JPH11506312A - デコリン結合タンパク質組成物および使用方法 - Google Patents

デコリン結合タンパク質組成物および使用方法

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JPH11506312A JP8532769A JP53276996A JPH11506312A JP H11506312 A JPH11506312 A JP H11506312A JP 8532769 A JP8532769 A JP 8532769A JP 53276996 A JP53276996 A JP 53276996A JP H11506312 A JPH11506312 A JP H11506312A
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Abstract

(57)【要約】 Borrelia burgdorferi由来のdbp遺伝子およびdbp由来核酸セグメント、ライム病の病因学的薬剤、および関連のBorrelia類由来のdbpをコードするDNAセグメントが開示される。デコリン結合タンパタ質組成物および使用方法もまた開示される。DBPタンパク質およびそれらに由来する抗原性エピトープは、病理学的Borrelia感染の処置における使用、特にデコリンに対する細菌の付着の防止における使用が意図される。これらのタンパク質および抗(デコリン結合タンパク質)抗体をコードするDNAセグメントもまた、種々のスクリーニング、診断、および治療適用において使用され、それらは、能動的および受動的免疫化ならびに動物におけるBorreliaコロニー形成の防止のための方法を包含する。これらのDNAセグメントおよびそれらに由来するペプチドは、ワクチンの調製における使用、また、ワクチン処方物およびライム病防止における使用のための組成物の処方におけるキャリアタンパク質としての使用が意図される。

Description

【発明の詳細な説明】 デコリン結合タンパク質組成物および使用方法 1.発明の背景 本出願は、1996年1月22日に出願された米国特許出願番号第08/589,711号の一 部継続出願であり、これは、1995年4月24日に出願された米国特許出願番号第08 /427,023号の一部継続出願である;各開示の全体の本文および図面は、特に、放 棄することなく本明細書に参考として援用される。合衆国政府は、国立衛生研究 所からの補助金AI20624、HL47313、およびAR41507によって本発明における一定 の権利を有する。 1.1 発明の分野 本発明は、一般的には、分子生物学の分野に関する。さらに詳細には、ある実 施態様は、DNAセグメントを含む方法および組成物、ならびに細菌種に由来する タンパク質に関する。より詳細には、本発明は、Borrelia burgdorferiからのデ コリン(Dcn)結合タンパク質(DBP)およびその対応するペプチドエピトープ、 ならびに天然のままおよび合成により改変されたDcn結合部位ドメインを含むタ ンパク質配列をコードする遺伝子組成物を提供する。これらのDNAセグメント、 合成により改変されたリガンド結合部位ドメインをコードするDNAセグメント、 ならびに天然および合成タンパク質を製造および使用する種々の方法が開示され 、例えば、タンパク質産生のための診断プローブおよびテンプレートとしてのDN Aセグメントの使用、ならびに種々の薬学的および免疫学的適用におけるタンパ ク質、融合タンパク質キャリア、およびペプチドの使用である。 1.2 関連技術の記載 1.2.1 ライム病 ライム病(Steere、1989)、すなわちライムボレリア症は、ダニ、特にマダニ (Ixodes)属により伝染され、そしてBorrelia属のスピロヘータにより引き起こ される。ライム病因子、すなわち、臨床的にライム病を有するヒトまたは動物か ら単離されるBorreliaは、現在、少なくとも3つの系統発生学的群に分類される :B.burgdorferi sensu stricto、B.garinii、およびB.afzelii。25015群の ような、ライム病因子の他の系統発生学的群を潜在的に表す株もまた、マダニか ら単離されている。ひとまとめにすると、これらのスピロヘータは、B.burgdor feri sensu lato、または単にB.burgdorferiと呼ばれる。これらの系統発生学 的亜群分類の名称を支持するライム病因子中の遺伝子型および表現型変異は、ラ イム病に対する効果的なワクチンまたは免疫治療ストラテジーの設計の主要な複 雑な要因である。 ライム病は、宿主に取り付き、そして摂食中に皮膚の真皮中にスピロヘータを 産みつける、ダニのかみ傷を介して伝染される。皮膚では、B.burgdorferiは、 器官への脈管内皮散在の前に複製する。典型的には、環状に広がる皮膚病変であ る遊走性紅斑は、ダニのかみ傷の部位から形成される。ライム病の初期の症候は 流感様であり、そして疲労および嗜眠を含み得る。未処置のままであると、ライ ム病は、皮膚、関節、心臓、および中枢神経系を含む慢性の多全身性疾患を発生 し得る。 真皮に産みつけられると、スピロヘータは組み合わせられ、コラーゲン繊維と 会合し、そこでコロニーを形成するようである。皮膚は、スピロヘータ陽性培養 の最も調和した部位である。持続した感染において、皮膚は複製のための保護的 な壁がんを提供し、それによってそれに続く他の組織への分布のためのスピロヘ ータの貯蔵所として作用する。 B.burgdorferiが他の器官へ広がるので、この生物はまた、これらの組織の細 ら、1993)、心臓(Zimmerら、1990)、および筋肉(Bartholdら、1992;Duray 、1992)を含むいくつかの器官において、B.burgdorferiスピロヘータは、主と してコラーゲン繊維との密接な会合が見られる。このことは、この会合が感染の 異なる段階における組織接着の重要なメカニズムであることを示唆する。B.bur gdorferiのコラーゲン繊維との会合は数名の研究者により既に報告されているが 、寄与し得る分子メカニズムは知られていない。ライム病は、代表的には、抗生 物 質で処置され、これは一般的に、病気の初期段階に有効である。心疾患、関節炎 、および神経系疾患を含む、より後の段階は、しばしば非応答性である。 1.2.2 ライム病の予防のための現存のワクチン B.burgdorferiの外表面上に存在するいくつかのタンパク質が同定されており 、OspA(31kDa)、OspB(34kDa)、OspC(22kDa)、OspD、OspE、およびOspFが 挙げられる。実験室での研究は、B.burgdorferi外表面タンパク質A(OspA)と 反応する受動投与された抗体(Schaibleら、1990)、または組換えOspAでの免疫 法(Fikrigら、1990)は、インビトロ増殖されるかまたはダニが産するB.burgd orferiでのチャレンジ(challenge)からマウスを保護する。ライムボレリア症 の齧歯類モデルにおける実験的OspAワクチンの保護効果に大きく基づいて、3つ の一価OspAに基づくワクチンが、現在臨床試験中である。しかし、最近の知見は 、ヒトの広い持続した保護が、OspAのみに基づくワクチンで達成することが困難 であり得ることを示唆する。 しかし、3つの観察は、Osp-Aに基づくワクチンが、ヒトにおいてライム病を 処置することの効力を制限していることを示し得ることを示唆する: a) B.burgdorferiによるOspA発現の調節が、ダニ中腸に存在するスピロヘー タに対するOspA特異的抗体の作用部位を制限し得る。なぜなら、これらの抗体が 感染後すぐには無効であるからである; b) OspAサブユニットワクチンに対するヒト免疫応答が、レベルまたは期間に おいて齧歯類の免疫応答に匹敵していない;および c) OspAは、特に、ヨーロッパおよびアジアのB.gariniiおよびB.afzelii単 離物の中で、血清学的に多様である。OspAモノクローナル抗体(mAb)およびDNA 配列分析のパネルの反応性は、7つもの異なるOspA亜群が区別され得ることを示 している(Wilskeら、1991;1993)。 さらに、これらの変異は、明らかに、OspAワクチンとともに予期される交差保 護に影響を及ぼす。交差保護は、免疫適応マウスモデルを用いて1群により見ら れた(Fikrigら、1995)が、交差保護は、他により用いられるSCIDマウスまたは ハムスターモデルにおいて、弱いかまたは存在しなかった(Schaibleら、1993; Lovrichら、1995)。さらなる関連は、10%ものB.burgdorferi単離物が培養物 中でOspAを発現しないことである(Wilskeら、1991;1993)。 罹患した患者における免疫応答の刺激用の抗原としてのOspAの使用についての 別の問題は、OspAタンパク質が、ヒトにおいて免疫原性が乏しいか、あるいは感 染の後期までインビボでB.burgdorferiによって発現されないかのいずれかであ るという事実である。ダニのかみ傷または低用量の培養されたB.burgdorferiに より感染したライム病患者、マウス、ハムスター、およびイヌは、感染後のかな りの月数の間、実質的な抗OspA免疫応答を備えないが、これらは他のB.burgdor feri抗原(フラゲリン、OspCなど)に対する初期応答を備える(Steere、1989; BartholdおよびBockenstedt、1993)。OspAはダニの中のB.burgdorferiにより 発現される(Barbourら、1983)が、感染後初期の組織中のBorreliaにおけるOsp Aの検出は困難である。OspA抗体でのマウスの受動免疫法(Schaibleら、1990) 、またはチャレンジ後の組換えOspAでの免疫法は、感染を排除せず、そして部分 的にのみ病気を変えるのみである。 不運にも、OspA免疫されたマウスは、感染したマウスからの皮膚生検移植物の 形態で送達された宿主適合したスピロヘータでのチャレンジから保護される(Ba rtholdら、1995)。細菌は、感染が広がるようになる場合、より後期の段階での みインビボでOspAを発現するようである。これは、ダニによる摂食の開始直後の BorreliaによるOspA発現のダウンレギュレーションにより説明される。 最近の刊行物(de Silvaら、1996)では、OspA特異的抗体がBorreliaで感染し たダニの付着前またはその時にマウスに投与されたとき、これらのマウスはスピ ロヘータ感染から保護されたことが証明されている。しかし、OspA特異的抗体が ダニの付着後48時間に投与されたときには、保護は観察されなかった。 摂食中のダニでのBorrelia抗原発現の調節は、最近、OspCについて報告されて いる;休眠中のダニにおいては最初は低く、OspCレベルは、ダニの摂食の開始後 B.burgdorferiにおいて上昇する(Schwanら、1995)。OspCは有望なインビボ標 的であるようであり得るが、その高レベルの抗原変異はワクチンとしての開発を 複雑にする(ProbertおよびLeFebvre、1995)。 B.burgdorferiのインビトロ培養は、OspAおよびOspCの遺伝子が逆に調整され ることを示唆する。数人の研究者の予備知見は、ダニの摂食の開始後にOspAレベ ルが同様に低下することを示唆する。これらの知見が確認されると、OspA抗体は 、ダニにおけるOspA発現Borreliaに対して効果的であるために、ダニがかむ前に ヒトまたは動物宿主中に高レベルで予め存在する必要があり、そしてダニ唾液の 免疫抑制成分の環境内の皮膚中へのスピロヘータの送達に際して追加投与をほと んどまたは全く受け得ない(Uriosteら、1994)。 最近の刊行物(Telfordら、1995)は、マウスモデルにおけるヒトライム病ワ クチン処方物の効力を記載する。その著者らは、「OspAに対する循環抗体の力価 は、抗スピロヘータ免疫の作用の独特の様式のため、保護を精密に決定し、ここ で、抗体または他のエフェクターは、病原体の接種前に、感染しているダニの腸 内での伝染のプロセスを妨害する」ことを推測する。この仮説に一致して、抗Bo rrelia血清が、Borrelia感染したダニによる摂食の開始後2日以内に投与される 場合、ダニのかみ傷による感染からマウスを保護し得るが、より後の時期に受動 投与された場合は保護し得ないことを示した(Shihら、1995)。フェーズII臨床 試験で今日まで見られる組換えOspAサブユニットワクチン接種に対する抗体レベ ルは、血清ELISA力価<3,000で調節されており、そして5カ月以内にベースライ ンレベル近くまで低下する(Kellerら、1994)。これらの研究の結果は、ライム 病に対する保護ワクチンを達成するために、さらなる抗原を含むことが必要であ ることを示す。 1.3 先行技術における欠点 細菌性疾病の処置へのいくつかのアプローチがいくつか成功しているが、多く の問題が残り、これには、抗生物質耐性、抗原の変異による種と種変異体との間 の抗原の変異性、ならびに、幼若な子供の患者、年輩の患者、および他の免疫無 防備状態の患者のような感染しやすい群を保護する必要が挙げられる。従って、 B.burgdorferiに対する有効な処置の迅速な必要、およびライム病の原因因子に 対するワクチンが存在する。 試みが、B.burgdorferiに対する保護を与えるためのワクチンとしてOspを利 用するために行われているが、結果は期待はずれであった。これらのタンパク質 は、株特異性、例えば、単離物中および異なる継代物中の変動、および株間の交 差保護のいくらかの不足を証明したので、それらのワクチンとしての可能性のあ る使用は非常に制限されたままである。 現在公知の抗原は、広いスペクトルのB.burgdorferi株にわたる保護免疫応答 を誘起するために十分ではないので、新規な予防および処置方法、ならびに広い スペクトルの免疫応答を誘起し得る新規な抗原、ならびにライム病の予防、処置 、および診断のための有用な診断方法を開発する差し迫った必要があることが継 続している。 2.発明の要旨 本発明は、非抗生物質ストラテジーを用いるライム病の処置における新規組成 物およびそれらの使用方法を提供することによる、先行技術に固有の1つ以上の これらのおよび他の欠点を克服する。宿主細胞のECM成分であるDcnへのB.burgd orferi結合の阻害により媒介されるライム病の処置における、新規ペプチドおよ び抗体組成物の使用のための方法を開示する。新規な天然のおよび部位特異的に 改変されたDBP組成物、ならびにB.burgdorferi、B.afzeliiおよびB.garinii からのDBP由来のエピトープペプチドを用いる、B.burgdorferiおよび関連のBor relia(B.afzeliiおよびB.gariniiを含む)に対する能動および受動免疫のた めの方法もまた開示する。本発明の特定の局面は、これらのペプチドおよびエピ トープをコードする新規の核酸セグメント、ならびに種々の診断および治療レジ メにおけるこのような核酸セグメントの使用方法に関する。 B.burgdorferi DBPの生化学的および免疫学的特徴付けは、このタンパク質を 含むライム病ワクチンが、OspAに関連する先行技術の制限を克服し、そして、確 かに、OspAのみを含むワクチンよりも優れていることを示す。詳細には、本発明 は以下を開示する: (1) B.burgdorferi sensu stricto由来のDBPと反応する抗体がまた、B.gar iniiおよびB.afzeliiの多くの株に対して増殖阻害するので、DBPの血清学的変 異はOspAの変異より少ない; (2) 全長DBPまたは組換え短縮型キメラDBPのいずれかを用いるマウスの免疫 は、異種のB.burgdorferi株でのチャレンジに対して保護する; (3) DBP297に対する抗血清は、いくつかのさらなる異種のB.burgdorferi、B . afzelii、およびB.garinii株に対する完全なまたは部分的ないずれかの保護 を提供する; (4) DBPに対する抗体(FAbフラグメント)は、組換えE.coli発現DBPのデコ リンへの結合をブロックする;および (5) B.burgdorferi株297からのdbp遺伝子を用いて、PCRTM技術の利用によっ て、B.garinii、B.japonica、B.afzelii、および関連のBorrelia spp.を含む ライム病スピロヘータの異なる系統発生学的群に存在するこの遺伝子の対立遺伝 子の分子クローンを同定および単離する。これらの新しいdbp対立遺伝子は、297 株からのDBPとの高レベルの配列同一性を有することが示された。種々のDBP中の 重要な血清学的差異の徴候が見られており、これは、すべての臨床的に関連する B.burgdorferi株の完全ワクチンの適用範囲を達成するために、複数のDBP抗原 カクテルを処方する必要があり得ることを示唆する。 2.1 dbp核酸組成物 本発明は、DBPをコードする核酸配列を提供する。本明細書で用いられる、dbp 遺伝子とは、DBPタンパク質をコードする核酸配列を意味する。dbp遺伝子をコー ドする好ましい核酸配列は、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14 、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、および配列 番号26のヌクレオチド配列であり、そして最も好ましくは、B.burgdorferiのdb p遺伝子の約0.6-kbオープンリーディングフレームのヌクレオチド配列(配列番 号8)、またはその株変異体またはその活性フラグメントである。DBPをコード する遺伝子が株毎の核酸配列で変化するが、核酸配列中の変化が、厳しいハイブ リダイゼーション条件下で各株のDBPをコードする配列間のハイブリダイゼーシ ョンを排除しないことが予期される。 本明細書で用いられる、DBPの株変異体とは、297株、B31株、Sh.2.82株、HB-1 9株、PGau株、IP90株、LP4株、LP7株、およびJD1株のDBPをそれぞれコードする 配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、 配列番号22、配列番号24、または配列番号26の核酸配列に、厳しいハイブリダイ ゼーション条件下でハイブリダイズする核酸配列によって全体または一部がコー ドされる、あらゆるポリペプチドを意味する。DBPの株変異体が、配列番号7、 配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、 配列番号22、配列番号24、または配列番号26の核酸配列、そして好ましくはB.b urgdorferi 297 DBPをコードする0.6-kbオープンリーディングフレーム(配列番 号8)由来の核酸配列を用いて増幅され得る核酸配列によりコードされるそれら のタンパク質を含むことが、当業者には理解される。 配列番号7は、pBlueScriptTMベクター中にクローニングされたBorreliaゲノ ムDNAの2.5-kbインサートの完全ヌクレオチド配列を含む。この組換えクローン は、BG26:pB/2.5(5)と命名され、E.coli JM101株中でアメリカンタイプカルチ ャーコレクションに寄託されており、そしてATCC受託番号ATCC69791が付与され ている。2.5-kbのDNAインサート内の1471〜2031位の範囲には、B.burgdorferi dbp遺伝子を含む約0.6-kbオープンリーディングフレーム(配列番号8)が含ま れる。187アミノ酸の遺伝子産物の推定アミノ酸配列は、配列番号9に同定され る。 関連の実施態様では、本発明はまた、DBPの株変異体およびDBPをコードするdb p遺伝子を含む。株変異体は、DBPを特異的にコードする、B.burgdorferiの種々 の株、ならびにB.afzeliiおよびB.gariniiを含む関連のBorreliaにより発現さ れる核酸組成物およびポリペプチド組成物である。これらのDBPはまた、Dcnおよ び関連のプロテオグリカンと結合し、そして配列番号7および配列番号8の核威 配列によりコードされるB.burgdorferi 297株のDBP、ならびに、B.burgdorfer iのB31株、Sh.2.82株、HB-19株、LP4株、LP7株、およびJD1株(それぞれ、配列 番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号22、配列番号24、および配列番号26 );B.afzeliiのpGau株(配列番号18);またはB.gariniiのIP90株(配列番号2 0)の関連のBorrelia DBPと、構造および機能の類似性を共有する。 本発明の局面は、本明細書に記載の診断方法およびキットを用いるこのような 株変異体の同定に関する。特に、ウエスタンブロットまたは関連の分析において 核酸ハイブリダイゼーションプローブおよび/または抗DBP抗体としてdbp遺伝子 配列を利用する方法は、このような株変異体の同定に有用である。DBPの可能性 のある株変異体の同一性は、例えば、標識されたDcnを用いるブロット分析によ る、Dcn結合アッセイにより確認され、あるいは、B.burgdorferiならびにB.af zeliiおよびB.gariniiを含む関連のBorreliaのDcnへの接着を低減または防止す る、株変異体DBPの能力を証明することにより確認される。 本明細書で用いられる、DBPとは、B.burgdorferiまたは同様にライム病を誘 導しDcnと結合する能力を有する類似の種に由来する、株変異体またはその活性 フラグメントを含む精製および単離されたタンパク質を意味する。好ましくは、 DBPは、297株の図10A(配列番号10)および図10B(配列番号11)に示すB.burgd orreri DNAインサート内に含まれる核酸配列によりコードされる組換えタンパク 質であり、そして最も好ましくは、図11(配列番号9)のアミノ酸配列を含む。 他の好ましいDBPをコードするDNA配列は、図12(配列番号12)、図13(配列番号 14)、図14(配列番号16)、図15(配列番号18)、図16(配列番号20)、図17( 配列番号22)、図18(配列番号24)、または図19(配列番号26)に示す配列、あ るいはBorrelia DBPのすべてまたは一部をコードする株変異体またはその活性フ ラグメントである。 本発明では、DBPはまた、B.burgdorferi、B.garinii、B.afzelii、または関 連のBorrelia spp.に対して生成される抗体、特に、配列番号7、配列番号8、 配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、 配列番号24、または配列番号26、のいずれかの核酸配列によりコードされる任意 のDBP、あるいはその株変異体に対して生成される抗体、と免疫学的に反応する ポリペプチドを意味することが理解される。 同様に、DBPは、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番 号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26、 に含まれる核酸配列によりコードされるDBP、あるいはその株変異体と免疫学的 に反応する抗体を誘起し得るポリペプチドを意味することが理解される。 あるいは、DBPは、処置された動物において免疫応答を誘起するポリペプチド であり得、この免疫応答は、ライム病または関連のボレリア症に関連する症状疾 患を低減または防止するために有効であり、このポリペプチドはまた、配列番号 7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号 20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26のいずれかの核酸配列によりコ ードされるDBPと、またはその株変異体と、免疫学的に反応する抗体を誘起し得 る。 本明細書で用いられる、DBPの活性フラグメントは、従来の技法により、例え ば、付加、欠失、または置換により改変されるDBPを含むが、その活性フラグメ ントは、本明細書中に記載されるようなDBPと実質的に同じ構造および機能を示 す。例えば、B.burgdorferiのDcnへの接着を阻止するために必要とされないタ ンパク質の部分は、欠失または変更され得る;タンパク質への付加は、従来の方 法に従って、タンパク質の抗原性を増強するために作成され得る。 本明細書で用いられる、ライム病に対する保護を与えるDBPとは、B.burgdorf eriのDcnへの接着を防止または低減する、あるいは、B.burgdorferi感染に関連 する疾病(遊走性紅斑、関節炎、心臓炎、神経学的疾病、および任意の他のライ ム病関連疾病を含む)のいずれかの重篤度を防止または低減するDBPまたはその フラグメントを意味する。 本発明の他の局面は、DBPをコードする単離されたDNAセグメントおよび組み換 えベクター、ならびに、DBP遺伝子産物を発現するDNA技術の適用による組換え宿 主細胞の生成および使用に関する。このように、本発明は、配列番号9、配列番 号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番 号25、または配列番号27由来の連続する配列に本質的に記載されるようなアミノ 酸配列を含む、タンパク質またはペプチドをコードする単離された遺伝子を含む DNAセグメントに関する。これらのDNAセグメントは、配列番号7(図10A[配列 番号10]および図10B[配列番号11])由来の連続する配列に本質的に記載され るような核酸配列を含むDNAセグメントにより、およびまた、図12、図13、図14 、図15、図16、図17、図18、および図19で同定されたヌクレオチド配列により表 される。配列番号9(図11)、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号 19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、および配列番号27のアミノ酸配列に より本質的に記載されるアミノ酸配列を有する精製されたタンパク質を含む組成 物もまた、本発明に包含される。 新規タンパク質DBPについて、本発明はDNAセグメントに関し、これは、実質的 に任意の細菌供給源から単離され得、すべてのゲノムDNAを含まず、そしてDBP様 活性を有するタンパク質をコードする。DBP様種をコードするDNAセグメントは、 タンパク質、ポリペプチド、サブユニット、機能的ドメインなどをコードするこ とを証明し得る。 本明細書で用いられる、用語「DNAセグメント」は、特定の種のすべてのゲノ ムDNAを含まない単離されているDNA分子をいう。従って、DBPをコードするDNAセ グメントとは、DBPコード配列を含むが、しかしそのDNAセグメントが得られる種 のゲノムDNA全体から単離され、またはそれを含まないように精製されるDNAセグ メントをいう。用語「DNAセグメント」の範囲内には、DNAセグメントおよびこの ようなセグメントのより小さいフラグメントが包含され、そしてまた、例えば、 プラスミド、コスミド、ファージミド、ファージ、ウイルスなどを含む組換えベ クターも包含される。 同様に、単離または精製されたDBP遺伝子を含むDNAセグメントとは、DBPコー ド配列を含むDNAセグメントを、そしてある局面では、他の天然に存在する遺伝 子またはタンパク質コード配列から実質的に単離された調節配列をいう。この点 に関して、用語「遺伝子」は、機能的タンパク質、ポリペプチド、またはペプチ ドをコードするユニットをいうために、単に、使用される。当業者により理解さ れるように、この機能的用語は、ゲノム配列、ゲノム外およびプラスミドでコー ドされる配列、およびタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを発現し、あ るいは発現するために適合され得るより小さい操作された遺伝子セグメントの両 方を含む。このようなセグメントは、天然に単離され、またはヒトの手により合 成的に改変され得る。 「他のコード配列から実質的に単離された」とは、目的の遺伝子、この場合、 DBPをコードする遺伝子が、DNAセグメントのコード領域の重要な部分を形成する こと、およびDNAセグメントが、大きな染色体フラグメントあるいは他の機能的 遺伝子またはポリペプチドコード領域のような、天然に存在するコードDNAの大 部分を含まないことを意味する。もちろん、これは、初めに単離されたようなDN Aセグメントをいい、そしてヒトの手によりセグメントに後で加えられた遺伝子 またはコード領域を排除しない。 特定の実施態様では、本発明は、単離されたDNAセグメント、およびDBP種をコ ードするDNA配列を組み込んでいる組換えベクターに関し、このDBP種は、そのア ミノ酸配列内に、配列番号9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号 19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、または配列番号27のいずれかに本質 的に記載されたアミノ酸配列を含む。他の特定の実施態様では、本発明は、単離 されたDNAセグメント、およびDNA配列を組み込んでいる組換えベクターに関し、 これらのDNA配列は、その配列内に、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配 列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、ま たは配列番号26に本質的に記載されるヌクレオチド配列を含む。 用語「配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列 番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26に本質的に記 載された配列」とは、配列が、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号 14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配 列番号26のいずれかに挙げるDNA配列の一部に実質的に対応し、そして配列番号 9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号 23、配列番号25、または配列番号27のアミノ酸と同一でない、またはこれらと生 物学的に機能的等価でない、アミノ酸を比較的ほとんど有さないことを意味する 。用語「生物学的に機能的等価」は当該分野で十分に理解されており、そして本 明細書中に詳細にさらに定義される(例えば、例示的実施態様を参照のこと)。 従って、配列番号9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列 番号21、配列番号23、配列番号25、または配列番号27のアミノ酸と同一または機 能的に等価であるアミノ酸を、約70%と約80%との間、またはより好ましくは約 81%と約90%との間、またはよりさらに好ましくは約91%と99%との間で有する 配列は、「配列番号9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配 列番号21、配列番号23、配列番号25、または配列番号27に本質的に記載される」 配列である。 特定の他の実施態様では、本発明は、配列番号7、配列番号8、配列番号12、 配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、 または配列番号26に本質的に記載される核酸配列をそれらの配列内に含む、単離 されたDNAセグメントおよび組換えベクターに関する。用語「配列番号7、配列 番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列 番号22、配列番号24、または配列番号26に本質的に記載される」は、上記と同じ 意味で用いられ、そして、核酸配列が、配列番号7、配列番号8、配列番号12、 配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、 または配列番号26の一部に実質的に対応し、そして配列番号7、配列番号8、配 列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配 列番号24、または配列番号26のコドンと同一ではなく、または機能的に等価では ないコドンを比較的ほどんど有さないことを意味する。さらに、DBP様活性を示 すタンパク質をコードするDNAセグメントが最も好ましい。 配列が、タンパク質発現が関連する場合の生物学的なタンパク質活性の維持を 含む上記の基準を満たす限り、アミノ酸および核酸配列は、さらなるN末端もし くはC末端アミノ酸または5'もしくは3'配列のようなさらなる残基を含み、そし てさらに、本明細書中に開示される配列の1つに本質的に示され得ることもまた 、理解される。末端配列の追加は、例えば、コード領域の5'または3'部分のいず れかに隣接する種々の非コード配列を含み得るか、あるいは種々の上流または下 流の調節または構造遺伝子を含み得る核酸配列に、特に当てはまる。 当然、本発明はまた、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配 列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号 26に記載の配列に相補的または本質的に相補的なDNAセグメントを包含する。「 相補的」である核酸配列は、標準的なワトソン-クリック相補性規則に従って塩 基対を形成し得る配列である。本明細書に記載される、用語「相補的配列」とは 、上記と同じヌクレオチド比較により評価され得るように、あるいは配列番号7 、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20 、配列番号22、配列番号24、または配列番号26の核酸セグメントに本明細書に記 載のような比較的ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得ると定義され るように、実質的に相補的である核酸配列を意味する。 本発明の核酸セグメントは、コード配列自体の長さに関わりなく、プロモータ ー、ポリアデニル化シグナル、追加の制限酵素部位、複数のクローニング部位、 他のコードセグメントなどのような他のDNA配列と組み合わせられ得、そのため その全体の長さはかなり変化し得る。従って、ほとんど任意の長さの核酸フラグ メントが用いられ得、その場合、好ましくは、意図された組換えDNAプロトコル における調製および使用の容易さにより好適に制限されていることが意図される 。例えば、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配 列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26と同一また はこれに相補的な短い連続する範囲(例えば、約14ヌクレオチド)を含む核酸フ ラグメント、および約10,000塩基対まで、または約5,000塩基対の長さで、特定 の場合には約3,000塩基対のセグメントが好ましい核酸フラグメントが調製され 得る。約2,000、約1,000、約500、約200、約100、および約50塩基対長の全長を 有するDNAセグメント(すべての中間の長さを含む)もまた、有用であることが 意図される。 この文脈において、「中間の長さ」が、引用された範囲の内の任意の長さを意 味することは、容易に理解される。例えば、14、15、16、17、18、19、20など; 21、22、23など;30、31、32など;50、51、52、53など;100、101;102;103な ど;150、151、152、153などであり;200〜500;500〜1,000;1,000〜2,000;2, 000〜3,000;3,000〜5,000;5,000〜10,000の範囲中のすべての整数、約12,001 、12,002、13,001、13,002などの配列までおよびそれらを含む。 本発明が、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号12、 配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、 または配列番号26に開示される特定の核酸配列、あるいは配列番号9、配列番号 13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号 25、または配列番号27に開示されるアミノ酸配列に限定されないことも、理解さ れる。従って、組換えベクターおよび単離されたDNAセグメントは、DBPコード領 域自体、基本的なコード領域中の選択された変更または改変を有するコード領域 を種々に含み得、あるいは、これらは、DBPコード領域を含むより大きなポリペ プチドをコードし得るか、または変異体アミノ酸配列を有する生物学的に機能的 等価なタンパク質もしくはペプチドをコードし得る。本発明のDNAセグメントは 、 生物学的に機能的等価なDBPタンパク質およびペプチド、特に原核生物供給源、 特に細菌から単離されたDBPタンパク質を包含する。Dcnと結合することが示され るBorrelia種および関連の細菌から単離されたDNAセグメントは、本明細書中に 開示される方法における使用に特に好適である。このような配列は、核酸配列お よびこのようにコードされるタンパク質内に天然に存在することが公知であるコ ドン縮重および機能的等価性の結果として生じ得る。あるいは、機能的に等価な タンパク質またはペプチドは、組換えDNA技術の適用により生成され得、この場 合、タンパク質構造中の変化は、交換されているアミノ酸の特性の考察に基づい て操作され得る。当業者により設計される変化は、例えば、タンパク質の抗原性 を改良するために、または分子レベルでの活性を調べるための変異体をテストす るために、部位特異的変異誘発技術の適用により導入され得る。 所望であれば、例えば、DBPコード領域が、同じ発現単位内に、例えば、精製 または免疫検出の目的のための所望の機能を有する他のタンパク質またはペプチ ド(例えば、それぞれ、アフィニティークロマトグラフィーにより精製され得る タンパク質および酵素標識コード領域)とともに配置される場合、融合タンパク 質およびペプチドもまた調製し得る。 組換えベクターは、本発明のさらなる局面を形成する。特に有用なベクターは 、全長タンパク質またはより小さいペプチドのいずれかをコードするにも関わら ず、DNAセグメントのコード部分がプロモーターの制御下に位置するベクターで あることが意図される。プロモーターは、例えば、本明細書に開示された組成物 と関連して組換えクローニングおよび/またはPCRTM技術を使用して、コードセ グメントの上流に位置する5'非コード配列を単離することにより得られ得るよう な、DBP遺伝子と天然に関連するプロモーターの形態であり得る。 他の実施態様では、特定の有利点が、組換えまたは異種プロモーターの制御下 にコードDNAセグメントを配置することにより獲得されることが意図される。本 明細書で用いられる場合、組換えまたは異種プロモーターは、その天然の環境に おいてDBP遺伝子と通常は関連しないプロモーターをいうことを意図する。この ようなプロモーターには、他の遺伝子と通常関連するDBPプロモーター、および /または任意の細菌、ウイルス、真核生物、または哺乳動物細胞から単離される プロモーターが挙げられ得る。当然、発現用に選択された細胞タイプ、生物、ま たはさらに動物中でのDNAセグメントの発現を効果的に指示するプロモーターを 用いることが重要である。タンパク質発現のためのプロモーターと細胞タイプの 組み合わせの使用は、分子生物学の当業者に一般的に公知である(例えば、Samb rookら、1989を参照のこと)。用いられるプロモーターは、構成的または誘導的 であり得、そして、組換えタンパク質またはペプチドの大規模産生において有利 であるように、導入されたDNAセグメントの高レベルの発現を指示するための適 切な条件下で用いられ得る。 本発明の核酸セグメントの原核生物発現は、当業者に公知の方法を用いて行わ れ得、そして発現ベクター、およびtac、trp、lac、lacUV5、またはT7により提 供されるようなプロモーター配列を含み得る。組換えDBPタンパク質の発現が真 核生物細胞で所望される場合、多くの発現系が入手可能であり、そして当業者に 公知である。高レベル発現における使用が期待される真核生物プロモーター系の 一例は、Pichia発現ベクター系(Pharmacia LKB Biotechnology)である。 組換えDBPおよびペプチドを調製するための発現実施態様に関連して、より長 いDNAセグメントが最も頻繁に使用され得ることが意図される。DBP全体または機 能的ドメイン、エピトープ、リガンド結合ドメイン、サブユニットなどをコード するDNAセグメントが最も好ましい。しかし、抗DBP抗体を生成するために用いら れ得るように、DBPペプチドまたはエピトープコア領域の発現を指示するより短 いDNAセグメントの使用もまた、本発明の範囲内に含まれることが理解される。 約15〜約100アミノ酸の長さ、より好ましくは約15〜約50アミノ酸の長さのペプ チド抗原をコードするDNAセグメントが、特に有用であることが意図される。 dbp遺伝子およびDNAセグメントはまた、動物における体細胞発現に関連して、 またはトランスジェニック動物の作製に用いられ得る。さらに、このような実施 態様では、全長または活性DBPタンパク質の発現を指示する組換えベクターの使 用が、特に意図される。動物におけるdbpトランス遺伝子の発現は、Dcnに対する Borrelia接着の防止、およびBorrelia侵入、特にB.burgdorferiによる侵入によ る感染の処置のための受動免疫方法における使用のための抗DBP抗体の産生に有 用であることが、特に意図される。 2.2 DBPの組換え発現 本発明はまた、単離されたdbp遺伝子の発現のための組換え宿主細胞に関する 。任意の宿主細胞がこの目的で実質的に使用され得るが、いくつかの利点がE.c oli、S.tyPhimurium、B.subtilis、または他のもののような細菌宿主細胞を用 いる点で見られ得ることが意図される。真核生物細胞における発現はまた、酵母 、昆虫、または哺乳動物細胞株に由来するような細胞であることが意図される。 これらの組換え宿主細胞は、「過剰発現」DBPタンパク質と関連して用いられ得 、すなわちB.burgdorferiで天然に見られるよりも発現レベルを上昇させる。 297株からのDBPに由来するまたは同様のアミノ酸配列のタンパク質は、Dcnに 対する親和性を有することが予測されており、そしてDcnを含むマトリクス上で のクロマトグラフィー、いわゆる「アフィニティークロマトグラフィー」により B.burgdorferiの他の構成成分または組換え宿主細胞から精製され得る。DBPは また、Dcnに対する親和性に頼ることなく、イオン交換クロマトグラフィー、サ イズ排除クロマトグラフィー、金属キレートクロマトグラフィーなどのような方 法論により精製され得る。緩衝剤、デタージェント、および他の条件は、「アフ ィニティークロマトグラフィー」に最適のものとは似ていなくてもよい。好まし い実施態様では、Dcnまたは関連のプロテオグリカンを含むアフィニティーマト リクスは、溶液からのDBPの単離、あるいは、未処理の(intact)細菌が発現す るDBPまたはさらにDBPを発現する細菌の膜フラグメントの単離に用いられ得る。 本発明の特定の局面は、組換えDBPまたはDBP由来ペプチド、これらのペプチド をコードする核酸セグメント、dbpまたはdbp由来DNAセグメントを含む組換えベ クターおよび形質転換した宿主細胞、dbpまたはdbp由来DNAセグメントを含む組 換えベクターおよび形質転換した宿主細胞、ならびにB.burgdorferi dbp由来DN Aセグメントを含む組換えベクターおよび形質転換した宿主細胞を利用するため の新規な方法を提供する。当業者に周知のように、多くのこのようなベクターお よび宿主細胞は容易に入手可能であり、哺乳動物細胞における発現に適切なベク ターの1つの特定の詳細な例は、米国特許第5,168,050号に記載されており、こ れは本明細書に参考として援用される。しかし、用いられるコーディングセグメ ントが目的のタンパク質またはペプチド(例えば、Borrelia由来のDBP、および 特にB.burgdorferi、B.afzelii、またはB.garinii由来のDBP)をコードし、 そして細胞に対して有害な影響を有するなんらかのコーディングまたは調節配列 を含まない限り、高度に精製されたベクターが用いられる必要はない。したがっ て、有用な核酸配列が、コーディング領域の5'または3'部分のいずれかに隣接す る追加の非コーディング配列のようなさらなる残基を含み得るか、あるいは種々 の調節配列を含み得ることもまた、理解される。 適切なエピトープをコードする核酸分子を同定した後、当該分野で現在公知の 多くのベクターのいずれか1つに挿入され得、それにより、宿主細胞に組み入れ られたとき、目的のタンパク質またはペプチドエピトープ(例えば、Borrelia由 来のDBP、および特にB.burgdorferi、B.afzelii、B.garinii、またはB.japo nica由来のDBP)の発現および産生を指示する。組換え発現ベクターにおいて、D NAセグメントのコーディング部分は、プロモーターの制御下に配置される。プロ モーターは、例えば、本明細書に開示された組成物とともに組換えクローニング および/またはPCRTM技法を使用して、コーディングセグメントの上流に位置す る5'非コーディング配列を単離することにより得ることができるような、DBPを コードする核酸セグメントと天然で関連するプロモーターの形態であり得る。米 国特許第4,683,195号および第4,683,202号(参考として本明細書に援用される) のPCRTM技法を用いる核酸の直接増幅は、このような方法論で有用であることが 特に意図される。 ある実施態様では、ある利点が、組換えまたは異種プロモーターの制御下にDB PをコードするDNAセグメントを配置することにより獲得されることが意図される 。本明細書で用いられる場合、組換えまたは異種プロモーターは、その天然の環 境においてdbpまたはdbp様遺伝子セグメントと通常は関連しないプロモーターを いうことを意図する。このようなプロモーターには、他のMSCRAMNをコードする 遺伝子と通常関連するプロモーター、および/あるいはあらゆる他の細菌、ウイ ルス、真核生物、または哺乳動物細胞から単離されるプロモーターが挙げられ得 る。当然、DBPをコードする核酸セグメントを含むベクターを含む特定の細胞に おけるDNAセグメントの発現を効果的に指示するプロモーターを用いることが重 要である。 タンパク質発現を達成するための組換えプロモーターの使用は、分子生物学の 分野の当業者に一般的に公知である(例えば、Sambrookら、1989を参照のこと) 。用いられるプロモーターは、構成的または誘導性であり得、そして、導入され たDNAセグメントの高レベルのまたは調節された発現を指示するための適切な条 件下で用いられ得る。真核生物発現について、現在好適なプロモーターは、CMV 、RSV、LTRのようなプロモーター、SV40プロモーター単独、およびSV40エンハン サーと組み合わせたSV40プロモーターである。好ましい実施態様では、組換えDB Pの発現は、原核生物発現系、および特にE.coliのような特定の細菌系を用いて 行われる。本発明の核酸セグメントのこのような原核生物発現は、当業者に公知 の方法を用いて行われ得、そしておそらく発現ベクターおよびlpp、lac、lrp、l ac、lacUV5、またはT7プロモーターにより提供されるようなプロモーター配列を 含む。 DBPおよびDBP由来エピトープの発現について、一旦適切な1つまたは複数のク ローンが得られると、それらがもとのままの配列であってもまたは遺伝学的に改 変されていても、DBPまたはDBP由来のペプチドの組換え調製物のための発現系を 調製し続け得る。原核生物系または真核生物系における発現についての1つまた は複数のDNAセグメント遺伝子の操作は、組換え発現の当業者に一般的に公知の 技法により行われ得る。実際に、あらゆる発現系がDBPまたはDBP由来のエピトー プの発現に用いられ得ると考えられる。 あるいは、ある実施態様では、真核生物発現系においてDBPまたはDBP由来のエ ピトープを発現することが所望であり得る。所望のDBPまたはDBP由来のエピトー プ(もとのまままたは変異誘発されたかのいずれか)をコードするDNA配列は、 β-ガラクトシダーゼ、ユビキチン、Schistosoma japonicumグルタチオンS-トラ ンスフェラーゼ、S.aureusプロテインA、マルトース結合タンパク質などとの 融合物として発現されるコードされたタンパク質とともに、細菌系において別々 に発現され得る。細菌発現が、それにより得られる物質の使用および量の容易さ の点から、真核生物発現を越える利点を最終的に有すると考えられる。 このようなエピトープをコードするDNAセグメントでの宿主細胞の形質転換が 、DBPまたはDBP由来のペプチドを得るための便利な手段を提供することが、提案 さ れる。宿主細胞が、当然、タンパク質への翻訳に機能的なmRNAを得るためにゲノ ム転写を処理するので、ゲノム配列は、真核生物発現に適切である。 ほとんど全ての真核生物発現系が、DBPおよびDBP由来のエピトープの発現に有 用であり得ることが、例えば、バキュロウイルスベースの系、グルタミンシンタ ーゼベースの系、またはジヒドロ葉酸レダクターゼベースの系が用いられ得るこ とが、同様に考えられる。好ましい実施態様では、pCMV5のようなpCMVシリーズ の真核生物ベクターにより例示されるような、複製起点および有効な真核生物プ ロモーターを導入しているプラスミドベクターが最も有益であることが意図され る。 この様式の発現については、コーディング配列をプロモーターに隣接し、そし てプロモーターの制御下に配置する。このようなプロモーターの制御下にコーデ ィング配列を置くために、選択されたプロモーターの約1と約50ヌクレオチドと の間の「下流に」(すなわち、3'に)タンパク質の転写リーディングフレームの 転写開始部位の5'末端を配置することが、当該分野で理解される。 真核生物発現が意図される場合、代表的には、元のクローニングされたセグメ ント内に含まれないならば、DBPまたはDBP由来のペプチドをコードする核酸配列 を含む転写単位中に適切なポリアデニル化部位(例えば、5'-AATAAA-3')を組 み入むこともまた所望される。代表的には、ポリA付加部位は、転写終結前の位 置でタンパク質の停止部位の約30〜2000ヌクレオチド「下流に」配置される。 実際に、通常用いられる宿主細胞のいずれかが、本明細書に従って、DBPおよ びDBP由来のエピトープの発現に関して用いられ得る。例としては、239、AtT-20 、HepG2、VERO、HeLa、CHO、WI38、BHK、COS-7、RIN、およびMDCK細胞株のよう な真核生物発現に代表的に用いられる細胞株が挙げられる。 DBP、またはもとのままのDBPまたは組換えDBP由来のエピトープペプチドが「 過剰発現」され得る、すなわち、ヒト細胞における天然の発現と比較して、また はDBPをコードするDNAセグメントを含む組換え宿主細胞における他のタンパク質 の発現とさらに比較して、上昇したレベルで発現されることが、さらに意図され る。このような過剰発現は、放射標識および/またはタンパク質精製を包含する 種々の方法によって評価され得る。しかし、簡単でかつ直接的な方法が好まし く、例えば、SDS/PAGEおよびタンパク質染色またはウエスタンブロッティング、 その後の、得られたゲルまたはブロットのデンシトメータースキャンのような定 量分析が含まれる。宿主細胞により産生される他のタンパク質に関して特定のタ ンパク質が比較的豊富であるので、例えば、ゲル上で見ることができるので、天 然のDBP産生細胞におけるレベルと比較して、組換えタンパク質または組換えペ プチドのレベルの特異的上昇は、過剰発現を示す。 本明細書で使用する用語「操作された」または「組換え」細胞は、DBPをコー ドする遺伝子のような組換え遺伝子が導入されている細胞をいうことが意図され る。したがって、操作された細胞は、組換えにより導入された遺伝子を含まない 天然に存在する細胞とは区別され得る。このように、操作された細胞は、人の手 により導入された1つまたは複数の遺伝子を有する細胞である。組換えにより導 入された遺伝子は、1つの構造遺伝子の形態であるか、構造遺伝子および隣接す るDNAを含む全体のゲノムクローンの形態であるか、またはプロモーター、調節 エレメント、または構造遺伝子自体の上流および/または下流のいずれかに配置 される遺伝子も含み得るオペロンまたは他の機能的核酸セグメントの形態である か、さらにまたは、目的の特定の構造遺伝子とは天然に関連しない遺伝子の形態 であるかのいずれかである。 1つ以上の前記の遺伝子の組換えバージョンの導入が必要である場合、操作す るために選択された細胞タイプにおいて遺伝子の発現を効果的に指示するプロモ ーターの制御下にあるように、遺伝子を導入することが重要である。一般に、目 的の遺伝子の構成的(定常)発現を可能にするプロモーターを用いることが望ま しい。通常使用される構成的真核生物プロモーターには、サイトメガロウイルス (CMV)プロモーター、ラウス肉腫長末端反復(LTR)配列、またはSV40初期遺伝 子プロモーターのようなウイルスプロモーターが挙げられる。これら構成的プロ モーターの使用は、導入された遺伝子の高い一定レベルの発現を確実にする。発 明者らは、目的の導入された遺伝子からの発現レベルが異なるクローン、あるい は異なる株または細菌から単離された遺伝子で変わり得ることに注目した。この ように、特定の組換え遺伝子の発現レベルは、各トランスフェクション実験に由 来する異なるクローンを評価することにより選択され得る;一旦株が選択される と、構成的プロモーターは、所望の発現レベルが永久に維持されることを確実に する。操作のために用いられる細胞タイプに特異的なプロモーター、例えば、イ ンスリノーマ細胞株におけるインスリンプロモーター、または脳下垂体前葉細胞 株におけるプロラクチンまたは成長ホルモンプロモーターを使用することも可能 であり得る。 2.3 dbp遺伝子組成物を使用するライム病の診断方法 ライム病の診断方法、および核酸組成物を使用する臨床的試料中のB.burgdor feriの検出もまた、本発明により提供される。DBPをコードする核酸配列は、従 来の技法を用いてテスト試料中のB.burgdorferi、ならびにB.afzeliiおよびB. gariniiを含む関連のBorreliaの存在を検出するための、診断プローブとして有 用である。Borrelial感染を診断するこのような方法において、dbp核酸セグメン トは、このような疾患を有する疑いのある患者からの臨床的試料内のdbp核酸セ グメントの存在を検出するためのサザンハイブリダイゼーション分析またはノー ザンハイブリダイゼーション分析に使用され得る。好ましい実施態様では、配列 番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号14、配列 番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26 のいずれかに開示された核酸配列は、このようなハイブリダイゼーション分析の ためのプローブとして好ましい。 2.4 免疫応答を産生するための方法 本発明のさらなる局面は、免疫学的組成物の調製であり、特に、B.burgdorfe ri、ならびにB.afzeliiおよびB.gariniiを含む関連のBorreliaにより引き起こ される感染の検出および処置に関する診断および治療方法のための、抗DBP抗体 である。 動物において免疫応答を生成する方法もまた開示される。この方法は、一般的 に、本明細書に開示される免疫学的有効量のペプチド組成物を含む薬学的組成物 を、動物に投与する工程を包含する。好ましいペプチド組成物は、配列番号9、 配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、 配列番号25、または配列番号27に開示されたDBPペプチドを含む。 本発明はまた、特定のワクチン処方物に用いられ得るように、DBPおよびDBP由 来のペプチド抗原組成物を、薬学的に受容可能な賦形剤、キャリア、希釈剤、ア ジュバント、ならびに追加のペプチド、抗原、または外膜調製物のような他の成 分とともに包含する。 本発明の核酸配列は、DBPをコードし、そして宿主への投与のための純粋な組 換えDBPを生成するために有用である。このような投与は、宿主の組織へのB.bu rgdorferiの付着を防止するために、または治療抗体を誘導するためのワクチン として有用である。 DBPに対して惹起されてDBPと反応性である抗血清が、種々のB.burgdorferi株 のインビトロおよびインビボ増殖に阻害性であることが、本明細書で示される。 したがって、危険性のある被験体へのDBPと反応性の抗体の投与が、ライム病の 予防に、およびライム病の治療のための感染した被験体の場合において、有効で あることが意図される。 抗体は、DBPで免疫した異種のドナー動物またはヒトボランティアにおいて惹 起した抗体、適合性のミエローマ細胞株と、DBP免疫化動物またはDBP免疫化ヒト 由来のB細胞との融合物に由来するハイブリドーマから得られるモノクローナル 抗体(mAb)、ヒト抗体をコードする遺伝子と異種由来のmAbをコードする遺伝子 の結合決定領域との遺伝子融合物の発現から生じるいわゆる「ヒト化」mAb、ま たはライム病の特有地域に属するヒトドナーからの血漿のDBP反応性抗体含有画 分を含む、いくつかのタイプであり得る。上記の技法のいずれかが抗体産生の目 的で被験体のワクチン接種に用いられ得ることが意図される。このような抗体の 最適投与は、処置される特定の種における特異的抗体集団の薬物動力学に非常に 依存的であるが、特有のボレリア株のインビトロ増殖の阻害に必要とされる少な くとも2倍のDBP反応性抗体の血清濃度を、これらの被験体中で維持するために 必要であることが推測される。これらの阻害抗体濃度に抗DBPレベルを維持する 投与期間が、B.burgdorferiへの推定曝露後少なくとも4〜8週間、またはライ ム病の徴候の期間全体を通しておよびこれらの徴候の休止後少なくとも4〜8週 間であることが意図される。 本明細書に記載のペプチド抗原を用いると、本発明はまた、免疫応答を生成す る方法を提供し、この方法は、一般的に、免疫学的有効量のDBPペプチド組成物 を含む薬学的に受容可能な組成物を動物に投与する工程を包含する。好ましい動 物には、哺乳動物、および特にヒトが挙げられる。他の好ましい動物には、マウ ス、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、およびネコが挙げられる。組成物は、天然または 組換え供給源から得られた部分精製されたまたは非常に精製されたDBPペプチド エピトープを含み得、このタンパク質またはペプチドは、天然に得ることができ るかまたは化学的に合成され得るかのいずれかであるか、あるいは、このような エピトープをコードするDNAセグメントを発現する組換え宿主細胞からインビト ロで産生され得る。約10と約50との間、またはさらに約50と約100との間のアミ ノ酸長のような反応性エピトープを含むより小さいペプチドが、しばしば好適で ある。抗原性タンパク質またはペプチドもまた、所望であれば、他のBorreliaペ プチドまたは核酸組成物のような他の因子と組み合わせられ得る。 「免疫学的有効量」とは、レシピエント動物において免疫応答を生成し得るペ プチド組成物の量を意味する。これは、抗体応答の生成(B細胞応答)、および /または細胞傷害性免疫応答の刺激(T細胞応答)の両方を包含する。このよう な免疫応答の生成は、有用な生物試薬、例えばCTL、およびより特定には、診断 実施態様における使用のための反応性抗体、の生成の両方に有用性を有し、そし て種々の予防または治療実施態様における有用性も有する。したがって、免疫応 答の刺激のためのこれらの方法は、DBPを発現するBorreliaまたは他の細菌によ り引き起こされる著しい感染を防止または低減するために設計されたワクチンレ ジメ法、ならびにあらゆる感染の重篤度または期間を低減し得る処置レジメを含 むが、これらの最後の結果のどちらも達成することが、本発明のこれらの局面を 実施することに必要ではないことが理解される。このような処置方法は、B.bur gdorferi、B.afzelii、B.garinii、関連のBorrelia種、およびDBPを発現してD cnに付着する他の細菌のような病原体により引き起こされる感染の処置に特に使 用され得る。 動物において免疫応答を生成するための本発明者らにより意図されるさらなる 手段は、DBPエピトープをコードする免疫学的有効量の核酸組成物を含む、ある いはこのような核酸組成物を含みそして発現する免疫学的有効量の弱毒化された 生きている生物を含む、薬学的に受容可能な組成物を、動物またはヒト被験体に 投与する工程を包含する。「免疫学的有効量」は、B細胞および/またはT細胞 応答を刺激し得る量である。 本発明の免疫処方物は、ワクチン接種、処置が意図されるか、あるいは、Borr elia、特にB.burgdorferiの検出に有用な抗体の生成、細菌付着の防止、または 細菌コロニー形成の場合、DcnのようなECM成分への細菌付着の促進が意図される るにかかわらず、これらのタンパク質からのもとのままの、または合成に由来す る抗原性ペプチドフラグメントを含み得る。このように、本明細書に記載のタン パク質およびペプチドの抗原性機能等価物も、本発明の範囲内にある。「抗原的 機能が等価な」タンパク質またはペプチドは、開示された特定のMSCRAMMタンパ ク質(例えば、DBP)および特にB.burgdorferiのDBPのいずれかに由来する1つ 以上のエピトープと免疫学的に交差反応するエピトープを組み込むものである。 抗原的機能等価物またはエピトープ配列は、まず設計あるいは推測され、次いで テストされ得、または交差反応性について単に直接テストされ得る。 適切なDBPエピトープ、および/または免疫処方物、ワクチンに、または単に 抗原としての使用に(例えば、検出プロトコルにおける使用に)適切なそれらの 機能等価物の同定または設計は、比較的簡単なことである。例えば、米国特許第 4,554,101号(参考として本明細書に援用される)で可能にされたようなHoppの 方法を用い得、これは親水性を基準としたアミノ酸配列からのエピトープの同定 および調製を教示する。いくつかの他の論文に記載された方法、およびそれに基 づくソフトウエアプログラムもまた、エピトープコア配列を同定するために使用 され得る。例えば、ChouおよびFasman(1974a,b;1978a,b;1979);Jamesonお よびWolf(1988);Wolfら(1988);ならびにKyteおよびDoolittle(1982)のす べてはこの主題を提出する。次いで、これらの「エピトープコア配列」のアミノ 酸配列は、ペプチド合成または組換え技法の適用のいずれかにより、ペプチド中 に容易に組み込まれ得る。 DBPのエピトープを組み込むより短い抗原性ペプチド(例えば、約25〜約50、 または約15〜25アミノ酸長)の使用が、ある状況において、例えば、ワクチンの 調製においてまたは免疫学的検出アッセイにおいて、利点を提供することが提案 される。例としての利点には、調製および精製の容易さ、比較的低コストおよび 生産の改良された再現性、および有利な生体分布が挙げられる。 なおさらなる実施態様では、本発明は免疫検出方法および関連するキットに関 する。本発明のタンパク質またはペプチドが、それとの反応性を有する抗体を検 出するために用いられ得ること、あるいは、本発明に従って調製された抗体がDB Pまたはペプチドを検出するために用いられ得ることが、意図される。いずれの タイプのキットはまた、臨床的試料中に存在する化合物の免疫検出に用いられ得 、これは、Borrelia特にB.burgdorferiにより引き起こされるライム病または関 連の感染を指標となる。このキットはまた、適切なように、抗原または抗体精製 に使用され得る。 一般に、好ましい免疫検出方法は、最初に、患者からの生物学的試料のような DBP反応性抗体を含むことが疑われる試料を得る工程、および、免疫複合体(1 次免疫複合体)の形成を可能にするために効果的な条件下で第1のDBPまたはペ プチドと試料とを接触させる工程を包含する。次いで、形成された任意の1次免 疫複合体の存在を検出する。 (1次)免疫複合体の形成を可能にするために効果的な条件下でDBPまたはペ プチドと選択された試料とを接触させる工程は、一般的に、タンパク質またはペ プチド組成物を試料に単に添加することである。次いで、添加された抗原が、試 料中に存在する任意の抗体との免疫複合体を形成する(すなわち、結合する)こ とを可能にするために十分な時間にわたり、混合物をインキュベートする。この 時間の後、試料組成物(例えば、組織切片、ELISAプレート、ドットブロット、 またはウエスタンブロット)は、一般的に、あらゆる非特異的結合抗原種を除去 するために洗浄され、検出される免疫複合体中に特異的結合種のみにする。 免疫複合体形成の検出は当該分野で周知であり、そして、当業者に公知のおよ び例えばNakamuraら(1987)(参考として本明細書に援用される)のような種々 の刊行物に記載された多くのアプローチの適用により達成され得る。1次免疫複 合体の検出は、一般的に、標識またはマーカーの検出に基づいており、例えば、 アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、およびグ ルコースオキシダーゼのような酵素タグとの、放射活性標識、蛍光標識、生物学 的標識、または酵素標識が、適切である。用いられる特定の抗原は、それ自体が 検出可能な標識に連結され得、次いで、この標識を簡単に検出し、それによって 測定される組成物中に存在する結合した抗原の量の決定が可能になる。 あるいは、1次免疫複合体は、検出可能な標識に連結されそして1次タンパク 質またはペプチドへの結合親和性を有する第2の結合リガンドによって検出され 得る。第2の結合リガンドは、それ自体しばしば抗体であり、したがって、「2 次」抗体と呼ばれ得る。1次免疫複合体は、2次免疫複合体の形成を可能にする ために効果的な条件下および十分な時間下で、標識された2次結合リガンドのま たは抗体と接触される。次いで、2次免疫複合体は、一般的に、あらゆる非特異 的結合標識2次抗体を除去するために洗浄され、そして次いで残りの結合標識が 検出される。 診断目的について、実際、目的の抗体を含むことが疑われる任意の試料が用い られ得ることが提唱される。例としての試料には、血液または血清試料、脳脊髄 液、滑液、または気管支肺胞液、耳綿棒分泌物、喀痰試料、中耳液のような患者 から得られた臨床的試料が挙げられ、またはおそらくさらに尿試料が用いられ得 る。これは、Borreliaおよび特にB.burgdorferiにより引き起こされるライム病 および関連の感染の診断を可能にする。さらに、このような実施態様が、例えば 、抗体試料の力価測定において、ハイブリドーマの選択においてなどのような、 非臨床試料への適用を有し得ることが意図される。あるいは、臨床的試料は、獣 供給源からであり得、そして、ウシ、ヒツジ、およびヤギのような家畜動物を含 み得る。ネコ、イヌ、およびウマ供給源からの試料もまた、本明細書に記載の方 法に従って使用され得る。 関連する実施態様では、本発明は、試料中のDBP特異的抗体の存在を検出する ために用いられ得るキットの調製を意図する。一般的にいえば、本発明に従った キットは、免疫検出試薬とともに適切なタンパク質またはペプチドを含み、およ びタンパク質またはペプチドおよび試薬を含ませる手段を含む。 代表的には、免疫検出試薬は、DBPまたはペプチドと結合される、または2次 結合リガンドと結合される標識を含む。例としてのリガンドには、第1のDBPま たはペプチドまたは抗体に対する2次抗体、あるいは結合した標識を有するビオ チンまたはアビジン(またはストレプトアビジン)リガンドが挙げられ得る。ヒ ト抗体への結合親和性を有する抗体に連結された検出可能な標識はまた、例えば 、第1の試薬がヒト試料からの反応性抗体に結合するために用いられるDBPペプ チドであるプロトコルについて、意図される。もちろん、上記のように、多くの 標識の例が当該分野で公知であり、そしてこのようなすべての標識は本発明と関 連して使用され得る。このキットは、十分に結合された形態で、中間体の形態で 、またはキットの使用者によって結合される別々の部分としてのいずれかで、抗 原または抗体標識結合体を含み得る。 容器手段とは、一般的に、その中に抗原が入れられ得る、そして好ましくは適 切に配置され得る、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シ リンジ、または他の容器手段を意味する。2次結合リガンドが提供される場合、 キットはまた、一般的に、このリガンドまたは抗体が入れられ得る2次バイアル または他の容器を含む。本発明のキットはまた、代表的には、例えば、所望のバ イアルが保持され得る射出または吹込成形プラスチック容器のような、市販の密 閉のバイアルを含む手段を含む。 2.5 Dcnに対する細菌接着を阻害するための方法 さらに、DBPは、DcnおよびDcnに構造的に類似したプロテオグリカン(例えば 、Lmn、Fmn、Epn、およびBgn)へのB.burgdorferiの接着を阻止する薬剤として 有用である。本発明の好ましい実施態様において、通常の方法により、治療的有 効用量のDBPを被験体に投与し、宿主組織に対するB.burgdorferiの接着を防止ま たは阻止する。DBPは、好ましくは、全身投与されるが、局所的に、例えば、局 在化した病巣に投与され得る。用語、治療的有効用量は、被験体へのB.burgdorf eriの接着を減少させるか防止するか、あるいはB.burgdorferi感染の既知の有害 作用を中和するに充分なDBPの量を意味し、そしてそれは、公知の臨床的方法に より決定される得る。組織に対して細菌が接着しないことにより、微生物の疾患 誘導作用を停止する。従って、本発明のDBPは、B.burgdorferiの接着を防止する 治療薬として有用であり、それによりこの微生物により誘導される疾患を減少ま た は防止する。 2.6 dbp遺伝子セグメントのためのプローブおよびプライマー DBPの発現を指示することにおけるそれらの使用に加えて、本明細書中に開示 される核酸配列はまた、それ以外にも様々に使用される。例えば、それらはまた 、核酸のハイブリダイゼーション実施態様におけるプローブまたはプライマーと しての有用性を有する。そういうものとして、配列番号7、配列番号8、配列番 号10、配列番号11、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番 号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26の14ヌクレオチド長の連続し た配列と同じ配列を有するか、またはそれらと相補的である、少なくとも14ヌク レオチド長の連続した配列からなる配列領域を含む核酸セグメントは、特定の有 用性を見出すことが意図される。より長く連続した同一または相補配列、例えば 、約20、30、40、50、100、200、500、1000(すべての中間の長さを含む)およ び全長配列までものそのような配列は、特定の実施態様において有用である。 このような核酸プローブがDBPコード配列に特異的にハイブリダイズし得るこ とは、それらが、あるサンプル中の相補配列の存在を検出することに有用であり 得る。しかし、それ以外の使用も考えられる。変異種プライマーの調製のための 配列情報の使用、または他の遺伝子構築物を調製する際に使用されるプライマー などである。 配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号14 、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列 番号26と同一かまたは相補的である、10-14、15-20、30、50のヌクレオチド、ま たは100-200ヌクレオチドでさえもの連続したヌクレオチド伸展部からなる配列 領域を有する核酸分子は、例えば、サザンブロッティングおよびノーザンブロッ ティングで使用するためのハイブリダイゼーションプローブとして特に意図され る。このことは、種々の細胞タイプおよび種々の細菌細胞の両方において、DBP の構造遺伝子または調節遺伝子の分析を可能にする。フラグメントの全サイズ、 ならびに相補伸展部のサイズは、最終的には、特定の核酸セグメントの意図され る使用または適用に依存する。より小さいフラグメントは、一般に、ハイブリダ イゼ ーション実施態様に用途を見出される。この場合、連続した相補領域の長さは、 例えば、約14〜約100ヌクレオチドの間で変化し得る。しかし、より長い連続し た相補伸展部は、検出したい相補配列の長さに応じて、使用され得る。 長さが約14-25ヌクレオチドのハイブリダイゼーションプローブの使用は、安 定で、かつ選択的である二重鎖分子の形成を可能にする。しかし、ハイブリッド の安定性および選択性を増加させ、それによって得られる特定のハイブリッド分 子の質および程度を改善するためには、長さが14塩基より大きい伸展部を覆う連 続した相補配列を有する分子が、一般に好ましい。一般には、15-25の連続した ヌクレオチド、または所望であればさらに長いヌクレオチドでさえもの遺伝子相 補伸展部を有する核酸分子を設計することが好ましい。 ハイブリダイゼーションプローブは、本明細書中に開示される任意の配列の任 意の部分から選択され得る。必要とされるすべてのものは、配列番号7、配列番 号8、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番 号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26に記載される配 列を検閲すること、およびプローブまたはプライマーとして利用したい長さが約 14-25ヌクレオチドから全長配列を含むものまでの配列の任意の連続した部分を 選択することである。プローブおよびプライマー配列の選択は種々の要因によっ て支配され得る。例えば、例としてのみではあるが、全体配列の末端付近に由来 するプライマーを利用し得る。 あるいは、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号12、 配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、 または配列番号26内からの連続した配列を含む核酸セグメントを選択し、そして 調製するプロセスは、核酸フラグメントの調製として記載され得る。勿論、フラ グメントはまた、他の技術、例えば、機械的なせん断または制限酵素消化により 得られ得る。小さな核酸のセグメントまたはフラグメントは、例えば、自動化さ れたオリゴヌクレオチド合成器を用いて広く実施されているように、化学的手段 によりフラグメントを直接合成することによって、容易に調製され得る。さらに 、フラグメントは、核酸再生産技術、例えば、米国特許第4,683,202号(参考と して本明細書中で援用する)のPCRTM技術の適用、組換え生産のための組換えベ クタ ー内への選択フラグメントの導入、および分子生物学の当業者に一般的に知られ ている他の組換えDNA技術により得られ得る。 従って、本発明のヌクレオチド配列は、完全なdbp遺伝子または遺伝子フラグ メントの相補伸展部と二重鎖分子を選択的に形成する能力のために、使用され得 る。考えられる適用に応じて、ハイブリダイゼーションの種々の条件を用いて、 標的配列に対するプローブの異なる程度の選択性を達成し得る。高い選択性が要 求される適用に関しては、典型的には、ハイブリッドを形成するために、比較的 ストリンジェントな条件を用いることが好ましい。例えば、比較的低い塩および /または高い温度の条件(例えば、50℃〜70℃の温度で約0.02M〜約0.15MNaCl により提供される)が選択される。このような選択的な条件は、プローブとテン プレートまたは標的鎖との間のミスマッチを、もし存在すれば、ほとんど許容せ ず、DBP遺伝子を単離するために特に適切である。 当然ながら、いくつかの適用に関して、例えば、存在するテンプレートにハイ ブリダイズする変異プライマー鎖を用いる変異体を調製したい場合、あるいは関 連する種、機能的等価物などからDBPコード配列を単離したい場合、典型的には 、より低いストリンジェントなハイブリダイゼーション条件が、ヘテロ二重鎖の 形成を可能にするために必要である。このような状況では、例えば、約0.15M〜 約0.9Mの塩、20℃〜55℃の範囲の温度の条件を用いることが好ましくあり得る 。それによって、クロスハイブリダイズする種が、コントロールハイブリダイゼ ーションに関して、ポジティブにハイブリダイズするシグナルとして容易に同定 され得る。任意の場合において、一般に、ハイブリダイゼーション条件は、ホル ムアルデヒドの増加量を添加することにより、よりストリンジェントにし得るこ とが理解される。ホルムアルデヒドは、温度を高めたときと同じ様式で、ハイブ リッド二重鎖を不安定化するように作用する。従って、ハイブリダイゼーション 条件は、容易に操作され得、従って、一般に、所望の結果に依存して選択される 方法である。 特定の実施態様において、ハイブリダイゼーションを決定するために、標識の ような適切な手段と組合せて本発明の核酸配列を用いることは有利である。広範 囲の適切な指標手段が当該分野で公知であり、それらには、蛍光、放射能、酵素 、 または他のリガンド(例えば、アビジン/ビオチン)が挙げられ、検出シグナル を生じ得る。好ましい実施態様において、放射能または他の環境的に好ましくな い試薬の代わりに、蛍光標識または酵素タグ(例えば、ウレアーゼ、アルカリホ スファターゼ、またはペルオキシダーゼ)を用いることが好ましいようである。 酵素タグの場合、ヒトの肉眼または分光学的に視認され得る手段を提供し、そし て相補的な核酸を含有するサンプルとの特異的なハイブリダイゼーションを同定 するために用いられ得る比色指標物質が公知である。 一般に、本明細書中に記載されるハイブリダイゼーションプローブは、溶液の ハイブリダイゼーションにおける試薬、ならびに固相を用いる実施態様における 試薬として、両方で有用であると考えられる。固相が関与する実施態様において 、試験DNA(またはRNA)は吸着されるか、そうでなければ、選択されたマトリッ クスまたは表面に固定される。次いで、この固定された一本鎖核酸を、所望の条 件下で、選択されたプローブとの特異的なハイブリダイゼーションに供する。選 択される条件は、必要とされる特定の基準に基づく特定の状況に依存する(例え ば、G+C含量、標的核酸のタイプ、核酸の供給源、ハイブリダイゼーションプロ ーブのサイズなどに依存する)。非特異的に結合したプローブ分子を除くために 、ハイブリダイズした表面を洗浄した後、特異的ハイブリダイゼーションを、標 識により検出し、またはさらに定量する。 2.7 抗DBP抗体組成物 好ましい実施態様において、治療有効用量のDBPの被験体への投与は、被験体 において抗体を誘導する。この抗体は、被験体に存在するBorrelia細菌(特に、 B.burgdorferi、B.garinii、B.afzelii、B.japonica、および関連するBorrelia spp.)に結合し、そしてそれらを中和し、それによってこの微生物の有害作用を 防止する。あるいは、第1の宿主動物で生成した抗Borrelia抗体、特に、抗B.bu rgdorferi抗体、抗B.garinii抗体、抗B.afzelii抗体、抗B.japonica抗体、およ び抗関連Borrelia spp.抗体は、B.burgdorfei、B.garinii、B.afzelii、またはB .japonica感染に対する受動的免疫化または処置のために第2の被験体に投与さ れ得る抗体を提供する。このような抗Borrelia抗体はまた、従来の免疫アッセイ 技 術を用いて、試験サンプル中のBorrelia、特に、B.burgdorferi、B.garinii、B. afzelii、B.japonica、または関連するBorrelia spp.の存在についての診断的ス クリーニングとして有用である。 本発明において、新規な核酸配列(配列番号7、配列番号12、配列番号14、配 列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、および配列番号 26)は、B.burgdorferiの297、B31、Sh.2.82、HB-19、LP4、LP7、およびJD1株; B.afzelii PGau株、およびB.garinii IP90株の新規なDBPをコードする。株変種 を、B.burgdorferi 297株の2.5kb挿入物(配列番号7)由来、そして好ましくは 、約0.6kbのオープンリーディングフレーム由来のオリゴヌクレオチドプローブ を用いて、B.burgdorferiの他の株または類似のライム病誘導細菌の核酸配列の 増幅により、調製し、そしてスクリーニングする。次いで、増幅手順から得られ るクローンをハイブリダイゼーションプローブとして用いて、株変種をコードす る全長核酸を単離する。あるいは、各株のDNAライブラリーを構築し、そしてDBP を発現するクローンを、例えば、Dcnに対するその親和性によりスクリーニング する。 特定の局面において、本発明は、Dcnの細菌への結合を阻害する新規な抗体組 成物に関する。特に、DBPに由来する天然および合成的に改変したエピトープに 対する抗体が開発されてきた。この抗体は、インビトロおよびインビボの両方で 、DcnのDBPへの結合を阻害する。特に、タンパク質、ペプチド、およびペプチド エピトープは、ライム病の予防に有用なワクチン組成物、およびDcnのBorrelia への結合の阻害に有用な抗体組成物を提供するために作製されている。 他の実施態様において、本発明は、Dcnの細菌細胞への結合を増強する抗体組 成物を包含する。これらの局面は、細胞表面のDBPエピトープを発現する、弱毒 化または無毒性Borreliaを有する動物宿主の細菌コロニーを作製する方法および 組成物を提供する 1つの局面において、本発明は、細菌のdbp遺伝子産物のDBPドメイン、特に、 B.burgdorferiのdbp遺伝子産物のDBPドメインと相互作用する抗体を開示する。 このような抗体は、モノクローナル、または好ましくはポリクローナルであり得 る。別の局面において、本発明は、細菌接着、および遺伝子産物のDcnへの結合 を阻害する抗体を開示する。 サンプル中の、DBPを発現する細菌を検出する方法もまた開示される。本方法 は、一般に、そのようなタンパク質を発現する細菌を含むことが疑われるサンプ ルを得る工程、次いで本明細書中に開示される抗体組成物とそのサンプルを接触 させる工程、および免疫複合体の生成を検出する工程を含む。好ましい実施態様 において、細菌は、Borreliaであり、最も好ましくは、B.burgdorferi、B.afzel ii、またはB.gariniiの株である。 2.8 免疫検出のキットおよび方法 本発明の別の局面は、本発明の抗体および適切な免疫検出試薬(例えば、タン パク質、ペプチド、または抗体自身に結合した検出可能な標識)を含む免疫検出 キットである。あるいは、検出可能な標識は、本発明の抗体に結合する第2の抗 体に結合され得る。 関連する実施熊様は、診断キットおよび治療キットを含む。これらは、本明細 書中で開示される抗体またはペプチド抗原のいずれかの薬学的に受容可能な処方 物を含む。このようなキットは、臨床サンプル中のBorreliaの検出に有用であり 、そしてBorreliaのECM成分(Dcn)への結合を阻害または促進させるのにも有用 である。好ましい実施態様において、このようなキットを用いて検出される細菌 は、Borelia、特に、B.burgdorferi、B.afzelii、B.garinii、または関連する種 を含む。 2.9 細菌のコロニー形成の阻害方法 本発明の他の局面は、細菌により発現されるDBPへのDcnの結合を防止するか、 または著しく低減する、本発明の抗体を動物に投与することによる動物における 細菌のコロニー形成、特にBorreliaによるコロニー形成を阻害する方法を含む。 抗体組成物の投与は、ライム病、または皮膚、関節、心臓、および中枢神経系に 関与し得るボレリア症によって引き起こされる他の全身性(multisystemic)疾 患の診断の前および/またはその後の予防的であり得る。投与はまた、かかりや すい病原体による全身的な感染の防止および/または改善、特に、病原性B.burg dorferiによる感染の作用の改善のために設計された受動的免疫化プロトコルに おいて行われ得る。 2.10 核酸セグメントおよびベクター 本発明は、DBPをコードする遺伝子から発現されるタンパク質(例えば、組換 えクローンBG26:pB/2.5(5)のDNA挿入物から発現されるタンパク質)を含む。Dcn に結合し得るタンパク質をコードするか、中程度または高いストリンジェンシー の条件下でBG26:pB/2.5(5)由来のDNAにハイブリダイズし得るか、またはBG26:pB /2.5(5)由来のオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRTMによる遺伝子増幅の ためのテンプレートとして作用し得る、組換えクローンBG26:pB/2.5(5)中に存在 するB.burgdorferiの297株由来の遺伝子の株変種もまた含まれる。これらの変種 は、ヌクレオチド配列において、株297のdbp遺伝子のコドンと同一でないが、遺 伝コードの縮重を理解する当業者によって予期されるように、同一または機能的 に等価なアミノ酸をコードするコドンを含む遺伝子を含み得ることが理解される 。これらの変種はまた、株297由来のdpb遺伝子に類似するが、BG26:pB/2.5(5)が コードするタンパク質のアミノ酸と異なる比較的少数のアミノ酸を特定化するコ ドンを有するか、あるいはこれよりいくらか少ないかまたは多い数のこれらのコ ドンを有する遺伝子を含む。従って、このような配列は、BG26:pB/2.5(5)によっ てコードされるタンパク質のアミノ酸に同一であるか、または機能的に等価であ るアミノ酸の約60%〜約80%、またはより好ましくは約81%〜約90%、またはさ らにより好ましくは約91%〜約99%を有する配列を含む。 アミノ酸配列および核酸配列は、さらなる残基、例えば、さらなるN末端また はC末端のアミノ酸、あるいは5'または3'の核酸配列を含み得、そしてその配列 がDBPタンパク質の発現を含む上記の基準を満たす限り、依然として本明細書中 に示される配列であることもまた理解される。これらのさらなる配列は、例えば 、種々の転写プロモーター、エンハンサー、またはターミネーター、種々の分泌 を指示するリーダーペプチド、翻訳後修飾を指示する種々のアミノ酸配列、DBP の単離および精製を容易にし得るアミノ酸またはペプチドなどを含み得る。当然 のことながら、これらの配列に対する変化または付加は、DBPの発現のために選 択 される細胞タイプ、生物、または動物を考慮してなされる。 2.11 ワクチン処方物および組成物 「免疫学的有効処方物」を達成するために、ヒトまたは動物被験体に、B細胞 および/またはT細胞の応答刺激を改善し得るか、そうでなければ、変化させ得 る他の賦形剤、キャリア、または希釈剤、あるいはそのような混合物の安定性を 促進する免疫学的に不活性な塩、有機酸および塩基、炭水化物などと混合した免 疫学的有効量のDBPを含む薬学的に受容可能な組成物でDBPを投与することが望ま しいことであり得ることが予想される。免疫刺激性賦形剤は、しばしばアジュバ ントといわれ、アルミニウムの塩(アルム(Alum)としばしばいわれる)、単純 または複合脂肪酸およびステロール化合物、生理学的に受容可能なオイル、ポリ マー状炭水化物、化学的または遺伝学的に改変されたタンパク質毒素、および種 々のその粒子または乳化された組合せを包含し得る。これらの混合物におけるDB Pまたはペプチド、あるいは2つ以上が存在する場合の各変種は、投与量当たり 、約0.0001〜0.1ミリグラム、またはより好ましくは約0.001〜0.1ミリグラム、 またはなおより好ましくは0.1ミリグラム未満で含むことが予想される。 弱毒化された生物は、組換えDBP遺伝子産物を発現し、そしてそれ自身が本発 明の送達ビヒクルになるように操作されることが意図される。Mycobacteriumの ような弱毒化された細菌種、特に、M.bovis、M.smegmatis、またはBCGが特に好 ましい。あるいは、ポックスウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルス、また は他のウイルス、および細菌(例えば、Salmonella、Shigella、Listeria、Stre ptococcus種)はまた、本明細書中に開示される方法および組成物との組合せて 使用され得る。 ネイクドDNA技術(しばしば、遺伝的免疫化といわれる)は、感染性生物に対 する防御に適することが示されている。そのようなDNAセグメントは、ネイクドD NAおよびプラスミドDNAを含む種々の形態で使用され得、そして非経口的接種、 粘膜接種、およびいわゆる微小発射体に基づく「遺伝子銃」接種を含む種々の方 法で被験体に投与され得る。従って、そのような免疫化技術における本発明のdb p核酸組成物の使用は、ライム病に対するワクチンストラテジーとして有用であ ることが提案される。 ワクチン化レジメの最適な投薬スケジュールは、2〜4週間の間隔で、5〜10 年の長さまで、または時にはさらに長い間隔で、所与の免疫化物の、5〜6回程 度の投与、しかし好ましくは3〜5回の投与、またはさらに好ましくは1〜3回 の投与を含み得ることが当業者により認識される。 2.12 形質転換宿主細胞および組換えベクターを含有する組成物 本発明の特定の局面は、組換えペプチド、および天然または部位特異的に変異 したDBPエピトープのいずれかを含む特定のペプチドエピトープのクローニング および発現のためのプラスミドベクターの使用に関する。組換えベクターの生成 、宿主細胞の形質転換、および組換えタンパク質の発現は、当業者に周知である 。原核生物宿主は、本発明のペプチド組成物の発現に好ましい。好ましい原核生 物宿主の例は、E.coliであり、そして特に、E.coliのATCC69791、BL21(DE3)、JM 101、XL1-BlueTM、RR1、LE392、B、χ1776(ATC CNo.31537)、およびW3110(F-、 λ-、原栄養株、ATCC273325)である。あるいは、他のEnterobacteriaceae種( 例えば、Salmonella typhimurium、およびSerratia marcescens)、または種々 のPseudomonas種を含む他のグラム陰性宿主が、本明細書中に開示される遺伝子 構築物の組換え発現に使用され得る。Borrelia自身、そして特に、B.burgdorfer i、B.afzelii、B.japonica、およびB.gariniiは、これらの構築物を発現するた めに使用され得る。 一般に、宿主細胞と適合し得る種由来のレプリコンおよび制御配列を含有する プラスミドベクターが、これらの宿主と組合せて使用され得る。ベクターは、通 常、複製部位、ならびに形質転換細胞において表現型選択を提供し得る標識配列 を有する。例えば、E.coliは、典型的には、pBR322またはその任意の誘導体(Bo livarら、1977)のようなベクターを用いて形質転換され得る。pBR322は、アン ピシリン耐性またはテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含有し、従って、形 質転換細胞を同定するための簡単な手段を提供する。pBR322、その誘導体、ある いは他の微生物のプラスミドまたはバクテリオファージはまた、内因性タンパク 質の発現のために、微生物によって使用され得るプロモーターを含有するか、ま たは含有するように改変され得る。dbp構築物をクローニングするための好まし いベクターは、pBlueScriptTMであり、そして特に、BG26:pB/2.5(5)の構築物、 あるいは、pETベクターシリーズ(Novagen,Inc.,Madison,WI)に基づくベク ターである。 さらに、宿主微生物と適合し得るレプリコンおよび制御配列を含有するファー ジベクターが、これらの宿主と組合せて形質転換ベクターとして使用され得る。 例えば、λGEMTM-11のようなバクテリオファージは、E.coli LE392のような感受 性宿主細胞を形質転換するために用いられ得る組換えベクターを作製するために 用いられ得る。 組換えDNA構築において最も一般的に用いられるそれらのプロモーターは、β −ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトースのプロモーター系(Chang ら、1978;Itakuraら、1977;Goeddelら、1979)、またはトリプトファン(trp )プロモーター系(Goeddelら、1980)を含む。組換えおよび天然の微生物プロ モーターの使用は、当業者には周知であり、そしてそれらのヌクレオチド配列お よび特定の方法論に関する詳細は公有財産であり、当業者は、本発明の組成物を 生成する目的のための特定の組換えベクターおよび発現系を構築し得る。 原核生物における好ましい実施態様の発現に加えて、真核生物微生物(例えば 、酵母培養)もまた、本明細書中に開示する方法と組み合わせて使用され得る。 Saccharomyces cerevisiae、または一般的なパン酵母は、真核生物微生物の中で 最も一般に用いられる。しかし、多数の他の種もまた、そのような真核生物の発 現系のために用いられ得る。Saccharomycesでの発現のために、例えば、プラス ミドYRp7が、一般に使用される(Stinchcombら、1979;Kingsmanら、1979;Tsch emperら、1980)。このプラスミドは、トリプトファン中で生育する能力を欠損 する酵母の変異株、例えば、ATCC番号44076またはPEP4-1(Jonesら、1977)の選 択マーカーを提供するtrpL遺伝子を既に含有している。酵母宿主細胞ゲノムの特 徴としてのtrpLの損傷の存在は、従って、トリプトファンの非存在での生育によ って形質転換を検出するための有効な環境を提供する。 酵母ベクターにおける適切なプロモーター配列は、3-ホスホグリセレートキナ ーゼのプロモーター(Hitzemanら、1980)、または他の解糖系酵素(例えば、エ ノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナ ーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフラクトキナーゼ、グルコース6- ホスフェートイソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルベートキナー ゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、お よびグルコキナーゼ)のプロモーター(Hessら、1968;Hollandら、1978)を含 む。適切な発現プラスミドの構築において、これらの遺伝子に結合された終結配 列はまた、発現を所望する配列の3'で発現ベクター中に連結され、mRNAのポリア デニル化および終結を提供する。増殖条件により制御される転写のさらなる利点 を有する他のプロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロー ムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解酵素、および上記のグリセ ルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ならびにマルトースおよびガ ラクトースの利用を担う酵素のプロモーター領域である。酵母適合性プロモータ ー、複製起点、および終結配列を含有する任意のプラスミドベクターが、適切で ある。 微生物に加えて、多細胞生物に由来する細胞の培養物もまた、開示される方法 の日常的な実施における宿主として使用され得る。原則的に、任意のそのような 細胞培養物は、脊椎動物の培養物由来であろうと非脊椎動物の培養物由来であろ うと、機能し得る。しかし、脊椎動物細胞において関心は非常に大きく、そして 培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は、近年、日常的な手順となって いる。そのような有用な宿主細胞株の例は、VEROおよびHeLa細胞、チャイニーズ ハムスター卵巣(CHO)細胞株、ならびにW138、BHK、COS-7、293、およびMDCK細 胞株である。このような細胞のための発現ベクターは、通常、(必要であれば) 複製起点、発現させようとする遺伝子の上流に位置するプロモーターを、任意の 必要なリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、およ び転写終結配列と一緒に含む。 哺乳動物細胞における使用のために、発現ベクターにおける制御機能は、しば しば、ウイルス材料によって提供される。例えば、一般に使用されるプロモータ ーは、ポリオーマ、アデノウイルス2、および最も頻繁にはシミアンウイルス40 (SV40)由来である。SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは特に有用で ある。なぜなら、その両者が、SV40ウイルスの複製起点をも含むフラグメントと してウイルスから容易に得られるからである(Fiersら、1978)。ウイルスの複 製起点内に位置するHindIII部位からBgII部位までにわたる約250bpの配列を含む 限り、より小さいか、またはより大きいSV40のフラグメントもまた使用され得る 。さらに、そのような制御配列が宿主細胞系と適合し得る限り、所望の遺伝子配 列と通常結合しているプロモーターまたは制御配列を利用することもまた可能で あり、そしてしばしば所望される。 複製起点は、例えば、SV40または他のウイルス(例えば、ポリオーマ、アデノ 、VSV、BPV)供給源から誘導され得る外来の起点を含むようにベクターを構築す るか、または宿主細胞の染色体複製機構のいずれかによって提供され得る。ベク ターが宿主細胞の染色体中に組み込まれるならば、後者が、多くの場合、十分で ある。 特定のポリペプチドは、SDS/PAGEゲルの分析で通常用いられるクマシーブリリ アントブルー染色手順の検出限界以下の量で存在し得ること、またはそれらの存 在が、類似のMrの不活性ポリペプチドによってマスクされ得ることが、さらに理 解される。本発明の日常的な実施には必ずしも必要ではないが、他の検出技術が 、目的の特定のポリペプチドの可視化において有利に用いられ得ることが考えら れる。免疫学に基づく技術(例えば、本明細書中に記載する酵素的、放射標識、 または蛍光的にタグされた抗体を用いるウエスタンブロッティング)は、この点 に関して、特に有用であると考えられる。あるいは、本発明のペプチドは、その ような1次抗体に対する親和性を有する2次抗体と組み合わせて本発明の抗体を 用いることにより検出され得る。この2次抗体は、酵素的にまたは放射標識、あ るいは蛍光的、またはコロイド状金でタグ化され得る。そのような2ステップの 2次抗体技術の標識化および検出手段は、当業者には周知である。 3.図面の簡単な説明 図面は、本明細書の一部を形成し、そして本発明の所定の局面をさらに実証す るために包含される。本発明は、本明細書中に示される特定の実施態様の詳細な 記載と組み合わせてこれらの図面の1以上を参考にしてより良好に理解され得る 。 図1A。III型コラーゲン、I型コラーゲン、またはDcnで被覆したマイクロタイ ターウェルへの細菌株の付着。タンパク質で被覆したマイクロタイターウェルを 、B.burgdorferi N40とともにインキュベートするか、細菌なしでインキュベー トした。基質への付着を、ELISAによって定量した。エラーバーは、3つの別の 測定の標準偏差を示す。 図1B。III型コラーゲン、I型コラーゲン、またはDcnで被覆したマイクロタイ ターウェルへの細菌株の付着。タンパク質で被覆したマイクロタイターウェルを 、S.aureus Phillips(コラーゲンアドヘシン(adhesin)ポジティブ)またはS. aureus PH100(コラーゲンアドヘシンネガティブ)(B)とともにインキュベートし た。基質への付着を、ELISAによって定量した。エラーバーは、3つの別の測定 の標準偏差を示す。 図2。Dcn基層へのB.burgdorferi N40の付着の時間依存性。B.burgdorferiを 、種々の時間間隔の間、Dcn被覆マイクロタイターウェルにおいてインキュベー トした。基質への付着を、ELISAによって定量した。エラーバーは、3つの別の 測定の標準偏差を示す。 図3。Dcn基層へのB.burgdorferi N40の付着の阻害。B.burgdorferiを、Dcn被 覆マイクロタイターウェルに移す前に、漸増濃度のDcnとともにインキュベート した。基質への付着を、ELISAによって定量した。エラーバーは、3つの別の測 定の標準偏差を示す。 図4。Dcn基層へのB.burgdorferi N40の付着の特異性。B.burgdorferiを、Dcn 被覆マイクロタイターウェルに移す前に、種々の潜在的なインヒビターとともに インキュベートした。潜在的なインヒビターは、BSA、Dcn(DCN)、アグリカン (aggrecan,AGN)、フェチューイン(fetuin,FTN)、サイログロブリン(TGN )、コンドロイチン硫酸A型(CSA)、およびフィブリノーゲン(FG)であった 。基質への付着を、ELISAによって定量した。エラーバーは、3つの別の測定の 標準偏差を示す。 図5。可溶性DcnへのB.burgdorferiの結合の時間依存性。B.burgdorferi N40 およびHP B31(高継代)を、種々の時間間隔の間、Dcnとともにインキュベート した。Dcnへの結合を、1251標識Dcnの結合を測定することによって決定した。エ ラーバーは、3つの別の測定の標準偏差を示す。 図6。可溶性DcnへのB.burgdorferi N40の結合の特異性。B.burgdorferiを、D cnに結合させる前に、種々の潜在的なインヒビターとともにインキュベートした 。潜在的なインヒビターは、BSA、Dcn(DCN)、アグリカン(AGN)、フェチュー イン(FTN)、サイログロブリン(TGN)、コンドロイチン硫酸A型(CSA)、フィ ブリノーゲン(FG)、およびヘパリン(HPN)であった。Dcnへの結合を、125I標 識Dcnの結合を測定することによって決定した。エラーバーは、3つの別の測定 の標準偏差を示す。 図7。Dcn結合におけるコアタンパク質およびGAG鎖の関与。B.burgdorferi N4 0を、放射標識されたインタクトなDcnとともにインキュベートする前に、非標識 のインタクトなDcn、単離されたコアタンパク質、単離されたGAG鎖、および単離 されたコアおよびGAGの混合物とともにインキュベートした。潜在的なインヒビ ターの存在下におけるDcnへの細菌の結合を、結合した125I-Dcnを測定すること によって定量した。全てのデータ点を、3連で測定した。 図8。B.burgdorferi N40へのDcnの結合の飽和。B.burgdorferiを、過剰の非 標識Dcnの存在下または非存在下で漸増濃度の放射標識したDcnとともにインキュ ベートした。過剰の非標識Dcnの存在下(非特異的結合)および非存在下(全体 の結合)で125I標識DcnへのB.burgdorferiの結合を測定した。特異的結合を、全 体の結合から非特異的結合を減算することによって計算した。エラーバーは、3 つの別の測定の標準偏差を示す。 図9A。B.burgdorferi N40のDBPの同定。B.burgdorferi全細胞溶解物を、還元 条件下でSDS-PAGE(5〜15%)に供し、そしてクマシーブリリアントブルーで染 色した。同じゲルをニトロセルロースメンブレンにトランスファーした(図9B) 。 図9B。B.burgdorferi N40のDBPの同定。B.burgdorferi全細胞溶解物を、還元 条件下でSDS-PAGE(5〜15%)に供し(図9A)、次いで、ニトロセルロースメン ブレンにトランスファーした。さらなるタンパク質結合部位をブロッキングした 後、メンブレン上のタンパク質を、ビオチン標識Dcnでプローブし、そしてケミ ルミネセンスによって視覚化した。既知の分子量(kDa)を有する標準タンパク 質の移動を左および右に示す。 図10A。プラスミドBG26:pB/2.5(5)に含有されるB.burgdorferi 297株DNAの2.5 kbのインサートのDNA配列。これはDBPをコードする核酸配列を含む。推定アミノ 酸配列を図11に示す。このパネルには、ヌクレオチド1〜1400(配列番号10)が 示される。1401〜2653位のDNA配列は図10Bに続く。 図10B。B.burgdorferi 297株由来のdbp遺伝子核酸配列の続き。これはヌクレ オチド1401から始まり、そしてこのクローンの末端、2653位まで続く(配列番号 11)。 図11。B.burgdorferi 297株由来の187アミノ酸DBPのアミノ酸配列(配列番号 2)。 図12。DBPをコードするB.burgdorferi B31株DNA(配列番号12)のヌクレオチ ドおよび推定アミノ酸配列。翻訳されたアミノ酸配列は配列番号13で与えられる 。 図13。DBPをコードするB.burgdorferi Sh.2.82株DNA(配列番号14)のヌクレ オチドおよび推定アミノ酸配列。翻訳されたアミノ酸配列は配列番号15で与えら れる。 図14。DBPをコードするB.burgdorferi HB-19株DNA(配列番号16)のヌクレオ チドおよび推定アミノ酸配列。翻訳されたアミノ酸配列は配列番号17で与えられ る。 図15。DBPをコードするB.afzelii PGau株DNA(配列番号18)のヌクレオチドお よび推定アミノ酸配列。翻訳されたアミノ酸配列は配列番号19で与えられる。 図16。DBPをコードするB.garinii IP90株DNA(配列番号20)のヌクレオチドお よび推定アミノ酸配列。翻訳されたアミノ酸配列は配列番号21で与えられる。 図17。DBPをコードするB.burgdorferi LP4株DNA(配列番号22)のヌクレオチ ドおよび推定アミノ酸配列。翻訳されたアミノ酸配列は配列番号23で与えられる 。 図18。DBPをコードするB.burgdorferi LP7株DNA(配列番号24)のヌクレオチ ドおよび推定アミノ酸配列。翻訳されたアミノ酸配列は配列番号25で与えられる 。 図19。DBPをコードするB.burgdorferi JD1株DNA(配列番号26)のヌクレオチ ドおよび推定アミノ酸配列。翻訳されたアミノ酸配列は配列番号27で与えられる 。 図20。抗DBP血清の受動投与による、4つの異なるB.burgdorferiおよびB.afze lii株でのチャレンジからのマウスの保護。5匹のC3H/HeJマウスの群を、104のB . burgdorferi B31、Sh.2.82、cN40株、またはB.afzelii PKo株の皮内接種でチャ レンジし、そしてE.coliで発現した組換えDBP(rDBP)に対する0.05mlのウサギ 血清、組換えOspAに対するウサギ血清(ポジティブコントロール)、または血清 無しで、チャレンジの直前に受動免疫した。2日目に、それらのマウスに2回目 の類似の投与を行った。チャレンジ後の2週間目に、組織サンプル(膀胱、耳) を、BSK II培地中に配置し、そしてこれらの組織からのボレリアの増殖の証拠を 、34℃でのインビトロ培養の2週間後に顕微鏡下で評価した;この培養物のサン プルの10〜20の高倍率の視野を、組織が未感染であると判断する前に調査した。 各マウス由来の器官培養物における顕微鏡視野当たりの可視的なボレリアの数を 示す。 図21。候補のボレリアワクチン抗原の膜局在化。B.burgdorferi B31全膜を、 公表されている等密度遠心法(Bledsoeら、1994)を用いて内膜(IM、レーン2 )および外膜(OM、レーン4)に分離した。中間密度画分は、両方の膜を含む (Brandtら、1990)によって、両親媒性成分(Det、レーン8)および親水性成 分(Aq.、レーン7)にさらに分画した。SDS-PAGEによる分離およびニトロセル ロースメンブレンへのトランスファーの後、これらの画分におけるDBPの局在化 を、抗rDBP血清を用いた免疫ブロッティングによって決定した(上部パネル、A )。コントロールとして、十分に特徴付けられたOspAの局在化をまた、抗OspA血 清を用いて決定した(下部パネル、B)。DBPは、他者によっても示されたように (Bledsoeら、1994)、ここでも両方の膜中に現れるOspAとは異なり、OM画分で 優勢に見出された。界面活性剤相分配によって、DBPは、OspAおよび他のボレリ ア膜リポタンパク質(Brandtら、1990)と同様に両親媒性であるように思われる 。 図22。dbp遺伝子の増幅のためのオリゴヌクレオチドプライマーの模式図。オ リゴヌクレオチドを、dbp遺伝子の5'、3'、およびコード領域内のDNA配列に基づ いて(すなわち、BG26:pB/2.5(5)の配列に基づいて)設計した。図における番号 付けは、ヌクレオチド#1に関して、dbp遺伝子の開始コドンATGの最初の塩基を 示す。これらのオリゴヌクレオチドの5つの組み合わせを、種々のボレリア株由 来のゲノムDNAテンプレートを用いるPCRTM増幅研究のためのプライマー対として 用いた。297株配列に基づいて、これらの増幅から予想されるdbp遺伝子セグメン トのサイズ(塩基対)を示す。 図23A。rDBPでの免疫化による、チャレンジからのマウスの保護。Balb/cマウ スを、20μgのrDBP、またはE.coli JM101/pBsII(rDBP発現のための宿主株)の 可溶性タンパク質抽出物、あるいは5μgのrOspAリポタンパク質不完全フロイン トアジュバント(CFA)で免疫化し、そして4週目に不完全フロイントアジュバ ント(IFA)中のタンパク質でブーストした。マウスを8週目にチャレンジした 。チャレンジ用量および感染の評価は、本明細書に記載される通りであった。膀 胱組織に関する結果を示す。 図23B。rDBPでの免疫化による、チャレンジからのマウスの保護。Balb/cマウ スを、図23Aに対する説明に記載されるように免疫化した。耳組織に関する結果 を示す。 図23C。rDBPでの免疫化による、チャレンジからのマウスの保護。Balb/cマウ スを、図23Aに対する説明に記載されるように免疫化した。関節組織に関する結 果を示す。 図23D。rDBPでの免疫化による、チャレンジからのマウスの保護。C3H/HeJマウ スを、20μgのrDBP、またはE.coli JM101/pBsII(rDBP発現のための宿主株)の 可溶性タンパク質抽出物、あるいは5μgのrOspAリポタンパク質不完全フロイン トアジュバント(CFA)で免疫化し、そして4週目に不完全フロイントアジュバ ント(IFA)中のタンパク質でブーストした。マウスを8週目にチャレンジした 。チャレンジ用量および感染の評価は、記載される通りであった。膀胱組織に関 する結果を示す。 図23E。rDBPでの免疫化による、チャレンジからのマウスの保護。C3H/HeJマウ スを、図23Dに対する説明に記載されるように免疫化した。耳組織に関する結果 を示す。 図23F。rDBPでの免疫化による、チャレンジからのマウスの保護。C3H/HeJマウ スを、図23Dに対する説明に記載されるように免疫化した。関節組織に関する結 果を示す。 図24。キメラリポタンパク質DBP短縮型での免疫化による、チャレンジからの マウスの保護。マウス(C3H/HeJ)を、5μgまたは20μgのrDBP(図2のPreDBP )、5μgまたは20μgのキメラリポタンパク質DBP短縮型(実施例8に記載され るような、図2のLpp:DBP)、5μgのrOspAリポタンパク質、E.coli JM101/pBsI I(rDBP発現のための宿主株)の可溶性タンパク質抽出物(ネガティブコントロ ール)、E.coli BL21(DE3)pLysS(Lpp:DBP発現のために用いられる宿主株)由来 の界面活性剤相抽出可能タンパク質(DPP)(ネガティブコントロール)、あるい は不完全フロイントアジュバント(CFA)中の緩衝液(なし)で免疫化し、そし て4週目に不完全フロイントアジュバント(IFA)中の同一の物質でブーストし た。マウスを8週目にチャレンジした。チャレンジ用量および感染の評価は、記 載される通りであった。 図25。関連するボレリア由来のDBPに関するアミノ酸配列同一性の比較。本明 細書中に開示された予想されるDBPアミノ酸配列を、University of Wisconsin G enetics Computer Group DNA分析ソフトウェアパッケージのBestFitアルゴリズ ムを用いて同一性%に関してペア様式(PairWise fasion)で比較した。ギャッ プウェイトおよびギャップ長ウェイトに関してデフォルトパラメーターを用いた 。 4.例示的な実施態様の記載 本明細書中に記載される技術は、細菌の接着、およびそれに続く宿主組織コロ ニー形成を特異的に妨害し、従って感染の防止を生じる方法および組成物を開発 するために用いられる。本技術は、広範に適用可能であり、多くの状況下で抗生 物質治療の有効性を増大させる可能性を有し、そして多くの他の適用において抗 生物質治療に取って代わる。本技術は、Lyme病のための処置レジメにおいて、そ してボレリア感染の予防のための費用効果の予防法として特に効果的であること が予想される。 4.1 本発明のいくつかの利点 本開示の利益を受ける当業者は、本発明が多数の利点を提供することを理解す る。それらには以下が挙げられる: 4.1.1 DBP由来抗原は、OspA抗原よりも優れている 本明細書中のB.burgdorferi DBPの生化学的および免疫学的な特徴付けからの データは、DBP由来のLyme病ワクチンが、先行技術の制限(特にOspAおよびボレ リアワクチンの開発のための抗原として以前に研究された他の抗原に関して)を 受けないことを示す。実際、DBPを含有するワクチン組成物は、OspA単独を含有 する以前に利用可能であった組成物よりも優れているようである。 4.2.2 DBPの血清学的変種 DBPの血清学的変種は、OspAの変種よりも少ないようである。なぜなら、 B.burgdorferiに由来するDBPと反応性である抗体はまた、厳密な意味で、B.gari niiおよびB.afzeliiの株に対して増殖阻害性であるからである。 4.2.3 rDBP免疫化は、異種株に対して保護する 本発明のデータは、組換えDBPでのマウスの免疫化がB.burgdorferiの異種株か らのチャレンジに対して保護することを実証する。 4.2.4 DBPワクチンは優れた効力を提供する OspAとは異なり、DBPは、感染の開始後の数日の間、免疫介入に対する標的の ままであり、そして潜在的なワクチンの効力に関してこの所望の特性を保有する ことが今日までに示された唯一の抗原である。 4.2.5 抗-DBP抗体は感染動物からボレリアを除去する 感染の開始の数日後に投与されたDBP標的化抗体は、感染マウスから生存して いるスピロヘータを除去し得る。このことは、この抗原がLyme病の免疫療法なら びに免疫予防のための潜在的な標的であることを示唆する。DBPがリポタンパク 質であり、そしてスピロヘータの外膜の表面に曝されることを示す生化学的デー タが提供される。 4.2.6 dbp核酸セグメントは、ボレリア単離株の同定において有用である 本明細書中に開示される新規のdbp遺伝子は、PCRTMのような技術の利用によっ って、B.gariniiおよびB.afzeliiを含むLyme病スピロヘータの異なる系統発生群 に存在するこの遺伝子の対立遺伝子の分子クローンを同定および単離するのに用 いられ得る。 4.3 MSCRAMM 宿主組織への細菌の接着は、特異的な微生物の表面接着を含む。ここで、MSCR AMM(接着性マトリックス分子を認識する微生物の表面成分、pattiら、1994;Pa ttiおよびHook、1994)と称されるサブファミリーが細胞外マトリックス成分を 特異的に認識する。多くの病原性細菌が、相互作用において細胞外マトリックス の種々の成分を特異的に認識し、そして結合することが示されており、これは宿 主組織コロニー形成機構を示すように思われる。 MSCRAMM(細菌の細胞表面上の)およびリガンド(宿主組織内の)は、錠と鍵 の様式で相互作用し、宿主への細菌の接着を生じる分子である。微生物接着の完 全な遮断は、感染を防止するためには必要とされない。細菌接種物を臨界量未満 に保つことのみを必要とする。いくつかのストラテジーが開発されており、これ らは、感染し易い宿主細胞の細胞外マトリックス(ECM)を含むDcn基層への細菌 接着を防止することによって、細菌感染(例えば、B.burgdorferiによる感染) と闘うことにおいて特に有用である。このようなストラテジーは、Lyme病の診断 、処置、および予防において有用であることが意図される。 4.4 細胞外マトリックス ECMは、多数の糖タンパク質およびプロテオグリカンを含有し、これらは分子 間および分子内相互作用を介して、不溶性のマトリックスを形成する。ECMは、 組織において構造的な機能を有するが、さらにその生物の細胞生理学に影響を及 ぼす。おそらく、ECMの最も特徴付けられた生物学的機能は、宿主組織細胞の接 着のための基層として働く能力に関する。このプロセスは、インテグリン(ECM タンパク質の多くにおいて特定の構造を認識するヘテロダイマー(α/β)細胞 表面レセプターのファミリー)を含む。多くの細菌もまた、接着の基質としてEC Mを利用していることは明らかである。ほとんどの真核生物の組織細胞のように 、多くの細菌が、いくつかの相似の接着機構を発達させており、そしてこの明ら かな重複性は、細菌の繁栄に対する宿主組織接着の重要性を反映し得る。 種々の細胞表面および細胞外マトリックス成分への微生物の接着が広範に報告 されている(Abrahamら、1983;Coburnら、1993;Fromanら、1984;Isaacs,199 4;Maxeら、1986;Van NhieuおよびIsber,1993)。本発明は、新規の細菌性MSC RAMMを同定した。これは、DcnおよびDcnに構造的に類似した他のプロテオグリカ ン(コラーゲンのようなECM成分とともに見出される)への細菌接着を促進する 。 4.5 コラーゲン 膠原性タンパタ質は、ECMの主要な成分である(BornsteinおよびSage,1980) 。ほとんどのコラーゲンは、前駆体分子として細胞内で合成され、そしてECMま たは他のコラーゲンリッチな組織(例えば、軟骨)への分泌および取り込みの前 に広範な翻訳後プロセッシングを受ける(RamachandranおよびReddi、1976)。 今日まで、18より多くの異なる型のコラーゲンが定義されており、そしてそれら は、5つの群に大雑把に分類されている(VanderrestおよびGarrone、1991)。 これらの群は: 1)4分の1ずつずれて配列する原線維(quarter-staggered fibril)に関与 するI、II、III、V、およびXI型コラーゲン; 2)断続性3重ヘリックスと原線維結合性のXII、XIV、およびIX型コラーゲン ; 3)シートを形成するIV、VIII、およびX型コラーゲン; 4)数珠繋ぎになったフィラメントを形成するVI型コラーゲン;および 5)固定した原線維を形成するVII型コラーゲン、である。 皮膚におけるコラーゲンネットワークは、主にI型およびIII型コラーゲンから なる。Dcnは、トランスフォーミング成長因子β活性(TGFβ)を阻害し得(Yama guchiら、1990)、そして補体成分Clqを不活化し得(Krumdieckら、1992)、そ してこれらの相互作用を介して抗炎症剤として作用すると考えられている。 4.6. プロテオグリカン 4.6.1. デコリン PG-40、PG-II、PG-S2およびCSIDS-PGIIとしても知られるDcnは、分泌36〜38 k Daタンパク質の第4番目のアミノ酸に結合した単一のコンドロイチンまたはデル マタン硫酸鎖を有する小プロテオグリカンである(Chopraら、1985)。Dcnは、実 質的にすべての結合組織、恐らくD期におけるdおよびeバンドの近く(Pringleお よびDodd、1990)で、コラーゲンフィブリルと結合して見出されている(Biancoら 、1990)。インビトロ研究は、Dcnがコラーゲンフィブリル形成の動力学を変化さ せ(Vogelら、1984)、コラーゲンフィブリルを形成する形態に影響し(Vogelおよ びTrotter、1987)、およびTGF-βに結合し得る(Yamaguchiら、1990)。 Dcnは、それは細胞内マトリックスでコラーゲン繊維を「デコリン化」するの でそう呼ばれるが、異なるコラーゲン型を結合することが示されており、そして コラーゲン繊維形成のレギュレーターとして作用すると考えられる。プロテオグ リカンは、皮膚、軟骨、および腱を含む、多くの異なる組織から単離され得る。 Dcnは、36kDaのコアタンパク質、コンドロイチン/デルマタン硫酸型の単一の セリン連結グリコサミノグリカン(GAG)鎖、および3つまでのN連結オリゴ糖から なる。GAGは、高度に硫酸化され、そしてそれ故高度に負に荷電した反復二糖単 位からなる非分岐多糖類である。コンドロイチン-4-硫酸鎖を含むDcnは、発育中 の骨から単離される(Fisherら、1987)一方、デルマタン硫酸鎖を含むDcnは、通 常、関節軟骨(choiら、1989)または腱(VogelおよびHeinegard、1985)から単離さ れる。Dcnは、グリコサミノグリカン鎖サイズについては不均質であり、そして 鎖の平均サイズは、組織および発育年齢で異なるが、Alcian blueまたはStainsA IIのバンドは、ほぼ100〜250kDaに集中する。Dcnサイズは、組織が異なると異な り得、ほとんどの場合、同じ組織中のバイグリカン(Bgn)プロテオグリカンより 小さい。ヒト(KrusiusおよびRuoslahti、1986)およびウシ(Dayら、1987)の両者 のcDNAが公開され、そして約36〜38kDaのコアタンパク質が示されている。Dcnは 、インビトロのコラーゲンフィブリルの生成動力学を変え(Vogelら、1984)、そ して得られるフィブリルの最終形態に影響する(VogelおよびTrotter、1987)。こ れらの結果は、Dcnがコラーゲンフィブリル形成に重要な役割を演じ得ることを 示 唆しているが、フィブリルが架橋されかつ安定化されたかなり後、寿命を通じて フィブリル上で小プロテオグリカンが維持される理由はなお知られていない。高 レベルのDcnの発現がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で誘導されるとき 、これらの形態および生長特性は、劇的に変化する(YamaguchiおよびRuoslahti 、1988)。 Dcnをコードする遺伝子はヒト第12染色体に位置し(McBrideら、1990)、そして Dcn自身は、Bgn(Fisherら、1989)、およびFmn(Oldbergら、1989)、Epn、およびL mnを含む他の小プロテオグリカンと明らかな相同性を示す。これらのプロテオグ リカンは、各々が1つの疎水性アミノ酸パターンを有する名目上24のアミノ酸反 復を持つ、10〜12のタンデム反復から主に構成されている(Fisherら、1989; 0ld bergら、1989)。これらの反復配列は、タンパク質-タンパク質、タンパク質-細 胞または細胞-細胞相互作用が必要なとき、進化において多数回用いられてきた 。Dcnは、Fmnのように、コラーゲンフィブリルと結合して見出されるが(Oldberg ら、1989)、Bgnは、コラーゲン束ではなく、細胞表面上またはすぐ近くに結合し ているようである(Biancoら、1990)。 4.6.2. バイグリカン(Bgn) Bgn(Fisherら、1989)は、その主要遺伝子産物が、細胞表面、または生育中の 間葉(骨格筋、骨および軟骨)、内皮(血管)、および上皮(ケラチノサイト細胞)の 特定のサブセットを含む種々の細胞周縁マトリックスと結合して見出される小プ ロテオグリカンである(Biancoら、1990)。このプロテオグリカンのその他の名前 として、PG-1、PG-I、DS-PGI、PG-SIおよびDS-Iが挙げられる。Bgnは、各々が配 列された疎水性残基により特徴付けられる、12のタンデム24アミノ酸反復構造か ら主に構成される38kDaコアタンパク質上に2つのコンドロイチン(CS)、または デルマタン硫酸(DS)鎖を含む。タンパク質が、別のタンパク質または恐らく細胞 表面に結合することになっているとき、進化にあたって、類似のタンデム反復構 造が用いられてきた(Fisherら、1989;Patthy、1987)。Bgnの機能は未知である が、相同のプロテオグリカンDcnのように、それはまた、TGF-βに結合し得る。 Bgnを含むコンドロイチン硫酸は、最も普通には、胎児または若い骨から単離 され(Fisherら、1987;1983)、その一方、デルマタン硫酸を含む形態は、関節軟 骨から単離される(Choiら、1989)。Bgnは、グリコサミノグリカン鎖のサイズに 関して不均質であり、それは、SDS-PAGE上で、200〜350kDaのいずれかに集まる 広いバンドを生じる。Bgnは、組織間および生育段階でサイズが異なり得るが、D cnもまた存在するとき、ほとんどの場合、他の小プロテオグリカンDcnより大き い。Bgnは、時々、単一のCS/DS鎖とともに存在し得、それ故、それをDcnと同一 サイズにする。酵素コンドロイチンABC-リアーゼでグリコサミノグリカン鎖を取 り除くと45kDaのバンドを生じる。Bgn遺伝子は、ヒト第x染色体上にあり(Xq27te r)(Fisherら、1989)、そしてそのmRNAは、42.5kDaプレプロタンパク質をコード する。ヒト(cDNA)(Fisherら、1989)、ウシタンパク質(Neameら、1989)およびラ ット(Dreherら、1990)配列が報告されている。Bgnは、恐らく、3つのジスルフ ィド結合を含む。その近縁の関連体DcnおよびFmnとは異なり、精製Bgnは、イン ビトロでコラーゲンフィブリルに結合せず、組織中の古典的コラーゲン束と結合 して見出されもしない。Bgn(タンパク質およびmRNAの両方)は、骨、軟骨、血管 内皮細胞、骨格筋原線維、腎管上皮、および分化ケラチノサイトを含む、生育中 のヒト組織中にある範囲の特定の細胞タイプ中で発現される(Biancoら、1990)。 一般に、Bgnは、細胞表面または周縁マトリックスに免疫局在化されるが、骨の ような組織中では、このタンパク質は、適切なマトリックス中に検出される。細 胞外マトリックス中のこの局在化は、骨芽細胞から脱落した後、Bgnのヒドロキ シルアパタイト結晶への吸着に起因し得る。免疫電子顕微鏡法によるBgnの局在 化は、いまだ実施されていない。ヒトBgn遺伝子がクローン化され、そしてその 一部が配列決定されている。 4.6.3. フィブロモジュリン(Fmn) Fmn(または59-kDa軟骨タンパク質)は、多くのタイプの連結組織(例えば、軟骨 、腱および皮膚)に存在するケラタン/硫酸プロテオグリカンである。Fmnは、デ ルマタン硫酸/コンドロイチン硫酸プロテオグリカンDcnおよびBgnに構造的に関 連している。Fmnは、コラーゲンに結合し、そしてインビトロでコラーゲン原線 維発生に影響する(HeinegardおよびOldberg、1989)。 Fmnタンパク質骨格は、3つの構造ドメインに分割され得る357のアミノ酸残基 (42kDa)からなる(Oldbergら、1989)。N末端ドメインは、4つのシステイン残基 を有し、そのうち2つは鎖内ジスルフィド結合に含まれる。タンパク質のこの領 域はまた、5〜7の近接した間隔の硫酸チロシン残基を含む。タンパク質の60% を構成する中央ドメインは、25アミノ酸残基の10の反復からなる。この中央反復 ドメインは、保存位置にロイシン残基を優先的に持ち、間質プロテオグリカンDc nおよびBgnを含む多くのタンパク質中の類似の反復に相同である(Oldbergら、19 89)。C末端ドメインは、鎖内ジスルフィド結合を形成する2つのシステイン残基 を含む。 軟骨、腱および強膜由来のFmnは、アスパラギン連結ケラチン硫酸鎖を含む(Ol dbergら、1989;Plaasら、1990)。ウシ関節軟骨由来のFmn中の5つの可能なNグ リコシル化部位の4つは、ケラチン硫酸鎖で置き換えられている(Plaasら、1990 )。Fmnは、タイプIおよびIIコラーゲンに35nMのKdで結合する。このタンパク質 はまた、インビトロコラーゲン原線維性を遅らせ、そしてより薄いフィブリルの 形成を引き起こす。このコラーゲン結合性質は、Dcnにより共有されるが、構造 的に関連するBgnによっては共有されない(HedbomおよびHeinegard、1989;Brown およびVogel、1989)。 4.6.4. エピフィカン(Epn) ロイシンに富む反復を含む小デルマタン硫酸プロテオグリカンは、ウシ胎児骨 端軟骨から単離された。このプロテオグリカンは、この組織からのその調製を基 にEpnと称される。制限された発現を有するようであるこのプロテオグリカンは 、プロテオグリカンDcnおよびBgnを含むその他のロイシンに富む反復(Krusiusお よびRuoslahti、1986;Dayら、1987;Fisherら、1989;Neameら、1989)、ならび にオステオグリシン(以前は骨誘導因子)に極めて類似しており、そしてニワトリ プロテオグリカンPG-Lβの哺乳類等価物である(ShinomuraおよびKimata、1992) 。インタクトのプロテオグリカン、コアタンパク質、ならびにグリコサミノグリ カン(GAG)鎖の分子量の決定は、タンパタ質のヨード化またはGAG鎖のトリチル化 のいずれかによる放射標識、およびその後のFPLCクロマトグラフィーおよびSDS- PA GE分析により測定した。インタクトのプロテオグリカンの分子量は、約133kDaで ある一方、コアタンパク質は約46kDaであり、そしてGAG鎖は約23〜34kDaであっ た。この分析は、Epnの同じ調製の間に生成されたウシ胎児骨端DcnおよびBgnと 比較して測定された。ヨード化プロテオグリカンは、コラーゲンと相互作用する その能力について分析された。さらに、Epnのこの調製物からのトリプシン処理 ペプチドを用いて、翻訳後の改変を行う残基を決定した。 4.6.5. ルミカン(Lmn) 最近の刊行物は、ニワトリLmn(角膜ケラタン硫酸プロテオグリカン)をコード する1.9-kb cDNAクローンを同定した(Blochbergerら、1992)。このcDNAクローン は、343-アミノ酸タンパク質、Mr=38,640をコードする読み取り枠を含んでいた 。推定された配列は、5つの可能なN連結グリコシル化部位を示し、その4つが ロイシンが豊富な領域である。これらの部位はまた、可能なケラタン硫酸付着部 位である。Lmnに対するcDNAクローンは、角膜以外の組織中、主に筋肉および小 腸で見出された2.0-kb mRNAにハイブリダイズした。ルミカンの1次構造は、Fmn 、Dcn、およびBgnに類似している。 4.7. DcnへのDBP結合はインタクトのプロテオグリカンを必要とする B.burgdorferiは、今や、Dcnに接着することが見出されたが、コラーゲンタイ プIまたはIIIに直接接着しない。B.burgdorferiのDcnへの結合は特異的であり、 そして単離されたコアタンパク質またはGAG鎖よりむしろインタクトのプロテオ グリカンを必要とするようである。B.burgdorferiの膜構成成分の部分精製、お よび固体支持体に結合したDcnを用いるアフィニティクロマトグラフィーは、約1 8〜20 kDaの見かけ分子量を有するDBPの可視化を可能にした。しかし、DBPの、 その他のB.burgdorferiタンパク質との同時精製のために、ボレリア菌からの純 粋形態のネイティブなDBPの完全な精製は達成されなかった。 4.8. dbpをコードする核酸セグメント 本明細書で用いられる用語「DBP遺伝子」は、Dcn、Fmn、Bgn、Epn、またはLmn を結合し得るタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードする遺伝子また はDNAコード領域をいうために用いる。 本明細書で用いる「DBP遺伝子」の定義は、相対的にストリンジェントなハイ ブリダイゼーション条件下(例えば、Maniatisら、1982を参照のこと)で、DBP遺 伝子配列を含むことが現在知られているDNA配列にハイブリダイズする遺伝子で ある。勿論、それは、DBPまたはペプチドをコードする1つまたは1つ以上の遺 伝子が、本発明の方法および組成物で用いられ得ることが理解される。本明細書 で開示される核酸組成物および方法は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の遺 伝子または遺伝子セグメントの投与に仕立てられ得る。用いられ得る遺伝子の最 大数は、多くの遺伝子構築物を同時調製することにおいて関連する努力、または なお有意な細胞毒性効果を惹起する可能性のような、実用的な考慮によりのみ制 限される。 複数の遺伝子を用いる場合、それらは、1つまたはそれ以上のプロモーターの 制御下で単一の遺伝的構築物上に結合され得、またはそれらは異なるタイプの別 々の遺伝的構築物として調製され得る。従って、異なる遺伝子および遺伝的構築 物のほぼ無限の組み合わせが用いられ得る。特定の遺伝子組み合わせが設計され 得、または、それらの使用は、そうでなければ、免疫応答の形成に対して相乗効 果を達成し、またはこのような核酸セグメントによりコードされる遺伝子産物に 対する抗体を生成し、またはボレリア菌感染、そして特にB.Burgdorferi、B.afz elii、またはB.garinii感染、およびライム病に至るような感染に対する診断お よび処置プロトコールを生成する。このような組み合わせの任意およびすべてが 、本発明の範囲に入ることが意図される。実際、多くの相乗効果が、科学的文献 に記載されており、当業者は、同様の相乗的遺伝子組み合わせを、または遺伝子 -タンパク質組み合わせでさえ容易に同定し得る。 所望であれば、核酸セグメントまたは遺伝子は、例えば、タンパク質またはポ リペプチドまたは種々の薬学的に活性な薬剤のようなさらなる薬剤と組み合わせ て投与され得る。遺伝物質が組成物の一部分を形成する限り、さらなる薬剤が、 標的細胞または組織との接触に際し、有意な有害な影響を引き起こさない限り、 含められ得るその他の成分に実際に制限はない。 4.9. Dcn組成物を含む治療および診断キット 適切な容器手段中の、本発明のDBP組成物を、薬学的に受容可能な処方物中に 含むキットは、本発明の別の局面を示す。DBP組成物は、ネイティブDBP、短縮型 DBP、部位特異的に変異したDBP、またはDBPにコードされるペプチドエピトープ 、またはネイティブDBP、短縮型DBP、部位特異的に変異したDBP、またはDBPにコ ードされるペプチドエピトープに結合する抗体であり得る。他の実施態様では、 DBP組成物は、ネイティブDBP、短縮型DBP、部位特異的に変異したDBP、またはDB Pにコードされるペプチドエピトープをコードする核酸セグメントであり得る。 このような核酸セグメントは、DNAまたはRNAであり得、そしてネイティブ、組換 え、または変異誘発された核酸セグメントであり得る。 キットは、DBP組成物を含む単一の容器手段を含み得る。容器手段は、所望で あれば、薬学的に受容可能な殺菌賦形剤を含み得、それに関連してDBP組成物を 、そして必要に応じて検出可能なラベルまたは造影剤を含む。処方物は、ゼラチ ン状組成物、例えば、コラーゲン状DBP組成物の形態であり得、またはより流体 形態であり得、それにもかかわらず身体への投与に際しゲル状組成物を形成する 。これらの場合には、容器手段は、それ自身、シリンジ、ピペット、またはその 他のこのような装置であり得、ここからDBP組成物が、組織部位、皮膚損傷、創 傷領域、またはボレリア菌感染の他の部位に付与され得る。しかし、単一の容器 手段は、DBP組成物の乾燥または凍結乾燥混合物を含み得、それは、使用前の予 備湿潤を必要とし得、またはし得ない。 あるいは、本発明のキットは、成分の各々について別の容器手段を含み得る。 このような場合、1つの容器が、DBP組成物を、殺菌DNA溶液としてまたは凍結乾 燥形態のいずれかで含み得、そして他の容器がそれ自身が殺菌溶液で予備湿潤さ れ得るまたはされ得ない、またはゼラチン状、液体またはその他の注射可能な形 態であるマトリックスを含み得る。 キットはまた、無菌の、薬学的に受容可能な緩衝液、希釈剤または溶媒を含む 第二または第三の容器手段を含み得る。このような溶液は、DBP成分を、身体へ の適用のためにより適切な形態(例えば、局所調製物、または経口、非経口、ま たは静注形態として)に処方するために必要であり得る。しかし、キットのすべ ての成分は、乾燥形態(凍結乾燥)で提供され得、それは体液との接触に際し、「 湿潤化」され得ることを注目すべきである。従って、任意のタイプの薬学的に受 容可能な緩衝液または溶媒の存在は、本発明のキットには必ずしも必要ではない 。キットはまた、薬学的に受容可能な検出可能造影剤または組成物を含むための 第二または第三の容器手段を含み得る。 容器手段は、一般に、バイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジのよう な容器、またはその他の容器手段であり、その中にキット成分が配置され得る。 マトリックスおよび遺伝子成分はまた、より小さな容器に、これが所望であれば 、アリコートとされ得る。本発明のキットはまた、個々の容器を、商業的に販売 するために密封する梱包(例えば、注入またはブロー成形プラスチック容器)で含 めるための手段を備え、それに所望のバイアルまたはシリンジを保持し得る。 容器の数にかかわらず、本発明のキットはまた、動物の身体内に目的のマトリ ックス-遺伝子組成物の配置を補助する器具を含みまたはそれとともに梱包され 得る。このような器具は、シリンジ、ピペット、鉗子、または任意のこのような 医療的に承認された送達ビヒクルであり得る。 4.10 アフィニティクロマトグラフィー アフィニティクロマトグラフィーは、一般に、リガンドまたは抗体のような物 質によるタンパク質の認識に基づいている。カラム材料は、活性化された色素の ような結合性分子を、例えば不溶性マトリックスに共有結合することにより合成 され得る。次いで、カラム材料は、溶液から所望の物質を吸着する。次に、結合 が生じない条件に変化させ、そしてこの物質を溶出する。成功するアフィニティ クロマトグラフィーの条件は、 1)マトリックスは、目的の分子を特異的に吸着しなければならないこと; 2)他の汚染物は非吸着のままであること; 3)リガンドは、その結合活性を改変することなく結合されなければならない こと; 4)リガンドがマトリックスに十分に固く結合すること;および 5)目的の分子を破壊することなく溶出可能でなければならないこと。 本発明の好ましい実施態様は、溶液から抗体の精製するアフィニティークロマ トグラフィー法であり、ここでマトリックスは、Sepharose CL6BまたはCL4Bに共 有結合した、B.burgdorfeiのDBPからのような、DBP由来のDBPまたはペプチドエ ピトープを含む。このマトリックスは、本発明の抗体を直接結合し、そして塩、 GuHCl、pHまたは尿素のような適切なグラディエントを用いた溶出によりそれら の分離を可能にする。本発明の別の好ましい実施態様は、溶液からDBPおよびペ プチドエピトープの精製のためのアフィニティークロマトグラフィーである。マ トリックスは、本発明のアミノ酸組成物を直接結合し、そして上記のような適切 な緩衝液を用いて溶出によりそれらの分離を可能にする。 4.11 核酸送達およびDNAトランスフェクションの方法 特定の実施態様では、本明細書に開示される核酸セグメントを用いて、適切な 宿主細胞をトランスフェクトすることを意図する。細胞中にDNAを導入する技術 は当業者に周知である。細胞中に核酸セグメントを送達する4つの一般的な方法 が記載されている: (1) 化学的方法(GranamおよびVan der Eb、1973); (2) マイクロインジェクション(Capecchi、1980)、エレクトロポーレーション (WongおよびNeuman、1982;Frommら、1985)および遺伝子銃(Yangら、1990)のよ うな物理的方法; (3) ウイルスベクター(Clapp、1993;EglitisおよびAnderson、1988);および (4) レセプター介在機構(Curielら、1991;Wagnerら、1992)。 4.12 リポソームおよびナノカプセル 特定の実施態様では、本発明者らは、宿主細胞中への特定ペプチドまたは核酸 セグメントの導入に、リポソームおよび/またはナノカプセルの使用を意図する 。このような処方物は、本明細書で開示される、核酸、ペプチド、および/また は抗体の薬学的に受容可能な処方物の導入に好適であり得る。リポソームの形成 および使用は、一般に、当業者に公知である(例えば、細胞内細菌感染および細 菌 症の標的化抗体療法におけるリポソームおよびナノカプセルの使用を記載するCo uvreurら、1977を参照のこと)。最近、改善された血清安定性および循環半減期 を備えたリポソームが開発された(GabizonおよびPapahadjopoulos、1988;Allen およびChoun、1987)。 ナノカプセルは、一般に、安定かつ再現可能な方法で化合物を包括し得る(Hen ry-Michellandら、1987)。細胞内ポリマー過剰負荷に起因する副作用を避けるた めに、インビボで分解され得るポリマーを用いて、超微粒子(約0.1μmのサイズ) などが設計されるべきである。これらの要求を満たす生分解性のポリアルキルシ アノアクリレートナノ粒子が本発明の使用に意図され、そしてこのような粒子は 、記載(Couvreurら、1977;1988)のように、容易に作成され得る。 リポソームはホスホリピドから形成され、それは水性媒体中で分散し、そして 自発的に、多重膜ベシクル(MLV)とも呼ばれる多重膜同心二層ベシクルを形成す る。MLVは、ほぼ25nm〜4μmの直径を有する。MLVの音波処理は、そのコア中に 水性溶液を含む、直径が200〜500Åの範囲の小さな単層ベシクル(SUV)を形成す る。 Couvreurら(1988)の教示に加えて、以下の情報を、リポソーム処方物を生成す るで利用し得る。ホスホリピドは、水中に分散されたとき、水に対する脂質のも モル比に依存して、リポソーム以外の種々の構造を形成し得る。低い比では、リ ポソームが好適な構造である。リポソームの物理的特徴は、pH、イオン強度およ び二価カチオンの存在に依存する。リポソームは、イオン性物質および極性物質 に対して低い透過性を示し得るが、高温では相転移を起こし、それらの透過性を 顕著に改変する。相転移は、ゲル状態として知られる近接してパックされ配列さ れた構造から、流体状態として知られる緩くパックされより配列されていない構 造への変化を含む。これは、特徴的な相転移温度で起こり、そしてイオン、糖お よび薬物に対する透過性を増大させる。 リポソームは、細胞と、4つの異なる機構を介して相互作用する:マクロファ ージおよび好中球のような網内細胞系の貧食細胞によるエンドサイトーシス;非 特異的な弱い疎水性または静電力によるか、または細胞-表面成分との特異的相 互作用によるかのいずれかの、細胞表面への吸着;プラスマ膜中へのリポソーム の脂質二重層の挿入によるプラスマ細胞膜との融合、細胞質中へリポソーム内容 物の同時放出を伴う;およびリポソーム脂質の細胞または細胞下膜への移動によ る、またはその逆、リポソーム内容物の任意の会合を伴わない。どの機構が作用 しているのかを決定することはしばしば困難であり、そして1つ以上が同時に作 用し得る。 4.13 DBP抗体およびDBP由来抗体を調製する方法 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドと免疫反応する抗体を意 図する。上記のように、本発明のDBPおよびDBP由来エピトープペプチドの使用の 1つは、抗体を産生することである。本明細書全体の抗体に対する参考として、 ポリクローナル抗体全体およびモノクローナル抗体(mAb)全体、ならびにその一 部(単独または他の部分と結合したもののいずれか)が挙げられる。抗体部分と して、FabおよびF(ab)2フラグメントおよび単鎖抗体が挙げられる。抗体は、適 切な実験動物においてインビトロで、または組換えDNA技術を使用してインビト ロで作製され得る。好ましい実施態様において、抗体はポリクローナル抗体であ る。 簡単に説明すると、ポリクローナル抗体は、本発明のポリペプチドを含む免疫 原で動物を免疫化し、そしてその免疫化動物からの抗血清を収集することにより 調製される。広い範囲の動物種が、抗血清の産生のために使用され得る。代表的 には、抗血清の産生のために使用される動物は、ウサギ、マウス、ラット、ハム スターまたはモルモットである。ウサギの比較的多量の血液容量のため、ウサギ は、ポリクローナル抗体の産生のための好ましい選択である。 DBPおよびDBP由来エピトープに特異的な抗体(ポリクローナルおよびモノクロ ーナルの両方)は、一般に当業者に公知であるので、従来の免疫化技術を用いて 調製され得る。特定のDBPの抗原エピトープを含む組成物が、1つ以上の実験動 物(例えば、ウサギまたはマウス)を免疫化するために使用され得、次いで、そ れらは、DBPペプチドに対する特異的な抗体を産生し始める。ポリクローナル抗 血清は、抗体産生のための時間経過後に、単に動物を出血させ、そして全血から 血清サンプルを調製することにより得られ得る。 ポリクローナル抗体の産生に使用される免疫原組成物の量は、免疫原、ならび に免疫化のために使用される動物の性質により変化する。免疫原を投与するため の種々の経路(皮下、筋肉内、皮内、静脈内、および腹腔内)が使用され得る。 ポリクローナル抗体の産生は、免疫化後の種々の時点で免疫化動物の血液をサン プリングすることによりモニターされ得る。第2の追加免疫注射がまた与えられ 得る。追加免疫および力価測定のプロセスは、適切な力価が達成されるまで繰り 返される。所望の免疫原性レベルが得られる場合、免疫化動物は出血され得、そ して血清が単離され、そして保存され、および/またはこの動物はmAbを産生する ために使用され得る(以下)。 本発明より提供される重要な特性の1つは、本明細書中に記載の抗体の特異性 に関して比較的相同なポリクローナル血清である。代表的には、ポリクローナル 抗血清は、種々の異なる「クローン」(すなわち異なる系列のB細胞)に由来す る。対照的に、mAbは、共通のB細胞祖先を有する抗体産生細胞に由来し、従っ て「モノ」クローン性として定義される。 ペプチドがポリクローナル血清を産生する抗原として使用される場合、全抗原 が使用される場合より、血清のクローン性質において、かなり少ない変化が期待 される。不運なことに、エピトープの不完全なフラグメントが示される場合、こ のペプチドは、非常に良く複数の(および恐らく非天然の)構造をとり得る。結 果として、短いペプチドでさえ、比較的複数の特異性を有するポリクローナル抗 血清、および不運なことに、天然分子と反応しないか、またはわずかしか反応し ない抗血清を産生し得る。 本発明のポリクローナル抗血清は、完全なエピトープ全体を含むことが予想さ れるペプチドに対して産生される。従って、これらのエピトープは、免疫学的意 味においてより安定であり、従って免疫系にとって、より一貫した免疫標的を発 現すると考えられる。このモデル下で、このペプチドに反応する潜在的なB細胞 クローンの数はかなり少なく、従って、得られる血清の均一性はより高い。種々 の実施態様において、本発明は、クローン性、すなわち、同じ分子決定因子と反 応するクローンの割合が少なくとも80%であるようなポリクローナル抗血清を提 供する。より高いクローン性(90%、95%またはそれ以上)でさえも意図される 。 mAbを得るために、最初に、DBP含有組成物を用いて実験動物(しばしば好まし くはマウス)がまた免疫化される。次いで、抗体産生を可能にするのに十分な時 間期間の後に、動物から脾臓またはリンパ細胞の集団が得られる。次いで、脾臓 またはリンパ細胞は、ヒトまたはマウスミエローマ株のような細胞株と融合され 得、抗体分泌ハイブリドーマを産生する。これらのハイブリドーマは、個々のク ローンを得るために単離され、次いで、それらのクローンは、所望のペプチドに 対する抗体の産生のためにスクリーニングされ得る。 免疫化後、脾臓細胞が取り出され、そして標準的な融合プロトコルを用いてプ ラズマ細胞腫の細胞と融合され、DBPに対するmAbを分泌するハイブリドーマを産 生する。選択された抗原に対するmAbを産生するハイブリドーマは、標準的な技 術(例えば、ELISAおよびウェスタンブロット法)を用いて同定される。次いで 、ハイブリドーマクローンは液体培地中で培養され、そして培養物上清がDBP特 異的mAbを提供するために精製され得る。 本発明のmAbはまた、DBPに特異的な抗体を利用し得る免疫化学手順(例えば、 ELISAおよびウェスタンブロット法)ならびに他の手順(例えば、免疫沈降、免 疫細胞法など)における有用な適用を見出すことが提案される。特に、DBP抗体 は、天然または組換えDBPまたはDBP由来ペプチド種、あるいはその合成または天 然の改変体を精製するために、免疫吸着プロトコルにおいて使用され得る。 本明細書中で開示される抗体は、他の種または生物からDBPをコードするcDNA または遺伝子を得るためか、またはDBPに対して著しい相同性を有するタンパク 質を同定するための抗体クローニングプロトコルにおいて使用され得る。それら はまた、細胞、組織、または動物全体におけるDBPの効果を分析するための阻害 研究において使用され得る。抗DBP抗体はまた、細胞感染の間にDBPを発現する細 菌の分布を分析するために、例えば、異なる生理学的条件下でのborreliaの細胞 または組織特異的分布を決定するための免疫局在研究において有用である。この ような抗体の特に有用な適用は、天然または組換えDBPの精製、例えば、抗体親 和性カラムの使用である。このような全ての免疫学的技術の操作は、本発明の開 示を考慮して当業者に公知である。 4.14 Borrelia感染を処置するためのDBP組成物 DBP特異的抗体組成物は、細菌に結合し、そして宿主組織への接着を妨げるた めに使用される。さらに、抗体により被覆された細菌は、免疫系により容易に認 識され、より効率な細菌の殺傷をもたらす。Dcn、Lmn、Epn、Fmn、Bgnなど、ま たは病原性細菌が付着する宿主組織内の特異的な構造を模倣する他の分子は、細 菌の表面上にDBPを飽和させ、これにより接着を妨げるために使用され得る。あ るいは、DBP誘導体またはDBPを模倣する他の分子は、宿主組織内の結合部位を飽 和させるために使用され得、これは細菌接着の阻害をもたらす。本発明により提 供される第3の代替物は、インビトロおよびインビボの両方でDBPに結合する抗D BP抗体組成物である。このような抗体は、DBPをDcnへの付着に利用不可能にし、 従って細胞表面DBPを発現する細菌は、Dcn結合を介する宿主組織に接着し得ない 。 4.15 DBPの組換え発現 dbp核酸セグメントを発現する組換えクローンは、精製組換えDBP(rDBP)、精製 rDBP由来ペプチド抗原、ならびに有為な量で変異または改変組換えタンパク質種 を調製するために使用され得る。選択された抗原、およびその改変体は、borrel iasおよび特に、B.burgdorferi、B.gariniiおよびB.afzeliiにより引き起こされ る感染の診断および処置における顕著な有用性を有することが提案される。例え ば、rDBP、そのペプチド改変体、および/またはこのようなrDBPに対する抗体は また、borreliaを検出するための免疫アッセイにおいて、あるいはborrelia感染 を処置し、そして天然の成分と同じ様式で、ECM成分(例えば、Dcn)への細菌接着 を妨げるためのワクチンまたは免疫療法剤として使用され得ることが提案される 。さらに、DNA変異誘発のような技術の適用により、本発明は、改変または単純 化タンパク質構造を有する、いわゆる「第2世代」分子の容易な調製を可能にす る。代表的には、第2世代タンパク質は、全長抗原と共通の1つ以上の特性(例 えば、特定の抗原/免疫原エピトープコア配列)を共有する。エピトープ配列は 、ペプチドの知識またはコードDNA配列情報から調製される比較的短い分子につ いて提供され得る。このような改変体分子は、タンパク質構造の選択された免疫 原/抗原領域に由来し得るだけでなく、さらにまたはあるいは、天然の配列 に対する類似性、またはさらに差異に基づいて選択された、1つ以上の機能的に 等価なアミノ酸を含み得る。これは、本明細書中において概説される、Dcnに対 する細菌接着を妨げるブロッキング抗体の調製において特に所望される。 4.16 抗体組成物およびその処方物 抗体を調製し、そして特徴づけるための手段は、当該分野において周知である (例えば、HarlowおよびLane(1988);本明細書中に参考として援用される)。一般 的に、mAbを産生するための方法は、ポリクローナル抗体を調製するための方法 と同様の方針にそって始まる。簡単に説明すると、ポリクローナル抗体は、本発 明の免疫原組成物を用いて動物を免疫化し、そしてその免疫化動物から抗血清を 収集することにより調製される。広範な範囲の動物種が抗血清の産生のために使 用され得る。代表的に、抗血清の産生に使用される動物は、ウサギ、マウス、ラ ット、ハムスター、モルモット、またはヤギである。ウサギの比較的大きな血液 容量のため、ウサギはポリクローナル抗体の産生のための好ましい選択である。 当該分野で周知なように、所定の組成物は、その免疫原性において変化し得る 。従って、宿主免疫系を追加免疫することがしばしば必要であり、これは、ペプ チドまたはポリペプチド免疫原をキャリアに結合されることにより達成され得る 。例示的な、かつ好ましいキャリアは、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH )およびウシ血清アルブミン(BSA)である。オボアルブミン、マウス血清アルブミ ンまたはウサギ血清アルブミンのような他のアルブミンはまた、キャリアとして 使用され得る。キャリアタンパク質にポリペプチドを結合させるための手段は、 当該分野において周知であり、そしてグルタルアルデヒド、m-マレイミドベンゾ イル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、カルボジイミドおよびビス-バイア ゾ化(biazotized)ベンジジンを含む。 mAbは、米国特許第4,196,265号(これは本明細書中に参考として援用される) に例示されるように、周知の技術の使用により容易に調製され得る。代表的には 、この技術は、選択された免疫原組成物(例えば、精製された、あるいは部分的 に精製したタンパク質、ポリペプチド、またはペプチド)を用いて適切な動物を 免疫化することを包含する。免疫化組成物は、抗体産生細胞を刺激するのに有効 な 様式で投与される。マウスおよびラットのような齧歯類は、好ましい動物である が、ウサギ、ヒツジ、またはカエル細胞の使用もまた可能である。ラットの使用 は特定の利点を提供し得る(Goding,1986)が、マウスが好ましく、最も日常的に 使用されるBALB/cマウスが最も好ましく、そして一般的により高い率の安定な融 合を与える。 免疫化後、抗体を産生する能力を有する体細胞、特にBリンパ球(B細胞)は 、mAb産生プロトコルにおける使用のために選択される。これらの細胞は、生検 された脾臓、扁桃、またはリンパ節から、または末梢血液サンプルから得られ得 る。脾臓細胞および末梢血液細胞は、前者が、分裂形質芽球段階にある抗体産生 細胞の豊富な供給源であり、後者が末梢血液が容易に入手可能であるので好まし い。しばしば、動物のパネルは免疫化され、そして最も高い抗体力価を有する動 物の脾臓は取り出され、そして脾臓リンパ球は、シリンジで脾臓をホモジナイズ することにより得られる。代表的に、免疫化マウス由来の脾臓は、約5×107〜 約2×108個のリンパ球を含む。 次いで、免疫化動物由来の抗体産生Bリンパ球は、不死化ミエローマ細胞の細 胞、一般的に免疫化された動物と同じ種の細胞と融合される。好ましくは、ハイ ブリドーマ産生融合手順における使用のために適したミエローマ細胞株は、非抗 体産生であり、高い融合効率、および所望の融合細胞(ハイブリドーマ)のみの 増殖を支持する特定の選択培地において、それらを増殖し得なくする酵素欠損を 有する。 当業者に公知のような、多くのミエローマ細胞の任意の1つが使用される(God ing,1986;Campbell,1984)。例えば、免疫化動物がマウスの場合、P3-X63/Ag8、X 63-Ag8.653、NS1/1.Ag4 1、Sp210-Ag14、FO、NSO/U、MPC-11、MPC11-X45-GTG 1. 7およびS194/5XXOBulが使用され得;ラットの場合、R210.RCY3、Y3-Ag 1.2.3、I R983Fおよび4B210が使用され得;そしてヒト融合細胞融合に関して、U-266、GM1 500-GRG2、LICR-LON-HMy2およびUC729-6が全て有用である。 1つの好ましいマウスミエローマ細胞は、NS-1ミエローマ細胞株(P3-NS-1-Ag4 -1とも呼ばれる)であり、これは、細胞株保存番号GM3573を請求することにより 、NIGMS Human Genetic Mutant Cell Repositoryから容易に入手可能である。使 用 され得る別のマウスミエローマ細胞株は、8-アザグアニン耐性マウスのマウス ミエローマSP2/0非産生細胞株である。 抗体産生脾臓またはリンパ節細胞とミエローマ細胞のハイブリッドを産生する ための方法は、通常、2:1の割合で体細胞とミエローマ細胞とを混合することを 包含するが、この割合は、細胞膜の融合を促進する薬剤(単数または複数)(化 学的または電気的)の存在下で、それぞれ約20:1〜約1:1に変化し得る。Sendai ウイルスを用いる融合方法は、記載されており(KohlerおよびMilstein,1975;197 6)、そしてGefterら、(1977)により37%(v/v)PEGのようなポリエチレングリコー ル(PEG)を用いる方法が記載されている。電気的に誘導される融合方法の使用は また適切である(Goding,1986)。 通常、融合手順は、約1×10-6〜約1×10-8の低頻度で生存可能なハイブリッ ドを産生する。しかし、生存可能な融合ハイブリッドは、選択培地で培養するこ とにより、親の融合されていない細胞(特に、通常無期限に分裂し続ける融合さ れていないミエローマ細胞)と区別されるので、このことは問題を提起しない。 通常、選択培地は、組織培養培地中にヌクレオチドのデノボ(de novo)合成をブ ロックする薬剤を含む培地である。例示的な、かつ好ましい薬剤は、アミノプテ リン、メトトレキセート、およびアザセリンである。アミノプテリンおよびメト トレキセートは、プリンおよびピリミジンの両方のデノボ合成をブロックするが 、アザセリンは、プリン合成のみをブロックする。アミノプテリンまたはメトト レキセートが使用される場合、培地は、ヌクレオチドの供給源としてヒポキサン チンおよびチミジンで補充される(HAT培地)。アザセリンが使用される場合、 培地はヒポキサンチンが補充される。 好ましい選択培地は、HATである。ヌクレオチドサルベージ経路を操作し得る 細胞のみが、HAT培地において生存し得る。ミエローマ細胞は、サルベージ経路 の重要な酵素(例えば、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT ))を欠損しており、そしてそれらは生存し得ない。B細胞はこの経路を操作し得 るが、培養において制限された寿命を有し、そして一般的に約2週間以内に死ぬ 。従って、選択培地において生存し得る細胞のみが、ミエローマとB細胞から形 成されたハイブリッドである。 この培養は、特定のハイブリドーマが選択されるハイブリドーマ集団を提供す る。代表的に、ハイブリドーマの選択がは、マイクロタイタープレート内での単 一コロニーの希釈により細胞を培養し、続いて所望の活性について、(約2〜3 週間後)個々のコロニー上清を試験することにより行われる。このアッセイは、 ラジオイムノアッセイ、酵素イムノアッセイ、細胞傷害性アッセイ、プラークア ッセイ、ドットイムノアッセイなどのような鋭敏、単純かつ迅速であるべきであ る。 次いで、選択されたハイブリドーマは、連続希釈され、そして個々の抗体産生 細胞株にクローニングされ、ついでこのクローンは、mAbを提供するように無期 限に増殖され得る。この細胞株は、2つの基本的な方法でmAb産生のために利用 され得る。ハイブリドーマのサンプルは、最初の融合のための体細胞およびミエ ローマ細胞を提供するために使用されたタイプの組織適合性動物に(しばしば腹 腔に)注入され得る。注入された動物は、融合された細胞ハイブリッドにより産 生される特定のmAbを分泌する腫瘍を発生させる。次いで、動物の体液(例えば 、血清または腹水液)が、高濃度のmAbを提供するために採取され得る。個々の 細胞株はまた、インビトロで培養され得る。ここで、mAbは、高濃度で容易に得 られ得る培養培地に自然に分泌される。いずれかの手段により産生されたmAbは 、所望であれば、濾過、遠心分離、および種々のクロマトグラフィー法(例えば 、HPLCまたはアフィニティクロマトグラフィー)により、さらに精製され得る。 4.17 イムノアッセイ 記載されたように、本発明の天然および合成由来ペプチドおよびペプチドエピ トープは、(例えば、ワクチン発生に関する)免疫原として、または反応性抗体 の検出のためのイムノアッセイにおける抗原としての有用性を見出すことが提案 される。第1に、最も単純かつ直接的な意味でイムノアッセイを考慮すると、本 発明の好ましいイムノアッセイは、当業者に公知である、酵素免疫吸着測定法(E LISA)の種々のタイプを包含する。しかし、DBP由来タンパク質およびペプチドの 有用性は、このようなアッセイに限定されず、そして他の有用な実施態様が、RI Aおよび他の非酵素結合抗体の結合アッセイおよび手順を包含することが容易 に理解される。 好ましいELISAアッセイにおいて、DBP、rDBP、またはDBP由来タンパク質抗原 配列を組み込むタンパク質またはペプチドは、選択された表面、好ましくは、タ ンパク質親和性を示す表面(例えば、ポリスチレンマイクロタイタープレートの 壁)に固定化される。不完全に吸着した物質を取り除くために洗浄した後、次い で、一般的に、試験抗血清について抗原的に中性であることが公知の非特異的タ ンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)またはカゼイン)を、この壁に結合 させるか、または被覆させることが所望される。これは、固定化表面上の非特異 的吸着部位のブロックキングを可能にし、それゆえ表面上の抗血清の非特異的結 合により引き起こされるバックグラウンドを減少する。 抗原物質の壁への結合、バックグラウンドを減少させる非反応性物質による被 覆、および結合していない物質を除去するための洗浄の後、固定化表面は、免疫 複合体(抗原/抗体)形成を導く様式で試験されるべき、抗血清、あるいは臨床 的または生物学的抽出物と接触される。好ましくは、このような条件として、希 釈液(例えば、BSA、ウシγグロブリン(BGG)およびリン酸緩衝化生理食塩水(PB た、非特異的バックグラウンドの減少を補助する傾向がある。次いで、重層され た抗血清は、例えば、2〜4時間、好ましくは約25℃〜約27℃のオーダーの温度 でインキュベートされ得る。インキュベーション後、抗血清と接触された表面は 、非免疫複合体化物質を取り除くように洗浄される。好ましい洗浄手順は、PBS/ Tw 試験サンプルと結合した抗原との間の特異的な免疫複合体の形成、およびその 後の洗浄の後、免疫複合体形成の発生および量は、複合体を、第1の抗体に対し て特異性を有する第2の抗体に供することにより決定され得る。もちろん、試験 サンプルは、代表的にヒト起源である点で、第2抗体は、好ましくはヒト抗体に 対して特異性を有する抗体である。検出手段を提供するために、好ましくは、第 2抗体は、シグナル(例えば、適切な発色基質とインキュベートする際の発色) を生成する酵素標識のような結合された検出可能な標識を有する。従って、例え のようなPBS含有溶液中で室温で2時間のインキュベート)で、抗血清結合表面 と、ウレアーゼまたはペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgGとを接触させ、そしてイ ンキュベートすることが所望される。 第2酵素タグ抗体とのインキュベートおよびその後の結合していない物質を取 り除くための洗浄後、標識量は、酵素標識としてのペルオキシダーゼの場合、発 色基質(例えば、尿素およびブロモクレゾールパープル(bromocresol purple)ま たは2,2'-アジノ-ジ-(3-エチル-ベンズチアゾリン)-6-スルホン酸(ABTS)およびH2 O2)により定量される。それゆえ、定量は、例えば、可視スペクトル分光光度計 を用いて、発色の程度を測定することにより達成される。 ELISAは、本発明と共に使用され得る。1つのこのようなELISAアッセイにおい て、本発明の抗原配列を取り込んでいるタンパク質またはペプチドは、選択され た表面、好ましくはポリスチレンマイクロタイタープレートの壁のようなタンパ ク質親和性を示す表面に固定化される。不完全に吸着された物質を取り除くため の洗浄の後、アッセイプレート壁を、試験抗血清について抗原的に中性であるこ とが公知のを非特異的タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン 、または粉乳の溶液)に結合させるか、または被覆させることが所望される。こ れは、固定化表面上の非特異的吸着部位のブロッキングを可能にし、それゆえ、 表面上の抗血清の非特異的結合により引き起こされるバックグラウンドを減少さ せる。 4.18 免疫沈降 本発明の抗DBP抗体は、免疫沈降によるDBP抗原の単離に特に有用である。免疫 沈降は、複合体混合物由来の標的抗原成分の分離を包含し、そしてタンパク質の 微細量を識別するか、または単離するために使用される。DBPのような細胞表面 局在タンパク質の単離のために、ペプチドは、酵素(例えば、リゾチーム、リソ スタフィンまたはムタノリシン(mutanolysin))、あるいは界面活性剤ミセルを 用いた処理により細菌細胞壁から可溶化されなければならない。非イオン性塩が 好ましい。なぜなら、胆汁塩のような他の薬剤は酸性pHで、または2価カチオン の存在下で沈降するからである。 別の実施態様において、本発明の抗体は、2つの抗原を近接した位置に配置す るのに有用である。これは、抗原(例えば、酵素基質対)の局在化された濃度を 増加させるために特に有用である。 関連する実施態様において、本発明の抗体は、Dcnのdbp遺伝子産物への結合を 促進させることに有用である。このような結合は、周知の手順を用いてリガンド 結合をモニターすることにより容易に測定される。この結合の検出は、放射性標 識抗体、あるいは放射性標識Dcnを用いることにより達成され得る。あるいは、 ビオチン標識抗体を用いるアッセイはまた、記載されたように当該分野において 周知である(BayerおよびWilcheck,1980)。 4.19 ウェスタンブロット 本発明の組成物は、イムノブロットまたはウェスタンブロット分析に極めて有 用であることを見出す。抗DBP抗体は、固体支持体マトリックス(例えば、ニト ロセルロース、ナイロン、またはそれらの組合せ)上に固定化されたタンパク質 の同定のための、高い親和性の1次試薬として使用され得る。免疫沈降、その後 のゲル電気泳動と共に、これらは、抗原の検出に用いるための1ステップ試薬(s ingle step reagent)として使用され得、抗原の検出に用いられる2次試薬は、 有害なバックグラウンドを引き起こす。これは、研究される抗原が免疫グロブリ ンである場合(細菌細胞壁成分に結合する免疫グロブリンの使用を除く)、特に 有用であり、研究される抗原は検出薬剤と交差反応するか、またはそれらは交差 反応シグナルとして同じ相対分子量で移動する。ウェスタンブロッティング(毒 素部分に対する酵素、放射ラベル、または蛍光タグ2次抗体を含む)に関連する 免疫学的に基づく検出方法は、これに関する特定の使用であると考慮される。 4.20 ワクチン 本発明は、能動的および受動的な両方の免疫化実施態様における使用のための ワクチンを意図する。ワクチンとしての使用に適切であると提案される免疫原性 組成物は、本明細書中に記載される、新規の免疫原性タンパク質および/または ペプチドから非常に容易に直接調製され得る。好ましくは、抗原物質は、所望で ない低分子量分子を取り除くために大規模に透析され、そして/または所望のビ ヒクルへのさらなる容易な処方物のために凍結乾燥される。 一般的に、活性成分としてペプチド配列を含むワクチンの調製は、米国特許第 4,608,251号;同第4,601,903号;同第4,599,231号;同第4,599,230号;同第4,596,79 2号および同第4,578,770号により例示されるように(全ては本明細書中に参考と して援用される)、当該分野において十分に理解されている。代表的に、このよ うなワクチンは、注入可能薬物として、液体溶液または懸濁液のいずれかとして 調製され得、注入前の液体の溶液または懸濁液に適切な固体形態もまた調製され る。この調製物はまた乳化され得る。活性免疫原成分は、しばしば薬学的に受容 可能なそして活性成分に適合する賦形剤と共に混合される。適切な賦形剤は、例 えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およ びそれらの組合せである。さらに、所望であれば、ワクチンは、少量の補助物質 (例えば、湿潤または乳化薬剤、pH緩衝剤、あるいはワクチンの有効性を増強す るアジュバント)を含み得る。 DBPまたはDBP由来タンパク質および/あるいはそれらの天然または改変エピト ープペプチドを含む組成物はまた、ヒトワクチンについての基礎であり得る。本 質的に内毒素を含まない、このような組成物の調製は、以下の公開された方法論 により達成され得、例えば、米国特許第4,271,147号(本明細書中に参考として 援用される)は、ワクチンの使用のためのNeisseria meningitidis膜タンパク質 の調製のための方法を開示する。 DBPおよびDBP由来エピトープに基づくワクチンは、通常、注入により、例えば 皮下または筋肉内のいずれかで従来通り非経口投与され得る。他の投与方法に適 切なさらなる処方物は、坐剤、およびいくつかの場合、経口処方物が挙げられる 。坐剤のための従来のバインダーおよびキャリアとして、例えば、ポリアルカレ ングリコールまたはトリグリセリドが挙げられる:このような坐剤は、0.5%〜1 0%、好ましくは1〜2%の範囲の活性成分を含む混合物から形成され得る。経 口処方物は、このような通常使用される賦形剤(例えば、薬学的グレードのマン ニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナト リウム、セルロース、カルボン酸マグネシウムなど)を含む。これらの組成物は 、 溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル、徐放製剤、または粉剤の形態をとり、そ して10〜95%、好ましくは25〜70%の活性成分を含む。 このタンパク質は、中性または塩形態としてワクチンに処方され得る。薬学的 に受容可能な塩として、酸付加塩(ペプチドの遊離のアミノ基と形成される)お よび非有機酸(例えば、塩酸またはリン酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュ ウ酸、酒石酸、マンデル酸など)と形成される塩が挙げられる。遊離のカルボキ シル基と形成される塩もまた、非有機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化 カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化鉄(III))、お よび有機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミ ノエタノール、ヒスチジン、プロカインなど)から誘導され得る。 ワクチンは、投与処方物に適合する様式で、そして治療的に有効かつ免疫原性 である量で投与され得る。投与される量は、処置されるべき被験体に依存し、こ れは例えば、抗体を合成する個々の免疫系の能力および所望される保護の程度を 含む。投与されるために必要とされる活性成分の正確な量は、当業者により容易 に決定され得る。しかし、適切な投与量範囲は、ワクチン投与あたり数百マイク ログラムのオーダーの活性成分である。初回投与および追加免疫ショット(shot) に適切なレジュメはまた変化し得るが、初回投与、それに続く接種または他の投 与により特徴づけられる。 適用の様式は、広範に変化し得る。ワクチン投与ための従来の方法はいずれも 適用可能である。これらは、固形の生理学的に受容可能な基剤、生理学的に受容 可能な分散剤における経口適用、注入などによる非経口適用を包含すると考えら れる。ワクチンの投与量は、投与経路に依存し、そして宿主の大きさに従って変 化する。 ワクチンのためのアジュバント効果を達成する種々の方法として、通常リン酸 緩衝化生理食塩水溶液中に0.05〜0.1%溶液として使用される水酸化アルミニウ ムまたはリン酸アルミニウム(ミョウバン)のような薬剤の使用、0.25%溶液と 期間の間で約70℃と約101℃の間の範囲の温度での熱処理によるワクチン中のタ ンパク質の凝集が挙げられる。ペプシン処理F(ab)抗体とアルブミンとの反応に よる凝集、細菌細胞壁(例えば、C.parvum)または内毒素またはグラム陰性細菌 のリポポリサッカライド成分との混合、生理学的に受容可能なオイルビヒクル( 例えば、マンニドモノオレエート(Aracel-ATM))中の乳化、あるいはブロック代 用物として使用されるパーフルオロカーボン(Fluosol-DATM)の20%溶液との乳化 もまた使用され得る。 多くの場合、複数のワクチン投与(通常、6回のワクチン投与を越えない、よ り通常には、4回のワクチン投与を越えない、および好ましくは1回以上、通常 少なくとも約3回のワクチン投与)を有することが所望される。ワクチン投与は 、普通2〜12週間の間隔、より通常には3〜5週の間隔である。1〜5年の間隔 、通常3年での定期的な追加免疫は、抗体の保護レベルを維持するために所望さ れる。免疫化の経過は、上清の抗原に対する抗体のアッセイによって追跡し得る 。このアッセイは、従来の標識(例えば、放射性核種、酵素、蛍光剤など)で標 識することにより行われ得る。これらの技術は、周知であり、そしてこれらのタ イプのアッセイを例示する、広範な種々の特許(例えば、米国特許第3,791,932 号;同第4,174,384号および3,949,064号)において見出される。 もちろん、DNAワクチン投与についての新しい技術を考慮すると、実質的に全 てのワクチン投与レジュメは、Ulmerら,(1993)、Tangら,(1992)、Coxら,(1993) 、Fynanら,(1993)、Wangら,(1993)およびWhittonら,(1993)により記載されるよ うに(それぞれは本明細書中に参考として援用される)、DNAベクターおよび構 築物を伴う使用に適切であることが理解される。筋肉内および静脈内注入を包含 する、DNA接種の非経口経路に加えて、粘膜ワクチン投与もまた意図され、これ は外鼻孔または気管にDNA組成物の小滴を投与することにより達成され得る。特 に、遺伝子銃は、効果的免疫量のDNAを表皮に送達するために使用されることが 意図される(Fynanら、1993)。 本発明は、能動的および受容的免疫化の実施態様における使用のためのワクチ ンを意図する。ワクチンとしての使用に適切であることが提案される免疫原組成 物は、本明細書に開示される様式で調製された免疫原ペプチドから非常に容易に 直接調製され得る。好ましくは、免疫原物質は、所望でない低分子量分子を取り 除くために大規模に透析され、そして/または所望のビヒクルにより容易な処方 物のために凍結乾燥される。活性成分としてのペプチド配列を含むワクチンの調 製は、米国特許第4,608,251号;同第4,601,903号;同第4,599,231号;同第4,599,23 0号;同第4,596,792号および同第4,578,770号により例示されるように(全ては本 明細書中に参考として援用される)、一般的に当該分野で十分に理解されている 。代表的に、このようなワクチンは、注入可能薬物として調製される。液体溶液 または懸濁液のいずれか:注入前の液体中の溶解または懸濁に適切な固体形態も また調製される。この調製物はまた乳化され得る。活性免疫原成分は、しばしば 薬学的に受容可能なそして活性成分に適合する賦形剤と共に混合される。適切な 賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノー ルなど、およびそれらの組合せである。さらに、所望であれば、ワクチンは、少 量の補助物質(例えば、湿潤または乳化剤、pH緩衝剤、あるいはワクチンの有効 性を増強するアジュバント)を含み得る。 4.21 薬剤組成物 ここに開示する薬剤組成物は、例えば不活性希釈液もしくは同化可能な食用の キャリアとともに経口投与され得る、あるいはこれらの組成物は、ハードまたは ソフトゼラチン製のカプセル殻に封入され得、または、圧縮して錠剤にされ得、 あるいは食事として取る食物とともに直接取り込まれ得る。経口投与に関しては 、活性化合物は賦形剤とともに取り込まれて、経口摂取可能な錠剤、バッカル錠 、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、カシェ剤などの 剤形として使用され得る。そのような組成物および調製物は、少なくとも0.1%の 活性化合物を含有していなければならない。組成物および調製物の割合(%)は当 然種々であり得、好都合には、その単位あたり重量の約2%から約60%の間であ る。そのような治療的に有用な組成物における活性化合物の量は、適切な投与量 が得られるような量である。 錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などはまた、次の物を含み得る:トラガ ントガム、アカシア、コーンスターチ、あるいはゼラチンなどのような結合剤; リン酸ジカルシウムなどのような賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ア ルギン酸などのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;およ びショ糖、乳糖、あるいはサッカリンのような甘味剤が添加され得、もしくはペ パーミント、ウィンターグリーン油あるいはチェリーフレーバーのような着香料 が添加され得る。剤形がカプセルである場合、上記のタイプの材料の他に液体の キャリアを含有し得る。種々の他の材料はコーティングとして存在し得、あるい は剤形の物理的形状を変更するために存在し得る。例えば、錠剤、丸剤、あるい はカプセル剤はセラック、糖あるいはその両方で被覆され得る。エリキシル剤の シロップは活性化合物であるショ糖を甘味剤として、メチルおよびプロピルパラ ベンを保存剤として、チェリーまたはオレンジフレーバーのような色素および着 香料を含み得る。当然、あらゆる剤形の調製に使用されているいかなる材料も薬 学的に純粋であり採用されている服用量で実質的に無毒でなければならない。さ らに、活性化合物は徐放性調製物および処方物に組み込まれ得る。 活性化合物はまた、非経口的にあるいは腹腔内に投与され得る。遊離塩基もし くは薬理的に受容可能な塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセ ルロースなどのような界面活性剤と適切に混合して水中に調製され得る。分散液 はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびこれらの混合液中 および油中で調製され得る。通常の保存と使用条件下では、これらの調製物は微 生物の増殖を防ぐために保存剤を含んでいる。 注射に適した製薬剤形には滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射用溶液も しくは分散液の即時調合調製物用の滅菌粉末がある。すべての場合において、剤 形は滅菌され、容易に注入できるような程度に液状化されていなければならない 。製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌の ような微生物の汚染作用から保護されなければならない。キャリアは例えば水、 セタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、およ び液体ポリエチレングリコールなど)、これらの適切な混合液および植物油など を含む、溶剤もしくは分散媒であり得る。例えば、レシチンなどのコーティング 剤の使用、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持および界面活性剤の 使用により、適切な流動度が維持され得る。微生物の作用の防止は、例えば、パ ラ ベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの種々の 抗菌剤および抗真菌剤の使用により達成され得る。多くの場合、例えば糖あるい は塩化ナトリウムという等張剤を混ぜることが好ましい。例えば、モノステアリ ン酸アルミニウムおよびゼラチンという、吸収を遅延させる薬剤を組成物中に用 いることによって、注射用組成物の持続性吸収が達成され得る。 滅菌注射溶液は、必要量の活性化合物を上に列挙した他の種々の成分とともに 適切な溶剤に組み込み、必要に応じてその後濾過滅菌を行うことにより調製され る。一般に、分散液は、基本的な分散媒と上に列挙した成分以外の他の必要な成 分とを含有する滅菌ビヒクルに、種々の滅菌活性成分を組み入れることにより、 調製される。滅菌注射溶液の調製用の滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は真空 乾燥および凍結乾燥法である。これらの方法により、活性成分およびその他の所 望の成分の粉末が、あらかじめ滅菌ろ過された溶液から得られる。 ここで用いられる「薬学的に受容可能なキャリア」にはいかなるおよびすべて の溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延 剤などが含まれる。薬学的活性物質へのこのような媒体および物質の使用は当該 技術分野では周知である。あらゆる通常の媒体または物質が活性成分に対して不 適合である場合を除いて、治療用組成物中でのその使用が意図される。補足活性 成分もまた、組成物に組み込まれ得る。 口腔内の疾病の予防においては、ポリペプチドは賦形剤と混合され、非摂取性 口内洗浄剤および歯磨剤の剤形で使用され得る。口内洗浄剤は必要量の活性成分 をホウ酸ナトリウム溶液(Dobell's Solution)のような適切な溶媒に混合するこ とにより調製され得る。あるいは、活性成分を、ホウ酸ナトリウム、グリセリン および炭酸水素カリウムを含有する消毒洗浄液に混合することも可能である。活 性成分はまた、歯磨剤(ゲル、ペースト、粉末およびスラリーを含む)に分散さ せることも可能である。活性成分はペースト状の歯磨剤(水、結合剤、研磨剤、 着香料、発泡剤および保水剤を含有し得る)に治療上の有効量で添加され得る。 「薬学的に受容可能な」という用語はヒトに投与した際にアレルギーもしくは 同様の好ましくない反応を生じない分子状態での存在および組成物を意味する。 活性成分としてタンパク質を含有する水溶性の組成物の調製は当該技術分野で十 分に理解されている。典型的には、このような組成物は液状溶液か懸濁液として 注射用に調製される。注射前に液体中に溶解もしくは懸濁するのに適した固形の 剤形もまた、調製され得る。調製物は乳化されていてもよい。 組成物は中性もしくは塩の形で処方可能である。薬学的に受容可能な塩には酸 付加塩(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)が含まれ、そして、これらは 例えば、塩酸またはリン酸などのような無機酸、あるいは酢酸、シュウ酸、酒石 酸、マンデル酸などのような有機酸により形成されている。遊離カルボキシル基 により形成される塩はまた、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カ ルシウムあるいは水酸化第2鉄などのような無機塩基、およびイソプロピルアミ ン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基から誘導 され得る。処方されると、溶液は処方用量および治療上の有効量に適合する方法 で投与される。処方物は注射溶液、薬物放出カプセルなどの種々の剤形で容易に 投与される。 例えば、水溶液での非経口投与用には、必要であれば、その溶液は適切に緩衝 化され、そして液体希釈剤は最初に十分な生理的食塩水またはグルコースで等張 にされていなければならない。これらの特定の水溶液は特に、静脈内、筋肉内、 皮下および腹腔内投与に適している。この関係で、使用可能な滅菌水性媒体は本 明細書の開示を考慮すると当業者に公知である。例えば、1回の投与量は1mlの NaCl等張溶液に溶解可能であり、1000mlの皮下注入液に添加されるか所定の注入 部位に注入される。(例えば、“Remington's Pharmaceutical Sciences”15版 、1035-1038頁および1570-1580頁参照)。投与量の多少の変化は治療を受けてい る被検体の状態によって必然的に起る。いずれにしても、投与に責任を有する者 が個々の被検体に対して適切な投与量を決定する。さらに、ヒトへの投与につい ては、調製物はFDA Office of Biologicsの基準により必要とされる無菌性、発 熱性、一般的安全性および純度基準を満たしていなければならない。 4.22 スクリーニングアッセイ 形質転換された宿主細胞は、本発明のDBPおよびDBP誘導タンパク質と複合体を 形成する能力のある化合物を選択するために、天然および人工的に誘導された化 合物または混合物のスクリーニングに使用できる。これは微生物のDcnへの結合 能力を阻害するかそうでなければ破壊する、あるいは強める化合物をサーチする のに有用であり得る。特有なDBPエピトープと複合体を形成する化合物を特定す ることによって、有効な薬学的物質が開発可能であろうことは予期される。この 化合物には、例えば植物性、動物性および海洋性資源のような自然資源から分離 した化合物ならびに種々の合成化合物がある。この方法でテストされ得る天然ま たは人工の化合物もまた、種々のミネラルと、タンパク質、ペプチドあるいは抗 体とを含み得る。 4.23. エピトープのコア配列 本発明はまた、全細胞および他のペプチドを含まないタンパク質あるいはペプ チド組成物に関する。このタンパク質あるいはペプチド組成物は、エピトープを 組み込む精製タンパク質もしくはペプチドを含み、このエピトープは本発明の1 またはそれ以上の抗体と免疫学的に交差反応を行う。 ここに用いられる「1またはそれ以上の抗DBP抗体と免疫学的に交差反応をす る(単数または複数の)エピトープを組み込む」との用語は、DBP ポリペプチド 内に位置するエピトープに類似する1次、2次、または3次構造を含むペプチド もしくはタンパク質抗原をさしていうことを意図する。類似性のレベルは一般に 、DBPポリペプチドに対するモノクローナル抗体あるいはポリクローナル抗体が また、交差反応性のペプチドもしくはタンパク質抗原と結合し、反応し、あるい はそうでなければ認識するような程度である。そのような抗体に関して、例えば ウェスタン法、ELISA 、RIAなど種々の免疫アッセイ法が使用され、これらのす べては当業者に公知である。 dbpもしくはdbp様遺伝子産物および/またはこれらと機能的な同等物由来のDB Pエピトープであって、ワクチンでの使用に適したエピトープの同定は比較的直 接的問題である。例えば、米国特許第4,554,101号に示されており、ここにその 内容を援用するHoppの方法を採用し得る。Hoppの方法は、親水性に基づくアミノ 酸配列由来のエピトープの同定および調製を教示する。いくつかの他の論文に記 載された方法およびそれに基づくソフトウェアープログラムもまた、エピトープ コア配列の同定に使用することが可能である(例えば、Jameson and Wolf,1988 ;Wolf ら,1988;米国特許第4,554,101号を参照されたい)。次にこれらの「エ ピトープのコア配列」のアミノ酸配列は、ペプチド合成の適用あるいは組換え技 術のいずれかにより、ペプチドに容易に組込まれ得る。 本発明により使用する好ましいペプチドは、一般に約5個から25個のアミノ酸 の長さ、さらに好ましくは約8個から20個のアミノ酸の長さの程度である。より 短い抗原ペプチド配列は、ある状況、例えばワクチン調製あるいは免疫学的検出 アッセイにおいて有利であることが考えられる。有利であることの例には調製と 精製の容易性、製造が比較的低コストでその再現性が改善されていること、およ び都合のよい生体内の分布が含まれる。 本発明の特別な利点が合成ペプチドの調製により実現可能であることが考えら れる。この合成ペプチドには、DBPおよびDBP関連配列に対する「万能」エピトー プペプチドとなる、修飾および/または拡大エピトープ/免疫原性コア配列;あ るいはDcn または関連プロテオグリカンと結合する他のドメインが含まれる。こ れらの領域は非常に高い可能性で動物におけるT細胞またはB細胞の刺激を促進 し、したがってそのような動物での特定の抗体の産生を誘発することも考えられ る。 ここで使用されているエピトープコア配列は、DBPエピトープ特異的抗体上の 抗原結合部位に対して「相補的」であり、したがって結合する比較的短い伸長で ある。さらに、またはあるいは、エピトープコア配列は本発明のペプチド組成物 に対する抗体と交差反応する抗体を誘発する。本明細書の開示の内容において、 用語「相補的な」は互いに引きつける力を示すアミノ酸またはペプチドを表すこ とが理解される。したがって、本発明のある種のエピトープコア配列は、相当す るタンパク質に対する抗血清と競合するか、おそらく所望のタンパク抗原の結合 と置き換わる能力の点で、作動的に定義され得る。 一般に、ポリペプチド抗原のサイズは、少なくとも同定された単数もしくは複 数のコア配列を有するのに十分な大きさがあるかぎり、特に重大であるとは考え られていない。本明細書の開示で予想される最小の有用なコア配列は一般に長さ がアミノ酸約5個のオーダーであり、8または25個のオーダーがより適切である と思われる。したがって、一般にこのサイズは本発明に従って調製された最小の ペプチド抗原に相当する。しかし、抗原のサイズは基本的エピトープコア配列を 含む限り、必要な場合にはより大きくなることも可能である。 エピトープコア配列の同定は当業者にとって公知である。例えば、本明細書中 に援用する米国特許第4,554,101号に記載されており、そこには親水性に基いて アミノ酸配列からのエピトープを同定し調製することが述べられている。さらに 、タンパク質の抗原部分を予測するために使用できるコンピュータープログラム は多数ある(例えば、Jameson and Wolf,1988; Wolf et al.,1988を参照)。コ ン nc.、Madison,WI)もまた、本明細書の開示に従って合成DBPペプチドおよびペ プチドアナログを設計するのに有用であり得る。本発明により提供されるペプチ ドは、種々のBorrelia関連疾患(特に、DBPおよびDBPをコードする遺伝子を含む 種によって引き起こされる疾患、したがって細胞表面上にdbpまたはdbp様遺伝子 産物を発現させ、そして次いで宿主細胞への細菌の付着を促進させるDcnのよう なECM 成分と相互作用を行う疾患)の治療用のワクチンまたは免疫試薬として使 用するための理想的な標的である。これに関連して、特定の利点がエピトープ/ 免疫原性コア配列を含む合成ペプチドの調製によって達成され得る。これらのエ ピトープコア配列は、ポリペプチドの親水性および/または可動領域として、あ るいはT細胞モチーフを含む領域として同定され得る。そのような領域が、ほぼ 間違いなくB細胞またはT細胞の刺激を増強し、従って特定の抗体産生を引き起 こすということを表わしていることが当業者に公知である。 細菌の付着の防止には、Dcn特異的遺伝子産物と、Dcn、またはLmn、Bgn、Epn あるいはFmnのような構造的にDcnと類似したプロテオグリカンと、の相互作用を 阻害する抗体を産生するエピトープの調製が特に望ましい。 タンパク質またはペプチドが、開示されたペプチドの1個またはそれ以上のエ ピトープと免疫学的に交差反応すること、あるいは開示されたペプチドの1また はそれ以上のエピトープと生物学的に等価であることを確認することもまた、簡 単な方法である。これは特定のアッセイ(例えば単一の提示されたエピトープ配 列についてのアッセイ)を使用して、あるいはさらに一般的なスクリーン(例え ばランダムに生成した合成ペプチドまたはタンパク質フラグメントのプールにつ いてのスクリーン)を行うことによって容易に判定できる。このスクリーニング アッセイは等価抗原または交差反応抗体のいずれかを同定するために採用され得 る。いずれにしても原則は同じである。すなわち、抗体および抗原間の結合部位 での競合に基づいている。 採用され得る適切な競合アッセイには、免疫組織化学アッセイ、ELISA、RIA、 ウェスタンまたはドットブロッティング法などを含む。競合アッセイのいずれに おいても結合成分の一つ(一般的にはDBP誘導ペプチドのような既知の要素また は既知の抗体)を、検出可能な標識でラベルし、全体的に未標識で残っている試 験成分を、相当する反応性抗体または抗原と結合する標識量を減少させる能力に ついて試験する。 実施態様の一例として、DBPとあらゆる試験抗原間における競合の研究を実施 するために、最初にDBPをビオチン標識または酵素性、放射性あるいは蛍光性標 識のような検出可能な標識でラベルし、その後の同定を可能にする。次に、種々 の比率(例えば、1:1、1:10および1:100)で検査するために標識抗原と 他の試験抗原とをインキュベートする。混合後、この混合物を本発明の抗体へ加 える。好ましくは、既知の抗体は、例えばELISAプレートに付着させることによ って、固定化する。抗体へ結合する混合物の能力は、特異的に結合した標識の存 在を検出することによって決定される。次に、この値を対照値と比較する。対照 値は潜在的に競合する(試験)抗原がインキュベーション時に含まれていない場 合の値である。 このアッセイはハイブリダイゼーションに基づく免疫学的アッセイの中のいず れか一つであり得、反応性抗原はその標識を検出する手段によって検出される。 例えば、ビオチン化抗原の場合にはストレプトアビジンを使用することによって 、あるいは酵素的標識に関しては色原体基質を使用することによって、あるいは 放射性標識または蛍光標識を単純に検出することによって検出される。例えば、 DBPと同じ抗体と結合する抗原は、結合に関して効果的に競合し得、したがってD BP結合を著しく減少させる。このことは検出された標識量の減少によって証明さ れる。 いずれの試験抗原も存在しない場合には、標識抗原、例えばDBP組成物の反応 性は高対照値となる。低対照値は、標識抗原と過剰の未標識DBP抗原とをインキ ュベートすると、このときに競合が起こり結合が減少することによって得られる 。試験抗原が存在する際の標識抗原の反応性の著しい低下は、試験抗原が「交差 反応性」であること、すなわちそれが、同じ抗体に結合アフィニティを有するこ とを示している。この出願に関して「著しい低下」は、再現可能な(すなわち、 一貫して観察される)結合性の低下として定義し得る。 ここに記載するペプチジル化合物に加えて、発明者はまた、立体的に類似の他 の化合物がペプチド構造の重要部分を模倣するために処方し得ると考えている。 ペプチド模倣物(peptidomimetics)と呼ばれ得る、そのような化合物は本発明 のペプチドと同様の方法で使用され得、したがって機能的同等物である。構造的 機能の同等物の形成は当業者に公知であるモデリングの手法と化学的設計とによ って達成される。このような立体配置が類似した構造物のすべてが本発明の範囲 内に入ることは理解されるであろう。 エピトープ配列あるいはその配列内に抗原エピトープを含むペプチドの合成は 、固相法のような従来の合成技術(例えば、Applied Biosystemsの Model 430A Peptide Synthesizerのような市販ペプチド合成装置の使用による)を使用して 容易に達成される。次に、この方法で合成したペプチド抗原は、あらかじめ決め られた量に分割され、従来の方法で保存される。例えば、水溶液中、あるいはさ らに好ましくは、使用まで粉末または凍結乾燥状態で保存される。 一般に、ペプチドは比較的安定であるため必要であるのなら、かなり長期間、 例えば6ヶ月まで、あるいはそれ以上におよぶまで、実質的に抗原活性に認識可 能な低下または喪失を認めることなく、ほとんどあらゆる水溶液中において保存 し得る。しかし、水中での長時間の保存を考える場合には、pHを約7.0〜約7.5に 維持するためにTrisあるいはリン酸緩衝液のような緩衝液を含有する試薬を含む ことが一般には望ましい。さらに、アジ化ナトリウムまたはメルチオレート(Mer thiolate)のような微生物の増殖を阻害する試薬を含むことが望ましい場合があ る。水中で長期間の保存を行うためには、4℃であるいはさらに好ましくは凍結 させて保存することが望ましい。もちろん、ペプチドが凍結乾燥あるいは粉末状 態で保存されている場合(例えば、計測された一定量で保存されており、使用前 に所定量の水(できれば蒸留水)または緩衝液で再水和される)には実質上無期 限に保存可能である。 4.24 部位特異的変異誘発 部位特異的変異誘発は、もととなるDNAの特異的変異による個々のペプチドの 調製、あるいは生物学的に機能が同等のタンパク質またはペプチドの調製に有用 な技術である。当業者には周知であるこの技術は、例えば、前述の考察の1また はそれ以上を取り入れて、DNAに1またはそれ以上のヌクレオチド配列の変化を 導入することにより、配列変異体を調製し試験する敏速な能力をさらに提供する 。部位特異的変異誘発は特定のオリゴヌクレオチド配列の使用によって変異体の 生成を可能にする。このヌクレオチド配列は所望の変異DNA配列および十分な数 の近接ヌクレオチドをコードし、欠失した結合部を横切って両側に安定した重複 部位を形成するために十分なサイズおよび配列の複雑性(complexity)を有するプ ライマー配列を提供する。典型的には長さが約14から約25個のヌクレオチドのプ ライマーが好ましく、この配列の接合部の両側にある約5個から約10個の残基が 変化している。 一般に、部位特異的変異誘発技術は、種々の刊行物によって例示されているよ うに当該分野で周知である。理解されているように、この技術は典型的には一本 鎖および二重鎖の両方の形態で存在するファージベクターを採用している。部位 特異的変異誘発に有用な典型的なベクターにはM13ファージのようなベクターが 含まれる。これらのファージは容易に入手可能であり、その使用は一般に当業者 に周知である。二本鎖プラスミドもまた、部位特異的変異誘発にルーチンで使用 され、これにより、対象の遺伝子をプラスミドからファージに転移させる工程が 排除される。 一般に、この方法による部位特異的変異誘発は、まず、一本鎖ベクターを得る かあるいは二本鎖ベクターの二本のストランドを融解して分けることによって実 施される。この二重ベクターはその配列内に、所望のペプチドをコードするDNA 配列を含む。所望の変異配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、一般的 には合成して調製される。次に、変異を有するストランドの合成を完成させるた めに、このプライマーを一本鎖ベクターでアニールし、E.coliポリメラーゼIク レノー断片のようなDNAポリメラーゼ酵素の処理を行う。このように、ヘテロ二 本鎖が形成され、その中の一本鎖はもとの非変異配列をコードし、第二の鎖は所 望の変異を有する。次に、ヘテロ二本鎖ベクターをE.coli細胞のような適切な細 胞を形質転換させるために使用し、変異配列アレンジメントを有する組換えベク ターを含むクローンを選ぶ。 部位特異的変異誘発を使用する選択されたペプチドをコードするDNAセグメン トの配列変異体の調製は、潜在的に有用な種を調製する手段として提供され、そ れに限定されるものではない。なぜなら、ペプチドの配列変異体とそれらをコー ドするDNA配列が得られる他の方法があるためである。例えば、望ましいペプチ ド配列をコードする組換えベクターはヒドロキシルアミンのような変異誘発剤に よって処理され、配列変異体が得られる。これらの方法に関する特定の詳細とプ ロトコルとはMaloyら,1994;Segal,1976;Prokop and Bajpai.1991;Kuby,1994 ;およびManiatis ら,1982の教示に見出され、それぞれがここに、その目的にお いて組み入れられている。 部位特異的変異誘発用のPCRTMに基づく鎖重複伸長(strand overlap extensio n)(SOE)(Hoら,1989)は、本発明の核酸組成物(nucleic acid compositions) の部位特異的変異誘発に特に適している。PCRTMの技術は上述のように当業者に 周知である。SOE法には2段階PCRTMプロトコルが含まれており、この方法では内 部プライマーの相補的対(BおよびC)を使用して適切なヌクレオチドの変化を 野性型配列へ導入する。二つの別々の反応において、隣接するPCRTMプライマー A(オリゴ内に組み入れられた制限部位)およびプライマーD(オリゴ内に組み 入れられた制限部位)を、プライマーBおよびCと共に各々使用して、PCRTM生 成物ABとCDとを生じさせる。PCRTM生成物はアガロースゲル電気泳動によって精 製され、2つの重複するPCRTMフラグメントABおよびCDは隣接するプライマーA およびDと結合し、そして第二のPCRTM反応に使用される。増幅されたPCRTM生成 物はアガロースゲル精製を行い、適切な酵素で消化し、発現ベクター内に連結し 、E.coli JM101,XL1-BlueTM(Stratagene,LaJolla,CA)、JM105あるいはTG1(Ca rter ら,1985)細胞中に形質転換する。クローンを単離し、変異を単離されたプ ラスミドの配列決定によって確認する。天然dbp遺伝子配列を用いると、適切な クローンおよびサブクローンはBG26:pB/2.5(5)中に形成され得、これより部位特 異的変異誘発が行われ得る。あるいは、pETベクター(Novagen,Inc.,Madison,WI ;米国特許第4,952,496号、ここに参考として援用される)の使用が、DBPおよびD BP由来のポリペプチドの組換え生成物において考えられる。 4.25 生物学的機能同等物 修飾および変更は、本発明のペプチド構造中およびDNAセグメント(該ペプチ ドをコードし、望ましい性質を有するタンパク質またはペプチドをコードする機 能性分子を依然として有する)中で行われ得る。同等物あるいは改善された第二 世代の分子を創生するためのタンパク質のアミノ酸の変化に基づく考察を以下に 述べる。アミノ酸の変化は表1に従ってDNA配列のコドンを変化させることによ って達成され得る。 例えば、あるアミノ酸はタンパク質構造中の他のアミノ酸と、例えば抗体の抗 原結合領域または基質分子の結合部位のような構造との相互結合能力には認めら れ得る消失を起こすことなく置換され得る。タンパク質の生物学的機能的活性を 特定するのはタンパク質の相互作用および能力であるため、あるアミノ酸配列の 置換はタンパク質配列および、もちろんそのもととなるDNAコード配列中で行わ れ得、それでも同様の特性を有するタンパク質が得られる。したがって発明者ら は、様々な変化が記載されている組成物中のペプチド配列中、あるいは対応する DNA配列(生物学的有用性または活性の認められ得る消失を起こすことなく上述 のペプチドをコードする)中で起こり得ると考えている。 このような変更の実施において、アミノ酸の疎水親水指数が考慮され得る。タ ンパク質に相互作用性生物学的機能を付与するアミノの疎水親水指数の重要性は 、一般に当該技術では理解されている(Kyte and Doolittle,1982、ここに参考 として援用される。)アミノ酸の相対的疎水親水特性は生じるタンパク質の2次 構造に寄与し、それは次いでタンパク質と他の分子、例えば酵素、基質、レセプ ター、DNA、抗体、抗原との相互作用を順次規定する。個々のアミノ酸には疎水 親水指数がその疎水性および荷電特性に基づいて割り当てられている(Kyte お よび Doolittle,1982)。これらはイソロイシン(+4.5)、バリン(+4.2)、ロ イシン(+3.8)、フェニルアラニン(+2.8)、システイン/シスチン(+2.5)、 メチオニン(+1.9)、アラニン(+1.8)、グリシン(-0.4)、トレオニン(-0.7 )、セリン(-0.8)、トリプトファン(-0.9)、チロシン(-1.3)、プロリン( -1.6)、ヒスチジン(-3.2)、グルタミン酸(-3.5)、グルタミン(-3.5)、ア スパラギン酸(-3.5)、アスパラギン(-3.5)、リジン(-3.9)、およびアルギ ニン(-4.5)である。 特定のアミノ酸は類似の疎水親水指数あるいはスコアを有する他のアミノ酸で 置換され得、そして結果的になお類似の生物学的活性を有するタンパク質が得ら れる、すなわち依然として生物学的機能の同等なタンパク質が得られることは当 該技術分野で公知である。これらの変化を起こさせる点で、疎水親水指数が±2 以内のアミノ酸の置換が好ましく、±1以内のアミノ酸が特に好ましく、そして ±0.5以内のアミノ酸がさらに特別に好ましい。類似のアミノ酸の置換が親水性 に基づいて効果的に実施可能であることもまた当該技術分野で理解されている。 ここに参考として援用する米国特許第4,554,101号には、タンパク質の最大局所 平均親水性は、その近接するアミノ酸の親水性の支配を受けるために、該タンパ ク質の生物学的性質に相関することが述べられている。 米国特許第4,554,101号に詳述されているように、次の親水性値がアミノ酸残 基に割り当られている:アルギニン(+3.0)、リジン(+3.0)、アスパラギン酸 (+3.0±1)、グルタミン酸(+3.0±1)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0.2 )、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、トレオニン(-0.4)、プロリン(-0. 5±1)、アラニン(-0.5)、ヒスチジン(-0.5)、システイン(-1.0)、メチオ ニン(-1.3)、バリン(-1.5)、ロイシン(-1.8)、イソロイシン(-1.8)、チ ロシン(-2.3)、フェニルアラニン(-2.5)、トリプトファン(-3.4)。アミノ 酸は類似の親水性値を有する他のアミノ酸に対して置換可能であり、さらに生物 学的同等物、そして特に免疫学的に同等なタンパク質が得られることは理解され ている。このような変化において、その親水性値が±2以内のアミノ酸の置換が 好ましく、±1以内のアミノ酸が特に好ましく、そして±0.5以内のアミノ酸が さらに特別に好ましい。 従って上で概説したように、アミノ酸置換は一般にアミノ酸側鎖の置換基の相 対的類似性、例えばその疎水性、親水性、電荷、サイズなどに基づいている。種 々の前述の特徴を考慮に入れた典型的な置換は当業者に周知であり、それにはア ルギニンおよびリジン;グルタミン酸およびアスパラギン酸;セリンおよびスレ オニン;グルタミンおよびアスパラギン;そしてバリン、ロイシンおよびイソロ イシンが含まれる。 5.実施例 以下の実施例は本発明の好ましい態様を示すために挙げるものである。これら の実施例において開示される技術は、本発明の実施において十分に機能するもの として本発明者らにより発見されたものに従うものであり、従って本発明の好ま しい形態をなすものと考えられることは当業者に理解される。但し、本明細書の 開示を考慮して、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、開示された具体 的な態様に多くの変更を加え、やはり同様なまたは似たような結果を得ることが できることも当業者に理解される。 5.1 実施例1- デコリンへのB.burgdorferiの接着性 5.1.1 材料および方法 5.1.1.1 細菌株および培養 低継代(in vitro で10継代未満)B.burgdorferi N40を特記しない限り全ての 研究に用いた。高継代B.burgdorferi B31(ATCC 35210)は多数のin vitro継代を 経たものである。B.burgdorferiはBSKII培地中34℃で培養した(Barbour,1984) 。培養物をGasPakチャンバー(BBL,Baltimore,MD)中3〜6%O2で細胞が中期から 後期対数期に達するまでインキュベートした。14,500×gで30分間遠心分離する ことにより細胞を採取し、そして滅菌および濾過したリン酸緩衝生理食塩水(PBS ,pH 7.4; 0.137M NaCl,3mM KCl,4mM Na2HPO4,1mM KH2PO4)中で3回穏やか に洗浄した。スピロヘータをPBS中に再懸濁し、そして暗視野顕微鏡法で測定さ れる生物数にA600を関連付けた参照標準曲線を使用して1mlあたり109個の生物 数に細胞密度を調整した。スピロヘータを4℃で貯蔵した。Dcn結合活性は1ケ 月まで維持された。 Staphylococcus aureus Phillips(臨床骨髄炎分離株)およびPH100(Phillips 株のコラーゲン接着陰性同種変異体)を、ブレインハートフュージョンブロス(Di fco Laboratories,Detroit,MI)中で抗生物質なしに37℃で一晩増殖させた(Pat tiら、1994)。細胞を洗浄し、PBS中に再懸濁した。 5.1.1.2 Dcnの標識化 胎児皮膚由来のウシDcnを上述のようにして精製した(Choiら、1989)。DcnはNH S-LC-ビオチン(Pierce,Rockford,IL)を用いて製造者の説明書に記載されたよ うにして標識化し、-20℃で貯蔵した。 DcnをクロラミンT法によりHunter(1978)の記載に従ってヨウ素化した。5μl( 0.5 mCi)のNa125I[Amersham Life Science,Arlington Heights,IL)を使用し て1mlのPBS中の100μgのDcnを標識化した。放射性標識プロテオグリカンの比活 性は約2×106cpm/μgと推定された。 5.1.1.3 接着アッセイ A)をDcn、ラット尾部由来のコラーゲンI型(Collaborative Biochemical Produc ts,Bedford,MA)、あるいは仔ウシ皮膚由来のコラーゲンIII型(Sigma Chemical Co.,St Louis,MO)で被覆した。DcnはPBS中に溶解し、そしてコラーゲンI型 およびIII型は20mM酢酸中に溶解し、1mg/mlの濃度に調整した。合計容量50μl 中の2μgの各タンパク質をマイクロタイタープレートウェル中で4℃において 一晩インキュベートした。ウェルをデカントし、そして0.1%ウシ血清アルブミン (BSA)を含む200μlのPBSで、一回5分で3回洗浄した。マイクロタイターウェル をPBS中の1mg/mlの濃度のBSA 100μlと2時間インキュベートすることにより、 別のタンパク質結合部位をブロックした。ウェルを洗浄し、そしてPBS-0.1%ウシ 血清アルブミン(BSA)1mlあたり109生物数の懸濁物25μlと共に1時間インキュ ベートし、各5分で3回洗浄した。マイクロタイターウェルをPBS中の1mg/mlの 濃度のBSAの100μlと2時間インキュベートすることにより別のタンパク質結合 部位をブロックした。ウェルを洗浄し、そしてPBS-0.1%BSAの1mlあたり109生物 を含む懸濁物の25μlと1時間インキュベートした。ウェルを洗浄して付着して いない細菌を除去した後、ウェルをPBS-0.1%BSA中の抗B.burgdorferiウサギ血 清(ウサギに1mlあたり108生物数の洗浄したB.burgdorferi B31を接種し、そし て接種後3週間で血清を採集した)の1:1000希釈物の100μlと1時間インキュベ ートした。S.aureus付着をアッセイするときにはこの工程は省略した。これはS . aureusの表面上のプロテインAは2次抗体に直接結合するからである。ウェル を洗浄した後、PBS-0.1% BSA中のヤギ抗ウサギアルカリホスファターゼ結合体(B io-Rad,Hercules,CA)の1:1000希釈物100μlと1時間インキュベートし、その 後洗浄して、続いて1Mジエタノールアミン-0.5mM MgCl2(pH 9.8)中に溶解した1 mg/ml 濃度のSigma 104 ホスファターゼ基質100μlと37℃で30〜45分インキュベ ートした。マイクロプレートリーダー(Molecular Devices,Menlo Park,CA)でA405 を測定した。 付着の阻害をアッセイするため、1mlあたり109生物数のB.burgdorferi N40 を含む100μlの懸濁物を可能な競合物(または他に述べられているもの)2μgと 室温で1時間プレインキュベートした。可能な競合物には、Dcn、BSA(The Bindi ng Site,San Diego,CAまたはICN,Costa Mesa,CA)、フェツインIV型(Sigma) 、チログロブリンII型(Sigma)、フィブリノーゲン(KabiVitrium,Stockholm,Sw eden)、アグレカン(ウシ軟骨から単離)、ヘパリン(Sigma)、およびコンドロイチ ン硫酸A型(クジラおよびサメ軟骨由来、Sigma)が含まれる。10% BSAの1μlを加 え て1% BSAの最終濃度を得た。この懸濁物をタンパク質で被覆されたマイクロタイ ターウェルに加え、上記したようにアッセイを続けた。 5.1.1.4 結合アッセイ B.burgdorferi N40細胞(1.5×108)を、1% BSAを含む0.5 mlのPBSの最終容量 中で、約50,000cpm の125I-標識Dcnと室温で1時間インキュベートした。1% BSA を含む3mlのPBSを加えることにより反応を停止し、そして6000×gで30分間遠心 分離した。細菌ペレットに結合した放射性標識化Dcnを、Cobra II Auto-Gamma C ounter(Packard Instruments,Meriden,CN)により定量した。細菌なしに上記し たようにインキュベートしたチューブ中で回収された放射能をバックグラウンド とし、細菌を使用して得られた値から差し引いた。上記したようにB.burgdorfe riを125I- 標識Dcnとインキュベートし、そして特定の時間で反応を停止するこ とにより、結合の時間依存性をアッセイした。 洗浄したB.burgdorferi N40(1mlあたり108生物数)を非標識競合物5μgと3 0分間プレインキュベートすることにより結合の阻害をアッセイした。放射性標 識Dcn(50,000cpm)を加え、インキュベートをさらに30分間継続した。1% BSAを含 む3mlのPBSを加えることにより反応を停止し、そしてアッセイを上記したよう に継続した。 5.1.1.5 SDS-PAGEおよびウェスタンブロット型アッセイ B.burgdorferi全細胞溶解物由来のタンパク質をドデシル硫酸ナトリウム-ポ リアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)(Laemmli,1970)にかけ、ウェスタン ブロット型アッセイによりつり上げた。SDS-PAGEのために、還元条件下でSDSを 煮沸する被覆により2×107のB.burgdorferi細胞を溶解し、そして5〜15%勾配 のアクリルアミドスラブゲル中で175Vで30分間電気泳動にかけた。ウェスタンブ ロット型アッセイのために、タンパク質をポリアクリルアミドゲルからニトロセ ルロース膜(Schleicher & Schuell,Inc.,Keene,NH)にエレクトロブロットに より4℃で1.5時間にわたって移した。TBST(0.15M NaCl,20mM トリス-HCl,0.0 ンキュベートするとにより、膜上のさらなるタンパク質結合部位をブロックした 。膜を、TBSTの1mlあたり0.1μgのビオチン標識Dcnと室温で1時間インキュベ ートし、洗浄し、TBST中のアビジンD西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体(Vector Laboratories,Burlingame,CA)の1:3,000希釈物と1時間インキュベートした 。膜を洗浄し、Enhanced Chemi-Luminescence検出試薬1および2(Amersham Life Science)の1ml中で1分間インキュベートし、そして1〜5秒間X線フィルム に露出した。 5.1.2 結果 5.1.2.1 B.burgdorferiはDcnに接着する 皮膚コラーゲン線維の主要な巨大分子成分(即ち、コラーゲンI型およびIII型 およびDcn)のいずれかがB.burgdorferiの接着を支持できるかどうかを決定する ため、本発明者らはインビトロ付着アッセイを使用した。マイクロタイターウェ ルをDcnまたはコラーゲンで被覆し、そしてスピロヘータの懸濁物をタンパク質 で被覆したウェル中で1時間インキュベートした。非接着生物を洗浄により除去 した後、免疫学的方法により接着スピロヘータを検出した。B.burgdorferi N40 はDcn被覆ウェルに接着したが(図1A)、コラーゲン被覆ウェルへのスピロヘータ の接着力はBSA被覆ウェルへの接着力よりもわずかに大きいだけであった。接着 スピロヘータを非接着生物を洗浄により除去した後に免疫学的方法により検出し た。B.burgdorferi N40はDcn被覆ウェルに接着したが(図1Aおよび図1B)、コラ ーゲン被覆ウェルへのスピロヘータの接着力はBSA被覆コントロールウェルへの 接着力よりもわずかに大きいだけであった。さらに、この酵素結合免疫吸着アッ セイ(ELISA)型の試験においては、B.burgdorferiとインキュベートしたコラー ゲン被覆ウェルからのシグナルは、細菌の不在下でインキュベートしたタンパク 質被覆ウェルからのものと同等であった(図1A)。コントロールとして、本発明者 らは、コラーゲン被覆ウェルがコラーゲン接着物質を発現するS.aureus Philli psの接着力を支持できるが、コラーゲン接着陰性変異体のPH100株の接着力を支 持できないことを示した(図1B)。これらのデータは、B.burgdorferi N40がDcn には接着するが、皮膚コラーゲン線維のその他の主要な成分には接着しなかった 被覆を示している。 B.burgdorferiのDcn被覆マイクロタイターウェルへの接着力を時間の関数と してアッセイすると、約1時間で最大の接着力に達する時間依存性プロセスが観 察された(図2)。さらに1時間インキュベートを続けても、接着細菌の数は増加 しなかった。 B.burgdorferiはまた、可溶性Dcnを認識するようである。スピロヘータを濃 度を増加させる可溶性Dcnとプレインキュベートすると、Dcn基質への接着力が漸 減した。2.5×107のスピロヘータを0.1μgのDcnとプレインキュベートすると、 付着の50%減少が観察された(図3)。 B.burgdorferiのDcn被覆ウェルへの接着の特異性を決定するため、本発明者 らはスピロヘータを種々の可溶性細胞外成分(例えばフェツイン、チログロブリ ン、フィブリノーゲン、アグレカン、およびコンドロイチン硫酸鎖)とプレイン キュベートすることにより、このような付着を阻害することを試みた。B.burgd orferiを各成分と個々に1時間プレインキュベートし、そしてスピロヘータがDcn 被覆ウェルに付着できるかどうかに関わらず、懸濁物をマイクロタイターウェル に移した。Dcnは付着を100%阻害したが、その他の可能なインヒビターはスピロ ヘータの付着にわずかに影響を示したに過ぎず、20%未満の阻害を生じたのみで ある(図4)。従って、B.burgdorferiのDcnへの付着は高度に特異的であるようで ある。 5.1.2.2 B.burgdorreriは可溶性125I-標識Dcnに結合する 改変したインビトロ結合アッセイを使用して、B.burgdorferiが可溶性125I- 標識Dcnに結合するかどうかを決定した。PBS、1%BSA、および125I-標識Dcnを含 む懸濁物中でスピロヘータをインキュベートした。インキュベートの終わりで、 細菌を遠心分離により採集し、結合したDcnの量をペレット中の放射能を測定す ることによりアッセイした。 0から120分までの時間の関数として結合をアッセイすると、最大の結合は15 分で得られ、そして2時間まで一定であった(図5)。3〜4時間までインキュベ ートを延長すると、しばしば結合は減少した。B.burgdorferi B31の高継代分離 株はどの時点においても結合を示さなかった(図5)。 これらの結果を付着アッセイの結果と相関させるため、懸濁物中の種々の非標 識成分を用いる125I-標識DcnのB.burgdorferi結合の阻害を試みた。スピロヘー タを非標識の可能な競合物と放射性標識Dcnの不在下で30分間インキュベートし た。125I-標識Dcnを添加した後、さらに30分間インキュベートを継続した。Dcn は放射性標識リガンドの結合を63%阻害したが、試験したその他の可能なインヒ ビター(アグレカン、チログロブリン、BSA、フェツイン、コンドロイチン硫酸、 フィブリノーゲン、およびヘパリン)は実質的に効果がなく、いずれも10%未満し か結合を減少しなかった(図6)。従って、可溶性125I-標識Dcnの細菌結合への非 標識インヒビターの効果は、B.burgdorferiのDcn基質への付着に対するものと 同様であり、同じ細菌分子が関与していることを示している。 Dcnのどのドメインがスピロヘータへの結合に関与しているかを決定するため に、本発明者らは、単離されたコアタンパク質、単離されたGAG鎖、または両者 の等モル量混合物を使用して、B.burgdorferiのインタクトな125I-標識Dcnへの 結合を阻害することを試みた(Bidansetら、1992)。結合はインタクトなプロテオ グリカン(コアタンパク質に共有結合したGAG鎖を含む)により阻害されたが、単 離されたコアタンパク質、単離されたGAG鎖、あるいは両者の混合物によっては 阻害されなかった(図7)。 B.burgdorferiを125I-標識Dcnの量を増加させながらこれとともにインキュベ ートすると、リガンドの濃度依存性結合が観察された(図8)。細菌の不在下でイ ンキュベートしたチューブで回収された放射能(非特異的結合)もまた、標識され たDcnの量が増加するに従って増加した。125I-標識Dcnの特異的細菌結合(全結合 から非特異的結合を引いたもの)は飽和に近づくようであった。これらのデータ から、近似Kd値を細菌あたりのDcn結合部位の相互作用および数(n)について概算 した。[S]結合/[S]遊離を[S]結合に対してプロットした。ここで、基質SはDcnで ある。Kdは3×10-7M-1と計算され、これは中程度の親和性を示しており、そし てnは1生物あたり約5×104Dcn結合部位と計算され、これは小コピー数を示し ている。結合されたDcnについての標準偏差(図8)は大きいが、これらの値はKdお よびnの準定量的概算値である。 5.1.2.3 B.burgdorferiからのDBPの同定 B.burgdorferiによって発現される別個のDBPを同定する試みにおいて、ウェ スタンブロット型のアッセイでビオチン標識Dcnをプローブとして使用した。全 細胞B.burgdorferi溶解物からのタンパク質を還元条件下でSDS-PAGEにより分離 し、そしてニトロセルロース膜に移した。3%脱脂粉乳を含む溶液により別のタン パク質結合部位をブロックした後、ビオチン標識Dcnを膜上のタンパク質に結合 させ、その後西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビジンをビオチン標識Dcnに結 合させた。DBPを化学発光により可視化した。このアッセイにより、B.burgdorf eri N40からのタンパク質の混合物中において見かけ分子量が19kDaおよび20kDa の2種のDBPの存在が明らかにされた(図9A、図9B)。SDS-PAGEを行いその後にクー マシーブリリアントブルーで染色することにより、これらのタンパク質はB.bur gdorferiの全タンパク質の小部分を構成することが示された。この2種のDBPはO spC(約21kDaにおける顕著なバンド)の直下に移動するが、存在したとしてもター マーシーブルー染色によっては殆ど認識できないものである。高継代の非Dcn結 合B31株からのタンパク質を同様にして分析した場合、DBPは全く検出されなかっ た。 本発明者らはまた、ウェスタンブロット型アッセイにおいてビオチン標識Dcn のB.burgdorferiタンパク質への結合の阻害を試みた。細菌のDcn基質への付着 をブロックする試みにおいて、あるいは125I-標識Dcnのインタクトなスピロヘー タへの結合を阻害する試みにおいて使用したものと同じ非標識タンパク質ととも に膜をプレインキュベートした。3つ全てのアッセイにおいて同じ型の特異性が 観察された。さらに、単離されたGAG鎖またはコアタンパク質の存在は、ビオチ ン標識DcnのB.burgdorferiタンパク質への結合を妨害しなかった。合わせて考 慮すると、これらのデータは、DBPと同定された19kDaおよび20kDaのタンパク質 が125I-標識Dcnのインタクトなスピロヘータへの結合を担い、そして細菌のDcn 基質への付着を媒介していることを示唆している。 これまでの研究により、B.burgdorferiが主として細胞外病原体であり、そし てスピロヘータがコラーゲン線維と密接に関連してよく見られることが判ってい る(Bartholdら、1991; 1992; 1993; Duray,1992)。この関連に基づき、本発明 者らは、B.burgdorferiが、コラーゲン線維の成分を特異的に認識する接着物質 を発現するのではないかということを仮説した。B.burgdorferiが定常的に見ら れる組織である皮膚においては、コラーゲン網は主にコラーゲンI型およびIII 型並びにプロテオグリカンDcnからなり、コラーゲン線維と結合している。 B.burgdorferiはDcnからなる基質に接着したが、コラーゲンI型またはIII型 には接着しなかった。これらのデータは、Dcnが皮膚においてB.burgdorferi接 着の可能な標的であることを示唆している。これまで、B.burgdorferiのヘパリ ン(Isaacs,1994)およびαIIbβ3インテグリン(Coburnら、1993;1994)への接着 が報告されている。さらに、ヘパリンはB.burgdorferiの培養HeLa細胞への接着 を阻害する(Isaacs,1994)が、この研究で示されたように、Dcnのスピロヘータ への結合に影響しない。B.burgdorferiは、いくつかの宿主組織接着機構を有す る可能性が非常に高い。しかし、これまでに記載された接着機構のいずれかが、 真皮におけるコラーゲン繊維の観察されたコロニー化を担う可能性は小さい。 またB.burgdorferiは、飽和速度論を示し、かつ時間依存性および濃度依存性 で起こるプロセスにおいて可溶性Dcnに結合する。最大の結合は、Dcnがマイクロ タイターウェル上に固定化されている場合よりも溶液中にある場合に、より迅速 に達成された。この矛盾の理由は不明である。可溶性125I-標識Dcnの結合および スピロヘータのDcn基質への付着の両方ともDcnにより有効に阻害された。その他 の細胞外マトリックスタンパク質はわずかな効果を有するのみであった。このこ とは特異性の高い度合いを示している。さらに、単離されたコアタンパク質およ びGAG鎖のいずれも、単独または組み合わせにおいて、結合を阻害できなかった 。 Dcn分子上のBorrelia結合部位は同定されていなかった。おそらく、Dcnはプロ テオグリカン上の異なる部位が関与する2種の相互作用により、一度にコラーゲ ンおよびボレリアの両方に結合する。スピロヘータ上のインタクトなDcn接着物 質に必要とされることは、コアタンパク質およびGAG鎖の分離の際に破壊される 立体構造上のモチーフを認識し得ることである。 B.burgdorferiのDcnへの結合についてのKdは約3×10-7M-1と概算された。 これは中程度の親和性を示している。結合部位数であるnは生物個体あたり約5 ×104コピーと計算された。これは低コピー数である。SDS-PAGE分析もまた、DBP が豊富なB.burgdorferiタンパク質ではないことを示している。 ウェスタンブロット型アッセイにより、見かけ分子量が19kDaおよび20kDaの2 種の推定Dcn接着物質が同定された。19kDaタンパク質は、20kDaタンパク質と同 じ遺伝子に由来する短縮型産物であり得る。あるいは、2種のタンパク質は遺伝 的に異なり得る。これらのデータは、B.burgdorferi N40により発現される2種 のタンパク質が、スピロヘータのDcnを介した皮膚コラーゲンへの付着を媒介す る接着物質として作用し得ることを示している。低継代Sh-2.82(Shelter Island , NYからのIxodes damminiダニ分離株)、B31(Barbour,1984)、および297(Isaac s, 1994)を含むいくつかの他のB.burgdorferi株もまた、125I-標識Dcnに結合し 、そして20kDa分子量範囲でDBPを発現する。 5.2 実施例2- 天然B.burgdorferi DBPの部分的精製 B.burgdorferi N-40株の膜を抽出することにより、DBPを部分的に精製した。 約1×109生物/ml リン酸緩衝生理食塩水(PBS)にN-オクチル-グルコピラノシド を1.5%の濃度まで加えた。混合物を旋回させながら室温で20分間インキュベート した。インキュベートした混合物を30,000rpmで5分間回転させて沈殿させ、そ して抽出された膜構成成分を含む上清を取り出した。上清をPBSに対して4℃で 一晩透析した。緩衝液は一回交換した。その後透析した膜上清を0.2μmフィルタ ーで濾過し、Dcnアフィニティカラムに注いだ。 Dcnアフィニティカラムは、まずChoiにより記載された方法に従ってウシ胎児 皮膚からDcnを精製することにより調製した。次に精製したDcnをCNBr活性化Seph させた。2.0mlのDcnカラムをPBSと室温において平衡化させ、そして膜調製物を カラムに注ぎ、10カラム容量のPBSで洗浄した。Dcnカラムに結合したタンパク質 を1M NaClで溶出し、そして8個の0.5ml画分を採集した。 採集した画分のそれぞれの20μlを5〜15%勾配のSDSポリアクリルアミドゲル 中で各2回ずつ電気泳動にかけた。一つのゲルをクーマシーブルーで染色したと ころ、約20kDaにおいて一つの主要なバンドが見られた。二番目のゲルをニトロ セルロースに移し、製造者の説明書に従ってNHS-LC-ビオチン(Pierce,Rockford , IL)で標識したDcnを用いてつり上げた。このビオチン化ウェスタンブロットに より2つのDcn結合バンドが示され、一つは約18〜19kDaであり、そしてもう一つ は約20kDaであった。 より低い方のゲルバンド(例えば18〜19kDaバンド)の部分をクーマシーブル ー染色ゲルから切り出し、5〜20%勾配のポリアクリルアミドゲルにエンドペプ ia)に移し、クーマシーブルーで染色し、そして約50%メタノール/10%酢酸中で脱 染した。約18kDaにおいて得られたバンドを膜から切り出し、そして商業的な配 列決定業者のthe Baylor College of Medicine Core Protein Facility(Housto n,Texas)に送った。 5.3 実施例3- B.burgdorferi膜に対するDBPの局在化 DBPの接着機能、およびその増殖阻害抗体の標的としての役割は、DBPがBorrel ia外膜に局在することを示している。このB.burgdorferi B3に関する生化学的 支持をさらに得るため、最近公開された等密度遠心法(Bledsoeら、1994)により 全膜を内膜および外膜(IM,OM)に分離した。界面活性剤相分割によると、DBPはO spAおよびその他のボレリア膜リポタンパク質(Brandtら、1990)と同様に両親媒 性であるようであった(図13)。これらのタンパク質上の脂質の存在を確認するた め、B.burgdorferi B31を3H-パルミテートで代謝的に標識し(Brandtら、1990) 、溶解し、そしてウサギ抗rDBPおよび抗rOspAを用いる免疫沈降アッセイに使用 した。DBPおよびOspAは両者とも3Hを取り込むことが判った。従って、DBPはその 配列および膜分画特性により推定されるようにリポタンパク質である。 5.4 実施例4- DBPをコードする核酸配列の単離 DBPをコードするヌクレオチド配列を、B.burgdorferi株297から調製したλZA PTM発現ライブラリーから得た。B.burgdorferi DNA発現ライブラリーをジゴキ シゲニン標識Dcnでスクリーニングし、DBPをコードするクローンを同定した。陽 性のクローンを配列決定し、そして約0.6kbのオープンリーディングフレームを 同定した。約2.5kbのインサートおよび約0.6kbのオープンリーディングフレーム を含む一つのクローンをAmerican Type Culture Collection(ATCC)に1995年4月2 4日に寄託し、これは受託番号ATCC69791を有する。このクローンを使用してDBP を発現させ、そしてアフィニティクロマトグラフィー、および標識Dcnプローブ を用いるドットブロットアッセイにより、発現されたタンパク質がDcnに結合す ることを示した。発現されたDBPはまた、B.burgdorferiのDcnへの接着を妨げる ことも示された。 λZAPTM発現ライブラリーは、Jackson,MSのV.A.Medical CenterのDr.Robin Isaacsから得た。このライブラリーは、製造者の説明書(Stratagene,La Jolla ,CA)に従ってB.burgdorferi株297 DNAを使用して構築されたものであった。こ のライブラリーをB.burgdorferi 297(p3)培養物から回収されたDNAから創出 し、そしてこのライブラリーは、ゲノムおよびプラスミドエレメントを含んだ。 DNAをSau3Aで部分的に消化し、そして部分的に末端を充填して、XhoIにより消化 しそして部分的に充填したベクター中への連結を可能とした。最初のライブラリ ーは約2.1×105クローンを含み、組換え体は95%を越えていた。平均インサート サイズは2〜4kbの範囲であった。 Sambrookら(1989)により記載されたプロトコールに従って、ライブラリーを6 枚の90mmプレートにプレートし、そしてプラークをHAFTニトロセルロースフィル ター(Millipore,Bedford,MA)上につり上げた。フィルターを3%(w/v)ウシ血清 pH7.4)中で2時間室温でインキュベートした。フィルターをTBSTで室温において 5分間3回洗浄した。洗浄したフィルターをTBSTの1mlあたり1μgのジゴキシゲ ニン標識Dcn(上記のように調製した)と室温で1時間インキュベートし、次いで 上記のように洗浄し、そしてTBST中の1:1000抗ジゴキシゲニン-POD Fabフラグメ ントと1時間室温でインキュベートした。抗体マーカーを、洗浄し、そしてクロ ロナフトール溶液(10mlのメタノール中の30mgの4-クロロ-1-ナフトール[Bio-Rad ,Hercules,CA]、-20℃で10分間冷却した後50mlのTBS[0.15M NaCl,0.02Mトリ スHCl,pH 7.5]および100μlの30%H2O2を加えた)中で発色が完了するまで室 温で5〜20分間インキュベートすることにより、発色させた。 陽性プラークを採取し、記載されたように(Sambrookら、1989)SM中に貯蔵した 。純粋なプラークが得られるまでプラークをジゴキシゲニン標識Dcnを用いて上 記のようにしてスクリーニングした(2〜4回の追加)。DBPを発現するクローンのD NAを、λZAPIITMベクターとともに同封された製造者の説明書に従ってpBlueScri p ートを配列決定した。 2.5kb(配列番号7)インサートの配列を図10Aおよび図10Bに示す。約0.6kbのオ ープンリーディングフレーム(配列番号8)およびDBPの推定アミノ酸配列(配列番 号9)は、ヌクレオチド1471のATG配列で始まりそしてヌクレオチド2031のTCGで終 わる。アミノ酸配列を図11に示す。 5.5 実施例5 − Borrelia分離株中のDBPの同定 本発明の一態様は、Borrelia感染の診断用指標として本明細書に開示されたDB P組成物を使用するBorreliaの同定である。表2に示されるように、ウエスタン ハイブリダイゼーション分析を使用するBorrelia中のDBPのアッセイは、少なく とも13株のB.burgdorferi、5株のB.garinii、および少なくとも3株のB.afzel ii中のDBPの存在を同定することが可能であった。これらの方法は臨床分離株中 における細菌の同定のための重要な診断ツール(道具)を提示する。 5.6 実施例6 − DBPの株変異株をコードする核酸配列 B.burgdorferi株297由来のDBPの配列を使用して、図14に示されるように、オ リゴヌクレオチド増幅プライマーを構築して、遺伝子の様々な領域を増幅した。 使用したプライマーを表3にまとめる。 オリゴヌクレオチドプライマーをPCRTMに使用して、下記のB.burgdorferi株由 来のDBPの一部分を増幅した:すなわち、N40、SH2、HB19、B31(低継代):HPB31( 高継代)および297。増幅は標準のPCRTM条件を使って1分間94℃;2分間50℃;お よび3分間72℃の30サイクルについて行った。(100マイクロリットルの合計容量 :71.5マイクロリットルの水;10マイクロリットルの10× PCRTM緩衝液;5マイ クロリットルの5mM MgCl2;2マイクロリットルのDNA、2マイクロリットルの各 dNTP;1.5マイクロリットルの各プライマー;および0.5マイクロリットルのTaq ポリメラーゼ(GIBCO)。各混合物を100マイクロリットルの鉱油で覆い、PCRTMサ イクルを開始させた)。 表4に示されるように、細菌の各株で5つのプライマーの組み合わせを試験し た。 B.burgdorferi株297のDBPのヌクレオチド配列由来の増幅プライマーが試験さ れた変異株のそれぞれについて産物を生成したが、各株の産物を増幅する特定の プライマーの能力はかなり変動した。これはDBPをコードする核酸配列における 細菌の株間の変動を意味する。 株297のDBP DNA配列由来のオリゴヌクレオチドを様々なBorrelia株由来のdbp 遺伝子フラグメントのPCRTM増幅用のプライマーとして使用した。デコリン結合 活性の評価のためにタグを付けたデコリンでウエスタンブロット様アッセイを使 用して、HB-19以外の示された全ての株がほぼ同じサイズ、20kDa±2kDaのDBPを 発現することが判明した。従って、これらの株は、PCRTMにより確認されたよう に、株297のdbp遺伝子の対立遺伝子を含有することが予測された。これらのDBP のアミノ酸配列が30%ほど変化していたとしても、デコリンブロットアッセイに より、これらの配列により予測された遺伝子産物はデコリン結合タンパク質であ ることが確認される。株HB-19由来のdbpのリーディングフレームはインタクトで あるようなので、この株がインビトロでDBPを検出可能なレベルまで発現しない 理由はまだ明らかではない。 これらの共通の配列は、これらの株変異株の増幅を可能にする新しいプライマ ーの設計を容易にするために使用され得る。さもなければ、これらのPCRTM産物 は、サザンハイブリダイゼーションによりdbp株変異株を含有するDNAフラグメン トを同定し、最後にこれらの追加の遺伝子の分子クローンを誘導するために使用 され得る。 B.burgdorferi株に対してB.afzelii株PGauからDBPが30%の配列分岐であること は、抗DBP297血清によるインビトロ増殖阻害に対するこの株の耐性と一致する。 この配列が得られると、追加のB.afzelii dbp遺伝子配列のクローンを得るため の基礎が提供され、B.burgdorferiとは異なる共通のエピトープモチーフが解明 され、広い範囲の多様なDBPカクテルワクチンの設計が容易になる。 5.7 実施例7 − DBP組成物はデコリンに対するBorrelia接着をブロックする マイクロタイター試験用ウェルを実施例1に記載したように調製した精製Dcn で被覆し、4℃で覆いをして一晩振とうした。(50μlのPBS中に1μgのDcn、50μ l/ウェル)。コントロールのウェルを1%BSAを含有するPBSで被覆した。Dcn被覆 ウェルをまた室温で1時間、1%BSAを含有するPBSとインキュベートし、覆われて いない部位をブロックした。 組換えDBPを、100μg/mlのアンピシリンを含有するLB培地においてBG26:pB/2 .5(5)を37℃で1晩中振とうしながら増殖させることにより得た。20mlの増殖し た細菌を、100μg/mlのアンピシリンを含有する1リットルのLB培地に入れて、 37℃で1晩中、A600で約0.6〜0.8の光学密度に達するまで振とうした。IPTGを濃 度が0.2mMとなるまで添加し、そして混合物を37℃で約2〜3時間にわたり振とう した。細胞をフレンチプレスで破壊し、そして破片を40,000rpmで約15分間でペ レット化した。 上清を0.45μmフィルターにかけて濾過し、5μlの濾過した上清を予めPBS中 で平衡にした2mlのDcnアフィニティーカラムに添加した。このカラムを10容量 のPBSで洗浄し、そして結合タンパク質を1M NaClで溶離した。5-15%のアクリ ルアミドのグラジエントゲルを調製し、20μlの各分画を添加し、そしてゲルを 流してDBPを含有するこれらの画分を決定した。タンパク質を含有するこれらの 画分をプールし、このプールを4℃で1晩中、PBSに対して透析したが、少なくと も1回はその緩衝液を取り代えた。透析されたサンプルのタンパタ質濃度をLowr yアッセイにより決定した。 被覆したマイクロタイタープレートを0.1%BSAを含有する200μlのPBSで3回洗 浄して、振とう装置上で室温で約5分間インキュベートした。DBPを0.1%BSAを含 有するPBS中で希釈した。50μlの適当な希釈液をウェルに加えて、そしてプレー トを室温で約45分間にわたり振とう装置上でインキュベートした。液体をデカ ントして排出した。 次に、B.burgdorferi株N40をウェルに加えた。0.1%BSAを含有するPBS中の25マ イクロリットルの細菌(1×109生物/ml)を各ウェルに加え室温で45分間インキ ュベートした。その溶液をデカントして排出し、そしてウェルを0.1%BSAを含有 するPBSで3回洗浄して、付着しなかった細菌を除去した。 抗B.burgdorferiウサギ血清(1:1000、100μl/ウェル)を加えて、1時間イ ンキュベートした。(洗浄されたB.burgdorferi株B31の1ml当たり1×108生物を ウサギに接種し、そして感染後3週間で血清を採集した)。0.1%BSAを含有するP BS中で3回洗浄した後、第二の抗体、0.1%BSAを含有するPBS中に希釈した1:1000 ヤギ抗ウサギアルカリ性ホスファターゼ結合体(BioRad、Hercules、CA)の100 μlを添加し、室温で1時間インキュベートした。Sigma-104ホスファターゼ基質 (Sigma)、1Mジエタノールアミン、0.5mM MgCl2、pH 9.8に溶解された1mg/ml ストック100μlを添加して、30分間、37℃でインキュベートした。A405をDcnへ の結合の単位として計算した。 研究の結果を表5に示す。ここで、報告されたA405は3回の繰り返しの平均で ある。DBPは投与量依存性でDcnに対するB.burgdorferi微生物の接着をブロック するのに成功した。 5.8 実施例8 - 様々な起源のBorrelia株のインビトロ増殖に対する抗rDBP血清 の阻害活性 表面を露出したと思われる2つの他のBorreliaタンパク質、OspAおよびOspBは 補体が存在しない状態において特定の抗体による細菌の死滅のための標的である ことが明らかにされた(Sadzieneら、1993)。このことから、本発明者らは、類 似の活性についてDBPに対する抗血清を調べた。静菌性または殺菌性抗体を入手 できることは、細胞の表面にタンパク質が露出していることの1つの目安である 。 表6は様々なBorrelia株に対する抗rDBP血清の増殖阻害活性を示す。様々な抗 体の存在下で補体が存在しない場合の増殖に対するB.burgdorferiの感受性はマ イクロタイタープレートにおいて実施される力価アッセイを使用して評価した。 ウサギの抗血清は96のウェルプレートにおいて0.1mlのBSKII培地で系列希釈され 、0.1mlのBSKII培地における増殖の対数増殖中期において105のBorreliaを各ウ ェル当たり添加し、その混合物を3日間インキュベートし、そして細胞の生存能 (運動性)を顕微鏡検査により評価した。表6に示された結果は、B.burugdorfe ri sensu stricto297株由来のrDBPに対して惹起されたウサギの血清を使用して 得られたものであった。この血清はDBPを発現する試験された全ての8つのB.bur gdorferi sensu stricto株(HB-19はインビトロでDBPを発現しない)、ならびにB. gariniiおよびB.afzelii株のいくつかの増殖を著しく阻害した。1つのB.afzeli i株PGauは、1:50血清希釈液で僅かに阻害された。25015株はまた、1:10抗DBP血 清により阻害された。抗DBP血清により阻害された株は少なくとも4つのOspA血 清群に分類され、そして様々な地域起源から得られている。無関係な抗原に対す る血清PspAは阻害しなかった。Borrelia株は、Drs.Steve Norris、John Leong 、Alan Barbour、Robert Lane、Robin Isaacs、David Dorward、およびSteve Ba rtholdから入手した。 5.9 実施例9 - dbp構築物を使用するDBPの組み換え体発現 本発明のdbp由来のペプチドを過剰発現するために、B.burgdorferiの天然のdb p遺伝子または遺伝子を改変されたdbp遺伝子のいずれかをコードするDNAフラグ メント、あるいはDBPエピトープ、短縮型DBPのいずれかをコードするdbp由来核 酸セグメント、あるいは変異DBPまたはDBP由来エピトープをコードする核酸セグ メントが適切な発現ベクターにクローニングされる。このようなベクターは目的 の核酸セグメントが誘導可能なプロモーターからその発現が制御されるようにそ の位置を定める多様な制限酵素クローニング部位を含有し得る。挿入されたセグ メントの方向、プロモーターの誘導、増殖条件および制限酵素分析を決定する方 法ならびに産出されたタンパク質の回収は当業者に周知である。ペプチドの発現 および定量は、例えばSDS-PAGE、ウエスタンブロットおよびタンパク質測定アッ セイなどによる標準的な方法により測定可能である。 本発明の特定の局面は、大量に組み換えタンパク質を産出することである。こ のような方法は当業者にとって周知であり、そして上記に詳細に説明してきた。 総合的かつ一般的意味では、多数の組み換えタンパク質の産出は、特定の構築物 に依存する様々な発現系およびこのようなタンパク質産出に利用可能な様々な発 現系の特定の利点を使用して、原核生物または真核生物の細胞のいずれかにおい て行われ得る。本発明の特定の局面は下記の発現系の使用を包含する: このように調製された組み換えタンパク質は、本発明において免疫学的アッセ イ試薬用組成物、感染し易い動物に免疫応答を発生させるための抗原調製物、ワ クチン製剤、ならびに受動および能動免疫化方法に使用するための抗体の産出用 の基質を含む様々な実施態様で有用である。 原核動物供給源から組み換えDBPを大規模に調製する場合に有用である一般的 な手順の例として、下記の方法が使用され得る:E.coli JM101 supE、endA、sb cB15、hsd R4、rpsL、thi△(lac-proAB)(F'traD36 proAB+laclqZ△M15)、E.col i JM105 supE thi△(lac-proAB)(F'traD36 proAB+laclqZ△M15)、TG1(supE hsd △5 thi△(lac-proAB)+(F+traD36 proAB laclqlacZ△M15))(Carterら、1985)、 または発現プラスミドを有するXL1-Blue細胞(Stratagene,La Jolla,CA)の飽 和一夜培地をアンピシリンを補充したLuria Broth(Gibco BRL,Grand Island, NY)に1:50の割合で希釈し、そして培地が0.6-0.7のOD600に達するまで増殖させ る。イソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクトピラノシド(IPTG;Gibco BRL,Grand I sland,NY)(最終濃度0.2mM)が細胞に添加され、そしてさらに2.5〜5時間の 間37℃で増殖を続ける。細菌を遠心分離により回収し、そして細菌のペレットを リン酸緩衝化生理食塩水(PBS;10mMリン酸、0.14M NaCl,pH7.4)に再懸濁する 。細胞をフレンチプレス(SLM Instrument Inc.,Urbana,IL)を20,000L.b./i n2で2回通過させることにより溶解する。細胞の溶解液を10分間、102,000×g で遠心分離し、細菌の破砕物を除去する。溶解性タンパク質を含有する上清を、 0.45μMのメンブレン(Nalgene,Rochester,NY)を通して濾過し、そしてさら に精製のために保持する。 本発明はまた、組み換え系において発現される短縮型DBPの調製に関する。こ のような1つの例は、デコリンに結合する能力をなお保持する短縮型DBPの構築 物である。好ましい実施態様において、ベクターはリーダーペプチドに対する融 合物としてのタンパク質および主なE.coliリポタンパク質Lppの翻訳後修飾配列 を発現するように構築された。T7プロモーター発現ベクターpET-30b(Novagen, Inc.,Madison,WI)を用いて、T7プロモーターから発現された翻訳領域の初め の部分を含有するNdel-EcoRI制限フラグメントが、Lppタンパク質のリーダーペ プチドを発現する合成配列および新規のベクターpT7Lpplを作製するリポタンパ ク質の翻訳後修飾を特定するペプチドと置き換えられた。アミノ酸Gly26からSer 187に及ぶdbp遺伝子のフラグメントはプライマー添加BamHIおよびHindIII部位で pT7Lppl中にクローニングされ、pMSH24を生じた。このプラスミドはE.coli宿主 株BL21(DE3)pLysSに形質転換されると、キメラのリポタンパク質として短縮型DB Pを発現することが明らかにされた。さらに、この短縮型DBPはタグを付したDcn ブロットアッセイにおいてDcnを結合する能力を保持していた。 5.10 実施例10−DBP抗体を使用する受動免疫化 本明細書に開示されている抗体組成物は、ECM成分Dcnおよび関連プロテオグリ カンへの細菌接着を阻むための動物の受動免疫化に、特に有用性が見出される。 天然DBP、短縮型DBP、および部位特異的変異誘発DBPのタンパク質が、動物ドナ ーおよび特にヒトのような哺乳動物ドナーを免疫する抗原として、特に有用であ ると考えられる。ドナーの血液血漿由来の免疫グロブリン画分(Ig)は精製され 、そして標的集団に全身的に投与され得る。Borrelia感染の発症について高い危 険性の個体は、集中治療室の患者、免疫無防備状態の患者、手術患者、子供、お よび、米国の北東部、中西部、および西部太平洋沿岸地方のような、マダニ(ix odid tic)侵入の高い発生率を有する地域の人々を含むが、これらに限定されな い。Borrelia症の危険性の人々を記載する2つの特定の参考文献は、Stcere,19 94およびCenters for Disease Control,1994による報告を包含する。 本発明のペプチドによる免疫化によって産生された抗DBP Igは、いくつかの領 域において特定の有用性が見出される: 1)Dcn被覆基質への細菌接着の阻止; 2)オプソニン作用によるクリアランスにおける免疫系の補助;および、 3)古典的な補体経路の活性化による細菌の溶解。 5.10.1 材料および方法 マウスに対して感染性である、低継代(Low-passage)B.burgdorferi B31を使 用して、本明細書に開示されている抗体組成物を使用する受動免疫化を実証した 。この株は、抗rDBP297と反応し、そしてインビトロでこれらの抗体によって殺 傷される。感染および疾患の両方に影響を受けやすい、広く使用される系統であ るC3H/H3Jマウス(Bartholdら、1993)を、104個のスピロヘータ(100 LD50)の 皮内接種物により抗原投与し、rDBP、rOspA、あるいはrPspAに対するウサギ血清 による抗原投与の直前に受動免疫した。 5.10.2 結果 DBPの抗体への接近が、インビトロにおける操作の人工物ではないことを実証 する1つの方法は、これらの抗体によるBorrelia抗原投与からの受動防御を実証 することである。同系繁殖系マウスの一般系統(例えば、C3H/HeJ、C3H/HeN、お よびBalb/cByJ)が、Borreliaによって誘発された疾患の重篤度が異なり得るが 、感染性Borrelia株に対するそれらの感受性は、より一定している。さらに、マ スウ毒性株Sh.2.82、N40、およびB.afzelii PKoもまた、抗rDBP297血清に対す るインビボ感受性について評価した。感染および疾患の両方に影響を受けやすい 、広く使用される系統である、C3H/HeJマウスを、104個のスピロヘータの皮内接 種物により抗原投与し、rDBP、rOspAに対するウサギ血清、または血清なしでの 抗原投与の直前に、受動免疫した(図16A、図16B、図16C、図16D、図16E、図16F 、図16G、および図16H)。抗原投与の2週後に、組織試料(膀胱、心臓、滑液) を、BSKII培地中に入れ、これらの組織からのBorreliaの増殖の形跡を、インビ トロ培養の2および3週後に、顕微鏡によって評価した。スピロヘータが3つ全 ての培養からの試料の10-20倍高倍率視野の試験で認められない場合、防御は完 全であると判断した。他の抗原(OspA、OspB)と反応性であるその細菌抗体はま た、同種または密接に関連する株による抗原投与に対して受動防御を誘起し、こ のこ とは、抗rDBPもまた防御を与えることを示唆した。図16Aから図16Hに見られるよ うに、抗DBP血清は、全ての評価されたB.burgdorferi株(これらは、抗原供給 源であるB.burgdorferi297株とは異種であるが)に対する防御を与える。これ らの結果もまた、DBPが少なくとも試験マウス中の循環に残存されるウサギ抗体 の存続期間の間、インビボにおける成長阻害に対する標的のままであることを示 す。 5.11 実施例11−DBP組成物を使用する能動免疫化 5.11.1 材料および方法 5匹のマウス(Balb/cおよびC3H/HeJ)の群を、フロイント完全アジュバント (CFA)中の、20μg rDBPまたはE.coli JM101/pBSIIの可溶性タンパク質抽出物 、あるいは5μg rOspAリポタンパク質タンパク質で免疫し、4週目に、不完全 フロイントアジュバント(IFA)中のタンパク質によって追加免疫した。2週間 間隔で、血清を採取し、ELISAによって免疫抗原との反応性について分析した。 抗原投与のときに、これらの血清ELISA力価は、1:100,000を超え、このことは、 この免疫化レジメによる全ての抗原調製物が、高度に免疫原性であることを示し た。 5.11.2 結果 rDBP抗原調製物は、Balb/cマウスに対して完全な防御を与え得た(図19A、図1 9B、および図19C)。防御はまた、rOspAによって認められたが、不適切なE.col i抗原抽出物によって認められなかった。興味深いことに、スピロヘータは、rDB P免疫化C3H(H-2kハプロタイプ)およびBalb/c(H-2dハプロタイプ)マウスの皮 膚および関節組織に存在しなかった(図19D、図19E、および図19F)。 5.12 実施例12−キメラリポタンパク質-DBP短縮型組成物を使用する能動免疫化 5匹のマウス(C3H/HeJ)の群を、図20に記載のように免疫した。2週間間隔 で血清を採取し、ELISAによって免疫抗原との反応性について分析した。抗原投 与のときに、これらの血清ELISA力価は、1:100,000を超え、このことは、この免 疫化レジメによる全抗原調製物が、高度に免疫原性であることを示した。抗原投 与用量および感染の評価は、図16Aに記載されているようであった。rDBP抗原調 製物は、C3H/HeJマウスに対して防御を与える能力において、キメラリポタンパ ク質DBP短縮型と同様であった(図20)。防御はまた、rOspAで認められたが、不 適切なE.coli抗原抽出物では認められなかった(図20)。ウサギにおいて誘起 されたrDBPに対する血清は、C3Hマウスを完全に防御した(図16A〜図16H)。さ らに、異種B31株に対する防御が、rDBPおよびLpp:297株由来DBPを使用して認め られた。 5.13 実施例13−抗rDBP血清の感染後投与は感染を抑える ライム病ワクチンの主な候補抗原であるOspAベースのワクチンに重要なことは 、このタンパク質に対する抗体が、感染前に高レベルで存在する場合にのみ有効 であることである。これは、OspAに対する感染により誘導される記憶(memory)応 答がほとんど、または全く有益でないことを示唆する。しかし、インビボにおけ る成長および持続に必要とされるその他のBorrelia表面タンパク質は、ワクチン 免疫原としてのこのような制限を受け得ない。Borreliaを含む多くの細菌病原体 は、宿主標的組織の特異的な高分子へ接着後に、感染を開始する。これらの接着 性物質(adhesin)は、細菌表面に曝される。接着性物質は、数種の動物モデルで 実証されたように、ヒトおよび動物の疾患に対する有効なワクチンである。最近 開発された無細胞百日咳ワクチンのいくつかは、B.pertussis接着性物質ペルタ クチン(pertactin)、FHA、およびフィムブリア(fimbriae)(Cherry,1992)を 含む。以下の実施例は、受動免疫化研究でのDBPの有効性を示す。 C3H/HeJマウス(群あたり3匹)を、104個のスピロヘータ(100 ID50)の皮内 接種物により抗原投与し、そしてrDBP、rOspA、またはrPspAに対する0.1 mlのウ サギ血清による抗原投与の直前(0日目)または抗原投与後の2、4、7、また は10日目に、1回投与により受動免疫した。マウスを17日目に屠殺し、そして感 染を以前のように、皮膚、膀胱、および関節組織の培養によって評価した。 表7に示されているように、抗DBP血清は、4日目まで、およびそれを超えて 有効であったが、抗OspA血清は2日目の後には有効でなかった。これは、DBPが 、増殖し、宿主中に存在するインビボ条件に順応するための4日間の後でさえ、 抗体媒介除去に対する標的のままであることを示す。OspAについてはその通りで な かった。抗体または相同種由来の抗体の複数回用量が、より好ましい薬学動力学 を得るように投与されれば、感染後の治療効果が、感染プロセスにおいてより後 に拡大され得ることは可能である。この研究は、疾患よりむしろ感染のみを測定 したが、しかし、全てのBorreliaを除去するのに十分ではない抗体レベルは、実 際に、疾患病状を阻むのに十分であり得る。 重要なことに、これらの結果は、DBPによるプライミング(priming)ワクチン接 種に対する感染誘導記憶免疫応答が、感染または疾患の除去に有効であり得るこ とを示す。 データは、抗DBP血清の感染後投与が感染を抑えることを示す。C3H/HeJマウス (群あたり3匹)を抗原投与し、OspA、DBP、PspAに対する0.1 mlの血清、また は血清なしを1回投与し、抗原投与の直前(0日目)または抗原投与後の2、4 、7、または10日目に与えた。マウスを17日目に屠殺し、感染を本明細書に記載 のように評価した。抗DBP血清は、少なくとも4日目から有効であったが(スピ ロヘータがいかなる器官からも培養され得ない)、抗OspA血清は、2日目または それより後の時には有効ではなかった。 全てのマウスを、104個のB.burgdorferi B31(〜100ID50用量)を用いて0日 目に皮下に抗原投与した。マウスに、抗原投与の時(0日目)または後の種々の 時に、1回受動投与(0.1 ml、腹腔内)した。最終血清投与の7日後である17日 目に、マウスを屠殺し、そして皮膚(耳)、膀胱、および関節(脛足根)組織を 培養して、感染を評価した。 5.14 実施例14−B.burgdorferi、B.afzelii、およびB.garinii由来のDBPを コードする核酸配列の単離 オリゴヌクレオチドを、ライム病スピロヘータの主要な3つの系統群を示す、 Borrelia株由来のdbp遺伝子フラグメントのPCRTM増幅用のプライマーとして使用 した。297株のdbp遺伝子由来のプライマーは、PCRTMにおいて機能し得、異なる 増幅条件の限定されたセット下で試験される8つの株の7つから予測される大き さの候補dbp対立遺伝子を増幅する。Dcn結合活性評価用のタグDcnを使用するウ エスタンブット様アッセイを用いて、表8に示されている全ての株は、20kDa± 2k Daのほぼ同じ大きさのDBPを発現することが認められた。従って、これらの株は 、PCRTMによって確認されるように、297株のdbp遺伝子の対立遺伝子を含むこと が予測された。PBiのような記載された条件でも増幅されない変異体dbp対立遺伝 子を有する株は、ストリンジェントでないアニーリング条件下で、あるいはこれ らのプライマーの他の組合せで、またはその両方で、検出可能なPCRTM産物を生 じ得る。これらの対立遺伝子のヌクレオチド配列の決定は、DBPを発現する全て の遺伝子間で恐らく共通である、最も高度に保存された領域の解明を可能にする 。次に、これらの共通配列を、新しいプライマーの設計を容易にするために使用 して、これらの株の変異体の増幅を可能にする。あるいは、これらのPCRTM産物 を使用して、サザンハイブリダイゼーションによりdbp株の変異体を含むDNAフラ グメントを同定し、そして最終的にこれらの遺伝子の分子クローンを得ることが できる。 B.burgdorferi、B.afzelii、およびB.garinii由来の候補dbp対立遺伝子の 同定を、ライム病スピロヘータの3つの主要系統群を示す、Borrelia株由来のdb p遺伝子フラグメントのPCRTM増幅用のプライマーとして図14に示されているオリ ゴヌクレオチドを使用して達成した。PCRTM増幅反応物の一部を、1%アガロース ゲルで電気泳動し、DNA産物のおよその大きさを、標準の大きさと比較して評価 した。所定のプライマー対が、297株配列から予測される大きさの増幅産物を生 じた場合、これはチェックマークによって示される。いくつかの場合において、 さらなる増幅産物が得られた。全ての増幅は、96℃での15秒の変性で開始し、そ の後にアニーリング、次いで、72℃での30秒の伸長を行った。DBPコーディング 配列中のプライマーを用いたdbp遺伝子の「全長」および「短縮型」の産物を、4 2℃での15秒のアニーリング期間を用いて得た。DBPコーディング配列の外側のプ ライマー対1、2、および3を用いたより長い増幅産物を、45℃または49℃のい ずれかでの15秒のアニーリング期間で得た。示された産物を、Taqポリメラーゼ (Perkin Elmer-Cetus)の存在下での30サイクルの増幅後に検出した。 表9は、上記の異種Borrelia株の受動防御の結果の概要を示す。データーを表 の形態に編集し、抗DBP297血清および抗OSPAB31血清によって防御されたマウス の%として表した。これらの抗原投与条件下で、抗DBP血清によって、より広範 囲の防御が達成された。 5.14 実施例14-DBP特異プロテオグリカン誘導体の調製 本発明の別の局面は、本明細書に開示されている天然DBPおよび合成改変DBP由 来エピトープを認識する、プロテオグリカンおよび/またはそれらの誘導体を含 有する新規組成物の調製である。このような組成物は、動物および特にヒトにお ける細菌接着を阻むための治療処方物の調製に有用である。ECMに存在する天然D cnを模倣する新規リガンドは、細菌細胞表面に存在するMSCRAMM成分を効果的に 飽和することによる、細菌感染の化学予防剤として作用する。 6.参考文献 以下の引用文献および上記に引用されたものは、上記本文中に引用された理由 のため本明細書中に参考として関連部分において援用されている。 本明細書に開示および請求されている全ての組成物および方法は、本発明の開 示を考慮して、過度の実験を伴わずに遂行および実施され得る。本発明の組成物 および方法は好ましい実施態様によって記載されてきたが、本発明の概念、精神 、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の組成物、方法、および方 法の工程または方法の工程順序に変化が適用され得ることが、当該分野の当業者 には明白である。より詳細には、化学的および生理学的の両方に関連する特定試 薬が、本明細書に記載されている試薬と置換され得、それにもかかわらず同じま たは同様の結果が達成されることは明白である。当業者に明白なこのような同様 の全ての置換および改変は、添付の請求の範囲によって定義されるように、本発 明の精神、範囲、および概念の範囲内であることが考慮される。従って、特許権 が与えられるように請求されている独占権は、以下の請求の範囲に記載されてい るようなものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 14/20 C07K 16/12 16/12 C12N 1/19 C12N 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/53 D C12Q 1/68 33/569 F G01N 33/53 A01K 67/027 33/569 A61K 48/00 // A01K 67/027 C12N 5/00 B A61K 48/00 A61K 37/02 ABA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE, DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA ,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離され、そして精製されたデコリン結合タンパク質。 2.前記タンパク質が細菌から単離される、請求項1に記載のタンパク質。 3.前記タンパク質が、B.burgdorferi、B.japonica、B.garinii、またはB. afzeliiのようなBorreliaから単離される、請求項2に記載のタンパク質。 4.配列番号9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号 21、配列番号23、配列番号25、または配列番号27のアミノ酸配列を含む、請求項 1に記載のタンパク質。 5.デコリン、バイグリカン、フィブロモジュリン、エピフィカン、またはルミ カンに結合する能力を有する、単離され、そして精製された細菌性タンパク質。 6.前記細菌性タンパク質が、Borrelia burgdorferi、B.japonica、B.garini i、またはB.afzeliiのタンパク質である、請求項5に記載のタンパク質。 7.デコリン結合タンパク質をコードする、精製された核酸セグメント。 8.前記セグメントが細菌性デコリン結合タンパク質をコードする、請求項8に 記載の核酸セグメント。 9.B.burgdorferi、B.japonica、B.garinii、またはB.afzeliiのデコリン 結合タンパク質のようなBorreliaデコリン結合タンパク質をコードするとしてさ らに定義される、請求項9に記載の核酸セグメント。 10.配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、または配列番号27 のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするとしてさらに定義される、請求項 9に記載の核酸セグメント。 11.配列番号7の1471位と2031位との間に由来する核酸配列、またはその相補 物、または配列番号7の1471位と2031位との間に由来する配列にハイブリダイズ する配列を含むとしてさらに定義される、請求項9に記載の核酸セグメント。 12.RNAセグメントとしてさらに定義される、請求項9に記載の核酸セグメン ト。 13.単離されたdbp遺伝子を含む、DNAセグメント。 14.B.burgdorferi、B.japonica、B.garinii、またはB.afzeliiのdbp遺伝 子のような単離されたBorrelia dbp遺伝子を含む、請求項13に記載のDNAセグ メント。 15.配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番 号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、または配列番号27に由来する連続 するアミノ酸配列を含むデコリン結合タンパク質またはペプチドをコードするdb p遺伝子を含む、請求項13に記載のDNAセグメント。 16.単離されたB.burgdorferi株297 dbp遺伝子を含む、請求項15に記載のD NAセグメント。 17.組換えベクターとしてさらに定義される、請求項13に記載のDNAセグメ ント。 18.組換えベクターBG26:pB/2.5(5)としてさらに定義される、請求項17に記 載のDNAセグメント。 19.前記DNAが作動的にプロモーターに連結され、該プロモーターがDNAセグメ ントを発現する、請求項13に記載のDNAセグメント。 20.請求項13に記載のDNAセグメントを含む、組換え宿主細胞。 21.E.coli、B.burgdorferi、B.japonica、B.garinii、またはB.afzelii の細胞のような原核細胞であるとしてさらに定義される、請求項20に記載の組 換え宿主細胞。 22.酵母細胞または動物細胞のような真核細胞であるとしてさらに定義される 、請求項20に記載の組換え宿主細胞。 23.前記DNAセグメントが、組換えベクターによって細胞に導入される、請求 項20に記載の組換え宿主細胞。 24.前記宿主細胞がDNAセグメントを発現して、デコリン結合タンパク質また はペプチドを産生する、請求項20に記載の組換え宿主細胞。 25.前記デコリン結合タンパク質またはペプチドが、配列番号9に由来する連 続するアミノ酸配列を含む、請求項24に記載の組換え宿主細胞。 26.単離されたデコリン結合タンパク質をコードするDNAセグメントを使用す る方法であって、以下の工程: (a) デコリン結合タンパク質をコードするDNAセグメントがプロモーターの 制御下に位置する組換えベクターを調製する工程; (b) 該組換えベクターを宿主細胞に導入する工程; (c) コードされたデコリン結合タンパク質またはペプチドの発現を可能にす るのに有効な条件下で、該宿主細胞を培養する工程;および (d) 該発現されたデコリン結合タンパク質またはペプチドを回収する工程; を包含する、方法。 27.前記組換えベクターがBG26:pB/2.5(5)である、請求項26に記載の方法。 28.以下を特徴とする単離された核酸セグメント: (a) 配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列 番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26の14連続ヌク レオチドと同一の配列を有するかまたは相補的である、少なくとも14連続ヌクレ オチドからなる配列領域を含む、核酸セグメント;または; (b) 配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列 番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、もしくは配列番号26の核酸セグ メントまたはその相補物に、標準的なハイブリダイゼーション条件下でハイブリ ダイズする14〜約10,000ヌクレオチド長の核酸セグメント。 29.前記セグメントが、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、 配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番 号26の配列領域を含む、請求項53に記載の核酸セグメント。 30.デコリン結合タンパク質をコードする核酸配列を検出する方法であって、 以下の工程: (a) デコリン結合タンパク質をコードすると思われるサンプル核酸を得る工 程; (b) 該サンプル核酸と、デコリン結合タンパク質をコードする単離された核 酸セグメントとを、実質的に相補的な核酸のハイブリダイゼーションを可能にす るのに有効な条件下で接触させる工程;および (c) そのように形成された、ハイブリダイズされた相補的核酸を検出する工 程; を包含する、方法。 31.前記デコリン結合タンパク質が、B.burgdorferi、B.japonica、B.gari nii、またはB.afzeliiのデコリン結合タンパク質のような細菌性デコリン結合 タンパク質である、請求項30に記載の方法。 32.前記単離されたデコリン結合タンパク質をコードする核酸セグメントが、 検出可能な標識を含み、そしてハイブリダイズされた相補的核酸が、該標識を検 出することによって検出される、請求項30に記載の方法。 33.適切な容器手段において、単離されたデコリン結合タンパタ質をコードす る核酸セグメントおよび検出試薬を含む、核酸検出キット。 34.前記検出試薬が、前記デコリン結合タンパクをコードする核酸セグメント に連結されている検出可能な標識である、請求項33に記載の核酸検出キット。 35.配列番号9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番 号21、配列番号23、配列番号25、または配列番号27に由来する連続するアミノ酸 配列を含む精製されたデコリン結合タンパク質を含む、全細胞を含まない、ペプ チド組成物。 36.前記タンパク質またはペプチドが組み換えタンパク質またはペプチドであ る、請求項35に記載の組成物。 37.デコリン結合タンパク質またはペプチドに結合する、精製された抗体。 38.前記抗体が、放射性標識、蛍光原標識、核磁気スピン共鳴標識、ビオチン 、または発色基質との接触により着色された生成物を生じる酵素のような検出可 能な標識に連結される、請求項37に記載の抗体。 39.前記抗体が、アルカリホスファターゼ、水素ペルオキシダーゼ、または グルコースオキシダーゼ酵素に連結されている、請求項38に記載の抗体。 40.生物学的サンプルにおいて、デコリン結合タンパク質またはペプチドを検 出する方法であって、以下の工程: (a) デコリン結合タンパク質またはペプチドを含むと思われる生物学的サン プルを得る工程; (b) 該サンプルと、デコリン結合タンパク質またはペプチドと結合する第1 の抗体とを、複合体の形成を可能にするのに有効な条件下で接触させる工程;お よび (c) そのように形成された複合体を検出する工程; を包含する、方法。 41.前記第1の抗体が検出可能な標識に連結され、そして免疫複合体が標識の 存在を検出することによって検出される、請求項40に記載の方法。 42.前記免疫複合体が、検出可能な標識に連結されている第2の抗体によって 検出され、該第2抗体が、該第1のタンパク質、ペプチド、または抗体に対する 結合親和性を有する、請求項40に記載の方法。 43.適切な容器手段において、デコリン結合タンパク質またはペプチドに結合 する第1の抗体、ならびに免疫検出試薬を含む、免疫検出キット。 44.前記免疫検出試薬が、前記タンパク質、ペプチド、または前記第1の抗体 に連結されている検出可能な標識である、請求項43に記載の免疫検出キット。 45.前記免疫検出試薬が、前記タンパク質、ペプチド、または前記第1の抗体 に対する結合親和性を有する第2の抗体に連結されている検出可能な標識である 、請求項43に記載の免疫検出キット。 46.Borrelia感染を診断する方法であって、そのような疾患を有すると思われ る動物由来の臨床サンプル内に存在するdbp核酸セグメント、デコリン結合タン パク質もしくはペプチド、またはデコリン結合タンパク質もしくはペプチドに結 合する抗体を同定する工程を包含する、方法。 47.前記Borrelia感染が、B.burgdorferi、B.japonica、B.garinii、また はB.afzeliiによって生じる、請求項46に記載の方法。 48.前記疾患がライム病として同定される、請求項46に記載の方法。 49.前記デコリン結合タンパク質が、配列番号9、配列番号13、配列番号15、 配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号232、配列番号25、または配列 番号27に由来するアミノ酸配列を含むか、または前記dbp核酸セグメントが、配 列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配 列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26に由来する連続する核酸 配列を含む、請求項46に記載の方法。 50.ライム病を診断する方法であって、そのような疾患を有すると思われる動 物由来の臨床サンプル内に存在するdbp核酸セグメント、デコリン結合タンパク 質もしくはペプチド、またはデコリン結合タンパク質もしくはペプチドに結合す る抗体を同定する工程を包含する、方法。 51.前記dbp核酸セグメントがB.burgdorferiの核酸セグメントを含む、請求 項50に記載の方法。 52.免疫応答を生じさせる方法であって、動物に、免疫学的に有効な量のデコ リン結合タンパク質組成物を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法 。 53.前記組成物が、配列番号9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列 番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、または配列番号27に由来する連 続するアミノ酸配列を含むタンパク質のような、免疫学的に有効な量の単離精製 されたデコリン結合タンパク質を含む、請求項52に記載の方法。 54.前記デコリン結合タンパク質またはペプチド組成物が、Mycobacterium、S almonella、Shigella、Listeria、またはStreptococcus種のような弱毒化細菌の 形態で投与され、該細菌がデコリン結合タンパタ質を発現する、請求項52に記 載の方法。 55.前記Mycobacterium種がM.bovis、M.smegmatis、またはBCGである、請求 項54に記載の方法。 56.前記組成物が、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列 番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、または配列番号26 に由来する連続する核酸配列を含む核酸のような、免疫学的に有効な量のdbp核 酸組成物を含む、請求項52に記載の方法。 57.前記組成物が、Borreliaデコリン結合タンパク質または核酸組成物をさら に含む、請求項52に記載の方法。 58.前記動物がヒトであり、そして該ヒトがライム病と診断される、請求項5 2に記載の方法。 59.トランスジェニック動物であって、そのゲノム中に、デコリン結合タンパ ク質またはペプチドをコードする導入遺伝子が組み込まれている、トランスジェ ニック動物。 60.前記導入遺伝子が、Borrelia dbp導入遺伝子である、請求項59に記載 のトランスジェニック動物。 61.細菌に結合するデコリンを阻害する方法であって、該細菌と、薬学的に受 容可能なデコリン結合タンパク質組成物とを、該細菌に結合するデコリンを阻害 するのに有効な量で接触させる工程を包含する、方法。 62.前記デコリン結合タンパク質組成物が、デコリン結合タンパク質またはペ プチドに結合する抗体を含む、請求項61に記載の方法。 63.前記デコリン結合タンパク質組成物が、単離され、そして精製されたデコ リン結合タンパク質またはペプチドを含む、請求項61に記載の方法。 64.前記デコリン結合タンパク質組成物が、デコリン、バイグリカン、フィブ ロモジュリン、エピフィカン、またはルミカンを含む、請求項61に記載の方法 。 65.前記細菌が、B.burgdorferi、B.garinii、またはB.afzeliiのようなBo rreliaである、請求項61に記載の方法。 66.前記デコリン結合タンパク質組成物が、請求項1に記載のペプチドを含む 、請求項61に記載の方法。 67.前記デコリン結合タンパク質組成物が、請求項37に記載の抗体を含む、 請求項61に記載の方法。 68.Borrelia感染を有すると思われる動物を処置する方法であって、該動物に 、治療有効量の薬学的に受容可能なデコリン結合タンパク質組成物、またはデコ リン結合タンパク質に結合する抗体を投与する工程を包含する、方法。
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