JPH11507222A - マルチプレックスプライマー結合による男性不妊y染色体欠失検出 - Google Patents

マルチプレックスプライマー結合による男性不妊y染色体欠失検出

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JPH11507222A JP9501742A JP50174297A JPH11507222A JP H11507222 A JPH11507222 A JP H11507222A JP 9501742 A JP9501742 A JP 9501742A JP 50174297 A JP50174297 A JP 50174297A JP H11507222 A JPH11507222 A JP H11507222A
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Abstract

(57)【要約】 本明細書は、男性の正常生殖能力と関連したヒトY染色体の特定の領域を増幅するマルチプレックスPCR反応を利用してY染色体の完全性を証明する方法を開示する。本方法は、男性の不妊を予測するY染色体内の欠失突然変異を検出し得る方法である。また、上記方法を実施するため必要とされる試薬を含むキットが開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 マルチプレックスプライマー結合による男性不妊Y染色体欠失検出 本願は、1995年6月7日に出願されたシリアル番号08/472,416号の一部継 続出願である。 発明の分野 本発明はヒトの男性のY染色体の欠失突然変異の検出に係わる。特に、本発明 は雄の不妊を示すY染色体欠失突然変異用のマルチプレックスポリメラーゼ鎖反 応(PCR)検定に関する。 引用文献 本明細書で参照する完全な引用文献は、配列一覧の直前にある引用文献セクシ ョンに含まれる。 従来技術の説明 Netti Stevens とEdmund Wilson が性別判定の染色体理論をサポートする最初 の直接的な証拠を別々に記載した1905年から、研究者は、X及びY染色体に コード化された生成物の発現により制御された他の形質を判定するため性染色体 を研究している。例えば、Stevens とWilsonの実験の直後に、Thomas Hunt Morg anは、ショウジョウバエの白い眼の突然変異は、X染色体に配置された伴性劣性 形質であることを示した。近年、非常に強力な遺伝子マッピングツールの出現に 伴って、多数の研究者は、新生児の男性性器発育と、成人男子の生殖能力を担う 上記遺伝子座を判定するためY染色体を研究している。 特に、明らかな病因が分からないカップルの不妊原因の判定に関心がある。一 般的に、世界全体で全カップルの中の2乃至8%が不 妊症であると考えられている。予想外ではないが、子供をもうけることに困難さ を感じているカップルの50%の原因は明らかに男性の不妊に帰すことができる 。上記の不妊のケースの病因は、男性からの精液の顕微鏡検査により同定される 。このようにして、男性不妊の明らかな原因は、精液中の無精子(azoospermia) 、精子の数の過少(oligospermia)、若しくは、異常形態を有する精子(例えば、 asthenozoospermia 及び teratospermia)が同定される。しかし、男性不妊のケ ースの30乃至50%は特発性であると分類されている。即ち、原因不明であり 、顕微鏡的に明白な原因が無い。原因不明の多くの不妊、並びに、それが不妊の カップルに及ぼす悪影響は、種々の研究者側に一般的に不妊の原因と、特に男性 の不妊と関連した遺伝因子の同定とをより良く理解するための強い要求を生じさ せた。 そのため、従来、多数の研究者が無精子症及び精子過少症の男性のY染色体に 関する欠失突然変異を研究している。かかる研究が現在特発性であるとされてい る不妊の多くの場合に対する遺伝子的基礎を明らかにすることを期待されている 。以下の引用文献は、精子形成及び正常男性生殖能力のため必要とされる遺伝子 座を明確に説明するためY染色体の遺伝子研究を記載している。 Whitehead Institute for Biomedical Research に所属するページ(David C. Page)により出願された2件の特許協力条約出願は、正常Y染色体の領域の有無 を明確に確定するためプローブとして使用され得るY特異DNAを記載する。( 国際特許出願第WO 87/05027 号、1987年8月27日公開及び国際特許出願第 WO 89/02440 号、1989年3月23日公開)。上記両方の引用文献は、Y染色 体を分析する際に一般的な問題を指摘する。Y染色体は、通常半数染色体(ハプ ロイド)状態だけで出現するので、相同染色体と再結合する機会は非常に少ない 。これは、従来の連鎖技術を用いてY染色体の遺伝連鎖を研究することを不可能 ではないとしても非常に困 難にさせる。ページは、さらに、ある種の形質のY連鎖を確定しようとする試み は、Y染色体上にコード化された蛋白質の限性発現から真性Y連鎖遺伝を識別す ることが困難であるため、決定的ではない点を指摘する。 しかし、核型分析及び染色のような細胞遺伝学的技術を使用することにより、 性別判定に要求される遺伝子以外の多数の遺伝子がY染色体上に在ることが分か る。ページの特許出願は、正常な体からのY染色体の制限断片からなるプローブ を用いて検体の遺伝的性質を証明することにより遺伝子をY染色体にマップする 困難さを回避する方法を開示する。Y−DNAプローブを用いることにより、ペ ージはヒトY染色体の欠失マップを作成し、異常な核型を有する個体、或いは、 構造的に異常のあるY染色体を有することが細胞遺伝子学的に判断されるような 個体で同じプローブを用いて作成された欠失マップとの比較のため使用する。 簡約すれば、ページは、検体のDNAを探針してY染色体欠失を見つけるため ページの上記国際特許出願に記載されているようなY特異DNA制限断面を選択 しクローニングする基本として、正常Y染色体の欠失マップを使用することを開 示している。ページの先行する出願では、DNA断片は分子量及び制限酵素開裂 部位についてのみ説明されている。塩基対配列については記載されていない。ペ ージの新しい方の出願には、Y染色体の135kbからの1.2kb領域Hind I II断片の単一のDNAヌクレオチド配列が含まれる。ページの参考文献には、精 巣判定因子(TDF)をY染色体の短いアーム(Yp)にマップするためプロー ブを使用することが記載されている。 ページによってハイブリダイゼーションプローブとして使用されるY−DNA の大部分は、National Laboratory Gene Library Projectから入手したフローソ ートされたY染色体から作成されたライブラリから得られた。このライブラリは 、(DNAの完全な消化に より得られる)Y染色体DNAの断面がクローン化されたλファージ(Charon 21 A)からなる。ランダムに選択されたY−DNA含有クローンの分析により、Y染 色体に沿った欠失インタバルが定義される。問題となるDNA配列はλファージ から削除され、核外遺伝子(例えば、pUC8又はpUC13)内に再クローン化される 。 Ma他(1992)は、ゲノミックブロットハイブリダイゼーションによりY染 色体の長いアーム(Yq)における構造上の異常を分析するため同様のアプロー チを使用した。従来の不妊男性の細胞遺伝子学的研究は、無精子症因子(AZF )と称される遺伝子制御精子形成の配置がY染色体のバンドq11.23であることを 示唆した。さらに、分子マッピングは、AZFをY染色体のインタバル6に配置 した。予めYqにマップされた30個のDNAプローブの系列を使用することに より、Ma他は、ある種の無精子症男性のインタバル6にマイクロ(微少)欠失を 見つけた。 30個のプローブを用いることにより、Ma他は、ヒトY染色体のインタバル6 の詳細な欠失マップを作成した。Ma他は、細胞遺伝子学的に定義されたY染色体 の長いアーム上に欠失又は再配置を含む21の個体からゲノミックブロットを探 針することによりインタバル6を14個のサブインタバルに分化した。21個の ブロットの結果を使用することにより、Ma他は、DNAプローブをインタバル6 の14個のサブインタバルにマップし、患者の変更されたY染色体明白性のブレ ークポイントを並べることができた。 Ma他による他の論文は、インタバル6、サブインタバルXII-XIVのY染色体欠 失内にある遺伝子ファミリーの単離及び特徴化を報告している。遠位インタバル 欠失にマップするY特異プローブから単離されたコスミッドクローンを用いるこ とにより、Ma他は潜在的なCpGアイランド、すなわち、遺伝子の存在の指標を 識別した。コスミッドを使用して分離された精巣cDNAライブラリからのDN A配列を用いることにより、Ma他は配列が長いアームの遠位真性染 色質にだけマップすることを発見した。 Ma他(1993)は、インタバル6、サブインタバルXII-XIVがAZF遺伝子 座の有力な候補を構成することを結論付けた。この結論の裏付けとして、引用文 献は、部分cDNAクローンがYqインタバル6の遠位欠失インタバル、即ち、 無精子症に関係した領域にマップすることを指摘する。更に、遺伝子の発現は精 巣特異であることが分かった。Ma他は、他のいかなる組織の発現も検出できなか った。最後に、Ma他は、一つの遺伝子の少なくとも一部分が二人の精子過少症患 者のマイクロ欠失内に含まれることを指摘している。遺伝子は、更に、他の何種 類かの哺乳動物からのDNAに雄特異保存性を示した。 ナガフチ他(1993)及びコバヤシ他(1994)による引用文献には、無 精子症の男性のY染色体の欠失分析が記載されている。最初の引用文献において 、ナガフチ他は、Y染色体が細胞遺伝子学的に正常な特発性無精子症の50人の 日本人男性からのY染色体DNAを分析した。ナガフチ他は、Y染色体上の23 の遺伝子座の検出を探針するため17個のY特異DNA断片を使用した。更に、 ナガフチ他は、SRY遺伝子座を含む3個の付加的な遺伝子座を分析するためP CRを使用した。50人の被験者の中で、6人にYq11の遠位部内に配置され た小さい間質性欠失があった。上記6人の患者の中で、5人は同じ二つの遺伝子 座DYS7C及びDYS1を欠いていた。残りの検体は、DYS7Cを含むがD YS1遺伝子座を含まないより大きい欠失を示した。従って、上記引用文献の著 者は、Y染色体のYq11インタバルの近位の部位が無精子症の原因となる遺伝 子欠失を含む可能性を推定している。 コバヤシ他(1994)によるY染色体の他のPCR分析は、2番目の遺伝子 座が必要であることを明らかにした。その中で、Y染色体に明らかな欠失又は細 胞系モザイク現象が無い63人の日本人の無精子症又は著しい精子過少症の男性 は、Yq上のDYS7Eと DYZ1との間の15個の遺伝子座と、YRRM遺伝子座とを含む全部で16個 の遺伝子座の有無が検査された。上記のMa他による引用文献からは僅かに変更さ れたYRRM1のためのプライマー配列を除いて、コバヤシ他はMa他により記載 されたプライマーペアと同じプライマーペアを使用した。 Chandley及びCooke(1994)は、Y配置RNAモティーフ遺伝子(YRR M)の分離を説明している。このレビュー論文は、YRRMドメインの特徴が非 常に高度に保存されたモティーフのペアであることを指摘している。上記引用文 献は、また、YRRM遺伝子ファミリーは、少なくとも15のメンバーを有し、 YRRM遺伝子の転写は精巣の外側で検出されなかった点を指摘する。 Henegariu 他(1994)は、Yq11内のヒトY染色体の長いアームにおい て欠失を検出するマルチプレックスPCRプログラムを記載する。PCRプログ ラムは、Y染色体の領域内で小さい間質性欠失を高速に検出するため設計されて いる。Henegariu 他は、(上記)Ma他により作成された“マーマップ(Ma map)” と称される遺伝地図が、Yq11の近位部位及び遠位部位の二つの小さい間質性 欠失を用いて作成されたことを最初に指摘する。Henegariu 他は、上記マイクロ 欠失は重なり合わないので、一般的に定義されたAZFが2個以上の精子形成遺 伝子或いは非常に大きい遺伝子構造により表わされるかどうかに関する問題が残 る。 Henegariu 他は、28個のYq11特異プライマーペアを用いて5通りのマル チプレックスPCR実験を行った。5通りのマルチプレックスPCR実験に対す るプライマーペアの組合せは、混合物中の任意の2個の増幅生成物の間の長さの 差が少なくと18乃至20bpであるように選択された。この長さのとき、増幅 生成物は正常アガロースゲルマトリックス上で明瞭に分離された。さらに、実験 上のアーティファクトに起因した欠失に対する誤った陽性を防止するため、1回 の混合中のプライマーはY染色体上に並置された2個 の遺伝子座を認識しない。最後に、各混合物はYq11インタバルの近位及び遠 位の両方の端部からのプライマーペアを含む。このようにして、各マルチプレッ クス混合物はより大きい欠失イベントが生じた場合に少なくとも一つの正の内的 統制を含む。 5個のマルチプレックスPCR混合物は、“PCR反応カクテル”を形成する ため必要な反応物と共に別々の管で合成される。従来の材料は、滅菌限外濾過水 、緩衝液、塩、dNTPヌクレオチド、及び、TaqDNAポリメラーゼを含む 。この溶液は使用されるまで冷却又は冷凍される。 マルチプレックスPCR分析を実行するため、5本の管がプライマー混合物I- V で夫々充填される。検体からのゲノミックDNAの一部分は5本の各管に導入 される。管は94°Cまで余熱された熱循環器に直ぐに収容される。50サイク ルに対する最適循環条件は94°Cで30秒間(溶融)、54°Cで45秒間( アニーリング)、65°Cで120秒間(エクステンション)である。次に、P CR反応生成物は従来公知の方法で分離される。 1個以上のPCR断片の欠失の場合に、欠失は、マルチプレックスPCR反応 物から削除されたプライマーペアを用いて単一のプライマーペアPCR実験に対 する検体のDNAを分析することにより確認され得る。正のPCRプライマーペ アが内的統制として添加される。一定のPCR生成物の欠失がマルチプレックス PCR実験だけで観察され、単一PCR実験で観察されないならば、その欠失の 発生は殆どの場合にPCRマルチプレックスのアーティファクトである。更に、 マイクロ欠失が検体内で新たに生成されたか否かを判定するため、同一のマルチ プレックスPCR反応が被験者の父親又は生殖可能な兄弟からのDNAを用いて 行われる。父親又は兄弟が同じY染色体欠失を示すならば、その欠失は殆どの場 合にY染色体内の多形性イベントに起因する。 Henegariu 他は、pY6H配列ファミリーのY特異部位からのオ リゴペアを用いてPCRマルチプレックス実験用のオリゴプライマーペアを確定 した。また、Y−DNAからのオリゴペアはsYDNA遺伝子座が調製されたこ とを示す。 マルチプレックスPCR実験で使用されるY−DNA配列はpY6H欠失シー ケンスの近傍の場所に基づいて選択された。正の統制として、Henegariu 他は、 sY14 DNA配列を各実験に導入した。その増幅はY染色体の短いアームの 遠位部位にSRY遺伝子が存在することを示す。このエリアはヒトY染色体の推 定される性別判定遺伝子座“TDF”である。最後に、マルチプレックスPCR 実験で使用される全てのY−DNAの順序及び位置は、それらを上記のMa他のサ ブインタバルにマッピングすることにより確認された。 Henegariu 他は、PCRマルチプレックスプロトコル投与が多数の実験上のア ーティファクトを生成することを指摘している。例えば、上記の如く、幾つかの Y染色体遺伝子座は多形性である。検体がPCRプライミング部位の一つにかか る多形性点突然変異を有するならば、誤った欠失イベントが生じる可能性がある 。PCR実験のエクステンションサイクルは、正しいプライマー部位の間でDN Aの増幅だけを生成するので、プライマー部位内の点突然変異は、ゲル内の欠失 イベントとして現れる。 検体のゲノム内に多数の遺伝子座の写しが在るならば、別のアーティファクト が発生する。この場合、反復DNA遺伝子座の欠失が検出されるのは、この遺伝 子座の全ての配列の写しが削除された場合に限る。それ以外の場合、残りの写し が増幅される。しかし、この可能性は、適切なDNAブロット実験を用いること により回避され得る。 PCRマルチプレックス実験は不妊男性のY染色体内の突然変異イベントを検 出し損なう場合があることが指摘されている。これは、点突然変異、又は、使用 されたプローブでは検出されないゲノム内の非常に小さい欠失に起因する可能性 がある。 Henegariu 他によって記載されたPCRマルチプレックス結合は、本明細書に 記載されるPCRマルチプレックス結合とは全く異なる点に注意する必要がある 。 1994年に、Cytogenetics and Cell Geneticsは、ヒトY染色体マッピング に関する第5回国際ワークショップ1994の報告書を発行した。このワークシ ョップは1994年4月2〜5日の期間、英国ケンブリッジで開催された。この ワークショップには、Y染色体の物理的分析の討論、偽性常染色体領域にマップ された遺伝子、Y染色体のY特異領域にマップされた遺伝子、並びに、Y染色体 の比較マッピング及び進化を扱う討論が含まれた。上記の全ての著者の研究がワ ークショップ中に議論された。この報告書は、Ken McElreaveyが、Y染色体特異 配列標識部位(STS)を使用して、Yq欠失を抱えた5人の患者の分析を発表 した点を指摘する。上記患者の中の二人がターナー症兆候を示した点に注意する 必要がある。 Agulnik 他は、SMCYと称されるY染色体遺伝子の単離を説明する。SMC Yは、SMCXと称されるX染色体上の相同遺伝子を有する。SMCYは、マウ ス、ヒト、及び有袋動物でもY染色体上に巧く維持されることが分かった。SM CY遺伝子の発現は、SMCY特異PCRプライマーペアSH34Y/SH35 Yを用いて、逆転写酵素ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)により研究された 。この研究は、SMCY遺伝子がヒトの機能的な遺伝子であり、広く発現される ことを示している。 SMCYをヒトY染色体上にマップするため、David Pageの酵母合成染色体( YAC)セットyOXが使用される。SMCYは精巣以外の細胞で発現されるこ とが分かった。性転換マウスの分析により、Smcyの欠失(マウス相同性)と 相関し得る唯一の突然変異表現型だけが精子形成の生後の欠陥であることが分か った。これは、Smcyが精子形成に何らかの役割を果たすことを示している。 上記引用文献から明らかになるように、Y染色体の秘密の解明に 大きな進歩が得られたとしても、特に、不妊を説明し得る限定的な原因が判定で きない場合に、男性の不妊の原因となり得るY染色体上の欠失を検出し、定量す る高速かつ再現可能な方法が非常に要望されている。 上記の如く、全てのカップルの中の2乃至8パーセントが不妊であると推定さ れる。上記不妊カップルの中で、男性不妊の場合の30乃至50パーセントは突 発性であると分類されている。このように、原因不明の男性不妊の数が非常に大 きいため、男性不妊の原因をより良く理解したいという強い要望が研究者並びに 医師の側にある。 しかし、現在まで、男性不妊の原因を診断するため射精液の顕微鏡検査の他に 利用できる手段は殆ど無い。例えば、被験者のライフスタイル及び環境の巨視的 な検査は、男性不妊の外因を明らかにする。かかる原因には環境因子、放蕩及び 食餌不足が含まれる。 しかし、上記引用文献から明らかにされるように、男性生殖腺の正常な発育及 び正常な精子形成は、殆どの場合に、Y染色体上にある遺伝子によって制御され る。また、上記引用文献は、精子形成がY染色体上とY染色体外の両方に在る多 数の遺伝子により制御される非常に複雑なプロセスであることを示している。重 要な点は、正常な精子形成がY染色体上のある種の突然変異によって損なわれる ことが知られていることである。 Y染色体の構造は、偽性常染色体領域により終端された短いアーム(Yp)と 、異質染色体領域により終端された長いアーム(Yq)とを含む。動原体はYp をYqから分割する。Y染色体の真性染色体領域は、Ypの偽性常染色体領域か ら、動原体を介して、Yqの異質染色体領域まで拡がる。上記用語は引用文献の 技術において従来定義されたのと同じように本明細書で使用される。 Y染色体の真性染色体領域は、更に、欠失マッピングによりインタバル及びサ ブインタバルに分割される。7個のインタバル及びそ れらのサブインタバルは、Y染色体の領域を特定するためヌクレオチド配列をマ ッピングする際に補助となる基準点を与える。 本発明において特に関心があるのは、インタバル5及びインタバル6にマップ された遺伝子である。これらの遺伝子は正常精子形成において重要な役割を果た すことが明らかである。これらの遺伝子の欠如、或いは、上記遺伝子内の突然変 異は、著しい精子過少症若しくは完全な無精子症に至ることが明らかである。本 発明のマルチプレックスPCR一式を使用することにより、Y染色体上の欠失突 然変異の有無及び位置が高速かつ正確に判定できるようになる。しかし、精子形 成は非常に複雑なプロセスであることに注意することが重要である。上記引用文 献に記載されているように、無精子症の男性の分析は、無精子症の男性が、常染 色体欠失突然変異と同様に、屡々、Yp及びYqの両方に欠失を有することを明 らかにした。 男性不妊を生じさせる可能性のある多数の欠失突然変異のため、多数のタイプ の男性不妊の遺伝子的要因に帰すことは、不可能ではないとしても、従来困難で あった。しかし、機能的な精子形成に関連していることが分かった上記の遺伝子 座に焦点を絞ることにより、上記遺伝子座の中の一つにおける突然変異が観察さ れた不妊を生じさせる原因である蓋然性に関する情報が得られる。 発明の概要 本発明は、Y染色体に沿って生じ、ヒト男性不妊症に関連するマイクロ欠失及 びマクロ欠失を検出する方法及びキットに関する。本発明の主目的は、ユーザが 迅速かつ高い再現性で、男性不妊症に関連するY染色体上の特定領域の完全性を 評価する方法及び対応するキットを提供することにある。本発明は、マルチプレ ックス・オリゴヌクレオチド器具を備え、従前のPCR試薬、酵素、対照アンプ リマー・ラダー、及び対照DNAを含む。 かかる突然変異を迅速に判定するため、本発明は、ヒトY染色体 の選択された領域に特有のオリゴヌクレオチド・プライマーペアを含む一連のマ ルチプレックスPCR器具を提供する。より具体的には、マルチプレックスPC Rバッテリーは、ヒト男性不妊症の一因として知られ又は疑われているY染色体 上の遺伝子座にマップされた遺伝視座の増幅を起動するプライマーペアを含んで いる。 増幅されるべきPCRプライマーペア及びY特異的遺伝子座は、配列標識部位 (sequence-tagged sites; STS)を用いた遺伝子解析に基づいて選択される 。STSは、PCRにより明確に同定されるDNAの短いストレッチである。簡 潔のため、本文においては、特に断らない限り、STSはY染色体特異的STS を意味するものとする。STSは、既にPCRにより同定されているので、所望 の遺伝子座に対する適当なPCRプライマーを得るのは遙かに容易である。更に 、PCRマルチプレックス・プロトコルは迅速かつ効果的なPCR増幅となるよ うに最適化されている。 本文に開示されるマルチプレックスを用いて1,000以上の増幅が実行され た。これらの増幅により、マルチプレックスの欠陥率は2.5%未満であること がわかった。 マルチプレックスは種々の広い用途を有している。主には、マルチプレックス は無精子症又は乏精液症を示す男性のY染色体の完全性を評価するのに用いるこ とができる。マルチプレックスは生殖器形成不全の幼児の遺伝子型を評価する小 児科薬において用いることもできる。 マルチプレックスは、また、不妊症の分野においても有用である。この分野で は、マルチプレックスは、試験管受精(又は、他の関連する受精処置)を考慮す る夫婦のための診断薬として用いることもできる。この場合、父親がY染色体上 に1又は2以上の欠失を有することがわかれば、その結合から生まれる男性の子 孫もまた欠失を担うことになるため、夫婦は先に進むという決断を考え直したい と思うこともあろう。更に、マルチプレックスを埋込遺伝子診断に用 いて、受精卵が遺伝子変化を受けているか否かを判定することもできる。 マルチプレックスは、また、癌遺伝子及び催腫瘍を研究する診断ツールとして の用途も有している。開示されるマルチプレックスで増幅された遺伝子座の多く は、催腫瘍において未だ決定されていない役割を有することが示されている。そ の存否を対象の異常表現型に対応付けることにより、異常表現型を遺伝子型に帰 することができる。 マルチプレックスは、精子バンクに預けられた試験精子を試験する特性調節器 として用いることもできる。 従って、本発明は、Y染色体上の欠失突然変異の存在を判定する一連のマルチ プレックスPCR器具に関する。 本発明は、上記PCRマルチプレックス混合試薬を含むキットにも関する。キ ットは、PCRマルチプレックス解析を実行するのに必要な全ての試薬を含む。 この場合、ユーザは、試験対象の血液又は精製DNAのサンプルを提供するだけ でよい。キットは、精製水、緩衝液、塩化マグネシウム、及びDNAポリメラー ゼ酵素の供給を含んでもよい。キットは、また、分子量標識、及び、PCRプラ イマーにより起動された遺伝子座に対応するDNA配列を含むアンプリマー対照 ラダーと共に、男性対照DNA及び女性対照DNAの供給を含んでもよい。 作動中、試験対象からのDNAは、X染色体から得られた陽性対照プライマー ペアを含む1又は2以上の本文中に述べるPCR多重プライマーペア群に、別々 に結合される。次に、試験対象DNAは対応するマルチプレックス混合剤の夫々 において、対照正常男性DNAを含む対照PCR試薬と共に直列的に増幅される 。試験対象の増幅生成物は、好ましくは3%アガロースゲル上で分離される。ア ンプリマー対照ラダー、及び、任意的には男性対照DNA及び女性対照DNAも また、試験対象の増幅生成物に隣接するレーン上で分 離される。試験対象における欠失発生の存在は、試験対象レーンをアンプリマー 対照ラダーのレーンと比較することにより迅速に判定される。本発明は臨床的及 び研究的用途の双方を提供する。臨床用セッティングにおいて、マルチプレック スPCR器具は、男性の不妊症を予測するのに使用することができる。更に、本 発明は、欠失突然変異の位置を同定することにより、遺伝子治療による受精回復 の最初のステップを提供する。同じコインを裏返せば、本発明は、精子形成に必 要なこれらの遺伝子座を同定することにより、避妊という形で男性不妊をもたら すように設計された特定の突然変異を導くことができる。 研究的な観点からは、本発明をY遺伝子及びその上の遺伝子の役割についての より良い理解を得るのに利用することができる。更に、本発明は、所与のY染色 体欠失突然変異から生ずる表現型を予測するのに利用することもできる。 上記の観点から、本発明の主な目的は、Y染色体の完全性を迅速かつ高い再現 性で判定するY染色体特異的マルチプレックスPCR解析法を提供することにあ る。 更に、本発明の目的は、上記方法を実行するのに必要な試薬を含むキットを提 供することになる。 本願において請求された発明の上記及び他の目的及び機能は、発明の詳細な説 明及び添付の請求の範囲を完全に読むことにより明らかとなろう。 図面の簡単な説明 図1は、親DNA、正常対照男性DNA、及び水が、男性不妊器具のマルチプ レックスI−Vを用いて増幅され、3%メタフォー(Metaphor)アガロースゲル 上で電気泳動された9つのアガロースゲルを示す(中央2列;マルチプレックス I、II、III、及びVについでは繰り返し行われた)。最も左側の列の3つのゲ ル(YQ6 −1、YQ6−3、及びYQ5−1で示されている)は図示した5つのマルチプ レックスのうちの3つで検出された患者の欠失を示している。これらの欠失は、 無精子症又は乏精液症に関連することがわかっている。最も右側の列は、アンプ リマーのサンプルの強度及び増幅効率を図示するAMBIS画像解析システムか らの電荷結合表示器(CCD)スキャンを示す。各マルチプレックスゲルは左か ら右へ以下のように添加されている:レーン1−分子量マーカー;レーン2−正 常男性調節DNA;レーン3−正常男性調節DNA;レーン4−患者1;レーン 5−患者2;レーン6−アンプリマー・ラダー;レーン7−正常男性1;レーン 8−正常男性2;レーン9−正常男性3;レーン10−患者3;レーン11−患 者4;レーン12−患者5;レーン13−アンプリマー・ラダー;レーン14− 対照ナノピュア水。 図2Aは、マルチプレックスVIからの増幅ラダーのゲル電気泳動を示す。 図2Bは、マルチプレックスVII からの増幅ラダーのゲル電気泳動を示す。 図2Cは、正のX結合対照SMCXを示す。 図3は、選別された患者のサンプルからの欠失ブレークポイントを示す。Y染 色体領域及びインターバルは左から右へ水平軸上に示されている。正常な男性及 び女性、及び、8名の患者が上から下へ鉛直軸上に示されている。 図4は、Y染色体の末端部がX染色体へ転座し、マルチプレックスIII のSR Yを除く全てのYに対して陰性であるとわかった無精子症XX男性を示す。 図5は、作動中のマルチプレックスI〜Vの写真である。このゲルにおいて、 T−1及びT−2は、それぞれ、生まれていない「双子1及び2」を示し、Cは 対照女性染色体DNAを示す。DNAは、羊水(amniosytes)から抽出され、本 願で請求された男性不妊症/ Y欠失検出システムにより分離された。結果:双子は二卵性である。双子1はイ ンターバル3からインターバル7まで、及びBkmの全ての遺伝子座を欠いてい る。双子2は欠失のない正常な男性である。 図6は、作動中のマルチプレックスの写真例である。サンプルは左から右へ次 のように添加された:レーン1−分子量対照;レーン2−アンプリマー・ラダー 1;レーン3−欠失Iを有する患者;レーン4−アンプリマー・ラダー2;レー ン5 欠失IIを有する患者;レーン6−アンプリマー・ラダー3;レーン7 欠 失III を有する患者;レーン8−アンプリマー・ラダー4;レーン9−欠失IVを 有する患者;レーン10−アンプリマーラダー5;レーン11−欠失Vを有する 患者。最も右側のレーンは無関係の実験である。 図7は、作動中のマルチプレックスI、VI、X-XIII、及びXVIIを示す。各マル チプレックスに対して、レーンAは増幅された染色体DNAであり、レーンBは 各遺伝子座に対するアンプリマー・ラダーであり(陽性の対照)、レーンは負の 対照である。「sd」と印されたレーンは分子量基準である。 図8は、マルチプレックスXを用いた反復解析写真である。レーンA〜Gは、 マルチプレックスXで増幅されたDNAを含んでおり、レーンHは、DNAを含 まない陰性負の対照であり、レーンIは分子量基準である。レーンA〜Gで増幅 された7つの遺伝子座は、上から下へDYS218、DYS219、DYS21 2、DYF53S1、DYS205、DYS281、及びMIC2である。 図9は、図5に示す双子をマルチプレックスIX〜XIIIを用いて解析した写真で ある。図9において、「双子A及びB」は、それぞれ、図5の「双子1及び2」 に対応している。双子Aは、開発されたマルチプレックスゲルにおいて多数の欠 失発生を有していることがわかった。 図10は、Y染色体上での欠失発生位置を示す双子AのY染色体欠失マップで ある。 定義 以下の定義は、用語の範囲及び詳細の明確かつ一貫した理解の助けとなること を意図したものである。 対立遺伝子ラダー:遺伝子座の増幅された対立遺伝子より構成された標準サイ ズ標識。 対立遺伝子:DNAセグメントに関連する遺伝子変化、すなわち、同一の遺伝 子座を占めるDNA配列の2以上の選択的な形態のうちの1つ。 生化学命名法:本文において、ヌクレオチド基がアデニン(A)、チミン(T )、グアニン(G)、及びシトシン(C)と称される標準生化学命名法を用いた 。対応するヌクレオチドは例えばデオキシグアノシン−5’−三リン酸(dGT P)である。 DNA多型現象:2以上の異なるヌクレオチド配列がDNA配列の同一の交配 集団に共存する状態。 遺伝子座:染色体上の特定の位置。遺伝子座の対立遺伝子は相同染色体上の同 一座位に位置する。 遺伝子座特異的プライマー:上記した遺伝子座又はその相補的ストランドと少 なくとも遺伝子座の1つの対立遺伝子について雑種形成し、本増幅法で用いられ る状態の下で他のDNA配列とは十分に雑種形成しないプライマー。 重合酵素連鎖反応(PCR):変性のサイクル、プライマーによるアニーリン グ、及びDNA重合酵素によるエクステンションがターゲットDNA配列の複数 の複製を106倍より大きく増幅するのに用いられる技術。拡散を増幅する重合 酵素連鎖反応プロセスは米国特許第4,683,195号及び第4,683,2 02号において言及されている。マルチプレックス重合酵素連鎖反応は、2以上 の別個のターゲットDNA配列が同一サンプル内で同時に増幅される類似の技術 である。 初期反応:生成ヒト遺伝子DNAをPCRに対する鋳型として用 いる最初の反応。 プライマー:その3’末端が互いに最も接近するように遺伝子座の対向ストラ ンドと雑種形成する2つの単一ストランド・オリゴヌクレオチド又はDNAフラ グメント。 プライマー対:DNA配列の一端にて単一ストランドに雑種形成して増幅され るプライマー1と、増幅されるべきDNA配列の相補ストランドの他端と雑種形 成するプライマー2とを含む2つのプライマー。左右プライマーとも称する。 プライマー座:プライマーが雑種形成するターゲットDNAの領域。 二次反応:初期反応の希釈物をPCRに対する鋳型として用いた同一又は異な るプライマー対による再増幅。 発明の詳細な説明 本発明はY染色体の真性を評価する方法を含む。本発明の方法は、最初に、検 体の染色体DNA(又は、精製DNA又は血液等)を、 DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX; DYS218,DYS219,DYF53S1,DYS205,DYS212,DYS281,SMCX; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,SMCX; DYS240,DYS238,DYS271,DYS221,KAL182,SMCX; DYS221,DYS226,DYS222,DYS227,SMCX; DY848S1,DYZ1,DYS230,DYF49S1,DYF50S1,DYS228,SMCX; DYF65S1,SMCY,DYS217,DYS229,DYS199,DYS220,DYS235,DYS237,DYS215,S MCX; YRRM1,SMCY,ZFY,BKM,SMCX; DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX,DAZ(1); DYS218,DYS219,DYS212,DYF53S1,DYS205,DYS281,MIC2; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,MIC2; DYS240,DYS271,DYS221,KAL182,DAZ(2),MIC2; DYS224,DYS226,DYS222,DYS227,MIC2; DYF53S1,DYS229,DYZ1,DYS230,DAZ(3),DAZ(4),DAZ(5),MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS223,DYS7,DYS237,DYS215,MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS7,DYS237,DYS215,DAZ(6),MIC2; 並びに、 DAZ(7),DAZ(8),DAZ(9),DAZ(10),DAZ(11),MIC2; からなる遺伝子座の群から選択されたヒト染色体遺伝子座の少なくとも1個のグ ループをプライミングし得る異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの少なく とも1個のグループと結合する段階を含む。 増幅された染色体DNA断片を生成するため、異なるオリゴヌクレオチドプラ イマーペアの少なくとも1個のグループは、少なくとも一つの対応するマルチプ レックスポリメラーゼ鎖反応によって増幅される。増幅された染色体DNA断片 は、次に分離され、検体のY染色体の真性を判定するため、正常男性からの対応 する増幅された染色体断片と比較される。 より詳しく言うと、本発明のY染色体の真性を評価する方法は、検体のDNA を、 DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX,DAZ(1); DYS218,DYS219,DYS212,DYF53S1,DYS205,DYS281,MIC2; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,MIC2; DYS240,DYS271,DYS221,KAL182,DAZ(2),MIC2; DYS224,DYS226,DYS222,DYS227,MIC2; DYF53S1,DYS229,DYZ1,DYS230,DAZ(3),DAZ(4),DAZ(5),MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS223,DYS7,DYS237,DYS215,MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS7,DYS237,DYS215,DAZ(6),MIC2; DAZ(7),DAZ(8),DAZ(9),DAZ(10),DAZ(11),MIC2; 並びに YRRM1,SMCY,ZFY,BKM,SMCX; からなるヒト染色体遺伝子座の10個のグループをプライミングし得る異なるオ リゴヌクレオチドプライマーペアの10個のグループと結合する段階からなる。 上記異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの10個の各グループは、夫々 の検体のゲノムDNAが別々の容器内に配置されている。上記の如く、増幅され た染色体DNA断片を生成するため、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペア の10個のグループは10個の対応するマルチプレックスポリメラーゼ鎖反応に よって増幅される。増幅生成物は、次に分離され、検体のY染色体の真性を判定 するため、正常者からの対応する増幅された染色体DNA断片と比較される。 また、本発明はY染色体上の欠失突然変異を検出するキットである。上記キッ トは、オリゴヌクレオチドプライマーペアの少なくとも1個の対応したグループ を収容する少なくとも1個の第1の容器を含む。上記キットは、 DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX,DAZ(1); DYS218,DYS219,DYS212,DYF53S1,DYS205,DYS281,MIC2; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,MIC2; DYS240,DYS271,DYS221,KAL182,DAZ(2),MIC2; DYS224,DYS226,DYS222,DYS227,MIC2; DYF53S1,DYS229,DYZ1,DYS230,DAZ(3),DAZ(4),DAZ(5),MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS223,DYS7,DYS237,DYS215,MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS7,DYS237,DYS215,DAZ(6),MIC2; DAZ(7),DAZ(8),DAZ(9),DAZ(10),DAZ(11),MIC2; 並びに、 YRRM1,SMCY,ZFY,BKM,SMCX; からなる遺伝子座の群から選択されたヒト染色体遺伝子座の少なくとも1個のグ ループをプライミングし得るオリゴヌクレオチドプラ イマーペアの少なくとも1個の対応したグループを収容する。 上記キットは、上記ヒト染色体遺伝子座の少なくとも1個のグループに対応し た少なくとも一つの対照DNAアンプリマー・ラダーを収容する少なくとも1個 の第2の容器を更に有する。 上記キットはキットを使用するための命令を更に含む。 本発明は、上記キットと類似して、ヒトY染色体上の特異領域の真性を評価す るシステムを含む。上記領域は男性の不妊と関連づけられている。上記システム は、オリゴヌクレオチドプライマーペアの少なくとも1個の対応したグループを 収容する少なくとも1個の第1の容器を含む。上記システムは、 DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX,DAZ(1); DYS218,DYS219,DYS212,DYF53S1,DYS205,DYS281,MIC2; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,MIC2; DYS240,DYS271,DYS221,KAL182,DAZ(2),MIC2; DYS224,DYS226,DYS222,DYS227,MIC2; DYF53S1,DYS229,DYZ1,DYS230,DAZ(3),DAZ(4),DAZ(5),MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS223,DYS7,DYS237,DYS215,MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS7,DYS237,DYS215,DAZ(6),MIC2; DAZ(7),DAZ(8),DAZ(9),DAZ(10),DAZ(11),MIC2; 並びに、 YRRM1,SMCY,ZFY,BKM,SMCX; からなる遺伝子座の群から選択されたヒト染色体遺伝子座の少なくとも1個のグ ループをプライミングし得るオリゴヌクレオチドプライマーペアの少なくとも1 個の対応したグループを収容する。 上記システムは、上記ヒト染色体遺伝子座の少なくとも1個のグループに対応 した少なくとも一つの対照DNAアンプリマー・ラダーを収容する少なくとも1 個の第2の容器を更に有する。 正常男性DNAを収容する第3の容器及び正常女性DNAを収容する第4の容 器が、システムを使用するための命令と共にシステム 内に設けられる。 マルチプレックスシステムの構成 マルチプレックスシステムを構成する前に、増幅によってサイズの重ならない 種々の増幅された遺伝子座の断片が生成されるように、若しくは、サイズの重な り合いが生じたときには、異なる遺伝子座を表わす断片が別個の手段により検出 され得るように、遺伝子座と、プライマーと、増幅プロトコルの適切なセットが 選択されなければならない。更に、選択された遺伝子座は、特異欠失イベントが 確認されるように、単一増幅プロトコルと共に使用するため互換性が必要である 。また、患者、正常男性及び正常女性のサンプルに正の増幅が得られるように正 の内的統制が個々のマルチプレックスに作成されるべきである。以下に説明する 遺伝子座の特定の組合せはこのアプリケーションに特有である。遺伝子座の組合 せは、上記の理由のため、又は、組合せ中に、一つ以上の遺伝子座は適当な生成 量を生産しないため、若しくは、真正の対立遺伝子を表わさない断片が反応中に 生成されるため却下される場合がある。 成功する組合せは、含有された全ての遺伝子座の増幅が成功する平衡状態を識 別するため、STS組合せの試行錯誤、及び、プライマー濃度の調節により発生 される。また、特有のSTSプライマーは、アンプリマー(amplimer)の直接的な 配列決定、又は、不妊患者の欠失ブレークポイントの側面にある領域内の一方向 のエクステンションから発生される。上記のSTSは特異遺伝子座にマップされ 、マルチプレックス器具に組み込まれる。 マルチプレックス系において特に重要な点は、全体として分析される個々の遺 伝子座から生成された増幅された遺伝子座のサイズ範囲である。現在の技術によ る分析を容易化するため、500塩基よりも小さい断面の増幅により検出可能な 系が、好ましくは、発生させられた配列決定反応物から選択又は生成される。 その上、分析の容易化のため、STSは、相互に十分に異なる分子量を有する その遺伝子座のプライム増幅がアガロースゲル上の電気泳動により明瞭かつ明確 に分離されるように選択される。これにより、欠失イベントの検出が簡単かつ明 白になる。従って、所定の分析の結果の説明は、分析の単純さに起因して信頼性 が得られる。 本発明において利用された特異STSのY染色体遺伝子座及び増幅された生成 物のサイズが以下の表1に示されている。 分析を行う方法論 本発明の方法を実施するため、最初に、検査される個体から血液が取り出され る。これは、従来通りの方法で、通常EDTA又はクエン酸中で行われる。血液 は、含有されたDNAを分離するため処理される。これは、Promega Corporatio n のWizard(登録商標)(ウィスコンシン州、マディソン)を用いて、或いは、 標準的なフェノールクロロホルム方を用いた摘出により、従来の方法を使用して 行われる。約100ngの最小量のDNAが1検体につき必要とされる。残りの 血液又はDNAは、欠失が検出された場合の将来の利用に備えて−20°Cで保 存される。略100ngの検体及び対照DNAが各反応管毎に使用される。 各マルチプレックスPCR増幅のため、以下の好ましい処理が続けられる。 増幅コンテナピペットに、総テンプレート容積10マイクロリットルのナノピ ュア水中の100ngの検体DNAが注入され、次いで、40マイクロリットル の選択されたマルチプレックス混合物(表1に示される如くのI乃至XVII) 。管は、好ましくは渦巻運動を用いて攪拌される。適当な量のTaq DNAポ リメラーゼが管に添加され、管は渦巻運動させられ、次いでパルス遠心分離が続 けられる。 全く同じ処理が、1)増幅後に正常標準増幅及び欠失対照として 働く対照正常男性DNAと、2)対照正常女性DNAとに対し別個の管を使用し て並列的に繰り返される。 上記処理は、実行された各マルチプレックスに対し繰り返される。かくして、 最小限、表1に掲載されたような17個のマルチプレックスの完全な器具は、各 マルチプレックス毎に検体のDNAの単一の管と、対応した正常妊性男性DNA を含む対照アンプリマー・ラダーDNAの管とを含み、各管は最適増幅に必要と される全ての成分を含む。選択的に、所定の各マルチプレックスI乃至XVII に対し、100ngの女性DNAと夫々のマルチプレックス混合物からなる陰性 の(男性混在)対照が検査される。異質混入に対し付加された予防措置として、 10マイクロリットルのナノピュア水がテンプレート対照として使用される。全 ての成分は準備中は氷の状態に保たれるべきである。好ましくは、10人の患者 の増幅のために充分な試薬と、その対照とが供給される。しかし、検査される患 者は、5乃至10人ずつのグループにまとめる方がよい。そのようにされたなら ば、1所定の“一括された”PCR増幅の際に最初の患者に対し、セットの対照 だけが必要である。血液は、4°Cで4週間まで保存され、DNAは−20°C で無期限に保存され得る。 増幅するため、1滴の無菌鉱油が各管に添加される。次に、管は閉められ、許 可された熱循環器に設置され、初期変性:95°Cで2.5分間、変性:95° Cで1分間、アニーリング:61°Cで1分間、エクステンション:72°Cで 1分間に従って増幅される。増幅のプロトコルは35サイクル繰り返されるべき である。 増幅後、サンプルは4°Cに維持される。増幅生成物は、従来の周知の電気泳 動処理を使用して標準的な3%Metaphor又はNuSeiveアガロースゲル上で分離さ れる。電気泳動の終了後、ゲルは標準的なプロトコルに従って臭化エチジウムで 染色され、紫外線光ボックスで可視化され、写真撮影される。この写真は欠失イ ベントの有無が分析される。 本発明で使用するための好ましいオリゴヌクレオチド遺伝子座特異プライマー 配列、並びに、増幅反応中の好ましいプライマー濃度(プライマー当たりの濃度 )が上記表2に掲載されている。表2は表1と対応する。例えば、表2の配列I D番号1及び2は、表1に示される如く、DYS209遺伝子座の遺伝子座特異 プライマーペアである。上記プライマー濃度は好ましい濃度であることに注意す る必要がある。PCRを最適化するため種々のプライマー濃度の濃度を変化させ ても良い。 試験キット 本発明のキットは、ヒト男性不妊症の種々のタイプに関連する小さなY染色体 関連欠失を、組み込まれた内的統制を用いて高い信頼性及び再現性で検出するよ うに設計されている。本キットの好ましい実施例において、キットは本方法を適 切に実行するのに必要な全ての試薬及び容器を含み、同時に、人為的誤り及び実 験的誤りの双方の可能性を最小化する。最も好ましい実施例において、キットは 、すぐ使用できるように、以下の品目を含むユーザフレンドリーなフォーマット で、一式がパッケージ化された表2に掲げるSTSオリゴヌクレオチド・プライ マーペアを含む。 (a)予め最適化されPCRに適した濃度及び比率で互いに結合された、表1に 詳細を示す遺伝子座の増幅を起動することが可能なオリゴヌクレオチド・ペア、 試薬緩衝液、マグネシウム、dNTP、及び、滅菌水を含有する10個のマルチ プレックス混合物。好ましくは、末端ユーザが10名の患者及びその対照を検査 できるように十分なマルチプレックス混合物が提供される。この10個のマルチ プレックス混合物は別々の容器に収容され、それに応じてラベルが付されている 。 (b)ゲル電気泳動分子量対照標識として用いられる10個の対照アンプリマー ・ラダー。この10個の対照アンプリマーラダーは上 記(a)で述べた10個のマルチプレックス混合物に対応している。10の対照 アンプリマー・ラダーは別々の容器に収容され、それに応じてラベルが付されて いる。実際には、各マルチプレックスは、サイズ及び特性の比較が容易となるよ うに夫々の対照男性増幅及び対照アンプリマーラダーが電気泳動された状態で、 アガロースゲル上で分離され溶解される。 (c)対照正常男性DNA(プロメガ社#G147、マジソン、ウイスコンシン )。 (d)対照正常女性DNA(プロメガ社#G152、マジソン、ウイスコンシン )。 (e)ナノピュア水 キットは、その簡便性を向上するため付随的な品目を含んでもよい。かかる付 加的な付随的品目には、TaqDNA重合酵素、滅菌鉱物油、複数の滅菌済み0 .5mlマイクロフュージ管、分子量対照標識(例えば、PGEMプロメガ社# DG17A)、及び、電気泳動ゲル添加色素(例えばプロメガ社#DV433A )が含まれる。 キットの全ての要素は、キットの正しい使用法の説明書と共に単一のユーザフ レンドリーな容器にパッケージされる。 上述の如く、多重体I〜XVIIに対する好ましい各オリゴヌクレオチド遺伝子座 特異的プライマーペア、及びその好ましい濃度は表2に掲げられている。 キットの利点 キットは、異常精子形成に結びつけられてきたY染色体上の領域での欠失突然 変異を判定する容易で簡単な方法を提供する。各マルチプレックスで結合された 種々のSTSは次の理由により選択された:1)汚染X染色体、又は、複製Y関 連配列が存在しないこと、2)マルチプレックス試薬内で互いに互換性があるこ と、3)特定のアンプリマーに対応する欠失が、妊性男性の十分に有意なサンプ ルに対応することは示されていないこと、及び4)これらSTSは、そのサイズ がマルチプレックス内で増幅される他の生産物とは十分に異なっているため、増 幅されたフラグメントが従来のアガロースゲル上で明瞭に分離すること。これに より、欠失突然変異のためのゲルの解析が迅速かつ簡易となり、偽陽性欠失発生 すなわち実験的人為現象が欠失発生の存在をマスクする危険性(すなわち、擬陰 性)が最小化される。不妊症(少なくとも、無精子症及び乏精液症)に関連する 欠失が高頻度で観察される領域から選択された独自のSTSを提供するため特別 の努力が払われた。 最も重要なことは、キットが「ユーザフレンドリー」であり、使用が非常に簡 単な点である。これにより、人為的誤りが最小化され、同時に、検査の精度及び 再現性が向上される。これは、必要な試薬及びその容器を、簡潔な使用説明書と 共に単一のキットに結合することにより実現されている。このようにして、本発 明によれば、男性試験対象のY染色体を欠失突然変異について数時間で検査する ことが可能となる。 更に、試験キットが、広く受け入れられ評価されている実験手法であるPCR 法を用いているので、信頼性が高く、かつ、当業者に受け入れられることが保証 される。 実験例 以下の例は、本願で請求された発明の完全な理解の助けとなることのみを目的 として例示したものである。以下の例は、如何なる意味においても、本願で請求 された発明を限定するものでないことが理解される。 集団サンプリング 表3は、291の個体(マルチプレックスI〜V)及び45の個体(マルチプ レックスVI〜VII)のサンプル集団についての各マル チプレックスの成功率を示す。この表からわかるように、マルチプレックスI〜 VIに対する成功率は全て95%より大きく、マルチプレックスIに対する成功率 は100%である。本実験では、マルチプレックスVII 及びVIIIに対する成功率 は91%であった。 下に示す表4は、表現型が正常な520名の妊性男性(血液は赤十字から提供 された)、及び、不妊男性患者を扱う4つの医師診療グループの集団研究の結果 を示す。赤十字の400人の妊性男性のサンプルは、本マルチプレックス器具に よる解析によっては欠失を示さなかった。医師の患者群のうち最大の群(患者数 175)は。本マルチプレックス解析を用いて6.6%のY染色体欠失を示した 。表4にまとめられた研究全体に対して、試験された集団の11.5%はY染色 体欠失突然変異を示した。 下に示す表5は、上記の如く赤十字より入手された正常妊性男性からの520 の血液サンプルを解析するのに用いられた場合の、マルチプレックスVIII-VIII の成功率を示す。 次の例は、本願で請求された発明が如何に作用してY染色体欠失発生を検出す るかを示す。本例は、単に例示のためのものであり、如何なる意味においても本 文に記載され請求された発明の範囲を限 定するものではない。 例1−マルチプレックスI〜Vを用いた解析 本例では、患者1〜5で示される5人の患者、及び、3人の正常成人男性が図 1に示すマルチプレックスI〜Vを用いて解析された。図1に示す如く、増幅さ れたフラグメントのSTS、遺伝子座、及び塩基対サイズが夫々ページの上から 下へ示されている。図1の中央を示す9つのゲルは各解析に対する結果である。 マルチプレックスI〜Vは、夫々、図面の上から下へ示されている。マルチプレ ックスI、II、III、及びVについては繰り返して行われた。DNA調製及び増 幅は先に詳細に述べた手順を用いて実行された。図1の最も左側に示すゲルは、 それぞれ、マルチプレックスI、III、及びIVで生じた欠失発生を示す。図1の 最も右側の図は、各増幅バンドの強度を示すAMBISスキャンである。 例2−マルチプレックスVI及びVII を用いた遺伝子分析 例2は、マルチプレックスVI及びVII が使用された点を除き例1と同一の方法 で実行された。その結果が図2A及び図2Bに夫々示されている。例1と同様に 、DNAを調製し、ゲルを電気泳動させて解析するのに標準プロトコルが使用さ れた。 例3−SMCXを用いた陽性X関連コントロール 本例では、X関連遺伝子座SMCXが陽性対照として使用された。ここで、S MCXプライマーペアのみが標準プロトコルに従って発生された。その結果のゲ ルを図2Cに示す。 例4−マルチプレックスIII を用いた無精子症XX男性の解析 本例では、無精子症XX男性がマルチプレックスIII を用いて解析された。こ の患者は、Y染色体の末端部がX染色体に転座してい た。図4に示す如く、マルチプレックスIII による解析の結果、この患者は、S RYを除き、マルチプレックスIII に含まれる全てのY染色体遺伝子座について 完全に陰性であることがわかった。 例5−マルチプレックスI〜Vを用いた胎児双子の解析 例5では、DNAが羊水から抽出され、マルチプレックスI〜Vにより上述の 方式を用いて解析された。その結果を図5に示す。 図5において、T−1は第1の双子を示し、T−2は第2の双子を示す。Cは 、対照男性遺伝子DNAを示す。ゲルの解析により、双子は二卵性であることが わかった。対照レーンをT−2のレーンと比較することにより、双子2は欠失の ない正常男性であることがわかった。これに対して、対照レーンをT−1レーン と比較することにより、双子1は、インターバル3からインターバル7まで、及 びBKMの遺伝子座を全て失っていることがわかった。 例6−各マルチプレックスにおいて欠失発生を示すマルチプレックスI〜V 本例では、マルチプレックスI〜Vの夫々に対するアンプリマー・ラダーが、 それぞれ、各マルチプレックスにおいて、欠失発生を示す患者について縦一列に 発生された。その結果を図6に示す。左から右へ進むと、第1のレーンは分子量 対照であり、マルチプレックスI〜V及び患者DNAサンプルの夫々のアンプリ マー・レーンの対が続く。最も右側のレーンの対は無関係の実験である。例7−マルチプレックスI、VI、X〜XIII、XVIIを用いた正常男性DNAの解析 本例では、正常男性染色体DNAがマルチプレックスI、VI、X〜XIII、及び XVIIを用いて増幅された。その結果が図7に示されている。左から右へ進むと、 各マルチプレックスのレーンA、B、及 びCは、夫々、増幅された染色体DNA、アンプリマーラダーDNA、及び陰性 対照である。分子量標識は「sd」と印されたレーンに含まれている。ゲルに欠 失発生は示されていない。このゲルは、開示されたマルチプレックスにより実現 された、明瞭な遺伝子座の解像を示している。 例8−マルチプレックスXを用いた反復解析 本例では、マルチプレックスの再現性を示すため、マルチプレックスXを用い て繰り返し実行された。その結果を図8に示す。レーンA〜Gはマルチプレック スXで増幅されたDNAを含んでいる。レーンHは陰性対照を含んでいる。レー ンIは分子量基準を含んでいる。図8は、マルチプレックスX内に含まれる遺伝 子座の明瞭で再現性のある分離を示している。 例9−マルチプレックスIX〜XIII及びXVIIを用いた胎児双子の解析 例5で述べたのと同一の解析がマルチプレックスIX〜XIII及びXVIIを用いて行 われた。本例において、双子A及びBは例5の双子1及び2に対応している。双 子Aは多数の欠失発生を示した。 例10−患者群及び双子A(双子1)におけるY欠失発生の概略表示 図3は、選抜された患者のサンプルの欠失ブレークポイントを示す。Y染色体 領域及びインターバルは左から右へ水平軸上に示されている。正常な男性及び女 性、及び8人の患者が上から下へ鉛直軸上に示されている。プラス(+)符号は 遺伝子座が存在することを示し、マイナス(−)符号は遺伝子座が存在しないこ とを示す。 図10は、双子Aに対する同一の図であり、多数のY染色体欠失発生を示して いる。 本発明は、以上に列挙された特定の実施例に限定されるものでは なく、請求の範囲で画定される如く、その変形の全ての形態を含むものである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年7月1日 【補正内容】 より得られる)Y染色体DNAの断面がクローン化されたλファージ(Charon 21 A)からなる。ランダムに選択されたY−DNA含有クローンの分析により、Y染 色体に沿った欠失インタバルが定義される。問題となるDNA配列はλファージ から削除され、核外遺伝子(例えば、pUC8又はpUC13)内に再クローン化される 。 ページ等のグループによる非常に類似したY染色体欠失マップはThe Human Y Chromosome: A 43-Interval Map,Science,258:52-59(2 October 1992)に報告 されている。この場合、43−インタバル欠失マップが配列標識部位を利用して 顕微鏡的に検出可能なY染色体欠失を表示する男性の集団のPCR分析により作 成された。 Ma他(1992)は、ゲノミックブロットハイブリダイゼーションによりY染 色体の長いアーム(Yq)における構造上の異常を分析するため同様のアプロー チを使用した。従来の不妊男性の細胞遺伝子学的研究は、無精子症因子(AZF )と称される遺伝子制御精子形成の配置がY染色体のバンドq11.23であることを 示唆した。さらに、分子マッピングは、AZFをY染色体のインタバル6に配置 した。予めYqにマップされた30個のDNAプローブの系列を使用することに より、Ma他は、ある種の無精子症男性のインタバル6にマイクロ(微少)欠失を 見つけた。 30個のプローブを用いることにより、Ma他は、ヒトY染色体のインタバル6 の詳細な欠失マップを作成した。Ma他は、細胞遺伝子学的に定義されたY染色体 の長いアーム上に欠失又は再配置を含む21の個体からゲノミックブロットを探 針することによりインタバル6を14個のサブインタバルに分化した。21個の ブロットの結果を使用することにより、Ma他は、DNAプローブをインタバル6 の14個のサブインタバルにマップし、患者の変更されたY染色体明白性のブレ ークポイントを並べることができた。 Ma他による他の論文は、インタバル6、サブインタバルXII-XIVのY染色体欠 失内にある遺伝子ファミリーの単離及び特徴化を報告 している。遠位インタバル欠失にマップするY特異プローブから単離されたコス ミッドクローンを用いることにより、Ma他は潜在的なCpGアイランド、すなわ ち、遺伝子の存在の指標を識別した。コスミッドを使用して分離された精巣cD NAライブラリからのDNA配列を用いることにより、Ma他は配列が長いアーム の遠位真性染 びCは、夫々、増幅された染色体DNA、アンプリマーラダーDNA、及び陰性 対照である。分子量標識は「sd」と印されたレーンに含まれている。ゲルに欠 失発生は示されていない。このゲルは、開示されたマルチプレックスにより実現 された、明瞭な遺伝子座の解像を示している。 例8−マルチプレックスXを用いた反復解析 本例では、マルチプレックスの再現性を示すため、マルチプレックスXを用い て繰り返し実行された。その結果を図8に示す。レーンA〜Gはマルチプレック スXで増幅されたDNAを含んでいる。レーンHは陰性対照を含んでいる。レー ンIは分子量基準を含んでいる。図8は、マルチプレックスX内に含まれる遺伝 子座の明瞭で再現性のある分離を示している。 例9−マルチプレックスIX〜XIII及びXVIIを用いた胎児双子の解析 例5で述べたのと同一の解析がマルチプレックスIX〜XIII及びXVIIを用いて行 われた。本例において、双子A及びBは例5の双子1及び2に対応している。双 子Aは多数の欠失発生を示した。 例10−患者群及び双子A(双子1)におけるY欠失発生の概略表示 図3は、選抜された患者のサンプルの欠失ブレークポイントを示す。Y染色体 領域及びインターバルは左から右へ水平軸上に示されている。正常な男性及び女 性、及び8人の患者が上から下へ鉛直軸上に示されている。プラス(+)符号は 遺伝子座が存在することを示し、マイナス(−)符号は遺伝子座が存在しないこ とを示す。 図10は、双子Aに対する同一の図であり、多数のY染色体欠失発生を示して いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ミューレム,アリエージュ アメリカ合衆国,ウィスコンシン州 53705,マディソン,ユニヴァーシティ・ アヴェニュー 2110番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 雄の不妊を表わすY染色体の欠失を検査する方法において、 (a)DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX,DAZ(1); DYS218,DYS219,DYS212,DYS51S1,DYS205,DYS281,MIC2; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,MIC2; DYS240,DYS271,DYS221,KAL182,DAZ(2),MIC2; DYS224,DYS226,DYS222,DYS227,MIC2; DYS51S1,DYS229,DYZ1,DYS230,DAZ(3),DAZ(4),DAZ(5),MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS223,DYS7,DYS237,DYS215,MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS7,DYS237,DYS215,DAZ(6),MIC2; 並びに、 DAZ(7),DAZ(8),DAZ(9),DAZ(10),DAZ(11),MIC2; YRRM1,SMCY,ZFY,BKM,SMCX; からなる群から選択されたヒト染色体遺伝子座の少なくとも1個の対応したグル ープをプライミングする異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの少なくとも 1個のグループを、検体のゲノミックDNA又は血液と結合する段階と、 (b)増幅された染色体DNA断片を生成するため、異なるオリゴヌクレオチ ドプライマーペアの少なくとも1個のグループを、少なくとも一つの対応するマ ルチプレックスポリメラーゼ鎖反応によって増幅する段階と、 (c)増幅された染色体DNA断片を分離する段階と、 (d)増幅された染色体DNA断片を、正常男性からの対応する増幅された染 色体断片と比較することにより、検体のY染色体の欠失が検出される段階とから なる方法。 2. 段階(a)において、検体のゲノミックDNA又は血液は、 配列ID番号:1−14,95及び96、 配列ID番号:15−26,97及び98、 配列ID番号:27−38,97及び98、 配列ID番号:39,40,43−48,97−100、 配列ID番号:49−56,97及び98、 配列ID番号:59−62,75,76,97,98及び115−122、 配列ID番号:71−74,79−86,97,98,101及び102、 配列ID番号:71−74,79,80,83−86,97,98及び101 −104、 配列ID番号:97,98及び105−114、並びに、 配列ID番号:87−94,13及び14 からなる群から選択された異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの少なくと も1個のグループと結合される請求項1記載の方法。 3. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの少なく とも1個のグループは、被験者のゲノミックDNA又は血液と結合される請求項 2記載の方法。 4. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの少なく とも1個のグループは、表現的に男性被験者のゲノミックDNA又は血液と結合 される請求項3記載の方法。 5. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの少なく とも1個のグループは、表現的に性別が曖昧な被験者のゲノミックDNA又は血 液と結合される請求項3記載の方法。 6. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマー ペアの少なくとも1個のグループは、表現的に女性被験者のゲノミックDNA又 は血液と結合される請求項3記載の方法。 7. 段階(c)において、増幅された染色体DNA断片は、アガロース又はア クリルアミドゲル電気泳動により分離される請求項1記載の方法。 8. 段階(b)において、少なくとも一つの対応するマルチプレックスポリメ ラーゼ鎖反応により増幅された異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの少な くとも1個のグループは、上記少なくとも一つの対応するマルチプレックスポリ メラーゼ鎖反応を、約95°Cで約2.5分間の初期変性に晒し、次に、約95 °Cで約1分間の変性の25乃至35回のサイクルを循環させ、約61°Cで約 1分間のアニーリングを行い、約72°Cで約1分間のエクステンションをする ことにより増幅される請求項1記載の方法。 9. 雄の不妊を表わすY染色体の欠失を検査する方法において、 (a)DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX,DAZ(1); DYS218,DYS219,DYS212,DYS51S1,DYS205,DYS281,MIC2; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,MIC2; DYS240,DYS271,DYS221,KAL182,DAZ(2),MIC2; DYS224,DYS226,DYS222,DYS227,MIC2; DYS51S1,DYS229,DYZ1,DYS230,DAZ(3),DAZ(4),DAZ(5),MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS223,DYS7,DYS237,DYS215,MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS7,DYS237,DYS215,DAZ(6),MIC2; 並びに、 DAZ(7),DAZ(8),DAZ(9),DAZ(10),DAZ(11),MIC2; YRRM1,SMCY,ZFY,BKM,SMCX; からなる群から選択された対応したヒト染色体遺伝子座の10個のグループをプ ライミングする異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの10個のグループを 、検体のゲノミックDNA又は血液と結合し、 上記異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの10個の各グループは、夫々 の検体のゲノミックDNA又は血液が別々の容器内に配置されている段階と、 (b)増幅された染色体DNA断片を生成するため、異なるオリゴヌクレオチ ドプライマーペアの10個のグループを10個の対応するマルチプレックスポリ メラーゼ鎖反応によって増幅する段階と、 (c)増幅された染色体DNA断片を分離する段階と、 (d)増幅された染色体DNA断片を、正常者からの対応する増幅された染色 体断片と比較することにより、検体のY染色体の欠失が検出される段階とからな る方法。 10. 検体のゲノミックDNA又は血液は、以下の異なるオリゴヌクレオチド プライマーペアの10個のグループ、即ち、 配列ID番号:1−14,95及び96、 配列ID番号:15−26,97及び98、 配列ID番号:27−38,97及び98、 配列ID番号:39,40,43−48,97−100、 配列ID番号:49−56,97及び98、 配列ID番号:59−62,75,76,97,98及び115−122、 配列ID番号:71−74,79−86,97,98,101及び102、 配列ID番号:71−74,79,80,83−86,97,98及び101 −104、 配列ID番号:97,98及び105−114、並びに、 配列ID番号:87−94,13及び14 と結合される請求項9記載の方法。 11. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの10 個のグループは、被験者のゲノミックDNA又は血液と結合される請求項10記 載の方法。 12. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの10 個のグループは、表現的に男性被験者のゲノミックDNA又は血液と結合される 請求項11記載の方法。 13. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの10 個のグループは、表現的に性別が曖昧な被験者のゲノミックDNA又は血液と結 合される請求項11記載の方法。 14. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの10 個のグループは、無精子症又は精子過小症のため不妊症である男性被験者のゲノ ミックDNA又は血液と結合される請求項11記載の方法。 15. 段階(a)において、異なるオリゴヌクレオチドプライマーペアの10 個のグループは、表現的に女性被験者のゲノミックDNA又は血液と結合される 請求項11記載の方法。 16. 段階(c)において、増幅された染色体DNA断片は、アガロースゲル 電気泳動により分離される請求項9記載の方法。 17. 段階(b)において、10個の対応するマルチプレックスポリメラーゼ 鎖反応内の異なるオリゴヌクレオチドプライマーペア の10個のグループは、上記少なくとも一つの対応するマルチプレックスポリメ ラーゼ鎖反応を、約95°Cで約2.5分間の初期変性に晒し、次に、約95° Cで約1分間の変性の25乃至35回のサイクルを循環させ、約61°Cで約1 分間のアニーリングを行い、約72°Cで約1分のエクステンションをすること により増幅される請求項10記載の方法。 18. 雄の不妊を表わすY染色体の欠失を検査するキットにおいて、 DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX,DAZ(1); DYS218,DYS219,DYS212,DYS51S1,DYS205,DYS281,MIC2; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,MIC2; DYS240,DYS271,DYS221,KAL182,DAZ(2),MIC2; DYS224,DYS226,DYS222,DYS227,MIC2; DYS51S1,DYS229,DYZ1,DYS230,DAZ(3),DAZ(4),DAZ(5),MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS223,DYS7,DYS237,DYS215,MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS7,DYS237,DYS215,DAZ(6),MIC2; 並びに、 DAZ(7),DAZ(8),DAZ(9),DAZ(10),DAZ(11),MIC2; YRRM1,SMCY,ZFY,BKM,SMCX; からなる群から選択されたヒト染色体遺伝子座の少なくとも1個の対応したグル ープをプライミングし得るオリゴヌクレオチドプライマーペアの少なくとも1個 の対応したグループを収容する少なくとも1個の第1の容器と、 上記ヒト染色体遺伝子座の少なくとも1個のグループに対応した少なくとも一 つの対照DNAアンプリマー・ラダーを収容する少なくとも1個の第2の容器と からなるキット。 19. 上記オリゴヌクレオチドプライマーペアの少なくとも1個の対応したグ ループは、 配列ID番号:1−14,95及び96、 配列ID番号:15−26,97及び98、 配列ID番号:27−38,97及び98、 配列ID番号:39,40,43−48,97−100、 配列ID番号:49−56,97及び98、 配列ID番号:59−62,75,76,97,98及び115−122、 配列ID番号:71−74,79−86,97,98,101及び102、 配列ID番号:71−74,79,80,83−86,97,98及び101 −104、 配列ID番号:97,98及び105−114、並びに、 配列ID番号:87−94,13及び14 からなる群から選択される請求項18記載のキット。 20. ナノピュア水の供給器と、PCR適合緩衝液の供給器と、PCR適合マ グネシウムの供給器と、PCR適合dNTPの供給器とを更に有する請求項18 記載のキット。 21. 少なくとも一つの第3の容器を更に有し、 上記ナノピュア水の供給器と、上記PCR適合緩衝液の供給器と、上記PCR 適合マグネシウムの供給器と、上記PCR適合dNTPの供給器はPCR適合濃 縮器で一つに結合され、その中に配置されている請求項20記載のキット。 22. 上記オリゴヌクレオチドプライマーペアの少なくとも1個のグループ及 び上記少なくとも一つの対照DNAアンプリマー・ラ ダーは、ナノピュア水、PCR適合緩衝液、PCR適合マグネシウム、及び、P CR適合dNTPのPCR適合濃縮器と組み合わされて、夫々、上記少なくとも 一つの第1の容器及び上記少なくとも一つの第2の容器に収容されている請求項 18記載のキット。 23. 予め滅菌されたマイクロフュージ容器のグループを更に有する請求項1 8記載のキット。 24. TaqDNAポリメラーゼの供給器を更に有する請求項18記載のキッ ト。 25. 滅菌鉱油の供給器を更に有する請求項18記載のキット。 26. 分子量DNA対照標識の供給器を更に有する請求項18記載のキット。 27. ゲル電気泳動ローディング色素の供給器を更に有する請求項18記載の キット。 28. 正常ヒト女性DNAの供給器と、正常ヒト男性DNAの供給器とを更に 有する請求項18記載のキット。 29. ヒトY染色体遺伝子座及びY染色体と結合されていない対照遺伝子座の 10個のグループ、即ち、 DYS209,DYF43S1,DYS210,DYS211,DYS33,DYS1,SMCX,DAZ(1); DYS218,DYS219,DYS212,DYS51S1,DYS205,DYS281,MIC2; DYS201,DYS241,DYS198,SRY,DYS197,DYS196,MIC2; DYS240,DYS271,DYS221,KAL182,DAZ(2),MIC2; DYS224,DYS226,DYS222,DYS227,MIC2; DYS51S1,DYS229,DYZ1,DYS230,DAZ(3),DAZ(4),DAZ(5),MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS223,DYS7,DYS237,DYS215,MIC2; SMCY,DYS217,DYS220,DYS7,DYS237,DYS215,DAZ(6),MIC2; 並びに、 DAZ(7),DAZ(8),DAZ(9),DAZ(10),DAZ(11),MIC2; YRRM1,SMCY,ZFY,BKM,SMCX; をプライミングし得るオリゴヌクレオチドプライマーペアの10個の対応したグ ループを収容する10個の第1の容器と、 上記ヒトY染色体遺伝子座及びY染色体と結合されていない対照遺伝子座の1 0個のグループに対応した10個の対照DNAアンプリマー・ラダーを収容する 10個の第2の容器とを更に有する請求項18記載のキット。 30. 上記オリゴヌクレオチドプライマーペアの10個の対応したグループは 、 配列ID番号:1−14,95及び96、 配列ID番号:15−26,97及び98、 配列ID番号:27−38,97及び98、 配列ID番号:39,40,43−48,97−100、 配列ID番号:49−56,97及び98、 配列ID番号:59−62,75,76,97,98及び115−122、 配列ID番号:71−74,79−86,97,98,101及び102、 配列ID番号:71−74,79,80,83−86,97,98及び101 −104、 配列ID番号:97,98及び105−114、並びに、 配列ID番号:87−94,13及び14である請求項29記載 のキット。 31. ナノピュア水の供給器と、PCR適合緩衝液の供給器と、PCR適合マ グネシウムの供給器と、PCR適合dNTPの供給器とを更に有する請求項29 記載のキット。 32. 少なくとも一つの第3の容器を更に有し、 上記ナノピュア水の供給器と、上記PCR適合緩衝液の供給器と、上記PCR 適合マグネシウムの供給器と、上記PCR適合dNTPの供給器はPCR適合濃 縮器で一つに結合され、その中に配置されている請求項31記載のキット。 33. 上記オリゴヌクレオチドプライマーペアの10個のグループ及び上記1 0個の対照DNAアンプリマー・ラダーは、ナノピュア水、PCR適合緩衝液、 PCR適合マグネシウム、及び、PCR適合dNTPのPCR適合濃縮器と組み 合わされて、夫々、上記10個の第1の容器及び上記10個の第2の容器に収容 されている請求項29記載のキット。 34. 予め滅菌されたマイクロフュージ容器のグループを更に有する請求項2 9記載のキット。 35. TaqDNAポリメラーゼの供給器を更に有する請求項29記載のキッ ト。 36. 滅菌鉱油の供給器を更に有する請求項29記載のキット。 37. 分子量DNA対照標識の供給器を更に有する請求項29記載のキット。 38. ゲル電気泳動ローディング色素の供給器を更に有する請求項29記載の キット。 39. 正常ヒト女性DNAの供給器と、正常ヒト男性DNAの供給器とを更に 有する請求項29記載のキット。
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