JPH11509675A - 回路装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、電源と接地端子に接続する入力端子と、誘導手段と容量性フィルタ手段とが組込まれた差動モードおよびコモンモードのフィルタ手段と、放電ランプに接続する出力端子と、それぞれの電圧伝達支線により入力端子と出力端子に接続された切替モード電源とを備えた、放電ランプを点灯し作動させる回路の配置に関する。本発明によれば、この回路装置は、入力端子と出力端子がそれぞれの容量性フィルタ手段により相互に接続され、かつ、接地端子に接続されている点、電圧伝達支線の１つにビードが含まれている点、誘導手段と切替モード電源との間にコモンモードの容量手段がさらに存在する点に特徴がある。このようにしてＥＮ５５０２２およびＥＮ５５０１５の定式化された要件に応えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 回路装置 技術分野 本発明は、電源と接地端子に接続する第１および第２の入力端子と、誘導手段 と容量性フィルタ手段とが組込まれた差動モードおよびコモンモードのフィルタ 手段と、第１および第２の電圧伝達支線により第１および第２の入力端子にそれ ぞれ接続された切替モード電源と、放電ランプに接続し、第３および第４の電圧 伝達支線により切替モード電源にそれぞれ接続された第１および第２の出力端子 とを備えた、放電ランプを点灯し作動させるための回路装置に関する。 背景技術 このような回路装置は、蛍光灯の点灯および作動用に設計されたフィリップス 製ＨＦ−Ｂ ＴＬＤおよびＨＦ−Ｐ ＴＬＤタイプの電気安定器、および高圧の放 電ランプ、特に、メタルハライドランプの点灯および作動に適したフィリップス 製ＥＭＣ ０３５−Ｓ０１安定器により知られている。 このフィルタ手段は、安定器がＥＮ５５０１５の規格において特に知られてい る要件を確実に満たすために役立つものである。これは、特に９ＫＨｚから３０ ＫＨｚまでの範囲の周波数において発生する干渉信号の総計がある所定の条件の 下で最大許容値未満に止まることにより達成される。 既知の安定器における誘導手段は、第１および第２の電圧伝達支線の中に相互 に連結され、コモンモードコイルと、差動モードコイルとしての別個のインダク タンスとをそれぞれ構成する第１および第２の巻線を備える。この別個のインダ クタンスは、電圧伝達支線のうちの１つに別個の自己インダクタンスとして備え られたものでも良い。２本の電圧伝達支線上に分布し、相互に連結された２本の 巻線の形態における具体例は、技術的に等価である。容量性フィルタ手段は、第 １と第２の電圧伝達支線を接続する差動モードコンデンサであって、コモンモー ドコイルと差動モードコイルとの間に設置されると同時に、容量性フィルタ手段 の一部をなすコモンモードコンデンサとともに直列回路を構成する差動モードコ ンデンサを備えている。コモンモードコンデンサは、誘導手段の少なくとも一部 と接地端子とを接続する。差動モードコンデンサは、差動モードインダクタンス とともに差動モードフィルタを形成し、また、コモンモードコンデンサは、コモ ンモードコイルとともにコモンモードフィルタを形成する。既知の回路装置にお けるコモンモードコンデンサは、単一のコンデンサで形成される。代りに、容量 性フィルタ手段を２つのコンデンサで形成し、第１および第２の電圧伝達支線を 2つのコンデンサのうちの１つにそれぞれ接続しながら、それぞれを接地端子に 接続することも可能である。 既知の安定器のフィルタ手段は、上述の要件を満たすために十分な手段を構成 するが、これらの手段によっては、ＥＮ５５０２２に従って３０ＭＨｚから１Ｇ Ｈｚまでの周波数範囲で許容される干渉量の要件をも満たすことは不可能である ことが分っている。これが問題である。本発明は、この問題を解決する手段を提 供することを目的とする。 発明の開示 本発明によれば、上記目的の達成のため、最初に記載した種類の回路装置にお いて、出力端子のみならず入力端子も容量性フィルタ手段により、相互に接続さ れ、かつ、接地端子に接続されていること、電圧伝達支線の１つの中にビードが 含まれていること、さらに、誘導手段と切替モード電源との間にコモンモードの 容量性手段が存在することを特徴とする。 コモンモード容量手段をさらに備えることにより、ＥＮ５５０１５の標準をな お確実に満しながら、入力端子および出力端子並びに接地端子との間の容量性接 続とビードとを組合わせることにより、ＥＮ５５０２２において定式化された要 件を満たすことができるということが発見されたのは驚異的である。好ましくは 、誘導手段は、第１および第２の電圧伝達支線における漏れに結合された第１お よび第２の巻線としてそれぞれ組立てられると良い。漏れインダクタンスが差動 モードフィルタの一部をなすと同時に、この結合インダクタンスは、このように 、さらに備えられたコモンモードの容量手段とともに、９ＫＨｚから３０ＫＨｚ までの範囲の周波数においてコモンモードフィルタの一部をなす。 ビードは、寄生容量が実質的に存在しないために、高周波における干渉信号を 防止するのに特に適していることが発見された。高周波フィルタに特に適したビ ードは、３０ＭＨｚから１ＧＨｚまでの周波数範囲で比較的高いオーミックイン ピーダンスを有するフェライトビードである。相互に極性を異にする電圧伝達支 線の中に２個のビードを配設して高周波数の範囲で差動モードフィルタを動作さ せると、さらに有利である。 この回路装置は、高圧放電ランプを点灯する点灯電圧パルスを生成する点灯回 路を備えている。このような回路は、２次巻線が出力端子の１つと直列に配設さ れたパルス変圧器の１次巻線をしばしば備えている。このパルス変圧器は、点灯 回路で形成された２次巻線中のパルスをランプを点灯させるために適当でかつ十 分なレベルまでの昇圧を与える。２次巻線は、ビードとこれに関連する出力端子 との間に配設されることが好ましい。これは、点灯パルスにより生起する高周波 信号が切替モード電源の負荷をなすことを可能な限り防止するという点で有利で ある。これは、第３および第４の電圧伝達支線がいずれもビードとともに備えら れるという非常に有利な方法により実現される。 高電圧放電ランプは、周期的に交番する電圧で作動するのが通常であり、また 、好ましい。このようなランプの点灯および作動用の回路装置であって、切替モ ード電源を備えたものは、第３および第４の電圧伝達支線に接続され、このよう な 目的を達成するための整流子を備えている。整流子は、交互に導通および被導通 となる少なくとも２個の、しばしば４個ものスイッチング素子を備える。ここで は、ビードは、スイッチング素子と出力端子との間に配設されることが好ましい 。 通常、切替モード電源は、接続された電源から供給される交流電圧から直流電 圧を生成する整流素子を備えている。コモンモード容量手段を接地端子と直流電 極との間にさらに設置することにより、このコモンモード容量手段を介してアー スに流れるいかなる漏れ電流も、このコモンモード容量手段を交流電極に接続す る場合より小さくすることができるのは、驚異的である。これにより、このコモ ンモード容量手段の容量値をより高くすることが可能になり、このため、コモン モードフィルタの動作は、さらに改善する。 図面の簡単な説明 第１図は、従来の技術による回路装置の回路図であり、第２図は、本発明に係 る回路装置の回路図であり、第３図は、第２図に示す回路装置の一部の詳細な回 路図であり、第４図は、第２図に示す回路装置により発生する干渉信号の周波数 特性図である。 発明を実施するための最良の形態 以下、本発明に係る回路装置の実施の形態を示す図面を参照しながら、本発明 の上述した側面およびより進んだ側面を詳細に説明する。 第１図は、放電ランプ９を点灯し作動させるための回路装置の１例を示す。第 １図に示す回路装置は、高圧放電ランプ、特に、メタルハライドランプの作動に 適した安定器に関するものであり、 電源と接地端子３に接続する第１および第２の入力端子１，２と、 誘導手段４００，４０３および容量性フィルタ手段４１，４２，４４を含む差 動モードおよびコモンモードのフィルタ手段４と、 それぞれ第１および第２の電圧伝達支線５，６を介して第１および第２の入力 端子に接続される切替モード電源Ｉと、 第３および第４の電圧伝達支線を介して切替モード電源にそれぞれ接続され、 放電ランプに接続する第１および第２の出力端子７，８とを備えている。 フィルタ手段４は、ＥＮ５５０１５の規格において特に知られている要件を安 定器が満たすことを達成するのに役立つ。これにより、特に９ＫＨｚから３０Ｋ Ｈｚまでの周波数範囲において発生する干渉信号の総計がある所定の条件下で最 大許容値未満に止まるということが保証される。 この既知の安定器において、誘導手段は、第１および第２の電圧伝達支線の中 で相互に結合された第１および第２の巻線であって、それぞれコモンモードコイ ルおよび別個のインダクタンス４０３を形成し、２本の電圧伝達支線上に分布す る２本の巻線の形態において差動モードコイルとして作動する巻線４０１，４０ ２を備えている。容量性フィルタ手段は、第１および第２の電圧伝達支線を相互 に接続する差動モードコンデンサであって、コモンモードコイル４００と差動モ ードコイル４０３との間に配設されると同時に、その一部をもなすコモンモード コンデンサ４２とともに直列回路を形成する差動モードコンデンサ４１を備えて いる。コモンモードコンデンサは、誘導手段の少なくとも一部と接地端子３との 接続をなす。差動モードコンデンサ４１は、さらに備えられた差動モードコンデ ンサ４４およびインダクタンス４０３とともに、差動モードフィルタを形成し、 コモンモードコンデンサ４２およびコモンモードコイル４００は、コモンモード フィルタを形成する。この既知の回路装置においてコモンモードコンデンサは、 単一のコンデンサで形成されている。 第２図に示す回路装置は、本発明に係る回路装置の一つである。第１図と同一 の部分には同一の参照番号を付している。誘導手段は、ここでは、漏れと結合さ れ、第１および第２の電圧伝達支線の中に配設された第１および第２の巻線４０ Ａ，４０Ｂとしてそれぞれ組立てられている。このようにして、結合された インダクタンスは、さらに備えられたコモンモード容量手段４２とともに９ＫＨ ｚから３０ＫＨｚまでの周波数範囲においてコモンモードフィルタの一部をなす が、漏れインダクタンスは、差動モードフィルタの一部をなす。入力端子１，２ および出力端子７，８は、容量性フィルタ手段４１，４５をそれぞれ介して相互 に接続されるとともに、容量性フィルタ手段４２，４６をそれぞれ介して接地端 子３に接続されている。これに加えて、ビード４７，４８（フェライトビードが 好ましい）が電圧伝達支線１０，１１の中にそれぞれ含まれているとともに、コ モンモード容量手段４３が誘導手段４００と切替モード電源Ｉとの間にさらに存 在する。 第３図に切替モード電源をより詳細に示す。この切替モード電源は、これに接 続された電源から供給される交流電圧から直流電圧を形成し、第１の直流−直流 変換回路１６および第２の直流−直流変換回路１７に供給する整流素子１５を備 えている。変換回路１７は、引続き、整流子２０に接続されている。整流素子１ ５、直流−直流変換回路１６，１７および整流子２０は、直流電圧導体１５１， １５２によって相互に接続されている。直流−直流変換回路は、制御回路１８で 生成される制御信号によって周期的に導通および非導通となる制御スイッチング 手段を各々備えている。測定インピーダンス１９は、制御信号を形成するために ２つの直流−直流変換回路の間の直流電圧導体１５２の中に含まれる。コモンモ ード容量手段４３が測定インピーダンスと直流−直流変換回路１７の間にさらに 接続されることにより、無視できる程度の低い値でのみ測定インピーダンスが干 渉信号を生成することに寄与するということが有利に達成される。第３および第 ４の電圧伝達支線に接続される整流子２０は、交互に導通および非導通となる４ つのスイッチング素子２１，２２，２３，２４を備えている。この整流子は、点 灯用電圧パルスを生成する点灯回路２５をさらに備えている。この回路は、パル ス変圧器２６の１次巻線２６１を備えている。パルス変圧器２６の２次巻線 ２６２は、出力端子８とフィルタコンデンサ４５との間で出力端子８と直列に配 設されている。ここで、スイッチング素子２１，２２と出力端子７との間には、 ビード４７が配設されている。スイッチング素子２３，２４と２次巻線２６２と の間には、ビード４８が配設されている。 上述した実施形態の回路装置を現実に実施するにあたって、この回路装置は、 メタルハライドランプ、例えば、定格電力３９Ｗ，２２０Ｖ，５０Ｈｚの電源に 接続するように設計されたフィリップス製のＣＤＭ ３５Ｗタイプを点灯し作動 させるのに適している。フィルタ手段は、以下の構成部品で組立てる。 巻線４０Ａ，４０Ｂ；自己インダクタンス２×１３ｍＨ 漏れインダクタンス４００μＨ ビード４６，４７ ；ムラタ製ＢＬ０２ＲＮ２ コンデンサ ４１：３３０ｎＦ 同 ４２：４７０ｐＦ 同 ４３：２．２ｎＦ 同 ４４： １０ｎＦ 同 ４５：４．７ｎＦ 同 ４６：４７０ｐＦ 第１の直流−直流変換回路１６は、全波整流がなされた供給電圧から第２の直 流−直流変換回路１７に供給する４００Ｖの直流電圧を形成するアップコンバー タである。変換器１７は、バック（Ｂuck）即ち、ダウンコンバータとして組立 られ、ランプの安定動作中においては、制御電流発生器をなす。ランプの安定動 作中のランプ電圧は、概ね９０Ｖである。２つの直流−直流変換回路の制御切替 手段は、各々、ランプの安定動作中１７ＫＨｚから０．２ＭＨｚまでの範囲の高 周波数で交互に導通および非導通となる。整流子のスイッチング素子は、１５０ Ｈｚの実質的に一定の周波数で交互に導通および非導通となるように開閉する。 パルス変圧器２６の２次巻線２６２は、７６の巻数を有し、従って、干渉信号を 抑制するにあたって、いささかの重要な役割を果すことのない大きな寄生容量を 有する。 第４図Ａ、Ｂは、ＣＤＭ３５Ｗランプ（フィリップス製、公称ワット数３９Ｗ ）の動作中に上述の実施形態により発生し、最高点測定により測定した干渉信号 量の周波数特性図である。信号の強度は、縦軸に通常の単位でプロットし、周波 数は、横軸にプロットしている。第４図Ａは、ＥＮ５５０１５の規格がカバーす る周波数範囲を示す。第４図Ｂは、ＥＮ５５０２２の規格がカバーする周波数範 囲に関するものである。各周波数範囲に好適でかつ実際に必要とされる特定の測 定技術によれば、ＥＮ５５０１５またはＥＮ５５０２２に従って測定すると、同 一の周波数における測定された干渉信号の値の差違が増大することがある。曲線 １００は、測定された信号の強度を表し、また、曲線２００は、ＥＮ５５０１５ およびＥＮ５５０２２により許容される最大限の強度である。曲線１００がすべ ての周波数範囲にわたって曲線２００の下に止まっているため、本発明に係る回 路装置がＥＮ５５０１５およびＥＮ５５０２２のいずれの規格をも満たすことは 、自明であろう。比較のため、既知の回路装置を用いた場合の信号の強度を表す 曲線３００を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 電源と接地端子に接続する第１および第２の入力端子と、 誘導手段と容量性フィルタ手段とが組込まれた差動モードおよびコモンモード のフィルタ手段と、 第１および第２の電圧伝達支線により上記第１および第２の入力端子にそれぞ れ接続された切替モード電源と、 上記放電ランプに接続し、第３および第４の電圧伝達支線により上記切替モー ド電源にそれぞれ接続される第１および第２の出力端子とを備え、 上記出力端子のみならず上記入力端子も、上記容量性フィルタ手段により相互 に接続されるとともに、上記接地端子に接続され、 上記電圧伝達支線の１つにビードが配設され、 上記誘導手段と上記切替モード電源との間に、コモンモードの容量手段がさら に存在することを特徴とする、放電ランプを点灯し作動させるための回路装置。 ２． ２つのビードが配設され、 上記ビードは、互いに極性を異にする異なる電圧伝達支線内に配置されている ことを特徴とする請求の範囲第１項記載の回路装置。 ３． 上記切替モード電源は、交互に導通および非導通となるスイッチング素 子を備えた整流子を備え、 上記ビードは、上記スイッチング素子と上記出力端子との間に配設されたこと を特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載の回路装置。 ４． ２次巻線が上記出力端子の１に直列に接続されたパルス変圧器の１次巻 線を備えて点灯電圧パルスを生成する点灯回路を備え、 上記２次巻線は、ビードと、これに関連する出力端子との間に配設されている ことを特徴とする請求の範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の回路装置。 ５． ２次巻線が出力端子に直列に接続されたパルス変圧器の１次巻線を備え て点灯電圧パルスを生成する点灯回路を備え、 上記２次巻線は、上記出力端子の１とそれぞれの容量性フィルタ手段との間に 配設されていることを特徴とする請求の範囲第１項ないし第４項のいずれかに記 載の回路装置。 ６． 上記切替モード電源は、整流素子と直流電圧導体とを備え、 上記コモンモードの容量手段は、上記接地端子と上記直流電圧導体との間に接 続されていることを特徴とする請求の範囲第１項ないし第５項のいずれかに記載 の回路装置。