JPH11507722A - 質量分析のためのサンプル提示装置 - Google Patents

質量分析のためのサンプル提示装置

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JPH11507722A JP9501422A JP50142297A JPH11507722A JP H11507722 A JPH11507722 A JP H11507722A JP 9501422 A JP9501422 A JP 9501422A JP 50142297 A JP50142297 A JP 50142297A JP H11507722 A JPH11507722 A JP H11507722A
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Abstract

(57)【要約】 化学的に生体分子を修飾する少なくとも1種の分子を含む表面結合複合体を有するサンプル提示装置を作製し、生体分子に曝す。次に、化学的に修飾された生体分子の分子量を、質量分析計で測定する。

Description

【発明の詳細な説明】 質量分析のためのサンプル提示装置 発明の背景 本発明は、一般に、誘導体化質量分析サンプル提示装置、より詳細には、生体 分子を修飾する少なくとも1種の分子を含む複合体で誘導体化された質量分析サ ンプル提示装置に関する。 従来、質量分析法は、分析物をその分子量を測定して確認するのに使用される 技術である。通常、質量分析法は、サンプル提示装置を分析物でコーティングし 、サンプル提示装置を質量分析計に導入し、分析物を揮発させイオン化し、イオ ンを電場および/または磁場に曝すことによりイオン化分析物を検出器に向かっ て加速し、特定の分析物イオンの質量対電荷の比率を測定するためにデータを分 析する工程を包含する。 分析物が、このプロセスを通じて無傷で維持されるならば、完全な無傷分析物 イオンに関する分子量に対応するデータが得られる。しかしながら典型的には、 分析物の様々なフラグメントの分子量に対応するデータを更に得ることが有利で ある。不純物が存在するときでも、純粋な分析物にのみ対応するデータを得るこ とも有利であ る。従って、それらの分子量測定に先立ち、分析物を精製および/または開裂す ることにより、それらを修飾できることは利点である。 慣用されている質量分析法では、分析物は、サンプル提示装置上でコートされ る前に、或いは質量分析計の内部で起こる揮発化およびイオン化工程の間に、修 飾される。生体分子(例えば、ポリペプチド、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核 酸(RNA)、または炭水化物)は、それらを固定化された複合体に曝すことにより 特定の位置で選択的に消化できることが公知である。しかしながら、分析物がサ ンプル提示装置上でコートされる前に分析物を修飾することは、この余分な工程 がプロセス全体を遅らせ、分析物の損失を招き、そして恐らく不純物を導入し得 るので、不利である。さらに、分析物と試薬との反応で溶液中にフラグメントが 生じる場合、反応の動力学はかなり遅くなり、よって更なる遅延を招くかもしれ ない。揮発化およびイオン化工程の間にフラグメントを生じることも、典型的に はそのような方法が、分析物の開裂部位に亘り殆どコントロールできず、また分 析物の過剰な分解をもたらし得るので、不利である。 さらに、質量分析計の中で生体分子を揮発化しイオン化するマトリックス-ア システィッド・レーザー脱着/イ オン化(Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization("MALDI"))技術を使用 することが公知である。この技術は、特定のマトリックス物質中で生体分子を包 囲することを包含する。レーザー・ビームは、マトリックスが吸収する周波数に 調和され、マトリックス物質上で標的化される。レーザーは、小部分のマトリッ クス物質を揮発させるのに十分なエネルギーを伝える。少数の分析物分子は、こ うして質量分析計内でマトリックス物質とともに気相中に送られる。 MALDIが開発される以前は、質量分析法による生体分子の分析は、無傷の生体 分子をいかなる分解またはフラグメント化もさせずに揮発させるのに十分に穏や かな技術が利用できなかったので、不可能でないにしても非常に難しかった。MA LDI技術は、生体分子を揮発するのに有利な技術を提供するが、この技術は、分 析物をサンプル提示装置上に導入する前に分析物フラグメントの発生または分析 物の精製に手段を講じない。特に、余分なフラグメント化または精製工程に対す る必要性は、プロセス全体を遅らせ、価値ある分析物を無駄にし、不純物を導入 し得る。 レーザー脱着およびイオン化による質量分析のためにサンプル提示装置を使用 することはPCT国際公開No.94/2 8418から公知であり、そこでは、サンプル提示装置は生体分子の脱着およびイオ ン化を促進するための表面結合分子で誘導体化される。そのような表面結合生体 分子法では、表面結合分子は生体分子に結合し、その後、それらがレーザー放射 に曝されるとき生体分子の脱着を促進する。生体分子フラグメントは、表面結合 生体分子を溶液中の試薬に曝し、その後に試薬を洗い去ることによって生じる。 この手順は、不純物混入を導き、それが集めたデータの質を低下させるので問題 がある。具体的には、洗浄プロセス後に任意の試薬が表面上に残る場合、それは レーザービームで揮発される最初の物質となり、興味ある物質からのシグナルを 非常に十分に沈め、よってデータに悪影響する。 さらに、そのようなプロセスは、生体分子を揮発する新規で未実証のシステム に依拠しているので困難である。対照的に、MALDIマトリックス・システムは、 十分に研究されており、生体分子を効果的に穏やかに揮発することが公知である 。MALDIマトリックスは、そのマトリックスが表面結合分子をカバーしており、 よって有用データの獲得を完全に妨害するであるろうから、表面結合分子法とと もに使用できない。 さらに、生体分子をサンプル提示表面に直接結合させ ることも、これをすると修飾された生体分子を、他の修飾化試薬に曝すことが可 能である提示表面上の第2領域または第2提示表面に移す可能性を排除するであ ろうから、不利である。従って、表面結合分析物の方法による任意の化学反応は 、並行してよりも連続的に為されるべきである。そのような連続的方法では、結 合分析物は、1つの試薬と反応され、質量分析計に導入され、除去され、続いて 第2試薬と反応させなければならない。これらの工程のそれぞれは、サンプルに 不純物を混入させる機会を与え、さらなる遅延を招くので、不利である。 以上の理由から、実証ずみの有利なMALDIマトリックスを使用して生体分子を 分析する、迅速で効率的な方法を提供する質量分析サンプル提示装置が必要とさ れている。発明の概要 従って、従来技術の不利な点を克服するサンプル提示装置、質量分析法、およ び質量分析計を提供することが、本発明の目的である。 本発明の他の目的は、生体分子を修飾することが可能な複合体を含む改善され たサンプル提示装置を提供することであり、そこでは、修飾された生体分子から 得られるデータへの不純物混入を妨げるために、修飾生体分子からいかなる試薬 を分離することも必要でない。 本発明の他の目的は、サンプル損失を最少にし、従って極めて少量の生体分子 を用いて効果的に機能する、改善された誘導体化質量分析サンプル提示装置を提 供することである。 さらに他の本発明の目的は、生体分子を高い有効濃度で化学的に修飾すること が可能な複合体を提示し、こうして生体分子修飾反応の速度を増大させる、質量 分析サンプル提示装置を提供することである。 本発明の他の目的は、生体分子を消化および/または精製する質量分析サンプ ル提示装置を提供することである。 本発明のさらなる目的は、既存の最適なMALDIマトリックス・システムを活用 できる誘導体化質量分析サンプル提示装置を提供することである。 本発明の他の目的は、生体分子を1つの試薬と反応させ、その後に反応させた 生体分子の一部分を他の試薬と反応させる、質量分析法を提供することである。 本発明のさらなる目的は、従来技術の不利な点を克服する質量分析サンプル提 示装置を作製する方法を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、生体分子を分析する方法を提供することであり、 そこでは、生体分子はサンプル 提示装置の誘導体化表面に曝され、その後、湿潤雰囲気でインキュベートされる 。続いて、MALDIマトリックス物質が加えられ、最後にサンプル提示装置が質量 分析計に導入される。 本発明の他の目的は、ポリペプチドを分析する方法を提供することであり、そ こでは、分子量データはペプチドの限られたアミノ酸配列を決定するのに使用さ れる。この方法で得られた限定アミノ酸配列は、続いて、対応する核酸配列を得 るために使用し得る。これらの核酸配列は次に、公知の核酸配列を含むコンピュ ーター・データベースをサーチするのに使用し得る。マッチすれば、ポリペプチ ドをコードする公知の核酸配列を同定し得る。 本発明のさらなる目的は、改善された質量分析サンプル提示装置を組込む、改 善された質量分析計を提供することである。 本発明のこれらの目的は、質量分析サンプル提示表面を含む質量分析サンプル 提示装置を提供することによって得られ、そこでは、生体分子を化学的に修飾す る少なくとも1種の分子を含む表面に複合体が結合される。 さらに、サンプル提示装置を作製する方法が提供され、そこでは、生体分子を 化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含む複合体が、サンプル提示装置表面 に結合さ れる。 本発明の目的は、生体分子を分析する方法によって更に達成され、該方法は下 記の工程を包含する: (a)質量分析サンプル提示表面を提供する工程; (b)少なくとも1種の複合体を前記表面に結合させる工程、そこでは該複合体 は、生体分子を化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含んでいる; (c)前記生体分子を前記表面と接触させ、それにより生体分子を化学的に修飾 する工程;および (d)前記化学的に修飾された生体分子の分子量を質量分析計中で測定する工程 。 本発明の目的は、質量分析計により更に得られる。質量分析計は、生体分子を 化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含む表面結合複合体を有するサンプル 提示表面を有する。質量分析計はまた、表面を機械内に誘導する真空連動装置、 化学的に修飾された生体分子を揮発させイオン化する装置、電場発生器、検出器 および修飾された生体分子イオンの分子量対電荷比を測定するエレクトロニクス を有する。 本発明のサンプル提示装置、サンプル提示装置を作製する方法、生体分子を分 析する方法および質量分析計は、これまでに可能であったものより容易に得られ 質がより 高度である、生体分子に関する質量分析情報を提供する。図面の簡単な説明 図1は、表面結合トリプシンで10分間消化したニワトリ卵リゾチーム10ピコモ ルのMALDI質量スペクトルである。 図2は、ニワトリ卵リゾチーム・フラグメントに関する、計算された質量と観 察された質量との相関関係を例示する一覧である。 図3は、表面結合トリプシンで10分間消化したニワトリ卵リゾチーム1ピコモ ルのMALDI質量スペクトルである。 図4は、等モル量の非結合トリプシンで10分間消化したニワトリ卵リゾチーム 1ピコモルのMALDI質量スペクトルである。 図5は、等量のスラリー化アガロースで固定化したトリプシンで消化したニワ トリ卵リゾチームの500μM溶液2μlのMALDI質量スペクトルである。 図6は、遊離トリプシンおよびアガロース固定化トリプシンで10分間消化した 後に得られたニワトリ卵リゾチーム1ピコモルの残渣の一覧である。 図7は、α-コブラトキシンのアミノ酸配列の図式的説明である。 図8は、非消化α-コブラトキシンのMALDI質量スペクトルである。 図9は、表面結合トリプシン・サンプル提示装置で30分間消化したα-コブラ トキシン約10ピコモルのMALDI質量スペクトルである。 図10は、還元剤の存在下に、表面結合トリプシン・サンプル提示装置で30分 間消化したα-コブラトキシン約10ピコモルのMALDI質量スペクトルである。 図11は、m/z範囲が1,000-5,000 Paでの図10のMALDI質量スペクトルの拡大 図である。 図12は、非消化ヒト副甲状腺ホルモン1-34(hPTH)の陽イオンMALDI質量スペ クトルである。 図13は、表面結合α-キモトリプシン質量サンプル提示装置上で10分間消化 されたhPTHのMALDI質量スペクトルである。 図14は、表面結合α-キモトリプシン・サンプル提示装置上で10分間消化さ れ、その後に約5にpH調整され、カルボキシペプチダーゼP(cpp)を添加したhPTH のMALDI質量スペクトルである。挿入図は、最終残基決定のための興味ある領域 を例示する。 図15は、α-キモトリプシンおよびα-キモトリプシン/カルボキシペプチダ ーゼP(cpp)フラグメントからの質量分析データを分析して得たhPTHの部分ペプチ ド配列を示す。 図16は、45℃でpH 8.1に維持した表面結合トリプシン・サンプル提示装置上 で5分間消化したhPTHのMALDI質量スペクトルである。 図17は、図16の消化されたサンプルにcppを添加して生じたタンパク質ラ ダー配列である。 図18は、トリプシンおよびトリプシン/cppフラグメントからの質量分析デ ータを分析して得た部分ペプチド配列の一覧を示す。 図19は、配列決定を伸長させるための、大規模かつラダーな情報の使用を例 示するトリプシンおよびトリプシン/cppフラグメントの質量スペクトルのオー バーレイである。 図20は、45℃でpH 3.4に維持した表面結合ペプシン・サンプル提示装置上で 8分間消化したhPTHのMALDI質量スペクトルである。 図21は、45℃でpH 3.4に維持した表面結合α-キモトリプシン質量サンプル 提示装置上で10分間消化したhPTHのMALDI質量スペクトルである。 図22は、45℃でpH 3.4に維持した表面結合α-キモトリプシン質量サンプル 提示装置上で10分間消化し、その後35℃でpH5に維持した表面結合cppで10分間消 化したhPTHのMALDI質量スペクトルである。好ましい実施態様の説明 本発明は、生体分子を化学的に修飾する複合体で誘導体化された表面を有する 、慣用されている質量分析サンプル提示装置を提供する。この装置は、代表的に は、生体分子に曝されインキュベートされて、複合体が生体分子を修飾させるよ うにする。インキュベーション後、修飾生体分子は、好ましくは、MALDIマトリ ックス物質で包囲され、続いて質量分析計に導入される。本発明はまた、そのよ うなサンプル提示装置を組込んだ質量分析計のような実施態様も更に含む。さら なる実施態様は、質量分析を行い、およびサンプル提示装置を作製する方法を提 供する。 本明細書中で使用されるとき、用語「誘導体化された」は、結合された複合体 を有する質量分析サンプル提示装置を指すことを意味する。本発明による誘導体 化サンプル提示装置は、任意の好適な物質から構成され得る。物質は、固体また は液体であることができる。好適な固体物質は、石英のような絶縁体、ドープさ れたケイ素などのような半導体、および鋼鉄、金などのような金属を含む導体を 含むが、それに限定されない。様々な絶縁性または伝導性のポリマーも使用され 得る。サンプル提示装置の表面は、装置の残りの部分と同じ物質からなる必要 はない。複合体が表面に接着し得るように、表面は清浄であることが好ましい。 提示装置表面に付着する複合体は、2つの異なる機能性を有する。本明細書中 で使用されるとき、用語「複合体」は、生体分子を化学的に修飾する少なくとも 1種の分子を含む化学物質を指す。複合体は、「つなぎ留め(tethering)」機能 を有し、そこではそれは、少なくとも1つの末端でそれ自身を表面に付着し得る 。さらに、それは、「反応性」機能も有し、そこではそれは、分析物を化学的に 修飾し得る。本明細書中で使用されるとき、用語「化学的に修飾する」は、分析 物の精製または消化を指すことが意味されるが、分析物を結合することは意味し ない。複合体はさらに、表面に結合するつなぎ留め分子、およびつなぎ留め分子 に結合して生体分子を修飾する反応性分子を含むことができる。 代表的には、「つなぎ留め」機能は、1つの原子団(即ち、つなぎ留め分子) に関連し、他方、「反応性」機能は、異なる原子団(即ち、反応性分子)に関連 する。複合体は、サンプル提示表面に結合するつなぎ留め分子およびつなぎ留め 分子に結合して生体分子を修飾する反応性分子の両方を含み得る。しかしながら 、機能のこの分離は必ずしも必要ではない。つなぎ留め分子は、好ま しくは、固定化リガンドとして有用であることが実証されたクラスの分子から選 択される。そのような分子の多くの具体的な例は、1995 ピアース・コーポレー ション・カタログ(ピアース・コーポレーション(Pierce Corp.)、P.O.Box 117 、ロックフォード、イリノイ州 61105)のT-156〜T-200ページにリストされてい る。好適なつなぎ留め分子に含まれるのは:ジチオスレイトール、ジメチルアジ ピミデート-2HCL、ジメチルピメリミデートHCL、ジメチルスベリミデート2 HCL、ジメチル3,3'-ジチオビスプロピオンイミデート2HCL、ジスクシニミジ ルグルタレート、ジスクシニミジルスベレート、ビス(スルホスクシニミジル) スベレート、ジチオビス(スクシニミジルプロピオネート)、ジチオビス(スル ホスクシニミジルプロピオネート)、エチレングリコビス(スクシニミジルスク シネート)、エチレングリコビス(スルホスクシニミジルスクシネート)、ジス クシニミジルタータレート、ジスルホスクシニミジルタータレート、ビス[2-( スクシニミジルオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、ビス[2-(スルホス クシニミドオキシ-カルボニルオキシ)エチル]スルホン、スクシニミジル4-(N-マ レイミド-メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、スルホ-スクシニミジル 4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1 -カルボキシレート、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエス テル、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、 スクシニミジル4-p-マレイミド-フェニル)-ブチレート、スルホスクシニミジル4 -(p-マレイミドフェニル)-ブチレート、ビスマレイミドヘキサン、N-(λ-マレイ ミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル、N-(λ-マレイミドブチリルオキ シ)スルホスクシンイミドエステル、n-スクシニミジル(4-イオドアセチル)アミ ノベンゾエート、スルホスクシニミジル(4-イオドアセチル)-アミノベンゾエー ト、1,4-ジ-[3'-2'-ピリジルジチオ(プロピオンアミド)ブタン]、4-スクシニミ ジル-オキシカルボニル-α(s-ピリジルジチオ)トルエン、スルホスクシニミジル -6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)-トルアミド]ヘキサノエート、n-スクシ ニミジル-3(2-ピリジルジチオ)-プロピオナート、スクシニミジル6-[3-(2-ピリ ジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサノエート、スルホスクシニミジル-6-[3-( 2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサノエート、スルホスクシニミジル6 -[3-(2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサノエート、3-(2-ピリジルジ チオ)-プロピオニルヒドラジン、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カル ボジイミドハイドロクロリド、n,n'-ジシクロ ヘキシルカルボジイミド、4-(p-アジドサリチルアミド)-ブチルアミン、アジド ベンゾイルヒドラジン、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド 、n-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド、n-[4-(p-アジドサリ チルアミド)ブチル]-3'(2'-ピリジルジチオ)プロピオンアミド、p-アジドフェニ ルグリオキサールモノハイドレート、4-(p-アジドサリチル-アミド)ブチルアミ ン、1-(p-アジドサリチルアミド)-4-(イオドアセトアミド)ブタン、ビス[β-4- アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド、n-ヒドロキシスクシニミジル-4- アジドベンゾエート、n-ヒドロキシスルホスクシニミジル4-アジドベンゾエート 、n-ヒドロキシスクシニミジル-4-アジドサリチル酸、n-ヒドロキシスルホスク シニミジル-4-アジドサリチル酸、スルホスクシニミジル-(4-アジドサリチルア ミド)-ヘキサノエート、p-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピ オナート、2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロ-プロピオナート、n-スクシニミジル-( 4-アジドフェニル)1,3/-ジチオプロピオナート、スルホスクシニミジル-(4-アジ ドフェニルジチオ)プロピオナート、スルホスクシニミジル-2-(7-アジド-4-メチ ルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3'-ジチオプロピオナート、スルホスクシ ニミジル7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセ テート、スルホスクシニミジル2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3 '-ジチオプロピオナート、n-スクセイニミジル(succeinimidyl)-6-(4'-アジド-2 '-ニトロフェニル-アミノ)ヘキサノエート、スルホスクシニミジル6-(4'-アジド -2'-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシニミジル2-(p-アジド サリチルアミド)エチル-1,3'-ジチオプロピオナート、スルホスクシニミジル4-( p-アジドフェニル)-ブチラート。そのようなリガンドを使用する様々なプロトコ ールが、グレック ティー.ヘマンソン(Greg T.Hemanson)ら(1992)による "Im mobilized Affinity Ligand Techniques"に説明されており、それは本明細書中 に参考として援用される。 複合体は、生体分子分析物を様々な異なる様式で化学的に修飾し得る。本明細 書中で使用されるとき、用語「生体分子」は、DNA、RNA、ポリペプチド、炭水化 物およびそれらの組合せを指すことを意味する。例えば、複合体は、生体分子を 消化、または精製し得る。本明細書中で使用されるとき、用語「消化する」は、 生体分子をフラグメントに化学的または酵素的に開裂することを指すことを意味 し、用語「精製する」は、生体分子を含む溶液から望ましくない物質を除去する ことを意味する。本明細書中で使用されるとき、用語「フラグメント」は、 化学的または酵素的試薬を使用して、生体分子の残りから開裂された生体分子の 一部分を指すことを意味する。幾つかの様々な反応性分子が、生体分子を消化す るために利用できる。生体分子がポリペプチドである場合、複合体は好ましくは 、化学的開裂剤または酵素性プロテアーゼを含む。 酵素性プロテアーゼは、ポリペプチドを開裂する特異的ポリペプチドである。 プロテアーゼは、自己消化として公知のプロセスにより、それら自身を開裂し得 る。幾つかの酵素性プロテアーゼは、特定のアミノ酸残基間でポリペプチドを開 裂する。非特異的に開裂するプロテアーゼの例には、ズブチリシン、パパインお よびサーモリシンが含まれる。少なくとも、幾分か特異的に開裂するプロテアー ゼの例に含まれるのは:アミノペプチダーゼ-M、カルボキシペプチダーゼ-A、カ ルボキシペプチダーゼ-P、カルボキシペプチダーゼ-B、カルボキシペプチダーゼ -Y、キモトリプシン、クロストリパイン、トリプシン、エラスターゼ、エンドプ ロテイナーゼ Arg-C、エンドプロテイナーゼ Glu-C、エンドプロテイナーゼ Lys -C、因子 Xa、フィシン、ペプシン、プラスミン、黄色ブドウ球菌 V8プロテアー ゼ、プロテインキナーゼ Kおよびトロンビンである。 特定のアミノ酸残基間でポリペプチドを開裂する化学的開裂剤は、臭化シアン 、O-イオドソベンゾエートまたはO-イオドソ安息香酸、希塩酸、N-ブロモスクシ ンイミド、ヒドラジンナトリウム、水酸化アルミニウムリチウム、ヒドロキシル アミンおよび2-ニトロ-5-チオシアノベンゾエートを含む。好適な化学的開裂剤 はまた、サンガー試薬(2,4-ジニトロフルオロベンゼン)、エドマンド試薬(フ ェニルイソチオシアネート)、およびこれらの試薬の固定化誘導体を含む。さら に、テトラデンテートCo(III)錯体、β-[Co(トリエチレンテトラミン)-OH(H2O)] のような配位遷移金属錯体も、有効な開裂剤として使用され得る。バッキンガム (Buckingham)ら、89 J.A.C.S.1082(1967)を参照のこと。 分析されるべき生体分子がポリペプチドであるとき、アミノ酸間の任意のジス ルフィド結合を切断する還元剤を加えることが有利であり得る。これらの結合の 切断は、ペプチドのさらなるフラグメント化を生じ、この結果、ペプチド構造に 関してより多くの情報をもたらす。ジスルフィド還元剤は、サンプル提示表面上 に結合され、または溶液中で使用され得る。好適なジスルフィド還元剤は、β- メルカプトエタノール、システイン、およびジチオスレイトール(DTT)を含む。 カルボキシペプチダーゼ- P、ジチオエリスリトール(DTE)リポミドおよびN-アセチルホモシステインは、表 面結合ジスルフィド還元剤として使用し得る。 DNAまたはRNAのような生体分子のために、制限エンドヌクレアーゼまたはエキ ソヌクレアーゼをサンプル提示装置表面に加えることは有利であり得る。これら の酵素は、特異的ヌクレアーゼ間でDNAおよびRNAを開裂し得、DNAまたはRNAのフ ラグメントを作る。特異的な制限エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼ は、当業者に周知である。DNAおよびRNAの両方を開裂する酵素の例は、ヘビ毒ホ スホジエステラーゼおよび脾臓ホスホジエステラーゼを含むが、それに限定され ない。DNAのみを開裂する酵素は、デオキシ-リボヌクレアーゼIおよびIIを含む が、それに限定されない。リボヌクレアーゼI(膵臓)およびT.(カビ)は、RNA を開裂する。 炭水化物を含む生体分子を分析するとき、フカーゼ(fucase)、O-またはN-グリ カナーゼ、マンナーゼ、ノイラミニダーゼ、ガラクトシダーゼまたはグルコシダ ーゼを表面に加えることは有利であり得る。これらの酵素は、質量分析計で測定 できる特定の分子量の炭水化物フラグメントを生じる。 サンプル提示表面に付着した複合体も、生体分子を精 製し得る。例えば、複合体は、デタージェント、脂質、エンドトキシンまたはプ ロテアーゼのような一般的な不純物に非可視的に結合する反応性分子を含み得る 。 本発明は、上記の誘導体化質量分析サンプル提示装置を作製するための方法も 提供する。この方法では、生体分子を修飾する複合体は、サンプル提示装置の表 面に結合することが必須である。1つの実施態様では、複合体全体が先ず合成あ るいは精製され、その後に表面と反応される。別の好ましい実施態様では、複合 体は、先ずサンプル提示表面をつなぎ留め分子と反応させ、その後に、つながれ た分子を反応性分子と反応させることによって形成される。 本発明の他の実施態様は、生体分子を分析するための方法を提供する。具体的 には、該方法は、(1)質量分析サンプル提示表面を提供し、(2)少なくとも1種の 複合体を表面上で結合させ、そこでは該複合体は、化学的に生体分子を修飾する 少なくとも1種の分子を複合体が含んでいる、(3)生体分子を表面と接触させ、 それにより生体分子を化学的に修飾し、(4)MALDIマトリックスを表面に適用し及 び(5)質量分析計内の生体分子の分子量を測定する、ことを包含する。生体分子 は、溶液中または気相中にある間に表面と接触させ得る。 接触工程は、反応速度を速めるために、好ましくは室温以上で、最も好ましく は55℃までで行われる。しかしながら、それは、分析物または複合体の分解を生 じるのに十分な高い温度で行われるべきではない。特定の複合体のためには、接 触工程を室温以下で、最も好ましくは、-10℃以上で行うことが有利であり得る 。この接触工程は十分な時間、代表的には5-30分間、進められる。実際の反応時 間は、特定の複合体および生体分子に依存する。プロテアーゼがポリペプチドの 生体分子を消化するのに使用されるとき、接触工程は好ましくは、湿潤雰囲気で 行われる。そのような雰囲気は、例えば、水貯蔵器を備え、それを閉鎖系内でサ ンプル提示表面および生体分子とともに囲い込むことにより、作られ得る。 続いて、MALDIマトリックスは、反応された分子に加えられる。MALDIマトリッ クスは、生体分子を溶解し、レーザーで容易にアクセス可能な周波数で光エネル ギーを吸収し、生体分子に関して非反応性である任意の物質であり得る。好適な マトリックスは、ニコチン酸、ピロジノイック酸(pyrozinoic acid)、バニリン 酸、コハク酸、カフェー酸、グリセロール、尿素またはトリス緩衝液(pH7.3)を 含む。好ましいマトリックスは、α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸、フェルラ酸 、2,5-ジヒドロキシ安息 香酸、シナピン(またはシナピニン)酸、3,5-ジメトキシ、4-ヒドロキシ-トラ ンス-ケイ皮酸、他のケイ皮酸誘導体、ゲンチシン酸およびそれらの組合せを含 む。 本発明のさらなる実施態様は、上記のサンプル提示装置を組み込んだ質量分析 計を提供する。本発明による質量分析計はさらに、サンプル提示装置を揮発化チ ャンバーに導入するための真空連動装置、分析物を揮発化およびイオン化するた めの装置、生体分子イオンが検出器に向かって動くように向けられている任意の 電場発生器、およびその軌跡に基づいて特定イオンに関する分子量対電荷比を測 定するためのエレクトロニクスを含む。 この質量分析計は、分析物を揮発化およびイオン化するために通常使用される 全ての技術と両立する。そのような技術は、エレクトロスプレーイオン化、カリ フォルニウム252プラズマ ディソープション、フィールド・ディソープション、 高速原子衝撃、液体二次イオンMS、レーザー脱着およびサーモスプレーイオン化 を含むが、それに限定されない。好ましくは、MALDI技術は、生体分子を揮発化 し分析するために使用される。これらの技術の中で要求される機械的構造または 装置は、当業者に周知である。 分析器は通常、イオンが生じる分析計内の領域と検出 器との間に荷電した金属構造を有する電場発生器を含む。これらの構造物は、そ れらがイオンを引きつけるが、イオンはそれらを通過して進み検出器に到達し得 るようにデザインされなければならない。好ましくは、構造物は、幾つかのイオ ンを通過させ検出器に向かって移動させる開口部を備えた荷電金属グリッドであ る。構造物は、イオン発生領域と検出器との間に位置しなければならない。それ らは、イオンを検出器に向かって加速するように作用する電位差を有しなければ ならない。 幾つかの質量分析計では、イオンが検出器に向かって進むときにイオンを偏向 させるように磁場を使用する。そのような装置は、磁場中でのその偏向に基づい てイオンの質量を測定する。しかしながら、生体分子の質量を測定するには、飛 行時間型質量分析計を使用するのが好ましい。 その軌跡に基づいてイオンの分子量対電荷比を測定するためのエレクトロニク スは代表的には、イオン衝撃検出器、データ収集エレクトロニクス、およびコン ピューターのようなデータ分析エレクトロニクスを含む。 多くのタイプの検出器が、本発明と両立する。検出器の幾つかの具体例は、フ ァラデー・カップ、電子増倍管、電気光学イオン検出器および写真乳剤を含む。 本発明に従う具体的な実施態様を、詳細に説明する。これらの実施例は、例示 することを意図し、本発明は、これらの実施態様に記載される物質、方法または 装置に限定されない。 実施例1 サンプル提示装置の作製 ジョンソン・マットゼイ(Johnson Matthey)から入手できる金(Au)ホイル(99.9 %)の円形物、直径2.5mmおよび厚さ0.01mmを打ち抜き、ポリエチレン製ミクロ遠 心分離チューブに入れた。金ホイル円形物には、いかなる不純物混入も避けるよ うに注意を払った。金ホイルを、カッツ(Katz)の方法に従い、活性化した。カッ ツ,イー.ワイ.(Katz,E.Y.)、J .Electroanal.Chem.、Vol.291、p.257(1990 )を参照のこと。円形物を、架橋またはつなぎ留め分子である、ピアース(Pierce )から入手されるジチオビス[スクシニミジルプロピオナート](DSP)をイソプロパ ノールに約0.1Mに溶解した溶液で処理した。DSP/イソプロパノール溶液は、本質 的にこの濃度で飽和した。時々、ボルテックス・ミキサーを用いて混合しながら 、円形物を、DSP/イソプロパノール溶液で15分間処理した。このつなぎ留め分子 溶液を注ぎ出し、金円形物を純粋なイソプロパノールで繰り返しリンスし、その 後に純粋なエタ ノールで3回リンスした。金円形物を真空乾燥し、反応性分子または生体分子で 処理する前に新しいミクロ遠心分離チューブに移した。 実施例2 表面結合トリプシンを有するサンプル提示装置の作製 質量分析サンプル提示装置は、装置の表面に下記のようにトリプシンを結合さ せることにより作製した。誘導体化サンプル提示装置の作製に使用するために、 シグマ(Sigma)から入手されるウシ膵臓からの、トシル-L-フェニルアラニンクロ ロメチルケトン(TPCK)処理されたトリプシンXIII型を、20 mMリン酸緩衝液、pH7 .8に1 mg/mLの濃度に溶解した。実施例1で調製された金ホイル円形物上の架橋 またはつなぎ留め分子に酵素を付着させるために、円形物を、20 mMリン酸緩衝 液中、pH7.8の1 mg/mL酵素溶液とともに終夜、冷蔵庫の中で時々攪拌しながらイ ンキュベートした。インキュベーション後、金ホイル円形物を、リン酸緩衝液で 、その後にトリトン-X100の0.1%水溶液で激しくリンスし、両方のリンスともボ ルテックス・ミキサーを使用した。次に、金ホイル円形物を真空乾燥し、ポリエ チレン製ミクロ遠心分離チューブに保存した。ルーチンなMALDI分析に慣用的に 用いられているステンレススチール製サンプル提示装置への金ホイル円 形物表面の物理的付着は、慣用されているサンプル提示表面またはプローブ・チ ップに少量の噴霧接着剤を適用して達成され、続いてそれを金ホイル円形物の1 つに押しつけた。付着する前に、慣用されているステンレススチール(304)製の 質量分析サンプル提示装置を電解研磨し、脱イオン水中で完全にリンスし、その 後、メタノール中で超音波洗浄した。接着剤を用いて結合させる間、等しい圧力 をプローブ・チップと金ホイル上に維持した。次に、結合トリプシンを有するサ ンプル提示装置を、後述するように、タンパク質消化のために使用した。実際に は、複数のチップが作られ、必要とされるまで室温でポリエチレン製チューブに 保存された。 実施例3 リゾチームと接触したAu/トリプシン サンプル提示表面 消化は、実施例2で作製されたAu/トリプシン活性表面を用いて、250nM リゾ チームニワトリ卵溶液(20 mMリン酸;10 mMジチオスレイトール(DTT);pH8.1緩 衝液に溶解させた)のアリコート(4μLまたは400nLのいずれか)をサンプル提 示装置表面に直接適用して行なった。表面を、40℃に維持した湿気のある包囲区 域内に静置した。表面上の溶液の体積をモニターし、液体の体積が2μL未満に 見えた場合には、1-2μLのリン酸緩衝液の追加アリコートを加えた。10分後、装 置を湿気のある環境から除去し、2μLのMALDIマトリックス、α-シアノ-4-ヒド ロキシケイ皮酸(1.3% トリフルオロ酢酸水溶液:アセトニトリル(ACCA)の2: 1溶媒混合物中の飽和溶液として調製された)を適用し、表面を風乾した。 比較例4 遊離トリプシンを用いた タンパク質消化/サンプル作製 トリプシン対リゾチームの1:1モル比は、2μLの500nM リゾチームを2μLの500 nM トリプシン(両方とも、20 mMリン酸;10 mM DTT;pH8.1緩衝液中で調製され た)とともに添加して調製した。混合量を、600μL ミクロ遠心分離チューブ内 に入れ、40℃で10分間インキュベートした。反応は、2μLのMALDIマトリックスA CCAを添加して止め、消化物/マトリックス混合物の全量を不活性な質量分析サ ンプル提示装置上に置き、風乾した。 比較例5 アガロース固定化トリプシン リゾチーム対アガロース/トリプシンの1:1体積比は、2μLの500nM リゾチー ムを2μLのスラリー化したアガロース/トリプシン(両方とも、20 mMリン酸;1 0 mM DTT; pH8.1緩衝液中で調製された)とともに添加して調製した。スラリー化アガロー スは、約1μLのビーズ化試薬(beaded reagent)を含んでいた。混合量を、600μL ミクロ遠心分離チューブ内に入れ、40℃で10分間インキュベートした。反応は 、2μLのACCAマトリックスを添加して止め、消化物/マトリックス混合物の全量 を(ビーズ化試薬とともに)不活性な質量分析計の慣用されているサンプル提示 装置またはプローブ・チップ上に置き、風乾した。 実施例6 飛行時間型質量分析 質量分析は、直線的な飛行時間型質量分析計を用いて実施例3、比較例4、お よび比較例5で作製されたサンプル提示装置を使用して行なった。脱着およびイ オン化は、Nd:YAGレーザー(コンティニュームスレライトI(Continuum Surelit e I))の第3高調波(355 nm)出力を用いて行った。レーザーの光路は、様々なア テニュエーター(ニューポート935(Newport 935))、直角ビーム・ステアリング プリズムおよび、サンプル・ターゲットから約300mmに置かれた250mm焦点距離の 石英レンズを含んでいた。マトリックス/分析物サンプルから発生したイオンは 、2段階加速ソース(トータルの距離=1.5cm)を用いて、30 kVの電位に加速し た。静電粒子ガイドを使用し て、飛行経路に亘るイオン伝送をアシストした。検出は、ハイブリッド、マイク ロチャンネルプレート/離散ダイノード、電子増倍管を用いて行なった。イオン 化の閾値は経験的に、50 Mhzオシロスコープ(テクトロニクス(Tektronix)TDS 3 10)でイオンシグナル実時間をモニターしながら、サンプル表面でレーザー光の 強度を増大させることにより測定した。安定なイオンシグナルの観察により、50 個のレーザー・ショットを、500 MS/sデジタル蓄積オシロスコープ(テクトロニ クス TDS 520A)を用いてシグナル平均化し、IBM互換性486コンピューターに転 送した。データは、PC互換性ソフトウェアLabCalc(ガラクティック・インダスト リーズ(Galactic Industries))を用いて分析した。全ての質量スペクトルは、陽 イオンモードで得られた。外部的質量較正は、ウシインシュリン(MW=5,733.5 Da )の一重および二重荷電ピークを用いて行なった。消化フラグメントの質量は、 公知のニワトリ卵リゾチームのアミノ酸配列とペプチドデータ操作ルーチンPROC OMPを用いて計算した。このプログラムは、ミシガン 48104、アンアーバー、ユ ニヴァーシティ・オブ・ミシガン メディカルセンター、フィリップ・シー・ア ンドリューズ博士から公に入手される。 酵素的開裂の前に、リゾチーム・サンプルの完全性を、 いかなる結合複合体も有しないサンプル提示装置を用いて、MALDI分析により証 明した。リゾチーム・イオンによるもの以外のシグナル、一重および多重荷電シ グナルも、これらの分析の際には観察されなかった。図1は、実施例3に記載さ れるように、金表面に結合したトリプシンを有するサンプル提示装置を使用して 10ピコモルのリゾチームを10分間消化(40℃)した結果を示す。いかなるシグナ ルも、m/z=6,000を超えて観察されず、それは高いトリプシン活性を示す。67個 の可能性のある消化産物のうち33個でイオンシグナルが観察される(6,000 Daま での質量範囲で)。マトリックスからの妨害の可能性ゆえに、m/z=1,000 Da未満 のシグナルは、一般に考慮されなかった。シグナルの強度および質は、レーザー 脱着条件を、m/z=1424.8、1429.6および1435.5 Daで、トリプシンによるフラグ メントの分析を可能にさせるようなものであった(挿入図)。図2は、酵素開裂 されたフラグメントの計算された質量と質量分析計で観察されたものとの相関関 係を示す。 図3は、表面に適用された1ピコモルの酵素のみで行われた、同じ手順を用い て得られた質量スペクトルを示す。実質的に同じフラグメント化パターンが、デ ータのシグナル対ノイズ比の予測された犠牲を伴って観察された。 比較のために、1ピコモルのリゾチームを、比較例4および5に記載されるよ うに、等モル比の遊離トリプシンまたは等しい体積のアガロース固定化トリプシ ンのいずれかを用いて、消化した。遊離トリプシンを用いた消化の結果を、図4 に示す。トリプシンで生じたフラグメントと両立する多くの低質量シグナルが観 察され、それは図6に示されている。しかしながら、m/z 1177、1459、1498、21 66、2191、および2275での強いシグナルは、図6に示されるようにこれらのフラ グメントがトリプシンのMALDI質量分析の間にも観察されるので、トリプシンの 自己消化産物に起因する。 さらに、トリプシン全体の分子シグナル(一重および多重荷電シグナル)も、 スペクトル中に見られる。自己消化および親シグナルは、これらのフラグメント がマトリックス中に組み込まれるので、データを汚染する。消化で使用されるト リプシンは、表面には結合せず、従って、トリプシン分子イオンおよび自己消化 産物がマトリックス結晶に取り込むのを妨げるものはない。さらに、図3に比較 すると、シグナル対ノイズ比の減少も観察され、移転および操作中のサンプル損 失に起因する。 トリプシン自己消化産物によるバックグラウンド寄与を減らす試みで、アガロ ース固定化トリプシンを使用し た。比較例5に記載されるように約1μLのビーズ化アガロースを用いて、1ピコ モルのリゾチームの10分間、40℃消化から得られた結果を図5に示す。シグナル は、9個のリゾチーム消化フラグメントに関して得られ、m/z 2164および3371で 2個のみ、自己消化産物ピークが見られる。誘導体化サンプル提示装置および遊 離トリプシン消化物の両方を対比すると、消化フラグメントに対応するピークは 殆ど観察されない。しかしながら、全体的なシグナル強度の顕著な減少が観察さ れる。アガロースは多孔性媒体であるので、消化フラグメントは、媒体への取込 み、固定化酵素周辺での分析物の乏しい局在によるゆっくりとした消化、および 少量のマトリックスを使用する不十分な溶出の組合せによって失われると考えら れる。 Au/トリプシン誘導体化サンプル提示装置を用いて得られたスペクトルを、固 定化および遊離トリプシン消化物のものと比較すると、誘導体化サンプル提示装 置を用いて行われた消化物は、酵素自己消化産物によるバックグラウンド・シグ ナルが顕著に無く、高レベルの活性を維持することが明らかである。トータルな 消化の程度を示す消化パターンから、本発明による誘導体化表面の活性が、アガ ロース固定化および遊離トリプシンの間の何処かに(それぞれ、約0.05および0. 15 TAME単位)あること が推測される。このレベルの誘導体化表面活性は、もし同様な調製条件、例えば 、インキュベーション時間、温度、および緩衝液が使用されるならば、バッチ毎 に適度に一定性を維持することが見い出される。しかしながら、もし表面が、不 注意にさわってしまいオイルの沈着を生じたり、或いは、Au/トリプシンホイル を慣用されているサンプル提示装置に固定する際に接着剤が混入されるならば、 活性は甚だしく損なわれることが見い出される。表面作製の最終工程では、注意 を払わなければならない。或いは、不純物混入のリスクは、表面を金でスパッタ ー・コーティングし、トリプシンを直接この金コーティングにカップリングする ことにより、完全に排除される。この方法を用いたトリプシン活性は、金ホイル 方法のそれとほぼ等しいことが見い出された。 実施例7 α-コブラトキシンと接触したAu/トリプシン サンプル提示表面 α-コブラトキシンを、実施例2に記載されるように、固定化トリプシン・サ ンプル提示装置を用いて分析した。 最初に、非フラグメント化α-コブラトキシンをMALDI法を用いて分析した。無 傷のペプチドの一重または二重荷電イオンに対応するシグナルが得られた。図7 および 図8からわかるように、残基1-71に対応する一重および二重荷電イオンが、7,82 3および3,912 Daでそれぞれ観察される。m/z 約1,000 Da未満のシグナルは、ACC Aマトリックスによる。 次に、10ピコモルのα-コブラトキシンが、実施例2により作製されたトリプ シン表面で30分間消化された。α-コブラトキシンを、10 mMリン酸緩衝液(pH7.8 )3μL体積で表面に適用した。反応は、等しい体積のACCAマトリックスを添加し て止める前に、室温で30分間、高度に湿った雰囲気で進められた。混合物は、質 量分析計に挿入する前に乾燥させた。得られた質量スペクトルは、図9に示され るように、分子量7,445、7,575および7,823 Daを有するペプチドに関する一重お よび二重荷電イオン・シグナルを示す。これらの重量は、図7に示されるように 、ペプチド配列1-68、1-69および1-71にそれぞれ対応する。これらは、非減少ペ プチドのトリプシン処理から予測される主要なフラグメントである。5つの他の 開裂部位が可能であり、それぞれが異なる分子量フラグメントを生じる。しかし ながら、これらの部位は、立体的に障害され、トリプシンに利用できない。従っ て、これら5個の他の可能なピークは観察されなかった。 α-コブラトキシンはさらに、還元剤(3μL-10 mMリン 酸;10 mM DTT中 10ピコモルのα-コブラトキシン)の存在下に表面結合トリプ シンによって、上記の10ピコモルのα-コブラトキシン消化を繰り返すことによ り分析した。図7からわかるように、還元剤はジスルフィド結合を壊し、より多 くのフラグメント生成を可能にした。図10および11に示される得られたスペ クトルは、還元されたコブラトキシンを表示する1セットのペプチド・フラグメ ントを示す。 実施例8 表面結合α-キモトリプシンを用いた サンプル提示装置の作製 質量分析サンプル提示装置は、装置の表面に下記のようにα-キモトリプシン を結合させることにより作製した。α-キモトリプシンまたはTPCKで処理したα- キモトリプシンを、実施例2に記載されるように誘導体化サンプル提示装置の作 製に使用するために、20 mMリン酸緩衝液、pH7.8に溶解して、1mg/mLの濃度にし た。 実施例9 核酸プローブのデザインおよび遺伝子同定 のための配列決定 表面固定化および遊離ペプチダーゼの組合せを使用して、下記のようにオリジ ナルのペプチドから異種フラグ メント混合物を生じさせた。 酵素的に活性なトリプシンおよびα-キモトリプシンの質量分析サンプル提示 表面を、実施例2および8に記載されるように作製した。 合成ペプチドであるヒト副甲状腺ホルモン1-34(hPTH)を、分析用のテスト・ペ プチドとして選択した。ペプチドの配列は、以下のようである: 消化は、下記のように行なった。hPTHの0.01 mg/mL溶液(20 mM NaHPO4、pH8. 1の緩衝液中)の3マイクロリットルのアリコートを、実施例2または8に従っ て作製された誘導体化質量分析計サンプル提示装置に適用した。消化は、40〜50 ℃の温度で、高い湿度雰囲気で行われた。反応混合物の0.5-1.0μLアリコートを 表面から除去する前に、消化を5〜10分間実施した。これらのアリコートを、エ ンドペプチダーゼ・マッピングのためにMALDI分析した。20 mM NH4COOCH3のアリ コートを添加してpHを約5に低下させ、アリコートの体積は残っている反応混合 物のものに等しかった。次に、酢酸緩衝液中の0.001mg/mLカルボキシペプチダー ゼP(CPP)の500 nLアリコートを反応混合 物に加えた。表面を加熱化高湿度雰囲気から除去し、反応を等体積のMALDIマト リックス添加して止める前に、タンパク質ラダー消化を1〜3分間実施した。マ トリックス/反応混合物を風乾し、酵素的に活性な表面を質量分析計に直接挿入 した。 図12は、2.5ピコモルのhPTHのACCA-MALDI質量スペクトル、下記の酵素分析 のための参照の開始点である。強い一重プロトン化シグナルが、4,119.0 Daの質 量対電荷比(m/z)で、二重荷電が m/z=2.019.7 Daで観察され、およびm/z<500 D aではマトリックス・イオンシグナル以外は殆ど観察されなかった。 hPTHはさらに、40℃でpH8.1に維持したAu/α-キモトリプシン表面上で10分間 消化した後に分析した。この消化の結果を図13に示す。1,398.5、1,706.2、18 50.0および2,738.7 Daで4個の主要なシグナルが、図13に示されるように観察 される。 図13に示される質量スペクトルを得るためにMALDIマトリックスを加える前 に、消化されたペプチドの一部を第2の慣用されているサンプル提示装置表面に 移した。第2の慣用されているサンプル提示表面上の消化ペプチドの部分を、約 5のpHに調整し、さらにcppに曝した。図14は、この第2サンプルから得られた MALDI質量スペク トルを示す。cpp消化による一連のイオン・シグナルが、1,800-2,800 Daの範囲 のm/zで観察され、m/z=2,738.7でのAu/α-キモトリプシン消化シグナル由来のも のであると推定される。最初の残基は、α-キモトリプシンに関する好ましい開 裂部位である。図15は、図14で観察されたシグナルの質量を要約しており、 隣接するシグナルの間の質量の差および残基はその差から決定される。図15に 示されるように読める)N-からC-末端への部分配列が、連続的質量差によって決 定され、(pep)−MERVEW−COOHを与える。 hPTHの第2の同様な分析が、Au/トリプシン・サンプル提示表面を用い、その 後cpp消化して行なわれた。図16は、45℃の温度(pH8.1)5分間後のAu/トリプ シン消化の結果を示す。図18は、その消化について観察された質量を要約する 。図16に示されるトリプシン消化は、幾つかの出発フラグメントの産生を生じ 、短い配列(Arg/Lys)−Lys−Lysの存在を示した。 図16に示される質量スペクトルを得るためにMALDIマトリックスを加える前 に、消化ペプチドの一部分を、第2の慣用されているサンプル提示装置表面に移 した。続いて、cppを、この第2部分に加えた。約5にpH調整した後、ラダー消化 は、ACCAをサンプル提示表面に加えて止 める前に、3分間進めさせた。図17は、得られた配列ラダーを示す。図18に 要約される観察された質量差から、配列は(pep)−NSMERVEW(L/ I)RK−COOHであることが決定された。cppによって開裂された最初の残 基は、Argのものである。Argは、トリプシンに関する好ましい開裂部位で ある。これは明らかに、Au/α-キモトリプシン/cppを用いて決定された部分配列 の伸長である。 大きいスケールの配列、(Arg/Lys)−Lys−Lysは、ラダー配列 と正しい質量でオーバーラップする。これは、追加的なLysによる配列伸長の ために、両方のスペクトルが結合するのを可能にする。c-末端からのAu/α-キモ トリプシン/cppシリーズで観察される最初の残基は、トリプトファンであると決 定された。トリプトファンがα-キモトリプシン開裂の好ましい部位の1つであ るので、これは予測される。 図15、挿入図、からわかるように、Au/α-キモトリプシン/cpp消化の最後の 開裂の領域から選択される2つのイオン・シグナルがあり、曖昧さの可能性を導 く。2つの質量の差は、最終残基として、セリンまたはプロリンのいずれかの可 能性を示す。シリーズ全体で観察された質量帰属の誤差(平均、約0.15 Da)に 基づくと、-0. 1 Daの誤差を有してセリンであるとの最終決定が、プロリンである(-2.2 Daの 誤差を有して)という最終決定を上回って為された。得られた配列は、(pep )−SMERVEW−COOHであると決定された。 128 Daという名目上の質量差が、Au/トリプシン/cpp分析の最初のトリプシン 開裂から得られたスペクトルの幾つかのポイントで観察された。トリプシンがリ シンまたはアルギニンでのみ開裂することを考慮すると、128 Daの質量差は、C- 末端のリシンから、もう1つのリシンまたはアルギニンまでのいずれかから生じ ることが高度にあり得る。同様に、3,000〜3,300 Da領域で観察されるような、1 28 Daという2つの隣接する質量差は、配列中にLysーLysの存在を示し、 その第3残基は、もう1つのリシンまたはアルギニンのいずれかである。この情 報は、エンド-およびエキソペプチダーゼのスペクトルのオーバーラップの認識 と組合せると、2つのスペクトルを組合せて使用することを可能にし、配列決定 を伸長させる。図19は、ラダー配列のArgーLysとオーバーラップするト リプシン・スペクトル中に観察された(Arg/Lys)−Lys−Lysから 決定された追加的リシンにより伸長されたラダー配列を示す。このように観察さ れた128 Daの質量差は、同じ分子量を有する Glnと対立して、Lysであると疑う余地なく帰属され得る。結果は、配列の 12残基が、(pep)−NSMERVEW(L/I)RKK−COOHであると 決定された。 このデータ収集では、約0.2 Da以内の相対分子質量を測定するのに十分優れた 質とシグナル対ノイズを有する4個の50〜100のレーザー・ショット質量スペク トルが、トータルで約15ピコモルのサンプルを用いて得られた。MALDIプロセス に典型的に、サンプル提示は、等しい質の何千という単一のレーザー・ショット 質量スペクトルが可能であった。サンプル提示表面装置に適用されるサンプル量 を最少にするよう特別な努力は払われず、装置の表面面積は十分に大きいので、 表面面積の減少やより少ない分析物サンプルを適用してプロセス全体を単純に縮 少化することにより、質を犠牲にすることなく分析物サンプル量を減らすことが 可能であり得る。 これらの消化を迅速に行うために、誘導体化サンプル提示表面を高温で維持す ることが重要であった。エンド-およびエキソペプチダーゼの両方の消化に使用 された温度は、約55℃までの高い温度で行われ、タンパク質分解性消化で代表的 に使用される温度、つまり37℃よりも幾分高い。これは、酵素的に活性なサンプ ル提示表面の高 い相対活性と組合せると、迅速な分析時間に関連すると考えられる。全てのケー スで認められるわけではないが、hPTHの例で実証された15分という分析時間は、 1分当たり丁度1残基という分析速度を示す。 ペプチド配列が上記プロセスで決定された後、縮重のルールを使用してペプチ ド配列をコードする多くの核酸配列を同定できる。例えば、Biochemistry、スト ライヤー(Stryer)、pp.91-115(1988)を参照のこと。多くの異なる核酸配列が単 一ペプチドをコードしているので、幾つかの核酸配列がペプチド配列から得るこ とができる。核酸配列を使用して、核酸配列のデータベース、例えばジーンバン ク(Genbank)をサーチし、特定のポリペプチドをコードする遺伝子を同定できる 。 実施例10 表面結合ペプシンを有するサンプル提示装置の作製 質量分析サンプル提示装置は、ペプシンを装置の表面に下記のように結合させ て作製した。金ホイルを先ず、実施例1に示される方法により、DSPで活性化さ せた。DSPで活性化した金を次に、エチレンジアミン(イソプロパノール中20% v /v)と室温で30分間反応させた。インキュベーション後、金ホイルをイソプロパ ノールで完全にリンスし、その後で20 mMリン酸緩衝液中0.1 M [1-エチ ル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]、pH4.5と、30分間室温で反 応させた。続いて、ホイルを、リン酸緩衝液で完全にリンスした。次に、リン酸 緩衝液中10 mg/mLペプシン溶液を表面に加え、4時間4℃でインキュベートさせ た。インキュベーション後、ホイルをリン酸緩衝液で繰り返しリンスし、最後に 真空乾燥した。 実施例11 ペプシンと接触したAu/ペプシン・サンプル提示表面 10 mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH3.4)中、約5ピコモルのhPTH 1-34を適用して 、実施例10で調製したAu/ペプシン活性表面を用いて、消化を行った。ACCAマ トリックスを加えて反応を止める前に、hPTHを8分間45℃で消化した。続いて、 飛行時間型質量分析を行なった。図20に示される得られたスペクトルは、アミ ノ酸4-18、9-24、8-24、および18-34に対応する、ペプシンで生じたペプチドに 関するイオン・シグナルを含む。 実施例12 2つの異なる複合体による生体分子の連続的処理 2つの異なる表面結合複合体の組合せを使用して、下記のように生体分子を順 々に修飾した。先ずhPTHを、10分間35℃、pH8.1で、実施例2に記載されるよう に、固定化Au/α-キモトリプシン・サンプル提示装置を用いて消 化した。次に、消化混合物の一部分を実施例2に記載されるように作製したcpp 活性化装置に移し、溶液のpHを約5に調整した。cpp消化は、ACCAマトリックス添 加で止める前に、10分間35℃で進めた。 最初のAu/α-キモトリプシン消化の結果の質量スペクトルを、図21に示す。 hPTHのα-キモトリプシン開裂から得られるイオン・シグナルが、観察される。 α-キモトリプシン消化混合物のAu/cpp消化の結果の質量スペクトルを、図22 に示す。星印「」で表示される新しいイオン・シグナルが観察される。これら の新しいシグナルは、オリジナルのペプチド種のC-末端消化に対応する。 実施例13 生体分子の精製 本発明は、下記のように生体分子を精製するのに使用できる。多くの生物学的 研究のために、望ましくないプロテアーゼを生物学的溶液から除去することが必 須である。アプロチニンは、プロテアーゼに対し多価阻害作用を有する、分子量 6512ダルトンのシングル鎖で塩基性の58アミノ酸ポリペプチドである。具体的に は、それは、酵素の活性部位に結合しタイトな複合体を形成して、セリン・プロ テアーゼのファミリーに属する様々な酵素を阻害する。質量分析サンプル提示装 置は、実施例2に記 載されるものと同様に、アプロチニンを表面につなぎ留めることにより作製され る。ポリペプチドとプロテアーゼの溶液を、表面に加える。プロテアーゼを、ア プロチニンによって溶液から除去する。質量分析が行われ、精製されたポリペプ チドのみ観察されるべきである。 実施例14 生体分子をイオン交換によって精製する サンプル提示装置の作製 ジエチルアミノエチル誘導体、t-ブチルアミノ誘導体(陰イオン交換用)、亜 硫酸誘導体、カルボン酸誘導体(陽イオン交換用)のようなイオン交換機能物、 あるいは上記のものの組合せを、実施例1により作製されたサンプル提示表面に 固定化する。 実施例15 イオン交換による生体分子の精製 生体分子を含む溶液を、実施例14により作製された表面に加える。サンプル 提示表面に結合したイオン交換機能物を、生体分子を含む溶液中の不純物として 存在する不用なイオン種と、イオン交換する。 実施例16 サンプル提示装置を用いたDNAの分析 最初に、ヌクレアーゼであるヘビ毒ホスホジエステラ ーゼをサンプル提示装置表面に付着させる。この付着は、実施例2に記載される ものと同様に、つなぎ留め分子を用いて達成され得る。次に、DNAを表面に加え る。ホスホジエステラーゼがDNAフラグメントを生じた後に、MALDIマトリックス を加え、MALDI飛行時間型質量分析を行う。 実施例17 サンプル提示装置を用いた炭水化物の分析 炭水化物を消化するマンナーゼのような酵素を、サンプル提示装置表面に付着 させる。この付着は、実施例2に記載されるものと同様に、つなぎ留め分子を用 いて達成され得る。次に、炭水化物を表面に加える。マンナーゼが炭水化物フラ グメントを生じた後に、MALDIマトリックスを加え、MALDI飛行時間型質量分析を 行う。 本発明の多くの他の変形および修飾が、本発明の精神および範囲を逸脱するこ となく、当業者に明らかである。従って、上記の実施態様は例示のみを意図して おり、全てのそのような変形および修飾は、クレームの範囲内に含まれることが 意図される。
【手続補正書】特許法第184条の4第4項 【提出日】1996年11月27日 【補正内容】 請求の範囲 1. (a)質量分析サンプル提示表面を有する質量分析サンプル提示装置;およ び (b)該表面に固定化された複合体、該複合体は生体分子を化学的に修飾す る少なくとも1種の分子を含み、該生体分子はポリペプチド、DNA、炭水化物、R NAおよびそれらの組合せからなる群から選択される、 を含むサンプル提示装置。 2. 複合体が以下: (a)つなぎ留め分子の少なくとも一端でサンプル提示表面に付着されるつなぎ 留め分子;および (b)生体分子を化学的に修飾する反応性分子、 を含む請求項1に記載のサンプル提示装置であって、つなぎ留め分子は反応性分 子に付着される。 4. 複合体が生体分子を精製する、請求項1に記載のサンプル提示装置。 5. 複合体が生体分子を特定の位置で選択的に消化する、請求項1に記載のサ ンプル提示装置。 6. 生体分子がポリペプチドであり、反応性分子がタンパク質分解性酵素であ る、請求項3に記載のサンプル提示装置。 7. タンパク質分解性酵素がトリプシン、α-キモトリ プシン、ペプシンおよびカルボキシペプチダーゼ-Pからなる群から選択される、 請求項6に記載のサンプル提示装置。 8. 質量分析サンプル提示装置表面を有する質量分析サンプル提示装置を提供 し、複合体を該表面に結合させることを包含するサンプル提示装置を作製する方 法であって、該複合体は生体分子を化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含 み、該生体分子はポリペプチド、DNA、炭水化物、RNAおよびそれらの組合せから なる群から選択される方法。 9. 複合体をサンプル提示表面に結合する工程が、 (a)つなぎ留め分子の少なくとも一端を質量分析サンプル提示表面に結合し; および (b)反応性分子をつなぎ留め分子に結合する、 ことを包含する請求項8に記載のサンプル提示装置を作製する方法であって、 反応性分子は生体分子を化学的に修飾し、該生体分子はポリペプチド、DNA、炭 水化物、RNAおよびそれらの組合せからなる群から選択される方法。 10.(a)質量分析提示表面を提供する工程; (b)生体分子を化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含む少なくとも 1種の複合体をサンプル提示表面に接触させて表面結合複合体を形成する工程; (c)いかなる非結合複合体もサンプル提示表面から除去する工程; (d)生体分子を表面結合複合体と接触させ、それにより生体分子を化学的 に修飾する工程; (e)サンプル提示表面にMALDIマトリックスを適用する工程、および (f)質量分析計内の化学的に修飾された生体分子の分子量を測定する工程 、 を包含する生体分子を分析する方法。 11. 生体分子がポリペプチド、DNA、炭水化物、RNAおよびそれらの組合せか らなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項10に記載の生体分子を 分析する方法。 12. 複合体が以下: (a)つなぎ留め分子の少なくとも一端でサンプル提示表面に付着されるつなぎ 留め分子;および (b)生体分子を化学的に修飾する反応性分子、 を含む請求項11に記載の生体分子を分析する方法であって、つなぎ留め分子も 反応性分子に付着される方法。 13. 複合体が生体分子を精製する、請求項11に記載の生体分子を分析する 方法。 14. 複合体が生体分子を特定の位置で選択的に消化 する、請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 15. 生体分子がポリペプチドであり、複合体がタンパク質分解性酵素を含む 、請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 16. タンパク質分解性酵素がトリプシン、α-キモトリプシン、ペプシンお よびカルボキシペプチダーゼ-pからなる群から選択される、請求項15に記載の ポリペプチドを分析する方法。 17. ジスルフィド結合を開裂する還元剤が表面に添加される請求項15に記 載のポリペプチドを分析する方法。 18. ジスルフィド結合を開裂する還元剤が表面に付着される請求項15に記 載のポリペプチドを分析する方法。 19. 生体分子を表面結合複合体に接触させる工程の後に表面結合複合体およ び生体分子を湿った雰囲気でインキュベートする、請求項11に記載の生体分子 を分析する方法。 20. 生体分子を複合体で修飾した後に生体分子を2回目に修飾する第2の試 薬分子に生体分子を曝す、請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 21. 第2試薬分子が反応性分子と異なる、請求項2 0に記載の生体分子を分析する方法。 22. 第2試薬分子が表面に結合している複合体である、請求項21に記載の 生体分子を分析する方法。 23. 複合体で修飾された生体分子の分析から得られた分子量データ、ならび に複合体および第2試薬分子の両方で修飾された生体分子から得られた分子量デ ータを比較して生体分子の部分的構造を決定する、請求項20に記載の生体分子 を分析する方法。 24. 分子量データを使用してペプチドの限定されたアミノ酸配列を決定する 、請求項23に記載の生体分子を分析する方法。 25. 限定されたアミノ酸配列に対応する少なくとも1種の核酸配列を決定し 、核酸配列を含むデータベースを該核酸配列のためにサーチすることをさらに包 含する請求項24に記載の方法。 26. 質量分析計が、 (a)質量分析提示表面を含む質量分析サンプル提示装置; (b)サンプル提示表面を揮発化チャンバー内に導入する手段; (c)化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化する手段;およ び (d)質量分析計内のその軌跡に基づき化学的に修飾された生体分子イオン の分子量対荷電比を測定するための手段、 を含む請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 27. 質量分析計がさらに電場を生じる手段を含み、該場は化学的に修飾され た生体分子イオンのサンプル提示表面から検出手段への進行を生じるように向け られる、請求項26に記載の生体分子を分析する方法。 28. 化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化する手段がレーザ ーである、請求項26に記載の生体分子を分析する方法。 29. 化学的に修飾された生体分子の分子量を測定する手段が化学的に修飾さ れた生体分子に関する飛行時間を測定する、請求項26に記載の生体分子を分析 する方法。 31. 質量分析計がさらに電場を生ずる手段を含み、該場は化学的に修飾され た生体分子イオンのサンプル提示装置から検出手段への進行を生じるように向け られる、請求項43に記載の質量分析計。 32. 生体分子がポリペプチド、DNA、炭水化物、RNAおよびそれらの組合せか らなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項43に記載の質量分析計 。 33. 複合体が、表面に少なくとも一端で付着されるつなぎ留め分子および生 体分子を化学的に修飾する反応性分子を含み、つなぎ留め分子は反応性分子に付 着される、請求項32に記載の質量分析計。 34. 複合体が生体分子を精製する、請求項32に記載の質量分析計。 35. 複合体が生体分子を該生体分子中の特定の位置で選択的に消化する、請 求項32に記載の質量分析計。 36. 生体分子がポリペプチドであり、反応性分子がタンパク質分解性酵素で ある、請求項33に記載の質量分析計。 37. タンパク質分解性酵素がトリプシン、α-キモトリプシン、ペプシンお よびカルボキシペプチダーゼ-Pからなる群から選択される、請求項36に記載の 質量分析計。 38. マトリックス物質を揮発化する手段がレーザーである、請求項43に記 載の質量分析計。 39. 化学的に修飾された生体分子の分子量対荷電比を測定する手段が化学的 に修飾された生体分子に関する飛行時間を測定する、請求項38に記載の質量分 析計。 40. ポリペプチド・フラグメントの分子量を測定した後に該分子量を次のよ り低分子量のポリペプチド・フ ラグメントの重量から引き算し、どのアミノ酸が該より低分子量のポリペプチド ・フラグメントに欠けているかを決定する、請求項15に記載のポリペプチドを 分析する方法。 41. アミノ酸を含むポリペプチドの限定配列がより低分子量のポリペプチド ・フラグメントを連続的に分析して、それらがどのアミノ酸を欠いているかを決 定し、限定されたアミノ酸配列に対応する少なくとも1種の核酸配列を決定し、 核酸配列を含むデータベースを該核酸配列のためにサーチすることを更に包含す る、請求項40に記載のポリペプチドを分析する方法。 42. 質量分析サンプル提示装置を含む質量分析計であって、該装置は下記を 含む: (a)質量分析サンプル提示表面;および (b)該表面に固定化された複合体、該複合体は生体分子を化学的に修飾する 少なくとも1種の分子を含み、該複合体はMALDIマトリックスには組込まれず質 量分析計内で揮発化されない。 43. さらに下記: (a)サンプル提示表面を揮発化チャンバー内に導入する手段; (b)化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオ ン化し、それにより化学的に修飾された生体分子イオンを形成する手段、該揮発 化手段は(i)化学的に修飾された生体分子を溶解し、レーザーで容易にアクセス 可能な周波数で光エネルギーを吸収するマトリックス物質、ここで該マトリック ス物質は複合体上に適用される、および(ii)マトリックス物質を揮発化する手段 を含む;および (c)その軌跡に基づき化学的に修飾された生体分子イオンの分子量対荷電比 を測定する手段、 を含む、請求項42に記載の質量分析計。 【手続補正書】 【提出日】1997年12月10日 【補正内容】 補正の内容 1.請求の範囲の項の記載を別紙の通りに補正する。 2.明細書の第1頁、「発明の背景」の前に、下記の文章を加入する。 「本発明は、契約書に基づき、アメリカ合衆国エネルギー省から授与されたアメ リカ合衆国からの資金に全体的および部分的に負って為された。アメリカ合衆国 政府は、契約書の条件に従い、本発明に特定の権利を有する。」 請求の範囲 1. (a)質量分析サンプル提示表面を有する質量分析サンプル提示装置;およ び (b)該表面に固定化された複合体、該複合体は生体分子を化学的に修飾す る少なくとも1種の分子を含み、該生体分子はポリペプチド、DNA、炭水化物、R NAおよびそれらの組合せからなる群から選択される、 を含むサンプル提示装置。 2. 複合体が以下: (a)つなぎ留め分子の少なくとも一端でサンプル提示表面に付着されるつなぎ 留め分子;および (b)生体分子を化学的に修飾する反応性分子、を含む請求項1に記載のサンプ ル提示装置であって、つなぎ留め分子は反応性分子に付着される。 . 複合体が生体分子を精製する、請求項1に記載のサンプル提示装置。 . 複合体が生体分子を特定の位置で選択的に消化する、請求項1に記載のサ ンプル提示装置。 . 生体分子がポリペプチドであり、反応性分子がタンパク質分解性酵素であ る、請求項に記載のサンプル提示装置。 . タンパク質分解性酵素がトリプシン、α-キモトリ プシン、ペプシンおよびカルボキシペプチダーゼ-Pからなる群から選択される、 請求項に記載のサンプル提示装置。 . 質量分析サンプル提示装置表面を有する質量分析サンプル提示装置を提供 し、複合体を該表面に結合させることを包含するサンプル提示装置を作製する方 法であって、該複合体は生体分子を化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含 み、該生体分子はポリペプチド、DNA、炭水化物、RNAおよびそれらの組合せから なる群から選択される方法。 . 複合体をサンプル提示表面に結合する工程が、 (a)つなぎ留め分子の少なくとも一端を質量分析サンプル提示表面に結合し; および (b)反応性分子をつなぎ留め分子に結合する、 ことを包含する請求項に記載のサンプル提示装置を作製する方法であって、 反応性分子は生体分子を化学的に修飾し、該生体分子はポリペプチド、DNA、炭 水化物、RNAおよびそれらの組合せからなる群から選択される方法。 . (a)質量分析提示表面を提供する工程; (b)生体分子を化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含む少なくとも 1種の複合体をサンプル提示表面に接触させて表面結合複合体を形成する工程; (c)いかなる非結合複合体もサンプル提示表面から除去する工程; (d)生体分子を表面結合複合体と接触させ、それにより生体分子を化学的 に修飾する工程; (e)サンプル提示表面にMALDIマトリックスを適用する工程、および (f)質量分析計内の化学的に修飾された生体分子の分子量を測定する工程 、 を包含する生体分子を分析する方法。10 . 生体分子がポリペプチド、DNA、炭水化物、RNAおよびそれらの組合せか らなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項に記載の生体分子を分 析する方法。11 . 複合体が以下: (a)つなぎ留め分子の少なくとも一端でサンプル提示表面に付着されるつなぎ 留め分子;および (b)生体分子を化学的に修飾する反応性分子、 を含む請求項10に記載の生体分子を分析する方法であって、つなぎ留め分子も 反応性分子に付着される方法。12 . 複合体が生体分子を精製する、請求項10に記載の生体分子を分析する 方法。13 . 複合体が生体分子を特定の位置で選択的に消化 する、請求項10に記載の生体分子を分析する方法。14 . 生体分子がポリペプチドであり、複合体がタンパク質分解性酵素を含む 、請求項10に記載の生体分子を分析する方法。15 . タンパク質分解性酵素がトリプシン、α-キモトリプシン、ペプシンお よびカルボキシペプチダーゼ-Pからなる群から選択される、請求項14に記載の ポリペプチドを分析する方法。16 . ジスルフィド結合を開裂する還元剤が表面に添加される請求項14に記 載のポリペプチドを分析する方法。17 . ジスルフィド結合を開裂する還元剤が表面に付着される請求項14に記 載のポリペプチドを分析する方法。18 . 生体分子を表面結合複合体に接触させる工程の後に表面結合複合体およ び生体分子を湿った雰囲気でインキュベートする、請求項10に記載の生体分子 を分析する方法。19 . 生体分子を複合体で修飾した後に生体分子を2回目に修飾する第2の試 薬分子に生体分子を曝す、請求項10に記載の生体分子を分析する方法。20 . 第2試薬分子が反応性分子と異なる、請求項 に記載の生体分子を分析する方法。21 . 第2試薬分子が表面に結合している複合体である、請求項20に記載の 生体分子を分析する方法。22 . 複合体で修飾された生体分子の分析から得られた分子量データ、ならび に複合体および第2試薬分子の両方で修飾された生体分子から得られた分子量デ ータを比較して生体分子の部分的構造を決定する、請求項19に記載の生体分子 を分析する方法。23 . 分子量データを使用してペプチドの限定されたアミノ酸配列を決定する 、請求項22に記載の生体分子を分析する方法。24 . 限定されたアミノ酸配列に対応する少なくとも1種の核酸配列を決定し 、核酸配列を含むデータベースを該核酸配列のためにサーチすることをさらに包 含する請求項23に記載の方法。25 . 質量分析計が、 (a)質量分析提示表面を含む質量分析サンプル提示装置; (b)サンプル提示表面を揮発化チャンバー内に導入する手段; (c)化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化する手段;およ び (d)質量分析計内のその軌跡に基づき化学的に修飾された生体分子イオン の分子量対荷電比を測定するための手段、 を含む請求項10に記載の生体分子を分析する方法。26 . 質量分析計がさらに電場を生じる手段を含み、該場は化学的に修飾され た生体分子イオンのサンプル提示表面から検出手段への進行を生じるように向け られる、請求項25に記載の生体分子を分析する方法。27 . 化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化する手段がレーザ ーである、請求項25に記載の生体分子を分析する方法。28 . 化学的に修飾された生体分子の分子量を測定する手段が化学的に修飾さ れた生体分子に関する飛行時間を測定する、請求項25に記載の生体分子を分析 する方法。29 . ポリペプチド・フラグメントの分子量を測定した後に該分子量を次のよ り低分子量のポリペプチド・フラグメントの重量から引き算し、どのアミノ酸が 該より低分子量のポリペプチド・フラグメントに欠けているかを決定する、請求 項14に記載のポリペプチドを分析する方法。30 . アミノ酸を含むポリペプチドの限定配列がより 低分子量のポリペプチド・フラグメントを連続的に分析して、それらがどのアミ ノ酸を欠いているかを決定し、限定されたアミノ酸配列に対応する少なくとも1 種の核酸配列を決定し、核酸配列を含むデータベースを該核酸配列のためにサー チすることを更に包含する、請求項29に記載のポリペプチドを分析する方法。31 . 質量分析サンプル提示装置を含む質量分析計であって、該装置は下記を 含む: (a)質量分析サンプル提示表面;および (b)該表面に固定化された複合体、該複合体は生体分子を化学的に修飾する 少なくとも1種の分子を含み、該複合体はMALDIマトリックスには組込まれず質 量分析計内で揮発化されない。32 . さらに下記: (a)サンプル提示表面を揮発化チャンバー内に導入する手段; (b)化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化し、それにより化 学的に修飾された生体分子イオンを形成する手段、該揮発化手段は(i)化学的に 修飾された生体分子を溶解し、レーザーで容易にアクセス可能な周波数で光エネ ルギーを吸収するマトリックス物質、ここで該マトリックス物質は複合体上に適 用される、および (ii)マトリックス物質を揮発化する手段を含む;および (c)その軌跡に基づき化学的に修飾された生体分子イオンの分子量対荷電比 を測定する手段、 を含む、請求項31に記載の質量分析計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/488,300 (32)優先日 1995年6月7日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (a)質量分析サンプル提示表面;および (b)該表面に結合した複合体、該複合体は生体分子 を化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含む、 を含むサンプル提示装置。 2. 生体分子がポリペプチド、DNA、炭水化物、RNAおよびそれらの組合せから なる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のサンプル提示装 置。 3. 複合体が、表面に付着されるつなぎ留め分子および生体分子を化学的に修 飾する反応性分子を含み、つなぎ留め分子は反応性分子に付着される、請求項2 に記載のサンプル提示装置。 4. 複合体が生体分子を精製する、請求項2に記載のサンプル提示装置。 5. 複合体が生体分子を特定の位置で選択的に消化する、請求項2に記載のサ ンプル提示装置。 6. 生体分子がポリペプチドであり、複合体がタンパク質分解性酵素を含む、 請求項2に記載のサンプル提示装置。 7. タンパク質分解性酵素がトリプシン、α-キモトリプシン、ペプシンおよ びカルボキシペプチダーゼ-Pからなる群から選択される、請求項6に記載のサン プル提示 装置。 8. 質量分析サンプル提示装置表面を提供し、複合体を該表面に結合させるこ とを包含するサンプル提示装置を作製する方法であって、該複合体は生体分子を 化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含む方法。 9. 複合体をサンプル提示表面に結合する工程が、 (a)つなぎ留め分子の少なくとも一端を質量分析サンプル提示表面に結合し; および (b)反応性分子をつなぎ留め分子に結合して、反応性分子は生体分子を化学的 に修飾する、 ことを包含する請求項8に記載のサンプル提示装置を作製する方法。 10.(a)質量分析提示表面を提供する工程; (b)少なくとも1種の複合体分子を表面に結合し、該複合体は生体分子を 化学的に修飾する少なくとも1種の分子を含む工程; (c)生体分子を該表面と接触させ、それにより生体分子を化学的に修飾す る工程; (d)該表面にMALDIマトリックスを適用する工程、 および (e)質量分析計内の化学的に修飾された生体分子の分子量を測定する工程 、 を包含する生体分子を分析する方法。 11. 生体分子がポリペプチド、DNA、炭水化物、RNAおよびそれらの組合せか らなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項10に記載の生体分子を 分析する方法。 12. 複合体が、つなぎ留め分子の少なくとも一端で表面に付着されるつなぎ 留め分子および生体分子を化学的に修飾する反応性分子を含み、つなぎ留め分子 は反応性分子に付着される、請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 13. 複合体が生体分子を精製する、請求項11に記載の生体分子を分析する 方法。 14. 複合体が生体分子を特定の位置で選択的に消化する、請求項11に記載 の生体分子を分析する方法。 15. 生体分子がポリペプチドであり、複合体がタンパク質分解性酵素を含む 、請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 16. タンパク質分解性酵素がトリプシン、α-キモトリプシン、ペプシンお よびカルボキシペプチダーゼ-pからなる群から選択される、請求項15に記載の ポリペプチドを分析する方法。 17. ジスルフィド結合を開裂する還元剤が表面に添 加される請求項15に記載のポリペプチドを分析する方法。 18. ジスルフィド結合を開裂する還元剤が表面に付着される請求項15に記 載のポリペプチドを分析する方法。 19. 生体分子を表面に接触させる工程の後に表面および生体分子を湿った雰 囲気でインキュベートする、請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 20. 生体分子を複合体で修飾した後に生体分子を2回目に修飾する第2の試 薬分子に生体分子を曝す、請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 21. 第2試薬が複合体中の試薬分子と異なる、請求項20に記載の生体分子 を分析する方法。 22. 第2試薬が表面に結合している複合体である、請求項21に記載の生体 分子を分析する方法。 23. 複合体で修飾された生体分子の分析から得られた分子量データ、ならび に複合体および第2試薬の両方で修飾された生体分子から得られた分子量データ を比較して生体分子の部分的構造を決定する、請求項20に記載の生体分子を分 析する方法。 24. 分子量データを使用してペプチドの限定されたアミノ酸配列を決定する 、請求項23に記載の生体分子 を分析する方法。 25. 限定されたアミノ酸配列に対応する少なくとも1種の核酸配列を決定し 、核酸配列を含むデータベースを該核酸配列のためにサーチすることをさらに包 含する請求項24に記載の方法。 26. 質量分析計が、 (a)質量分析提示表面を含む質量分析サンプル提示装置; (b)サンプル提示表面を揮発化チャンバー内に導入する手段; (c)化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化する手段;およ び (d)質量分析計内のその軌跡に基づき化学的に修飾された生体分子イオン の分子量対荷電比を測定するための手段、 を含む請求項11に記載の生体分子を分析する方法。 27. 質量分析計がさらに電場を生じる手段を含み、該場は化学的に修飾され た生体分子イオンのサンプル提示装置から検出手段への進行を生じるように向け られる、請求項26に記載の生体分子を分析する方法。 28. 化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化する手段がレーザ ーである、請求項26に記載の 生体分子を分析する方法。 29. 化学的に修飾された生体分子の分子量を測定する手段が化学的に修飾さ れた生体分子に関する飛行時間を測定する、請求項26に記載の生体分子を分析 する方法。 30.(a)下記を含む質量分析サンプル提示装置: (i)質量分析サンプル提示表面;および (ii)表面に結合した複合体、該複合体は生体分子を化学的に修飾する 少なくとも1種の分子を含む; (b)サンプル提示表面を揮発化チャンバーに導入する手段; (c)化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化する手段;および (d)その軌跡に基づき化学的に修飾された生体分子イオンの分子量対荷電比を 測定する手段、 を含む質量分析計。 31. 質量分析計がさらに電場を生ずる手段を含み、該場は化学的に修飾され た生体分子イオンのサンプル提示装置から検出手段への進行を生じるように向け られる、請求項30に記載の質量分析計。 32. 生体分子がポリペプチド、DNA、炭水化物、RNA およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項 30に記載の質量分析計。 33. 複合体が、表面に少なくとも一端で付着されるつなぎ留め分子および生 体分子を化学的に修飾する反応性分子を含み、つなぎ留め分子は反応性分子に付 着される、請求項32に記載の質量分析計。 34. 複合体が生体分子を精製する、請求項32に記載の質量分析計。 35. 複合体が生体分子を該生体分子中の特定の位置で選択的に消化する、請 求項32に記載の質量分析計。 36. 生体分子がポリペプチドであり、反応性分子がタンパク質分解性酵素で ある、請求項32に記載の質量分析計。 37. タンパク質分解性酵素がトリプシン、α-キモトリプシン、ペプシンお よびカルボキシペプチダーゼ-Pからなる群から選択される、請求項36に記載の 質量分析計。 38. 化学的に修飾された生体分子を揮発化およびイオン化する手段がレーザ ーである、請求項30に記載の質量分析計。 39. 化学的に修飾された生体分子の分子量を測定する手段が化学的に修飾さ れた生体分子に関する飛行時間 を測定する、請求項38に記載の質量分析計。 40. ポリペプチド・フラグメントの分子量を測定した後に該分子量を次のよ り低分子量のポリペプチド・フラグメントの重量から引き算し、どのアミノ酸が 該より低分子量のポリペプチド・フラグメントに欠けているかを決定する、請求 項15に記載のポリペプチドを分析する方法。 41. アミノ酸を含むポリペプチドの限定配列がより低分子量のポリペプチド ・フラグメントを連続的に分析して、それらがどのアミノ酸を欠いているかを決 定し、限定されたアミノ酸配列に対応する少なくとも1種の核酸配列を決定し、 核酸配列を含むデータベースを該核酸配列のためにサーチすることを更に包含す る、請求項40に記載のポリペプチドを分析する方法。
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