JPH1150401A

JPH1150401A - 軌道用タイパッド

Info

Publication number: JPH1150401A
Application number: JP21905297A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Miwa; 昌弘三輪; Shoe Nakamura; 庄衞中村; Yoshinobu Soda; 祥信曽田; Soichiro Shimizu; 惣一郎清水
Original assignee: Tokyo Fabric Kogyo KK; Central Japan Railway Co
Current assignee: Tokyo Fabric Kogyo KK; Central Japan Railway Co
Priority date: 1997-07-31
Filing date: 1997-07-31
Publication date: 1999-02-23
Anticipated expiration: 2017-07-31
Also published as: JP3068525B2

Abstract

(57)【要約】【課題】弾性に富み、しかも低いばね定数で理想的に
レールを支承できることに加えて、レールに働く小返り
を防止できる軌道用タイパッドを提供する。【解決手段】ゴムのような弾性材料からなるパッド本
体１に、パッド配設時レール幅方向に延長すると共に、
パッド本体１の両側面に開口し、かつパッド配設の際少
なくとも軌道中央側と反対側に位置させる一側の所定範
囲（Ｌ）に亘り、他の部位よりも小径とした小径孔部２
ａを有する横孔２をレール長手方向に間隔をあけて設け
る。また、パッド本体１の上面および下面にはレール長
手方向に延長し、かつ前記各横孔２の間に位置する部分
が深くなっている上面溝３および下面溝４を設けてあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、軌道用タイパッド
に係り、特にレールの小返りを防止する軌道用タイパッ
ドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常レールは、弾性材料からなるタイパ
ッドを介して枕木に固定されており、列車が走行する際
にレールが受ける振動をタイパッドで吸収するように設
けられている。

【０００３】ところで、レール上を列車が走行する際、
特にカーブを走行する場合など列車は左右に揺動する
が、この場合、レールには小返り、すなわち図６におい
て矢印Ｅ方向の揺動が生じるので、従来小返りを防止す
るためタイパッドに構造的改良が加えられている。つま
り、パッドに列車荷重がかかるとき小返り力、即ちパッ
ドの内側（軌道中央側）よりも外側（軌道両外側）に行
くにつれて強大な圧縮力を受けるので、パッドの外側程
大きな圧縮力を受けても、パッド上面をほぼ内外均等に
弾性降下させることで小返りをなくするようにさせるも
のである。

【０００４】このため、従来の小返り防止用タイパッド
として、軌道の中央側（つまり、パッド内側）に向っ
て漸次低くなる勾配を有する傾斜タイパッドとするも
の、パッド本体の全体の厚みは均等であるが、パッド
本体の上面に、軌道中央側（つまり、パッド内側）の溝
幅が漸次大きくなり、軌道外側（つまり、パッド外側）
の溝幅が漸次小さくなるような溝を形成するものなどが
知られている。

【０００５】前記の小返り防止用タイパッドは、いずれ
も板状体を基本形状とするもので、専ら小返り防止だけ
を意図したものであるが、タイパッド自体に要求される
他の性能改善は意図していない。

【０００６】一方、タイパッドに要求される他の性能、
つまり、レール横圧力に対するレール幅方向の弾性抵抗
力をあまり低下させることなく、上下方向の弾性を向上
させることができ、そのため、横圧力によるレール頭部
の横移動（横揺れ）を比較的小さく抑制しながら、レー
ルを低いばね常数で理想的に支承することができるタイ
パッドが提案されている。このタイパッドの概要を説明
すると、ゴムのような弾性材料からなるパッド本体に、
レール幅方向に延長すると共に、パッド本体の両側面に
開口する多数の横孔を、レール長手方向に間隔をおいて
設け、パッド本体の上面および下面にレール長手方向に
延長する上面溝および、下面溝を設けて構成するもので
ある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明者は、小返り防
止用タイパッドについて研究した結果、前記レール頭部
の横移動（横揺れ）を比較的小さくて抑制しながら、レ
ールを低いばね常数で理想的に支承できる前記タイパッ
ドが小返り防止機能を有してないことから、このタイパ
ッドに小返り防止機能を付加した構造を提案するもので
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明に係る軌道用タイパッドは、ゴムのような弾性
材料からなるパッド本体に、レール幅方向に延長すると
共に、パッド本体の両側面に開口しかつ、パッドをレー
ルに配設の際、少なくとも軌道中央側と反対側に位置さ
せる一側の所定範囲（Ｌ）に亘り、他の部位よりも小径
とした小径孔部を有する横孔をレール長手方向に間隔を
おいて設けてあることを特徴とする。本発明において、
前記パッド本体の上下面をフラットに構成し、又は、前
記パッド本体の上面および下面に、レール長手方向に延
長しかつ前記各横孔の間に位置する部分が深くなってい
る上面溝および、下面溝を設けるとよい。また、本発明
において、前記横孔に設けられる小径孔部は、当該横孔
の１つおきにパッド本体の一側と他側に交互に設けると
よい。また、本発明において、前記パッド本体の少なく
とも軌道中央側と反対側に位置させる一側の所定範囲
（Ｌ）に位置する前記上面溝と下面溝の溝幅（Ｗ₁）と
溝深さの一方又は両方を、他の部位の溝幅（Ｗ）又は溝
深さより小に設けるとよい。

【０００９】本発明によると、パッド本体の上下面を切
削加工せず、パッド本体内部に開設する横孔の口径を中
間部と端部とで変化させることで、レールを低いばね常
数で理想的に支承でき、小返りを殆どなくすることがで
きる。また、パッド本体に横孔を設けると共に、上面溝
及び下面溝を設けることで、横圧力によるレールの横移
動を比較的小さく抑制しながら、レールを低いばね常数
で理想的に支承することができる。しかも、横孔は、パ
ッドをレールに配設する際、少なくとも軌道中央側と反
対側に位置させる一側の所定範囲（Ｌ）に亘り、他の部
位よりも小径とした小径孔部を有するので、パッド本体
は外側から内側に至るに従って次第に軟らかい弾力性を
もつことになり、パッドの外側程大きい圧縮力を受けて
も、パッドの上面をほぼ内外均等に弾性的に降下させる
ことができ、即ち小返りを殆んどなくすることができ
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図を参
照して説明する。図１は本発明の実施形態に係る軌道用
タイパッドの平面図、図２は底面図、図３（Ａ），
（Ｂ）は図１のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線の断面図、図４，図
５は図１のＣ−Ｃ線、Ｄ−Ｄ線の断面図、図６は、タイ
パッドの使用状態を示す縦断面図、図７は図６の右側の
レール支持部の拡大図である。

【００１１】図１〜図５において、ゴムのような弾性材
料からなるパッド本体１に、これをレールに配設した際
レール幅方向に延長すると共に、パッド本体１の両側面
に開口する多数の横孔２が、パッド配設時におけるレー
ル長手方向に間隔をおいて設けられている。また、前記
横孔２は、パッド本体１をレール下面に敷設したとき、
少なくとも軌道中央側と反対側に位置させる一側に、所
定の範囲（Ｌ）に亘り、他の部位（大径部２ｂ）よりも
小径とした小径部２ａが形成されている。

【００１２】パッド本体１における横孔２の小径部２ａ
は、パッドの敷設時、軌道の反中央側の一側のみでもよ
いが、図示例の場合、多数本の横孔２の１本おきに小径
部２ａは、パッド本体１の一側と他側に、交互に設けら
れている。したがって、パッド本体１全体でみた場合、
このパッド本体１の両側に、それぞれ範囲（Ｌ）に亘っ
て横孔２の小径孔部２ａが位置し、中間部に大径孔部２
ｂが位置することになるが、これは後述のとおり軌間縮
小を防ぐとともに、パッド配設作業の容易性を考慮して
なされた結果である。

【００１３】また、パッド本体１の上面および下面はフ
ラットでもよいが、図示例ではパッド配設時においてレ
ール長手方向に延長する上面溝３と下面溝４が設けられ
ており、しかも、上面溝３と下面溝４においては、前記
各横孔２の間に位置する部分５，６が深くなっており、
さらに、各上面溝３と下面溝４は互いに重ならないよう
に、側面からみて上下方向にジグザグにずれて配置され
ている。

【００１４】さらに、上面溝３と下面溝４において、パ
ッド本体１をレール下面に敷設したとき、少なくとも軌
道中央側と反対側に位置させる一側の所定範囲（Ｌ）に
位置する上面溝３ａと下面溝４ａの溝幅（Ｗ₁）が、他
の部位の上面溝３と下面溝４の溝幅（Ｗ）よりも幅狭と
なるように設けられている。また、前記の構成に変え
て、又は前記の構成に加えて所定の範囲（Ｌ）における
上面溝３ａと下面溝４ａの溝深さを、他の部位の上面溝
３と下面溝４の溝深さより浅く設ける場合もある。

【００１５】狭幅（Ｗ₁）の上面溝３ａと下面溝４ａ
は、パッドの敷設時、軌道の反中央側の一側のみでよい
が、図示例の場合、軌間縮小を防ぐとともに、パッド敷
設作業時の容易性を考慮して、パッド本体１の両側にそ
れぞれ範囲（Ｌ）に亘って狭幅（Ｗ₁）の上面溝３ａと
下面溝４ａが設けられている。

【００１６】図６、図７には、前記のように構成された
タイパッドの使用状態が示されており、コンクリートま
くら木１３の上面に設けられた浅い凹部１４にパッド本
体１が嵌入されている。パッド本体１にはレール８が載
置され、そのレール８はボルト９によりゴムパッキング
１０付きレールクリップ１１を介して弾性的に締結さ
れ、さらに、レールクリップ１１の外端部は、横圧支承
兼ゲージ調節用楔片１２により支承されている。

【００１７】前記において、パッド本体１における横孔
２および、上面溝３ならびに下面溝４の存在により、パ
ッドの圧縮弾性を著るしく向上できる。また、横孔２が
レール幅方向に延長するように設けてあることにより、
レール横圧力に対し、レール幅方向の弾性抵抗力をあま
り低下させることなく、上下方向の弾性を向上させるこ
とができ、そのため、横圧力によるレール８の頭部横移
動（横揺れ）を比較的小さく抑制しながらレール８を低
いばね常数で理想的に支承することができる。

【００１８】また、上面溝３および下面溝４において、
各溝３，４と横孔２が交差する部位１５は浅くなってい
て、上面溝３および下面溝４の両側部分を接続している
ような状態になっているので、タイパッドのレール幅方
向の伸びを抑制できる。

【００１９】さらに、本発明の実施形態における特有の
作用効果として、少なくともパッド本体１の外側（つま
り、図７において右側、すなわち軌道中央側と反対側）
に横孔２の小径孔部２ａを有しているので、パッド本体
１は内側から中間部側に至るに従って次第に軟らかい弾
力性をもつ（つまり、内側のばね常数を小さくする）こ
とになり、そのため小返り作用でパッド本体１の外側程
大きい圧縮力を受けても、パッドの上面全体をほぼ均等
に弾性的に降下させることができ、即ち、小返りを低減
することができる。

【００２０】さらに、前記横孔２に小径孔部２ａを設け
ることに加えて、少なくともパッド本体１の外側（つま
り、図７において右側、すなわち、軌道中央側と反対
側）に狭幅（Ｗ₁）の上面溝３ａと下面溝４ａを有して
いるので、この構成によっても、パッド本体１には、外
側から中間部に至るに従って次第に軟らかい弾力性をも
たせる（つまり、内側のばね常数を小さくする）ことに
なり、そのため、小返り作用でパッド本体１の外側程大
きい圧縮力を受けても、パッドの上面全体をほぼ均等に
弾性的に降下させることができ、即ち、この構成によっ
て小返りを低減することができる。

【００２１】本発明の実施形態において、小返りを防止
するためパッド本体１の内外両側に横孔２の小径孔部２
ａと、狭幅（Ｗ₁）の上面溝３ａ及び下面溝４ａを設け
たのは、パッド本体１の外側のみバネ常数を高くすると
直線部等で垂直荷重のみがかかった場合、軌間が縮小す
るのを防ぐ（パッドの平面性を保つ）とともに、作業者
がパッド本体１をレール下面に敷設作業する際、小径孔
部２ａや狭幅（Ｗ₁）の上面溝３ａと下面溝４ａを軌道
中央側と反対側に正しく位置させたか否かをいちいち確
認する必要をなくし、パッドの敷設作業を簡易化し、作
業効率を向上させるうえで具合が良いからである。

【００２２】また、パッド本体１の内外両側に横孔２の
小径孔部２ａを均等に配設するためには、各横孔２の両
端に小径孔部２ａを設けてもよい（但し、図示せず）
が、これではパッド本体１の成形時における中子の脱型
が困難である。しかるに、本発明の実施形態では図に示
すように、多数の各横孔２の１本おきに交互に内側と外
側に配置を変えて小径孔部２ａを設けることで、パッド
成形時における中子の横孔２からの脱型を容易とし、し
かもパッド本体１を全体としてみるとき、その内側と外
側に均等に横孔２の小径孔部２ａを形成できるようにし
ている。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
タイパッド本体の上下面を切削加工せず、パッド本体内
部に開設する横孔の口径を中間部と端部とで変化させる
ことで、レールを低いばね常数で理想的に支承でき、小
返りを殆どなくすることがきでる。また、パッド本体に
横孔を設けると共に、上面溝及び下面溝を設けるとき
は、この上面溝及び下面溝の作用で、上下方向の弾性を
向上させて、しかも低いばね常数でレールを理想的に支
承でき、かつタイパッドのレール幅方向の伸びを抑制で
きる。前記の効果に加え、前記横孔は、パッドをレール
に配設の際、少なくとも軌道中央側と反対側に位置させ
る一側の所定範囲（Ｌ）に亘り、他の部位よりも小径と
した小径孔部を有するので、パッドは外側から内側に至
るに従って次第に軟らかい弾力性をもつことになり、パ
ッドの外側程大きい圧縮力を受けても、パッドの上面を
ほぼ内外均等に弾性的に降下させることができ、即ち小
返りを殆どなくすることができるという優れた効果があ
る。さらに、前記パッド本体の少なくとも一側の所定範
囲（Ｌ）に位置する前記上面溝と下面溝の溝幅（Ｗ₁）
と溝深さの一方又は両方を他の部位の溝幅（Ｗ）又は、
溝深さより小に設けることでその効果は一層向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る軌道用タイパッドの平
面図である。

【図２】同じく底面図である。

【図３】（Ａ）、（Ｂ）は各々図２のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ
線の断面図である。

【図４】図１のＣ−Ｃ線断面図である。

【図５】図２のＤ−Ｄ線断面図である。

【図６】本発明に係るタイパッドの使用状態を示す一部
縦断面図である。

【図７】図６の右側に示すレール支承部の拡大断面図で
ある。

【符号の説明】

１パッド本体２横孔２ａ小径孔部２ｂ大径孔部３上面溝３ａ狭幅上面溝４下面溝４ａ狭幅下面溝５上面溝の横孔の中間部６下面溝の横孔の中間部８レール９ボルト１０ゴムパッキング１１レールクリップ１２楔片１３コンクリートまくら木１４凹部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者曽田祥信愛知県名古屋市中村区名駅一丁目１番４号東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者清水惣一郎東京都港区東新橋二丁目７番５号

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ゴムのような弾性材料からなるパッド本
体に、レール幅方向に延長すると共に、パッド本体の両
側面に開口しかつ、パッドをレールに配設の際、少なく
とも軌道中央側と反対側に位置させる一側の所定範囲
（Ｌ）に亘り、他の部位よりも小径とした小径孔部を有
する横孔をレール長手方向に間隔をおいて設けてあるこ
とを特徴とする軌道用タイパッド。
【請求項２】前記パッド本体の上下面をフラットに構
成し、又は、前記パッド本体の上面および下面に、レー
ル長手方向に延長しかつ前記各横孔の間に位置する部分
が深くなっている上面溝および、下面溝を設けてあるこ
とを特徴とする請求項１記載の軌道用タイパッド。
【請求項３】前記横孔に設けられる小径孔部は、当該
横孔の１つおきにパッド本体の一側と他側に交互に設け
られていることを特徴とする請求項１又は２記載の軌道
用タイパッド。
【請求項４】前記パッド本体の少なくとも軌道中央側
と反対側に位置させる一側の所定範囲（Ｌ）に位置する
上面溝と下面溝の溝幅（Ｗ₁）と溝深さの一方又は両方
を、他の部位の溝幅（Ｗ）又は溝深さより小に設けてあ
る請求項２又は３記載の軌道用タイパッド。