JPH11504204A - 免疫回避タンパク質 - Google Patents

免疫回避タンパク質

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JPH11504204A JP8530807A JP53080796A JPH11504204A JP H11504204 A JPH11504204 A JP H11504204A JP 8530807 A JP8530807 A JP 8530807A JP 53080796 A JP53080796 A JP 53080796A JP H11504204 A JPH11504204 A JP H11504204A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、所望でない免疫応答を予防するための組成物および方法を提供する。本発明において、グリシン含有アミノ酸配列、免疫系に対して実質的な不認識性を組換えタンパク質に付与するグリシン含有配列を含む組換えタンパク質が調製される。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫回避タンパク質 本発明は、タンパク質を細胞免疫系に対して不認識化するための材料および方 法に関する。 ワクチンおよび遺伝子療法のための転移ベクターの産生のための組換えDNA技 術の使用は、疾患の予防および治療の新たな可能性を開拓した。多くの遺伝子療 法アプローチは、同種かまたは異種に由来する遺伝子配列を宿主の体細胞に導入 することに基づいている。目的の遺伝子は、酵素、ホルモン、サイトカイン、免 疫原性タンパク質(ウイルス、細菌、もしくは寄生体由来)、または遺伝子発現 および細胞増殖を調節する細胞内制御タンパク質のような活性物質をコードする 遺伝子を含む。 いくつかの方法が、外因性遺伝子の体細胞への転移を最適化するために開発さ れた。いくつかの最も効果的な方法は、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、 またはレトロウイルスのような天然ウイルスの遺伝子操作により得られる組換え ベクターを用いる。これらのウイルスは、一般的には、内因性遺伝子の改変によ り非病原性にされ、そして目的の遺伝子はウイルスの遺伝性物質の一部と交換さ れる。あるいは、目的の遺伝子をコードする、単離されたDNAフラグメントは、 不活性なキャリア(例えば、リポソームベクター)によるか、またはいわゆる「 遺伝子銃」法により体細胞に導入され得る。遺伝子銃法によって、DNA/RNAがコ ートされたキャリア(例えば、金粒子)が、皮膚細胞中に高圧で打ち込まれる。 遺伝子療法における1つの潜在的な問題は、宿主免疫系が、宿主中に導入され た外来治療物質として認識し得ることである。例えば、治療用タンパク質をコー ドする遺伝子を有する転移ベクターを用いて哺乳動物に遺伝子を導入する場合、 転移ベクターの構造タンパク質または調節タンパク質に対する宿主免疫応答が誘 発され得る。別の潜在的な問題は、治療用タンパク質自身に対する免疫応答の誘 発である。 外来タンパク質は、宿主細胞中でプロセシングされ、そしてMHCクラスIまたは MHCクラスII分子と会合して細胞表面で提示される。この様式で外来タンパク質 を表わす細胞は免疫系により認識され、そして排除される。治療用タンパク質が 再投与された場合、強い免疫記憶応答が活性化され、治療効率の著しい減少がも たらされる。この問題は免疫抑制剤の投与により事前に除去され得るが、このこ とは、重篤な副作用、例えば、日和見感染およびウイルス誘発リンパ腫の増大し た危険性を有し得る。従って、免疫応答を選択的に阻害する方法を開発すること の実質的な関心が存在する。この方法は、潜在的に免疫原性のタンパク質を発現 する細胞の長期間の持続に好ましく、そして薬理学的に誘発される免疫抑制の必 要性を除去する。 従って、本発明の目的は、目的のタンパク質を標的宿主動物の細胞免疫応答に 対して不認識化するための材料および方法を提供することである。 本発明は、グリシンリッチ反復配列が、通常は抗原性であるタンパク質に挿入 された場合、組換えタンパク質に免疫系を回避する能力を付与するという発見に 基づく。従って、本発明は、組換えタンパク質を有する細胞が免疫系により排除 されないことにおいて、免疫応答の選択的な阻害を可能にする。 それゆえ、本発明の第1の局面により、抗原性タンパク質へのグリシンリッチ 反復配列の挿入によって抗原性タンパク質を免疫系に対して不認識化する方法が 提供される。 用語「抗原性タンパク質」は、免疫担当細胞(すなわち、免疫系の細胞)によ り認識されるタンパク質をいう。免疫担当細胞の認識は、タンパク質またはエピ トープがこのような細胞の活性化の引き金を引いた場合に示される。それは、増 殖および/またはエフェクター機能の誘発に関して測定される。例えば、リンホ カイン、サイトカインの産生、および/またはタンパク質もしくはエピトープを 発現している細胞の死により測定される。従って、上記説明のように、免疫担当 細胞により認識されない場合、タンパク質は非抗原性である。 「免疫系に対する不認識化」または「免疫系を回避する能力」は、タンパク質 がT細胞免疫応答(例えば、MHCクラスIまたはクラスII拘束CTL応答)を回避す るかまたは阻害する能力を有することを意味し、それゆえ少なくとも最初は、 ンビトロ CTLアッセイにより測定され得る。 用語「グリシンリッチ反復配列」は、以下に示す一般的な「反復単位」の「n 」回の隣接反復を含む任意のアミノ酸配列をいい: [GlyaX GlybY GlycZ] ここで、aは、1、2、または3であり;bは、1、2、または3であり;cは、 1、2、または3であり;各X、Y、およびZは、独立して、環状構造を有さず、 そして3原子未満の側鎖を有する疎水性または極性アミノ酸であり;そしてここ で、「n」は、1から66の間の整数である。明らかではあるが、各a、b、c、X、Y 、およびZは、各n回反復単位の間で同じである必要はない。 好ましくは、各X、Y、およびZは、独立して、Ala、Ser、Val、Ile、Leu、また はThrである。より好ましくは、各X、Y、およびZは、独立して、AlaまたはSerで ある。なおさらに好ましくは、各X、Y、およびZは、Alaである。各XおよびYが、 MetまたはCysでないこともまた好ましい。 好ましくは、グリシンリッチ反復配列の「n」回反復単位の7隣接反復単位に おいて、a=2、b=1、およびc=1である。 好ましくは、グリシンリッチ反復配列の9隣接反復単位において、a=2、b=1、 およびc=2である。 より好ましくは、グリシンリッチ反復配列の7隣接反復単位において、a=2、b =1、およびc=3である。 より好ましくは、グリシンリッチ反復配列の7隣接反復単位において、a=2、b =1、およびc=2であり、そして同じグリシンリッチ反復配列のさらなる9隣接反 復単位において、a=2、b=1、およびc=3である。 好ましくは、合計28反復単位が存在する。 最も好ましくは、グリシンリッチ反復配列は、図1に示されるものであり、そ れはEBNA1グリシンリッチ配列である。 グリシンリッチ反復配列は、グリシンアミノ酸で完全にまたは実質的に構成さ れ得ることもまた認識される。 本発明は、1つ以上のグリシンリッチ反復配列が上記タンパク質に挿入されて いる状態を含むことが理解される。 さらに、グリシンリッチ反復配列の挿入後にタンパク質がその生物学的機能を 保持することが好ましい。 本発明の第2の局面により、本発明の第1の局面の方法により形成されたタン パク質が提供される。このタンパク質は上記のグリシンリッチ反復配列を含み、 ここで、上記タンパク質は免疫系に対して不認識化される。便宜上、このタンパ ク質を、抗原性「コアタンパク質」および「グリシンリッチ反復配列」を含むと 称し得る。 グリシンリッチ反復配列は、コアタンパク質のカルボキシまたはアミノ末端の いずれかに融合され得る。あるいは、グリシンリッチ反復配列はコアタンパク質 内部のいずれの場所にも挿入され得る。 好ましくは、グリシンリッチ反復配列はコアタンパク質内で離れて挿入され、 ここで、グリシンリッチ反復配列のいずれかの末端残基は、コアタンパク質のエ ピトープから1〜300の間の残基で離れている。好ましくは、この距離は、1〜2 00の間の残基であり、より好ましくは10〜100残基、そして最も好ましくは1〜5 0の間の残基である。 本明細書中で使用される「エピトープ」は、免疫学的に外来性として認識され るタンパク質内の約8〜20アミノ酸の抗原性領域をいう。 コアタンパク質は1つ以上のエピトープを含み得る。コアタンパク質が複数の エピトープを含む場合、抗原性タンパク質の全てのエピトープは、本発明により 非抗原性にされることが考えられる。 好ましくは、本発明の第2の局面のタンパク質は、治療用タンパク質である。 好ましくは、治療用タンパク質は、酵素、サイトカイン、リンホカイン、細胞接 着分子、コスティミュレーター分子、薬剤耐性遺伝子または腫瘍抑制遺伝子のタ ンパク質産物からなる群より選択される。 本発明のさらに好ましい実施態様では、本発明の第2の局面のタンパク質はマ ーカーである。好ましいマーカーは、neoR、多剤耐性遺伝子またはチミジンキナ ーゼ遺伝子によりコードされるマーカー、βガラクトシダーゼ、ジヒドロ葉酸( dehydrofolate)レダクターゼ(DHFR)およびクロラムフェニコールアセチル トランスフェラーゼを包含する。 本発明のさらに好ましい実施態様では、本発明の第2の局面のタンパク質は、 ウイルスベクターの免疫原性の構造タンパク質または調節タンパク質である。好 ましくは、ベクターは、ワクシニアベクター、アデノウイルスベクター、ヘルペ スウイルスベクター、セムリキ森林ウイルスベクター、または遺伝子療法の目的 のために開発された任意のレトロウイルスベクターである。 本発明のさらに好ましい実施態様では、本発明の第2の局面のタンパク質は、 ウイルス、細菌、または寄生体感染の予防または治療のために使用されるワクチ ン、またはガンワクチンの成分である。 本発明のさらに好ましい実施態様では、上記のグリシンリッチ反復配列は抗原 性タンパク質に連結され、抗原性タンパク質を免疫系に対して不認識化し得る。 グリシンリッチ反復配列は、化学技術を包含する任意の公知技術を用いて、抗原 性タンパク質に連結され得る。 本発明の第3の局面によれば、上記のグリシンリッチ反復配列をコードする核 酸が提供される。 好ましくは、核酸は、抗原プロセシングまたは提示の際にシス作用性の調節活 性を有するポリペプチドをコードする。 好ましくは、核酸は、図1に示されるエプスタインバーウイルス(B95.8株) の核抗原1(EBNA1)のアミノ酸89〜327をコードする。 本発明の第4の局面によれば、本発明の第2の局面によるタンパク質をコード する核酸が提供される。 本発明の第5の局面によれば、本発明の第3または第4の局面による核酸を含 むベクターが提供される。 好ましくは、ベクターは、さらに、ベクター中に含まれる核酸配列の発現に作 用するために必要とされる制御配列を含む。このような制御配列の特性は、宿主 生物に依存して異なる;原核生物においては、このような制御配列は、プロモー ター、リボソーム結合部位、および転写終結配列を包含し得る;真核生物におい ては、このような制御配列は、プロモーターおよび転写終結配列を包含し得る。 リーダー配列、エンハンサー、および遺伝子座制御領域(LCR)のような、さら なる制御配列もまた包含され得る。 本発明の第6の局面によれば、本発明の第5の局面によるベクターで形質転換 された宿主細胞が提供される。 宿主細胞は、細菌のような原核生物細胞であり得、そして好ましくは、哺乳動 物細胞のような真核生物細胞である。 本発明の第7の局面によれば、グリシンリッチ反復配列について試験するため の方法が提供され、この方法は、このような配列を含む抗原性タンパク質に免疫 系を回避する能力を付与する。 本発明の方法は、本発明の第2の局面のタンパク質を発現する宿主細胞を、上 記タンパク質および参照タンパク質に共通のエピトープについて特異的な免疫系 の細胞とともに、上記エピトープの免疫学的認識を可能にし得る条件下で、イン キュベートする工程を包含する。ここで、上記エピトープは、上記参照タンパク 質において免疫原性であることが知られているかまたは測定され、そして免疫学 的認識が存在しないことは、免疫系の回避の指標である。 好ましくは、上記免疫学的認識は、上記参照タンパク質またはそのエピトープ を有する上記宿主細胞のMHCクラスI拘束溶解である。あるいは、上記免疫学的認 識は、上記参照タンパク質またはそのエピトープを有する宿主細胞のINF、TNF、 またはインターロイキンのうちの1つのようなリンホカインの産生を誘発する能 力を包含する。 本発明の第8の局面によれば、哺乳動物において、好ましくはヒトにおいて、 免疫応答を選択的に回避する方法が提供される。この方法は、哺乳動物に本発明 の第2の局面によるタンパク質を投与する工程を包含する。このタンパク質のコ アタンパク質はグリシンリッチ反復配列の非存在下で免疫原性であり、そして上 記グリシンリッチ反復配列の存在下では非免疫原性である。 本発明の第9の局面によれば、哺乳動物において、好ましくはヒトにおいて、 免疫応答を選択的に回避する方法が提供される。この方法は、哺乳動物に以下の タンパク質をコードする本発明の第4の局面による核酸を投与する工程を包含す る。このタンパク質のコアタンパク質はグリシンリッチ反復配列の非存在下で免 疫原性であり、そして上記グリシンリッチ反復配列の存在下では非免疫原性であ る。 本発明の第10の局面によれば、タンパク質をコードする核酸セグメントを、本 発明の第3の局面によるグリシンリッチ反復配列をコードする核酸配列の挿入に よって、ヒトまたは他の種の細胞において発現されるように、改変するためのプ ロセスが提供される。 好ましくは、上記核酸セグメントは治療用タンパク質をコードする。好ましく は、治療用タンパク質は、酵素、サイトカイン、リンホカイン、細胞接着分子、 コスティミュレーター分子、薬剤耐性遺伝子または腫瘍抑制遺伝子のタンパク質 産物からなる群より選択される。 本発明のさらに好ましい実施態様では、核酸セグメントはマーカー遺伝子をコ ードする。好ましいマーカー遺伝子は、neoR、多剤耐性遺伝子、チミジンキナー ゼ遺伝子、βガラクトシダーゼ、ジヒドロ葉酸(dehydrofolate)レダクターゼ (DHFR)、およびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼを包含する 。マーカー遺伝子は、ヒトのような哺乳動物の細胞内に、治療用遺伝子とともに または別々に挿入され得る。 本発明のさらに好ましい実施態様では、核酸セグメントは、ウイルスベクター の免疫原性の構造または調節タンパク質をコードする。好ましくは、ベクターは 、ワクシニアベクター、アデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、 または遺伝予療法の目的のために開発された任意のレトロウイルスベクターであ る。 本発明のさらに好ましい実施態様では、核酸セグメントは、ウイルス、細菌、 もしくは寄生体感染の予防または治療のために用いられるワクチン、またはガン ワクチンの成分をコードする。 本発明の第11の局面では、本発明の第2の局面のタンパク質または本発明の第 4の局面の核酸を薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて含む 薬学的組成物が提供される。 本発明の第12の局面では、本発明の第2の局面のタンパク質または本発明の第 4の局面の核酸が治療での使用のために提供される。 本発明の第13の局面は、遺伝子療法による疾患の治療のための組成物の製造に おける、本発明の第2の局面のタンパク質または本発明の第4の局面の核酸の使 用である。 多数の疾患が、本発明の組成物を用いて治療され得る。そのような疾患は、遺 伝性およびウイルス性疾患、特にゴーシェ病のような酵素障害、ガン、免疫系障 害および遺伝子療法を用いて処置し得る任意の他の疾患を包含する。 本発明のさらなる局面では、治療有効量の本発明の第2の局面のタンパク質ま たは本発明の第4の局面の核酸を患者に投与する工程を包含する処置方法が提供 される。 本発明のさらなる局面では、上記の治療用タンパク質またはマーカー遺伝子を ヒトまたは他の種に提供するためのプロセスが提供され、これは上記のグリシン リッチ反復配列を含む。 本発明のさらなる局面では、本発明の第5の局面によるベクターをヒトまたは 他の種に提供するためのプロセスが提供される。 本発明のさらなる局面では、組換えワクチンをヒトまたは他の種に提供するた めのプロセスが提供され、ここで、組換えワクチンは、上記のグリシンリッチ反 復配列を含む。 本発明を、添付の実施例において、以下の図を参考として例示する: 図1は、B95.8 EBV株由来のEBNA1タンパク質の内部gly-ala反復のアミノ酸配 列を提供する。 図2は、完全長EBNA1キメラ、gly-ala欠失EBNA1キメラ、およびgly-ala含有EB NA4キメラの概略図である。EBNA4 416-424エピトープおよびEBNA1内部反復領域 (IR)の制限部位および挿入の位置を、B95.8配列中のアミノ酸番号を指す垂直 の矢印により示す。公知のEBNA1タンパク質ドメインを以下に示す:gly-ala反復 (黒塗り部分);gly-arg(灰色部分);核局在化シグナル(線形部分);DNA結 合およびダイマー化ドメイン(斜線部分)。 図3は、EBNA4 416-424エピトープに特異的な全ての拘束CTLにより溶解させる ための、gly-ala欠失変異体および全長EBNA1キメラを発現するワクシニア組換え 体で感染させたHLA A11陽性線維芽細胞の感受性化の結果を示す。gly-ala欠失キ メラを発現する線維芽細胞は、完全なEBNA4を発現する線維芽細胞と同程度に効 果的に溶解されたが、全長EBNA1キメラを発現する線維芽細胞は死滅しなかった 。 A.完全なEBNA4タンパク質(Vacc-EBNA4)、またはEBNA1欠失変異体(EBNA4 41 6-424 エピトープをNcolに挿入されたもの(Vacc-E1ΔGAN-E4)、PflMIに挿入され たもの(Vacc-E1ΔGAP-E4)、もしくはBsu36Iに挿入されたもの(Vacc-E1ΔGAB-E4) を含む)を発現する線維芽細胞の溶解。4回の実験の平均および標準誤差。B. 異なる時間の長さの間、完全なEBNA1キメラを含むVacc-E1ΔGAN-E4組換え体また はVacc-E1N-E4組換え体で感染させた線維芽細胞の溶解。3つを除く1つの代表 的な実験におけるエフェクター:標的比が10:1での特異的溶解のパーセントを図 に示す。 図4は、完全なEBNA1タンパク質の過剰発現が、EBNA4のプロセシングならびに 399-408および416-424エピトープの提示を阻害しないことを示す。EBNA4、EBNA1 もしくはEBNA3を発現するか、またはEBNA1+EBNA4およびEBNA3+EBNA4を同時発現 するHLA A11陽性線維芽細胞の、EBNA4 399-408(灰色部分)および416-424(黒塗り 部分)エピトープに特異的なCTLによる溶解。3つを除く1つの代表的な実験にお けるエフェクター:標的比が10:1での特異的溶解のパーセントを図に示す。 図5は、EBNA4 399-408および416-424エピトープに特異的な全ての拘束CTLに より溶解させるための、EBNA4またはE4IRキメラを発現するHLA A11陽性細胞の感 受性化の結果を示す。HLA A11陽性線維芽細胞(AおよびC)または内性EBNA4タ ンパク質(BおよびD)のHLA A11拘束認識を排除する変異を有するチャイニー ズEBV単離物を有するQJZsp LCLを、EBNA4 399-408(白丸、黒丸)または416-424( 白三角、黒三角)エピトープに特異的なA11拘束CTLについての標的として使用す る前に、Vacc-EBNA4(白三角、白丸)またはVacc-E4IR(黒塗り三角、黒塗り丸)組 換え体で、ある感染多重度で示された時間(AおよびB)または示された感染多 重度で12時間(CおよびD)感染させた。エフェクター:標的の組み合わせのそ れぞれで行われた3つを除く1つの代表的な実験において、エフェクター:標的 比が10:1で記録される特異的溶解のパーセントを図に示す。 実施例 実施例Iは、本発明の組換えグリシン含有配列の作製方法を記載する。実施例I Iは、このような配列をコアタンパク質に挿入して本発明の組換えタンパク質を 形成する方法を記載する。実施例IIIは、本発明のグリシン含有配列を含む組換 えタンパク質を、免疫応答の回避における効果について試験する方法を記載する 。実施例IVは、EBNA1グリシン含有反復配列を記載する。実施例Vは、外来エピト ープをEBNA1タンパク質またはグリシン含有反復配列を欠如するENBA1欠失変異体 のいずれかに挿入した実験を記載し、そして非欠失EBNA1タンパク質のみが挿入 された外来エピトープに非免疫原性を付与することを示す。実施例VIは、EBNA1 を別の抗原性タンパク質の存在下で過剰発現した実験を記載し、そしてEBNA1が 抗原性タンパク質の免疫原性のトランス作用阻害を付与しないことを示す。実施 例VIIは、EBNA1グリシン含有配列を外来タンパク質に挿入し、組換え外来タンパ ク質を非免疫原性にした実験を記載する。 実施例I 本発明による有用なグリシン含有配列 本発明の組換えグリシン含有配列は、以下の性質を有する。機能的には、この ような配列が組換えタンパク質内でシスで(in-cis)存在する場合、タンパク質 を非免疫原性にし得る。免疫原性またはその免疫原性の欠損は、以下に記載され るインビトロおよび/またはインビボ免疫化試験で測定される特定の細胞傷害性 応答を阻害する挿入配列の能力により評価され得る。 組換えグリシン含有配列は、一般式に従い、構造的に定義され、そしてその好 適な実施態様を本明細書中に記載する。一般式に加えて、本発明の配列は、それ らが1個の疎水性アミノ酸および/または極性アミノ酸によって分散させられた グリシンの反復領域(stretch)を含有する点で特徴づけられる。介在するアミ ノ酸の存在は、グリシンが二次構造の形成を妨げることを必要とし得る。 介在するアミノ酸は、小さな疎水性および/または極性であり得る:例えば、 アラニン(これは、1つの-CH3基からなる短い側鎖を有する);セリン(これも また、1個の炭素原子側鎖(-CH2OH)を含有する)、バリン、ロイシン、スレオ ニン、およびイソロイシン(これらは、2〜4個の範囲の炭素を含有する基の側 鎖を有する疎水性アミノ酸である)。いかなる理論にも捕らわれることなく、短 い側鎖(すなわち、1〜4基)は、標的タンパク質中の二次構造の形成を阻害 することが提案されている。従って、CysおよびMetは、本発明による適切なアミ ノ酸ではあり得ない。なぜなら、それらは、スルフヒドリル基を有するからであ る。 B95.8 EBV株のEBNA1タンパク質およびヒヒ(papio)EBNA1様抗原中の反復配列 の比較により、本明細書中、上記に示される一般式が、ヒヒEBNA1では7回、B95 .8 EBNA1では28回反復されることを明らかにする。ヒヒでは、一般的なモチーフ は、GlyGlySerGlyAlaGlyAlaの規則的な反復である。EBV EBNA1の反復は、各Ala に先行するGly残基の数が1〜3で変化する点で、規則的な反復ではない。しか し、いくつかの組合せが、より頻繁に現れる:すなわち、合計n=28の反復の内 、n=9での(Gly2AlaGly1AlaGly2Ala)および/または合計n=28の反復の内 、n=7での(Gly2AlaGly1AlaGly3Ala)。 図1に示すグリシン含有配列の「機能的誘導体」(すなわち、EBV EBNA1配列 )は、グリシン含有配列が挿入されたタンパク質に非免疫原性を付与し、その結 果、免疫系の回避が維持される限り、種々の長さおよび組成の配列(すなわち、 より長い配列またはより短い配列あるいは内部欠失配列は、機能的であり、そし て下記の機能に関して試験され得る)、ならびに種々のアミノ酸組成(元のgly- ala配列部分に関して、さらなるアミノ酸が含まれるか、または交換され得る) を包含し得る任意の配列をいうことが理解される。 グリシン含有配列の総残基数は、反復の基本的な残基の数によって分割され得 ることが好ましい:(Gly1-3)X1(Gly1-3)X2(Gly1-3)Z、すなわち、各反復中に存 在するグリシン残基の数に依存して、5、6、7、8、9、10、または11までで ある。グリシン含有配列中の反復数(n)は、1〜28の反復であり得る。そして グリシン含有アミノ酸配列の残基総数は、6と314との間である。より好ましく は、nは2であり、この場合、上記配列の残基総数は12〜24である。あるいはn は7であり、この場合、上記配列の残基総数は42〜84である。好ましくは、配列 の総残基数は約400〜600の間であり、n=41の場合、8残基を保持して反復し、 そしてn=66の場合、4残基を保持して反復する。 グリシン含有配列が、本発明に従って、例えば、抗原性タンパク質を非抗原性 にするために抗原性タンパク質内へ挿入するために必要とされる場合、図1に示 されるB95.8 EBNA1配列が、本明細書中に記載されるように提供され得る。 あるいは、別のグリシン含有配列が、一般式、および本明細書中に提供される このような配列選択のための指針に従って選択される場合、当業者に公知のクロ ーニングストラテジーのいずれかに従って行われ得る。2つの異なるストラテジ ーを以下に記載する:すなわち、原型(prototype)配列のPCR増幅によるもの、 または選択された最小モチーフのオリゴマー化によるもの。この後者のストラテ ジーの利点は、介在するXもしくはYのアミノ酸またはグリシン骨格が異なる組 合せで変異され得る場合、容易に改変されて反復配列を生成し得ることである。 1.PCR増幅 グリシン含有配列をコードするDNAフラグメントを入手し得る場合、そのフラ グメントは、以下のように、PCR増幅のために使用され得る。 グリシン反復配列を含有する原型B95.8 BamHIK領域の1122bp長のXmaIフラグメ ント(Baerら、Nature 310:207-211,1984に記載される108117-109239に対応す る)が、PCR増幅のテンプレートとして使用され得る。PCRプライマーは、反復の 直前および直後で選択される。人工的なBamHIおよびEcoRIの部位が、それぞれ、 5'および3'オリゴヌクレオチドの配列内に含まれる。低いストリンジェンシー条 件下およびテンプレートの反復特性下での増幅は、複数のプライミングおよび種 々のサイズのPCR産物の生成を可能にする。例えば、プライマー対、5'-AAGGATCC AAGTTGCATTGGATGCAA-3'および5'-TGAATTCTCGACCCCGGCCTCCACTG-3'は、以下のPCR 反応において使用され得る:50nMの各プライマーおよび10〜20ngの各テンプレー トを、50μl反応緩衝液(1mM Tris-HCl pH7.5、5mM KCl、0.15〜0.5nM MgCl2、 0.001%ゼラチン、200μM dNTP、および2ユニットのTaq DNAポリメラーゼを含 有する)中で混合する。増幅条件は、95℃での1分間の変性、45〜60℃での1分 間のアニーリング、および72℃での1分間の伸長の30〜35サイクルを含む。 PCR産物を、pGEX-T2ベクターの、グルタチオンS−トランスフェラーゼ遺伝子 (GST)の下流のBamHIおよびEcoRI部位にクローニングする。融合タンパク質GST -GlyAlaを、tacプロモーターを用いて細菌内で発現させる。次いで、GST遺伝子 の下流にインフレームで挿入された反復を含む融合タンパク質の発現を、EBNA1G lyAla反復に特異的なアフィニティ精製されたヒトの抗体を用いて、単一の形質 転換コロニー由来の溶解物のウエスタンブロットによりスクリーニングする(Di llnerら、1984,Proc.Nat.Aca.Sci.81; 4652)。スクリーニングを、150μl LB培地中で0.3mM IPTGを有するマイクロウエルプレート中で4時間生育させた 個々の細菌クローンの誘導後に、実施した。80μlの細菌細胞懸濁液を、等量のS DS-PAGE負荷緩衝液と混合し、そしてドットブロット装置を用いてニトロセルロ ースフィルター上にドットする。フィルターを、標準的なウエスタンブロット手 順に従って処理し、そしてECL(Amersham)により発色させる。 GST-GlyAlaポリペプチドを発現するコロニーを、さらに、制限エンドヌクレア ーゼ分析および配列決定により、挿入物のサイズおよびコード能を決定するため に特徴づけする。50、100、150、200、250、300のアミノ酸の反復挿入物を含有 する融合タンパク質をコードするプラスミド(pGEX-(E1GlyAla)n)を、下記のGl yAlaコードカセットの単離のために選択する。 2.選択された最小モチーフのオリゴマー化 グリシン含有コアモチーフをコードする1組の相補的なオリゴヌクレオチドを 、オリゴー化を可能にする5'および3'の突出を有するように合成する。このスト ラテジーは、別のアミノ酸を含有するために容易に改変され得る公知の配列を生 成するという利点を提供する。 コアモチーフGlyAlaGlyAlaGlyGlyAlaGlyおよびその改変体をコードする相補的 なオリゴヌクレオチドの例を、表1に示す。転写方向に関して正方向または負方 向に挿入する際に予想されるコード能を表2に示す。アニーリングして二本鎖を 形成させた後、オリゴヌクレオチドは、最初のアミノ酸コドンおよびその隣接コ ドンの第1の塩基に対応する5'および3'の突出を含有し、連結に際して頭−尾マ ルチマーの形成を可能にする。アニーリングを、50μl反応(100μMの各プライ マー、0.1M MgCl2、10mM Tris-HCl pH7.4を含有する)中で実施する。反応混合 物を72℃で5分間加熱し、そして65℃でさらに40分間進行させる。連結を、アニ ーリング混合物を、50mM Tris pH7.4、10mM MgCl2、10mM DTT、1mMスペルミジ ン、1mM ATP,100ng/ml BSAに調節し、そして10uのT4 DNAリガーゼを添加する ことにより実施する。反応を、15℃で1、3、6、9、および12時間行う。3'陥 没端の充填を、50mM Tris-HCl pH7.5、7mM MgCl2、1mM DTT、および20μM dNTP中で、0.1uのDNAポリメラーゼのクレノウフラグメントを用いて、20分間室 温で実施する。線状のマルチマー分子は、表3に示されるように、pGEX-T2ベク ターのSmaI部位に平滑末端連結される。GST反復融合タンパク質を発現するクロ ーンを、本明細書中に記載されるように、GlyAla特異的抗体との反応性により選 択する。特異的抗体が利用し得ない反復を含有する融合タンパク質に関して、選 択は、GST結合グルタチオン被覆のセファロースビーズでの細菌溶解物からの精 製後のサイズに基づいて実施される。発現クローンを、挿入物のさらなる特徴づ けのために選択する。 プラスミドをBamHIおよびEcoRIで消化する。これらは、pGEX-T2ベクターのSma I部位の直前および直後で切断する。挿入物を、3%アガロースゲルでサイズ分 画し、そして臭化エチジウム染色後、UV照射により可視化する。あるいは、Ba mHI/EcoRI消化後に得られるプラスミドおよび挿入フラグメントを、25μlの反応 (50mM Tris-HCl pH7.5、10mM MgSO4、1mM DTT、50μg/ml BSA Pentax画分V、 2nmolのdNTP、および2pmolのα-32P-dCTPを含有する)中で1μgのプラスミド 当たり1ユニットのDNAポリメラーゼのクレノウフラグメントを用いて末端標識 する。サイズ分画を、8%アクリルアミドゲルで実施する。2、4、8、12、お よび16個のコア反復のコード配列に対応するサイズ(それぞれ、48、96、192、2 88、384bp)の挿入物を含有するプラスミドを、配列決定によりさらに特徴付け し、挿入物のコード可能性および方向を確認する。 上記の手順に従って得られるグリシン含有反復配列を、適切なベクターのポリ リンカー内にサブクローニングし、唯一の上流および下流の制限部位を含有する サブクローニングカセットを生成する。例えば、pBluescript-SKベクター(Stra tagene)のBamHIおよびEcoRI部位内へのサブクローニングは、唯一の上流の部位 であるSacI、BstXI、NotI、XbaI、およびSpeI、ならびに唯一の下流の部位であ るHindIII、ClaI、HincII、AccI、SalI、XhoI、ApaI、DraIIおよびKpnIを含有す るサブクローニングカセットを生成する。 実施例II グリシン含有配列およびこのようなタンパク質をコードする キメラ遺伝子を含有する本発明の組換えタンパク質 グリシン含有配列を含有する本発明の組換えタンパク質を、以下のように作製 する。 1.グリシン反復配列を含有するタンパク質をコードするキメラ遺伝子の構築 Gly含有配列をコードするDNAカセットを、その天然形態が免疫原性であること が考えられるか知られているタンパク質をコードする遺伝子内の選択された部位 内に挿入する。 候補のグリシン含有配列をコードするDNAを、従来のクローニング手順を用い て公知のエピトープから選択された距離で、目的のタンパク質をコードする遺伝 子内に挿入する。gly含有配列を選択されたエピトープ(すなわち、非免疫原性 にされるエピトープ)の下流(すなわち、カルボキシ末端)に挿入することが好 ましい:例えば、エピトープに対して少なくとも5アミノ酸のカルボキシ末端に 、より好ましくは少なくとも10〜20アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、100アミ ノ酸、またはエピトープに対して少なくとも200アミノ酸のカルボキシ末端にお いて挿入することが好ましい。もちろん、gly含有配列は、インフレーム融合に よりタンパク質のカルボキシ末端に位置し得る。 例として、グリシン配列をコードするDNA(一般的に、(「(GlyX)n」)という )をインフルエンザマトリックスタンパク質中へ挿入するためのクローニングス トラテジーを、以下に詳細に記載する。 3つの唯一の制限部位(RsaI、BamHI、およびstuI)が、(GlyX)nコードDNAカ セットを、A/Puerto Rico/8/34株(Winterら、Nucl.Acids Res.8:1965,1980 )由来のインフルエンザマトリックスタンパク質I(matrix)をコードするcDNA 内へ挿入するために使用される。さらに、Gly含有配列をコードするカセットを 、遺伝子の3'末端、マトリックスコード配列の直後に挿入する。CTL特異的エピ トープに拘束される免疫優勢HLA A2(GILと呼ばれる)を、この252アミノ酸長の タンパク質のアミノ酸残基58〜66(GILGFVFTL)で同定した(Bednerckら、J.Im munol.147:4047,1991)。RsaI部位は、開始ATGコドンに関して28bpに位置する 。それは、GILエピトープの上流の47アミノ酸残基のところである。BamHI部位は 、264bpに位置する。それは、GILエピトープの下流の22アミノ酸残基のところで あ る。そしてStuI部位は、713bpに位置する。それは、COOH末端付近のエピトープ の下流の172残基のところである。マトリックスcDNAを、pGS62(Smithら、Virol ,160:336,1987)のEcoRI消化により切り出し、そしてpGEM-9zf(-)(Promega) のEcoRI部位に再クローニングして、pGEM-matrixを得る。pGEM-matrixは、イン ビトロ 転写/翻訳のためのSP6およびT7プロモーターにより駆動されるマトリッ クスタンパク質を含有する。 選択されたタンパク質内の4つの異なる位置の各々に挿入された(GlyX)nコー ドカセットを含有するキメラ遺伝子の構築を、以下に記載する。各クローニング 例において、注意して、所与のタンパク質のコード配列内でインフレームのカセ ット挿入を行う。当業者には、以下の示された例は、インフレームカセット挿入 の代表的なクローニングストラテジーであることが理解される;候補の(GlyX)nD NAカセットおよび選択されたタンパク質をコードする遺伝子について必要とされ る改変が行われる。 Gly含有配列をコードするDNAカセットを、表4に示されるように、そして以下 のように、インフルエンザマトリックスタンパク質をコードする遺伝子のRsaI部 位にサブクローニングする。pGEM-matrixプラスミドを、RsaIで部分消化する。p GEM-9zf(-)は、ampR遺伝子内に位置する唯一のRsaI部位を含有する。この部位に 挿入されたカセットを含有する組換え体は、このクローニング手順において、am p耐性の喪失によって選択される。(GlyX)nカセットを含有するDNAフラグメント を、BamHI消化により単離する。次いで、pGEX-T2(GlyX)nプラスミドのBamHI 3' 陥没末端を、AおよびGヌクレオチドで部分的に充填する。次いで、DNAをEcoRI で消化し、そして5'突出端を、マングビーンヌクレアーゼ処理により除去する。 改変されたフラグメントを、pGEM-matrixプラスミド内のマトリックスタンパク 質コード領域のRsaI部位に平滑末端結合する。正方向での挿入が、配列PhePro(G lyX)nAspおよびイノフルエンザマトリックスタンパク質のアミノ酸11〜252を伴 う、インフルエンザマトリックスタンパク質のアミノ酸1〜9をコードするキメ ラ遺伝子を生じる。 (GlyX)n DNAカセットのマトリックスタンパク質をコードする遺伝子のBamHI部 位へのサブクローニングを表5に示し、そしてそのサブクローニングは以下の工 程を含む。pGEM-matrixプラスミドを、BamHIで消化し、その後クレノウにより3' 陥没末端を消化する。(GlyX)nコードフラグメントを、pGEX-T2(GlyX)nから、Ban HI/EcoRI消化、その後のAおよびGヌクレオチドを用いた3'陥没末端の部分的な 充填、および残存する5'突出端のマングビーンエキソヌクレアーゼ処理により単 離する。(GlyX)n DNAフラグメントを、pGEM-matrixプラスミドの充填したBamHI 端に平滑末端連結する。正方向での挿入が、配列LeuPro(GlyX)nGluおよびインフ ルエンザマトリックスタンパク質のアミノ酸89〜252を伴う、インフルエンザマ トリックスタンパク質のアミノ酸1〜88をコードするキメラ遺伝子を生じる。 (GlyX)n DNAカセットのマトリックスタンパク質をコードする遺伝子のStuI部 位へのサブクローニングを表6に示し、そしてそのサブクローニングは以下の工 程を含む。pGEM-matrixプラスミドを、StuIで消化する。Glyコードカセットを、 pGEX-2T-GlyXプラスミドのBamHI消化、その後のAおよびGヌクレオチドを用い た部分的な充填により単離する。次いで、プラスミドをEcoRIで消化し、そして5 '突出端をマングビーンヌクレアーゼ処理により除去する。(GlyX)nフラグメント を、pGEM-matrixプラスミドのStuI部位に平滑末端連結する。正方向での挿入が 、配列ValPro(GlyX)nおよびマトリックスタンパク質アミノ酸239〜252を伴う、 インフルエンザマトリックスタンパク質のアミノ酸1〜238をコードするキメラ 遺伝子を生じる。 カルボキシル末端の(GlyX)n配列を有する融合タンパク質はまた、本発明に従 って作製され得る。(GlyX)n配列をコードするDNAカセットのインフルエンザマト リックスタンパク質遺伝子の3'末端へのサブクローニングを表7に示し、そして そのサブクローニングは以下の工程を含む。マトリックスタンパク質をコードす るDNAを、以下の個々の5'および3'のプライマーを使用してPCR増幅により調製す る:5'ATAAAGCTTATGAGTCTTCTAACCGAGGTC3'および5'CGAGGATCCACTTGAACCGTTGCATC TGC3'。5'プライマーは、最初のATGの上流に人工的なHindIII部位を含有し、そ して3'プライマーは、マトリックスタンパク質の最後の残基のコドンの下流にBa mHI部位を含有する。 (GlyX)n DNAカセットを、pGEX(GlyX)nのEcoRIを用いた消化により単離し、マ ングビーンヌクレアーゼを用いて5'突出端を除去し、そしてBamHIで消化する。 マトリックスタンパク質コード配列および(GlyX)nカセットが挿入されているプ ラスミドは、XbaIで消化され、マングビーンヌクレアーゼで処理され、そしてHi ndIIIでさらに消化されたpGEM-9zfである。 3つのこのように調製されたDNA(すなわち、マトリックスコードDNA、(GlyX) nコードDNA、およびpGEMベクター)を、HindIII末端、BamHI末端、または平滑末 端を合致させる部位特異的連結による1つの反応で連結する。得られるプラスミ ドpGEM-matrix-(GlyX)n-COOHは、そのカルボキシル末端残基を介して(GlyX)n配 列にインフレームで融合した242アミノ酸のマトリックスタンパク質をコードす る。アミノ酸配列が結合される場合、2つの新しい残基(TrpおよびIle)が、Ba mHI連結により生成する。UAG停止コドンが、融合タンパク質の下流にインフレー ムで存在する。 (GlyX)nコード挿入物の正しい方向および読み枠配置を、DNA配列決定により決 定する。キメラタンパク質の発現を、上記のように、インフルエンザマトリック スタンパク質に特異的な抗体(Smithら、Virol.,160:336,1987)およびアフィ ニティー精製された抗(GlyX)n抗体を用いる、インビトロ翻訳された物質のウエ スタンブロットにより決定する。所望であれば、目的のタンパク質の免疫原性の 阻害の最適化を、グリシン含有配列のサイズを変化させることによって、または 免疫原性エピトープに関してgly含有配列の挿入位置を変化させることにより達 成し得る。 2.真核生物細胞におけるGly反復配列を含有するキメラタンパク質の発現 外来遺伝子を真核生物細胞に導入するための送達システムは、当該分野では公 知である。本発明に従ったキメラ遺伝子は、標的細胞への送達のために適切な送 達ビヒクルに挿入され得る。送達ビヒクルは、ウイルスベクターまたは非ウイル スビヒクルであり得る。キメラ遺伝子が適切な核酸ベクター内に最初に挿入され る場合、そのベクターは、所望すれば、プラスミド、ウイルスまたは線状DNAフ ラグメントであり得る。ベクターは、裸であるか、タンパク質と複合化されるか 、またはリポソーム、ウイロソームなどの送達システムまたはレセプター媒介複 合体内にパッケージングされる。 本発明においては、特定の細胞においてgly含有配列にインフレームで結合し た組換えタンパク質をコードするキメラ遺伝子を発現することが包含される。キ メラ遺伝子は、インビボまたはエクスビボで発現され得る。その発現は、キメラ 遺伝子を含有する遺伝性物質の細胞への導入の結果である。このような細胞には 、幹細胞、マクロファージ、T細胞、樹状突起細胞、造血系の細胞、体細胞、お よび腫瘍細胞が包含されるが、これらに限定されない。組換えDNAをこれらの細 胞に送達するための技術は、当該分野において公知である。そのような細胞は、エクスビボ でトランスフェクトされ得る。すなわち、身体から取り出された後、 次いで、身体に再導入され得る。あるいは、それらは、インビボで標的化され得 る。 本発明によるキメラ遺伝子の転移は、多くの手段により達成され得る。それら には、リン酸カルシウム共沈澱を用いるDNAトランスフェクション、標的細胞と 遺伝子を含むリポソームとの融合、遺伝子を含有する赤血球ゴーストまたはスフ ェロプスト、プラスミドおよびウイルスベクター媒介の転移、およびDNAタンパ ク質複合体媒介遺伝子転移(例えば、レセプター媒介遺伝子転移)を含むが、こ れらに限定されない。 1.エクスピボでの細胞の標的化 エクスビボでの細胞へのDNAの導入に関して、種々のタイプの細胞のトランス フェクションのための多数のプロトコルが、当該分野で公知である。 いくつかのトランスフェクション技術は、全細胞集団からの幹細胞の単離を含 む。この技術は、例えば、欧州特許出願第0 455 482号および第0 451 611号に記 載される。T細胞のトランスフェクションはまた、Kasidら、Proc.Nat.Aca.S ci.,1990,87(1):473に記載される。マクロファージのトランスフェクションは 、Freasら、Human Gene Therapy,1993,4(3):283、およびKrallら、Blood,199 4,83(9)L2737に記載される。幹細胞のトランスフェクションはまた、Yuら、Pro c.Nat.Aca.Sci.,1995,92(3):699;Luら、Human Gene Therapy,1994,5:203 ;Walshら、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.,1993,204:289;Weinthalら、Bone M arrow Transplant.,1991,8:403、Hamadaら、Jour.Immunol.Methods,1991, 141:177に記載される。 アシアロ糖タンパク質でタグ化されたポリリジンを用いて、DNAを複合化およ び濃縮し、そして肝細胞に対して複合体を標的化する(WuおよびWu、(1987)J. Biol.Chem.262,4429;米国特許第5,166,320号)。DNA転移は、アシアロ糖タ ンパク質レセプターを発現するこれらの細胞のみに対して複合体を特異的に指向 するアシアロ糖タンパク質タグを介して生じると考えられる。モノクローナル抗 体もまた、特定の細胞タイプにDNAを標的化するために用いられ得る。これは、M achyら、(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85,8027-8031;Trubetskoyら、(19 92)Bioconjugate Chem.3,323-7、およびWO 91/17773、WO 92/19287に記載さ れる。ラクトシル化ポリリジン(Midouxら、(1993)Nucleic Acids Res.21,8 71-878)およびガラクトシル化ヒストン(Chenら、(1994)Human Gene Therapy 5,429-435)は、プラスミドDNAをレクチンレセプター保有細胞に対して標的化 すること、およびポリリジンに結合させたインスリン(Rosenkrantzら、(1992 )Exp.Cell Res.199,323-329)をインスリンレセプター保有細胞に対して標 的化することを示している。 2.インビボでの細胞の標的化 インビボでの細胞標的化は、レセプター媒介遺伝子転移を用いて本発明に従っ て実施され得る。 レセプター媒介遺伝子転移は、細胞の表面での適切なリガンドの存在に依存す る。その細胞は、所望の細胞タイプへの特異的な標的化、その後の複合体の内在 化およびDNAの発現を可能にする。レセプター媒介遺伝予転移の1つの形態は、D NAベクターを抗体に結合させる場合においてである。これは、細胞表面抗原に対 して高い特異性で標的化する(WongおよびHuang、1987,Proc.Nat.Aca.Sci. 84:7851;Rouxら、1989,Proc.Nat.Aca.Sci.86:9079;Trubetskoyら、1992 ,Bioconjugate Chem.3,323;およびHirschら、1993,Transplant Proceeding s 25:138)。核酸は、ポリリジンを用いて抗体分子に結合され得るか(Wagnerら 、1990,Proc.Nat.Aca.Sci.87:3410;Wagnerら、1991,Proc.Nat.Aca.Sc i.89:7934)、または下記のように、リポソームを介して結合され得る。 エンドソーム経路を介して細胞が取り込んだリガンド−DNA複合体から誘導さ れるDNAの増加した発現は、標的化複合体または標的細胞を取り囲む培地のいず れかの中に、エンドソーム崩壊剤(例えば、インフルエンザウイルスヘマグルチ ニン融合性(fusogenic)ペプチド)を含有することにより達成された。 標的化遺伝子の送達はまた、DNA−タンパク質複合体を用いて本発明に従って 達成される。そのようなDNA−タンパク質複合体は、標的細胞の表面レセプター と相互作用するリガンドで複合体化されたDNAを含む。従って、細胞表面レセプ ターは、選択された哺乳動物細胞への遺伝子の特異的な送達に関する天然に存在 する侵入機構として利用される。多くの(すべてではない)哺乳動物細胞は、特 定の生物学的分子(すなわち、リガンド)を認識し、結合し、そして内在化する 細胞表面の結合部位またはレセプターを有することが知られている。これらの分 子が、一旦レセプターによって認識され、そして結合すると、レセプター媒介エ ンドサイトシスを介して膜に限定された小胞内で、標的細胞中で内在化され得る 。そのようなリガンドの例として、細胞レセプターによって認識されるために十 分に露呈される官能基を有するタンパク質が挙げられるが、これらに限定されな い。用いられる特定のタンパク質は、標的細胞により変化する。 典型的には、露呈された末端の炭水化物基を有する糖タンパク質が使用される 。しかし、他のリガンド(例えば、抗体またはポリペプチドホルホン)もまた、 用いられ得る。 一般的に、リガンドは、共有結合、イオン結合、または水素結合により、核酸 に化学的に結合される。細胞表面レセプターに対するリガンドは、ポリカチオン (例えば、ポリリジン)に、エチリデンジアミノカルボジイミドを用いて、米国 特許第5,166,320号に記載されるように結合され得る。DNAは、その組合せまたは 複合体が、可溶性のままであり、レセプターにより認識され、そして細胞により 内在化されるような様式で、適切なリガンドに結合され得る。DNAは、リガンド とともに細胞内に運ばれ、次いで細胞内で発現される。タンパク質結合体は、等 量のタンパク質結合体とDNAとを0.25モル濃度の塩化ナトリウム中で混合するこ とにより、トランスフェクションベクターのDNAと複合体化される。DNA/タンパ ク質複合体が細胞により取り込まれ、そして遺伝子が発現される。 リポソームは、多くの物質(核酸、ウイルス粒子、および薬剤)の非ウイルス 性送達のために使用される。多数の総説が、リポソームの生成方法論および性質 の研究、治療剤のためのキャリアとしてのその使用、および種々の細胞タイプと のその相互作用を記載している。例えば、以下のものを参照のこと:「Liposome s as Drug Carriers」Wiley and Sons,NY(1988)、および「Liposomes from Bio physics to Thereutics」Marcel Dekker,NY(1987)。いくつかの方法が、DNAの 細胞内へのリポソーム送達のために使用されている。それには、ポリ-L-リジン 結合脂質(Zhouら、Biochem.Biophys.Acta 1065:8-14,1991)、pH感受性イム ノリポソーム(Gregoriadis,G.,Liposome Technology,第I,II,III巻,CRC ,1993)、およびカチオン性リポソーム(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci. ,USA,84:7413-7417,1987)を含む。正に荷電したリポソームを用いて、異種 遺伝子を真核生物細胞に転移した(Felgnerら、1987,Proc.Nat.Aca.Sci.84 :7413;Roseら、1991,Biotechniques 10:520)。カチオン性リポソームは、自 発的に、溶液中でプラスミドDNAまたはRNAと複合化し、そして培養中の細胞と複 合体との融合を容易にし、その結果、核酸を細胞に送達する。Philipら(1994, Mol.and Cell.Biol.14:2411)は、カチオン性リポソームを使用して、初代T 細胞および培養腫瘍細胞のアデノ関連ウイルス(AAV)プラスミドトランスフェ クションを容易に行えることを報告している。 リポソームを用いた薬剤の送達は、疾患の非侵襲性処置を可能にする。器官ま たは組織タイプの標的化が、イムノリポソーム(すなわち、器官特異的または組 織特異的な抗原に特異的な抗体に結合されているリポソーム)を用いてより効率 的に行われ得る。従って、標的化DNA送達の1つのアプローチは、リポソーム表 面上での特異的抗体の取り込みにより標的特異的とされた負荷リポソームの使用 である。 3.ウイルスベクター媒介遺伝子送達 組換えウイルスベクターならびに他のDNA転移スキームが、本発明の実施にお いて用いられ得る。本発明の組換えウイルスベクターは、ウイルスゲノムの少な くとも一部分(その部分により、標的細胞に感染し得る)のDNAおよび転写ユニ ットならびに制御DNA配列を含む。「感染」とは、一般に、それによりウイルス が遺伝性物質をその宿主または標的細胞に転移するプロセスを意味する。好まし くは、本発明のベクターの構築に用いられるウイルスはまた、複製欠損にされて 標的細胞でのウイルスの複製作用を除去される。このような場合、複製欠損ウイ ルスのゲノムが、従来技術に従って、ヘルパーウイルスによりパッケージされ得 る。一般に、感染性および機能的な遺伝子転移の能力の上記基準を満たす任意の ウイルスが、本発明の実施において用いられ得る。 本発明の実施に適切なウイルスには、例えば、アデノウイルス、アデノ関連ウ イルス、レトロウイルス、およびワクシニアウイルスが含まれるが、これらに限 定されない。その代表的な例を以下に示す。本発明のキメラ遺伝子のウイルスベ クターへの挿入は、当業者に公知の従来のクローニング手順を含む。 ウイルスシステムは、ウイルスの感染能を利用し、高い効率で外来DNAを真核 生物細胞に導入する。目的の遺伝子を、選択された宿主細胞または器官で発現し 得るプロモーターの制御下にあるウイルスゲノム内にクローニングする。組換え ワクシニアウイルス、レトロウイルス、およびアデノウイルスもしばしば、DNA 送達目的のために使用される。ウイルス送達ビヒクルは、その使用の公知の有利 な点および不利な点に基づいて選択される。当業者は、非免疫原性組換えタンパ ク質の意図された治療使用について送達ビヒクルを選択する。 例えば、ウイルスベクターの宿主細胞ゲノム内への組込みは、組換えレトロウ イルスによる感染後に生じる。このような組込みは、形質導入された遺伝子の長 期間の発現を有利にもたらす。しかし、レトロウイルスは、それらが分裂細胞の みに感染する点で、ベクターとしてのその使用が限られている。組換えアデノウ イルスベクターは、分裂および分裂後の標的細胞の広範囲に感染する能力を有す る。それらは、エピソーム形態で細胞内に維持されず、その結果、細胞の代謝と 平行して、形質導入された遺伝子の喪失が生じる。組換えワクシニアウイルスベ クターは、形質導入された遺伝子の非常に高いレベルの発現が可能であり、そし て広範囲の標的細胞に感染し得る。しかし、この感染は、しばしば、生産的(pr oductive)であり、その結果、ウイルス感染細胞は急激に消滅する。 組換えワクシニアウイルス、レトロウイルス、およびアデノウイルスの構築を 、以下に詳細に記載する。その各々は、本発明のインフルエンザマトリックスキ メラ遺伝子を有する。 a)インフルエンザマトリックス/Gly含有配列の組換えタンパク質をコードす る配列を含有する組換えワクシニアウイルスの構築 Gly含有配列にインフレームで結合された選択タンパク質コード配列(例えば 、 インフルエンザマトリックス1タンパク質)を有するワクシニアウイルス組換え 体を、標準的な手順(RJ Murrayら、J.Exp.Med.,176:157,(1992))に従って 作製する。転移ベクターを、インフルエンザマトリックスcDNA/(GlyX)nキメラ遺 伝子をウイルスベクターにクローニングすることにより構築し得る。例えば、キ メラ遺伝子を、pGEM-matrix-(GlyX)nまたはpGEM-matrix-(E1 GlyX)nのEcoRIフラ グメント上で単離し、そしてワクシニアp7.5の初期後期プロモーターの下流の、 pGS62のEcoRI部位にクローニングし得る。このプロモーターは、CTL認識のため の標的タンパク質の発現に関して選択されたプロモーターである(BEJ Couparら 、Eur.J.Immunol.,16:1479(1986))。挿入物含有のプラスミドを、配列決定 し、正しい方向および読み枠配置を決定する。組換えウイルスを、野生型WR株の ワクシニアを感染させたTK-143細胞へのトランスフェクションにより生成する( S.Chakrabatiら、Mol.Cell.Biol.,5:3403(1985))。ワクシニアチミジンキ ナーゼ遺伝子(TK)内への挿入物を有する組換え体を、25μg/mlのBuDRを含む培 地中で選択する。ウイルスストックを調製し、そして標準的な手順に従ってCV-1 細胞で力価を測定する。 マトリックスタンパク質のカルボキシル末端でgly含有配列に融合させたマト リックスタンパク質をコードする組換えワクシニアベクターを、2つの点で異な るが、上記のように作製する。第1は、キメラ遺伝子を、HindIII-SfiI消化によ りpGEM-matrix-(GlyX)n-COOHから切り出す。第2は、キメラ遺伝子フラグメント のワクシニアベクターpGS62のEcoRI部位へのクローニングを、ベクターおよび挿 入物の両方の末端をクレノウフラグメントまたはT4 DNAポリメラーゼ(SfiI末端 に関して)で充填した後、平滑末端連結によって実施する。 b)インフルエンザマトリックス/Gly配列反復キメラ遺伝子を含有する組換え レトロウイルスベクターの構築 目的のタンパク質をコードする遺伝子、または本発明の組換えタンパク質をコ ードするキメラ遺伝子を有する組換えレトロウイルスベクターを、Trivediら(I nt.Jour.Cancer 48:794,1991)に記載されるように作製する。例として、イ ンフルエンザマトリックスタンパク質をコードする遺伝子、またはインフルエン ザマトリックス/Gly含有配列組換えタンパク質をコードする遺伝子を有する組 換えレトロウイルスベクターの構築を、以下に記載する。 キメラ遺伝子を、pGEM-matrix-(GlyX)nまたはpGEM-matrix-(E1GlyX)nまたはpG EM-matrix-(GlyX)nCOOHからHindIIIおよびSalI消化により切り出し、そしてpCEP 4プラスミド(Invitrogen)のHindIII-XhoI部位にサブクローニングする。その 結果、SalIおよびXhoI部位の喪失が生じる。次に、pCEP4-matrixおよびPCEP4-ma trix(GlyX)nプラスミドを、SalIおよびSfiIにより切断し、マトリックス遺伝子 またはインフルエンザマトリックスキメラ遺伝子(CMVプロモーターにより駆動 される)を含有するフラグメントを単離する。クレノウによるSalIの3'陥没末端 およびT4 DNAポリメラーゼによるSfiIの3'突出末端の改変後、単離したフラグメ ントをpShis4ベクターのSnabI部位に平滑末端連結する。次いで、ヘルパーウイ ルスを含まないウイルス上清を、標準的な手順(Millerら、Mol.Cell.Biol.6 :2895,1986)に従って、pA317パッキング細胞株にトランスフェクションにより 作製する。 c)インフルエンザマトリックス/Gly配列キメラ遺伝子を含有する組換えアデ ノウイルスの構築 目的のタンパク質をコードする遺伝子、または本発明の組換えタンパク質をコ ードするキメラ遺伝子を有する組換えアデノウイルスベクターを、以下のように 作製する。例として、インフルエンザマトリックスタンパク質をコードする遺伝 子、またはインフルエンザマトリックス/(GlyX)n組換えタンパク質をコードす る遺伝子を有する組換えアデノウイルスベクターの構築を、以下に記載する。 CMVプロモーターを含有するSalIフラグメント、インフルエンザマトリックスc DNAまたはインフルエンザマトリックスキメラ遺伝子およびSV40ポリAテイルを 、pCEP4-matrixまたはpCEP4-matrix(Gly-X)nプラスミドから切り出し、そしてア デノウイルス転移プラスミドpΔE1sp1のsalI部位にサブクローニングする。pΔE 1sp1は、クローニング部位の両側にアデノウイルスのE1配列を含有する(Bettら 、Proc.Nat.Aca.Sci.91:8802,1994)。組換えアデノウイルスを、pΔE1sp1 -matrixまたはpΔE1sp1-matrix(GlyX)nプラスミドとpJM17との相同組換えにより 作製する。組換えアデノウイルスは、Ad5 E1発現293細胞への同時トランスフェ クション後、部分的に端が欠損したE1を有する完全なアデノウイルスの5'ゲノム を 含有する(Grahamら、J.Gen.Virol.,36:59,1977)。同時トランスフェクシ ョン、ウイルスレスキュー、および増殖を、標準的な手順に従って実施する(Gr ahamら、Gene Transfer and Expression Protocols、E.J.Murray編、Human a P ress、Clifton、NY、109〜128頁、1991)。 キメラ遺伝子の発現を、免疫学的方法により検出し得る。例えば、Gly含有配 列に特異的な抗体および目的のタンパク質に特異的な抗体を使用して、免疫蛍光 およびイムノブロッティングにより組換えタンパク質が検出され得る。あるいは 、キメラ遺伝予の発現は、そのタンパク質の生物学的活性をアッセイすることに より検出され得る;例えば、キメラ遺伝子がマーカー遺伝子(例えば、NeoRキメ ラまたはTKキメラ)である場合、マーカータンパク質の発現を検出し得る。 実施例III 免疫系の回避についての試験方法 この実施例に記載の手順により、当業者は、グリシン含有反復配列の存在が細 胞性免疫系による外来タンパク質の認識に影響を及ぼすか否か;すなわち、グリ シン反復配列の非存在下で、免疫原性であるタンパク質に非免疫原性を付与する か否かを決定し得る。 Gly含有反復配列を含むタンパク質の抗原性および免疫原性の試験 その天然の形態において免疫原性であるタンパク質のプロセシング/提示につ いてのGly反復配列の存在の効果を、インビトロおよびインビボアッセイに従っ て試験し得る。例示として、挿入されたグリシン含有配列を含む組換えインフル エンザマトリックスタンパク質1の免疫原性を、以下にインビトロおよびインビ 試験を介して決定する。 インビトロアッセイは、Levitskayaら(Nature 375:685-688,1995)に記載され るように、目的のタンパク質および/または所定のタンパク質中の同定された標 的エピトープに特異的なポリクローナルT細胞培養物またはクローンの利用可能 性に依存する。 本発明の候補組換えタンパク質の試験に有用なCTLエピトープは、先行技術に おいて公知である。CTLエピトープは、多くの異なる抗原ついて(例えば、ウイ ルス抗原、細菌抗原および寄生体抗原について)公知である。ヒトにおいて、こ のようなエピトープは以下のものを含むが、これらに限定されない: i.インフルエンザAマトリックスタンパク質の残基57〜68に位置するHLA A2 拘束エピトープ(Gotchら、Nature,326:331-332,(1987);Mossら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA,88:8987-8990,(1991)); ii.それぞれ、HIV p17 Gagおよびp24 GagのHLA B27およびB8拘束エピトープ (Nixonら、Nature,336:484-487,(1988);NixonおよびMcMichael,AIDS 5:1049-10 59,(1991)); iii.EBV膜タンパク質LMP2のHLA A2拘束エピトープ(Leeら、J.Virol,67:7428- 7235,(1993));および iv.P.falciparum由来の肝臓-期-特異的抗原(LSA-1)のHLA B53拘束CTLエピト ープ(Hillら、Nature,360:432-439,(1992))。 マウス系におけるこのようなエピトープの例は、以下のものを含むが、これらに 限定されない: i.Plasmodium berghei サーカムスポロゾイトタンパク質のアミノ酸249〜260 におけるH-2Kd拘束エピトープ(Romeroら、Nature,341:323-325,(1989))これらの CTLは寄生体感染からマウスを保護し得る;および ii.Listeria monocytogenesのリステリオシンのアミノ酸91〜99におけるH-2k D拘束エピトープ(Palmenら、Nature,353:852-855,(1991))。 これらのタンパク質のプロセシング/提示におけるGly含有配列の効果を、イン フルエンザマトリックスタンパク質について本明細書中に記載のストラテジーに 従って行う。すなわち、既知のCTLエピトープに関するタンパク質内に挿入され たGly反復配列を含むキメラタンパク質が、ウイルスまたは非ウイルス送達系を 用いて、適切なMHCクラスI型の細胞において発現される。いくつかのこのような タンパク質が試験され得、各々は、そのタンパク質内の同じ部位に挿入された異 なる配列を有するか、または既知のCTLエピトープに関する異なる位置に挿入さ れた同じ配列を有する。従って、抗原プロセシングの阻害を達成するのに必要と されるgly含有配列の大きさおよびCTLエピトープに関するコード配列内の反復の 挿入の位置の両方を決定し得る。 この目的のために、異なる長さおよび/または異なる配列の反復を、所定のタ ンパク質に挿入する。反復を、目的のタンパク質のNH2もしくはCOOH末端に、ま たはエピトープのすぐ上流またはすぐ下流から始まる既知のエピトープから種々 の距離でコード配列内に挿入する。 インフルエンザマトリックスタンパク質1およびグリシン含有配列を含む本発 明の組換えタンパク質をコードするキメラ遺伝子を、本明細書中に記載の遺伝子 送達方法に従って、HLA A2陽性線維芽細胞、EBV形質転換リンパ芽球細胞株(LCL) 、またはマイトジェン誘導芽球に導入し、そして発現する。キメラ遺伝子発現を 、インフルエンザマトリックスタンパク質1に特異的な抗体およびグリシン含有 配列に特異的な抗体を用いて免疫蛍光により確認する。キメラ遺伝子発現もまた 、標準的な手順に従ってウエスタンブロッティングにより確認し得る。形質導入 されたキメラ遺伝子を発現する宿主細胞を含む調製物を、細胞傷害アッセイにお ける標的集団として使用する。細胞傷害エフェクター細胞は、記載されるように (Morrisonら、Eur.Jour.Immunol.22:903,1992)、自己インフルエンザAウイルス 感染細胞で刺激されたHLA A2陽性固体由来のポリクローナルCTL集団または58〜6 6エピトープに特異的なCTLクローンであり得る。 あるいは、形質導入された標的の免疫学的認識を、Asherら、Jour.Immunol.13 8:963,1987により教示されるようなリンホカイン(例えば、TNF、INF、インター ロイキンなど)の産生を誘導するこれらの細胞の能力により評価し得る。以下の TNFアッセイは、T細胞上清中のTNFの存在について試験するための標準アッセイ である。L929アッセイは、TNF感受性L929細胞の増殖を阻害する関連抗原を発現 する細胞とTリンパ芽球の共培養から得られた上清の能力に基づく。 あるいは、形質導入された標的細胞の免疫学的認識を、TNF特異的モノクロー ナル抗体に基づく市販のELISAキットを用いてELISAアッセイ(R&D Systems,Mpls ,MN)により評価する。 インビボアッセイは、Trivediら、Int.J.Cancer 48:794(1991)に記載されるよ うに、同系宿主において形質導入されたマウス腫瘍細胞株の拒絶を誘導する目的 のタンパク質の能力に基づく。例えば、本明細書に記載される、インフルエンザ マトリックスタンパク質の免疫原性およびグリシン含有配列にインフレームで融 合したマトリックスタンパク質の非免疫原性を、以下の通りに試験し得る。 ACAマウス(H-2f)を起源とする自発性哺乳動物腫瘍株から樹立されたS6C細胞株 (Kuzumakiら、Europ.J.Cancer 39:471,1987)を、pCEPマトリックスまたはpCEPマ トリックス(GlyX)nプラスミドでトランスフェクトする。トランスフェクトされ た遺伝子の高レベルの発現を、その遺伝子を駆動するCMVプロモーターを用いて 達成する。ACAマウスを、以下のうち1つを有する細胞で免疫化する:(1)ベク ターなし、(2)挿入キメラ遺伝子を有さないpCEPベクター、(3)インフルエ ンザマトリックスタンパク質1をコードする遺伝子を含むpCEPプラスミド、およ び(4)pCEPマトリックス(Gly)nプラスミド。Trivediら、Int.Jour.Cancer 48: 794,1991を参照のこと。10,000ラドで照射された1×106細胞を、連続3週間、 1週間に1回皮下に接種する。最後の免疫化の7日後、および生存細胞攻撃の24 時間前に、マウスを、非特異的免疫反応を阻害するために400ラドで照射する(Kl einら、Cold Spring Harbor Symp.Quant Biol.27;463,1962)。5〜10匹の群を、 類別した生細胞/マウス(例えば、103〜106細胞/マウス)で攻撃する。腫瘍増殖 は、毎週3次元のカリパス測定に従う。攻撃後、8週間、動物を観察下に置く。 平均腫瘍負荷を、個々の腫瘍直径を加え、そして群におけるマウスの総数でその 合計を割ることにより計算する。腫瘍の統計を、Fisherの精密検定に従って計算 する。 実施例IV EBNA1 グリシン含有反復配列 本発明の1つの実施態様において、エプスタイン-バーウイルス核抗原(EBNA) 1内部Gly-ala反復配列、またはその機能的誘導体に対応するポリペプチドをコ ードする反復核酸配列を、目的のタンパク質をコードする遺伝子に挿入する。次 いで、この遺伝子をトランスフェクトし、そして発現される組み換えグリシン配 列含有ポリペプチドが非免疫原性、すなわち細胞傷害性Tリンパ球により認識さ れないように宿主細胞中で発現される。 本発明によれば、エプスタイン-バーウイルス核抗原(EBNA)1内部gly-ala反復 (表現型B95.8 EBV株のアミノ酸89〜327)に対応するポリペプチドを表1に示す。 組換えタンパク質を、抗原性タンパク質の選択された部位内にこのポリペプチド を配置することにより形成し、このタンパク質を非抗原性にする。 エプスタイン-バーウイルス(EBV)によりコードされる核抗原(EBNA)1は、健康 なウイルスキャリアにおいて生命を持続する、潜伏的にEBV感染したBリンパ球 において発現され(Tierney,R.J.ら J.Virol.68,7374-7385 1994)、そして全ての EBV関連悪性腫瘍において規則的に検出される唯一のウイルスタンパク質である( Masucci,M.G.およびErnberg,I.Trends in Microbiology 2,125-130,1994,Klein, G.Cell 77,791-793,1994において総説される)。主要組織適合遺伝子複合体(MHC )クラスI拘束EBNA1特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答は、示されておらず(M asucci,M.G.およびErnberg,I.Trends in Microbiology 2,125-130,1994,Rickins on,A.ら、A New Look at Tumour Immunology,McMichael,AおよびFranks,L編、53 〜80頁、CSHL Press,New York,1992中において総説される)、このことは、この ウイルス抗原が免疫応答を逃れる能力を発達し得ることを示唆する。 EBNA1は、内部gly-ala反復を囲むarg-gly含有モチーフの反復配列によって連 結される独特のN末端ドメインおよびC末端ドメイン(表現型B95.8 EBV株にお いて、それぞれアミノ酸1〜89および327〜641)から構成されるリンタンパク質 (Rawlins,D.R.ら、Cell 42,859-868,1985)である(Baer,R.ら、Nature 310,207-2 11,1984)(図1)。 異なる長さのGly-ala反復は、全てのEBV単離物中に存在し、そしてEBNA特異的 抗体応答の主要標的を示すことが観察されている。しかし、gly含有配列の機能 は以前は知られていなかった。以下に記載の実験を、ENBA1分子の1/3より大きな ものを含む反復配列の存在が、細胞性免疫系によるEBNA1の認識に影響を与える か否かを試験するために設計した。 実施例V 外来エピトープのEBNA1への挿入 白人種HLA A11陽性の個人におけるEBV誘発CTL応答が、EBNA4タンパク質の残基 399-408および416-424に対応するペプチドエピトープに対するA11拘束反応性に よりしばしば支配されるという観察(Gavioli,R.ら、J.Virol.67,1572-1578 ,1993,de Campos-Limas,P.O.ら、J.Exp Med.179,1297-1305,1994)を利用 し て、免疫優性EBNA4 416-424エピトープを、完全なEBNA1配列内またはグリシン- アラニン反復を含まないEBNA1欠失変異体内にインフレームで挿入した(図2)。B 95-8ウイルス由来のEBNA1およびEBNA4(EBNA-3Bとしても知られる)遺伝子のコー ド配列を有するワクシニアウイルス組換え体の産生は、以前に記載されている(M urray,R.ら、J.Exp Med.176,157-168,1992)。EBNA1(E1)内にHLA A11拘束EB NA4 416-424エピトープ(IVTDFSVIK,E4)を含むキメラタンパク質、または内部グ リシン-アラニン反復領域を欠くEBNA1欠失変異体(E1△GA)を、E4エピトープに対 応するオリゴヌクレオチドをEBNA1コード配列内の種々の位置に挿入することに より産生した。 pBS-E1△GAおよびpBS-E1△GAプラスミド(EBNA1遺伝子および欠失変異体のオ ープンリーディングフレームの全長をコードする)を、それぞれNcoII部位(ゲノ ム位置(gp):108067)、またはNcoI部位、PflMI部位(gp: 109291)、またはBsu361 部位(gp: 109510)で開口させた。NcoI部位への挿入のために、2つのオリゴヌク レオチド(EIN-E4F: 5'-CATGCCATAGTAACTGACTTTAGTGTAATCAA G-3'およびE1N-E4R: 5'-CATGCTTGATTACACTTAAGTCAGTTACTAT-3')を、97℃に5分間加熱した後、50℃ に緩徐に冷却し、そしてさらに37℃で5分間インキュベートすることにより、50 mM NaCl、10mM MgCl2、50mM tris-HCl(pH8.0)中で、容量20μLにおいて10mMの濃 度で、アニールさせた。アニーリングの後、dGTPを、3UのT4 DNAポリメラーゼ と共に100mMの濃度になるように添加し、そして12℃で20分間インキュベートし た。次いで、EDTAを10mMになるように添加し、続いて、75℃で10分間加熱し、そ して100μLの最終容量に希釈した。次いで、オリゴを、Ncol消化pBS-E1およびpB S-E1△GAに100:1の比で連結した。PflMI部位への挿入のために、オリゴE1P-E4 F(5'-CGATCGTAACTGACTTTAGTGTAATCAGG-3')およびE1P-E4R(5'-CCTTGATTACACTAAAG TCAGTTACGATCGTGC-3')を、アニールさせ、そして上記のpBS-E1△GAのPflMI部位 に連結した。E1P-E4FおよびE1P-E4Rを同定の目的のために唯一のPvul部位を用い て設計した。これは、正しい方向にのみ挿入し得る。Bsu36I部位への挿入のため に、オリゴE1B-E4F(5'-TAACGATCGTAACTGACTTTAGTGTAATCAAGG-3')およびE1B-E4R( 5'TTACCTTGATTACACTAAGTCAGTTACGATCG-3')をアニールさせ、そして上記のpBS-E1 DGAのBsu36I部位に連結した。エレクトロポレーションの後、挿入物を含むプラ スミドをミニプレップのポリメラーゼ連鎖反応によってスクリーニングし、そし て配列決定して正しい方向を決定しそして操作中の完全な忠実度を確認した。 オリゴ挿入配列の単離の後、E1およびE1△GAオープンリーディングフレームを BstYIおよびHincll消化によって切り出した。単離されたDNAフラグメントの末端 をT4 DNAポリメラーゼで修復し、そしてpSC11のSmaI部位に挿入した。ワクシニ アウイルス複製に関するEBNA1グリシン-アラニン反復の毒性のために、P7.5プロ モーターに関して逆方向に挿入されたpBS-E1キメラを含む組換え体のみを選択す る。pBS-E1△GAキメラについては、正方向および逆方向の両方の挿入物を選択し た。 組換えワクシニアウイルスを、上記のプラスミドをWR株野生型ワクシニア感染 TK-143細胞ヘトランスフェクトすることにより産生し、そして以前に記載された ようにウイルスのストックを調製し、そしてCV-1細胞において力価測定した(Mur ray,R.ら、J.Exp.Med.176,157-168,1992)。 EBNA4 416-424エピトープ特異的CTLによる溶解に対してHLA A11陽性標的物を 感受性にする組換えワクシニアウイルスの能力を、標準的な方法に従って試験し た。線維芽細胞形態ドナーQJZの半集密的な単層(HLA A11 B13,B51)を96ウェル マイクロリットルプレート(costar)中で増殖させ、ウェルあたり3μ/Ci51NaCrO4 (Amersham)の存在下で、アッセイウエルにおいて感染多重度10で12時間、感染 を行った。あるいは、エフェクターの添加の24時間前から始めて異なる時間で感 染を行った。HLA-A11拘束EBNA4特異的CTLクローンを、EBV血清陽性ドナーBK(HLA A2,A11 B7,B35)由来のリンパ球を自己B95.8ウイルス形質転換リンパ芽球腫細 胞株(LCL)で刺激することによって得た。単一細胞のクローニングを制限希釈に よって行った。 CTLクローンのEBNA4 416-424エピトープに対する特異性を、10-10Mの対応する 合成ペプチドとともに予めインキュベートしたHLA A11陽性PHA芽細胞の溶解能に よって評価した。細胞傷害活性を、標準的な4時間51Cr放出アッセイにより3連 でアッセイした。 his319、pro446、またはlys520位置で挿入したEBNA4 416-424エピトープを含 むEBNA1欠失変異体は、B95.8配列(それぞれVacc-E1△GAN-E4、Vacc-E1△GAP-E4 およびVacc-E1△GAB-E4)と比較して、EBV特異的CTLによる溶解に対してHLA A11 陽性線維芽細胞を感受性にした(図3A)。殺傷レベルは、各場合において、EBNA4 を発現するワクシニア組換え体での感染の後に観察されたレベルに匹敵した。対 照的に、his39で挿入されたEBNA4 416-424エピトープとともにキメラ全長EBNA1 を発現する線維芽細胞(Vacc-E1N-E4)はCTLによっては認識されなかった(図3B)。 Vacc-E1△GAN-E4感染細胞とVacc-E1N-E4感染細胞との異なる認識は、gly-ala反 復の存在が、E1N-E4キメラが溶解に対して標的細胞を感受性にできないことに直 接関与するという知見を支持する。 実施例VI 外来タンパク質の認識におけるEBNA1の過剰発現の影響 以下の実験を、EBNA1の過剰発現が同一の標的細胞において発現される他の抗 原性タンパク質の抗原のプロセシング/提示に影響し得るかどうかを試験するた めに行った。高レベルのEBNA1を、誘導可能T7 RNA ポリメラーゼ系(Murray,R. ら、J.Exp.Med.176,157-168,1992)の使用を介して、ワクシニアウイルス感 染細胞において発現させた。Vacc-T7およびVacc-EBNA1,またはコントロールと して、Vacc-T7およびVacc-EBNA3(Murray,R.ら、J.Exp.Med.176,157-168,1 992)で12時間感染させたHLA A11陽性線維芽細胞を、Vacc-EBNA4で6時間重感染 させ、次いで、399-408または416-424エピトープに特異的なCTLによる溶解に対 する感受性について試験した(図4)。EBNA1またはEBNA3の過剰発現は、Vacc-E BNA4感染線維芽細胞の認識を阻害しなかったが、Vacc-EBNA4コントロールと比較 して、30〜50%の溶解の減少が観察された。これはおそらく、ウイルスが細胞の 転写/翻訳機構を競合したためである。従って、gly-ala反復構造は、抗原プロ セシング/提示のトランス作用インヒビターとして機能しない。 標的タンパク質内のGly含有配列の存在が、MHCクラスI抗原のプロセシングを 妨げるか、あるいはMHCクラスI拘束提示を利用しにくい細胞区画にプロセシン グ産物を隔離するシグナルを生じると結論づけられる。従って、抗原プロセシン グおよびMHCクラスI拘束提示ができないことにより、宿主のクラスI型から独 立した免疫系の回避が可能になる。 実施例VII EBNA1 グリシン含有配列の外来抗原性タンパク質への挿入 以下の実験を、EBNA 1gly-ala反復の抗原性タンパク質への挿入が、組換えタ ンパク質を発現する細胞の免疫系による認識を妨げることを実証するために行っ た。gly-ala配列(図2)を含むキメラEBNA4タンパク質を発現する組換えワクシニ アウイルスを作製した。Nocl部位(ゲノム位置(gp):108067)からApal部位(gp:1 09261)に伸長し、アミノ側およびカルボキシル側で隣接する残基とともに内部gl y-ala反復領域(IR、B95.8EBNA1配列に相対的にアミノ酸39〜437)を含むEBNA1フ ラグメントを、アミノ酸残基trp624とpro625との間のEBNA4のMsel部位(gp:9730 2)に挿入することにより、pBS-E41Rプラスミドを構築した。正しい方向のクロー ンを配列決定し、適切なリーディングフレーム配列を確認した。EBNA4IRオープ ンリーディングフレーム(E4IR)を、EcoRIおよびSstIIによって切り出し、そして 末端を修復し、そしてpSCllのSmal部位に連結した。P7.5プロモーターに対して 逆方向のクローンを選択した。組換えワクシニアウイルスを、上記で記載したよ うに、上記のプラスミドをWR型野生型ワクシニア感染TK-4細胞株にトランスフェ クトすることによって産生し、そして以前に記載されたように、ウイルスのスト ックを調製し、CV-1細胞において滴定した((Murray,R.ら、J.Exp.Med.176, 157-168,1992)。Vacc-EBNA4およびVacc-E4IR組換え体を感染させたHLA A11陽性 細胞を、組換えタンパク質の発現ならびにEBNA4 399-408および416-424エピトー プに対して特異的なCTLによる溶解に対する感受性について評価した。広範な感 染多重度にわたって実施した実験において検出された陽性細胞のパーセンテージ および蛍光強度から判断すると、組換えタンパク質は同一の速度論および類似し たレベルで発現していた(Levitskayaら、Nature 375:685-688,1995)。Vacc-EBN A4を感染したHLA A11陽性線維芽細胞は、感染多重度5で(図5C)6時間後(図5A) に最大の溶解をともなって、399-408または416-424エピトープに対して特異的な CTLクローンによる溶解に対して感受性になった。対照的に、Vacc-E4IRを感染し た細胞は、6倍高い感染多重度での感染後、または長期にわたる期間の間でさえ も、ごく弱くしか溶解されなかった。内因性EBNA4 399-408およ416-424エピト ープの認識を中断させる選択的な変異体でのチャイニーズEBV単離物を保有するQ JZsp LCLを感染させた場合、本質的に類似した結果が得られた(図5Bおよび5D)。 目的の抗原性タンパク質内のgly含有配列の存在が、標的細胞の細胞血統と独立 してプロセシングおよびMHCクラスI拘束提示を阻害すると結論づけられる。こ の結果により、gly含有配列は、抗原プロセシング-提示のシス作用インヒビター として機能することが示された。 使用 本発明は、組換えタンパク質(例えば、i.遺伝子療法目的のためのヒトまたは 他の種の細胞において発現されるべき抗原性タンパク質;ii.上記の目的のため に使用される転移ベクターの抗原性構造タンパク質または調節タンパク質;およ びiii.抗原性であることが意図されないワクチンの成分)に関する所望でない免 疫応答を避けるために提供される。 グリシン含有ポリペプチドをコードする核酸配列、またはそれらの機能的誘導 体の挿入は、治療用タンパク質をコードする遺伝子、マーカー遺伝子、ウイルス ベクターの調節タンパク質、またはワクチン成分の改変のための使用され得る。 哺乳類細胞において発現されるべき治療用タンパク質には、酵素、サイトカイン 、リンホカイン、細胞接着分子、コスティミュレーター分子、あるいは薬剤耐性 遺伝子または腫瘍抑制遺伝子のタンパク質産物が挙げられるが、これらに限定さ れない。マーカー遺伝子として、例えば、neoR、多剤耐性遺伝子、チミジンキナ ーゼ遺伝子、β-ガラクトシダーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、および 治療用遺伝子と共にまたは別々に細胞に挿入され得るクロラムフェニコールアセ チルトランスフェラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、腫瘍 特異的CTLはマーカー遺伝子を含み得、従って、コードされるマーカータンパク 質でタグ化される。本発明のこの実施態様は、マーカータンパク質が免疫原性で あり、従って、CTLの治療効果を深刻に減少させ得るような場合に有用である。 一旦患者に注射されると、タグ化されたCTLの腫瘍部位への進行はマーカーを介 して追跡され、そしてマーカー自身は本発明により非免疫原性にされる。マーカ ー遺伝予および治療用遺伝子もまた、同じであり得る。 ウイルスの構造タンパク質または調節タンパク質は、しばしば患者において免 疫原性である。このようなタンパク質は、遺伝子療法の目的のために使用または 開発されたウイルスベクターによってしばしばコードされる;例えば、ワクシニ アウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、またはレトロウイルスに基づ くベクター。本発明の組換えタンパク質として有用なワクチンの成分は、有効な ワクチン接種に必要なワクチン成分を含むが、非抗原性ワクチン成分(例えば、 エンベロープ、カプシドのような構造的成分、またはウイルス、細菌、または寄 生体の感染の調節タンパク質、またはガンワクチンの成分)として所望される。 ワクチンの特定の成分を非抗原性にすることによって、宿主免疫応答がワクチン の免疫原性成分に対してより有効になると考えられる。 用量および薬学的処方物 ウイルス疾患または遺伝的疾患に悩まされる患者は、インビボまたはエクソビ 法により本発明に従って処置され得る。インビボ処置の例として、本発明の組 換え核酸またはタンパク質は、好ましくは生物学的に適合可能な溶液または薬学 的に受容可能な送達ビヒクルによって、経口摂取、注射、吸入、または多くの他 の方法によって患者に投与され得る。患者に投与される投与量は、患者によって 異なり;「治療有効量」は、あらゆる危険または有害な副作用に対して均衡した 、転移された遺伝性物質の機能の増強のレベルによって決定される。遺伝子導入 、遺伝子発現のレベル、および/またはコードされる組換えタンパク質の存在ま たはレベルをモニターすることにより、投与される用量の選択および調整が補助 される。一般に、本明細書中上記のような組換えタンパク質を含む組成物は、10 ng〜10μg/kg体重の範囲、好ましくは100ng〜10μg/kg体重の範囲の単回容量で 投与される。 他の実施態様が当業者に明らかである。上記の例が例示のためにのみ提供され ることが理解されるべきである。本発明の範囲は、上記の例に制限されず、以下 の請求の範囲において規定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 C12N 5/00 B // A61K 38/00 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 08/529,190 (32)優先日 1995年9月15日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.抗原性タンパク質を、該タンパク質にグリシンリッチ反復配列を挿入するこ とにより免疫系に対して不認識化する方法。 2.前記グリシンリッチ反復配列が、以下の一般的な反復単位: [GlyaX GlybY GlycZ] の「n」回の隣接反復を含む任意のアミノ酸配列であり、ここで、aは、1、2、 または3であり;bは、1、2、または3であり;cは、1、2、または3であり ;各X、Y、およびZは、独立して、環状構造を有さず、そして3原子未満の側鎖 を有する疎水性または極性アミノ酸であり;そしてここで、「n」は、1から66 の間の整数である、請求項1に記載の方法。 3.前記グリシンリッチ反復配列が、図1に示すEBNA1グリシンリッチ配列であ る、請求項1または請求項2に記載の方法。 4.請求項1から3のいずれかに記載の方法により形成されるタンパク質。 5.請求項4に記載のタンパク質をコードする核酸。 6.請求項5に記載の核酸配列を含むベクター。 7.請求項6に記載のベクターで形質転換した宿主細胞。 8.グリシンリッチ反復配列を含む抗原性タンパク質に免疫系を回避する能力を 付与する該グリシンリッチ反復配列について試験するための方法であって、該方 法は、請求項4に記載のタンパク質を発現する宿主細胞を、該請求項4に記載の タンパク質および参照タンパク質に共通のエピトープに特異的な免疫系の細胞と ともに、該エピトープの免疫学的認識を可能にする条件下でインキュベートする 工程を包含し、ここで、該エピトープは、該参照タンパク質において免疫原性で あることが公知であるか測定され、そして免疫学的認識が存在しないことは免疫 系の回避であることの指標である、方法。 9.請求項4に記載のタンパク質または請求項5に記載の核酸を、薬学的に受容 可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて含む、薬学的組成物。 10.治療において使用するための請求項4に記載のタンパク質または請求項5 に記載の核酸。 11.遺伝子療法により疾患を処置するための組成物の製造における請求項4に 記載のタンパク質または請求項5に記載の核酸の使用。
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