JP2004039328A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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佐藤 幸雄
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  • Discharge-Lamp Control Circuits And Pulse- Feed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】二重共振回路による調光を行うことができるとともに、特殊な接地工事を不要にして、据付工事を簡単にすることができ、かつ、大きな電力損失も発生しない放電灯点灯装置を提供すること。
【解決手段】交流電源ACの出力はダイオードブリッジ回路DBによって全波整流された後、昇圧チョッパ回路1に入力されて直流の高電圧が発生し、この直流の高電圧がインバータ回路2により高周波に変換されて、インダクタL2およびコンデンサC3よりなる共振回路およびインダクタL2およびコンデンサC4、C5よりなる共振回路を介して放電ランプDLに印加される。放電ランプの低圧側に設けたコンデンサC5の容量が大きいので、このコンデンサに発生する電圧が小さく、放電ランプの高圧側の出力電圧が大きくならないので、特殊な接地工事が不要となる。一方、放電ランプDLの電流はコンデンサC5を流れ、ランプ接続の有無を検出する回路の抵抗R7には大きな電流が流れないので、抵抗R7で大きな電力損失が発生しない。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯をインバータ回路により高周波点灯させる放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の昇圧型のチョッパ回路とインバータ回路を組み合わせた放電灯点灯装置を図2に示す。図2において、昇圧型のチョッパ回路1はダイオードブリッジ回路DBの直流出力端子に、インダクタL1とスイッチング素子Q1を直列に接続し、スイッチング素子Q1の両端に平滑用のコンデンサC1を接続したものであり、スイッチング素子Q1が制御回路CS1の制御によって高周波でオン・オフ動作を繰り返すことにより、インダクタL1の両端に電圧を誘起させ、この電圧をダイオードブリッジ回路DBの出力電圧に重畳させて、コンデンサC1に充電するものであり、交流電源ACからの入力電流の高調波歪を低減する手段として広く用いられている。
【0003】
インバータ回路2は制御回路CS2によりオン・オフ制御される二つのスイッチング素子Q2、Q3よりなり、コンデンサC1の端子電圧を高周波に変換する。このインバータ回路2からの高周波出力をインダクタL2およびコンデンサC2よりなる共振回路を介して放電ランプDLの両フィラメントの間に印加し、放電ランプDLを高周波点灯させるようにしている。共振回路は、放電ランプDLへ供給する電力を変化させるために設けている。
【0004】
上記のような、放電灯点灯装置において、ランプの光量を調整する場合には、スイッチング素子Q2、Q3のスイッチング周波数を変化させることにより、共振回路を通して放電ランプDLに供給する電力を変化させて調光を行っている。すなわち、放電ランプDLが放電を開始するまでは、放電ランプDLは無限大のインピーダンスを示し、共振回路の電源側から見たインピーダンスZinは、インダクタL2とコンデンサC2の直列共振回路で構成され、Zin=ωL2−1/ωC2となる。このとき、コンデンサC2の両端に放電ランプDLが放電開始するために必要な電圧を発生させることにより、放電ランプDLが点灯開始する。放電ランプDLの点灯中においては、放電ランプDLのインピーダンス(R)が急激に小さくなるため、コンデンサC2のインピーダンスは無視できるほどになり、Zin?ωL2+R(ωL2≫R)となり、放電ランプDLに流れる電流はインダクタL2のインピーダンスによって支配される。したがって、共振回路の共振インピーダンスは誘導性のインピーダンスとなり、スイッチング素子Q2、Q3のスイッチング周波数を上げると、減衰効果が大きくなり、結果として調光を行うことができる。
【0005】
しかしながら、スイッチング素子Q2、Q3のスイッチング周波数を変化させることにより調光を行うのでは、周波数の変化に対するインピーダンス変化が小さく、調光範囲が狭いので、放電ランプと直列に接続されたコンデンサを追加し、二重の共振条件を持たせることにより、周波数の変化に対するインピーダンス変化をより大きくすることが行われている。
図3はこのような二重の共振条件を持たせた放電灯点灯装置のインバータ回路以降の回路を示す図であり、放電ランプDLに並列にコンデンサC3が接続されるとともに、放電ランプDLに直列にコンデンサC4が接続されている。この放電ランプDLに直列接続されたコンデンサC4は直流の電流阻止も兼ねている。
【0006】
図3の回路において、放電ランプDLが放電を開始するまでは、放電ランプDLは無限大のインピーダンスを示し、共振回路の電源側から見たインピーダンスZinは、インダクタL2とコンデンサC3の直列共振回路で構成され、図2の回路と同様に、Zin=ωL2−1/ωC3となる。このとき、コンデンサC3の両端に放電ランプDLが放電開始するために必要な電圧を発生させることにより、放電ランプDLが点灯開始する。そして、放電ランプDLの点灯中においては、放電ランプDLのインピーダンス(R)が急激に小さくなるため、コンデンサC3のインピーダンスは無視できるほどになり、放電ランプDLに直列に接続されたコンデンサC4が放電ランプDLに流れる電流を制限するインピーダンスとして効くため、Zin?(ωL2−1/ωC4)+R((ωL2−1/ωC4)≫R)となり、共振回路の電源側から見たインピーダンスZinはインダクタL2とコンデンサC4の合成インピーダンスによって支配される。したがって、スイッチング素子Q2、Q3のスイッチング周波数を変化させると、放電ランプに流れる電流が大きく変化するため、狭い周波数変化幅で放電ランプDLの電流を大きく変化させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の二重共振回路を用いた放電灯点灯装置は上記のように構成されているが、このような放電灯点灯装置では、点灯時に放電ランプDLに大きな電流が流れるので、コンデンサC4に高い電圧が発生する。また、放電ランプDLは負性抵抗の性質があるため、調光時に電流を下げることでより高い電圧が放電ランプDLの両端間に発生し、この電圧がコンデンサC4に発生した電圧に重畳されることになる。特に、T5サイズ、T8サイズ等の細管ランプでは、点灯時のランプ電圧が高くなり、対地電圧に対する放電ランプの高圧側の電圧は400V程度に達する。
【0008】
このように、放電ランプの出力端子に高い対地電圧が発生するため、このような放電灯点灯回路を組み込んだ照明器具を取り付ける際には、安全上の理由により特殊な設置工事および対策が必要となるので、大きなコストアップの要因となる。すなわち、電気設備基準等では、出力電圧の実効値(2秒間以上)が300V以上で、ランプ電流が1A以上の照明器具は特別な接地工事を施すことが要求されており、一般の施設照明に使用されている例えば200W以上の高圧放電灯の多くは、ランプ電流が1A以上であり、上記のような放電灯点灯回路の場合には、複雑な接地工事を必要とし、このような接地を要するということは、それだけ照明器具が高価格になり、また、据付工事も面倒になってしまう。さらに、上記接地以外にも、連続して高電圧が出力されることによる電撃、部品の絶縁劣化の問題も生じる。
【0009】
上記のような接地工事を避けるために、放電ランプDLに直列接続されたコンデンサC4を放電ランプDLの高圧側に接続し、放電ランプの低圧側を回路の基準マイナス点に接続することが考えられる。このようにすると、出力の対地電圧を300Vrms以下に押さえ、簡単な接地工事を施すことにより、安全を確保することができる。
【0010】
一方、放電灯点灯装置では、安全上の配慮により放電ランプ接続の有無をみて無負荷時には発振を停止させるようにしているが、そのランプ有無を検出する手段として、ランプフィラメントに直流電流を流す回路を設け、この直流電流で放電ランプの有無を検出している。
図4にコンデンサC4を放電ランプDLの高圧側に接続した二重共振回路による調光回路とランプ接続の有無検出回路を設けた場合の放電灯点灯装置の平滑コンデンサ以降の回路の図を示す。図4に示すように、放電ランプDLに並列にコンデンサC3を接続するとともに、放電ランプDLの高圧側に直列にコンデンサC4を接続し、他方、ランプ接続の有無を検出する回路として、平滑回路部の出力に抵抗R5、フィラメントf1、抵抗R6、フィラメントf2、抵抗R7の直列回路を接続し、この直列回路に流れる直流電流により放電ランプLDの有無を検出する。
【0011】
しかしながら、二重共振回路のコンデンサC4を放電ランプDLの低圧側に配置した場合には、放電ランプDLの電流はこのコンデンサC4を流れ、抵抗R7には大きな電流が流れないが、上記のように、二重共振回路のコンデンサC4を放電ランプDLの高圧側に接続すると、ランプ接続の有無検出回路の抵抗R7に大きなランプ電流が流れ、100W程度の大きな電力損失が発生するという問題が生じる。したがって、二重共振回路のコンデンサC4を放電ランプの高圧側に設けることができず、他の手段で出力段の対地電圧を低減することが必要となっていた。
【0012】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、二重共振回路による調光を行うことができるとともに、特殊な接地工事を不要にして、据付工事を複雑化することがなく、かつ、大きな電力損失も発生しない放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、交流を平滑した直流電圧を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力を、インダクタと、放電灯に並列接続されたコンデンサおよび放電灯に直列接続されたコンデンサとよりなる二重共振回路を介して放電灯に供給する放電灯点灯装置において、放電灯に直列に接続するコンデンサを分割し、放電灯の高圧側および低圧側にそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0014】
本発明の放電灯点灯装置では、放電灯に直列に接続するコンデンサを放電灯の高圧側および低圧側に分割して設け、そのトータル容量値が設計値になるようにしているので、二重共振回路により周波数の変化に対するインピーダンス変化が大きく、調光範囲を広くできるとともに、放電ランプの低圧側に設けたコンデンサの容量を大きくすることにより、このコンデンサの周波数に対するインピーダンスが低くなり、このコンデンサに発生する電圧が小さくなるので、放電ランプの高圧側の出力電圧が大きくならず、特殊な接地工事が不要となり、据付工事を複雑化することがない。また、放電ランプDLの電流は放電灯の低圧側に設けたコンデンサを流れ、ランプの有無を検出する回路を構成する放電灯の低圧側に接続された抵抗には大きな電流が流れないので、大きな電力損失は発生しない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は実施の形態に係る放電灯点灯装置を示す図である。
図1において、ACは交流電源、DBはダイオードブリッジ回路、1は昇圧チョッパ回路、2はインバータ回路、L1、L2はインダクタ、C1、C3、C4、C5はコンデンサ、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は抵抗、Q1、Q2、Q3はスイッチング素子、CS1、CS2は制御回路、DLは放電ランプ、f1、f2は放電ランプDLのフィラメントである。
【0016】
昇圧型のチョッパ回路1はダイオードブリッジ回路DBの直流出力端子に、インダクタL1、スイッチング素子Q1と抵抗R2を直列に接続し、スイッチング素子Q1の両端に平滑用のコンデンサC1を接続したものであり、スイッチング素子Q1が抵抗R1を介して制御回路CS1の出力によって高周波でオン・オフ動作を繰り返すことにより、インダクタL1の両端に電圧が誘起し、この電圧がダイオードブリッジ回路DBの出力電圧に重畳されて、コンデンサC1に充電される。
【0017】
インバータ回路2は抵抗R3、R4を介して制御回路CS2の出力によりオン・オフ制御される二つのスイッチング素子Q2、Q3よりなり、コンデンサC1の端子電圧を高周波に変換する。放電ランプDLには、インダクタL2とともに共振回路を構成するコンデンサC3が放電ランプDLに並列接続されるとともに、放電ランプの高圧側にコンデンサC4が、放電ランプの低圧側にコンデンサC5が接続されている。このコンデンサC4、C5はインダクタL2とともに第2の共振回路を構成する。コンデンサC4の容量範囲は0.001μF〜0.01μF、コンデンサC5の容量範囲は0.01μF〜1μFの範囲で選び、トータル容量C=(C4*C5)/(C4+C5)が設計値になるように容量を選択する。
【0018】
一方、抵抗R5の一端はコンデンサ1の出力端に接続され、他端は放電ランプDLのフィラメントf1に接続されている。抵抗R6は放電ランプDLのフィラメントf1、f2間に接続され、抵抗R7は放電ランプDLのフィラメントf2と回路の低圧側に接続され、抵抗R5、R6、R7によりランプの接続の有無を検出する回路を構成している。
【0019】
次に、この放電灯点灯回路の作用を説明する。交流電源ACの出力はダイオードブリッジ回路DBによって全波整流された後、昇圧チョッパ回路1に入力され、この昇圧チョッパ回路1の制御回路CS1の出力が抵抗R1を介してスイッチング素子Q1に入力されるので、スイッチング素子Q1が高周波でオン・オフを繰り返し、インダクタL1の両端に電圧が誘起し、この電圧がダイオードブリッジ回路DBの出力に重畳してコンデンサ1を充電し、高調波歪が低減された直流の高電圧が発生する。
【0020】
一方、インバータ回路2の二つのスイッチング素子Q2、Q3は制御回路CS2の出力により抵抗R3、R4を介してオン・オフ制御され、コンデンサC1の端子電圧が高周波に変換されて、インダクタL2およびコンデンサC3よりなる共振回路およびインダクタL2およびコンデンサC4、C5よりなる共振回路を介して放電ランプDLの両フィラメントf1、f2の間に印加され、放電ランプDLが高周波点灯する。
【0021】
このように二重共振回路により周波数の変化に対するインピーダンス変化が大きいので、調光範囲を広くできるとともに、放電ランプの低圧側に設けたコンデンサの容量が大きく、このコンデンサの周波数に対するインピーダンスが低く、このコンデンサに発生する電圧が小さいので、放電ランプの高圧側の出力電圧が大きくならず、特殊な接地工事が不要となり、据付工事が簡単になる。
【0022】
一方、図4と同様に、ランプ接続の有無を検出する回路として、コンデンサC1の出力端子に抵抗R5、フィラメントf1、抵抗R6、フィラメントf2、抵抗R7の直列回路が接続され、抵抗R7の両端電圧を制御回路CS2により判別し、放電ランプがない場合には、制御回路CS2によりスイッチング素子Q2、Q3のオン・オフ動作を停止させて、インバータ回路2を保護する。この場合、放電ランプDLの電流はコンデンサC5を流れ、抵抗R7には大きな電流が流れないので、抵抗R7で大きな電力損失は発生しない。
【0023】
以上の実施の形態では、高周波歪を低減するため、直流電圧を発生させるのに昇圧チョッパを用いたが、交流電源の出力をダイオードブリッジ回路を介して直接コンデンサに充電することにより、直流電圧を発生することも可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、放電灯に直列に接続するコンデンサを放電灯の高圧側および低圧側に分割して設け、そのトータル容量値が設計値になるようにしているので、二重共振回路により周波数の変化に対するインピーダンス変化が大きく、調光範囲を広くすることができる。また、放電ランプの低圧側に設けたコンデンサの容量を大きくしているので、この放電ランプの低圧側に設けたコンデンサの周波数に対するインピーダンスが低く、このコンデンサに発生する電圧が小さくなるので、放電ランプの高圧側の出力電圧が大きくならず、特殊な接地工事が不要となり、据付工事が簡単になる。さらに、放電ランプの電流は放電灯の低圧側に設けたコンデンサを流れ、ランプ有無を検出する回路を構成する放電灯の低圧側に接続された抵抗には大きな電流が流れないので、大きな電力損失は発生せず、放電灯点灯装置の低損失化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る放電灯点灯装置を示す図である。
【図2】従来の放電灯点灯装置を示す図である。
【図3】従来の二重共振回路を備えた放電灯点灯装置の回路の一部を示す図である。
【図4】放電灯の高圧側にコンデンサを備えた二重共振回路と放電灯の有無検出回路を設けた場合の放電灯点灯装置の回路の一部を示す図である。
【符号の説明】
AC 交流電源
DB ダイオードブリッジ回路
1 昇圧チョッパ回路
2 インバータ回路
L1、L2 インダクタンス
C1、C2、C3、C4、C5 コンデンサ
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7 抵抗
Q1、Q2、Q3 スイッチング素子
CS1、CS2 制御回路
DL 放電ランプ
f1、f2 放電ランプDLのフィラメント

Claims (1)

  1. 交流を平滑した直流電圧を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力を、インダクタと、放電灯に並列接続されたコンデンサおよび放電灯に直列接続されたコンデンサとよりなる二重共振回路を介して放電灯に供給する放電灯点灯装置において、放電灯に直列に接続するコンデンサを分割し、放電灯の高圧側および低圧側にそれぞれ設けたことを特徴とする放電灯点灯装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007043409A1 (ja) * 2005-10-12 2007-04-19 Matsushita Electric Works, Ltd. 放電ランプ用電子バラスト、この電子バラストを用いた照明器具、及びこの照明器具を備えた照明システム

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WO2007043409A1 (ja) * 2005-10-12 2007-04-19 Matsushita Electric Works, Ltd. 放電ランプ用電子バラスト、この電子バラストを用いた照明器具、及びこの照明器具を備えた照明システム

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