JPH11504009A - ホスホルアミドマスタード類似物である腫瘍プロテアーゼ活性化プロドラッグ - Google Patents

ホスホルアミドマスタード類似物である腫瘍プロテアーゼ活性化プロドラッグ

Info

Publication number
JPH11504009A
JPH11504009A JP8531791A JP53179196A JPH11504009A JP H11504009 A JPH11504009 A JP H11504009A JP 8531791 A JP8531791 A JP 8531791A JP 53179196 A JP53179196 A JP 53179196A JP H11504009 A JPH11504009 A JP H11504009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
tumor
substituted
compound according
cathepsin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP8531791A
Other languages
English (en)
Inventor
グレイズィアー,アーノルド
Original Assignee
ドラッグ イノベーション アンド デザイン,インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ドラッグ イノベーション アンド デザイン,インコーポレーテッド filed Critical ドラッグ イノベーション アンド デザイン,インコーポレーテッド
Publication of JPH11504009A publication Critical patent/JPH11504009A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/22Amides of acids of phosphorus
    • C07F9/24Esteramides
    • C07F9/2404Esteramides the ester moiety containing a substituent or a structure which is considered as characteristic
    • C07F9/2429Esteramides the ester moiety containing a substituent or a structure which is considered as characteristic of arylalkanols
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/22Amides of acids of phosphorus
    • C07F9/24Esteramides
    • C07F9/2454Esteramides the amide moiety containing a substituent or a structure which is considered as characteristic
    • C07F9/2458Esteramides the amide moiety containing a substituent or a structure which is considered as characteristic of aliphatic amines

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 解毒化機能性を有する腫瘍関連プロテアーゼ活性化プロドラッグであるホスホルアミドマスタード、イソホスホルアミドマスタード及びそれらの類似物の組成、合成及び応用について記載されている。これらの薬剤は、腫瘍関連プロテアーゼ及びエステラーゼによる活性化の後、細胞毒性ホスホルアミドマスタード類似物を放出する。これらの薬剤の一般的な構造は(I)であり、式中、R1はβ−X−エチル−アミノ基であり、窒素原子上に又は炭素原子上に置換基を有していてもよい;ここでXはハロゲン等の良好な脱離基である;R2はβ−X−エチル−アミノ基であり、窒素原子上に又は炭素原子上に置換基を有していてもよく;又は置換されてもよいアミノ基(NH2)である。式中、Aは、ホスホエステルに対するパラ位又はオルト位に1以上のアシルオキシ基又はアシルアミノ基を有するベンジルオキシ誘導体である;及びここでアシルオキシ基又はアシルアミノ基は(置換又は非置換の)p−グアニジノ−ベンゾイルオキシ基又はp−グアニジノ−ベンゾイルアミノ基ではない。

Description

【発明の詳細な説明】 ホスホルアミドマスタード類似物である腫瘍プロテアーゼ活性化プロドラッグ 技術分野: 本発明は化学、医学および薬理学の分野に属する。 背景: アルキル化剤による臨床的癌治療における大きな進歩に係わらず、この分野の 薬剤は厳しい制限を有している。主要な問題の一つとしては、非特異的な毒性が 挙げられる。選択的に腫瘍細胞を標的にするアルキル化剤を開発しようとする多 くの試みがなされてきた。その結果は、ほとんど例外なく、いずれも落胆させら れるものであった。例えば、アルカリ性ホスファターゼ、アゾレダクターゼ、グ ルクロニダーゼ、プラスミンおよびコラゲナーゼ等の腫瘍細胞内にある酵素によ り活性化されるアルキル化剤が調べられた。 ロス(Ross,W.C.);バルビック(Warwick,G.P.);ロバ ーツ(Roberts,J.J.);J.Chem.Soc.3100(195 5)。コンノールズ(Connors,T.A.);フォスター(Foster ,A.B.);ティスダール(Tisdale,M.J.);(1972)Bi ochem.Pharmacol21:1309。;コンノールズ(Conn ors,T.A.);ヴィソン(Whisson,M.E.):(1966) ature 210:866。;バール(Ball,C.R.);ダブル(Do uble,J.A.);(1974)Biochem.Pharmacol :3173。;ワークマン(Workman,P.);ダブル(Double ,J.A.);(1977)Biochem.Pharmacol27:19 9。;マーキッシー(Marquissee,M.J.);カウエル(Kaue r,J.C.)(1978);J.Med.Chem21:1188。;チャ クラバーティ(Chakravarty,P.);カール(Carl,P.); ウェーバー(Weber,M.);カッツェネンエレンボーゲン(Katzen enellenbogen,J.);(1983);J.Med.Chem.;26 :633;および26:638。 基本的な問題の一つとして、腫瘍特異性が残されている。腫瘍は、何倍もの高い レベルの標的酵素を有しているが、正常組織も、最終的にアルキル化剤を活性化 し、毒性を発揮させるようないくつかの酵素を一定量有している。これは、腫瘍 選択性を厳しく制限している。 これらの問題を回避するために、新しい種類の腫瘍選択的抗腫瘍剤が開発され た。Antineoplastic Drugs with Bipolar Toxification/Detoxification Function alitites ,グラザー(A.Glazier),(1993)米国特許第 5,274,162号明細書。これら新規の抗腫瘍剤は2つの鍵となる機能を有 している:薬剤を毒性化する引き金;および薬剤を解毒化する失活剤。引き金は 、腫瘍細胞内ではレベルが高められて存在している酵素により活性化されるよう に選択される。失活剤は、全ての組織に遍在する酵素により活性化されるように 選択される。その後、投与された細胞内の薬剤の運命は、薬剤を解毒化する酵素 活性に対する、毒性を引き起こす酵素活性の割合により決定される。毒性代謝物 と非毒性代謝物の間で薬剤を分けることにより、結果として生じる細胞毒性効果 の特異性が規定される。グラザー(A.Glazier)による米国特許第5, 274,162号明細書では、グアニジノベンゾアターゼ酵素をもつ腫瘍細胞に 対して毒性を選択的に示す新種の抗腫瘍薬剤が記載されている。 悪性細胞の基本的特徴は組織侵襲性である。悪性細胞が増加し広がるためには 、細胞は細胞外マトリックスを分解しなければならない。悪性化の過程における 腫瘍関連プロテアーゼの重要な役割を説明する多くの生体の科学的データが存在 する。腫瘍細胞外マトリックスの分解に影響を与える腫瘍関連酵素としては、ウ ロキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子、カテプシンB、カテプシンC、 カテプシンD、プラスミン、コラゲナーゼ、IV型コラゲナーゼおよびストロメリ シンが挙げられる。 リオッタ(Liotta L);Cancer Metastasis Rev (1990)):285−7 クワーン(Kwaan HC);Cancer Metastasis Rev (1992)11(3−4):291−311 テスタ(Testa JE)、キュイグレイ(Quigley JP);Can cer Metastasis Rev (1990)):353−67 スローアン(Sloane BF),モイン(Moin K),クレペラ(Kr epela E),ロザイン(Rozhin J);Cancer Metas tasis Rev (1990)):333。ロックフォルト(Roch efort H),カポニー(Capony F),ガルシア(Garcia M);Cancer Metastasis Rev(1990)):3 21。マクドネル(McDonnell S),マトリシアン(Matrisi an LM);Cancer Metastasis Rev(1990) ):305。ステトラースチィーベンソン(Stetler−Stevens on WG);Cancer Metastasis Rev(1990) ):289 マトリシアン(Matrisian LM),マクドネル(McDonnell S),ミラー(Miller DB),ナブレ(Navre M),セフトー (Seftor EA),ヘンドリクス(Hendrix MJ);Am J Med Sci (1991)302(3):157−62;スコウ(Sukoh N),アベ(Abe S),オグラ(Ogura S),イソベ(Isobe H),タケカワ(Takekawa H),イノウエ(Inoue K),カ ワカミ(Kawakami Y);Cancer(1994)74(1):46 −51;コバヤシ(Kobayashi H),オオイ(Ohi H),スギム ラ(Sugimura M),シノハラ(Shinohara H),フジイ( Fujii T),テラオ(Terao T):Cancer Res(199 2)52(13):3610−4;ムルキャイ(Mulcahy HE),ダフ ィ(Duffy MJ),ギボンズ(Gibbons D),マッカーシィ(M cCarthy P),パーフレイ(Parfrey NA),オドノグー(O ’Donoghue DP),シーハン(Sheahan;K);Lancet (1994)344(8922):583 腫瘍の侵入および成長を遅くし得る抗腫瘍剤として、これら腫瘍関連プロテアー ゼに対する阻害剤の開発に多くの努力が向けられてきた。デクレーク(DeCl erck YA);イムレン(Imren S);Eur J Cancer( 1994)30A(14):2170−80。しかしながら、腫瘍関連プロテア ーゼに対する阻害剤は腫瘍細胞にとって致命的ではなく、最良のものでも腫瘍の 成長を遅延させるに過ぎないと思われる。 発明の概要 本発明は、腫瘍関連プロテアーゼおよびエステラーゼによる活性化の後に細胞 毒性ホスホルアミドマスタード類似物を放出する、新種の腫瘍選択性抗腫瘍剤に 関する。腫瘍関連プロテアーゼ選択的抗腫瘍薬剤類の一般的な構造は、式1であ る: 式中、R1はβ−X−エチルアミノ基であり、任意に窒素原子上に又は炭素原子 上に置換基を有していてもよい;ここで、Xはハロゲン等の良好な脱離基である ;R2はβ−X−エチルアミノ基であり、任意に窒素原子上に又は炭素原子上に 置換基を有していても良く;又は任意に置換されてもよいアミノ基(NH2)で ある。式中、Aは、ホスホエステルに対して、パラ位またはオルト位に1以上の アシルオキシまたはアシルアミノ基を有するベンジルオキシ誘導体である;およ びここで、アシルオキシ基またはアシルアミノ基は(置換または非置換の)p− グアニジノベンゾイルオキシ基またはp−グアニジノベンゾイルアミノ基ではな い。 図面の簡単な説明 図1は、インビトロでのCEM細胞に対するV−イソフォス(V−Isopho s)の毒性のグラフである。 図2は、インビトロでのIPC−81白血病細胞および正常ラット骨髄細胞に対 するV−イソフォスの毒性のグラフである。 図3は、腫瘍をもつマウスに薬剤を投与した後での、FSAII繊維肉腫細胞お よび正常骨髄細胞に対するV−イソフォスの毒性を説明する表である。また、サ イトキサン(cytoxan)、4−ヒドロペルオキシサイクロホスファミドお よびイフォスファミド(ifosfamide)についてのデータも示している 。 発明の詳細な説明 一般的な構造 本発明の抗腫瘍薬剤類は、腫瘍関連プロテアーゼの酵素活性が強力な二機能性 アルキル化剤の生産を引き起こすように設計されている。このアルキル化剤は、 続いてDNAに架橋しまたは極めて重要な酵素を不活性化することにより、腫瘍 細胞を殺す。腫瘍関連プロテアーゼは、エステル機能性の適切な位置にあるアミ ドを開裂することによりホスホルアミド型マスタード誘導体の活性化と遊離を引 き起こす。活性化ホスホルアミドマスタード誘導体は、シクロホスファミドおよ びイホスファミド(iphosphamide)の抗腫瘍効果を媒介する、毒性 のある種類である。フレイドマン(Freidman,O.);マイルズ(My les,M.);コルビン(Colvin,M.)(1979)Advance s in Cancer Chemotherapy:143。ボイド(B oyd,V.);ロビンズ(Robbins,J.):イーガン(Egan,W .);ルーデマン(Ludeman,S.);(1986);J.Med.Ch em .;29:1206。シクロホスファミド、イホスファミドおよびホスホル アミドマスタードのベンジルエステル等の化合物は、活性化アルキル化剤ではな い。生体内変換がないと、これらの化合物は比較的無毒性である。リン原子の影 響をなくす電子は、近接した窒素の性能を劇的に低下させ、クロロエチル基を攻 撃し、アジリジニウムカチオンを生産する。しかしながら、シクロホスファミド 、イフォスファミドおよびホスホルアミドマスタードのエステル等の化合物のホ スホエステル基を陰電子を帯びた種類へ転換することは、近接の窒素の求核性を 大きく増加させる。これは、高毒性アジリジニウムカチオンの形成を引き起こす 。ブロック(Brock,N.)(1976);Cancer Treatme nt Rep .;60:301。クウォン(Kwon,C.);ムーン(Moo n,K.);バトゥライ(Baturay,N.);シロタ(Shirota, F);(1991);J.Med.Chem.;34:588。 本発明の抗腫瘍薬剤類を活性化するような腫瘍関連プロテアーゼおよびエステ ラーゼとしては特に限定されるものではなく、ウロキナーゼ、組織プラスミノー ゲン活性化剤、カテプシン類、カテプシンB、カテプシンL、カテプシンC、カ テプシンD、プラスミン、コラゲナーゼ、IV型コラゲナーゼ、ストロメリシンお よびジペプチジルペプチダーゼ等が挙げられる。 本発明の抗腫瘍薬剤類のサブセット(subset)は、2つの鍵となる機能 性からなる:薬剤を毒性化する引き金;薬剤を解毒化する失活剤。引き金として は、腫瘍内に高レベルで存在する腫瘍関連プロテアーゼにより活性化されるよう なものが選択される。失活剤としては、全ての組織に遍在する酵素により活性化 されるようなものが選択される。その後、投与された細胞内の薬剤の運命は、薬 剤を解毒化する酵素活性に対する、毒性を引き起こす酵素活性の割合により決定 される。毒性代謝物と非毒性代謝物の間で薬剤を分けることにより、結果として 生じる細胞毒性効果の特異性が規定される。引き金をひく酵素が低レベルである 正常組織においては、薬剤の多くは解毒化される。引き金をひく酵素が高レベル である腫瘍細胞においては、高い割合の薬剤が活性化され、細胞毒性を示す。腫 瘍特異性は、悪性細胞に対してそれ自身も優先的に毒性を示す毒の種類の選択に より、さらに高められる。また、失活剤の機能性は、酵素とは無関係に自発的な 形で作動するように設計されていてもよい。この場合には、失活剤は生物時計と して役立つ。腫瘍特異性は、腫瘍対正常組織における引き金をひく酵素のレベル の量的な違いに直接起因する。 多くの酵素を、これらの選択的抗腫瘍薬剤の解毒化を作動するために選択して もよい。選択した酵素が正常組織内にあり、ホスホルアミドマスタードを解毒化 する能力があることが、鍵となる必要性である。解毒化メカニズムの好ましい態 様では、求核原子は解毒化酵素により剥き出しにされ、分子内でアジリジニウム カチオンと反応する。これは、DNAおよび生細胞性酵素のアルキル化を妨げる ものである。解毒化メカニズムの好ましい態様において、解毒化酵素は分子内で 反応し、4、5、または6員環を形成し、それに付随して二機能性アルキル化剤 となるような化合物の能力を不活性化する位置にある求核原子を剥き出しにする 。マスクされた求核原子(Nu)は、ヒドロキシ基、チオール、アミン、または カルボキシレート部分等の基であればどれであってもよい。腫瘍選択的毒性化酵 素ではなく、正常組織に遍在する酵素により、求核原子が剥き出しにされること が鍵となる必要性である。例えば、ヒドロキシ基およびカルボキシレート基を、 遍在性非特異的エステラーゼにより開裂されるエステルとしてマスクすることが できる。アミノ基を、プロテアーゼまたはアゾレダクターゼによりそれぞれ剥き 出しにすることができるアミド部分またはアゾ部分としてマスクすることができ る。チオールは、チオエステルまたは二硫化物としてマスクすることができる。 チオールエステルを、チオールエステラーゼにより開裂することができる。二硫 化物を様々の酵素工程によりチオールに還元することができる。また、失活剤機 能性は、酵素とは無関係に作動されるように選択されてもよい。求核原子を、自 発的な非酵素的な転換を経て、剥き出しの求核原子を得るという官能性(fun ctionality)としてマスクしてもよい。この場合には、解毒化メカニ ズムは体内時計として作用する。腫瘍特異性は、腫瘍対正常組織における引き金 をひく酵素のレベルの量的な違いに直接起因する。例えば、ヒドロキシ基をエノ ールエーテルとしてマスクすることができた。アミノ基をエナミンとしてマスク することができた。 腫瘍関連プロテアーゼ選択的抗腫瘍薬剤群の一般的な構造(式1): 式中、R1はβ−X−エチルアミノ基であり、任意に窒素原子上に又は炭素原子 上に置換基を有していてもよい。ここで、Xはハロゲン等の良好な遊離基である 。 R2はβ−X−エチルアミノ基であり、任意に窒素原子上に又は炭素原子上に置 換基を有していてもよい;又は任意に置換されてもよいアミノ基(NH2)であ る。 式中、Aはホスホエステルに対してパラ位またはオルト位に1以上のアシルオキ シ基またはアシルアミノ基をもつベンジルオキシ誘導体である;およびここで、 アシルオキシ基またはアシルアミノ基は(置換または非置換の)p−グアニジノ ベンゾイルオキシ基またはp−グアニジノベンゾイルアミノ基ではない。 いくつかの好ましい態様を、式2として以下に示す: 式中、R3およびR4は、H、メチル基又はエチル基のアルキル基、−CH2− CO2−YもしくはN置換メチレンカルボニルアミノ基であり、Yはメチル基又 はエチル基のアルキル基であり、R5は、アシルオキシ基、またはアシルアミノ 基であり、そして、ここでベンジル環を任意に、アルキル基、メトキシ等のアル キルオキシ基、またはハロゲン等の不活性基と置換してもよい。 イソホスホルアミドマスタードおよびホスホルアミドマスタードを放出する、 腫瘍プロテアーゼ活性化抗腫瘍剤の構造は、式3a−bとして以下に示す: 好ましい態様では、薬剤は、式4a−bとして以下に示される構造を有してい る: R5の好ましい構造は、以下の式5a−5bに挙げられる基である: 式中、R6は置換または非置換のアルキル基またはフェニル基である。または、 ここで、R6はR6−COOHが置換または非置換のアミノ酸もしくは2〜約2 0の置換または非置換のアミノ酸から構成させるオリゴペプチドとなるように選 択される。 解毒機能性を有する腫瘍プロテアーゼ活性化抗腫瘍剤種の一般的な構造は、式 6に挙げられる: 式中、Aはホスホエステルに対してパラ位またはオルト位に1以上のアシルオキ シ基またはアシルアミノ基をもつベンジルオキシ誘導体であり、ここで、アシル オキシ基またはアシルアミノ基は(置換または非置換の)p−グアニジノベンゾ イルオキシ基またはp−グアニジノベンゾイルアミノ基ではない。 R1は、置換基がX基から3位、4位または5位の原子の位置にあるような窒素 原子上又は炭素原子上にマスクされた求核原子を有するβ−X−エチルアミノ基 である。 式中、Xはハロゲン等の良好な遊離基であり、好ましいハロゲンとしては塩素が 挙げられる。 R2は、置換基がX基から3位、4位または5位の原子の位置にあるような窒素 原子上又は炭素原子上にマスクされた求核原子を有するβ−X−エチルアミノ基 であり、もしくは任意に置換されうるアミノ基(NH2)である。 マスクされた求核原子としては、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシレート基 、又はチオール基が好ましい。求核原子をマスクする基としては、アシルオキシ 基(RCO2−)、アシルスルファニル基(R(CO)−S−)またはアシルア ミノ基(R(CO)−NH−)が好ましい。もし、カルボキシレートが求核原子 であれば、エステルまたはアミドとしてマスクされていることが好ましい。 解毒機能性をもつ腫瘍プロテアーゼ活性化抗腫瘍剤類の好ましい構造は、式7 に挙げられる: 式中、R3およびR4は、H、CH3、エチル基等のアルキル基、−CH2−CO2 −Y、Yはメチル基、エチル基等のアルキル基、又はN置換メチレンカルボニ ルアミノ基である。ベンジル環は、アルキル基、メトキシ基、またはハロゲン類 等の不活性基で任意に置換されてもよい。 R5はアシルオキシ基またはアシルアミノ基である。R5の好ましい構造は式8 a−bとして以下に示す: 式中、R6は置換または非置換のアルキル基またはフェニル基であり、もしくは 式中、R6はR6−COOHが置換または非置換のアミノ酸もしくは2〜約20 の置換または非置換のアミノ酸から構成されるオリゴペプチドとなるように選択 される。 解毒機能をもつ腫瘍プロテアーゼ活性化抗腫瘍剤類の好ましい構造を式9a− eに挙げる: 式中、R7はO、NHまたはSであり、R8はアルキル基、置換または非置換の フェニル基であり、又は式中、R8−CO2Hは置換または非置換のアミノ酸で ある。 作用メカニズム 式1に挙げられる化合物は、腫瘍細胞の表面または腫瘍の微環境に存在する腫 瘍関連プロテアーゼの作用により強力な細胞毒素に変換される。該プロテアーゼ は、選択的にベンジル環のパラ位またはオルト位にあるアシルオキシ基またはア シルアミノ基を開裂し、腫瘍細胞表面にパラまたはオルトのヒドロキシ基または アミノ基を有する不安定な中間体を遊離させる。この中間体は、腫瘍の細胞膜の 中や外に急速に拡散する。強力に電子供与するヒドロキシ基またはアミノ基は、 順番に剥き出しにされ、ベンジルホスホエステルのヘテロリシスな分解を引き起 こす。最終的な効果としては、式10として以下に示される、鍵となる構造成分 を有する種類を細胞内および細胞外の両方で生じることである: これは急速な環化を経て高毒性アジリジニウム型カチオンを形成する。 それから、この中間体はDNAおよび他の生細胞成分と反応し、腫瘍細胞を殺す 。この構造を有する中間体を放出する化合物の強力な抗腫瘍活性は、シクロホス ホルアミド、イフォスファミドおよびイソホスホルアミドマスタードに例示され るように、よく確立されている。 式10に示される化合物を遊離するC−O結合のヘテロリシス分解に含まれる 化学的なメカニズムの詳細な論議については、グラザー(A.Glazier) によるオーストラリア国特許第651835号明細書(1994)Phosph orous Prodrugs を参照のこと。本発明の薬剤は、オルト位または パラ位に強力に電子を供与する置換基(アミノ基等)を剥き出しにすることで、 陰電気を帯びたリン化合物の放出を引き起こすようなリン化合物のプロドラッグ に基づく、典型的なものである。式1の化合物のC−O結合がヘテロリシス分解 する速度は、ベンゼン環上の(Hammett sigma+)要素の関数であ る。電子供与性置換基は、劇的に加溶媒分解の速度を高める。プロテアーゼによ るエステルまたはアミド機能性の分解は、それぞれ、パラヒドロキシ基またはp −アミノ基を剥き出しにする。これらの基は強力な電子供与体であり、自発的な 加溶媒分解の速度を桁外れに高くする。 式1の化合物に関して同じ形式で腫瘍関連プロテアーゼによる活性化をした後 、式6に挙げられる化合物が引き起こされ、強力な二機能性アルキル化剤を放出 する。しかしながら、これらの化合物は正常細胞に遍在する酵素により活性化さ れる解毒化機能を有している。この解毒化機能は、自発的に又は正常細胞性酵素 により剥き出しにされうるマスクされた求核原子からなる。正常細胞性酵素は存 在するエステルまたはアミドの機能性を分解することにより薬剤を解毒化する。 これは、形成されるアジリジニウムイオンを捕捉し、解毒化するのに有利な位置 にある分子内求核原子を剥き出しにする。次いで、該求核原子は分子内求核反応 を経て反応し、遊離基Xが置換した4、5または6員環を形成する。アルキル化 剤の分子内消費は、細胞性DNAおよび蛋白質のアルキル化を妨げ、薬剤を解毒 化するのに役立つ。1以上のマスクされた求核原子は、薬剤構造の一部であって もよいが、1つで充分である。二機能性アルキル化剤を一機能性アルキル化剤に 変換することは、毒性の劇的な減少をおこす。最終的な効果は、腫瘍関連プロテ アーゼ活性が低い組織において、薬剤が解毒化されることである。 式6の抗腫瘍剤の代謝は、腫瘍および正常組織における分岐経路に続く。これ らの化合物の毒性スペクトルは、投与された細胞または組織における解毒化活性 を活性化する速度によって決められる。 腫瘍プロテアーゼに富んだ腫瘍は、急速に薬剤を活性化し、高毒性ホスホルア ミドマスタード中間体を放出する。少量の薬剤は、解毒化される。しかしながら 、主要な経路は、腫瘍細胞の死を導く毒性化である。 正常細胞において、主要な代謝経路は解毒化である。薬剤のうち、活性化され 毒素になるのはほんの少量である。正常細胞は、大半が毒性にならず、腫瘍細胞 が選択的に殺される。腫瘍選択性は、式1の(パラまたはオルト)アシルアミノ 基またはアシルオキシ基を分解し、毒性ホスホルアミドマスタード類似物の放出 を引き起こす腫瘍関連プロテアーゼの能力により与えられる。腫瘍関連プロテア ーゼは、広範囲の様々なエステル、アミドおよびオリゴペプチドを分解すること ができる。従って、広範囲の様々な組成物を用いることができる。腫瘍関連プロ テアーゼに関する基質に求められる性質は既知であり、または通常の方法体系に より得てもよい。シン(H.Singh),カルニツスキー(G.Kalnit sky),(1979)J.Biol.Chem253:4319。バレット (Barrett,A.J.),キルシュケ(Kirschke,H.);(1 981)Methods in Enzymology80:535,モリタ (Morita,T.);(1977)J.Biochem.;82:1495 ;ロッテンバーグ(Lottenberg,R.);(1981);Metho ds in Enzymology80:341。例えば、通常、以下の基質 が望ましいプロテアーゼをアッセイするために使用される。カテプシンB: L−アルギニン 4−メトキシ−β−ナフチルアミド Nα−ベンゾイル−l−アルギニン 4−メトキシ−β−ナフチルアミド Nα−ベンゾイル−DL−アルギニン β−ナフチルアミド Nα−ベンゾイル−Dl−アルギニン p−ニトロアニリド N−Cbz−Ala−Arg−Arg 4−メトキシ−β−ナフチルアミド Nα−CbZ−Arg−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン Nα−CbZ−Arg−Arg 4−メトキシ−β−ナフチルアミド N−Cbz−Phe−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン N−Cbz−Val−Lys−Lys−Arg 4−メトキシ−β−ナフチルア ミド N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe 7−アミド−4−メチルク マリン (ここで、Cbz=カルボベンズオキシ)カテプシンD: Nαベンゾイル−Arg−Gly−Phe−Phe−Leu 4−メトキシ−β −ナフチルアミド N−t−Boc−Phe−Ala−Ala−p−ニトロ−Phe−Phe− Val−Leu 4−ヒドロキシメチルピリジンエステル (ここで、t−Boc=t−ブトキシカルボニル)カテプシン(Cothepsin)L: N−Cbz−Phe−Arg 7−アミド−4−メチルクマリンジペプチジルペプチダーゼ II: lys−Ala 7−アミド−4−メチルクマリン lys−Ala 4−メトキシ−β−ナフチルアミド lys−Ala β−ナフチルアミド lys−Pro−4−メトキシ−β−ナフチルアミドプラスミン: d−Ala−leu−Lys 7−アミド−4−メチルクマリン Ala−Phe−Lys 7−アミド−4−メチルクマリン Nα−ベンゾイル−Dl−アルギニン p−ニトロアニリド N−ベンゾイル−Phe−Val−Arg p−ニトロアニリド N−t−Boc−Glu−Lys−Lys 7−アミド−4−メチルクマリン N−t−Boc−Val−Leu−Lys 7−アミド−4−メチルクマリン N−Cbz−Ala−Ala−Lys 4−メトキシ β−メチルクマリン N−Cbz−Gly−Pro−Arg p−ニトロアニリド Gly−Arg p−ニトロアニリド N−スクシニル−Ala−Phe−Lys 7−アミド−4−メチルクマリン N−p−トシル−Gly−Pro−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン N−p−トシル−Gly−Pro−Lys p−ニトロアニリド D−Val−Leu−Lys p−ニトロアニリドウロキナーゼ(Urokinose)及び組織プラスミノーゲン活性化因子: N−アセチル−Gly−Lys β−ナフチルアミド Ala−Phe−Lys 7−アミド−4−メチルクマリン N−Cbz−Gly−Gly−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン N−Cbz−Gly−Gly−Arg 4−メトキシ−β−ナフチルアミド 1 N−a−Cbz−L−リジン p−ニトロフェニルエステル N−グルタリル−Gly−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン Gly−Arg p−ニトロアニリド。 pGlu−Gly−Arg p−ニトロアニリド。 D−Val−Leu−Lys p−ニトロアニリド。 (ここで、pGlu=ピログルタミル) これらのプロテアーゼは上記の基質の末端エステル又はアミドを切断し、芳香族 アミノ類似物又はフェノール類似物を遊離させる。遊離されるフェノール又は芳 香族アミンの性質によってではなく、(上記に太字で示されている)アミノ酸鎖 の性質によって、特異性が決定される。 R6CO2Hが次の群から選ばれる場合、カテプシンBで活性化される抗腫瘍 薬剤である式2及び式7を生じた: L−アルギニン Nα−ベンゾイル−l−アルギニン Nα−ベンゾイル−D−アルギニン N−Cbz−Ala−Arg−アルギニン N−Cbz−Phe−アルギニン N−Cbz−Val−Lys−Lys−アルギニン N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−フェニルアラニン R6CO2Hが次の群から選ばれる場合、カテプシンDで活性化される抗腫瘍 薬剤である式2及び式7を生じた: Nαベンゾイル−Arg−Gly−Phe−Phe−ロイシン N−t−Boc−Phe−Ala−Ala−p−ニトロ−Phe−Phe−Va l−ロイシン R6CO2Hが: N−Cbz−Phe−アルギニン である場合、カテプシンLで活性化される抗腫瘍薬剤である式2及び式7を生じ た。 R6CO2Hが次の群から選ばれる場合、ジペプチジルペプチダーゼIIで活 性化される抗腫瘍薬剤である式2及び式7の抗腫瘍薬剤を生じた: lys−アラニン lys−プロリン R6CO2Hが次の群から選ばれる場合、プラスミンで活性化される抗腫瘍薬 剤である式2及び式7を生じた: d−Ala−leu−リジン Ala−Phe−リジン Nα−ベンゾイル−Dl−アルギニン N−ベンゾイル−Phe−Val−アルギニン N−t−Boc−Glu−Lys−リジン N−t−Boc−Val−Leu−リジン N−Cbz−Ala−Ala−リジン N−Cbz−Gly−Pro−アルギニン Gly−アルギニン N−スクシニル−Ala−Phe−リジン N−p−トシル−Gly−Pro−アルギニン N−p−トシル−Gly−Pro−リジン D−Val−Leu−リジン R6CO2Hが次の群から選ばれる場合、組織プラスミノーゲン活性化因子及 びウロキナーゼで活性化される抗腫瘍薬剤である式2及び式7を生じた: N−アセチル−Gly−リジン Ala−Phe−リジン N−Cbz−Gly−Gly−アルギニン N−Cbz−Gly−Gly−アルギニン N−a−Cbz−L−リジン N−グルタリル−Gly−アルギニン Gly−アルギニン pGlu−Gly−アルギニン D−Val−Leu−リジン R6CO2Hが、N−スクシニル−Gly−Pro−leu−Gly−プロリ ンの場合、コラゲナーゼで活性化される抗腫瘍薬剤である式2及び式7を生じた 。コラゲナーゼは、この構造の基質のleu−gly結合を切断することが知ら れている。K.コジマ,H.キノシタ,T.カトウ,T.ナガツ,K.タカダ, S.サカキバラ(K.Kojima,H.Kinoshita,T.Kato, T.Nagatsu,K.Takada,S.Sakakibara)(197 9) Analytical Biochem. 100:43。その結果は、 X−プロリル−ジペプチジルペプチダーゼにより速やかに分解されるGly−P ro−ジペプチドを遊離させ、毒性のホスホルアミドマスタード類似物を放出さ せるというものである。 式1及び式6のアシルオキシ基又はアシルアミノ基にとって要求される重要な ことは、腫瘍関連プロテアーゼによりその基が切断されることである。非常に多 くのアルキル、芳香族エステル及びアミドはプロテアーゼにとっての基質であり 、用いられるものである。現在では、異なるアミノ酸の組み合わせを有するオリ ゴペプチドのライブラリーを調製することは日常的な作業である。これらの組み 合わせにより作られるオリゴペプチドも、R6CO2Hのソースとして有用なも のとなり得る。ゴードン EM バレット RW ドーワー WJ フォ ードル SP ギャロップ MA(Gordon EM Barrett RW Dower WJ Fodor SP Gallop MA)(1 994) J Med Chem 37(10):1385。;ギャロップ M A バレット RW ドーワー WJ フォードル SP ゴードン EM(Gallop MA Barrett RW Dower WJ Fodor SP Gordon EM);(1994);J Med Ch em 37(9):1233。オストレッシュ JM ヒューサー GM ブロンデレ SE ドーナー B ウェーバーPAハウテン RA(Ost resh JM Husar GM Blondelle SE Dor ner B Weber PAHoughten RA);(1994) roc Natl Acad Sci USA 91 (23):11138−4 2。R6CO2Hの基を最適化する高速スクリーニング法は、組み合わせて作ら れたオリゴペプチドの末端カルボキシル酸と、7−アミノ−4−メチルクマリン 等の蛍光指示薬の基とを結合させることから構成される。精製腫瘍プロテアーゼ による、又はインビトロでの腫瘍細胞による末端アミドの切断により、現在の技 術を用いて、高効率自動ロボット化マイクロウェル分光蛍光測定において定量で きる蛍光物質である7−アミノ−4−メチルクマリンが放出されるであろう。あ るいは、現在の技術を用いて、高効率自動ロボット化マイクロウェル細胞毒性測 定において、インビトロで正常細胞及び悪性腫瘍細胞に対する細胞毒性について 、組み合わせで作られたR6CO2Hのライブラリーを作るプロテアーゼ活性化 抗腫瘍薬剤のライブラリーをスクリーニングしても良い。次いで、日常的な方法 だけを用いて、腫瘍関連プロテアーゼにより切断される、式1及び式6の化合物 のアシルオキシ基又はアシルアミノ基を同定することができる。 当業者であれば、腫瘍関連プロテアーゼの酵素活性により活性化され、細胞毒 性を有するホスホルアミドマスタード類似物を生じさせる他の化合物を認識でき るであろう。これらは本発明の範囲内のものと考えるべきである。 薬剤は、経口的に、非経口的に又は局所的に投与され得る。好ましい投与経路 は静脈注射によるものである。薬剤を投与する際の形状(例えば粉末状、タブレ ット状、カプセル状、溶液状、乳液状)は、投与される経路に依存するであろう 。投与される薬剤の量は個人に基づいて決定され、そして、その個人の大きさ、 症状の程度、及び調べられた結果を補助的に考慮して決定されるであろう。 本発明の組成物には、薬剤に加えて、任意に他の成分を含めても良い。ある特 定の組成物に含められる他の成分は、第一に、投与経路によって決定される。例 えば、タブレットの形態で経口的に投与される組成物には、薬剤に加えて、増量 剤(ラクトース等)、バインダー(カルボキシメチルセルロース、アラビアガム 、ゼラチン等)、芳香剤、着色剤、被覆材(ワックス又は可塑剤等)を含めるこ とができる。液体の形態で投与される組成物には本発明の薬剤を含めることがで き、そして任意に、乳化剤、担体(生理的食塩水又は水等)、芳香剤そして又は 着色剤を含めることができる。局所的な形式で投与される組成物には、乳化剤、 溶媒、安定化剤及びポリエチレングリコール等の基剤を含めることができる。 この薬剤を、吸引された骨髄標本等の腫瘍細胞をインビトロで殺すために用い ても良い。インビトロで腫瘍細胞を殺すために、薬剤に曝露する時間内に所望の 細胞殺性を達成するのに充分な濃度の薬剤に腫瘍細胞を接触させる。 薬剤合成の一般的な方法 トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、塩化メ チレン、クロロホルム又はジエチルエーテル等の不活性溶媒中で、ベンジルアル コールA−OHと式11: の化合物とを反応させて、式1の化合物を合成することができる。Aが適当な不 活性溶媒に溶解しない場合、又はAが式11の化合物と反応し得る求核基を有す る場合、次いで、保護基を用いる必要がある。カップリング反応の後に、この保 護基を除去する。保護基としては標準的なものを用いれば良い。ヒドロキシ基の ための適当な保護基としては、トリメチルシリル−、tert−ブチルジメチル シリル−、β−(トリメチルシリル)エトキシメチル、ピクシル(pixyl) 及びビニルエーテルが挙げられる。アミノ置換基のための適当な保護基としては 、T−Boc、P−メトキシベンジルオキシカルボニル及び2−(p−ビフェニ ル)−プロピル−オキシ−カルボニルが挙げられる。これらの保護基は常法を用 いて結合(及び切断)することができる。グリーン,T.W.(Greene, T.W.) Protective Groups in Organic S ynthesis ,John Wiley and Sons, New Yo rk, N.Y.(1981)。 4当量のトリエチルアミン等の塩基の存在下、不活性な溶媒中で、1当量のR 1Hの塩酸塩及び1当量のR2Hの塩酸塩とPOCl3との反応により、式11 に示される化合物を作ることができる。 あるいは、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド又は塩化 メチレン等の不活性な溶媒中で、A−X、ここでXはハロゲン又はトシル基等の 良好な脱離基である、と式12: に示される化合物との間の求核反応により、式1の化合物を合成してもよい。こ こで、R1aとR2aはそれぞれ、脱離基Xがヒドロキシ基又は保護されたヒド ロキシ基で置換されているR1とR2の類似物である。A−Xとのカップリング 反応の後、産物を適当な試薬で処理してR1a基とR2a基をそれぞれR1とR 2に変化させる。例えば、R1とR2の脱離基が塩素である場合、チオニルクロ ライドを用いれば良い。 式A−OH、R1、R1a、R2及びR2aで示される式の化合物は公知の化 合物、又は有機化学における当業者が確立された合成変法(transform ations)及び手段を用いて合成できるものである。 不活性な溶媒中で、式11又は式12の化合物とそれぞれ式13a又は式13 bの化合物と反応させることにより、同様にして、式2で示される化合物を合成 することができる。 ここで、Xは良好な脱離基である。式13a及び13bで示される化合物は公 知のもの、又は有機化学における当業者が確立された合成変法及び手段を用いて 合成できるものである。 式14で示される、次の構造の化合物も公知のもの、又は有機化学における当 業者が公知の手法を用いて容易に合成できるものである。 式14がオリゴペプチドの場合、次いで、ペプチド化学における通常用いられる 技術を用いて合成される。式14で示される化合物は、式15a〜15bの、公 知の化合物又は容易に調製される化合物と反応し、式16a〜16bに示される 、対応するエステル又はアミドを生成する。ジシクロヘキシルカルボジイミド、 カルボニルジイミダゾール及びビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホ スホニッククロライド等の、通常用いられる広範囲のカップリング試薬を用いる ことができる。あるいは、式14の酸塩化物は、塩化チオニル又は塩化オキサリ ルによって調製され、そしてトリエチルアミン等の塩基の存在下で式15の化合 物と反応する。 塩化チオニル、塩化トシル及び塩基、又はホスホラストリブロマイド等の試薬で 処理することにより、式16の化合物を式13bの式の化合物に変化させること ができる。 有機化学における当業者であれば、この開示の範囲内に包含される化合物を作 るための、他の多くの合成方法を認識できるであろう。 実施例: 次の基本化合物(V−イソフォス)を合成し、その抗腫瘍活性を測定した: 4−アセトキシ3−メトキシベンジルアルコールを、1当量のトリエチルアミ ンの存在する無水塩化メチレン中で過剰量のCl−(PO)(NHCH2CH2C l)2と、アルゴン気流下室温で24時間反応させた。産物をシリカでのクロマ トグラフィーで精製した。白色の結晶性物質を得た。この構造をプロトンNMR 、リンNMR及び高分解能質量分析により確認した。 β−クロロエチルアミン塩酸塩(2当量)、酸塩化リン(1当量)及びトリエ チルアミン(4当量)を塩化メチレン中で反応させることにより、Cl−(PO )(NHCH2CH2Cl)2を合成した。アルゴン気流下−78Cに冷却し、約 4時間を費やしてゆっくり滴下して塩基を加えた。24時間後、トリエチルアミ ン塩酸塩をろ過により除去した。次いで、有機相を2倍量の(2×’s)氷冷飽 和NaCl水溶液ですみやかに洗浄した。溶媒を減圧処理に付して(exvac uo)除去した後、残渣を3倍量のトルエンと共に蒸発させて乾燥させた。貯蔵 時にその産物は結晶となった。プロトン及びリンNMRにより、所望の産物と一 致していることが分かった。 V−イソフォスは、エステラーゼ又はエステラーゼ活性を有する腫瘍関連プロ テアーゼによりp−ヒドロキシ基を剥き出しにするように、イソホスホルアミド マスタードを遊離させるよう設計された。V−イソフォス及びイソホスホルアミ ドマスタードの、CEM細胞に対するインビトロでの細胞毒性を4日間のインキ ュベートの後に調べた。生存細胞による、テトラゾリウム塩のホルマザンクロマ フォレ(chromaphore)への変換に基づいて標準化されたアッセイを 用いて4日後の細胞の生存率を測定した。(T.モスマン(T.Mossman ); J.Immunol.Methods 65:55(1983))モレキ ュラーデバイシズブイマックス(Molecular Devices Vma x)プレートリーダを用いて、570nmで、クロマフォレの産生を分光光度的 に測定した。光学密度のデータをもとに、薬剤の細胞毒性効果と細胞の生存率が 50%に減少する濃度(IC50値)をコンピュータプログラムで算出した。デー タは図1にまとめられている。V−イソフォスは、CEM細胞に対するIC50が 約0.01μMという強い毒性を示した。一方、イソホスホルアミドマスタード は、このアッセイによっては、10μMまで毒性を示さなかった。このインビト ロでの試験は、サザンリサーチ研究所(Southern Research Institute)のR.ブックハイト(R.Buckheit)により好意 をもって行われた。 V−イソフォスの、IPC−81ラット骨髄白血病細胞に対する抗腫瘍活性及 び正常ラット骨髄コロニー形成細胞に対する毒性についても測定した。このイン ビトロでのアッセイは、ジョンスホプキンスオンコロジーセンター(Johns Hopkins Oncology Center)のA.イェーガー(A. Yeager)により好意をもって、標準化された公知の手法を用いて行われた 。この結果から、V−イソフォスは白血病細胞に対して明らかに活性を示すこと が分かった。この結果は図2にまとめられている。 マウス中でのFSA2繊維肉腫に対してもV−イソフォスを試験した。確立さ れた腫瘍(各脾腹のサイズについて約100mg)を有するマウスに、V−イソ フォス、サイトキサン(cytoxan)、4−ヒドロペルオキシサイクロホス ファミド又はイフォスファミドを、種々の投与量で腹腔内に1回投与した。24 時間後、マウスを屠殺して、薬剤処理マウスと対照マウスについて、生存する腫 瘍コロニー形成細胞と骨髄コロニー形成細胞(CFU−GM)の画分をアッセイ した。このスクリーニング実験は、ダナファーバー腫瘍センター(Dana F arber Cancer Center)のB.タイヒャー(B.Teich er)の好意により、標準化された公知の手法を用いて行われた。この結果は図 3に要約されている。V−イソフォスは腫瘍に対して高い活性を示し、試験され た他の薬剤より骨髄細胞に対して弱い毒性を示すことが分かった。 均等物 当業者は、日常的な実験を用いるだけで、本明細書に記載された特定の物質や 成分と均等な多くのものを認識し、あるいはそれを確認することができる。これ らの均等物は下記の請求の範囲に包含されるものとされる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年4月21日 【補正内容】 請求の範囲 1.次の構造式で示される抗腫瘍化合物: ここで、 R1は、β−X−エチルアミノ基、又は1以上の窒素原子上又は炭素原子上 での置換を伴うβ−X−エチルアミノ基であり; Xは良好な脱離基又はハロゲンであり; R2は、β−X−エチルアミノ基、1以上の窒素原子上又は炭素原子上での 置換を伴うβ−X−エチルアミノ基、アミノ基及び置換されたアミノ基からなる 群より選ばれ;並びに Aは、ホスホエステルに対して、パラ位又はオルト位に1以上のアシルオキ シ基又はアシルアミノ基を有するベンジルオキシ誘導体であり、ただし、該アシ ルオキシ基又は該アシルアミノ基は、置換又は非置換のp−グアニジノ−ベンゾ イルオキシ基又はp−グアニジノ−ベンゾイルアミノ基ではない。 2.次の構造を有する請求項1記載の抗腫瘍化合物: ここで、R3及びR4は独立して−H;アルキル基;メチル基;エチル基; −CH2−CO2−Y;又はN置換メチレン−カルボニル−アミノ基であり;Yは アルキル基;メチル基;又はエチル基であり;及びR5はアシル−オキシ基又は アシル−アミノ基であり;そしてベンジル環は不活性基;アルキル基;アルキル オキシ基、メトキシ、又はハロゲンで置換されていても良い。 3.次の構造を有する請求項2記載の抗腫瘍化合物: 又は 4.次の構造を有する請求項3記載の抗腫瘍化合物: 又は 5.R5が次の構造である請求項4記載の抗腫瘍化合物: ここで、R6は置換又は非置換のアルキル基又はフェニル基;又は、R6は R6−COOHが、置換又は非置換のアミノ酸、又は2〜約20の置換又は非置 換のアミノ酸から構成されるオリゴペプチドとなるように選択される。 6.R5が次の構造である請求項2記載の抗腫瘍化合物: ここで、R6は置換又は非置換のアルキル基又はフェニル基;又は、R6は R6−COOHが、置換又は非置換のアミノ酸、又は2〜約20の置換又は非置 換のアミノ酸から構成されるオリゴペプチドとなるように選択される。 7.腫瘍関連プロテアーゼ又はエステラーゼに曝した場合に、細胞に毒性を与え る請求項6記載の抗腫瘍化合物。 8.腫瘍関連プロテアーゼ又はエステラーゼに曝した場合に、細胞に毒性を与え る請求項5記載の抗腫瘍化合物。 9.腫瘍関連プロテアーゼが、次の、ウロキナーゼ;組織プラスミノーゲン活性 化因子、カテプシンB;カテプシンC;カテプシンD;プラスミン;コラゲナー ゼ;IV型コラゲナーゼ;ストロメリシン;及びジペプチジルペプチダーゼから なる群より選ばれる請求項7記載の抗腫瘍化合物。 10.腫瘍関連プロテアーゼが、次の、ウロキナーゼ;組織プラスミノーゲン活 性化因子、カテプシンB;カテプシンC;カテプシンD;プラスミン;コラゲナ ーゼ;IV型コラゲナーゼ;ストロメリシン;及びジペプチジルペプチダーゼか らなる群より選ばれる請求項8記載の抗腫瘍化合物。 11.R1が、窒素原子上又は炭素原子上に、マスクされた求核原子による置換 を有するβ−X−エチル−アミノ基であって、該置換がX基;ここでXは良好な 脱離基である、から3位、4位又は5位の原子の位置にある、請求項1記載の抗 腫瘍化合物。 12.R2が、窒素原子上又は炭素原子上に置換を有していても良いβ−X−エ チル−アミノ基であって、マスクされた求核原子が、該求核原子とX基;ここで Xは良好な脱離基である、との間の3位、4位又は5位の原子の位置にある請求 項11記載の抗腫瘍化合物。 13.Xが塩素であり;求核原子がヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシレート 基;又はチオール基である請求項11記載の抗腫瘍化合物。 14.R1が、窒素原子上又は炭素原子上に、マスクされた求核原子による置換 を有するβ−X−エチル−アミノ基であって、該置換がX基;ここでXは良好な 脱離基である、から3位、4位又は5位の原子の位置にあり、そして該求核原子 がヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシレート基;又はチオール基である請求項 6記載の抗腫瘍化合物。 15.マスクされた求核原子がアシルオキシ基;アシル−スルファニル基;又は アシル−アミノ基である請求項11記載の抗腫瘍化合物。 16.R5が次の構造を有する請求項2記載の抗腫瘍化合物: ここで、R6は置換又は非置換のアルキル基又はフェニル基;又は、R6は R6−COOHが、置換又は非置換のアミノ酸、又は2〜約20の置換又は非置 換のアミノ酸から構成されるオリゴペプチドとなるように選択され; R1が、窒素原子上又は炭素原子上に、マスクされた求核原子による置換を 有するβ−X−エチル−アミノ基であって、該置換がX基;ここでXは良好な脱 離基である、から3位、4位又は5位の原子の位置にある。 17.腫瘍関連プロテアーゼ又はエステラーゼに曝した場合に、細胞に毒性を与 える請求項16記載の抗腫瘍化合物。 18.腫瘍関連プロテアーゼが、次の、ウロキナーゼ;組織プラスミノーゲン活 性化因子、カテプシンB;カテプシンC;カテプシンD;プラスミン;コラゲナ ーゼ;IV型コラゲナーゼ;ストロメリシン;及びジペプチジルペプチダーゼか らなる群より選ばれる請求項17記載の抗腫瘍化合物。 19.腫瘍関連プロテアーゼ又はエステラーゼに曝した場合に、細胞に毒性を与 え、そして該腫瘍関連プロテアーゼが、次の、ウロキナーゼ;組織ブラスミノー ゲン活性化因子、カテプシンB;カテプシンC;カテプシンD;プラスミン;コ ラゲナーゼ;IV型コラゲナーゼ;ストロメリシン;及びジペプチジルペプチダ ーゼからなる群より選ばれる請求項11記載の抗腫瘍化合物。 20.次の構造を有する請求項16記載の抗腫瘍化合物: 又は 又は 又は 又は ここて、R7はO、NH、又はSであり、R8はアルキル基、置換又は非置 換のフェニル基、又はR8−CO2Hが置換又は非置換のアミノ酸である。 21.R1及びR2が−NHCH2CH2Clである請求項1記載の抗腫瘍化合物 。 22.R1が−N(CH2CH2Cl)2であり、R2が−NH2である請求項1記 載の抗腫瘍化合物。 23.次の構造を有する請求項1記載の抗腫瘍化合物。 24.所望の効果を発揮させるのに充分に高い濃度の請求項1の化合物と腫瘍細 胞とをインビトロ又はインビボで接触させることを含む腫瘍細胞を殺す方法。 25.例えば、ガン患者を治療する等の、治療目的のための請求項1記載の抗腫 瘍化合物。 26.所望の効果を発揮させるのに充分に高い濃度の請求項6の化合物と腫瘍細 胞とをインビトロで接触させることを含む腫瘍細胞を殺す方法。 27.例えば、ガン患者を治療する等の、治療目的のための請求項6記載の抗腫 瘍化合物。 28.所望の効果を発揮させるのに充分に高い濃度の請求項11の化合物と腫瘍 細胞とをインビトロで接触させることを含む腫瘍細胞を殺す方法。 29.例えば、ガン患者を治療する等の、治療目的のための請求項11記載の抗 腫瘍化合物。 30.所望の効果を発揮させるのに充分に高い濃度の請求項14の化合物と腫瘍 細胞とをインビトロで接触させることを含む腫瘍細胞を殺す方法。 31.例えば、ガン患者を治療する等の、治療目的のための請求項14記載の抗 腫瘍化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次の構造を有する抗腫瘍化合物: ここで、R1は、窒素原子上又は炭素原子上で置換基を有していても良いβ−X −エチル−アミノ基である。Xは良好な脱離基又はハロゲンである; R2は、窒素原子上又は炭素原子上で置換基を有していても良いβ−X−エチル −アミノ基;又は置換されていても良いアミノ基(NH2)であり、並びに; Aは、ホスホエステルに対して、パラ位又はオルト位に1以上のアシルオキシ基 又はアシルアミノ基を有するベンジルオキシ誘導体であり;そしてアシルオキシ 基又はアシルアミノ基は(置換又は非置換の)p−グアニジノ−ベンゾイルオキ シ基又はp−グアニジノ−ベンゾイルアミノ基ではない。 2.次の構造を有する請求項1記載の抗腫瘍化合物: ここで、R3及びR4はH;アルキル基;メチル基;又はエチル基;−CH2− CO2−Y;又はN置換メチレン−カルボニル−アミノ基;Yはアルキル基;メ チル基;又はエチル基;及びR5はアシル−オキシ基;又はアシル−アミノ基; 及びベンジル環は不活性基;アルキル基;アルキルオキシ基、メトキシ、又はハ ロゲンで置換されていても良い。 3.次の構造を有する請求項2記載の抗腫瘍化合物: 又は 4.次の構造を有する請求項3記載の抗腫瘍化合物: 又は 5.R5が次の構造である請求項4記載の抗腫瘍化合物: ここで、R6は置換又は非置換のアルキル基又はフェニル基;又は、R6はR6 −COOHが、置換又は非置換のアミノ酸、又は2〜約20の置換又は非置換の アミノ酸から構成されるオリゴペプチドとなるように選択される。 6.R5が次の構造である請求項2記載の抗腫瘍化合物: ここで、R6は置換又は非置換のアルキル基又はフェニル基;又は、R6はR6 −COOHが、置換又は非置換のアミノ酸、又は2〜約20の置換又は非置換の アミノ酸から構成されるオリゴペプチドとなるように選択される。 7.腫瘍関連プロテアーゼ又はエステラーゼに曝した場合に、細胞に毒性を与え る請求項6記載の抗腫瘍化合物。 8.腫瘍関連プロテアーゼ又はエステラーゼに曝した場合に、細胞に毒性を与え る請求項5記載の抗腫瘍化合物。 9.腫瘍関連プロテアーゼが、次の、ウロキナーゼ;組織プラスミノーゲン活性 化因子、カテプシンB;カテプシンC;カテプシンD;プラスミン;コラゲナー ゼ;IV型コラゲナーゼ;ストロメリシン;及びジペプチジルペプチダーゼから なる群より選ばれる請求項7記載の抗腫瘍化合物。 10.腫瘍関連プロテアーゼが、次の、ウロキナーゼ;組織プラスミノーゲン活 性化因子、カテプシンB;カテプシンC;カテプシンD;プラスミン;コラゲナ ーゼ;IV型コラゲナーゼ;ストロメリシン;及びジペプチジルペプチダーゼか らなる群より選ばれる請求項8記載の抗腫瘍化合物。 11.R1が、窒素原子上又は炭素原子上に、マスクされた求核原子による置換 を有するβ−X−エチル−アミノ基であって、該置換がX基;ここでXは良好な 脱離基又はハロゲンである、から3位、4位又は5位の原子の位置にある、請求 項1記載の抗腫瘍化合物。 12.R2が、窒素原子上又は炭素原子上に置換を有していても良いβ−X−エ チル−アミノ基であって、マスクされた求核原子が、該求核原子とX基;ここで Xは良好な脱離基又はハロゲンである、との間の3位、4位又は5位の原子の位 置にある請求項11記載の抗腫瘍化合物。 13.Xが塩素であり;求核原子がヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシレート 基;又はチオールである請求項11記載の抗腫瘍化合物。 14.R1が、窒素原子上又は炭素原子上に、マスクされた求核原子による置換 を有するβ−X−エチル−アミノ基であって、該置換がX基;ここでXは良好な 脱離基又はハロゲンである、から3位、4位又は5位の原子の位置にあり、そし て該求核原子がヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシレート基;又はチオールで ある請求項6記載の抗腫瘍化合物。 15.マスクされた求核原子がアシルオキシ基;アシル−スルファニル基;又は アシル−アミノ基である請求項11記載の抗腫瘍化合物。 16.R5が次の構造を有する請求項2記載の抗腫瘍化合物: ここで、R6は置換又は非置換のアルキル基又はフェニル基;又は、R6はR6 −COOHが、置換又は非置換のアミノ酸、又は2〜約20の置換は非置換のア ミノ酸から構成されるオリゴペプチドとなるように選択され; R1が、窒素原子上又は炭素原子上に、マスクされた求核原子による置換を有す るβ−X−エチル−アミノ基であって、該置換がX基;ここでXは良好な脱離基 又はハロゲンである、から3位、4位又は5位の原子の位置にある。 17.腫瘍関連プロテアーゼ又はエステラーゼに曝した場合に、細胞に毒性を与 える請求項16記載の抗腫瘍化合物。 18.腫瘍関連プロテアーゼが、次の、ウロキナーゼ;組織プラスミノーゲン活 性化因子、カテプシンB;カテプシンC;カテプシンD;プラスミン;コラゲナ ーゼ;IV型コラゲナーゼ;ストロメリシン;及びジペプチジルペプチダーゼか らなる群より選ばれる請求項17記載の抗腫瘍化合物。 19.腫瘍関連プロテアーゼ又はエステラーゼに曝した場合に、細胞に毒性を与 え、そして該腫瘍関連プロテアーゼが、次の、ウロキナーゼ;組織プラスミノー ゲン活性化因子、カテプシンB;カテプシンC;カテプシンD;プラスミン;コ ラゲナーゼ;IV型コラゲナーゼ;ストロメリシン;及びジペプチジルペプチダ ーゼからなる群より選ばれる請求項11記載の抗腫瘍化合物。 20.次の構造を有する請求項16記載の抗腫瘍化合物: 又は 又は 又は 又は ここで、R7はO、NH、又はSであり、R8はアルキル基、置換又は非置換の フェニル基、又はR8−CO2Hが置換又は非置換のアミノ酸である。 21.R1及びR2が−NHCH2CH2Clである請求項1記載の抗腫瘍化合物 。 22.R1が−N(CH2CH2Cl.)2であり、R2が−NH2である請求項1 記載の抗腫瘍化合物。 23.次の構造を有する請求項1記載の抗腫瘍化合物。 24.所望の効果を発揮させるのに充分に高い濃度の請求項1の化合物と腫瘍細 胞とをインビトロで接触させることを含む腫瘍細胞を殺す方法。 25.例えば、ガン患者を治療する等の、治療目的のための請求項1記載の抗腫 瘍化合物。 26.所望の効果を発揮させるのに充分に高い濃度の請求項6の化合物と腫瘍細 胞とをインビトロで接触させることを含む腫瘍細胞を殺す方法。 27.例えば、ガン患者を治療する等の、治療目的のための請求項6記載の抗腫 瘍化合物。 28.所望の効果を発揮させるのに充分に高い濃度の請求項11の化合物と腫瘍 細胞とをインビトロで接触させることを含む腫瘍細胞を殺す方法。 29.例えば、ガン患者を治療する等の、治療目的のための請求項11記載の抗 腫瘍化合物。 30.所望の効果を発揮させるのに充分に高い濃度の請求項14の化合物と腫瘍 細胞とをインビトロで接触させることを含む腫瘍細胞を殺す方法。 31.例えば、ガン患者を治療する等の、治療目的のための請求項14記載の抗 腫瘍化合物。
JP8531791A 1995-04-20 1996-04-11 ホスホルアミドマスタード類似物である腫瘍プロテアーゼ活性化プロドラッグ Ceased JPH11504009A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/425,477 US5659061A (en) 1995-04-20 1995-04-20 Tumor protease activated prodrugs of phosphoramide mustard analogs with toxification and detoxification functionalities
US08/425,477 1995-04-20
PCT/US1996/004882 WO1996033198A1 (en) 1995-04-20 1996-04-11 Tumor protease activated prodrugs of phosphoramide mustard analogs

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11504009A true JPH11504009A (ja) 1999-04-06

Family

ID=23686730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8531791A Ceased JPH11504009A (ja) 1995-04-20 1996-04-11 ホスホルアミドマスタード類似物である腫瘍プロテアーゼ活性化プロドラッグ

Country Status (12)

Country Link
US (1) US5659061A (ja)
EP (1) EP0821689B1 (ja)
JP (1) JPH11504009A (ja)
AT (1) ATE202781T1 (ja)
AU (1) AU697110B2 (ja)
CA (1) CA2215264A1 (ja)
DE (1) DE69613691T2 (ja)
DK (1) DK0821689T3 (ja)
ES (1) ES2160815T3 (ja)
GR (1) GR3036796T3 (ja)
PT (1) PT821689E (ja)
WO (1) WO1996033198A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009502743A (ja) * 2005-06-29 2009-01-29 スレッシュホールド ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド ホスホルアミデートアルキル化剤プロドラッグ
JP2010523571A (ja) * 2007-04-06 2010-07-15 ジオファーム オンコロジー, インコーポレイテッド イソホスホルアミドマスタードの塩およびそれらの類似体
US8552048B2 (en) 2006-12-26 2013-10-08 Threshold Pharmaceuticals, Inc. Phosphoramidate alkylator prodrugs for the treatment of cancer

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ291368A (en) * 1994-08-19 1999-04-29 Wallone Region A compound comprising a marker or a therapeutic agent linked to a ligand containing amino acids wherein the marker or agent is cleaved from the ligand to permit entry into the cell of the marker or agent, medicaments for treating tumours; diagnostic devices
US5952294A (en) * 1996-07-31 1999-09-14 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education Peptidyl prodrugs and methods of making and using the same
EP0933030B1 (en) * 1997-12-22 2006-07-26 Givaudan SA Pungent flavor components
US7425541B2 (en) 1998-12-11 2008-09-16 Medarex, Inc. Enzyme-cleavable prodrug compounds
WO2000071134A1 (en) * 1999-05-24 2000-11-30 Southern Research Institute Isophosphoramide mustard analogs and use thereof
WO2001004130A1 (en) 1999-07-14 2001-01-18 Purdue Research Foundation Phosphoramide compounds
CA2391534A1 (en) * 1999-11-15 2001-05-25 Drug Innovation & Design, Inc. Selective cellular targeting: multifunctional delivery vehicles
WO2001095943A2 (en) 2000-06-14 2001-12-20 Medarex, Inc. Prodrug compounds with an oligopeptide having an isoleucine residue
AU2001286727A1 (en) * 2000-08-24 2002-03-04 Coulter Pharmaceutical, Inc. Prodrugs activated by plasmin and their use in cancer chemotherapy
ZA200507752B (en) 2003-03-28 2007-01-31 Threshold Pharmaceuticals Inc Compositions and methods for treating cancer
EP2792670A1 (en) 2006-10-03 2014-10-22 Techfields Biochem Co. Ltd Positively charged water-soluble prodrugs of mustards and related compounds with very high skin penetration rates
US8518891B2 (en) * 2006-11-29 2013-08-27 Longqin Hu Chemotherapeutic conjugates and methods of use

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1989011484A1 (en) * 1988-05-25 1989-11-30 Research Corporation Technologies, Inc. Phosphoramides useful as antitumor agents
US5274162A (en) * 1991-12-13 1993-12-28 Arnold Glazier Antineoplastic drugs with bipolar toxification/detoxification functionalities
DE4309344A1 (de) * 1993-03-23 1994-09-29 Gerhard Prof Dr Eisenbrand Antineoplastische Mittel mit verstärkter Wirksamkeit

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009502743A (ja) * 2005-06-29 2009-01-29 スレッシュホールド ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド ホスホルアミデートアルキル化剤プロドラッグ
JP2012153722A (ja) * 2005-06-29 2012-08-16 Threshold Pharmaceuticals Inc ホスホルアミデートアルキル化剤プロドラッグ
US8507464B2 (en) 2005-06-29 2013-08-13 Threshold Pharmaceuticals, Inc. Phosphoramidate alkylator prodrugs
US8664204B2 (en) 2005-06-29 2014-03-04 Threshold Pharmaceuticals, Inc. Phosphoramidate alkylator prodrugs
US9226932B2 (en) 2005-06-29 2016-01-05 Threshold Pharmaceuticals, Inc. Phosphoramidate alkylator prodrugs
US8552048B2 (en) 2006-12-26 2013-10-08 Threshold Pharmaceuticals, Inc. Phosphoramidate alkylator prodrugs for the treatment of cancer
JP2010523571A (ja) * 2007-04-06 2010-07-15 ジオファーム オンコロジー, インコーポレイテッド イソホスホルアミドマスタードの塩およびそれらの類似体

Also Published As

Publication number Publication date
DE69613691T2 (de) 2002-05-08
EP0821689A1 (en) 1998-02-04
WO1996033198A1 (en) 1996-10-24
ES2160815T3 (es) 2001-11-16
ATE202781T1 (de) 2001-07-15
CA2215264A1 (en) 1996-10-24
DK0821689T3 (da) 2001-10-22
AU697110B2 (en) 1998-09-24
PT821689E (pt) 2001-12-28
GR3036796T3 (en) 2002-01-31
DE69613691D1 (de) 2001-08-09
AU5538996A (en) 1996-11-07
US5659061A (en) 1997-08-19
EP0821689B1 (en) 2001-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11504009A (ja) ホスホルアミドマスタード類似物である腫瘍プロテアーゼ活性化プロドラッグ
US5952294A (en) Peptidyl prodrugs and methods of making and using the same
Marseigne et al. Synthesis of new amino acids mimicking sulfated and phosphorylated tyrosine residues
US6846922B1 (en) Activators for oligonucleotide synthesis
SK279325B6 (sk) 4'-fosfáty epipodofylotoxínglukozidov, spôsob ich
EP1268493B1 (en) Phosphoramidate prodrugs
SK286755B6 (sk) Antitrombotické zlúčeniny, farmaceutický prostriedok s ich obsahom a ich použitie
US5274162A (en) Antineoplastic drugs with bipolar toxification/detoxification functionalities
Kachalova et al. A New and Efficient Method for Synthesis of 5′‐Conjugates of Oligonucleotides through Amide‐Bond Formation on Solid Phase
US5908919A (en) Urethane mediated, GST specific molecular release systems
US7700560B2 (en) Inactivators and bivalent inhibitors of glyoxalase I and methods of inhibiting tumor growth
Balajthy et al. Synthesis and functional evaluation of a peptide derivative of 1-. beta.-D-arabinofuranosylcytosine
WO1997041130A2 (en) Sulfurization of phosphorus-containing compounds
Sikora et al. O-Ethyl 1-azidoalkylphosphonic acids—versatile reagents for the synthesis of protected phosphonamidate peptides
JPS62265221A (ja) 酵素を不活性化するアミノ酸誘導体
WO1999001470A2 (en) Peptidomimetic derivatives suicidal inhibitors of the hiv proliferation
JPS6299393A (ja) 新規アラビノヌクレオシド−リン脂質複合体
JPH04210993A (ja) 新規なリン脂質・ヌクレオシド誘導体
JPH04211387A (ja) ホスホリパーゼd−pによる塩基交換反応方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060815

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20070115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070320