【発明の詳細な説明】
通信網におけるルート探し
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、通信網内でルートを探す、または決める方法;この方法を実行する
ようにされたノード;およびこのようなノードを含む網に関する。ルートは、故
障した既存のルートと置換する必要があるときの回復ルートと呼ばれるルートと
か、混雑するようになってきている既存のルートを補助する必要があるルートと
かであってよい。本明細書で使用されているように、“追加ルート”という用語
は、回復ルートと補助ルートとの両方を含む。
2.関連技術の説明
例えば、文献"The Self-Healing Network: A fast Distributed Restoration
Technique for Networks Using Digital Cross-Connect Machines",W.D.Grover
,IEEE Globecom 87、および米国特許第 4,956,835号明細書(Wayne D.Grover
)から、故障したスパンに接続された2つのノード(故障ノードとして知られて
いる)においてスパン故障アラームの受信に応答して、実時間回復プロセスを開
始することが知られている。
独特の網アイデンティティ(ID)に基いて、故障ノードは、どのノードが送
り側(センダ)として動作し、どのノードが選択側(チューザ)として動作する
かを決める(送り側および選択側のノードはそれぞれマスタ(主)ノードおよび
スレーブ(従)ノードとしても知られている)。
故障スパンの各リンクに対して、送り側は各ルートファインダシグネチャを隣
接するノード(タンデムノードとして知られている)に繰返し送って(フラッド
(flood))、このシグネチャを隣接するノードに前送り(フォワードにフラッド
)する。上記の米国特許第 4,956,835号明細書の1実施形態では、ノードはそれ
自身の識別子(ID)のみを知っており、故障リンクに対応している影響を受け
たポート上で受信シグネチャレジスタの最後の有効な内容を読取ることによって
接続関係を失なっているノードのIDを学習しており、別の実施形態では、ノー
ドは隣接するノードのID表を記憶し維持するようにしている。
選択側として機能するように決めるノードは、ここで待機状態に入り、ルート
ファインダシグネチャ(ルートを見つける特徴信号)を受信するまでそのままの
状態を維持する。次にスレーブノードはそれぞれの相補的な逆リンク用シグネチ
ャ(確認もしくはリターンシグネチャとしても知られている)をタンデムノード
に送信し、タンデムノードからルートファインダシグネチャを受信することによ
って応答する。コンファメーションシグネチャは、タンデムノードへ戻って、ノ
ードの入力ポートと出力ポートとの間の必要なスイッチ接続を設定し、最終的に
送り側ノードに到達し、次に各ルートファインダシグネチャの送信を停止し、故
障したスパンの対応するリンクで行われていたトラヒックの伝送をこの新しく設
定された回復ルート上で行う。
上記の米国特許第 4,956,835号明細書ではさらに、回復機構を使用して、2つ
のノードを配置することによって、網内に新しい回路ルートを自動的に準備でき
ることを開示している。この2つのノード間には追加の(すなわち、補助的な)
回路ルートを準備し、この2つのノードは選択したノード間の人為的な障害に関
して直接に送り側および選択側の状態になるのが望ましい。ノードは、探索中の
回路ルート数を含む人為的な障害の情報を供給される。
発明の概要
本発明の第1の態様にしたがって、完全にもしくは部分的にメッシュ状に配置
されたノードから成る通信網内で追加のルートを決める方法であり:
第1の所定の環境に応答し、かつ各所定のマスタ/スレーブ関係にしたがっ
て、既存のルートの両端に位置する各1対のノードにおいて、前記既存のルート
における前記対の一方のノードがマスタ端ノードとして動作し、かつ他方のノー
ドがスレーブ端ノードとして動作するように決める段階と;
前記既存のルート用の識別データを含む第1のフィールドを有するフォワー
ドルートファインダシグネチャを前記既存のルートにおいて前記一方のノードか
らその隣接ノードへ送る段階と;
あるノードで前記フォワードルートファインダシグネチャを受信し、前記第
1のフィールドの内容からこの受信ノードが前記既存のルートにおいてスレーブ
端ノードであるか否かを判断し、スレーブ端ノードでない場合には、この受信し
たフォワードルートファインダシグネチャをその隣接ノードへ前送りする段階と
;
前記他方のノードにおいて、第2の所定の環境に応答して潜在的な追加ルー
トを決め、前記潜在的な追加ルートにおいて前記他方のノードからルート確認シ
グネチャを送って、前記潜在的な追加ルートを識別する段階と;
ルート確認シグネチャを受信したときに、前記一方のノードにおいて前記潜
在的な回復ルートの詳細を記憶する段階とを含み:
複数の既存のルートにおいてあるノードで共通の環境が発生したことを検出
し、前記検出ノードが該既存のルートと関係している段階と;
前記検出ノードにおいて前記共通の環境に対応して共通のシグネチャを発生
し、該共通の環境にはそれぞれ、前記複数の既存のルート用の各識別データを含
む第1のフィールドと、前記第1のフィールド数を含む第2のフィールドとを含
まれている段階とを特徴とする完全にもしくは部分的にメッシュ状に配置された
ノードから成る通信網内で追加ルートを決める方法を提供する。
本発明は、ノードが複数の類似する各環境において個別のシグネチャを発生す
る状況、例えばエキスカベータ(excavator、掘削機)が1または複数のスパン
を通しているダクトを切断し、ある故障ノードが複数の故障ルート上の他の故障
ノードに対してバイパス回復ルートが許されない状況においても効果的である。
共通のシグネチャを使用することによって、受信ノードがシグネチャを処理する
のにかかる全体的な時間を減少する。一連の個々の各シグネチャに対してプロト
コルヘッダおよびトレーラを処理しなければならない代りに、ノードは対応する
共通のシグネチャに対して1回だけこの処理を行うことが必要となる。この処理
回数の減少は、大型網において1スパンの故障から多数のルートが故障する可能
性があったり、さもなければ対応する多数のヘルプおよびルートファインダシグ
ネチャを生成するというようなルート回復にとって非常に重要である。
好ましくは、前記検出ノードは前記複数の各既存のルートにおけるタンデムノ
ードであり、前記共通の環境では、前記検出ノードと1または複数の関係する隣
接ノードとの間にある前記複数の既存のルートにおいて各バイパスルートは使用
できないので、前記共通のシグネチャはヘルプシグネチャとして、前記複数の既
存のルートの各ノードの接続を外し、前記複数の既存のルートの各端ノードにお
いて回復プロセスを開始し、前記検出ノードから各隣接ノードへ送られ、該隣接
ノードが前記複数の既存のルートの1または複数の既存のルートと関係しており
、前記検出ノードは該隣接ノードとの動作リンクをもっている。
好ましくは、前記検出ノードが前記一方のノードであり、前記共通の環境では
、前記一方のノードが前記既存のルートにおいてマスタ端ノードとして動作する
ことに加えて、1または複数の他の既存のルートにおいてもマスタ端ノードとし
て動作し、共通のシグネチャがルートファインダシグネチャである。
好ましくは、共通のシグネチャが前記一方のノードの全ての隣接ノードへ送ら
れる。
本発明の第2の態様にしたがって、完全にもしくは部分的にメッシュ状に配置
されたノードから成る通信網で使用するノードであり:
使用時に、該ノードが端ルートである既存のルートにおいて第1の所定の環
境に応答して、該ノードがマスタ端ノードとして動作するかまたはスレーブ端ノ
ードとして動作するかを判断し;
使用時に、該ノードがマスタ端ノードとして動作するという判断に応答して
、フォワードルートファインダシグネチャをその隣接ノードへ送り;
使用時に、該ルートがルートファインダシグネチャを受信し、ルートファイ
ンダシグネチャが識別する既存のルートにおいて該ノードが端ノードであるか否
かを判断し、該ノードが端ノードでないという判断に応答して、この受信したル
ートファインダシグネチャを隣接するノードへ前送りするか、または該ノードが
端ノードであるという判断に応答し、該ノードが既存のノードにおいてスレーブ
端ノードであるという先の判断に続いて、第2の所定の環境に応答して潜在的な
追加ルートを決め、前記潜在的な追加ルートにおいてルート確認シグネチャを送
って既存のルートを識別し;
使用時に、該ノードがマスタ端ノードとして動作している既存のルートにお
いてルート確認シグネチャを受信したときに、前記潜在的な追加ルートの詳細を
記憶するようにしたノードであり:
使用時に、該ノードと関係している複数の既存のルートにおいて共通の環境
の発生を検出し;
前記共通の環境に対応する共通のシグネチャを発生し、前記共通のシグネチ
ャがそれぞれ、前記複数の既存のルートに対して各識別データを含む第1のフィ
ールドと、前記第1のフィールドの数を含む第2のフィールドとを有するように
されていることを特徴とする完全にもしくは部分的にメッシュ状に配置されたノ
ードから成る通信網で使用するノードを提供する。
好ましくは、該ノードが、使用時および該ノードが前記複数の各既存のルート
においてタンデムノードであるとき、該ノードと1または複数の関係するノード
との間の前記複数の既存のルートにおいて各バイパスルートを使用できないこと
を検出し、このバイパスルートを使用できないことが前記共通の環境を構成して
おり;前記共通のシグネチャをヘルプシグネチャとして発生して、前記複数の既
存のルートの各ノードの接続を外し、前記複数の既存のルートの各端ノードにお
いて回復プロセスを開始し;前記共通のシグネチャを各隣接ノードへ送り、該隣
接ノードが前記複数の既存のルートの1または複数の既存のルートと関係してお
り、該ノードが該隣接ノードとの動作リンクを有するようにされている。
好ましくは、該ノードが、前記既存のルートにおいてマスタ端ノードとして動
作することに加えて、1または複数の他の既存のルートにおいてもマスタ端ノー
ドとして動作することを決めるとき、該ノードがルートファインダシグネチャと
して共通のシグネチャを発生するようにされており、前記決定が前記共通の環境
を構成している。
好ましくは、使用時に、該ノードが共通のシグネチャをその全隣接ノードへ送
るようにされている。
本発明の第3の態様にしたがって、完全にもしくは部分的にメッシュ状に配置
されているノードから成る通信網であり、該ノードが実質的に同じで、しかも本
発明の第2の態様でとらえたものとなっている通信網を提供する。
図面の簡単な説明
ここで本発明の特定の実施形態を添付の図面を引用して例示的に記載する。
図1は、ノードを相互接続した網の図である。
例示的実施形態の詳細な説明
本発明の特定の実施形態は通信網の回復ルートを設定する実時間回復プロセス
に関し、以下ではこの実時間回復プロセスに限定して記載するが、このようなプ
ロセスが網の単独の回復プロセスである必要はなく、予め計画した回復プロセス
と結合できることが分かるであろう。
図1に示した網10は、それぞれ独特の網識別子をもつ多数のノードから構成さ
れており、本発明を技術的に説明するために、ノードA乃至Jのみのノードを記
載することにする。参照符号“I”は混乱を招く可能性が高いので使用していな
い。
本明細書では、網10内の各対の端ノードをその端ノードに配置した多くのルー
トの中から3つのルートのみを検討する。この3つのルートは独特のルートID
“X”、“Y”、および“Z”を有する。ルートXは端ノードAとEとの間にあ
り、中間ノード(タンデムノードとしても知られている)B、C、およびDを通
り、スパンAB、BC、CD、およびDE内に一連の双方向リンクを含み;ルー
トYは端ノードAとGとの間にあり、中間ノードB、C、およびFを通り、スパ
ンAB、BC、CF、およびFG内に一連の双方向リンクを含み;ルートZは端
ノードDとJとの間にあり、中間ノードCおよびHを通り、スパンDC、CH、
およびHJ内に一連の双方向リンクを含んでいる。スパンは、それが接続してい
る2つのノードから名前を付けられており、例えばスパンCDはスパンDCと呼
ぶこともでき、任意の例で使用するスパン名は、あるルートにおいて端ノードか
ら端ノードへの対応するノードの一連の参照符号と一致する。実際には、ノード
IDおよびルートIDは数字であるが、本明細書では便宜上アルファベットを使
用している。
ノード間のスパンは動作リンクとスペアリンクとを含み、各動作リンクは各独
特のルートの一部分を形成している。ルート容量を回路数によって示すが、容量
はリンクユニットにおいて付加および削除される。
エキスカベータがノードCの近くに位置しているダクトを破損する場合に関し
て検討する。この点においてスパンCDおよびCFの両方を含んでいる。この場
合、ノードCおよびD、すなわちルートXの故障ノードは、スパンCDの故障を
検出したとき、回復ルートをノードAとEとの間に発見することを決め、同様に
ノードCおよびFは回復ルートをノードAとGとの間に発見することを決め、ノ
ードDおよびCは回復ルートをノードDとJとの間に発見することを決める。
説明を簡単にするために、他のルートは故障していないと仮定するが、実際に
は故障ノードは同様に、故障リンクを経験した他の各ルートにおいてそれぞれの
回復ルートを発見するように動作することが分かると思う。これらの回復ルート
を設定する順序は、ルートを優先順にランク付けすることによって予め決めるこ
とができるが、このランク付けは本発明の技術的範囲の部分ではないので、説明
を記載しないことにする。
各故障ノードはここで、上述の決定の結果として、該故障ノードが関係する故
障ルートにおいて共通のヘルプシグネチャ(本明細書ではヘルプメッセージと記
載する)を発生し、共通のヘルプメッセージを該ルートの各端ノードへ送る。
したがってノードCは、ルートX、Y、およびZにおいてその共通のヘルプメ
ッセージをノードBおよびHへ送る。その理由はノードBおよびHはルートX、
Y、およびZにおいて隣接ノードであるからである。ノードFはルートYにおい
てその共通のヘルプメッセージをノードGへ送り、ノードDはルートXにおいて
その共通のヘルプメッセージをノードEへ送る。ノードDはルートZの故障ノー
ドであるが、該ルートZの端ノードでもあることが分かるであろう。
回復プロセスで使用する種々の各シグネチャはヘッダおよびトレーラをもち、
ヘッダは4ビットのシグネチャタイピフィールドを含む。種々のシグネチャタイ
プ(形式)には、次により詳細に記載するように、標準の共通ルートファインダ
(前送りの共通ルートファインダとしても知られている)、逆方向の共通ルート
ファインダ(後送りの共通ルートファインダとしても知られている)、ルートト
レーサ、アラーム、共通のヘルプ、バックトラック、およびリターン(確認とし
ても知られている)のシグネチャがある。
共通のルートファインダシグネチャの情報部分は、4ビットのフラッドカウン
トフィールド、4ビットのホップカウントフィールド、4ビットのルートIDカ
ウントフィールド、16ビットの1または複数のルートIDフィールド、および
8ビットの対応する数の回路数フィールドを含んでいる。
共通のヘルプシグネチャの情報部分は、4ビットのルートIDカウントフィー
ルド、16ビットの1または複数のルートIDフィールド、および8ビットの対
応する数の回路数フィールドを含んでいるので、シグネチャがノードCからノー
ドBおよびHへ送られる場合、そのIDカウントフィールドは3であり、3つの
IDフィールドはそれぞれX、Y、およびZを含み、3つの関係する回路数フィ
ールドはルートX、Y、およびZの各容量を含む。
共通のヘルプメッセージは各中間ノードを通るときに、対応する故障ルートの
接続を外す。各ノードは1または複数のリンクにおいて受信した共通のヘルプメ
ッセージを前送りする。1または複数の該リンクは、共通のヘルプメッセージに
含まれる1または複数のルートIDに対応する。
各ノードはそれ自身の網IDを知っており、該ノードが端ノードであるときの
ルートIDおよびその他の端ノードの網IDを記憶する表を含んでいる。
ノードBが共通のヘルプメッセージを受信するとき、記憶した表を検査して、
ノードBが何れの識別されたルートにおいて端ノードであるかを発見する。この
場合、ノードBがルートXまたはルートYにおける端ノードでないときは、ルー
トXおよびY(スパンBAのリンク)と関係する出力リンクに共通のヘルプメッ
セージを送り、ルートBの接続表からルートおよびリンクデータを取り除くこと
によってこれらのルートの接続を外す。
ノードAは共通のヘルプメッセージを受信すると、ルートXおよびYの端ノー
ドであると判断し、ノードの独特の網ID(順序数)に基いて他の端ノードの記
憶したID、すなわちルートXにおいてEおよびルートYにおいてGよりもノー
ドAが高いランクであるか低いランクであるかを判断する。ノードAが高いラン
クであるときはマスタノード(センダノードとしても知られている)として動作
し、低いランクであるときは、スレーブノード(チューザノードとしても知られ
ている)として動作することになる。この例ではノードAはノードEおよびノー
ドGの両方よりも高いランクの網IDをもつので、共通のヘルプメッセージを受
信すると、ルートXおよびYの回復ルートを設定するためにマスタノードの役割
を担う。
同様にノードEは各共通のヘルプメッセージを受信すると、ルートXの端ノー
ドであると判断し、ノードEがルートXの他方の端ノード(A)の記憶したID
よりも高いランクであるか低いランクであるかを判断する。この例ではノードE
はノードAよりも低いランクの網IDをもつので、共通のヘルプメッセージを受
信すると、ルートXの回復ルートを設定するために、スレーブノードの役割を担
う。
ここでノードAは故障ルートXおよびYにおいて共通のフォワードルートファ
インダシグネチャをブロードキャストする、すなわちスペアリンクにおいて該シ
グネチャをその隣接ノードへ送る。次に、故障ルートXおよびYでは受信したシ
グネチャを前送りするので、該受信したシグネチャは網でフラッドする。シグネ
チャはルートXおよびYのIDと、ルートXおよびYにおける各必要容量とを含
み、ノードAのルートIDカウントフィールドは2であり、ノードAのフラッド
カウントフィールドは1と設定される。シグネチャが網でフラッドするとき、前
送りおよび中継ノード(すなわち、該シグネチャのルートIDにおいて端ノード
でないノード)は、ホップカウントフィールドをインクリメントする。
中継ノードは全てのスパンにおいて共通のシグネチャを前送りし、あるスパン
のスペア容量が故障ルートの合計容量に対して十分であるか否かを判断する検査
を行わず、該合計容量が確保されているとマークしない。
中継ノードは受信したシグネチャのホップカウントを検査して、カウントが所
定の最大値よりも大きいときは動作しない。これは、フラッドの地理的な広がり
に対する制限範囲を設定する。変形では、フラッド制御は付加的または代替的に
、シグネチャの元のフィールドの時間を検査し、シグネチャが所定の制限範囲よ
りも古いときは動作しないことを含む。
マスタノードAが共通のルートファインダシグネチャをブロードキャストする
と、静止状態に入り、各リターンシグネチャの受信を待つ。
ノードEは故障ルートXにおいてスレーブノードとして動作することを決める
と、タイムアウトを開始(トリガ)して、ルートIDを含んでいる対応するルー
トファインダシグネチャの受信を待ち、未知の容量をもつ潜在的な回復ルートを
示す。
スレーブノードEは、最初にタイムアウト内でフォワードルートフアインダシ
グネチャを受信すると、リターンシグネチャ(ルート確認シグネチャとも呼ばれ
る)を発生し、該リターンシグネチャをフォワードルートファインダシグネチャ
を受信したノードを介して送り戻す。このリターンシグネチャはルートファイン
ダシグネチャに類似しているが、シグネチャタイプフィールドの内容を変更して
、該リターンシグネチャをマスタノードAへ向って移動するリターンシグネチャ
として識別することが異なり、ルートIDカウントフィールドを削除し、ルート
ID Xを含む単一のルートIDフィールドを使用し、単一のフィールドを必要
容量用に使用する。スレーブノードEは、ルートXにおいてその後受信したルー
トファインダシグネチャを無視する。
リターンシグネチャが潜在的な回復ルートのノードを通るとき、これらの各ノ
ードはどの位の容量が使用可能であるかを検査し、対応するスイッチポートを適
切に接続し、8ビットのノードIDフィールドを生成し、そのノードIDを該フ
ィールドへ書込む。ノードは必要容量と使用可能容量とを比較し、必要容量が使
用可能容量よりも少ないときは、該必要容量のためにノードを接続し、リターン
シグネチャを潜在的な回復ルートの次のノードへ送る。しかしながら、必要容量
が使用可能容量よりも多いときは、該ノードは使用可能容量のために接続を行な
い、必要容量フィールドの代りに使用可能容量内の数をもつシグネチャを前送り
し、さらにスレーブ端ノードEへバックトラックシグネチャを送る。該バックト
ラックシグネチャはルートXのIDおよび必要容量と使用可能容量との間の差を
含んでいるので、既に設定した接続を外して、特定の回復ルートでは設定できな
い容量を得ることができる。
ここでマスタノードAは、リターンシグネチャを受信すると、中間または中継
ノードIDが該シグネチャから識別したように回復ルート、および特定の回復ル
ートの容量が存在していることを知り、ここで回復ルートにおいてルートトレー
サシグネチャをノードEへ送り、ノードEに回復ルートの中間ノードを知らせる
。本発明を使用して、補助ルートを発見するとき、既存のルートにおいてルート
トレーサシグネチャを送ることができる。このルートトレーサシグネチャの使用
は当業者に知られており、本発明の一部分を形成していない。
ノードAは、受信したリターンシグネチャの回路数フィールドの内容から回復
ルートの容量が必要容量よりも少ないことを知ると、容量が不足しているために
ルートXにおいてスレーブノードとして動作するようにスイッチし、ルートXに
おいて逆ルートファインダシグネチャの受信を待つ。
バックトラックシグネチャを受信すると、スレーブノードEはルートXに対し
てマスタノードとして動作するように変更し、ルートファインダシグネチャを、
そのフラッドカウントフィールドを2に設定し、その必要容量をバックトラック
シグネチャの値(すなわち、回路の不足)に設定して発生し、その隣接ノードへ
送る。このシグネチャは逆ルートファインダシグネチャとも呼ばれる。シグネチ
ャのフラッドカウントが奇数のときは、回復ルートを発見する試行を最初のマス
タノードが連続的に行ない、また同じ様に対応してシグネチャのフラッドカウン
トが偶数のときは最初のスレーブノードが連続的に試行したと識別できることが
分かる。
現在スレーブノードとして動作しているノードAは、最初に逆ルートファイン
ダシグネチャを受信すると、逆ルートファインダシグネチャを受信したリンク上
でリターンシグネチャを直ぐに送ることによって応答する。逆ルートファインダ
シグネチャは、シグネチャタイプフィールド内にリターンシグネチャ用の適切な
コードを有し、フラッドカウントフィールドを2に設定し、さらに回路数フィー
ルドを受信した逆ルートファインダシグネチャの値に設定する。
ここでマスタノードとして動作しており、逆ルートファインダシグネチャを送
信したノードEは待機状態になる。
網の回復ルートを発見する上述の方法を使用して、補助ルートを発見すること
ができる。それは、網制御センタから混雑したルートの2つの端ノードへ命令を
送り、2つの該端ノードが混雑したルートを故障していると処理して、本発明の
方法を使用して、2つの該端ノード間に追加ルート(代替ルートとしても知られ
ている)を発見するものである。
上述の実施形態の長所は、各影響を受けるルートごとに個々のシグネチャを使
用する構成と比較して、タンデムノードが処理しなければならない個々のシグネ
チャ数が減少することである。したがって、受信され、ノードプロセッサが自由
になるまでその処理を待ち行列で待ち、かつ最長の待ち状態のシグネチャで処理
するというシグネチャ数を減少するだけでなく、回復するという状況にとって必
要な全処理量を減少することができる。その理由はヘッダとトレーラがより少な
いからである。ノードCからの上述の共通のヘルプメッセージ内のルートID
YはルートID Xと実質的に同じ時間でタンデムノードBへ送ることになり、
自分自身の各シグネチャ内に含まれ、しかも別々に処理され、多分ルートID
Xに対するシグネチャに関して遅れたものとなるのとは異なっている。したがっ
てこの方法を使用して回復すなわち補助ルートを発見すると、個々の各シグネチ
ャを使用する従来の方法よりもより迅速になる。
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フロントページの続き
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,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
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Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
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CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H
U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,
MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM
,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN
【要約の続き】
使用可能な容量をオーバライトされた容量フィールドを
もつリターンシグネチャを前送りし、バックトラックシ
グネチャを該ルートのスレーブノードへ送り、先のタン
デムノードで行った先の接続を外して、該スレーブノー
ドに容量の不足量を知らせる。スレーブノードは、マス
タノードとして動作するようにスイッチし、その不足量
のために逆ルートファインダシグネチャを送り、マスタ
ノードはリターンシグネチャ(リターンシグネチャの容
量は該ノードが知っている該ルートの必要容量よりも少
ない)の受信に応答して、このルートにおいてスレーブ
ノードとして動作するようにスイッチし、逆ルートフィ
ンダシグネチャを待つ。複数のルートIDにおいて共通
のシグネチャを使用することによって全体的な回復時間
の低減を達成する。