JPH11502833A - 凝固因子viiiもしくは因子ixを水溶液中に含む蛋白質処方物 - Google Patents

凝固因子viiiもしくは因子ixを水溶液中に含む蛋白質処方物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、凝固因子VIIIおよび因子IXよりなる群から選択される血漿蛋白質の水性溶液における最終薬剤製品に関するものであり、溶液における酸素の濃度を減少させかつ/または溶液が酸化防止剤を含有し、溶液はさらに少なくとも350mg/mLの濃度の炭水化物を含有する。このようにして、蛋白質活性を少なくとも6か月間の貯蔵後にも実質的に保持することができる。さらに本発明は最終薬剤製品の製造方法、並びに水溶液における凝固因子VIIIおよび因子IXの長期安定性の向上方法にも関し、溶液は少なくとも350mg/mLの濃度の炭水化物を含有し、溶液をその最終容器内に酸素減少雰囲気下で貯蔵する。

Description

【発明の詳細な説明】 凝固因子VIIIもしくは因子IXを 水溶液中に含む蛋白質処方物 発明の技術分野 本発明は、凝固因子(coagulation factor)VIIIおよび因子IXよりなる 群から選択される血漿蛋白質の水性溶液における最終薬剤製品に関するものであ り、溶液における酸素の濃度を減少させかつ/または溶液が酸化防止剤を含有し 、溶液はさらに少なくとも350mg/mLの濃度の炭水化物を含有する。この ようにして、蛋白質活性は少なくとも6か月間にわたる貯蔵の後にも実質的に保 持することができる。さらに本発明は最終薬剤製品の製造方法、並びに水溶液に おける凝固因子VIIIおよび因子IXの長期安定性の向上方法にも関するもの であり、溶液は少なくとも350mg/mLの濃度の炭水化物を含有し、溶液は 酸素減少雰囲気下で最終容器内に貯蔵される。発明の背景 医薬工業では一般に蛋白質の安定性が問題となる。しばしば、これはたとえば 凍結乾燥のような各種の乾燥過程で蛋白質を乾 燥させることにより解決されている。その後、蛋白質は乾燥した形態で分配およ び貯蔵される。乾燥もしくは凍結乾燥の前の溶液、乾燥された物質および再編成 された生成物は、全て乾燥過程および貯蔵もしくは取扱いに際し、活性の実質的 損失を回避すべく安定性でなければならない。凍結乾燥法は高価かつ時間のかか る工程であって、生産物の収率を低下させる。したがって市販製品を製造する際 にこの工程を回避できれば極めて有利である。さらに患者は必ず乾燥蛋白質を使 用前に溶剤にて再編成せねばならず、これは患者にとって不便である。 血友病は何世紀にもわたり知られた遺伝病であるが、各種の形態(すなわち血 友病Aおよび血友病B)を区別することが可能になったのは最後の40年以内に 過ぎない。血友病Aは最も頻度の高い形態である。これは10,000人の誕生 男性当たり1人または2人の発生率にて男性にのみ罹患する。この病気は、生物 学上活性な凝固因子VIII(アンチヘモフィリック ファクター)、すなわち 血漿中に一般に存在する蛋白質の強度の減少レベルもしくは不存在によって生ず る。血友病Aの臨床的徴候は強度の出血傾向であり、因子VIII濃厚物での処 置が導入される前には問題とする患者の平均年齢は20才未満 であった。血漿から得られる因子VIIIの濃厚物は約30年間にわたり入手し うる。これは血友病患者の処置の状況を相当に改善し、正常な生活を送る可能性 を与えた。 低濃度のたとえば因子VIIIのような蛋白質を含む処方物は一般に精製、無 菌製造、包装および投与の際に活性を失う。この問題は一般に、活性蛋白質の損 失を相当に減少させるヒト血清アルブミン(HSA)の添加により解決される。 HSAは精製、無菌製造および凍結乾燥の際に一般的な安定化剤として機能する [ワング等、ジャーナル・オブ・パレンテラル・サイエンス・アンド・テクノロ ジー、第42巻、No.2S、補遺1988、参照]。因子VIIIを安定化す るためのHSAの使用も公知であって、現在では市販の高度に精製された全ての 因子VIII生産物にて使用される。しかしながら、HSAの使用はコスト高で あり、組換DNA技術により製造される治療蛋白質へのHSAの添加を回避する ことが望ましい。さらに処方賦形薬としてのHSAの使用はしばしば、蛋白質特 性化につき多くの最も強力かつ鋭敏な分析法の使用を制限する。 HSAを使用せずに各種の蛋白質を安定化すべく数種の溶液が提案されている 。たとえばファルマシア社に係るWO−A− 94/26286号は、直ちに使用しうる因子VIII溶液の安定性を向上させ る手段として、酸素濃度を減少させることを提案している。さらに、たとえば二 糖類もしくは糖アルコールのような炭水化物も、低純度にて慣用の因子VIII 製品を含有する溶液を安定化すべく従来使用されている。たとえば、オクタファ ルマ社に係る特許明細書WO−A−91/10439号は、因子VIIIもしく は因子IXを含有すると共に0.1〜0.9モル/Lの濃度にて天然もしくは合 成の二糖類を含む注射溶液を開示している。 二糖類もしくは糖アルコールのような炭水化物も、ウィルスを失活させるため の熱処理に際し、因子VIII組成物を安定化するべく従来使用されている。た とえばグリーン・クロスに係る特許明細書EP−B− 0 117 064号は 、少なくとも1,500mg/mLの糖アルコールもしくは二糖類安定化剤、好 ましくはソルビトールもしくは蔗糖の存在を開示している。この方法は30〜8 0℃にて3〜24時間にわたり或いは90℃にて1分間行うことができる。糖ア ルコールもしくは二糖類を、熱処理後にたとえば限外濾過により除去する。ベー リングウェルケに係る特許明細書EP−A−0 018 56 1号は、アミノ酸および20〜60%(w/w)の単糖類、オリゴ糖もしくは糖 アルコールの存在を開示している。これは、溶液の比重を1と仮定して500〜 1,500/mLの蔗糖もしくはアルコールに相当する。この方法は30〜10 0℃にて1分間〜48時間行うことができる。オクタファルマ社に係る特許明細 書WO−A−94/17834号は、蛋白質とジアルキルホスフェートもしくは トリアルキルホスフェートとを含有する組成物を55〜67℃にて5〜30時間 にわたり熱処理して脂質エンベロプを欠失したウィルスを失活させることを開示 している。この組成物はさらに安定化剤、たとえば蔗糖、ソルビトールまたは短 鎖の中性アミノ酸をも含有することができる。 クアドラント・ビオリソーシスに係るWO−A−87/00196号は、室温 での乾燥に際し蛋白質および他の巨大分子を変性しないよう防止するためのトレ ハロースの使用を開示している。その実施例は、試験した化合物(主として抗生 物質および酵素)が乾燥過程に際し安定化されるだけでなく、比較的高い周囲温 度にて長期貯蔵に対しても安定化されることを示す。因子VIIIもしくは因子 IXに関する情報もなければ、減少 濃度の酸素を含む水溶液についても情報が存在しない。 クアドラント・ホールジングス・ケンブリッジに係るWO−A−91/180 91号には、糖類が生物学的物質もしくは有機化合物を安定化させるための限ら れた用途しか持たないと述べられている。特に、たとえば蔗糖のような非還元性 糖は極めて劣った長期安定性を与えると述べられている。この問題を解決すべく WO−A−91/18091号は或る種の糖もしくは糖誘導体の使用を開示して おり、これらは結晶化せずに乾燥することができ、トレハローズの作用を再現し うる非還元性ポリヒドロキシ化合物である。より詳細には糖もしくは糖誘導体は 、(i)糖アルコールおよび他の直鎖ポリアルコールから選択されたポリヒドロ キシ化合物の非還元性グリコシド或いは(i)ラフィノーズ、スタキオースおよ びメレチトースから選択された非還元性オリゴ糖から選択される。因子VIII もしくは因子IXに関する情報も存在しなければ、減少濃度の酸素を含む水溶液 に関する情報も存在しない。 蛋白質をアルブミンの添加なしに長期の貯蔵寿命にて処方すると共に患者に安 定溶液として分配しうれば血漿蛋白質の使用および製造が容易化されよう。さら に、患者にとってこの種の 溶液は最終薬剤製品の取扱いを容易化させるであろう。患者は再編成なしに、最 終薬剤製品の内容物を直接投与(たとえば注射)することができる。発明の要点 すなわち因子VIII溶液は、約2日間未満の時間にわたり各種の安定化剤を 含有する溶液を熱処理してウィルス失活させる。しかしながら、短時間にわたり 高温度にかけられた蛋白質を安定化させる技術は、数か月もしくは数年間にわた り低温度もしくは周囲温度にて貯蔵する際の安定性に直接移行させることができ ない。これは、一般に添加される蔗糖もしくは糖アルコールが熱処理前の工程に て故意に或いは不可避的に除去されるので特に当てはまる。これについてはシュ ビン等、アルツナイム・フォルシュンク/ドラグ・リサーチ、第39(II)巻 、第10号、第1302〜1305頁(1989)が参照される。さらに、処方 物の無菌製造における製造可能性も考慮せねばならない。 驚くことに本発明者等は、凝固因子VIIIもしくは因子IXを含有する直ち に使用しうる水性溶液の貯蔵安定性を高比率の炭水化物の存在により劇的に向上 させうることを突き止め た。さらに、高比率の炭水化物を含有する因子VIII水性溶液は、炭水化物の 濃度を低下させる中間工程なしに直接に無菌濾過しうることも驚異的である。 したがって本発明は、凝固因子VIIIおよび因子IXよりなる群から選択さ れる血漿蛋白質の水性溶液における最終薬剤製品に関し、溶液における酸素の濃 度を減少させおよび/または溶液が酸化防止剤を含有し、さらに溶液は少なくと も6か月間にわたり貯蔵した後に蛋白質活性を実質的に保持するため少なくとも 350mg/mLの濃度の炭水化物を含有することを特徴とする最終薬剤製品に 関するものである。 蛋白質活性は、炭水化物の濃度が450mg/mLから最終薬剤製品の一般的 な(保存)条件下での飽和点に至る範囲であれば、高度に保持される。好適には 、炭水化物の濃度は550mg/mLから最終薬剤製品の通常の条件下での飽和 点に至る範囲である。好ましくは、炭水化物の濃度は650mg/mLから最終 薬剤製品の通常の条件下での飽和点に至る範囲である。各炭水化物に関する飽和 濃度はたとえば温度、イオン強度、pHおよび存在すれば他の賦形薬によって影 響を受ける。 血漿蛋白質溶液における炭水化物の高濃度は、従来知られた 血漿蛋白質製品と比較し、極めて向上した貯蔵安定性を有する最終薬剤製品をも たらす。たとえば本発明の最終薬剤製品は、蛋白質活性を実質的に保持しながら 少なくとも6か月間にわたり貯蔵される。本発明において、実質的に保持される 活性は、初期値の70〜130%の範囲、好ましくは初期値の80〜120%の 範囲の活性に関係する。後者の範囲は、凍結乾燥ヒト凝固因子VIIIの効能に 関する試験の要件と一致する。たとえばヨーロッパ・ファルマコピア(1994 )、第275頁には、活性を標識値の80〜120%の範囲内に保持せねばなら ないと述べられている。好適には、本発明の最終薬剤製品は少なくとも12か月 間、好ましくは少なくとも18か月間にわたり貯蔵されると共に、因子VIII 活性を実質的に維持する。より好ましくは、本発明の最終薬剤製品は少なくとも 24か月間にわたり貯蔵される。 血漿蛋白質溶液における炭水化物の高濃度も、蛋白質活性の低下を回避しうる と従来予想されるよりも高い温度での貯蔵を可能にする。すなわち、本発明の最 終薬剤製品は0〜40℃の範囲の温度で貯蔵することができる。本発明の最終薬 剤製品は好適には2〜30℃の範囲の温度、好ましくは4〜20℃の範 囲の温度で貯蔵される。本発明の最終薬剤製品は10〜25℃の範囲の温度にて 長期間にわたり貯蔵することさえ可能である。 最終薬剤製品は、最終容器内の安定な一般に注射しうる水性溶液に関する。す なわち、最終薬剤製品は直に使用しうる安定な水性溶液で構成される。最終薬剤 製品は、1つもしくはそれ以上の無菌濾過工程および必要に応じ1つもしくは以 上のウィルス失活工程を含む精製の後に得られる。本発明にて適する容器はたと えば小壜、注射器および注射装置である。発明の詳細な説明 本発明の炭水化物は任意の医薬上許容しうる天然もしくは合成の炭水化物、た とえば単糖類、二糖類、オリゴ糖、多糖類もしくは糖アルコールまたはその混合 物から選択することができる。天然産の二糖類の例は蔗糖(サッカロース)、ト レハロース、マルトース、セロビオースおよび乳糖である。多糖類の例は澱粉お よびその誘導体、並びにセルロースおよびその誘導体である。糖アルコールはヒ ドロキシ基を有し、各種の単糖類の還元により得られる。たとえばソルビトール はグルコースの還元により得られ、マニトールはマンノースから得られる。 本発明の炭水化物は好適には天然もしくは合成の二糖類およ び糖アルコール並びにその混合物よりなる群から選択される。より好適には炭水 化物は、これが凝固因子VIIIおよび因子IX分子の分解の危険性を減少させ るため非還元性である。非還元性炭水化物の例は蔗糖、トレハロース、マニトー ル、ソルビトール、ガラクチトールおよびキシリトールである。好ましくは、非 還元性炭水化物は蔗糖もしくはソルビトールまたはその混合物である。より好ま しくは、炭水化物は蔗糖である。 さらに本発明は最終薬剤製品の製造方法にも関するものであり、この方法にお いては血漿蛋白質を水性溶液と混合し或いは血漿蛋白質を最終精製工程から緩衝 剤水性溶液により溶出させる。その後、血漿蛋白質を含有する得られた水性溶液 に炭水化物を添加する。炭水化物は、炭水化物の濃度が最終薬剤製品にて少なく とも350mg/mLとなるよう添加される。好適には、血漿蛋白質を含有する 水溶液における炭水化物の濃度は450mg/mLから最終薬剤製品に通常の条 件下での飽和点に至る範囲であり、好ましくは550mg/mL〜飽和点の範囲 、より好ましくは650mg/mL〜飽和点の範囲である。 次いで血漿蛋白質と炭水化物とを含有する水性溶液を無菌濾過する。その後、 炭水化物を含有する無菌血漿蛋白質溶液を最 終容器に分配した後、血漿蛋白質溶液の濃度を減少させる。無菌濾過後の2工程 は逆順序でも行うこともでき、すなわち炭水化物を含有する無菌血漿蛋白質溶液 の酸素濃度を先ず最初に減少させた後、血漿蛋白質溶液のその最終溶液に分配す る。 1具体例において、酸素の濃度は、水溶液を不活性ガス雰囲気にかけ、または 圧力を低下させ、或いは先ず最初に圧力を低下させ、次いで不活性ガスを導入す ることにより減少される。好ましくは、この過程は数サイクルで反復される。こ の方法により、溶液における得られる酸素の濃度は、周囲雰囲気が空気で構成さ れる場合よりも相当に低い。すなわち、この方法により、溶液における酸素濃度 は血漿蛋白質活性の実質的損失なしに低レベルまで減少させることができる。溶 液における酸素濃度は200 ppm未満、好適には50 ppm未満、好まし くは10 ppm未満、より好ましくは2ppm未満とすることができる。使用 する容器内の酸素含有量は、好ましくは容器を不活性ガス雰囲気にかけることに より、同様に低レベルまで減少させて維持することができる。 血漿蛋白質と炭水化物とを含有する水性溶液は好適にはたとえば窒素、アルゴ ンもしくはヘリウムのような不活性ガスの下 で貯蔵されて酸素の低濃度を実質的に維持する。好ましくは不活性ガスは非貴不 活性ガス、より好ましくは窒素である。 さらに酸素の低濃度は、酸化防止剤を水性溶液に添加しても実質的に維持する ことができる。すなわち他の具体例においては、無菌濾過工程の前に酸化防止剤 を添加し、さらに不活性ガス雰囲気に水溶液を晒すことにより、または圧力を低 下させることにより、或いは先ず最初に圧力を低下させ、次いで不活性ガスを導 入することにより(好ましくは数サイクル反復)酸素の濃度を減少させる。 さらにあまり好適でない他具体例においては無菌濾過工程前に、他の手段によ り酸素濃度を減少させることなく酸化防止剤を水性溶液に添加する。 酸化防止剤はグルタチオン、アセチルシステイン、メチオニン、トコフェロー ル、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールもしくはフェノー ル性化合物から選択することができる。好ましくは酸化防止剤はグルタチオン、 アセチルシステインおよびメチオニンよりなる群から選択される少なくとも1種 の化合物である。酸化防止剤の濃度および全量は使用する化合物に依存する。し たがって、濃度もしくは量は一般に 示すことができない。しかしながら、使用する場合は酸化防止剤の全量を医薬上 許容しうる量とすることが重要である。 たとえばEDTAおよびクエン酸のような錯生成剤も、これらがたとえば因子 VIIIの連鎖を結合する金属イオンよりも強力な不安定化金属イオンに対する 親和性を示せば、処方物を安定化すべく小濃度で存在させることもできる。 さらに本発明は、水性溶液における血漿蛋白質の長期安定性の向上方法にも関 し、この方法においては溶液が少なくとも350mg/mLの濃度の炭水化物を さらに含有し、溶液を酸素減少雰囲気下に(好ましくは不活性ガス雰囲気下に) その最終容器内に貯蔵する。好適には血漿蛋白質は因子VIIIであり、最終容 器に貯蔵される水性溶液の炭水化物の濃度は450mg/mLから最終薬剤製品 の通常の条件下での飽和点に至る範囲、好ましくは550mg/mLから飽和点 に至る範囲、より好ましくは650mg/mLから飽和点に至る範囲である。 本発明は主として凝固因子VIIIおよび因子IXよりなる群から選択される 血漿蛋白質に適用しうるが、これはたとえばアンチスロンビンIIIのような他 の血漿蛋白質についても有利に使用することができる。以下、本発明を因子VI IIに関 し一層詳細に説明する。 溶液のpHは好適には6.0〜8.0、好ましくは6.5〜7.5の範囲であ る。 好ましくは非イオン型表面活性剤を溶液中に存在させる。存在させる場合、非 イオン型表面活性剤は好ましくはたとえばポロキサマーのようなブロックコポリ マーまたはたとえばポリソルベート20もしくはポリソルベート80のようなポ リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選択される。 存在させる場合、非イオン型表面活性剤は臨界ミセル濃度(CMC)より高い 濃度で使用すべきである[バン・アンド・リー、ジャーナル・オブ・ファーマス ーチカル・サイエンス、第63巻、第136〜137頁(1974)参照]。ポ リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは好ましくは少なくとも0.01m g/mLの濃度で使用される。 水性溶液は塩化ナトリウムもしくは塩化カリウムをも0.1Mより性大、好ま しくは0.25Mより大の濃度にて含有することができる。 水性溶液は好適には緩衝剤を1mMより大、好ましくは10〜95mMの濃度 にて含有する。緩衝剤は好ましくはL−ヒス チジン、リジンおよびアルギニンよりなる群から選択されるアミノ酸またはその 混合物である。より好ましくは緩衝剤はL−ヒスチジンである。 最終薬剤製品は好ましくは、 (i)10〜50,000 IU/mLの組換凝固因子VIIIと、 (ii)少なくとも0.01mg/mLのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸 エステルと、 (iii)好適には0.1Mより大、好ましくは0.25Mより大の濃度におけ る塩化ナトリウムと、 (iv)好ましくは0.5mMより大の濃度におけるカルシウム塩、たとえば塩 化カルシウムもしくはグルコン酸カルシウムと、 (v)1mMより大の濃度における緩衝剤、たとえばL−ヒスチジンと、 (vi)少なくとも350mg/mLの濃度における二糖類もしくは糖アルコー ル、好ましくは蔗糖もしくはソルビトールとを含有する水性溶液からなっている 。 ヒト血漿から得られる因子VIII濃縮物は、アンダーソン 等、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・サイエンス、USA、第83 巻、第2979〜83頁(1986年9月)により記載されたように数種の断片 化された充分活性な因子VIIIを含有する。最も小さい活性形態は170kD aの分子量を有し、金属イオン架橋により合体された90kDaおよび80kD aの2本の鎖で構成される。 スエーデン国、ストックホルムのファルマシアAB社は組換因子VIII生産 物を開発し、これは治療因子VIII濃厚物における170kDa血漿因子VI II型に相当する。トランケート組換因子VIII分子はr−VIII SQと 呼ばれ、支那ハムスター卵巣(CHO)細胞により血清フリーの培地における細 胞培養過程で産生される。r−VIII SQの比活性は全蛋白質1mg当たり 約15,000 IU VIII:Cである。r−VIII SQの構造および 生化学については、ファルマシアAB社に係るWO−A−91/09122号に 記載されている。 本発明において、因子VIIIは血漿因子VIIIもしくは組換因子VIII のいずれであってもよい。因子VIIIが組換因子であれば、これは全長因子V IIIとすることができ、 好ましくは全長因子VIIIの欠失誘導体である。より好ましくは欠失誘導体は 組換因子VIII SQ(r−VIII SQ)である。この点に関し、欠失誘 導体はB−ドメインの全体もしくは1部が欠損している凝固因子VIIIとして 規定される。 因子VIIIの重鎖と軽鎖との結合はカルシウム(または他の二価の金属イオ ン)の存在に依存する。ここではカルシウムを塩化カルシウム(CaCl2)と して添加したが、たとえばグルコン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウムもし くはグリセプト酸カルシウムのような他の塩も、好ましくは0.5mMより大の 濃度で使用することができる。 本発明は広範な種類の因子VIII生産物につき有利に使用することができる 。すなわち本発明を使用して、既にそのキャリヤ蛋白質すなわちフォン・ウィル ブランド因子(vWf)との結合により安定化された血漿因子VIIIをさらに 安定化させることもできる。しかしながら本発明の利点は、高度に精製された因 子VIII生産物につき一層顕著となる。何故なら、これら生産物は精製度の低 い、たとえばvWfを含有する生産物よりも不安定であるからである。すなわち 、少量のvWfを 含有する或いはvWfを全く含有しない因子VIII生産物は分解する傾向がず っと大である。したがって本発明は、好適には少なくとも2:1、より好ましく は少なくとも10:1、好ましくは少なくとも100:1の因子VIII:C( IU)とvWf:Ag(IU)との比を示す因子VIII生産物につき使用され る。より好ましくは本発明の因子VIII生産物はvWfを含有しない。本発明 の最終薬剤製品における因子VIIIの比活性は好適には少なくとも1,000 IU/全蛋白質mgであり、より好ましくは少なくとも3,000 IU/全 蛋白質mgである。本発明の最終薬剤製品における因子VIIIの比活性は好ま しくは少なくとも5,000IU/全蛋白質mg、より好ましくは少なくとも1 0,000 IU/全蛋白質mgである。 最終薬剤製品における因子VIII活性は10〜50.000 IU/mL、 好ましくは50〜25,000 IU/mL、より好ましくは100〜10,0 00 IU/mLの範囲とすることができる。 本発明は、アルブミンの添加なしに安定化されている因子VIIIおよび因子 IXの最終薬剤製品につき有利に使用される。 以下、各種の炭水化物を含有する水溶液につき安定性データを示すことにより 、限定を意図せずに以下の実施例により本発明をさらに説明する。実験 組換因子VIII SQの作成 組換因子VIII SQ(r−VIII SQ)の作成は、実質的に特許WO −A−91/09122号、実施例1〜3に記載されたように行った。DHFR 欠失CHO細胞ライン(DG44N.Y.)を、r−VIIISQ遺伝子を含有 する発現ベクターおよびジヒドロホレート−レダクターゼ遺伝子を含有する発現 ベクターでエレクトロポレートした。選択培地での選択の後、生存コロニーをメ トトレキセートの段階的増加量における増殖により増幅させた。得られたコロニ ーからの上澄液を個々に因子VIII活性につきスクリーニングした。産生クロ ーンを選択し、これを次いで所定培地における血清フリーの懸濁増殖に適合させ 、最後に大規模発酵過程を行った。所定時間の後に上澄液を集め、下記するよう にさらに精製した。 清澄させた状態調節培地をpH調整し、S−セファロースFFカラムに施した 。洗浄の後、因子VIIIを5mMのCa Cl2を含有する塩緩衝液で溶出させた。 免疫吸着を免疫親和性樹脂で行い、ここでリガンドは因子VIIIの重鎖に指 向するモノクローナル抗体(8A4)とした。カラムに充填する前にS−溶出液 を0.3%のTNBPと1%のオキトキシノール9とで処理した。カラムを平衡 化させ、洗浄し、次いで因子VIIIを0.05MのCaCl2と50%のエチ レングリコールとを含有する緩衝液で溶出させた。 mAb−溶出液をQ−セファロースFFカラムに充填し、免疫親和性工程にて 溶出緩衝液と平衡化させた。洗浄の後、因子VIIIを0.05MのL−ヒスチ ジンと4mMのCaCl2と0.6MのNaClとで溶出させた(pH6.8) 。 Q−溶出液をゲル濾過カラム(スーパーデックス200p.g.)に施した。 平衡化および溶出を、L−ヒスチジンと塩化ナトリウムと塩化カルシウムとポリ ソルベート80とを含有する処方緩衝液で行い(下記実施例1参照)、以下の各 実施例による組成物を得た。 r−VIII SQのバルク材料を最終精製工程から受入れた。因子VIII の活性および不活性成分の濃度を、炭水化物を含有する適する緩衝液での希釈に より調整した。次いで溶液 を無菌濾過(0.22μm)し、分配すると共に溶液を減圧にかけ、次いで不活 性ガスを数サイクルにわたり導入して脱酸素化した。 凝固因子VIIIの活性(因子VIII:C)を色素基質分析[コーテスト因 子VIII、クロモゼニックスAB社、メルンダール、スエーデン国]により評 価した。活性化された因子X(Xa)を、因子VIIIが補因子として作用する 固有の経路により発生させた。次いで因子Xaをスロンビン抑制剤I−2581 の存在下で合成色素基質(S−2222)を使用してスロンビンによる基質の加 水分解を防止することにより決定した。反応を酸で停止させ、pNA(パラニト ロアニリン)の遊離に比例するVIII:Cを試薬ブランクに対し450mMに て光学的に測定した。因子VIII:Cの単位は国際単位(IU)として現され 、これはWHOにより確立されたカレント・インターナショナル・コンセントレ ート・スタンダード(IS)により規定される。方法の相対的標準偏差(RSD )は7%である。実施例1 組換因子VIII(r−VIII SQ)を実験の項で説明 した方法により作成した。実施例で使用した因子VIIIは高度に精製され、す なわち5000IU/全蛋白質mgより大の比活性を有すると共に、アルブミン の添加なしに安定化される。 この実施例における組成物は全て次のものを含有した: r−VIII SQ、IU/mL 125 L−ヒスチジン、mg/mL 3 塩化ナトリウム、mg/mL 18 塩化カルシウム、mM 3.4 ポリソルベート80、mg/mL 0.2 小壜における分配容積は1mLとし、ヘッドスペースは窒素を含有し、pHは 約7とした。 実施例1の貯蔵試験で用いた安定化剤はPh.Eur.品質とした。 実施例2 組換因子VIII(r−VIII SQ)を実験の項で説明した方法により作 成した。これら実施例で使用した因子VIIIは高度に精製され、すなわち5, 000 IU/全蛋白質mgより大の比活性を有し、アルブミンの添加なしに安 定化させた。 この実施例における組成物は全て次のものを含有した: r−VIII SQ、IU/mL 500 L−ヒスチジン、mg/mL 3 塩化ナトリウム、mg/mL 18 塩化カルシウム、mM 3.4 ポリソルベート80、mg/mL 0.2 小壜における分配容積は1mLとした。 実施例2の貯蔵試験に使用した安定化剤はPh.Eur.品質とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),UA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AU,BG ,BR,CA,CN,CZ,EE,FI,HU,IS, JP,KR,LT,LV,MX,NO,NZ,PL,R U,SG,SI,SK,TR,UA,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 凝固因子VIIIおよび因子IXよりなる群から選択される血漿蛋白質の 水性溶液の最終薬剤製品において、少なくとも6か月間にわたり貯蔵した後に該 蛋白質活性を実質的に保持するため該溶液における酸素の濃度を減少させ、およ び/または該溶液が酸化防止剤を含有し、さらに該溶液は少なくとも350mg /mLの濃度の炭水化物を含有することを特徴とする最終薬剤製品。 2. 炭水化物が非還元性二糖類、非還元性糖アルコールおよびその混合物より なる群から選択される請求の範囲第1項に記載の最終薬剤製品。 3. 二糖類が蔗糖である請求の範囲第2項に記載の最終薬剤製品。 4. 糖アルコールがソルビトールである請求の範囲第2項に記載の最終薬剤製 品。 5. 炭水化物の濃度が450mg/mLから最終薬剤製品における通常の条件 下での飽和点に至る範囲である請求の範囲第1〜4項のいずれか一項に記載の最 終薬剤製品。 6. 炭水化物の濃度が550mg/mLから最終薬剤製品における通常の条件 下での飽和点に至る範囲である請求の範囲第5項に記載の最終薬剤製品。 7. 血漿蛋白質活性が、貯蔵後に初期値の80〜120%の範囲である請求の 範囲第1〜6項のいずれか一項に記載の最終薬剤製品。 8. 血漿蛋白質活性が、少なくとも12か月間の貯蔵後に初期値の80〜12 0%の範囲である請求の範囲第7項に記載の最終薬剤製品。 9. 血漿蛋白質活性が、少なくとも18か月間の貯蔵後に初期値の80〜12 0%の範囲である請求の範囲第8項に記載の最終薬剤製品。 10. 不活性ガスをさらに含む請求の範囲第1〜9項のいずれか一項に記載の 最終薬剤製品。 11. 不活性ガスが窒素である請求の範囲第10項に記載の最終薬剤製品。 12. 酸化防止剤がグルタチオン、アセチルシステインおよびメチオニンより なる群から選択される化合物またはその混合物である請求の範囲第1〜11項の いずれか一項に記載の最終 薬剤製品。 13. 血漿蛋白質が、全長組換因子VIIIおよび全長組換因子VIIIの欠 失誘導体よりなる群から選択される組換因子VIIIである請求の範囲第1〜1 2項のいずれか一項に記載の最終薬剤製品。 14. 因子VIII活性が50〜25,000 IU/mLの範囲である請求 の範囲第1〜13項のいずれか一項に記載の最終薬剤製品。 15. 因子VIIIの比活性が少なくとも1,000 IU/全蛋白質mgで ある請求の範囲第1〜14項のいずれか一項に記載の最終薬剤製品。 16. 因子VIIIがフォン・ウィルブランド因子を含まない請求の範囲第1 〜15項のいずれか一項に記載の最終薬剤製品。 17. 血漿蛋白質を水性溶液と混合し、炭水化物を血漿蛋白質溶液に炭水化物 の濃度が少なくとも350mg/mLになるよう添加し、血漿蛋白質溶液を無菌 濾過し、次いで任意の順序で血漿蛋白質溶液をその最終容器に分配すると共に、 血漿蛋白質溶液の酸素濃度を減少させることを特徴とする請求の範囲第 1〜16項のいずれか一項に記載の最終薬剤製品の製造方法。 18. 血漿蛋白質を最後の精製工程から緩衝水性溶液で溶出させ、炭水化物を 血漿蛋白質溶液に炭水化物の濃度が少なくとも350mg/mLになるよう添加 し、血漿蛋白質溶液を無菌濾過し、次いで任意の順序で血漿蛋白質溶液をその最 終容器に分配すると共に、血漿蛋白質溶液の酸素濃度を減少させることを特徴と する請求の範囲第1〜16項のいずれか一項に記載の最終薬剤製品の製造方法。 19. 血漿蛋白質を水性溶液と混合し、炭水化物を血漿蛋白質溶液に炭水化物 の濃度が少なくとも350mg/mLになるよう添加し、酸化防止剤を血漿蛋白 質溶液に添加し、血漿蛋白質溶液を無菌濾過し、次いで血漿蛋白質溶液をその最 終容器に分配することを特徴とする請求の範囲第1〜16項のいずれか一項に記 載の最終薬剤製品の製造方法。 20. 水性溶液における炭水化物の濃度が、450mg/mLから最終薬剤製 品における通常の条件下での飽和点に至る範囲である請求の範囲第17〜19項 のいずれか一項に記載の最終薬剤製品の製造方法。 21. 水性溶液における炭水化物の濃度が550mg/mL から最終薬剤製品における通常の条件下での飽和点に至る範囲であることを特徴 とする請求の範囲第20項に記載の最終薬剤製品の製造方法。 22. 凝固因子VIIIおよび因子IXよりなる群から選択される血漿蛋白質 の水性溶液における長期安定性を向上させるに際し、該溶液が少なくとも350 mg/mLの濃度の炭水化物をさらに含有し、該溶液をその最終容器内に酸素減 少雰囲気下で貯蔵するすることを特徴とする血漿蛋白質の長期安定性の向上方法 。 23. 血漿蛋白質が因子VIIIであり、溶液が少なくとも450mg/mL の濃度の炭水化物を含有し、さらに溶液をその最終容器内に不活性ガス雰囲気下 で貯蔵することを特徴とする請求の範囲第22項に記載の方法。 24. 血友病Aの徴候を有する患者に投与する薬物を製造するための、請求の 範囲第1〜16項のいずれか一項に記載の組換因子VIIIを含有する最終薬剤 製品の使用。 25. 請求の範囲第1〜16項のいずれか一項に記載の最終薬剤製品に含有さ れた治療上有効量の組換因子VIIIを投与することによる血友病Aの処置方法 。
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