JPH11503159A - 9−置換ポルフィセン類 - Google Patents

9−置換ポルフィセン類

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JPH11503159A
JPH11503159A JP8530368A JP53036896A JPH11503159A JP H11503159 A JPH11503159 A JP H11503159A JP 8530368 A JP8530368 A JP 8530368A JP 53036896 A JP53036896 A JP 53036896A JP H11503159 A JPH11503159 A JP H11503159A
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alkyl
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aralkyl
hydrogen
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JP8530368A
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ヴォーゲル,エマニュエル
ミューラー,マルティン
ハルペルン,オットー
クロス,アレクサンダー,ディー.
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サイトファーム,インク.
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    • C07D487/22Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains four or more hetero rings
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Abstract

(57)【要約】 次式で表されるポルフィセン: 〔式中、Rはそれぞれ、互いに独立して、−(CH2n−X(ここでn=1〜10、X=OR1、及びR1はアルキル、アラルキルまたはアリールであり):R2は(1) :ヒドロキシ、アルコキシまたはOCOR3(ここでR3は−(CH2m−Yで、m=1〜10、またYは以下のいずれか:(a)水素またはハロゲン、(b)C(O)OR4(式中、R4は水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル)、(c)NR56(式中、R5およびR6は独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル、あるいはR5とR6が窒素原子で結合され、それにO、NR4またはS環を更に含んでもよい3〜7員のヘテロ環が結合したものであり、R4は前述の通り)、(d)NR456+-(式中、A-はアニオンであり、R4、R5およびR6は前述の通り)、(e)NH−C(O)OR4(式中、R4は上述の通り))、あるいはR2は(2):OC(O)R7(ここでR7は置換されたもしくは非置換のアリール基であるかあるいは−CHR8=CHR9−R10(ここでR8とR9は独立して水素またはC1-6アルキル、R10はアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキル)、あるいはR2は(3):(a)NR1112(ここでR11とR12は独立して水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル)、若しくは(b)NHCO−(CH2p−ZあるいはNHCO−O(CH2p−Z(ここでp=1〜10、ZはH、OH、NR1112、C(O)OR4、OC(O)R4、C(O)NHR4またはNHC(O)OR4で、R4、R11、R12は前記の通り)、さらにあるいはR2は(4):

Description

【発明の詳細な説明】 9−置換ポルフィセン類 発明の背景 技術分野 本発明は新規なポルフィセン化合物類、および治療的処理に有用なこれら化合 物を含む医薬組成物に関する。 背景技術の説明 現代のガン診断法および治療法は巧緻ではあるものの、米国において報告され ているガンの全体的な件数を減らすことはおろか、顕著な場合を除き、死亡率の 低減には何ら寄与していないということが、ここ数年間で広く認識されるように なってきた。この疾患を克服するために何十億ドルもの大金が投資されたことを 考えると、これは残念な結果といわざるを得ない。その上、外科手術、放射線治 療および化学治療はすべて、外傷性傷害や、すでに病弱状態にある患者が容易に 克服することのできないひどい免疫抑制または毒性などの大きな衰弱副作用を伴 うものである。 1970年代の初期の研究、およびそれに続く1980年代に急速に進展した 研究によって、光力学的治療法(PDT:Photodynamic Therapy)はガンの治療 法として実施可能であり、低毒性で、かつ一般的に痛みの少ない方法を提供する ものであることが示された。すべてのガンがPDTの対象になるということでは ない。しかしながら、時に手術不能、かつ確立された従来の治療法では良好な治 療経過を示していない中空器管および皮膚の新生物(neoplasms)は、発生部位に おける(in situ)多病巣性ガンも含め、PDTの対象になると考えられ る。 光力学的治療法においては、ポルフィリノイド染料を患者に投与し、それらを 新生物組織中に局在させる(リプソン[Lipson]ら、J.Thoracic Ca rdiovascular Surgery、1961、42:623− 629)。ポルフィリノイド染料に、この染料の吸収帯に対応する波長の光を照 射すると、新生物組織が破壊される。これについては、ケッセル[Kessel],D. “ポルフィリン光感作の方法”、Plenum Press、New York 、1985;ゴマー[Gomer],C.J.、“光力学的治療法”、Pergammo n Press、Oxford、1987、およびドイロン[Doiron],D.R. とゴマー[Gomer],C.J.、“ポルフィリンの局在と腫瘍の治療”、Liss 、New York、1984も参照されたい。光ファイバーレーザー光源の使 用については、米国特許第4,957,481号に記述されている。 ダウワティー[Dougherty]ら(Cancer Res.、1978、38:2 628;Photochem.Photobiol.、1987、45:879 )は、光活性化染料を注入し、次いで腫瘍に適当な長い波長(600+nm)を 照射して、新生物細胞を破壊する致死性の短寿命酸素種を発生させる方法を他に 先駆けて開発した。初期の実験ではヘマトポルフィリン誘導体(HPD)と呼ば れる混合物を使用した。これについてはリプソン[Lipson]ら、J.N.C.I. 、1961、26:1;ダウワティー[Dougherty]ら、J.N.C.I、197 5、55:115;ダイヤモンド[Diamond]ら、Lancet,1972(II )、1175;D.ドルフィン[Dolphin]、“ポルフィリン類”、I巻、Aca demic Press、New York、1978;およびD.ケッセル[K essel]、Photochem.Photobiol.、1984,39:851 も参照されたい。HPDには欠陥があり、特にヒトの皮膚に残留するHPD成分 により引き起こされる長期的な光毒性があるため、ジヘマトポルフィリンエーテ ル(DHE)と当初呼ばれていた精製留分(これは後に、クアドラロジックス・ テクノロジーズ社[QuadraLogics Technologies]により市販製品“フォトフリン[ PHOTOFRIN]”として販売されたもの)が取って替わることとなった。これはHP Dより改善されていたとはいえ、まだ多少の実用上の制限があった。600nm を超える波長では比較的吸収が弱く、皮膚細胞中に残留する (光毒性につながる恐れがある)こと、生体器管の腫瘍細胞以外の細胞に対する 腫瘍細胞の選択性が中程度または低選択性であること、現在入手可能な近代的か つ安価なダイオードレーザーを使用することができないこと、また混合物の化学 的組成が不確実であるといったことなどが既知のフォトフリンとHPDの否定的 特徴である。これまで研究されてきた従前のPDT剤の大半は天然原料から得た もの(ポルフィリン、クロリン、プルプリンなど)、または染料産業に端緒を有 する公知の化学薬品(たとえば、シアニン染料)に由来するものであった。天然 原料由来のPDT剤のより最近のものについては米国特許第4,961,920 号および4,861,876号を参照されたい。 動物実験および細胞培養実験においては、PDTに続くインキュベーション時 間の長さによっては、脈管構造、細胞膜、ミトコンドリアおよび特定の酵素に対 する損傷が観察される。腫瘍細胞に吸収させた場合、リポソームに封入したポル フィリノイド感作剤を注入することにより、選択性を増強することができる(リ ケーリ[Ricchelli]およびジョリー[Jori],Photochem.Photob iol.、1986、44:151)。ポルフィリノイド染料は、低密度リポ蛋 白質などのリポ蛋白質の助けを得て血液中を輸送させることができる(ジョリー [Jori]ら、Cancer Lett、1984、24:291)。 PDTは膀胱、気管支、骨髄および皮膚腫瘍の治療(ダウワティー[Dougherty ]、Photochem.Photobiol、1987、45:879;シー バー[Sieber]ら、Leukemia Res.、1987、11:43)、なら びに重度の乾癬(ディーゼル[Diezel]ら、Dermatol.Monatssc hr.、1980、166:793;エンテンスタム[Emtenstam]ら、Lanc et、1989(I)、1231)の治療にも使用されてきた。輸血血液中のウ イルスの処理についても報告されている(マシューズ[Matthews]ら、Trans fusion、1988、28:81;シーバー[Sieber]ら、Semin.He matol.、1989、26:35)。 初期のPDT剤の欠陥が明らかになるに伴い、化学合成により得られるPDT 治療用の化学的に、より純粋な光活性化染料の活性パラメータを規定することも 可能となってきた。その上合成物は、高価で化学的感受性を有する成分を含み得 る天然由来の出発原料よりも、高度に化学的な構造操作が容易である。4個のピ ロール環を有する新規なポルフィセン大環状物の合成が、ヴォーゲル[Vogel]と その共同研究者により記されている。アルキル化ポルフィセン類も調製されてお り(R=Me、Et、n−Pr、tert−ブチル、フェニル)、またその光化 学特性も確定されている。これら化合物のPDTに対する適合可能性が注視され 、動物実験研究において確認されている(グアルディアノ[Guardiano]ら、Ca ncer Letters、1989、44、1)。 組織への透過度も高くなる約600〜900nmの長い波長における吸収の高 いポルフィリノイド化合物の合成に努力が注がれてきた。プルプリン(モーガン [Morgan]ら、J.Org.Chem.、1986、51:1347;モーガン[M organ]ら、Cancer Res.、1987、47:496;モーガン[Morga n]ら、J.Med.Chem.、1989、32:904、フーバー[Hoober]ら 、Photochem.Photobiol.、1988、48:579)、ナ フトシアニンシリコン錯体(フィレイ[Firey]ら、J.Am.Chem.Soc .、1988、110:7626)、クロリン(ロバート[Robert]ら、J.N. C.I.、1988、80:330;ケッセル[Kessel]、Cancer Res .、1986、46:2248)、バクテリオクロリン(ビームズ[Beams]ら、 Photochem.Photobiol.、1987、46:639)ならび に置換フェニルポルフィリン(クライマー−バーンバウム[Kreimer-Birnbaum]、 Semin.Hematol.、1989、26:157)などが調製され、i n vivoでテストされている。更にその他のPDT剤については欧州特許第 276,121号に記述されている。 ポルフィセンより大きいピロール含有環系もまた調製され、光感作剤とし ての評価がなされている。セスラー[Sessler]らはテキサフィリンを調製、検討 し(J.Am.Chem.Soc.、1988、110:5586)、またウッ ドワード[Woodward]らおよびジョンソン[Johnson]らはサフィリン環系を調製、 研究している。更に、プラチリン系はレゴフ[LeGoff]により研究されており(T etrahedron,Lett.、1978、4225;J.Org.che m.、1987、710)、またビニル様ポルフィリンについてはフランク[Fra nck]により検討されている(Angew.Chem.、1986、98:110 7;Angew.Chem.Int.Ed.Eng.、1986、25:1100 ;Angew.Chem.、1988、100:1203;Angew.Che m.Int.Ed.Eng.、1988,27:1170)。 従って、PDT治療に使用するための新しい化合物として、入手が容易で、固 有毒性が低く、一重項酸素生成のために効率的な光感作剤であり、急速に増殖す る細胞に選択的に摂取され、急速または少なくとも中程度に早く分解され、投与 後の組織から除去され、化学的に純粋かつ安定な化合物として入手でき、合成修 飾が容易にできる化合物が必要とされている。この化合物は、局所適用の場合に 経皮供給ができるような処方が可能なものでなければならない。 発明の概要 従って、本発明の一目的は光力学的治療用の新規かつ効果的な化合物を提供す ることにあり、それらの性能および特性は上述のPDT染料の理想的な特性に近 いものである。 上記目的および以下の明細書で明らかにされるその他の目的は、本発明の化合 物により達成されるに至った。本発明の化合物はガン治療および皮膚乾癬などの 皮膚疾患治療に使用するPDT用染料として有用なものである。 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明のポルフィセン化合物は下記の構造を有する。 本構造において、ポルフィセン構造の2、7、12および17位のそれぞれのR は、互いに独立して、−(CH2)n−X(ここでn=1〜10、X=OR1であり 、R1はアルキル、アラルキルまたはアリール)である。 上記構造において、R2はヒドロキシまたはアルコキシであって、好ましくは C1ー10アルコキシである。 あるいは、R2は−OC(O)R3(ここでR3は−(CH2m−Yで、m=1 〜10、好ましくは1〜6、またYは以下のいずれかである。 (a)水素またはハロゲン(F、Cl、Br、I)、 (b)COOR4(式中、R4は水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロ アルキルまたはシクロアルキルアルキル)、 (c)NR56(式中、R5およびR6は独立して、水素、アルキル、アリール、 アラルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル、あるいはR5とR6 が窒素原子で結合され、それにO、NR4またはS環を更に含んでもよい3〜7 員の飽和または不飽和ヘテロ環が結合したものであり、R4は前述の通り)、 (d)NR456+-(式中、A-はアニオンであり、R45およびR6は前述 の通り)、 (e)NH−C(O)OR4(式中、R4は上述の通り))。 別の実施態様においては、R2は−OC(O)R7でもよい。ここでR7 は−CHR8=CHR9−R10であり、R8とR9は独立して水素またはC1-6アル キルであり、R10はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラ ルキルまたはアリールである。R7はまた、無置換のアリール基、またはハロゲ ン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシおよびC2ー6 アルコキシカルボニルなどの1〜3個の置換基を有するアリール基でもよい 。 更に別の実施態様においては、R2はNR1112でもよい。ここでR11とR12 は独立して水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルまたはシク ロアルキルアルキル基である。R2はまた、NHCO−(CH2p−Z、NHC O−O(CH2p−ZまたはNH(CH2p+1−Z基でもよい。ここでp=1〜 10、好ましくは1〜6であり、ZはH、OH、NR1112、C(O)OR4、 OC(O)R4、C(O)NHR4またはNHC(O)OR4で、R4は前記の通り である。 9−アセトキシ−2,7,12,17−テトラキス(メトキシエチル)ポルフ ィセンは本発明の範囲には含まれない。 水溶性を改善するために、このポルフィセン化合物を更にアミノ酸類、ペプチ ド類、単糖類または少糖類に結合させてもよい。通常ポルフィセン化合物は従来 の縮合反応を用いて、遊離水酸基、アミノ基またはカルボキシ基を介して、アミ ノ酸またはペプチドに結合される。同様に、公知の化学法を用いてポルフィセン をグリコシド類に結合してもよい。更に、ポルフィセン化合物をカロテノイド類 に結合させ、蛍光を発する腫瘍診断薬として有用な化合物とすることもできる。 本発明に好適なアルキル基としては、直鎖または分岐アルキル基が含まれる。 好ましくは1〜10炭素原子のアルキル基、更に好ましくは1〜6炭素原子のア ルキル基である。その例としてはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル 、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、エチルヘキシル、デシ ルなどが挙げられる。 好適なシクロアルキル基としては、3〜7個の環状原子を持つシクロアルキル 基、好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロ ヘプチル基が挙げられる。これらのシクロアルキル基は置換されていないもの、 または一またはそれ以上のアルキル置換基、通常は1〜6個の炭素原子を有する 1〜3個のアルキル基で置換されたものでもよい。 好適なシクロアルキルアルキル基としては、上述のシクロアルキル基が直鎖ま たは分枝アルキル基、好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基に結 合されたものが含まれる。 好適なアリール基としては、C6-20炭素環式アリール基で、一またそれ以上の C1-6アルキル基で任意に置換されたものが好ましい。例としてはフェニル、ナ フチル、インデニルなどが挙げられる。アリーレン基(C64)はオルソ−、メ タ−またはパラ−置換のもので、好ましくはパラ−置換のものである。 好適なアラルキル基としては、前述のアリール基がC1ー6アルキレン基に結合 したものが含まれる。例としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピ ル、フェニルブチルなどが挙げられる。 好適なアミノ酸は20個の天然アミノ酸類、即ちフェニルアラニン、ロイシン 、セリン、チロシン、アラニン、グリシン、システイン、トリプトファン、プロ リン、ヒスチジン、アルギニン、グルタミン、イソロイシン、メチオニン、スレ オニン、アスパラギン、リシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸である 。好適なペプチドとしては、これらアミノ酸を2個またはそれ以上含むもので、 好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜6個のアミノ酸がアミド結合により結 合されているものが挙げられる。 本発明のポルフィセン化合物に結合される単糖類としては、グルコース、マン ノース、ガラクトース、フルクトースなどのペントースおよびヘキソース糖類が 含まれる。同様に、複数の単糖ユニット、好ましくは2〜6糖ユニット、更に好 ましくは2−3糖ユニットを含む少糖類をポルフィセン化合物に結合してもよい 。 好適なカロテノイド置換基は下記(III)の構造を有する。 本構造において、Lは結合基であり、これを通してカロテノイド置換基がポルフ ィセン環状構造に結合される。好適な結合基Lとしては−OC(O)−および− NHC(O)−などが挙げられる。 特に好ましい化合物は4個の同一のR置換基を含有するものである。これらの 好ましい化合物において、Rは−(CH2n−OR1(ここでR1はC1-6アルキ ルであり、n=1〜6である)。 好ましい置換基R2はOH及びOCOR3(式中、R3は−(CH2m、−Yで 、m=1〜6およびYはハロゲン(好ましくはClまたはBr))、COOR4 (式中、R4はC1-6アルキル)、NH2、およびR4がC1-6アルキルのNHC( O)OR4である。その他好ましい置換基R2は、−NHCO(CH2p−Zであ る。ここでp=1〜6、かつZはOH、NH2、COOH、またはR4がC1-6ア ルキルのOCOR4である。 同じく好ましいものとしては、R3が−C64−OR4または−C64−C(O )OR4の化合物(式中、R4は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基)。R7 が−CR8=CR9−R10の場合、R8とR9は好ましくは水素であり、R10は好ま しくはフェニルである。このフェニル基は置換されていないものであっても、1 〜5個、好ましくは1〜2個のC1-6アルキル基、好ましくは直鎖アルキル基で 置換されたものであってもよい。 アニオンA-は薬学的に許容されるアニオンであれば何でもよく、塩化物イオ ン、硫酸イオン、燐酸イオン、二燐酸イオン、臭化物イオンおよび硝酸イオンな どの無機アニオン類、ならびに酢酸イオン、リンゴ酸イオン、マレイン酸イオン 、フマル酸イオン、酒石酸イオン、コハク酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオ ン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、パルモエート(p almoate)イオン、サリチル酸イオンおよびステアリン酸イオンなどの有機アニオ ン類を用い得るがこれらに限定されない。 4個置換ポルフィセン類は、置換ジアルデヒド類を適切なカップリング反応に 付しポルフィセン環状構造を形成し、更にこれを修飾することにより調製される 。好適な4個置換ポルフィセン出発原料の合成については、米国特許第5,17 9,120号に記述されている。好適な4個置換ポルフィセン類の調製法の完全 な説明のために、この特許全体を本明細書の一部を構成するものとしてここに援 用する。 本発明のアシルオキシ化合物類は、下記式(I): の好適なポルフィセン前駆体を、式(II)の有機酸: R7-COOH or R3-COOH (II) (式中、R3およびR7は前述の通り) と、二酸化鉛(PbO2)または二酸化マンガン(MnO2)の存在下で反応させ ることにより調製することができる。この反応は通常、ハロゲン化炭化水素(た とえば、クロロホルム、塩化メチレン)またはアセトニトリルなどの有機非プロ トン性溶剤中で行われる。4個置換ポルフィセン前駆体を二酸化鉛または二酸化 マンガンと共に反応を完結させるのに十分な時間攪拌し、R2 がOC(O)R3またはOC(O)R7である本発明の化合物を生成する。通常、 原料の4個置換ポルフィセンと二酸化鉛または二酸化マンガンとをほぼ等モル量 ずつ用いて、やや過剰の有機酸と溶剤中で混合し、室温で攪拌する。具体的な反 応時間は、使用する酸の種類および二酸化鉛または二酸化マンガンを使用するか 否かにより異なる。二酸化鉛との反応は二酸化マンガンを使用した反応よりも通 常早くなる。目的の9置換型の製品を得るためには、約20分から約10週間の 反応時間が必要である。次いで得られた反応混合物を希釈アルカリ水溶液(たと えばNaHCO3水溶液)に加え、公知の方法に基づき抽出、クロマトグラフィ ー、再結晶化などにより精製する。 R3中の末端アミドおよびエステル類は、適当な従来の酸加水分解条件を用い て、対応するアミンまたはカルボン酸に選択的に加水分解することができる。本 発明の化合物中、R2が−OR3であるものは、R2がヒドロキシである対応する 化合物を公知のアルキル化反応によってアルキル化することによって調製される 。好適なアルキル化剤としてはジメチルサルフェート等のジアルキルサルフェー ト、及びアルキルハライドが挙げられる。ヒドロキシ化合物は、対応するアシロ キシ化合物を加水分解することによって得ることができる。 R2が−NHCO−(CH2p−Zである本発明の化合物は、上記の4個置換 ポルフィセン前駆体を硝酸銀および酢酸と反応させ、対応するニトロ4個置換ポ ルフィセンを形成させて調製される。このニトロ誘導体は次に、亜ジチオン酸(d ithionite)ナトリウム/水酸化ナトリウムにより還元し、対応するアミノ誘導体 とする。好適な合成法は米国特許第5,244,671号に記述されており、本 明細書の一部を構成するものとしてその全体をここに援用する。9−アミノ−ポ ルフィセンは、Hal−CO−(CH2p−Zで表わされ、ZがC(O)OR4 またはC(O)NHR4の酸ハロゲン化物と反応させることができる。この反応 は通常、ピリジンなどの塩基を含むテトラヒドロフラン(THF)などの極性非 プロトン性溶剤の中で行われる。末端エステルまたはア ミド基は、アルカリまたは酸による加水分解、たとえばNaOH/CH3OH/ THFまたはNaOCH3/CH3OH/THFにより選択的に加水分解して、対 応するカルボン酸にすることができる。末端エステル基はまた、たとえば水素化 金属還元(たとえば、LiAlH4/THFまたはLiBH4/THF)によって 、対応するアルコールに還元することができる。R2が−NH(CH2p+1−Z である本発明の化合物は、従来の還元反応を利用して−NHCO(CH2p−Z 基のカルボニルを還元することにより調製することができる。 アミノ酸、蛋白質、単糖類または少糖類に結合したポルフィセン化合物類は公 知の反応を用いて調製される。これについては米国特許第5,244,671号 を本明細書の一部として援用する。 本発明のポルフィセン化合物のカロテノイド誘導体は、Lが酸ハロゲン化物、 たとえばCl−C(O)−構造を持つ酸塩化物のカロテノイド化合物を生成し、 そしてこのカロテノイド酸塩化物を9位にヒドロキシまたはアミノ基を有するポ ルフィセンと反応させることにより調製される。 二価金属、好ましくは亜鉛、ニッケル、マグネシウム、錫などの(イオン半径 の)比較的小さな金属と本発明のポルフィセン化合物の金属錯体は、たとえば金 属アセテートなどの金属塩を氷酢酸などの酸溶媒中でポルフィセン化合物に加え ることにより容易に調製できる。この金属錯体を、室温で攪拌しながら濃硫酸と 反応させて脱金属を行う。この脱金属反応時に金属原子は水素原子と置換される (ブックラー[Buchler],J.W.、スミス[Smith],K.M.編:“ポルフィリ ンおよび金属ポルフィリン”、Elsevier、Amsterdam、197 5;ブックラー[Buchler],I.W.、ドルフィン[Dolphin],D.編、“ポルフ ィリン”、I巻、Academic Press、New York、1978 ;ドロー[Dorough]ら、J.Am.Chem.Soc.、1951、73:431 5)。 本発明はまた、ポルフィセン化合物の薬学的に許容できる酸および塩基付加物 塩も含むが、それらはHCl、HBr、H2SO4、H3PO4、リンゴ酸、酒石酸 、マレイン酸、フマル酸などの付加により調製することができる。塩基付加塩類 はナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムの炭酸塩、重炭酸塩、 硫酸塩、燐酸塩などのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を付加すること により調製され、またアンモニア、アミン類好ましくは一級、二級、及び三級C1ー6 アルキルアミン類、アミノ酸類などを付加することによっても調製される。 薬学的に許容される従来の酸またはアルカリ添加塩はすべて本発明の範囲に入る ものと思料される。 本発明のポルフィセン化合物は、光力学的治療が必要な患者への投与のための 治療用処方品とすることができる。 治療用処方品 本発明の化合物を含有する治療用組成物としては、非経口注射用のリポソーム または微細小胞処方品、分散液、溶液、ならびに局所皮膚用処方品が挙げられる 。非経口溶液 静脈注射用に好適な溶液を調製するためには通常、光活性化ポルフィセン染料 をその他の溶剤および溶解補助剤とともに使用する。水および適当な界面活性剤 と混合可能な多くの溶剤および共溶媒を非経口用溶液を調製するために使用する ことができる。このグループで最も重要な溶剤は、エタノール、液状のポリエチ レングリコール類、およびプロピレングリコールである。更に包括的に列挙すれ ば、アセトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ キシドエタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール300および400、 プロピレングリコール、ソルビトール、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エス テル、ステアリン酸エステル、およびオレイン酸エステルなどのポリオキシエチ レンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン変性植物油、ソルビタン モノパルミテート、2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリジン;N−エチル −1−ピロリジン;テトラヒドロフルフリルアルコール、TWEEN 80およ びジメチルイソソルバイドなどがある。ジメチルイソソルバイド [ICI Specialty Chemicais]社)は水溶性および油溶性の両方の特性を有する。 ス社)等のゲル化剤によって容易にゲル化でき、ゲル処方品とすることができる 。 化学的安定性および生理学的適合性を増強または維持するためにその他の添加 物が必要なこともある。たとえば抗酸化剤、キレート剤、不活性ガス類、緩衝剤 および等張化剤などである。 抗酸化剤の例とそれらの典型的な濃度範囲としては、アセトン重亜硫酸ナトリ ウム(0.1〜0.8%)、アスコルビン酸(0.05〜1.0%)、モノチオ グリセロール(0.1〜1.0%)、メタ重亜硫酸カリウム(0.05〜0.1 %)、没食子酸プロピル(0.02%)、重亜硫酸ナトリウム(0.01〜1. 0%)、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム(0.03〜0.1%)、 メタ重亜硫酸ナトリウム(0.02〜0.25%)、亜硫酸ナトリウム(0.0 1〜0.1%)、チオグリコール酸ナトリウム(0.05〜0.1%)などが挙 げられる。 キレート化剤/複合化剤の例および典型的な濃度範囲としては、エデト酸ナト リウム(0.005〜0.1%)、エデト酸カルシウム二ナトリウム(0.00 5%〜0.01%)、ゲンチシン酸エタノールアミド(1.0〜2.0%)、ナ イアシンアミド(1.0%〜2.5%)、クエン酸ナトリウム(0.01%〜2 .5%)、クエン酸(0.001%〜1.0%)などである。 不活性ガスの例は窒素および二酸化炭素である。 緩衝剤は主として、pHが顕著に変化した場合に起きがちな化学的劣化に対し 、 溶液を安定化させるために使用される。通常使用される緩衝系は、体内に注入さ れた場合に体内の緩衝系を著しく阻害しないように、できるだけ低い緩衝能力を 有するものとする。緩衝液の範囲および活性度に対する緩衝液の効果については 事前に評価しておかねばならない。標的となる悪性組織または病変部に対してp Hに基づく区分けを行うために最適な条件とするためには、(緩衝剤による)適 切な調節が有用である。 そのような緩衝系の例としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香 酸、クエン酸、グリシン、乳酸、酒石酸、塩酸、燐酸、硫酸、炭酸、重炭酸など の酸類;ならびにそれらのカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム塩 類およびジエタノールアミン塩などが挙げられる。 浸透性は非常に重要であり、通常低浸透圧溶液は塩化ナトリウム、塩化カリウ ム、塩化マグネシウムおよび塩化カルシウム等の塩、ならびにデキストロース、 ラクトース、マンニトールおよびソルビトールなどの糖を加えることによって浸 透圧を調整する。 溶液を複数用量の容器から投薬する場合には、静菌性または静真菌性濃度の殺 菌剤を添加しなければならない。最も頻繁に使用される化合物類および濃度は、 フェニル水銀酸(0.002〜0.01%)、チメロサール(0.01%)、塩 化ベンゼトニウム(0.01%)、塩化ベンザルコニウム(0.01%)、フェ ノールまたはクレゾール(0.5%)、クロロブタノール(0.5%)、ベンジ ルアルコール(2.0%)、p−オキシ安息香酸メチル(0.18%)、p−オ キシ安息香酸プロピル(0.02%)などである。 ポルフィセンとその溶剤および添加物を混合した後、通常24μm以上の粒状 物質を除去するためにフィルター処理し、更に0.2μmまでの粒状物質を除去 して、微生物の除去と低温滅菌ができるように処理される。この溶液は無菌状態 で充填される。最終的な溶液は更に最終容器中で、オートクレーブ処理などの熱 的な方法、または電離放射線などの非熱的方法により殺菌される。凍結乾燥法は 望ましくない熱および酸化分解を防ぎ、安定性を強化し、溶解性を増すために使 用することができる。局所処方 本発明のポルフィセン化合物は局所剤として、PDT治療に有効なポルフィセ ン化合物の有効量を含む浸透溶剤またはローション、クリーム、軟膏またはゲル の形に処方することができる。 好適な浸透用の溶剤はポルフィセン化合物の経皮浸透性を増強する溶剤である 。この特性を有する溶剤としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミ ド、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、アジピン酸ジイソプ ロピル、ジエチルトルアミド、ならびに特性がやや弱いがプロピレングリコール などが挙げられる。その他の溶剤としては、置換アザシクロアルカン−2−オン 類が挙げられ、シクロアルキル基中に5〜7個の炭素を含む1−ドデシルアザシ クロヘプタン−2−オン(AZONE)、ならびに本明細書の一部を構成するも のとしてここに援用する米国特許第3,989,816号に記述されているその 他のアザシクロアルカン−2−オン類が挙げられる。 同じくこれらの溶剤に含まれるものとしては、米国特許第3,989,815 号(本明細書の一部を構成するものとしてここに援用)に記述されているN−ビ ス−アゾシクロペンタン−2−オニルアルカン類、米国特許第3,991,20 3号(本明細書の一部を構成するものとしてここに援用)に記述されている1− 置換アザシクロペンタン−2−オン類および米国特許第4,411,893号( 本明細書の一部を構成するものとしてここに援用)に記述されている水溶性三級 アミンオキサイド類が挙げられる。 局所処方品はPDT治療に有効な十分の量のポルフィセン化合物を含む。一般 的には、濃度範囲0.001〜5重量%、好ましくは約1〜5重量%が使用され る。典型的なローションとクリーム処方については以下に示す。 本発明のポルフィセン化合物とともに使用されるその他の局所処方は、米国特 許第3,592,930号および米国特許第4,017,615号(本明細書の 一部を構成するものとしてここに援用)に開示されている。 局所処方品は、ポルフィセンをアルコール、ジメチルスルホキシド、炭酸プロ ピレン、ジエチルトルアミド(DEET)、アジピン酸ジイソプロピル(DIP A)などの溶剤と混合し、ゲル化剤を加えることによってゲル状に調 ット社、イリノイ州タスコーラ)であり、特にM−5級が望ましい。ゲル化剤は 通常望ましい粘度のゲルとするために約5〜12重量%使用される。当然のこと ながら、それより多いかまたは少ないゲル化剤を含むゲルは粘度が少し高くなる か、または低くなる。熟練当業者であれば、ゲル化剤の濃度を調節することによ り容易に望ましいゲル粘度を得ることができる。共溶媒および/または界面活性 剤などの添加物はしばしばゲル特性を改善することがあり、必要に応じ追加され る。好適な共溶媒/界面活性剤としてはプロピレングリコールおよびグリセリン が挙げられる。これらの添加物は、溶剤とゲル化剤の混合物中に機械的に混合し てゲル中に含ませることができる。リポソームまたは微細小胞調製品 リポソーム類およびリポソーム類を調製する方法は公知であり、たとえば米国 特許第4,452,747号および米国特許第4,448,765号に記述され ている。これらの米国特許を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用す る。リポソームは脂質またはポリマー膜中に液体を封入している小胞である。本 発明のポルフィセン化合物はリポソーム小胞中に組み入れ、この形で局所用およ び非経口用に使用される。局所用および非経口用リポソーム処方については本技 術分野で公知である。特定の不飽和脂質から製作される超音波処理単層リポソー ム類は本発明のいくつかのポルフィセン類の安定な担体であることが知られてい る。米国特許第4,837,028号は循環時間を早めた注射用リポソーム処方 を開示している。このリポソームは0.08〜0.5ミクロンの大きさで、スフ ィンゴミエリンなどの膜強化成分を少なくとも50モル%含み、更に約5〜15 モル%のガングリオシドGM1を含んでいる。少量の溶解性薬用化合物を封入す るためのリポソーム処方については米国特許第4,721,612号に開示され ている。これらの米国特許の記載を本明細書の一部を構成するものとしてここに 援用する。 薬用組成物または処方中に治療有効量の一またはそれ以上のポルフィセン化合 物を、固体腫瘍(ガン)または乾癬などの治療可能な状態の患者に投与した後、 たとえば患者の身体の疾患部位に、使用した特定のポルフィセン化合物によって 吸収される適当な波長を持つ治療有効量の光を曝露する。好適な波長は通常約6 00から約900nm、好ましくは約600から約700nmである。蓄積され たポルフィセンに対する照射によって通常、一重項酸素が発生するが、これが新 生物細胞の破壊に寄与する実際の致死性物質であると考えられている。 本発明のポルフィセン化合物を使用する光力学的治療は多くの利点を有する。 ポルフィセン化合物そのものは非励起状態では毒性は極めて少ない。それぞれの ポルフィセン分子は繰り返し光活性化することができ、毎回40〜60%が細胞 致死事象につながる;つまり一重項酸素の発生である。一重項酸素の半減期は、 室温の水中で約4μ秒である。したがって標的細胞は、致死性の一重項酸素が隣 接する健康な組織細胞に移動する機会が少ない状態で作用を受けることになる。 好ましくは、この一重項酸素分子は標的細胞壁またはミトコンドリア中の化学結 合を切断し、標的細胞の破壊を起こす。標的細胞組織の破壊はポルフィセン化合 物への照射によって直ちに起きる。標的細胞の間接的な死亡はまた、付随して起 こる酸素供給の制限による腫瘍脈管系の破壊によってももたらされる。 従って本発明の化合物を使用する光力学的治療は指向性を有し、また健康組織 に対する毒性は極めて少ない。発生する一重項酸素分子のうち反応しないものは 急速に崩壊し、無害の基底状態酸素分子となる。 光力学的治療および照射技術については熟練当業者に周知であり、本発明の新 規なポルフィセン化合物に適用することができる。照射治療の時間と反復期間に ついては治療専門家(医師または照射技師)が、公知の光力学的治療基準に基づ いて選択することができる。ポルフィセン化合物の用量は破壊すべき標的組織の 大きさおよび部位ならびに投与方法により異なる。一般的には、用量は体重キロ グラム当たりのポルフィセン化合物として0.05〜10mgの範囲、更に好ま しくは0.1〜5.0mg/kgの範囲である。 照射は通常ポルフィセン化合物の非経口投与後2分後から4日後以内に行われ る。通常、光力学治療はテトラキス(アルコキシアルキル)ポルフィセンの全身 投与後約5分から24時間以内に開始される。局所投与染料の場合には、乾癬、 性器いぼ(genital warts)、バクテリア感染などに対する治療用の染料適用後 3分以内に照射を開始し、個々の染料取り込み特性に応じて照射は投与後24時 間を超えない範囲で行うことが好ましいであろう。光力学治療後には光毒性を少 なくするために非治療光源への曝露は直ちに避けるようにしなければならない。 光力学治療に影響される範囲を限定するために患者には適切なドレープを使用す ることができる。 好ましく使用される光源については当業界では周知であり、適切なフィルター を使用する非コヒーレント光源からレーザーまで種々のものがある。上に特記し たように、好ましい波長は600〜900nmであり、特に好ましくは約600 〜700nmである。患部に適用する光の総量は使用する方法ならびに腫瘍また は局所病変部の位置によって異なる。通常、光量は約10〜300J−cm2の 範囲、好ましくは20〜200J−cm2の範囲である。 本発明を一般的に説明してきたが、以下の具体的な実施例を参照することによ って更に理解を深めることができよう。ただしそれらの実施例は特記しない限り 、本発明を限定するためのものではなく、一般的な説明のためのみに提示するも のである。なお、実施に便なるように構成化した手順は現在形で、研究室で実施 した手順については過去形で記述した。 実施例 実施例1 9−(N−Boc−4−アミノブチロキシ)−2,7,12,17− テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン (PbO2法) 2,7,12,17−テトラキス−(メトキシエチル)ポルフィセン(108 mg,0.2mmol)とN−Boc−4−アミノブチル酸(0.5g)をジク ロロメタン(20ml)に溶解して得た溶液をPbO2(134mg,0.6m mol)に加え、室温で8〜10週間攪拌した。次いで混合液を水(100ml )中に加え、ジクロロメタン(50ml)で抽出した。有機相を5%水性炭酸水 素ナトリウム(50ml)で二回、水で二回洗浄後、分離した有機層を真空下で 蒸発させた。残渣をジクロロメタン/酢酸エチル(1:1)によるシリカゲルク ロマトグラフィー(カラム=15×4cm)に付した。最初に溶出してきた画分 は未変性テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセンからなり、これをジクロロ メタン/メタノールから結晶化させて27mgを得た。溶媒を蒸発させ、ジクロ ロメタン/n−ヘキサンによる二番目に大きな画分の残渣を結晶化して、標記化 合物を133〜134℃の融点を有する青色針状結晶として得た。収量:47m g、31%(回収されたTMPnベースで42%)。 必要とされる出発物質である9−アセトキシ−テトラキス(メトキシエチル) ポルフィセンの合成は本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する米国 特許第5,179,120に記載されている。 実施例2 9−ヒドロキシ−2,7,12,17−テトラキス(メトキシエチル )ポルフィセン 9−アセトキシ−2,7,12,17−テトラキス(メトキシエチル)ポルフ ィセン(120mg,0.2mmol)を乾燥(dry)テトラヒドロフラン(15 0ml)と無水メタノール(15ml)に溶解した。これを室温で攪拌し ながら、ナトリウムメトキシド(162mg,3mmol)を直ちに加えた。こ の青緑色の混合液を1分間激しく攪拌し、次いでジエチルエーテル(150ml )で希釈し、氷冷5%水性塩化ナトリウムで一回抽出し、水で2回抽出した。分 離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を真空下で除去し、残 渣をテトラヒドロフラン/n−ヘキサンから再結晶化した。204〜206℃の 融点(分解)を有する青色の微小針状結晶として標記化合物を得た。収量:95 mg(85%)。 実施例3 9−メトキシ−2,7,12,17−テトラキス(メトキシエチル) ポルフィセン 9−ヒドロキシ−テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン(56mg,0 .1mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を10%水性水酸化ナト リウム(20ml)に加え、室温で5分間激しく攪拌した。混合液をジメチルサ ルフェート(5ml)で処理し、更に2時間攪拌した。混合液を5%水性塩化ナ トリウム(100ml)で三回洗浄後、分離した有機層を真空下で蒸発させた。 青い残渣をジクロロメタン/酢酸エチル(1:1)によるシリカゲルクロマトグ ラフィー(カラム=20×4cm)に付した。溶媒を蒸発させ、主画分残渣をC H2Cl2/n−ヘキサンから結晶化させて、標記化合物を121〜123℃の融 点を有する青色の微小針状結晶として得た。収量:36mg、64%。 実施例4 9−(N−Boc−グリシンオキシ)−2,7,12,17−テトラ キス(メトキシエチル)ポルフィセン 9−ヒドロキシ−テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン(56mg、0 .1mmol)を無水テトラヒドロフラン(5ml)と無水ピリジン(3ml) に溶解した。溶液を攪拌し、N−Boc−グリシン(175mg,1mmol) とジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、溶液206mg,1 mmol)の無水テトラヒドロフラン(5ml)とを加えた。更に室温で二時間 攪拌した後、不溶性物質(DCU)を濾去し、ジエチルエーテルで洗浄した。有 機性溶液を合一し10%硫酸で二回、水で一回、5%水性炭酸水素ナトリウムで 一回洗浄した後、分離した有機層を真空下で蒸発させた。青い残渣をジクロロメ タン/酢酸エチル(5:1)によるシリカゲルクロマトグラフィー(カラム=2 0×4cm)に付した。ジシクロヘキシルウレア(DCU)を完全に溶出させ分 離するために、混合溶媒の組成を徐々に5:1から2:1へと変えることが必要 であった。ポルフィセンの主画分の溶出、溶媒の蒸発除去、及び残渣のCH2C l2/n−ヘキサンからの結晶化によって、標記化合物を147〜148℃の融 点を有する青色繊維性針状結晶として得た。収量:61.5mg(86%)。 実施例5 9−アミノ−2,7,12,17−テトラキス(メトキシエチル)ポ ルフィセン テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン(542mg,1mmol)をジ クロロメタン(250ml)と氷酢酸(350ml)に溶解し、細かく磨砕した 硝酸銀(680mg,4mmol)に加えた。懸濁液を攪拌し還流下で20〜2 5分加熱した。その後反応液を薄層クロマトグラフィー(TLC:ジクロロメタ ン/酢酸エチル(3:1)、シリカゲル)に付すことができる。室温に冷却後不 溶物を除去し、溶液を水で二回洗浄した。有機層を氷冷した5%水性水酸化ナト リウムでpH6〜6.5とし、最後に水で洗浄した。9−ニトロ−テトラキス( メトキシエチル)ポルフィセンの粗生成物はジクロロメタン(300ml)中に 残留しており、水(200ml)に水酸化ナトリウム(40g、1mol)を溶 解させた溶液と水(200ml)に亜ジチオン酸ナトリウム(36g、0.2m ol)を溶解させた溶液とを加えた。混合液を45分間激しく攪拌しながら還流 した(TLC:ジクロロメタン/酢酸エチル(3:1)、シリカゲル)。 室温に冷却し二相を分けた後に、有機層を水で三回洗浄し、有機溶剤を真空下で 蒸発させた。ジクロロメタン/メタノールから青緑色の残渣を再結晶化して、4 68mg(84%)の9−アミノ−テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン を193〜195℃の融点を有する暗紫色の微小針状結晶として得た。 実施例6 9−(グルタル酸メチルエステルアミド)−2,7,12,17−テ トラキス(メトキシエチル)ポルフィセン 9−アミノ−テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン(468mg,0. 84mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(60ml)と乾燥ピリジン(15m l)に溶解した。溶液を攪拌しつつ、室温下で10分間、グルタルメチルエステ ル酸クロリド(1ml,7mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(40ml)中 に溶解した溶液を滴下した。混合物を室温で更に1時間攪拌し、ジクロロメタン で希釈し、0℃に冷却し、氷冷水で処理した。混合溶媒を10%硫酸で2回、水 で二回、5%水性炭酸水素ナトリウムで一回、洗浄した。有機層を分離し溶媒を 蒸発させたのち、残渣をジクロロメタン/酢酸エチル/メタノール(4:4:1 )によるシリカゲルクロマトグラフィー(カラム=30×4cm)に付した。真 空下、溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン/ヘキサンからの主画分の残渣を再結晶 化して、標記化合物である、9−(グルタル酸メチルエステルアミド)テトラキ ス(メトキシエチル)ポルフィセンを146〜147℃の融点を有する紫色針状 結晶として得た。収量:534mg(92%)。 実施例7 9−グルタルアミド−2,7,12,17−テトラキス(メトキシエ チル)ポルフィセン 9−グルタル酸メチルエステルアミドテトラキス(メトキシエチル)ポルフィ セン(68.5mg,0.1mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶 解し、これを室温で攪拌しながら5分間以内でメタノール(20ml)及び4N の水性水酸化ナトリウム(10ml)を滴下した。反応物を更に1時間攪拌し、 氷冷した5%酢酸(150ml)を全部加えて中和、次いで酸性とし、酸性条件 下で沈降させた。懸濁液を更に1時間攪拌し、フレーク状の沈降物を濾去し、水 で洗浄し乾燥した。精製操作は、青色の残渣をジクロロメタンに再溶解させ、濾 過し、n−ヘキサン添加後、再結晶させた。標記化合物を171〜173℃の融 点を有する青色微小針状結晶として得た。収量:56mg(83%)。 以下に記載するカロテノイドの合成は、遮光及び保護ガス(アルゴン)雰囲気 条件下で行った。使用した溶媒はすべて水分とその他の不純物を除去する処理を 行い、アルゴンで飽和させた。クロマトグラフィー手法による分離は、高溶出速 度と短接触時間(フラッシュクロマトグラフィー)で行った。 実施例8 4−(メトキシカルボニル)ベンジルトリフェニルホスホニウム ブ ロマイド トリフェニルホスフィン(3.44g,13mmol)の乾燥トルエン(10 0ml)溶液を250mlのフラスコに加えアルゴンを通した。4−(ブロモメ チル)安息香酸メチルエステル(3g,13mmol)を加え、この混合液を攪 拌しながら2時間加熱還流した。沈殿した白色ホスホニウム塩を冷却した混合液 から分離し、無水トルエンで洗浄した後、真空下で乾燥させた。この微細結晶は 、251〜252℃で融解した。収量:5.85g、91% 実施例9 4−(β−Apo−7’−カロテニル)安息香酸メチルエステル 4−(メトキシカルボニル)ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド( 860mg,1.8mmol)、ナトリウムメタノレート(173mg,3.2 mmol)及びβ−Apo−8’−カロテナール(500mg,1.2mmol )を無水トルエン(25ml)に溶解した。この暗色の液体を、還流下で3時間 加熱した。反応経過をジクロロメタン/酢酸エチル(5:1)によるシ リカゲル薄層クロマトグラフィーでモニターし、更にホスホニウムブロマイド( 500mg,1mmol)とナトリウムメタノレート(100mg,1.8mm ol)を加えた。更に4〜5時間還流した後、完全に反応した混合液を冷却し、 ジクロロメタン(150ml)で希釈し、水(分割量:150ml)で3回抽出 した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した後、赤茶 色の残渣を不活性条件下でジクロロメタン/酢酸エチル(5:1)によるシリカ ゲルクロマトグラフィー(カラム=15×4cm)に付した。赤色の前留分に続 き、橙色の主画分が溶出し、これから溶媒を真空下で蒸発させ、ジクロロメタン /ヘキサンから再結晶化してカロテノイドメチルエステル(405mg,61% )を得た。この赤色結晶の融点は、168〜170℃であった。 実施例10 4−(β−Apo−7’−カロテニル)安息香酸 5N水酸化ナトリウム(6ml)を、4−(β−Apo−7’−カロテニル) 安息香酸メチルエステル(220mg,0.4mmol)をテトラヒドロフラン (40ml)とメタノール(10ml)に溶解して得た溶液に加え、その混合液 を軽度の防護及びアルゴン雰囲気下、室温で12時間攪拌した。この混合液を冷 却し、5%硫酸でpH1〜2とした後、ジクロロメタンで三回抽出した。有機層 を合一し水で二回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を 除去した。橙赤色のカロテノイドカルボン酸の収量は200mg(92%)であ った。ジクロロメタン/ヘキサンからの再結晶化により赤色微細結晶が得られ、 その融点は230〜232℃であった。 実施例11 4−(β−Apo−7’−カロテニル)ベンゾイルクロライド 4−(β−Apo−7’−カロテニル)安息香酸(80mg,0.15mmo l)を無水トルエン(4ml)と無水ピリジン(2ml)に溶解した。この混合 液に、塩化チオニル(55μl、0.75mmol)の無水トルエン(3 ml)液を滴下し、室温で10〜12分継続して攪拌した。その混合溶媒と過剰 の塩化チオニルを、18〜22℃の水浴による水流吸引によって除去し、残った 赤茶色の酸クロライドを無水テトラヒドロフラン(5ml)に吸収させた。 実施例12 9−(4−(β−Apo−7’−カロテニル)ベンゾイルオキシ) −2,7,12,17−テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン 実施例11の酸クロライド溶液を、9−ヒドロキシ−テトラキス(メトキシエ チル)ポルフィセン(56mg,0.1mmol)をテトラヒドロフラン(5m l)と無水ピリジン(3ml)に溶解して得た溶液に滴下して加え、その混合液 を更に1時間室温で攪拌した。この混合液をジクロロメタン(100ml)で希 釈し、氷水で加水分解し、氷冷した新鮮な10%硫酸で二回抽出した。有機相を 5%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄後、水で洗浄し、溶媒を真空下で除去した。 得られた黒褐色の残渣を不活性雰囲気中でシリカゲルクロマトグラフィー(ジク ロロメタン:酢酸エチル=5:1)に付した(カラム:20×4cm)。橙色の 前留分に続き、赤褐色の生成物画分が溶出し、溶出液の蒸発、ジクロロメタン: メタノールからの再結晶によって56mg(52%)の黒褐色の微細結晶性9− O−カロテノポルフィセンを得た。この物質は溶液状態の時、特に光と酸素に対 して感受性を有し、154〜156℃で融解した。 実施例13 9−(4−〔β−Apo−7’−カロテニル)ベンズアミド)−2 ,7,12,17−テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン 実施例11のカロテニル酸クロライド溶液を、9−アミノ−テトラキス(メト キシエチル)ポルフィセン(56mg,0.1mmol)を無水テトラヒドロフ ラン(5ml)と無水ピリジン(3ml)に溶解して得た溶液に滴下して加え、 その混合液を更に1時間室温で攪拌した。この混合液をジクロロメタン(100 ml)で希釈し、氷水で加水分解し、氷冷した10%硫酸で二回抽出した。有機 相を5%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄後、水で洗浄し、溶媒を真空下で除去し た。得られた黒褐色の残渣を不活性雰囲気中でシリカゲルクロマトグラフィー( ジクロロメタン:酢酸エチル=5:1)に付した(カラム:20×4cm)。橙 色の前留分に続き、茶色の生成物画分が溶出し、溶出液の蒸発、ジクロロメタン :メタノールからの再結晶によって60mg(56%)の黒褐色の微細結晶性9 −O−カロテンアミドポルフィセンを得た。この物質は溶液状態の時、特に光と 酸素に対して感受性を有し、174〜176℃で融解した。 上記の教示に鑑み、本発明に数多くの修正と変更が可能であることは明らかで ある。従って、本発明は添付の特許請求の範囲内において、本明細書において明 示された以外の態様で実施され得るものと了解されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ハルペルン,オットー スペイン国 イー−17320 トッサ デ マール,アパルタド 277 (72)発明者 クロス,アレクサンダー,ディー. アメリカ合衆国 94025 カリフォルニア 州,アサートン,パーク レーン 286 【要約の続き】 (式中、Lは−OC(O)−または−NHC(O)−で ある)〕;及びその塩並びに錯体であって、当該ポルフ ィセンは9−アセトキシ−2,7,12,17−テトラ キス(メトキシエチル)ポルフィセン以外であるもの。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次式で表されるポルフィセン: 〔式中、Rはそれぞれ、互いに独立して、−(CH2n−X(ここでn=1〜1 0、X=OR1、R1はアルキル、アラルキルまたはアリール)であり; R2は(1):ヒドロキシ、アルコキシまたはOCOR3(ここでR3は−(C H2m−Yで、m=1〜10、またYは以下のいずれか: (a)水素またはハロゲン、 (b)C(O)OR4(式中、R4は水素、アルキル、アリール、アラルキル、シ クロアルキルまたはシクロアルキルアルキル)、 (c)NR56(式中、R5およびR6は独立して、水素、アルキル、アリール、 アラルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル、あるいはR5とR6 が窒素原子で結合され、それにO、NR4またはS環を更に含んでもよい3〜7 員のヘテロ環が結合したものであり、R4は前述の通り)、 (d)NR456+-(式中、A-はアニオンであり、R4、R5およびR6は前 述の通り)、 (e)NH−C(O)OR4(式中、R4は上述の通り))、あるいは R2は(2):OC(O)R7(ここでR7は置換されたもしくは非置換のアリ ール基であるかあるいは−CHR8=CHR9−R10(ここでR8とR9は独立して 水素またはC1-6アルキル、R10はアルキル、アリール、アラルキル、シ クロアルキル、またはシクロアルキルアルキル)、あるいは R2は(3): (a)NR1112(ここでR11とR12は独立して水素、アルキル、アリール、ア ラルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル)、若しくは (b)NHCO−(CH2p−ZあるいはNHCO−O(CH2p−Z(ここで p=1〜10、ZはH、OH、NR1112、C(O)OR4、OC(O)R4、C (O)NHR4またはNHC(O)OR4で、R4、R11、R12は前記の通り)、 さらにあるいは R2は(4): (式中、Lは−OC(O)−または−NHC(O)−である)〕;及びその塩並 びに錯体であって、当該ポルフィセンは9−アセトキシ−2,7,12,17− テトラキス(メトキシエチル)ポルフィセン以外であるもの。 2.RがC1-6アルキルでn=1〜6である、請求項1に記載のポルフィセン。 3.R2がヒドロキシまたはアルコキシである、請求項1に記載のポルフィセン 。 4.R2が−OCOR3、R3が(CH2m−Y、m=1〜6及びYが水素または ハロゲンである、請求項1記載のポルフィセン。 5.R2が−OCOR3、R3が(CH2m−Y、m=1〜6、YがCOOR4、 R4がC1ー6アルキルである、請求項1に記載のポルフィセン。 6.R2が−OCOR3、R3が(CH2m−Y、m=1〜6、YがNR54、ま たはNR456+-、及びR4、R5、R6がC1-6アルキルである、請求項1に 記載のポルフィセン。 7.R2が−OCOR3、R3が(CH2m−Y、m=1〜6、YがNH−C(O )OR4、及びR4がC1ー6アルキルである、請求項1に記載のポルフィセン。 8.R2がOC(O)R7、R7がフェニル基または−CHR8=CHR9−R108 とR9は水素またはC1-6アルキル、R10はC1ー6アルキルまたはフェニルである 、請求項1に記載のポルフィセン。 9.R2がNR1112、R11とR12が独立して水素またはC1ー6アルキルである、 請求項1に記載のポルフィセン。 10.R2−NHCO(CH2p−Zまたは−NH(CH2p+1−Z、p=1〜 6、ZがH、OH、OCOR4、またはC(O)OR4で、R4がHまたはC1ー6ア ルキルである、請求項1に記載のポルフィセン。 11.R2が−NHCO(CH2p−Z、p=l、Z=Hである、請求項10に 記載のポルフィセン。 12.R2が−NHCO(CH2p−Zまたは−NH(CH2p+1−Z、p=1 〜6、ZがNH2またはNHC(O)OR4で、R4がHまたはC1ー6アルキルであ る、請求項1に記載のポルフィセン。 13.R2が次の式III: 〔式中、Lは−OC(O)−または−NHC(O)−である〕、請求項1に記載 のポルフィセン。 14.請求項1に記載のポルフィセンの有効量と医薬として許容される担体とを 含有する医薬組成物。 15.前記ポルフィセンがリポソーム内に含有される、請求項14に記載の医薬 組成物。 16.前記組成物が分散液を包含する、請求項14に記載の医薬組成物。 17.前記組成物が溶液を包含する、請求項14に記載の医薬組成物。 18.治療を必要とする患者に対して請求項1に記載のポルフィセンの有効量を 投与することを包含する、光力学的治療方法。
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