JPH11512003A - エノッサル性単歯インプラント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 主として円筒形で、顎骨内に形成された穿孔内に嵌合可能で、冠状側の方に開いた盲孔を有する基盤と、基盤の冠状側頭部に設置可能なスペーサと、基盤の盲孔に嵌合可能で、基盤と連結でき、スペーサの内腔を貫通するインプラント支柱と、基盤および義歯用固定ヘッドのスペーサをしっかりとねじ込んで固定するための連結装置とを有し、固定ヘッドがスペーサの中空の冠状側によって形成され、インプラント支柱の冠状側が頚状側で端部下方に配置され、スペーサの長手方向の軸線に対して垂直に延びるネジタップが備えられた挿入ナットが端部に配置され、端部の周壁内にあらかじめ備えられた開口部を貫通するロックネジを義歯の固定のために前記挿入ナット内にねじ込むことができることを特徴とする義歯固着用骨内単歯インプラント。

Description

【発明の詳細な説明】 エノッサル性単歯インプラント 本発明は、固着する義歯用のエノッサル性単歯インプラントに関し、本質的に 円筒形で、顎骨内に形成された穿孔内に嵌合可能で、冠状側の方に開いた盲孔を 有する基盤、基盤の冠状側頭部周縁に取付可能なスペーサ、基盤の盲孔に嵌合で き、基盤と連結可能で、スペーサの内腔を貫通するインプラント支柱、および基 盤と義歯用固定ヘッドにスペーサを確実にねじ込んで固定する装置に関する。 ドイツ国DE-PS 40 28 855号に関するさらなる研究成果は、(事前公開されてい ない)ドイツ特許出願第195 09 762 9-32号に記述されているが、この研究成果で は、基盤に関連してスペーサのロックネジとして使われているインプラント支柱 は、義歯が固着するように、スペーサの冠状側に堅固な固定ヘッドも有している 。この場合、この義歯は、例えば、固定ヘッドで結合されるか、あるいはセメン トで固められる。 ドイツ特許出願第195 09 762 9-32号の様々な種類の単歯インプラントは、以 下の理由から修正が必要となっている。すなわち、冠状側にあるインプラント支 柱は、スペーサの内腔の内側にある冠状側頭部周縁が空間になっており、スペー サそれ自体が冠状側端部に義歯用の固定ヘッドを形成しているため、同じく接着 剤またはセメントで義歯に固着することができるが、この適用例にお いては、義歯の骨組みと固定ヘッドの間にあるねじでの結合は、特に義歯の支え となる骨組みをスペーサの縦の中間軸に垂直に延びているロックネジによって固 定する必要があるという欠点がある。 こうした欠点は、スペーサの周壁が薄く、余分なスペーサの壁の形成がなけれ ば、前述した方式によるロックネジによる義歯の固定に必要な力を発生させるこ とはできない、ということが原因である。 本発明の課題は、スペーサの壁の変形なしに、義歯と固定ヘッドの間にあるネ ジでの結合が可能となるように、さまざまな種類の単歯インプラントをさらに研 究開発することである。 固定ヘッドはスペーサの冠状側の高い領域を介して形成され、インプラント支 柱の冠状側の端は端部の下にある歯頚部に配置され、しかもスペーサの縦の中心 軸に垂直に延びたネジ立てを備えた挿入ナットが端部に配置されており、そこで 端部の周壁にあらかじめ設けてある開口部を介してロックネジが義歯の固定のた めにネジ留めを可能にすることにより、本発明の課題は解決され、発明に相応し いものとなっている。 この場合、端部にあるスペーサの周壁は冠状側の方向に円錐台のように十分に 発達することを、あらかじめ考慮されていてよい。 本発明は、場合によっては、インプラントの内腔にあるインプラント支柱は、 スペーサの締付形成スタッドに よって確実にネジ止めで留めることができるだけでなく、さらに基盤にある補足 的な型締付装置によって固定することができる。 本発明の第一実施例は、スペーサの周壁の冠状側頭部周縁に装着されている嵌 入ウエブで分割されて形成されている挿入ナットである。 第二の実施例では、スペーサの冠状側頭部周縁に互いに向かい合った凹部が設 置され、その中に挿入ナットで分割形成された嵌入ウエブが挿入されている。嵌 入ウエブが陥凹部の中であそびがなければ、スペーサに関連する挿入ナットは非 常に正確な位置の設定が可能となる。 この場合、正確な中心軸がスペーサの周壁の中に設置されている開口部の対称 軸線に対して垂直方向に、凹部を配置するよう設計することができる。 そうするためには、挿入ナットの嵌入ウエブもまた、ネジタップの対称軸線に 対して垂直に配置しなければならない。 挿入ナットは、嵌入ウエブと向かい合わせになった挿入ナットの端部に、挿入 ナットとスペーサとの間の摩擦の可能性のため、少なくとも挿入ナットの嵌合時 に、適切な範囲でスペーサの内腔の内径より少し大きくなった外径を最低限の範 囲で持っている。ここでも挿入ナットは、スペーサに関して正確に位置の設定が 可能となる。 この場合、挿入ナットには、嵌入ウエブの両側で向かい合わせに配置された突 出部が嵌入ウエブと向かい合わ せになった端に備えられ、前記突出部の外郭がこれより大きい範囲の外径を有す るように設計することができる。 本発明では、スペーサの長手方向の軸線に対して水平に延びる留めネジを受容 する挿入ナットがスペーサ内に挿入されるため、スペーサの周壁が圧縮力を受け る必要がなくなって、義歯と固定ヘッドとして形成されたスペーサの冠状側とを 完全にネジ連結することを保証するという驚くべき知見に基づいている。 本発明の詳細な特徴および長所は、概略図にて実施例が説明されている後述の 記載から明らかとなる。 概略図の内容は以下の通りである。 図1 一部長手方向の軸線で切断した本発明による骨内単歯インプラントの第 一実施例のスペーサ。 図2 図1記載のスペーサの平面図。 図3 一部長手方向の軸線で切断した第二実施例のスペーサの側面図。 図4 図3記載のスペーサの平面図。 図5 本発明によるエノッサル性単歯インプラントの第三実施例のスペーサ。 図6 図5の単歯インプラント用挿入ナットの斜視図。 図7 図1，3および5の断面に対して垂直面から見た本発明による単歯インプラ ントの冠状側の詳細な縦断面図。 図1,3および図5に示したスペーサ14が、同図下部に示されるように、頚状端部 にスピゴット18に連結する数個の締付形成スタッド16を備え、その反対側にスペ ーサの 頚状端部の冠状方向へスペーサ14の連結範囲が、ショルダ20を介して取り外れる 。スペーサ14は、ドイツ特許出願第195 09 762.9-32号(事前公開されず)に記載 の方法により、基盤(図示せず)に嵌合可能で、前記基盤は患者の顎内に嵌合され 、その冠状側に締付形成スタッド16と対応する締付形成装置16が備えられている ため、スペーサ14はしっかりとネジ込まれて、基盤と連結することができる。ス ペーサ14は留めネジとして形成され、基盤の内腔にねじ込み可能なインプラント 支柱によって締付形成スタッド16とこれに対応する基盤の型締付装置とが噛み合 った状態で、前記型締付装置にしっかりとねじ込まれて強く連結される。 さらに、図1,3および5に示したように、スペーサ14は、頚状側および冠状側で 開いたスペーサ14の内腔の直径が図示されていないインプラント支柱の直径と一 致する固定部24に冠状側で連結する形で端部24を有し、前記端部では内腔26(図1 および5)の直径が固定部22の範囲の内腔より大きい直径を有する。図面(図1およ び5)下部に位置する固定部24の末端近くでは、内腔26の内側にインプラント支柱 の前記止めヘッドが位置するため、内腔26は冠状側でインプラント支柱のシール ネジのヘッドに連結するかたちで中空になっている。 また、図1,3および5が示すように、スペーサ14の端部24の外側には、事前公開 されていない前記ドイツ特許出願第195 09 672.9-32号にその機能および用途が 詳述さ れているような装着ショルダ28が備えられているが、その詳細な説明は前記特許 出願を参照のこととする。 端部24は、スペーサ14の周壁30が冠状側で先細となる円錐台形である。 図1に示すように、スペーサ14の端部24の冠状側頭部周縁近くでは、スペーサ1 4の長手方向の軸線に対して垂直に延びるネジタップ36まで充実となるよう形成 されている挿入ナット34が、周壁30の冠状側頭部周縁に載せられた嵌入ウエブ32 によって前記スペーサの内腔26に挿入されている。開口部42のあるネジタップ36 がロックネジ38のねじ込み前に調整された後、ネジ頭40を有し、周壁30内にあら かじめ備えられた開口部42を貫通するロックネジ38がネジタップ36にねじ込まれ ている。ロックネジとスペーサ14との相対位置は図2に特に明示した。 図3および4に示すように、スペーサ14の冠状側頭部周縁には共通の中心軸48で 向かい合い、図3に示されていない嵌入ウエブを嵌合することができる凹部44、4 6があらかじめ備えられていれば、調整は容易になる。嵌入ウエブは基本的に凹 部44、46の寸法を対応させることにより、遊びを持たずに定着しうる。凹部44、 46の下方では、スペーサ14の周壁内30に器具の装着または義歯ないしその架台の 調整に利用される平坦部50,52が形成されている。また前記平坦部50,52は、歯冠 装着時にはゲル化したセメントの形成するため利用される。 図5に示したエノッサル性単歯インプラントは、嵌入 ウエブ32の方に向けられた端で挿入ナット34と継ぎ合うよう形成された2つの突 出部62,68を備えた挿入ナット34を有し、前記突出部の外郭の寸法は、挿入ナッ ト34の外径がスペーサ14の内腔26の対応範囲における内径より少し大きく設定さ れている。このため、内腔26の内壁への突出部62、68の取付部では、こうした突 出部によって摩擦の起きている挿入ナット34へ働く力が、突出部62、68によって 周壁30方向へ加わる。この場合、突出部62および68は、突出部62,68と嵌入ウエ ブ32との間に形成されているスペーサ64および66に回避することが可能である。 これにより、挿入ナット34は、開口部42のあるネジタップ36がロックネジ38に合 わせて調整されるよう内腔26に設置されることが可能となる。こうして、ロック ネジ38をねじ込む際、挿入ナット34がずれる恐れはなくなる。 図6は、このような挿入ナット34の斜視図である。挿入ナット34と継ぎ合うよ う形成された嵌入ウエブ32の両側には、弓形突出部があらかじめ備えられている が、ここでは突出部62の縦の部分がネジタップ36の内径とほぼ一致する突出部の みを図示している。突出部62と嵌入ウエブ32との間には自由スペース64が残って いる。 最後に示した図7の長手方向の断面図にみるように、挿入ナット34はスペーサ の内腔26に位置する。図5ないし図6に記載の単歯用のインプラントの実施形態で も、挿入ナットの直径は内腔26の内径より小さい。図7からは、嵌合ウエブ32お よびネジタップ36がその対称軸で互 いに対して垂直に位置しているため、挿入ナット34の位置を前もって設定するの が容易であることが特によくわかる。 スペーサ14は、インプラント支柱だけでなく、嵌入ウエブ32と継ぎ合うよう形 成されている挿入ナット34についても同じくチタン合金などから成る。 前記配置により、図示していないが義歯固着用の固定ヘッドも同時に形成する スペーサ14の端部24で、ロックネジ38を用いて義歯ないしその架台を固定するこ とが可能となる。こうしたネジによる連結の方が、接着剤での連結よりも大きな 長所を示すことは専門医の間でよく知られている。 前記説明、図および請求の範囲で明らかにされる本発明の特徴は、個別でも任 意の組み合わせでも本発明の実施にとって重要である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．主として円筒形で、顎骨内に形成された穿孔内に嵌合可能で、冠状側の方に 開いた盲孔を有する基盤と、基盤の冠状側頭部周縁に設置可能なスペーサと、基 盤の盲孔に嵌合でき、基盤と連結可能で、スペーサの内腔を貫通するインプラン ト支柱と、基盤と義歯用固定ヘッドのスペーサをしっかりとねじ込んで固定する ための連結装置とを有し、固定ヘッドがスペーサ(14)の中空の端部(24)によって 形成され、インプラント支柱の冠状側が頚状側で端部(24)下方に配置され、スペ ーサ(14)の長手方向の軸線に対して垂直に延びるネジタップ(36)が備えられた挿 入ナット(50)が端部(24)に配置され、端部(24)の周壁(30)内にあらかじめ備えら れた開口部(42)を貫通するロックネジ(38)を義歯の固定のために前記挿入ナット 内にねじ込むことができることを特徴とする義歯固着用のエノッサル性単歯イン プラント。 ２．スペーサ(14)の周壁(30)が、端部(24)において歯冠方向で円錐台状に先細と なるよう形成されていることを特徴とする請求の範囲1記載の単歯インプラント 。 ３．インプラント支柱が、基盤に補足的な型締付装置を有するスペーサ(14)の締 付形成スタッド(16)がしっかりとねじ込まれてかみ合った状態で、インプラント の内腔にねじ込まれることを特徴とする請求の範囲1または2記載の単歯インプラ ント。 ４．挿入ナット(34)がスペーサ(14)の周壁(30)の冠状側 頭部周縁に配置した嵌入ウエブ(32)と継ぎ合うよう形成されていることを特徴と する請求の範囲1記載の単歯インプラント。 ５．挿入ナット(34)と継ぎ合うように形成された嵌入ウエブ(32)の挿入された向 かい合わせの凹部(44,46)が、スペーサ(14)の冠状側頭部周縁にあらかじめ備え られていることを特徴とする請求の範囲1記載の単歯インプラント。 ６．共通の中心軸(48)がスペーサ(14)の周壁(30)内にあらかじめ備えられた開口 部(42)の対称軸線に対して垂直に延びるよう凹部(44,46)が配置されていること を特徴とする請求の範囲5記載の単歯インプラント。 ７．挿入ナット(34)の嵌入ウエブ(32)がネジタップ(36)の対称軸線に対して垂直 に延びるよう配置されていることを特徴とする前記各請求の範囲に記載の単歯イ ンプラント。 ８．挿入ナット(34)は、嵌入ウエブ(32)と向かい合わせになった挿入ナット(34) とスペーサ(14)との間の摩擦のため、少なくとも挿入ナットの挿入時に、適切な 範囲でスペーサ(14)の内腔(26)の内径より少し大きくなった外径を最小限の範囲 で有することを特徴とする前記各請求の範囲記載の単歯インプラント。 ９．挿入ナット(34)は、嵌入ウエブ(32)の両側で向かい合うよう配置された突出 部(62,68)が嵌入ウエブ(32)と向かい合わせになった端に備えられ、突出部(62,6 8)の 外郭がこれより大きい外径の範囲となるようにしたことを特徴とする請求の範囲 8記載の単歯インプラント。