JPH11508246A - ヘルペスリボヌクレオチド還元酵素インヒビター - Google Patents

ヘルペスリボヌクレオチド還元酵素インヒビター

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JPH11508246A JP9503484A JP50348497A JPH11508246A JP H11508246 A JPH11508246 A JP H11508246A JP 9503484 A JP9503484 A JP 9503484A JP 50348497 A JP50348497 A JP 50348497A JP H11508246 A JPH11508246 A JP H11508246A
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ジャン アンドレ ゴーティエール
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ベーリンガー インゲルハイム(カナダ)リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 R1が水素または(1-4C)アルキルであり、R2が(1-4C)アルキルである式(I)の化合物またはその治療上許される塩が本明細書に開示される。これらの化合物はヘルペス感染症を治療するのに有益である。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘルペスリボヌクレオチド還元酵素インヒビター 発明の分野 本発明は抗ウイルス性を有するペプチド擬態化合物及びウイルス感染症を治療 するための化合物の使用方法に関する。更に詳しくは、本発明はヘルペスウイル スに対する活性を示すペプチド擬態化合物、これらの化合物を含む医薬組成物、 及びヘルペスウイルスの複製を抑制し、またヘルペス感染症を治療するためのこ れらの化合物の使用方法に関する。発明の背景 ヘルペスウイルスはヒト及び動物に対し広範囲の疾患を与える。例えば、単純 ヘルペスウイルス、型1及び2(HSV-1 及びHSV-2)は夫々唇ヘルペス及び性器病 変の原因である。水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は水痘及び帯状疱疹を引き起こし 、またエプスタイン−バールウイルス(EBV)は感染性単核細胞症を引き起こす。 過去20年にわたって、プリンヌクレオシド類似体及びピリミジンヌクレオシド 類似体として知られている化合物のクラスがヘルペスウイルス感染症の治療のた めの新しい治療薬に関する研究において研究者らにより最も関心を受けていた。 その結果、幾つかのヌクレオシド類似体が抗ウイルス剤として開発されていた。 現在最も成功しているものは単純性器ヘルペス感染症の治療に特別上等な薬剤で あるアシクロビルである。 それにもかかわらず、幾つかの重要な進歩にもかかわらず、ヘルペスウイルス 感染症を治療するのに有効な安全な治療薬に対する要望が絶えず存在している。 この領域における現行の治療薬の総説について、R.E.Boehmeら,Annual Reports in Medicinal Chemistry,29,145(1994)を参照のこと。 本件出願は単純ヘルペスウイルスに対する活性を有する化合物の群を開示する 。広い安全限界と合わせて、ヘルペスウイルスに対するこれらの化合物の選択的 作用は、これらの化合物をヘルペス感染症を治療するのに望ましい薬剤にする。 以下の文献が抗ヘルペス活性と関連していたペプチドまたはペプチド擬態化合 物を開示している。 E.A.Cohen ら,米国特許第4,795,740 号、1989年1月3日、 R.Freidingerら,米国特許第4,814,432 号、1989年3月21日、 P.Gaudreauら,J.Med.Chem.,33,723(1990)、 J.Adams ら,欧州特許出願第411,334 号、1991年2月6日に公開、 R.L.Tolmanら,欧州特許出願第412,595 号、1991年2月13日に公開、 L.L.Chang ら,Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters,2,1207(1992) 、 P.L.Beaulieuら,欧州特許出願第560,267 号、1993年9月15日に公開、 N.Mossら,J.Med.Chem.,36,3005(1993)、及び R.Deziel及びN.Moss,欧州特許出願第618,226 号、1994年10月5日に公開。 前記論文の主題ペプチドは特徴的な構造上及び生物学上の相違により本発明の ペプチドから区別し得る。 以下に使用される略号及び記号がこの出願の“発明の詳細な説明”の部分に定 義される。発明の要約 本発明の化合物は式1により表され、 (式中、R1は水素または(1-4C)アルキルであり、かつR2は(1-4C)アルキルであ る)、 またはその治療上許される塩である。 本発明の化合物の好ましい群は、R1が水素またはメチルであり、かつR2がメ チル、エチル、1−メチルエチルまたはプロピルである式1により表され、また はその治療上許される塩である。 これらの化合物の更に好ましい群は、R1が水素であり、かつR2がメチル、 エチルまたは1−メチルエチルである式1により表され、またはその治療上許さ れる塩である。 抗ヘルペスウイルス有効量の式1の化合物、またはその治療上許される塩、及 び医薬上許される担体を含む医薬組成物が本発明の範囲内に含まれる。 また、式1の化合物、またはその治療上許される塩、及び局所適用に適した生 理学上許される担体を含む化粧用組成物が本発明の範囲内に含まれる。 本発明の重要な局面は抗ヘルペスウイルス有効量の式1の化合物、またはその 治療上許される塩を哺乳類に投与することによる哺乳類のヘルペスウイルス感染 症の治療方法を伴う。 別の重要な局面はヘルペスウイルスをヘルペスウイルスリボヌクレオチド還元 酵素抑制量の式1の化合物、またはその治療上許される塩と接触させることによ るヘルペスウイルスの複製の抑制方法を伴う。 更に別の局面は抗ヘルペスウイルス有効量の式1の化合物、またはその治療上 許される塩、及び抗ウイルスヌクレオシド類似体の組み合わせを哺乳類に投与す ることによる哺乳類のヘルペスウイルス感染症の治療方法を伴う。また、その組 み合わせを含む医薬組成物が本発明の範囲内にある。 式1の化合物の調製方法が以下に記載される。図面の説明 図1はアシクロビル及び式1のペプチド擬態化合物の組み合わせを伴う研究か ら得られた結果のグラフ図である。これらの研究は実施例12に記載されたイソボ ール方法の適用を伴って、単純ヘルペスウイルス型1に対するその組み合わせの 相乗活性を実証する。発明の詳細な説明 全般 また、式1は として示し得る。 式中、(N-Me)Val は(S)−2−(メチルアミノ)−3−メチルブタン酸のアミ ノ酸残基を表し、Tbg は(S)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタン酸のアミノ 酸残基を表し、Me及びEtは夫々アルキル基メチル及びエチルを表し、またAsp(cy Pn)は(S)−α−アミノ−1−カルボキシシクロペンタン酢酸のアミノ酸残基を表 す。 アミノ酸またはアミノ酸誘導体に関する“残基”という用語はカルボキシ基の ヒドロキシル及びα−アミノ基の一つの水素を脱離することにより相当するα− アミノ酸から誘導された基を意味する。 本明細書に使用される“(1-4C)アルキル”という用語は1〜4個の炭素原子を 含むアルキル基を意味し、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、1, 1−ジメチルエチル及びブチルを含む。 本明細書に使用される“医薬上許される担体”という用語は活性成分の無毒性 の一般に不活性なビヒクルを意味し、これはその成分に悪影響しない。 本明細書に使用される“生理学上許される担体”という用語は一種以上の無毒 性の賦形剤の許される化粧用ビヒクルを意味し、これらはその中に含まれた活性 成分と反応しないし、またその有効性を低下しない。 “有効量”という用語は抗ウイルス剤の所定の抗ウイルス量、即ち、in vivo でヘルペスウイルスに対し有効であるのに充分な薬剤の量を意味する。式1の化合物の調製方法 一般に、式1の化合物は反応体に適することが知られている反応条件を使用し て既知の方法により調製される。これらの方法の説明が通常の書籍、例えば、 “Annual Reports In Organic Synthesis-1994”,P.M.Weintraubら編集,Acade- mic Press,Inc.,San Diego,CA,USA,1994(及び先の年会論文)、“Vogel's T extbook Of Practical Organic Chemistry”,B.S.Furniss ら編集,Longman Gr oup Limited,Essex,UK,1986、及び“Comprehensive Organic Synthesis”,B .M.Trost 及びI.Fleming 編集,Pergaman Press,Oxford,UK,1991,1〜8巻 に見られる。 しかしながら、この記載の例外は式1の化合物の調製に重要な中間体の特異な 立体特異性合成である。この重要な中間体は式2により表される。 W1-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)OW2 (2) 式中、W1はアミノ保護基であり、かつW2はカルボキシル保護基である。この場 合、W2は保護基W1の存在下で選択的に除去し得る保護基である。W1はtert-ブ チルオキシカルボニル(Boc)または2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル であることが好ましく、またW2はベンジル、(4−ニトロフェニル)メチル、 メチルまたはエチルであることが好ましい。 式2の中間体は下記のスキーム1に示される立体特異性方法により調製し得る 。 式中、W1及びW2は本明細書に定義されたとおりであり、かつAlk はメチルま たはエチルである。 先のスキーム表示に関して、式W1-Tbg-O-Alk(3)の出発物質が試薬LiCH2P(O)(O CH3)2(4)(CH3P(O)(OCH3)2とブチルリチウムから調製される)と反応させられて 式W1-Tbg-CH2P(O)(OCH3)2(5)のホスホネートを生じる。好適な三級アミン、好 ましくはトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンの存在下のこのホ スホネートとグリオキシリルエステルの反応が式w1-Tbg-(E)-CH=CHC(O)OW2(7) のγ−ケト−α,β−不飽和エステルを生じる。この化合物と式CH2=CHCH2OC(O) CH2C(O)CMe3(8)のβ−ケトエステルのナトリウムエノラートの反応が式 W1-Tbg-CH2-(R)-CH {CH(C(O)CMe3)-(C(O)OCH2=CHCH2)}C(O)OW2(9)のミカエ ル付加物を生じる。 注(1):式8のβ−ケトエステル、即ち、CH2=CHCH2OC(O)CH2C(O)CMe3はアリル アセテートのリチウムエノラートをトリメチルアセチルクロリドと反応させるこ とにより容易に調製される。 注(2):式8のβ−ケトエステルのナトリウムエノラートは触媒有効量の水素化 ナトリウムの存在下でβ−ケトエステルからin situ で生成される。 その後、R.Deziel,Tetrahedron Letters,28,4371(1987)の方法と同様の好 適な二級アミン、好ましくはピロリジンまたはピペリジンの存在下の式9のミカ エル付加物とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)の反応が脱アリ ル化及びその後のアリルエステルの脱カルボキシル化を行って式2の重要な中間 体を生じる。 式9のミカエル付加物を生じる式(7)のγ−ケト−α,β−不飽和エステルと 式8のβ−ケトエステルのナトリウムエノラートのミカエル付加反応で得られる 予期しない高い立体選択性は注目に値する。そのミカエル付加反応の立体選択性 は、ミカエル付加物から直接誘導された式2の中間体が実質的に単一異性体とし て得られるという事実により推定される。式2の中間体のジアステレオ異性体の 純度が核磁気共鳴研究により実証し得る。式2の中間体の鏡像体の純度がアミノ 保護基(W1)を除去し、得られる遊離アミノ誘導体にJ.A.Daleら,J.Org.Chem., 34,2543(1969)の方法を適用することにより分析し得る(更に詳細について、 実施例4を参照のこと)。 その後再度、式2の重要な中間体のカルボキシル保護基(W2)が通常の方法、 例えば、W2がベンジルである場合の水添分解により選択的に除去されて、式1 の化合物の調製方法に組込むための相当する遊離カルボン酸誘導体(下記のスキ ーム2中の式14を参照のこと)を生じる。 一般に、式1の化合物の調製方法への先の遊離カルボン酸誘導体の組込みは、 カルボン酸誘導体(第一単位に相当する)がアミド結合を形成することにより二 つのその他の単位に結合される一連の化学イベントと考えられる。 式1の化合物を調製するのに好都合かつ実用的な方法の以下の更に詳細な説明 において、化学イベントの或る順序が追従される。しかしながら、化学イベント の順序の変化は重要ではなく、それ故、このような変化が本発明の範囲内にある と考えられることが理解されるであろう。 同様にまた、保護基W1が保護基W2の存在下で選択的に除去できて、化学イベ ントの順序の変化を可能にする式2の中間体が本発明の範囲内にあると考えられ ることが理解されるべきである。それ故、本発明の重要な局面は、W1がN末端 にあるアミンのアミノ保護基であり、かつW2が中間体のC末端にあるカルボキ シル基のカルボキシル保護基である式2の重要な中間体を含む。但し、末端アミ ンがその後の反応に予定される場合に、アミノ保護基W1がカルボキシル保護基 W2の存在下で選択的に除去し得ること、または末端カルボキシルがその後の反 応に予定される場合に、カルボキシル保護基W2がアミノ保護基W1の存在下で選 択的に除去し得ることを条件とする。 アミノ保護基W1がカルボキシル保護基W2の存在下で選択的に除去し得る式2 の中間体の例として、W1がtert- ブチルオキシカルボニルであり、かつW2がベ ンジル、2,2,2−トリクロロエチル、メチルまたはエチルである中間体が挙 げられる。 全方法について、更に詳しくは、式1の化合物は下記のスキーム2に示される 好都合かつ実用的な方法により調製し得る。 スキーム2中、W1は本明細書に定義されたとおりであり、W3はカルボキシル保 護基(好ましくは、ベンジル、tert- ブチルまたは2,2,2−トリクロロエチ ル)であり、R3は式12についてアジドまた式13についてアミノであり、R4は式 15について本明細書に定義されたW1また式16について水素であり、R5は式17及 び18の化合物についてアミノ保護基、好ましくはtert- ブチルオキシカルボニル または2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルであり、また式19について水 素であり、かつR1及びR2は本明細書に定義されたとおりである。 スキーム2を参照して、式1の化合物の調製方法は (a) 式10のカルボン酸誘導体を式11のアミンとカップリングして式12のα−アジ ドアミドを得、 (b) 式12のα−アジドアミドを還元して式13の相当するα−アミノアミドを得、 (c) 式13のα−アミノアミドを式14のカルボン酸誘導体とカップリングして式15 の二保護中間体を得、 (d) 式15の二保護中間体を選択的に脱保護して式16の遊離N末端誘導体を得、 (e) 式16の遊離N末端誘導体を式17のN保護バリンとカップリングして式18の二 保護中間体を得、 (f) 式18のこの二保護中間体を選択的に脱保護して式19の相当する遊離N末端化 合物を得、 (g) 式19の遊離N末端化合物を式20の酸塩化物と反応させて式21の相当する保護 カルボキシル誘導体を得、そして (h) 式21のこの誘導体を脱保護して式1の相当する化合物を得、そして (i) 所望により、式1の化合物をその治療上許される塩に変換することを特徴と する。 カップリング工程(a)、(c)及び(e)並びに脱保護工程(d)、(f)及び(h)はペプチ ド合成に普通に使用される方法により行い得る。 更に明らかに、カップリング工程はカップリングの存在下でその他の反応体の 遊離アミノ基による一種の反応体の遊離カルボキシルの脱水カップリングを伴っ て連鎖アミド結合を形成する。このようなカップリング剤の説明がペプチド化学 に関する一般の書籍、例えば、M.Bodanszky,“Peptide Chemistry”,第二改訂版 , Springer-Verlag,ベルリン,ドイツ,1993に見られる。好適なカップリング剤の 例はN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシル カルボジイミドの存在下の1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはN−エチル −N’−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミドである。非常に実 用的かつ有益なカップリング剤は単独または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール の存在下の市販の(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリ(ジメチルアミ ノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートである。更に別の非常に実用的か つ有益なカップリング剤は市販の2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル) −N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートである 。 そのカップリング反応は不活性溶媒、例えば、ジクロロメタンまたはアセトニ トリル中で行われる。過剰の三級アミン、例えば、ジイソプロピルエチルアミン またはN−メチルモルホリンが反応混合物に添加されて約8のpHに維持する。反 応温度は通常0℃〜50℃の範囲であり、反応時間は通常15分〜24時間の範囲であ る。 工程(b)において、式12のα−アジドアミドのアジド基がアジドをアミド基及 びエステル基の存在下でアミノ基に選択的に還元することができる還元剤により 式13のα−アミノアミドの相当するアミンに変換される。この工程はN.Maiti ら ,Tetrahedron Letters,27,1423(1986)の方法により還元剤として塩化第一ス ズを使用し、反応溶媒としてメタノールを使用して都合良くかつ有効に行い得る 。 工程(g)において、式19の遊離N末端化合物が1〜1.5 モル当量の式20の酸塩 化物と直接反応させられて式21の保護カルボキシル誘導体を生じる。この工程は アミドの古典的調製方法に基いており、これにより酸塩化物が末端アミノ基と反 応させられる。その反応は(1.2 〜2.0 モル当量)過剰の好適な三級アミン、例 えば、N−メチルモルホリンまたはジイソプロピルエチルアミンの存在下で容易 に進行する。その反応は不活性溶媒、例えば、ジクロロメタンまたはトルエン中 で通常-20 ℃〜20℃の範囲の温度で行われる。 更に、所望により、式1の化合物は治療上許される塩の形態で得られる。この ような塩は式1の化合物の生物学上の均等物と考えられる。(そのカルボキシル 基の)このような塩の例は既知の方法によりナトリウム、カリウムまたはカルシ ウム陽イオンで生成される塩である。 式20の酸クロリドは知られており、または既知の方法により容易に調製し得る 。説明のために、式20の或る酸塩化物の調製のための簡単な操作が実施例に含ま れる。抗ヘルペス活性 式1の化合物の抗ウイルス活性は、単純ヘルペスウイルス型1及び型2(HSV-1 及びHSV-2)、並びにアシクロビル耐性単純ヘルペスウイルスの複製に関するこれ らの化合物の抑制効果を示す生化学的操作、微生物学的操作及び生物学的操作に より実証し得る。 以下の実施例において、ヘルペスリボヌクレオチド還元酵素に関する抑制効果 が式1の例示化合物について観察される。ヘルペスリボヌクレオチド還元酵素の この特異的抑制と関連して、正常な細胞複製に必要とされる細胞リボヌクレオチ ド還元酵素活性に関するこれらの化合物のこのような効果の比較的小さい効果ま たはその不在が注目に値する。 ウイルス複製に関する式1の化合物の抑制効果の実証方法は細胞培養技術であ る。例えば、T.Spectorら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,4254(1985)を参照 のこと。 式1の化合物の治療効果は、例えば、C.R.Brandtら,J.Vitrol.Meth.,36,20 9(1992)により記載された抗ウイルス薬試験について単純ヘルペスウイルス誘発 眼疾患のマウスモデルに基くアッセイを使用することにより、実験動物で実証し 得る。 本発明の化合物、またはその治療上許される酸付加塩の一種が抗ウイルス剤と して使用される場合、それは一種以上の医薬上許される担体を含むビヒクル中で 、温血動物、例えば、ヒト、ブタまたはウマに局所または全身に投与され、その 割合は化合物の溶解性及び化学的性質、選択された投与の経路及び通常の生物学 的慣例により決められる。局所投与について、化合物は0.1〜5%、好ましくは0 .5〜5%の活性薬剤を含む医薬上許されるビヒクル中で製剤化し得る。このよう な製剤は溶液、クリームまたはローションの形態であってもよい。 全身投与について、式1の化合物は医薬上許されるビヒクルまたは担体を含む 組成物中で静脈内注射、皮下注射または筋肉内注射により投与される。注射によ る投与について、無菌水性ビヒクル(これはまたその他の溶質、例えば、緩衝剤 または防腐剤並びに溶液を等張性にするのに充分な量の医薬上許される塩または グルコースを含んでいてもよい)中の溶液中の化合物を使用することが好ましい 。 上記製剤化に適したビヒクルまたは担体は通常の医薬書籍、例えば、“Remin- gton's Pharmaceutical Sciences”,第18編,Mack Publishing Company,イース トン、ペンシルベニア,1990に記載されている。 化合物の投薬量は投与の形態及び選択された特別な活性薬剤により変化するで あろう。更に、それは治療中の特別な宿主により変化するであろう。一般に、状 況下の最適の効果に達するまで、治療が少量のインクレメントで開始される。一 般に、化合物は危険または有害な副作用を生じないで抗ウイルス有効な結果を一 般に与える濃度レベルで投与されることが最も望ましい。 局所適用に関して、式1の化合物は、感染領域を覆うのに充分な量で、生体の 感染領域、例えば、皮膚または口腔もしくは生殖腔の一部に好適な局所製剤中で 皮膚に投与される。その治療は、病変が治癒するまで、例えば、4〜6時間毎に 繰り返されるべきである。 全身投与に関して、式1の化合物は毎日体重1キログラム当たり10mg〜150mg の投薬量で投与されるが、前記変化が生じるであろう。しかしながら、毎日体重 1キログラム当たり約10mg〜100mg の範囲である投薬量レベルが有効な結果を達 成するために使用されることが最も望ましい。 本発明の別の局面は、生理学上許される化粧用担体と一緒に、ヘルペスウイル ス予防量の式1の化合物、またはその治療上許される塩を含む化粧用組成物を含 む。付加的な成分、例えば、皮膚軟化剤がその製剤中に含まれてもよい。本発明 の化粧用製剤は予防上使用されて皮膚のヘルペス病変の発生を阻止する。その製 剤は皮膚の感染しやすい領域に夜に適用し得る。一般に、化粧用組成物は局所適 用について相当する医薬組成物よりも少ない化合物を含む。化粧用組成物中の化 合物の量の好ましい範囲は0.5 〜5重量%である。 以上に開示された製剤はヘルペスウイルス感染症を治療するための有効かつ比 較的安全な薬物であるように指示されるが、有益な結果を得るためのその他の抗 ウイルス薬物または薬剤とのこれらの製剤の可能な同時投与が排除されない。こ のような抗ウイルス薬物または薬剤として、抗ウイルスヌクレオシド、例えば、 アシクロビル、及び抗ウイルス表面活性剤または抗ウイルスインターフェロン、 例えば、米国特許第4,507,281 号(1985年3月26日)にS.S.Asculai及びF.Rappに より開示されたものが挙げられる。 同時投与によるヘルペスウイルス感染症の治療に関して更に詳しくは、抗ウイ ルスヌクレオシド類似体の抗ヘルペス活性は、それらを式1の化合物と組み合わ せることにより、毒性作用を同時に増進しないで、相乗的に増進し得ることがわ かった。それ故、医薬上許される担体と、有効量の抗ウイルスヌクレオシド類似 体またはその治療上許される塩、及び式1のリボヌクレオチド還元酵素抑制化合 物またはその治療上許される塩の組み合わせとを含む哺乳類のヘルペス感染症の 治療用医薬組成物が提供される。 また、哺乳類のヘルペスウイルス感染症の治療方法が提供される。その方法は 抗ヘルペスウイルス有効量の式1の化合物またはその治療上許される塩と、抗ウ イルスヌクレオシド類似体またはその治療上許される塩の組み合わせを哺乳類に 投与することを含む。 その組み合わせに使用される抗ウイルスヌクレオシド類似体は、ヘルペスDN AポリメラーゼのウイルスDNAポリメラーゼインヒビター及び/またはヘルペ スDNAポリメラーゼの別の基質に酵素変換(in vivo)し得るものである。抗ウ イルスヌクレオシド類似体は既知のヌクレオシド類似体から選択し得る。本発明 の好ましいヌクレオシド類似体として、アシクロビル及びその類似体、例えば、 式22の化合物、またはその治療上許される塩が挙げられる。 式中、R6は水素、ヒドロキシまたはアミノである。(R6がヒドロキシである式 22はアシクロビルを表す) 本発明の使用に好ましいその他の抗ウイルスヌクレオシド類似体として、ペン シクロビル、ファムシクロビル及びバラシクロビルが挙げられる。 ヌクレオシド類似体の治療上許される塩の例はそのナトリウム塩である。 ヌクレオシド類似体と式1の化合物の上記組み合わせの抗ウイルス活性または 抗ヘルペス活性に関して使用される場合の“相乗効果”という用語はその組み合 わせの二つの個々の成分の予想の累積効果よりも大きい抗ウイルス効果または抗 ヘルペス効果を意味する。 本発明の組み合わせをヘルペス感染症の治療に使用する場合、その組み合わせ は一種以上の医薬上許される担体を含むビヒクル中で温血動物、例えば、ヒト、 ブタまたはウマに投与され、その割合はヌクレオシド類似体及び式1の化合物の 溶解性及び化学的性質、選択された投与の経路、通常の生物学的慣例により、ま た相乗的抗ウイルス効果を得るための2種の活性成分の相対量により決められる 。その組み合わせは局所投与されてもよい。例えば、2種の活性成分(即ち、抗 ウイルスヌクレオシド類似体及び式1の化合物、またはそれらの治療上許される 塩)が医薬上許されるビヒクル中の溶液、エマルション、クリーム、またはロー ションの形態で製剤化し得る。このような製剤は0.01〜1.0 重量%のヌクレオシ ド類似体、またはその治療上許される塩、及び約0.05〜1重量%の式1の化合物 、またはその治療上許される塩を含むことができる。 いずれにしても、2種の活性薬剤は相乗的抗ヘルペス効果を与える量で医薬組 成物中に存在する。 以下の実施例が本発明を更に説明する。温度は摂氏温度で示される。特にこと わらない限り、溶液%は重量対容積の関係を表し、また溶液比は容積対容積の関 係を表す。核磁気共鳴(NMR)スペクトルをブルカー400MHzスペクトロメーターで 記録した。化学シフト(δ)をppm で報告する。実施例に使用される略号として 、Boc: tert-ブチルオキシカルボニル;Bzl:ベンジル;DMSO:ジメチルスルホキ シド;Et: エチル;EtOH: エタノール;EtOAc:酢酸エチル;Et2O: ジエチルエー テル;HPLC: 高性能液体クロマトグラフィー;Me: メチル;MeOH: メタノール; Pr: プロピル;TLC:薄層クロマトグラフィー;THF:テトラヒドロフランが挙げら れる。 実施例1 カップリング反応に関する一般操作 (また、R.Knorr ら,Tetrahedron Letters,30,1927(1989)を参照のこと) 第一反応体、即ち、遊離アミン(またはその塩酸塩)をCH2Cl2またはCH3CN に 溶解し、その溶液を4℃に冷却する。窒素雰囲気下で、4当量のN−メチルモル ホリンをその攪拌溶液に添加する。20分後に、1当量の第二反応体、即ち、遊離 カルボン酸、及び1.05当量のカップリング剤を添加する。この目的に実用的かつ 有効なカップリング試薬は(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジ メチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートまたは好ましくは2− (1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチル ウロニウムテトラフルオロボレートである。その反応をTLCにより監視する。反 応の完結後に、溶媒を減圧で蒸発させる。残渣をEtOAc に溶解する。その溶液を 1Nのクエン酸水溶液、10%のNa2CO3水溶液及び食塩水で連続して洗浄する。有機 相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧で濃縮する。残渣をスチルのフラッシュ クロマトグラフィー技術(W.C.Stillら,J.Org.Chem.,43,2923(1978))に従って シリカゲル(SiO2)で精製する。 実施例2 1(R)−エチル−2,2−ジメチルプロピルアミン塩酸塩(NH2-(R)-CH(Et)CM e3・HCl)の調製 ベンゼン(1L)中の4,4−ジメチル−3−ペンタノン(106g、0.928 モル)及び (R)−α−メチルベンジルアミン(111g、0.916モル)の冷却溶液(0℃)に、 ベンゼン(200mL)中のTiCl4(50.5 mL、0.461 モル)の溶液をその混合物の温度 を10℃未満に保つ速度で添加した。その後、混合物を40℃で3時間機械攪拌し、 室温(20 〜22℃)に冷却し、ケイソウ土で濾過した。ケイソウ土をEt2Oで洗浄し た。合わせた濾液及び洗浄液を濃縮した。残渣を乾燥MeOH(2L)に溶解した。その 溶液を0℃に冷却し、NaBH4(20g、0.53モル)を滴下して添加し、その間混合物 の温度を5℃未満に保った。メタノールを蒸発させた。残渣をEt2Oに溶解し た。その溶液を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して赤みを帯びた油 (NMR により示されたようにジアステレオ異性体の18:1混合物)を得た。油をフ ラッシュクロマトグラフィー(SiO2、溶離剤:EtOAc/ヘキサン、7:93)により精 製してN−(1(R)−フェニルエチル)−1(R)−エチル-2,2−ジメチ ルプロピルアミンを液体(110g、収率54%)として得た。この物質をヘキサン(1. 5 L)に溶解した。Et2O(550mL)中の1NのHCl を15分間の期間にわたってその溶液 に添加した。得られる白色の固体をフィルターで回収し、次いでヘキサンで洗浄 してN−(1(R)−フェニルエチル)−1(R)−エチル−2,2−ジメチル プロピルアミン塩酸塩(125g、収率97%)を得た。1 H NMR(CDCl3)δ7.79-7.74(m,2H),7.48-7.30(m,3H),4.49-4.31(m,1H),2.4 4-2.36(m,1H),2.23(d,J=6.5 Hz,3H),1.95-1.54(m,2H),1.14(s,9H),0.5 5(t,J=7.5 Hz,3H). MeOH(120mL)中のこの化合物(41.5g)の溶液を10%Pd/C(w/w)(4.2g)と混合 し、その混合物をパール水素化装置中で室温で50psiの水素のもとに48時間振と うした。その混合物をケイソウ土で濾過し、濾液を濃縮して所望のNH2-(R)-CH(E t)CMe3をその塩酸付加塩の形態で白色の固体(25g、収率100 %)として得た。1 H NMR(CDCl3)δ8.40-8.10(ブロードs,3H),2.85-2.70(m,1H),1.90-1.58(m ,2H),1.22(t,J=7 Hz,3H),1.10(s,9H). 実施例3 中間体H-Asp(cyPn)(Bzl)-NH-(R)-CH(Et)CMe3(R4がNH2であり、かつW3がBzlで ある式13の化合物)の調製 (a) (S)−α−アジド−1−{(フェニルメトキシ)カルボニル}シクロペン タン酢酸(W3がBzl である式10の化合物): この化合物をエバンス助剤を利 用する非対称アジド化方法(D.A.Evansら,J.Amer.Chem.Soc.,112,4011(1990 )を参照のこと)に従ってM.N.Aboul-Enein ら,Pharm.ActaHelv.,55,50(1980 )により記載された2−オキソスピロ[4.4]ノナン−1,3−ジオンから調 製 した。 更に詳しくは、ブチルリチウムの1.6Mのヘキサン溶液(469mL、750ミリモル)を アルゴン雰囲気下で-40℃の乾燥THF中のキラル助剤、4(S)−(1−メチルエ チル)−2−オキサゾリジノン(96.8g、750 ミリモル){L.N.Pridgen 及びJ.Pro l.,J.Org.Chem,54,3231(1989)により記載される}の溶液に滴下して添加し た。その混合物を-40 ℃で30分間攪拌し、次いで-78 ℃に冷却した。2−オキソ スピロ[4.4]ノナン−1,3−ジオンをその冷却混合物に滴下して添加した 。その混合物を0℃で1時間攪拌した。その後、クエン酸の20%水溶液(600mL) をその混合物に添加した。有機相を分離し、水相をEtOAc で抽出した。合わせた 有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧で濃縮して3−[2−(1− カルボキシシクロペンチル)−1−オキソエチル)}−4(S)−(1−メチル エチル)−2−オキサゾリジノンをピンク色の固体(300g)として得た。 この固体(約750 ミリモル)をCH3CN(1L)に溶解した。臭化ベンジル(89.2 mL 、750 ミリモル)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エ ン(112mL、750 ミリモル)をその溶液に添加した。その混合物をアルゴン中で16 時間攪拌した。揮発分を減圧で除去した。残渣をH2O/EtOAc に溶解した。有機相 を分離し、クエン酸の10%水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減 圧で濃縮して油を得た。その油をヘキサン/EtOAc で結晶化して相当するベンジ ルエステルを白色の固体(204g、収率73%)として得た。 乾燥THF(200mL)中のこの化合物(70g、190ミリモル)の溶液を-78 ℃に冷却し た。6%のクメンを含むカリウムビス(トリメチルシリル)アミドの0.66M のTH F 溶液(286mL、190 ミリモル)を15分間の期間にわたってその冷却溶液に添加し た。その混合物を-78 ℃で45分間攪拌した。乾燥THF(100mL)中の2,4,6−ト リイソプロピルベンゼンスルホニルアジド(67g、220 ミリモル)の溶液をその冷 却混合物に一度に添加し、2分後に氷酢酸(50 mL、860 ミリモル)を添加した。 その混合物を温め、35〜45℃で1時間攪拌した。揮発分を減圧で除去した。黄色 の残渣をヘキサン/EtOH(4:1、1.7 L)ですり砕いた。得られる白色の固体をフィ ルターで回収した。濾液をSiO2(230 〜240 メッシュ)と混合した。揮発分を減 圧で除去し、残留固体を35℃で減圧で乾燥させてクメンを除去した。次い で残留固体をSiO2のカラムに入れた。カラムをヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離し 、溶離液を濃縮して3−{{2(S)−アジド−1−オキソ−2−{1−{(フ ェニルメトキシ)カルボニル}シクロペンチル}エチル}−4(S)−(1−メ チルエチル)−2−オキサゾリジノン(66g、収率86%)を得た。 THF/H2O(3:1、608 mL)中のこの化合物(13.4g、32.4ミリモル)の溶液を0℃に 冷却した。過酸化水素/H2O(3:7、16.3mL、141 ミリモルのH2O2)をその冷却溶 液に添加し、続いてLiOH・H2O(2.86g、68.2ミリモル)を添加した。その混合物 を0℃で45分間攪拌し、次いで亜硫酸ナトリウムの10%水溶液(400mL)で反応停 止した。NaHCO3(1.93g)を添加した後、その混合物を減圧で濃縮した。キラル助 剤を20時間にわたって連続抽出(NaHCO3水溶液/クロロホルム)により回収した 。その後、水相を0℃に冷却し、濃HCl の添加により酸性にし、次いでEtOAc で 抽出した。抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧で濃縮して(S) −α−アジド−1−{(フェニルメトキシ)カルボニル}シクロペンタン酢酸を 白色の固体(8.2g、収率84%)として得た。1 H NMR(CDCl3)δ7.40-7.28(m,5H),5.12(s,2H),4.55(s,1H),2.30-2.20(m, 1H),2.05-1.95(m,2H),1.8-1.6(m,5H). (b) この実施例の標題化合物: 実施例1のカップリング操作に従い、かつ実施 例2のNH2-(R)-CH(Et)CMe3の塩酸塩を第一反応体として使用し、またこの実施例 の(a)節の(S)−α−アジド−1−{(フェニルメトキシ)カルボニル}シク ロペンタン酢酸を第二反応体として使用することにより、N−{1(R)−エチ ル−(2,2−ジメチルプロピル)}−(S)−α−アジド−1−{(フェニル メトキシ)カルボニル}シクロペンタンアセトアミドを得た。MeOH中でこの化合 物をN.Maiti らの方法(Tetrahedron Letters,27,1423(1986))に従って塩化ス ズ(II)で還元し、続いてクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン−Et2O、1:1)によ り精製してこの実施例の標題化合物を得た。1 H NMR(CDCl3)δ7.36-7.27(m,5H),7.08(d,J=10.5 Hz,1H),5.17(d,J=12.3 Hz,1H),5.09(d,J=12.3 Hz,1H),3.72(s,1H),3.56(ddd,J=10.5,10.5,2. 5 Hz,1H),2.23-1.15(m,2H),1.87-1.80(m,1H),1.76- 1.57(m,8H),1.17-1.03(m,1H),0.88(s,9H)及び0.86(t,J=7.3 Hz,3H). 実施例4 中間体Boc-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)OBzl(W1がBoc であり、かつW2 がBzl である式2の化合物)の調製 (a) Boc-Tbg-OMe (W1がBoc である式3の化合物): 乾燥CH3CN(0.5 L)中の Boc-Tbg-OH(68g、0.30モル)の溶液を0℃に冷却した。1,8−ジアザビシク ロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(54 mL、0.36モル)を10分間の期間にわた ってその冷却溶液に添加し、続いてCH3I(37mL、0.60モル)を添加した。その反 応混合物を4時間にわたって室温(20〜22℃)で攪拌し、次いで減圧で濃縮した 。残渣をEtOAc とH2O の間に分配した。有機相をH2O、NaHCO3の飽和水溶液(2 X) 及び食塩水で洗浄した。その後、有機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮して透明な 粘稠な液体を得た。この物質をバルブ間蒸留(オイルポンプ真空、空気浴温度11 0 ℃)して所望の生成物を無色の油(65g、収率88%)として得た。1 H NMR(CDCl3)δ5.10(ブロードd,J=9.0 Hz,1H),4.10(d,J=9.0 Hz,1H),3 .72(s,3H),1.44(s,9H),0.96(s,9H). (b) Boc-Tbg-CH2-P(O)(OMe)2(W1がBocである式5の化合物): 窒素雰囲気下 で-78 ℃で、メカニカルスターラー、ジャケット付きの添加ロート及び温度計を 備えた5L のフラスコにヘキサン中のBuLiの溶液(3.60 モル、10N の溶液361 mL )を仕込んだ。乾燥THF(1L)中の新しく蒸留したジメチルメチルホスホネート (391mL、3.60モル)の冷却(-78℃)溶液を1時間の期間にわたって添加ロートで 滴下して添加した。その混合物を-78 ℃で30分間攪拌した。THF(0.5 L)中のBo c-Tbg-OMe(111g、0.452 モル)の冷却(-78℃)溶液を20分の期間にわたって滴下 して添加した。その反応液を-78 ℃で45分間攪拌し、次いで30分の期間にわたっ て約-30 ℃に温めた。氷酢酸(0.25 L)及びH2O(0.3 L)の連続添加後に、その混 合物をEtOAc(1L)で抽出した。有機層をH2O、NaHCO3の10%水溶液及び食 塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。得られる固体をヘキサンですり 砕いて所望のホスホネートを融点84〜86℃を有する白色の粉末(144g、収率95%) として得た。1 H NMR(CDCl3)δ5.23(ブロードd,J=9.0 Hz,1H),4.25(d,J=9.0 Hz,1H),3. 80(d,J=11.4 Hz,6H),3.30(dd,J=22.0,14.6 Hz,1H),3.12(dd,J=22.0, 14.6 Hz,1H),1.44(s,9H),1.00(s,9H). そのホスホネートをこの実施例の(d)節で使用する。 (c) HC(O)C(O)OBzl(W2がBzl である式6の化合物): 固体のH5IO6(49.3g、 0.216 モル)をEt2O(900 mL)中のジベンジルL−タートレート(70g、0.21モル) の溶液に滴下して添加した。その混合物を室温で2.5 時間攪拌し、次いで濾過し た。濾液を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残留シロップをヘキサン−Et2O(2:3) に溶解した。得られるミルク状の溶液をケイソウ土のパッドで濾過した。パッド をヘキサン−Et2O(2:5)で洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を濃縮してベンジ ルグリオキシレートを油(69.9g、収率約90%)として得た。1H-NMR(CDCl3)はアル デヒドと水和物の混合物を示した。特徴的な化学シフト:δ9.25(s),7.87-7.21 (m,5H),5.47-5.03(m),4.56(ブロードs). (d) γ−ケト−α,β−不飽和エステルBoc-Tbg-(E)-CH=CHC(O)OBzl(W1がBoc であり、かつW2がBzl である式7の化合物): CH3CN(0.7 L)中のこの実施 例の(b)節に記載されたBoc-Tbg-CH2-P(O)(OMe)2(121g、0.359モル)、及びトリ エチルアミン(0.10L、0.72モル)の溶液を窒素雰囲気下で室温で10分間攪拌した 。その後、CH3CN(0.15 L)中のHC(O)C(O)OBzl(121g、約0.36モル)の溶液を30分 間にわたって添加した。その混合物を24時間攪拌し、次いで濃縮した。残渣をEt2 O−ヘキサン(2:1、0.8 L)に溶解した。その溶液をクエン酸の10%水溶液、NaHC O3の飽和溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。溶離剤とし てEtOAc-ヘキサン(3:20)を使用して、得られるオレンジ色の油をシリカゲルパッ ド(12 x 10 cm)に通した。溶離液を濃縮して、所望のγ−ケト−α,β−不飽 和エステルを黄色の油(112g、収率83%)を得た。1 H NMR(CDCl3)δ7.42-7.32(m,5H),7.23(d,J=15.9 Hz,1H),6.80(d,J=15.9 Hz,1H),5.25(s,2H),5.21(ブロードd,J=8.9 Hz,1H),4.43(d,J=8.9 Hz,1 H),1.42(s,9H),0.96(s,9H). そのγ−ケト−α,β−不飽和エステルをこの実施例の(f)節に使用する。 (e) CH2=CHCH2OC(O)CH2C(O)CMe3(式8の化合物): THF(1N、0.8 L)中のリチ ウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液を-78℃に冷却した。THF(40 mL)中 の酢酸アリル(39 mL、0.36モル)の溶液をその冷却溶液に滴下して添加した。そ の混合物を-78 ℃で1時間攪拌した。その後、トリメチルアセチルクロリド(47 mL、0.38モル)の溶液を滴下して添加し、得られる混合物を-78 ℃で25分間攪拌 した。ヘキサン(0.3 L)及びHCl の水溶液(3N、0.6 L)をその混合物に添加した。 有機相を分離し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液、食塩水及び水で洗浄した。有 機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮してオレンジ色の油を得た。粗生成物を蒸留( バルブ間、空気浴温度60℃、0.25トル)して所望のエステルを無色の油(62g、収 率92%)として得た。1 H NMR(CDCl3)δ6.02-5.87(m,1H),5.35(ブロードd,J=17.2 Hz,1H),5.25(ブ ロードd,J=9.5 Hz,1H),4.63(ブロードd,J=5.6 Hz,2H),3.59(s,2H),1.19 (s,9H). (f) ミカエル付加物、即ち、 Boc-Tbg-CH2-(R)-CH{CH(C(O)CMe3)(C(O)OCH2CH=CH2)}C(O)OBzl(W1がBoc で あり、かつW2がBzl である式9の化合物): 固体のNaH(60 %の油分散液2.7 g、0.07モル)を15分間の期間にわたってTHF(0.8 L)中のCH2=CHCH2OC(O)CH2C( O)CMe3(83.2g、0.452 モル)の溶液に添加した。全ての固体が溶解するまで(30 分間)、その反応混合物をアルゴンの雰囲気下で室温で攪拌した。その均一溶液 を-60 ℃(溶液温度)に冷却し、THF(0.5 L)中のこの実施例の(d)節に記載さ れたBoc-Tbg-(E)-CH=CHC(O)OBzl(170g、0.45モル)の溶液を45分間の期間にわ たって徐々に添加した。その後、その反応混合物を-60 ℃で5時間攪拌した。ク エン酸の10%水溶液を添加し、その混合物を室温に温めた。 その混合物をEt2Oで抽出した。有機相を重炭酸ナトリウムの5%水溶液及び食塩 水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮してオレンジ色の油(250g)を得、これを 更に精製しないで次の反応に使用した。 (g) Boc-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)-OBzl: ピロリジン(56 mL、0.54モル )をアルゴンの雰囲気下で0℃のCH2Cl2(250 mL)及びCH3CN(250mL)中のテト ラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)(2.60g、2.25ミリモル、0.5 モル %)の攪拌溶液に添加した。その混合物を室温に温めた。CH2Cl2−CH3CN(200mL: 200mL)中の先の節からのミカエル付加物(250g、0.45モル)の溶液をその混合物 に添加した。3時間後に、その混合物を濃縮してオレンジ色の油を得た。その粗 油をEt2O−ヘキサンの混合物(1:1、1L)に溶解した。その溶液をクエン酸の10% 水溶液、重炭酸ナトリウムの10%水溶液、及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4 )、濃縮して、この実施例の標題化合物をオレンジ色の油(203g、収率>90 %)と して得た。この物質を更に精製しないで実施例5に使用した。少量のサンプルを SiO2クロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン−EtOAc(9:1)で溶離して純 粋な標題化合物を無色の油として得た。[α]25 D+11.5(c=1.3、CHCl3)、1H NMR (CDCl3)δ7.38-7.28(m,5H),5.10(s,2H),5.07(ブロードd,J=9.2 Hz,1H),4 .08(d,J=9.2 Hz,1H),3.38-3.31(m,1H),3.09(dd,J=18.8,6.0 Hz,1H),2. 94(dd,J=18.4 6.1 Hz,1H),2.82(dd,J=18.4,6.1 Hz,1H),2.77(dd,J=18. 8,6.0 Hz,1H),1.42(s,9H),1.10(s,9H),0.95(s,9H). そのジアステレオ異性体純度はNMR により分析して〉35:1 であった(1993年、9 月15日に公開されたP.L.Beaulieuらの欧州特許出願第560267号を参照のこと)。 標題化合物の鏡像体純度を分析するために、Boc保護基(W1)をジオキサン中で4N のHCl で除去し、得られるアミンをモシャーアミド(上記のJ.A.Daleらの文献を 参照のこと)に変換した。この実施例の操作により調製された生成物からの結果 を標題化合物のラセミ混合物で得られた結果と比較することにより、前記生成物 の鏡像体過剰はNMR により測定して>96 %であり、キラルカラムクロマトグラフ ィーにより測定して>99 %であった。この測定を日本、東京にあるダイセル化 学工業(米国卸売業者:キラル・テクノロジー社(イーストン、PA、米国))から ン(1:19)であり、215 nmにおけるUV検出を使用した。 実施例5 中間体Boc-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)OH(W1がBoc である式14の化合物 )の調製 EtOH(1.4 L)中の実施例4の標題化合物(171g、0.36モル)の溶液に、10%のPd/ C(10g)を添加した。得られた混合物を5時間にわたって1気圧の水素のもとに激 しく攪拌した。その後、その反応混合物をケイソウ土による濾過にかけた。濾液 を減圧で濃縮した。残渣をNa2CO3の飽和水溶液に溶解した。その水溶液をヘキサ ン−Et2O(8:2)で洗浄し、クエン酸で酸性にし、EtOAc で抽出した。抽出物を乾 燥させ(MgSO4)、濃縮した。オレンジ色の残渣をEt2Oに溶解し、得られた溶液 をシリカゲルパッド(12 x 12 cm)に通した。濃縮してこの実施例の標題化合物を 融点62〜65℃を有する固体(117g、収率84%)として得た。1 H NMR(CDCl3)δ5.18(d,J=8.8 Hz,1H),4.09(d,J=8.8 Hz,1H),3.35-3.29(m ,1H),3.09(dd,J=18.8,6.3 Hz),2.94(dd,J=18.4,6.3 Hz,1H),2.83(dd, J=18.4,6.3 Hz,1H),2.78(dd,18.8,6.3 Hz,1H),1.43(s,9H),1.14(s,9H ),0.96(s,9H). 実施例6 中間体 Boc-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)-Asp(cyPn)(Bzl)-NH-(R)-CH(Et)CMe3(R5 がBoc であり、かつW3がBzl である式15の化合物)の調製 実施例1のカップリング操作に従い、かつ実施例3の標題化合物を第一反応体 として使用し、実施例5の標題化合物を第二反応体として使用することにより、 この実施例の標題化合物を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.43-7.26(m,6H),6.76(d,J=10.0 Hz,1H),5.16(s,2H), 5.06(d,J=8.9 Hz,1H),4.62(d,J=8.9 Hz,1H),4.07(d,J=8.9 Hz,1H),3.60(ddd,J=10.0,10.0,2.5 Hz,1H),3.18-2.83(m,3H),2.70(dd ,J=16.9,4.1 Hz,1H),2.68-2.54(m,1H),1.90-1.52(m,9H),1.42(s,9 H),1.11(s,9H),0.94(s,9H),0.88(s,9H),0.78(t,J:7.3 Hz,3H). 実施例7 中間体Boc-(N-Me)Val-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)-Asp(cyPn)-(Bzl)-NH-( R)-CH(Et)CMe3(R5がBoc であり、かつW3がBzl である式18の化合物)の調製 実施例6の標題化合物(18.00g、24.8ミリモル)を4MのHCl/ジオキサン(125mL) に溶解した。その混合物を室温で45分間攪拌し、次いで減圧で濃縮してH-Tbg-CH2 -(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)-Asp(cyPn)-(Bzl)-NH-(R)-CH(Et)CMe3をその塩酸付 加塩の形態で得た。 この塩をCH2Cl2(300 mL)に溶解した。その溶液を10%のNa2CO3水溶液及び食 塩水で連続して洗浄した。有機相を濃縮して相当する遊離塩基を透明な油(約17g )として得た。その透明な油をCH2Cl2(200mL)に溶解した。N−メチルモルホリン (7mL、70ミリモル)及びBoc-(N-Me)Val-OH(6.93g、30ミリモル)をその溶液 に添加した。この時点で、その遊離塩基を実施例1の操作に従ってBoc-(N-Me)Va l-OHとカップリングして標題化合物(18.8g、収率89%)を得た。1 H NMR(CDCl3)δ7.40-7.29(m,6H),6.83(d,J=8.5 Hz,1H),6.77(d,J=10 Hz ,1H),5.17(s,2H),4.62(d,J=9.5 Hz,1H),4.55(d,J=10 Hz,1H),4.28(d ,J=8 Hz,1H),3.64-3.56(m,1H),2.97(s,3H),3.05-2.50(m,7H),2.33-2.2 3(m,1H),1.91-1.56(m,15H),1.34-1.14(m,7H),1.11(s,9H),1.05(d,J=7 Hz,3H),0.95(d,J=8.5 Hz,3H),0.90(s,9H),0.77(t,J=7 Hz,3H). 実施例8 式1の化合物のN末端の仕上げのための幾つかの代表的な中間体の調製 (a) α(R)−メチルシクロヘキサンプロピオン酸クロリド: アルゴン雰囲気 下で、ブチルリチウムの1.6Mのヘキサン溶液(100mL、160 ミリモル)を乾燥THF(2 00mL)中の4(S)−(1−メチルエチル)−2−オキサゾリジノン(20.7g、160 ミリモル)(L.N.Pridgenら,J.Org.Chem.,54,3231(1989)を参照のこと)の冷却 溶液(-30 ℃〜-40 ℃)に添加した。15分後に、その混合物を-78 ℃に冷却し、塩 化プロピオニル(14.2 mL、163 ミリモル)を添加した。-78 ℃で5分後に、その 反応混合物を0℃に温めた。次いでその混合物をNaHCO3の飽和水溶液(500mL)で 処理した。得られた混合物をEtOAc(2X)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥 させ(MgSO4)、濃縮して黄色の液体を得た。この物質をフラッシュクロマトグ ラフィー[SiO2、溶離剤:EtOAc-ヘキサン(1:10〜1:4)]により精製して(4S )−(1−メチルエチル)−3−(1−オキソプロピル)−2−オキサゾリジノ ンを透明な液体(10.9g、収率74%)として得た。1 H NMR(400 MHz,CDCl3)δ4.46-4.41(m,1H),4.29-4.19(m,2H),3.03-2.86( m,2H),2.43-2.33(m,1H),1.17(t,J=7.3 Hz,3H),0.92(d,J=7 Hz,3H),0. 88(d,J=7 Hz,3H). リチウムヘキサメチル−ジシラザン(LiHMDS、THF中1.0 M、120 mL、120 ミリ モル)の溶液を乾燥THF(300mL)に添加した。得られた溶液を0℃に冷却した。 しばらくして、乾燥THF(200mL)中の(4S)−(1−メチルエチル)−3−( 1−オキソプロピル)−2−オキサゾリジノン(20.9g、113 ミリモル)の溶液を 0℃に冷却し、次いでLiHMDS溶液にカニューレで入れた。0℃で30分後に、臭化 ベンジル(13.4 mL、113 ミリモル)を添加した。得られた混合物を0℃で2時間 攪拌し、次いで室温に温めた。その混合物を10%のクエン酸水溶液で処理し、次 いでEtOAc(2X)で抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥させ(M gSO4)、濃縮して固体と混合した黄色の油を得た。この物質をフラッシュクロマ トグラフィー[SiO2、溶離剤:EtOAc-ヘキサン(1:10〜1:3)]により精製して( 4S)−(1−メチルエチル)−3−(2(R)−メチル−1−オキソ−3−フ ェニルプロピル)−2−オキサゾリジノンを透明な淡黄色の液体(26.8g、収率86 %)として得た。1 H NMR(CDCl3)δ7.29-7.24(m,4H),7.22-7.16(m,1H),4.45-4.41(m,1H),4.2 6-4.13(m,3H),3.13(dd,J=13,7.5 Hz,1H),2.64(dd,J=13,7.5 Hz,1H),2.22-2.12(m,1H),1.16(d,J=6.5 Hz,3H),0.84(d,J=7 Hz,3H),0 .61(d,J=7 Hz,3H). THF(9500 mL)及びH2O(1.5 L)中のこのオキサゾリジン誘導体(26.7g、97.0 ミリモル)の冷却溶液(0℃)に、過酸化水素の30%水溶液(55 mL、0.5 モル) を添加し、続いてH2O(15 mL)中のLiOH・H2O(8.67g、200ミリモル)の溶液を 添加した。得られた混合物を0℃で1時間にわたって激しく攪拌した。H2O(700 mL)中のNa2SO3(100g)の溶液及び固体NaHCO3(20g)を連続して添加した。5分 後に、THF を減圧で除去した。残留水溶液をCH2Cl2(3 X)で洗浄した。その水相 を10%のHCl 水溶液で酸性にし、Et2O(3 X)で抽出した。合わせたEt2O抽出液を 食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮してα(R)−メチルベンゼンプロ ピオン酸を透明な液体(12.8g、収率81%)として得た。1 H NMR(CDCl3)δ7.33-7.19(m,5H),3.10(dd,J=13.5,6.5,1H),2.83-2.74(m ,1H),2.79(dd,J=13.5,8 Hz,1H),1.20(d,J=7 Hz,3H). メタノール(100mL)中のα(R)−メチルベンゼンプロピオン酸(3.0g、18ミリ モル)及び5%のロジウム/アルミナ(800mg)の混合物をパール水素化装置で40 p .s.i.のH2のもとに振とうした。15時間後に、その混合物をケイソウ土で濾過し 、濃縮してα(R)−メチルシクロヘキサンプロピオン酸を透明な液体(2.4g、 収率77%)として得た。1 H NMR(CDCl3)δ2.62-2.53(m,1H),1.79-1.59(m,6H),1.38-1.16(m,5H),1.1 7(d,J=7 Hz,3H),0.95-0.83(m,2H). 乾燥CH2Cl2(30mL)中のα(R)−メチルシクロヘキサンプロピオン酸(2.4g 、14ミリモル)の溶液に、DMF(1滴)及び塩化オキサリル(2g、15ミリモル)を添 加した。室温で2時間後に、その混合物を濃縮した。残渣をEt2O(10mL)に溶解 した。この溶液を濾過した。濾液を濃縮してα(R)−メチルシクロヘキサンプ ロピオン酸クロリドを透明な黄色の液体(2.6g、収率98%)として得た。1 H NMR(400 MHz,CDCl3)3.02-2.91(m,1H),1.80-1.63(m,6H),1.39-1.10 (m,5H),1.28(d,J=7 Hz,3H),0.99-0.85(m,2H).この物質を更に精製しない で下記の実施例に記載されたカップリング反応に使用した。 (b) α(S)−(1−メチルエチル)シクロヘキサンプロピオン酸クロリド:こ の実施例の操作(a)に従ったが、塩化プロピオニルを3−メチルブタノイルクロ リドで置換することにより、α(S)−(1−メチルエチル)シクロヘキサンプ ロピオン酸を得る。1 H NMR(CDCl3)δ2.27(ddd,J=10.5,7,3.5 Hz,1H),1.91-1.80(m,2H),1.73- 1.55(m,5H),1.35-1.08(m,5H),0.98-0.77(m,2H),0.97(d,J=7 Hz,3H),0. 96(d,J=7 Hz,3H). その後、この化合物をこの実施例の(a)節に記載されたのと同じ方法でその相当 する酸クロリドに変換した。 (c) α(R),β(R)−ジメチルシクロヘキサンプロピオン酸: 塩化オキサ リル(2.9mL、33.3ミリモル)次にジメチルホルムアミド2滴をβ(R)−メチル ベンゼンプロピオン酸(4.0mL、26.1ミリモル)の溶液に添加した。その混合物を 室温で2時間攪拌し、次いで減圧で蒸発、乾燥させて相当する酸塩化物(即ち、 第一反応体)を得、以下これを使用した。 別の調製において、乾燥THF(30 mL)中の4(R)−(1−メチルエチル)− 2−オキサゾリジノン(3.06g、23.7ミリモル)の溶液を-50 ℃に冷却した。アル ゴン雰囲気下で、ブチルリチウムの1.6Mのヘキサン溶液(14.8mL、23.7ミリモル) をそのオキサゾリジノン誘導体の冷却溶液に滴下して添加した。-78 ℃で15分後 に、乾燥THF(10 mL)中の第一反応体の溶液を添加した。その反応混合物を-70 ℃で30分間攪拌し、次いで45分間の期間にわたって室温に温めた。その混合物を 過剰の10%のNH4Cl 水溶液で反応停止した。その後、THF を減圧で除去し、得ら れた濃縮物をEtOAc に溶解した。その溶液を5%のNaHCO3水溶液(2 X)及び食塩 水(2 X)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して油を得た。その油をフラッシュ クロマトグラフィー[SiO2、ヘキサン−EtOAc(43:7)]により精製して(4R)− (1−メチルエチル)−3−(3(R)−メチル−1−オキソ−3−フェニルプ ロピル)−2−オキサゾリジノン(6.1g、収率93%)を得た。 カリウムヘキサメチルジシラザン(KHMDS、THF 中0.692 M、23.3mL、16.1ミリ モル)を乾燥THF(50 mL)に添加し、その混合物を-78 ℃に冷却した。乾燥THF( 40 mL)中の先のオキサゾリジン誘導体(4.03g、14.7ミリモル)の溶液を-78 ℃に 冷却した。次いでこの溶液をそのKHMDS溶液にカニューレで入れた。その混合物 を-78 ℃で1時間攪拌した。ヨウ化メチル(1.75 mL、28.1ミリモル)を添加した 。-78 ℃で2.5 時間以上攪拌した後、その反応混合物を室温に温めた。その混合 物を10%のクエン酸水溶液で反応停止した。THF を減圧で除去した後、得られた 濃縮物をEtOAc に溶解した。その溶液を10%のクエン酸水溶液(2 X)、5%のNaH SO3水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮、乾燥させた。残渣を フラッシュクロマトグラフィー[SiO2、ヘキサン−EtOAc(42:8)]により精製し て4(R)−(1−メチルエチル)−3−(2(R),3(R)−ジメチル−1 −オキソ−3−フェニルプロピル)−2−オキサゾリジノン(2.84g、収率67%) を得た。 このオキサゾリジノン誘導体(2.80g、9.69ミリモル)をLiOH・H2O(0.81g、19. 3ミリモル)の存在下で30%の過酸化水素水溶液(5.5mL、48.5ミリモル)と反応さ せ、続いて得られたα(R),β(R)−ジメチルベンゼンプロピオン酸をこの 実施例の(a)節の操作に従ってMeOH中で5%のロジウム/アルミナ(1.76g)で還元 して、α(R),β(R)−ジメチルシクロヘキサンプロピオン酸(1.74g、この オキサゾリジノン誘導体からの収率96%)を得た。1 H NMR(CDCl3)2.63(qd,J=6.5,6.5 Hz,1H),1.80-1.71(m,4H),1.68-1.63( m,2H),1.29-0.91(m,6H),1.08(d,J=7 Hz,3H),0.84(d,J=6.5 Hz,3H). その後、この化合物をこの実施例の(a)節に記載されたのと同じ方法でその相当 する酸塩化物に変換した。 実施例9 (3−シクロヘキシル−2(R)−メチル−1−オキソプロピル)-(N-Me)Val -Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)-C(O)-Asp(cyPn)-NH-(R)-CH(Et)CMe3(R1がHで あり、かつR2がMeである式1の化合物)の調製 実施例7の標題化合物(18.8g、21.98 ミリモル)を4MのHCl/ジオキサン(200mL) に溶解した。その溶液を室温で7時間攪拌し、次いで濃縮した。得られた残渣を CH2Cl2(350 mL)に溶解した。その溶液を10%のNa2CO3水溶液、次いで食塩水で 洗浄した。その溶液を濃縮してH-(N-CH3)Val-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)-C(O )-Asp(cyPn)-NH-(R)-CH(Et)CMe3(約17g)を得た。この化合物をCH2Cl2(200 mL) に溶解した。N−メチルモルホリン(2.5mL、25ミリモル)及びα(R)−メチル シクロヘキサン−プロピオン酸クロリドの添加後に、その混合物を室温で1.5 時 間撹拌した。その後、その混合物を10%のNa2CO3水溶液、10%のクエン酸水溶液 及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮してこの実施例の標題化合物の 相当する保護されたカルボニル誘導体、即ち、R1が水素であり、R2がメチルで あり、かつW3がBzl である式21の化合物を得た。 この誘導体(12.2g、13.5ミリモル)を水添分解[10%のPd(OH)2/C(1.3g)、1気 圧のH2、MeOH(150 mL)、1時間]にかけた。その後、木炭をその反応混合物に 添加し、得られた懸濁液をガラス微小繊維フィルター及びケイソウ土で濾過した 。濾液を減圧で濃縮して標題化合物を白色の微粉末(10.7g、収率97%)として得 た。融点115〜116 ℃。1 H NMR(d6−DMSO)δ8.31(d,J=7 Hz,0.25H),8.23(ブロード,J=10 Hz,1H),7 .86(d,J=8.5 Hz,0.75H),6.93(重なり,d,J=10 Hz,1H),4.91(重なり,d,J =10 Hz,1H),4.70(d,J=10 Hz,0.75H),4.22(d,J=10.5 Hz,0.25H),4.16(重 なり,d,J=8.5Hz,1H),3.45-3.37(m,1H),3.24-3.15(m,1H),2.96(s,2.25H ),2.88(s,0.75H),2.88-2.50(m,5H),2.19-2.00(m,2H),1.70-1.44(m,14H) ,1.44-0.62(m,47H,1.04,0.88及び0.87に特徴的な一重線); FAB MS(m/z): 81 7.6(M+H)+. この実施例の操作に従ったが、α(R)−メチルシクロヘキサンプロピオン酸 クロリドをα(S)−(1−メチルエチル)−シクロヘキサンプロピオン酸クロ リドで置換することにより、{3−シクロヘキシル−2(S)−(1−メチルエ チル)−1−オキソプロピル}-(N-Me)Val-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)-A sp(cyPn)-NH-(R)-CH(Et)CMe3を得た。1 H NMR(d6−DMSO)δ8.23(d,J=10 Hz,1H),8.01(d,J=8Hz,1H),6.93 (d,J=10 Hz,1H),4.92(d,J=10 Hz,1H),4.80(d,J=11 Hz,1H),4.13(d,J= 8.5 Hz,1H),3.40-3.37(m,1H),3.23-3.16(m,1H),3.00(s,3H),2.84-2.56( m,4H),2.53-2.48(m,1H,DMSOのMeとの重なり),2.18-2.08(m,1H),2.06-2.0 2(m,1H),1.73-1.42(m,15H),1.39-1.28(m,1H),1.24-1.00(m,4H),1.04(s ,9H),0.92-0.77(m,15H),0.90(s,9H),0.87(s,9H),0.64(t,J=7 Hz,3H) ;FAB MS(m/z):845(M+H)+. 再度、この実施例の操作に従ったが、α(R)−メチルシクロヘキサンプロピ オン酸クロリドをα(R),β(R)−ジメチル−シクロヘキサンプロピオン酸 クロリドで置換することにより、(3−シクロヘキシル−2(R),3(R)− ジメチル−1−オキソプロピル)-(N-Me)Val-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O) -Asp(cyPn)-NH-(R)-CH(Et)CMe3を得た。1 H NMR(d6-DMSO)δ8.23(d,J=9.5Hz,0.9H),8.16(d,J=5Hz,0.1H),7.84(d,J =8.5 Hz,1H),6.98(ブロード,0.1H),6.94(d,J=10 Hz,0.9H),4.96(ブロー ド,0.1H),4.91(d,J=10 Hz,0.9H),4.70(d,J=11.5 Hz,0.9H),4.23(d,J=1 0 Hz,0.1H),4.16(d,J=8.5 Hz,0.9H),3.96(d,J=5 Hz,0.1H),3.42-3.37(m ,1H),3.24-3.16(m,1H),2.96(s,2.7H),2.90(s,0.3H),2.83-2.50(m,5H) ,2.19-2.02(m,2H),1.73-1.35(m,15H),1.20-0.96(m,6H),1.04(s,9H),0. 91-0.87(m,6H),0.89(s,9H),0.87(s,9H),0.79(d,J=7 Hz,3H),0.77(d,J =7 Hz,3H),0.65(t,J=7Hz,3H); FABMS(m/z): 831(M+H)+実施例10 単純ヘルペスウイルス(HSV-1)リボヌクレオチド還元酵素の抑制 a)酵素の調製 HSV-1 リボヌクレオチド還元酵素(部分精製したもの)をE.A.Cohen ら,J.G en.Virol.,66,733(1985)により記載されたようにして10プラーク形成単位/細 胞で株F HSV-1 ウイルスで感染された静止BHK-21/C13細胞から得た。 b)アッセイ P.Gaudreauら,J.Biol,Chem.,262,12413(1987)により記載されたアッセイ を使用して、HSV-1 リボヌクレオチド還元酵素活性を抑制する式1の化合物の能 力を評価する。そのアッセイ結果を酵素活性の最大抑制の50%を生じる化合物の 濃度(IC50)として表す。夫々のアッセイに使用した酵素製剤の単位の数は、酵素 製剤の比活性に基いて一定であった。これらの結果は試験化合物を用いない対照 実験で得られた活性に対するものであり、互いに10%未満で変化した4回のアッ セイの平均を表す。 下記の表Iは式1の例示化合物について得られたアッセイ結果を示す。 表I式中、R1及びR2は IC50 下記のとおりである μM 1=HかつR2=Me 0.147 R1=HかつR2=CHMe2 0.123 R1及びR2=Me 0.191 実施例11 細胞培養中の単純ヘルペスウイルス(HSV-1)複製の抑制アッセイ BHK-21細胞クローン13(ATCC CCL10)を8%(v/v)ウシ胎児血清(FBS、ギブコ カナダ社)を補給したα−MEM 培地(カナダ、オンタリオ、バーリントンにある ギブコカナダ社)を含む850 cm2のローラーびん中で2日間にわたって培養した( 2x107細胞/びん)。細胞をトリプシン処理し、次いで100 μl 中ウェル当たり50 ,000の細胞の密度で96ウェルミクロタイタプレート中の新鮮培地に移した。細胞 を6時間の期間にわたって37℃でインキュベートしてプレートに付着させた。次 いで細胞を0.5 %のFBS(v/v)を補給したα−MEM 100 μLで1回洗浄し、3日 間にわたって同培地100 μLとともにインキュベートした。血清飢餓のこの期間 後に、低血清培地を除去した。細胞をBBMT 100μL で1回洗浄し、2時間にわた って同培地100 μL 中でインキュベートした{注:BBMT培地はP.Brazeau ら,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA,79,7909(1980)により記載されている}。 その後、細胞をBBMT培地50μL 中でHSV-1 株FまたはKOS(感染多重度=0.05 P FU/細胞)で感染させた。37℃で1時間のウイルス吸収後に、培地を除去し、細 胞をBBMT(2x100 μL)で洗浄した。細胞をBBMT培地中の適当な濃度の試験試薬100 μLとともに、またはそれを用いないでインキュベートした。37℃で24時間のイ ンキュベーション後に、ウイルス複製の程度をELISA アッセイ、例えば、HSV-1 の後期糖タンパク質Cを検出する下記のアッセイにより測定した。 細胞を30分間にわたって室温で食塩加リン酸緩衝液中0.063 %のグルタルアル デヒド100 μL を含むミクロタイタプレート中で固定した。次いでミクロタイタ プレートをカゼインブロッキング溶液で1回洗浄し、1時間にわたって室温で同 溶液200 μL でブロックした。その後、HSV-1 gCエンベロープタンパク質を認識 するmAb C11[E.Trybala ら,Journal of General Virology,75,743(1994) を参照のこと]100 μL を2時間にわたって室温で夫々のウェルに添加した。そ のプレートを0.05%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートを含む 食塩加リン酸緩衝液で3回洗浄した。細胞を暗所で1時間にわたって室温でヒツ ジ抗マウスIgC ホースラディッシュペルオキシダーゼ100 μL とともにインキュ ベートした。 次いでそのプレートを上記食塩加リン酸緩衝液製剤200 μL で3回洗浄し、次 いで0.1Mのクエン酸ナトリウム(pH4.5)で1回洗浄した。その後、オルトフェニ レンジアミンニ塩酸塩(OPD、ギブコカナダ社)100 μL を夫々のウェルに添加し た。そのプレートを30分間にわたって暗所でミクロプレートシェーカーで攪拌し た。ミクロプレート分光測光計を使用して発色を450 nmで監視した。 SAS を使用してウイルス複製の抑制率(%)を計算し、EC50値を生じた。結果 下記の表IIは、式1の化合物をこの実施例の細胞培養アッセイ(HSV-1株F)に 従って評価した時に得られた結果の例を与える。 表IIの化合物 式中、R1及びR2は EC50 下記のとおりである μM 1=HかつR2=Me 0.4 R1=HかつR2=CHMe2 0.2 R1及びR2=Me 0.2 実施例12 相乗的組み合わせ HSV-1 に対する実施例9の標題化合物とアシクロビル(ACV)の相乗作用を、HSV -1 の株KOS を使用して、その2種の薬剤を夫々単独で評価し、次いで細胞培養 アッセイで種々の組み合わせで評価し、イソボール方法をこれらの研究で得られ た結果に適用することにより実証した。イソボール方法の説明について、J. Suhnel,J.Antiviral Research,13,23(1990)を参照のこと。これらの結果を 図1に示す。 イソボール方法に関して更に詳しくは、この方法は2種の試験化合物、夫々単 独及び異なる組み合わせについて生じた実験データを必要とする。この方法では 、選択された濃度(EC5、EC10、EC20及びEC30)の実施例9の標題化合物を所定の 濃度のACV に添加し、EC50を前記のようにして評価した。これらの実験について 、実施例9の標題化合物(即ち、試験化合物)のEC5、EC10、EC20及びEC30を先 に得られた抑制曲線から誘導した。Y軸についてFEC60(ACV)と称される値(これ は試験化合物の不在下で必要とされる濃度に対し一定濃度の試験化合物の存在下 でHSV 複製を60%抑制するのに必要とされるACV の濃度の比である)を使用して 、イソボログラムを生じる。これをACV の不在下でHSV 複製の抑制を60%低下し た試験化合物の濃度に対する試験化合物の一定濃度の比を表す用語(X軸)に対 しプロットする。 等式: X軸:[添加した試験化合物の一定濃度] 試験化合物単独のEC60 Y軸: FEC60(ACV)=EC60 (ACV+試験化合物のXμM] EC60(ACV 単独) 下記の表III はACV と実施例9の標題化合物(TC)の組み合わせをHSV-1 に対す るそれらの抗ヘルペス活性について評価した時に得られた結果を示す。使用した ウイルス株及び感染多重度(MOI)はHSV-1 KOS 株(MOI=0.05 PFU/ 細胞)であっ た。 (1) 実施例9の標題化合物の原液を0.22μM の膜で濾過し、次いで濾液中の化合 物の濃度をHPLCにより測定した。 (2) アシクロビルをカナダ、ケベック、カークランドにあるブラフ・ウェルカム 社から入手した。 注:表III の先の研究において、HSV 複製の抑制をF.Denizot 及びR.Lang,J. Immunol.Methods,89,271(1986)の細胞毒性アッセイにより測定した試験化合 物に関する細胞毒性レベルよりかなり下の濃度で観察した。 表III の結果は、実施例9の標題化合物をアシクロビルと組み合わせると、実 施例9の標題化合物の濃度の比が増大されるにつれて、アシクロビルのEC50の比 例した低下が起こることを示す。それ故、これらの相乗効果の研究は、式1の化 合物がHSV-1 に対するアシクロビルの抗ヘルペス活性を強化することができるこ とを実証する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式1 (式中、R1は水素または(1-4C)アルキルであり、かつR2は(1-4C)アルキルで ある)、 の化合物、またはその治療上許される塩。 2.R1が水素またはメチルであり、かつR2がメチル、エチル、1−メチルエチ ルまたはプロピルである請求の範囲第1項に記載の化合物、またはその治療上許 される塩。 3.R1が水素であり、かつR2がメチル、エチルまたは1−エチルメチルである 請求の範囲第2項に記載の化合物、またはその治療上許される塩。 4.抗ヘルペスウイルス有効量の請求の範囲第1項に記載の化合物、またはその 治療上許される塩、及び医薬上許される担体を含むことを特徴とする医薬組成物 。 5.請求の範囲第1項に記載の化合物、またはその治療上許される塩、及び局所 適用に適した生理学上許される担体を含むことを特徴とする化粧用組成物。 6.哺乳類のヘルペスウイルス感染症を治療するための請求の範囲第1項に記載 の化合物、またはその治療上許される塩の使用。 7.ヘルペスウイルスの複製を抑制するための請求の範囲第1項に記載の化合物 、またはその治療上許される塩の使用。 8.(3−シクロヘキシル−2(R)−メチル−1−オキソプロピル)-(N-Me)V al-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2-C(O)CMe3)C(O)-Asp(cyPn)-NH-(R)-CH(Et)CMe3、{3− シクロヘキシル−2(S)−(1−メチルエチル)−1−オキソプロピル}-(N- Me)Val-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)-Asp(cyPn)-NH-(R)-CH(Et)CMe3、及び (3−シクロヘキシル−2(R),3(R)−ジメチル−1−オキソプロ ピル)-(N-Me)Val-Tbg-CH2-(R)-CH(CH2C(O)CMe3)C(O)-Asp(cyPn)-NH-(R)-CH(Et)C Me3からなる群から選ばれた請求の範囲第3項に記載の化合物。 9.抗ヘルペスウイルス有効量の請求の範囲第8項に記載の化合物、またはその 治療上許される塩、及び医薬上許される担体を含むことを特徴とする医薬組成物 。 10.請求の範囲第8項に記載の化合物、またはその化粧上許される塩、及び局所 適用に適した生理学上許される担体を含むことを特徴とする化粧用組成物。 11.哺乳類のヘルペスウイルス感染症を治療するための請求の範囲第8項に記載 の化合物、またはその治療上許される塩の使用。 12.ヘルペスウイルスの複製を抑制するための請求の範囲第8項に記載の化合物 、またはその治療上許される塩の使用。 13.医薬または獣医薬上許される担体、及び有効量の抗ウイルスヌクレオシド類 似体またはその治療上許される塩と、請求の範囲第1項に記載のリボヌクレオチ ド還元酵素抑制化合物、またはその治療上許される塩の組み合わせを含むことを 特徴とする医薬組成物。 14.ヌクレオシド類似体が式22 (式中、R6は水素、ヒドロキシまたはアミノである) の化合物、またはその治療上許される塩である請求の範囲第13項に記載の医薬 組成物。 15.抗ウイルスヌクレオシド類似体がペンシクロビル、ファムシクロビル及びバ ラシクロビルからなる群から選ばれる請求の範囲第13項に記載の医薬組成物。 16.哺乳類のヘルペスウイルス感染症を治療するための抗ウイルスヌクレオシド 類似体、またはその治療上許される塩と、請求の範囲第1項に記載の式1の化合 物、またはその治療上許される塩の組み合わせの使用。 17.ヌクレオシド類似体及び式1の化合物が逐次または同時に投与される請求の 範囲第16項に記載の使用。 18.組み合わせが局所投与される請求の範囲第16項に記載の使用。 19.抗ウイルスヌクレオシド類似体がアシクロビル、6−デオキシアシクロビル 、2,6−ジアミノ−9−{(2−ヒドロキシエトキシ)メチル}プリン、ペン シクロビル、ファムシクロビル及びバラシクロビルからなる群から選ばれる請求 の範囲第16項に記載の使用。 20.哺乳類の単純ヘルペスウイルス型1または型2を治療するための請求の範囲 第9項に記載の医薬組成物の使用。 21.(i) 式19 (式中、W3はカルボキシル保護基である) の遊離N末端化合物を式20 (式中、R1及びR2は請求の範囲第1項に記載のとおりである) の酸塩化物と反応させて式21 (式中、R1、R2及びW3はこの請求の範囲に記載のとおりである) の相当する保護されたカルボキシル誘導体を得、そして (ii) 式21のこの誘導体を脱保護して式1の相当する化合物を得、そして (iii) 所望により式1の化合物をその治療上許される塩に変換することを特 徴とする請求の範囲第1項に記載の式1の化合物、またはその治療上許される塩 の調製方法。
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