、カッティ
ングエッジ31のトレーリング側となる、平坦面30の反対側の半面には、突起
(リブ)が形成されている。かかるデザインは、平坦面29においても同様であ
る。すなわち、図2に示すように、突起23、24は、上面13の下方には形成
されているが、上面14の下方には形成されていない。
硬化ドリルビットインサートの前側および後側の平坦面29、30のそれぞれ
において、図2Aに示すように、上述のごとくトレーリング側の半面にて該半面
から外方に突出する突起21、22および23、24が設けられている。平坦面
29、30から外方に突出している、図2Aにおける突起21、22、23、2
4と、図3および図4における突起41、42とは、ドリルビットインサートを
鑞づけのためにスロット26内の適所に配向し且つ保持するのに十分な突出高さ
を有している。突起のそれぞれが、ドリルビットをスロット26内に挿入可能と
し且つドリルビット20に対して引き続き適当な鑞づけが行われるよう配向可能
とするものである限り、一つまたはそれ以上の突起を各平坦面に設けることがで
きる。軸方向に延びるドリル本体11内の適所に保持されるべく、ドリルビット
インサート20正しく且つ確実にしっかりと鑞づけされなければならない。突起
41、42は、スロット26内でインサート20を配向決めし、また、ドリルビ
ット20の回りに十分に鑞づけ材料がゆきわたるようにすることにより、該イン
サート20がスロット26内にしっかりと確実に取り付けられるようにする。望
ま
しくは、突起41、42は、それぞれの平坦面から約0.203mm(0.00
8インチ)の高さだけ突出し、それによって、スロット側壁27、28とドリル
ビット20との間に約0.076mm(0.003インチ)の隙間が与えられて
いる。突起21、22、23、24は、ビットの中心軸の回りをカッティングエ
ッジ31、32が時計方向に回転するときにそのカッティング作用を邪魔しない
ような位置に位置決めされる。
図3に示すように、それぞれ一つの突起41および42が、平坦面29、30
のそれぞれにおいて、カッティングエッジがある側とは反対側の半面に位置付け
られるようにすることができる。このようにして、本発明のドリルビットには、
各平坦面に少なくとも一つの突起が形成される。突起は、プレス工程において、
インサートに一体化された一部として各平坦面29、30上に形成されるように
してもよい。ドリルビットの突起の長さは、大ざっぱに言って、ドリルビットの
底面12とそれぞれの上面におけるカッティングエッジとの間に広がる平坦面2
9、30の垂直高さの1/2である。このように突起が短くされていることによ
り、鑞づけ材料が突起の間および突起の周囲に容易に流れ、スロット26のベー
ス部分26aに至ることができる。スロットのベース部分26aは、いくらか角
度をつけられ、または曲線をつけられているので、鑞づけ材料は、図2に示す二
つの突起の間のスペースを通って流れ、その領域内にエアポケットができるのを
防ぐことができる。もし、図8におけるように、横方向スロット26内にドリル
ビットインサート20をより確実にしっかりと保持させるべく、より長い突起を
用いる場合には、突起間のスペースや突起の周囲における鑞づけ材料の流動性が
十分なものとなるように、鑞づけ材料として、より濃度が薄いものを使用しても
よい。
突起の幅は、望ましくは、6.35mm(1/4インチ)のドリルビットに対
して約0.762mm(0.03インチ)、12.7mm(1/2インチ)のド
リルビットに対して約1.524mm(0.06インチ)とされ、それによって
、横方向スロットの側壁27、28(図5)に対する十分な接触面が与えられ、
ドリルビットはスロット内に取り付けられる。ドリルビットインサートがスロッ
ト26内に挿入されるとき、突起は側壁27、28をわずかに変形させ、その箇
所
にくぼみを形成する。しかしながら、この変形はわずかなものであり、インサー
ト20は適当に固定されるべく、スロット内で鑞づけされなければならないこと
に変わりはない。
突起の幅および外方への突出高さは、鑞づけ材料(望ましくは銅と銀との合金
)がスロット26内に流動してドリルビット20を取り囲み、該ドリルビットを
軸方向ドリル本体11の作用端部内に効果的に鑞づけするのに十分なものとしな
ければならない。望ましくは、鑞づけ材料が開口内を流動できるように0.07
6mm(0.003インチ)の隙間を設け、それによって、適当な鑞づけ領域を
確保し、収縮による孔の発生を最少にする。インサート20とスロット壁27、
28との間に設けられる隙間と、突起21、24の実際の外方への突出高さとの
差(0.076mm(0.003インチ)と0.203mm(0.008インチ
)との差)は、インサートをスロット内に挿入したときの、前述した側壁のわず
かな変形を考慮したものである。鑞づけ材料は、インサート20とスロット壁2
7、28との間の隙間内およびスロット内に挿入されたカーバイド製インサート
の下方の隙間内の全体に充填され、望ましくはその厚さは、最大で0.203m
m(0.008インチ)、最小で0.076mm(0.003インチ)とされる
。
実際には、突起21、22、23、24を有する、本発明による硬化ドリルビ
ットインサート20は、軸方向ドリル本体11の作用端部に位置付けられたチャ
ネル状のスロット26内に強制的に挿入される。突起は、スロットの側壁27、
28を横方向にわずかに変形させ、それによって、張力でインサートを適所に保
持する。ドリルビットインサートは、いったん適所に保持されると、銅の合金で
ある鑞づけ材料を用いてスロット内に鑞づけされる。この鑞づけ材料は、十分な
品質と流動性を有し、ドリルビットインサートの周囲および下方に流れて該イン
サートをスロット内に固定する。鑞づけ材料は、メーソンリードリルビットを繰
り返し使用してもクラック(割れ)や摩滅が生じないよう十分に堅いものとする
必要がある。クラックや摩滅が生じると、ドリルビットインサート20がスロッ
ト26から抜けてしまうおそれがあるからである。鑞づけにより形成された接合
部には、充填物がある厚さになって存在する。望ましくは、本発明における鑞づ
けのための接合部の厚さは、0.254mm(0.01インチ)以下に維持され
る。
したがって、鑞づけ材料の流動は良好であり、収縮による孔の発生も抑制される
。
望ましくは、本発明における硬化ドリルビットインサート20は、各平坦面に
ひとつまたはそれ以上の突起(リブ)を有しており、合計して少なくとも二つ以
上の突起(リブ)を備えていることになる。図2に示すように、各平坦面に少な
くとも二つの突起(リブ)を用いることにより、カーバイド製インサートをスロ
ット26内に挿入したとき、該インサートはスロット26内で適正に配向された
状態を維持し、スロット内でねじれたりすることはない。インサートを軸方向ド
リル本体の横方向スロット内に適正に配向させることにより、該インサートは適
所で正しく鑞づけされ、それにより、鑞づけは完全な補強となり、収縮による孔
の発生は最少とされ、適当な接合部厚さが得られ、鑞づけの全体的強度が向上す
る。ドリルビットインサート20を適正に配向することにより、カッティングエ
ッジ31、32のカッティング性能も向上する。
これまでの詳細な説明は、主として理解を明確にするために行われ、不要な限
定をもたらすものではない。本発明の精神または請求の範囲の内容を離れること
なく、当業者をこれまでの説明から多くの変形例を理解することができるであろ
う。
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