JPH11512509A - スラスト転がり軸受 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 スラスト転がり軸受の二つのレースワッシャ（３及び４）は、環状隙間（７）が形成されるように互いに向かって差し向けられた二つのカラー（５、６）を周縁部に有する。ケージ（２）のリム（８）は、この環状隙間（７）を案内される。

Description

【発明の詳細な説明】 スラスト転がり軸受 発明の分野 本発明は、転がり要素がポケット内に配置されたケージを有し、このケージが 、特定的には薄板金製の、平行に面した二つの薄壁レースワッシャ間に配置され 、少なくとも一方のレースワッシャが、一方の周縁部で軸線方向に差し向けられ たカラーを一体に形成している、スラスト転がり軸受に関する。 発明の背景 上文中に言及した種類のスラスト転がり軸受は、米国特許第２，８９１，８２ ８号で周知である。この軸受には、作動中にケージがレースワッシャと接触する ことがあるという欠点がある。これは、特に、このようなスラスト転がり軸受を 自動車のトランスミッションのコンバータで使用した場合に起こる。特定の作動 段階において、いわゆるシャフト配置ワッシャが転がり要素から軸線方向に持ち 上げられて離れ、その結果、ケージ内を案内される転がり要素のクラウンリング に負荷が加わらず、半径方向内方に落下してシャフト又はシャフト配置ワッシャ のカラーのいずれかと接触するのである。このような場合にいわゆるハウジング 配置ワッシャがハウジングの中心にない場合には、それもまた半径方向内方に落 下し、ケージ上で支持されるようになる。 シャフト配置ワッシャが新たに転がり要素と接触するとき、ケージがクランプ イン（clamped-in）即ち締め付けられ、これは、一方では故障につながり、他方 では望ましからぬ大きな騒音の発生をもたらす。 これらの欠点は、特に、スラストケージの軸受性能を高める目的で、最大可能 な数の転がり要素をケージに装着できるようにする構造的形態をケージに与えよ うとする場合には必ず起こる。ケージに装着した多数の転がり要素のため、ケー ジの最内領域の横断バーの材料は断面が非常に小さく、即ちケージは壊れ易い構 造を有する。このような壊れ易いケージは、スラスト転がり軸受内で力がこのケ ージを通して伝達される場合に、壊れる危険が非常に高いということは極めて明 白である。 発明の概要 本発明の目的は、上述の欠点をなくすこと、及びケージのクランピングイン（ clamping-in）及び最終的な破壊をなくすようにケージを簡単な方法で形成する ことである。 本発明は、一方の周端部に配置されており且つ互いに向かって差し向けられた 、レースワッシャのカラーが、ケージのリムが案内される連続した環状隙間を形 成するように、互いに組み合わせることによってこの目的を達成する。 この方法によって、スラスト軸受の回転時にケージがレースワッシャ間で自由 に回転でき、一方のワッシャが持ち上げられて離されるとき又は近付くときに軸 受内で発生する力が、ケージ全体を通して伝達されることがなく、ケージのリム とレースワッシャの二つの軸線方向に差し向けられたカラーとの間のみを通して 伝達される。これは、摩耗を減少するばかりでなく、フィリグラン（filigree） ケージを持つベースの作動寿命期間を大幅に延ばす。 請求項２による本発明の変形例では、レースワッシャ及びケージが、積極的相 互係合によって組み立て済ユニットを形成する。このように構成要素を予め組み 立てておくことにより、取り付けが大幅に簡単になる。請求項３に記載の本発明 の他の変形例によれば、ケージのリム及び／又はレースワッシャの軸線方向に差 し向けられたカラーには、抗摩擦コーティングが施してある。これにより、スラ スト転がり軸受内の摩擦を更に減少する。 独立請求項４によれば、本発明の目的は、転がり要素がカラー上で半径方向に 支持されるように、ポケット及び軸線方向に差し向けられたカラーの半径方向寸 法を互いに適合させることによっても達成できる。この場合も、軸受内で発生し た力は、ケージ全体を通して伝わるのでなく、転がり要素及びレースワッシャの 軸線方向差し向けられたカラーを通して伝達される。 本発明を添付図面を参照して以下の詳細に説明する。 図面の簡単な説明 第１図、第２図、及び第５図は、軸線方向に差し向けられた二つのカラー間で ケージのリムを案内する、スラスト転がり軸受の長さ方向断面図である。 第３図及び第４図は、軸線方向に差し向けられたカラーによって転がり要素を 案内する、スラスト転がり軸受の長さ方向断面図である。 図面の詳細な説明 第１図及び第２図に示すスラスト転がり軸受は、転がり要素１を含むケージ２ を有し、このケージ２は、平行に面した二つの薄壁レースワッシャ３と４との間 に配置されている。これらのワッシャは、特定的には薄板金製である。第２図の 三つの構成要素２、３、及び４は、積極的相互係合により、組み立て済ユニット を形成する。レースワッシャ３は、軸線方向に差し向けられたカラー５をその外 周縁に有し、レースワッシャ４は、同様に、カラー６をその外周縁に有する。カ ラー５及び６は、連続した環状隙間７を形成するように互いに半径方向の位置を 合わせられる。この隙間では、ケージ２のリム８が二つのカラー５及び６の間で 案内される。 右側のワッシャ３がハウジングにしっかりと固定されているものとすると、シ ャフト（図示せず）が持ち上げられてワッシャ４から離れたとき、ワッシャ４は 、先ず最初に、ケージ２の軸線方向に差し向けられたリム８の上に落ち、次いで 、ケージ２のリム８がレースワッシャ３の軸線方向に差し向けられたカラー５上 で支持されるようになる。本発明のスラスト転がり軸受はこのような形体を備え ているため、シャフトがワッシャ４に再着座することにより軸受に生じる力は、 レースワッシャ４のカラー６とケージ２のリム８とレースワッシャ３のカラー５ との間だけで伝達される。有利なことには、このようなスラスト転がり軸受は、 整合状態を問題とせずに取り付けることができ、即ちレースワッシャ３及びレー スワッシャ４の両方の中心決めを行うことができる。 第３図に示すスラスト転がり軸受のレースワッシャ３は、同様に、その外周端 にカラー５を有し、レースワッシャ４は、反対方向に配向されたカラー６をその 内周端に有する。ポケット９の半径方向寸法は、レースワッシャ３のカラー５の 内縁部と軸受の中心との間の距離よりも所定量だけ大きい。これによって、スラ スト転がり軸受の回転中、転がり要素１はポケット９の外境界によって支持され るのではなく、レースワッシャ３のカラー５によって支持される。 同じことが第４図に示すスラスト転がり軸受にも適用される。第３図の軸受と の唯一の相違点は、シャフト（図示せず）が転がり要素１と直接的に転がり接触 しており、即ちレースワッシャ４が省略してあるということである。転がり要素 １の半径方向案内は、この場合も、ポケット９の境界によって行われるのでなく 、カラー５によって行われる。 第５図のスラスト転がり軸受は、軸線方向に開放したＵ字形形態を持つ二重曲 げリム８を備えたケージ２を有する。この二重曲げリム８は、ケージ２に高度の 安定性を提供する。 参照番号リスト １ 転がり要素 ２ ケージ ３ レースワッシャ ４ レースワッシャ ５ カラー ６ カラー ７ 環状隙間 ８ リム ９ ポケット

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年１０月１１日 【補正内容】 明細書 スラスト転がり軸受 発明の分野 本発明は、円筒形ローラー又はニードルがポケット内に配置されたケージを有 し、このケージが、特定的には薄板金製の、平行に面した二つの薄壁レースワッ シャ間に配置され、少なくとも一方のレースワッシャが、一方の周縁部で軸線方 向に差し向けられたカラーを一体に形成している、スラスト転がり軸受に関する 。 発明の背景 上文中に言及した種類のスラスト転がり軸受は、米国特許第２，８９１，８２ ８号で周知である。この軸受には、作動中にケージがレースワッシャと接触する ことがあるという欠点がある。これは、特に、このようなスラスト転がり軸受を 自動車のトランスミッションのコンバータで使用した場合に起こる。特定の作動 段階において、いわゆるシャフト配置ワッシャが転がり要素から軸線方向に持ち 上げられて離れ、その結果、ケージ内を案内される転がり要素のクラウンリング に負荷が加わらず、半径方向内方に落下してシャフト又はシャフト配置ワッシャ のカラーのいずれかと接触するのである。このような場合にいわゆるハウジング 配置ワッシャがハウジングの中心にない場合には、それもまた半径方向内方に落 下し、ケージ上で支持されるようになる。 請求項２による本発明の変形例では、レースワッシャ及びケージが、積極的相 互係合によって組み立て済ユニットを形成する。このように構成要素を予め組み 立てておくことにより、取り付けが大幅に簡単になる。請求項３に記載の本発明 の他の変形例によれば、ケージのリム及び／又はレースワッシャの軸線方向に差 し向けられたカラーには、抗摩擦コーティングが施してある。これにより、スラ スト転がり軸受内の摩擦を更に減少する。 本発明を添付図面を参照して以下の詳細に説明する。 図面の簡単な説明 第１図、第２図、及び第３図は、軸線方向に差し向けられた二つのカラー間で ケージのリムを案内する、スラスト転がり軸受の長さ方向断面図である。 図面の詳細な説明 第１図及び第２図に示すスラスト転がり軸受は、転がり要素１を含むケージ２ を有し、このケージ２は、平行に面した二つの薄壁レースワッシャ３と４との間 に配置されている。これらのワッシャは、特定的には薄板金製である。第２図の 三つの構成要素２、３、及び４は、積極的相互係合により、組み立て済ユニット を形成する。レースワッシャ３は、軸線方向に差し向けられたカラー５をその外 周縁に有し、レースワッシャ４は、同様に、カラー６をその外周縁に有する。カ ラー５及び６は、連続した環状隙間７を形成するように互いに半径方向の位置を 合わせられる。この隙間では、ケージ２のリム８が二つのカラー５及び６の間で 案内される。 右側のワッシャ３がハウジングにしっかりと固定されているものとすると、シ ャフト（図示せず）が持ち上げられてワッシャ４から離れたとき、ワッシャ４は 、先ず最初に、ケージ２の軸線方向に差し向けられたリム８の上に落ち、次いで 、ケージ２のリム８がレースワッシャ３の軸線方向に差し向けられたカラー５上 で支持されるようになる。本発明のスラスト転がり軸受はこのような形体を備え ているため、シャフトがワッシャ４に再着座することにより軸受に生じる力は、 レースワッシャ４のカラー６とケージ２のリム８とレースワッシャ３のカラー５ との間だけで伝達される。有利なことには、このようなスラスト転がり軸受は、 整 合状態を問題とせずに取り付けることができ、即ちレースワッシャ３及びレース ワッシャ４の両方の中心決めを行うことができる。 第３図のスラスト転がり軸受は、軸線方向に開放したＵ字形形態を持つ二重曲 げリム８を備えたケージ２を有する。この二重曲げリム８は、ケージ２に高度の 安定性を提供する。 請求の範囲 １．円筒形ローラー又はニードル（１）がポケット（９）内に配置されたケージ （２）を有し、このケージ（２）が、特定的には薄板金製の、平行に面した二つ の薄壁レースワッシャ（３、４）間に配置され、これらのレースワッシャ（３、 ４）の各々が、一方の周縁部で軸線方向に差し向けられたカラー（５、６）を一 体に形成している、スラスト転がり軸受において、前記レースワッシャ（３、４ ）の前記カラー（５、６）は、一方の周端部に配置されており且つ互いに向かっ て差し向けられており、前記ケージ（２）のリム（８）が案内される連続した環 状隙間（７）を形成するように互いに位置を合わされている、ことを特徴とする スラスト転がり軸受。（第１図、第２図、及び第３図参照） ２．前記レースワッシャ（３、４）及び前記ケージ（２）は、積極的相互係合に より組み立て済ユニットを形成する、請求項１に記載のスラスト転がり軸受。（ 第２図参照） ３．前記ケージ（２）の前記リム（８）及び／又は前記レースワッシャ（３、４ ）の軸線方向に差し向けられたカラー（５、６）には、抗摩擦コーティングが施 してある、請求項１に記載のスラスト転がり軸受。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．転がり要素（１）がポケット（９）内に配置されたケージ（２）を有し、こ のケージ（２）が、特定的には薄板金製の、平行に面した二つの薄壁レースワッ シャ（３、４）間に配置され、少なくとも一方のレースワッシャ（３）が、一方 の周縁部で軸線方向に差し向けられたカラー（５）を一体に形成している、スラ スト転がり軸受において、前記レースワッシャ（３、４）のカラー（５、６）は 、一方の周端部に配置されており且つ互いに向かって差し向けられており、前記 ケージ（２）のリム（８）が案内される連続した環状隙間（７）を形成するよう に互いに位置を合わされている、ことを特徴とするスラスト転がり軸受。（第１ 図、第２図、及び第５図参照） ２．前記レースワッシャ（３、４）及び前記ケージ（２）は、積極的相互係合に より組み立て済ユニットを形成する、請求項１に記載のスラスト転がり軸受。（ 第２図参照） ３．前記ケージ（２）の前記リム（８）及び／又は前記レースワッシャ（３、４ ）の軸線方向に差し向けられたカラー（５、６）には、抗摩擦コーティングが施 してある、請求項１に記載のスラスト転がり軸受。 ４．転がり要素（１）がポケット（９）内に配置されたケージ（２）を有し、こ のケージ（２）が、特定的には薄板金製の、平行に面した二つの薄壁レースワッ シャ（３、４）間に配置され、少なくとも一方のレースワッシャ（３）が、一方 の周縁部で軸線方向に差し向けられたカラー（５）を一体に形成している、スラ スト転がり軸受において、前記ポケット（９）及び前記軸線方向に差し向けられ たカラー（５）の半径方向寸法が、前記転がり要素（１）が前記カラー（５）上 で半径方向に支持されるように、相対的に決められている、ことを特徴とするス ラスト転がり軸受。（第３図及び第４図参照）