JPH11502436A - 超音波プローブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明によれば、溶液を充填したプローブ内に設置された超音波振動子（３０）と出力ポート（２７）の中間に焦点拡散体（４０）が挿入されることにより、発生した超音波の中心部を焦点拡散し、特に強い強度の音波に対しては出力ポート通過後には伝搬限界を有する超音波領域を形成する。ケースは３つの部分（２１，２２，２３）に分割されるが、前方円錐状部分（２１）は出力ポート（２７）を含み、中心部焦点拡散体（４０）は容易に取り替え可能であり、連絡管として超音波装置に接続されている接続管（１２）を介して液体貯蔵タンクから液体をケーシング内に補充できる。更に、装置の出力ポートには薄い膜（１０）、好ましくは取り外し可能な合成ゴムが配設され、ケーシング内の溶液が外部に漏洩するのを防ぐと共に発生した超音波を効率的に伝搬することを可能とする特別な固定手段（１１）が装着される。固定手段は好ましくは円錐状部分上に形成された円形の溝（２５）に嵌め込まれるＯリングガスケットから成る。

Description

【発明の詳細な説明】 超音波プローブ 技術分野 本発明は、超音波プローブに関し、より詳しくは、例えば、医学分野への応用 を可能にするために、電気的超音波領域を形成すると共に、出力する超音波領域 を制限する超音波発生器用拡散装置に関する。 先行技術 緑内障の治療に関連して、眼を直接的に外科手術することなくこの疾病を治療 したいという一般的な要望がある。緑内障の疾病において、小粒子が徐々にフィ ルターを詰まらせ、線維柱網と呼ばれる組織を形成し、眼の水様液が自然には排 出されなくなり継続的に堆積される結果眼圧が増加し、やがて眼に悪影響を及ぼ す。各種の目薬を使用することによる通常の治療法は別として、緑内障の治療用 に開発された様々な器械に関する特許文書が数多くある。例えば、その中には、 ＷＯ ９１／１２０４６およびＷＯ ９３／２０７８３があり、これらの特許は 、排出装置を眼に移植し、眼圧を人工的に制御するというものである。数多くの 文書、例えば、Ｕ．Ｓ．特許Ｎｏ．４，９２８，６９７および４，９４５， ９１３は、直接に眼に接触することなく眼圧を測定する装置について記載してい る。更に、他に、望ましくない細胞を取り除くために眼の外科治療に応用される 超音波プローブからなる装置を記載する文献もある。前記装置の例としては、Ｕ ．Ｓ．特許Ｎｏ．３，５２８，４１０，Ｕ．Ｓ．特許Ｎｏ．３，８５７，３８７ およびＵ．Ｓ．特許Ｎｏ．３，９４２，５１９がある。 最近提案された新しい方法としては、特別に設計された弾性波強度分布を発生 させる超音波の手法を用いたものであり、具体的には眼の外部から眼の水様液の 排液路を詰まらせている粒子を粉砕するというものが、最近提案されている。こ れを達成するためには治療中に眼の他の部分に影響あるいは損傷を与えないよう に、適切な超音波領域を線維柱網の周りだけに集中して作り出すことが出来る超 音波プローブが必要である。 数多くの様々な公知の超音波発生器がある。このような発生器の例として、例 えば、ドイツの特許文書がある。（ＤＥ ９４５ ４１７，ＤＥ−１ １２０ ７８４，ＤＥ−４ ００１ ０１７，ＤＥ−４ ０３４ ５３３，ＤＥ−４ １ ２２ ５９０および、ＤＥ−４ １３６ ００４）。これらの発生器のうち最初 のものは、（ＤＥ ９４５ ４１７） は、既に、１９５６年に開示され、最後のものは、（ＤＥ−４ １３６ ００４ ）は、１９９１年に開示された。ＤＥ ９４５ ４１７は、定常波の発生を減衰 することができるように、好ましくは、フェルト材質を使った吸収カバーの実施 例を開示している。ＤＥ−１ １２０ ７８４は、超音波の波動を発生器から媒 体に伝播するために、例えば、チタン酸バリウムといった電気機械活性セラミッ ク材質を使った膜を開示している。 ＤＥ−４ ０１１ ０１７は、２辺の衝撃波供給装置を配設した集束衝撃波発 生装置を開示している。供給源は、異なる種類であり、供給源をお互いに関連し て動かすことにより、集束する。 最後の３つの内、（ＤＥ−４ ０１１ ０１７，ＤＥ−４ １２２ ５９０お よびＤＥ−４ １３６ ０４４）、ＤＥ−４ ０３４ ５３３は、集中ゾーンと して機能する凸レンズに発生した圧力パルスを集中するような衝撃波供給装置を 開示している。この装置では、凸レンズの上面は、出力音表面を形成し、圧力パ ルスの集中に必要な形状とは異なる形状をとっている。 ＤＥ−４ １２２ ５９０は、追加的に、集中装置を配設した衝撃波発生器を 開示し、そのなかで、同時に、調整可能である拡散機能を有する装置が記 載されているが、前記集中装置の機能ほどは重要視されていない。開示されたデ ザインは、主に、腎臓結石を砕くように意図されており、その目的は、大きな結 石をも何とか粉砕するためにかなり大きな集中ゾーンを形成することである。提 案された方法によるデザインは、眼の治療には適用出来ない。 最後にＤＥ−４ １３６ ００４は、液体レンズが焦点距離を調整し、音波の 焦点を動かす音波発生器を開示している。更に、開示された本設計は、複雑な構 造であり、提案された方法では、眼の治療用には適さない。 発明の説明 本発明では、適切な超音波領域（ｕｌｔｒａｓｏｕｎｄ ｆｉｅｌｄ）を形成 出来る超音波装置を開示する。前記装置は、例えば、緑内障の治療に対して提案 された方法に適用可能であり、敏感な眼の他の部分に影響、あるいは、害を及ぼ す事なく、前記装置を眼の線維柱網に直接指向する事ができる。 本発明の第一義的な目的を説明すると、本体（ｂｏｄｙ）は超音波水晶振動子 と出力ポートとの間の前記装置の液体充填部分に挿入されており、発生した超音 波の中心部を焦点拡散（ｄｅｆｏｃｕｓ）し て、限定された超音波領域を形成し、主に強い強度の音波の出力ポート通過後の 伝搬領域を制限する。 本発明の第二番目の目的を説明すると、ケーシング（ｃａｓｉｎｇ）は、いく つかの部分から構成されており、前向きの前方円錐部分は出力ポート及び音波を 中心部で焦点拡散する本体から構成され、容易に取り替え可能であって、プロー ブ内の液体は連絡管としてプローブに接続されている接続管を通して液体貯蔵容 器から補充される。 本発明の第三の目的を説明すると、出力ポートに薄い取り替え可能な膜、好ま しくは、合成ゴム（ｌａｔｅｘ ｒｕｂｂｅｒ）で作られた膜を配設し、それに より、適切な固定方法を用いて液体が漏洩しないように固着すると同時に、発生 した超音波を効率的に伝播出来るようにしてある。この固定方法は、Ｏリングガ スケットを円錐部分に配設された円状の溝に嵌め込むことから成る。 本発明の他の目的および効果は、従属クレーム５−８で記載する。 図面の説明 本発明を、添付する図面を用いて、好ましい実施例の形で説明する。同添付図 面において、同一の参照記号は、数多の図面中の同等部分を示すものであ る。 図面１ 本発明の超音波プローブの実施例である。 図面２ 図面１の超音波プローブの分解断面図である。 図面３ 本発明の焦点拡散体の実施例の正面図である。 図面４ 超音波プローブの調整装置の拡大断面図である。 実施例の説明 図１は、本発明の超音波プローブの実施例である。本プローブは、一括して参 照番号１として図示されているが、このプローブは、図２に示すように３つの部 分から構成されるケーシング２、前方円錐部分２１、接続管１２を配設されてい る中央部分２２、および同軸ソケット好ましくはＢＮＣソケットから構成される 後方部分２３から構成されている。前方円錐部分２１は、追加的に、Ｏリングガ スケット１１を嵌め込むために、その円錐の外側表面に円状の溝２５が配設され ている。Ｏリングガスケットを使用して、好ましくは、コンドームの一部で構成 された膜１０を所定の位置に固着し、前方円錐部分の前方開口部２７を弾性的に 閉じる。 ねじ切りして後方部分に嵌め込まれている中央部 分２２には超音波水晶振動子３０が挿入されており、その中心部はスプリングで バイアスされた導通性のプレート３１を接触させてあり、該スプリング３２は電 気的に導通するようにＢＮＣソケット１４の中央ピンに連結されている。 中央部分２２に配設された接続管１２は適切な弾力のある管により、好ましく は蒸留水を貯蔵する、液体貯蔵容器（図示せず）に連結されている。 このように、組み立てられた装置の部分２１および２２は水晶振動子３０によ り電気的に発生させられる超音波の伝播媒体として機能する液体で充填されてい る。開口部２７を覆う極めて薄い膜１０は、液体の漏れを防止する一方、発生し た超音波が開口部２７を通して膜に接触している外部の媒体に伝播するのを妨げ ない。 水晶振動子３０は、好ましい実施例において通常約０．５から０．９ｍｍの厚 さを有し、中央部分２２において円錐部分２１を指向する面の外側の端部が、わ ずかに傾斜し水晶振動子に適合するようにしたフランジ３３に接触して取り付け られる。フランジ３３は、水晶振動子の円錐部分に向いた面と導通してＢＮＣソ ケットのアウタースリーブと接続するように配設される。フランジ３３はまた装 置内での水晶振動子３０の中心位置を設定する。電気的接続 と同時に水晶振動子３０の背後の空間に液体が入らないように封水性も持ち合わ せた導通材質を使用する。 例えば、本超音波プローブの実施例では、好ましくは、ナイロンあるいはテフ ロンリング（図示せず）をＢＮＣソケットに面する側の水晶振動子３０の円周端 に適切に取り付け、強い螺旋状のスプリング（図示せず）を使って、リングを水 晶振動子３０に対して押しつけ、リングの外径を後方部分２３の内径に等しくす る。この後者の方法により、水晶振動子は作動中に確実に所定の位置に固定され 、液体が最後部の空間に漏れ出すことはない。この最新技術ではやがては漏れ出 すであろう湿気は、水晶振動子３０に電力を供給する電子装置で検知する。 追加的に、好ましくはゴムで構成された本体４０の中心を円錐部分２１の内部 に中心線を合わせて配設する。図示する実施例では、本体４０の形状は先端に丸 みを有する円錐形であって、３本のビーム４１により円錐部分２１内で芯合わせ を高精度で行う。図示する実施例では、ビーム４１は薄い注射針から成り、本体 ４０に面する端部に小さなスペーシング・リベットをハンダ付けしてあり、この リベットにより、ビームが事前に設計されている本体４０の締めつけ穴にどのく らいの深さで挿入されているかが 明確にされ、芯合わせが正確に出来る。開示した本実施例では、３本のビーム４ １の他端は、円錐部分２１の内壁に取り付けられる。 円錐部分２１は、ねじ切りをして中央部分２２に取り付け、図４に拡大図で示 すように卵型の断面を有するＯリングガスケット５０によって二つの部分２１お よび２２の連結部分を密封する。Ｏリングガスケット５０の断面が卵形に形成さ れているのは、円錐部分を正確に調整しうることによって水晶振動子３０に対す る本体４０の相対位置を正確に調整することにある。Ｏリング５０の卵型の断面 が卵型をしていることで、十分な密封性能を保持しながら部分２１と部分２２と の間で約１ｍｍの位置変動が可能となる。図２および４において、参照番号５１ は円錐部分２１のためのクリアランスを示す。 図示した実施例の装置を使用するに際して、円錐部分２１が取り替え可能であ り、例えば、異なる長さのものあるいは異なるサイズの出力ポートあるいは異な る本体４０を取り付けることも出来る。本発明の実施例では、円錐部分２１の開 口部２７は、円錐部分２１の縦軸に対して約１０−１５度（図２には示せず）傾 斜されており、装置を容易に眼の線維柱網の中間面に配置できる。装置を使った 特殊な手術には開口部２７の傾斜をより大きくした方が有利 な場合もある。使用前に部分２１をケーシングの本体に組みつけ、液体連結管を 液体貯蔵容器、例えば蒸留水あるいは塩水（ｓａｌｉｎｅ）で充填したプラスチ ック袋に繋ぐ。このような液体袋は、当該技術分野では公知である。液体袋に対 して装置１を適当な高さに保持することにより液体を装置１に注入する。前記装 置は、好ましくは前記装置が完全に充填されたときに液体が開口部２７を通して 押し出されるように開口２７を上向きにして保持すべきである。上述したように 、適切に高さを調整することにより液体の表面張力を利用して液体を部分２１の 排出口まで注入し前記装置のエア抜きを行う。この時点で、合成ゴム、最も簡単 な場合にはコンドームを開口２７に被せ、適切なＯリングガスケット１１を上方 向に転がしながら、円錐部分に形成した溝２５に嵌め込むことにより前記合成ゴ ムを円筒部分に固定する。 この段階で、前記装置は使用可能となるが、使用前に、治療を行う線維柱網中 間面に超音波が伝播しうるように、円錐部分２１の先端にゲルを塗布することが 好ましい。 前記装置を緑内障に関する治療に使用する場合、ゲルを塗布した先端を注意深 く線維柱網の中間面に合わせ、水晶振動子３０に電力を供給して超音波領 域を形成するが、現行の技術水準によれば、そのエネルギーは０．６から１ｍｍ 程度の領域に限って眼のなかで活性を持つことを目安とする。更に、プローブ１ を注意深く線維柱網に沿って虹彩の回りに動かす。 以上述べたように、本発明による前記円錐部分の形状および前記本体４０の形 状および前記水晶振動子３０の前面における前記本体の中心位置の組み合わせに より、眼部の極深部に伝搬して害を及ぼしうる直接音波が開口部２７から眼部に 伝搬することを制限され、所望の能動的超音波の有効伝搬領域が実現する。超音 波の伝搬領域の形態に対する医学的な要件に基づき数多くの標準部分２１が製造 され得る。 本発明の超音波装置は、当然のことながらここに添付した請求項で請求するこ の発明の精神と範囲から外れることなく、当業者により種々に変更することがで きるものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 スヴェドヴェルグ、ビョルン スウェーデン国 エス−752 39 ウプサ ラ カールスロガータン 42

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内部空間の一部において電気超音波領域の伝搬を可能とするための液体を含 んだケーシング（２）の内部に取り付けられた超音波水晶振動子（３０）を備え 、前記超音波領域がソケット（１４）を通して接続された電源により駆動される 前記超音波水晶振動子によって発生されるようにした中心部が制限された超音波 領域を発生させる装置において、 プローブ（１）の中の液体が充填された部分において前記超音波水晶振動子（ ３０）と出力ポート（２７）との間に本体（４０）が挿入されることにより、発 生した前記超音波領域の中心部の焦点を拡散させ、主に強い音波強度に対して前 記出力ポート（２７）通過後の伝搬範囲が制限された超音波領域を形成すること を特徴とする超音波発生装置。 ２．前記ケーシングはいくつかの部分（２１，２２，２３）に分解でき、前方円 錐部分は前記出力ポート（２７）と前記中心部焦点拡散体（４０）とを含み容易 に取り替え可能であって、前記ケーシング内の前記液体は連通管として前記装置 （１）に接続されている液体貯蔵容器への接続管（１２）を通して補充されるこ とを特徴とする請求項１記載の装置。 ３．前記装置の出力ポートは薄い膜、好ましくは取り替え可能な合成ゴムを備え 、溶液の外部への漏出を防ぐと同時に発生した超音波を効果的に伝搬することを 可能とする固定手段(１１)によって前記膜が固着されることを特徴とする請求項 ２記載の装置。 ４．前記固定手段（１１）はＯリングガスケットから成り、円錐部分（２１）上 に配設した円状の溝に装着されることを特徴とする請求項３記載の装置。 ５．前記ケーシングの前記円錐部分（２１）と中央部分（２２）との間の接続は 、前記出力ポート（２７）と前記超音波振動子（３０）との間の距離を一定の微 調整することを可能にする密封手段（５０）によって提供され、前記部分（２１ ，２２）の間を相互にねじ切りによって結合したことを特徴とする請求項２記載 の装置。 ６．前記超音波発振子（３０）は、能動的に駆動される前記超音波発振子の電極 への電気的接続部を含む後部空間への流体の漏洩を防ぐための防水的な結合処理 が施されてケーシングの前記中央部分（２２）に圧接されることを特徴とする請 求項２記載の装置。 ７．発生した前記超音波の中心部を焦点拡散させる前記本体（４０）は、安定し た薄いブーム（４１）により正確に中心に取り付けられ、前記ブームの他端は前 記円錐部分（２１）の内面に取り付けたことを特徴とする請求項１記載の装置 ８．前記本体（４０）は、好ましくはゴム製であって先端部が丸みを持つ円錐体 または球体からなることを特徴とする請求項１記載の装置。 ９．前記円錐部分（２１）の前記出力ポート（２７）を構成する開口部は、前記 円錐部分の縦軸に対して角度をつけられており、治療中に前記装置を眼の線維柱 網の中間面に容易に設置出来るように前記装置を傾斜させた位置に保持しうるこ とを特徴とする請求項１記載の装置。 １０．緑内障疾病に関連して、外部に適切なゲルを塗布した前記装置の前記膜を 眼の線維柱網の部分に接触させ、超音波により眼の水様液排水管を詰まらせる小 粒子を粉砕することへの請求項１から９に記載の装置の応用。