JPH11511804A - 生分解性プラスティックを製造するために、合成ポリマーに官能基をグラフトさせる方法 - Google Patents

生分解性プラスティックを製造するために、合成ポリマーに官能基をグラフトさせる方法

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JPH11511804A
JPH11511804A JP10501662A JP50166298A JPH11511804A JP H11511804 A JPH11511804 A JP H11511804A JP 10501662 A JP10501662 A JP 10501662A JP 50166298 A JP50166298 A JP 50166298A JP H11511804 A JPH11511804 A JP H11511804A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、官能基を含有するモノマーを付加反応または置換反応を用いてポリエステル高分子にグラフトすることによりつくられるグラフトコポリマーを提供する。さらに、グラフトコポリマーと澱粉またはタンパク質などの天然ポリマーとを溶融ブレンドすることによりつくられる生分解性組成物を提供する。さらに、付加反応または置換反応を用いてグラフトコポリマーをつくる方法、およびグラフトコポリマーを天然ポリマーを高温度で溶融ブレンドすることにより生分解性組成物をつくる方法をも含む。

Description

【発明の詳細な説明】 生分解性プラスティックを製造するために、 合成ポリマーに官能基をグラフトさせる方法 発明の背景 合成ポリマーは、その優れた機械的、並びに化学的特性および耐候性から、金 属、木、ガラスおよび紙のようなありふれた物質の代替とされることが増えてい る。しかしながら、合成ポリマーを望ましいものとする耐久性などの特性は、一 方、合成ポリマーの生分解を不可能とさせる。結果として、大量のプラスティッ ク廃棄物が埋立地に蓄積し、深刻な公害を引き起こしている。プラスティック廃 棄物の蓄積から、生分解性プラスティックの開発に関心が増大している。また限 られた石油埋蔵量から、穀物またはセルロースのような再生可能な資源を基とし た生分解性プラスティックが必要となってきている。 バイオポリマーは、生分解され得、再生可能な資源由来であるが、成形しにく く、それ故に使用しにくい。加えて、デンプンなどのバイオポリマーのみから製 造された生成物は、砕け易く、剛直であり、多々の目的には不適当である。 完全に生分解可能な合成ポリマーの資質を有する組成物が望ましい。しかしな がら、バイオポリマーと合成ポリマーとは、ブレンドしたときに典型的には相容 れない。結果として、バイオポリマーおよび合成ポリマーを組合せて製造した物 質から、物理的性質の劣る生成物が得られがちである。一般的に、そのようなブ レンドの劣る物理的性質は、天然ポリマーと合成ポリマー間の付着が弱いことに よる。 従って、天然ポリマーの生分解性特性および合成ポリマーに関連した望ましい 物理的特性の両方を有する、生分解性組成物を製造する実用的な方法を開発する ことが望ましい。 米国特許第5,321,064および5,446,028号には、合成ポリマーお よび天然ポリマーを溶解ブレンドすることにより製造した生分解性組成物を製造 する方法が記載されている。これらの特許に記載された組成物は、合成ポリマー の望ましい特性を有する。しかしながら、組成物の製造に使用された合成ポリマ ーのために、組成物は部分的にのみ生分解が可能である。 完全な生分解性組成物が好ましい。脂肪族ポリエステル(例えば、ポリカプロ ラクトン、ポリ酢酸およびポリヒドロキシ酪酸塩−吉草酸塩)などの完全な生分 解性合成ポリマーは、生分解不可能な合成ポリマーの代替に使用できるが、これ らの物質の値段は通常のプラスティックの数倍である。それ故、これらの生分解 性プラスティックの広範な使用は実際的ではない。 生分解性ポリエステルおよび天然ポリマーと結合している組成物は、完全に生 分解され得、脂肪族ポリエステルのみを含有する組成物よりも安価となるであろ う。しかしながら、バイオポリマー上に存在する官能基と相互作用し得る官能基 を含まないため、ポリエステルはバイオポリマーと相容れない。それ故、ポリエ ステルをバイオポリマーと結合させる場合、ポリマー間には全く化学的または物 理的相互作用がない。結果として、得られたブレンドは貧弱な物理的特性を有す る。加えて、バイオポリマーとポリエステル高分子間の相互作用が欠如している ため、ブレンド中に存在できる天然ポリマーの量が限られる。結果として、ブレ ンドの質は、典型的には、天然ポリマーの添加とともに減少する。Koenigおよび Haung(コネクチカット大学、1994)はその論文中で、デンプンおよびポリカプ ロラクトンを含有するブレンドの伸張特性が、25重量%以上のデンプンをブレ ンド中に加えたとき、顕著に減少することを報告している。 ポリエステルブレンドの質はポリエステル高分子を修飾することにより向上し 得る。修飾の1つの型は、相互交換反応を含む。L.Z.Pillon et al.「触媒的エ ステル−アミド交換反応を介するポリエステル/ポリアミドブレンドの相溶性」 、Polymer Engineering and Science 24(17):1300-1305(1984)。Pillon et a l.は、触媒としてp−トルエンスルホン酸を用いたエステル−アミド交換反応に よるポリ(エチレンテレフタレート)の修飾を記載している。この交換反応は、ポ リ(エチレンテレフタレート)およびポリ(アミド−6,6)を含有するブレンドの 物 理的特性を向上させる。しかしながら、この交換反応の生成物は、生分解され得 ない。加えて、この技術を用いて製造し得るブレンドの種類は限られている。 ポリエステル高分子への官能基の付加は、ポリエステル高分子の反応性を高め 、従って、ポリエステルブレンドの特性を向上させ得る別の修飾法である。しか しながら、ポリエステルは典型的なグラフト結合反応の間に容易に分解するので 、グラフト反応は一般的にポリエステル高分子に対してうまく行えない。モノマ ーをポリエステル高分子にグラフトさせる以前の試みは失敗であった。T.J.Xue 、「種々の開始剤の存在下、ビニルモノマーとポリ(エチレンテレフタレート)と の相互作用により、グラフトポリマーではなく物理的混合物が生成する」、J.of Polymer Science 33:2753-2758(1995)。Xueは、ポリ(エチレンテレフタレート )を溶液相で種々の開始剤を用いてビニルモノマーと結合させる時、グラフトポ リマーではなく、物理的混合物が生成されると記載している。反応性基を脂肪族 ジオールに導入する別の方法には、有機二相系におけるビフェノールと塩化イソ ナフトイルとの界面重縮合反応が含まれる。S.Nakamura、「有機/有機二相系界 面重縮合による主鎖または側鎖における反応性基を用いたポリエステルの製造」 、ACS Symposium(1995)シカゴ、イリノイ。Nakamuraが記載した重合反応によ り、ポリエステル高分子に反応性基を導入し得るが、反応性基を末端カルボン酸 に加えるので、反応性基の位置は側鎖に限られる。 米国特許第3,816,566および3,884,994号は、開始剤の存在下、 例えばアクリル酸アルキルおよびメタクリル酸アルキルのポリマーといったエチ レン的に不飽和な化合物の、ポリカプロラクトンへの熱結合法を記載している。 しかしながら、エチレン的に不飽和な化合物は生分解され得ず、これらの化合物 をポリエステル高分子へグラフトさせても、生分解性天然ポリマーのついたポリ エステル高分子の反応性を上昇させない。それ故、得られたコポリマーは生分解 性組成物の製造には使用できない。代わりに、これらの特許に記載されたコポリ マーは相溶化剤として使用する。 脂肪族ポリエステルおよび天然ポリマーを含有する組成物は完全に生分解性の で、化学的または物理的に天然ポリマーまたは合成ポリマーのいずれかと相互作 用できる官能基で、ポリエステル高分子を修飾する方法が必要とされる。加えて 、天然または合成ポリマーのいずれかと相互作用できるポリエステルは、例えば 可塑剤または合金および混合物中の成分として使用するといったポリエステルの 使用範囲を広げる。 発明の概要 本発明は、グラフトコポリマー、そのグラフトコポリマーから製造される生分 解性組成物、グラフトコポリマーおよび生分解性組成物の製法、および生分解性 組成物から製造される製品に関する。 本発明の第1の態様は、官能基を含有するモノマーを、ポリエステル高分子が 実質的に分解しない条件下でポリエステル高分子にグラフトすることにより製造 されるグラフトコポリマーに関する。このグラフト反応の結果、ポリエステルグ ラフトコポリマーは、その他の合成または天然ポリマーと相互作用し得る少なく とも1つの官能基を有する。グラフト反応は付加反応、好ましくは遊離基グラフ ト技術、または置換反応であり得る。いずれの反応も好ましくは溶融ブレンドす ることにより実施するが、溶解状態でも達成され得る。 本発明の第2の態様は、生分解性組成物に関する。生分解性組成物は、高温で 上記のポリエステルグラフトコポリマーと澱粉またはタンパク質などの天然ポリ マーとを溶融ブレンドすることにより製造される。ポリエステルグラフトコポリ マー上の官能基は、天然ポリマー上に存在するヒドロキシルまたはアミンなどの 官能基と化学的または物理的に相互作用する能力がある。 生分解性組成物は、連続相および分散相を有する。一方の相は天然ポリマーな どの生分解性物質を含有する。もう一方の相は生分解性ポリエステルグラフトコ ポリマーを含有する。少なくとも数分子のグラフトコポリマーと少なくとも数分 子の天然ポリマーが分散相と連続相との界面で化学的または物理的に相互作用す る。 本発明の第3の態様は、グラフトコポリマーおよび生分解性組成物の製法に関 する。このグラフトコポリマーは、モノマーを、ポリマーの分解を最小限に抑え る条件下でポリエステル高分子にグラフトすることにより形成させる。好ましく は、グラフト反応は付加反応、好ましくは遊離基グラフト技術、または置換反応 であり得る。いずれの反応もポリエステル高分子およびモノマーを不活性雰囲気 下で溶融ブレンドすることにより達成できる。その後、上記の生分解性組成物は 、グラフトコポリマーおよび天然ポリエステルを溶融ブレンドすることにより形 成される。 本発明の第4の態様は、本発明により教示される生分解性組成物を射出成形、 押出、熱折畳み、打抜き、インフレーション、分出しまたは圧縮成形することに より製造される生分解性製品に関する。 発明の詳細な説明 一般に、グラフトコポリマーは、当分野で認められており、本発明では、グラ フト成分を主鎖成分の末端以外の活性部位にて主鎖成分に結合させて、主鎖成分 とグラフト成分の2成分から作られる高分子であると定義する。この活性部位は 、遊離基開始剤が主鎖成分の水素原子を取り出すことによって、主鎖成分上に活 性部位を形成させるという反応により形成され得る。あるいは、既に主鎖成分上 に存在する反応基、例えば、カルボン酸残基を活性部位として用いてもよい。続 いて、主鎖成分上の活性部位をグラフト成分に暴露すると、2成分間に結合が形 成される。 本発明のグラフトコポリマーは、遊離基グラフト技術などの付加反応、または 置換反応により形成させることができる。いずれの場合でも、主鎖成分はポリエ ステル高分子であり、グラフト成分は官能基を含有するモノマーである。 ポリエステル高分子は典型的なグラフト条件下で分解する傾向があるため、本 発明は、グラフト反応中にポリエステル高分子を実質的に分解させない、ポリエ ステル主鎖成分を有するグラフトコポリマーの製法に関する。結果として、グラ フトコポリマー(生成物)の分子量は、ポリエステル高分子(出発物質)の分子 量と同様である。 ポリエステル高分子がグラフト中に過剰分解を受けると、最終生成物の機械的 特性に逆影響を与えることがある。例えば、ポリエステル高分子の分解により引 張強さおよび伸び率の損失が生じ得る。更に、分解したポリエステル分子間の架 橋が増大すると、最終生成物が脆くなり、成形し難くなることがある。そのため 、ポリエステル高分子の分解量を許容範囲内に維持することが重要である。 ポリエステル高分子が分解する条件は、ポリエステル高分子の種類によって変 わるため、最適反応条件はどのポリエステル高分子を使用するかによって変わる であろう。更に、許容分解量は最終生成物の使用目的および必要な機械的特性に よって変わるであろう。例えば、グラフトコポリマーを最後に天然ポリマーと結 合させて、成形またはシート状に引き伸ばされる生分解性組成物を形成させるつ もりならば、ポリエステル主鎖成分は、生分解性物質が充分な引張強さおよび伸 び率を保持し、かつ脆くない程度に十分無傷でなければならない。しかしながら 、ポリエステル高分子がグラフト反応中に分解してしまい、かつブレンドの物理 学的特性が重要でないならば、そのままそのブレンドを使用してもよい。あるい は、ブレンド特性は、高割合のグラフトコポリマーをブレンドに添加することに より改善させることができる。 グラフト反応は、遊離基グラフト反応などの付加反応または置換反応のいずれ かとして実施できる。本発明の遊離基グラフト反応に適した遊離基は、水素原子 を取り出すことによりポリエステル高分子を活性化する能力がある。遊離基開始 剤は、有機過酸化物、無機過酸化物、過酸化塩、遷移金属塩、ヒドロペルオキシ ド、アゾ化合物その他の熱分解または光化学分解によって生じ得る。遊離基の半 減期は、遊離基がグラフト反応に利用できる程度に充分長いべきであるが、遊離 基が反応完了後も残っているほど長くてはいけない。残存遊離基はグラフトコポ リマーを分解することもある。そのため、適切な遊離基開始剤は、反応を実施す る温度を測定し、次いで、その反応条件下で約0.1時間から1.0時間の半減期 を有する遊離基を見つけることにより選択できる。好ましい遊離基開始剤は、約 80℃から約200℃の温度範囲で与えた場合、半減期約0.1時間から約2.0 時間の有機過酸化物である。適切な有機過酸化物開始剤の例には、過酸化ジ−t −ブチル、過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、アゾ−ビス−イソブチロニト リル、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ラウリル、ジ−イソプロピルペル オキシ−ジ−カーボネート、その他がある。 グラフト反応中、開始剤はグラフトコポリマーを所望の機能性度で生成するの に効果的な濃度で存在すべきである。グラフト反応混合物(ポリエステル高分子 、開始剤およびモノマーを含む)中の開始剤の濃度は、広範囲に変えることがで きるが、好ましい開始剤濃度は、反応混合物の約0.01重量%から約5.0重量 %である。より好ましくは、開始剤濃度は、約0.1重量%から約1.0重量%で ある。 あるいは、グラフト反応は、置換反応として実施することもできる。置換反応 では、ポリエステル高分子の側鎖に存在する反応性基が別の基に置き換わる。例 えば、アシル化合物またはカルボン酸およびそれらの誘導体は、ヒドロキシル、 ハライド、エステル、アミンまたはエーテルをモノマーに結合した官能基で置き 換える反応にかけてもよい。 遊離基グラフト反応および置換グラフト反応はいずれも、強力ミキサーまたは 一軸または二軸スクリュー押出機での溶融ブレンディングにより行う。溶融ブレ ンディングは、相対的に迅速であるため好ましい方法である。更に、引火性のま たは費用のかかる溶液が不要である。結果、溶融ブレンディングにより、費用が かからず、より安全に製造でき、高収率を有し、更なる精製を必要としない生成 物が得られる。 溶融ブレンディングを使用して物理的混合物を形成できるが、本発明では溶融 ブレンディングは、反応物を融解させるために増大させた温度および剪断応力の 組み合わせを使用して、その官能基がより容易に相互作用できるようにする。好 ましい実施態様では、押出機は、温度を個々に制御できる多重のゾーンを有する 。そのため、反応温度は容易に制御され、特定反応の必要に併せて温度を変える ことができる。更に、剪断応力は、溶融ブレンディングの際の圧力および/また は摩擦のため、ポリエステル高分子が融解するのに必要な温度を下げる。こうし て、高温によってポリエステル高分子の分解が引き起こされ得るのを回避する。 反応を実施する温度範囲は、充分な量のグラフトが起こるほど充分に高いべき であるが、ポリエステル高分子の過剰分解が起こるほど高くてはいけない。未反 応モノマーが昇華または蒸発するような温度でグラフト反応を実施する場合、真 空にすることにより未反応モノマーを排除できる。昇華および/または蒸発温度 は、どのようなモノマーを使用するかによって変わるため、モノマーの昇華およ び/または蒸発温度は、グラフト反応を実施する温度に影響を与える一要因であ り得る。 ポリエステル高分子の融解温度は、グラフト反応を実施する最適温度に影響を 与えるもう一つの要因である。グラフト反応は、好ましくはポリエステル高分子 の融解温度付近またはそれ以上の温度で実施する。そのため、多くのポリエステ ル高分子の場合、グラフト反応は、約80℃から約300℃の温度範囲で実施さ れ得る。特定反応のための温度は、モノマーおよびポリエステル高分子が上記し た所望の特性を有するように選択する。ポリエステル高分子の融点およびモノマ ーの昇華および/または蒸発温度は、当業者ならば容易に決定できる。例えば、 ポリエステル高分子がポリカプロラクトンであるとき、グラフト反応は好ましく は約80℃から約200℃の温度範囲で実施する。一方、ポリエステル高分子が ポリ(エチレンテレフタレート)であるとき、グラフト反応は好ましくは約20 0℃から約300℃の温度範囲で実施する。 グラフト反応を行わせる時間の長さは、ポリエステル高分子の分解量に影響す る。更に、グラフト反応持続時間は、生じるグラフトの量に影響を及ぼす。その ため、反応は有効量の官能基をポリエステル高分子にグラフトするのに充分であ るが、ポリエステル高分子が過剰に分解されるほど長くない持続時間で行う。典 型的には、溶融ブレンディング反応は約30秒から約15分間行わせる。好まし くは、反応は約2分から約10分間行わせる。より好ましくは、溶融ブレンディ ング反応は約7分から約10分間行わせる。 遊離基グラフト技術を溶融ブレンディングにより実施する場合、反応は、酸素 が遊離基の反応を止めるため、好ましくは非酸化雰囲気下で実施する。適切な非 酸化雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性気体を含有するものであ る。置換反応を溶融ブレンディングにより実施する場合、置換反応中に形成され 得る水蒸気または塩化水素ガスなどの小さい副産物を除去するため、反応が窒素 などの気体流下で起こるのが好ましい。モノマーのホモ重合を防ぐため、グラフ ト反応をバルク状で実施するのもまた好ましい。 別の実施態様では、グラフト反応を溶解状態で実施できる。グラフト反応の目 的が反応性基をポリエステル高分子に付加し、天然ポリマーを用いてその反応性 を高めることである場合は、反応を非極性溶媒を用いて実施するのが好ましい。 極性分子が存在すれば、天然ポリマー上の官能基と相互作用する能力のある無水 物などのモノマー上に存在する官能基が加水分解されることがある。更に、極性 溶媒はポリエステル高分子を分解することもある。適切な非極性溶媒には、ベン ゼン、キシレン、トルエンなどがある。非極性溶媒に水または極性分子をパージ するのもまた好ましい。好ましくは、溶液反応は、モノマーおよびポリエステル 高分子と相溶性の溶媒を用いて実施できる。しかしながら、このような溶液が入 手可能でない場合は、二相系を用いて反応を実施できる。 溶液反応は、反応速度を上げるのに十分高い温度で実施すべきであるが、ポリ エステル高分子が分解するほど高くてはいけない。好ましくは、反応は約25℃ から約200℃の温度で、より好ましくは約40℃から約150℃の温度で実施 する。溶液反応は、十分な数の反応性基をポリエステル高分子にグラフトするの に有効な時間行う。この溶液反応は約30分から2日間行うことができる。より 好ましくは、この反応は約30分から4時間行う。 置換反応を溶解状態で実施する場合、その溶液は反応中に形成され得る塩酸を 中和するピリジンなどの中和剤を含有するのが好ましい。 本発明によれば、モノマー上の官能基は、様々な天然ポリマーおよび合成ポリ マーと相互作用する反応性部位を与える。グラフトコポリマーを天然ポリマーと 結合させて生分解性組成物を形成させる場合、そのグラフトコポリマーは、好ま しくはポリエステル高分子が効果的に別のポリマーと化学的または物理的に相互 作用して所望の機械的特性を有する生分解性組成物を形成するようなグラフト含 量を有するべきである。しかしながら、官能基量が過剰であると、過剰な架橋を 生じることがあり、これが加工困難なブレンドを作ることになる。典型的には、 グラフトコポリマーは約0.1重量%から約20重量%のグラフト含量を有する 。より好ましくは、グラフト含量は約0.3重量%から約10重量%である。好 ま しいグラフト含量もまた、グラフトコポリマーを結合させる天然ポリマーによっ て変わる。例えば、グラフトコポリマーを澱粉と結合させて、生分解性組成物を 作る場合、グラフト含量は約0.2重量%から約5重量%である。グラフトコポ リマーをタンパク質と結合させる場合、グラフト含量は約0.2重量%から約2 重量%である。 グラフト反応を使用してモノマーを脂肪族または芳香族ポリエステル高分子に 結合させることができるが、ポリエステル高分子を用いて生分解性ブレンドを作 る場合は分子量約5,000kDaから約150,000kDaの分子量を有する脂肪 族ポリエステル高分子が好ましい。脂肪族ポリエステル高分子が使用されるのは 、望ましい機械的特性を有し、その他多くの合成分子とは異なり、完全に生分解 性であるからである。微生物の消化器系にみられる酵素、例えば、デポリメラー ゼ、セルラーゼ、エステラーゼ、アルカリゲネス・ユートロファス、アルカリゲ ネス・フェカリスその他はエステル結合を消化する能力を持ち、ポリエステル高 分子を破壊して、その成分をエネルギー源として使用できるため、ポリエステル 高分子は生分解性である。 グラフトコポリマーを天然ポリマーと結合させて生分解性組成物を形成させる 場合、脂肪族ポリエステルは、天然ポリマーが下記の溶融ブレンディングの最中 に燃焼または分解することがないように、好ましくは200℃以下の融点を有す る。グラフトコポリマーを別の合成ポリマー、例えばナイロンと結合させる場合 で、生分解性が重要でない場合は、脂肪族または芳香族ポリエステル高分子のい ずれかをグラフトコポリマーの主鎖成分として使用できる。更に、グラフトコポ リマーを天然ポリマーと結合させないつもりならば、そのポリエステル高分子の 融点はより高い温度であることができる。 本発明で採用される特定の対象となるポリエステルは下記の反復単位: 式中、Rは水素原子または約1から約6個の炭素原子を含有するアルキル基であ り、nは3から8の整数である、 により表すことができる。 適切なポリエステル高分子の例には、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグ リコールのエステル、ポリヒドロキシブチレート−コーバレレートその他がある 。適切なポリグリコールのエステルには、エチレングリコール、プロピレングリ コール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ポリグリコール酸その他があ る。その他の適切なポリエステル高分子には、グリタル酸、アジピン酸、コハク 酸および下記: HOOC−(CH2)n−COOH に示した一般式を有するその他の高級酸などの脂肪族ジカルボン酸の重縮合反応 から得られるものがある。 グラフト反応における使用に適した芳香族ポリエステルには、フタル、イソフ タルおよびテレフタル化合物から得られる芳香族エステル、アルキル置換フェノ ールその他がある。使用できる芳香族エステルは、一般式: 式中、Aは芳香族環であり、nは整数である、 により表す。 本発明の方法により採用されるポリラクチドは、下記: 式中、nは整数である、 により表すことができる。 本発明によれば、官能基を含有するモノマーをポリエステル高分子上にグラフ トして、ポリエステル高分子の反応性を高める。このモノマーは、ポリエステル 高分子の主鎖か、またはポリエステル高分子の側鎖にグラフトさせることができ る。モノマーは、好ましくは、共有結合、ファン・デル・ワールズ力、水素結合 、 イオン結合その他の形成により別の合成ポリマーか天然ポリマーのいずれかに存 在する官能基と反応する能力がある。グラフトコポリマーを天然ポリマーと結合 させて生分解性組成物を形成させるつもりならば、モノマーは、好ましくはヒド ロキシルまたはアミンなどの天然ポリマー上の官能基と反応する能力がある官能 基を含有する。モノマー上に存在する官能基は、好ましくは一級、二級および三 級アミン、ジカルボン酸の無水物などの無水物、オキサゾリン、エポキシ、ヒド ロキシ、シソシアナート、カルボン酸、酸クロリド、アルデヒド、ケトン、アシ ルハライド、アルキルハライド、ニトリル、ニトロ、チオール、エステル、エー テル、アルコキシ、ウレタン、尿素、カルボジアミド、アミドその他からなる群 から選択される。より好ましくは、その官能基は、一級、二級および三級アミン 、ジカルボン酸の無水物などの無水物、オキサゾリン、エポキシ、ヒドロキシ、 イソシアナート、カルボン酸、酸クロリド、アルデヒド、ケトン、アシルハライ ド、アルキルハライド、ニトリル、チオール、エステル、ウレタン、尿素、カル ボジアミドおよびアミドからなる群から選択される。 グラフト反応での使用に適したモノマーの例には、酸無水物、環状カルボン酸 、スチレン、置換ピリジン、イソシアナート、オキサゾリン、ジカルボン酸、カ ルボン酸の機能性誘導体その他がある。特に、適切なモノマーには、無水マレイ ン酸、無水シトラコン酸、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、n−オクタデシ ルコハク酸無水物、マイレン酸、クロトン酸その他がある。 グラフトコポリマーの特性は、ポリエステル高分子に結合する反応性基の数お よび温度などの反応条件、開始剤濃度、モノマー濃度、さらに反応混合物へのモ ノマーの付加様式によって変わる。グラフトコポリマーは様々な特性を有するた め、種々の応用に使用できる。小麦グルテンや澱粉などの天然起源のポリマーは 、これらを本発明のグラフトコポリマーと結合させて生分解性組成物を作ること により、有用な製品へと変換できる。約5重量%ないし約25重量%のグラフト コポリマーから製造した生分解性組成物は、完全に生分解性であるうえに、望ま しい引張強さや伸び率などの機械的特性を有する。このグラフトコポリマーのそ の他の応用には、加工反応の際の可塑剤または相溶化剤としての使用がある。グ ラ フトコポリマーは一旦形成させれば、将来的使用のためにペレット化してもよく 、また所望の最終製品へと直接加工してもよい。 本発明によれば、ポリエステルグラフトコポリマーを天然ポリマーと溶融ブレ ンドさせて、連続相と分散相の二層を有する生分解性組成物を作成する。連続相 は主成分であり、分散相は副成分である。例えば、天然ポリマーが主成分である とき、それは連続相であると見なされるのに対し、合成ポリマーの場合は分散相 とされる。溶融ブレンディングの最中、グラフトコポリマーおよび天然ポリマー は、化学的または物理的に連続相と分散相との界面で結合し、それによって、連 続相と分散相との間に強力な相互作用を効果的に提供する多数のインターポリマ ーを形成する。 本発明の生分解性組成物において、分散相は、直径約0.01ミクロンから約 100ミクロンの多数の粒状マイクロドメインを含む。この組成物のグラフトコ ポリマーの約0.1%から約99%、より好ましくは約0.1%から約50%の官 能基が化学的または物理的に天然ポリマーに結合している。 ブレンドの機械的特性は、分散相の形状およびサイズによって変わる。ブレン ドの機械的強度に寄与するその他の要因には、二相間の接着力がある。ポリエス テル高分子への官能基の付加が連続相と分散相との間の接着力を向上するため、 分散相はより均一かつより小さいマイクロドメインサイズを有する。よって、接 着力の向上はブレンドの機械的強度の向上をもたらす。二相間の接着力が乏しい と、その結果引裂きなどの生成物ブレンドの機能不全を導くことがある。 上記のとおり、グラフトコポリマーの形成に関して、溶融ブレンディングは、 反応物、この場合はグラフトコポリマーおよび別のポリマー、の官能基を反応さ せるプロセスである。溶液を用いて官能基を反応可能にする代わりに、溶融ブレ ンディングでは、高い温度で反応させる閉鎖環境に反応物を置く。溶融ブレンデ ィング由来の剪断応力により、高分子は液体状態にあるかのように挙動でき、そ のためポリマーの反応性基が非常に近接して、物理的または化学的に相互作用で きるようになる。更に、溶融ブレンディングは、従来のブレンディング技術と比 べ、グラフトコポリマーの組成物内でのより均一な分散を導く。 溶融ブレンディングはポリマーの分解を若干引き起こすこともあるが、ポリマ ー上の官能基は依然反応して、グラフト、ブロックおよび架橋構造の混合物を形 成できる。主鎖成分の脂肪族ポリエステル高分子を使用してグラフトコポリマー を作る場合、グラフトコポリマーを天然ポリマーと結合させることにより形成さ せた組成物は完全に生分解性であるだけでなく、グラフトコポリマーと天然コポ リマーとの相互作用が高まったことに起因する卓越した機械的特性も有する。 溶融ブレンディングは、強力ミキサー、溶融ミキサー、一軸スクリュー押出機 、二軸スクリュー押出機または射出成形機などのあらゆるタイプの種類の機器に て実施できる。溶融ブレンディング中の物質の押出機内滞留時間は、官能基が反 応できるほど充分に長いべきであるが、過剰な架橋や分解が起こる程長くてはい けない。得られた組成物があまりに多くの架橋を含有すると加工困難となる。約 10秒から20分の滞留時間が好ましい。より好ましくは、滞留時間は約45秒 から約10分である。次いで、この組成物を直接所望の最終製品へと加工しても よく、また将来的使用のためにペレット化してもよい。 生分解性組成物を作成する場合、溶融ブレンディング反応温度は、反応物ポリ マーが可塑化し、その官能基が相互作用できるほど充分に高いべきであるが、天 然ポリマーが燃焼または分解するほど高くてはいけない。好ましくは、グラフト コポリマーおよび天然ポリマーを共に約25℃から約200℃の温度で混合する 。より好ましくは、ポリマーを約90℃から約170℃の温度で結合させる。 本発明の方法により、天然ポリマーを99重量%まで含有する生分解性組成物 が製造できる。この生分解性組成物は、溶融ブレンディングが完了した後、典型 的には周辺温度で固形状態であり、天然ポリマーの性質、存在する官能基の量お よびグラフトコポリマーに対する天然ポリマーの比率によって変わるが、硬質ま たは軟質のいずれかであり得る。 様々な天然起源の生分解性ポリマーを使用して本発明の生分解性組成物を製造 できる。この組成物中に存在する天然ポリマーは、細菌やカビなどの生存微生物 の栄養源として働くため、組成物の生分解性を高める。結果として、この組成物 は、微生物が存在する環境下にあるときは生分解され得る。ポリエステル高分子 のエステル結合は微生物によって消化されることもあるので、組成物全体は完全 に生分解性である。 適切な天然ポリマーは、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、モロコシ、タピ オカ、コメ、クズウコン、サゴ、大豆、エンドウ、ヒマワリ、ピーナッツ、ゼラ チン、乳、卵その他から得ることができる。このような天然ポリマー物質には、 澱粉およびセルロースなどの炭水化物、リグニン、タンパク質、核酸、アミノ酸 および脂質があり、全て生分解性である。これらの天然ポリマーは、本発明の生 分解性組成物の製造において別個に、または様々な混合物のいずれかで使用でき る。 好ましい天然ポリマー類の1つは炭水化物である。一般的な炭水化物類の中に は、サッカライドまたは糖、分子構造が関連する有機化合物がある。各糖は、2 ないは7個(普通は5または6個)の炭素原子鎖からなる。炭素の1つは、アセ タールまたはケタール形態にて結合し得るアルデヒド性またはケトン性酸素を持 ち、残りの炭素原子は普通、水素原子およびヒドロキシル基を有する。本発明に 有用な炭水化物糖には、グルコース、フルクトース、サッカロースなどのモノサ ッカライド、ラクトース、マルトースおよびスクロースなどのジサッカライド、 オリゴサッカライドおよびゴム、澱粉、セルロースなどのポリサッカライドがあ る。本明細書で使用した“オリゴサッカライド”の用語は、3から15単位の糖 ポリマーを指しており、10単位以上の高級糖ポリマーは“ポリサッカライド” と呼ぶ。本発明で採用した炭水化物成分は、上記糖の様々な誘導体類、好ましく は、糖のエステルまたはエーテル誘導体を含み得る。 本発明で使用するのに好ましい炭水化物はポリサッカライドである。ポリサッ カライドは、植物および動物界に広く分布しており、食物保存物質および構造支 持物質として働く。適切なポリサッカライドには澱粉およびセルロースがあり、 それぞれアルファおよびベータ−1,4−結合によりつながったD−グルコピラ ノシル単位からなる。 澱粉は本発明における使用に特に好ましいポリサッカライドである。澱粉は加 水分解により糖を生成するポリサッカライド化合物である。澱粉は直鎖状(また はアミロース)および分枝状(またはアミロペクチン)成分の混合物を含み得る 。アミロースは数十万の分子量を持つのに対し、アミロペクチンは数百万桁の分 子量を持つ。本発明ではアミロース0ないし100%またはアミロペクチン0ま たは100%を含有する澱粉を採用してもよい。あらゆる形態の澱粉が本発明で は使用でき、それにはゼラチン化澱粉、非ゼラチン化澱粉、置換澱粉、化学修飾 澱粉、架橋澱粉および非修飾澱粉がある。下記により詳細に記載した様々な官能 基を上記澱粉に付けることができる。American Maize Products Companyより供 給される“Amalean 1”などの高級アミロース澱粉およびCargill Inc.より供給 される“Silver Medal Pearl−1100(SMP−1100)”などの工業用トウ モロコシ澱粉が本発明での使用に適している。 タンパク質は、本発明での使用に適したもう一つの天然ポリマーである。タン パク質は約3000から数百万の高分子量を有する窒素有機化合物である。タン パク質は、単純アミノ酸が複雑に組み合わさってできるものであり、あらゆる動 物および植物に生じる。タンパク質分子の構成アミノ酸はペプチド結合により互 いに結合し、その結合が分子の主鎖を形成する。本発明に利用できる適切なタン パク質には、卵タンパク質、乳タンパク質、動物性タンパク質、植物性タンパク 質および穀物タンパク質がある。本発明に利用できるタンパク質の例には、“S upro 90”、“Supro HD90”および“Supro 500E”などの単離大豆 タンパク質があり、これはタンパク質90%を含有し、Protein Technologies I nternationalにより供給される。小麦グルテンは使用可能なもう一つのタンパク 質源である。 タンパク質および澱粉のいずれもを含有する天然物質もまた本発明において使 用できる。タンパク質約20%および澱粉約70%を含有する、“ICPS R ED”および“ICWRS”などの小麦粉がその適切な物質である。 脂質もまた本発明における天然ポリマーとして使用できる。脂質または脂肪は トリグリセライドとして知られているグリセリンと脂肪酸との天然結合物である 。脂質は動物源または植物源から得られ、後者は主に植物の種子または果実であ る。本発明において使用できる適切な脂質には、植物源から得られる種油などの 脂肪 がある。 グラフトコポリマーは、得られた組成物の機械的特性を高めるのに十分な量で 天然ポリマーと混合させる。相溶性および所望の引張特性の範囲はその物質の広 範囲の重量%に合わせて得ることができる。好ましくは、天然ポリマーは、約5 重量%から約99重量%の量で、より好ましくは約10重量%から約80重量% の量で存在する。組成物の特性は、どのようなポリエステル高分子を使用したか 、およびグラフトコポリマー上に存在する官能基の量によって変わる。官能基量 が多ければ、分子の引張強さを増強し、ブレンドの可撓性または伸び率を下げる 架橋が増えることになる。生分解性組成物の引張強さは、使用したポリエステル 高分子および生分解性組成物の使用目的によって変わる。生分解性組成物の引張 強さは、ポリエステル高分子のみを含有する組成物の引張強さに近いかまたはそ れより優れている。しかしながら、生分解性組成物は、典型的には、約5MPa ないし約50MPaの間、より好ましくは約10MPaから約40MPaの引張強 さを有する。 無水官能基を有するグラフトコポリマーと炭水化物、タンパク質またはアミノ 酸との間に起こり得る化学反応は、下記の式1および2に示す。グラフトコポリ マーの無水および遊離カルボキシル基は、炭水化物のヒドロキシルと反応してエ ステル結合を形成でき、またタンパク質またはアミノ酸のアミン基と反応してア ミドまたはイミド結合を作る。本発明のグラフトポリエステルの主鎖上の無水基 と炭水化物のヒドロキシル基との反応は、下記の式1に示す。 式1は炭水化物分子上の1ヒドロキシル部位での反応を示すが、この反応は、 炭水化物分子上のどのヒドロキシル部位でも起こり得る。式1中の部分RとR’ は、ポリエステル鎖、水素、ハロゲン、アルキル、フェニル、アルコキシまたは 様々な他の基であり得る。 グラフトコポリマー上の無水基とタンパク質またはアミノ酸のアミン基がアミ ドまたはイミド結合を作る反応式は、下記式2に示す。 本発明の生分解性組成物の一般式および構造の例は下記に示す。下記2つの構 造は炭水化物のヒドロキシルと反応するポリラクチドコポリマーを示す。 タンパク質を天然ポリマーとして使用する場合、生分解性組成物の構造は、下 記3つの化学式で表すことができる。化学式(i)はアミド結合を示し、化学式 (ii)はイミド結合を示し、化学式(iii)は末端ヒドロキシルにタンパク質を グラフトしたポリラクチドを示す。 Rは、水素、ハロゲン、アルキル、フェニル、アルコキシまたはその他様々な 基であり得る。 本発明の組成物には、加工前または加工中に様々な添加剤を加えることができ る。このような添加剤の例には、アジュバント、充填剤、潤滑剤、離型剤、可塑 剤、発泡剤、安定剤、顔料、エクステンダー等がある。添加剤は、単独でまたは 様々な混合物の状態で組成物に添加できる。 生分解性組成物は、更に、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、射 出成形、圧縮成形、吹込成形、熱成形、打抜き、インフレーション、分出しなど により加工して、様々な生分解性製品を製造できる。 例えば、組成物の圧縮成形は、好ましくは約2.0トンから約17.5トンの圧 力による。より好ましくは、圧縮成形は、約5.0トンから約15.0トンの圧力 による。本発明の生分解性組成物を流し込成形または吹込成形することによって 生分解性製品を製造する場合、そのプロセスは、約25℃ないし250℃の温度 で行う。 上記加工技術により形成させることができる様々な物品または製品には、フィ ルム、フォーム、シート、パイプ、ロッド、袋物、箱、肉用トレイ、卵用カート ン、硬質またはフォームカップおよびプレート、ボウル、食事用品、隙間充填包 装用材、断熱材および防音材、ボトル、ラップ材、使い捨てペンおよびかみそり 、包装用カートン、コンテナーなどがある。天然ポリマーは、溶融ブレンディン グ後はグラフトコポリマーとの結合形成のため水に低可溶性であるので、組成物 の機械的強度および保全性は典型的には組成物を土壌と接触させたり、埋め込む かまたは部分的に埋めるまで、維持される。従って、この生分解性組成物由来の 製品は、生分解が望まれるときまで所望の機械的特性を保持している。 本発明を様々な具体的および好ましい実施態様および技術を参照して記載して きた。しかしながら、様々な変形や修飾は本発明の精神および範囲内で為され得 ることが理解されるべきである。 本明細書に引用した刊行物および特許出願は、本発明が関係する当該技術分野 レベルの指標である。全ての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許 出願が照会により具体的かつ個々に示されるのと同程度に出典明示により本明細 書の一部とする。 実施例 以下の実施例中のグラフトコポリマーは、指示薬としてジメチルホルムアミド (DMF)中、1%チモールブルーを用いて、エタノール性KOHで逆滴定法を 用いて、無水マレイン酸について解析した。試料をキシレンで抽出し、メタノー ル中に再懸濁し、もし存在すれば(ほとんどの未反応無水マレイン酸は昇華によ り除去する)、全ての未反応無水マレイン酸を除去する。グラフト生成物を抽出 せずに測定した場合、未反応無水マレイン酸の痕跡を、反応に加えたモノマーの 総量に基づく計算法を使用して検知した。しかしながら、未反応無水マレイン酸 は最終生成物の特性に有害な影響を与えない。 キシレンで抽出後のグラフトコポリマーのFTIRスペクトルにより、178 2cm-1および1861cm-1に2本の吸収バンドが得られた。無水マレイン酸 などの環状無水物は、C=Oの対称および非対称伸縮のために、1780cm-1 付近に強い吸収バンドおよび1850cm-1付近に弱いバンドをそれぞれ示すた め、これらのバンドはグラフト無水物に相当する。無水マレイン酸とポリエステ ル高分子との物理的混合物のFTIRスペクトルは、キシレンで抽出した後に、 この領域付近に全く吸収を示さないので、無水物基はポリエステル高分子にグラ フトしていたことが、これにより確認される。 グラフトコポリマーの無水物含量を測定した後、試料を圧縮成形し、成形試料 の伸張特性を測定した。 記載した実施例で使用した物質には以下が含まれる: Cargill Incorporated、USAのポリ乳酸レジン;Union Carbide Chemicals and Plastic Co.、Inc.、USAのポリカプロラクトン(PCL787およびPCL7 67E);Aldrich Chemical Company、USAの過酸化ジクミル、無水マレイン酸 および無水塩化トリメリト酸;およびManildra Milling Corp.、USAの小麦グル テン。 実施例1〜8は、C.W.ブラベンダー・プラスチコーダー・バッチ混練機(C.W.B rabender Instrument Inc.N.J.)を用いて行った。混合器に50ml容量の電気 加熱混合装置を取り付けた。混合の速さをモーターを介して制御できるように、 ローラーブレンドを可変のスピードモーターを通して接続した。全実施例におい て、窒素気流ガスをガス導入装置を用いて混合装置中に維持した。 実施例−1 ポリカプロラクトン(PCL787)を、本実施例でポリエステル高分子とし て使用した。PCLを50℃で24時間、真空オーブン中で乾燥させ、付着して いるあらゆる揮発性物質を除去した。混合後、装置を窒素で充填し、ポリエステ ル高分子40gを60rpmの速度で80℃にて、混合器に加えた。次いで、無水マ レイン酸3.2gおよび過酸化ジクミル0.4gからなる混合物を混合物に加えた。 窒素のブランケットの下、7〜10分間反応を行った。7〜10分間の混合時間 後、直ちに反応混合物を反応装置から除去する。結合した無水物の含量は0.7 0重量%であった。 実施例−2 実施例1の反応は、ポリエステル高分子としてPCL767Eを用いて行った 。結合した無水マレイン酸含量は0.80重量%であった。 実施例−3 ポリラクチド40gを170℃で反応装置に入れた。無水マレイン酸3.2gお よび過酸化ジクミル0.4gからなる混合物を反応装置に入れた。反応混合物を 窒素雰囲気下に10分間混合した。グラフトコポリマーの無水物含量は、0.8 6重量%であった。 実施例−4 PCL787 40gをスクリュー速度60rpmで100℃にて反応容器に入れ た。反応容器中に窒素ガス気流を維持し、置換反応の間に形成されるガスを除去 した。無水塩化トリメリト酸(TMAC)を反応容器に加え、10分間混合した。 実施例−5 実施例1で製造したグラフトコポリマー15gを、60rpmの速度で窒素雰囲気 下に100℃で10分間、強力混合器中、小麦グルテン35gと混合した。10 分後、直ちに混合物をインテンシブミキサーから取り出した。 実施例−6 PCL787 12.5gおよび実施例1で製造したポリカプロラクトンと無水 マレイン酸を含有するグラフトコポリマー2.5g(PCL−g−MAH)を、実 施例5で記載したものと同じ条件下で10分間小麦グルテン35gと混合した。 実施例−7 実施例1のグラフトコポリマー15gを、実施例5と同じような条件下、13 0℃で10分間インテンシブミキサー中、デンプン35gと混合した。 実施例−8 グルテン35gおよび未修飾PCL(787)15gを、実施例5と同じような条 件下、110℃で10分間、インテンシブミキサー中で混合した。 実施例5〜7から得られた試料を、17.5トン容量のパワーツイン圧縮成形 装置を用いて圧縮成形し、伸張試験用のASTM特異的伸張性棒を得た。試料の 伸張強度は、初期速度3mm/分でMTS伸張試験機械により得た。下記の表Iは 、未修飾、修飾および小麦グルテンおよびデンプンと修飾ポリマーとのブレンド の伸張強度および伸張値である。 グルテンブレンド組成物は、伸張強度試験により同組成物の物理的ブレンドに 比較して、伸張強度特性の向上を示す(表I)。これもまた、ブレンド工程の間の 化学的な結合形成を確証するものである。 表Iの試料のグルテン/デンプン含量は、110℃、混合時間10分において7 0重量%である。 ポリエステル高分子の特性はグラフト時間により有害な作用を受けない。表I に示されているように、実施例Iのポリカプロラクトンおよび無水マレイン酸か ら製造されたグラフトコポリマーの伸張力および伸張率は、ポリカプロラクトン 787と比較した場合、損なわれていない。表Iはまた、ポリエステル高分子お よび天然ポリマー(実験8)のみを含有する混合物の伸張強度が、ポリカプロラ クトンのみを含有する組成物、ポリカプロラクトンおよび無水マレイン酸から製 造されたグラフトコポリマーを含有する組成物、およびポリカプロラクトン、グ ラフトコポリマーおよびグルテンを含有するブレンドの伸張強度よりもかなり低 いことを示す。また、表によると、5%のグラフトコポリマー(実施例6)のみ を含有するブレンドの伸張強度は、30重量%のグラフトコポリマー(実施例5 )を含有するブレンドまたはポリカプロラクトン787のみを含有する対照に匹 敵 する。それ故、天然ポリマーおよび未修飾のポリエステル高分子を増量して使用 すると、満足のいく物理的特性をもつ生分解性組成物が製造される。修飾程度の 低いポリエステル高分子(グラフトコポリマー)が必要とされるので、製造費用 も減少する。 実施例−9 実験室規模の、同時回転スクリューのついた二軸スクリュー押出機(Haake In struments、Paramus、NJ)を溶解ブレンドに使用した。軸と直径の比は10:1 であり、押出機は4つの領域に分離した。最初の領域の温度は65℃であり、2 番目および3番目の温度は160℃の温度に維持した。直径0.64cmで長さ7. 6cmの毛細管ダイを、全操作において一律90℃に維持した。様々な残存時間を 得るためにスクリュー速度を変化させた。グラフトMAHの比率および伸張強度 を表IIに示す。 表IIは、グラフト反応における残存時間およびスクリュー速度の影響を示す。 残存時間が増加するにつれて、グラフト含量も増加している。しかしながら、生 成物がより堅くなるので、残存時間が増加するにつれて伸張力は減少する。 実施例−10 射出試験を以下の4つの組成物で行った: 1.60重量%グルテン/2.5重量%修飾PCL/37.5重量%PCL−767 ; 2.70重量%グルテン/2.5重量%修飾PCL/27.5重量%PCL−767 ; 3.65重量%グルテン/5重量%プロピレングリコール/1.0重量%修飾PCL /29重量%PCL−787;および 4.75重量%グルテン/2.5重量%修飾PCL/22.5重量%PCL−767 。 各試料の反応条件は表IIIに要約する。各試料の特性は表IVに要約する。 表IIIおよびIVの結果は、ほんの少量の、例えば無水マレイン酸とグラフト したポリカプロラクトンなどのグラフトコポリマーが、天然ポリマーおよびポリ エステル高分子を含有するブレンドの伸張特性を維持するのに必要であることを 示している。表IVの結果は、ほんの少量のグラフトコポリマー(1.0%〜2. 5%)がポリエステル−天然ポリマーブレンドの伸張強度の向上に必要であるこ とを実証している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/04 C08L 67/04 89/00 89/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,CZ,DE,DE,DK,D K,EE,EE,ES,FI,FI,GB,GE,GH ,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU (72)発明者 ジョン,ジェイコブ アメリカ合衆国55116ミネソタ州セント・ ポール、セント・ポール・アベニュー・ナ ンバー5、944番 (72)発明者 ベイドヤ,アトパル アメリカ合衆国55344ミネソタ州エデン・ プレイリー、マグノリア・トレイル8590番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.官能基を含有するモノマーとポリエステル高分子との反応生成物を含み、 モノマーが付加反応または置換反応によりポリエステル高分子にグラフトしてい る、グラフトコポリマー。 2.ポリエステル高分子がポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコールの エステル、ポリヒドロキシブチレート−コーバレレート、ポリアルクネートおよ びこれらの混合物である、請求項1のグラフトコポリマー。 3.モノマーが無水物である、請求項1のグラフトコポリマー。 4.モノマーが無水マレイン酸、無水シトラコン酸、2,3−ジメチルマレイ ン酸無水物、n−オクタデシルコハク酸無水物、マレイン酸、クロトン酸、イタ コン酸およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1のグラフトコ ポリマー。 5.官能基がヒドロキシルまたはアミンと反応し得るものである、請求項1の グラフトコポリマー。 6.官能基が一級アミン、二級アミン、三級アミン、エポキシ、ヒドロキシル 、カルボキシル、アルキルハライド、オキサゾリン、無水物、イソシアネート、 ニトリル、ニトロ、アシルハライド、アルコキシ、アルデヒド、ケトン、チオー ル、エステル、アミド、エーテル、ウレタン、カルボジイミド、尿素およびこれ らの組み合わせからなる群より選択される、請求項1のグラフトコポリマー。 7.遊離基開始剤が有機過酸化物である、請求項1のグラフトコポリマー。 8.有機過酸化物が過酸化−ジ−t−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化ジベン ゾイルアゾ化合物、ヒドロペルオキシドおよびこれらの組み合わせからなる群よ り選択される、請求項7のグラフトコポリマー。 9.連続相と分散相を含み、 うち、1相が天然ポリマー含有の生分解性物質を含み、 他相が官能基含有のモノマーとポリエステル高分子との反応生成物を含有する グラフトコポリマーを含み、 少なくとも数分子のグラフトコポリマーと少なくとも数分子の天然ポリマーが 分散相と連続相の間の相互作用で共有的に結合している、 生分解性組成物。 10.天然ポリマーのヒドロキシル基と反応し得る少なくとも1個の官能基を グラフトポリマーが有する、請求項9の組成物。 11.天然ポリマーのアミン基と反応し得る少なくとも1個の官能基をグラフ トポリマーが有する、請求項9の組成物。 12.天然ポリマーが炭水化物、タンパク質、脂質およびこれらの組み合わせ からなる群より選択される、請求項9の組成物。 13.(a)官能基含有のモノマーとポリエステル高分子との反応生成物(う ち、モノマーは付加反応または置換反応によりポリエステル高分子にグラフトし ている)を含むグラフトコポリマーを形成する、 (b)天然ポリマーとグラフトコポリマーとを溶融ブレンドすることにより生分 解性組成物(1相が天然ポリマーを含み、他相がグラフトコポリマーを含み、そ して少なくとも数分子のグラフトコポリマーと少なくとも数分子の天然ポリマー が分散相と連続相の間の相互作用で共有的に結合している)を形成する、 工程を含む、生分解性組成物をつくる方法。 14.連続相と分散相を含み、 うち、1相が天然ポリマー含有の生分解性物質を含み、 他相が官能基含有のモノマーとポリエステル高分子との反応生成物を含有する グラフトコポリマーを含み、 少なくとも数分子のグラフトコポリマーと少なくとも数分子の天然ポリマーが 分散相と連続相の間の相互作用で共有的に結合している、 生分解性組成物を射出成形、押出または圧縮成形することにより製造される物品 。
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